ざくざくアクターズ SSスレ [転載禁止]©2ch.net

1創る名無しに見る名無し2015/02/22(日) 20:24:51.93ID:gmj/1+c2
◆ダウンロード先
はむすたブログ
http://hamusuta.blog-rpg.com/

◆ざくざくアクターズ-まとめwiki
http://www34.atwiki.jp/zakuaku/

2創る名無しに見る名無し2015/02/24(火) 14:34:26.57ID:0QCRwTm9
SSというか向こうはフリゲ厨やら比較厨やらそれ以前の初心厨が迷い込むから
普通のレスもこっちでしたほうがいいかもしれんね

3創る名無しに見る名無し2015/02/24(火) 16:48:10.30ID:wD3A9zAT
気持ちは分からんでもないがここは「創作発表板」だから
避難所的に雑談で使うのは板違いのマナー違反になっちゃうと思う

まあ今後主旨通りにSSが投下されて賑わうかって言われると何とも言えんが

4創る名無しに見る名無し2015/02/25(水) 11:11:03.43ID:JmgxX1A7
まあでものんびり過ごしてたほうが話の種も出てくるでしょ
自由な発想そのものを禁止しないためにも、あっちみたいにすぐ話題に噛み付かれる状況は
マイナスなだけだと思うし、雑談もネタ出しのアイドリング状態と思えばいいんじゃない?

5創る名無しに見る名無し2015/02/25(水) 18:39:09.29ID:JmgxX1A7
アイテムコンプリ意識せずやってたけどリプレイするか悩むな

6創る名無しに見る名無し2015/02/26(木) 13:07:26.10ID:GGI5gbGb
マリオンちゃんかわいい!

7創る名無しに見る名無し2015/02/26(木) 19:39:54.56ID:v4i+poCD
つーか隔離的に立てたスレだろうし
もし>>2がSS投下すんなって言ってた側だったら、ここを雑談にも使おうってのはおかしい

8創る名無しに見る名無し2015/02/27(金) 07:37:50.45ID:6ubfRvQx
単純に向こうが嫌ってだけでしょ

9創る名無しに見る名無し2015/02/28(土) 05:58:03.95ID:mcXSEe+z
---------------------------
↑ここまでSSの投稿無し

しかも向こうで未だに妄想小説垂れ流してるし本当に無駄なスレだなここ

10創る名無しに見る名無し2015/02/28(土) 13:56:33.12ID:Ap1ntRlk
SS途中まで書いたが書く気失くなったのでオチだけ書いて供養する
3つあるけど3番目のは誰かのレスのアイデアをパクった

ああ私の首は天国にあったのか(デルフィナ光に包まれながら)
少年よ、今は首が無い為私から伝える事はできなんだが、そなたを天国から見守る事はできよう
〜〜〜
この世界にたったひとりぼっちになった雪乃
一緒に吸い込まれた雪だるまだけが心の拠り所だった
その雪だるまがデーリッチに蹴られる
デーリッチ「爽快でちね。友達になるでち」
〜〜〜
異世界のかなづち妖精との交信を元に作った大きすぎるかなづち大明神
実はかなづち妖精と同じ大きさだった
つまりデーリッチの世界は小人の集まりだったのだ
(ゲートの穴は、特殊でガリバートンネル(スモールライトと同じ効果のやつ)のようになってる)

11創る名無しに見る名無し2015/03/01(日) 11:25:58.64ID:waEo5Bsv
ジェネレーションギャップって奴なのかもなぁ
らんダン全盛期はSSが上がるなんて作品語る上じゃ名誉だったけど
同じ感覚だと今の時代の新参には理解出来ないんだろう

ここも向こうも廃れるしかないんだようなぁ
>>9みたいな醜い生物が湧くんなら

12創る名無しに見る名無し2015/03/01(日) 18:25:21.27ID:XbMr3k9v
SSの好き嫌いに世代は関係ないと思うし単に住民層の違いだろ
同じ作者のゲームでも結構住人層違うように思えるしな、らんダンスレとざくアクスレって

まあどの道攻略情報とか話したい人にとっては邪魔以外の何物でもないだろうし
やっぱりSSはこうやって専用にスレ立ててやるべきだと思うよ
普通のゲームのスレでも大抵そうしてるしね

13創る名無しに見る名無し2015/03/02(月) 08:14:21.35ID:6bjH03SG
監視

14創る名無しに見る名無し2015/03/03(火) 10:46:27.12ID:RCzwMt9A
クラマ「あれ?アルフレッド先輩浮かない顔してますね?」
アナルフレンド「クラマか…いや、ちょっとね…」
クラマ「俺でよかったら相談に乗りますよ」
アナフレ「ありがとう、聞いてくれるかい?」
クラマ「先輩のそんな顔見てられませんからね!」
アナル「実は最近ベルくんが僕と距離を取ってるみたいなんだ…」
クラマ「そういや最近マーロウさんやマッスル兄貴と居ること多いですよね」
アヌス「漢らしくなりたくて特訓しているらしいんだけど…さ」
クラマ「あの二人なら師匠としても申し分ないですしね」
穴「でも戦闘に関しては僕だってプロフェッショナルさ、事アンデット相手にするならば誰にも負けないし…」
クラマ「同じ獣人ってのもあるんじゃないですあかねぇ…身体能力的に真似がし易いでしょうし」
ケツ「でももう3週間も会いにきてくれないんだ…もう僕のファーントじゃ物足りないんだろうか…」
クラマ(…なるほど、特訓とはいえいつもAファーントでつつかれちゃたまんないよなぁ)
クラマ「武器を使わない格闘術の稽古を付けてあげればいいんじゃないスか?対アンデット向けの」
肛門「え?」
クラマ「え?」
菊門「なんで僕がベルくんに戦闘を教えないといけないんだい?」
クラマ「なんでって…最近ベルくんが先輩の特訓を受けてくれないって話ですよね?」
括約筋「違うよ、最近デートしてくれないって話だよ」
クラマ「え?」
ケツマンコ「え?」
クラマ「…先輩とベルくんってそういう関係っスか?」
アナルビーズ「あぁ、言ってなかったっけか。つきあいはじめてからもう半年かな」
クラマ「さっきの先輩のファーントってのは…」
ANAL「もちろん僕のこれ→ωに決まってるだろ」
クラマ「あっ、そっち…」
アルフレッド「マーロウさんやマッスルさんのモノがすごいのは僕も知ってるが…テクニックじゃぁ負けてないと思っていたのに…」
クラマ(まずい…今の俺口を栗の形にしたまま何もいえなくなってるぞ…)
アル「…いいんだよ、言わなくてもわかるよ」
クラマ「えっ、いやっあのっ!」
アル「クラマくんが僕のことを慕ってくれてるのは好意の裏返しだものね、ベルくんが不貞を働くなら僕だって…」
クラマ「!?」
ボロン
アナルイーター「しゃぶれよ」
クラマ「ちょっ!まっ(モゴッ)」
オーラルイーター「どうだ?美味いか?」
クラマ「モゴッ!モゴゴゴゴッ!?」
デルフレッド「くっ!イクぞ!!」
クラマ「モゴッ!うげほっ!ごほっ!(…ポッコ、ごめん…俺汚れちまった…)」

15創る名無しに見る名無し2015/03/03(火) 12:44:51.46ID:pVTYiSRM
最低

16創る名無しに見る名無し2015/03/05(木) 00:36:20.93ID:iv7wfJsA
恨みの篭ったスレ

17創る名無しに見る名無し2015/03/06(金) 07:15:47.96ID:Tw9iScoO
もう許される事はないね
2ちゃんねるにあるスレ全部悪

18創る名無しに見る名無し2015/03/06(金) 15:44:13.62ID:Dld32WCN
ええんやで

19創る名無しに見る名無し2015/03/06(金) 19:44:43.90ID:Tw9iScoO
uramarenagaraikiteike

20創る名無しに見る名無し2015/03/07(土) 10:21:31.37ID:guEea2Gb
絶対許さない

21創る名無しに見る名無し2015/03/10(火) 20:12:13.70ID:jua0ywwU
本スレ崩壊

22創る名無しに見る名無し2015/03/19(木) 10:50:30.61ID:ocxtZTW1
どうしようもない

23創る名無しに見る名無し2015/03/26(木) 21:33:59.30ID:myH8ZgGY
なんでこんなに廃れてるん?

24創る名無しに見る名無し2015/03/28(土) 12:32:07.55ID:HGLjDuLt
久しぶりに様子見に来たらとんでもないものを読んじまったぜ

25創る名無しに見る名無し2015/03/29(日) 01:01:01.08ID:IXDG3RP2
獣人のサガ? マーロウおじさんの意外に好色?な発言

「フルパワータックル後の香りで飯を喰う…乙だねぇ」(対マッスル)

「うーむ、見事な壺だ…煎じられている薬草類が悶える様に渦巻いている」(対マリー)

「どうも近頃は、年寄りじみてきていかん…わかったよベル君、すぐに始めよう…赤頭巾が食べられるシーンからだ」(いわずもがな)

「うーむ、素晴らしい肉体だ…王国で警察活動を務めるだけの事はある」(対水着ジュリア)

「もう少しの辛抱だ!我慢しなさい!」
「宜しい!思い切りブチかましなさい!!」
「…驚いた。すごい威力だ…いやぁ、若さだねぇ、羨ましいよ」
(対バフを溜めに溜めてオーバーキルを決めるまでのジーナ)

26創る名無しに見る名無し2015/03/30(月) 06:35:59.30ID:Bs7Bxm8c
私は我侭な女…
世の中を少しでも良くしたいと召喚士になった…
でもその召喚士こそが、世に禍を齎したと知り落ち込んだ…

でも、挫けてなるものか…
私は、私が望んだように生きていくんだ…
及ばずながら、少しでも世の中を良くしよう…

懸命に頑張って、志を共にする得難いを得た…
でも、時代の流れに押し潰され離れ離れになった…
私は無力なのか、否、決して諦めない…

新たな仲間に出会った…
対する立場でありながら、同じ理想に向けて共闘し、理想が見えた…
かつての友が帰って来た…



友が言う…
「貴女はどちらを選ぶの!!」「先輩!決断して下さい!」

私は応える…
「どちらも大切だから、二人とも愛して…二人とも幸せにするっ…」

友達は揃って言った…
「「そんな勝手が通るとでもっ!?」」

私は応えた…
『通るさ。私が通す…私はいつだって、そうやって生きてきたっ!!!』



…今日も、猫二人を可愛がっている…
正直、精神・肉体両面でシンドイが弱音は吐かない…

”我侭な女として在る為に、私は如何なる代価をも惜しまない”





ウズ「…『エステルの詩』…っと…ぐへへへ…」
エス「…何やっとる?(怒)」
ウズ「(どくんっ!!!!!!!)」

27創る名無しに見る名無し2015/03/30(月) 06:38:37.03ID:Bs7Bxm8c
やべっ
「得難い」
「得難い友」
でした

28創る名無しに見る名無し2015/03/30(月) 08:31:41.44ID:Bs7Bxm8c
『禁じられた遊び』        著ウズ


それは世界が戦乱の禍根に苛まれていた頃、
「ハグレ王国」と呼ばれた地域の、恵まれぬ子供達が興じた悲しい、悲しい遊び…


〜王国参謀会議〜
「新たな遊具が次元の歪から王国に流れついたそうな…その遊具について諸賢の御意見を伺いたい」
王国先任参謀、ローズマリー(以下マリー)が呟いた

「して、それは如何なる遊具なのでしょうか?」
同盟国である妖精王国参謀プリシラ(以下プリ)が問う

マリー曰く
「その名を、ジェンガという…煉瓦の如く積み上げられた塔を構成する木製小片を、塔を崩さずに抜いていく遊びと聞く」

「聞くだに真っ当な遊びではございませんか?」
帝国派遣参謀メニャーニャ(以下メニャ)がすまし顔で応じる

マリーは机を叩きつつ
「そう…実に健全な遊具である。直近に流行せしプリミラなる映像記録装置の小型版なぞよりは余程に!」

そのマリーの言を受け、両参謀は思った
メニャ「(あれで入浴姿を盗撮された)」
プリ「(あれで自○行為を盗撮された)」…※実はマリーも

「「アレに替わる健全な遊具がもたらされならば、結構ではありませぬか?」」
両参謀は応えた

しかしマリーの顔色は優れない
「諸賢らは何の心配もないと断言出来るのか?」

両参謀困惑しつつも
「「何が?」」

「解からぬか?王国が誇る子供四天王の性質を鑑みてみよ…暫しはモノ珍しさから真っ当なルールで遊びに興ずるであろうが…
飽きた子供らが、更なるスリルを求めて度を越した活用法を編み出しそれに挑戦するは必定!!」

「た、確かに…」
プリは子供四天王の内、二人の性質を思い起こし戦慄した。国王コンビのデーリッチ(以下デチ)と、ヅッチー(以下ヅチ)である
彼奴らは遊びの天才だ

メニャは持ち前の被害妄想振りを発揮して一層顔色を青くする
「詐欺ロリ姉ちゃんこと、鬼才のミア嬢が妙案を提示すれば国王コンビはハシャギ…ベル君は流れに飲まれましょう…」

「ゆえに!…我々王国参謀会議は、はむすた神による新章発表まで、要らぬ混乱に王国を巻き込まぬよう、四天王の動向を監視…
場合によっては諫言・オシオキに徹する事としたい!!よろしいか!!?」

「「御意のままに」」




続く?
 

29創る名無しに見る名無し2015/03/30(月) 10:03:23.50ID:Bs7Bxm8c
「…ここまで来てガタガタ震えるんじゃないわよ…アンタはもう私にヌかれるしかないんだからね…観念なさいな…」
「「「(ゴクリっ)」」」

「・・・・・・・・・そぉ〜らヌけたぁ〜!」
「「「ああああぁ〜」」」

平和である…王国談話室…
メインストーリーをクリア後のハグレ王国の日常風景である…

王国子供四天王ことデチ、ヅチ、ベル、ミアが囲むテーブルには
食べ尽くされた魚の骨ような、もうこれ以上はヌき得ないジェンガの塔がそびえ建っていた

「やっぱりミスらないでちねぇ、ミアちゃんは」
「もう妨害行為無しじゃ勝負にならねえよ」
「のべ1000回はやってるから…しょうがないかも」

「「「「はあぁ〜〜〜〜」」」」
久しく、無聊を慰めてくれた異世界の遊具も、もはや新章が出るまでの退屈を紛らわせてはくれない事を思い知った4人は
テーブルに揃って突っ伏した


ゲームの区切りを見てゼニヤッタがあらわれた
「お疲れ様でした。しばし御休憩遊ばれませ。おやつをお持ちしましたわ

…国王様にはローズマリーさん謹製「プリン・ア・ラ・モウヤメテェ」
…ヅッチーさんにはプリシラさん特製「ビリビリ雷犯し(おこし)」
…ベルさんにはクーさん自慢の「ペロペロエロワッサン(菓子パン)」
…ミアさんにはイリスさんと私の合作「触手コーヒー」
です
どれもこれも甘美で退廃的な魅力に溢れた逸品ですわ
御賞味あれ」


ネーミングはアレだが、それぞれが供された個人の好みを知り尽くされた上で作られた極上スウィーツである
ベル君が喫食前に少々、マーロウさんにボコボコにされたが常の事…気にする程でもない
私達は幸せな3時のティータイムを満喫した


おやつを食べ終えて…さぁ、何をしようか
今日は午前中に日課の次元の塔周りを終えている

図鑑は100%…
王国民各員最良装備完備…予備もたんまり…
レベルはカンスト…
残されているのは惰性のステアップぐらい…
早く来てくれぇ!ハムぅ!!


「うおっ?雨振ってきた。虫取りにもいけねえな」
「じゃあ、またジェンガでもやるでちか?」
「う〜ん、僕はマンネリ耐性が強いから構わないけれども…」

しゃーないかと言う空気の中、ミアが呟いた
「ねぇ、プレイに適度な緊張感を付加する妨害方法を閃いたわ!」

ピシャッ!!ゴロゴロロロロロロォ!!!
落雷の明滅に浮かぶ怪しげなミア姐の貌…

続く?

30創る名無しに見る名無し2015/03/30(月) 11:38:30.82ID:Bs7Bxm8c
ピシャッ!!ゴロゴロロロロロロォ!!!

王国民誰もが身を震わせ、ミアが怪しげな閃きを思いつき笑みを浮かべたその時
王国参謀会議の面々は、「只今会議中♪」の看板を掲げた大会議室において
各々の席に着き皆が皆
「(私がゲン○ウ)」
と言わんばかりに机に肘を立て重ねた両手に鼻を預け、感情の表れやすい口元を隠しほくそえんでいた

「(デーリッチ…今日のおやつのネーミングはいつになく攻めてみたよ…決着をつけようじゃないか…今夜…)」
「(ヅッチーは必ず『犯し』という言葉の意味を大明神に問うわ…今宵こそ…頂く…)」
「(鈍いエステル先輩も…今日こそはゴミ箱一杯の使用済みティッシュを見て、私の想いを察してくれるはず…)」

…末期である

そのような中、不意に扉を叩く音に参謀達は野獣のような眼光を向ける

「誰か?」
「私らだよ…いや、俺達…かな?」

返事を返す前に扉は開かれた
浮遊椅子に身を沈め足を組みつつ、我こそが主である言わんばかりに傲然とした態度の女と
自らを遮る者は無いかのごとく気高く堂々と鼻先を高く聳えさせて歩む三つ首の犬が入室してきた

王国秘密警察長官ベロベロスと長官補佐兼通訳のブリギットである


「動きがあったか」
「わおん!」
「あったとさ」

三参謀が同時に立ち上がる

「詳しく」
「わおん、わんわん、きゅ〜ん、わん、ふぉ〜、わん!」
「ミアが新ルールを提案…詳細は不明。実行はデーリッチの居室…取り敢えず一報まで…だと」

「でかしたぞ…長官!聞いたか諸賢、我々は以後隠密監視体制に移行する!!」
「「御意」」

おっとりがたなとばかりに三参謀が部屋を後にする
退室間際、メニャが盛大にこけた…成る程…その役回りはお前さんか…


三参謀退室後
ブリギットはベロベロスを抱き上げつつ言った
「私はのんびりとした日常も好きなんだが…武断国家が平和過ぎるってのも考えもんだなぁ、おい」
「わぉん」
「だから適度の刺激を提供ってか…達観してるな、お前さん」
「くぅ〜ん」



新章ぅ!来てくれぇ!!

31創る名無しに見る名無し2015/03/30(月) 21:35:03.16ID:KngtgRuN
うーん。所々原作の設定をよく引き継いでいてキャラ愛は出てると思うよ。

32創る名無しに見る名無し2015/03/31(火) 01:29:20.27ID:HEkAlBSO
ベロベロスとブリギットの仲が良さそうで和んだ

33創る名無しに見る名無し2015/03/31(火) 09:41:03.15ID:QHYOjgNz
〜デーリッチの居室〜
「暇してたエステルちゃん(以下ピンク)とマリオンちゃん(そのまま)も誘ってきたでち」
「エステルさんは偶にやってるから大丈夫でしょうけどマリオンちゃんは大丈夫ですか?」
ジェンガをセッティングしながら慮るようにベルが問う

「問題ない。マリオンはアンドロイド。精密工作はお手の物だぞ」
「なるほど。そういえばブリギットやスケベ(※大明神)も手先器用だもんな…出来るな、機械勢」
自信満々のマリオンにピンクが応じる

「で、ミアちゃん。新ルールってどんなんでちか」
「精神攻撃開放よ。まぁ、ひらたく言えば『フイたら負けよ!あっぷっぷ』ね」
「笑わせありって事か」
「まぁ、そう捉えてくれていいわ。でも笑いに限らないでもいい。恐怖・羞恥・憤怒…要は集中力を
削ぐ事で実施者のミスを誘うのよ」

「ウ○コ…とかもアリでちか?」
「それで笑うのはウチのヘルぐらいのもんよ。それにせっかくマリオンも居るんだから、ネタは王国キャラにしましょう」
皆が頭に「?」状態にミアの説明が続く

「皆が皆、仲間の事全て知ってる訳じゃないでしょ?だからそれぞれが知ってる『実はアノ人コンナなの』を話術を駆使
して披露するのよ。まだ王国に来て間もないマリオンの『友達化計画』の助けにもなるんじゃない?」
「なるへそ」
「さすがミアちゃん!真正お姉ちゃんでちねえ」
「マリオンも理解した。それに配慮してくれて、嬉しい(照れ)…」
「「「「マリオンちゃん、かぁ〜わ〜い〜い〜」」」」(デチ・ヅチ・ベル・ピンク)
頭から湯気を出しながら頬を赤くして俯いてしまうマリオン…最近やや耐性がついてオーバーヒートは免れた

「…『かわいい攻撃』は禁止にしておきましょうか…」
「「「「…はい、お姉ちゃん…」」」」(同上)
カミソリミアのしつけ制裁を受けて早、満身創痍ぎみの古参勢…子供道場最強格…ぱねぇ
「なんか、その…すまない」

その他に、過度にキャラを貶めるネタ、後日まで恨みを残すようなネタは淑女(1名のみ紳士)の嗜みで控える事とする
抜き順はデチ→エステル→ヅチ→ベル→ミア→マリオンの入国順
話者は抜く度毎に、これまたミアが折り紙を使って即興で作った名入り六面サイコロで決定する…ミアの姉力…42000


1順目第一実施者デーリッチvs話者ヅッチー

「いくでち!」
デチはまず、目視で抜けそうな箇所を見定める

「まぁ、最初は挨拶がてら軽めに……私ら妖精組は週1で妖精王国に帰ってるのは知ってるな?」
お誂え向きの一片を発見

「王国では私とプリシラは同室なんだ。それにプリシラは氷精の癖に冷え性らしくて、夜は一緒に寝てくれとよく頼まれる」
塔中程の端抜き…トン、トンと目標をつつく

「あいつとは姉妹みたいなもんだから寝るのは構わない…だが『足を暖めるため』とプリシラがやる儀式(?)が苦手でな…」
十分な手応え…親指、中指で両端を押さえ一気に引き抜く…

「私を抱きしめて、足を絡ませて『おしくらマンマン♪擦られて泣くな♪…」
「「「ブフゥッ!?」」」
フイたのは観戦者のピンクとミア、それと見かけの割にオマセなベル

「成功でち!」
「あぁ、まぁこれくらいじゃ動じねえか」
デチは喜び、ヅチは左程期待もしていなかったのか軽く苦笑い。マリオンは口「おおっ」の形にして拍手していた

続くかも

34創る名無しに見る名無し2015/03/31(火) 13:28:19.60ID:QHYOjgNz
「いや〜、フイたわ。私の番じゃなくて良かった、っつーかヅッチーそれ反則だろ」
「反則というより犯罪よ…ジュリア隊長に通報レベル」
笑いが収まらないピンクに対してミアは眉を顰める
ベルはその情景の想像でもしたのか姿勢がやや前かがみだ

「犯罪か?日頃から策士然としてるプリシラが、舌足らずの幼女みたく『マンマン』言ってるのがこの話の肝なんだけど」
「確かに可愛いでちね。『おしくらマンマン♪』」
「マリオンも気に入ったぞ?『おしくらマンマン♪』」

無垢っ娘三人は始めて知った言葉を連呼する幼女よろしく「おしくらマンマン♪」を楽しげに唱和する
今後しばらくは王国民の耳をこのフレーズが賑わす事になるだろう

「仕掛けられた本人が不快じゃないなら、この件は無罪でいいっしょ?」
ピンクが何やら面白そうなムーヴメントの潮流を感じ取りながら嘯く
「苦手だって言ってたじゃないの…まぁ、いいわ、ベル!」

「は、ハイ!」
急遽、妄想の世界から呼び戻され、新兵のように身を正す
「あなた解かってるみたいだから言っとくわ。今後デーリッチとヅッチーがアレを歌いだすような事があったらそれとなく止めなさい。
マリオンには、私が後で話して釘を刺しとくから。あと万一、この件でローズマリーが何か言ってきたら私の所に寄越しなさい。
事情を説明して詫びを入れておくから」
「イエスマム!」
ミアお姉ちゃんはデキる人…


1順目第二実施者エステルvs話者マリオン

「あら…マリオン、始まって早々だけれども出来そう?」
「大丈夫だ、問題ない。ゲームの流れは概ね理解した。任せてもらおう」
心配するミアに力強く答えるマリオン
「一番良い話を頼む(まぁ、マリオンなら…)」
余裕の表情のピンクが煽る

「私は毎日、就寝前に銭湯に行く。閉店前なので大概、店主のウズシオーネと二人風呂だ」
ぱっと見でも明らかに容易に抜けそうな箇所を見定め、ピンクは気楽に手を伸ばす

「一緒に湯に浸かってる時に電流を流すと彼女はとてもよろこぶ…ドMだからだ」
「「「ブフォゥッ!?」」」
危なかった…ジェンガに手が触れていたら即死だったろう…

「(よろこぶって…りっしんべんの方(悦)かよ!)」
「なんでマンマンが解からないのにドMなんて単語知ってるのよ!?」
「…知らなかった…ウズシオーネさんがまさか…」
直前に手を引っ込め沸き起こる笑いに耐えるピンク。絶叫するミア。呆然とするベル。?の両国王

「本人が言っていたからだ。生来、水棲生物なので雷は苦手らしいが、弱点克服の為に訓練しているうちに癖になってしまったという」
「それがなんでドエムって言うんでちか?」
「痛いとか苦しいといった感覚を、心地良いという感覚に昇華することでより高みへと到る…マゾヒズムという自己鍛錬の境地らしい」
(((誰から訊いた…ウズシオーネか?ウズシオーネなんだな!?)))ピンク・ベル・ミア

「そうか!頭文字のエムに強調の接頭語のドをつけた訳か」
「その通りだ。ヅッチーは賢いな。マリオンはこの話にいたく感動したから、以降彼女の鍛錬の手伝いをしている」
(((感動したんかい…手伝わんでいい)))同上

健気な少女がハグレに対する差別に耐える為に自らに課した苦行が…一人の夜叉を生んだ…悲劇である…
「私は得意分野を伸ばす主義なんだが、苦手を克服する事も大切なんだな…見習わないとな」
(((プリシラに話してみ…悦んで手伝ってくれるから)))ry

その後、何とか落ち着きを取り戻したピンクは無事に抜き、ターン終了
続く

35創る名無しに見る名無し2015/03/31(火) 16:31:52.47ID:QHYOjgNz
デーリッチの居室でジェンガの決戦が行われていた頃
王国拠点の裏側では別の死闘が繰り広げられていた

〜王国休憩所(福ちゃんの面接やったトコ)〜

こどらの炬燵に対面する形で座り、睨み合う二人
北はこどら……リューコを屠った時さながらの気迫に満ち満ちた本気モード
南はゼニヤッタ……節目に起こるメンバー選抜戦に見せる殺気丸出しの赤眼開眼状態

双方、炬燵の天板の縁を握り締め、火花が散るような視線を刺し合う
今この瞬間、二人の間で生卵を割ったら、空中で目玉焼きが出来上がり天板に落ちるであろう

そんな二人を見守る者が4人
腕を組み、二人の攻防を余すところ無く見届けようと目を見開いているハオ
胸元に両拳を握り締めながらゴクリと唾を呑むイリス
ハラハラと祈るように手を握り見つめるウズシオーネ

行司の大明神の声が響く

「時間です!待ったなし!!」

「来いやぁっ!」
「いざっ!」
誘いをかけるこどらにゼニヤッタが仕掛けた

「……浅いハオ」
熟練者であるハオが初心者のウズシオーネの為にひとりごちた

「くっ!」
その指摘の通り、ゼニヤッタが攻め損なった事がウズシオーネにも解かった

「今っ!!」
こどらの返す刀がゼニヤッタを襲う

「殺(と)ったネ」

「1、2、345678、9、10!」
「こぉ〜どぉ〜らぁ〜」

軍配を示す大明神の声に張り詰めた空気が一気に緩み、戦いは終わった
見物人達が両者の健闘を称えて拍手を送る



『足指相撲』

休憩所待機組の間でブームになっている大明神考案の斬新なスポーツ
炬燵の中で互いの足の指を組み合い、親指の筋力を巧緻に操って勝負を決する真剣勝負
平日のお昼休みに行司の大明神を除く面子の総当たり戦が行われた後、上位2名による優勝決定戦で結びとなる

他部屋待機組の飛び入り参加も歓迎されており、ヤエや柚葉などはかなり上手である
尚、男衆への門戸は考案者の意向により開かれていない

「さすがにお強いですわ、こどらさんは」
渡されたタオルで、かいた汗を額から首筋、脇、足の順に上品に拭っていくゼニヤッタに対し
「カウンターはお手のモノだからね、ゼニヤッタちゃんも受けの足相撲を取る事を勧めるじゃん」
足、額、服をまくって腹、脇とちぐはぐにぞんざいに汗を拭きとるこどら

そんな二人の姿を見つめる大明神の貌はとても幸せそうであった
(女相撲……万歳!!!)

36創る名無しに見る名無し2015/04/01(水) 01:20:17.52ID:pHXCB8PP
大明神はなかなかマニアックだな

37創る名無しに見る名無し2015/04/01(水) 11:17:52.08ID:YumL4TRm
オーナーこどらの日常

○月×日
珍しく早起き(午前9時)したので、早めに開店。戦国Jリーグの新刊を平台に置く
サムサ村のおばあちゃんが「お供え物」のお饅頭をくれた。美味しい
お年寄りの方の中には龍を神様の類と思って崇めてくれる人も多い
私はそういう職能を持っていないのだけれども、断るのもヤボなので感謝して頂く

○月△日
ちょっと寝坊した(正午)。店に行くと常連さん達が自主的に開店してくれていた。とても助かる
御礼に常連さん達に肩叩きをしてあげた。「これで寿命が10年延びた」と大層喜んでくれた
たぶん延びていないだろう。でもそうだと信じてくれたなら10秒位は延びたかもしれない

○月■日
新規のお客さんが御来店。真紅のブルカ(目だしマント)を纏ったお姉さん
会員登録を所望される。用紙への記入をお願いしたが、読書きが不得意のようで、書きあぐねていた
そう珍しい事ではない。帝国周辺以外の地域における識字率はとても低い

私達竜人族も然り。古の偉大な禍竜(俗名:カール)大帝や、竜聖女の醤竜(ジャンヌ)も文盲だし、
現在でもエリートに属する者が「教養」として仮名・カタカタの読解を身につける程度である

異端児の私は漫画が読みたいが為に、帝都に居住する人間並の読書きを独学で習得した
力が正義の竜人族の間ではあまり役に立たないスキルである
人で言うなら中世の魔女裁判の資料を原訳で読みたいからラテン語を習得するようなもの

閑話休題

代筆を申し出て名前を伺う
「本名はちょっと……悪いが適当に見繕っておいてくれ」
きっと何か事情があるのだろう。余計な詮索はヤボなので止しにする
「赤いから赤子(あかこ)さんでいいですか?」
「……いいよ、それで。年齢はお前と同じにしといてくれ」

これで会員証完成。今気付いたがこれじゃ赤子(あかちゃん)じゃんか。まぁ、いいや
「ではこちらが赤さんの会員証になります。次回以降お持ち下さい」
「ん……」

「あと、こちらもどうぞ」
特製カキ氷を差し出す
「これは?」
「当店自慢のカキ氷です。10回来店毎にお出ししているんですが、サービスです」
腑に落ちないといった様子の赤さん
「美術館によく来て下さってますよね?いつも高い評価をして頂いて、その御礼です。召し上がって下さい」
「そ、そうか……ありがとう」

それから赤さんは、カキ氷を食べたり、子供向けの絵本を読んだりしながら閉店まで寛いでいた
その帰り際
「この、こたつ蜜柑、残ってる分買い占めたいんだが……ドラグーン通貨使えるか?」
「はい、ありがとうございます」

「また寄せてもらうよ」
「はい、どうぞまたお出掛け下さい、御来店ありがとうございました」
こたつ蜜柑箱(20本)を抱えて赤さんは店を出て行った



「……また来てね、リューコちゃん」
まだ、面と向かうと少し怖い
向こうも色々と思うところがあって別人として来たんだろう
あせらないでも良いんだ。少しずつ互いに歩み寄って行こうね

38創る名無しに見る名無し2015/04/01(水) 12:13:57.70ID:9LtO85c4
ほっこりした

39アントニオ猿L2015/04/01(水) 14:57:42.41ID:YumL4TRm
※続き物も投下してるので、今後はこの名前で
『禁じられた遊び』#7

デチ達が居室に辿り着く少し前

〜デーリッチ居室・隠し部屋〜
「こんな空間があったんですね」
「もともとあった建物を活用して拵えた拠点だからね。このような隠し部屋の1つ2つあるさ」
嘆息するプリ・メニャに、淡々と応えるマリー

「まさか私達の居室にもこういったモノが?」
ジト目で睨むメニャにマリーは
「あるかもしれないけれど、私は把握してないよ。探し出して活用するなら、どうぞご自由に」
((後で要チェックね))

「それはそうと、随分と手入れが行き届いてますね、ここ」
プリが置かれた調度品に指を滑らせ、部屋の造りに目を向ける。姑か、あんたは
「発見時には酷いものだったよ。大明神にエステルの入浴姿を盗み撮ったプリミラ画像を握らせたら
極秘に一日でリフォームしてくれた」
「馬鹿かなちゃんめ!貴女も最新技術の私的悪用を堂々とすな!」
「ヅッチーのもあるんだけど、私には必要ないから今日にでも燃しちゃうか……」
「安全保障の為にはある程度の監視は認められるべきね」
「先輩のものを一枚頂ければ、私は貝になるでしょう」
三参謀の結束はより磐石なものとなった

デチ達が部屋に入って来た。覗き窓は魔法鏡仕様の鏡台。室内の会話はよく聞こえるがこちら声は漏れない
「さすがは大明神……異世界仕込みの良い仕事をする」

ミアによるルール説明を終えていよいよゲームスタートのようだ

『私とプリシラは同室なんだ。それにプリシラは氷精の癖に冷え性らしくて、夜は一緒に寝てくれとよく頼まれ……』
「……ちょっと!何を話しちゃってんのよ!ヅッチイィィ!!」
「プリシラさんって冷え性なんですかぁ?いやぁ知らなかったなぁ」
(……このヤンデレニャンニャンがっ!仲介交渉の件をまだ根に持ってやがるのかっ?)

『私を抱きしめて、足を絡ませて『おしくらマンマン♪擦られて泣くな♪……』
「いやあぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
「ブッ…」
「プークスクス、おしくらマンマンってナニ?斬新スギル、メッサカッコイイ」
絶叫するプリ、素で吹くマリー、腹黒笑いを浮かべてツッコミを入れるメニャ

その場で崩れ落ちたプリをよそに二人は監視を続ける
「あの様子だとエステル、ベル君、ミアは行為の意味を正確に理解したっぽいな」
「おしくらマンマンですもんねぇ、でも『擦られて濡れる』にしなかった事で首の皮一枚で命は取り止めたかも」
状況を見ていないプリの為に解説するマリー、慰めると見せかけて追撃を加えるメニャ
プリのHPは現在ほぼ0……エロゲーだったら衣服はもう秘所をわずかに覆うのみであろう

「うぅ……明日からどんな顔して皆に会えばいいの?」
瀕死のガ○ア人のようなプリを見て溜飲が下がったメニャだったが、さすがにやり過ぎたとフォローに回る
帝都にとって今や妖精王国の財力は無視出来ないものだ。参謀同士の良好な関係は維持したい
メニャは賢い子である
「大丈夫ですよ、子供達は気にしてませんし、先輩はサッパリとした性分で、ミアさんは大人です
ベル君は未だ思春期前の少年ですから、大人の女性として堂々としてればたじろぐのは向こうの方です」
「……そうかな、グスッ、うん、そうかも」

プリはしばらく、スンスンと鼻を鳴らしていたが、まもなく立ち直った
「そうよ……この程度でヅッチーと私の絆は決して揺るがない!」
プリは強い女だった

続く

40創る名無しに見る名無し2015/04/01(水) 17:29:31.93ID:xHCnrt8n
久しぶりにSSスレ覗いたら意外と荒ぶってたw

41創る名無しに見る名無し2015/04/01(水) 20:30:47.46ID:TIfLZ9Cj
イイヨーイイヨー

42創る名無しに見る名無し2015/04/02(木) 17:12:13.64ID:a/vBmCdd
>>39
皆の特徴が出てて良いね
面白いから期待してるぜ

43アントニオ猿L2015/04/02(木) 21:47:29.22ID:DHWi/gY4
※同じく番外編の『オーナーこどらの日常』等と比べて、独自妄想大+らんダン要素付与です。

『邂逅』

ハグレ祭りが定期開催される事になった
初回はハオやヘルに連れられ、会場の様々な催し物を楽しんだものだったが
二回目の今日は美術館大展示室に備えられたテーブルの上が、紅茶の神様ことティーティーの定位置

客あしらいでもして、美術館管理を任されている後輩神ポッコを手伝ってやろうという老婆心が一つ
普段から何かと自分に気を遣ってくれる若人達に、祭りの時ぐらい自由な時間を過ごして欲しいという思いが一つ
また、ある人物との邂逅の機会を伺っていたのだが、今日その機会が巡って来たらしい

展示品の目玉の一つ、イルヴァの展示台の前に一人の少女が佇んでいた……星の守護者マリオン
しばらくイルヴァを見つめていたマリオンだったが、ふと近くのテーブルに居るティーティーに気付くと傍らの椅子に腰掛けた

「そう遠くない未来、王国の賢い者達の努力で異世界間の行き来が可能になると聞いている……」
「そうじゃな……」
「その異世界の中にマリオン達の居た世界もあるのだろうか……ティティ」

「自分自身、随分変わったつもりじゃったが、やはり解るかい」
「長い付き合いだからな、体が縮んでいるのは予想外だった。どういう訳だ?」
「わしにも解からん。元の世界で妙な光に飲み込まれて、気がついたらこの世界にいた。巨人の世界に
迷い込んだのかと思ったが、しばらくしてやはり同じ世界からやってきたハオと出会い、わしが縮んだのだと解かった
……異世界旅行の仕組みは不可解じゃ」
二人は目の前のイルヴァを見上げた

「ミラはティティがいなくなって、とても悲しんでいた……」
「……ちゃんと日に三度、食事を摂っていたか?毎日ちゃんと着替えていたか?不自由させていなかったか?」
長年溜め続け、今、溢れるティティのミラへ想いを、マリオンはしっかりと受け止めた
「安心しろ、元々ミラは一人で何でも出来る人だ。呆け気味だった頭も冴えて、自活していた頃の状態に戻った」
ティティは胸を撫で下ろした。家事をするミラの姿など想像すら出来なかったが、最古参の家族であるマリオンが言うのなら間違いなかろう

「程無くミラはティティが異世界へ迷い込んでしまったと考え、以前中途で飽きて投げ出した多世界解釈のIf世界
への行き来を可能にする技術の完成を目指した。協力者もいた。だんじょん村のアノ妖精、憶えているか?」
「憶えてるとも……芸術の同志だと抜かす彼奴の為に絵や彫刻のモデルをした事がある。あの頃はわしも若かった」
モデルは裸が基本、それは望む所だったが、後からお得意様から『奴はスケベが主たる目的』とタレこみがあった、ちくしょうめ!

「あんなだが、実力はミラの折り紙付だ。ミラ曰く『私は創造が得手ですが、あの娘は模倣と発展の天才です』。実際
あの妖精は理論を聞き、ミラよりも早くティティが居ると思われる世界の妖精との交信に成功した。」
「あぁ、やはり大明神は彼奴のコピーじゃったか……」

「ミラの観測によってティティは生きている事が確認された。あの時程ミラが喜んでいる姿をマリオンは他に知らない。
あとは行き来の方法だけだったが、ミラといえど簡単にはいかないようだった。ミラは言った『生きてるなら大丈夫です。
私もティティも寿命に追われる事は無い訳だし、じっくり方法を模索していきましょう』と
で、一朝一夕のような仕事じゃないからとミラアイランドは通常体制に戻った
ミラは主に家事に勤しみ、時間が空いたら研究を進める
マリオンはイルヴァシスターズと交代で門番したり、船に乗って星の周りをパトロールしたりしていた」
「そして御影星によって今度はマリオンが厄災として呼び寄せられたわけか、世間は狭いのう」

「ミラの事だから、マリオンがこちらに流れ着いた事は程無く解かるだろう」
「マリオンまでこちらに来ては、ミラ様は不自由したり淋しがったりせんじゃろか……」
不憫を慮るようなティティにマリオンは応じる
「ティティが居なくなってからイルヴァシスターズも格段に進化した。ミラは安全だ。不自由もさせないだろう
……淋しくは、あると思う。でもミラにとっては良いに発破になるだろう、最近また弛みはじめていたから……
行き来が可能になるまでの短い期間、マリオンはこちらの知り合いの『友達化』に勤しむよ」

二つの世界が互いにトンネルを穿とうとしている、じきに道は開かれるだろう
今を生きるこの世界と、かつて生きた世界。幸せな邂逅を果たし、そして手を携えて欲しい
それに続く、他の世界との出会いも幸多からん事を切に願う

44アントニオ猿L2015/04/03(金) 01:20:41.41ID:+6n5iZKF
『仲間以上○○未満?』

〜朝〜
新鮮なコカトライス卵を割り入れた卵かけ御飯に、エステル風焼き魚。柚葉さん自慢の糠床から
取り出されたドリフトキュウリにイチゲキダイコンの糠漬け。舌を火傷しそうな位に熱いパッポコ芋汁味噌仕立て
王国の一般的な朝食メニューです

美味しいから、と私のお茶碗にまでマヨネーズをかけようとするお姉ちゃんをやり過ごしながら
私は正面に座る二人に目を留めていました
「しめしめ!上がってきたな」
「株か?俺にはよくわからんな、あの手のやり取りは……ほれ、骨抜き完了」
「さんきゅ。あ、ちょっと多いかな?御飯と魚と味噌汁、半分食べてよ」
「おぅ」

帝都新聞を読みふけるハピコちゃんにマッスルさんがほぐした焼き魚の身を乗せた皿を手渡しながらのやり取り
ハピコちゃんの羽先についた鉤状の手(?)は細かい作業は困難です。焼き魚の喫食なども然り
王国の女性陣も手伝いますが、そんな時にさりげなく近くに寄り添って手伝うのは大概マッスルさんです
知り合ってからの年季の差か、さすがに堂の入ったものです


〜昼〜
「いけねぇ、午前のダンジョンが長引いたな……ハピコ、ドリンクの商談があるんだ。ユノッグ村までひとっ飛び頼む」
「いいよ。ところで私、今日は甘いものが食べたい気分」
「茶店の新作チェリーパフェ」
「満足である」
マッスルさんが肩車をするようにハピコちゃんを抱えると、二人はあっという間に飛んでいきました
ちなみに、ハピコちゃんは絶対ノーパン主義

〜夜〜
夕食を終えれば皆、思い思いに自由な時間を楽しみます

談話室で私がお姉ちゃん、キャサリンちゃんとトランプに興じている近くで
漫画を読むハピコちゃんを重り代わりに背中に乗せたマッスルさんが腕立て伏せを敢行していました
「996、997……」
「あ、それ終わったらさ、私の足の爪切ってくんない?」
「おぅ……998、999、1000っと、ほれ、爪切りよこせ」

「ほいっと……くす、きゃははは!人指し指はぐったいから丁寧にやってってば!」
「わかってるから、じっとしてろって……おい、ハピコ、お前の足ちょっと臭い」
女性相手に言いますか?そういう事

「そう?靴、だいぶくたびれてきたからなぁ……新しいの買うかぁって、きゃははは!マジぐったい!」
「あばれんなっちゅうに」
ハピコちゃんも盛大に暴れちゃって、まぁ
繰り返しますがハピコちゃんは絶対ノーパン主義

「よし、完了」
「ふぅ、あざーす」
ふぅ、はこっちの台詞です……爪を切るだけの行為がなぜ恋人同士の睦み合いのように見えてしまうのでしょう
胸がドキドキするのは私が耳年増のくせに奥手で且つムッツリ娘だからではありません!決して!

