なぜエヴァは楽しまれなくなってしまったのかpart28
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・ここは、なぜエヴァは楽しまれなくなってしまったのか?
または、なぜエヴァは楽しまれてるのか?について、その理由を述べたり、議論したり、追究したり、語ったりするスレです。
思ったこと、思うことを書いてみましょう!
・雑談は基本OKだけど程々に。
・節度ある態度で楽しく!
・ここはアンチスレではないので、エヴァや他のアニメを叩きたい人は各アンチスレへ行きましょう。
前スレ&テンプレは>>2-18 ブギーポップは笑わない -Boogiepop Phantom- その日 午後から日暮れにかけてかるい夕立ちが通り過ぎた
そして ぼくらは海の近くぬれたアスファルトを走った
つぶれた うすぐらい貸し倉庫のかげで
しばらく空を見上げて雨をしのいだ
ふいに 君がくちずさむ ぼくはきいてる
ききおぼえのないメロディー
もう 消えてしまうくらい
ちいさな声でやがて 途切れてしまう VOL 1
Portraits of Memory 女子A「出たんだって」
女子B「何が」
女子A「死神」
女子B「いつ?」
女子C「やめてよもうー」
女子A「ほら、一か月くらい前。何か変な光が走ったことあったっしょ」
女子D「ああ、うちのパソコン壊れたんだ、あん時」
女子C「うっそー、あの30万したやつ?」
女子A「それでさ、あのころ消えた子いるじゃん。3年生のオタクの人とか。それ全部あれに連れてかれちゃったんだって」
女子C「あれって?」
女子A「だから死神だって。何聞いてんだ、こいつ」
女子C「死神?」
女子A・女子D「ブギーポップ」
望都:
それは、私がまだ私を嫌いだった頃のことだ。 エヴァQが糞すぎて
エヴァ自体どうでも良くなった人が大量発生しちゃったからな
コンテンツにトドメ刺しちゃった
アンノ自身にもやる気ないだろ ネタ切れドン詰まりでヤマト出しちゃうくらいだし何も考えてないよ 望都「あ…」
男子A「対戦、対戦」
男子B「もう三連コンボとかやっちゃってさ」
男子A「マジ?そんなん出んの?」
望都「…」
康子「望都!どこ行ってたの。早く行くよ」
望都「あ…私、やっぱり…」
康子「はぁ、ったく。この子は。昨日オッケーって言ったじゃん」
望都「うん…でも」
女子E「いいんじゃない?」
女子F「でも。向こうも三人なんだよね」
康子「ちょっと待って。ねえ、望都。私たちあんたの事思って誘ってやってんだよ。
慣れれば大丈夫だって。男なんて」
望都「うん」
康子「よし、こいつ中学ん時からこうなの。私が引っ張ってやんないと何にもできないのよ」
女子E「いいけどね」
康子「じゃあ、校門で待ってるからね」 執拗に手を洗う望都。
望都:
それから私が遭遇した出来事は、多分何か別の、
もっと大きな事件が終わった後の、後始末のようなものだったのかもしれない。
世界全体から見れば、ほんの些細な欠片のひとつ。
でも全ての出来事は、全くそのように、極めて個人的なものでしかありえないだろう。
ティッシュでトイレの引き戸を握り、そのあとゴミ箱に捨てる望都。 望都:
だからせめて、私は私にとってのその出来事の意味を、
こうしてもう一度振り返りたいと思う。
望都「歪んだ虹だ…」 女子F「キー高すぎ」
男子C「次誰?」
男子D「何?誰も入れてないじゃん」
康子「うーん、じゃあねえ」
望都「…」
男子E「歌わないの?」
