【リレー小説】腹のゆるい透明人間、黒田権蔵
2050年、東京都の黒田研究所では日夜、所長黒田権蔵による研究が行われていた。
黒田は腹がゆるくしょっちゅうトイレに行ってはいたが研究は順調だった。
ある時黒田は透明人間になる薬を発明し、それを自分で飲んだ。
その瞬間から黒田は透明人間になったのであった。 マウスマン「黙ってついて来い」
そう言って一行は和歌山県のとある遺跡に来ていた。
マウスマン「ここにはお宝がたくさんあるって噂だ。ほれっ」
と言ってスコップを渡して土を掘り始めた。
黒田「ん?石碑がたくさんあるな…ここ墓地じゃないか?」
キャットウーマン「あたいらは墓荒らしってわけね!情けない」
ガコンッ
マウスマン「おっなんかあるぞ?」
出てきたのは後頭部が肥大した頭蓋骨だった。
マウスマン「なんだゴミか。」
ぽいっ…バキッ
すると地響きが鳴り響き遺跡が崩壊し始めた。
そしてマウスマンの背後にはいつの間にかぬらりひょんが立っていた。 ぬらりひょん「初めまして、私こういう者です」
ぬらりひょんは名刺を差し出した。
「株式会社墓場ホテル課長 脱裸理 火四」 マウスマン「ここで働けば大儲け間違い無しだぜなあ、ここにハンコを押すだけだぜ、ポチッとなポチッと」
キャットウーマン「ダメェ〜」
マウスマン「うるせえ、この売女ネコ女!」 キャットウーマン「なんやとワレ!」
キャットウーマンはマウスマンの口の中に鉄拳を叩き込んだ。
マウスマン「ゲバァ、歯がぁ」
キャットウーマン「お前の歯は全て破壊した。入れ歯でも入れるがよい」 マウスマン「ほざくな復讐してやる。さあ殺してみろ!だが忘れるな。死んで呪ってやる。内蔵を引き裂いて地獄にひきずりこむぞ。地獄の第三の扉やわ黒魔術で開いてやる。黒魔術から逃れることはできん。お前は死ぬ定めだ!」 キャットウーマン「言いたいのはそれだけかい?じゃあなネズミ野郎」
キャットウーマンのヘルクローがマウスマンの心臓を貫いた。
黒田「おい、やりすぎとちゃうか?」
キャットウーマン「バカね、!あんたは何回コイツに騙されたらわかるのよ?それよりお腹が空いちゃった。ご飯食べに行こうよ。美味しいネコマンマのお店知っているのよ」 黒田「オマエ乱暴だから行かない」
キャットウーマン「なんやと?ワレ」 キャットウーマン「オマエはアタイを怒らせた!フォーッ」
怒りに我を忘れたキャットウーマンはキャットクローで黒田をスライスにした。
黒田「ビギっ!」
キャットウーマン「はっ、私は何てことをしてしまったんだ、黒田を殺してしまった・・・」
キャットウーマンは黒田を殺した償いをするために旅に出た。
キャットウーマン「どこに行こうかしら、とりあえずロシアにでも行きましょうか」 ぴゅうと風が吹き、黒田の死骸の上に飛んできたチャンチャンコが被さった。
すると、スライスされた肉片がモゾモゾと集まり黒田は甦った。
黒田「あのクソ猫がぁ!」 黒田はIT企業に乗り込みエンジニア達を拉致した。そして全世界の監視カメラをハッキングしてキャットウーマンを探すために24時間監視する事にした。 「うわっなんだあれ」
「ぷーくすくす」
黒田「なんだよ、みんな俺を見てビビるっていうか笑いやがって。顔に何かついてんのか?」
黒田は不審に思い鏡を見た。
黒田「な、なんじゃこりゃ!」
スライスされた部品はくっついていたが、順番がバラバラだったのである。顔は目と口が反対に、身体は乳首とヘソが反対にといった感じで、もちろん手足も同様である。
おまけに左手の先にはチンコが付いていた。
黒田「サイコガンかよ・・」 キャットウーマン「テメーオメー生きとったんかいワレ」
キャットウーマンは黒田を微塵切りにしてハンバーグにした。