顔を赤らめる私をお姉ちゃんが意地悪そうな笑みを浮かべて見ています。
「あんたたち、こんな所でそんな艶かしい事されたら、ヘルがムラムラしちゃうじゃないの」
「なっ!お姉ちゃん!?」
「「何のこと?」」
ポカンとした顔を浮かべる二人に居たたまれず、私は赤くなっている頬を両手で隠して俯く事しか出来ませんでした



「妄想を捗らせておられますわあ」

45創る名無しに見る名無し2015/04/03(金) 01:38:05.94ID:DOt4jweM
ウズ先生BL、GL、NLとほんと隙がないお方やでぇ…

46アントニオ猿L2015/04/03(金) 11:05:19.66ID:qc7FfXIG
『はぐれ銭湯浮世絵図(漢)』※本スレで芳しくなかったネタの焼き直しです

目に前にそびえる建物の前で、僕は自らの頬を叩いて気合を入れる
「さぁ、征こう」
必勝の信念を胸に暖簾を潜り勇者はゆく
「お疲れ様です、アルフレッドさん」
「どうも、ウズシオーネさん」
番台に拠る女将と軽やかに挨拶を交わしつつ入湯料を手渡す

続く『漢湯』の暖簾の潜ればそこは
「お疲れ〜」
「「「「「う〜す」」」」」
ヴァルハラだ

トレーニングジムかと錯覚するような鏡張りの脱衣所でマッスル・マーロウ両兄ィがポージングしているかと思えば
服を脱ぎ終えたクラマ君が髪をかき上げながら爽やかな笑顔ををこちらに送る
未だ『生えていない』事を恥じているベル君が前を隠しつつそそくさと浴室へと駆け込んでいく
ジュリ姉が一糸纏わぬ姿でパンッとタオルをはたく
「ジュリ姉はまたこっち?」
「向こうは混んでいるんでね、迷惑かな?」
「そんな事はないよ」
小さい時からよく一緒に入ってるから慣れっこだ
僕以外の漢達は最初は少なからず戸惑ったりおっ勃てたりしていたが、長きに渡り漢主体の戦場稼業で磨きぬかれた
ジュリ姉の漢らしい気風と肉体に程無く感心し、共感し、今ではすっかり打ち解けている……ベル君以外は

手早く服を脱ぎ終え、先着勢と揃って浴室へ
かけ湯をして早々に湯につかる両兄ィやジュリ姉を傍目に僕は洗い場に腰を下ろす
すっかり綺麗に洗ってから湯を楽しむのが僕のこだわりだ
「隣、宜しいですか?」
「どうぞ」
いつものようにクラマ君が隣に陣取る
それぞれが髪、体の順に洗い、仕上げに無駄毛の処理へと進む……紳士の嗜みである

「兄さん、お手伝いします」
「頼むよ」
見計らってクラマ君がうなじの処理を買って出てくれる。天界の躾作法の行き届きようには頭が下がる。

「今度は君の番だよ」
「お願いします」
剃刀を受け取りクラマ君のうなじに刃をあてがい、ゆっくりと滑らせていく
ほぼ人型とはいえ人外、それも神族である彼の容貌には妖艶な色香が漂っている
穢れの無い白い肌、大理石の彫刻のような引き締まった肢体、整った相貌、華のかんばせ
ただ、ただ見惚れつつ、ちりちりと薄い産毛を剃り落としているさなか、
「くしゅんっ」
クラマ君のくしゃみで手元が狂う……僅かについた傷に鮮血が滲む
「あっ」
とっさに僕は傷口に唇をあてがう
「えっ先輩、その、すみません……大丈夫、ですから……」
「いいから、じっとしてるんだ」
「んっ」
身を離そうとするクラマ君を抑えて傷口に舌を這わせる。しょっぱいはずの血がなぜか甘い味がした
「あいや、お見事!良き景色かな」
湯船の縁に身を横たえ、目のやり場に困っているベル君に、敢えて体をほぐさせてるジュリ姉が呟けば、然り然り、と応ずる両兄ィ


「なんと美しい、桃源郷はここにあったのですね……」
番台の覗き穴から中を伺う女将が身悶えていたその頃

「一人風呂、快適だけど……楽しくないな」
体のサイズと防犯の関係で、宛がわれた特設の浴室の湯船に浸かる大明神は一人ごちた

47アントニオ猿L2015/04/08(水) 06:54:38.17ID:QiexpvKE
『悪魔は生きとし生ける者のパトロンです』#1

『「僕がここに居たら、せっかく得た村人の君への信頼が揺らいでしまう。僕は去るよ。どうか元気で 親友の青鬼より」
赤鬼は残された手紙を穴の空くほど繰り返し何度も読み返し、終にはその場で夜が明けるまで咽び泣いたのだった』
「うぅ、なんと健気で、なんといじましい……」「ブラボー!、エクセレンティア!!」

王国図書室のある日の宵の口、和国の未来のダイミョー柚葉が傘張りをしつつ語る和国昔話披露会に、欠かさず
参加しているのは、決まって悪魔っ娘のゼニヤッタとイリスの二人である
「屋敷に残された古今の書物は擦り切れるまで読み尽くしましたが、極東の未だ見知らぬ物語には日毎に感動を禁じ得ません」
「とても興味ブカク、前衛的でファンタジスタ、ネ」

内職の傍ら祖国の紙芝居読みにヒントを得て、和国昔話語りをしつつ水飴等を売って日銭を稼ごうと目論んでいた柚葉
大失敗に終わった「金魚売り」同様の結果になるだろうと懸念した周囲の予想に反して、大成功・大盛況である

常連が二人にも関わらず大盛況とは、これ如何に?
それは、この二人が王国民の構成員きっての由緒正しい正真正銘のセレブだからだ


第四章を終えた時点において、これまで描写された「大陸」において、帝都を凌駕する権勢を誇るハグレ王国も
その同盟国であり、「財務の鬼宰相プリシラ」によって築き上げられた大金融富国、妖精王国も
未だ創立間もない新興国家なのだ
時代の覇者である両王が、王に相応しい豪奢なおやつを所望しても、
「思い上がる事なかれ!まずは一人で歯をキチンと磨けるようになってから申されよ!!」
と、一蹴されてしまうような若い国家なのである……王とて自由になる金はささやかなものなのだ

ましてや、流れ者同然であった王国麾下の精鋭達も、贅沢に興じられる程の金銭を持ち合わせているはずも無い

そのような中にあっても、そのキャラ的背景から例外的に羽振りの良さそうな者が幾人か存在する

・福ちゃん=「神様ですよね?」→「金・権力・性欲……そのような煩わしい柵(しがらみ)を捨てて下界に下りたのです!」
・ティーティー様=「神様でしょう?」→「管轄する世界樹が帝都から認定解除されたのを知っておろうが!」
・ポッコ=「神様だよね?」→「芸術の追求には思いの他お金がかかるんですよ?貯蓄なんて無いけんね!」
・クラマ=「新進気鋭の神様……」「今回の騒動で瓦解しかけた神社の修復の負債、どうしようか……」
神様社会……世知辛ぇ

・ドリントル第一王女→「長期に渡って漂流して来たわらわに提供出来る物なんぞ尻の毛ぐらいじゃ!」
・ヴォルケッタ子爵→「もしもし、おじい様?仕送りが滞っているんですが?……はぁ?技術的に送れない!?」
親王位も爵位も、トコロ(世界)変われば無価値なり

このような中、例外的に頼もしいのは
・ゼニヤッタ元魔界公爵令嬢→父様、母様の残して下さった財産で、必ずやヤッタ家を再興致しますわ!」
・イリス冥界内親王→資金難デスカ?いくらかユーズーしましょうカ?利子は寿命から取り立てマース!」
手を付けたら御仕舞いだ


よって、莫大な財産を実家に保有している為に、王国内で稼いだお金を全て「宵越し持たず」で使い切れてしまう
二人を固定客に持つという事はとてつもないアドバンテージなのである
柚葉の悲願、祖国にダイミョーとして凱旋する計画……は着々と進行中である

このような状況において起こった、思いの他ままならぬ世に溜息する3人の姿に、
暫し、お付き合い願いたい


続きたい

(文才も閃きも過小な凡人故になんだか、とっかえひっかえで済みません……
うっすらと構想はあるのですが、纏め切れんのです。ちょくちょく小ネタを挟みつつ
完遂させたいと思ってますので、御容赦ください)

48創る名無しに見る名無し2015/04/09(木) 10:06:41.14ID:8fikT+9E
密かに期待しているぜ

49アントニオ猿L2015/04/09(木) 19:28:45.25ID:e9YCx7Xf
『禁じられた遊び』#8

一順目第3実施者ヅッチーvsエステル
「よっしゃぁ、プロの腕見せようかな……う〜ん、イイねぇ、これイイぞ、でも霧吹きかけたり、風送ったりは勘弁な」
どこぞのカメラマンのような態度で攻め所を吟味するヅチ

「じゃあ私はちょっと趣向を変えて怖い話を、あれは、一昨日の晩、草木も眠る丑三つ時……」
急に声色を変えて語るピンクの話を、基本子供な面々は怯えた表情で聞き入る
「寝苦しさを感じて目覚めた私は思わず悲鳴を上げそうになった……なにかが私に抱きついてる。
得体の知れない何かが首元までしっかり被った布団の下、私の胸の上で蠢いている」

拠点では稀にこういう事が起こる。番犬・番竜のベロベロス、地竜ちゃんは共に優秀なのだが、彼らだって夜は寝る
結果、周囲に棲息する野良モンスター、野良幽霊などが入り込む事がある
以前、ヘルが野良スライムに夜襲された時などは大騒ぎになった
全身ベトベトにされてギャン泣きしたヘルが、室内で特大のヘルズラカニトを発動、拠点の一角が吹き飛んだ
ヘタレだがポテンシャルはすこぶる高いのだ。同室で熟睡していたミアは瀕死の重症を負った……不死だけれども
キャサリンはトイレに起きていて辛くも難を逃れた……閑話休題

真に迫ったピンクの話に、ジェンガやってる場合じゃねぇとばかりに、さっさと一つ抜き終えて輪に加わるヅチ
……趣旨が変わっとる
「私は相手に気付かれないように、枕元のナイトテーブルの上にあったペンを手に取って、
空いた手でゆっくり胸元の布団を捲ってみた……そこには」
ゴクリと喉を鳴らす一同

「……虚ろな目をしたメニャーニャが私のおっぱい吸ってた」
「「ぎゃああぁぁぁぁ、怖いぃぃぃぃ!!!」」
「ええぇぇぇぇ!!?」
「やっぱりエロじゃないのっ!」
「なんで胸を吸うんだ?」

「ハイ、お終い。なんだヅッチー抜き終わってんじゃん。オチまで引っ張りすぎたか」
「お終いってあなた……その後はどうしたのよ」
驚愕する皆を代表してミアがピンクに問う
「あいつ昔から寝惚けて夢遊病みたく夜中に得体のしれない行動取ることがあってさ、慣れっこなんだよね。
でもさすがに私も重いし、くすぐったいから叩き起こそうかとも思ったんだけれども、ほら、メニャ−ニャって
ちんまくて可愛いくせに、子ども扱いするとめっちゃ拗ねるのよ。」
「マリオンのお仲間だな」
「違うぞ。マリオンは怒ってるわけではない。先天的なバグで機能不全に陥ってしまうだけだ」
ヅチの物言いにマリオンが抗議する

「まして今では特務召喚士様、協会の重鎮って立場になって前より一層大人っぽく振舞いを心掛けているのに
寝惚けてるとは言え、自分が赤ちゃんがえりして人のおっぱい吸ってた事を知ったらどうなると思うよ?
下手したら自殺すっぞ……或いは逆ギレして、私の横隔膜や足の小指の危険が危ない事になる
ってな訳で、女同士で別に吸われて減るもんじゃなし、気にしない事にしてそのまま寝たよ」
「おおらかと言うか、男らしいと言うか……そりゃ減りはしないでしょうけど、貴女未だ十代の花も恥らう乙女でしょ?
老婆心から言っておくわ、少しだけでいいから女としての危機意識持ちなさい」
「へ〜い、へい」
実は年上であるミアのありがたい苦言に適当に応じるピンク

「ち、ちょっとごめんなさい、お手洗いに行ってきます」
動揺の極みに達したベルが前傾姿勢のまま席を立って廊下に向かう
「その箱ティッシュは置いていきなさい」
(ベル、落ち着きなさい。トイレのロールテッシュの補充は私やヘルやキャサリンが欠かさずにやっているから)
ベルの行動の意味を正確に把握しているミア。それでも余計な事は言わず、ただデチの居室の備品の回収に努めた
何度も繰り返して言うが、ミア姉はすこぶるつきのデキる人だ。
思春期の少年に恥をかかせるようなマネは決してしない。この姉ある限りラージュ家は繁栄は永代だ……不死だし
やや長いご不浄タイムから無事帰還したベルを迎え入れ、ゲーム再開


続く……次回は当然、同時刻の隠し部屋の参謀三人娘の様子になります

50アントニオ猿L2015/04/11(土) 11:01:42.32ID:5qfX0QkE
『禁じられた遊び』#9

〜隠し部屋にて〜
向こうでは和気藹々と暴露話が繰り広げられている。あのウズシオーネが被虐愛好者だったとは、新たな発見だ
しかしながら、やはりこの遊びは規制するべきだろう。あらゆる種族が平穏に争うことなく過ごす為に禁止すべきだ
この遊戯は王国民の紳士・淑女協定などでは御しきれぬ禁断の戯れ、それが三参謀筆頭のマリーの結論……
不本意ながら今は禁止に足る確証を得る為に、今しばらく息を潜めよう……

ぶっちゃけて言うならばマリーもお年頃の女の子。下世話な暴露話に興味深々なのである

実施者ヅッチー&話者エステルが宣されるや否や、メニャーニャの瞳が怪しく光る
彼女が愛して止まぬ先輩がどんなオカズじみた話を披露をするのか辛抱堪らぬ、といった心境であろうが……

『一昨日の晩……』
と、ピンクが語り始めた途端、獲物に襲い掛かる獣のような相貌を、狩られる側の羊の表情へと一変させた
(あんだけプリシラを苛めておいて、あんたも何やらヤマしい心当たりがあるんかい?)
マリーは呆れ1.5割、期待8.5割で隣室の会話に耳を傾ける

『……虚ろな目をしたメニャーニャが私のおっぱい吸ってた……』

……サァァァ……
マリー・プリ両名の耳は、本来聞こえるはずも無いメニャの血の気が引く音と、彼女の蚊の泣くような呟きを拾った
「……起きていたんですか?」
『自分が赤ちゃんがえりして人のおっぱい吸ってた事を知ったらどうなると思うよ?下手したら自殺すっぞ……』
ピンクの説明が続く中、メニャの顔色は捕食確定の羊からゾンビのような生気の無いものへとより悪化していく

「ま、まぁ寝惚けていたと信じきっているエステルの大物ぶりには、改めて感服するものがあるな」
マリーは場を和ませようと試みたが、つい先刻のやり取りを思い出したプリが仕返しの決定打を放つ
「メニャーニャさん、お気持ち、お察しします。自害召されるのであれば、不肖、このプリシラが介錯仕りましょう」
愛刀「にっかり青江」の鯉口を切るプリ。いい性格してるな!あんたってやつは!!
そんな中、真っ黒なニヤケ顔をメニャに向けるプりの顔がサッと青褪める
つられたマリーが何事かと同じく目を向けた先、そこには愛用の十得ナイフの刃を首筋に押し当てているメニャ

「早まるな!!」「やめなさい!!」
マリーに羽交い絞めにされ、泳いだメニャの手首に、プりの容赦無い峰打ちがギロチンスカイばりに炸裂する
「止めないでっ、死なせてえぇぇ!!」
落としたナイフに尚も取り付こうとするメニャに、プリシラは手加減なしの往復ビンタ10連を見舞う……死ぬぞ
「落ち着きなさい!帝都賓客の貴女に死なれたりしたら王国と帝国の関係はどうなると思うの?」
(最もな意見だが、トドメの煽りをかましたあんたがそれ言っちゃうわけ?)
マリーは突っ込みたい衝動を必死で押さえつつプりの言に被せる
「寝惚けてたんだ!エステルも言ったろう?君は半覚醒状態で過失猥褻行為に及んだだけ故に無罪、イイネ?」
「アッハイ……って、でも、ううぅ」

一部で流行の忍殺語につい応じてしまいつつも、納得出来ないといった様子のメニャを抱きしめてプリは言う
「お願いだから死ぬなんて言わないで。私達は種族も違う、同じ価値観を共有している訳でもないかも知れない。
でも、どうしても譲れない一点においての望みを実現する為に集った同志じゃない?」
「譲れない望み……」
プリのマナジャム仕込みの豊満な胸に抱かれ、幾らかの平静を取り戻したメニャは顔を上げる

「そう、私達には夢がある……かの偉大な預言者モーゼは『乳と蜜溢れる地』に同志と共に至る夢があった……
残念ながら彼はその夢の途上で果ててしまった、彼は一人の指導者だったから……」
「私達は夢を実現する為に支え合う仲間が居るのよ?約束の地『乳蜜ワールド』に共に生きて辿り着きましょう」
「乳、蜜……私、先輩のおっぱい吸っただけ、呑みたいよ……先輩の乳蜜、貪りたいよ!」
「私だってヅッチーの乳蜜、呑みたいわ。だから共に歩みましょう、落伍したりなんか許さないんだから」
「プリシラさん……」
ひし、と抱き合う二人、不覚にも共感を覚えてしまい感涙してしまうマリー。
彼女はそれを異常だと断じる自らの中の理性を、欲望が徐々に塗り潰していく過程をただ、ただ眺めていた


続く

51アントニオ猿L2015/04/14(火) 04:32:37.03ID:lzfiwf50
『オーナーこどらの日常』#2

虎月竜日
定時起床(午前10時半)。定時開店(午前11時半……ぐらい)
私は「やや」寝坊助さんなので、食堂での王国民割安のモーニングセットは食べられない(時間切れ)
なので出勤途中に親友のゼニヤッタちゃんのトコで、おにぎり(大×10)を買い込んで、柚葉ちゃんのトコで
賄いのアラの煮つけ等を分けてもらって、開店後に朝昼兼用の食事を摂るのが私のスタンダード

そして、食後のデザート替わりに店の常連のじっちゃん、ばっちゃんが連れてきた孫ら向けに、イリスちゃんから
仕入れた「アックマンチョコ」を子供らに混じって、ワイワイ言いながら買い込むのが私の密かな楽しみ

「あ〜っ、また雑魚悪魔だよ、お前は?」
「アーヴだ!でもアーヴやアーシャ、ミャ−ミヤコの将軍キラは揃ってるんだよなぁ」
「こっちはスライミーズだよ、やたら出るんだよなぁ、コレ、こどら姉ちゃんは?」
ここは子供達の、運2500を超える私への期待に答えざるを得ない!
「フッ、よく見ているがいい、子供達よ……竜の強運を!!・・・・・・くっ、森の狩人さんパーティーの鮭、がくっ」
「「「だめじゃーん!!!」」」

子供らの期待に答えられない悔しさをチョコと共に飲み下しつつぼやく
「これ、詐欺なんじゃん?私、毎日買ってるよ?なのに激レアのイリスちゃんも、超レアのゼニヤッタちゃんも出ない」
「売ってるこどら姉ちゃんがソレ言っちゃう?」
「あるにはあるみたい。学校の先輩からイリスカード見せてもらった」
「でもゼニヤッタカードは?僕、見たこと無いんだけど……」

そう、激レアのイリスちゃんカードは、王国に一枚進呈された。マニヤ気質の収集癖に触発されて、私が貰い受けた
冒険時には無条件で貸し出す条件の下に。しかし未だにゼニヤッタちゃんカードはお目にかかったことが無い
これらのカードはプリミラで、これでもかとばかりに頽廃絢爛に着飾った悪魔達を撮影した、実に怪しからんまでに
艶やかで垂涎モノの逸品なのである。レアカードは裏で大きなお友達の間、高値で取引されていると聞く

そのような中、「悪魔舞姫ゼニヤッタ」のカードは、巷で大人気の美人おにぎり屋店主、ゼニヤッタちゃん自身が
「カード写真を撮るから着飾って来いと、イリスさんに言われましたので、目一杯、気合を入れて撮影に臨みました」
と、いう発言がおにぎり本舗の客から口コミで広がり、未だ存在の確認されない伝説のカードとまで称されている

「ゼニヤッタちゃんのでコンプなのになぁ」
子供達と共に、私が自作したカードブックを眺めていると、
「さすがぁ、こどら姉ちゃん。勇者カードも揃ってるんだ、「本気こどらカード」や「竜変化リューコカード」なんて
イリス・ゼニヤッタカード次いでレアなのに」
そう、アックマンカードではイリスちゃんの闘技場出場メンバーが悪魔をやっつける勇者キャラとして設定されている
初回決勝を盛り上げた私やリューコちゃんのカードは悪魔将軍やハグレ王国民より、「すっげぇレア」扱いなのである
そんな話をしていると、

「……なあ店主、もし良かったら、一つトレードしないか?……このカードと」
いつの間に……すっかり常連になった赤さんが一枚のカードを、葵の印籠の如く掲げ、目の前に立っていた
角さん、いや赤さんの手の中には、紛れも無い「悪魔舞姫ゼニヤッタ」カードが煌いていた!!!
フワァ〜ン、という効果音と共に私は子供ら共々、「へへぇっ!」と跪いていた

「店主!そちの日頃の良心的な経営に敬意を払い、このカードを破格のレートで交換して進ぜる、返答や如何に!?」
沸き起こる歓喜と緊張を抑え、私は震えかしこみつつ応える
「畏れながら、そのカードに見合う代価に、天下のエリート竜人であらせられる赤様は何を所望されまするか?」
赤さんは目だしマントから覗く険しい眦を、不意に穏やかなかんばせに変え
「なに……『本気こどらカード』一枚、これで十分よ、不服か!?」
「滅相もございません……このこどら、天にも昇る望外の心持にござりまする」
子供達の万雷の祝福の拍手の中、穏やかにカード交換が行われる

「そろそろ帰る。店主、今後も体をいとえよ」
「ありがとうございます、またの御来店を心よりお待ちしております」
会計を済ませた赤さんが、すっかり懐かれた子供達の子供達の頭を撫でつつ、颯爽と店を出た後、しばらくして

「今日もありがとう、リューコちゃん」
私はひとりごちた

52創る名無しに見る名無し2015/04/14(火) 19:34:49.44ID:P7XeOGaN
良いね 面白いぜ

53アントニオ猿L2015/04/14(火) 22:32:56.69ID:lzfiwf50
※本スレで書いたネタを膨らませてみました
『天界太政大臣時代の福ちゃん伝説』

@
中東に勃興した「雄マン帝国」が異教徒の美少年を改宗させて訓練し、組織した親衛隊「イェニチェリ」
彼らにはモデルがあった事を御存知だろうか
長年、絶大な金剛力をもって天界に君臨した福正一位太政大臣
彼女の権勢に阿る各神はこぞって、面食いの福ちゃんに一族が誇る美男子を小姓に差し出した
福ちゃんの小姓団は「家にチェリー」と呼ばれる天界きっての精鋭集団であった

A
福ちゃんは圧倒的な実力を持つ禍神であったが、彼女の政は民を慮った慈愛に溢れたものであったので
民は彼女を畏れつつも愛した。故に親が子を躾ける時、畏敬の念を込めて福ちゃんの話をしたものだ
「良い子にしていれば、御褒美に福ちゃんが挟んでくれますよ」
「悪い子はしまっちゃう福ちゃんに言ってしまってもらっちゃうからね」

B
「英雄色を好む」と言うが、福ちゃんもまた、それはそれは性豪であった
彼女が「これは!」と見込んだ若者は、それこそ数年に渡って連夜の夜伽を命じ、今畜生とばかりに愛で尽くした
見込まれた若者は年季が明けて後、皆決まって偉業を成し遂げ大出世したという
いつからか人々は、福ちゃんに見込まれて夜伽を努める役目を「福神漬け」と呼ぶようになったという

C天界の食事処「うどん三郎」。圧倒的な量、通わずにはいられない中毒性を誇る味、複雑な喫食ルール
いつしか天界きっての人気店となった。福ちゃんは最初期からの常連で、彼女が来店するやいなや
「大うどん猪ダブル、麺固め、味カラメ、葱、揚げ玉マシマシ」が黙っていても出てくるという

D福ちゃんは天界で最初に衣装に「スク水」素材を採用した
以来、天界では「白スク」を「福ちゃん水着」と呼ぶようになり、公式の場において水着やレオタード、バニースーツ
といった露出多めの衣装も正装としてオールOKになった


これらは幾多の福ちゃん伝説の極々一部に過ぎない


続くかも……不意にこんな軽いものを投下してしまった不誠実を、どうかお許し頂きたい

54創る名無しに見る名無し2015/04/14(火) 22:43:16.97ID:p3mMfE1D
SSもっと流行って欲しい
苦手な人がいるのも分かるからひっそりとでいいので

55アントニオ猿L2015/04/15(水) 00:58:31.53ID:G3hA2wwC
『新作案内』

ハグレ劇場の新作「T.T」の記録的大成功に端を発した、王国に沸き起こる空前の映画ブーム
本日は、いくつかの新作のさわりを御覧頂きたい


1『追剥の城ヤッタ』

「ううぅ……」
泣きじゃくりながら家路へと進む赤髪の少女。名家の令嬢である彼女は、
周囲の子供達からやっかみ半分の苛めを受けていた

「それは、困ったねぇ」
「うえぇぇん」
娘を慰める母親は、不意に思いついたように
「そうだ、ゼニヤッタ。良い事を教えてあげる、困った時の御呪い」
「オマジナイ?」
「ふるーいふるーい秘密の言葉……」

「シンデ・オロカモノ・ウフフ・アリアマル・ゼニ・ヨコセー」

「シンデ?タ?」
母親は復唱しようとする娘を撫でつつ
「我を富ませよ、地獄よ蘇れ。という意味だよ。唱えながら指で相手のうなじをバッテンを書くようになぞるの。
シンデ・オロカモノ・ウフフ・アリアマル・ゼニ・ヨコセー」



2『風の谷間はユタカ』

♪ヤン、ヤンヤヤ、ヤンヤンヤン、ヤン、ヤンヤヤヤ〜ン……♪

「ヘル……ヘル……」
自分の名を呼ぶ声に振り向くと、そこには
「おいで……おいで……」
死んだはずの大好きだった父

父に抱かれ共に馬の歩みに揺られる中、傍らに目を留めると
「(母さんもいる……)」

高名な魔法使いであった両親、徒歩で付き従うお弟子さん達
私は突如、不安な想いにかられた
「(嫌……私そっちには行きたくないの)」

「来ちゃらめえぇぇぇぇ!」

「何も居ないわ、何も居ないったら……」
状況が解かっていない「あの子」が私の発育途上の胸元からヒョッコリと顔を出す
「出て来ちゃらめっ!」

「妖精の幼生です」
「やはり、魔性の者に取り付かれていたか……渡しなさい、ヘル」
「嫌っ!何も悪い事してない!」

哀れむようなのに、それでいて無慈悲な声色で父が告げる
「人、ハグレ、妖精……他種族は共に生きる事が出来ないんだよ」
「あぁっ!?」
姉が死んで、深く傷ついた私の心を癒してくれた秘密の友達を、大人達の屈強な手が奪った

「お願いっ!殺さないでっ!……おねがい……」

56創る名無しに見る名無し2015/04/15(水) 06:45:27.03ID:G3hA2wwC
>>54
同感です。ざくアク本スレ(現在の最新part61でしょうか?)は
多くの方々が利用されるはむすたさん作品半公式スレとしての役割を確立しているように思えます
私も拝見し、投下された質問に自分なりの意見をお答えするような方法で、はむすたさん作品の素晴らしさを
多くの方々と共有する形で楽しんでいますが、そこではSSはあまり好まれないようです

このSSスレはマイノリティであろう、はむすたさん作品のSSを見たい方々に開かれているものだと思います
スレ立てしてくださった>>1様には乙しきりです
是非ともあなた様の描かれるざくアクワールドを私も拝見し、楽しみを共有したいと思います
一つ気軽に、作品投下をされてみては?

私もドキドキしながら>>25を初めて投下し、以来しばしば書き込んでいますが
ここを見ていらっしゃる方々は、とても穏やかで、私の拙い書き込みに優しいコメントをして下さいますよ

楽しみにしております

57創る名無しに見る名無し2015/04/15(水) 13:22:56.26ID:vQp/btAR
SS投下するなら本スレでおk

58創る名無しに見る名無し2015/04/15(水) 16:40:22.93ID:o++Cdg17
SS投下主アイディア一杯あるんだな
今の所どれも読ませて貰ってるけど特に『オーナーこどらの日常』と『禁じられた遊び』は特に気に入ってる

59創る名無しに見る名無し2015/04/15(水) 19:36:33.56ID:v4QdHmLQ
渋でもふと見た時に増えてたりするから嬉しい
自分もとは思うんだけど文才となによりネタがないんだよなあ

60創る名無しに見る名無し2015/04/16(木) 02:28:47.94ID:WDdstCL5
応援してるので投稿したい作品が出来たら投稿してほしいなぁ
アントニオさんもだしそれ以外の人もね

61アントニオ猿L2015/04/16(木) 18:33:48.20ID:AUqoWtto
『ロマンの祭日』#1

全裸である

「森の魔女」であるところの私、ミアラージュは自室の姿見に自身の生まれたままの死体、いや肢体を晒している
成長は望めなくなったが、健康に気を遣い、適度な食事と運動、ボディケアを心掛ける体に非の打ち所など存在
し得ない。第二次成長を迎える直前の少女、特殊な価値観を持つ人が見たならば、神秘的で不可侵な輝きを纏う
私の元にひれ伏すことだろう

誤解しないで欲しい。別に私にはマク○ーン警部補に、逃亡の為に乗り込んだ旅客機ごと吹き飛ばされた
ス○ュアート大佐の如く、マッパ健康体操に勤しむ習慣は無い

ならば、何ゆえ全裸なのか、お答えしよう。とある私的実験を行う為にだ
傍らの机に置かれた、今川焼のような食物に手を伸ばす

「魔女特製巻き戻しのワッフル」

ダンジョン探索の度に過剰に溜まっていく数々のアイテム・武具・秘宝類、持ちきれない物の多くは王国の倉庫
へ直行しそのまま腐りもせずに放置されている。干し肉はともかく、日持ちがしなさそうな神様ランチやアイスク
リームまで保管出来てしまう摩訶不思議な倉庫への興味は尽きないが、今ソレは置いておく

お土産屋店主の職権で、簡易な手続きでそれらの物品は持ち出し・活用を許されている中、私は
「巻き戻しの妙薬」なるものに目を留めた
曰くこの妙薬は、負傷・疲弊した服用者の内的時間に作用して、戦闘前の元気マンマン状態に巻き戻してくれる
劇薬なのだが、近頃はピンチとも御無沙汰な王国には無用の長物と化していた

私はある事を思いつき、「あくまで私用なのだけれど」と打診した上で許可を貰って入手し、これまで培って来た
魔術理論を駆使してこれに改良を加えた。
完成した薬の効能は、「服用者の時間を巻き戻す」というものから「服用者をあるべき姿に戻す」ものへと変わった
つまり、これを服用すれば御伽話のカエルの王子様や野獣は即座に人間に戻るという寸法だ

……でも、効果は一時的なのよね、私の計算では概ね半日ってとこかしら
これを材料にして摂取しやすいように美味しい菓子状に焼き上げたのが「特製巻き戻しのワッフル」である
さて、ではこれをどうする……私が食べるに決まってるでしょう

秘術「黄泉還り」で復活した私は明らかに世の理を外れた特異の存在、その私の「本来あるべき姿」とは
……「歳相応に成長したミアお姉ちゃん」に他ならない
え?本来死んだままなんだから、死体に戻るんじゃないの?ですって?……細かい事は言いっこなし!
自他共に認める天才の私に抜かりは無いわよ!そこは空気読みなさいよ、いいわね!?

これから、ワッフルを摂取した私がどうなるか。些か控えめに計算してもヘルと同等か僅かに上回るナイスバディ
になってしまうのだ……姉なのだからしょうがない。歴代のラージュ家が輩出した魔女達に、貧相な体つきの者は
存在しない……血統なのだからしょうがない。ならば着衣のまま決行してお気にいりの服を破ってしまうような愚は
避けるべきだろう

……故に全裸である

前置きが長くなったが、そろそろ始めよう。仕込みは完璧で懸念は無い。故に特に気負いもせずワッフルに噛り付く
うん、美味しい……南蛮漬けにした鰯に更に苺ジャムをぶちまけた様な味わい、ファンタジスタね!
それにしても、鏡に移る「全裸でワッフルに舌鼓を打つ少女の図」……な〜んか背徳的ね、われながら

十分に咀嚼して飲み込む。途端に心臓の鼓動が強くなって体が熱を帯び、吹き出た汗が蒸発、霧化して
私の体を包み込む。想定通りの反応だ。続いて訪れる肉体の急激な成長に伴う痛みに私は自らの肩を抱く
ような姿勢で耐える。同時に切り揃えていた髪が伸びて視界を覆っていく……10秒、30秒、1分
汗と痛みが引いた私は、ゆっくりと髪を掻き分けて鏡に映った姿を確認する

「いやはや、なんとも……予想以上に良い感じじゃない。日頃の努力に対して、体はしっかり応えてくれるのねぇ」


続く  ※投下主は全裸派です。下着とか、靴下とか……まどろっこしいから、ハイ、脱いで脱いで

62創る名無しに見る名無し2015/04/16(木) 22:11:16.68ID:H1SJFOot
ワッフルワッフル

63アントニオ猿L2015/04/18(土) 05:47:13.91ID:MZ3RsaLp
『ロマンの祭日』#2

至高の全裸である

「ラージュ家の神童」であるところの私、ミアラージュが自らの肢体(今や死体に非ず)を眺めて至る偽らざる所感だ

妹のヘルは、王国でも最上位のサービス要員の一角(大明神談)である。彼女は、神から賜った「愛されボディ」
(=食べても肥えにくく、且つ万が一肥えても女性が切望する箇所に肉がつく体質)に加えて、生来ののほほんとした
性質から、自らの容姿を飾り立てるような行為には一切頓着しない。故に、彼女には大海の神秘が生み出した極上の
黒真珠のような自然美が醸し出されている

対する私の全裸を見よ。端正な骨格を過不足ない柔軟な筋肉を包んだ上に匂い立つような脂肪を薄く覆った肢体
控えめな睫毛に彩られたアメジストの様な瞳に、緩やかに切れ上がった眦。知性を感じさせる薄めながら生気に満
ち満ちた唇。栗色の天鵞絨の如く光沢を湛える髪。これは正に、本来脆弱であったヒトを生物の頂点へと押し上げた
「意志の勝利」を体現させた研鑽の美。精妙なブリリアントカットを施したダイアモンド。人類の造詣美の結晶である。

「と、まあ自画自賛はこれぐらいにしておいて……こう長いと鬱陶しいわね」
あらかじめ用意していた二挺の鋏を両手に装備、ものっそい速さで伸びすぎた髪をチョキチョキと切り整えてゆく
「経年変化で少しウェ−ブがかる髪質だったのね、私って。うん、まぁ、こんなもんかな?」
肩にかかる位のミディアムに、前は従来のパッツンを改め、せっかくついたウェーブを生かしたシースルーバング
に仕上げる。セルフヘアカット完了

「次は服か。ヘル、ちょっと貸して頂戴ね」
今日は定例のハグレ祭り。早々に出掛けた妹に、不在ながらも断りの挨拶。タッパはほぼ同じ程度に収まった
チチ(私がやや大)シリ(やや小)フトモモ(やや太)+クビレ(やや細)と若干の差異が生じたが、問題はないだろう

「もうちょっと、こう、普通っぽいのは無いの?」
先程、ヘルは容姿に頓着しないと言ったが、それは「自らを美しく見せよう」という気負いが無いだけで、彼女なりの
服装のこだわりはあるのだ。オフでは寛ぎ易いジャージ、そして日中は黒を基調とした露出大目で体の線が浮き上
がるピッタリとしたデザインのもの選んで着ている。それはラージュ式交霊術正統継承者で、かつ秘密結社女ボス
としての嗜みであると信じるが故である。
しかし、数は少ないが他系統の服もある。裁縫が趣味である彼女は王国民の公・私服の修繕や作製を小遣い稼ぎ
の感覚で引き受けている。その試製や売れ残りの品々から何とかコーディネートしてみよう

結局私が選んだのは、いつもの格好に近い白のブラウスに赤のチェックスカート、それと揃いの柄のベストを羽織っ
て、ブラウスの襟元に黄色いリボンを巻いてみた。足元は動きやすさ重視で白のハイソックスに海老茶色の
ローファーを履く。更に普段は出来ない大人な雰囲気を演出してみようと、戯れに薄桃色の日傘を開いて持ち、
戯れに作った妖艶な香りを放つ花の香水を吹き付け、改めて鏡に自らの全身像を映し華麗に一回転
「なかなか決まってるじゃない」
着替え完了。全裸終了。


ではさっそく、出掛けましょうか。どこへって?さっき言ったでしょう。今日はお祭りだって
ローマという都市を表敬訪問中のとある王女が、正体を隠して暫しのお忍び休日を楽しんだと言う異世界の故事に
習ってみましょう。あっちは王女で、こっちは魔女だけれども、良いじゃない……無粋なツッコミはお控えあそばせ

居室を出て、慣れない体の高い目線に感動しながら日傘を回しつつ、拠点の出入り口に向かってみたならば
そこにおわすは、日頃からモフる機会を伺い続けて未だ果たせずにいる王国番犬兼秘密警察長官のベロベロス
今日はお土産屋が閉店なので外部の来訪者はほぼ皆無。また祭り開催日でも王国の総員の三分の一は残留する
シフトを組んでいる拠点に、襲撃をかける馬鹿も居ないだろう事を、かの賢いワンコはちゃ〜んと解かっている
いつもの「キリッ!警備体制」よりやや寛いだ姿勢で、のんびりと欠伸などしている……カワイイ

私の中にむくむくと擡げる希望的観測と生理的欲求
「(犬は日頃、その優れた嗅覚から人物認識をしているのではないかしら?いつもと違う香水、他者の服を纏った私は
彼にとって初めて出会う、化粧室を借りる為に勝手口から迷い込んだ外部の害意の無い来訪者……イケる)」

変身を遂げた魔女ミアラージュの非日常の戯れ
その序曲の相手は、ベロベロス、貴方に務めて貰いましょう

続く

64アントニオ猿L2015/04/18(土) 07:50:55.52ID:MZ3RsaLp
『ロマンの祭日』#3

「まぁ、どうしましょう、ハグレ王国さんのお城って思った以上に広いのねぇ」

ベロベロスセコムセンサー警戒範囲のギリギリにあたるデーリッチ黄金像の辺りで、
あくまで自然に、優雅に、穏やかな雰囲気を醸し出しつつ、困惑した風を装う私、ミアラージュ

ピクリと耳を動かし、振り返るベロベロスの視線に
(偶然合ってしまった!)
かの如くに、同じく目線を会わせる事に成功……細工は流々

♪目と目が合う〜瞬間、モフられたくな〜ってた〜♪

というバックミュージックが流れてきそうなシチュエーションに添うように、渾身の優しげな微笑を
ベロベロスに叩き込む!……仕上げを御覧じろ
キュピーンッ、という音と共に、ベロベロスの体が電流に撃たれたのかの如く刹那に震え、硬直した

「あらあら?かわいいワンちゃんだこと、こっちにおいでなさいな」
お菓子の館の魔女に、不安がる幼子が思わず篭絡されてしまうような、逆らい得ない空気を醸成しつつ
ゆっくりと歩み寄る……私の画龍点睛の詰めの一画を見よ!

未だベロベロスは固まったまま……堕ちたな

モフモフまで後、5歩、4、3、2、1歩、手に持った日傘を自然に落とし
渇望する毛並みに向けて両手を広げ、いざ!
怪鳥の如く踊りかかる!!

「キュゥゥゥゥゥゥン!!!」

咄嗟に身を捻ったベロベロスを捉え損ねた私は

「ほへ?」

勢いのまま、盛大に顔面から門扉に突っ込む!

!!!!!!!!!!!!!!

およそ人体が立ててはいけない、もんのスゴイ激突音が拠点ロビーに響き渡る

「ぐっ!がっ!?……うぇっ!ひ、いぃぃぃ〜!!」

そのままズルズルと激突した顔で壁に撫でるように崩れ落ち、
およそ年頃の女の子が上げてはいけないような呻き声を漏らす私
生身になったせいなのか、勝利を確信したが故の慢心から体が緩んでいたのか……

痛い!すっげぇ痛い!!死ぬほど痛いぃぃ!!!


「グスッ、貴方、見抜いていたのね……」

さすがに哀れみの情を覚えたのか、ベロベロスはやや緊張に身を強張らせつつも
私に自らの身を抱かせ、モフらせつつ、深刻なダメージを負った私の顔に
固有技・ペロペロを施してくれた……なんと賢く、なんと優しい子なのだろう

「ごめんね、姑息な事、して……でも、今後は、偶にで良いから、モフらせて……取って喰いや、しないから……」
「く〜ん」

少々痛い思いをしたが、彼と少し仲良くなれた気がした……幸先の良い一日のスタートを切れたと思う事にする

続く(ミアの服装に、誰かを思い浮かべた方がいらっしゃるかもしれませんが……多分、その方で合ってます)

65創る名無しに見る名無し2015/04/21(火) 18:11:02.61ID:JUi57vRG
ミアは成長してたらヘルよりスタイル良いかもな

66アントニオ猿L2015/04/22(水) 02:04:56.27ID:quYcMsOj
『ロマンの祭日』#4

なんやかんやと祭り会場に到着
暫しの散策。途中、行き交う殿方のネットリとした視線に笑顔を返したりしてみる
ドキッとした様子で顔を赤らめる様子を観察……結構楽しいわね

さて今日は拠点で研究に勤しむから、とお化け屋敷はキャサリンに任せているが、お忍び視察をしてみよう
相変わらずの盛況振りで、沢山の客が入場の列に並んでいるが、誘導の手際にそつが無いので混乱はしていない
ウチのキャサリンは優秀ね、と改めて感心する

一定時間毎に5、6人ずつ入場させるシステムで、入口で管理をしているキャサリンが、中での注意事項等の口上を
述べる。着飾った(仕事用衣装:ヘル作)人形が生き生きと働く様子に子供の客などは興味津々のようだ
いよいよ次の入場組みになったその時、ふとキャサリンと目が合う
ちょっと吃驚した様な表情をする……気付いたのかしら、ちょっと仕掛けてみよう

「私の顔、何かついているかしら?」
「あ、いえ、すんません。綺麗なお姉さんだなぁって思って」
「フフッ、お上手なのねぇ、でも嬉しいわ……はい、これ。後でおやつでも食べて頂戴ね」
「あ、ども」

頭を撫で、こんな事もあろうかと用意していたポチ袋を握らせて、私は中へ進む……気付いてない様ね

常のキャサリンはお小遣いを渡そうとしても遠慮してしまう。曰く
「普段から良くしてもらってますし、欲しいものもありませんから」
家族なのだから、もっと甘えてくれてもいいのに、と言うのが私の正直な気持ちだ
……だけどヘル、あんたはダメよ。私より高給取りな大の大人が、姉にお菓子代をたかるんじゃないの

では、お忍び視察を続けましょう



一方
「さすがミア様だよなぁ……大魔女ともなるとあんな事も出来るんか、すげぇなぁ」
しっかり気付いていたりする……家族の絆である……加えて尊敬する主人を慮って、咄嗟に知らぬフリも出来る
出来る(元)人、ミア姉の懐刀であるキャサリンもまた、出来る(元)人であった



視察を終えて、正午少し前。そろそろ空腹を覚えてきた
食材調達も兼ねて、一度やってみたかった釣りに挑戦しよう

「(エステルに全然似てないピンク髪の)お姉さん、釣具を貸してくださいな」
さあ、いざフィッシング!

「……ビギナーズラックというヤツかしら?」
釣果は上々。ヌシ×2、レア魚×5、通常魚多数で、スコアは108

周囲の釣り人からはヤンヤヤンヤの喝采を受ける中
「二匹目のヌシは、僅か一分足らずのヌシ生涯だったのね……」
もののあはれ、というものが少し解かった気がした


「ねぇ、大将?私、レア魚がアボカドに化ける不思議について知りたいわ」
「……すまんが企業秘密だ。和国の神秘ということで御納得頂きたい」

ちゃきちゃきカフェに釣った魚を持ち込んで、ちょっと豪華な昼食と板さんの小粋なトークを満喫する

さて、午後は何をしましょうか

続く(※釣果は投下主のベストスコアだったりします)

67創る名無しに見る名無し2015/04/22(水) 02:37:32.69ID:/RkOSjlk
ヌシ2匹を一回で釣ったの?投下主 すげぇな
所で国王が釣り失敗したときの顔エロいと思わないかい?

68アントニオ猿L2015/04/22(水) 02:52:35.33ID:quYcMsOj
えろかわいいとおもふ
将来が楽しみですよね、未だヴェールに包まれてる過去・正体にも期待してます

祭りは3回釣って2回カフェでレア魚調理が私のデフォです
極稀に一回でヌシ3度(釣れたのは2回でしたが、あの素早さは間違いなくヌシはん)
出現する事もあるみたいですよ?

69創る名無しに見る名無し2015/04/22(水) 22:10:57.74ID:AozgGvlT
ピクシブのメニャーニャSSがなかなか良かったわ
ここも賑わって欲しいね
てかやっぱりメニャーニャ人気なんだな。

70創る名無しに見る名無し2015/04/22(水) 22:17:37.47ID:/RkOSjlk
>>68
ヌシ(笑)って陰口叩かれてそう 仲間の魚から
>>69
メニャとエステルって鉄板なのかね ピクシブでいえばプリヅチのSS好きだな

71アントニオ猿L2015/04/22(水) 22:23:34.87ID:quYcMsOj
『ロマンの祭日』#5

腹ごなしがてら美術館に来てみた
私が徒然なるままに描いた絵も展示されているはず……ないわね、何処だろう?まぁ、追々見つかるでしょう

定期毎に王国で行われている品評会で佳作以上評価を貰った作品は展示対象になる
また、美術館来場者には入場の際、投票紙5点分が渡され作品を自己採点する楽しみも味わえるのだ
評価型美術館、なかなか良い試みだと思う

「この作品は、強さゆえに迫害されてきた竜族の歴史を叙事詩的趣をもって敢えてコミカルに描いている名作だ」
「ほほぅ」「なある」「深いなァ」

全身に真紅の衣装を纏った見覚えのある竜人が、見物客らにこたつドラゴンの作品の素晴らしさを説いている
その姿が余りに堂々としている為に、客らはこの竜人が名だたる批評家に違いないと信じ、多くがこどら作品に
点を投じてる、こどら作品が群を抜いて一般評価の高い理由の真相を垣間見た
……これぞRPG名物、「ドラゴン贔屓」!する方もされる方もドラゴンなら対抗する術無し!

しばらく見回っていると……あった、私の作品群!
なんでトイレ前の場末に固まって展示されているのかしら?
私、ポッコに嫌われるような事した覚えは無いんだけれども?
それとも私の作品に芸術的魅力が足りないのかしら?

評価箱を覗けば結構な数の投票紙が入っているのを確認出来たので、少しホッとする
え、?自分で投票しちゃいなよ?……嫌よ、そんなの。ヤボじゃない



美術館見物を堪能した後は、取り合えず噴水広場で一息つこうと思い足を進める途中
青空ステージに目を向けると「デーモンでもいいんだもん」のライブが大盛況の中で開催中だ

「この前、装いをチェンジして散歩してイタラ、チョットイイオトコにナンパされたヨ」
「イリスさんは素敵なレディですから、いくら忍んでもそこはかとない魅力が溢れ出てしまわれるのでしょう」

正に今、お忍び散歩を楽しんでいる私はタイムリーな話題に暫し足を止めて聞き入る

「御褒美がてらティーを奢らせて、色々エスコートさせてアゲタ」
「相手の殿方はさぞ幸せな時間を過ごされた事でしょうね?」
「デモ、暗くなった頃、チョット休もうとか言ってバーにでも行くのカと思ったらホテルに連れ込まれた」
「ちゃきちゃき宿というやつでしょうか……初対面だというのに、無粋で無礼極まりないですわ」

所謂ちゃきちゃき宿(ラブホ・連れ込み宿)なるものは、オリエント(の内の和国を含む極東)固有の文化だ
最近ではこの大陸でも散見されるようになってきた
しかし生粋の西洋悪魔で、王国入り間もないイリスには馴染みの無いものだろう

「チョット前までの態度チェンジさせてヌードになって襲ってキタ、興醒めしたから死なナイ程度に凍らせてやったヨ」
「それはさぞ縮こまった事でしょう……え?どこがですって?嫌ですわ、皆さん解かってらっしゃるくせに!」
「言わせないでヨ!」

赤らめた顔を両手で覆ってイヤン、イヤンをするゼニヤッタとイリス
観客(一部の熱狂的なファン)らの喝采が轟く
「クール!クール過ぎる!!」「イリス様ぁ!俺も冷やしてくれぇ!!」「ゼニヤッタちゃん!カワイイよぉ!!」

一方、一見の観客や多くの女性客は
「え?今が笑いドコロ?」「あざとい……」「何よっ!色目使っちゃって……悪女!」

これが悪魔魅了漫才か、観客の温度差までもネタの一部とした高度なエンターテイメント……悪魔っ娘、侮りがたし!

それにしても、ナンパねぇ……今日はそういうシチュエーションも密かに期待しているのだけれども……

続く (※シブのメニャSS、私も読みました イイですよねツンデレ 着衣微エロのシチュもそそりました)

72創る名無しに見る名無し2015/04/22(水) 23:09:06.72ID:hYYeoEKd
渋の原作再現のようなSSほんとすき

73創る名無しに見る名無し2015/04/23(木) 02:09:30.01ID:r5+8X65u
ざくアクは地味に広がってるな

74アントニオ猿L2015/04/23(木) 06:43:12.01ID:PVVjseAI
『猫飼いたい』(※他シリーズものとは別設定とお考え下さい)

「未確認生物図鑑・猫科」
そこには「地獄猫被り」や「神獣アニャンタ」といった世にも珍しい、且つ愛らしい珍獣達が詳細な説明文と想像図
を交えて描かれていた。

「可愛いですね……ネコ、飼ってみたいです……ネコ」
図鑑を眺めつつ、嘆息混じりに一人ごちる。

シノブはここ最近、王国マスコットのベロベロスや地竜ちゃんと戯れる事を何よりも楽しみにしていた。
何もかもを自分がやらなくては、と言った強迫観念から開放され、年齢相応の欲求を満たす事が出来る。
幼き日に得られるはずだった何かを、シノブは今取り戻しつつある。
平和な証拠だ。近頃はネコに御執心の様子。


「あまり勧めないよ……ネコは」

フト、そこに通りかかったのは親友のエステル。

「(はて、珍しい事ですね?)」

シノブは疑問に思う。
大概の事は、当たって砕けろとばかりにチャレンジして、強固な意志と、主人公(風味)補正とで
やり遂げ、通して来たエステルが、こんな事を言うとは……

ならば逆説的考えて、エステルには飼い猫を持った経験があるのであろう。

「と言うと、難しいのですか?ネコを飼うのは」

シノブの質問にエステルは硬い表情で、

「相応の覚悟を持たなきゃダメだよ?ネコって大概、気紛れな気性で、構い過ぎても、ほっとき過ぎても拗ねちゃって
扱いがムツかしいんだ。ストレスが嵩じるとトンでもない厄介事を引き起こす事もある。それら全てを、シノブは主人と
して甘んじて、引き受ける覚悟はある?」

シノブは自らの心情を省みて、ただ可愛いから、興味があるからといった甘い気持ちで動物を飼おうとした自らの浅慮
を恥じた。
同時に生き物に対して真摯な想いを持つ、頼れる親友エステルの真っ直ぐな心意気に改めて感動する。

「そうね。生き物を軽い気持ちで飼っていいものではないわね。今は保留とします。でも私に覚悟が備わった暁には、
将来的には是非一匹飼ってみたい。その布石として是非、エステルが信じるネコ育成の心得を拝聴したいですね」

シノブは教えを請うに相応しいよう、自らの姿勢を正す。

「私も試行錯誤しながら、悪戦苦闘中の身の上だから、余り偉そうな事は言えないけど……」

「(え?エステルったら皆に内緒でネコを飼っているのですか?)」

「まずは誰が主であるのか、毅然とした態度で示す事。友人同士なら気が引けてしまうような事でも、特に行為中は
しっかりと割り切らないとイカンね。公私の切り替えをキチンとする。これを互いに理解する事が大切だと思う……」

「(友人?行為?公私?)」

「後は飴と鞭の使い分け、その匙加減かな?こればっかりは互いに体で覚えるしかないけど、信頼関係が
深まってくれば少々イキ過ぎても、ネコからすればそれが快感と思えるようになるらしくて、むしろマンネリ化
する関係を一新する刺激になるとか。あ、なんだったらメニャーニャにも聞いてみ……」

「ありがとう、エステル。もう結構です」

(※出勤前に使い古された、『ネコタチ』ネタを投下する愚行をお許し下さい)

75アントニオ猿L2015/04/24(金) 06:40:32.19ID:v5nFY2ud
『ロマンの祭日』#6

ふと、肉体が発する「満たされないシグナル」を感じた。
……そうだ、私は成長していたのを忘れていた、不覚!体はいつも以上のカロリーを欲して然るべきよね。
良い契機だ、この際ハグレ祭り出店名物カツサンドも賞味してしまおう。

私は逸る肉体の欲求に応じるべく、勝手知ったる会場の林の中の最短距離を歩む……その最中、


「え?」
私の手、腰、足に纏わりつく何かに動きを留められた。

「つ〜かまえた!」「へっへっへ!」「ん〜イイ匂い!」

見るからにヒャッハー系の殿方三名に抱きつかれてしまった。

「朝から目を付けてたんだぜぇ?」「迂闊だったなぁ……」「たっぷり可愛がってやるよ!」

……イリスの台詞ではないが興醒めよ、サイアク……
未だこんな輩が王国主催の祭りに跋扈しているとは……後で意見具申しておこう。
くそっ、せっかく変身して、乙女の誰もが抱く願望。暫しのシンデレラストーリーを僅かに期待していたのに……

これじゃ、タイトル的に「素人強制輪○」じゃないの!(※ふぃくしょんどぇす)

怒りに震えつつ、ミアスカウター(戦力分析)を行う。

ヒャッハーボス=HP1200位?
ヒャッハーサブ=HP1000位?
ヒャッハークズ=HP 900ぐらい、かな?……と私の勘が告げる

雑魚の極みじゃないの!
……逆に困っちゃったわよ、こっちは!!