望都「え」
男子E「歌」
望都「…」
康子「ごめんね、この子こういうところ慣れてないのよ」
男子C「そういや鈴木さ」
康子「ん?」
男子C「お前早乙女が失踪したって知ってる?」
康子「え!」
女子E「誰それ」
男子C「俺らの中学ん時のクラスメイト。高校は深陽に行ったんだけど、ひと月前からいないんだって」
康子「へえ、そうなんだ」
望都「…」
男子D「康子は仲よかったの?そいつと」
康子「えー別に」
男子D「ほんと?」
康子「ちょっとやめてよ」
男子E「なんか陰気なやつでさ。俺嫌いだったな。あいつ。殿村は知ってったっけ?あいつ」
望都「あ、うん」
女子E「うちの学校にもいるよ、そういう子」
男子C「それがさ、早乙女の幽霊見たってやつがいて。結構噂になってるらしいんだよ」
望都「(きっと殺されたんだ…ブギーポップに)」 男子D「ブギー…何?」
女子F「ああ、別に何でもないって。ただの噂。ほら、都市伝説とかいうの。あ、ほら。望都」
嫌々マイクを握る望都。 執拗に手を洗う望都。
康子「望都。分かってるだろうけど、私が早乙女君と付き合ってたこと、さとしには内緒だよ。あいつすぐ嫉妬するから」
望都「分かってる」
康子「なら、いい。ねえ、望都。私達、友達だよね?」
望都「え?」
康子「この頃分かんなくなるんだ。望都にとって、私って、その」
望都「友達だよ。当たり前じゃない」
康子「だよね。何言ってんだろう、私」
望都「…」 望都:
その頃の康子は私と同じで、どちらかというと目立たない女の子だった。
早乙女正美と握手をする望都。 望都:
それが、男の子と付き合い始めたのが自信となったのか、彼女はどんどん明るくなっていき、
逆に私は、一層男の人が苦手になった。
そして、初体験を済ませた彼女は、ますます派手になり、とうとう他に男をつくって、彼とは別れた。
でも…。 正美「やあ、君か」
望都「…あ」
早乙女の側でウサギが死んでいる。
正美「野良猫にやられたらしい」 正美「彼女、何か言ってた?」
望都「うん。私が悪いのって」
正美「悪いのは、僕のほうなのにね」
望都「え?」
正美「こいつら、何で生きてんのかな。どうせ死ぬのに」
望都「そう、だね」
ウサギ達を見つめる望都。
望都:
その時、私は思った。
彼は本当は康子のことなど愛してなかったことに。
そして、実は私が、いつの間にか彼に、どうしようもなく惹かれていたことに。 望都:
その後、私達は別の高校に進学し、それから早乙女君とは会っていない。
私の密かな恋心も、とうに淡い思い出として朽ち果てていたはずだった。
皆が歩いていく中、一人うずくまる望都。
泡のようなものが集まり、早乙女が出現する。
望都「あ…いやああああああ!!!!!」 目覚まし時計が鳴り起きる望都。
望都「うーん」
父親「望都、起きたか?」
望都「勝手に開けないでって言ってるでしょう」
父親「すまん」
望都「もう」 父親が触ったドアノブ、自分の手をウェットティッシュで執拗に拭く望都。 望都:
どうして、みんな生きてるんだろう。
どうせ、死ぬのに。 康子「望都、大丈夫?」
望都「うん」
康子「昨日はびっくりしたぞ。いきなり悲鳴あげて逃げ出すだもん。何見たの?」
望都「ううん、何も」
康子「あのさ」
望都「何?」
康子「私さ、早乙女君の噂、深陽学園の子に一度だけ聞いたことがあるんだ。
彼、2年の先輩に告白して振られたんだって。それも、学校でも有名な不良の女に。
深陽の霧間凪って聞いたことない?
