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383コメント486KB
ざくざくアクターズ SSスレ [転載禁止]©2ch.net
0002創る名無しに見る名無し
垢版 |
2015/02/24(火) 14:34:26.57ID:0QCRwTm9
SSというか向こうはフリゲ厨やら比較厨やらそれ以前の初心厨が迷い込むから
普通のレスもこっちでしたほうがいいかもしれんね
0003創る名無しに見る名無し
垢版 |
2015/02/24(火) 16:48:10.30ID:wD3A9zAT
気持ちは分からんでもないがここは「創作発表板」だから
避難所的に雑談で使うのは板違いのマナー違反になっちゃうと思う

まあ今後主旨通りにSSが投下されて賑わうかって言われると何とも言えんが
0004創る名無しに見る名無し
垢版 |
2015/02/25(水) 11:11:03.43ID:JmgxX1A7
まあでものんびり過ごしてたほうが話の種も出てくるでしょ
自由な発想そのものを禁止しないためにも、あっちみたいにすぐ話題に噛み付かれる状況は
マイナスなだけだと思うし、雑談もネタ出しのアイドリング状態と思えばいいんじゃない?
0007創る名無しに見る名無し
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2015/02/26(木) 19:39:54.56ID:v4i+poCD
つーか隔離的に立てたスレだろうし
もし>>2がSS投下すんなって言ってた側だったら、ここを雑談にも使おうってのはおかしい
0009創る名無しに見る名無し
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2015/02/28(土) 05:58:03.95ID:mcXSEe+z
---------------------------
↑ここまでSSの投稿無し

しかも向こうで未だに妄想小説垂れ流してるし本当に無駄なスレだなここ
0010創る名無しに見る名無し
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2015/02/28(土) 13:56:33.12ID:Ap1ntRlk
SS途中まで書いたが書く気失くなったのでオチだけ書いて供養する
3つあるけど3番目のは誰かのレスのアイデアをパクった

ああ私の首は天国にあったのか(デルフィナ光に包まれながら)
少年よ、今は首が無い為私から伝える事はできなんだが、そなたを天国から見守る事はできよう
〜〜〜
この世界にたったひとりぼっちになった雪乃
一緒に吸い込まれた雪だるまだけが心の拠り所だった
その雪だるまがデーリッチに蹴られる
デーリッチ「爽快でちね。友達になるでち」
〜〜〜
異世界のかなづち妖精との交信を元に作った大きすぎるかなづち大明神
実はかなづち妖精と同じ大きさだった
つまりデーリッチの世界は小人の集まりだったのだ
(ゲートの穴は、特殊でガリバートンネル(スモールライトと同じ効果のやつ)のようになってる)
0011創る名無しに見る名無し
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2015/03/01(日) 11:25:58.64ID:waEo5Bsv
ジェネレーションギャップって奴なのかもなぁ
らんダン全盛期はSSが上がるなんて作品語る上じゃ名誉だったけど
同じ感覚だと今の時代の新参には理解出来ないんだろう

ここも向こうも廃れるしかないんだようなぁ
>>9みたいな醜い生物が湧くんなら
0012創る名無しに見る名無し
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2015/03/01(日) 18:25:21.27ID:XbMr3k9v
SSの好き嫌いに世代は関係ないと思うし単に住民層の違いだろ
同じ作者のゲームでも結構住人層違うように思えるしな、らんダンスレとざくアクスレって

まあどの道攻略情報とか話したい人にとっては邪魔以外の何物でもないだろうし
やっぱりSSはこうやって専用にスレ立ててやるべきだと思うよ
普通のゲームのスレでも大抵そうしてるしね
0013創る名無しに見る名無し
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2015/03/02(月) 08:14:21.35ID:6bjH03SG
監視
0014創る名無しに見る名無し
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2015/03/03(火) 10:46:27.12ID:RCzwMt9A
クラマ「あれ?アルフレッド先輩浮かない顔してますね?」
アナルフレンド「クラマか…いや、ちょっとね…」
クラマ「俺でよかったら相談に乗りますよ」
アナフレ「ありがとう、聞いてくれるかい?」
クラマ「先輩のそんな顔見てられませんからね!」
アナル「実は最近ベルくんが僕と距離を取ってるみたいなんだ…」
クラマ「そういや最近マーロウさんやマッスル兄貴と居ること多いですよね」
アヌス「漢らしくなりたくて特訓しているらしいんだけど…さ」
クラマ「あの二人なら師匠としても申し分ないですしね」
穴「でも戦闘に関しては僕だってプロフェッショナルさ、事アンデット相手にするならば誰にも負けないし…」
クラマ「同じ獣人ってのもあるんじゃないですあかねぇ…身体能力的に真似がし易いでしょうし」
ケツ「でももう3週間も会いにきてくれないんだ…もう僕のファーントじゃ物足りないんだろうか…」
クラマ(…なるほど、特訓とはいえいつもAファーントでつつかれちゃたまんないよなぁ)
クラマ「武器を使わない格闘術の稽古を付けてあげればいいんじゃないスか?対アンデット向けの」
肛門「え?」
クラマ「え?」
菊門「なんで僕がベルくんに戦闘を教えないといけないんだい?」
クラマ「なんでって…最近ベルくんが先輩の特訓を受けてくれないって話ですよね?」
括約筋「違うよ、最近デートしてくれないって話だよ」
クラマ「え?」
ケツマンコ「え?」
クラマ「…先輩とベルくんってそういう関係っスか?」
アナルビーズ「あぁ、言ってなかったっけか。つきあいはじめてからもう半年かな」
クラマ「さっきの先輩のファーントってのは…」
ANAL「もちろん僕のこれ→ωに決まってるだろ」
クラマ「あっ、そっち…」
アルフレッド「マーロウさんやマッスルさんのモノがすごいのは僕も知ってるが…テクニックじゃぁ負けてないと思っていたのに…」
クラマ(まずい…今の俺口を栗の形にしたまま何もいえなくなってるぞ…)
アル「…いいんだよ、言わなくてもわかるよ」
クラマ「えっ、いやっあのっ!」
アル「クラマくんが僕のことを慕ってくれてるのは好意の裏返しだものね、ベルくんが不貞を働くなら僕だって…」
クラマ「!?」
ボロン
アナルイーター「しゃぶれよ」
クラマ「ちょっ!まっ(モゴッ)」
オーラルイーター「どうだ?美味いか?」
クラマ「モゴッ!モゴゴゴゴッ!?」
デルフレッド「くっ!イクぞ!!」
クラマ「モゴッ!うげほっ!ごほっ!(…ポッコ、ごめん…俺汚れちまった…)」
0015創る名無しに見る名無し
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2015/03/03(火) 12:44:51.46ID:pVTYiSRM
最低
0016創る名無しに見る名無し
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2015/03/05(木) 00:36:20.93ID:iv7wfJsA
恨みの篭ったスレ
0017創る名無しに見る名無し
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2015/03/06(金) 07:15:47.96ID:Tw9iScoO
もう許される事はないね
2ちゃんねるにあるスレ全部悪
0018創る名無しに見る名無し
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2015/03/06(金) 15:44:13.62ID:Dld32WCN
ええんやで
0019創る名無しに見る名無し
垢版 |
2015/03/06(金) 19:44:43.90ID:Tw9iScoO
uramarenagaraikiteike
0020創る名無しに見る名無し
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2015/03/07(土) 10:21:31.37ID:guEea2Gb
絶対許さない
0021創る名無しに見る名無し
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2015/03/10(火) 20:12:13.70ID:jua0ywwU
本スレ崩壊
0022創る名無しに見る名無し
垢版 |
2015/03/19(木) 10:50:30.61ID:ocxtZTW1
どうしようもない
0025創る名無しに見る名無し
垢版 |
2015/03/29(日) 01:01:01.08ID:IXDG3RP2
獣人のサガ? マーロウおじさんの意外に好色?な発言

「フルパワータックル後の香りで飯を喰う…乙だねぇ」(対マッスル)

「うーむ、見事な壺だ…煎じられている薬草類が悶える様に渦巻いている」(対マリー)

「どうも近頃は、年寄りじみてきていかん…わかったよベル君、すぐに始めよう…赤頭巾が食べられるシーンからだ」(いわずもがな)

「うーむ、素晴らしい肉体だ…王国で警察活動を務めるだけの事はある」(対水着ジュリア)

「もう少しの辛抱だ!我慢しなさい!」
「宜しい!思い切りブチかましなさい!!」
「…驚いた。すごい威力だ…いやぁ、若さだねぇ、羨ましいよ」
(対バフを溜めに溜めてオーバーキルを決めるまでのジーナ)
0026創る名無しに見る名無し
垢版 |
2015/03/30(月) 06:35:59.30ID:Bs7Bxm8c
私は我侭な女…
世の中を少しでも良くしたいと召喚士になった…
でもその召喚士こそが、世に禍を齎したと知り落ち込んだ…

でも、挫けてなるものか…
私は、私が望んだように生きていくんだ…
及ばずながら、少しでも世の中を良くしよう…

懸命に頑張って、志を共にする得難いを得た…
でも、時代の流れに押し潰され離れ離れになった…
私は無力なのか、否、決して諦めない…

新たな仲間に出会った…
対する立場でありながら、同じ理想に向けて共闘し、理想が見えた…
かつての友が帰って来た…



友が言う…
「貴女はどちらを選ぶの!!」「先輩!決断して下さい!」

私は応える…
「どちらも大切だから、二人とも愛して…二人とも幸せにするっ…」

友達は揃って言った…
「「そんな勝手が通るとでもっ!?」」

私は応えた…
『通るさ。私が通す…私はいつだって、そうやって生きてきたっ!!!』



…今日も、猫二人を可愛がっている…
正直、精神・肉体両面でシンドイが弱音は吐かない…

”我侭な女として在る為に、私は如何なる代価をも惜しまない”





ウズ「…『エステルの詩』…っと…ぐへへへ…」
エス「…何やっとる?(怒)」
ウズ「(どくんっ!!!!!!!)」
0028創る名無しに見る名無し
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2015/03/30(月) 08:31:41.44ID:Bs7Bxm8c
『禁じられた遊び』        著ウズ


それは世界が戦乱の禍根に苛まれていた頃、
「ハグレ王国」と呼ばれた地域の、恵まれぬ子供達が興じた悲しい、悲しい遊び…


〜王国参謀会議〜
「新たな遊具が次元の歪から王国に流れついたそうな…その遊具について諸賢の御意見を伺いたい」
王国先任参謀、ローズマリー(以下マリー)が呟いた

「して、それは如何なる遊具なのでしょうか?」
同盟国である妖精王国参謀プリシラ(以下プリ)が問う

マリー曰く
「その名を、ジェンガという…煉瓦の如く積み上げられた塔を構成する木製小片を、塔を崩さずに抜いていく遊びと聞く」

「聞くだに真っ当な遊びではございませんか?」
帝国派遣参謀メニャーニャ(以下メニャ)がすまし顔で応じる

マリーは机を叩きつつ
「そう…実に健全な遊具である。直近に流行せしプリミラなる映像記録装置の小型版なぞよりは余程に!」

そのマリーの言を受け、両参謀は思った
メニャ「(あれで入浴姿を盗撮された)」
プリ「(あれで自○行為を盗撮された)」…※実はマリーも

「「アレに替わる健全な遊具がもたらされならば、結構ではありませぬか?」」
両参謀は応えた

しかしマリーの顔色は優れない
「諸賢らは何の心配もないと断言出来るのか?」

両参謀困惑しつつも
「「何が?」」

「解からぬか?王国が誇る子供四天王の性質を鑑みてみよ…暫しはモノ珍しさから真っ当なルールで遊びに興ずるであろうが…
飽きた子供らが、更なるスリルを求めて度を越した活用法を編み出しそれに挑戦するは必定!!」

「た、確かに…」
プリは子供四天王の内、二人の性質を思い起こし戦慄した。国王コンビのデーリッチ(以下デチ)と、ヅッチー(以下ヅチ)である
彼奴らは遊びの天才だ

メニャは持ち前の被害妄想振りを発揮して一層顔色を青くする
「詐欺ロリ姉ちゃんこと、鬼才のミア嬢が妙案を提示すれば国王コンビはハシャギ…ベル君は流れに飲まれましょう…」

「ゆえに!…我々王国参謀会議は、はむすた神による新章発表まで、要らぬ混乱に王国を巻き込まぬよう、四天王の動向を監視…
場合によっては諫言・オシオキに徹する事としたい!!よろしいか!!?」

「「御意のままに」」




続く?
 
0029創る名無しに見る名無し
垢版 |
2015/03/30(月) 10:03:23.50ID:Bs7Bxm8c
「…ここまで来てガタガタ震えるんじゃないわよ…アンタはもう私にヌかれるしかないんだからね…観念なさいな…」
「「「(ゴクリっ)」」」

「・・・・・・・・・そぉ〜らヌけたぁ〜!」
「「「ああああぁ〜」」」

平和である…王国談話室…
メインストーリーをクリア後のハグレ王国の日常風景である…

王国子供四天王ことデチ、ヅチ、ベル、ミアが囲むテーブルには
食べ尽くされた魚の骨ような、もうこれ以上はヌき得ないジェンガの塔がそびえ建っていた

「やっぱりミスらないでちねぇ、ミアちゃんは」
「もう妨害行為無しじゃ勝負にならねえよ」
「のべ1000回はやってるから…しょうがないかも」

「「「「はあぁ〜〜〜〜」」」」
久しく、無聊を慰めてくれた異世界の遊具も、もはや新章が出るまでの退屈を紛らわせてはくれない事を思い知った4人は
テーブルに揃って突っ伏した


ゲームの区切りを見てゼニヤッタがあらわれた
「お疲れ様でした。しばし御休憩遊ばれませ。おやつをお持ちしましたわ

…国王様にはローズマリーさん謹製「プリン・ア・ラ・モウヤメテェ」
…ヅッチーさんにはプリシラさん特製「ビリビリ雷犯し(おこし)」
…ベルさんにはクーさん自慢の「ペロペロエロワッサン(菓子パン)」
…ミアさんにはイリスさんと私の合作「触手コーヒー」
です
どれもこれも甘美で退廃的な魅力に溢れた逸品ですわ
御賞味あれ」


ネーミングはアレだが、それぞれが供された個人の好みを知り尽くされた上で作られた極上スウィーツである
ベル君が喫食前に少々、マーロウさんにボコボコにされたが常の事…気にする程でもない
私達は幸せな3時のティータイムを満喫した


おやつを食べ終えて…さぁ、何をしようか
今日は午前中に日課の次元の塔周りを終えている

図鑑は100%…
王国民各員最良装備完備…予備もたんまり…
レベルはカンスト…
残されているのは惰性のステアップぐらい…
早く来てくれぇ!ハムぅ!!


「うおっ?雨振ってきた。虫取りにもいけねえな」
「じゃあ、またジェンガでもやるでちか?」
「う〜ん、僕はマンネリ耐性が強いから構わないけれども…」

しゃーないかと言う空気の中、ミアが呟いた
「ねぇ、プレイに適度な緊張感を付加する妨害方法を閃いたわ!」

ピシャッ!!ゴロゴロロロロロロォ!!!
落雷の明滅に浮かぶ怪しげなミア姐の貌…

続く?
0030創る名無しに見る名無し
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2015/03/30(月) 11:38:30.82ID:Bs7Bxm8c
ピシャッ!!ゴロゴロロロロロロォ!!!

