昔リゾートホテルで仕事してたときの話。

当時は夜勤が多かった。昼13:00から翌日の昼13:00までの24時間拘束。夜中3時から6時までの約3時間位は仮眠室で寝る事ができた。
夜勤はもう1人の相方と、夜中だけ勤務のアルバイトさんの、3人体制だった。
私は当時デスクって呼ばれてる、客室ごとの精算額を割り出す業務をしてたんだけど、その日は稼動が高くて仕事がなかなか終わらなかった。
夜中3時になってもまだ残ってたので、相方に先に仮眠を取ってるよう、うながして残務処理を続けた。
3時半位にやっと片付いたので、仮眠室に向かった。
作業してた場所から仮眠室まではそんなに距離はないけど、まっすぐ廊下がある。
いつもはその廊下も電気が付いてるんだけど、たまたまなのか、仮眠室の前だけ電球が切れてて薄暗かったのを覚えてる。
仮眠室に付くとドアが開いてた。薄暗いのを考慮して相方が開けててくれたんだろう。
中を覗く。

それは居た。

仮眠室の両脇のベッドとベッドの間、30cmくらいの足場に立ってる。黒いモヤが人型になっててフラフラしてるように見える。私は霊感がないので、最初は疲れてるのかな?くらいにしか思ってなかった。
そんなことを思ってたらその「人型の何か」は相方に覆いかぶさるような動きを見せてそのまま消えてしまった。その瞬間、眠っている相方が寝返りを打ち、
「なヒj'山はda@8あたt」(はっきり聞こえたわけではないけど、少なくとも馴染みある日本語ではなかった)と寝言を言い、首をガシガシ引っ掻き始めた。
ちょっとヤバい?と思ったけど、面白い動きだったのでニヤニヤして相方を見てた。引っ掻きは1分くらいで止まったのでそのまま私も眠った。
翌日、その相方にかいつまんで夜中の出来事を説明したら、「なんで起こしてく(ry」と案の定怒られた。
聞くと凄く不快な夢を見ていたらしいが、朝起きると凄くスッキリした気分になったと。途中からいい夢に変わったって言うから、もしかしてあの「人型の何か」は夢を喰う「バク」だったのか?なんて思ってる。