「諦めなよ、お嬢ちゃん!」「気持ち良くしてやんよ!」「お前さんを護る騎士(ナイト)はいねぇんだぜ!」


肉体が常の状態じゃないから、加減の匙加減に自信がない(プチ困惑)
でもシコタマ、頭にはキている訳で!(困惑)
でも、安直に「殺し」なんてしたくも無し!!”(超困惑)
だからと言って黙って犯される訳にもいかない!!!(激困惑)


しゃーないわね……あんたらの「運」と、私が咄嗟に判別し得ない「防御力」に期待するわ……

半ば、諦め気味にヒャッハーどもの無防備な首筋を、一気に刈り取ろうと、
カミソリキックの蹴り足を放とうとした直前……


「いるぜっ!!ここになっ!!!」


力強い声が辺りに響く。
この声は……

近くの茂みから、小さな人間の男の子を肩車した赤いミノタウロスが姿を現した。

「俺が騎士(ナイト)だ!!!」


続く

76創る名無しに見る名無し2015/04/25(土) 12:33:13.08ID:4/X4bzHP
マッスルはほんとイケメンやで

77アントニオ猿L2015/04/26(日) 00:59:37.61ID:68Bp8ErD
『やんごとなき駄目ドラゴン』#1

「……と、言うわけで一部の気の荒い個体や血気盛んな若い者を除いて、基本的に竜族はテリトリーやタブーを
侵されない限り進んで他者を襲わない。古竜と呼ばれる格の高い竜ともなればその特徴は尚、顕著となる」

王国大学。竜人リューコを講師として招いての集中講義だ。

「よって切羽詰まった冒険の時には、刺激せずに通り過ぎる事をお勧めする。しかし多くの竜が財宝や伝説級の
武具を保持している為に、それを目当てに戦いを挑む冒険者も多くいる。心当たりがあるだろう?」
会場にクスクスと笑いが漏れる。大いに心当たりがあるのだから仕方が無い。

「先程竜族は無闇に戦わないと言ったが、覚悟して挑んでくる挑戦者は大歓迎だ。強者に戦いを挑まれ、それを
斥ける事、斥けられる事は最大の誉れだからな。むしろその為に日頃から宝物を溜め込んでると言っても良い。
これらのものは身も蓋も無い言い方をすれば餌なんだが、竜族側の真意は自らを退治する勇者には最大限の
寿ぎを持って応えたい。その褒賞がショボかったら自らの沽券に関わる、ぶっちゃけると見得だな。」
竜視点の戦いの論理。他ならぬ竜人からの言葉ゆえに説得力はいや増す。

「よって、竜族相手には十分に備えて、容赦無く、精一杯戦って貰いたい。そして勝ったなら、その事を大いに誇って
吹聴して欲しい。諸君らの今後の新たな竜退治伝説に期待する。御静聴ありがとう」
大きな拍手が沸き起こる。名高い竜人によるカリスマ溢れる講義であった。


その後は参加者各人に軽食や飲み物が配られ、幾分気楽な空気の中での質疑応答タイムとなった。

「竜と竜人はどう違うんですか?」
王国に来る前までJKだった雪乃は往年の勘を取り戻し真っ先に質問する

「竜人族は意外と種の歴史が浅い。発生条件に天然タイプと合成タイプとが存在する。
天然タイプは、人語を解する温厚な竜が人間と懇ろになってイタしたり、神として崇められた古竜が人身御供で
捧げられた娘と、折角だからとヨロシクやってしまった結果生まれた者だ。」

「……壊れてしまわないのでしょうか。竜とイタして……妄想が捗ります」
誰かが小声で呟いていたが、皆聞こえないフリをした。

「そして合成タイプは、少し昔にどこぞの神々がやたらと竜と多種族とを掛け合わせる実験に奔走した時期があ
って、少なくない竜人が生み出され放逐された。結果、従来稀にしか生まれず、互いに出会う事がなかった竜人が、
集まり、竜人同士の交配が進み、今では小さいながらコミュニティを形成するまでになった。この合成タイプの出現
が竜人族の発生の契機と言えるだろう。」

生命の創造。普段は様々な雑務に勤しむ神々も、偶には神ならではの仕事をこなすようだ。
余談だがハムスターも、ごく最近、とある森に番が目撃されたのを皮切りに、以後世界に広がっていったと言う。
閑話休題。

「竜人族の家格はどのようにして定まっておりますの?本人の実力?先祖の功績かしら?」
ヴォルケッタ子爵(笑)が扇子で口元を隠しつつ質問する。
主催者のマリーは、「はいはい、貴女はどっちもありますね……」といった様子で溜息をつく。

リューコはやや苦笑しつつ、
「強い先祖を持つ家の竜人は地力がそもそも高い。よって次代が受け継ぐ財産も多くなる。その財産を有意義に
用いて更に強くなる。結果、その竜人は発言権も強くなる。これが人間の言う家格というのかどうか……」

「しかし、やはり実力至上主義だな。どんなに金持ちでも弱ければ多種族に退治されて、ハイ、それまでだ。
むしろ……私やこどらのように偉大な古竜を先祖を持つ家系の者は、簡単に負けたりしたら、受け継いだ力
を生かせなかった愚か者と一般(竜)人以上の誹りを受ける。これが家格というならば難儀なものだな」

「ほう、ほう……ほへっ?」

ヴォルケッタを含む全員の視線が、軽食を食べてお腹がくちくなり、涎を垂らして午睡を満喫するこどらに注がれる。

続く

78アントニオ猿L2015/04/26(日) 03:29:09.97ID:68Bp8ErD
『やんごとなき駄目ドラゴン』#2

「……こどらさんってエリートなんですの?」

ヴォルケッタの態度に、ニューコは可笑しくて堪らないといった様子で

「そこが人間と竜人の常識の違いだな。聞けば人間は当人がショボくても、先祖が偉かったり生まれた家が
金持ちだったりしたら、曲りなりにもそいつはエリート、お嬢様扱いをされるんだろう?
竜人にはそんな奇習は無い。生まれた子供は一定年齢に達したら一律、コミュニティに一つしかない学校に
放り込まれて切磋琢磨する。そこで揉まれて社会に出て、世界中から強いと認められる奴がエリートさ。
先祖も家も関係ない」

最強種族の一角として名高い竜人の豪快な理論。しかしある意味真っ当なエリート観ではないだろうか。

「さしずめ、私やこどらはエリート見習いの新人竜人って所かな。でもまぁ、人間の価値観で言うなら、
こどらはエリートっていうか良家のお嬢様かもしらんな。金持ちじゃないけど。
こいつの父方の先祖……というか未だ御存命な始祖様だが、ものすっごい竜なんだ。とにかく長生きなお方でな。
母方も、これまた有名な氷竜の血統だ」

あいも変わらず惰眠を貪るこどらの頭をポンポン叩くリューコ。

「んあ?……くぅ〜、すぅ〜」

目覚める気配は無い。

「竜人に自らの生まれの良さを誇ったり、他の高貴な血筋を敬ったりする風習は無い。むしろそういった背景を
持つ奴は、生まれつき高い能力を受け継いでいるという羨望から、やっかまれる事の方が多い。
そういう意味じゃこいつも苦労した口だな。私も昔は結構馬鹿にしていたし……
長くなったが、竜人の中では家格なんてものは定められておらず、ただ強い者が尊ばれ、弱いものは蔑まれる。
これが答えでいいか?」

「は、はい……」

一瞬、遠くを見るように目を細めてから、笑顔に戻ったリューコはどこか満足気に見えた。



ふとまどろみから目覚める。ありゃ、リューコちゃん帰っちゃったか。挨拶し損ねちゃった……残念。
なぜか皆の私を見る目が普段と違う気がする。
特に子供達が目をキラキラさせて図鑑を差し出してくる。曰く、

「ここに、こどらちゃんの御先祖様は載っているデチか?」

先祖?あぁ、おおじじ様とおおばば様の事かな?多分載ってると思うよ……ほら、ここと、ここ。

「す、すげぇー!かっこいいな、こたっちゃん!」

すごいのも、かっこいいのも私ではないんだけれども……まぁ、ヤボは止しにして素直に御礼を言っておく

私もいつか、二人みたいな立派なドラゴンになりたいな……明日からまた、本気だそう



古竜サヴァイバー=別名、世界で最も長寿なるもの。推定6億歳。恐竜の生き残りという説もある。幸運の龍。
             氷河期・大洪水・隕石衝突といった未曾有の災害、度重なる戦乱を地中で眠る事で乗り越えた。
             (※らんだむダンジョンアイテム図鑑、★エルダークローバー 参照)

白龍ダイアモンドアース=北の大地に住まう、寒気を司る龍神。雪女一族の祭神。
                (※同上、☆白龍の置物 参照)

79創る名無しに見る名無し2015/04/27(月) 00:13:30.19ID:lniq0eyE
面白いと思ってたま〜にSSスレ来てるけどさ
ピクシブとかに投稿したほうがいいんでない?
このスレ恐らくほとんどの人みてないぞw

80創る名無しに見る名無し2015/04/27(月) 00:24:47.84ID:lniq0eyE
付け加えで、アントニオ氏の作風好きなので仮にここに投稿し続けても玉に見には来るよ

81創る名無しに見る名無し2015/04/27(月) 05:18:38.54ID:fofOchXg
>>79
>>80

ありがとうございます
私、ピクシブでは見る・読む専なのです
そもそも自分が考えたものを投下するのは、ココが初めてで
とても気が小さいので、閲覧される方が少なそうなココであるからこそやれたというか……

今後勇気を振るって、より多くの方々の目に触れる場への投下にチャレンジする
事もあるかもしれません……が、当分はココで書かせて頂こうと思ってます

82アントニオ猿L2015/04/28(火) 08:31:25.62ID:KajF0A26
『一夜のあやまち』

「ヅッチー……」
「あっ!」

週末の妖精王国。夜も深まるヅッチーと私の寝室、通称「愛の巣」(プリシラ命名)。
暖炉の火が煌々と照らしだしているのは、
薄いネグリジェのみを纏って仰向けに横たわる私に、全裸で馬乗りになっているヅッチー。

「いや、こんなはずじゃなかったんだ!」
いつもの勇ましさはどこへやら、顔を真っ赤にしてしどろもどろになっているヅッチー。

今にして思えば、昨夜のヅッチーはいつも以上に飲んでいた。
妖精王国温泉宿開店○周年記念パーティー……周りの妖精達がお祝いの言葉と共に満たす杯を延々と
乾杯の掛け声で干し続けていた。

箍が外れた結果が現在の状況である。

「うぅ……」
涙目になって悶えるヅッチーの姿に、私の嗜虐的な一面が顔を覗かせる。

「もう、ヅッチーったら、こんなに濡らして……」
詰る様な声を投げかけつつ、肌に張り付いてる濡れた薄物を脱ぐ。
……うむ、マナジャムドーピングした私の全裸も捨てたものじゃない。

「ご、ごめん」

泣き顔を覆って全裸アヒル座りするヅッチーなんて……激レアだ。
最大限の理性を持って劣情を押さえ込み、母性の仮面を被ってヅッチーを抱きしめる。

「怒ってないわ……だから泣かないで、ヅッチー」
「プリシラァ!ごめんよぅ!」

片手でヅッチーを撫でつつ、もう一方の手で布団の下に忍ばせたボタンを押す。
部屋の改装時に取り付けた隠しプリミラ(生命体自動追尾撮影機能付)。
小さなシャッター音は泣きじゃくる声で掻き消える。

ヅッチーとの全裸抱擁画像、ゲットだぜ!!!


「落ち着いた?」
「すん、すん……うん」
涙跡が残る顔に花の笑顔が戻る。やっぱりヅッチーは笑ってる顔が一番素敵だ。

「じゃあ、皆が起きて来ない内に後始末しましょうか」
「ほとんど乾いてる……残ってるのはプリシラの寝巻きと敷き布団ぐらいだ」

成る程、寝る前に消した筈の暖炉の前に、梁から吊った紐に掛けられたヅッチーの寝巻きと掛け布団。
私が目覚めたのは、私のを脱がそうとする直前だったわけね。敷き布団はどうするつもりだったんだろう。

「朝までちっさいファイア起こして炙り続けるつもりだった……」
「もし次があってもそれは絶対やめてね、危ないから」
私は氷精だっつーに……

なんとも拙いというか、可愛らしいオネショの証拠隠滅工作だ。

「みんなには内緒にしてくれよな?」
「ふふ、わかってる。二人だけの秘密ね。でもヅッチー?これからは夜八時以降のジュースは禁止よ?」

(※衝動に囚われて、つい……ごめんなさい。でも全裸が書けて満足です)

83創る名無しに見る名無し2015/04/28(火) 18:17:35.57ID:C5XwBAZk
読んでるで〜

84アントニオ猿L2015/04/30(木) 04:43:52.49ID:Fh0RdLmX
色々と妄想は捗りまくってるのですが、
まずは「禁じられた遊び」と「ロマンの祭日」を完成させたい所です。

特に「ロマン」はアマデ○スさんの如く、
「出来上がってるよ?ココ(頭を指差す)で……後は書くだけさ」
なんですが、筆不精な者でして(タイピングが不得手)……

でもケンコー的に徒然なるままに、書きたいもの(特に全裸とこどら)を書き殴って投下する、
我儘な投下主をどうか、詰ってください。

映画みたく、サリ○リさんが口述筆記してくれたらなぁ

85アントニオ猿L2015/04/30(木) 12:12:42.13ID:Fh0RdLmX
『悪魔は生きとし生ける者のパトロンです』#2

「今日は研鑽の為の勉強会なのだから、忌憚の無い意見は大歓迎だ。どうか遠慮しないで欲しい」
柚葉さんの自らに厳しく、他に優しい配慮には、本当に頭を下がります。
「はい……ごめんなさい、柚葉さん、正直に申し上げますと味がよく解かりません。私共魔族の舌には、薄味過ぎて」
「成る程。来店される御客様の客層の幅が広いハグレ王国においては、他所よりもその点に配慮すべきと言う事か。
皆様方よ、食ってばかりいないで聞け。今のゼニヤッタ嬢の素晴らしい提言をキチンとメモっておけよ?」

……御配慮感謝致します。あぁ、地上世界と、そこに住まう人々は、とても優しく、そして美しい。


「王国料理人連合会」。それは国民皆様の食事や、お土産やお店で食物を扱う方々が拠る、相互扶助組織です。
今日はその定例勉強会でした。
柚葉さんの粋な計らいと、想起した懐かしき家族の思い出を、日記に書き残したいと想い、筆を取った次第です。

会員はマッスルさん、キャサリンさん、柚葉さんに、私ことゼニヤッタの四名。
発起人兼、代表兼、事務兼、監査役兼、後援会長のミアさんは、
「私は天才的に味オンチらしいから(涙)、口は出さずお金を出すわ。あと面倒な周旋は私に任せて、頑張りなさい!」
世の誰もが希求する、理想的なオーナーを粛々と努めて下さっています。
自重や配慮も出来る天才なんて、歴史を紐解いてもいらっしゃいませんよね?……ミアさんはお出来になる方!
閑話休題でございます。

「俺は常々、この生魚を少ない飯で食わせる技には甚く感動してる。一見なんともしみったれてるが、一つ口に含むと
吃驚仰天。空腹に任せて掻き込んで良いモンじゃねえ!と思わせる何かがあるな。おい、誰か説明してくれ!」

「ミア様が仰るには、和国は狭くほっそい国土を海に囲まれ、資源は乏しいが四季の移ろいが顕著なトコロなんだと。
採れる限られた食物を神々へ感謝し、最高の工夫で食するのが礼儀らしいぜ?成る程、供される形式はあたかも
供物進膳!主体は食材そのもの。精緻な包丁捌きも、絶妙な味付けも引き立て役に徹している……奥ゆかしいぜ!」

……その時の私は、会員の皆様が舌鼓を打ちつつ絶妙な批評を披露される中、窮地に陥っていたのでした。

味がしない……

様々な事情で天から堕とされた神・天使の成れの果てが悪魔です。罪人の流刑地が豊かな土地である訳が無い!
地獄、煉獄、魔界、冥界……私達の棲息域は悉く、痩せた土地の救世主たる薩摩芋さえ育たない不毛の地!
同じく堕とされたあらゆる生命体を、互いに貪り合う修羅の世界!
結果、生命力も味も、地上から見れば得体の知れないような強靭な植物しか育たず、
また極地的な気候においての保存に耐える為に、極限の香辛料が求められたのでございます。
少ない食物を奪い合う、悪魔界を憂いた減浄と言う名の悪魔僧が、地上のテンジク・カラ・ナンバン等々より
多くの強烈な香辛料を持ち帰って、改良の後に広めた結果、悪魔界の戦争は終結し……(地上漫遊記演義)
閑話休題パートUでございます。

つまり、他生物基準で味オンチなんですの、私達……辛いモノに慣れてしまって……(しかたないじゃない×2!!)
(参照:デビルズブラッド=らんダン、イリスチャンラブ=ざくアク)
異種族共栄が如何に困難な事か!

しかし、恵まれた環境に生まれた者は、安易に不平不満を口にするべきでは無いと思うのです。
事実、イリスさんや私、悪魔っ子勢が王国から供される食事に文句を言った事は、一度たりとてありません……
×「こんなもの、高貴な私が口に出来るものではありませんわ!おとといおいでなさいな!ホーホッホ!」
○「初めて食べましたが、たいそう趣深い……とても個性的で結構なお味です。感動致しました」
……物語などでしばしば描かれる誤ったセレブ像と、実在する常識的なセレブの対応の差……御参考までに。

幼い頃、領民の方々が開催したニンニク収穫祭で供された料理を、私は残してしまいました。館に戻ってから、
「ゼニヤッタ……苦手で、食べきれなさそうなら、手を付ける前に、減らして貰わないといけないよ?」
厳しくも、慈愛に満ちた表情の父から受けた過酷な折檻。とても心地良く、懐かしく、苛烈な思い出……
対する、地上の現世を生きる人々のなんと穏やかな事か……これはまたこれで素晴らしい……


親愛なる父様、母様、兄様……色々困惑する事もあるけれども、私は今日も元気でございます!
(※ゼニヤッタちゃんは両親から愛され、大切に、厳しく、且つ進歩的《=人間賛歌》に育てられたようです)

86創る名無しに見る名無し2015/05/03(日) 10:46:40.28ID:X1CpnD0R
『ロマンの祭日』#7

「(マッスルさんだ!これで勝つる!!)」

隠れニワカマッスルファンの私、ミアラージュは心中で黄色い声を上げた。
私は食物も男も、些少な奇異には囚われず、真に優れたものを愛でる。
食物に関しては味より栄養素を、男に関しては器量より漢気や侠気を……違いが解かる女なのだ!

『彼は王国きっての理想的な漢よ!』……かつてそう断言して、ドン引きして泣き出した愛する妹を慮って、
『冗談よw』……と取り繕って以降は、一切、殿方への賞賛をいっさい封印した私。
あぁ、そのマッスルさんが今、目の前に!!

「あぁ、もぅ駄目だ、お終いだぁ……」「マッスルさんや……」「に、逃げ……」
「動くな、兄ちゃん達……」

心疚しく無い者が聞けば安堵し、心疚しい者が聞けば震え上がる声を、一陣の風の如く発するマッスルさん。
背負われた童は目を輝かせ、レ○プ(未遂)魔共は凍りつき、私は濡れた……どこかは言わせないでよ!

「マッスル兄ちゃん?お仕事なの?」
「おぅ、太郎。途中ですまないが、みんなに伝えて来てくれ。マッスル兄ちゃんはすぐ戻るからってな」

見るからに聡そうな男の子は、わかった、と背から降りると、店の前で皆一緒に待ってるから、と言って駆け去った。
賢い子だ……おそらくマッスルさんが、日頃から懇意にしている孤児院のまとめ役の子なのだろう。

「お嬢さん、御無事ですかい?」
「え、えぇ、なんともありませんわ。おそらく、確実に、何かされるであろう直前でしたの……」

気丈に振舞いつつ、かと言って成す術なく途方に暮れていた健気な令嬢……という風体を精一杯装ってみた。
ホントは怖くもなんとも無いが、殺さずに済んだ正直な安堵が、私の演じたい儚さを演出してくれるだろう。

「ウチのシマで怖い想いをさせて申し訳ない。もう大丈夫ですから、安心して、ちとここで待っていておくんなさい」

心底申し訳なさげな表情を滲ませたマッスルさんは、レ○プ未遂魔達の手を引っ掴んで、私から少し離れた所へと
引きずっていき、そこで正座させた。

「……!!……???……!!!……」
「……!」「……!」「……!」
パァン!!パァン!!パァン!!

私は魔力を使って、ミアデビルイヤー(地獄耳)を発動、マッスルさんのヒャッハー達への説教を盗み聞く。曰く、

ハグレ王国の縄張りで不埒なマネをしちゃいけねぇ、種族問わずの仲良し世界の実現が、俺と王国の夢なんだ!!
邪魔する者の攻撃は全て受けきった後、捻り潰してやる、痛ぇぞぉ?死ぬぞぉ?兄ちゃん達も結構鍛えこんでるな?
その力を間違った方法に使っちゃいけねぇ、使い方が解からねぇなら俺が教えてやる、いつでも訊ねて来い!!!
マッスルさん、すんません! 俺達を導いて下さい! 生まれ変わりの証に一発ずつお願いします!
各人の能力を考慮しての、痛快な平手打ち!!!!!!

マッスルさん、かっけえぇぇ!!

「「「大変、申し訳ありませんでしたぁ!!!」」」
「どうか許してやっておくんなさい。こいつ等は、私が責任を持って立派な輩に育てます!!!!」

連絡を受けたモーモードリンクプレミアム会員達に、再教育プログラムの名の下、連行されたヒャッハー達の顔は、
自らの犯した罪への悔悟と共に、再出発への決意で輝いていた!

「御寛恕頂きありがとうございます!……王国としては償い様も無い失態だと思っております!申し訳ありません!」

「こちらこそ、危ない所を助けて頂きまして……でも、償い代わりと言ってはなんですが、お願いが……」

続く (※次回は、ミア×ニワで)

87創る名無しに見る名無し2015/05/03(日) 11:50:11.23ID:dGU+snAX
「ロマン」「禁じられた」「オーナーこドラ」良い

88アントニオ猿L2015/05/03(日) 12:35:38.53ID:X1CpnD0R
『ロマンの祭日』#8

「(解からん……どうしてこうなった!?)」
ハグレ王国産最強級赤牛こと、俺ニワカマッスルは困惑していた。

今日は日頃の営業努力で貯まった金を使って、週末毎に通ってる各地の孤児院や学童教育所の愛すべきガキ共
をハグレ祭りに招いて、盛大に遊ぶつもりだったのに……超絶の茶髪紫眼の美人が俺の腕にしな垂れ懸かってる!



「あのガキンチョらを祭りで遊ばせてやりてぇなぁ……」
と呟いた俺に、

「水臭いじゃないっすか!」
と、祭り当日の運営を請け負ってくれて、遊んでやって来なせぇ!と、送り出してくれた常連の野郎共。

「店は信頼の置けるジュリ姐はじめ、プレミアム会員で回しておきやすから、御心配なく!」
プレミアム会員って何だ?そんな制度、店長の俺は知らんぞ!?

まぁ、それはいいや……俺直々に筋肉帝王学を叩き込んだあいつらの事は信頼してるし、
そんなあいつらの気遣いを無碍にするのは、野暮の極みだ。感謝して楽しもう。
ジュリアさんが来てくれて指揮ってくれるなら間違いもあるまい。


各地のガキ共が御来場……多いな、さすがに。一斉に会すると50人を超える。
送り迎えの施設長やママさん方からは、沢山の差し入れと御礼の言葉。
結果、昼飯に皆で食べきれん量の御弁当、ありがたい……俺が用意していた食事代は、おやつと予定で
入れなかったアトラクションに回すとしよう。

各所にそれぞれ一人はいる、
「誰にも心を開かなくて、でもマッスルさんからは離れたくないようで……理解してあげて下さいね?」
「御存知の通り、この子はしっかりしてますので、どうかお引き回し下さいな」

と託された、引っ込み思案のお姫様連(お坊様)を全員抱き上げ、親分肌のマセガキ連(マッスル親衛隊)を
直近に侍らせて、まずはお化け屋敷や美術館を回る。
あれやこれやと水を向ければ、お姫(坊)様連は次第に俺から離れて、頼れる騎士に手を引かれ、新たな世界へ
旅立っていく。

「いいな?このお姫(坊)様はお前が責任を持って護ってやれ。お前を親衛隊きっての騎士と信じて任せるぞ!?」
「任せといて!」


昼食を喫する頃には、概ねのガキンチョ共は分け隔てのない友達同士になれた。
よし、昼食後は実践だ。

「イヨォシ!午後一発目は、リアル鬼ごっこやるぞ!鬼のマッスルさんから、みんなで協力して逃げきってみろ!
時間内に一人でも逃げ切れたら、俺が全員にブリちん駄菓子屋で何でも好きなものを一つずつ買ってやる!」
子供達の大歓声!ゲームスタート!手加減はしない……大人も子供も本気でやらなきゃ!!


そうして始まったゲームの最中、不埒な輩のオイタに遭遇……くそっ、水を差しやがる!
しかし、これも王国内で子供が気軽に遊べる為の大切な仕事、既に捕まえた、頭は良いが体がおっつかない太郎に
訳を説明しようとしたが、利口な太郎は直ぐに汲んでくれた……あんがとよ、お前には駄菓子二つ買ってやる!

説教を終えて、常連に再教育を任せた俺は、王国に好意を持って下さっているであろう来訪者にひたすら詫びた。

「こちらこそ、危ない所を助けて頂きまして……でも、償い代わりと言ってはなんですが、お願いが……
宜しければエスコートして頂けませんこと?素敵な騎士(ナイト)様」

続く

89創る名無しに見る名無し2015/05/08(金) 00:51:56.25ID:UgowUyxc
コッコッコ 足音が聞こえてくる 今か今かと待っていた姉御の帰還だ
「姉御ぉー!!」

「ハピコ? どうしたんだい?」 
ローズマリーはハピコの慌てた様子に驚きつつも状況を確認しようと質問する

「いや、姉御が各地視察に出かけた後からデチ公の様子がおかしいんですよ」
「?? 寂しかったのかな?」

「最初はそう思ったんですけどね、でも今までもサムサ村に外交で数日いないとかあったじゃないですか、だからおかしいなと思って気になっていたんですよ」
うん?っと状況が読めず相手に更なる情報を促がすマリーにハピコは

「それで、部屋に居るデチに対して聞き耳立ててたらキュア!とかヒール!を唱えてるんですよ」、と
回復魔法を唱えている事を伝えると途端に険しい顔になったローズマリーが
デーリッチが怪我をしているのかと不安を感じハピコに迫る

「それ、どういうこと?」

「あたしも、気になってるから相談してるんですよ だって問い詰めても 『大丈夫』とか『気のせいでち』としか言わないのですよ」

デーリッチが周りを不安にさせないようにしているが確実に何かを隠している事を察しローズマリーは急いで彼女の元へ向かった・・・

90創る名無しに見る名無し2015/05/08(金) 01:22:09.56ID:UgowUyxc
ズキ・・・ ズキ・・・ イタイ、イタイ・・・ こんな痛みは初めてだ

---デーリッチ!

「ーーエステルちん!?」

「ふぉ!? そ、そんな驚くなよ! 」

相手のリアクションに少し腰が引けたエステルだが、相手の見方に違和感を感じた。

「デーリッチ、具合、、、悪いんでしょ?」

図星を食らい一瞬硬直するも、ちょっと体調悪いだけだよと返す王

「嘘、隠しても分かるわよ だって貴方分りやすいもの」

91創る名無しに見る名無し2015/05/08(金) 01:23:04.36ID:UgowUyxc
寝る 続きは気が向けば

92創る名無しに見る名無し2015/05/08(金) 08:50:32.85ID:COq1X//7
待っているぞ

93アントニオ猿L2015/05/11(月) 09:34:49.04ID:SYWLBHuy
グオオォォォ、投下仲間が御来臨なさりました。
ありがたや、ありがたや……
心から御再臨をお待ちしております。

ちとリアル世界に足りない頭を最大限、使わなくてはならない事案がありまして……
片付くまで、ロムらせて頂きます。

94アントニオ猿L2015/05/14(木) 16:00:33.89ID:TOcnwe9h
『竜虎激突』#1

「龍じゃん!!」
「虎でち!!」
キッカケは些細な事だった。

王国シンパのコレクターが、異次元から迷い込んだ稀覯漫画本「るろうに○心」(しかも全巻勢揃い)を献上した。
この出来事は漫画好きの王国民の心を楽しませ、物理勢の近接戦闘に対する意欲を改めて高らしめ、
また常時金策に勤しむ柚葉に和国剣術セミナーを開かせ小銭を稼がせる等、概ね王国に良い影響をもたらした。

が、王国の「最強の虎」「無敵の竜」を自称するデチ虎王・こどら竜公両名の闘争心に火をつけてしまったのだ。

「一度目は不覚を取ったけど、二度目の決戦に勝ったのは竜じゃん!?」
「ガチの戦闘に二度目はないでち!」
「私達だって普段の戦闘は敗北ノーリスクで、ボス戦はセーブ有りで無限再戦可能じゃん!?」
「ぐっ、でも竜の二度目の勝利は仲間の絆や、主人公補正のチートありきだから実力とは言えないでち!」
……完全にガキの喧嘩である。

周りの面々は、いつもの事だと相手にしない者。退屈しのぎにやいのやいのと煽る者、ひたすらオロオロする者等
様々だったが、

「お前達っ!強さを決するに女々しい言い合いしてるんじゃねぇ!!ビシッ!!!バシッ!!!(×2)」

我らがマッスル兄ぃの漢らしい往復ビンタ喧嘩仲裁(攻撃力、約3000)が炸裂する!
女性マジョリティ&武断国家であるハグレ王国には、
「女に手を上げるなんてサイテー!」
という、平和呆けた甘えた常識は存在し得ないのだ。加えてマイノリティである男性陣は良識を弁えた紳士揃い。
固めた拳で殴る事など決してせず、愛を込めた平手打ちを持って仲間を諭す……信念と愛とをもって!
「(殴るこっちの手や心の方がよっぽど痛いんだ!)」
閑話休題

「雌雄を決するなら口でなく互いの力で存分にやらねえか?そうするなら俺が後腐れないように、キチンと仕切らせ
てもらうが……どうだ?」
「「ふぁい……おれらいひまふ」」(意訳=頼んます)

仲裁された両名は、ほっぺたがとても痛々しい状態だが合意。
一週間後の12:30〜13:00、ハグレ王国竜虎決戦が開催される事が決定した。


基本8名パーティによる集団戦を専らとするハグレ王国では、珍しいタイマンバトル開催に沸き立った。
当日の決闘では、概ねなんでもアリアリガチンコ方式が採用される。それは以下の通り
・武器防具装備を認め、合体技を除くあらゆる特技・魔法・奥義の使用を許可する(タイマンだもんね)
・道具の使用は不可とする(ベル「解せぬ……何でもアリなのに……アイテムは邪道なの?」)
・王国業務に差し支えるので、戦闘時間は昼食後の30分間とする(終わらなかったら引き分け)

決戦三日前。召喚士三人娘による「竜虎大戦ぶった切り!新聞」が発行される。その記事を一部抜粋

猫「……いよいよ三日後に迫りましたがお二人の予想は如何でしょうか?」
桃「難しい所だけども、デーリッチかなぁ?物理・魔法両面に対応できるし、回復魔法のエキスパートでもある」
巨「私はこどらさんを推します。独自の回復技を持ち、物理面では鉄壁。アイテム無しではMPの限界が……」

決戦前日。ハピコ・イリス共同胴元によるトトカルパッチョ(賭けクジ)が発売開始。

苔「デーリッチに私のへそくり総額。国王を信じられない参謀がいる訳無いだろう?」
雷「国王&魔法組同士のよしみでデーリッチ買いだ!プリシラ、金額は任せるぜ!?(氷「うん、ヅッチー♪」)」
地「もけっ!」(椅子「フフ、『竜は強いっ!』だとさ。ハピコ。こいつにこどら500G頼む」)
赤「ドラグーン通貨使えるか?駄目か……小切手は?そうか、じゃあ100000G分、こどら勝利で切ってくれ」
銭「うぅ、私は、その……引き分けってクジはございますか?」

続く

95創る名無しに見る名無し2015/05/14(木) 19:52:10.78ID:h6KXljQm
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

キャラを漢字一文字で表すとどんな感じになるのか気になった

96創る名無しに見る名無し2015/05/14(木) 23:28:18.85ID:mW/Oxj+t
さらっと混じる赤さんちーっす

97アントニオ猿L2015/05/16(土) 15:40:28.53ID:yCO6jmn6
『竜虎激突』#2

決戦当日。近くの村から大量に献上された山菜を、かき揚げ蕎麦で楽しんだ後、王国総員は拠点外特設ステージ
に集結した。

「これより第一回王国竜虎決戦を開催する。様々な経緯から、本日、王国が誇る竜虎に雌雄を決して貰う運びと
なった。両方とも雌なんだが細かい事は言いっこ無しだ。皆にはその行く末を見届けてもらいたい!」
見届け人兼、進行兼、審判のニワカマッスルの開会宣言が朗々と轟く。

「両名に言っておくが、この神聖な戦いに卑怯な真似をしやがったら、そいつは永遠に軽蔑されるであろう!」
観客総員が『(お前は紅豚のマ○マユートのボスか!?)』と言うツッコミを堪えて、万雷の歓声と拍手を送る。

「両者、前へ!」

北から虎王デーリッチ。人型ハグレにしては鋭い犬歯を一層尖らせ、グルルルッと唸り声上げつつ獲物を狙う虎
の如く四つん這い姿。前足(前腕)のハンダで覆った爪先で、石舞台をギャリリッっと火花を立てながら掻き威嚇!

南より竜公こたつドラゴン。ギャオォォォンンと地を轟かす咆哮を放ちつつ、こたつ蜜柑の空き瓶に詰められた
得体の知れない液体を口に含んで、口元に近づけたマッチに向かって霧を吹き、特大の焔を吐き出す!

……なに?そのエンタ〜ティナ〜な演出、異世界のレスラーじゃあるまいし……

すぐさまマッスルさんの往復ビンタが両名に炸裂!
デーリッチの爪は爪切りで適度に整えられ、こどらのアルコール瓶とポケットのマッチは取り上げられた。

「「えんひつらっれわ……(直訳=演出だってば……)」」

折角、腫れが引いたところだったのに……両者は都合10000程HPを削られての決戦開始と相成った。
幸い、両名とも運値が高いので沈黙は免れた。

「では30分一本勝負っ!はじめぃっ!!」
ぐわあぁ〜〜ん
キャサリン愛用の中華鍋を銅鑼に見立てた渾身の合図で試合開始!

速さに勝るデーリッチのチクタクロッド二連撃がこどらに炸裂!
倍近くの運アドバンテージでこどらはスタン!
更なるチクタク二連撃で再度のスタン!
一連の連携で貯まったTPを駆使したデーリッチのレベルカンスト覇王拳!

舞台上が猛攻の粉塵に覆われる!
計3ターンで30000超のダメージを叩き出した……

椅「やるなぁ、デーリッチ!あれで回復役だもんなぁ、物理投擲勢も形無しだぜ」
福「ウフフ、とても鮮やかなコンボですねぇ、惚れ惚れしますわ……しかしながら……」
茶「あれは観客サービスで、挨拶代わりといった所じゃろ……効果は、無いな」

王国三大老が懇切丁寧な解説を述べて下さる中、しだいに視界が晴れていく。そこには……

「ふ、さすがは我らの国王様だね、デーリッチ……ブリリアントニウス!……でもね?」
次第に晴れてゆく視界の中、

「これは、いわゆる『競技』じゃないんだわ。技が巧みな者、多彩な魔法が扱える者が勝つんじゃないの……」
全くこたえた様子の無い様子のこどらが、

「最後まで倒れない者の勝ちなのよ!!!」
凶悪な微笑を浮かべて佇んでいた

「そんな台詞は、最後まで立っていた時に言うでちよ!!!」

続く

98アントニオ猿L2015/05/16(土) 16:10:51.90ID:yCO6jmn6
>>95、96
一字表記は行き当たりばったりで……これだ!!って言う拘りは今の所無いんですよ
桃=エステルに対して、クーちゃんやヴォル子爵なんかはどうしようかと、考えあぐねております

また「赤さん」を即座に突っ込んで頂いて、とても感激してます

99創る名無しに見る名無し2015/06/05(金) 07:16:15.93ID:y6EOAOga
てす

100創る名無しに見る名無し2015/06/09(火) 16:13:57.79ID:6m2Ikqux
規制かかってるのかこれ

101創る名無しに見る名無し2015/06/09(火) 23:43:18.75ID:T093QK+j
投下したいけど、ちょっとだけグロテスク


壊した家族、壊れた私

 がちゃがちゃ
 厳重に幾重にも鎖と南京錠を施された扉の向こうが煩い。今日も愛しい招かれざる客が来たようだ。
「何の用かしら」
 決定的な不足を補え!と叫び震える身体を押さえつけながら強気で睨みつけるも、二人にはまるで効果が無い。当たり前だ、どこに満身創痍な娘に怯む親がいる。
 慈しみと悲しみを湛えた目がゆるりと弧を描いた。
「ああ可哀想にミア、こんなに震えて」
「大丈夫よ、パパとママが何とかしてあげるから」
「もう止めて!」
 伸びてきた手を渾身の力で弾く。乾いた音が響いた、はずなのだが私の震えもパパとママの微笑みも何も変わらない。
「今度は誰を殺した!?」
「お前は何も心配しなくていいんだよ」
 昔、滅多に遊べない私をさり気なく気遣ってくれた老婦人。頭を撫でながら飴玉をくれた細く柔らかく皺の寄った指をパパが踏みにじる。土に返ろうとしていたそれはざらりと形を崩し、床の埃と紛れて消えた。
「もう嫌よ、こんなの狂ってる!」
「貴女は私たちの自慢の娘。ラージュ家の誇りよ」
『お前んちお化け屋敷!』と悪態を吐いていた同い年の悪ガキ。妹をからかっては光速で駆けつけた私にしばかれてた彼の目はもう、何も映していない。血の気の抜けた身体はママが足蹴にしたら簡単に捩れ、歪な形で部屋の片隅に追いやられてしまった。
「殺して!殺せ!!」
 他人の眠りを、なにより命を犯しておきながらなおも浅ましく求めるこの生が堪らなく憎い。一族の秘術で蘇ったこの身体はちょっとやそっとのことでは傷つきすらしない。猛烈な飢えを抱えながら自ら逃れる術すら与えない、多くを奪いながら何も生み出さない、まさに禁忌。
「材料を疎かにしてはいけなかった」
「次は大丈夫、きっとミアも気に入ってくれるわ」
 加減のきかない身体は容易に掴んだ二人の服を切り裂き、下の肉を抉る。しかし二人はこちらを見ようとすらせず、どこも見ていない目で笑っている。
「おい。早く呼んできなさい」
――この部屋に誰を?
「それがね、さっきから呼んでるのに全然返事をしてくれないのよ。本当、困った子だわ……」
――『あの子』 呼んでどうする?
 震えの種類が入れ替わる。すがるように見上げた二人の顔は何らいつもと変わりがなくて。
 そして

「ヘル」
「ヘル。こっちに来なさい」

102創る名無しに見る名無し2015/06/09(火) 23:44:39.01ID:T093QK+j
 妹が走り去った扉をぼんやりと見つめる。向こうは薄暗くて見通しがつかず、ぽっかりと虚無の穴が開いたようにも見えた。
 視線を落とす。両手の生首から流れ落ちる血の臭いがとたんにむわっと立ち込めて、堪らないとばかりに片方を持ち上げる。長い髪を掴んでいるからか、ちょうど良く口に入るそれをごくごくと喉を鳴らしながら身体に流し込んだ。
「あは、あはははは」
 ……身体が痙攣する。暴れる胃が腹筋を引きつらせ、それが契機となって積もり積もった感情が笑いとなって湧き出た。
 血の出が悪くなったそれを投げ捨て、もう片方に歯を突き立てる。肉は不味い。欲しいのは血だ。
「あっはっはっはっは……ははははははははははははははは!!」
 飲み込んだ傍から喉を逆流するので襟首は大惨事だ。
 全身が拒んでいるのか、目からも流れ落ちてくる。温もりを持たない体から流れるくせに、頬を伝う涙がとても熱く感じた。
 飲んでも飲んでも傍から吐き出すから喉が焼けるように熱い。今まで溜めてきた水分のほとんどを流す目は腫れ、まるで沸騰しているかのよう。
――そうやって押し返そうとしているのに、僅かに取り込んでしまったそれで今までないほどの活力が湧き出てくる、この呪われた身体よ! 

103創る名無しに見る名無し2015/06/15(月) 19:29:04.16ID:ZuAaOhH7
渋賑わってていいゾ〜
ここももっと賑わっていいんだよ?

104創る名無しに見る名無し2015/07/05(日) 23:00:46.88ID:sqfkFP9n
近頃話題のハグレ王国に、今日もお客が訪れた。
若い人間の男性で、なかなかのイケメンである。

「なにやってるんですか……」
「わぉん!(警備をしております)」

男は困惑しつつも、警備員を名乗る番犬を屋内の受付へと引っ張っていく。

「すいません、何かこの人、正門で変な事してるんですけど……下半身丸出しで」

ガタッ

炎牛「俺達もそうですよ」
雷狼「普通ですよ」

「あっ!?」

男は悟った。
ここは魔境なのだ。
そして自分はもう、逃れられない。

105アントニオ猿L2015/07/09(木) 08:38:28.57ID:/oQJyYGR
『ロマンの祭日』#9

「…………!!」

マッスル兄ィの店で待っていた子供達は一様にアングリ顔をこちらに向けていた。
そんなに不思議な光景かしら?
素敵な騎士に助けられた妙齢の美女が、その逞しい腕に身を預けているのは予定調和だと思うけれど。

「……待たせて悪かったな。その、こちらのお姉さんも皆と一緒に遊ぶ事になった……ええと、名前は」

真の漢に照れた顔を向けられるのは……見ていて絵になるし、私としても光栄なものだ。
さて、名前か……満を持して巡って来た、シンデレラストーリーに相応しい名乗りを考えなくては

・今の私は、半日(ワッフル効果)で散り去る「幽世の花」のような存在……何それ?儚カッコイイ!
・私の正体を悟らせちゃ駄目だけど、匂わせたい……私だって女よ?乙女心を察しなさい!
・私といえば……「風」を「見」、知り、司る魔女!「トイレの花子」?……ちゃうわ!
・今日のコーディネートは「白のドレスシャツに赤チェックのツーピース。黄色のタイに薄桃色の日傘」
・胸は……結構あるの(Dは固い)。高高度の魔法は勿論、肉弾戦も得意なのよ?

天才的思考をする事0.06秒……ティンッと来た名前を、成る丈優雅に、優しげに口にしてみた。


「『風見幽花』というの。皆さん仲良くして下さいな(ニッコリ)」


……なぜかしら?私の本能が、
「一字違いだからギリギリセーフ!」
「この世界の創造神も東○SS書いてるから、リスペクトって事で責任うっちゃっておけ!」
「久々に来てみたけれど、このスレほとんど誰も見ちゃいないから大丈夫!」
……天才の私でさえ理解が及ばない警告と自己弁護を繰り広げている……


閑話休題


「ぐすっ、えぐっ……」
「うえぇぇん……」
「こ、殺されちゃう……」

なんでよっ!?殺さないわよっ!!?私が出来得る最大限の笑顔で挨拶したってのにっ!!!!
ベロベロスや地竜同様、この子らも「完璧人間拒絶シンドローム」罹患者か!?

「よしよし、泣くな、喚くな、慄くな……人を見かけで判断しちゃいけねぇ」

子供達を宥めにかかるマッスル兄ィの一言が、余計に私の胸に突き刺さる。
完全に自信喪失した私は子供達に背を向けて、しゃがみ込んだ。
……あぁ、今ならハッキリ解かるわ、漫画なんかでよく見る「地面にののじを書く」心情……


「まぁ、見てくれで色々と誤解を受ける気持ち、俺にはよく解かる……一時的なものだ、気にしなさんな」
しばらくして、事態を収拾したマッスル兄ィが私の肩を叩く。

「そうだよ。マッスル兄ちゃんがウチに初めて来た時よりマシだよ?」
「あたしは怖くないよ?お姉ちゃん、とても優しい人なんだって感じしたもん」
「造ったような笑顔が良くないんだと思うな?自然体で良いんだって。すぐにみんな懐くから!」
加えてマッスル親衛隊の頼れるお兄ちゃん、お姉ちゃんらが掛けてくれる励ましの声。

とてもありがたかったんだけれども、嬉しさだけじゃない感情も織り交ぜて、私は咽び泣いた……

続く

106創る名無しに見る名無し2015/07/09(木) 08:51:05.25ID:ChIZPtam
やったー続きだ

107創る名無しに見る名無し2015/07/09(木) 09:34:05.00ID:/oQJyYGR
>>106
早々の感想感謝です
仕事に余裕が出来ましたので、またチョビチョビ書かせて頂きます
マオタワー、楽しみですよね……備えよう

108創る名無しに見る名無し2015/07/09(木) 20:59:32.85ID:txpOlpQp
ここも渋も最近賑わってなくてさびC
きっとマオちゃんタワーがくる前の嵐の前の静けさだって信じてる

109アントニオ猿L2015/07/11(土) 11:21:47.15ID:f4YCOXwL
『読書テクニック』

「う〜、煮詰まってしまいました」

今、気晴らしの散歩をしている私は、ハグレ王国に籍を置くごく一般的なハグレの女の子。
強いて違うところを挙げるとすれば、アブノーマルな恋愛描写に興味があるってとこですネ―
名前はウズシオーネ。
そんなわけで、今日は初めて王国図書館にやって来たのです。

ふと見ると、受付に一人の若い(幼い)女性が座っていました

「(ンフッ!可愛いですねぇ……ハッ)」

そう思っていると、突然その女性は手元の引き出しから一冊の本を取り出し、
こちらに掲げて見せたのです。


「読まないか」


『仮面の告○(三○由紀夫)』……の漫画版。ん〜、そ〜ゆ〜のもアルのかぁ?


そういえば、王国図書館は、今や世界に存在するあらゆる書物を集めつつあると噂になっていました。
そこはかとない腐臭を嗅ぎ取った私は、誘われるまま、ホイホイと、
新設されたアダルト関係書籍閲覧室(R-18)について行っちゃったんです。

彼女……ちょっと翳のある元帝国召喚士で現王国図書館の館長、と言えば分かると思いますが
「魔道の巨人」ことシノブさんです。

禁書閲覧もやりなれてるらしく、閲覧室に入るなり私を椅子に座らせてその膝の上に自分も座り、
逃れられない「トモ読み体勢」にされてしまいました。

「良かったんですか?ホイホイついてきて。私はウス=異本だって構わないで
読ませてしまう人間なんですよ?」

「こんなこと、初めてですけどいいんです……私、こういった本読むの、好きですから……」

「嬉しい事言ってくれるじゃないですか。それじゃあ、とことん熟読させてあげますからね」

いつの間に選んでいたのでしょうか。何冊もの稀覯本が目の前のテーブルに重ねられていました。
私はというと、先人達の織り成す目くるめく様な倒錯の世界に身を震わせて悶えていました。

ウズちゃんと私が共有する妄想の海が、一際大きなものへ広がって行く感覚。
否が応にもシノブさんのページを捲くる手の間隔が遅く、もどかしく感じてしまって……

「す、すごい……早く次のページを!」

「ん?もうですか?意外と速読なんですね?」

「すみません……色々と捗ってしまって、気ばかりが急いてしまうんです……」

「そうですか……いいことを思いつきました。貴女、これを音読して下さい」

「えぇ〜?ここで、声に出して読むんですかぁ?」

「女は度胸!何でも試してみるのです。きっと黙読とは違った悦びが得られますよ。
ほら、恥ずかしがらないで。読んでみて下さい」

続く?(早飯済ましてナニやってんでしょう……自分。お目汚し申し訳ないです……土下寝!)

