「とりあえず私と秀珀は、二人とも人間界に行きたい。利害関係が一致して親友になった」
「薄っぺらい親友だね」ユージンは呆れて言った。
「まぁ、人間界への扉が開けば、お前も帰れる。椿の邪魔しちゃダメだぞ」
「ぼくは帰らないよ」
「いや、連れて帰る。ララに怒られるの嫌だからな」
「帰らない。ここに残る」
「お前な……」
「おい!」チョウが口を挟んだ。「勝手なこと言ってんなよ」
「勝手なこと?」メイファンが首を傾げる。
「お前にはどうでもいいかもしんねーが、この世界が滅茶苦茶になるんだぞ?」
「椿はランを人間界に還そうとしてるんだ」メイファンは同情を求めるように言った。「ランが人間界に戻れば、この世界も平和になる。それまでの辛抱だ」