だからさ、彼が失踪したの一瞬引きずって私のこと引きずってたのかと思ったけど、違うよね」
望都「そうだね。違うね」
康子「じゃあ」 望都「失礼します」
久志「先生なら、今いないよ」
望都「そうですか。あ…あの」
久志「動くな。悪い。あんたの心臓に虫が張り付いてるんでね。ま、触れられたくないなら仕方ないけど。
あんた、そのままじゃ虫に心を全部食われちまうぜ。
そいつは心のしこりだ。最近見えるようになったんでね、そういうのが。
あんた、何か心残りがあるんだろう?それもずっと前からの。
俺は3年の城之内。俺に胸をまさぐられてもいいと思ったらいつでも来な。
そのまま虫に食い殺されるよりマシだろう?ふふふ」
望都:
そうだ。私はずっと…。
行かなきゃ。 望都;
ここに来たってどうなるものじゃない。
そんなことは分かっていた。
ただ、早乙女君がいた場所を感じたかった。 藤花「いいの?」
望都「あ…」
藤花「何か用があるように見えたから。聖谷の人ね。私案内しましょうか?」
望都「あ、いいんです」
藤花「そう?遠慮しなくていいよ」
友達A「またおせっかい?」
望都「あの、霧間凪さんって」
藤花「え!あの人に呼び出されたの!?一体何したの?」
望都「いえ、そんなんじゃ」
藤花「私一緒に行ってあげる。怖いけど、でも大丈夫。話せば分かると思う」
友達A「霧間凪ならもういないよ。5限目からふけたってD組の子が言ってたもん」
藤花「だって。どうしよっか」
望都「あ、それならいいんです」
友達A「藤花、先帰っちゃうぞ」
藤花「あ、待って!ほんとにいい?それじゃあね、さようなら」
望都「…」 望都:
行く先を失った私の足は、それでも彼の痕跡を求めて、
自然と、昨日の場所へと向かっていた。 白い浮遊体を見つけた望都は必死にそれを追いかける。
早乙女の声が聞こえる。
正美「さあ、こちらへおいで」 再び泡のようなものが早乙女へと姿を変える。
望都「やっと会えた。早乙女君」 望都「早乙女君。私、私ね。ずっと、ずっと言いたくて言えなかった。
多分康子に遠慮してたんだと思う。
でも、言えなかったことがずっと心にしこりになってて。だから…。
私、あなたのこと好きです!ずっとずっと好きでした!」
正美「お前は、誰だ」
望都「え!」
正美「お前は早乙女正美の知り合いだったのか?」
望都「覚えてくれてないの?」
正美「まあ、そんなことはどうでもいいがな」
望都「そうね…どうでも、いいね…」
正美「久々の餌だ。私はお前を喰らう」
望都「え…」 望都「私を殺すの?」
正美「ああ。結果的にお前は死ぬ」
望都「いいよ、もう。殺されても…いい」
ブギーポップ「それは早乙女君じゃないよ」
望都「きゃあああああ!!」
ブギーポップに額を貫かれ断末魔をあげ消える早乙女。 望都「ああ…」
ブギーポップ「あれは、早乙女君の形をしているが、彼ではない。人喰いが彼の姿を借りているだけだ」
望都「ひ、人喰い?」
ブギーポップ「実体を失って、既に人畜無害になっているが、たまに君のように自分から命を差し出す者がいて困る。
あれに喰われても、早乙女君に殺されたことにはならない。
早乙女君のことは忘れたまえ。彼は、僕が殺した」
望都「え…」
嗚咽が止まらない望都。 執拗に手を洗う望都。
望都:
私が見たのが、ブギーポップだったのかどうかは分からない。
それとも、全部幻だったのかもしれない。
あの事があって、何が変わった訳じゃない。
今もやっぱり、私は私のことが好きじゃない。
康子「望都、今日どうする?よし、じゃあ校門で待ってる」 望都:
それでも私は、何とかまだこうして生きているらしい。
…多分。 久志「はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ…」
ブギーポップ・ファントム「…」
久志「うわあ!はあ、はあ、はあ…」 久志「はあ、はあ、はあ、はあ、はあ…うぅ…何でこうなっちまったんだ」 久志(小学生)「うわ!」
久志:
そうだ。俺は子供のころ、ヒーローになりたかったんだ。
久志(小学生)「どうだ!もう場所を横取りしないな!」
6年生たち「分かったよ」
6年生たち「ちくしょう、覚えてろよ!」
友人「すげえや!6年生泣かしちゃったよ」 久志「ふふふ、ふふふ。くそ。ん?」
