ニャンダコーレは訝って、黒騎士に問い掛けた。

 「悪魔の作り出した道具が、コレ、騎士の真似事か?」

 「……何とでも言え」

 「コレ、貴方には自我がある様に見える。
  盲目的な忠誠心は、コレ、悪魔には珍しく無いのだが……。
  貴方の態度は、コレ、それとは違うな?」

 「私はルヴィエラ様の忠実な下僕。
  それ以上でも、それ以下でも無い」

黒騎士は大剣を構えて、緩りとした歩みでビシャラバンガに迫る。
ニャンダコーレはビシャラバンガに警告した。

 「コレ、幾ら相手をしても限が無いぞ、コレ」

 「何か妙案でもあるのか?」

ビシャラバンガの問い掛けに、ニャンダコーレは少し考える。

 「ルヴィエラの配下は明かりに弱いと言うが、コレ……」

 「済まんな。
  己には己を強くする事しか出来ぬ」

 「ニャ、それは仕方が無い事。
  斯く言う私も、原始的な魔法を幾つか使えるだけで、コレ、明かりを灯す等と言う芸当は、
  コレ、出来ないのだから」

ビシャラバンガとニャンダコーレは冷や汗を掻いた。
手詰まり感が強い。