キャットウーマン「これでニャン太郎のお土産ができたわ❤」 キャットウーマン「にゃん太郎〜ご飯よ〜」
にゃん太郎「うにゃ〜パクパク……。ぺっ!糞臭いにゃん!」
そう言うと、にゃん太郎は家を飛び出し二度と帰って来なかった。 そもそも存在しなかったのだ。
そう、キャットウーマンは幻覚を見ていた。
マウスマンの黒魔術によりキャットウーマンは幻覚、幻聴、吐き気、下痢、腹痛に苛まれていた。 キャットウーマン「おのれ、ぬずみ野郎!目にもの見せてやらいでか!」
キャットウーマンは密教の秘術である呪詛返しを唱えた。
キャットウーマン「オンバラバラチンチンマンマンオッピロゲェーキェー!」 マウスマン「パルスのファルシのルシがパージでコクーン!」
なんと、キャットウーマンの呪詛返しが返されてしまった。
キャットウーマン「ぎゃあ!」 キャットウーマン「人生落ちるとこまで落ちた私にゃこんなの屁でもないさね」
キャットウーマンはキャットカーに乗り込むとマウスマンに突撃した。
キャットカーとはネコ王国か作り上げた最終兵器である。8万トンのボディから繰り出すパンチはどんな装甲をも貫き、最高速度はマッハ4、ジャンプ力は9000メートルを超える。 しかしガソリンが切れて8万トンのゴミと化した。原油価格は高騰しており1バレル100万ドルを更新。キャットウーマンはガソリンを探す旅にでるのであった。 その間にマウスマンはキャットカーを分解、改造、小型化を施し、クールなマウスカーに作り替えていた。
マウスマン「これからはカスタムEVの時代さ」
そう言うと充電を終えたマウスカーに乗り込み荒野に消えた。 突然キャットカーは爆発した。
無理な改造がブラックボックスの防御回路を発動させたのだ。
キャットカー「テキタイテキカイゾウシャハイジョシマシタ」
キャットカーは荒野を走り去った。
ブロロロロロロロロロロー めマウスマンは残りの残骸からマウスカー2を完成させた。 マウスマン「いっけー流星号!」
材料が足らずミニ四駆駆になった。 いつしかマウスマンはミニ四駆のチャンピオンになっていた。
実況「ああーっと、またまた優勝は流星号だー向かうところ敵無し、流星号の優勝を阻止できる者は現れないのか?」 黒田「ちょっと待ったーっ!」
実況「おーっと、なんと飛び込み参戦の男の手にはタミヤのブラッキー号が握られているぅ!!」 実況「あーっとブラッキー号が流星号の前に出たぁ!」
黒田「マウスマン優勝は俺のものだ!お前の天下もここまでだ!」
マウスマン「そうかな」
マウスマンはそう言うと指を鳴らした。
マウスマン「流星号チェンジブラッディモード!」
すると流星号のホイールかと正面からドリルが出現した。
ガリガリガリガリガリガリギャリー
黒田「なっ」
実況「あーっと、流星号ドリル攻撃だ!これはレギュレーション違反じゃないのか!?」
黒田「ああっブラッキー号が・・・貴様卑怯だぞ!」
マウスマン「卑怯だと?そんな甘いことを言っているから、お前は万年敗者なのだ!どんな手を使っても勝てば良いのだよ勝てばなあァァッ!」
グワラグワッシャー
実況「あーっっとブラッキー号が砕け散った!試合継続不可能!再起不能だ!」
マウスマン「黒田よお前は優し過ぎたのだ。争いのない世界へ行くがよい」
そう言うとマウスマンは黒田を斬首した。 黒田の首は勢いよく転がった。毛根が無いので摩擦ゼロで加速を失わなかったのだ。
黒田の生首がマウスマンの機体より速くゴールインした。
審判「むむ!ルールには先にゴールラインに達した者が勝者とある…うーん生首か」
協議の結果黒田が勝者になった。しかし歓声は静まり返っていた。 ジャッジ「勝者死亡にて優勝はマウスマンとなりました」
歓声が湧き上がった。 マウスマンは黒田の首を掲げて歓声に応えた。
観客「マウスマン!マウスマン!マウスマン!マウスマン!」
アナウンサー「これで世界武闘会の優勝者はマウスマンに決まりました。しばらくはマウスマンのチャンピオンの座は安泰でしょうか?」
解説「そうなりそうですね」 その時、黒田の首はカラカラと笑うと、関東を目指して空高く飛び去った。 マウスマン「フン!」
マウスマンは槍をなげた。槍は黒田の目玉を貫きビルの壁に突き刺さった。
黒田「ちくしょう!」
マウスマン「逃げるとは落ちるところまで落ちたな。恥を晒してまで生きようとする姿、見るに耐えん」
そう言うとマウスマンはネズミュゥム光線で黒田ヘッドを焼き尽くした。 「やっと見つけたよ!このネズミ野郎!」
マウスマン「お前はキャットマスク!」 キャットマスクは左肩に目玉が5個くらい付いており、右肩は肥大化して指が10cmも伸びて、先端が骨のように硬く尖っていた。さらに上半身は張り巡る血管が露出しており、あらゆる臓器が鼓動していた。さらに顔の半分の筋肉が露出しており見るも無残な化け物だった。
キャットマスク「お前が世界武闘会の優勝者か…笑わせるぜ。俺はパワーを得るために代償を払った!お前ごときに負けん!!」 しかしマウスマンのネズミュゥム光線でキャットウーマンは肉を焼かれてしまった。
黒田「現れた方の気が小さくなった!?」
──2匹が戦っている間に黒田は身体の再生を終了させていた。
黒田「力がみなぎってくる…すまん、今行くぞ!」 ジジジジ…
マウスマン「おや?670ベクレルだと!?」
マウスマンの腕に搭載していたガイガーカウンターが反応した。
黒田「さてと…続きをやろうぜ〜。」
マウスマン「お前…被曝してるな」
黒田「?」
黒田の皮膚は溶け始めた。 黒田「カラダもってくれよ!
三倍セシウム拳っ!!」
ネズミ男「な、何ざんすかー!!?」 マウスマン(通称:ネズミ男)は圧壊して爆縮した。
肉片が辺りに飛び散り汚染された。
さらに放射性物質は風に乗って周辺の地域に拡散した。
高濃度の放射性物質で汚染された世界武闘会会場周辺は居住が不可能になり、約16万人が移住を余儀なくされた。
こうして世界武闘会は幕を閉じた。 黒田「バイバイ、みんな……」
そう呟くと黒田の身体は跡形もなくかき消えた。 1週間後、透明薬の効果が切れた黒田であったが、体は萎びて殆ど食べる事も出来なくなり、薬を飲まなくても皮膚は軟弱で透明になり、骨に付いた肉が見えていた。
薬の副作用であろうか、黒田の体は痩せ細り、髪は抜け落ち、さまよえる死体さながらの見た目である。
最早まともに栄養を摂取する事も出来ず、絶え間なく強烈な飢えに苛まれ、目に入るものを手当たり次第に攻撃するようになっていた。 ジャーン!ジャーン!!(銅鑼の音)
見張り「来たぞー!黒田だーっ!」
町人「うわー!皆んな家の中に入れー!」 黒田はフライドチキン店に押し込み、客が慌てて投げ捨てたフライドチキンを貪り食った。
チキンのあばら骨が口内に刺さった。
黒田はつぶやいた。
「鶏肋…」 刺さった肋を放置したせいで口腔内が腐った黒田は、フライドチキン店への復讐を企んでいる。
チキン店の前の植え込みに身を潜めているうちに草木に身体を侵され始め、皮膚がすっかり泥や葉、小枝や小石に変わってしまった。
その変化の途中で知能と意思を失い、今は目的もなくチキン店の隣にある大きな公園の森や林を走り回っている。 助手「先生こんなところに奇妙な生き物かいます」
教授「どれどれ、むうぅ、これは新種かもしれませんな。とりあえず持ち帰って解剖してみましょう」 黒田「ギュエーッギュギュ」
教授「よしよし今楽にしてやるからな」
教授は工具箱からドリルを取り出した。 教授はドリルを黒田のケツ穴にぶち込んだ。
黒田「ギッギギギギャ〜ッ