ふと虫を見つける久志。
久志「はは、ふははは、ふははははは」
そして無心で虫を喰らいつく。 母親「おめでとう、久志」
父親「よく頑張ったな」
母親「一人だけ別の中学行くの寂しいんじゃない?」
父親「ははは、久志は大丈夫だよな?」
久志「うん」
母親「さ、食べましょう」
久志「いただきます。…いたっ…う…」
父親「久志!」
母親「久志どうしたの!」 母親「骨肉腫ですか?」
先生「幸い発見が早かったので、手術のあと、化学療法のため、2、3年は通院していただくこととなります」
母親「…そうですか」
先生「…」 中学生達「何あいつ」
中学生達「病院通いだってさ」
中学生達「ふーん」 凪「なあ、どう思う?探偵さん」
慎平「さてね。なりたいものになれる人なんて、そういるもんじゃないんじゃないかな」
凪「だからって、何になりたいか、自分がどういう生き方をしたいのか考えるのは、無意味じゃないだろ」
慎平「それじゃあ、名探偵霧間凪君は何になりたいのかな」
凪「それがピンが来ないから聞いてんだろ。探偵さんは今の仕事以外に、何かやりたいことはないの?」
慎平「そうだな、正義の味方かな」
凪「ぷ、何だよそれ」
慎平「笑うなよ」
凪「ふふふ」
慎平「実際の探偵ってのは、小説なんかと違って結構汚いこともするし、つまらないことに縛られたりするもんだ。
でもそういうの一切なしで事件を解決するだけの正義の味方」
久志「…」
慎平「そういうならなりたいな」
凪「なればいいじゃん。なれるよ、きっと」
慎平「簡単に言うなあ」
凪「ふふふ、ひひ」
先生「霧間さん、そろそろ病室に戻りなさい」
凪「いっけね。来生先生だ。それじゃあね、探偵さん」
久志「…」 先生「順調に良くなってるわよ。もう少しの辛抱ね」
久志「今更治っても、遅いよ」
先生「え?」
久志「今からどんなスポーツやったって、一流になるには遅すぎるだろ?もうヒーローにはなれない」
先生「城之内君、ねえ、人間の能力って肉体的なものだけじゃないんだよ」
久志「分かってるよ。しっかり勉強して人の役に立つような人間になれって言うんだろ?母さんと同じこと言うんだな」
先生「ふふ、君は弱いなあ。お母さんはあんなに強いのに」
久志「どうせ俺は」
先生「ま、臆病者のほうが長生き出来るってことはあるけどね」
久志「え」
先生「死神はね、人が恐怖にとらわれた時にやってくるのよ。それも強い人間が恐怖に震えるさまがとびきりのご馳走なの。
弱い人間の恐怖は、あまり美味しくないのね」
久志「…」
先生「そうね、もし君が望むんなら、とっておきの薬があるんだけど。君に効くかどうかは分からないけどね」 久志:
しかし、あの女医のとっておきも俺には効かなかった。
ひどい熱が出て一週間寝込んだだけで、その後5年間、俺には何の変化も無かった。
そう、ほんの一か月前までは。 光の柱を見る久志。
そして、光の球が久志を貫く。
久志「あ!」
久志:
しばらくして、一週間高熱が続いた。
熱が下がったその日から、驚くべきことが起こった。 父親「久志、大丈夫か?」
久志「ああ、もういいみたい」
父親「心配したぞ。一週間も熱が続いたんだからな」
久志「あ!」
父親「どうした」
久志「父さん、虫が」
父親「ん?熱は下がったみたいだな。お父さん仕事行かなきゃならないが久志どうする?もう一日休むか?」
久志「い、いや、今日は行くよ」
父親「そうか」
久志「…」 街の至るところで人の体の中に虫がいるのが見えるようになる久志。 担任「大木」
女子A「はい」
担任「田村」
女子B「はい」
担任「笹岡」
陽子「はい」
担任「98点。今回トップだ」
女子A「陽子やったね」
笹岡陽子の中に虫を見つける久志。
担任「野村」
男子A「はーい」
担任「佐藤」
男子B「はい」
担任「辻」
女子C「あ、はい」 陽子「何?話って」
久志「テストのことなんだけど」
陽子「え」
久志「カンニングでもしたのかな」
陽子「あ…うう」
笹岡陽子の中から虫を取り出す久志。
陽子「あ…あ…いや…」
久志「もう行っていいよ」
陽子「あ…。そう。城之内君。なんか分かんないけど、ありがとう」
その虫に喰らいつく久志。
久志:
そいつは、とても甘美な味がした。 久志:
後ろめたさ、後悔、心残り、虫はそういった心のしこりのあらわれだ。