王国民誰もが身を震わせ、ミアが怪しげな閃きを思いつき笑みを浮かべたその時
王国参謀会議の面々は、「只今会議中♪」の看板を掲げた大会議室において
各々の席に着き皆が皆
「(私がゲン○ウ)」
と言わんばかりに机に肘を立て重ねた両手に鼻を預け、感情の表れやすい口元を隠しほくそえんでいた

「(デーリッチ…今日のおやつのネーミングはいつになく攻めてみたよ…決着をつけようじゃないか…今夜…)」
「(ヅッチーは必ず『犯し』という言葉の意味を大明神に問うわ…今宵こそ…頂く…)」
「(鈍いエステル先輩も…今日こそはゴミ箱一杯の使用済みティッシュを見て、私の想いを察してくれるはず…)」

…末期である

そのような中、不意に扉を叩く音に参謀達は野獣のような眼光を向ける

「誰か?」
「私らだよ…いや、俺達…かな?」

返事を返す前に扉は開かれた
浮遊椅子に身を沈め足を組みつつ、我こそが主である言わんばかりに傲然とした態度の女と
自らを遮る者は無いかのごとく気高く堂々と鼻先を高く聳えさせて歩む三つ首の犬が入室してきた

王国秘密警察長官ベロベロスと長官補佐兼通訳のブリギットである


「動きがあったか」
「わおん!」
「あったとさ」

三参謀が同時に立ち上がる

「詳しく」
「わおん、わんわん、きゅ〜ん、わん、ふぉ〜、わん!」
「ミアが新ルールを提案…詳細は不明。実行はデーリッチの居室…取り敢えず一報まで…だと」

「でかしたぞ…長官!聞いたか諸賢、我々は以後隠密監視体制に移行する!!」
「「御意」」

おっとりがたなとばかりに三参謀が部屋を後にする
退室間際、メニャが盛大にこけた…成る程…その役回りはお前さんか…


三参謀退室後
ブリギットはベロベロスを抱き上げつつ言った
「私はのんびりとした日常も好きなんだが…武断国家が平和過ぎるってのも考えもんだなぁ、おい」
「わぉん」
「だから適度の刺激を提供ってか…達観してるな、お前さん」
「くぅ〜ん」



新章ぅ!来てくれぇ!!
0033創る名無しに見る名無し
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2015/03/31(火) 09:41:03.15ID:QHYOjgNz
〜デーリッチの居室〜
「暇してたエステルちゃん(以下ピンク)とマリオンちゃん(そのまま)も誘ってきたでち」
「エステルさんは偶にやってるから大丈夫でしょうけどマリオンちゃんは大丈夫ですか?」
ジェンガをセッティングしながら慮るようにベルが問う

「問題ない。マリオンはアンドロイド。精密工作はお手の物だぞ」
「なるほど。そういえばブリギットやスケベ(※大明神)も手先器用だもんな…出来るな、機械勢」
自信満々のマリオンにピンクが応じる

「で、ミアちゃん。新ルールってどんなんでちか」
「精神攻撃開放よ。まぁ、ひらたく言えば『フイたら負けよ!あっぷっぷ』ね」
「笑わせありって事か」
「まぁ、そう捉えてくれていいわ。でも笑いに限らないでもいい。恐怖・羞恥・憤怒…要は集中力を
削ぐ事で実施者のミスを誘うのよ」

「ウ○コ…とかもアリでちか?」
「それで笑うのはウチのヘルぐらいのもんよ。それにせっかくマリオンも居るんだから、ネタは王国キャラにしましょう」
皆が頭に「?」状態にミアの説明が続く

「皆が皆、仲間の事全て知ってる訳じゃないでしょ?だからそれぞれが知ってる『実はアノ人コンナなの』を話術を駆使
して披露するのよ。まだ王国に来て間もないマリオンの『友達化計画』の助けにもなるんじゃない?」
「なるへそ」
「さすがミアちゃん!真正お姉ちゃんでちねえ」
「マリオンも理解した。それに配慮してくれて、嬉しい(照れ)…」
「「「「マリオンちゃん、かぁ〜わ〜い〜い〜」」」」(デチ・ヅチ・ベル・ピンク)
頭から湯気を出しながら頬を赤くして俯いてしまうマリオン…最近やや耐性がついてオーバーヒートは免れた

「…『かわいい攻撃』は禁止にしておきましょうか…」
「「「「…はい、お姉ちゃん…」」」」(同上)
カミソリミアのしつけ制裁を受けて早、満身創痍ぎみの古参勢…子供道場最強格…ぱねぇ
「なんか、その…すまない」

その他に、過度にキャラを貶めるネタ、後日まで恨みを残すようなネタは淑女(1名のみ紳士)の嗜みで控える事とする
抜き順はデチ→エステル→ヅチ→ベル→ミア→マリオンの入国順
話者は抜く度毎に、これまたミアが折り紙を使って即興で作った名入り六面サイコロで決定する…ミアの姉力…42000


1順目第一実施者デーリッチvs話者ヅッチー

「いくでち!」
デチはまず、目視で抜けそうな箇所を見定める

「まぁ、最初は挨拶がてら軽めに……私ら妖精組は週1で妖精王国に帰ってるのは知ってるな?」
お誂え向きの一片を発見

「王国では私とプリシラは同室なんだ。それにプリシラは氷精の癖に冷え性らしくて、夜は一緒に寝てくれとよく頼まれる」
塔中程の端抜き…トン、トンと目標をつつく

「あいつとは姉妹みたいなもんだから寝るのは構わない…だが『足を暖めるため』とプリシラがやる儀式(?)が苦手でな…」
十分な手応え…親指、中指で両端を押さえ一気に引き抜く…

「私を抱きしめて、足を絡ませて『おしくらマンマン♪擦られて泣くな♪…」
「「「ブフゥッ!?」」」
フイたのは観戦者のピンクとミア、それと見かけの割にオマセなベル

「成功でち!」
「あぁ、まぁこれくらいじゃ動じねえか」
デチは喜び、ヅチは左程期待もしていなかったのか軽く苦笑い。マリオンは口「おおっ」の形にして拍手していた

続くかも
0034創る名無しに見る名無し
垢版 |
2015/03/31(火) 13:28:19.60ID:QHYOjgNz
「いや〜、フイたわ。私の番じゃなくて良かった、っつーかヅッチーそれ反則だろ」
「反則というより犯罪よ…ジュリア隊長に通報レベル」
笑いが収まらないピンクに対してミアは眉を顰める
ベルはその情景の想像でもしたのか姿勢がやや前かがみだ

「犯罪か?日頃から策士然としてるプリシラが、舌足らずの幼女みたく『マンマン』言ってるのがこの話の肝なんだけど」
「確かに可愛いでちね。『おしくらマンマン♪』」
「マリオンも気に入ったぞ?『おしくらマンマン♪』」

無垢っ娘三人は始めて知った言葉を連呼する幼女よろしく「おしくらマンマン♪」を楽しげに唱和する
今後しばらくは王国民の耳をこのフレーズが賑わす事になるだろう

「仕掛けられた本人が不快じゃないなら、この件は無罪でいいっしょ?」
ピンクが何やら面白そうなムーヴメントの潮流を感じ取りながら嘯く
「苦手だって言ってたじゃないの…まぁ、いいわ、ベル!」

「は、ハイ!」
急遽、妄想の世界から呼び戻され、新兵のように身を正す
「あなた解かってるみたいだから言っとくわ。今後デーリッチとヅッチーがアレを歌いだすような事があったらそれとなく止めなさい。
マリオンには、私が後で話して釘を刺しとくから。あと万一、この件でローズマリーが何か言ってきたら私の所に寄越しなさい。
事情を説明して詫びを入れておくから」
「イエスマム!」
ミアお姉ちゃんはデキる人…


1順目第二実施者エステルvs話者マリオン

「あら…マリオン、始まって早々だけれども出来そう?」
「大丈夫だ、問題ない。ゲームの流れは概ね理解した。任せてもらおう」
心配するミアに力強く答えるマリオン
「一番良い話を頼む(まぁ、マリオンなら…)」
余裕の表情のピンクが煽る

「私は毎日、就寝前に銭湯に行く。閉店前なので大概、店主のウズシオーネと二人風呂だ」
ぱっと見でも明らかに容易に抜けそうな箇所を見定め、ピンクは気楽に手を伸ばす

「一緒に湯に浸かってる時に電流を流すと彼女はとてもよろこぶ…ドMだからだ」
「「「ブフォゥッ!?」」」
危なかった…ジェンガに手が触れていたら即死だったろう…

「(よろこぶって…りっしんべんの方(悦)かよ!)」
「なんでマンマンが解からないのにドMなんて単語知ってるのよ!?」
「…知らなかった…ウズシオーネさんがまさか…」
直前に手を引っ込め沸き起こる笑いに耐えるピンク。絶叫するミア。呆然とするベル。?の両国王

「本人が言っていたからだ。生来、水棲生物なので雷は苦手らしいが、弱点克服の為に訓練しているうちに癖になってしまったという」
「それがなんでドエムって言うんでちか?」
「痛いとか苦しいといった感覚を、心地良いという感覚に昇華することでより高みへと到る…マゾヒズムという自己鍛錬の境地らしい」
(((誰から訊いた…ウズシオーネか?ウズシオーネなんだな!?)))ピンク・ベル・ミア

「そうか!頭文字のエムに強調の接頭語のドをつけた訳か」
「その通りだ。ヅッチーは賢いな。マリオンはこの話にいたく感動したから、以降彼女の鍛錬の手伝いをしている」
(((感動したんかい…手伝わんでいい)))同上

健気な少女がハグレに対する差別に耐える為に自らに課した苦行が…一人の夜叉を生んだ…悲劇である…
「私は得意分野を伸ばす主義なんだが、苦手を克服する事も大切なんだな…見習わないとな」
(((プリシラに話してみ…悦んで手伝ってくれるから)))ry

その後、何とか落ち着きを取り戻したピンクは無事に抜き、ターン終了
続く
0035創る名無しに見る名無し
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2015/03/31(火) 16:31:52.47ID:QHYOjgNz
デーリッチの居室でジェンガの決戦が行われていた頃
王国拠点の裏側では別の死闘が繰り広げられていた

〜王国休憩所(福ちゃんの面接やったトコ)〜

こどらの炬燵に対面する形で座り、睨み合う二人
北はこどら……リューコを屠った時さながらの気迫に満ち満ちた本気モード
南はゼニヤッタ……節目に起こるメンバー選抜戦に見せる殺気丸出しの赤眼開眼状態

双方、炬燵の天板の縁を握り締め、火花が散るような視線を刺し合う
今この瞬間、二人の間で生卵を割ったら、空中で目玉焼きが出来上がり天板に落ちるであろう

そんな二人を見守る者が4人
腕を組み、二人の攻防を余すところ無く見届けようと目を見開いているハオ
胸元に両拳を握り締めながらゴクリと唾を呑むイリス
ハラハラと祈るように手を握り見つめるウズシオーネ

行司の大明神の声が響く

「時間です!待ったなし!!」

「来いやぁっ!」
「いざっ!」
誘いをかけるこどらにゼニヤッタが仕掛けた

「……浅いハオ」
熟練者であるハオが初心者のウズシオーネの為にひとりごちた

「くっ!」
その指摘の通り、ゼニヤッタが攻め損なった事がウズシオーネにも解かった

「今っ!!」
こどらの返す刀がゼニヤッタを襲う

「殺(と)ったネ」

「1、2、345678、9、10!」
「こぉ〜どぉ〜らぁ〜」

軍配を示す大明神の声に張り詰めた空気が一気に緩み、戦いは終わった
見物人達が両者の健闘を称えて拍手を送る



『足指相撲』

休憩所待機組の間でブームになっている大明神考案の斬新なスポーツ
炬燵の中で互いの足の指を組み合い、親指の筋力を巧緻に操って勝負を決する真剣勝負
平日のお昼休みに行司の大明神を除く面子の総当たり戦が行われた後、上位2名による優勝決定戦で結びとなる

他部屋待機組の飛び入り参加も歓迎されており、ヤエや柚葉などはかなり上手である
尚、男衆への門戸は考案者の意向により開かれていない

「さすがにお強いですわ、こどらさんは」
渡されたタオルで、かいた汗を額から首筋、脇、足の順に上品に拭っていくゼニヤッタに対し
「カウンターはお手のモノだからね、ゼニヤッタちゃんも受けの足相撲を取る事を勧めるじゃん」
足、額、服をまくって腹、脇とちぐはぐにぞんざいに汗を拭きとるこどら

そんな二人の姿を見つめる大明神の貌はとても幸せそうであった
(女相撲……万歳!!!)
0037創る名無しに見る名無し
垢版 |
2015/04/01(水) 11:17:52.08ID:YumL4TRm
オーナーこどらの日常

○月×日
珍しく早起き(午前9時)したので、早めに開店。戦国Jリーグの新刊を平台に置く
サムサ村のおばあちゃんが「お供え物」のお饅頭をくれた。美味しい
お年寄りの方の中には龍を神様の類と思って崇めてくれる人も多い
私はそういう職能を持っていないのだけれども、断るのもヤボなので感謝して頂く

○月△日
ちょっと寝坊した(正午)。店に行くと常連さん達が自主的に開店してくれていた。とても助かる
御礼に常連さん達に肩叩きをしてあげた。「これで寿命が10年延びた」と大層喜んでくれた
たぶん延びていないだろう。でもそうだと信じてくれたなら10秒位は延びたかもしれない

○月■日
新規のお客さんが御来店。真紅のブルカ(目だしマント)を纏ったお姉さん
会員登録を所望される。用紙への記入をお願いしたが、読書きが不得意のようで、書きあぐねていた
そう珍しい事ではない。帝国周辺以外の地域における識字率はとても低い

私達竜人族も然り。古の偉大な禍竜(俗名:カール)大帝や、竜聖女の醤竜(ジャンヌ)も文盲だし、
現在でもエリートに属する者が「教養」として仮名・カタカタの読解を身につける程度である

異端児の私は漫画が読みたいが為に、帝都に居住する人間並の読書きを独学で習得した
力が正義の竜人族の間ではあまり役に立たないスキルである
人で言うなら中世の魔女裁判の資料を原訳で読みたいからラテン語を習得するようなもの

閑話休題

代筆を申し出て名前を伺う
「本名はちょっと……悪いが適当に見繕っておいてくれ」
きっと何か事情があるのだろう。余計な詮索はヤボなので止しにする
「赤いから赤子(あかこ)さんでいいですか?」
「……いいよ、それで。年齢はお前と同じにしといてくれ」

これで会員証完成。今気付いたがこれじゃ赤子(あかちゃん)じゃんか。まぁ、いいや
「ではこちらが赤さんの会員証になります。次回以降お持ち下さい」
「ん……」

「あと、こちらもどうぞ」
特製カキ氷を差し出す
「これは?」
「当店自慢のカキ氷です。10回来店毎にお出ししているんですが、サービスです」
腑に落ちないといった様子の赤さん
「美術館によく来て下さってますよね?いつも高い評価をして頂いて、その御礼です。召し上がって下さい」
「そ、そうか……ありがとう」

それから赤さんは、カキ氷を食べたり、子供向けの絵本を読んだりしながら閉店まで寛いでいた
その帰り際
「この、こたつ蜜柑、残ってる分買い占めたいんだが……ドラグーン通貨使えるか?」
「はい、ありがとうございます」

「また寄せてもらうよ」
「はい、どうぞまたお出掛け下さい、御来店ありがとうございました」
こたつ蜜柑箱(20本)を抱えて赤さんは店を出て行った



「……また来てね、リューコちゃん」
まだ、面と向かうと少し怖い
向こうも色々と思うところがあって別人として来たんだろう
あせらないでも良いんだ。少しずつ互いに歩み寄って行こうね
0039アントニオ猿L
垢版 |
2015/04/01(水) 14:57:42.41ID:YumL4TRm
※続き物も投下してるので、今後はこの名前で
『禁じられた遊び』#7

デチ達が居室に辿り着く少し前

〜デーリッチ居室・隠し部屋〜
「こんな空間があったんですね」
「もともとあった建物を活用して拵えた拠点だからね。このような隠し部屋の1つ2つあるさ」
嘆息するプリ・メニャに、淡々と応えるマリー

「まさか私達の居室にもこういったモノが?」
ジト目で睨むメニャにマリーは
「あるかもしれないけれど、私は把握してないよ。探し出して活用するなら、どうぞご自由に」
((後で要チェックね))

「それはそうと、随分と手入れが行き届いてますね、ここ」
プリが置かれた調度品に指を滑らせ、部屋の造りに目を向ける。姑か、あんたは
「発見時には酷いものだったよ。大明神にエステルの入浴姿を盗み撮ったプリミラ画像を握らせたら
極秘に一日でリフォームしてくれた」
「馬鹿かなちゃんめ!貴女も最新技術の私的悪用を堂々とすな!」
「ヅッチーのもあるんだけど、私には必要ないから今日にでも燃しちゃうか……」
「安全保障の為にはある程度の監視は認められるべきね」
「先輩のものを一枚頂ければ、私は貝になるでしょう」
三参謀の結束はより磐石なものとなった

デチ達が部屋に入って来た。覗き窓は魔法鏡仕様の鏡台。室内の会話はよく聞こえるがこちら声は漏れない
「さすがは大明神……異世界仕込みの良い仕事をする」

ミアによるルール説明を終えていよいよゲームスタートのようだ

『私とプリシラは同室なんだ。それにプリシラは氷精の癖に冷え性らしくて、夜は一緒に寝てくれとよく頼まれ……』
「……ちょっと!何を話しちゃってんのよ!ヅッチイィィ!!」
「プリシラさんって冷え性なんですかぁ?いやぁ知らなかったなぁ」
(……このヤンデレニャンニャンがっ!仲介交渉の件をまだ根に持ってやがるのかっ?)

『私を抱きしめて、足を絡ませて『おしくらマンマン♪擦られて泣くな♪……』
「いやあぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
「ブッ…」
「プークスクス、おしくらマンマンってナニ?斬新スギル、メッサカッコイイ」
絶叫するプリ、素で吹くマリー、腹黒笑いを浮かべてツッコミを入れるメニャ

その場で崩れ落ちたプリをよそに二人は監視を続ける
「あの様子だとエステル、ベル君、ミアは行為の意味を正確に理解したっぽいな」
「おしくらマンマンですもんねぇ、でも『擦られて濡れる』にしなかった事で首の皮一枚で命は取り止めたかも」
状況を見ていないプリの為に解説するマリー、慰めると見せかけて追撃を加えるメニャ
プリのHPは現在ほぼ0……エロゲーだったら衣服はもう秘所をわずかに覆うのみであろう

「うぅ……明日からどんな顔して皆に会えばいいの?」
瀕死のガ○ア人のようなプリを見て溜飲が下がったメニャだったが、さすがにやり過ぎたとフォローに回る
帝都にとって今や妖精王国の財力は無視出来ないものだ。参謀同士の良好な関係は維持したい
メニャは賢い子である
「大丈夫ですよ、子供達は気にしてませんし、先輩はサッパリとした性分で、ミアさんは大人です
ベル君は未だ思春期前の少年ですから、大人の女性として堂々としてればたじろぐのは向こうの方です」
「……そうかな、グスッ、うん、そうかも」

プリはしばらく、スンスンと鼻を鳴らしていたが、まもなく立ち直った
「そうよ……この程度でヅッチーと私の絆は決して揺るがない!」
プリは強い女だった

続く
0043アントニオ猿L
垢版 |
2015/04/02(木) 21:47:29.22ID:DHWi/gY4
※同じく番外編の『オーナーこどらの日常』等と比べて、独自妄想大+らんダン要素付与です。

『邂逅』

ハグレ祭りが定期開催される事になった
初回はハオやヘルに連れられ、会場の様々な催し物を楽しんだものだったが
二回目の今日は美術館大展示室に備えられたテーブルの上が、紅茶の神様ことティーティーの定位置

客あしらいでもして、美術館管理を任されている後輩神ポッコを手伝ってやろうという老婆心が一つ
普段から何かと自分に気を遣ってくれる若人達に、祭りの時ぐらい自由な時間を過ごして欲しいという思いが一つ
また、ある人物との邂逅の機会を伺っていたのだが、今日その機会が巡って来たらしい

展示品の目玉の一つ、イルヴァの展示台の前に一人の少女が佇んでいた……星の守護者マリオン
しばらくイルヴァを見つめていたマリオンだったが、ふと近くのテーブルに居るティーティーに気付くと傍らの椅子に腰掛けた

「そう遠くない未来、王国の賢い者達の努力で異世界間の行き来が可能になると聞いている……」
「そうじゃな……」
「その異世界の中にマリオン達の居た世界もあるのだろうか……ティティ」

「自分自身、随分変わったつもりじゃったが、やはり解るかい」
「長い付き合いだからな、体が縮んでいるのは予想外だった。どういう訳だ?」
「わしにも解からん。元の世界で妙な光に飲み込まれて、気がついたらこの世界にいた。巨人の世界に
迷い込んだのかと思ったが、しばらくしてやはり同じ世界からやってきたハオと出会い、わしが縮んだのだと解かった
……異世界旅行の仕組みは不可解じゃ」
二人は目の前のイルヴァを見上げた

「ミラはティティがいなくなって、とても悲しんでいた……」
「……ちゃんと日に三度、食事を摂っていたか?毎日ちゃんと着替えていたか?不自由させていなかったか?」
長年溜め続け、今、溢れるティティのミラへ想いを、マリオンはしっかりと受け止めた
「安心しろ、元々ミラは一人で何でも出来る人だ。呆け気味だった頭も冴えて、自活していた頃の状態に戻った」
ティティは胸を撫で下ろした。家事をするミラの姿など想像すら出来なかったが、最古参の家族であるマリオンが言うのなら間違いなかろう

「程無くミラはティティが異世界へ迷い込んでしまったと考え、以前中途で飽きて投げ出した多世界解釈のIf世界
への行き来を可能にする技術の完成を目指した。協力者もいた。だんじょん村のアノ妖精、憶えているか?」
「憶えてるとも……芸術の同志だと抜かす彼奴の為に絵や彫刻のモデルをした事がある。あの頃はわしも若かった」
モデルは裸が基本、それは望む所だったが、後からお得意様から『奴はスケベが主たる目的』とタレこみがあった、ちくしょうめ!

「あんなだが、実力はミラの折り紙付だ。ミラ曰く『私は創造が得手ですが、あの娘は模倣と発展の天才です』。実際
あの妖精は理論を聞き、ミラよりも早くティティが居ると思われる世界の妖精との交信に成功した。」
「あぁ、やはり大明神は彼奴のコピーじゃったか……」

「ミラの観測によってティティは生きている事が確認された。あの時程ミラが喜んでいる姿をマリオンは他に知らない。
あとは行き来の方法だけだったが、ミラといえど簡単にはいかないようだった。ミラは言った『生きてるなら大丈夫です。
私もティティも寿命に追われる事は無い訳だし、じっくり方法を模索していきましょう』と
で、一朝一夕のような仕事じゃないからとミラアイランドは通常体制に戻った
ミラは主に家事に勤しみ、時間が空いたら研究を進める
マリオンはイルヴァシスターズと交代で門番したり、船に乗って星の周りをパトロールしたりしていた」
「そして御影星によって今度はマリオンが厄災として呼び寄せられたわけか、世間は狭いのう」

「ミラの事だから、マリオンがこちらに流れ着いた事は程無く解かるだろう」
「マリオンまでこちらに来ては、ミラ様は不自由したり淋しがったりせんじゃろか……」
不憫を慮るようなティティにマリオンは応じる
「ティティが居なくなってからイルヴァシスターズも格段に進化した。ミラは安全だ。不自由もさせないだろう
……淋しくは、あると思う。でもミラにとっては良いに発破になるだろう、最近また弛みはじめていたから……
行き来が可能になるまでの短い期間、マリオンはこちらの知り合いの『友達化』に勤しむよ」

二つの世界が互いにトンネルを穿とうとしている、じきに道は開かれるだろう
今を生きるこの世界と、かつて生きた世界。幸せな邂逅を果たし、そして手を携えて欲しい
それに続く、他の世界との出会いも幸多からん事を切に願う
0044アントニオ猿L
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2015/04/03(金) 01:20:41.41ID:+6n5iZKF
『仲間以上○○未満?』

〜朝〜
新鮮なコカトライス卵を割り入れた卵かけ御飯に、エステル風焼き魚。柚葉さん自慢の糠床から
取り出されたドリフトキュウリにイチゲキダイコンの糠漬け。舌を火傷しそうな位に熱いパッポコ芋汁味噌仕立て
王国の一般的な朝食メニューです

美味しいから、と私のお茶碗にまでマヨネーズをかけようとするお姉ちゃんをやり過ごしながら
私は正面に座る二人に目を留めていました
「しめしめ!上がってきたな」
「株か?俺にはよくわからんな、あの手のやり取りは……ほれ、骨抜き完了」
「さんきゅ。あ、ちょっと多いかな?御飯と魚と味噌汁、半分食べてよ」
「おぅ」

帝都新聞を読みふけるハピコちゃんにマッスルさんがほぐした焼き魚の身を乗せた皿を手渡しながらのやり取り
ハピコちゃんの羽先についた鉤状の手(?)は細かい作業は困難です。焼き魚の喫食なども然り
王国の女性陣も手伝いますが、そんな時にさりげなく近くに寄り添って手伝うのは大概マッスルさんです
知り合ってからの年季の差か、さすがに堂の入ったものです


〜昼〜
「いけねぇ、午前のダンジョンが長引いたな……ハピコ、ドリンクの商談があるんだ。ユノッグ村までひとっ飛び頼む」
「いいよ。ところで私、今日は甘いものが食べたい気分」
「茶店の新作チェリーパフェ」
「満足である」
マッスルさんが肩車をするようにハピコちゃんを抱えると、二人はあっという間に飛んでいきました
ちなみに、ハピコちゃんは絶対ノーパン主義

〜夜〜
夕食を終えれば皆、思い思いに自由な時間を楽しみます

談話室で私がお姉ちゃん、キャサリンちゃんとトランプに興じている近くで
漫画を読むハピコちゃんを重り代わりに背中に乗せたマッスルさんが腕立て伏せを敢行していました
「996、997……」
「あ、それ終わったらさ、私の足の爪切ってくんない?」
「おぅ……998、999、1000っと、ほれ、爪切りよこせ」

「ほいっと……くす、きゃははは!人指し指はぐったいから丁寧にやってってば!」
「わかってるから、じっとしてろって……おい、ハピコ、お前の足ちょっと臭い」
女性相手に言いますか?そういう事

「そう?靴、だいぶくたびれてきたからなぁ……新しいの買うかぁって、きゃははは!マジぐったい!」
「あばれんなっちゅうに」
ハピコちゃんも盛大に暴れちゃって、まぁ
繰り返しますがハピコちゃんは絶対ノーパン主義

「よし、完了」
「ふぅ、あざーす」
ふぅ、はこっちの台詞です……爪を切るだけの行為がなぜ恋人同士の睦み合いのように見えてしまうのでしょう
胸がドキドキするのは私が耳年増のくせに奥手で且つムッツリ娘だからではありません!決して!

顔を赤らめる私をお姉ちゃんが意地悪そうな笑みを浮かべて見ています。
「あんたたち、こんな所でそんな艶かしい事されたら、ヘルがムラムラしちゃうじゃないの」
「なっ!お姉ちゃん!?」
「「何のこと?」」
ポカンとした顔を浮かべる二人に居たたまれず、私は赤くなっている頬を両手で隠して俯く事しか出来ませんでした



「妄想を捗らせておられますわあ」
0046アントニオ猿L
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2015/04/03(金) 11:05:19.66ID:qc7FfXIG
『はぐれ銭湯浮世絵図(漢)』※本スレで芳しくなかったネタの焼き直しです

目に前にそびえる建物の前で、僕は自らの頬を叩いて気合を入れる
「さぁ、征こう」
必勝の信念を胸に暖簾を潜り勇者はゆく
「お疲れ様です、アルフレッドさん」
「どうも、ウズシオーネさん」
番台に拠る女将と軽やかに挨拶を交わしつつ入湯料を手渡す

続く『漢湯』の暖簾の潜ればそこは
「お疲れ〜」
「「「「「う〜す」」」」」
ヴァルハラだ

トレーニングジムかと錯覚するような鏡張りの脱衣所でマッスル・マーロウ両兄ィがポージングしているかと思えば
服を脱ぎ終えたクラマ君が髪をかき上げながら爽やかな笑顔ををこちらに送る
未だ『生えていない』事を恥じているベル君が前を隠しつつそそくさと浴室へと駆け込んでいく
ジュリ姉が一糸纏わぬ姿でパンッとタオルをはたく
「ジュリ姉はまたこっち?」
「向こうは混んでいるんでね、迷惑かな?」
「そんな事はないよ」
小さい時からよく一緒に入ってるから慣れっこだ
僕以外の漢達は最初は少なからず戸惑ったりおっ勃てたりしていたが、長きに渡り漢主体の戦場稼業で磨きぬかれた
ジュリ姉の漢らしい気風と肉体に程無く感心し、共感し、今ではすっかり打ち解けている……ベル君以外は

手早く服を脱ぎ終え、先着勢と揃って浴室へ
かけ湯をして早々に湯につかる両兄ィやジュリ姉を傍目に僕は洗い場に腰を下ろす
すっかり綺麗に洗ってから湯を楽しむのが僕のこだわりだ
「隣、宜しいですか?」
「どうぞ」
いつものようにクラマ君が隣に陣取る
それぞれが髪、体の順に洗い、仕上げに無駄毛の処理へと進む……紳士の嗜みである

「兄さん、お手伝いします」
「頼むよ」
見計らってクラマ君がうなじの処理を買って出てくれる。天界の躾作法の行き届きようには頭が下がる。

「今度は君の番だよ」
「お願いします」
剃刀を受け取りクラマ君のうなじに刃をあてがい、ゆっくりと滑らせていく
ほぼ人型とはいえ人外、それも神族である彼の容貌には妖艶な色香が漂っている
穢れの無い白い肌、大理石の彫刻のような引き締まった肢体、整った相貌、華のかんばせ
ただ、ただ見惚れつつ、ちりちりと薄い産毛を剃り落としているさなか、
「くしゅんっ」
クラマ君のくしゃみで手元が狂う……僅かについた傷に鮮血が滲む
「あっ」
とっさに僕は傷口に唇をあてがう
「えっ先輩、その、すみません……大丈夫、ですから……」
「いいから、じっとしてるんだ」
「んっ」
身を離そうとするクラマ君を抑えて傷口に舌を這わせる。しょっぱいはずの血がなぜか甘い味がした
「あいや、お見事!良き景色かな」
湯船の縁に身を横たえ、目のやり場に困っているベル君に、敢えて体をほぐさせてるジュリ姉が呟けば、然り然り、と応ずる両兄ィ


「なんと美しい、桃源郷はここにあったのですね……」
番台の覗き穴から中を伺う女将が身悶えていたその頃

「一人風呂、快適だけど……楽しくないな」
体のサイズと防犯の関係で、宛がわれた特設の浴室の湯船に浸かる大明神は一人ごちた
0047アントニオ猿L
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2015/04/08(水) 06:54:38.17ID:QiexpvKE
『悪魔は生きとし生ける者のパトロンです』#1

『「僕がここに居たら、せっかく得た村人の君への信頼が揺らいでしまう。僕は去るよ。どうか元気で 親友の青鬼より」
赤鬼は残された手紙を穴の空くほど繰り返し何度も読み返し、終にはその場で夜が明けるまで咽び泣いたのだった』
「うぅ、なんと健気で、なんといじましい……」「ブラボー!、エクセレンティア!!」

王国図書室のある日の宵の口、和国の未来のダイミョー柚葉が傘張りをしつつ語る和国昔話披露会に、欠かさず
参加しているのは、決まって悪魔っ娘のゼニヤッタとイリスの二人である
「屋敷に残された古今の書物は擦り切れるまで読み尽くしましたが、極東の未だ見知らぬ物語には日毎に感動を禁じ得ません」
「とても興味ブカク、前衛的でファンタジスタ、ネ」

内職の傍ら祖国の紙芝居読みにヒントを得て、和国昔話語りをしつつ水飴等を売って日銭を稼ごうと目論んでいた柚葉
大失敗に終わった「金魚売り」同様の結果になるだろうと懸念した周囲の予想に反して、大成功・大盛況である

常連が二人にも関わらず大盛況とは、これ如何に?
それは、この二人が王国民の構成員きっての由緒正しい正真正銘のセレブだからだ


第四章を終えた時点において、これまで描写された「大陸」において、帝都を凌駕する権勢を誇るハグレ王国も
その同盟国であり、「財務の鬼宰相プリシラ」によって築き上げられた大金融富国、妖精王国も
未だ創立間もない新興国家なのだ
時代の覇者である両王が、王に相応しい豪奢なおやつを所望しても、
「思い上がる事なかれ!まずは一人で歯をキチンと磨けるようになってから申されよ!!」
と、一蹴されてしまうような若い国家なのである……王とて自由になる金はささやかなものなのだ

ましてや、流れ者同然であった王国麾下の精鋭達も、贅沢に興じられる程の金銭を持ち合わせているはずも無い

そのような中にあっても、そのキャラ的背景から例外的に羽振りの良さそうな者が幾人か存在する

・福ちゃん=「神様ですよね?」→「金・権力・性欲……そのような煩わしい柵(しがらみ)を捨てて下界に下りたのです!」
・ティーティー様=「神様でしょう?」→「管轄する世界樹が帝都から認定解除されたのを知っておろうが!」
・ポッコ=「神様だよね?」→「芸術の追求には思いの他お金がかかるんですよ?貯蓄なんて無いけんね!」
・クラマ=「新進気鋭の神様……」「今回の騒動で瓦解しかけた神社の修復の負債、どうしようか……」
神様社会……世知辛ぇ

・ドリントル第一王女→「長期に渡って漂流して来たわらわに提供出来る物なんぞ尻の毛ぐらいじゃ!」
・ヴォルケッタ子爵→「もしもし、おじい様?仕送りが滞っているんですが?……はぁ?技術的に送れない!?」
親王位も爵位も、トコロ(世界)変われば無価値なり

このような中、例外的に頼もしいのは
・ゼニヤッタ元魔界公爵令嬢→父様、母様の残して下さった財産で、必ずやヤッタ家を再興致しますわ!」
・イリス冥界内親王→資金難デスカ?いくらかユーズーしましょうカ?利子は寿命から取り立てマース!」
手を付けたら御仕舞いだ