110創る名無しに見る名無し2015/07/12(日) 06:51:07.63ID:oV9jWr+L
『読書テクニック』〜酎編〜

自分の職掌である静謐を重んずる図書館で、ネチョ書籍を朗読させるなんて……なんて人なんでしょう
しかし、私はいつしか、そんなジュリアさん通報レベルの行為をしてみたい欲求に囚われて……

「それじゃ……読みます……」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜(はあと)


「……ど、どうですか?」

「とてもお上手ですが……更に感情を込めて読んでみて下さい」

「それじゃ……込めます……」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜(はあと♪)


「いいですよ……貴女の声で私自身が昂ぶって来るのが解かります……
しっかり!気を遣らないように!引き締めて!おきませんとね!!!」

「くぅっ!シノブさんっ!!」

この初めての体験は、普段一人での執筆活動や禁書黙読、瞑想(の名を借りた妄想)では
知ることのなかった絶頂感を私にもたらしました。

「あぁ〜っ♪」


あまりの激しい快感に、私は気を遣ると同時に目の前のデスクに上半身を突っ伏してしまいました。
……汗だくになった顔で本を傷めてしまわないように、空いたスペースに倒れ込めたのは僥倖でした。

「この分だと相当(劣情を)溜め込んでいたみたいですね……握りしめられていた腕が鬱血して
パンパンですよ」

「……ハァ、ハァ……」

「どうしました?」

「あまりに、捗って……こんな事したの、初めてですから……」

「でしょうね。私も初めてですよ(欺瞞)……ところでここに、こんな本もあるんですけれども、
これをどう思いますか?」

『”腐海”文書(著者不明)』……の金字人革装丁版極上挿絵付&耽美日本口語訳ぅ!!!?

古代エジプト王朝に始まり、アレストテレスやアレキサンドロス、果ては信長&蘭丸といった漢達の
「真夜中の夜の淫夢」を詳らかに叙述しているという、存在すら疑われる禁断の書!!!!!

「(このようなモノに出会えるなんて……」

私は眩暈を覚えました。
というのは、既に私の体の容量が一日で摂取し得る「腐力」を超えていた事が理由です。

「すご〜〜〜〜く……腐ってます……」

続く

111アントニオ猿L2015/07/12(日) 07:30:08.40ID:oV9jWr+L
『読書テクニック』(完ケツ編)

「腐っている……大いに結構。でもこのままでは私もおさまりがつかないんですよね」

「あっ!?」

「今度は私が読んであげますよ?」

「あぁっ!!」

「いいですよ……ウズシオーネさん、皮膚が汗ばんでいくのが解かります。少々引っ掻くぐらいの事は
多目に見ますから……」

「シノブさん……待って……」

「なんですか?今、達したばかりなのに。またトんでしまうんですか?底無しなんですね?」

「そ、そうじゃなくて……今度はこれを……」

私は一冊の本をシノブさんに差し出す


『卍(谷○潤一郎)』……劇画版、もう私の本日の腐量は満腹!別腹でお茶を濁すしかない!


「なんですってぇっ!?今度は百合ぃ!?……貴女、お酒じゃありませんが、
チャンポンはいけませんよ!?せめて日を改めなさい、節操のない!!!」

「しーましぇーん!!でも、もう、イッパイイッパイなんですぅ!!!」

「……しょうがないですねぇ、解かりました。ではこれを貴女が光子で私が園子で輪読しましょう。
同姓を互いに演ずる訳ですから、これはこれで写実的な快楽を得られるかもしれません」

「えぇ〜〜〜っ!?」


……と、こんな訳で。
私の初めての図書館体験は、グズグズな結果に終わったのでした……


通りがかって聞き耳立てていた大明神「……けしからん♪」


完(気まぐれで始めた事もキチンと終わらせよう、そうしよう!次は『ロマン』をやっつけます!)

112創る名無しに見る名無し2015/07/12(日) 10:48:53.42ID:yoc6uU3x

113創る名無しに見る名無し2015/07/16(木) 02:02:15.12ID:Bm4gqCrA
ハグレ劇場楽屋

マーロウ「はむすたブログの最終更新が来た時、お前なんつってた?」
ベル「”作者もテスト参加者も慣れてきたから、一週間ぐらいで更新来るかも”って言いました(涙目)」

マーロウ「一週間経つけど、更新来ましたか?」
ベル「来ませんでした(半泣き)」

マーロウ「じゃあオラオラ来いよオラァ!!!!!」

このままではベル君が酷い目にあってしまう!早く来てくれ!おまけシナリオ!!

114創る名無しに見る名無し2015/07/19(日) 15:23:18.54ID:Da4fDBmZ
SSスレはホモに支配されていくのか(困惑)

115創る名無しに見る名無し2015/07/21(火) 20:56:46.53ID:hYEHtPxj
これは本スレから追い出されても仕方ありませんね(諦観)

116創る名無しに見る名無し2015/07/23(木) 19:59:20.78ID:CvLu4P7p
なっなんだこのスレ…

117創る名無しに見る名無し2015/07/27(月) 18:19:35.26ID:RwwytWl6
ルフレとマオちゃんが増えたSSが読みたいのおおおおおおおおおおおお

118アントニオ猿L2015/08/02(日) 17:48:27.76ID:jRb9iox+
追加要素、楽しいですね

らんダンのマオちゃんカレー宿屋イベント大好きだったんで感激
賢いんだろうけれども、生活環境故の無知からウッカリ事案を起こす
以前からマリオンとカンヘルには似た者の気配を感じてました

追加要素のコンプリートの目処が立ったらまた書きたいです。妄想も捗ってます

119創る名無しに見る名無し2015/08/02(日) 19:56:24.18ID:9apAivCD
私待つわ

120アントニオ猿L2015/08/07(金) 20:27:43.43ID:CVbZvLa6
『新作案内』#2

種族の壁を越えての共闘となった異次元戦争終結後、緩やかに人・ハグレ間融和がなされる中

ついにやって来た……空前の超能力ブーム!

契機はシノブが著した「次世代魔力の可能性〜サイキックパワーの謎〜」の出版だ。
この世界の慢性的なマナ不足の解消に一石を投じる本書は、魔道の大家の強烈な超能力押しも
あって魔法研究界隈では大いに注目されると同時に、そのSF的内容が世界の大小の子供達の
心を鷲掴みにした。

スプーンの売り上げは大好調、各地のサイキックショーに引っ張りダコと一躍、時の人となったヤエ
ちゃんの次なる野望とは、

「サイキック冒険活劇映画を作りましょう」

以下、その予告編映像を御覧頂こう




〜静謐な宇宙空間映像と徐々に盛り上がるBGM〜

「キャプテン・ネルトンが残した遺産……それは全宇宙を支配する力を秘める、最終兵器よ」

〜無意味に派手な宇宙船バトル映像〜

「クククッ、奴ならやるだろうさ。奴は超常の左目を持つ女」

〜濃厚なラブシーン(百合)のワンカット〜

「フフッ、彼女なら私の夢を叶えてくれる」

〜束の間の日常風景〜

「サイコブラスターは心で撃つんだぞ。心とは何か……マリィも最近少し、解かってきた」

〜夜の酒場の乱闘、雪山スキーチェイス、古代遺跡探索シーン等を順不同(コレ大事!)に継ぎ接ぎ〜

「ちっ、つい左目を開いてしまったわ」
「お前ハ……馬鹿な!死んだハズだ……」

〜最後にダンディな声のナレーター(マーロウ)で……〜

『「スペースヤエちゃん」第一部、「刺青シールの女〜失われたネルトンの遺産〜」、近日公開(照)』

〜メインキャスト字幕表示(括弧内=心情)〜

サイキック義賊ヤエ=サイキッカーヤエ (大成功よ。これは売れるわね)
アーマロイド・マリィ=マリオン (……最後は楽しかった……)
インビジブルボーイ(兼ナレーター)=マーロウ (今後は剣の道だけでは食べていけないので)
サマナー三姉妹 シェーン=シノブ (撮影の合間にサイキックパワーの秘密に迫ろう)
           ドミニコ=エステル (ヤエさんと競演出来るなんて。感激だなぁ)
           ギャサリン=メニャーニャ (なんで私まで……しかもすぐ死ぬ役)
女賊集団アイス・ゴリラ首領ツンドラ=イリス (ゼニヤッタがお店で忙しいから代役ネ)



第二部に続く……かも
はむすたさん、スペースヤエちゃんやってくれないかなぁ、タワーの固有装備なかなか出ないなぁ

121アントニオ猿L2015/08/19(水) 08:02:17.08ID:Byeo2r1C
『人形の記憶』     (鬱嫌いは回避願います)

いやぁぁぁ!!!……

なんか体にごてごてと銀色の板のようなものを貼り付けた男の人が、私の左目に尖ったものを突き刺した

私は知ってる。そんな事されたら死ぬって。村の男の子達が、虫や小さい動物達を捕まえてそうしてるのを
よく見たんだもん。その事が悲しくて、家に帰って父さんに話したら、

「キャサリンは正しいんだよ。そんな事はしちゃいけないことだ」
って頭を撫でながら言ってたもん

ある日、とんでもない目にあった
村にいきなりやって来た男の人達が、村の男の子達が虫や動物達にしていたような事を私達にし始めた

村の入り口に集まってた男の子達が真っ先にその餌食になった
突然の事でびっくりしたけど、いつも父さん、母さんが、
「良くない事をすると良くない目に会う。私達は良い事を一杯して幸せになろうね」
と、言っていたのを思い出して、なんとか気持ちを抑えたんだ
あの子達はいけない事をして、その罰を受けているんだって

でも、なにかがおかしかった

びっくりして家に帰る間に、いつも私達にお菓子をくれる広場近くに住んでいる優しいおばさんも血を一杯
流して倒れていた……あの日の虫や動物達のように

「あなたは商売をするには正直でお人良し過ぎる」
と言って父さんにお説教を言いながら、貧乏だったウチの家族に優しかった村長や、村の古老さん達
が目の前で串刺しにされていた……死んでる、間違いなく

他にも、日頃から「良い人」と思っていた人達がみんな、死んでるみたいな姿を見た

おかしい、と思う中でそれでも信じてた
ウチの家族は大丈夫だと……私には切り札がある

きっと、私が「良い人達」と思っていた人達も、家族だけしかいない時に、他の人の悪口を言ったりしたんだ
そうに違いない……父さん、母さんは言ってたもの

「お天道様は見てるんだよ。だから誰も見ていない時にこそ、私達は良い子でいようね」
って

ようやっと家にたどり着いた私が目にしたのは……帰宅中に見た

「こうなっても仕方がない」
「まさかこうなるなんて」

と思った人達と同じ姿の父、母、姉だった


これは夢だよね、そうでしょ?だって私、毎日、精一杯真っ当に生きてたよ?そうだよね?姉さん……

ただいま、父さん、今日も楽しかった、あ、そうだお手伝いしよう、母さん、おゆはんのお手伝いするよ?……

そうよ…父さんも…母さんも…姉さんも…とっても素敵で…誰も…憎まず…感謝して…毎日…暮らしてたんだから…


ここは魔女の館の交霊の間、何者も寄せ付けないこの場所で
一人の少女が新たな霊が降りた人形を、涙を流しつつ抱きしめていた

続く(導入です)

122創る名無しに見る名無し2015/08/19(水) 08:28:46.06ID:7JCqm53t
続きあく

123創る名無しに見る名無し2015/09/05(土) 20:04:14.26ID:cA2VVfjh
『人形の記憶』#2     (ZNR嫌いは回避願います)


徐々に意識が覚醒していく……

かけがいのない大切な家族との幸せな思い出……

トラウマと言って差し支えのないおぞましい記憶……



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



蘇生した私を 「大丈夫だから……」 と抱きしめてくれた誰よりも優しいあの人の笑顔……

不思議な館の愉快な仲間達との何より楽しい日々……あぁ、今日も無事に目覚める事が出来た……

生前の記憶なんて全くない……あるのは原因不明の片目の痛みだけ……昨日同様、幸せいっぱいの一日が今日も始まるんだ……


寝床から体を起こそうとして、それが誰かにしっかりと抱きしめられて困難である事を悟る
穏やかな顔で寝息を立てる顔に目を向ける

神に妬まれし者
異才の魔女
名門ラージュ家の麒麟児

私が考えて世間に流布した私の主、ミア様の二つ名
「貴女の気持ちは嬉しいけれども、控えて頂戴……私はそんなに大それた存在じゃないわ」
類稀な力を持ちつつも謙遜の気持ちを忘れないミア様は、やはり立派な方だと思う
「(正直恥ずかしいから勘弁して……小学校にも行きづらくなっちゃう!)」


しばらく寝顔を眺めていると、
「うぅ〜ん……キャシー、おはよう……」
「おはようございます、ミア様」

私のおでこに優しくキスしてくださるミア様に力一杯抱き着く朝の儀式が、私に一日の活力をもたらしてくれる

「よっと」
ハグレ・人間両対応の王国寮の大きめ・高めのベッドから飛び降り、鼻歌でリズムを取りながら、
体の活性化させる体操に勤しむミア様の姿は、可愛らしい小動物のようでいて、えもいわれぬ神秘的な妖艶さをも醸し出している

……全裸だから

昔、なぜミア様は全裸で就寝されるのかと聞いたことがあった
「寝る時に下着で体を締め付けるのは健康に良くないわ。それにレディたる者、香水のみを纏って眠るものよ」
「そっすか」
ちなみにミア様が纏うのは、ミア様自家製コロン「シャネろ!bT」

体操を終えたミア様は、少し離れたベッドで未だ眠り続ける妹御を起こしに掛かる
「ヘル、朝よ。おっきしなさい」
「うぅ〜ん、あと13分……」
「朝食の先着限定納豆を取り損ねたく無いでしょ?ほら、頑張って!」

さぁ、今日も一日頑張りますか!

続く (ZNR:全裸ですこぶるつきの出来るミアは私の生き甲斐です!)

124創る名無しに見る名無し2015/09/05(土) 21:53:37.75ID:KWfpdcv0
続きあく

125創る名無しに見る名無し2015/09/07(月) 18:08:32.57ID:NQfgL02c
『人形の記憶』#3  (ヘルがZNRでも構わんのだろう?という人はお読み下さい)

「んふぅ、おあよぅ、おねぇちゃん」
「はい、おはよう。さ、顔洗って、服来て食堂に行きましょうね?」
「ふわあぁ、まだ眠いですわ」
「眠気を覚ましてあげるからシャンと立ちなさい」
……言うまでも無いがヘルさんも全裸である

ミア様との再会まではNGRJ(ネグリジェ)ぐらいは纏って就寝していたらしいが、尊敬する姉からのアドバイスを
愚直に信じて今ではすっかり私室裸族である……纏っているのはナチュラリストの嗜み、椿油5滴だけだ

立ち上がっても未だ鼻提灯を拵えてるヘルさんの乳袋を、牽引式パンチングマシーン見立て、
ミア様が眠気覚ましのボクシングを見舞う……ビシッ、バシッ、(プルン、プルン)
「いたた、あら、おはようお姉ちゃん」
「はい、改めておはよう、ヘル。今日も良い天気よ。支度なさいな」

カミソリミアのパンチをモロに胸に受けて「いたた」で済んでしまうヘルさん……天才一家の血を感じざるを得ない
ヘルさん固有ギフトの「愛されボディ」は伊達ではないのだろう……耐久力も、サイズも……

王国寮各私室に最近になって取り付けられたユニットバスのシャワーを3人で浴びる
コレの設置に際しては、既存入浴施設を統括し、建設技術を保有する渦潮先生&彼女の信条的同志である
かなちゃんが難色を示したが、内務用プリミラ(盗撮カメラ)運用権限のある王国三家老(マリ・プリ・メニャ)
が鬼気迫る説得&懐柔(脅迫&プリミラ運用権限の一部共有)を行った為に、無事設置と相成った
何も知らない国民は朝シャワーが使えるようになって幸せ、関係者は劣情を処理する手段が増えて幸せ
所謂win-winである

交代でシャワー口を互いにやり取りし洗顔し寝汗を流しながら、歯磨きなどしつつ今日の予定を確認し合う
「マオタワー巡りは午前で終わるらしいわね。図鑑コンプしたし。午後はどうする?」
「私はいつも通りっす。店番します」
「私は買い物に行こうかな。人形用の布地の在庫の補充でもしようかと」

現状、ラージュ家3名の全裸揃い踏みである!想起せよ!!

入浴後、各々着替えを済ませていよいよ出勤の段になって
「私、タワーマラソン終わったらそのまま買い物に行きますから。お姉ちゃん何か必要なものはあるかしら?」
「そういえばデスソース(激辛)が切れ掛かってるわね。お願いしても良い?はい、これ。おつりはいらないわ」

『は〜い。キャサリンちゃんは何か欲しいものある?』

胸が、締め付けられるような感覚……
高速で回る走馬灯のような記憶……
その光景は見覚えがあるような、ないような……

「何もいらないから、無事に帰ってきて……お願い……」

「えっ?あれ、キャサリンちゃん?……あぁ……『大丈夫よ、キャシー。私は決して貴女を一人にはしないわ』」


ふと気付くと、私はなぜかヘルさんに抱きしめられていた
「ちょっ!何してんすか?」
「あら?ごめんなさいね?キャサリンちゃんがあんまり可愛いから、つい抱きしめたくなっちゃって」
「勘弁して下さいよっ!!」
なぜか、いつまでも抱きしめられたくなってしまう愛されヘルさんボディを振り払って
「いってきま〜す」


「ヘル、ありがとう……」
「私にもちょっと解かるから……少しでも助けになれたらいいな……家族ですもの」

続く  (ウチのラージュ姉妹はハグレに混ざっても尚、主力から外せない超人類!!)

126創る名無しに見る名無し2015/09/08(火) 20:39:25.70ID:WM2HEIcK
続きあく

127アントニオ猿L2015/09/09(水) 15:13:18.13ID:Ck6HqGi3
『オーナーこどらの日常 〜変化〜』

「痛ててて、リューコちゃん、痛いよ、もうちょい優しく」
「我慢しろ。悪くなった肉を穿り出しておかないと竜人と言えども治りが遅くなる」

ここはこたつ喫茶一号店の会計席炬燵
日課のタワー巡りで思わぬ負傷を負った私に、赤さんことリューコちゃんの懇切丁寧な治療行為
毒爪で削がれた大腿の傷口の周囲を、スピ○タスで消毒を施したリューコちゃんの爪で抉り出し
口に含んだ同液体を霧状に吹き付けつつ、竜人の秘薬を擦り込み包帯を巻いていく荒療治
興味本位で近くで見ていた子供らの何人かが卒倒した……ごめんね人間には刺激的過ぎるよね

「うっし、完了」
「あんがと」

処置を終えて、お礼代わりに炬燵みかん製貴腐酒のコルクを開けて二人酒をしばし楽しむ


少し前になるが、リューコちゃんが意を決して
「赤は、実は偽名だったんだ……」
と、隠していた顔を見せてくれた
「え、貴女、リューコちゃん?」
実はも何も、会員カードを作る為に名付けたのは私だ……驚くフリは上手く出来ていただろうか


『強さって何だ?振り向かない事、躊躇わない事、媚びぬ!恐れぬ!省みぬ!……』
こんな傍若無人をして滅ぼしきれない強さを誇るのが竜人である……だからこそ記憶力が御粗末なのだ
反省する必要がないんだもん。諌める勇気のある奴もいないしね

そんな中、私の一族は長生きの家系で且つ多種族に対して穏健派だったから教育方針が
「人の話はよく聞きましょう。周りは私達を置いてすぐ死ぬから忘れないようにしましょう。争うぐらいなら寝てましょう」
だったんで、竜人族の中で例外的に記憶力が人間並みに発達している


閑話休題


「正体を隠してるって、嘘ついてるみたいで嫌だったんだ。今後はまた、かつてのこどらとリューコみたいに付き合いたい」

竜人族は強い
だからあるがままで生きていても誰も咎めない
正直に生きていられる……その事を誇りに思っている
だからこそ……他人もそう出来ると疑わない
それが出来ない他人の弱さを理解出来ないし、理解しようとも思わない
なんだか柚葉さんの語る和国の鬼みたい、強くて、不器用で……

一度は時限的天元突破した私がリューコちゃんを下したが、仲間の存在や応援があっての勝利だ
真っ当なタイマンだったら、どうなっていたかは解からない
誇り高いリューコちゃんだからこそ、一度着いた勝負にとやかくは言わなかった
替わりに、竜人最底辺だった私がなんとか自立した理由を御忍びで見に来てくれた

その上で私と再度お友達になりたいと言ってくれた
私は大きな決心をしてカミングアウトしてくれたリューコちゃんの勇気に感動していた

だからこそ、私はハッキリと言おうと思う、勇気を奮って

怖いよ……初見でマリオンちゃんのカウンターレーザー食らったあの瞬間よりも

「リューコちゃん、私の答えの前に、私はリューコちゃんに、言って欲しい事があるよ?」

続く   

128創る名無しに見る名無し2015/09/09(水) 21:45:23.10ID:KZVO8wiE
オーナーこどら久々すぎて
続きあく

129創る名無しに見る名無し2015/09/12(土) 19:14:49.17ID:g/f6Gs6v
『マオちゃんの世界征服日記』

○月×日
今日は魔王タワーの営内点検(大魔王様総回診とも言う)を行った。
側近の3魔王始め、魔王タワーの幹部を侍らせて各地を巡る……大物感が半端なく、とても気分が良い
館内放送からは異世界の加○隆とか言うあーちすとの作った曲が厳かに流れる
「(今日は”○てしなき野望”か……さすがはグーフィー。いいセンスじゃ)」

点検指揮官のグーフィーは、ある失態で降格しようかとも思っていたが、一度ぐらいは名誉挽回の機会を
与えようと、雑務全般をやらせてみたが奴には周旋の才があったらしい。こういう仕事はソツ無くこなす
配下の良い点を見つけ、伸ばす……これぞカリスマ!のぶれす・おぶりーじゅ!さすがはマオちゃんじゃな!

「大魔王様。帝都に遊びに行きました際に買って参りました、御菓子でございますわ。」
「うむ、大儀じゃ」

「大魔王様。一緒に写真撮ってもいいですか」
「うむ、ポーズはこれで良いかの?」

「大魔王様。匂い嗅いでも良いですか?ハァ、ハァ……」
「た、たわけっ!朝、シャワーを浴びたから匂いなどせんわい!!」


子飼いの配下達の巡察を終え、客人ボス達への謁見と会食へ

「大魔王様。御麗しき御尊顔を拝し奉り恐悦至極に存じます。」
「うむ、タコさんも健勝そうで何よりじゃ。近頃タワー内はちと乾燥してる故、御自愛なされよ」

「御機嫌ようマオちゃん。今日は新しい御召し物なのねぇ。とっても素敵だわぁ」
「ミトナさんも、おにゅーの髪飾りじゃな?とても似合っておるぞ」

「コウチョー!この料理めっちゃ美味い!」
「おねーさん、ジュースのおかわり頂戴!」
「とても食べ切れんわぁ、重箱持ってきたから帰りに包んでもらお!」
「……ウチの子達が色々と申し訳ない」
「なんの、賑やかで結構な事じゃ」

会食を終えて、定例会議を行う。今月も魔王タワー異常無し


「御疲れ様でした、大魔王様。以後は如何お過ごしになられますか?」
秘書淫魔が御茶を運んできた。甘さマシマシのロイヤルミルクティーが最近のわしのお気に入り
「王国寮に戻る。夕食は向こうで摂るからの。後の事はよしなに」
「御意のままに」

寮に戻る道すがら、人造人間工房に足を運ぶ

「邪魔するぞ、ヘルちん……アレが出来たとミアから聞いたから寄らせてもらったんじゃ」
「いらっしゃい、マオちゃん、出来てますよ。マオちゃんは全額前払いだから助かりますわ」
「良い仕事人には敬意を払うものじゃ。それと、これは魔王タワー新名物の蟹缶じゃ。御祝儀がわりに」
「あらあら、うふふ、ありがとう。また何かあったら言って下さいね」

王国寮にて……受け取った品物を開いて悦に入っていると
「マオちゃん、それはなんだ?」
同室のマリオンが、鼓笛隊の螺子を巻きながら尋ねてきた
「ふふん、マリオンには特別に見せてやろうかの」
「ぬいぐるみか……尻尾が9本もある……とても綺麗な狐さんだな」
「名前は、『コノハ』と言うんじゃ。ほれ、コノハ、マリオンとミニマリ達に挨拶せい」
今日は良い夢が見れそうじゃ

続く (竜人コンビに続く、可愛いコンビをちょくちょく投下していきたいと思います)

130アントニオ猿L2015/09/12(土) 19:27:28.17ID:g/f6Gs6v
思いついたままに、碌にプロットも無く、60行を書き散らしている関係で
続き物がなかなか投下出来ないで申し訳ありません

ガチえちぃのも今後投下してみたいなぁとも思うんですが、アリなんですかね?ココは

131創る名無しに見る名無し2015/09/13(日) 23:00:06.44ID:z4mudMtj
俺は気にしないけど気になるなら渋にあげた方がここより反応もあっていいんじゃない?

132アントニオ猿L2015/09/17(木) 02:57:52.95ID:dI+fskkW
『新作案内』


黄昏の神々達の中で繰り広げられる権謀術数

”天界の良心”愛の女神ラヴァーズ。失脚

カンヘル「変化を望まぬ古き神々がついに牙を剥いた」
アナンタ「母さんはどうなるの?」

処刑までの猶予は49日
だんじょん村は突如、神々の先遣隊の奇襲に見舞われる
孤立無援の状況

レイチェル「食料は残りわずか……神の加護を失って畑は壊滅的でございます」
かな「材料無しでは合成も出来ません……くっ、私にはもう、セクハラトークぐらいでしかを手助けが出来ない」

満を持して動き出した強大な古代の神々

?「六魔が去り、ガイアが滅びた今こそ、神が再び世界の支配者となる」
?「穏健派首脳を拘束した今、9割方の神々は我等の味方」
?「かねてより進めていた計画の実行を」
?「………くすっ」

絶望的な状況の中で、種族・次元の壁を超えて結集する仲間達

ウンディーネ「案ずるな!サラマンダーにも、シルフにも、ノームにも、我が頭を下げて協力を取り付けた」
グラニュー「ラヴァーズは私にとって強敵と書いて友と読む仲です!見捨てはしません」
Fの神様「ラヴァーズさんは親友です。異世界で、私が御世話になっている王国の仲間を御連れしますわ」
レディ・ミラ「神々は相も変わらず傲慢ですねぇ。新型イルヴァの実験台になってもらって……あぁ、せっかく
       の機会ですから、異世界旅行中のマリオンも呼び戻しますわぁ。久しぶりに顔をみたいですし」
煉獄姫ニャル「神側の一極支配は我々魔族との協定違反よ。そんな事するなら遠慮は無用ね?
         いいわ、文通友達で腕っこきの冥界皇女と魔界舞姫に来てもらうから」
アイマン「私も黙っていられません。大商人の底力、お見せしましょう……
      この世で最も憎まれた最強のぼったくり商人、猫田大明神を召喚します」
「「「「「それだけはやめてぇ」」」」」

それぞれの想いが交錯する中の開戦前夜

シズナ「こんな時に、マオちゃんがいてくれたら……」
アイ「お姉ちゃん、マオちゃんは必ず来てくれるよ!ガイア戦の時を思い出して!」
シズナ「私のモチベーションも更に上がるんだけれども……」
アイ「モチベーションだけかよっ!!」

アナンタ「ベネっち……今回の件が片付いたら……結婚しよう!」
ベネット「はいはい(呆れ)」
カンヘル「アナンタ、私達は血が繋がっている訳では無いから……その、遠慮は要らないんだぞ?」
めがちゃん「あ、もしもし?ヘルパーさん?おっつ〜、ハグレ王国さん向けに扉開くから座標ヨロ♪」


空前絶後の大決戦の火蓋が今、切って落される!!!


ハグレ名画座期待の新作
『らんだむダンジョン2 〜スペースヤエちゃんと異界の戦士達〜』
近日公開

初演鑑賞者特別付録「サイキックスプーン改」

続く        

133創る名無しに見る名無し2015/09/17(木) 22:59:44.36ID:bdVGpagv
続きあく

134創る名無しに見る名無し2015/09/19(土) 23:27:42.43ID:wHl9Fqpc
『充実するハグレ王国』#1

ごく最近、ウズちゃんが昼間でも半覚醒(肉体シオーネ主導、精神ウズシオーネ共用)出来るようになりました
今日は普段は想像(妄想)と私の日記、或いは私との脳内会話でしか王国を知らないウズちゃんに王国案内
をしていこうと思うのです
「(と、言うわけでウズ先生、今日は張り切ってイきましょう)」
『ヨロシクね、シオーネ』

ウズシオーネ・完全体のフィールドワークの一日が始まる


〜朝食〜
「どうしたらヘルのように(色々と)大きくなれるんじゃ?」
「特に意識はしてないんですけど、牛乳は毎食飲みますよ。どんな料理でも牛乳は欠かせません」
「むむむ、わしは今日から毎食おかゆミルクじゃ!」
「マリオンには牛乳は効果がない……同輩、なんとか上位互換(身長)をパーツ作れないか?」
「大明神やメニャーニャにも相談したんだが、この星の現在の科学力じゃちとシンドそうだな」
「くっ、ミラは惚けた所はあるが、なかなかどうして、凄い優秀だったのだな、見直した……」

「(どう?カワイイでしょう?創作意欲を掻き立てられませんか?)」
『うん、でもロリは規制が厳しそうなんだよなぁ……ア○ネス的に』
……ロリ新作「こうすればもっと強くなれるのか?」、保留&検討


「両腕を怪我すっと、さすがに不便だな」
「タコさんやハイトロン相手に前面に躍り出て手の負傷ぐらいで済むのはあんたとこどらぐらいだよ、全く……
今日は私が食べさせてやんよ。ぶきっちょだからシリアル掬うぐらいしか手助け出来ないけどさ」
「充分だ、今日大事を取っておけば明日には超回復だ。ありがとな」
「……どういたしまして、全く、あんたってやつは……ま、いつも手伝ってもらってるしね」

「(うふっ!見ましたっ?ハピコさんの赤ら顔なんて滅多に……捗りますわぁ)」
『これは滾るわぁ!正統派カップルの甘酢的アトモスフィア!ぐへへへへぇ』
……長編「貴方が屈むとちょうどいい」執筆中


「イリスさんのお取り計らいで、冥界産家畜の生肉を朝から賞味できるようになりましたわ」
「やはり、咀嚼している内にブラッドが口からオーバーフローする様なモノでないとネ。パワーが出ないヨ」
「仰る通り」
口から血を滴らせながら朝食を満喫する悪魔令嬢達……ともすると野蛮で粗野に見えてしまう筈なのに、
完璧なテーブルマナーや気品溢れる立ち振る舞いがそれを艶麗に見せてしまう、フシギ!
ふと手元のナプキンで口元の血を拭う仕草など、同姓の我々の目から見てもいたく蠱惑的だ……

「(ハッキリ言いましょう!……エロスであると!!)」
『神々の恩寵を断たれた者達が辿り着いた境地ね……ろあろあえっちんぐ!!』
……大作「ハグレ失楽園」構想中、挿絵ではなくプリミラを用いたポートレート風でイきましょう、ソウしましょう!


「おはよう、みんな」
「おはようございます、アルフレッドさん」「先輩、おはようござ〜っす!」

「エステル先輩、歯磨き前に大口開けて欠伸しないで下さいよ、匂います!」
「んだとっ!?」「くすくすっ♪まぁまぁ」

「ほらほら、ヅッチー汚れてるわ(フキフキ)」「うむぅ」
「デーリッチ、また『だけ食い』になってるよ?」「好きなものを取っといてるんデチ!これは譲れん!」

『本命のこの辺はまだ、私の妄想の域を出ないわね……刺激不足』
「(まぁまぁ、まだ今日は始まったばかりですから……期待していて下さいな)」

続く (店舗活動とか、風呂とか、夜に繋げたいです)

135創る名無しに見る名無し2015/09/20(日) 10:55:47.95ID:1J9FBcQ5
続きあく

136アントニオ猿L2015/09/23(水) 08:14:34.95ID:hDnwjJGu
『後はお任せします』#1

この世界に生きる全ての存在にとって、この世界が、かけがえのない素晴らしいものだと思ってもらう事
その為の努力を続ける事……その為にハグレ王国は戦うんでち……


「起きて」
鈴の鳴るような声に呼び起こされた
「……おはよう」

「もう目を覚まさないのかと思った……」
抱きついてくる幼い体を精一杯抱き止めた
「出かける時には、一声掛けるわよ」

よほど心配だったのか、泣きじゃくりながら胸に顔を押し付けて来る彼女に、事実を伝えるのはそれなりに躊躇われた

「今日、行くわ」
私だって馬鹿じゃない、自分の体の事ぐらいわかる
思えばヒトの身でよく生きたものだ……140年……からは勘定が面倒になって数えていない

「……じゃあ、盛大にしないとね」
理解が早くて助かる
「皆に伝えてくれる?」

かねてより周囲にお願いしておいた
自分が『出発』する時には、賑やかに送って欲しいと
少女は自分のもとを離れて部屋から出て行った


少女に呼び出された近しい者に手伝ってもらって、久方ぶりに正装を身に纏った
戦闘着だが、たとえこの世界を創造した神に謁見するとしても、私はこれを着るだろう
一族の若い者が気を遣って、少々豪奢な工夫を凝らしてくれた
本気で戦闘に臨むなら煩わしいが、生涯唯一のハレの日の晴れ着なのだからと、試行錯誤してくれた様子が思い出される

着終えて姿見に映った自分の姿を、衰えた目で眺めてみると
すっかり白くなった髪に思いの他映える私の渾身の一張羅
「あらあら、歳を取るのも悪くないわ。皆、見て……素敵でしょう?」
思わず、腰掛から立ち上がってなるたけ軽やかにステップを踏んでみる

「当然よ」
「母様はやはりこの姿でなくては」
「ん歳を取るぅのぉはぁ♪ステキなっコトでっすぅ♪」
「大ばば様、とっても綺麗」


さすがに会場まで歩くのはシンドいので、浮遊式車椅子に座っての移動となった
廊下にはプリミラで写した王国の日々の思い出が、色褪せることなく鎮座している
私が一つ一つの写真について思い出を語っていると、一族の若い者が
「ばーちゃん、ソレ100回は聞いたから」
と、笑いながらぶぅたれるのを、年長者が苦笑しながら嗜める姿もいつも通りだ……皆、涙を流している以外は


会場への大扉が開かれると、そこには多くの友人達の顔が見て取れた


続く

137創る名無しに見る名無し2015/09/23(水) 10:21:06.15ID:lhzeofIy
続きあく

138創る名無しに見る名無し2015/10/09(金) 14:35:46.91ID:yQEaw7yJ
140歳以上で人間、婆さん
誰かね?

139アントニオ猿L2015/11/19(木) 23:51:24.42ID:IJKHFkEd
ざくアクコラボカフェ感謝記念で書き込みます

素晴らしい事ですね
歩いて行ける距離なので、はむすたさんにお会いして敬意を払えればと期待して土曜の昼頃伺うつもりです

ナマケモノですが「オーナーこどら」や、「マオちゃん日記」、「新作案内」を続けつつ、「禁じられた」や「ロマン」、「お任せ」をゆっくりながら完結したい
と決意を新たにしております

140創る名無しに見る名無し2015/11/20(金) 02:26:51.58ID:/E2RcRGV
カフェ土曜か、俺日曜かなー
まぁチョロチョロ書いてくれ、楽しみにしてるで

141アントニオ猿L2015/11/21(土) 20:00:57.81ID:5Um7Pjby
ここを覗いてらっさる方は2〜3人位かと思っていたんですが、カフェにてその奇特な方にお会いできました。感激です
また待ち時間中、楽しくお話しして下さった千葉のお兄さん、ありがとうございました
またはむすた様関連のイベント等があればお会いしたいです

書き下ろしの缶バッチはコンプできました。しゃ〜わせです

142創る名無しに見る名無し2015/11/21(土) 20:05:13.34ID:GQwtcFdE
マジかよ・・・今日ほど離島に住んでる自分を恨んだことはないわ
こんなに辛いなら知らなきゃ良かった・・・吐きそう

143アントニオ猿L2015/11/21(土) 21:08:05.30ID:5Um7Pjby
なんか、すんません……舞い上がった報告書いて、猛省いたします

でも、ゲーム内でとりっぱぐれのアイテムが無いようにあれだけ気を使って下さるはむすたさんの事です
今回のリアルアイテムについても、色々と考えて下さるのでは?と推察いたします

改めて、ごめんなさい

144創る名無しに見る名無し2015/11/21(土) 23:15:39.31ID:GQwtcFdE
いやべつに

145創る名無しに見る名無し2015/11/22(日) 15:23:35.64ID:fiUfPbE6
楽しかったなら良かったな はむすたさんには会えなかったのか
そういった報告はしてほしいのでまたあればよろしくw

146創る名無しに見る名無し2015/11/23(月) 05:21:47.37ID:vqivH7rX
他のSS増えろよごみども

147創る名無しに見る名無し2016/01/03(日) 02:00:05.71ID:w7u3kDsR
おめえら!2016年来たから景気づけにいつものアレいくぞーっ!

1、2、3、ハイッ!
「ログレス最高!」



まだまだぁー!!
1、2、3、ハイッ!
「2016もログレスで決まり!!」

                             ./ ̄ ̄ ̄\
                      ,,,----、,,..../   _  _ヽ \\\  \\  \
                   ,,-'''"::::ヽ、   |   ⌒(, )⌒ |\\\
                  /:::::::::::::::::||    |   / ィ==ァヽ | \\ \ \  \
                 /::::::::::::::::::://   ヽヽ  .! .!_! i/ 、 \\\  \ \
                  |::::::::::::::::::/",,,メメ‐〈''''ヽ,,,,,,... ー,,,,人\\\  \\
                 \:::::::-''"ヽ、    ゙''''" ,,,,-‐,  /:/  \\\  \\
                   >\  \゙ヽ、    /殺///\\\\ \ \\\
                 // ̄ ̄"ヽ、     ゙‐''",,/____\\\  \\
                / /::::::::::::::::::::::::::|===''"、  ̄ ̄       ̄'''ヽ、\ \\\\
                /|:::::::::::::::::::::::::::::| \\  ゙'''ヽ      ,,-''''"""''ヽ\ \\\\
                \|:::::::::::::::::::::::::::::|\ \ ゙ヽ‐       /─、    ノ\\\\
                 ゙、::::::::::::::::::::::/::::::::゙ヽ‐-----‐、''''ヽ'''"    ヽ,,/\\ \\
          ,,-‐──-、,,,_ ]三二、/ ゙'ヽ、::::::::::::::::::::::::\ヽ\\  \\  \ \\
        /     ,,,;;; \゙''ヽ-、;;ヾ'''\゙ヽ、゙"〉:::::::::::::::::::|──、\ \\\ \ \ \\
       /  ..:;;;    ;;;;;;;,,,\   ゙''''ヽ、 \-‐|::::::::::::::::::/    ゙'"\\\\   \\
      |   ≡=    ,''''" '"\     ゙''''‐-ヽ==、-''"  \ \\  \  \
      /゙、   / レ   |     /゙、          ゙'''ヽ、,,_  ヽヽヽ   ヽヽ   \
     / |  / //  ,,,,,|,,    ノ  |              ヽ, ‐ ‐ - -二
     ヽ \ヽ| |/\  三\   |≡/|三三三            | 三 三二
     ゙、 \\/  \  = ヽ-" //三三三=====─    / 三三二
      ゙、    |   =ヽ,,,,,    /三三三三三二二二二ニ/三二──三
       ゙ヽ、  |   三三三=/三三三二二ニ──''''''''''"三 三 三 二
         ゙ヽ─-----──"─''''''''''"" ̄三 三 三二 二───

                2016年と聞いて駆けつけるログレス

148創る名無しに見る名無し2016/01/03(日) 02:00:19.36ID:M2X6O/lD
ログレス神

149創る名無しに見る名無し2016/03/07(月) 06:45:16.26ID:VYIX3Ua1
渋のSS増えてきてうれしい

150創る名無しに見る名無し2016/06/10(金) 00:15:54.14ID:dxOXM5Q7
「ハピコの帳簿」


○月×日
村の子供が私を天使と呼んだので信仰を集める仕事をする。
ハグレにとってお金ほど大事なものはない。

○月×日
山賊からお金を巻き上げることに成功。ちょろい。

○月△日
住み家にしてた小屋が荒らされる。潮時のようだ。
しかしお金さえあればどうにでもなる。

○月□日
山賊に捕まったところをハグレの少女たちに助けられる。
ついていけば美味しい思いを出来そうだ。

○月▽日
暮らしは意外と安定している。ローズマリーの力が大きい。
しかし彼女なしでは立ち行かないので許可をとって商売を始める。

○月◇日
詐欺の件を吹聴されると商売に影響が出るので、村に謝罪してまわる。
ローズマリーが一緒についてきて私よりも深く頭を下げた。
再会した子供は未だに私を天使だと思ってるようだ。ストラップを渡す。

△月×日
ローズマリーが目を光らせてるので牛が落とした財布を素直に返す。
2割要求したところマッスルドリンクを貰った。いらない。新入りのこたつに渡す。

△月△日
こたつがお返しのミカンを緊張しながら持ってきて、デーリッチの字で書かれた台本を読みながらお礼を述べる。
こっちまで照れくさくなるので通りがかった牛を蹴った。

151創る名無しに見る名無し2016/06/10(金) 00:17:29.95ID:dxOXM5Q7
(続き)

◇月○日
デーリッチとローズマリーが深刻な顔をして先日会った召喚士の話をしている。
召喚士にはあまり良い感情をもってなかったが気まぐれに偵察を申し出た。
さっきまで召喚士の心配をしていたのに、今度は私の心配をはじめる。

偵察中に妙な高揚感が沸き上がってきて、無駄に飛ばして帰るも息絶え絶えになった。
外で待っていた牛が心配しているような面持ちで駆け寄ってくるので調子を整えてから蹴った。


▽月◇日
雪乃とジーナの買い出しに付き合って村によると、子供がよってきて福ちゃんクローバーをくれた。
何かのお礼らしい。雪乃が押し花にしてあげますとの申し出に断りを入れようとしてるところを合流したジーナに見られた。
少し笑われた気がして腹が立ったので、帰り次第、牛を探して蹴った。
牛も慣れた調子で、何か良いことでもあったのか?などと抜かすので今度は強めに蹴った。

    (⌒⌒)
   (⌒\/⌒)
   (_/\_)
    (_人_)
    /
  _/

152創る名無しに見る名無し2016/06/10(金) 00:52:23.37ID:AT4Lk3pO
何か久しぶりにレス増えてると思ったら投下されてるし出来がいいしでびっくりした
苦労したハグレ達がだんだん馴染んでいってる感じでほっこりした

153創る名無しに見る名無し2016/06/10(金) 05:56:44.09ID:kpXg7XCx
見ているぞ‥(もっとください)

154創る名無しに見る名無し2016/06/10(金) 07:41:54.57ID:dxOXM5Q7
起きて確認したらAA滑ってる…
個人的にはセリフのみで進行して細かくオチがつくSSが好きだから頑張って書いてみる

155創る名無しに見る名無し2016/06/10(金) 08:08:25.53ID:dxOXM5Q7
〜王国談話室〜

ローズマリー「勉強会?」

ヅッチー「そうだ! ただし今回はローズマリーが生徒でヅッチーが先生だ」

ローズマリー「また何か変なことを企んでるんじゃないだろうな……」

ローズマリー「まあいいや、それで何の勉強なんだい? 妖精の関係の常識だとか一度勉強してみたいと思ってたんだ」

ヅッチー「ギャグセンス」

ローズマリー「え?」

ヅッチー「ギャグセンス」

156創る名無しに見る名無し2016/06/10(金) 08:10:05.77ID:dxOXM5Q7
ヅッチー「マリー、認めよう。これは必要なことなんだ」

ローズマリー「えっ!? そんな深刻な顔をするような話かな? たまに皆の反応が芳しくないのは知ってたけど」

ヅッチー「みんな多かれ少なかれマリーには世話になったから……」

ローズマリー「あれっ!? 皆が遠慮して空気を読んでるみたいなこと!? ヅッチー、冗談もほどほどに……」

ティーティー「いや別にの……」

ローズマリー「え!?」

ヘルラージュ「そ、その……なんというか……」

ローズマリー「え!?」

157創る名無しに見る名無し2016/06/10(金) 08:12:01.09ID:dxOXM5Q7
ローズマリー「……わかったよ。認めるよ。私にはユーモアのセンスが欠けているようだ」

ローズマリー「気を遣われるようなレベルだとは未だに信じがたいけど」

ヅッチー「地竜ちゃんなんて氷耐性ないから……」

ローズマリー「これ耐性関係あるのかな?ないよね?」

ローズマリー「ともかく、不本意ながらユーモアについてご教授願おうじゃないか」

ヅッチー「とりあえずだな、着地地点の見えないダジャレはやめよう」

ローズマリー「下手な洒落はやめなしゃれっ。こういうことだね」

ヅッチー「」

158創る名無しに見る名無し2016/06/10(金) 08:19:56.83ID:dxOXM5Q7
ヅッチー「そもそもマリーはツッコミキャラとして確立してるだろ? 無理して笑いを取る必要ないと思うんだ」

ローズマリー「ごめん、謝るから、早々に匙を投げないでもらえるかな」

ヅッチー「まず、ボケが過多なハグレ王国でマリーにボケられてもツッコミに回れる人がいないんだ」

ローズマリー「じゃあ一体どうやったら笑いをとれるっていうんだ? もはや手詰まりみたいじゃないか」

ヅッチー「マリーがどうしてもっていうならヅッチーが秘策を教えてやらんでもないぜ」

ローズマリー「……やっぱり皆みたいに一度は笑いの中心に立ってみたいってのはあるし、ヅッチー、教えてくれないかな?」

ヅッチー「まず、おもむろに服をだな……」

大明神「!」ガタッ

ローズマリー「わかった。ツッコミ頑張る」


――――
―――


ローズマリー「これでも前に本で勉強したんだけどな。畑勇者のとれたて新鮮ギャグ100連発っていう……」ブツブツ

マオ「!」ガタッ


おしまい

159創る名無しに見る名無し2016/06/10(金) 15:58:03.79ID:AT4Lk3pO
ぶっちゃけ惰性でこのスレ覗いてたけど、はじめてガチで面白いSSみたきがする。
最後の本はバナナとだけ書かれたページがあるんですね、わかります

160創る名無しに見る名無し2016/06/10(金) 20:12:45.17ID:kpXg7XCx
なんでや!サルエル兄貴おもろいやろ!

161創る名無しに見る名無し2016/06/10(金) 22:19:27.86ID:QB832LMh
>>159
ありがとうデース
ザクアク愛してるけどさすがに年数たってキャラの喋り方とかいまいち自信なくてこまる
クラマくんとかあまり使ってなかったから、さいてーな事ぐらいしか出てこない

162創る名無しに見る名無し2016/06/14(火) 04:18:49.20ID:IOBNGlkh
続きまだかな(ウズウズ)

163創る名無しに見る名無し2016/06/14(火) 06:56:32.50ID:MzYEQYFu
(シオシオ)

164創る名無しに見る名無し2016/06/17(金) 02:18:44.48ID:78r/hqg0
「炬燵と悪魔」

大地が震え、慄然とした観客の悲鳴が闘技場の端々から聞こえる。
優れた力を有する竜人の中でも飛び抜けた才能を持ったリューコの真の姿が顕現する。
強大な竜の姿で嫣然と笑みを浮かべる竜の姿を睨むと、
膝が笑いそうになるのをグッと堪えて落ちこぼれは立ち上がった。

戦いは更に熾烈さを増していき、敵味方共に息を乱して余力がないのが伝わってくる
竜人であり、エリートである誇りに土を付けられてなるものかとリューコが咆哮する。


衝撃と共に強い熱が通り過ぎ、仲間たちの多くが堪らず膝をつく
そこを見逃さず強襲せんと迫る竜の背後に回り込む影がある。ゼニヤッタだ
拒絶の印。弱点である氷による奇襲で、不意にリューコの息が詰まり隙が生まれた。
「こたっちゃんいまですわ!」
ともだちの声。何度もブレスを受けてボロボロなのに。私を気遣う彼女の声がきこえた。
投げだしたコタツを踏み台にして飛び上がり、声が裏返りそうになるのも構わずに叫ぶ「ホワイトアウトぉ!」


――――
――


やがて白い靄が消えてゆき、仲間の姿と勝利したという現実が次第に見えてくる。
空気中の水分が氷結してキラキラと舞う中で駆け寄ってくる悪魔の笑顔に胸が熱くなる。
私の魂は囚われてしまったのかもしれない。冷たい悪魔に暖かさを感じながらぎゅっと彼女の手を握った。

165創る名無しに見る名無し2016/06/17(金) 02:21:03.19ID:78r/hqg0
リューコちゃんに炎龍の胆石なるものを貰った。皆が見ていない時にこそっと私に握らせてさっていった。
かなづち大明神によると熱を蓄積させておくことが出来る代物だそうな。持っていると暖かい。
コタツにはおあつらえむきで理解ある贈り物に隠そうとしても笑みが零れる。

拠点でコタツに潜って胆石の設置を終えたところで
ゼニヤッタがやってきて「ご一緒よろしいでしょうか?」とコタツをのぞき込む
「いいよー!」と返事をしてコタツにお招きして、リニューアルしたコタツの素晴らしさを彼女に伝える

「リューコちゃんも良い人だったじゃん!」「もっと仲良くなりたいなー」
興奮気味にそんなことをいうとゼニヤッタが少し目を伏せて何やら不満げな顔になりコタツに深く潜っていく。

166創る名無しに見る名無し2016/06/17(金) 02:28:21.02ID:78r/hqg0
ゼニヤッタと一番仲が良いのは自分だと思う。
彼女は悪魔だ。人とは違う時間に生きていて住む世界もきっと違う。
みんな、彼女をおそれているわけではないが、接し方に迷う場面が少しあるのかもしれない。
それを感じてか、どこか遠慮したり自分から距離をおいてるような後ろ姿が寂しく感じた。
だから自分だけは完全に背中を預けて無防備に振る舞うことで彼女の寂しさの一端でも引き受けられたら。そう思った。
ひんやりする手を握って無理やりコタツに引きずりこみ、驚く彼女の口をミカンで塞いだ日からともだちなのだ。

コタツの中でそわそわと動く手を捕まえて、にぎにぎすると、気持ちいい。
自分もあまり体温が高いほうではないがコタツに入ってると段々熱くなってくるので彼女のひんやり加減が丁度いい。
「やっぱり、ゼニゼニはヒンヤリ気持ちいじゃん!」そういって一度完全にコタツに潜り込み
ゼニヤッタの隣に並んで、機嫌を伺おうと顔を覗き込む。すると俯いてしまっていてお嬢さまのご機嫌は計り知れなくなった。
一辺に二人はさすがに狭い。
コタツから出るという選択肢のない私はやむをえずポジションチェンジしようとすると

「もう少し……」

うつ伏せの悪魔がごにょごにょ駄々をこねた。
一番の友達が自分に甘えてくれるのが嬉しい。

「えいっ。えいえいっ」

何気なくペタペタ角を触っていると伏せたままのゼニヤッタの耳が赤くなってることに気付いて急に恥ずかしくなる

「ご、ごめんね。つい綺麗な角だたから…」

少し振り返ったゼニヤッタが目を合わせずに言う

「こたっちゃんといえども、簡単に角を振れることを許しては悪魔としての沽券にかかわりますわ」

悪戯っぽく彼女は続ける。

「引き換えに何か頂戴しないと。」

「ふむ、ならばアーマードドラゴンの角に振れる権利をくれてやろう!」

そういって今度は私が深くコタツに潜って顔を伏せる。
彼女が求めているものは何となく私にもわかる。
しかし恥ずかしいし、今まで通りとはいかなくなりそうで正直怖い。

赤く染まる頬を熱のせいに。胸の高鳴りをしまい込んで。
どうも不器用で慣れない二人は
まだしばらくはコタツの中から出られない。

167創る名無しに見る名無し2016/06/17(金) 07:32:02.98ID:XRyWTjuk
わっふるわっふる

168創る名無しに見る名無し2016/06/18(土) 05:30:46.14ID:l8V7vRBK
ゼニヤッタの誘い受けは至高。はっきりわかんだね
こどら視点でなくゼニヤッタ視点も見てみたいですわ(ウズウズ)

169創る名無しに見る名無し2016/06/19(日) 00:33:33.27ID:0F3/ek+P
書き方だいぶ違うから別の人かな
複数ざくアクSS書くひとがいるというのはいいものだ

170創る名無しに見る名無し2016/06/28(火) 23:48:58.76ID:9ravw0eZ
続きマダー?(チンチン)

171アントニオ猿L2016/07/08(金) 20:56:14.33ID:MZvTWFUE
久々に書き込みを致します

当方、様々な事情がありまして
書き込めませんで申し訳ありません

恐る恐る
与えられたアイフォンから覗かせて頂いた所
素晴らしい投下主様が御降臨されて
感謝の極みです

「パピコの帳簿」
「炬燵の悪魔」

…とても、素晴らしかったです(濡)

体調を整えて、
破綻した書き込み環境を再構築して
中途の投下作品を完結出来るよう
努めます

はむすた様の水着イベント完遂を祈念しつつ

アントニオ猿L

172アントニオ猿L2016/07/08(金) 21:06:12.00ID:MZvTWFUE
大変失礼しました

「炬燵と悪魔」

でした


アナログ人間な者で
操作がイマイチ不自由でして

お許し下さい(代筆者が差し当り投下致します)

173創る名無しに見る名無し2016/07/09(土) 11:05:51.54ID:zV1a3mEm
待ってる

174創る名無しに見る名無し2016/07/20(水) 19:05:08.34ID:EPqc33xF
アントニオさん生きてたか よかったよ

175ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/11(木) 00:53:17.81ID:vTZVMCeX
初めてオリジナルのストーリーを書くために
自キャラの人物像のイメージを固める目的で
比較対象としてのデーリッチさんのイメージ像を書いていたら
気が付くと目の前にマリーSSが広がっていました。
一体誰です?こんなことをしでかしたのは!
ウズ先生ですか、私の時間を返して下さいウズ先生!
夕日に向かって書き殴りはじめたはずなのに!
向かってるはずの夕日消えてるんですよウズ先生!!
でもどうしたんですウズ先生?
おかしいですよ!この作品上から下まで!
全部眺めても!イリーガルなエロティクスが!
全ッ然ないじゃないですかっ!
はぁ…ウズ先生?これがもし貴女の作品だとしたら
私は心底絶望しましたね。
あぁ、彼女の溢れ出るリビドーは枯れてしまったのか…
貴女の才能とは所詮ここまでのものだったのですね、と!
いいですか、ウズ先生。
妹思いも大変結構なことだと思います。
しかしそれで貴女の伸び代を潰すというのは
妹さん、シオーネさんも望んでいないことだと思うのです…
だから次こそ!次こそは溢れんばかりの!
フォービドゥンを!インモラリックに!書き集めるのです!
この世界の常識をぐっちょぐちょにハックするのは!
貴女の役目なのですよウズ先生!期待していますよ!

次から投下します、当レスを含め合計34レスの構成となります。
<ここから>

176ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/11(木) 00:54:35.36ID:vTZVMCeX
「はじまりのひ」

デーリッチ一人には己の希望や正義を守り貫く為の力がない。
しかし幸せを分かち合い人を信じる心があった。
力なき正義だった。

そして、私ことローズマリーは。
実家でのいざこざに嫌気が差して抜けだして。
どこかの誰かに付き従い、餌を頂き安定した生活を得るわけでもなく。
十分な量だろうと稚拙な考えで弾きだした値の路銀も底を突き。

今は生死の狭間を漂いながら、近隣にあるであろう村へ足を運んでいた。
呼気に湿気がまるで感じられず、
それでも発散されているであろう体内の水分が惜しく感じた。

実家を出る際にそのまま持ってきた魔法鍋。
元から自分の腕力で持ち運ぶようなことはせずに、
常に魔力で浮かせていたものだ。

その魔力も絶え絶えで、地面を引きずりながら移動させ、
稀に完全に魔力が尽きて鍋と地面が擦れる音が消えるのに気が付き
日陰で薬になる草・苔がないか探しながらしばらくの休憩を入れる。

177ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/11(木) 00:55:50.17ID:vTZVMCeX
水辺もなく日陰もない場所でこうなると尚更辛い。
そのような時は壷に軽く座るようによりかかり休む。
しっかりと座ってしまうと、再び立ち上がる為の活力を出す自信がないのだ。

過去に回復の為だと割り切り座り込んだことはある。
日差しの眩しさがとても辛くて、
まぶた越しの赤みを認識しながら目を閉じて過ごすと
気力が急速に失われていくのが感じられた。

このまま死に果ててもいい、そう思える程の虚脱感。
少し前に座り込んだはずの私は夕闇が迫る中、仰向けで目を覚ました。
動転し身体を起こし周囲を見回す。

座り込んだ結果、すっかり眠りこけていたのだ。
もし良からぬものが近づいてきていたら格好の餌食だっただろう。

元来体力的には脆弱な私だ。
遠くに休めそうな木陰があるのに、もう足が言うことを聞かない。
仕方なしに再び水辺もなく日陰もない、
とても辛く苦しい事を理解している休憩を否応なしに挟むことがある。

体力はほぼ回復しない、気力は大幅に削られる。
そしてこのような場所にはもう一つ辛いことがある。
辺りを見回す際の期待度も大分下がるのだ。

178ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/11(木) 00:57:24.09ID:vTZVMCeX
当然、水辺も日陰もない場所なら大概乾いている。
そんなところは苔が快適に生きていけない悪環境なのだ。

もう、何も体調の助けになる道具がない。
精神力も体力も使い果たしてしまった。
精々残っているのは捨てるべきだった安いプライドと、甘い考え。
よくもまあここまで捨てずに大事に抱えて歩いてきたものだ。
今更になって気付く。私は冒険に出る為の荷物を誤ったのだ。

そうして、そろそろそんな荷物もどうでも良くなって。
杖に頼り、緩慢に右…左…右…左…と視界に映る足を眺めていると、
とうとう目的地の村まで辿り着くことができたようだ。

極度の疲弊で思考は朦朧としているが、
絶望に沈んだ心は冷静だった。

そうだ、金も、売るものもなにもありやしない。
ここに辿り着いたところで得られるものがない。
それでも得る為の手段を考えなければ死んでしまう。

179ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/11(木) 00:58:20.94ID:vTZVMCeX
とても、惨めだ。
今は生業として身に付けた薬も口にできず。
ただ一欠片のパンですら私は得られないのか。
足元を見つめていた視界を閉じ、眉をしかめて歯ぎしりした。

それでも考えなくてはならない。
最速で実行可能な命の延長手段を。
まずは思考材料だ。材料がないままに悩むような素振りを見せるのは
馬鹿の考え休むに似たりと言うのだ。

私は最期の気力を振り絞り今を全力で生きる覚悟を決めた。
手足があるような感覚がしない、しかしただひたすらにその重さだけは感じ取れていた。
身体が行動に最適化されているのを感じる。

先程まではおぼろげだった視界はこの上なく澄みきり、
鈍く冷ややかに回っていた思考は猛烈な勢いで回転し熱が高まって、
半ば自慢だった脳を鬱陶しげに抱えていた首は直立する。

180ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/11(木) 00:59:23.29ID:vTZVMCeX
最大の効率で命を求めた私は…
すぐに、安物のパンにかじりつく薄汚れたハグレの子供を見つけた。
魔物退治でもしたか?それとも何かの下働きか…どうでもいいことだ。

暗い目で、じっと見つめ、あいつは、弱い。と理解した。
日差しの下加熱し続け回転を早める私の頭脳はほんの一瞬だけど。
何をやっているのだろう…。と、とても小さく呟いたが、
私は些細なノイズを聞き飛ばして、生存本能を加速させた。

これ以上のノイズはいらない。周囲を確認。
昼時だがこの小さな村ではむしろそれが好都合だ。
辺りに過度に人目に付く要素は見当たらない。
やめろ、と声がした。うるさい、ノイズは今の私の考えの邪魔だ。

ハグレのあいつが食べられて、
私が食べられないなんて状況。
それは不公平だ理不尽なことである十分な根拠だ
故にそれを覆すことは許されることだ私は実行する。

そうして、旅に出てからずっと重たかった安いプライドを。
肩からどさり、と落として私は足早に前進を始めた。

181ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/11(木) 01:00:29.57ID:vTZVMCeX
そして間もなく。
薄汚れ、所々破れ解れた深緑の衣と帽子。
そこから覗く生気を感じない土気色で乾燥した肌。
充血し赤紫色に染まり、上から見据えてくる光のない瞳。
ささくれだち、所々やや細く摩耗している長い木の棒。
異形と見紛う相貌で私は彼女と相対した。

きょとん、とした顔で、彼女は私を見上げた。
これからの私の凶行なんて、予想もせずに。

獲物は、瞬きを
ぱち、 ぱち。
2回行った。

獲物は足元にいる。腕を振り上げる必要はない。
上段から打ち下ろす一撃は強力だろう。
しかし今はその準備すら惜しい。
はやる気持ちを静かに落ち着かせながら、
私は現状の最適な一撃を求めた。

両腕で握りしめた杖に、体重を預けるようにしながら。
何かあったかのように、ふと余所見をするようにしながら。
ゆっくりと、腰を捻る。

182ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/11(木) 01:01:37.75ID:vTZVMCeX
当てる場所はどこが適切だろうか。
胴体は論外。致命的なダメージがあろうとも
致死までに逃亡の猶予がある。
両断する程の威力を出せるならば。
今このような状況にはなっていない。

即死を狙うなら首だろう。
しかし的が小さく命中精度に不安が残る。

決めた。どうせ慣れない体術だ。
正確に遂行しようとしてもどうしたってズレが出る。
狙いは首からこめかみ。
願うは頸動脈・顎部・眼・こめかみ、どれかへの的中。

深く、深く、腰を捻る。
戻るには限界だと身体が告げ。
反動による横薙ぎ一閃。

183ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/11(木) 01:02:46.06ID:vTZVMCeX
強い衝撃が両手に響き、彼女はパンを持ったまま草陰へと吹き飛んでいった。
勢いで杖を手放しそうになったがなんとか持ちこたえることができた。
手応えは十分、獲物の生死は未だ不明。

吹き飛ばした先からは草葉の擦れる音が聞こえる。
ゆっくりと、杖を頼りににじり寄る。
まだ草葉の音は鳴り止まない。
瀕死にはまだ至っていないことが伺える、残念だ。

草のひしゃげる音が強く聞こえ始めた。
恐らくは起き上がろうとする予兆に違いない。
しかし距離は十分な程に接近した。
位置関係は変わらず私が上、ハグレが下だ。

必殺の意志で、私は。
力なき両脚で標的の茂みへ飛び立ち、
全体重を乗せて深々と突き刺した。

184ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/11(木) 01:03:49.45ID:vTZVMCeX
疲労困憊の私の全身に響き渡ったのは、
とても懐かしい、感触だった。

足元には草葉茂り。
やや斜め前方の木陰には大小の石が転がり苔むしている。

望郷のような雑念を生存本能が振り払う。
致命の刺突は避けられた。
音からするにまだ近くにいるはずだ。
逃す前に次なる一撃を加えなければ。

棒を片手に追いすがろうと体重を傾ける。
棒が抜けない。
両手で掴み、両脚に力を込めても抜けない。
今使えない手段に長く構っている暇はないのだ。

185ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/11(木) 01:04:53.17ID:vTZVMCeX
棒は突き刺したまま放棄して。
草の擦れる音がよく聞こえる、獲物の蠢く場所へ急いで跳びかかった。
私の跳躍する音を察知して飛び退かれたのか、
私は強かに大地に顔面を打ち付けた。

このままではマズい。
私が下にいて奴が上にいることは避けなくてはならない。
奴が今どこにいるのかわからない!
私が今どこから攻撃されるのかわからない!
逃げているかもしれない!
逃がしてはならない!
立ち上がらなければ終わってしまう!

焦燥と闘争心だけを頼りに急速に立ち上がろうとする。
私の身体にこんな体力がまだ残っていたのか。

186ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/11(木) 01:05:54.19ID:vTZVMCeX
命を繋ぐ為の獲物、持たざるべき者、小汚いハグレ…
打倒の意志で膝を、腰を、首を伸ばす!
彼女は立っていた。目の前に、じっとこちらを見据えて。
その表情は厳しかった。

意外な位置にいることに一瞬思考を奪われた。
だが最も好都合だ、ありがとう見知らぬハグレよ。
頼むから、お願いだから大人しく私の糧となってくれ。

こいつを打ちのめすのに後どれだけ攻撃を加えればいいだろう?
私は一撃目によるダメージの確認を急いだ。

しっかり私を見据えている両目に当然ダメージはない。
額や頬の切り傷かすり傷…こいつは草の中でのダメージだ。
こめかみも首も損傷を確認できず。
これは腕でガードされたと見て間違いない。
全ての狙いが外れたが成果があるだけマシとしよう。

187ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/11(木) 01:07:01.54ID:vTZVMCeX
視線を少し下に向けると草に隠れているものの、
片腕に青い痣が確認できた。
少しその肩腕が引き気味な辺りを見ると
パンを持っているのもそっちの腕か?

私にとって現状どちらでも構わないか。
どちらの手であろうともパンを持ったままである限りは、
殴り合いの手数は私の方が多いのだから。

それにしてもここは足場が悪い。
ならばまた位置関係での優位を狙える手段として、
肉体を破壊する攻撃ではなく衝撃伝達に優れた攻撃を用いるべきだ。

闘争心でようやく握る力を得ていた拳を緩める。
指を軽く曲げ、手首を反らし…当時名前なんて知らなかったけど。
つまりは掌底の形だ。

188ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/11(木) 01:08:10.73ID:vTZVMCeX
彼女は相変わらず正面を向いて両手を下ろしたまま
厳しい表情をしている。
命を奪われる自覚がないのか?

私の脳は悲鳴をあげ続ける身体に鞭を打ち、
最適であろう体制に整え続ける。

掌底を構えた手を奥に、
顔は彼女の全体像を見つめながら体を顔に対して横に構える。
手前に構えた腕は力なくだらりと垂らし、
両足は肩幅程度に広げて、親指の付け根で大地に立つ。

正しいのかどうかはわからない。
ただ私の闘争本能がこうしろと告げたのだ。

膝の力を抜き脱力しながら上下に反動を付けて、
掌底を構える奥側を少し深く沈ませる。
沈んだ体重はそのまま前方に移動させながら!
腰を捻り奥に構えた腕を正面へ突き出し硬直させる!
私の今生み出せる最大の衝撃。

目の前の光景がスローモーションで見える。
これが彼女の最期なのだ、目に焼き付けてやろう。

189ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/11(木) 01:09:33.90ID:vTZVMCeX
彼女は直立不動だ。
彼女は直立不動だ。
彼女は直立不動だ。
彼女は上体を少し仰け反らし始めた。
彼女の上体が仰け反っていく。
彼女の上体が仰け反っていく。
彼女の上体が仰け反っていく。
彼女の額が眼前にある。
暗転。

私は強かに背中を打ち付け数度転がった。
全身が痛い。

190ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/11(木) 01:10:33.94ID:vTZVMCeX
それでもまだ、諦められない…
闘争心とも生存本能とも感じられない、
どす黒い執着が私を支えていた。

ゆらり、と私は立ち上がり。
ゆっ…くりと。彼女を見据えるため視線を向ける。

こちらへ向かってくる。
パンを持っていない。
どうでもいい。

彼女に掴みかかる。
彼女を揺さぶる。
彼女に振り払われる。
バランスを崩す。

彼女に掴みかかる。
彼女を揺さぶる。
彼女を握れてもいない手で殴る。
彼女に打ち下ろしで殴り落とされる。

精根尽きた。

191ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/11(木) 01:11:30.73ID:vTZVMCeX
彼女が私に行ったのは、正当な防衛権利としての暴力。
私は己のあっけなさ、愚かさに、情けなさにうち震えた。

余裕がない、体力の無駄だというのに、涙が溢れる。
感情をぶつける先がない。視界を歪ませ呼吸を乱しながら泣き咽ぶ。
身の安全を考えればどちらかがすぐに立ち去るべきだったというのに。

私は無防備に地に伏し無様に泣いて、
彼女は私を見下ろしていた。
生殺与奪の権利は完全に彼女にある状況だ。

192ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/11(木) 01:12:31.13ID:vTZVMCeX
私よりも小柄で弱そうな子供でも。
ただ私の上で脱力し、その膝を私の頚椎に落とすだけで。
一人の無謀な悪人がこの世を去るだろう。
あぁ、一日でこんなにも感情をぶつけたのは初めてだったなあ。

ふと、頭上から声がかかる。
正気とは思えない言葉が、私に向けられた。
「半分こ、するでち」

193ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/11(木) 01:13:37.81ID:vTZVMCeX
力ない我が身を仰向けに返して。
むくり、と重苦しい身体で起き上がった。
覇気のない暗い目で彼女を見上げる。

肌が見えうる至る所にある擦り傷切り傷。
痣のある腕。全て私が与えた傷だ。

それなのに。それだというのに。
何故か彼女は微笑んでいる。
剥き出しの悪意をぶつけられた相手に!
己の命を繋ぐ欠片を無償で譲り渡そうとしている。

194ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/11(木) 01:14:40.92ID:vTZVMCeX
正気なのか?ひょっとして馬鹿なんじゃないのか?
どちらでも構わない。私はなんとか動く腕を持ち上げて、
命を長らえる糧を共に噛み締めた。

当然ながら決して質の良いものではない。
しかしながら一欠たりともこぼしたくはない。

ほんの少量だけ口内に入るように噛みちぎり、
糖としての吸収が促されるように、
ゆっくりと、何度も咀嚼して。

声を出す喉も既に枯れていたが、精一杯の唾液を絡め、
また何度も咀嚼を繰り返して、ようやく飲み込む。
こんなに長い一口は今までに経験がない。
何度も、顎に強い疲労を感じても繰り返し、飲み込んだ。

195ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/11(木) 01:16:25.45ID:vTZVMCeX
一息を入れて顔を横に向けると。
彼女はこちらを見つめ微笑んでいた。
「良かったでち。」

あぁ、良かった。私はこれでまだ生きていられる。
見知らぬハグレに情けをかけられ惨めに倒れながらも。
命を長らえることができる。

私は彼女の微笑みに対して自分の命への安堵の笑みを返した。
待ち望む糖を歓喜して受け入れようとする私の頭脳が働きを始めた。

196ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/11(木) 01:17:29.87ID:vTZVMCeX
長らえたから、どうした?
私は自分の力で自分の命を救えなかった。
たまたま目の前の非常識がとても非常識な善意だったから。
こんな餓鬼の命が救われただけだ。
ただの僥倖?そんなものでは決してない。

私の目には彼女がこの世界に対して存在し得ないものとして映った。
しかしその起きるはずのない善意で私は救われた。
救われていなければ大地に伏したまま、また更に衰弱して、死んでいただろう。

先程まで持ち合わせていた邪魔者のプライドでも。
その力を糧にずっと一人でやれるだけやって生き抜いてきた。
そのプライドも、ついさっき自分の意志で落として捨てて。
その果てがさあ暴力だ、略奪だ、敗北だ。
無様だ。醜い。邪悪ですらあるだろう。

197ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/11(木) 01:18:33.30ID:vTZVMCeX
それに比べてこの隣で安穏と座る彼女は一体何だ。
流石に衰弱極まった私よりはずっと強かったが正直な所相当に弱いぞ。
失礼を承知で上から下まで見定めてもみすぼらしい格好。
安定した生活を得ているとはとても思えない。

この世界に跋扈するハグレ共と同じように。
あてもなくさまよう生活をしているのだろう。
そうして、どこともしれない場所で勝手に死んでいくんだ。

いや、この隙だらけな奴のことだからな。
誰かに騙されて、奪えるものは何もかも奪い搾取された後に死ぬのかな?
多分そちらの方が可能性として高いだろう。
こんな畜生を助ける位だ、私と別れた直後に他の誰かに騙されても不思議ではない。
この世界の常識で考えていると、彼女が残酷な最期を迎えるイメージしか浮かばなかった。

198ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/11(木) 01:19:43.44ID:vTZVMCeX
向ける先のない怒りがふつふつと湧き上がってきた。
この脆弱さに満ちた大きな善意が。
当然のように踏みにじられるであろうことが我慢ならない。

今にでも守らなければ、消えてしまうだろう。
私が守らなければ、消えてしまう。
ではどうしたものか。

怒りを抑えるのが元来苦手な私ではあるが、
たった今逃してはならない急務ができた為できる限り速やかに頭を切り替える。

199ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/11(木) 01:21:12.15ID:vTZVMCeX
案1、ストレートに行動を共にすることを提案する。
私だったら即答でお断りだ。
誰が略奪を目的とした凶行に及んできた相手と旅を共にするものか。
しかし快諾されそうな可能性があるのが逆に恐ろしい。
彼女にはもう少し危機感というものを抱くようになってほしい。

ともあれ、可能性を無碍に低くしてはならないので他の手段を追求しよう。
そうだな、私には彼女と行動を共にしたい理由がある。
だから適当な建前でもいいんだ。

彼女にもメリットがありそうな事実の条件をでっちあげて交渉手段としよう。
そうなると説得力を持った事実を突き付けることが有効になる。
あぁ、ちょうどいい証拠品がなんと0距離にあったぞ、手っ取り早くて助かる!

200ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/11(木) 01:22:12.91ID:vTZVMCeX
一人旅というのはとてもリスクが高いのだ。
自分の強みを活かして身軽に立ちまわる分には快適だが
いざ強みが通じない環境になればそこで詰みだ。
片方が故障で行動不能に陥ってももう片方がどうにかできることもある。

守りたいと決意した都合、事実でも騙すようなやり口は避けたいものだけど。
言いくるめて心理を揺さぶる為の事実列挙のネタは山程浮かんだ。
状況を利用した手段の提案、まずはこの路線で決まりだろう。

201ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/11(木) 01:23:12.05ID:vTZVMCeX
メリットの提示で揺さぶりをかけて…ここまではいいんだ。
彼女が私と行動を共にしてくれる可能性が大きく高まったと考えられる。
ただ。ここまでを達成するだけであればメリットなんて虚言ですら構わない。

彼女は私を疑いもなく信じるだろう。だが私は裏切ってはならない。絶対に。
メリットとして語る材料としては明らかである事実しか使わないつもりだ。
しかし彼女に安易に語ることができない、私が何としても解決せねばならないデメリットがある。
しかも説得力に満ちた不安材料がなんと0距離にある。酷い話もあるものだ。

202ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/11(木) 01:24:14.51ID:vTZVMCeX
たった今不足した、食い扶持の事である。
こればかりは正直メリットを説明できないし確実性のある手段が提案できない…!
私は苦悩と苦悶に歪みそうになる表情を、できる限り平静なまま維持することに努めた。

平静を装っていたがやはり表情に出ていたのか。
彼女が不安げに、心配げな表情で私の顔を軽く覗きこむ。

203ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/11(木) 01:25:18.01ID:vTZVMCeX
どうか、その表情を収めてくれ。
私が君を守るから。私が君の優しさを、なんとしてでも守りぬくから。
私が持っていた最期の荷物。捨てられたのかどうかは定かじゃない。
けれども私の心はふと軽くなり、同時に重い決意が詰め込まれた。

不確かな道となるが許してくれ、名も知らぬ君よ。
私はそれなりに頭が働く方だから。
普通の限界なんて超える位、この頭を使って君を守りぬいてみせる。

204ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/11(木) 01:26:21.82ID:vTZVMCeX
私が守り、君が居てくれるなら。君の心がその地の何かを変えるだろう。
変わった何かが、世界を巡り、君を幸せにする何かになってほしい。
君が幸せにしたこの世界で、また誰かが幸せになれるように。

共に生きていこう。せめて私が君にしてやれることが何もなくなるまで。
できることならば、君が私の最期を見届けるまで。
心は、決まった。

205ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/11(木) 01:27:24.66ID:vTZVMCeX
「…あの、」
「なんでち?」
「…先程は突然乱暴を働いて、本当に、本当に…すまなかった。」
「もうすっかり平らげてしまったけども、君にとって貴重な食料だったんだろう?」
彼女は否定も肯定もせず、ただこちらを見つめ、微笑んでいる。

また、涙が溢れそうになってくる。
「ありがとう…」
彼女は嬉しげに、軽く頷いた。

206ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/11(木) 01:28:24.23ID:vTZVMCeX
「感謝として…私が今君に譲れる物が何もない。」
「だからせめて…」
涙と嗚咽で声が塞がる。伝えたい事が伝えられない。とても苦しい。

惨めな私を、彼女はずっと隣で時に心配げに、時に優しく見守っていた。
どれだけ経ったかわからない。
日の加減からして1時間は経っていないはずだろうが…

私は相当彼女を待たせてしまっていた。
「…ようやく落ち着いた、ありがとう。」
彼女から分け与えられた命が、体と心に満ちたのか。
思考も意識も明瞭、身体は節々が痛むが行動に仔細なし。

207ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/11(木) 01:29:30.05ID:vTZVMCeX
「私の名前はローズマリー。一応…薬師をしている人間だ。」
一応。薬師として生計を立てるどころか、
自分の命すら繋ぎ切れていないので一応という他ない。

「このご時世一人旅は不安だからね…」
事実であり口実。彼女に断る理由があるのならばそれも仕方がない。

「君も旅の生活をしているなら、共に行こう。」
手荷物なんてほとんどない。だけど旅の準備はもうできている。

208ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/11(木) 01:30:29.18ID:vTZVMCeX
こうして、私と小さな王様との旅が始まった。

<ここまで>

209創る名無しに見る名無し2016/08/11(木) 01:36:03.26ID:vTZVMCeX
終わりました。他の物書いてたのに。
全部ウズさんのせいだ。
後俺が借りに来たメニャシノ本はどこですか?
いいんですか?帰りますよ帝都。ほんとうに良いんですか?
あっやめてくださいパンドラとか探しますんで
ズブーブ大湿原じゃなくてメニャーニャ大平原が俺に読まれるのを
待ち望んでいるんですお願い返さないで返s

210創る名無しに見る名無し2016/08/11(木) 01:40:50.74ID:vTZVMCeX
度重なる余計なレスにつきましては誠に申し訳ございません。
この通り反省の色は微塵もない所存でございます。

念の為ストーリーの栞。
>>175 書き上げた後の後書きです
>>176-208 ストーリー
>>209,210 レス消費数宣言を通り越したレス

211ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/11(木) 13:01:27.94ID:vTZVMCeX
連日、いえ数時間ぶりの投下となり申し訳ございません。
この度も反省の気持ちは断じてございません、どうかご容赦下さいませ。

次から投下します、当レスを含め合計8レスの構成となります。

<ここから>

212ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/11(木) 13:02:30.44ID:vTZVMCeX
「-ハグレ- 金槌地獄達。」

(引用:はむすたブログ ざくアク水着イベント製作日記11)
>> エステルさんのフレイムウォールは暑さ軽減する効果はないということか…やはりサービスピンクは先手を取ってフレイムを打つしかできないんだな!!
>そう、サービスピンクは一芸に秀でているが、難しいことは苦手なのだ……!
>とにかく、フレイムを、フレイムを撃たせてやってくれ……!

そうですか、サービスピンクは難しいことが不得手と来ましたか。
とても悲しいことだと私は思います。
先手を取ってフレイムを撃つ、ただこれだけでいい…
通るさ、私が通す!いつだってそうやって生きてきた!(RESIST)
彼女はいつだって先頭に立ち輝き!
そして真っ先に青い空色のゲージを空にして!
友が見えぬ果てに行こうとも瀕死に這い蹲っていても!
遥か高みに遠かれども!道無き道をこじ開けて!
頑張ってきたんですよ!ろくに露出もしないのに!!
旅の行きがけには我先にとメンタルアレコレを買い漁り!
仲間の危機を素早く察し正義を貫く輝きを放ち!
腰に手を当て青いビンの中身をイッキしながら汗を輝かせた!
常に密着したスパッツに、汗で密着したシャツ!
とても素晴らしいことだと思いますやはり貴女は真なるサービスピンク!

213ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/11(木) 13:03:17.70ID:vTZVMCeX
そんなエステルさんが活き活きと過ごせない世界。
私はそんな事は誤っていると思います。
世界が認めようとも私が認めません。
共に歩む世界が過ちに進みかけているのであれば!
言葉と行動で過ちを正すというのが在り方というものでしょう!
しかし不得手は不得手で仕方がないことです。
このハグレ王国は多様性を尊重する世界、私は良き国に出会えました。
各々の長所があれば襲いくる七難八苦、物の数ではありません。
よってサービスピンクにはサービスピンクとしての
真価、いえ…進化を発揮して必要があると、私は思うのです。
水中での活躍はまず置いておきましょう。
炎の使い手のメインステージはやはり陸上。
乾燥した大地の元であればその激しさは更に増すことでしょう!
しかし夏のこの暑い中熱い炎なんてわざわざ使うのか…
まあまあ結論を急ぐべきじゃあありません。
使う必要なんて作ればいいのですからね!

214ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/11(木) 13:04:09.32ID:vTZVMCeX
料理…は止めた方が適切でしょうね、
彼女であれば一瞬でからあげに見える何かを作り上げ
皿に残るは黒い炭。なんですか、それを燃料に料理でも作りましょうか。
止めましょう、次のフェイズに移る頃合いです。
そうです、夏の集まりと言えばキャンプファイアーは欠かせない要素です!
その点火役を彼女に一任しましょう。もちろん水着姿で!
火を付ける所があれば我先にと最大火力のフレイムをブチ込む彼女です。
きっと盛大に大きく広がる美しい炎を焚き上げてくれることでしょう。
彼女は炎の召喚士、自らの炎で焼け焦げる心配はありません。
いつも着ているあの服だって、自らの炎への対策を怠っているはずがないのです。

215ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/11(木) 13:05:01.62ID:vTZVMCeX
しかしその日に限っては都合が違うのです…水着イベントですよ?
色々露出する為のイベントじゃあないですか…防御が緩いのは、必然と言えます。
美しく激しく燃える海辺、悪戯な火の粉が、ふっと…彼女の肩や腋下を掠めるのです。
白い果実を支える糸は断たれ、桃色の布地が滑りだすのですよ!
肌を擦れる違和感にすぐに気付くエステルさん、急いで腕で柔らかな果実を覆うのでしょう!
覆うのが間に合わなければ僥倖、例え間に合わなくたっていい…!
勇気に溢れし王国のアサルトショットガン!鮮烈!爆炎!サービスピンク!
そのエステルさんが!恥じらいに頬を赤らめて!
険しい冒険と秘めたる意志とは裏腹に細い腕で、
焦りを胸に小さな桃色を奥に秘めようとするのでしょう…!
その局地的桃源郷を照らすは先程彼女が点けた情熱的な炎。
人の本能を刺激する炎。彼女の痴態がより美しく、扇情的に映るのです…

216ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/11(木) 13:08:26.46ID:vTZVMCeX
嗚呼、最上の結果です。エステルさん、貴女は海と相性が悪いのではなかったのです。
重要なのは戦略、戦術、立ち回り、その状況に適したアドリブによる最適化なのです!
はぁ、はぁっ、はぁっはぁっ…!輝かしい王国の未来に興奮して呼吸が荒くなってきました。
いえ、ご心配には及びません。タンカも不要ですよ、私は極めて正常な状態ですから。
さぁ!心配事も消えたことですし、王国の未来をこれからも共に歩んでいきましょう!!
え?単独パンドラXYZランダム座標?マナオニオン特盛りゲート一人前?
あはは冗談キツいですよ、追放なんてあの昔の1回でこりごりですってば

217ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/11(木) 13:09:31.68ID:vTZVMCeX
だから、ゴッドフェアリーとしての全身全霊で方角も距離も時も世界をも超えて。
必ず帰ってきますから、ご心配なく。

<ここまで>

218ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/11(木) 13:11:07.50ID:vTZVMCeX
後書き

元々秘密は知っていた。
しかし気にも止めず平静に日常を過ごしていた。
しかしある日、ある言葉が私の心に引っかかったのだ。

(引用:はむすたブログ  ざくアク水着イベント製作日記10)
>> サービスピンクさんがサービスしてる…!早く大明神に特大担架を!
>大明神大往生。
>怒首領蜂みたいになってきたぞ……!

他人へのレス、しかしその応答は興味深い。
だから、両手を叩き、指を鍵盤の上で滑らせて声を上げたのだ。
届くかどうかなんてわからないけど、声にすることはできた。
私はそれで満足だった。
平静な日常がまた巡る。
いつも眺めている文字列を聞き流す。
いつか叫んだ声が、こだまになって反響してきた。

(引用: ttp://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/gameama/1470398139/404 )
>404 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2016/08/11(木) 00:10:10.45 ID:vGMA1SbV [1/2]
>サイキックむちむちポークもシューティングネタだと最近になって知った

私は反響の元となった場所へ手と指を走らせた。

(引用:はむすたブログ ざくアク水着イベント製作日記11)
>> 大明神大往生、大明神大復活、大明神最大往生、なぜだろう…サービスピンクの出番のはずなのにサイキックむちむちポークの出番である気がしてならない…!

あの日の声が、断片的ではあるけどもそこにあった。

(引用:はむすたブログ ざくアク水着イベント製作日記11)
>完全にシューティングやっ……!
>大往生、大復活の流れは当時爆笑した記憶があります。
>恥も臆面も無く堂々と大復活!!

虚空でも構わないと発した声。返ってきた返事がとても暖かかった。

あぁ、ちょっとでもエロいの書けて良かった。これで俺のリビドーが僅かながらに発散されたぞ。
SAN値うなぎ登りで精がついてリビドーリチャージハイハイハイハイハイパースタンバイ。

投下についての栞
  投下宣言 >>211
  ストーリー >>212-217
  後書き なんらかのインタラプトが入らなければ多分 >>218

219ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/11(木) 13:14:27.19ID:vTZVMCeX
この度は反省の色も見せずに申し訳ない気持ちが全くありません。
ハイハイハイパーは…スタンバイじゃない、レディだ!

220ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/22(月) 03:20:53.57ID:jGuecUap
※注訳
  この物語はざくざくアクターズのエンディングイベントである要素を含んでおります。
  閲覧なさる場合はどうかご同意の上で行うようお願い申し上げます。
  ご同意頂けずに閲覧する場合は自己のご責任の上でご自由になさってください。
  あれでしょう、18禁を18歳未満が見ちゃうようなそういうのってありますよね
  肉体としてはとっくに発情期迎えているはずなのに禁止されっぱなしってなんですか
  溜まっちゃいますよね、当然溜まっちゃいましたよね?よね?ふふふ隠したって無駄なんですよ
  そういう溜まったフラストレーション、フェチシズム、エロチシズムの急激な解放、奔流。
  私はそういうものに美学を感じます、あぁその窮屈さから開放してさしあげたい、放たせてあげたい。
  正面から浴びせられたい、ぶっかけられたい、どきどきどきどき…vはぁはぁはぁはぁっv
  なんです?私はメンタル面の話しかしておりませんよ?決してフィジカルなエロスの話はしておりません。
  そう!プラトニックな愛!愛といえばラヴァーズ!エロース!そうこれは神聖な祈りの言葉の紡ぎ。
  故に、これは健全の極み、極致と言える祝詞にも等しいのデス!嘘じゃないデスヨー?ユーシー?
  ビコーズ…男性であるベル君の乳首はぁ…ビューティホゥなペールピンクであってもデスネ?
  当然さぁ…セーフティであるはずデショウ…?だから見せナヨその2つのチェリーをヨォ…?
  私としてはさ、トリプルチェリー揃えりゃ大満足なんデスケドね?なかなかそうも行かないんデース…
  ホワィナット?と思うデショウ?でもそこまでのローの露出はローに引っかかるからフォービドゥンなんデスヨ…
  トリプルチェリー揃えて戴いて、ボーナスどっぷどぷのエクスタシィーv 最高じゃあないデスカ…
  アーハーン?他にも胸部露出している男性陣はいるだろうッテ?アァ、いたっけなあ、ビーフデスケド。
  バット…、ノーマルマッスルになりつつあったヤツが…?シット…ありえない。インポッシボゥ…。
  正にビフォーアーンドアフター!素敵になったじゃないデスカ!?
  私としてはデスネ?どーせ、牛だろう?汁でも出してりゃいいんじゃないデスカ、MDとか、肉汁とか。
  みたいに思っていたんデスケドネ…こいつはサデンリィマッソゥ…ニワカマッスルに相応しい美しさデス。
  あ゙ー…これは、イェス、イェス、ウェイタモゥメント…ふぅ…ハァ…っv フュー…リトル。ちょっとだけ。
  魂が手繰られるような心持ちになりマシタヨ?ちょっとこいつはヤりすぎデスネェ…v
  個室でパンプアップのデモンストレーションでもしていただきましょうか?
  ハフン?パンプアップ。ご存じない?血を全身に巡らせてぇ、筋肉とかをボリュームアップ!するんデスヨ。
  ヒヒヒ…そのブーメランの下に3本目のホーン、隠しているダロウ…?
  私が両手隠している時ニィ、両手出さナイノカ?って聞かれた時私は出しマシタヨネエ…?
  だからお前も出さなきゃさあ!イーヴンじゃねえんだアーンダースタァァァン!?
  ヘイ、ヘイ、ヘイヘェェイ!!さぁレッツパンプアップ!!ンー?ヘルプが必要デスカァ?
  お手伝いにハート握ってあげマスカァ?それともホーンを握ってほしいデスカァ?
  お望みはスクイーズアーンドオープントゥハート? それともハンドシェイクトゥホーン?
  そーれっパンプアップv パンプアップv チアーでリードしてあげマスヨォ?
  サードホーンはホワットカラー?クリムゾン?ナットオア…ワインレッド?
  早く出しちゃえよその奥の手をヨォ…お前は炎属性、私は氷属性、ブチ撒けたら、気持ちいいと思いマスヨ?
  …シット、ストップストップ。何かインビジボゥなボーダーが危険信号を鳴り響かせているようデス。
  ハフン…、多分こいつはキングに頼んでもブッ壊してもらえない類のボーダー…デスネ
  ファ<ピー>ク!!…興が醒めました。何か面白いことでも探しに行きマスヨ。…シーユーv
  大丈夫。これはセーフ。仮にアウトな言葉が含まれていても<ピー>音が入っております。
  だから大丈夫だって誰かが勢い良く滑車回しながら言ってた!
  ホワッツ!?注訳で4096byteOver!?どういうことデス!?ホワッツハプン!?ま、削りましたケドネ。

次から投下します、当レスを含め合計 レスの構成となります。

投下についての栞 <推定>
  投下宣言 >>220
  ストーリー >>221-242
  余文>>243

221ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/22(月) 03:21:43.43ID:jGuecUap
『夕闇グルームアンダーエンド』

この物語は蛇足である。
ひょっとしたら生じていたかもしれない過去。
ひょっとしたら生じていたかもしれなくとも消え去った過去。
夕闇の下に。
淡く。
緩やかに。
消えたかもしれない。
在りえたかもしれない。
そんな過去のお話。

222ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/22(月) 03:22:12.82ID:jGuecUap
――あぁ、私は消滅したのだ。
とても心優しい、小さいのにとても大きなあの国王様も帰路について。
私を支えてくれたシノブのイメージも、その源を失い世界の中に薄れていった。
私の心は、とても満たされている。とても…幸せに満ちている。

それはおかしい。
私は消滅したのだ。
何故、現在において私の心は満たされているのだ。
何故、私はこのようなことを考えられているのだ。

私の姿は見えない。なのに考えている私がいる。
どうなっているのだろうか。

223ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/22(月) 03:22:46.06ID:jGuecUap
異常事態だ。しかし間違いなく世界は消えつつある。夜が迫ってくる。
何もない夜が。明日の来ない夜が。闇が。世界があるべき形を迎える為に仄かな明かりを塗りつぶしていく。
終りに向かって緩やかに、曖昧に、ぼかしながら塗りつぶしていく。

かの国王の気配は感じられない、彼女も無事帰ることができたのだろう。
そうであれば想像と創造の力の源はもう何も存在しない。
きっと…緩やかに終りを迎えている最中に過ぎないのだろう。

エステルにメニャーニャ。彼女達には本当に酷いことをしてしまった。
私の自分勝手な嘘の為に随分不自由していたことだろう。

あぁ、彼女達もまた私のように実体もなく意識が残っていたりするのだろうか。
それとも意識も完全に消え失せたのだろうか。
もし消え失せたのであれば、安らかに眠れたのだろうか。

224ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/22(月) 03:23:20.03ID:jGuecUap
生きる決意を固めたシノブの脱出に死力を尽くして協力してくれていたね。
一方、嘘が暴かれた私は守り、愛し合っていたかったシノブまでを含めて、
常識を超えてシノブを助けに来た友人まで一緒くたに乱暴に傷つけて…
私はなんと身勝手なことだろうか。

この世界はシノブのイメージによって創られた世界だ。
シノブの中そのものと言ってもいい…はずだったが
その創造者がこの世界にいない。

だからこの世界は急速に闇に溶けていきつつある。
身体が存在しないのだから視えることもない筈なのに
周囲に仄暗さを感じる。

今私は既にシノブとは離れた場所にある存在なのだ。
…そう考えると酷く寂しい。心細い。
涙を溢れさせる涙腺は…存在しない。

225ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/22(月) 03:23:49.04ID:jGuecUap
エステル、メニャーニャ…彼女達は寂しくなかったのだろうか
ただ消えるだけで再びシノブの夢にすら出られない可能性だってある。

仮にシノブが私達についての夢を見たとしても、
出てくるのが「この創られた世界で生まれた虚像」である私達である保証もない。
寂しくはなかったのだろうか…不安ではなかったのだろうか…

いいや。
仮に寂しかったとしてもだ、エステル、メニャーニャ。
それでも君達はシノブが未来へ進む為のことを考えていたのだろう。
つくづく、私は臆病だったと思い知らされる。

そして、その臆病者の前に現れたのが小さくも勇敢な国王様、か…
通常ならば、私が侵入に対して何の邪魔もする必要のない世界。
もっとも、あの忌々しい蚊には憎しみしか湧かなかったものだがね。

226ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/22(月) 03:25:16.48ID:jGuecUap
小さな世界で、穏やかに、ささやかに。愛し合いながら。
それが仮初であっても、短いものであっても平和に終わって死んでいく…
そんなことを望んでいた。それでも少しでも長く共に居たかった。

あの小さな国王様が命がけで助けに落ちてこなければ私は…
最も大事な、愛しいシノブを、守るべき、かけがえのない大切なシノブを…
ありがとう、小さな国王様…デーリッチ、といったね。

非常識な現れ方をした君には本当に驚いたものだよ
とても危機感を覚えたね、どうにか早くご退場いただく為に頭がいっぱいだったものだ。
くく、自嘲めいた何かが心の奥底から湧いてくるよ。

それにしても、侵入を拒む為に立ちはだかった時に浴びた炎も、
シノブがこの私に愛を叫びながら、それでも全力でぶつけてきた絶大な炎も、
とてもとても、熱かった。

227ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/22(月) 03:25:41.56ID:jGuecUap
未来へ進む意志が熱かったのだ。
生きる意志が熱かったのだ。

彼女らが放つ心の炎が、私という闇には。
あまりにも熱すぎて、あまりにも眩しすぎたのだ。

そう考えれば、あの場所で妨げることに成功するはずがない。
シノブが突き進む未来へ生きる為の道を妨げることができるはずがないのだ。

そしてあの小さな王、そして大きな国。
ただの協調性とも、ただの多様性とも言えない。
個の、集の輝きに満ち溢れていた。
それでいてとても優しかった…。

228ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/22(月) 03:26:10.71ID:jGuecUap
はぁ、一通り回想に耽ってしまったな…それにしても暗いなぁ…、本当に、昏いなぁ…。
世界から明るさが、光が、失われていくのを存在しない肌で感じる。

本来ならば既に消えている自我。
回想を終えて沈黙する自我。
このまま静かに消えていくべき自我。

その自我が。
ふと、考えてはならない事柄に手を伸ばした。

優しき国王、デーリッチ。彼女が私の為にこの世界に呼んでくれたのは
確かにシノブの姿をしていた。
そして私をささやかな力で支えてくれたことが。

とても心強かった。
嬉しかった。
暖かかった。
しかしその実どうだろうか?

229ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/22(月) 03:27:30.53ID:jGuecUap
そのような行動を取るということは。
デーリッチ、彼女の中ではシノブはとても優しい子として認識されて、
そのようなイメージ体として生み出したのかもしれない。
その時、虚像であるシノブであっても、私の心は確かに満たされたのだ。

しかし、だ。
当のシノブ本人はどうだ。
先に私が消滅したものと思い先に帰っている。
本物のシノブは私があの執念に心を燃やしたまま消滅したものと認識している。

己の嘘が招いた事態だ、自業自得だ、それでも。
最後の真実を知らずにすれ違ったまま終わるなんて、切なすぎる。
愛されなくとも良いとは言った。
言ったのだが。

誤解が残っていることに、未練ができてしまった。

230ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/22(月) 03:28:10.53ID:jGuecUap
しかしもう終わったことなのだ。
重い、自責の思いが心を包む。

重く垂れ下がった心の手は。
更に深い闇に指を伸ばし、そして掴んだ。

私は何がしたかったのだろう。

父親としてシノブを守りたかった。
父親としてシノブと一緒に過ごしていたかった
父親としてシノブに愛されていたかった。
父親としてシノブを愛していたかった。

しかしそれは。
シノブが実の父親。
「虚像である私」ではない、
「本物の私」の死亡原因になったことで。

奇遇にもこの世界が造られて、私が生まれて。
「虚像である私」が「本物の私」を代行することになったのが切欠だ。

231ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/22(月) 03:29:12.02ID:jGuecUap
だから。

シノブはこの世界にいる間はずっとずっとこの虚構である私ではない。

「本物の私」から愛情を注がれていると思っていて。

「本物の私」に対して愛情を注いでいると思っていて。

「本物の私」に守られていると思っていて。

「本物の私」と愛し合っていると思っていて。

ずっとずっと。
「虚像である私」の存在を通して。
「本物の私」に感情を向けていたのではないのか?