俺は何人もの人間から虫を取ってやった。 保健の先生「ごめんね、殺すしかなかったの。殺すしか…」
取り出した虫に喰らいつく久志。 保健の先生「ちょっとここ、お願いね」
望都「失礼します」
久志「先生なら、今いないよ」
望都「そうですか。あ…あの」
久志「動くな。悪い。あんたの心臓に虫が張り付いてるんでね。ま、触れられたくないなら仕方ないけど。
あんた、そのままじゃ虫に心を全部食われちまうぜ。
そいつは心のしこりだ。最近見えるようになったんでね、そういうのが。
あんた、何か心残りがあるんだろう?それもずっと前からの。
俺は3年の城之内。俺に胸をまさぐられてもいいと思ったらいつでも来な。
そのまま虫に食い殺されるよりマシだろう?ふふふ」 久志:
そう、俺は皆を助けてやってるんだ。
俺は、彼女達の救世主なんだ。 久志「父さん、もう大丈夫だよ」
父親「あ…。そうか。そろそろ食事にするか」
父親から取り出した虫に喰らいつく久志。 久志「はあ、はあ、はあ、はあ、はあ」
警官「ああ、こらこら」
父親「久志」
久志「あ…あ…母さん!」
久志:
母さんは、俺を病院に迎えに来る途中、当時街を騒がせていた殺人鬼に殺された。
親父は、一人で行かせたことをずっと悔やんでいたのだ。 父親「なあ、久志。これ、誰だ」
久志「え」
久志:
俺が、喰っていたのは連中の記憶だったんだ。
久志「嫌な思い出なんて、消えたほうがマシだろう!」 警官「おい、そこで何してる」
久志「いえ、別に」
警官「…」 久志「ああ…ああ…虫が喰いたい…」
少女「う、あ、はは」
久志「虫!」
彼女の放った蝶は久志を包み、どこかの殺人現場のようなところに飛ばされる。
久志「うわ!う…な、何なんだよこれ!」
そしてまた街に戻される久志。
少女「はは。あ。う。はは」
久志「何なんだよ!」 久志「おい、あんた!」
女性A「え」
久志「いや、何でもない」
警官がいることに気づきやめる久志。 久志「虫…虫が喰いたい…」
また別の女性から虫を取り出し食らいつく久志。
久志「!」
ブギーポップ・ファントム「…」
久志「何だ!俺をどうしようってんだ!うわあ!」
ブギーポップ・ファントム「…」
久志「ああ!はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ」
久志:
黒い影はどこまでも追ってきた。
あいつは、死神だ。 久志「何でだ。俺なんか、喰ってもまずいだろ。俺みたいな臆病者を喰っても」
凪「誰かいるの?」
久志「え?」
凪「!」
ブギーポップ・ファントム「霧間凪か?」
久志「え?」
凪「ブギー…いや、違う。お前はマンティコア?」
ブギーポップ・ファントム「いいや、僕はブギーポップだよ」
凪「そこのあんた、逃げろ!」
久志「ひい!」 久志「はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ…ああ!」
(慎平「名探偵霧間凪君は何になりたいのかな。正義の味方、そういうんならなりたいな)」
(凪「なればいいじゃん。なれるよ、きっと」)
久志「はは、ははは…」
ブギーポップ・ファントム「待たせたな。彼女を巻くのに手こずったんでね」
久志「俺を殺すのか?」
ブギーポップ・ファントム「僕は殺す訳じゃない」
ブギーポップ・ファントムは指を指す。
そこを見ると、久志自身に沢山虫が付いてるのに気づいた。
久志「はは、ははは、はは…」
ブギーポップ・ファントム「僕は君を連れに来たんだよ」 久志が明るい光に包まれる。
小学校時代の皆がそこにはいた。
友達@「遅いよ」
友達A「早くおいでよ」
久志「はは、はは…みんな…ははは」 女子D「ねえ、知ってる?1組の城之内って子、いなくなったんだって」
女子E「へえ、久しぶりだね」
女子D「何が?」
女子E「人、消えるの」 『本当の終息。いまだ産まれえぬ者の特権である。
一声産声をあげた者は、その無数の波及の中で、永遠に安らぐことが…』 和子「あなたのお父さん、霧間誠一氏の言葉」
凪「で?」
SCENE 001
深陽学園
和子「そろそろ教えてくれてもいいんじゃないかなって。5年前の事件の事」
凪「その事なら、前にも話したろ?あれは」
和子「あれはブギーポップがやった。まだそんな都市伝説でごまかすつもり?