よって、莫大な財産を実家に保有している為に、王国内で稼いだお金を全て「宵越し持たず」で使い切れてしまう
二人を固定客に持つという事はとてつもないアドバンテージなのである
柚葉の悲願、祖国にダイミョーとして凱旋する計画……は着々と進行中である

このような状況において起こった、思いの他ままならぬ世に溜息する3人の姿に、
暫し、お付き合い願いたい


続きたい

(文才も閃きも過小な凡人故になんだか、とっかえひっかえで済みません……
うっすらと構想はあるのですが、纏め切れんのです。ちょくちょく小ネタを挟みつつ
完遂させたいと思ってますので、御容赦ください)
0049アントニオ猿L
垢版 |
2015/04/09(木) 19:28:45.25ID:e9YCx7Xf
『禁じられた遊び』#8

一順目第3実施者ヅッチーvsエステル
「よっしゃぁ、プロの腕見せようかな……う〜ん、イイねぇ、これイイぞ、でも霧吹きかけたり、風送ったりは勘弁な」
どこぞのカメラマンのような態度で攻め所を吟味するヅチ

「じゃあ私はちょっと趣向を変えて怖い話を、あれは、一昨日の晩、草木も眠る丑三つ時……」
急に声色を変えて語るピンクの話を、基本子供な面々は怯えた表情で聞き入る
「寝苦しさを感じて目覚めた私は思わず悲鳴を上げそうになった……なにかが私に抱きついてる。
得体の知れない何かが首元までしっかり被った布団の下、私の胸の上で蠢いている」

拠点では稀にこういう事が起こる。番犬・番竜のベロベロス、地竜ちゃんは共に優秀なのだが、彼らだって夜は寝る
結果、周囲に棲息する野良モンスター、野良幽霊などが入り込む事がある
以前、ヘルが野良スライムに夜襲された時などは大騒ぎになった
全身ベトベトにされてギャン泣きしたヘルが、室内で特大のヘルズラカニトを発動、拠点の一角が吹き飛んだ
ヘタレだがポテンシャルはすこぶる高いのだ。同室で熟睡していたミアは瀕死の重症を負った……不死だけれども
キャサリンはトイレに起きていて辛くも難を逃れた……閑話休題

真に迫ったピンクの話に、ジェンガやってる場合じゃねぇとばかりに、さっさと一つ抜き終えて輪に加わるヅチ
……趣旨が変わっとる
「私は相手に気付かれないように、枕元のナイトテーブルの上にあったペンを手に取って、
空いた手でゆっくり胸元の布団を捲ってみた……そこには」
ゴクリと喉を鳴らす一同

「……虚ろな目をしたメニャーニャが私のおっぱい吸ってた」
「「ぎゃああぁぁぁぁ、怖いぃぃぃぃ!!!」」
「ええぇぇぇぇ!!?」
「やっぱりエロじゃないのっ!」
「なんで胸を吸うんだ?」

「ハイ、お終い。なんだヅッチー抜き終わってんじゃん。オチまで引っ張りすぎたか」
「お終いってあなた……その後はどうしたのよ」
驚愕する皆を代表してミアがピンクに問う
「あいつ昔から寝惚けて夢遊病みたく夜中に得体のしれない行動取ることがあってさ、慣れっこなんだよね。
でもさすがに私も重いし、くすぐったいから叩き起こそうかとも思ったんだけれども、ほら、メニャ−ニャって
ちんまくて可愛いくせに、子ども扱いするとめっちゃ拗ねるのよ。」
「マリオンのお仲間だな」
「違うぞ。マリオンは怒ってるわけではない。先天的なバグで機能不全に陥ってしまうだけだ」
ヅチの物言いにマリオンが抗議する

「まして今では特務召喚士様、協会の重鎮って立場になって前より一層大人っぽく振舞いを心掛けているのに
寝惚けてるとは言え、自分が赤ちゃんがえりして人のおっぱい吸ってた事を知ったらどうなると思うよ?
下手したら自殺すっぞ……或いは逆ギレして、私の横隔膜や足の小指の危険が危ない事になる
ってな訳で、女同士で別に吸われて減るもんじゃなし、気にしない事にしてそのまま寝たよ」
「おおらかと言うか、男らしいと言うか……そりゃ減りはしないでしょうけど、貴女未だ十代の花も恥らう乙女でしょ?
老婆心から言っておくわ、少しだけでいいから女としての危機意識持ちなさい」
「へ〜い、へい」
実は年上であるミアのありがたい苦言に適当に応じるピンク

「ち、ちょっとごめんなさい、お手洗いに行ってきます」
動揺の極みに達したベルが前傾姿勢のまま席を立って廊下に向かう
「その箱ティッシュは置いていきなさい」
(ベル、落ち着きなさい。トイレのロールテッシュの補充は私やヘルやキャサリンが欠かさずにやっているから)
ベルの行動の意味を正確に把握しているミア。それでも余計な事は言わず、ただデチの居室の備品の回収に努めた
何度も繰り返して言うが、ミア姉はすこぶるつきのデキる人だ。
思春期の少年に恥をかかせるようなマネは決してしない。この姉ある限りラージュ家は繁栄は永代だ……不死だし
やや長いご不浄タイムから無事帰還したベルを迎え入れ、ゲーム再開


続く……次回は当然、同時刻の隠し部屋の参謀三人娘の様子になります
0050アントニオ猿L
垢版 |
2015/04/11(土) 11:01:42.32ID:5qfX0QkE
『禁じられた遊び』#9

〜隠し部屋にて〜
向こうでは和気藹々と暴露話が繰り広げられている。あのウズシオーネが被虐愛好者だったとは、新たな発見だ
しかしながら、やはりこの遊びは規制するべきだろう。あらゆる種族が平穏に争うことなく過ごす為に禁止すべきだ
この遊戯は王国民の紳士・淑女協定などでは御しきれぬ禁断の戯れ、それが三参謀筆頭のマリーの結論……
不本意ながら今は禁止に足る確証を得る為に、今しばらく息を潜めよう……

ぶっちゃけて言うならばマリーもお年頃の女の子。下世話な暴露話に興味深々なのである

実施者ヅッチー&話者エステルが宣されるや否や、メニャーニャの瞳が怪しく光る
彼女が愛して止まぬ先輩がどんなオカズじみた話を披露をするのか辛抱堪らぬ、といった心境であろうが……

『一昨日の晩……』
と、ピンクが語り始めた途端、獲物に襲い掛かる獣のような相貌を、狩られる側の羊の表情へと一変させた
(あんだけプリシラを苛めておいて、あんたも何やらヤマしい心当たりがあるんかい?)
マリーは呆れ1.5割、期待8.5割で隣室の会話に耳を傾ける

『……虚ろな目をしたメニャーニャが私のおっぱい吸ってた……』

……サァァァ……
マリー・プリ両名の耳は、本来聞こえるはずも無いメニャの血の気が引く音と、彼女の蚊の泣くような呟きを拾った
「……起きていたんですか?」
『自分が赤ちゃんがえりして人のおっぱい吸ってた事を知ったらどうなると思うよ?下手したら自殺すっぞ……』
ピンクの説明が続く中、メニャの顔色は捕食確定の羊からゾンビのような生気の無いものへとより悪化していく

「ま、まぁ寝惚けていたと信じきっているエステルの大物ぶりには、改めて感服するものがあるな」
マリーは場を和ませようと試みたが、つい先刻のやり取りを思い出したプリが仕返しの決定打を放つ
「メニャーニャさん、お気持ち、お察しします。自害召されるのであれば、不肖、このプリシラが介錯仕りましょう」
愛刀「にっかり青江」の鯉口を切るプリ。いい性格してるな!あんたってやつは!!
そんな中、真っ黒なニヤケ顔をメニャに向けるプりの顔がサッと青褪める
つられたマリーが何事かと同じく目を向けた先、そこには愛用の十得ナイフの刃を首筋に押し当てているメニャ

「早まるな!!」「やめなさい!!」
マリーに羽交い絞めにされ、泳いだメニャの手首に、プりの容赦無い峰打ちがギロチンスカイばりに炸裂する
「止めないでっ、死なせてえぇぇ!!」
落としたナイフに尚も取り付こうとするメニャに、プリシラは手加減なしの往復ビンタ10連を見舞う……死ぬぞ
「落ち着きなさい!帝都賓客の貴女に死なれたりしたら王国と帝国の関係はどうなると思うの?」
(最もな意見だが、トドメの煽りをかましたあんたがそれ言っちゃうわけ?)
マリーは突っ込みたい衝動を必死で押さえつつプりの言に被せる
「寝惚けてたんだ!エステルも言ったろう?君は半覚醒状態で過失猥褻行為に及んだだけ故に無罪、イイネ?」
「アッハイ……って、でも、ううぅ」

一部で流行の忍殺語につい応じてしまいつつも、納得出来ないといった様子のメニャを抱きしめてプリは言う
「お願いだから死ぬなんて言わないで。私達は種族も違う、同じ価値観を共有している訳でもないかも知れない。
でも、どうしても譲れない一点においての望みを実現する為に集った同志じゃない?」
「譲れない望み……」
プリのマナジャム仕込みの豊満な胸に抱かれ、幾らかの平静を取り戻したメニャは顔を上げる

「そう、私達には夢がある……かの偉大な預言者モーゼは『乳と蜜溢れる地』に同志と共に至る夢があった……
残念ながら彼はその夢の途上で果ててしまった、彼は一人の指導者だったから……」
「私達は夢を実現する為に支え合う仲間が居るのよ?約束の地『乳蜜ワールド』に共に生きて辿り着きましょう」
「乳、蜜……私、先輩のおっぱい吸っただけ、呑みたいよ……先輩の乳蜜、貪りたいよ!」
「私だってヅッチーの乳蜜、呑みたいわ。だから共に歩みましょう、落伍したりなんか許さないんだから」
「プリシラさん……」
ひし、と抱き合う二人、不覚にも共感を覚えてしまい感涙してしまうマリー。
彼女はそれを異常だと断じる自らの中の理性を、欲望が徐々に塗り潰していく過程をただ、ただ眺めていた


続く
0051アントニオ猿L
垢版 |
2015/04/14(火) 04:32:37.03ID:lzfiwf50
『オーナーこどらの日常』#2

虎月竜日
定時起床(午前10時半)。定時開店(午前11時半……ぐらい)
私は「やや」寝坊助さんなので、食堂での王国民割安のモーニングセットは食べられない(時間切れ)
なので出勤途中に親友のゼニヤッタちゃんのトコで、おにぎり(大×10)を買い込んで、柚葉ちゃんのトコで
賄いのアラの煮つけ等を分けてもらって、開店後に朝昼兼用の食事を摂るのが私のスタンダード

そして、食後のデザート替わりに店の常連のじっちゃん、ばっちゃんが連れてきた孫ら向けに、イリスちゃんから
仕入れた「アックマンチョコ」を子供らに混じって、ワイワイ言いながら買い込むのが私の密かな楽しみ

「あ〜っ、また雑魚悪魔だよ、お前は?」
「アーヴだ!でもアーヴやアーシャ、ミャ−ミヤコの将軍キラは揃ってるんだよなぁ」
「こっちはスライミーズだよ、やたら出るんだよなぁ、コレ、こどら姉ちゃんは?」
ここは子供達の、運2500を超える私への期待に答えざるを得ない!
「フッ、よく見ているがいい、子供達よ……竜の強運を!!・・・・・・くっ、森の狩人さんパーティーの鮭、がくっ」
「「「だめじゃーん!!!」」」

子供らの期待に答えられない悔しさをチョコと共に飲み下しつつぼやく
「これ、詐欺なんじゃん?私、毎日買ってるよ?なのに激レアのイリスちゃんも、超レアのゼニヤッタちゃんも出ない」
「売ってるこどら姉ちゃんがソレ言っちゃう?」
「あるにはあるみたい。学校の先輩からイリスカード見せてもらった」
「でもゼニヤッタカードは?僕、見たこと無いんだけど……」

そう、激レアのイリスちゃんカードは、王国に一枚進呈された。マニヤ気質の収集癖に触発されて、私が貰い受けた
冒険時には無条件で貸し出す条件の下に。しかし未だにゼニヤッタちゃんカードはお目にかかったことが無い
これらのカードはプリミラで、これでもかとばかりに頽廃絢爛に着飾った悪魔達を撮影した、実に怪しからんまでに
艶やかで垂涎モノの逸品なのである。レアカードは裏で大きなお友達の間、高値で取引されていると聞く

そのような中、「悪魔舞姫ゼニヤッタ」のカードは、巷で大人気の美人おにぎり屋店主、ゼニヤッタちゃん自身が
「カード写真を撮るから着飾って来いと、イリスさんに言われましたので、目一杯、気合を入れて撮影に臨みました」
と、いう発言がおにぎり本舗の客から口コミで広がり、未だ存在の確認されない伝説のカードとまで称されている

「ゼニヤッタちゃんのでコンプなのになぁ」
子供達と共に、私が自作したカードブックを眺めていると、
「さすがぁ、こどら姉ちゃん。勇者カードも揃ってるんだ、「本気こどらカード」や「竜変化リューコカード」なんて
イリス・ゼニヤッタカード次いでレアなのに」
そう、アックマンカードではイリスちゃんの闘技場出場メンバーが悪魔をやっつける勇者キャラとして設定されている
初回決勝を盛り上げた私やリューコちゃんのカードは悪魔将軍やハグレ王国民より、「すっげぇレア」扱いなのである
そんな話をしていると、

「……なあ店主、もし良かったら、一つトレードしないか?……このカードと」
いつの間に……すっかり常連になった赤さんが一枚のカードを、葵の印籠の如く掲げ、目の前に立っていた
角さん、いや赤さんの手の中には、紛れも無い「悪魔舞姫ゼニヤッタ」カードが煌いていた!!!
フワァ〜ン、という効果音と共に私は子供ら共々、「へへぇっ!」と跪いていた

「店主!そちの日頃の良心的な経営に敬意を払い、このカードを破格のレートで交換して進ぜる、返答や如何に!?」
沸き起こる歓喜と緊張を抑え、私は震えかしこみつつ応える
「畏れながら、そのカードに見合う代価に、天下のエリート竜人であらせられる赤様は何を所望されまするか?」
赤さんは目だしマントから覗く険しい眦を、不意に穏やかなかんばせに変え
「なに……『本気こどらカード』一枚、これで十分よ、不服か!?」
「滅相もございません……このこどら、天にも昇る望外の心持にござりまする」
子供達の万雷の祝福の拍手の中、穏やかにカード交換が行われる

「そろそろ帰る。店主、今後も体をいとえよ」
「ありがとうございます、またの御来店を心よりお待ちしております」
会計を済ませた赤さんが、すっかり懐かれた子供達の子供達の頭を撫でつつ、颯爽と店を出た後、しばらくして

「今日もありがとう、リューコちゃん」
私はひとりごちた
0053アントニオ猿L
垢版 |
2015/04/14(火) 22:32:56.69ID:lzfiwf50
※本スレで書いたネタを膨らませてみました
『天界太政大臣時代の福ちゃん伝説』

@
中東に勃興した「雄マン帝国」が異教徒の美少年を改宗させて訓練し、組織した親衛隊「イェニチェリ」
彼らにはモデルがあった事を御存知だろうか
長年、絶大な金剛力をもって天界に君臨した福正一位太政大臣
彼女の権勢に阿る各神はこぞって、面食いの福ちゃんに一族が誇る美男子を小姓に差し出した
福ちゃんの小姓団は「家にチェリー」と呼ばれる天界きっての精鋭集団であった

A
福ちゃんは圧倒的な実力を持つ禍神であったが、彼女の政は民を慮った慈愛に溢れたものであったので
民は彼女を畏れつつも愛した。故に親が子を躾ける時、畏敬の念を込めて福ちゃんの話をしたものだ
「良い子にしていれば、御褒美に福ちゃんが挟んでくれますよ」
「悪い子はしまっちゃう福ちゃんに言ってしまってもらっちゃうからね」

B
「英雄色を好む」と言うが、福ちゃんもまた、それはそれは性豪であった
彼女が「これは!」と見込んだ若者は、それこそ数年に渡って連夜の夜伽を命じ、今畜生とばかりに愛で尽くした
見込まれた若者は年季が明けて後、皆決まって偉業を成し遂げ大出世したという
いつからか人々は、福ちゃんに見込まれて夜伽を努める役目を「福神漬け」と呼ぶようになったという

C天界の食事処「うどん三郎」。圧倒的な量、通わずにはいられない中毒性を誇る味、複雑な喫食ルール
いつしか天界きっての人気店となった。福ちゃんは最初期からの常連で、彼女が来店するやいなや
「大うどん猪ダブル、麺固め、味カラメ、葱、揚げ玉マシマシ」が黙っていても出てくるという