「虚像である私」がいくらシノブに愛情を注ごうとも、
シノブは既に存在しない「本物の私」からの愛であると感じ取り。
「虚像である私」から既に存在しない「本物の私」にシノブの愛情は流される。

232ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/22(月) 03:29:52.33ID:jGuecUap
私は、シノブと虚無を繋ぐパイプでしかなかったのではないか。

しかしそれすらも、「虚像である私」が「本物の私」であるかのように
シノブを騙して、嘘をついて、いくつもの自由を奪ってまでして
無理矢理に、強引に自分勝手に振る舞ったことが原因なのだ。

失うのが、怖かったのだ。

この世界が生じることになった経緯については、シノブにはとても不幸なことだっただろう。
しかしこの私にとっては又とない絶好の機会だったのだ。

偽りの世界で、本性を偽ってでも一緒に過ごしていたかったんだ。
「本物の私」が一緒に過ごせなかった時を一緒に過ごしていたかったんだ。
「本物の私」を死なせてしまったことで傷ついたシノブを守ってあげたかったんだ。
過ごしていたかった守っていたかった愛したかった愛されたかったずっとずっとずっと。

しかしシノブの心には本来「本物の私」が知らない大事な友との思い出があって。
あの時の私には誠に不都合なことに一緒に現れてしまった。
「本物の私」が死んでいることを知る彼女達の存在は非常に厄介だった。

233ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/22(月) 03:30:31.98ID:jGuecUap
だから、シノブの心を縛ってでも彼女達を黙らせた。
私がシノブと共に過ごす時ことを失う可能性をどこまでも排除したかったのだ。

シノブに鍵をかけて、シノブの友に鍵をかけて、私にも鍵をかけて、
鍵は私が管理する。
私は封を決して解かない、閉ざされた世界。

シノブと共に過ごし緩やかに最後を迎える。
愛に満たされたグランドフィナーレ、それが私の理想だった。

だがそこに。
正に文字通りに鍵、しかもマスターキーを持って国王様は降ってきた。

234ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/22(月) 03:31:17.88ID:jGuecUap
憎かった、一刻も早く出て行ってほしかった。
しかし彼女は救いだったのだ。何度思い返しても…思い返しても感謝し足りない。

考えてみれば、私の嘘で生まれた私の虚しいパイプとしての繋がりも。
彼女が断ち切ってくれたのかもしれないな…

私の虚構が暴かれた時。私が虚構だと暴かれた時。
そこからシノブは急激に真実を取り戻しはじめたね。

あの私の虚構の中過ごした日々の愛情が。
全て「虚像である私」に向けられていなかったとしても。

それでも、私が最後に全力で道を妨げたあの時だけは…
あの時だけは、この「虚像である私」に対して愛を叫んでくれていたのだろうか。
それとも、あれも既に存在しない「本物の私」に対して向けられたものだったのだろうか。

235ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/22(月) 03:32:02.51ID:jGuecUap
その真偽はわからない。
「虚像である私」自身に向けられているものであればとても幸せなのだが。
そうであることを確認する術はない。

しかし真偽不明でも。
「虚像である私」自身に本物のシノブの愛情が向けられた可能性が存在することが
たまらなく嬉しいのだ。

仮にあのまま終わりを迎えていたとしたら。
「虚像である私」は一片たりとも「本物のシノブ」の愛情を向けられることなく
シノブは偽物によって生み出された愛を抱えて、
嘘と誤解にまみれたまま…闇に溶けて消えていったのだろう。

私の嘘による最悪の結果は避けられた。
シノブは未来へ向かって着実に歩みだしている。
幸せな結末だ。
そうだ、これでいいんだ。

236ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/22(月) 03:32:46.79ID:jGuecUap
私自身のささやかな未練など…どうでもいいことなんだ。

それなのに。

とても寂しい。
シノブに会いたい。

例え私が虚像で虚構で既に存在価値がなかろうとも。
守り続ける資格がなくても。
愛される資格がなくても
愛を注ぐ資格がなくても
それでも私はシノブに会いたい。会ってシノブに謝りたい。
できることならば健やかな日々を過ごせているのかを知りたい。

237ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/22(月) 03:33:26.43ID:jGuecUap
…きっとあの王国のことだ、どうせ賑やかに楽しく毎日を過ごせることだろうけども。
待てよ、とても賑やかというのもあの子には少し考えものかな?

シノブはとても気の小さな子だからあの中でうまくやっていけるのだろうか。
そこまで干渉するのは過干渉、親バカというものだろうか、どうだろう…?

しかし実の父親の虚像であるこの私が親バカなどというのも滑稽なことだ。
あぁそれでも心配だ。

…いや、それもきっと杞憂に過ぎないのだろう、あの輝く心の持ち主達が共にいるのだから。
何が相手であろうとも…きっと、共に乗り越えていけるだろう。

238ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/22(月) 03:34:04.56ID:jGuecUap
私が仮に会いに行ったとしてあの子は果たして許してくれるだろうか…
…楽観的な推測ではあるけども、きっと許してくれるのだろうな。

どうだろうか、あの子の優しさに少し依存し過ぎた考えではないだろうか?
あの子も少しばかり何かに依存しがちな子だからな。

虚像としての私が言うのもなんだが遺伝だろうか?
しかしシノブはいざとなった時は芯の強い子だ、良く…本当に良く…育ってくれた。
こればかりは「私」からの遺伝かどうかわからないな、何しろ私は臆病に、道を誤ってしまったのだから。

私が道を間違えてシノブの手を無理矢理に引いていっても、道を間違えずに進んでくれた。
それを助けてくれたあの国王様には本当に感謝が絶えない。

もしあの子に謝罪を伝えられたのならば、次はあの国王様に感謝を伝えに行こう。
仮に、シノブに許されたのならば…その日は少しだけシノブが住む素晴らしい王国に長居をしてみたい。
あぁ、「もしも」「もしも」「もしも」「もしも」「もしも」…もしもだらけだ。
それでも願いたい、祈りたい、叶えたい…。

239ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/22(月) 03:34:58.51ID:jGuecUap
王国を見て歩き、あの小さな王様が何を築き上げたのか。
シノブがどのような友を得るのか。私はこの目に収めたい。

そしてもしまた王国に行くことができたのならば、
今度はシノブとあの王様と、強い記憶に残っていた彼女ら二人に。
何かちょっとした贈り物でもしてみたいな。
あの王様はきっと育ち盛りだ、甘いお菓子なんてきっと喜びそうだ

エステルにメニャーニャ、彼女ら二人はどうだろうか。
糖分などを気にするであろう難しい年頃だからなあ…
そうだな、酸味のある洋菓子かフルーツでも贈ろうじゃないか

240ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/22(月) 03:35:40.72ID:jGuecUap
シノブには…美味しいものもいいのだが、
それに加えて何か形に残るような物をプレゼントしたい。

私は、「虚像である私」だから。紛い物なのだ。実の父親ではない。
だからせめて…そのような私でも存在したことを。
「虚像である私」自身が愛を向けていたことを。
彼女の思い出の中に留めていて欲しいんだ。

あぁ、もう真っ暗だ。暗い昏い…世界が、儚い。
それでもまだ考えることができているのは幸か不幸か。これも心配するだけ無駄だろうか。

241ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/22(月) 03:36:20.06ID:jGuecUap
あぁ、考えれば考える程、一度は満たされた心が未練で満ち足りなくなってしまう。
考えるのを止めてしまおうか。
それでもシノブの事を想い続けていたい。

242ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/22(月) 03:37:09.41ID:jGuecUap
会いたいなあ…愛してるよ、シノブ。

                                                         -くらいせかい、おわり-

243ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/22(月) 03:37:51.59ID:jGuecUap
後書き
 自我とは秩序とは混沌とはとかなんだか面倒臭気なことを頭の中でぐだぐだぐだぐだぐーるぐるしておりましたら
 いつの間にやら黒くて図太いシノブパパにとんとんと肩を叩かれまして即落ち直行ゲームオーバーの結果
 このような文章を書き上げるBADENDルートに入っておりました。
 何故だ。シノブの世界に侵入した覚えはないぞ。何も知らないシノブちゃんに悪いことしたいんですけど!?
 何も知らないシノブちゃんに嘘八百とかイケナイこととか<ピ―>とか<ピ―>とか<ピ―>とか吹き込みたいよ!!
 絶対にゃーにゃちゃん飛んでくるから!でもえすてるさん!公式で誤字らしき表記でえるてるさんとか書かれたえすてるさん!
 えるてるさんの名前がすごく似合うね!でもこっちこないでね!かなちゃんは性的対象だけど君はなんだか性的対象じゃないんだ!
 やめろよ!「みんなを守るよ」とかやめろよ!私が攻めるんだよ!タイマンじゃなきゃ必中MHP4割6連とかいう詐欺攻撃できないだろ!?
 でけえよどけよ!どすどす!!じゃねえよ!何グリズリークロー両手持ちしてんだよズルいだろそれ!
 ようしお前見てろよえるてるさんがそんなズルをするなら魔道の巨人の巨○を両手持ちするぞ!あっやめてくださいパパ4割6連ズルイですあっあっあっ

投下についての栞
  投下宣言 >>220
  ストーリー >>221-242
  余文>>243

244ぶっつけのえる ◆RollMmr/PM 2016/08/22(月) 03:41:03.51ID:jGuecUap
最初の投下時点でレス数を数えて書き足しているはずが書き忘れていることに気がついた。
これはこれからの私の書き下すレス数が未知数、つまりずっと俺のターンになることを意味しているのではないか。
しかし問題が一つある。
既にずっと俺のターンだ。
いい加減終われよ俺のターン。

245創る名無しに見る名無し2016/12/10(土) 04:08:02.36ID:cLBeBCQh
「ぅおーーい!!!お参りに来てやったぞー!」
静寂を破り、野太い少女(?)の声が響いた。…のも一瞬、すぐに微かな水音のみが存在する、冥い空間に戻る。

「ちょっと先輩、いきなりデカい声出さないでくださいよ。鼓膜破る気ですか」と、やや神経質そうな小柄な少女。
「あーゴメン!なんかテンション上がってさハハ」
スラリとした快活そのものな少女、大きな意志の強そうな瞳が印象的である。
「楽しいですかコレ?オバケ屋敷探検みたいだから?」
「いやそれもあるけどさ、なんか気がスッキリするよ。何となく」
「……そうですか」
言いながら二人はゴソゴソと何か取り出したりそれを並べたりそこらの石を蹴飛ばしたりしていた。
暗い地下空間を潜り抜けて辿り着いたそこは、無数の機械の残骸が散らばった広間だった。しかも地下水で半水没している。

「用事がなかったら絶対来ない場所ですね」
「終わった?じゃ火ぃ着けてっと」
と言うと、並んだ蝋燭を撫でるように指を一降り、仄かに闇を照らす暖かな火が灯る。
「うちの王様の差し入れだよ、手作りキャンドル」
「あとは遺品回収か」
それまでほとんど無言だった獣人が呟いた。サバザバと水没地帯に入っていく。
計三人の探索者はしばらく機械の残骸を漁っていたが、2,3時間ほどで小柄な少女が[もういい]と声を掛けた。
「結構あったなあ」と背の高い少女。
三人が集めたバネのようなものが小山になっている。
「ええ、マクスウェルも随分集めてたみたいですが、分析して自分でも合成したらしいですね」

それは今は知る者もいない、特殊な形状記憶合金であった。
生物のマナに感応して容易に伸び、爆発的に収縮する。つまり『人工筋肉』である。

「私はモーター式の兵器ばかり作ってたからよく解りませんけど」
「なんかアイツらしいな、自分がマッチョに成りたいってか」
「…彼の墓碑に供えるべきか」獣人が問う。
「うーーん…一個返す、あとは形見ってことで貰う」
背の高い少女の答えに、小さい方の少女が吹き出した。
「じゃマクスウェルが化けて出ても先輩の責任ってことで」
背の高い少女が何か言い返しかけたが、「いや、何よりの供養だろう」と獣人が先に口を開いた。

その後、暫したわいのない談笑をし、持参してきた饅頭のようなものを食べ、2,3個ほどを簡易な墓碑に供えた。

「じゃあそろそろ行こうか」
帰り道、背の高い少女は途中一度だけ振り返り、あまり口を開くこともなくまっすぐ進み続けた。

246創る名無しに見る名無し2017/07/10(月) 04:22:20.52ID:ugHrL6M5
☆ 日本人の婚姻数と出生数を増やしましょう。そのためには、☆
@ 公的年金と生活保護を段階的に廃止して、満18歳以上の日本人に、
ベーシックインカムの導入は必須です。月額約60000円位ならば、廃止すれば
財源的には可能です。ベーシックインカム、でぜひググってみてください。
A 人工子宮は、既に完成しています。独身でも自分の赤ちゃんが欲しい方々へ。
人工子宮、でぜひググってみてください。日本のために、お願い致します。☆☆

247創る名無しに見る名無し2017/10/14(土) 23:17:18.40ID:v5SXBdCE
ユーフォニアとかキャサリンは主人の自慢話でもしてるんだろうか。

248創る名無しに見る名無し2017/12/27(水) 10:29:42.46ID:C1Z7QFDy
家で不労所得的に稼げる方法など
参考までに、
⇒ 『武藤のムロイエウレ』 というHPで見ることができるらしいです。

グーグル検索⇒『武藤のムロイエウレ』"

1104SMSAWK

249創る名無しに見る名無し2018/03/25(日) 21:58:25.54ID:/gYX84bX
SSは初心者ですが、脳内に思い浮かんだものをつらつらと書いていきます。
水着イベントで数値化されたのを見て思いついたものです。

『知力1のバラ』
1話:始まりのバラ

混ぜる、混ぜる、混ぜる。
この世界の両親から教わった薬学の知識を必死に反芻する。
分量も手順も、何度も何度も確認した。
混ぜる、混ぜる、混ぜる。
今回も目標は気付け薬。同じような薬の中でも、ただ気分がスカッとする程度のもの。
薬学の教材にも最初のページに載っている導入的な調剤だ。
混ぜる、混ぜる、混ぜる。
背後から不安と緊張が入り混じる両親の視線を感じる。
そんな余計な視線を感じ取っているというのは集中力の欠如だろうか。
混ぜる、混ぜる、混ぜ……
手が止まる。もうこれ以上混ぜる必要はない。
目の前には混沌とした色と不快な臭いを放つ鍋。
…………ああ、今回も失敗だ。

250創る名無しに見る名無し2018/03/25(日) 22:06:24.07ID:/gYX84bX
薬剤の調合には素材の分量と正しい手順、そして何よりもマナの調整が必要とされる。
自分のマナが数値化されているわけでもなく。
この容量に対してマナを3込める、なんて自分でわかるはずもなく。
つまりこれに関しては完全にセンスと経験しかない。
そして私にはセンスがカケラも無い様だ。
両親が私をやんわりと慰める。
大丈夫だよ、父さん、母さん、落ち込んではいないよ。
私にはやるべきことがある。
23回目になる無駄になった鍋の中を冷めた目で見つめる。
父は何より患者を優先した。母も同じく。結果儲けは必然と少なく。
魔物があちこちで闊歩するこの世界で、材料を集めることは容易ではない。
調合に失敗する度に両親の食事から彩りが減ることを知っている。
申し訳なく思う。けれども、まだ諦めるわけにはいかない。
私にはやるべきことがある。

251創る名無しに見る名無し2018/03/25(日) 22:21:32.48ID:/gYX84bX
私の名前はローズマリー。
両親が薬剤師を営んでいる家の一人娘。
この情報だけだと何処にでもいそうな人物だけど、実はちょっと特殊だったりする。
物心ついた頃から両親から聞いた話や本を読んでこの世界のことを知る。
召喚という、別世界から無機物や生物を呼び込む技術が存在する世界。
100%同じかどうか、それは分からないけども。
記憶の中にあるひとつの物語が幼い頭に思い浮かんだ。
ざくざくアクターズ。
私はこの世界に似た物語を知っている。
ハグレと呼ばれる、異なる世界からこの世界に召喚された人たちの物語。
どうしてこの様な記憶があるのか分からないけども、
おぼろげながら私の立ち位置はこの世界にとってとても重要だった気がする。
自惚れだろうか?
それでも、未だ見ぬ仲間と呼ばれるキャラ達との出会いに期待している自分がいる。
そのためにも、自分の役割をきちんとこなせる必要があると思う。
浮ついた気持ちで24回目の調合に取り掛かる。
……結果はご想像の通り。

252創る名無しに見る名無し2018/03/25(日) 22:40:58.62ID:/gYX84bX
ファンタジーの代名詞である魔法はこの世界では一般的であり、
私には炎を扱う才能があった。
……いや、語弊がある。才能は無かった。
スキル書と呼ばれる魔法を覚えるための魔道書がある。
少ないお小遣いを貯めて初めて買ったスキル書は、
初心者向けとされるファイアの魔法。
文字通り炎を出す魔法なのだが、最初は火花すら出なかった。
魔法を発動するには大気中と体内のマナを使用するのだが、
私にはその体内のマナの量が少なかった。
失敗したとしてもしっかり消費するようで、マナが枯渇するとひどい疲労感が襲う。
日中は薬学、夜中に両親の目の盗んでは魔法の習得に励んだ。
ちまちまと練習し続け、1年たって指先に火が灯った時は狂喜乱舞したものだ。
ファンタジーの代名詞である魔法を自分が使えるんだよ?
私の気持ちも少しはわかって欲しい。
……両親にとても心配されたのも覚えている。
ともかく、2年以上かけて私は一般的なファイアと呼ばれる魔法を使えるようになった。

253創る名無しに見る名無し2018/03/25(日) 22:51:40.25ID:/gYX84bX
辺り一面に劈くような断末魔が響き渡り、
目の前でこんがりと焼けた魔物が倒れ付す。
茂みに身を隠しながら注意深く周りを観察する。
裕福ではない家庭で薬師の仕事を続けるには、
材料を買っているだけでは赤字になるわけで、
自分達で材料を拾い集めるフィールドワークは必須である。
当然、魔物と戦闘することを考慮しなければならない。
この地域の魔物は弱く、私の魔法でも十分対応できるが、
数で襲われると万が一のことがある。
カモフラージュのために着込んだ記憶にある緑の外套は
周囲の風景によく溶け込んだ。
……元々このような意図があったのかもしれない。
近くに他の魔物がいないことを確認し、
引き続き警戒しながら倒れた魔物に近づく。
完全に息を引き取った魔物を見て、ようやく私は一息ついた。
首もとの汗を拭き取りつつ、焼け焦げた魔物と自分の手を見比べる。
私が魔法で燃やしたのである。
ファンタジーでよくあるような格好良く剣を振り回し、
魔法でなぎ払うような爽快感はなく。
ただただ形容しがたい不快感が体に纏わりつく。
急な浮遊感を感じ、ハッとなって私は足元を見た。
…………私の両足は確かに大地に着いていた。

254創る名無しに見る名無し2018/03/25(日) 22:54:57.68ID:/gYX84bX
後書
何故微妙に転生ものっぽくなったか不明。
思いついたとこしかかけないので駆け足ダイジェストになる予定。
続くかも未定。
お目汚し大変失礼しました。

255創る名無しに見る名無し2018/03/25(日) 23:44:18.38ID:VXa5V99S
続き未定かぁせっかく服脱いだのに

256創る名無しに見る名無し2018/03/26(月) 21:59:23.86ID:wXdJ429N
>>255
宇宙忍者の出身の方でしょうか?
まだまだ冷え込みますのでご自愛ください。
B級グルメをご賞味頂き誠にありがとうございます。
まだここ見てる方がいらっしゃるんですね。
続きは日曜日までには、と考えております。
駄文ですが何卒よろしくお願いいたします。

257創る名無しに見る名無し2018/04/02(月) 21:47:22.52ID:MSZ5dTDb
SSは初心者ですが、脳内に思い浮かんだものをつらつらと書いていきます。
表がなにやら騒がしいですが、裏でこっそりやっていけたらなと思います。

『知力1のバラ』
2話:動き出すセカイ

…………これも駄目だ。
私は溜息をつきながら手に取った果実を頬張る。
口内に広がる適度な甘酸っぱさ、味だけ考えれば満点の出来ではあるが、
求めているのはこれではない。
視線を前に向けると、そこには泉を中心とした畑の様な風景が広がっている。
フィールドワーク中に見つけた植物の種を手当たり次第埋めた結果だ。
私はここでとある効果を持った果実を育てられないかと企んでいる。
それは将来私にとって重要な役割を持つキーアイテム。
マナを大量に含んだ果実。及び、それをジャム状にしたもの。
そう、マナジャムだ。
それを摂取することで、私の不足しがちな体内のマナの代用にする。
つまり外付けバッテリー。
ジャム状にすることでおそらく携帯性を向上させたそれは、
間違いなく私の将来を大きく左右する。
刻々と迫るタイムリミットからくる不安を振り払うように次の果実を手に取る。
私には時間が無い。

258創る名無しに見る名無し2018/04/02(月) 22:08:12.95ID:MSZ5dTDb
火照った体の熱を地面の土が奪っていく感覚を不快に思う。
いつものようにマナを使い果たして地面に倒れ付した私の率直な感想だ。
震える腕で体を表にひっくり返せば、澄み切った空に漫然と輝く星と月。
急激に冷えていく体温に自然と体は震え、歯がカチカチと音を鳴らす。
泣きそうになるのは寒さのせいだけだろうか。
私には時間が無い。
ローズマリーが物語に参入する最初の契機は、家出することだと記憶にある。
たしか患者重視の父と継母の価値観が合わなかった事が原因の
家庭内環境に嫌気が差し、家から飛び出したそうだ。
つまり、何らかの理由で今の母が亡くなる可能性があるという事。
確かに母は体が弱いようで、最近はよく体調を崩している。
刻一刻と予定通りに世界は進んでいく傍ら、
放り出された自分に対して焦りが生じる。
もう16歳だ。あとどれくらい猶予がある?
スタートラインは遠い彼方。
薬学の習得は疾うの昔に諦めている。
……才能が無かったのだ。

259創る名無しに見る名無し2018/04/02(月) 22:24:03.48ID:MSZ5dTDb
自分の手の小指だけを曲げてみて欲しい。
大抵の人は同時に薬指も曲がるはずだ。
理屈としては小指と薬指の神経がとても近い所にあるため、
脳が混乱して区別できないらしい。
訓練すれば分けて曲げることも出来るし、
当然最初から小指だけ曲げれる人もいる。
私は魔法の適正はこれに似ていると考えている。
炎、氷、雷といったメインとされる属性や、
水や風、土といった珍しいとされる属性がある中で、
多くの場合、生涯習得できる属性は1つとされている。
つまり、自分にあった属性(小指)がある。
私の場合はそれが炎だった。
……まともに使えるのに2年以上かかったが。
では、2つ目の属性を習得しようという事は何を意味するのか。
自分の手の小指の横にもう一本指があったと仮定しよう。
そしてその指だけを曲げてみて欲しい。
その感覚を想像出来るのなら今からあなたは2属性を使いこなす魔法使いだ。
……今日も土の上で体力の回復を待つ。
以前そのまま寝落ちてしまい、両親から大変心配された。
ベッドに戻る前にせめて後5分、5分だけでもと足に力を入れる。
薬学を捨てた私が追いつくにはこれしかない。
見上げた夜空は滲んでいてよく見えなかった。

260創る名無しに見る名無し2018/04/02(月) 22:34:27.26ID:MSZ5dTDb
声にならない声をあげる。
手の中にある果実から今までとは異なるマナの量を感じる。
特別多いわけではない、けれども、確かに他の果実よりも多く含んでいる。
興奮冷め切らない手つきで果実をアイテムポケットに収納していく。
アイテムポケット、この世界に普及している所謂道具袋である。
袋の中に召喚技術が応用されており、
実質無制限にアイテムを収納することが出来る。
口元がにやけるのを抑えきれない。
これがあれば今よりさらに効率よく鍛錬が積めるはず。
最近頭痛がひどい。睡眠時間を削りすぎだろうか。
マナの摂取は体調を整えるのにも使えるはずだ。期待しよう。
準備運動を終え、今日もあるはずの無い6本目の小指の感覚を探る。
途中で食べた果実はとても甘酸っぱかった。

261創る名無しに見る名無し2018/04/02(月) 22:52:33.94ID:MSZ5dTDb
いつもより夜が更けた時間で村までの帰り道を歩く。
ほんの僅かではあるけども、体調の回復が早い事が実感できる。
果実のままでこれなのだ。煮詰めてジャムにすればさらに効果が期待できる。
残念ながら未だに小指は見つからない。
曲げる以前に無いものをどうやって曲げるというのか。
この考え方も私がそう思っただけなので、根本的に違うかもしれないけども。
それでも、一歩前進した。まだ、間に合うはずだ。
鬱蒼とした森を抜けて村に足を進める。
村の入り口まで近づいた時、やけに賑やかな事に気づく。
……こんな時間に?
その時、言葉で言い表せない何かが体を駆け抜けた。
同時に、私は今までの倦怠感も忘れて走り出した。
道中に何人かが私の名前を呼んだ気がしたけれども、
誰が呼んだかは覚えていない。
息も絶え絶えの状態でようやく家の前の人だかりに到達した時、
不意に耳に入った言葉で事態を理解する。
……母が亡くなったようだ。

262創る名無しに見る名無し2018/04/02(月) 23:02:04.31ID:MSZ5dTDb
※ステータス更新
パッシブスキル
「薬の知識」削除
耐性
「毒・即死・疫病無効」削除
固有スキル
「怪しげな薬」「傷薬」削除
「マナジャム(偽)」取得ー対象の魔法を強化。(3ターン)さらにMPを微回復。TP35

後書
ローズマリー魔改造計画を発動。
残念ながら薬学は難しかったようです。
次も出来れば日曜日までに。
お目汚し大変失礼しました。

263創る名無しに見る名無し2018/04/03(火) 23:07:03.56ID:84BfxDHY
無理はしないでね
気が早いかもだけど、完成したら渋とかにも上げてみるのは如何?

264創る名無しに見る名無し2018/04/04(水) 21:14:47.75ID:BSzLgBd/
誰もタワー女神には触れないようだな
俺が花火を上げるしかないか

265創る名無しに見る名無し2018/04/05(木) 22:46:26.61ID:VD7xjG5f
やったぜ。

266創る名無しに見る名無し2018/04/06(金) 19:43:27.62ID:5qodje8c
メリジューヌに敗北して、実験と称してシェイプシフター達にマナを吸い取られる女の子達のSS下さい

267創る名無しに見る名無し2018/04/06(金) 23:14:15.74ID:k1J8+LcN
豚も煽てりゃ木に登る。
ヴォルちんが一生懸命木登りしてるのを下から支えてあげたい。
あわよくば事故でパンツだけずり下ろしたい。
この程度のssモドキなんかを渋にあげるなんて炎上不可避。
誰か加筆して修正して変わりに俺が作者だって上げてください(他力本願)

SSは初心者ですが、脳内に思い浮かんだものをつらつらと書いていきます。
ちょっと早く書きあがったので載せます。

『知力1のバラ』
3話:ノーコインのマリー

怒気を含んだ叫び声と探し回る足音が響く。
その音が近づく度により一層体を小さくして物陰に身を隠す。
震える体を抱きしめ、必死に息を抑える。
心臓の音が煩い。外に漏れないか気が気でない。
……どれくらい時間がたっただろう。ようやく辺りが静かになった。
ゆっくりと体を起こし、警戒しながら宿泊中の宿に向かう。
エントランスを抜け、自室に駆け込み鍵をかけた事を確認する。
汗を大量に吸い込んだ黒のローブを脱ぎ去りいつもの緑を纏う。
一刻の猶予も無い。すぐにこの町から脱出する。
さっと身支度を整える。逃げる準備はいつでも出来ている。
宿の出入り口から辺りを確認し、全速力で飛び出した。
運よく途中に誰に見つかるわけでもなく、町外れの草陰に身を潜める。
辺りを警戒しながら次に向かうべく町を思い浮かべていると、
お腹の音が思考を止めた。
……昨日から何も食べてないな。
私は鳴り止まぬお腹を押さえながら次の町を目指した。

268創る名無しに見る名無し2018/04/06(金) 23:26:29.52ID:k1J8+LcN
生きるためにはお金が必要だ。
鳴り続けるお腹を押さえながら目的の場所を探す。
……母亡き後、父は新しい母を迎え、記憶の通りの家庭環境になった。
毎日が戦争だ。文字通りの環境に変な笑いがこみ上げたのは不謹慎だった。
ありったけの食料とお金をアイテムポケットに収納して家を飛び出した。
魔法は常に鍛錬し続けていたし、魔物討伐の依頼とかで
なんとかやっていけるだろうと楽観していた。
まぁ、そうだ。楽観していた。
一人で狩れる程度の魔物討伐で幾ら稼げる?
そんな依頼が毎日あると?
町中のゴミ箱を漁るようになるのに、そう時間はかからなかった。
こんな生活は長続きしない。
少なくとも、二人分は稼げるようにしなければならない。
何か、何かないかと町中を彷徨い続け、
私の足はある建物の前でぴたりと止まった。
夜更けにも関わらず、光満ち溢れ賑やかな建物。
私の体は誘い込まれるように中に入っていった。

269創る名無しに見る名無し2018/04/06(金) 23:51:55.23ID:k1J8+LcN
最初にすることはトイレに入ることだ。
他に人がいないこと確認してから窓に注目する。
4件目のこのトイレは一人なら潜れるくらいの大きさに
格子がついているタイプだった。
……このタイプの金属なら魔法で溶かすことができるな。
脱出経路を確認した後、ようやく喧騒に混ざる準備が完了する。
カルタ・トランプ・ボードゲームを大人達が囲んで大騒ぎしている。
俗にいう賭博場。
慣れてしまった初めての賭博場の空気は何時も澱んでいる。
トイレに一番近い麻雀卓を確保して牌に手を伸ばす。
見たこともないようなひどい配牌でも顔色は変えない。
まぁ、どれほど良い配牌でも私の状況は変わらない。
……何時だって私の財布は空っぽだ。
ワンコインすら入っていない。必要ない。
最初に入った賭博場でボロ雑巾になった時に悟ったのだ。
場が進む。
最終局の4位、子である私の手配は既に裏目ってフリテンの状態だ。
関係ないね。リーチを宣言して牌曲げる。何を迷う必要がある?
最初から私は何も持ってやいないさ。

270創る名無しに見る名無し2018/04/07(土) 00:16:12.61ID:ODNG1nLV
今日はツイてる。なんたって酒が美味いからな!
夜が始まってから随分膨らんだ財布の重みを感じながら対面の若造を飛ばす。
意気消沈しながら席を離れる若造を肴にしつつ、酒を流し込む。美味い。
次の酒をウェイトレスに注文していると、
対面に赤い汚れたローブを纏ったガキが座り込んだ。
声からして女だろうか?
帽子で顔は見えないが、痩せこけた細い腕が袖から覗く。
おいおい、迷子か?それとも男ばっかりで辟易していた俺へのサービスか?
サービスにしちゃ肉付きが足りねぇな。俺の好みはグラマラスな女だ。
もっと肉食え肉。あと酒だ。おい、注文した酒はまだか!
ったく、ここは昔からサービスが悪い。
注文した酒がいつまでたっても来ないことなんかザラだ。
いつもならここらでキレるんだが、今日は何分気分がいい。
見ろよこの手配をよ。
綺麗なもんだぜ、この状況ならアタリは分からんだろうよ。
それにしても、対面のガキは素人だな。
ほれ見ろ、リーチ一巡目からアタリの真横をきってくる奴があるか。
まぁ、社会勉強だ。最初に痛い目にあって帰りゃいい。
それより酒はまだか?

271創る名無しに見る名無し2018/04/07(土) 00:32:46.36ID:ODNG1nLV
……なんやかんやで最後の局だ。
目の前のガキは危険なところを迷う気配すらなく捨てるくせしてアタリやがらねぇ。
アガリもしないから結局はベッタなんだけどよ。
運がいいのか悪いのか分からん奴だなおい。
もちろん俺は一位独走だ。今日はカミさんの土産が豪華になりそうだな。
気分良く最後もアガロウかと思ったところで、対面がリーチをかけやがった。
んん?河から見ても高そうな手に見えねぇんだがなぁ。
諦めちまったか。この点数差でそれじゃあしまらねぇな。
お、テンパっちまったか。しゃーねーな。
俺の華麗なアガリでも見せてやろうかなっと。
そうやって捨てようとした牌に手をかけた際にチラッと見えたんだな。
いや、見ちまったんだ。
ひでぇ顔だ。いくら上から塗りたくったって隠しきれない傷跡、それにクマ。
そして何よりあの目だ。
荒れくれどもが暴れることなんか多々ある事だし、俺だって腕に自信がある。
だけどよ、誰だってババは引きたくねぇ。
いつでもおいしいところだけ欲しいもんよ。
……つまりちょっと腰が浮いちまったのは仕方ねぇってこった。
さて、勝つ気があるってことは考えなきゃならねぇな。
パッと見てこいつは安全そうなんだが、これが罠か?
かといって他を捨てちまうとアガレなくなるんだが……
まぁ、振り込まなきゃ大丈夫だろうよ。

…………結局酒は来やがらねぇ。カミさんにも叱られるし散々だ。

272創る名無しに見る名無し2018/04/07(土) 00:43:23.11ID:ODNG1nLV
※ステータス更新
キャラ説明:ローズマリー
家出少女。凡人なりに足掻き、処世術を得る。即死/クリティカル無効
常に寝不足と栄養失調のため、体力の最大値が低く、睡眠にとても弱い。

耐性
「即死・クリティカル無効」取得 100%
「睡眠にとても弱い」取得 -100%
パッシブスキル
「凡人の努力」取得ー全てを削って魔法に注ぎ込んだ結果得たもの。
炎技に+3%、魔法耐性を+3%、最大HP-10%

後書
ついに他人視点が混ざり始める。
栄光の一人目はモブのおっさん。ええんかそれで。
今回は調子よく書けたので明後日までにはもう1話出来れば。
お目汚し大変失礼しました。

273創る名無しに見る名無し2018/04/07(土) 01:40:29.62ID:PHda7KdV
<●><●>

274創る名無しに見る名無し2018/04/07(土) 21:22:11.65ID:oHNKC0lo
サイコーハイツのあれは薄い本だったらマリコ先生がボスと対峙した時に裏切って
スタンガンとか浴びせて主人公たち気絶させてたな

275創る名無しに見る名無し2018/04/08(日) 13:56:53.55ID:oOajPcnv
水麗層の住人がメリジューヌがハグレ王国に倒されたのを知り発狂集団自決
スライム達が彼らを吸収し超パワーアップしハグレ王国を一蹴
一部の女性キャラがスライム達に取り込まれてしまうバッドエンド

276創る名無しに見る名無し2018/04/09(月) 00:30:53.68ID:BVeEyf8O
SSは初心者ですが、脳内に思い浮かんだものをつらつらと書いていきます。
ここが活発になるのは嬉しい事ですが、感想ではなくBadEndに盛り上がってるのは少し寂しい。そんな気持ち。皆さんエロに飢えてますね。僕もそうなの。

『知力1のバラ』
3話:天使とのやりとり

目の前にいるのは明らかに天使だった。
頭が、お腹が、耳が、目が、喉が、いたる箇所が悲鳴をあげる。
風景はぼやけてまともに見えず、耳鳴りと頭痛でまもとに聞こえず。
誰に襲い掛かったのか、それすらも分からず。
それでも、それでも。
「はんぶんこ、するでち」
ーーーーーーァア、ああっ。
たぶん慣れが必要なんだなって。
まともに見てはいけないし、聞いてはいけない。
私は何も無い人間だから。
どうしようもない人間だから。
生きるためならなんでもやった。
生きるのがこんなに難しいなんて、なんとかなるだろうなんて。
だって、だって、なんとかなってたじゃないか!
記憶では元気で、笑って、…………
そうか、そうだったんだ。
やっぱり、記憶の物語とは似て非なるセカイなんだ。
だから私には才能がないし、セカイは当たり前のように普通で、
目の前の子は天使なんだ。
……変な宗教にはまってるって?妄想だって?
皆だって墓参りや食事前の挨拶してるじゃないか。
そんな意味の無い無価値な行動より、目の前の存在は確かにホンモノだ。
まだ姿はぼやけてまともに見えやしない。
手渡された匂いもしないカチカチのパンを頬張る。
……アマイ、これだけが真実だ。

277創る名無しに見る名無し2018/04/09(月) 01:09:51.93ID:BVeEyf8O
※誤字修正 3話→4話

異世界から召喚されたハグレという存在。
彼・彼女らはこの世界の住人より肉体的に強者だ。
どれくらい差があるかというと、
16歳と11歳が殴り合うと16歳が負けるくらい。
それくらい力の差は歴然としている。
デーリッチ。
私の前に現れてくれた、ハグレのあの子は私よりもはるかに強い。
得意魔法が回復魔法で、
攻撃魔法ではないということは彼女の本質をついてるといえる。
貧弱な私と彼女がチームで魔物討伐を行おうとすると、
自然と前列後列が決まる。
つまり私が後ろで、彼女が前だ。
討伐効率は確かによくなった。彼女がひきつけ、私が燃やす。
……こんなこと、あってはならない。
炎に耐性のあるモンスター相手に私たちは決め手に欠ける。
自らにヒールをかけ、
生傷を増やしながら巨大な魔物に殴りかかる彼女を必死に援護する。
私は安全だ。幼い彼女を盾にして。
討伐対象が動かなくなると彼女は笑顔で私に駆けよってくる。
お疲れ様、デーリッチ。
ハンカチで彼女に付いた魔物の返り血を丁寧に拭き取る。
ハンカチが赤く染まるのと対象に、私の手は真っ白なままだ。
胸糞が悪い。吐き気がする。

278創る名無しに見る名無し2018/04/09(月) 01:21:01.78ID:BVeEyf8O
容量の決まっている箱にそれ以上のモノを詰め込もうとするにはどうすればいいのか。
当然、拡張するのもひとつの方法だ。
ただ、人間の才能を拡張するのは容易ではない。そうだろう?
だったらどうする?答えは一つだ。
……削り取る、だ。
不要な部分を削り取って隙間を作る。そこに入れ込む。
小指が見つかったって意味が無い。だって小指が入る手袋がないのだから。
これもいらない。あれもいらない。私には必要ない。
彼女の、あの子のためにならないモノは必要ない。
そうしたらほら、ここにあった。
私の六本目のコユビ。
削れた私の穴を埋めるようにすっぽりと収まる。
未だだ。未だ私はスタートラインに立っていない。
より削ろう。より捧げよう。
それがあの子の一歩になるのだから。

279創る名無しに見る名無し2018/04/09(月) 01:43:19.85ID:BVeEyf8O
屋根と壁があるだけマシなような宿屋の寝床で、
今日も私は小声でヒールを唱え続ける。
私より早く起きて、私より遅く寝る彼女。
毎夜毎夜うなされている彼女が起きないように、少しでも安らかに眠れるように。
ローズマリー、デーリッチのこの世界の初めての友達。
ハグレとして召喚されてから誰も私をミテくれなかった。
期待されているレベルの戦力として使えず、知識も無いただの子供。
いきなり殴りかかられたことにはびっくりしたけれども、
目の前で泣きじゃくる彼女を見捨てることは出来なかった。
……内緒だけども、デーリッチより幼く見えたでち。
あの時から、彼女と一緒に行動を共にしている。
常に私を気にかけ、危ない行動にはやんわりと指摘してくれる。
それが何よりも私の世界に彩を与えてくれた。
ローズマリーのために、デーリッチも一肌脱がんといかん!
ローズマリーよりデーリッチのは頑丈でち。だから後ろはまかせるでち。
一人で魔物と戦っていた時よりも断然楽になった。
それも全部ローズマリーが一緒にいてくれるから。
……だからマリー、そんな悲しそうな顔しないで欲しいでち。
別に外傷があるわけではないから、
ヒールをかけたところで意味が無いかもしれないけども。
幾分顔色が良くなったことを確認して、もうちょっとだけとヒールを唱え続ける。
少しでも彼女が良い夢を見れるように。

280創る名無しに見る名無し2018/04/09(月) 02:01:03.22ID:BVeEyf8O
※ステータス更新
念願のアイス系列を覚えた!やったね!

パッシブスキル
「凡人の努力」取得ー全てを削って魔法に注ぎ込んだ結果得たもの。
炎技に+6%、氷技に+6%、魔法耐性を+6%、最大HP-15%
固有スキル
「応急処置」取得ー味方小回復、状態異常、能力低下解除(速度補正+200)
対象がデーリッチの場合、このターン自身の防御/魔法防御2倍で庇う MP3%,TP20

後書
やっとデーリッチに出会えました。これで本編に突入できる。
マリーさんも原作と違って火力アップスキルもついてより使いやすくなりましたね。皆もマリーさんをもっと活用しよう!
次も出来れば日曜日までに。
お目汚し大変失礼しました。

281創る名無しに見る名無し2018/04/09(月) 06:55:58.98ID:NHl77kO2
今週生きる理由ができましたありがとう

282創る名無しに見る名無し2018/04/09(月) 10:23:21.42ID:pn2fhR39
タワーの女神様の台詞をギャルゲーっぽく使ってみた

「最初から泡沫の夢! この世界のことは忘れるのです!」
→ここで「忘れたくない」を選択。目が覚めて外に出ると女神様と再会。
タワーの女神編ノーマルエンド『女神様との世界』

「落ちろっ! 壊れるまで落ち続けるのですっ……!」
→好感度が低くかつ女神様に冷たく当たると発生。タワーから永遠に女神様に突き落とされ続けます。
タワーの女神編バッドエンド『底無し奈落』

「偶然生まれた夏の陽炎! 何を気にかける必要があります!?」
→「女神様が何より心配」を選択。「ハグレ王国」との戦闘に勝利すること。アッチーナで女神様とデート。
タワーの女神編トゥルーエンド『私と貴方の夢』

「あなたは何かに追われている! いつも追われるのはあなた!」
→夢の世界から帰還後、常に誰かの視線を浴びながら生活を送り発狂し自殺する主人公。背後にはうっすら笑う女神様。
夢の女神編ノーマルエンド『最後に逃げた先』

「どうあがいても逃げられない! 逃げても必ず隣にいる!」
→日常を送るも常に側には女神様の姿が見える。常に耳元で狂気に満ちた愛の言葉を囁き続ける。振り払おうとしたら心臓に深々と包丁が突き立てられていた。
血まみれの主人公を膝枕して聖母のように微笑む女神様。
夢の女神編トゥルーエンド『永遠に夢の中で』

283創る名無しに見る名無し2018/04/10(火) 23:28:11.42ID:YIfPApE4
実際に文章化してなく、あくまでも頭の中での仮構想レベルだが
ざくアクとらんダンのコラボイベントみたいなネタを少し。

AIアイちゃん、アナンタ式完全攻略本、シズナちゃん人形、ベネットさん人形を持っておりかつ
魔王タワー、水着イベントを全てクリアしていると宿屋イベント
マオが里帰りするとデーリッチに伝える。以前からだんじょん村のことを何度か教えてもらっていたデーリッチはだんじょん村に興味を示し
自分達も行ってみたいと話すとマオが快く了承。数日後次元の塔へ行きヘルパーさんと会話後に
メガちゃんこと女神オブダンジョンが現れてだんじょん村へ。
予めマオからハグレ王国来訪のことを知らされていたため村はマオの帰郷とハグレ王国の歓迎のため大盛り上がり。
アナンタハウスにてだんじょん村の住人と王国民の交流が始まる。
この最中でレックスが誤ってデーリッチ、ヅッチーにラッキースケベ的なことをしでかしてしまいイベント戦闘。

ボス:ドエロックス(勇者レックス)
ローズマリー、プリシラ、ゼニヤッタの3人による制裁。勝手に戦闘が始まり勝手に戦闘が終わる。
これによりハグレ王国民にも彼の名前がドエロックスと定着してしまう(一部のキャラは同情してくれるが)

ここでカナヅチ大妖精とジーナのイベントが発生。以後カナヅチ妖精の合成屋を利用可能となる。
また、マオがコノハのお墓参りをするイベントも発生しこの時ベネットから「狗鬼灯コノハ」を貰える。
ここではマオ専用装備として炎・雷・氷に超耐性が付きかつ炎+50%とらんだむダンジョンの時よりも強化されている。

ハグレ王国とだんじょん村の友好の証として交流試合を行おうという話になりメガちゃんから必要物資を集めて欲しいと依頼。
ここでアナンタ、シズナ、ベネット、アイの誰かに話しかけるとそのキャラにおいてのシナリオへ入る。
それぞれのキャラのシナリオで必ず同行するキャラを除いて編成は自由。シナリオ中もセーブポイントで
水着イベントのように途中で抜け出すことが可能。


続きは気が向いたら

284創る名無しに見る名無し2018/04/14(土) 14:21:49.51ID:oZxHuUEU
SSは初心者ですが、脳内に思い浮かんだものをつらつらと書いていきます。
脳内の設定資料集もどきからssにする難しさよ。かっこいいタイトルだけ考えれたら満足できる。ちなみに今回のタイトルは微妙です。

『知力1のバラ』
5話:王国の一歩

「ここに私達の王国をつくるんでちーっ!」
小さな体に不釣合いな大きな鍵を振りかざして彼女はそう宣言した。
ようやく、ようやくだ。
一度王都に拠った際に買った地図を頼りに西へ西へと進み、
大陸の端っこにある例の遺跡に辿り着いたのが一ヶ月前。
拠点となる遺跡の清掃を行ったり、
この場所で拾ったキーオブパンドラの性能調査を行っていると、
あっという間に時間は過ぎていった。
キーオブパンドラーー召喚という技術革命の切欠となった元祖召喚士の鍵。
周囲のマナを集約することでマナの濃度差を意図的に発生させ、
座標を設定することで自らを他空間へ召喚、つまり転移することができる。
デーリッチの、いや、これから造るハグレ王国の象徴となるこの鍵は、
実は誰にでも使うことは可能だ。
転移先をイメージする力やもろもろの精密なマナ操作が必要ではある。
私も使ってみたが、だいぶん落ち着いて集中しなければうまくいかない。
やはり、デーリッチが常に持っているのが一番しっくりくるだろう。
この遺跡に訪れる前に調査しておいた周囲の情報を元に、地図に座標を書き込む。
王国の最初の一歩だ。目指すは、てこてこ山。

285創る名無しに見る名無し2018/04/14(土) 14:32:24.41ID:oZxHuUEU
いつだって最後はお金が全てだ。
お金さえあれば衣食住に困らず、人脈さえ築くことが出来る。
何より平等だ。
それがハグレの私であっても。
私の信条であり、おそらく死ぬまで、いや、死んでもきっと変わらない。
そんな私にとって貸し借りという概念は非常に重要なものになっている。
ちょっとしたミスで山賊に捕まりそうになった際に、
訳も分からず仲間として可笑しな二人組みに助けられた。
一人は能天気そうなお子様で、もう一人は何を考えてるかわからん寡黙な奴だ。
二人はハグレを集めた王国を作ろうとしているらしい。
誰にも迫害されない、ハグレのための国造り。
アホらしって思ったね。こりゃいつか搾取されて終わりだなっと。
巻き添えをくうのはごめんだが、助けられた借りがある。
まぁ、そろそろ近場でアコギな商売は限界そうだったし、
落ち着くまで宿代わりにさせてもらおっかなっとね。

286創る名無しに見る名無し2018/04/14(土) 14:50:25.03ID:oZxHuUEU
そうと決まると、次に行うのは情報収集だ。
いつだって勝者は情報を持ってる奴さ。
まずは実質権力を持ってそうな方に探りを入れてみる。
私も不思議に思ったもんさ。なんであんなお子様が国王なのかって。
「……私は、あの子のためにしか行動しない。あの子は皆のために行動するんだ。
 純粋に、心の底から。だから、あの子が国王にふさわしい。」
ーーーーーー。
そう語ったローズマリーの目を見て、私は言葉に詰まったね。
嘘。とっさにいつものような当たり障りのない事を喋ったね。
何を言ったか覚えてないけど。
雰囲気よく自然に離れたと思われる私は、先ほどの言葉を飲み込む。
ありゃあ、本気だねぇ。
見くびらないでくれよ?これでも相手の真意を見抜くのは得意なんだ。
つい先日までたった二人しかいなかった奴のセリフがこれよ。
そうなるともう一人のお子様も気になるってもんだ。
おーい、でこすけー。
「? なんでち? ハピコちゃん!」
おうおう、この何も考えてなさそうな顔。まぶしいね、思わず溶けちまうよ。
いやなに、姉御の事、教えて欲しいなーって。
「あねごって……ローズマリーの事でちよね?」
そう言うと、ちょっと想像してなかったくらい真剣な顔。
「ローズマリーは……ずっと、頑張ってるでち」
……んー、ちょっと聞きたかった答えと違う気が。
「デーリッチの見ていないところでも、ずっと、ずっと頑張ってるんでち」
………………。
「だから、デーリッチも一緒になって頑張れるんでち!」
…………ふーん。

287創る名無しに見る名無し2018/04/14(土) 15:16:03.82ID:oZxHuUEU
誘われた拠点で自慢の筋肉を振るう。
この程度の重さなど、俺様の筋肉の前には藁に等しいね。
それにしてもハグレの王国だって? ガハハハ、面白そうじゃねぇか。
石の塊を担ぎながら、俺はついさっきまでの出来事を振り返る。
ハグレとして鉱山に召喚された俺は、そのまま即戦力として石を掘らされた。
牛人として、ハグレとしても桁外れのパワーを持っていた俺は、
周りの連中より三倍以上は働いたはずだ。
なのに給料は他の連中の二分の一。ハグレだからだそうだ。
勝手に呼び出されて身よりも無い俺は、
生きるためにもその要求をのむしかなかった。
そのままかれこれ数年我慢し続けた俺様は褒められていいはずだ。
だが、ついに我慢の限界を超えた俺は反逆を企てた。
さすがに暴力に訴えるのは最後の手段だ。
ただでさえハグレの世間体は悪い。自ら首を絞めるのも考え物だ。
俺の賃金を搾取する連中がいなくなりゃいい。
今後も考えればこの鉱山を独り占めしたい。
そこで策を練ったわけだ。首無幽霊の噂。これだ。
ただの幽霊だとインパクトに欠けるなと思い、
首を無くすアレンジを施す名采配。
こんな恐怖の存在だったら人間共も恐れ慄くだろうな、と。
さすがの俺様の筋肉も幽霊には分が悪い。……別に俺は怖くねぇよ!?
効果は覿面。ちょっと噂を流しただけでさっさと逃げ出しやがった。
へ、ざまぁ見ろ。これでこの鉱山は俺のもんだ。
そんなこんなで今まで稼いできたわけだが、
最近掘れる石の質が悪くなってきやがった。
だいぶん稼がせてもらった鉱山だが、そろそろ潮時かなっと。
そんな事を考えているところにだ、ちびっこいのとひょろいのが俺の前に現れた。
ハグレ達が安全に暮らせるための王国。そのために力を貸して欲しいと。

288創る名無しに見る名無し2018/04/14(土) 15:51:27.13ID:oZxHuUEU
ちびっこいのから説明を受けた時は、さすがの俺も詐欺かと思ったぜ。
危ねぇ宗教はノーサンキューだからな。
体よく断ろうかと考えてたら、そっちにハピコのやろうがいやがんの。
あいつがいるってことは、ハズレじゃないんだろう。
あいつのそういうところだけは信頼出来る。
……そういうところだけだからな! 勘違いすんなよ!?
まぁそんなわけで、誘われるまま拠点とやらに一緒についてったわけだ。
拠点に着いた俺の最初の仕事は、通路を封鎖する崩れた瓦礫の撤去。
同じ石を運ぶにしてもよ。
これがハグレの国のためだと思うとちょっと心にくるもんがある。
そんな作業をこの三日間続けてたわけだが、
休憩中にハピコのやろうが一人ぶらついているのを見かけたから、
ちょっと聞いてみたのよ。
お前にしてはこんな夢のような話に飛びつくなんて珍しいじゃねぇの。
そしたら、少し考える仕草をした後こう言うわけよ。
「いやね、ちょっと賭けてみようって思ってね」
何にだよ。
「んー………………無限の愛に?」
お前に一番無いモノだな。
「あと安全に儲けれそうだったし」
それが本音じゃねぇか。
……難しいことは分からんが、こいつがいる間は問題ないだろ。

289創る名無しに見る名無し2018/04/14(土) 15:57:19.01ID:oZxHuUEU
後書
原作と違い、マリーさんはあまり喋らず、ほとんどでち子が勧誘・説得等を行っている。
ここのでち子は間違いなく知力3倍はある。(なお)
さて、次はどこまで話が飛ぶかな。
次も出来れば日曜日までに。
お目汚し大変失礼しました。

290創る名無しに見る名無し2018/04/14(土) 18:08:19.53ID:i+uM05Kq
僕にとっての週末が終わってしまった

291創る名無しに見る名無し2018/04/21(土) 23:37:03.99ID:PuAYKCLd
SSは初心者ですが、脳内に思い浮かんだものをつらつらと書いていきます。
今週は仕事が疲れました。地味に渋のssも増えてきている。燃料はある、頑張ろう。

『知力1のバラ』
6話:打算と駆け引き

どうして私はこんなにも無力なんだろう。
これでも他の誰よりも努力しているつもりだ。
1秒でも長く彼女の横に立ちたい、支えたい。
それだけを心の支えに必死になって鍛錬した。
例えそれが、外から見ればやっていないのと同じ様な努力だったとしても、
私からしてみれば常に全力だった。
なのに、それなのに。
どれだけ距離を縮めようとしても、その度にそれ以上の速さで遠ざかっていく。
先ほどの戦闘も、私は支援しか出来なかった。
彼女は圧倒的な強さだった。それでも、数の前についに負けてしまった。
もし、もし私も一緒になって戦えたのなら。
きっと、こんな結末にはならなかったのに。
「私をハグレ王国に、留学させてくれないか」
また一歩、私から遠ざかっていく。
そうだよね。貴女にとって私達の国は狭すぎるよね。
私、頑張るから。もっともっと私達の国を大きくするから。
ハグレ王国にも、帝都にも負けないくらい大きくするから。
だから、だからね。お願いだから。
いっしょにーーーー
「そんなの私がいなくたってどうにでもなるだろ。なぁ、プリシラ?」

292創る名無しに見る名無し2018/04/21(土) 23:48:26.93ID:PuAYKCLd
ヅッチーも私も、今日はマナ温泉に泊まった。
昼間の奮闘に疲れたのか、既にヅッチーは布団の中。
今日でもう三回目になる蹴飛ばされた布団の位置を整えてあげる。
私は、止められなかった。
そもそも私なんかに彼女を止める権利なんてものは無い。
なんたって彼女は王女で、私はただの一国民に過ぎないのだから。
夜が更ける。
殺意が沸くくらい騒がしかったあの連中もいつの間にか静かになった。
一緒に寝ている彼女が起きないように寝床を抜け出し、
シノブさんから任されたマナ温泉で育てている果実の世話をする。
そこで会ったシノブさんとのやり取りを思い出しながら温泉宿に戻る。
曰く、十分期待する結果が得られたとのこと。
この果実を摂取しながら更なる鍛錬を積めば、
ヅッチーに匹敵する力を得れるかもしれない、と。
本当かな。こんな果実なんかで、私が、ヅッチーと……
「あの、お話、いいですか?」
ひゃ、ひゃい!?
思考の海に沈んでいた私は、マナ温泉の入り口に立っている人影に気づかなかった。
驚いて前に注目すると、例の連中の一味である緑のローブの人が立っていた。

293創る名無しに見る名無し2018/04/22(日) 00:02:22.75ID:30InGalH
目の前の妖精は目線を泳がせながら落ち着き無く私と対峙している。
ただし、頼りない印象は今だけのもの。未来においては妖精王国の要。
妖精王国参謀、プリシラ。
妖精王国を僅か数ヶ月で帝都を、いや、
この大陸中のどこよりも資産を蓄えた大国に押し上げる経済の天才。
そして、将来的にハグレ王国と戦争に突入することになる。
原因はヅッチーの王国間での対応の些細なすれ違い。
怪我人はお互いでたものの、奇跡的に死者は出なかった。
でもそれは、あくまで記憶の中での話し。
実際にどのようになるかは、なってみないと分からない。
既に私が別物なのだから。
ならばこそ、戦争そのものを回避する。
「貿易……ですか」
月明かりに照らされたロビーのソファーに座って話を持ちかける。
記憶の中ではヅッチーを通して貿易網の構築を提案され、
ハグレ王国が費用を負担してその案を実施した。
私はあえてこちらから提案する。
未だ、プリシラは殻の中だ。
殻を破る前に、出来る限り主導権は握っておきたい。
妖精王国と共存は可能だ。ただし、同等ではない。
同じ大陸の端に縄張りを張る国同士、同じスピードで国が発展した場合。
いつの日か、間違いなく食い殺される。

294創る名無しに見る名無し2018/04/22(日) 00:43:25.69ID:30InGalH
思いつく限りのメリットとデメリットを天秤に並べる。
少しの取りこぼしも無いように、慎重に答えを出さなければならない。
目の前の女に提案された貿易については、
”ヅッチーの留学宣言時から既に構想を練り始めていた”ことだ。
どうやって実施費用を押し付けるかの算段をしていたが、
まさかその向こうから提案してくるとはちょっと予想していなかったな。
チラリと視線を前に向ける。
………………?
一瞬だったが、何か説明出来ない違和感を確かに感じた。
緑の尖り帽子から覗く表情は、余りにも無表情で何も読み取れない。
実際に、この女の目的が分からない。
未だ弱小国家の妖精王国に一体何を求めている?
せっかく近くの国同士なのだから仲良くしようとか、
そんなありえない理由なんかどうでもいい。
何だ。どんな裏が……
「それと、これは別の頼みごとなんだけどね」
!? 来た、これが本命か!?
「ヅッチーがうちの王国に留学に来るよね。それについてなんだけど」
ヅッチーを人質にとった交渉だと!?
思わずカッとなって怒鳴りそうになったのを必死に抑える。
何を要求するつもりだ?
いや、そもそもヅッチーを交渉の材料に使うのは許せない。
私は席を立とうとした。
「私も留学させて欲しい……妖精王国に」
…………ええええええええええええ!!?
さすがに叫ばずにはいられなかった。

295創る名無しに見る名無し2018/04/22(日) 01:29:55.48ID:30InGalH
「ええええええええええええ!!?」
隣室からハグレ王国の王様の驚愕の声が響き渡った。
私もあんな声をあげたのかなぁと少しだけ恥ずかしくなったり、
部屋の壁の厚さをケチりすぎたかなぁと少しだけ反省したり、
やっぱり素敵だなぁと未だ寝ているヅッチーの頬をプニプニしながら癒されたり。
今日の昼過ぎにはハグレ王国へヅッチーは旅立ってしまう。
ヅッチーは寝苦しそうだけど、今日からしばらく会えなくなるのだ。
今のうちにヅチニウムを出来るだけ補給しておかなければならない。
彼女の上唇を軽くなぞりながら、私は昨日のやりとりを思い返す。
……結局私はあの人、ローズマリーの留学を受け入れた。
留学といってもヅッチーと違って長期的ではなく、
朝方に訪れては一泊した後、翌朝帰ったりといった形態になるらしい。
どうにもハグレ王国の財政を全て担っており、代わりが利かないようだ。
ヅッチーもそうすればいいのに。
彼女が蹴り飛ばした布団から覗くハリのあるお腹を軽く抓んで抗議する。
私はあの人に直接聞いた。何が目的ですか、と。
当初は断るつもりだった。得体の知れない奴を王国に含めるわけにはいかない。
その時だった。私と彼女の視線が確かに重なった。
「今の私では、王国を支えきれません」
……あぁ、なるほど、納得がいった。
「だからもっと、もっと、学ばなきゃいけないんです」
違和感の正体はこれだったんだ。いつも見てきた。彼女の目。
「私は、あの子を支えたい」
私と同じだ。

296創る名無しに見る名無し2018/04/22(日) 01:33:45.29ID:30InGalH
後書
一章なんて無かった、イイネ?
ぶっちゃけ一章に大きなイベントって思いつかなかったのです。
そして話はプリシラ目線に。好きです、プリシラ。好き。
原作の知識を活かして先回り行動をするマリーさん。無双系転生主のテンプレだな!
次も出来れば日曜日までに。
お目汚し大変失礼しました。

297創る名無しに見る名無し2018/04/22(日) 01:58:30.97ID:KN92SP87
好き。

298創る名無しに見る名無し2018/04/27(金) 22:40:59.31ID:lVldZj2Z
SSは初心者ですが、脳内に思い浮かんだものをつらつらと書いていきます。
渋にタワー女神のssが上がってた。まさかこちらで話題を挙げてた方でしょうか。感動しました。
一体どこで差がついたのか……慢心、環境の違い。

『知力1のバラ』
7話:変わった関係と消えない頭痛

全身の力を抜いて背中の岩にぐったりと寄りかかる。
肺の中の酸素をゆっくりと吐き出しながら空を見上げる。
雲一つ無い澄み切った満天の星空は圧巻の一言だ。
ゆっくりと右手を掲げ、手のひらを満月にかざして掴み取ろうと試しみる。
握った手のひらを開いてみたけど、残った水滴が零れ落ちただけだった。
なんだかなぁ。
自分でもよく分からない苦笑をした後、そのままゆっくりと目を閉じる。
風が草木を揺らす音と湧き出る温泉の音が鼓膜を打つ。
ここは妖精王国の秘湯、マナ温泉。
誰もが寝静まった頃に湯船に身を沈める。
豊かなマナを含む温泉に浸かる事で日中の疲れを癒す。
軽く頭が船を漕ぎ出した頃、脱衣所の入り口がカラカラと開いた音に意識を戻す。
ぺたぺたと足音が近づき掛け湯の音が響くと、彼女は私の横の空間に身を沈めた。
「そのまま寝ると溺れますよ?」
閉じていた目蓋を開いて横目にチラリと彼女を見る。
いつの間にか私より身長が伸びた彼女、プリシラと目が合う。
私より引き締まった体はもはや以前の貧弱な印象を感じさせない。
むしろ溢れ出る強い意志という雰囲気を纏った彼女に、
少しばかり惚れ惚れとしてしまう。
……胸はまだ勝ってるかな。
しょうもない感想を抱きながら、とりとめのない会話を続ける。
「それにしても、今回は大変でしたね」
彼女は手ぬぐいでタコを作りながら問いかける。
それを聞いて、私はついこの前の出来事を思い浮かべた。
トゲチーク山岳地帯の事を。

299創る名無しに見る名無し2018/04/27(金) 22:44:17.63ID:lVldZj2Z
私の頭痛が止む日は無い。
毎日毎日、寝る時は自分のマナが空っぽだ。
マナの使いきりからくる、吐き気も頭痛も苛立ちも、
妖精王国から輸入しているマナジャムで幾分かマシになったほうだ。
重い体を引きずり自室の扉を開ける。
後はただ泥のように眠るだけだ。
同じベッドで寝ているデーリッチを起こさないように布団に潜る。
以前せっかくヅッチーが来たのだから、
子供同士同じ部屋で寝たらどうだいって提案したのだけど、
デーリッチは頑として首を縦に振らなかった。
ちょっと嬉しい反面、もっと他のメンバーにも興味を持って欲しいと思う。
その関わりがより君を成長させてくれるから。
妙に寝相のいい彼女の頭を優しく撫でながら明後日の依頼内容を思い浮かべる。
トゲチーク山岳地帯の魔物討伐依頼。
初めてローズマリーがマナ不足を理由に倒れる場所だ。
私も同じ様な事になるかもしれないが、記憶と違う点がある。
この時点で、私にはマナジャムがある。
明日は日課の鍛錬を取りやめて体調を整えればいい。
それに、マナが足りない事などもはや日常だ。
いつもの事だが、それでも失敗は許されない。
ふと、部屋に置いてある姿見を見る。
自分しか映っていないはずのそこには、頼りない出来損ないが映っている。
……頭が痛い。
ひとしきりデーリッチを堪能した後、私の意識はベッドに沈んだ。

300創る名無しに見る名無し2018/04/27(金) 22:46:55.20ID:lVldZj2Z
洞窟内の魔物を討伐するため、三方向から同時に攻め入り殲滅する。
当初の予定通り狼煙が上がった事を確認した私達のチームは、
満を持して洞窟に突入した。
想定ではさほど強くない魔物がいるだけだったのだが、
実際には見た事の無い歪な姿をした魔物が洞窟内に溢れかえっていた。
洞窟内に反響する戦闘音、怒号、悲鳴。
目の前の魔物を全力で焼き払い、息を整える。
「撤退だ! 余力のあるものは怪我人をカバーしろ!」
傭兵部隊の隊長であるジュリアが撤退を宣言する。
賛成だ。もはやこちらの部隊は壊滅しており、このまま応戦しても勝機は薄い。
私達ハグレ王国なら陣形を維持しながら撤退する事も十分できる!
光明が見えたと意気込んだ瞬間――
「マリー!? ローズマリー! しっかりするでち!!」
ふいにデーリッチの叫び声が耳に飛び込んだ。
驚いて振り向くと、口元から血を流したローズマリーをデーリッチが必死に支えている。
攻撃を受けたのか!? 横にいた仲間に目配せした後急いで二人に駆け寄る。
一番奮闘していたのは間違いなくマリーだった。
二種類の魔法はそれだけ有利に働いていた。
そのマリーが倒れるのは士気に関わる。側に駆け寄った私はデーリッチに経緯を求めた。
「マリーは本人のマナが少ないんでち! 魔物が溢れてるここじゃマナが足りないんでち!!」
マジか!? 私むっちゃ頼ってたじゃん!?
って驚いてる場合じゃない。そうだ、パンドラで転移しよう!
「無理なんでち! パンドラはマナを大量に使うから、ここじゃ使えないんでち!」
クッソ、駄目か。
この間にもだいぶ魔物に押されてきている。どうにかしなくちゃならんのに!
「エステルちゃん」
私を呼ぶデーリッチの声は、私が王国に来て初めて聞く声色だった。
「デーリッチがしんがりをやるでち」
…………は?

301創る名無しに見る名無し2018/04/27(金) 22:48:38.76ID:lVldZj2Z
「エステルちゃんはローズマリーを担いで出口に向かって欲しいでち」
言葉の意味を理解するのに苦労するとは思わなかった。
理解できたとたん、頭がカッとなって叫んだ。
ばっ、バカヤロー!! そんなの任せられる訳ないだろ!!?
あんた王様だろ! 自暴自棄になってんじゃねぇ!!!
どこの世界に王様をしんがりに配置する国があるだろうか。
日頃の私からして、だいぶ凄い形相で叫んだ方だと思う。
それでも、この子は冷静だった。
「ジュリア隊長は先陣を切って欲しいでち。 頼めるでちか?」
「……ああ、分かった」
そう言ってジュリアは陣形の組みなおしの指示を行い始めた。
迷いは一瞬だけで、行動は迅速だった。
「エステルちゃん」
私を呼ぶ声が聞こえる。
流れで居ついた王国だったけど、なんとなく分かったつもりでいたんだ。
でも、実は何も分かっちゃいなかった。
「デーリッチは頑丈だから、心配はいらないでち。 だから、ローズマリーを頼むでち」
目の前の小さな女の子は、間違いなく王様だったのだ。
王様が私に頼んでるんだ。私も決断する。
ああ、任せろ。
王様に支えられたローズマリーを肩に担ぐ。
軽いなおい。
これが人一人分の重さだろうか。
一体何食ったらこんなに軽くなるのか。私にも食わせろ。
「皆で生きて帰るでちよ! 絶対でち!!」
王様の掛け声で心も軽くなる。
さぁ、いつものように走りますか。

302創る名無しに見る名無し2018/04/27(金) 22:51:19.22ID:lVldZj2Z
「あの日からエステルが肉食え肉食えって煩いんだよねぇ」
あと人参も、と苦笑いしている彼女を見る。
あの日、文字通り飛んできたハグレ王国の話を聞いた私は、
はたまは文字通り彼女をマナ温泉にぶち込んだ。
それからしばらく療養したお蔭か、随分と顔色は戻ったし、軽口も出るようになった。
温泉に浸かって蕩けた顔をしている彼女を見ていると、
何故かだんだんと心がイラついてくる。
私はサッと立ち上がると、彼女の両手を取って縁の岩に押し倒した。
「………………え?」
彼女は呆けた顔で私を見上げる。
まるで想定していなかったのだろう、反応するのに5秒はかかった。
遅い、遅すぎる。
油断しすぎではないだろうか。
私達は同盟国だが、同じ国ではない。味方ではない。
今なお反応できていない彼女なら、すぐにでも殺す事が可能だ。
ここでなら、事故で処理する事もできる。
彼女の居ないハグレ王国は、もはや脅威ではない。
私達参謀は決して接近戦が仕事ではありません。
ですが、鍛えるのを疎かにしてはいけない。
細すぎる手首。
あの頃の私よりも細いのではないか?
私と日中は財政について学んだ後、毎夜魔法の鍛錬を行っている事は知っている。
それが自分のためではなく、誰のために身を削っているのかも知っている。
「……プリ、シラ?」
ようやく少しばかり読み取れるようになった彼女の瞳と、声色に混ざる感情は困惑。
どうやら彼女には命の危険が感じ取れないらしい。
………………キレましたね。
ちょうどいい、コイツはモルモットにしよう。
彼女にあることを告げ、私は脱衣所に向かう。
「えぇ!? マナ温泉の夜間使用禁止!? ちょ、ちょっと待ってよプリシラ!」
背後から非難の声が聞こえるが無視する。
私の頭の中は既に彼女の一日のスケジュールでいっぱいだ。
まずは食事の管理を徹底する。
この国にひと月の半分は在住しているというのに、
あんな体では私達が食わせてないと勘違いされてはたまらない。
妖精王国の威信に関わる。
次は睡眠改善だ。
楽しくなってきた私の口元は、いつの間にか弧を描いていた。

303創る名無しに見る名無し2018/04/27(金) 23:02:47.72ID:lVldZj2Z
※ステータス更新
「マナジャム(偽)」を削除して「マナジャム」取得
「マナジャム」―対象の魔法を2段階強化。(3ターン)さらにHPとMPを微回復。TP40

後書
プリマリは俺達の国家運営。
絶対に分からないであろう複線を撒けて満足した。回収できるかは不明。
トゲチークは原作では傭兵部隊が先走ったお蔭で敵戦力が一箇所に集中しているというメリットが生じている。
そのお蔭で戦闘ではなく、あくまで撤退戦が成立したと仮定。
本作は予定通り狼煙が上がったため全員で突撃した結果、
すぐに全滅にならず、すぐに撤退することも出来ず、
マナが枯渇する中延々と戦闘し続けたマリーさんの図。
いやー、ここのでち子が覚醒してなかったら誰か死んでましたね、よかったよかった。

次は月曜日までに。このSSはGW中に終わらせる。
お目汚し大変失礼しました。

304クラマ君と福ちゃん2018/04/27(金) 23:16:58.40ID:QQWOciWm
大明神「セクシーが足りない。こんなの午後四時閉店レベルですよ!やり直し!」
くらいの小話


「流石は鞍馬天狗、ですわ。見事な風ね」
「そりゃどーも」
 しくじった。完全に見誤った。
 海の町の祭りの熱気が届かないハグレ王国。その巨大銭湯。近隣住民の利用も多いここでの一人風呂は、金銭では得られない贅沢であった。
 それをしっかり堪能し、鼻歌交じりで出てきたクラマ。
(たまには牛乳でも飲んでみるか)
 風呂上りは冷たい和茶ガチ製の彼がそれだけ浮かれていたのである。だから、一瞬対応が遅れたのも仕方ないだろう。
「あらクラマ君」
 本当は回れ右したかったのだが、本能にまで染み込んだ彼女に鍛えられた下っ端根性がそれを許さなかった。

「どらいやーは便利ですけど……熱気が籠もるのが難点なのよね」
「はぁ、そっすか」
 ロビーに設けられた藤椅子にゆったりと脚を組んで腰掛け、後ろで仰ぐクラマに言うでもなく福ちゃんはゆったりと笑う。
 特濃牛乳と引き換えに十分扇ぐ約束をしてからすでに十五分経過している。追加のゼリーがあるとはいえ、神が一度交わした約束を違えるのはどうなのだろうか。
「うふふ、珍しく二人きりですもの。堪能したって罰は当たりませんわ」
 エルフ王国産の和茶(矛盾が酷いが事実だ)でしっとり濡れた唇がゆったりと弧を描き、同じ角度の目から艶やかな紅い眼差しがクラマを捉える。
「ポッコちゃんには悪いですけど、せっかくの機会ですからね。たっぷり楽しませてもらいますわぁ」
 ちらりと振り向いて上目遣いでクラマを射抜く。白い肌と浴衣、豊かな濡羽色の髪のなかで僅かな紅はそれは印象的で。
「これが続くんなら止めてもいいっすか? 違約金は水羊羹で勘弁してください」
「あらあら。怒っちゃ嫌ですよ〜……うふふ!」
 じっと一点を見つめたクラマがからかわれていると気づくまで、またしても時間をとられてしまうのも無理は無い話で。
 ぷいっとそっぽを向いても耳に届くのは変わらず楽しそうな調子。すっかり彼女のペースだ。
(そりゃ、俺がこの人を出し抜けるわけが無いんだが……)
『女性に、しかも年上を出し抜こうなんて……ダメだよ。考えるだけ無駄だよ……』
 境遇が似ている先輩のげんなりした顔と声が妙にリアルに蘇る。何ならあの晩交わした酒のほろ苦さだってありありと思い出せる。
 あちらが実姉と幼馴染、こちらは上司と差はあるが長い付き合いから得た哲学は寸分違わず合致した。
 道具屋は困ったような笑顔をしていたが、彼はまだ知らないのだ。いや、知る必要は無い。可愛がられる苦労もあるだろうが、こちらよりはずっといいはずだ。
「手が止まってますわよぉ?」

305クラマ君と福ちゃん2018/04/27(金) 23:33:39.20ID:QQWOciWm
「あ、すいませ……っ!?」
 思い出すうちに手が止まっていたようだ。
急いで再開しようとして顔を向けると、扇ぐ手が見えた。
 問題なのは襟ぐりを広げたせいで、辛うじて隠れていた鎖骨が露なこと。
パタパタ手を動かす先の、華奢で白い首の、意識もしなかった産毛が風と光を受けてキラキラとそよいでいる。
「火照ってきちゃったわ……もう、せっかく汗引いたのに」
 ふわり、とかすかな甘さを含んだ清潔感溢れる香りが鼻をくすぐる。
クラマの鼻の先を未だしっとりとした黒髪がすり抜けて、くるくると高いところで纏められた。
 見覚えのある珊瑚色のかんざしは、ポッコと買い物にいったとき持たされた荷物にあったもの。
袋の中にあったときは『この前のと何が違うんだ?』とため息を吐くだけだったそれが、艶やかな黒髪のなかで負けないくらいの輝きを放っている。
 そう、まるで彼女の瞳のように――
(って、何考えてんだ!)
「ちょっとクラマ君? バサバサしすぎないで下さいね?」
 慌てて気を取り直して、しかしまだ動揺が抜けず少々強めに扇いでしまったようだ。
福ちゃんの抗議に改めて息を整え、ゆっくりと風を送る。
(別に今更慌てるほどのモンじゃねーだろ……!)
 福ちゃんに限らず元々ハグレ王国の女性陣はレオタード、紅茶、ヘソだし、ミニスカート、透けスカート、そして今熱いのは水着と開放的な格好の者が非常に多い。
そしてそれは天界の女神たちにも言えることだった。職業柄、そうしないと威厳と人気が保てないらしい。女性は大変である。
『だからこそ普段鉄壁を誇るローズマリーさんやジュリア隊長の水着は尊いんです! 水着はすべて尊いですが!! ここ大事!!!』
 男飲み会に乱入してマッスル先輩と熱く頷きあった(野郎と握手はノーサンキューらしい)大明神の主張が超スピードで脳裏を駆け抜け、そして去っていく。
軌道修正が必要だった。
「はー。風が通り抜けるのは気持ちいいですわね〜」
「長いと大変っすね。俺は良くわかりませんが」
「いい男は女心をつぶさに読み取るものですのよ? そうすればクラマ君サイテー! なんて言われずに済みますわよ」
「名誉毀損!!!」
(……よし)
 からから笑う上司にひとまず反論して、ようやく息が落ち着く。
 そうだ、普段着からしたら今の格好など大人しい方なのだ。
いつもは出ている脚は浴衣の裾から覗く程度。
身体の線は薄く柔らかい布にやんわりと覆われていつもよりあやふや。
 そうだ、せいぜい強いて言うならば髪を上げたことでいつもは見えない項が――
「あ」

306クラマ君と福ちゃん2018/04/27(金) 23:35:04.92ID:QQWOciWm
 波立つ心を落ち着けるため、ばれないように足元から上がってきたクラマの視線がほっそりとした項に辿り着いたとき、それを見つけてしまった。
 纏め上げたときに漏れたのか、するりと落ちてしまったのか。
しっとりした一房が薄く首筋に絡み付いている。
『福の神様。ここ、髪の毛が』
 口に出したつもりだったが、それより早く手が動いてしまった。
 張り付いて気持ち悪いだろうと、純粋な気遣いで。
伸ばした指は髪と肌の間にすべりこみ、そして爪先がさっと肌をなぞると

「あひゃ」

 何とも気の抜けた声が上がり、ビクン! と大きく肩と椅子が揺れた。
その拍子に髪の房は首筋を離れ、クラマの指先を軽やかに滑っていく。
「……」
 ガタっと珍しく音を立てて立ち上がった福ちゃん。
クラマの指があたった箇所に手を当てて、呆然と目を見開いている。
(珍しい)
 いつもにっこりと弧を描くか、威圧感溢れる半眼が多いだけに、まん丸に見開かれた紅い瞳は実に印象的であった。
 何を言っていいかわからず黙っていたのは一瞬か数分か。
「ク、クラ……クラマく……ん」
 石になってしまったかと思うほど微動だにしなかった福ちゃんが、やっととばかりにたどたどしく言葉を紡ぐがまともに形にならない。
絞り出すように出した呼びかけで唇が閉じた瞬間、瞬きする間もなく白く透ける肌が茹蛸のように真っ赤に染まった。
「!?」
 頬を紅潮させ、真一文字に結んだ唇、だけでなくよくよく見ると微かに全身が小刻みに震えている。
いつも派閥の長として、そして福の神として悠然と構えている姿とは程遠い彼女の様子に、クラマは思わず手を伸ばし――
「……!」
 上げた指の動きで空気が動く。
彼の鼻先を甘やかな香りがくすぐり、そして湿り気を帯びた風は先ほどの髪の感触を思い起こさせるかの如く指先をするりと舐め上げた。
「あ、あ……」
 言葉も思考もまとまらない。
 尋常ではない様子にまずは謝りたいのだが、出てくるのは白い項から伸びて張り付く髪、指先から逃げる感触、甘く湿った香り。
 そしてとても楽しそうな『珍しく二人きりですもの』

「すっ! すまっせんデしたぁッ!!!」
 クラマの容量ではそこまでだった。固まりそうになる口を必死に動かして、転げるようにロビーを後にする。いや実際転んだ。
 それを気にする余裕もなく外に出ると、舗装された道ではなく草が生い茂るなかを突っ走る。
羽が低木にぶつかるが、気にする余裕があったらこんなことにはなってない。
「ああああああああ!!!!!」
 喉が張り裂けそうになるくらいの絶叫を上げながら、無意識に落ち着く高所――てこてこ山を目指してひたすら駆け抜ける。

 のちに『てこてこ山の烏天狗』なる怪談が出来上がることも今は知る由も無く。クラマは心身を駆け巡るわけのわからないエネルギーに

突き動かされるようにひたすら駆けていった。

307創る名無しに見る名無し2018/04/28(土) 01:30:38.50ID:w9Cf004Y
マリーも夢の女神様も福鞍も良き
GW の活力

308創る名無しに見る名無し2018/04/30(月) 23:45:35.30ID:b/BncYUW
SSは初心者ですが、脳内に思い浮かんだものをつらつらと書いていきます。
今回のタイトルも微妙。もっとかっこいい韻の効いたタイトルを考えていきたい。

『知力1のバラ』
8話:たった1つの誤算

事の始まりは1枚の手紙。
エステル宛に届いたという手紙には、
ケモフサ村というハグレの村からゼロキャンペーンを行って欲しいとの依頼が記されていた。
帝都が発行している地図には記載されていない村からの手紙。
ゼロキャンペーンはもろもろの理由で現在行っていない。
断ろうか、という意見もでたが、
せっかくのハグレの輪を広げる機会だ、積極的に生かすべきだろう。
今行っている財政基盤の整理を完了させてから向かうとしよう。
そう結論付けて私とエステル、そして古代ゴーレムのブリギットの力を借りて書類を片付けにかかった。
……結局、妖精王国とは戦争にならなかった。
妖精王国で経営を手伝っている間は、他の妖精達にヅッチーの武勇伝を広めたり。
ヅッチーが帰る日はそれとなくお土産を持たせたり。
ハグレ王国の大掃除日と重なった妖精王国建国記念日を忘れずにリークしたり、と。
そのお蔭か、ヅッチーと妖精達の間での不和は、ほとんど最小限に抑えられた。
また、プリシラがやりすぎないように適度に緩和策を出したりと、
地域へのいざこざもなんとか抑えられている。
……私の案の穴をチクチク指摘するプリシラの嫌らしい事嫌らしい事。
最近妖精王国では、警備隊以外の夜間外出が禁止されてしまった。
なんでも近くに熊の大群が出没したとか。
あの日からプリシラの申し出で近接格闘の鍛錬をつけて貰っているが、
その代償が余りにも重い。
新商品のモニターだとかで、色々な食べ物を勝手に口の中に放り込んでくるのだが、
これが恥ずかしくてたまらない。
正直勘弁して欲しい。
プリシラから学んだ経済学は、ハグレ王国を運営する上でとても役に立った。
今まで私一人で行っていたが、なんとブリギットとエステルが手伝いを申し出てくれた。
私が妖精王国で学んでいる間は二人がサポートしてくれている。
早いところ書類仕事を終えてケモフサ村に向かおう!
新たな目標に決意すると同時に口の中に新たに放り込まれた何かを飲み込む。
……美味しい。

309創る名無しに見る名無し2018/04/30(月) 23:46:01.76ID:b/BncYUW
状況は間違いなく最悪だ。
目の前に化け物、後ろに狼だ。
ゼロキャンペーン実施可否の検討のため、
ケモフサ村の戦士、マーロウさんと一緒に魔物が湧いているという水晶洞窟の奥地へ移動したのだが、
果たしてそこには、行方不明になっていたシノブさんが待ち構えていた。
シノブさん曰く、この世界と別世界を自由に行き来出来るゲート、
相互ゲートを作る事でハグレを元の世界へ帰す、又は世界を選択する事でハグレという問題を解決したいらしい。
この世界に勝手に連れて来られたハグレ達にとっては、間違いなく朗報だろう。
これだけを聞くと、何が最悪の状況なのだろうと思うかもしれない。
シノブさんは私達にキーオブパンドラを要求してきた。
相互ゲートに必要なのではなく、私達に邪魔をされないために手元に置いておきたいと。
邪魔? ハグレが元の世界に帰れる可能性があるのなら、それを止める必要性は感じられない。
困惑している私の横から、デーリッチが一歩踏み出した。
「シノブちゃん。それは大きな問題を抱えてるでちね?」
大きな問題。それは一方的な召喚ではなく、相互に行き来出来るゲートだという事。
つまり、ハグレが帰るだけではなく、自由に向こうからやってこれるという事。
ハグレはこの世界の住人よりはるかに強い。
ハグレの差別が平然とまかり通るこの世界に、もしもハグレが大量になだれ込んでもしたら、
血気盛んな連中は間違いなく結託し、この世界に牙を向く。
ハグレの覇権を求めて。

310創る名無しに見る名無し2018/04/30(月) 23:46:34.52ID:b/BncYUW
シノブさんと挟み込むように出口を塞いでいるマーロウさんも乗り気だ。
そう、彼は求めているのだ。
ハグレによる、ハグレのための戦争を。
確かにハグレという存在はこの世界の問題だ。
勝手に召喚し、安く使い倒し、後はほったらかし。
何かしらの手は打たなければなれない。
それが、そのためのハグレ王国なのだ。
彼女が、デーリッチが望んだ国こそが答えなんだ。
争いもしがらみも包み込んだ、ハグレが差別されない国。
最初は御伽噺に足を踏み入れるようなミーハーな気持ちだったのは否定しない。
それでも、彼女に出会って分かったのだ。
彼女こそが、この世界の鍵なのだと。
なんとしても生きてここから帰還しなければならない。
幸いシノブさんは傍観に徹するようだ。
それにしても、10年ほど前に起きたハグレ達が反旗を翻したハグレ戦争、
その戦争の生き残りだけあってマーロウさんは明らかに私達より格上だった。
キーオブパンドラさえ渡せば殺す気はないという。
しかし、これは渡せない。これは王国の象徴なのだ。
当然返してくれるという保障もないし、そもそも戦争を起こさせるつもりもない。
ただ、粘るのも時間の問題だ。どうすればいい、どうすれば……
応戦しながら考えが纏まらない私に、デーリッチが小声で呼びかける。
「ローズマリー。デーリッチに秘策があるでち」

311創る名無しに見る名無し2018/04/30(月) 23:47:56.12ID:b/BncYUW
シノブちゃんの罠により、この場所のマナは極端に薄い。
マナを大量に使用してワープするキーオブパンドラはここでは使えない。
……と、シノブちゃん達は思っている。
実はさっきから試してるんでちが、ちょっと反応してるんでちよね〜。
全員で飛ぶ事は出来ないけども、一人くらいなら飛ばすことが出来そうでち。だから。
デーリッチが飛ぶ。
ワープ出来ないと思い込んでいる相手は驚いて、必ず隙が出来る。
その隙を突いてこの洞窟から脱出。
拠点に飛んだ後、仲間を引き連れて急いでここに戻ってくれば、
多勢に無勢、向こうも無茶は出来ないはず。
だから、ローズマリー、信じて待ってて欲しいでち!
「…………いや、駄目だ」
……っえ?

312創る名無しに見る名無し2018/04/30(月) 23:48:17.12ID:b/BncYUW
どうしてでちか!?
「今のメンバーでは、回復役はデーリッチが頼りだ。万が一があった場合、危険すぎる」
ハッとなって今なお戦っている仲間を見渡す。
マッスル、エステルちゃん、ヅッチー、かなちゃん、そしてイリスちゃん。
みんなみんな頼れる仲間達。
だけど、確かにこのメンバーで回復役に徹せれるのは自分だけだ。
マッスル、かなちゃんが必死に盾になっている。
当然、無傷ではない。
今は均衡を保っているが、それもいつ崩れるか分からない。
だけど、このままじゃ……
「だからね、デーリッチ」
名案だと思った秘策を否定され、どうすべきかと悩んでいると、
帽子の影から真剣な目をしたローズマリーの顔が見える。
……おかしいでちね。何度も見てきた、ローズマリーの目。
「私が飛ぶ」
デーリッチはこの目がとても怖く感じる時があるでち。

313創る名無しに見る名無し2018/04/30(月) 23:48:44.13ID:b/BncYUW
デーリッチが先陣を切って集合地点に向かう。
まったく頼もしい背中だよ。
あの混戦の中、マリーとデーリッチの二人で実施した奇策は、見事二人の虚をついた。
キーオブパンドラで転移するための必要なマナの量は転移させる人数に比例する。
そして転移できる範囲はある程度決まっている。
つまり、一人だけ転移しようとすると、一旦集団から離れないといけないのだ。
戦っているマーロウの意識は常にデーリッチに向いていた。おそらく、シノブも。
シノブのゼロキャンペーンを利用した作戦により、転移は封じられている。
それでももし、転移するならデーリッチしかいない。
シノブもまさかマリーが転移するとは思いもしなかったのだろう。
あの子の珍しい驚いた顔は、ちょっと他には思い出せない。
油断した二人の隙をついて、私達は洞窟から脱出した。
後はマリーが拠点に待機している王国民を連れてくるのを待つだけだ。
…………そう、待つだけだったはずなんだ。
空が青色から茜色に変わる頃、飛んできたハピコの言葉に愕然とする。
皆の帰りが遅いから、確認しに飛んで来ただけだと。ローズマリーには会っていない。
作戦は上手くいった。
ただ、たった一つの誤算があった。
その日、ローズマリーはついに見つからなかった。

314創る名無しに見る名無し2018/04/30(月) 23:49:39.11ID:b/BncYUW
後書
※ステータス更新
「妖精王国の経済学」取得―王国会議時の出費額をデーリッチのレベル3乗から2乗に変更。

衝撃の事実。今まで王国の出費は原作よりひどかった。これは赤字ですわ。
あと、ここのマリーさんの原作知識は2章まで。
エステルさん独白は使いやすくて便利。さすが裏の主人公。
逆にデーリッチは”私”という単語が使えなくてつらい。
明後日までにはもう1話出来れば。
お目汚し大変失礼しました。

315創る名無しに見る名無し2018/05/01(火) 01:35:25.18ID:TmNYHN4V
異世界前にイリスチャン仲間にしててしゅごい
あれ仲間にできたっけ?こっちの世界だから?

316創る名無しに見る名無し2018/05/02(水) 00:54:35.94ID:diOVilAJ
マリーの知識は2章まで、撒かれた伏線
色々気になる 目が離せませんな

317創る名無しに見る名無し2018/05/02(水) 19:32:22.87ID:Rc8XE8u4
ゲームだと異世界後に6層解禁だからイリスちゃん居らんよ

318創る名無しに見る名無し2018/05/02(水) 20:47:27.08ID:T/1kt0bJ
SSは初心者ですが、脳内に思い浮かんだものをつらつらと書いていきます。
この物語ではハグレ王国は自転車操業ゆえ赤字回避のために次元の塔を回しまくっており、
推奨レベルより平均10くらい大きい。(裏設定)
ゆえにヘルパーさんも早めに階層を開放してます。(裏設ry)


『知力1のバラ』
9話:それぞれの思惑

魂が輝く時はどんな時か知ってるか?
……アーハン? そんな概念的な話は意味が無いだって?
そいつはユーの目がブラインドネスなだけデース。
もっと物事の本質を見ることをオススメするぜ。
魂が輝く時は二種類ある。
一つは、死に直面した時。
誰もが普段意識しない生にしがみつくその瞬間は、
高級な霜降り肉が炎に炙られ、無駄な油が滴り落ちる様を見せつけれらるが如く、
たまらなくオイシソウな瞬間デース。
……ジュルリ。
オット、冥王姫に相応しくない行為でシタ。
ユーは何も見ていない、オーケー?
だから、魂を頂く時は適度にイタメツケルのが調理のコツ。
この適度にっていうのがモーストインポータント、調理人の腕の見せ所になる。
絶望して生を諦めてしまった魂は、
焼き焦がして灰になった肉に等しくオイシクないデス……。
もう一つは、何かしらの信念に燃えてる奴。
瞬間的なオイシサは前者に劣るが、根本的な品質はこちらの方が上。
磨かれきった魂を適度にイタメテまるっと頂く。
この贅沢を一度覚えたら止められないネ。

319創る名無しに見る名無し2018/05/02(水) 20:49:58.58ID:T/1kt0bJ
次元の塔でワタシを閉じ込めていた扉から入って来た連中は、
どいつもこいつも輝きに満ち溢れていた。
その中でも気になった魂が二つ。
小さな体に収まりきらない程大きく、そして眩しい輝きを放つ奴が一人。
この国のスモールキング。
そして、特に気になったもう一人。
歪な色をした、自ら燃やし尽くさんとばかり輝く者。
この国の裏のボス。ローズマリー。
今、彼女はこの国にいない。
なんでも転移に失敗したとかで、周りの連中は右往左往している。
人の生き死にに関してワタシとしてはどうでもいい事だが、今回ばかりは別だ。
あれほど輝いていたスモールキングの魂にも穢れが見えてきた。
これは非常に勿体無い。
早く彼女には戻ってきてもらわねばならない。
それに、魂もそうだが、彼女自身にも興味がある。
本来一つの魂には決められた色がある。
それは本人の気質からくる色であり、
当然生きているうちに人生の機転で気質が変わることもよくある話だ。
だが、ローズマリーのアレは何だ?
元々ある色をまるで侵食するかのような暗い色。
呪いか、果たして…………
長く生きてきたが、あのような魂は見たことが無い。
今後どんな形に変わるのか、どんな味がするのか。
……アレは必ず手元に置いておきたい。
長く生きる者にとって、退屈を紛らわすモノは永遠の課題だ。
契約で死後の魂を縛り付けてワタシのモノにしておきたい。
きっとワタシをタノシマセテくれる。
誰にも渡すつもりは無い。

320創る名無しに見る名無し2018/05/02(水) 20:51:55.27ID:T/1kt0bJ
くたくたになった体をベッドに放り投げる。
小さな一人用ベッドの中央を陣取っているのに、いつもより広く感じてしまう。
いつも一緒に寝ている彼女がいないから。
ローズマリー、何処にいるでちか……。
近隣の村々の力も借りて、王国付近の街道はくまなく探索した。
明日はてこてこ山を山狩りする予定だ。
ここで見つからなければ、次はどうすればいいのか。
ローズマリー、ローズマリー。
ローズマリーと出会ってから、今までずっと一緒だった。
国の運営は常に厳しかったけど、デーリッチだけでは絶対にどうにもならなかった。
最近プリシラちゃんにこっそり教えてもらったのだけど、
ローズマリーが夜に魘される回数が増えてるらしい。
トゲチーク山岳地帯での出来事があったあたりからだそうだ。
あの時だって、ローズマリーが踏ん張ってくれたおかげで、王国民は死者が出なかったのに。
ローズマリーは自分が倒れた事をひどく悔やんでいた。
何かに取り付かれたように魔法の鍛錬をするローズマリーを止められない。
このまま続けていると、いつしか壊れてしまう。
どうしたら彼女を止められるだろう。
その時、部屋に置いてある姿見が目にとまった。
そういえば、ローズマリーは寝る前にいつも鏡を睨んでいた。
解決の糸口を探しに、疲れた体を起こして鏡の前まで歩く。
鏡にはだるそうにしているデーリッチが映っている。
何処にでもありそうな普通の姿見だ。
鏡に映る時計は既に明日になっている。もう寝なくては。
もう一度ベッドに倒れこみ、今度こそ眠りに落ちる。
ローズマリー、早く会いたいでち。

321創る名無しに見る名無し2018/05/02(水) 20:53:58.62ID:T/1kt0bJ
ローズマリーさんが行方不明になってから二日たった。
今でもてこてこ山ではローラー作戦が実行されている。
近隣の村の住人にも協力を呼びかけて、あの子が陣頭指揮をとっている。
とてもすごい事だ。
ヅッチーにも王女としての血は流れているが、今の段階では比較にならない。
それほどのカリスマを感じさせる。ヅッチーにとってもいい刺激になるだろう。
刺激といえば、プリシラを筆頭に妖精王国も熱心に捜索に参加している。
彼女もハグレ王国から大きな刺激を与えられたのだろう。
ヅッチーが居た頃から実際に妖精王国を運営していたのは、プリシラと言っていい。
慢性的なマナ不足ゆえ戦闘は不得手だったが、
シノブさんという方から得たマナジャムによって、その才能も開花させた。
賭けだった。
妖精王国はヅッチーのカリスマから成り立っていた。
実際の運用には携わっていなかったとしても、必要な存在だった。
もし、何らかの理由でヅッチーがいなければ?
万が一ヅッチーに何かあれば?
一時は一致団結するだろうが、長くは持たない。
必ずどこかで崩れ始め、妖精王国は滅亡するだろう。
それはプリシラに限らず、全ての妖精達の内面の問題だ。
彼女らは根本的に臆病で、優しい存在なのだ。
頼りになる存在に依存し、甘え、全てを委ねる。
それでは駄目だ。自立しなければならない。
そんな折にきた、ハグレ王国の知らせは渡りに船だった。
ヅッチーから言い出さなければ、私が留学について誘導しただろう。
そうしてヅッチーを妖精王国から離れさせ、妖精達に自立を促す。
そして見事、妖精王国は生まれ変わった。
彼女らは自分達以外の存在を認め、受け入れ、協力し合うようになった。
私は彼女達を誇りに思う。

322創る名無しに見る名無し2018/05/02(水) 20:56:47.17ID:T/1kt0bJ
予想していなかった事といえば、そのローズマリーさんについてだ。
まさかハグレ王国の立役者の一人である彼女が、逆に妖精王国に留学するとは。
結果的に言えば、これは妖精王国にとって多大なプラス要素だった。
なんでも積極的に妖精達の輪に入り、ヅッチーとの関係を取り持ってくれたようだ。
妖精達にとっても、外から来た彼女は興味の対象だっただろう。
私の調査では、妖精達の間で国から離れたヅッチーに対する懐疑的な感情は、
少なからず存在していた。
表には極力出さなかっただろう、プリシラにも似たような感情はあったはずだ。
放置していれば、何かしらの形で爆発していたかもしれない。
そこをローズマリーさんが上手く立ち回ってくれた。
妖精王国からハグレ王国への好感度は悪くない。
妖精達の中では、相当にローズマリーさんは受け入れられている。
……最初からそれが目的だったのだろうか。
起こるべき爆発を事前に解除し、取り入る。
私達の会合からここまで計算していたのであれば、一体どれだけ先が見えているのだろう。
警戒すべきプリシラも、どちらかといえば既に懐柔されている。
ローズマリーさんの人柄的にも、意図的に私達を害する事はないとは思うのだが……。
私達にとって毒となるか薬となるか、今は未だ判断出来ない。
今のところは薬となっている。それが続いてくれればいい。
せめて私だけでも判断を狂わされないように、見守り続けるしかない。
私は妖精達の神なのだから。
「デーリッチ!! デーリッチは何処!?」
思考に更けていると、扉を音を立てて開き飛び出したサービスピンクことエステルさんの姿が見えた。
確かエステルさんは地下に篭ってローズマリーさんの召喚を試しみていたはず。それでは……?
「見つけたわよ! マリーは異世界にいる!!」
やりましたか!
さすがはエステルさんだ。決してフレイムを打つだけの人ではないと信じていました。
願わくはセクシーイベントにももっと情熱を注いで欲しい。
いや、今回は横に置いておきましょう。
デーリッチさんとエステルさんが話し合っているのを横目に私は席を立つ。
目指すは拠点の地下。
行方不明のお姫様を助けに行きましょうかね。

323創る名無しに見る名無し2018/05/02(水) 21:04:05.57ID:T/1kt0bJ
後書
イリスの台詞違和感しかないね。むずいこれはむずい。
気を抜けばデースマース口調で統一したくなる。
ヅッチー留学について、かなちゃんはこんな事を考えてるのではと妄想。
両王国で一番大人的立ち位置。そんなかなちゃんが好き。
この物語は11話で完結予定です。
明後日までにはもう1話出来れば。
お目汚し大変失礼しました。

324創る名無しに見る名無し2018/05/03(木) 01:40:44.47ID:zRjy4DgE
イリスのセリフははむすた氏も難しいと言ってたな
自分みたいな鈍感は違和感とかないけど

無理しない程度に完結頑張って

325創る名無しに見る名無し2018/05/05(土) 01:51:02.51ID:2WLYRG8k
SSは初心者ですが、脳内に思い浮かんだものをつらつらと書いていきます。
イリスは完全に渋の影響ですね。えろいあれはえろい。
思考にふけるって耽るなんすね。これも渋で知った。ずっと更けるって書いてた。反省。


『知力1のバラ』
10話:ハグレのローズマリー

「ここは…………何処だ?」
目の前の埃の被った机を見て呆然と呟く。
この机も、あの椅子も、あっちの壁も、長く使われていなかったかのように痛んでいる。
ほんの数時間前、デーリッチと今日の依頼について話し合ったり、
エステルに肩を小突かれたり、イリスに無理やり飴玉を口にねじ込まれたり。
そんな、そんな場所。
――ここに人が生活しているような痕跡を感じられない。
クソッ!!!
苛立ちを抑えきれず、近くの椅子を思いっきり蹴り飛ばす。
私のような非力な人間の蹴りでさえも、地面に跳ねた椅子はバラバラに砕け散った。
一体何を間違えた? 座標がずれた? 何故だ?
基本的にキーオブパンドラはデーリッチが持っていたが、
別に彼女だけが使えるわけではない。
正確な座標の指定と本人のマナさえあれば、誰にだって使える。
私だって使った事はある。
だから、原因が分からない。ここは何処だ? 何が悪かったんだ?
考えても答えは出ない。分かってる。私は賢くない。
散乱した椅子だったものを尻目に、早足でこの場を後にする。
……こんな場所に長く居たら気が狂いそうだ。

326創る名無しに見る名無し2018/05/05(土) 01:52:41.72ID:2WLYRG8k
「緑の服を着た女性だよな。来たよ、うちに」
やった! 間違いなくマリーは近くにいる。
マリーが行方不明になって三日目、よく似た別の世界にいる事が分かった私達は、
シノブが考案した相互ゲートを再現してその世界に飛び込んだ。
ゲートは拠点近くの裏道と繋がっていた。
そこから拠点へと移動した私達を待っていたのは、
随分古くから整備されていないように見える廃墟となった拠点だった。
中に入ってみると、荒れた部屋の真ん中にある机の上に使い古された袋が置かれていた。
袋の中を確かめると、そこにはマリーの字で書かれた手紙が入っていた。
転移に失敗した事、南に向かい、冒険者として賃金を稼ごうと考えていること等々。
手紙を読んだ私達は急いで南に向かい、ユノッグ村の変わりに発展したサイフフ村に辿り着いた。
情報収集として入ったお店で聞き込みを行ったところ、そこの店主がマリーを昨日に見たという。
小物や食料等を購入していったそうだ。
その後の行方を知らないという。
この世界の地図を買って店を出ようとした際に、
さらに思い出したよ、と店主が店の奥から取り出したのは見慣れた帽子。
焼け跡や擦り傷だらけのくすんだ帽子。
マリーの帽子だった。

327創る名無しに見る名無し2018/05/05(土) 01:54:21.20ID:2WLYRG8k
一陣の風が私の髪をなびかせる。
いつもとは違う風の感触に思わず顔をしかめる。
普段身につけていた物が無いというのは、ここまで心細くなるものか。
乱れた髪を手ぐしで整えながら歩き続ける。
仕方がない、他に何も売るものが無かったのだ。
プリシラから財政を学んだとしても、その効果が及ぶのはずっと先。
私自身、必要最小限以外は全て国庫に変換している。
もしかしなくても、デーリッチの財布の方が重いんじゃないかな。
空っぽの財布を意味もなく握って、私の前を歩く二人についていく。
一人は軽い身のこなしを活かした短剣使いの男、もう一人はバフで支援する踊り子の女。
冒険者組合という冒険者用の仕事斡旋所があり、その建物の前で出会った冒険者の二人だ。
この世界でもハグレは冷遇されている。
ハグレと冒険者のいざこざを避けるため、冒険者組合はハグレと冒険者のマッチングを行わない。
どうしたものかと考えていたところ、目の前の二人がチームに誘ってくれたのだ。
ある依頼をクリアするためだけの短期的な即席チーム。
依頼の内容は、てこてこ山の山頂付近に住み着いたスカイドラゴンの討伐、
ではなく、その近くの丘に群生しているスカイリリーという植物の採取だそうだ。
わざわざ植物の採取ごときに、公に認められていないハグレと組む理由は?
何事もオイシイだけの話は無い。それだけの事だ。

328創る名無しに見る名無し2018/05/05(土) 01:55:31.34ID:2WLYRG8k
成程な、そういうオチか。
てこてこ山の山頂付近、スカイドラゴンが遠目に見える位置に辿り着いた私達だが、
そこで男からある提案を持ち掛けられた。
スカイドラゴンをひきつける囮役を一人、
スカイリリーの採取役二人の二手に分かれよう、と。
一番出目が小さかった奴が囮役でどうだ、
っと懐からサイコロを取り出す男を見てピンときたね。
つまりハグレは捨て駒なわけだ。
公平だ安全だとのたまっている男に気づかれないように、小さく溜息を零す。
……私でよかった。
仮に私の立場がデーリッチだったら、間違いなく気づかないだろう。
いや、むしろ自分から囮役を買って出るに違いない。
あの子は他人を信じすぎる。
マントの内側で二人に気づかれないようにアイテムポケットを探りながら、男に提案する。
まずは女性から引かせてくれないか?
最初は彼女から、次に私、最後に貴方だ。
レディーファースト、いいだろう?