私は、5年前のあの事件の波及から逃げることは出来ない。
あなたもそうじゃないの?霧間さん。あなたがあの事件の…」
凪「親父の本なんて、読むもんじゃないよ。末真さん」
和子「1ヶ月前、F組の百合原美奈子さんと、1年生の早乙女正美君。一緒にいなくなった事件があったけど、
あれもあなたが関係してるんじゃないの?」
凪「…」
和子「え?変な虹。この頃よく見かけるけど」
凪「虹じゃないだろ、あれ」
和子「え?」 VOL 3
Life Can Be So Nice SCENE 002
聖谷高校
女子A「やっぱりさー、いるんだよ」
女子B「何が?」
女子A「死神」
女子B「ブギーポップ?」
女子C「マジで?」
女子A「だってさ、1組の男子も消えたって言うじゃん」
女子B「あーあーあー、城之内?何か、捜索願とか出てるらしいよー」
女子A「お父さんと二人暮らしだったんだって。何だかだよねー」
女子C「どう思う?パヌルー」
美鈴「え?」
女子B「ブギーポップ。いるかな?」
美鈴「どうだろね」
美鈴:
ブギーポップ。多分、いるんだろう。
でも、だからと言って、この世界が変わることはない。 女子A「カラオケとか行きたくない?」
女子C「あ、行きたい行きたい!」
女子B「めちゃめちゃ歌いたい」
男子A「おい、矢部!ゲーセン寄ってこうぜ」
徹「あ、わりい。今日駄目だわ。じゃあな!」
男子A「いいじゃん。付き合えよ」
徹「あ!」
美鈴「あ!」
徹「わりいわりい。俺急いでっから」
女子A「全くもう」
女子B「危ないわねー」
女子C「ねー。明日しばいてやろう。ん?目うるうるしてっぞ。パヌルー」
美鈴「え?」
女子A「あー、引っかかってるよ!」
女子B「何ー?パヌルー。マジー?」
美鈴「やだ、違うよ。違うってば」
陽子「美鈴」
美鈴「え?陽子」
陽子「一緒に、帰ろ」 美鈴「いいよなあ、陽子は。模試またトップだもんな」
陽子「城之内君さ」
美鈴「え?」
陽子「城之内君さ、まだ、見つかんないんだよね」
美鈴「あ、ああ。そうだったね。心配だね」
陽子「私さ、何だか苦しいんだよね。城之内君がいなくなってから。ずっと」
美鈴「陽子、そうだったんだ」
陽子「え?あ、違うの。そういうんじゃないの」
美鈴「へっへー」
陽子「そうじゃなくて。私、何だか城之内君に、何か大事なことを…」
美鈴「大丈夫だよ。陽子」
陽子「美鈴」
美鈴「おー、空が高いなー。もう冬だね」
陽子「ふふ、ふふふふ。美鈴って、変」
美鈴「何よ」
陽子「だって、何でも包み込んじゃうんだもん。
美鈴と話してると、何だか自分の悩みとかがバカみたいに思えてくる。人格者だよ、美鈴は。
でもさ、美鈴」
美鈴「え」
陽子「何でパヌルーって呼ばれてるの?」 美鈴「別に、人格者なんかじゃないよ。私はただ」
恵「ただ、この世界を愛しているだけ」
美鈴「パヌルー」 美鈴:
そう、私はこの世界を愛している。
愛し、肯定し、受け入れている。
そして、このことを教えてくれたのが、彼女だった。
恵「世界を、受け入れること」
美鈴「喪失も混沌も、あるがままに」 男が繁華街で暴れている。
そこを通りかかる恵と美鈴。
山本巡査「森田さん。そっち押さえてください!」
森田巡査「おい、おとなしくするんだ!」
山本巡査「いいからおとなしくしろ!」 恵「世界はここにあるもの。どんなことでも起こり得るし」
美鈴「そして。…!」
ラブホテルに入っていく美鈴と男。
美鈴「そして、起こったことが全て」
恵「その苦しみゆえに世界を愛し、肯定しなければならない」
美鈴:
私は、感情を乱されるということがなかった。
この世界を、あるがままに受け入れているから。 恵「嘘つき」
美鈴「え」
そこには血だらけの恵が立っていた。
恵「嘘つき!」
美鈴「…パヌルー」 美鈴「これ、ください」
店員「いらっしゃいませ」
美鈴「あ、一枚はプレゼント用で」
店員「かしこまりました」 電車の中で音楽を聴いている美鈴。
突然急停車する。
『ただいま車内におきまして、故障が発生いたしました。
原因究明のためしばらく停車いたします。お客さまにはお急ぎのところ大変ご迷惑をおかけいたしますことを…』
駅員「何だこりゃ」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています