タイトル『選択』


「なんなんだここは」

四隅に白の支柱、壁は黒く染まっている。
ホテルの一室程度の広さ、その奥に白い眼をした石像が建っていた。女神を模した像だろうか、やけに目を惹かれる。


「ここは運命の選択を執り行う儀式の場です。貴方は先日、銃で撃たれて4にました」

突然、石像は言葉を吐いた。

あぁそうだ、俺は4んでいた。ライバル企業の重役に撃たれ……よく考えたら頓痴気な4に方だ、社長にまで上り詰めたというのに……とすると、ここはあの世ということか。

「貴方は今から未来を決定する選択を行ってもらいます。『地獄』か『天国』か、どちらかを選択してもらいます」

かなり奇特な質問だな。地獄か天国かなんて、誰でも天国を選ぶに決まってるであろう。誰が好き好んで地獄を選ぶ?
余程のいかれた人間か、好奇心旺盛な研究者かだろう。

「無論天国だ」

「本当によいのですか?」

「何を言ってる?当たり前だ、好き好んで地獄に行くものか」

「地獄でかなりの成功を収めていましたので、そちらの方が都合がいいかと思いまして」