D福ちゃんは天界で最初に衣装に「スク水」素材を採用した
以来、天界では「白スク」を「福ちゃん水着」と呼ぶようになり、公式の場において水着やレオタード、バニースーツ
といった露出多めの衣装も正装としてオールOKになった


これらは幾多の福ちゃん伝説の極々一部に過ぎない


続くかも……不意にこんな軽いものを投下してしまった不誠実を、どうかお許し頂きたい
0054創る名無しに見る名無し
垢版 |
2015/04/14(火) 22:43:16.97ID:p3mMfE1D
SSもっと流行って欲しい
苦手な人がいるのも分かるからひっそりとでいいので
0055アントニオ猿L
垢版 |
2015/04/15(水) 00:58:31.53ID:G3hA2wwC
『新作案内』

ハグレ劇場の新作「T.T」の記録的大成功に端を発した、王国に沸き起こる空前の映画ブーム
本日は、いくつかの新作のさわりを御覧頂きたい


1『追剥の城ヤッタ』

「ううぅ……」
泣きじゃくりながら家路へと進む赤髪の少女。名家の令嬢である彼女は、
周囲の子供達からやっかみ半分の苛めを受けていた

「それは、困ったねぇ」
「うえぇぇん」
娘を慰める母親は、不意に思いついたように
「そうだ、ゼニヤッタ。良い事を教えてあげる、困った時の御呪い」
「オマジナイ?」
「ふるーいふるーい秘密の言葉……」

「シンデ・オロカモノ・ウフフ・アリアマル・ゼニ・ヨコセー」

「シンデ?タ?」
母親は復唱しようとする娘を撫でつつ
「我を富ませよ、地獄よ蘇れ。という意味だよ。唱えながら指で相手のうなじをバッテンを書くようになぞるの。
シンデ・オロカモノ・ウフフ・アリアマル・ゼニ・ヨコセー」



2『風の谷間はユタカ』

♪ヤン、ヤンヤヤ、ヤンヤンヤン、ヤン、ヤンヤヤヤ〜ン……♪

「ヘル……ヘル……」
自分の名を呼ぶ声に振り向くと、そこには
「おいで……おいで……」
死んだはずの大好きだった父

父に抱かれ共に馬の歩みに揺られる中、傍らに目を留めると
「(母さんもいる……)」

高名な魔法使いであった両親、徒歩で付き従うお弟子さん達
私は突如、不安な想いにかられた
「(嫌……私そっちには行きたくないの)」

「来ちゃらめえぇぇぇぇ!」

「何も居ないわ、何も居ないったら……」
状況が解かっていない「あの子」が私の発育途上の胸元からヒョッコリと顔を出す
「出て来ちゃらめっ!」

「妖精の幼生です」
「やはり、魔性の者に取り付かれていたか……渡しなさい、ヘル」
「嫌っ!何も悪い事してない!」

哀れむようなのに、それでいて無慈悲な声色で父が告げる
「人、ハグレ、妖精……他種族は共に生きる事が出来ないんだよ」
「あぁっ!?」
姉が死んで、深く傷ついた私の心を癒してくれた秘密の友達を、大人達の屈強な手が奪った

「お願いっ!殺さないでっ!……おねがい……」
0056創る名無しに見る名無し
垢版 |
2015/04/15(水) 06:45:27.03ID:G3hA2wwC
>>54
同感です。ざくアク本スレ(現在の最新part61でしょうか?)は
多くの方々が利用されるはむすたさん作品半公式スレとしての役割を確立しているように思えます
私も拝見し、投下された質問に自分なりの意見をお答えするような方法で、はむすたさん作品の素晴らしさを
多くの方々と共有する形で楽しんでいますが、そこではSSはあまり好まれないようです

このSSスレはマイノリティであろう、はむすたさん作品のSSを見たい方々に開かれているものだと思います
スレ立てしてくださった>>1様には乙しきりです
是非ともあなた様の描かれるざくアクワールドを私も拝見し、楽しみを共有したいと思います
一つ気軽に、作品投下をされてみては?

私もドキドキしながら>>25を初めて投下し、以来しばしば書き込んでいますが
ここを見ていらっしゃる方々は、とても穏やかで、私の拙い書き込みに優しいコメントをして下さいますよ

楽しみにしております
0058創る名無しに見る名無し
垢版 |
2015/04/15(水) 16:40:22.93ID:o++Cdg17
SS投下主アイディア一杯あるんだな
今の所どれも読ませて貰ってるけど特に『オーナーこどらの日常』と『禁じられた遊び』は特に気に入ってる
0059創る名無しに見る名無し
垢版 |
2015/04/15(水) 19:36:33.56ID:v4QdHmLQ
渋でもふと見た時に増えてたりするから嬉しい
自分もとは思うんだけど文才となによりネタがないんだよなあ
0060創る名無しに見る名無し
垢版 |
2015/04/16(木) 02:28:47.94ID:WDdstCL5
応援してるので投稿したい作品が出来たら投稿してほしいなぁ
アントニオさんもだしそれ以外の人もね
0061アントニオ猿L
垢版 |
2015/04/16(木) 18:33:48.20ID:AUqoWtto
『ロマンの祭日』#1

全裸である

「森の魔女」であるところの私、ミアラージュは自室の姿見に自身の生まれたままの死体、いや肢体を晒している
成長は望めなくなったが、健康に気を遣い、適度な食事と運動、ボディケアを心掛ける体に非の打ち所など存在
し得ない。第二次成長を迎える直前の少女、特殊な価値観を持つ人が見たならば、神秘的で不可侵な輝きを纏う
私の元にひれ伏すことだろう

誤解しないで欲しい。別に私にはマク○ーン警部補に、逃亡の為に乗り込んだ旅客機ごと吹き飛ばされた
ス○ュアート大佐の如く、マッパ健康体操に勤しむ習慣は無い

ならば、何ゆえ全裸なのか、お答えしよう。とある私的実験を行う為にだ
傍らの机に置かれた、今川焼のような食物に手を伸ばす

「魔女特製巻き戻しのワッフル」

ダンジョン探索の度に過剰に溜まっていく数々のアイテム・武具・秘宝類、持ちきれない物の多くは王国の倉庫
へ直行しそのまま腐りもせずに放置されている。干し肉はともかく、日持ちがしなさそうな神様ランチやアイスク
リームまで保管出来てしまう摩訶不思議な倉庫への興味は尽きないが、今ソレは置いておく

お土産屋店主の職権で、簡易な手続きでそれらの物品は持ち出し・活用を許されている中、私は
「巻き戻しの妙薬」なるものに目を留めた
曰くこの妙薬は、負傷・疲弊した服用者の内的時間に作用して、戦闘前の元気マンマン状態に巻き戻してくれる
劇薬なのだが、近頃はピンチとも御無沙汰な王国には無用の長物と化していた

私はある事を思いつき、「あくまで私用なのだけれど」と打診した上で許可を貰って入手し、これまで培って来た
魔術理論を駆使してこれに改良を加えた。
完成した薬の効能は、「服用者の時間を巻き戻す」というものから「服用者をあるべき姿に戻す」ものへと変わった
つまり、これを服用すれば御伽話のカエルの王子様や野獣は即座に人間に戻るという寸法だ

……でも、効果は一時的なのよね、私の計算では概ね半日ってとこかしら
これを材料にして摂取しやすいように美味しい菓子状に焼き上げたのが「特製巻き戻しのワッフル」である
さて、ではこれをどうする……私が食べるに決まってるでしょう

秘術「黄泉還り」で復活した私は明らかに世の理を外れた特異の存在、その私の「本来あるべき姿」とは
……「歳相応に成長したミアお姉ちゃん」に他ならない
え?本来死んだままなんだから、死体に戻るんじゃないの?ですって?……細かい事は言いっこなし!
自他共に認める天才の私に抜かりは無いわよ!そこは空気読みなさいよ、いいわね!?

これから、ワッフルを摂取した私がどうなるか。些か控えめに計算してもヘルと同等か僅かに上回るナイスバディ
になってしまうのだ……姉なのだからしょうがない。歴代のラージュ家が輩出した魔女達に、貧相な体つきの者は
存在しない……血統なのだからしょうがない。ならば着衣のまま決行してお気にいりの服を破ってしまうような愚は
避けるべきだろう

……故に全裸である

前置きが長くなったが、そろそろ始めよう。仕込みは完璧で懸念は無い。故に特に気負いもせずワッフルに噛り付く
うん、美味しい……南蛮漬けにした鰯に更に苺ジャムをぶちまけた様な味わい、ファンタジスタね!
それにしても、鏡に移る「全裸でワッフルに舌鼓を打つ少女の図」……な〜んか背徳的ね、われながら

十分に咀嚼して飲み込む。途端に心臓の鼓動が強くなって体が熱を帯び、吹き出た汗が蒸発、霧化して
私の体を包み込む。想定通りの反応だ。続いて訪れる肉体の急激な成長に伴う痛みに私は自らの肩を抱く
ような姿勢で耐える。同時に切り揃えていた髪が伸びて視界を覆っていく……10秒、30秒、1分
汗と痛みが引いた私は、ゆっくりと髪を掻き分けて鏡に映った姿を確認する

「いやはや、なんとも……予想以上に良い感じじゃない。日頃の努力に対して、体はしっかり応えてくれるのねぇ」


続く  ※投下主は全裸派です。下着とか、靴下とか……まどろっこしいから、ハイ、脱いで脱いで
0063アントニオ猿L
垢版 |
2015/04/18(土) 05:47:13.91ID:MZ3RsaLp
『ロマンの祭日』#2

至高の全裸である

「ラージュ家の神童」であるところの私、ミアラージュが自らの肢体(今や死体に非ず)を眺めて至る偽らざる所感だ

妹のヘルは、王国でも最上位のサービス要員の一角(大明神談)である。彼女は、神から賜った「愛されボディ」
(=食べても肥えにくく、且つ万が一肥えても女性が切望する箇所に肉がつく体質)に加えて、生来ののほほんとした
性質から、自らの容姿を飾り立てるような行為には一切頓着しない。故に、彼女には大海の神秘が生み出した極上の
黒真珠のような自然美が醸し出されている

対する私の全裸を見よ。端正な骨格を過不足ない柔軟な筋肉を包んだ上に匂い立つような脂肪を薄く覆った肢体
控えめな睫毛に彩られたアメジストの様な瞳に、緩やかに切れ上がった眦。知性を感じさせる薄めながら生気に満
ち満ちた唇。栗色の天鵞絨の如く光沢を湛える髪。これは正に、本来脆弱であったヒトを生物の頂点へと押し上げた
「意志の勝利」を体現させた研鑽の美。精妙なブリリアントカットを施したダイアモンド。人類の造詣美の結晶である。

「と、まあ自画自賛はこれぐらいにしておいて……こう長いと鬱陶しいわね」
あらかじめ用意していた二挺の鋏を両手に装備、ものっそい速さで伸びすぎた髪をチョキチョキと切り整えてゆく
「経年変化で少しウェ−ブがかる髪質だったのね、私って。うん、まぁ、こんなもんかな?」
肩にかかる位のミディアムに、前は従来のパッツンを改め、せっかくついたウェーブを生かしたシースルーバング
に仕上げる。セルフヘアカット完了

「次は服か。ヘル、ちょっと貸して頂戴ね」
今日は定例のハグレ祭り。早々に出掛けた妹に、不在ながらも断りの挨拶。タッパはほぼ同じ程度に収まった
チチ(私がやや大)シリ(やや小)フトモモ(やや太)+クビレ(やや細)と若干の差異が生じたが、問題はないだろう

「もうちょっと、こう、普通っぽいのは無いの?」
先程、ヘルは容姿に頓着しないと言ったが、それは「自らを美しく見せよう」という気負いが無いだけで、彼女なりの
服装のこだわりはあるのだ。オフでは寛ぎ易いジャージ、そして日中は黒を基調とした露出大目で体の線が浮き上
がるピッタリとしたデザインのもの選んで着ている。それはラージュ式交霊術正統継承者で、かつ秘密結社女ボス
としての嗜みであると信じるが故である。
しかし、数は少ないが他系統の服もある。裁縫が趣味である彼女は王国民の公・私服の修繕や作製を小遣い稼ぎ
の感覚で引き受けている。その試製や売れ残りの品々から何とかコーディネートしてみよう

結局私が選んだのは、いつもの格好に近い白のブラウスに赤のチェックスカート、それと揃いの柄のベストを羽織っ
て、ブラウスの襟元に黄色いリボンを巻いてみた。足元は動きやすさ重視で白のハイソックスに海老茶色の
ローファーを履く。更に普段は出来ない大人な雰囲気を演出してみようと、戯れに薄桃色の日傘を開いて持ち、
戯れに作った妖艶な香りを放つ花の香水を吹き付け、改めて鏡に自らの全身像を映し華麗に一回転
「なかなか決まってるじゃない」
着替え完了。全裸終了。


ではさっそく、出掛けましょうか。どこへって?さっき言ったでしょう。今日はお祭りだって
ローマという都市を表敬訪問中のとある王女が、正体を隠して暫しのお忍び休日を楽しんだと言う異世界の故事に
習ってみましょう。あっちは王女で、こっちは魔女だけれども、良いじゃない……無粋なツッコミはお控えあそばせ

居室を出て、慣れない体の高い目線に感動しながら日傘を回しつつ、拠点の出入り口に向かってみたならば
そこにおわすは、日頃からモフる機会を伺い続けて未だ果たせずにいる王国番犬兼秘密警察長官のベロベロス
今日はお土産屋が閉店なので外部の来訪者はほぼ皆無。また祭り開催日でも王国の総員の三分の一は残留する
シフトを組んでいる拠点に、襲撃をかける馬鹿も居ないだろう事を、かの賢いワンコはちゃ〜んと解かっている
いつもの「キリッ!警備体制」よりやや寛いだ姿勢で、のんびりと欠伸などしている……カワイイ

私の中にむくむくと擡げる希望的観測と生理的欲求
「(犬は日頃、その優れた嗅覚から人物認識をしているのではないかしら?いつもと違う香水、他者の服を纏った私は
彼にとって初めて出会う、化粧室を借りる為に勝手口から迷い込んだ外部の害意の無い来訪者……イケる)」

変身を遂げた魔女ミアラージュの非日常の戯れ
その序曲の相手は、ベロベロス、貴方に務めて貰いましょう

続く
0064アントニオ猿L
垢版 |
2015/04/18(土) 07:50:55.52ID:MZ3RsaLp
『ロマンの祭日』#3

「まぁ、どうしましょう、ハグレ王国さんのお城って思った以上に広いのねぇ」

ベロベロスセコムセンサー警戒範囲のギリギリにあたるデーリッチ黄金像の辺りで、
あくまで自然に、優雅に、穏やかな雰囲気を醸し出しつつ、困惑した風を装う私、ミアラージュ

ピクリと耳を動かし、振り返るベロベロスの視線に
(偶然合ってしまった!)
かの如くに、同じく目線を会わせる事に成功……細工は流々

♪目と目が合う〜瞬間、モフられたくな〜ってた〜♪

というバックミュージックが流れてきそうなシチュエーションに添うように、渾身の優しげな微笑を
ベロベロスに叩き込む!……仕上げを御覧じろ
キュピーンッ、という音と共に、ベロベロスの体が電流に撃たれたのかの如く刹那に震え、硬直した

「あらあら?かわいいワンちゃんだこと、こっちにおいでなさいな」
お菓子の館の魔女に、不安がる幼子が思わず篭絡されてしまうような、逆らい得ない空気を醸成しつつ
ゆっくりと歩み寄る……私の画龍点睛の詰めの一画を見よ!

未だベロベロスは固まったまま……堕ちたな

モフモフまで後、5歩、4、3、2、1歩、手に持った日傘を自然に落とし
渇望する毛並みに向けて両手を広げ、いざ!
怪鳥の如く踊りかかる!!

「キュゥゥゥゥゥゥン!!!」

咄嗟に身を捻ったベロベロスを捉え損ねた私は

「ほへ?」

勢いのまま、盛大に顔面から門扉に突っ込む!

!!!!!!!!!!!!!!

およそ人体が立ててはいけない、もんのスゴイ激突音が拠点ロビーに響き渡る

「ぐっ!がっ!?……うぇっ!ひ、いぃぃぃ〜!!」

そのままズルズルと激突した顔で壁に撫でるように崩れ落ち、
およそ年頃の女の子が上げてはいけないような呻き声を漏らす私
生身になったせいなのか、勝利を確信したが故の慢心から体が緩んでいたのか……

痛い!すっげぇ痛い!!死ぬほど痛いぃぃ!!!


「グスッ、貴方、見抜いていたのね……」

さすがに哀れみの情を覚えたのか、ベロベロスはやや緊張に身を強張らせつつも
私に自らの身を抱かせ、モフらせつつ、深刻なダメージを負った私の顔に
固有技・ペロペロを施してくれた……なんと賢く、なんと優しい子なのだろう

「ごめんね、姑息な事、して……でも、今後は、偶にで良いから、モフらせて……取って喰いや、しないから……」
「く〜ん」

少々痛い思いをしたが、彼と少し仲良くなれた気がした……幸先の良い一日のスタートを切れたと思う事にする

続く(ミアの服装に、誰かを思い浮かべた方がいらっしゃるかもしれませんが……多分、その方で合ってます)
0066アントニオ猿L
垢版 |
2015/04/22(水) 02:04:56.27ID:quYcMsOj
『ロマンの祭日』#4

なんやかんやと祭り会場に到着
暫しの散策。途中、行き交う殿方のネットリとした視線に笑顔を返したりしてみる
ドキッとした様子で顔を赤らめる様子を観察……結構楽しいわね

さて今日は拠点で研究に勤しむから、とお化け屋敷はキャサリンに任せているが、お忍び視察をしてみよう
相変わらずの盛況振りで、沢山の客が入場の列に並んでいるが、誘導の手際にそつが無いので混乱はしていない
ウチのキャサリンは優秀ね、と改めて感心する

一定時間毎に5、6人ずつ入場させるシステムで、入口で管理をしているキャサリンが、中での注意事項等の口上を
述べる。着飾った(仕事用衣装:ヘル作)人形が生き生きと働く様子に子供の客などは興味津々のようだ
いよいよ次の入場組みになったその時、ふとキャサリンと目が合う
ちょっと吃驚した様な表情をする……気付いたのかしら、ちょっと仕掛けてみよう

「私の顔、何かついているかしら?」
「あ、いえ、すんません。綺麗なお姉さんだなぁって思って」
「フフッ、お上手なのねぇ、でも嬉しいわ……はい、これ。後でおやつでも食べて頂戴ね」
「あ、ども」

頭を撫で、こんな事もあろうかと用意していたポチ袋を握らせて、私は中へ進む……気付いてない様ね

常のキャサリンはお小遣いを渡そうとしても遠慮してしまう。曰く
「普段から良くしてもらってますし、欲しいものもありませんから」
家族なのだから、もっと甘えてくれてもいいのに、と言うのが私の正直な気持ちだ
……だけどヘル、あんたはダメよ。私より高給取りな大の大人が、姉にお菓子代をたかるんじゃないの

では、お忍び視察を続けましょう



一方
「さすがミア様だよなぁ……大魔女ともなるとあんな事も出来るんか、すげぇなぁ」
しっかり気付いていたりする……家族の絆である……加えて尊敬する主人を慮って、咄嗟に知らぬフリも出来る
出来る(元)人、ミア姉の懐刀であるキャサリンもまた、出来る(元)人であった



視察を終えて、正午少し前。そろそろ空腹を覚えてきた
食材調達も兼ねて、一度やってみたかった釣りに挑戦しよう

「(エステルに全然似てないピンク髪の)お姉さん、釣具を貸してくださいな」
さあ、いざフィッシング!

「……ビギナーズラックというヤツかしら?」
釣果は上々。ヌシ×2、レア魚×5、通常魚多数で、スコアは108

周囲の釣り人からはヤンヤヤンヤの喝采を受ける中
「二匹目のヌシは、僅か一分足らずのヌシ生涯だったのね……」
もののあはれ、というものが少し解かった気がした


「ねぇ、大将?私、レア魚がアボカドに化ける不思議について知りたいわ」
「……すまんが企業秘密だ。和国の神秘ということで御納得頂きたい」

ちゃきちゃきカフェに釣った魚を持ち込んで、ちょっと豪華な昼食と板さんの小粋なトークを満喫する

さて、午後は何をしましょうか

続く(※釣果は投下主のベストスコアだったりします)
0067創る名無しに見る名無し
垢版 |
2015/04/22(水) 02:37:32.69ID:/RkOSjlk
ヌシ2匹を一回で釣ったの?投下主 すげぇな
所で国王が釣り失敗したときの顔エロいと思わないかい?
0068アントニオ猿L
垢版 |
2015/04/22(水) 02:52:35.33ID:quYcMsOj
えろかわいいとおもふ
将来が楽しみですよね、未だヴェールに包まれてる過去・正体にも期待してます

祭りは3回釣って2回カフェでレア魚調理が私のデフォです
極稀に一回でヌシ3度(釣れたのは2回でしたが、あの素早さは間違いなくヌシはん)
出現する事もあるみたいですよ?
0069創る名無しに見る名無し
垢版 |
2015/04/22(水) 22:10:57.74ID:AozgGvlT
ピクシブのメニャーニャSSがなかなか良かったわ
ここも賑わって欲しいね
てかやっぱりメニャーニャ人気なんだな。
0070創る名無しに見る名無し
垢版 |
2015/04/22(水) 22:17:37.47ID:/RkOSjlk
>>68
ヌシ(笑)って陰口叩かれてそう 仲間の魚から
>>69
メニャとエステルって鉄板なのかね ピクシブでいえばプリヅチのSS好きだな
0071アントニオ猿L
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2015/04/22(水) 22:23:34.87ID:quYcMsOj
『ロマンの祭日』#5

腹ごなしがてら美術館に来てみた
私が徒然なるままに描いた絵も展示されているはず……ないわね、何処だろう?まぁ、追々見つかるでしょう

定期毎に王国で行われている品評会で佳作以上評価を貰った作品は展示対象になる
また、美術館来場者には入場の際、投票紙5点分が渡され作品を自己採点する楽しみも味わえるのだ
評価型美術館、なかなか良い試みだと思う

「この作品は、強さゆえに迫害されてきた竜族の歴史を叙事詩的趣をもって敢えてコミカルに描いている名作だ」
「ほほぅ」「なある」「深いなァ」

全身に真紅の衣装を纏った見覚えのある竜人が、見物客らにこたつドラゴンの作品の素晴らしさを説いている
その姿が余りに堂々としている為に、客らはこの竜人が名だたる批評家に違いないと信じ、多くがこどら作品に
点を投じてる、こどら作品が群を抜いて一般評価の高い理由の真相を垣間見た
……これぞRPG名物、「ドラゴン贔屓」!する方もされる方もドラゴンなら対抗する術無し!

しばらく見回っていると……あった、私の作品群!
なんでトイレ前の場末に固まって展示されているのかしら?
私、ポッコに嫌われるような事した覚えは無いんだけれども?
それとも私の作品に芸術的魅力が足りないのかしら?

評価箱を覗けば結構な数の投票紙が入っているのを確認出来たので、少しホッとする
え、?自分で投票しちゃいなよ?……嫌よ、そんなの。ヤボじゃない



美術館見物を堪能した後は、取り合えず噴水広場で一息つこうと思い足を進める途中
青空ステージに目を向けると「デーモンでもいいんだもん」のライブが大盛況の中で開催中だ

「この前、装いをチェンジして散歩してイタラ、チョットイイオトコにナンパされたヨ」
「イリスさんは素敵なレディですから、いくら忍んでもそこはかとない魅力が溢れ出てしまわれるのでしょう」

正に今、お忍び散歩を楽しんでいる私はタイムリーな話題に暫し足を止めて聞き入る

「御褒美がてらティーを奢らせて、色々エスコートさせてアゲタ」
「相手の殿方はさぞ幸せな時間を過ごされた事でしょうね?」
「デモ、暗くなった頃、チョット休もうとか言ってバーにでも行くのカと思ったらホテルに連れ込まれた」
「ちゃきちゃき宿というやつでしょうか……初対面だというのに、無粋で無礼極まりないですわ」

所謂ちゃきちゃき宿(ラブホ・連れ込み宿)なるものは、オリエント(の内の和国を含む極東)固有の文化だ
最近ではこの大陸でも散見されるようになってきた
しかし生粋の西洋悪魔で、王国入り間もないイリスには馴染みの無いものだろう

「チョット前までの態度チェンジさせてヌードになって襲ってキタ、興醒めしたから死なナイ程度に凍らせてやったヨ」
「それはさぞ縮こまった事でしょう……え?どこがですって?嫌ですわ、皆さん解かってらっしゃるくせに!」
「言わせないでヨ!」

赤らめた顔を両手で覆ってイヤン、イヤンをするゼニヤッタとイリス
観客(一部の熱狂的なファン)らの喝采が轟く
「クール!クール過ぎる!!」「イリス様ぁ!俺も冷やしてくれぇ!!」「ゼニヤッタちゃん!カワイイよぉ!!」

一方、一見の観客や多くの女性客は
「え?今が笑いドコロ?」「あざとい……」「何よっ!色目使っちゃって……悪女!」

これが悪魔魅了漫才か、観客の温度差までもネタの一部とした高度なエンターテイメント……悪魔っ娘、侮りがたし!

それにしても、ナンパねぇ……今日はそういうシチュエーションも密かに期待しているのだけれども……

続く (※シブのメニャSS、私も読みました イイですよねツンデレ 着衣微エロのシチュもそそりました)
0074アントニオ猿L
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2015/04/23(木) 06:43:12.01ID:PVVjseAI
『猫飼いたい』(※他シリーズものとは別設定とお考え下さい)

「未確認生物図鑑・猫科」
そこには「地獄猫被り」や「神獣アニャンタ」といった世にも珍しい、且つ愛らしい珍獣達が詳細な説明文と想像図
を交えて描かれていた。

「可愛いですね……ネコ、飼ってみたいです……ネコ」
図鑑を眺めつつ、嘆息混じりに一人ごちる。

シノブはここ最近、王国マスコットのベロベロスや地竜ちゃんと戯れる事を何よりも楽しみにしていた。
何もかもを自分がやらなくては、と言った強迫観念から開放され、年齢相応の欲求を満たす事が出来る。
幼き日に得られるはずだった何かを、シノブは今取り戻しつつある。
平和な証拠だ。近頃はネコに御執心の様子。


「あまり勧めないよ……ネコは」

フト、そこに通りかかったのは親友のエステル。

「(はて、珍しい事ですね?)」

シノブは疑問に思う。
大概の事は、当たって砕けろとばかりにチャレンジして、強固な意志と、主人公(風味)補正とで
やり遂げ、通して来たエステルが、こんな事を言うとは……

ならば逆説的考えて、エステルには飼い猫を持った経験があるのであろう。

「と言うと、難しいのですか?ネコを飼うのは」

シノブの質問にエステルは硬い表情で、

「相応の覚悟を持たなきゃダメだよ?ネコって大概、気紛れな気性で、構い過ぎても、ほっとき過ぎても拗ねちゃって
扱いがムツかしいんだ。ストレスが嵩じるとトンでもない厄介事を引き起こす事もある。それら全てを、シノブは主人と
して甘んじて、引き受ける覚悟はある?」

シノブは自らの心情を省みて、ただ可愛いから、興味があるからといった甘い気持ちで動物を飼おうとした自らの浅慮
を恥じた。
同時に生き物に対して真摯な想いを持つ、頼れる親友エステルの真っ直ぐな心意気に改めて感動する。

「そうね。生き物を軽い気持ちで飼っていいものではないわね。今は保留とします。でも私に覚悟が備わった暁には、
将来的には是非一匹飼ってみたい。その布石として是非、エステルが信じるネコ育成の心得を拝聴したいですね」

シノブは教えを請うに相応しいよう、自らの姿勢を正す。

「私も試行錯誤しながら、悪戦苦闘中の身の上だから、余り偉そうな事は言えないけど……」

「(え?エステルったら皆に内緒でネコを飼っているのですか?)」

「まずは誰が主であるのか、毅然とした態度で示す事。友人同士なら気が引けてしまうような事でも、特に行為中は
しっかりと割り切らないとイカンね。公私の切り替えをキチンとする。これを互いに理解する事が大切だと思う……」

「(友人?行為?公私?)」

「後は飴と鞭の使い分け、その匙加減かな?こればっかりは互いに体で覚えるしかないけど、信頼関係が
深まってくれば少々イキ過ぎても、ネコからすればそれが快感と思えるようになるらしくて、むしろマンネリ化
する関係を一新する刺激になるとか。あ、なんだったらメニャーニャにも聞いてみ……」

「ありがとう、エステル。もう結構です」

(※出勤前に使い古された、『ネコタチ』ネタを投下する愚行をお許し下さい)
0075アントニオ猿L
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2015/04/24(金) 06:40:32.19ID:v5nFY2ud
『ロマンの祭日』#6

ふと、肉体が発する「満たされないシグナル」を感じた。
……そうだ、私は成長していたのを忘れていた、不覚!体はいつも以上のカロリーを欲して然るべきよね。
良い契機だ、この際ハグレ祭り出店名物カツサンドも賞味してしまおう。

私は逸る肉体の欲求に応じるべく、勝手知ったる会場の林の中の最短距離を歩む……その最中、


「え?」
私の手、腰、足に纏わりつく何かに動きを留められた。

「つ〜かまえた!」「へっへっへ!」「ん〜イイ匂い!」

見るからにヒャッハー系の殿方三名に抱きつかれてしまった。

「朝から目を付けてたんだぜぇ?」「迂闊だったなぁ……」「たっぷり可愛がってやるよ!」

……イリスの台詞ではないが興醒めよ、サイアク……
未だこんな輩が王国主催の祭りに跋扈しているとは……後で意見具申しておこう。
くそっ、せっかく変身して、乙女の誰もが抱く願望。暫しのシンデレラストーリーを僅かに期待していたのに……

これじゃ、タイトル的に「素人強制輪○」じゃないの!(※ふぃくしょんどぇす)

怒りに震えつつ、ミアスカウター(戦力分析)を行う。

ヒャッハーボス=HP1200位?
ヒャッハーサブ=HP1000位?
ヒャッハークズ=HP 900ぐらい、かな?……と私の勘が告げる

雑魚の極みじゃないの!
……逆に困っちゃったわよ、こっちは!!

「諦めなよ、お嬢ちゃん!」「気持ち良くしてやんよ!」「お前さんを護る騎士(ナイト)はいねぇんだぜ!」


肉体が常の状態じゃないから、加減の匙加減に自信がない(プチ困惑)
でもシコタマ、頭にはキている訳で!(困惑)
でも、安直に「殺し」なんてしたくも無し!!”(超困惑)
だからと言って黙って犯される訳にもいかない!!!(激困惑)


しゃーないわね……あんたらの「運」と、私が咄嗟に判別し得ない「防御力」に期待するわ……

半ば、諦め気味にヒャッハーどもの無防備な首筋を、一気に刈り取ろうと、
カミソリキックの蹴り足を放とうとした直前……


「いるぜっ!!ここになっ!!!」


力強い声が辺りに響く。
この声は……

近くの茂みから、小さな人間の男の子を肩車した赤いミノタウロスが姿を現した。

「俺が騎士(ナイト)だ!!!」


続く
0077アントニオ猿L
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2015/04/26(日) 00:59:37.61ID:68Bp8ErD
『やんごとなき駄目ドラゴン』#1

「……と、言うわけで一部の気の荒い個体や血気盛んな若い者を除いて、基本的に竜族はテリトリーやタブーを
侵されない限り進んで他者を襲わない。古竜と呼ばれる格の高い竜ともなればその特徴は尚、顕著となる」

王国大学。竜人リューコを講師として招いての集中講義だ。

「よって切羽詰まった冒険の時には、刺激せずに通り過ぎる事をお勧めする。しかし多くの竜が財宝や伝説級の
武具を保持している為に、それを目当てに戦いを挑む冒険者も多くいる。心当たりがあるだろう?」
会場にクスクスと笑いが漏れる。大いに心当たりがあるのだから仕方が無い。

「先程竜族は無闇に戦わないと言ったが、覚悟して挑んでくる挑戦者は大歓迎だ。強者に戦いを挑まれ、それを
斥ける事、斥けられる事は最大の誉れだからな。むしろその為に日頃から宝物を溜め込んでると言っても良い。
これらのものは身も蓋も無い言い方をすれば餌なんだが、竜族側の真意は自らを退治する勇者には最大限の
寿ぎを持って応えたい。その褒賞がショボかったら自らの沽券に関わる、ぶっちゃけると見得だな。」
竜視点の戦いの論理。他ならぬ竜人からの言葉ゆえに説得力はいや増す。

「よって、竜族相手には十分に備えて、容赦無く、精一杯戦って貰いたい。そして勝ったなら、その事を大いに誇って
吹聴して欲しい。諸君らの今後の新たな竜退治伝説に期待する。御静聴ありがとう」
大きな拍手が沸き起こる。名高い竜人によるカリスマ溢れる講義であった。


その後は参加者各人に軽食や飲み物が配られ、幾分気楽な空気の中での質疑応答タイムとなった。

「竜と竜人はどう違うんですか?」
王国に来る前までJKだった雪乃は往年の勘を取り戻し真っ先に質問する

「竜人族は意外と種の歴史が浅い。発生条件に天然タイプと合成タイプとが存在する。
天然タイプは、人語を解する温厚な竜が人間と懇ろになってイタしたり、神として崇められた古竜が人身御供で
捧げられた娘と、折角だからとヨロシクやってしまった結果生まれた者だ。」

「……壊れてしまわないのでしょうか。竜とイタして……妄想が捗ります」
誰かが小声で呟いていたが、皆聞こえないフリをした。

「そして合成タイプは、少し昔にどこぞの神々がやたらと竜と多種族とを掛け合わせる実験に奔走した時期があ
って、少なくない竜人が生み出され放逐された。結果、従来稀にしか生まれず、互いに出会う事がなかった竜人が、
集まり、竜人同士の交配が進み、今では小さいながらコミュニティを形成するまでになった。この合成タイプの出現
が竜人族の発生の契機と言えるだろう。」

生命の創造。普段は様々な雑務に勤しむ神々も、偶には神ならではの仕事をこなすようだ。
余談だがハムスターも、ごく最近、とある森に番が目撃されたのを皮切りに、以後世界に広がっていったと言う。
閑話休題。

「竜人族の家格はどのようにして定まっておりますの?本人の実力?先祖の功績かしら?」
ヴォルケッタ子爵(笑)が扇子で口元を隠しつつ質問する。
主催者のマリーは、「はいはい、貴女はどっちもありますね……」といった様子で溜息をつく。

リューコはやや苦笑しつつ、
「強い先祖を持つ家の竜人は地力がそもそも高い。よって次代が受け継ぐ財産も多くなる。その財産を有意義に
用いて更に強くなる。結果、その竜人は発言権も強くなる。これが人間の言う家格というのかどうか……」

「しかし、やはり実力至上主義だな。どんなに金持ちでも弱ければ多種族に退治されて、ハイ、それまでだ。
むしろ……私やこどらのように偉大な古竜を先祖を持つ家系の者は、簡単に負けたりしたら、受け継いだ力
を生かせなかった愚か者と一般(竜)人以上の誹りを受ける。これが家格というならば難儀なものだな」

「ほう、ほう……ほへっ?」

ヴォルケッタを含む全員の視線が、軽食を食べてお腹がくちくなり、涎を垂らして午睡を満喫するこどらに注がれる。

続く
0078アントニオ猿L
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2015/04/26(日) 03:29:09.97ID:68Bp8ErD
『やんごとなき駄目ドラゴン』#2

「……こどらさんってエリートなんですの?」

ヴォルケッタの態度に、ニューコは可笑しくて堪らないといった様子で

「そこが人間と竜人の常識の違いだな。聞けば人間は当人がショボくても、先祖が偉かったり生まれた家が
金持ちだったりしたら、曲りなりにもそいつはエリート、お嬢様扱いをされるんだろう?
竜人にはそんな奇習は無い。生まれた子供は一定年齢に達したら一律、コミュニティに一つしかない学校に
放り込まれて切磋琢磨する。そこで揉まれて社会に出て、世界中から強いと認められる奴がエリートさ。
先祖も家も関係ない」

最強種族の一角として名高い竜人の豪快な理論。しかしある意味真っ当なエリート観ではないだろうか。

「さしずめ、私やこどらはエリート見習いの新人竜人って所かな。でもまぁ、人間の価値観で言うなら、
こどらはエリートっていうか良家のお嬢様かもしらんな。金持ちじゃないけど。
こいつの父方の先祖……というか未だ御存命な始祖様だが、ものすっごい竜なんだ。とにかく長生きなお方でな。
母方も、これまた有名な氷竜の血統だ」

あいも変わらず惰眠を貪るこどらの頭をポンポン叩くリューコ。

「んあ?……くぅ〜、すぅ〜」

目覚める気配は無い。

「竜人に自らの生まれの良さを誇ったり、他の高貴な血筋を敬ったりする風習は無い。むしろそういった背景を
持つ奴は、生まれつき高い能力を受け継いでいるという羨望から、やっかまれる事の方が多い。
そういう意味じゃこいつも苦労した口だな。私も昔は結構馬鹿にしていたし……
長くなったが、竜人の中では家格なんてものは定められておらず、ただ強い者が尊ばれ、弱いものは蔑まれる。
これが答えでいいか?」

「は、はい……」

一瞬、遠くを見るように目を細めてから、笑顔に戻ったリューコはどこか満足気に見えた。



ふとまどろみから目覚める。ありゃ、リューコちゃん帰っちゃったか。挨拶し損ねちゃった……残念。
なぜか皆の私を見る目が普段と違う気がする。
特に子供達が目をキラキラさせて図鑑を差し出してくる。曰く、

「ここに、こどらちゃんの御先祖様は載っているデチか?」

先祖?あぁ、おおじじ様とおおばば様の事かな?多分載ってると思うよ……ほら、ここと、ここ。

「す、すげぇー!かっこいいな、こたっちゃん!」

すごいのも、かっこいいのも私ではないんだけれども……まぁ、ヤボは止しにして素直に御礼を言っておく

私もいつか、二人みたいな立派なドラゴンになりたいな……明日からまた、本気だそう



古竜サヴァイバー=別名、世界で最も長寿なるもの。推定6億歳。恐竜の生き残りという説もある。幸運の龍。
             氷河期・大洪水・隕石衝突といった未曾有の災害、度重なる戦乱を地中で眠る事で乗り越えた。
             (※らんだむダンジョンアイテム図鑑、★エルダークローバー 参照)

白龍ダイアモンドアース=北の大地に住まう、寒気を司る龍神。雪女一族の祭神。
                (※同上、☆白龍の置物 参照)
0079創る名無しに見る名無し
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2015/04/27(月) 00:13:30.19ID:lniq0eyE
面白いと思ってたま〜にSSスレ来てるけどさ
ピクシブとかに投稿したほうがいいんでない?
このスレ恐らくほとんどの人みてないぞw
0080創る名無しに見る名無し
垢版 |
2015/04/27(月) 00:24:47.84ID:lniq0eyE
付け加えで、アントニオ氏の作風好きなので仮にここに投稿し続けても玉に見には来るよ
0081創る名無しに見る名無し
垢版 |
2015/04/27(月) 05:18:38.54ID:fofOchXg
>>79
>>80

ありがとうございます
私、ピクシブでは見る・読む専なのです
そもそも自分が考えたものを投下するのは、ココが初めてで
とても気が小さいので、閲覧される方が少なそうなココであるからこそやれたというか……

今後勇気を振るって、より多くの方々の目に触れる場への投下にチャレンジする
事もあるかもしれません……が、当分はココで書かせて頂こうと思ってます
0082アントニオ猿L
垢版 |
2015/04/28(火) 08:31:25.62ID:KajF0A26
『一夜のあやまち』

「ヅッチー……」
「あっ!」

週末の妖精王国。夜も深まるヅッチーと私の寝室、通称「愛の巣」(プリシラ命名)。
暖炉の火が煌々と照らしだしているのは、
薄いネグリジェのみを纏って仰向けに横たわる私に、全裸で馬乗りになっているヅッチー。

「いや、こんなはずじゃなかったんだ!」
いつもの勇ましさはどこへやら、顔を真っ赤にしてしどろもどろになっているヅッチー。

今にして思えば、昨夜のヅッチーはいつも以上に飲んでいた。
妖精王国温泉宿開店○周年記念パーティー……周りの妖精達がお祝いの言葉と共に満たす杯を延々と
乾杯の掛け声で干し続けていた。

箍が外れた結果が現在の状況である。

「うぅ……」
涙目になって悶えるヅッチーの姿に、私の嗜虐的な一面が顔を覗かせる。

「もう、ヅッチーったら、こんなに濡らして……」
詰る様な声を投げかけつつ、肌に張り付いてる濡れた薄物を脱ぐ。
……うむ、マナジャムドーピングした私の全裸も捨てたものじゃない。

「ご、ごめん」

泣き顔を覆って全裸アヒル座りするヅッチーなんて……激レアだ。
最大限の理性を持って劣情を押さえ込み、母性の仮面を被ってヅッチーを抱きしめる。

「怒ってないわ……だから泣かないで、ヅッチー」
「プリシラァ!ごめんよぅ!」

片手でヅッチーを撫でつつ、もう一方の手で布団の下に忍ばせたボタンを押す。
部屋の改装時に取り付けた隠しプリミラ(生命体自動追尾撮影機能付)。
小さなシャッター音は泣きじゃくる声で掻き消える。

ヅッチーとの全裸抱擁画像、ゲットだぜ!!!


「落ち着いた?」
「すん、すん……うん」
涙跡が残る顔に花の笑顔が戻る。やっぱりヅッチーは笑ってる顔が一番素敵だ。

「じゃあ、皆が起きて来ない内に後始末しましょうか」
「ほとんど乾いてる……残ってるのはプリシラの寝巻きと敷き布団ぐらいだ」

成る程、寝る前に消した筈の暖炉の前に、梁から吊った紐に掛けられたヅッチーの寝巻きと掛け布団。
私が目覚めたのは、私のを脱がそうとする直前だったわけね。敷き布団はどうするつもりだったんだろう。

「朝までちっさいファイア起こして炙り続けるつもりだった……」
「もし次があってもそれは絶対やめてね、危ないから」
私は氷精だっつーに……

なんとも拙いというか、可愛らしいオネショの証拠隠滅工作だ。

「みんなには内緒にしてくれよな?」
「ふふ、わかってる。二人だけの秘密ね。でもヅッチー?これからは夜八時以降のジュースは禁止よ?」

(※衝動に囚われて、つい……ごめんなさい。でも全裸が書けて満足です)
0084アントニオ猿L
垢版 |
2015/04/30(木) 04:43:52.49ID:Fh0RdLmX
色々と妄想は捗りまくってるのですが、
まずは「禁じられた遊び」と「ロマンの祭日」を完成させたい所です。

特に「ロマン」はアマデ○スさんの如く、
「出来上がってるよ?ココ(頭を指差す)で……後は書くだけさ」
なんですが、筆不精な者でして(タイピングが不得手)……

でもケンコー的に徒然なるままに、書きたいもの(特に全裸とこどら)を書き殴って投下する、
我儘な投下主をどうか、詰ってください。

映画みたく、サリ○リさんが口述筆記してくれたらなぁ
0085アントニオ猿L
垢版 |
2015/04/30(木) 12:12:42.13ID:Fh0RdLmX
『悪魔は生きとし生ける者のパトロンです』#2

「今日は研鑽の為の勉強会なのだから、忌憚の無い意見は大歓迎だ。どうか遠慮しないで欲しい」
柚葉さんの自らに厳しく、他に優しい配慮には、本当に頭を下がります。
「はい……ごめんなさい、柚葉さん、正直に申し上げますと味がよく解かりません。私共魔族の舌には、薄味過ぎて」
「成る程。来店される御客様の客層の幅が広いハグレ王国においては、他所よりもその点に配慮すべきと言う事か。
皆様方よ、食ってばかりいないで聞け。今のゼニヤッタ嬢の素晴らしい提言をキチンとメモっておけよ?」

……御配慮感謝致します。あぁ、地上世界と、そこに住まう人々は、とても優しく、そして美しい。


「王国料理人連合会」。それは国民皆様の食事や、お土産やお店で食物を扱う方々が拠る、相互扶助組織です。
今日はその定例勉強会でした。
柚葉さんの粋な計らいと、想起した懐かしき家族の思い出を、日記に書き残したいと想い、筆を取った次第です。

会員はマッスルさん、キャサリンさん、柚葉さんに、私ことゼニヤッタの四名。
発起人兼、代表兼、事務兼、監査役兼、後援会長のミアさんは、
「私は天才的に味オンチらしいから(涙)、口は出さずお金を出すわ。あと面倒な周旋は私に任せて、頑張りなさい!」
世の誰もが希求する、理想的なオーナーを粛々と努めて下さっています。
自重や配慮も出来る天才なんて、歴史を紐解いてもいらっしゃいませんよね?……ミアさんはお出来になる方!
閑話休題でございます。

「俺は常々、この生魚を少ない飯で食わせる技には甚く感動してる。一見なんともしみったれてるが、一つ口に含むと
吃驚仰天。空腹に任せて掻き込んで良いモンじゃねえ!と思わせる何かがあるな。おい、誰か説明してくれ!」

「ミア様が仰るには、和国は狭くほっそい国土を海に囲まれ、資源は乏しいが四季の移ろいが顕著なトコロなんだと。
採れる限られた食物を神々へ感謝し、最高の工夫で食するのが礼儀らしいぜ?成る程、供される形式はあたかも
供物進膳!主体は食材そのもの。精緻な包丁捌きも、絶妙な味付けも引き立て役に徹している……奥ゆかしいぜ!」

……その時の私は、会員の皆様が舌鼓を打ちつつ絶妙な批評を披露される中、窮地に陥っていたのでした。

味がしない……

様々な事情で天から堕とされた神・天使の成れの果てが悪魔です。罪人の流刑地が豊かな土地である訳が無い!
地獄、煉獄、魔界、冥界……私達の棲息域は悉く、痩せた土地の救世主たる薩摩芋さえ育たない不毛の地!
同じく堕とされたあらゆる生命体を、互いに貪り合う修羅の世界!
結果、生命力も味も、地上から見れば得体の知れないような強靭な植物しか育たず、
また極地的な気候においての保存に耐える為に、極限の香辛料が求められたのでございます。
少ない食物を奪い合う、悪魔界を憂いた減浄と言う名の悪魔僧が、地上のテンジク・カラ・ナンバン等々より
多くの強烈な香辛料を持ち帰って、改良の後に広めた結果、悪魔界の戦争は終結し……(地上漫遊記演義)
閑話休題パートUでございます。

つまり、他生物基準で味オンチなんですの、私達……辛いモノに慣れてしまって……(しかたないじゃない×2!!)
(参照:デビルズブラッド=らんダン、イリスチャンラブ=ざくアク)
異種族共栄が如何に困難な事か!

しかし、恵まれた環境に生まれた者は、安易に不平不満を口にするべきでは無いと思うのです。
事実、イリスさんや私、悪魔っ子勢が王国から供される食事に文句を言った事は、一度たりとてありません……
×「こんなもの、高貴な私が口に出来るものではありませんわ!おとといおいでなさいな!ホーホッホ!」
○「初めて食べましたが、たいそう趣深い……とても個性的で結構なお味です。感動致しました」
……物語などでしばしば描かれる誤ったセレブ像と、実在する常識的なセレブの対応の差……御参考までに。

幼い頃、領民の方々が開催したニンニク収穫祭で供された料理を、私は残してしまいました。館に戻ってから、
「ゼニヤッタ……苦手で、食べきれなさそうなら、手を付ける前に、減らして貰わないといけないよ?」
厳しくも、慈愛に満ちた表情の父から受けた過酷な折檻。とても心地良く、懐かしく、苛烈な思い出……
対する、地上の現世を生きる人々のなんと穏やかな事か……これはまたこれで素晴らしい……


親愛なる父様、母様、兄様……色々困惑する事もあるけれども、私は今日も元気でございます!
(※ゼニヤッタちゃんは両親から愛され、大切に、厳しく、且つ進歩的《=人間賛歌》に育てられたようです)
0086創る名無しに見る名無し
垢版 |
2015/05/03(日) 10:46:40.28ID:X1CpnD0R
『ロマンの祭日』#7

「(マッスルさんだ!これで勝つる!!)」

隠れニワカマッスルファンの私、ミアラージュは心中で黄色い声を上げた。
私は食物も男も、些少な奇異には囚われず、真に優れたものを愛でる。
食物に関しては味より栄養素を、男に関しては器量より漢気や侠気を……違いが解かる女なのだ!

『彼は王国きっての理想的な漢よ!』……かつてそう断言して、ドン引きして泣き出した愛する妹を慮って、
『冗談よw』……と取り繕って以降は、一切、殿方への賞賛をいっさい封印した私。
あぁ、そのマッスルさんが今、目の前に!!

「あぁ、もぅ駄目だ、お終いだぁ……」「マッスルさんや……」「に、逃げ……」
「動くな、兄ちゃん達……」

心疚しく無い者が聞けば安堵し、心疚しい者が聞けば震え上がる声を、一陣の風の如く発するマッスルさん。
背負われた童は目を輝かせ、レ○プ(未遂)魔共は凍りつき、私は濡れた……どこかは言わせないでよ!