329創る名無しに見る名無し2018/05/05(土) 01:57:25.43ID:2WLYRG8k
男は怪訝な顔をしたが、反対理由が思いつかないのか、それでいいぜと答えた。
まずは女が振る。出目は五。六固定というわけではなさそうでほっとした。
男が賽を取り、私に手渡しする。
私は賽を受け取り、袖に隠していた私の賽とすり換える。
賽を振る。出目は五。上出来だ。
賽を彼の物に戻し、驚愕した二人に対して何食わぬ顔で男に賽を返す。
なに、五か六を出せばいいだけじゃないか。ほら、早く振りな。
男が緊張した顔で賽を振る。出目は……四。
ふん。
それでは予定通りに、と男が何か言い出す前に女の手を取って丘に向かう。
私は賭けに勝ったのだ――――
――ドンッ!!
………………えっ?
背中から急な衝撃を受けて倒れてしまう。
呼吸が苦しい。それに、背中がアツイ――
なんとか顔を持ち上げると、血の滴った短刀を持った男が鬼の形相でこちらを見ていた。
……あぁ。
「クソが! ハメやがってよ、ハグレの分際で!!」
失敗した。
ごめん、デーリッチ。
きっと君なら、こうはならなかったはずだろうね。
きっと、ローズマリーなら、こうはならなかったよね。
涙で男の輪郭がぼやける。何を言っているか聞き取れない。
ごめん、ごめんよ、デーリッチ。
私は、ワタシハ。
ローズマリーニハ、ナレナカッタヨ。

330創る名無しに見る名無し2018/05/05(土) 01:58:43.68ID:2WLYRG8k
後書
物語は急転換する。ちょっと詰めすぎたかもしれない。
演出が下手だなぁ、もっと上手に書けたらよかったのに。
予定通り、次で一旦物語は完結予定。
次も急展開ですが温かい気持ちで迎えていただければ。
明後日までにはもう1話出来れば。
お目汚し大変失礼しました。

331創る名無しに見る名無し2018/05/05(土) 02:57:29.70ID:bvsVJ2Xa
明後日で全裸生活も終わりかぁ

332創る名無しに見る名無し2018/05/07(月) 00:21:37.00ID:5/AMJr+V
SSは初心者ですが、脳内に思い浮かんだものをつらつらと書いていきます。
ラストです。駆け抜けましたが、飲み込んでいただけると幸いです。

『知力1のバラ』
11話:異世界に咲く薔薇

「何もあそこまでする事なかったじゃない!」
ッチ! だから情を移すなって言ってたのによ。これだから女って生き物は。
身元不明のはぐれなんて所詮使い捨てよ。
ハグレが一人死のうが二人死のうが、誰も見向きもしねぇ。
ハグレなんてな、死んで当然なんだよ!
逆に褒められてもいい筈だ。世界に迷惑をかけるゴミを処分してやったんだからな。
お前だって、ハグレに散々迷惑かけられてきたんだろ?
「そ、それは……」
それに、気にしたってどうにもならねぇよ。
どうせ今頃、血の臭いに気づいたスカイドラゴンに食われて証拠も残らねぇからよ。
とりあえず、さっさとこの場をずらかろ「見つけたわよ! あんた達!」 !!?
声のした方を振り向くと、ピンク髪の女が掴み掛からんとする勢いで俺達に詰め寄ってきた。
その後ろにも知らない連中がぞろぞろと。な、なんだ?
「ローズマリーは何処! なんで一緒に居ないの!?」
その言葉に内心飛び上がった。馬鹿な、ハグレじゃなかったのか!?
この人数はまずい。何か言い訳を……!
「あの人は向こうで怪我をしてます! 早く手当しないと手遅れに!」
馬鹿!? なんでバラす!!
俺が口を塞ごうと動き出す前に、ピンク髪が俺の胸倉を掴み上げやがった。
「なんで怪我人を放置した!? まさか、あんた達……っあ!」
ピンク髪が驚愕すると同時に、小さな影が俺達の横を駆け抜けていった。
「デーリッチ! ……クソ!! 覚えてなさいよ、絶対許さないから!!」
そう言って俺を突き飛ばした後、小さな影を追って連中は走っていった。

333創る名無しに見る名無し2018/05/07(月) 00:23:17.93ID:5/AMJr+V
…………助かったのか。
っは、馬鹿共が。どうせあの傷だ。助かりゃしねぇよ。
お前らも揃ってドラゴンの餌にでもなるんだな!
おい、いつまで呆けてんだ! 逃げるぞ!
微動だにしない女の手を取って逃げ出そうとする……が、
自分の意思と異なり足がまったく動かない。
足元を見ると、すぐに動けない理由が分かった。
……足が凍っていた。
「クエスチョン、地獄耳って知ってるカ?」
気温が急激に冷え込み、自身の口から漏れる息が白く染まる。
気づけば、辺り一面の草木が凍りついている。
「地獄のような遠い場所からでも罪人の言葉が聞き分けれるくらい、よく聞こえる耳だそうですよ?」
動けない体を必死に動かして前を向く。
心臓が凍った手で握られたかのようにツメタクテイタイ。
「ベリーイージー? オーケイ、ネクストクイズはベリーハード………………心して聞けヨ」







「悪魔は何処に住んでるか知ってるカ?」

334創る名無しに見る名無し2018/05/07(月) 00:25:24.29ID:5/AMJr+V
最初に感じたのは暖かさ。
背中を中心に、お湯に使ってるかのような温もりを感じる。
次に感じたのは手の感触。
小さな手が私の手を力強く握っている。
「――――リー、ロ――マ―!」
声、声が聞こえる。何度も、何度も聞いた声。
瞼を持ち上げ、視界が開ける。
ぼやけたセカイの中で、ごちゃまぜになった色がゆっくりと像を結びだす。
果たして、目の下にクマをこさえたデーリッチが映し出された。
「ローズ、マリー?」
握られていなかった方の手を上げて、デーリッチのクマを優しくなぞる。
もう、ちゃんと寝ないと駄目じゃないか、デーリッチ。
「……ッ、ローズマリィィ!!」
そのままデーリッチに抱きつかれて押し倒される……と思ったけど、
誰かが私を支えてくれていたので最後まで倒れなかった。
「間に合ってよかったわ、マリー」
振り向くと、こっちもクマをこさえたエステル。
ごめん二人とも、迷惑をかけたね。
そう言うと、やさしい顔を意地悪な顔へ変えてエステルは笑った。
「二人だけ? ノンノン。皆よ、皆」
皆?
意識を外に向けると、スカイドラゴンと戦闘している仲間達。
ハピコ、マッスル、ヅッチー、大明神の背中が見えた。

335創る名無しに見る名無し2018/05/07(月) 00:26:58.81ID:5/AMJr+V
ふいに、口の中に何かが飛び込んだ。
不思議な味のする小さい丸いナニカが二つ。
「暇だから来てやったゼ。異世界旅行なんて珍しいからな」
見上げると不敵な笑みを浮かべたイリス。
ということは、口の中のこれは飴なんだろう。
甘いでも苦いでも辛いでもない、不思議な味。
何か言おうとして口を開いたとたん、横から飛び出してきた指が私の口の中をかき混ぜた。
「そんな得たいの知れないモノ食べたらお腹壊しますよ〜。ぺっしましょうね、ぺっ」
プ、プリシラ!?
口の中から飴を取り出してそこらに捨てたプリシラは、
これ今月の新作なんですよ〜感想くださいね、っとまたもや私の口の中に食べ物を突っ込んだ。
私の口は君達の玩具じゃないんだが。
何故か私の好みに合った新作とやらを咀嚼していると、
いつものようにイリスとプリシラがガンを飛ばしあっていた。
この二人、どうしてか相性がすこぶる悪い。
同じ氷属性同士、仲良くすればいいのに。
「ちょ、そろそろ誰か加勢してくれませんかね!?」
前線からマッスルの悲鳴が聞こえると、二人は盛大に舌打ちをした後、前線に向かった。
「マァいい、既にオトシマエはつけさした。後はストレスでも発散させてもらおうカ」
「異世界のドラゴンですか、高く売れるといいですが」

336創る名無しに見る名無し2018/05/07(月) 00:28:02.48ID:5/AMJr+V
「私も加勢してくるわ! 頼んだわよ、デーリッチ!」
そう言って走り去っていくエステルを眺めていると、再びセカイはぼやけだす。
涙が止まらない。
「まだどこか痛いでち!?」
違う、違うんだよ、デーリッチ。
私は、役立たずなんだ。
薬学も無い、知識も無い、国の運営も出来ない。
私は、皆のために、君のために、なにも、なにも……
「ローズマリー、デーリッチを見るでち」
…………え?
涙でぼやけたこのセカイで、何故かデーリッチだけは、はっきり見えた。
「デーリッチは、ここに居るでち」
そんなことは分かっている。当たり前だ。
「違うでちよ、マリー。もっとよく見るでち」
分からない。君が何を言っているのか分からない。
君がデーリッチでなければ、一体誰だと言うんだ?
「ローズマリーの見ているデーリッチは、居ないでちよ」

337創る名無しに見る名無し2018/05/07(月) 00:28:57.24ID:5/AMJr+V
ローズマリーには、デーリッチがどういう風に見えてるでちか?
「わ、私の見ているデーリッチ……?」
目の前のローズマリーは困惑した表情で自分を見ている。
本当に分からないようだ。
ローズマリーの乱れた髪を手ぐしでゆっくりとといであげる。
「デーリッチは……仲間思いで、意思が強くて、頼りになって……」
うーん、ローズマリーにはデーリッチがそんな風に見えてたんでちか。
思わず冷や汗がたらり。
これはもっと精進せねばならんでちね。
でも、それは不正解。
この前もヅッチーとプリンで喧嘩になったし、
大学の勉強中にはお昼寝して怒られたし、
いつも皆に頼りっぱなしでち。
デーリッチは、ローズマリーが想ってる以上に、しょうもないんでちよ。

338創る名無しに見る名無し2018/05/07(月) 00:30:16.93ID:5/AMJr+V
「ち、ちが! そんなはず、ない、ない!」
震える背中をやさしく撫でる。
たぶん、なんとなく分かった気がする。
ねぇローズマリー、君の見ている君は誰なんでち?
震えが大きくなった小さな体を精一杯抱きしめる。
ローズマリーはデーリッチを通して誰かを見ていた。
きっと、ローズマリー自身も、
自分のようで自分じゃない誰かを見ていた。
追いかけてた。成り代わろうとした。
自分自身が嘘で、何もかもが信じれないんだ。
初めてあった時、ローズマリーは言った。
私はハグレじゃないと。
でも、実際はそうじゃない。
体はここにあるのに、心だけがハグレてしまってたんだ。
辛かっただろう、苦しかっただろう。
気づくのが遅れてごめんね、ローズマリー。
だからもう一度。
見て欲しい、デーリッチの姿を。
アイテムポケットからボロボロの帽子を取り出して、ローズマリーにかぶせてあげる。
うん、やっぱりよく似合ってる。
ローズマリーは、もっと綺麗な帽子が似合うローズマリーが好きなのかもしれないけど、
デーリッチはこっちのローズマリーの方が大好きでち。
皆で迎えに来たよ。
「…………ありがとう、デーリッチ」
デーリッチ達が出会ってから一年以上たったけれど、
異世界に咲いた花は、今まで一度も見た事が無い美しい花だった。
初めまして、ローズマリー。


知力1のバラ 終わり

339創る名無しに見る名無し2018/05/07(月) 00:31:42.41ID:5/AMJr+V
後書
祝!完結!
ひとまず無事本編を終了出来ました。
脳内妄想ではメニャーにニャと絡んで(意味深)スパークを覚える
最強の魔法使いにする設定でしたが、
実際に絡ます中身が思いつかずポシャリ。
締める場所を異世界に決めたら終わり方を構想してこのような形に。
マッスルが急に鉱山に召喚されたように、
想定外の場所にハグレが召喚されると前提の上で、
ここのローズマリーさんはローズマリーの肉体に精神だけが召喚。
肉体と精神、理想と現実の不一致で揺れ動くハグレのローズマリー君の物語。
果たして、デーリッチ(知力7)の活躍により、
異世界にてハグレとなったローズマリー(肉体)とハグレの精神が一致する。(後付)
……これを本編で書ける技術さえあればなぁ。

お目汚し大変失礼しました。
長々とお付き合いありがとうございました。

340創る名無しに見る名無し2018/05/07(月) 07:16:13.21ID:FvQYF8Tn
完結お疲れ様でした
ボキャ貧ゆえにつきなみな感想で申し訳ないけど、一月以上に渡り楽しませて頂きました
大きなお世話とは思うけど、こんな人目につかないところよりもっとフィードバックのある場所に投稿しなくてよかったんですかね?

341創る名無しに見る名無し2018/05/08(火) 23:40:54.65ID:3HulyE3x
シェイプシフター達にやられる女の子達の微エロリョナ思い浮かんだがあのスライム達の背景考えるとエロにしづらい

342創る名無しに見る名無し2018/05/11(金) 09:46:43.95ID:pEuNDH4K
スライム達に四肢拘束され記録更新さんにネチョネチョされる女の子達下さい

343創る名無しに見る名無し2018/05/12(土) 12:14:17.24ID:QHNCaEEI
カブキレスラーにベアハッグされ力尽き白目剥くゆきのん

344創る名無しに見る名無し2018/05/13(日) 11:56:36.16ID:v4KtRSGV
スライミーズに取り込まれてネッチョネチョにされる水着メニャ下さい

345創る名無しに見る名無し2018/05/14(月) 23:15:00.12ID:qbU+bqg5
貧乏教の男達に水着を剥がれてしまう福ちゃんとポッコ

346創る名無しに見る名無し2018/05/14(月) 23:52:52.89ID:CywYwi8H
剥がしておわりが見えるのは気のせいか?

347創る名無しに見る名無し2018/05/15(火) 14:29:51.60ID:6rcYGLoZ
弟そっくりなエロガキ数人にセクハラされるも抵抗できないゆきのん

348創る名無しに見る名無し2018/05/16(水) 23:12:06.82ID:kzNEapn7
水着ゆきのんはプロレス技をかけて悶えさせたいぐらいエロす

349創る名無しに見る名無し2018/05/17(木) 11:53:15.39ID:9Zu+qSim
屈強な男とかモンスターに組み伏せられてまんぐり返しされるのも興奮するわね

350それもらった>>3472018/05/19(土) 01:41:41.69ID:mTvt2KtC
「あはは……困っちゃったなぁ……」
人気の無い緑の中を、ひとり歩きつつ雪乃は苦笑した。
いや、ひとりではなかった。
「なーなー、さっきのどうやったの?」
「ねーちゃんすげーな!あんなの初めて見たぜ!」
「もっかいやって見せてよ!」
その周囲で、デーリッチとさして年の変わらぬ少年達が輪を作っていた。
「……どうしよう。助けてヤエちゃん」

351創る名無しに見る名無し2018/05/19(土) 01:43:01.59ID:mTvt2KtC
ほんの数分前のことである。
ハグレ大祭りを親友のサイキッカーさんと仲良く楽しんでいた雪乃だったが、その友人が花を摘みに行くとの事でひとり待ちぼうけを食らっていた。
暇を持て余す雪乃の目に入ってきたのは、冥界の悪魔が営む射的場である。
「ヤエちゃん戻ってくるまで暇だし、ちょっとやってみよっかな?」
いつだったかヅッチーが、ここの景品だという駄菓子の袋を両手に抱えていたことがある。
射的に覚えがあるわけではないが、わたあめか何かのひとつも貰えればヤエと食べながら歩くのも悪くない。
そう思い、足を踏み入れた雪乃だったのだが。
「アンビリーバブル!新記録デス。仕方ない、持ってけドロボー!」
「ど、泥棒はやめてよ!人聞き悪いなぁ!」
まさかまさかの初挑戦でレコードホルダーになってしまったのである。
雪だるまキックやカタナシュートで狙いを定めるのは慣れているつもりだったが、射的にまでそれが生きるとは予想外である。
「お前、何気にワタシの天敵だったりするのか……?氷のヴェールといい……」
何だかよく分からない事を宣うイリスを尻目に、大量の景品を抱えて店を後にする雪乃。
そんな彼女を追って、慌てて店から出てきた一団があった。

「まってよお姉ちゃん!どうやったらあんなうまくなれんの?」
年端もいかぬ子供が五、六人ほど。
どうやら雪乃のスナイプテクニックに感動してくっ付いてきたようである。
目を輝かせて質問を投げかける少年に、しどろもどろに返答を返す。
「どうやってって……練習しかないんじゃない?」
「えー、だってお姉ちゃん、さっき初めてって言ってたじゃん!」
「それはそうなんだけど……じゃあマグレだよ。たまたまだって」
「えー、ケチー!コツくらい教えてくれよー!」
遠慮なく距離を詰める子供達に気圧される雪乃。
実はこれでも子供の相手は慣れているつもりだった。
風太や、その友人達と一緒に遊ぶことも多かった雪乃は、年下の少年のあしらい方など百も承知のつもりでいたのだ。
だがその風太が一緒にいたからこそ、のらりくらりと子供と一緒に遊べていた事を、今になって思い知らされる。
(ダメダメ、何を弱気になってるんだ、私。こんな時は、そう……)
雪乃にだってプライドがある。子供相手に押し負けてどうするというのだ。
満を持して、子供相手の秘密の奥の手を繰り出した。
「みんなー、お菓子食べるー?」
「「たべるー!」」
奥の手、プライドを捨てて物で釣る。
まあキャッチよりむしろリリースを狙っているのだが。
「はーい、じゃあひとりひとつずつねー!」
ともあれ、先程射的で当てた駄菓子を配ってやる。
どうせ多過ぎて困っていたくらいだ、むしろ貰ってくれれば有り難いくらいである。
子供たちがお菓子に気を取られている隙に、どうにかこっそりその場を離れる事に成功した。
「……でさー、さっきの射的なんだけどさー!」
「追いつかれたっ!?」
意外に隙がない子供たちである。少なくともヘルラージュなら今ので撒けていたと思われる。
「なー、聞いてんのかよー?」
「あはは……困っちゃったなぁ……」
そうして今に至るのだった。

352創る名無しに見る名無し2018/05/19(土) 01:47:10.43ID:mTvt2KtC
「おねがい、もっかいもっかい!あんな点数見たことねーもん!」
「そ、そうかなぁ……?多分、すぐ誰かに抜かれちゃうと思うよ?」
纏わりつく子供に曖昧な笑みを返しつつ、雪乃は歩みを進めていた。
本当は射的屋の近くでヤエを待たなければいけないのだが、半ば子供たちから逃げる様に歩いている内にどんどんそこから遠ざかってしまっている。

(あーもう、何やってんの私!さっさと戻らないと……)
頭ではそう思っているのだが、何故か強く押しきれない自分がいる。
もう辺りには出店どころか人通りも無い、会場外れの野っ原に差し掛かりつつあった。
言いし得ぬ嫌な予感に胸をざわつかせつつも、雪乃は流れのままに相槌を打つ。
「おねーさん射的の天才だな!」
「う、うん。ありがとう」
「お菓子ごちそうさまー!」
「はいはい、どういたしまして」
「ねー、なんで海でもねーのに水着なの?」
「これは水着じゃないよ!」
「じゃあ下着?」
「そ、そんなわけないじゃない!」

何か、問答の雲行きが怪しくなってきた気がする。
「そりゃ暑いけどさー、お外で下着になっちゃだめだぜ?俺も母ちゃんに怒られたもん」
「聞けよ!だから、これは下着でも水着でもなくて、こういう服なの!」
「おれ知ってるぜ!こーゆー人はろしゅつきょーって言うんだぜ!」
「ろしゅっ……!!」
反射的に辺りに目を配らせるが、幸い周囲に人の影はなかった。
ほっと息をつくと、憤然たる面持ち(あまり怖くないが)で間違いを正しにかかる。
「露出狂じゃないよ!こういう服だって言ってるじゃない!それに、そういう事を女の子に言っちゃ駄目でしょ!すっごく恥ずかしいんだからね!」
「えー、お姉さんの格好の方が恥ずかしいと思うけどなー」
「だからそういう事を言うなあ!大体ね……ひゃあっ!」

353創る名無しに見る名無し2018/05/19(土) 01:49:31.40ID:mTvt2KtC
突然悲鳴をあげ、体を仰け反らせる雪乃。
背後に回っていた悪ガキのひとりが、ハーフパンツ越しにお尻を撫で上げたのだった。
「ちょっと何すんのよ!!」
「へへーん!タッチー!」
「何がタッチよ!エッチ!」
「あ、おねーちゃんうまいこと言ったな」
「茶化さないで!本気で怒ってるんだから!」
「わー、逃げろー!」
ちょこまかと走り回る狼藉を働いた悪ガキを、雪乃も必死に追い回す。
やがて悪ガキは、別の少年を盾にしてその後ろに隠れた。
年の割に上背のあるその少年越しに、ずんずんと距離を詰める雪乃。
間に挟まれた彼はちょっと居心地悪そうに顔を赤らめるも、今の雪乃はそれに気付く余裕はなかった。
「こら!悪い事したらごめんなさいでしょ!」
「へん!やーだねー!」
「もう、お母さんはどこにいるの!?ちゃんと叱ってもらうからね!」
お母さん、という言葉を口にした時、ほんの少しだけ、ちくりと胸が痛んだ。
みんな、元気にしてるかな。きっと、ううん、絶対に、また会いに行くから。
そんな事を思ったからだろうか、雪乃の顔から怒りが一瞬消えていた。
それが隙だった。

もみっ。
「っっきゃあああああっ!!」
間に挟まれていた少年が、その両手で雪乃の双丘を思いっきり鷲掴みにしたのだった。
反射的に手を払い除けたものの、それで触られた事実が消えるわけでもなく。
「やったー!おっぱい触った―!」
「あ、ずりーぞお前!」
「姉ちゃん、俺にも触らせてくれよ!」
「い、い、い、いい加減に……」
いくら子供でも、やっていい事と悪い事がある。
まして、少年とはいえ男性に胸を掴まれるなど、雪乃にとって生まれて初めての事である。
直接じゃないからどうとか、服越しだからどうとか、そんな問題ではなかった。
気色ばむ表情を携え、目の前の少年の顔を真っ直ぐに見据える。
「もう本当に本気で怒ったから!少し痛い目見て……」

そこで、雪乃の時間は止まった。

「風太……!?」

354創る名無しに見る名無し2018/05/19(土) 01:50:20.19ID:mTvt2KtC
みたいな。
気が向いたら続き書きます。

355創る名無しに見る名無し2018/05/19(土) 10:09:46.43ID:TmXRgHpN
良い、本番に入る直前でヤエちゃん来て欲しい

356創る名無しに見る名無し2018/05/19(土) 23:19:48.75ID:ohKP+Y0C
pixivで投稿するとあまり評価されないんじゃないかという不安と
予想よりも閲覧数が多かったりコメントがもらえたりすると嬉しくてまた投稿しようかと思う
あれは意外と病みつきになるね

357創る名無しに見る名無し2018/05/20(日) 00:26:10.65ID:hu+b7ao6
意外とチョロい人が一定数いる
例えば俺とか

358創る名無しに見る名無し2018/05/20(日) 13:45:05.70ID:N/3Rno0l
水着メニャかゆきのんが女性雑魚モンスターに微リョナエロされるの考えてるが水着イベだけで
該当探すと

・サイコーハイツの退魔忍もどき
・貧乏教のアカオニと女幹部
・水麗層のスライム経ち

ぐらいしかおらんな。

359創る名無しに見る名無し2018/05/21(月) 08:39:19.90ID:tRZnwP6O
知り合いから教えてもらったパソコン一台でお金持ちになれるやり方
参考までに書いておきます
グーグルで検索するといいかも『ネットで稼ぐ方法 モニアレフヌノ』

9L8GE

360創る名無しに見る名無し2018/05/21(月) 21:11:33.59ID:ugxHLGS7
>>358
アカオニにプロレス技かけられて悶えるメニャ
敗北後は水着までも剥ぎ取られて強制的にビンボー教へ入るでおk
あとは忍びに背後から絞められて失神するゆきのんで

361創る名無しに見る名無し2018/05/23(水) 09:30:35.24ID:R6uQqktV
ジャーマンされて白く細い美脚をだらしなく開いて失神するゆきのんとか素敵やん

362>>353から2018/05/26(土) 01:29:02.53ID:O1xDuk/f
「風太……!?」
「え?」
目を疑う。
そこにいたのは他でもない、実の弟の風太であった。
いや、そんな訳がない。
彼は家族と一緒に、元の世界で平和に暮らしている筈だ。
一度、深々と目蓋を閉じ、一呼吸置いて改めて見開いた。

「おーい、どうしたよ、姉ちゃん?」
違う。
よくよく見れば、少年は弟とは似ても似つかぬ顔であった。
当たり前だ。
風太がここにいる筈がない。
「………う……うん…。何でもな……」
「隙ありっ!」
「え……?」
五感が捉えたのは、衣擦れの音と、太ももから踝にかけて何かが擦り付けられるような感触。
雪乃は一瞬、何が起きたのか理解できなかった。
その一瞬が通過した後に感じたのは、妙な涼しさを訴えてくる下半身。
何となく目線を下に落としてみれば、そこには外気に晒された薄水色のショーツと、足首で丸まったハーフパンツがあった。
「い……いやあああぁぁぁぁぁぁっ!!」
思わずしゃがみこむ雪乃。
野外で、太陽の下で、少年達の視線の中で、肌着を露わにするという羞恥。
背後に立つ少年に下半身の着衣をずり下げられた、という事実を理解するまで、少々の時間を必要とした。
「すげー!パンツ丸見えだぜ!」
「スケスケじゃん!えっろー!」
「やだ……やだ、見ないで、見ないでよおぉぉぉ!」
心からの懇願を聞き届けるものはいなかった。
下を向いて体を丸める雪乃にも分かる。
周りを囲む少年たちの目が、自身の下半身に注がれていることを。
「意外と女の尻ってでっかいんだな」
「バカ、失礼だろ!」
「そうだよ、お姉さん泣いてるじゃん!」
「泣いて……なんか、ないもんっ!」
目にうっすら光るものを浮かべたまま、それでも尚言い切った。
そうだ。
こんな子供に見られたからって、何だっていうんだ。
どうせこいつら、何を見たところで明日には忘れてるんだろう。
そう思うと、羞恥を塗りつぶして、沸々と怒りが湧いてきた。
「この、エロガキどもがぁぁっ!」
憤怒とともに立ち上がり、まずは目の前の小僧にお灸を据えるべく一歩踏み出す。
だが、ここで雪乃が抱くべきは憤怒よりむしろ冷静さであった。
両の足首に着衣が絡まったまま踏み出せばどうなるか。
もし彼女に多少なりとも平時の判断力が残っていれば、次の瞬間の悲劇は防げたのだろう。
「あにゃぁっ?」

どっしーん!

「いったああぁ…………ん?」
当然にして、そのまま前のめりにつんのめって地面にキスをすることになる。
生い茂る草花がクッションとなり、大きな痛みも出血も無かったのは不幸中の幸いであった。
だが、ちっぽけな幸運を飲み込んで尚余りある、特大の不幸がまだ残っていた。
「……ちょ、な……や、やだっ!やめてっ、来ないでよぉっ!」
ごろりと体を転がし、仰向けで天を仰いだ雪乃。
抜けるような青空の下、見上げたすぐ側には、興奮を隠しきれない少年たちの顔があった。

363創る名無しに見る名無し2018/05/26(土) 01:33:57.63ID:O1xDuk/f
ここにきて雪乃は、はっきりと恐怖を自覚する。
相手が子供だとか、彼我の力量差だとか、そんなものを無視して立ちはだかる“男と女”という、どうしようもない壁。
それは突如としてバランスを崩し、彼女の上に覆い被さってきた。
「な……なあ、どうする?」
「どうするって、……お、おい!」
「…………俺、一番とーったっ!」
「や、やめてぇぇっ!」

ひとりの少年が地面に伏した雪乃に跪き、着衣越しに胸を触り始める。
性的な知識は無くとも、その部位への執着は本能が知っていた。
面積の少ない上半身の衣服越しに、小さな両手が暴れまわる。
「やあぁっ、やめて、やめてよおぉっ!触らないでぇ!」
「すげー、ちょー柔らかい!ふわふわだ!」
「やだあっ!やあっ、あんっ!」
無論、雪乃がその気になれば子供の数人かそこらなど物の数ではない。
あのイリスをして――冗談交じりではあるものの――天敵と言わしめる雪乃の戦闘能力は、決して侮れるものではない。
だが、その戦力を限りなくゼロに近づける、最悪のバッドコンディションを齎す要因がこの場には存在した。

「姉ちゃんのおっぱい、すっげー気持ちいいな!!」
「……やだ……そんな事……っ」

目の前にいるのは、最愛の弟なんかではない。
あくまで一瞬、その輪郭に家族の面影を重ねたに過ぎない。
だが、その一瞬こそが命取りであった。
「姉ちゃん、とか、呼ばないでよぉ…………」
顔も、声も、何もかもが、弟のそれとは違う。
だがそれでも、その呼び方だけは、慣れ親しんだそれと同じであった。
何故、見知らぬ子供に妙な親しみを感じてしまったのか。
何故、なし崩しにこんな人気のない所まで来てしまったのか。
何故、抵抗らしい抵抗もできず、されるがままになっているのか。
答えは、あまりにも残酷だった。
「私を……そう呼んで、いいのは、風太だけなんだもん……!」
消えそうな声で呟いた声は、密着している目の前の少年にすら届かなかった。
そう。
雪乃自身ですら自覚できない心の底で、彼女は最初から少年たちに弟の影を見ていた。
だが、もし愛する弟ならば、雪乃にこんな残酷な仕打ちを与えはしなかっただろう。
「はあ、はあ……姉ちゃんの、おっぱい……」
「やめて……もう、やめてよぉ……」
最早雪乃に状況を覆す気力は残っていなかった。
両手で顔を覆い、せめてもの抵抗として涙だけは見せまいとする。
……襲い来る更なる屈辱を、その瞬間まで知らずに居られたのは、この場合は救いなのか。
「お……俺も!」
「俺もおっぱい触りたい!」
「ず、ずりーぞ!俺も!」
「や、やめてえぇぇぇぇ!」

最初に行為に及んだ少年に比べ、まだ戸惑いが見えていた彼ら。
しかし集団という免罪符は、理性のたがを外すのに充分過ぎた。

364創る名無しに見る名無し2018/05/26(土) 01:40:54.86ID:O1xDuk/f
「やっ、やだっ、やめ、そっ、そんなっ、ああっ!」
一斉に這いずり回る小さな手。
少年たちの手は互いにぶつかりあいつつも、それでも貪欲に雪乃の胸を味わい続けた。
「ホントだ、やわらけー!」
「女の子のからだって、なんか気持ちいいな!」
「はあっ、はあ……なんだろ、暑くなってきた」
「やだあっ、やんっ、ああっ、あんっ、んっ……!」

しっとりと汗ばみ、徐々に桃色に染まりつつある雪乃の身体。
それに伴い彼らの行為は激しさを増し、雪乃の口からはいつしか抵抗とは違う、別の意味を持った声が漏れ始めた。
至近距離でそれを耳にする少年たちは、まさかその意味を理解してはいないのだろうが、それでも本能は無防備な女体への征服欲を強めていった。
「おい、お前どけよ!じゃまだろ!」
「お前こそどけって!ここは俺の場所だからな!」
「やあっ、やだっ、んあっ、ああんっ!」

少年たちの興奮と、雪乃の喘ぎ。
最悪の不協和音が鳴り響く空間に、突如演奏停止の合図が下された。

「お前ら、もうやめろよ!」
「なんだよ!お前が最初に触りはじめたんじゃないか!」
「いいから離せって!なあ!」
「……なんだよ、もう……」
渋々ながら雪乃の身体を開放する少年たち。
これで、終わりなのだろうか。……やっと、終わりで、いいのだろうか。
そんな、熱に浮かされ麻痺した思考に、故郷の雪解け水を凌駕する冷水が浴びせられる。

「……なあみんな、直接、おっぱい見たくね?」
冷水の正体は、そんな、無邪気かつ、絶望的な言葉だった。

「や、やめてぇぇっ!それはだめええぇぇっっ!」
言葉だけの抵抗も虚しく。
水着にも似たその服は、少年の手によってあっけなくずり下ろされる。
ぷるん、と、実際には聞こえるはずもない音とともに、可愛らしい双丘が露わとなった。

「え…………」

既に隠すものは何もなく、その全貌を太陽の下に曝け出された膨らみ。
日焼けに縁のないその肌はあまりに白く、青い血管がうっすらと透けるほどの透明感と、汗に因らない瑞々しさを保っていた。
その先端の桃色は色素こそ控えめだが、周囲の純白との対比で鮮やかに映える。
外気に触れた為か、或いはそれまでの拙い愛撫の為か、それは目に見えてはっきりと立ち上がっていた。

365創る名無しに見る名無し2018/05/26(土) 17:14:39.97ID:6L9UKGaF
ワイもゆきのん虐めくなるわ

366創る名無しに見る名無し2018/05/28(月) 12:34:31.60ID:fgo9pgfh
ビンボー教の女達にくすぐり攻めにあって情けなく泣笑いするメニャ見たい
「帝都の偉い召喚士様が私達みたいな貧乏女に情けない顔晒してるw」みたいに罵倒されながら
水着越しに胸揉まれて胸の貧しさを特に責められるとか

367>>364から2018/06/16(土) 23:13:34.81ID:A7CGFiaW
「いやっ、いやああっ!やめてっ、やめてやめてやだやだやだあああぁぁっ!」
「すっげー!」
「俺、女の裸初めて見た!」
「俺も母ちゃん以外だと初めて!」
「おっぱいでっけー!」
「女の乳首って大きいんだな!」
「やだああっ、見ないで、見ないでよおおぉぉぉぉっ!」
口では抵抗の意を示すも、雪乃の手は露わになった胸を隠すでもなく、あいも変わらず顔を覆うのに浪費されていた。
一度意識してしまった今、少年らを直視すればどうしても弟を彼らに重ねてしまう。
屈辱と羞恥を与えくる彼等に肉親の影を見るのは、雪乃にとっては到底耐えられるものではなかった。
だが心を守らんがために、その肉体が無防備になっては本末転倒なのも確かである。

「さ、触るぜ……」
「やだぁ!やだやだやだやだぁ!やめ……」
ぐにゃり、と。
剥き出しの乳房に少年の手が押し当てられ、その形を変えた。
「やああぁぁっ!やめて、さわらないでぇぇ!」
「す、すげー!さっきよりもっと柔らけー!」
「お、俺も……」
「待てよ、俺が先だよ!」
再び襲い来る手、手、手。
それらは先程以上の激しさと興奮をもって、彼女の身体を蹂躙した。
「ほんとだ、ちょーやわらかい!」
「おねーさん、巨乳なんだね!」
「や、やあっ!そんな、言わな、やめぇっ!」
別に雪乃の胸は取り立てて大きいという程ではない。
だが少年たちにしてみれば、同世代の子供とは比較にならないサイズのそれは、別格の豊満さとなって目に映っていた。
「もう……やだあ……。離してよぉ……」
「だって姉ちゃん、口のわりにおっぱい丸出しのままじゃん。やっぱりろしゅつきょーなんだろ?」
「違う……違うの……もうやめてぇ……」

368創る名無しに見る名無し2018/06/16(土) 23:14:34.04ID:A7CGFiaW
今更ながら力無く両手で胸を隠そうとするも、荒ぶる少年たちに敢え無く押し退けられる。
貪るように乳房の柔らかさを堪能する少年の中には、やがてその先端に興味の矛先を移す者もいた。
「こ、ここから、ミルクが出るのかな……?」
「……そんなの、出ないに、決まってるじゃないっ!」
落ち着かない呼吸の中、律儀に返答する雪乃。
だが当の少年は、それを聞く耳は既に持ち合わせていなかった。
木の実か何かでも拾うように、無造作にその先端を摘まみ上げる。
「ひゃあぁんっ!」
「うおびっくりしたぁ!な、なんだよおねーさん!」
「はっ……はぁっ………」
既に双丘を弄ばれた程度では反応すら覚束なくなっていた雪乃だが、流石にこれは無視できる刺激ではなかった。
それに味を占めたのか、少年は調子に乗って乳首への攻撃を継続する。
「ひいぃっ、そこ、やめてぇっ!」
「豆みてー。ちょっとぐにぐにしてっけど」
「やああぁぁっ!ひゃあんっ、やあっ、はぁぁあん!やあっ、いやいやいやあ!」
「吸ったらミルク出るんじゃね?」
「えー、だけどお前らの手がベタベタ触ってんじゃん。汚ねえよ」
「なんだよ、お前がいちばん触ってるくせに」
「なあ、なんか固くなってねえ?おねーさんの乳首」
「ときどきチンコも固くなるよなー」
「そういや、さっきから俺すげーチンコ固ぇんだけど」
「あ、俺もだ!」
「俺も固くなってる!」
それが何を意味するのかを知らず、自身の局部の変化に疑問を持つ彼ら。
だが、無邪気に連呼された性器の名称は、雪乃の全身に怖気を走らせるのに十分だった。

369創る名無しに見る名無し2018/06/16(土) 23:17:02.86ID:A7CGFiaW
(そんな、いくら何でもそれはないでしょ!だ、だめ!それだけは、本当に!)
最悪の事態を想定してしまい、紅潮していた顔が一気に青ざめる。
無論、この少年達が具体的な行為について知っているとは思えない。
しかし、雄の本能というものが知識の未熟さを補って余りある事を、雪乃は既に嫌という程思い知っていた。
嘔吐感にも似た酷く重い恐怖が、彼女の全身を少しずつ侵し始める。
それに追い打ちをかけるように、更なる言葉の暴力が襲ってきた。
「……なあ、お姉さん、ちょっとおもらししてね?」
「なっ!?ち、違う!そんな……っ!?」
いつからだったのか、自分でも気付いていなかった。
だが確かに雪乃のそこは、ほんの僅かではあるが、それでも確かに湿り気を帯びていた。
「なんだよー、大人がおもらしかよ!」
「だっせーなー!俺だって去年からしてねーぜ!」
「つーか、去年までしてたのかよ!お前もだせーよ!」
「なんだとー!」

「ち……違うもん……」
子供の残酷さが雪乃を切り刻む。
騒がしく喚く彼らの中で、ひとり静かに言葉を発したのは、雪乃が最初に弟の影を見てしまった、その少年だった。
「……な、なあ、パンツ、脱がしちゃおうぜ……!」
「っっっ!」
最早声すら出ない。
恐れていた、最悪の事態は、もうそこまで迫っていた。
「えー、きたねーじゃん。おしっこ付いてるし」
「おんなってチンコついてないのに、どこからおしっこ出してんだ?」
「チンコの代わりに穴があるんじゃねえの?」
「ケツみたいな?」
ここに至って、会話の内容はなお子供の域を出ていなかった。
場違いなほど無邪気なそれが、却って未知の恐怖を助長する。
「あ……あ………」
何か、言わなければ。
だが、心の中で絶望が膨れ上がるのに反比例して、雪乃の口は動きを鈍化させていく。
「じゃ、じゃあ、確認してみようぜ……。俺、脱がすからさ……!」
最後の布切れに、汗ばんだ手が掛かる。

……白昼の凌辱劇はクライマックスを迎えようとしていた。

370創る名無しに見る名無し2018/06/16(土) 23:18:44.47ID:A7CGFiaW
その瞬間である。

「そこまでよっ!!」

怒りが形を成した様なその声は、しかし今の雪乃に何よりの安心を齎してくれた。
まっすぐに伸ばされた右手の、その指の先から放たれる不可視の力が、少年たちの自由を奪ってその場に釘付けにする。
「ヤエちゃん!」
「ごめんなさい、遅くなったわ……ねっ!」
まるでタクトを振るう様に、ヤエの両手が空に踊った。
裂帛の気合いとともに少年たちの体が宙に舞い、数メートル先の地面に胴体着陸を敢行する。
ごろごろと折り重なって転がる彼らの口から、苦痛と不満の声が漏れた。
「いってぇー!!」
「あつつつ……。なんなんだよー、一体!」
「……私は子供には優しい方だとは思うけどね。それでも、限度というものがあるのよ」
「ひ、ひいっ!」
一歩踏み込む。
それだけで、少年たちは跳ね起きて背筋を正した。
「運が良かったな、クソガキども。もしあと十秒、私の到着が遅れていれば、お前らの首と胴体は永遠の別れを告げていたでしょうよ。……さっさと失せな!」
「「「ご、ごめんなさーーーい!!!」」」
仁王立ちのヤエに恐れをなした少年達は、這々の体で転がるように走り去って行った。

「二度とそのツラ見せんじゃないわよ!……って、聞こえてないか」
「おーい、ヤエちゃん。左目、左目。ちゃんと隠さないと」
「へ?……って、雪乃あんたね……。こんな時に何を気にしてんのよ……」
「いいの?どこかの文明が滅びちゃってるかもよ?」
「別にいいわよ、そんなの。あんたの方がよっぽど大事だっての」
「ふふっ……やっぱり、ヤエちゃんは私のヒーローだよね。本当、頼もしいなぁ……」
乱れた着衣を直しつつ、いつも通りの笑顔で相棒を茶化す雪乃。
……しかし。
「ヤエちゃん……ヤエちゃん!うわああぁぁぁん!」
「おおっと。……よしよし、存分に泣きなさい」
つんのめる様に抱きつく雪乃。
受け止めたヤエは一緒に倒れそうになるも、なんとか踏み止まって親友を支えた。
「怖かった、怖かったよおぉぉ!もう私、私……」
「無理に喋んな。口を開かなくても私には聞こえるんだからさ」
テレパシー。異能者数多の王国に置いても、ヤエだけが持つ超能力である。
「…………そっか。だから、来てくれたんだ」
「はっきり聞こえたわよ?『助けて』ってね。ま、雪乃のピンチなら、テレパシーなんて無くても駆けつけるけど」
「嬉しいこと言ってくれちゃうなぁ……ねえ、もうちょっとだけ、こうしててもいいかな?」
「幾らでもどうぞ、お姫さま」

祭の喧騒も聞こえない緑の中。
しばらくの間、時間とそよ風だけがゆっくりと過ぎていった。

371創る名無しに見る名無し2018/06/16(土) 23:20:00.14ID:A7CGFiaW
「…………なんて事になったら大変だからね!ヤエちゃん、すぐに戻ってきてね!?」
「いいからトイレくらい黙って行かせなさいよ!こら、手を離せ!」
「早くね!絶対だよ!」
「分かった、分かったから!はーなーせー!」

時はハグレ大祭りの真っ最中。
言われなくてもさっさと戻ってくるっつーの、と言い残し、親友は花を摘みにひとり走って行ってしまった。
暇を持て余す雪乃の目に入ってきたのは、冥界の悪魔が営む射的場である。

「ヤエちゃん戻ってくるまで暇だし、ちょっとやってみよっかな?」

372創る名無しに見る名無し2018/06/16(土) 23:25:26.14ID:A7CGFiaW
というところでお終いです。お目汚し失礼。

373創る名無しに見る名無し2018/06/17(日) 02:35:59.40ID:SuNml0Lw
実家のような安心感がありとてもありがとう

374創る名無しに見る名無し2018/06/23(土) 16:01:53.10ID:y6s/eYS1
水着ゆきのん微リョナ構想はあるけど文に出来ないんだよなあ…

375創る名無しに見る名無し2018/07/03(火) 18:32:36.21ID:f1dClnnX
XWD

376創る名無しに見る名無し2018/10/17(水) 19:56:53.49ID:ZU7x6aHX
中学生でもできるネットで稼げる情報とか
暇な人は見てみるといいかもしれません
いいことありますよーに『金持ちになる方法 羽山のサユレイザ』とはなんですかね

WW9

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