「マッスル兄ちゃん?お仕事なの?」
「おぅ、太郎。途中ですまないが、みんなに伝えて来てくれ。マッスル兄ちゃんはすぐ戻るからってな」

見るからに聡そうな男の子は、わかった、と背から降りると、店の前で皆一緒に待ってるから、と言って駆け去った。
賢い子だ……おそらくマッスルさんが、日頃から懇意にしている孤児院のまとめ役の子なのだろう。

「お嬢さん、御無事ですかい?」
「え、えぇ、なんともありませんわ。おそらく、確実に、何かされるであろう直前でしたの……」

気丈に振舞いつつ、かと言って成す術なく途方に暮れていた健気な令嬢……という風体を精一杯装ってみた。
ホントは怖くもなんとも無いが、殺さずに済んだ正直な安堵が、私の演じたい儚さを演出してくれるだろう。

「ウチのシマで怖い想いをさせて申し訳ない。もう大丈夫ですから、安心して、ちとここで待っていておくんなさい」

心底申し訳なさげな表情を滲ませたマッスルさんは、レ○プ未遂魔達の手を引っ掴んで、私から少し離れた所へと
引きずっていき、そこで正座させた。

「……!!……???……!!!……」
「……!」「……!」「……!」
パァン!!パァン!!パァン!!

私は魔力を使って、ミアデビルイヤー(地獄耳)を発動、マッスルさんのヒャッハー達への説教を盗み聞く。曰く、

ハグレ王国の縄張りで不埒なマネをしちゃいけねぇ、種族問わずの仲良し世界の実現が、俺と王国の夢なんだ!!
邪魔する者の攻撃は全て受けきった後、捻り潰してやる、痛ぇぞぉ?死ぬぞぉ?兄ちゃん達も結構鍛えこんでるな?
その力を間違った方法に使っちゃいけねぇ、使い方が解からねぇなら俺が教えてやる、いつでも訊ねて来い!!!
マッスルさん、すんません! 俺達を導いて下さい! 生まれ変わりの証に一発ずつお願いします!
各人の能力を考慮しての、痛快な平手打ち!!!!!!

マッスルさん、かっけえぇぇ!!

「「「大変、申し訳ありませんでしたぁ!!!」」」
「どうか許してやっておくんなさい。こいつ等は、私が責任を持って立派な輩に育てます!!!!」

連絡を受けたモーモードリンクプレミアム会員達に、再教育プログラムの名の下、連行されたヒャッハー達の顔は、
自らの犯した罪への悔悟と共に、再出発への決意で輝いていた!

「御寛恕頂きありがとうございます!……王国としては償い様も無い失態だと思っております!申し訳ありません!」

「こちらこそ、危ない所を助けて頂きまして……でも、償い代わりと言ってはなんですが、お願いが……」

続く (※次回は、ミア×ニワで)
0088アントニオ猿L
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2015/05/03(日) 12:35:38.53ID:X1CpnD0R
『ロマンの祭日』#8

「(解からん……どうしてこうなった!?)」
ハグレ王国産最強級赤牛こと、俺ニワカマッスルは困惑していた。

今日は日頃の営業努力で貯まった金を使って、週末毎に通ってる各地の孤児院や学童教育所の愛すべきガキ共
をハグレ祭りに招いて、盛大に遊ぶつもりだったのに……超絶の茶髪紫眼の美人が俺の腕にしな垂れ懸かってる!



「あのガキンチョらを祭りで遊ばせてやりてぇなぁ……」
と呟いた俺に、

「水臭いじゃないっすか!」
と、祭り当日の運営を請け負ってくれて、遊んでやって来なせぇ!と、送り出してくれた常連の野郎共。

「店は信頼の置けるジュリ姐はじめ、プレミアム会員で回しておきやすから、御心配なく!」
プレミアム会員って何だ?そんな制度、店長の俺は知らんぞ!?

まぁ、それはいいや……俺直々に筋肉帝王学を叩き込んだあいつらの事は信頼してるし、
そんなあいつらの気遣いを無碍にするのは、野暮の極みだ。感謝して楽しもう。
ジュリアさんが来てくれて指揮ってくれるなら間違いもあるまい。


各地のガキ共が御来場……多いな、さすがに。一斉に会すると50人を超える。
送り迎えの施設長やママさん方からは、沢山の差し入れと御礼の言葉。
結果、昼飯に皆で食べきれん量の御弁当、ありがたい……俺が用意していた食事代は、おやつと予定で
入れなかったアトラクションに回すとしよう。

各所にそれぞれ一人はいる、
「誰にも心を開かなくて、でもマッスルさんからは離れたくないようで……理解してあげて下さいね?」
「御存知の通り、この子はしっかりしてますので、どうかお引き回し下さいな」

と託された、引っ込み思案のお姫様連(お坊様)を全員抱き上げ、親分肌のマセガキ連(マッスル親衛隊)を
直近に侍らせて、まずはお化け屋敷や美術館を回る。
あれやこれやと水を向ければ、お姫(坊)様連は次第に俺から離れて、頼れる騎士に手を引かれ、新たな世界へ
旅立っていく。

「いいな?このお姫(坊)様はお前が責任を持って護ってやれ。お前を親衛隊きっての騎士と信じて任せるぞ!?」
「任せといて!」


昼食を喫する頃には、概ねのガキンチョ共は分け隔てのない友達同士になれた。
よし、昼食後は実践だ。

「イヨォシ!午後一発目は、リアル鬼ごっこやるぞ!鬼のマッスルさんから、みんなで協力して逃げきってみろ!
時間内に一人でも逃げ切れたら、俺が全員にブリちん駄菓子屋で何でも好きなものを一つずつ買ってやる!」
子供達の大歓声!ゲームスタート!手加減はしない……大人も子供も本気でやらなきゃ!!


そうして始まったゲームの最中、不埒な輩のオイタに遭遇……くそっ、水を差しやがる!
しかし、これも王国内で子供が気軽に遊べる為の大切な仕事、既に捕まえた、頭は良いが体がおっつかない太郎に
訳を説明しようとしたが、利口な太郎は直ぐに汲んでくれた……あんがとよ、お前には駄菓子二つ買ってやる!

説教を終えて、常連に再教育を任せた俺は、王国に好意を持って下さっているであろう来訪者にひたすら詫びた。

「こちらこそ、危ない所を助けて頂きまして……でも、償い代わりと言ってはなんですが、お願いが……
宜しければエスコートして頂けませんこと?素敵な騎士(ナイト)様」

続く
0089創る名無しに見る名無し
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2015/05/08(金) 00:51:56.25ID:UgowUyxc
コッコッコ 足音が聞こえてくる 今か今かと待っていた姉御の帰還だ
「姉御ぉー!!」

「ハピコ? どうしたんだい?」 
ローズマリーはハピコの慌てた様子に驚きつつも状況を確認しようと質問する

「いや、姉御が各地視察に出かけた後からデチ公の様子がおかしいんですよ」
「?? 寂しかったのかな?」

「最初はそう思ったんですけどね、でも今までもサムサ村に外交で数日いないとかあったじゃないですか、だからおかしいなと思って気になっていたんですよ」
うん?っと状況が読めず相手に更なる情報を促がすマリーにハピコは

「それで、部屋に居るデチに対して聞き耳立ててたらキュア!とかヒール!を唱えてるんですよ」、と
回復魔法を唱えている事を伝えると途端に険しい顔になったローズマリーが
デーリッチが怪我をしているのかと不安を感じハピコに迫る

「それ、どういうこと?」

「あたしも、気になってるから相談してるんですよ だって問い詰めても 『大丈夫』とか『気のせいでち』としか言わないのですよ」

デーリッチが周りを不安にさせないようにしているが確実に何かを隠している事を察しローズマリーは急いで彼女の元へ向かった・・・
0090創る名無しに見る名無し
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2015/05/08(金) 01:22:09.56ID:UgowUyxc
ズキ・・・ ズキ・・・ イタイ、イタイ・・・ こんな痛みは初めてだ

---デーリッチ!

「ーーエステルちん!?」

「ふぉ!? そ、そんな驚くなよ! 」

相手のリアクションに少し腰が引けたエステルだが、相手の見方に違和感を感じた。

「デーリッチ、具合、、、悪いんでしょ?」

図星を食らい一瞬硬直するも、ちょっと体調悪いだけだよと返す王

「嘘、隠しても分かるわよ だって貴方分りやすいもの」
0093アントニオ猿L
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2015/05/11(月) 09:34:49.04ID:SYWLBHuy
グオオォォォ、投下仲間が御来臨なさりました。
ありがたや、ありがたや……
心から御再臨をお待ちしております。

ちとリアル世界に足りない頭を最大限、使わなくてはならない事案がありまして……
片付くまで、ロムらせて頂きます。
0094アントニオ猿L
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2015/05/14(木) 16:00:33.89ID:TOcnwe9h
『竜虎激突』#1

「龍じゃん!!」
「虎でち!!」
キッカケは些細な事だった。

王国シンパのコレクターが、異次元から迷い込んだ稀覯漫画本「るろうに○心」(しかも全巻勢揃い)を献上した。
この出来事は漫画好きの王国民の心を楽しませ、物理勢の近接戦闘に対する意欲を改めて高らしめ、
また常時金策に勤しむ柚葉に和国剣術セミナーを開かせ小銭を稼がせる等、概ね王国に良い影響をもたらした。

が、王国の「最強の虎」「無敵の竜」を自称するデチ虎王・こどら竜公両名の闘争心に火をつけてしまったのだ。

「一度目は不覚を取ったけど、二度目の決戦に勝ったのは竜じゃん!?」
「ガチの戦闘に二度目はないでち!」
「私達だって普段の戦闘は敗北ノーリスクで、ボス戦はセーブ有りで無限再戦可能じゃん!?」
「ぐっ、でも竜の二度目の勝利は仲間の絆や、主人公補正のチートありきだから実力とは言えないでち!」
……完全にガキの喧嘩である。

周りの面々は、いつもの事だと相手にしない者。退屈しのぎにやいのやいのと煽る者、ひたすらオロオロする者等
様々だったが、

「お前達っ!強さを決するに女々しい言い合いしてるんじゃねぇ!!ビシッ!!!バシッ!!!(×2)」

我らがマッスル兄ぃの漢らしい往復ビンタ喧嘩仲裁(攻撃力、約3000)が炸裂する!
女性マジョリティ&武断国家であるハグレ王国には、
「女に手を上げるなんてサイテー!」
という、平和呆けた甘えた常識は存在し得ないのだ。加えてマイノリティである男性陣は良識を弁えた紳士揃い。
固めた拳で殴る事など決してせず、愛を込めた平手打ちを持って仲間を諭す……信念と愛とをもって!
「(殴るこっちの手や心の方がよっぽど痛いんだ!)」
閑話休題

「雌雄を決するなら口でなく互いの力で存分にやらねえか?そうするなら俺が後腐れないように、キチンと仕切らせ
てもらうが……どうだ?」
「「ふぁい……おれらいひまふ」」(意訳=頼んます)

仲裁された両名は、ほっぺたがとても痛々しい状態だが合意。
一週間後の12:30〜13:00、ハグレ王国竜虎決戦が開催される事が決定した。


基本8名パーティによる集団戦を専らとするハグレ王国では、珍しいタイマンバトル開催に沸き立った。
当日の決闘では、概ねなんでもアリアリガチンコ方式が採用される。それは以下の通り
・武器防具装備を認め、合体技を除くあらゆる特技・魔法・奥義の使用を許可する(タイマンだもんね)
・道具の使用は不可とする(ベル「解せぬ……何でもアリなのに……アイテムは邪道なの?」)
・王国業務に差し支えるので、戦闘時間は昼食後の30分間とする(終わらなかったら引き分け)

決戦三日前。召喚士三人娘による「竜虎大戦ぶった切り!新聞」が発行される。その記事を一部抜粋

猫「……いよいよ三日後に迫りましたがお二人の予想は如何でしょうか?」
桃「難しい所だけども、デーリッチかなぁ?物理・魔法両面に対応できるし、回復魔法のエキスパートでもある」
巨「私はこどらさんを推します。独自の回復技を持ち、物理面では鉄壁。アイテム無しではMPの限界が……」

決戦前日。ハピコ・イリス共同胴元によるトトカルパッチョ(賭けクジ)が発売開始。

苔「デーリッチに私のへそくり総額。国王を信じられない参謀がいる訳無いだろう?」
雷「国王&魔法組同士のよしみでデーリッチ買いだ!プリシラ、金額は任せるぜ!?(氷「うん、ヅッチー♪」)」
地「もけっ!」(椅子「フフ、『竜は強いっ!』だとさ。ハピコ。こいつにこどら500G頼む」)
赤「ドラグーン通貨使えるか?駄目か……小切手は?そうか、じゃあ100000G分、こどら勝利で切ってくれ」
銭「うぅ、私は、その……引き分けってクジはございますか?」

続く
0095創る名無しに見る名無し
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2015/05/14(木) 19:52:10.78ID:h6KXljQm
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

キャラを漢字一文字で表すとどんな感じになるのか気になった
0097アントニオ猿L
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2015/05/16(土) 15:40:28.53ID:yCO6jmn6
『竜虎激突』#2

決戦当日。近くの村から大量に献上された山菜を、かき揚げ蕎麦で楽しんだ後、王国総員は拠点外特設ステージ
に集結した。

「これより第一回王国竜虎決戦を開催する。様々な経緯から、本日、王国が誇る竜虎に雌雄を決して貰う運びと
なった。両方とも雌なんだが細かい事は言いっこ無しだ。皆にはその行く末を見届けてもらいたい!」
見届け人兼、進行兼、審判のニワカマッスルの開会宣言が朗々と轟く。

「両名に言っておくが、この神聖な戦いに卑怯な真似をしやがったら、そいつは永遠に軽蔑されるであろう!」
観客総員が『(お前は紅豚のマ○マユートのボスか!?)』と言うツッコミを堪えて、万雷の歓声と拍手を送る。

「両者、前へ!」

北から虎王デーリッチ。人型ハグレにしては鋭い犬歯を一層尖らせ、グルルルッと唸り声上げつつ獲物を狙う虎
の如く四つん這い姿。前足(前腕)のハンダで覆った爪先で、石舞台をギャリリッっと火花を立てながら掻き威嚇!

南より竜公こたつドラゴン。ギャオォォォンンと地を轟かす咆哮を放ちつつ、こたつ蜜柑の空き瓶に詰められた
得体の知れない液体を口に含んで、口元に近づけたマッチに向かって霧を吹き、特大の焔を吐き出す!

……なに?そのエンタ〜ティナ〜な演出、異世界のレスラーじゃあるまいし……

すぐさまマッスルさんの往復ビンタが両名に炸裂!
デーリッチの爪は爪切りで適度に整えられ、こどらのアルコール瓶とポケットのマッチは取り上げられた。

「「えんひつらっれわ……(直訳=演出だってば……)」」

折角、腫れが引いたところだったのに……両者は都合10000程HPを削られての決戦開始と相成った。
幸い、両名とも運値が高いので沈黙は免れた。

「では30分一本勝負っ!はじめぃっ!!」
ぐわあぁ〜〜ん
キャサリン愛用の中華鍋を銅鑼に見立てた渾身の合図で試合開始!

速さに勝るデーリッチのチクタクロッド二連撃がこどらに炸裂!
倍近くの運アドバンテージでこどらはスタン!
更なるチクタク二連撃で再度のスタン!
一連の連携で貯まったTPを駆使したデーリッチのレベルカンスト覇王拳!

舞台上が猛攻の粉塵に覆われる!
計3ターンで30000超のダメージを叩き出した……

椅「やるなぁ、デーリッチ!あれで回復役だもんなぁ、物理投擲勢も形無しだぜ」
福「ウフフ、とても鮮やかなコンボですねぇ、惚れ惚れしますわ……しかしながら……」
茶「あれは観客サービスで、挨拶代わりといった所じゃろ……効果は、無いな」

王国三大老が懇切丁寧な解説を述べて下さる中、しだいに視界が晴れていく。そこには……

「ふ、さすがは我らの国王様だね、デーリッチ……ブリリアントニウス!……でもね?」
次第に晴れてゆく視界の中、

「これは、いわゆる『競技』じゃないんだわ。技が巧みな者、多彩な魔法が扱える者が勝つんじゃないの……」
全くこたえた様子の無い様子のこどらが、

「最後まで倒れない者の勝ちなのよ!!!」
凶悪な微笑を浮かべて佇んでいた

「そんな台詞は、最後まで立っていた時に言うでちよ!!!」

続く
0098アントニオ猿L
垢版 |
2015/05/16(土) 16:10:51.90ID:yCO6jmn6
>>95、96
一字表記は行き当たりばったりで……これだ!!って言う拘りは今の所無いんですよ
桃=エステルに対して、クーちゃんやヴォル子爵なんかはどうしようかと、考えあぐねております

また「赤さん」を即座に突っ込んで頂いて、とても感激してます
0100創る名無しに見る名無し
垢版 |
2015/06/09(火) 16:13:57.79ID:6m2Ikqux
規制かかってるのかこれ
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