獣が人に成ると言う事に就いて、ニャンダコーレは否定的だった。
一時的に化ける事は出来ても、本性までは変えられない。
魂の形は、そう簡単に変えられる物では無いのだ。
人に焦がれ焦がれて、魔性を蓄え、長き年月の果てに人の姿に変じたとしても、本当の姿は……。
人に成ったのだから、人として生きれば良いのだが、それが出来ない、それをしないと言う事は、
自分が獣だと言う意識を捨て切れない証拠。
ニャンダコーレは他にも化け猫達を探して、ナハトガーブの手下だったと言う者に接触しようとした。

 「コレ、そこの!
  ナハトガーブの手下だと言う物は、コレ、どこに居る?」

 「ニャー?
  ニャんだゃ、おミャーは?
  仲間にニャーに来たんきゃや?」

 「コレ、そう思って貰って良い」

 「ニャー、コレコレ妙な奴(やっ)ちゃニャ。
  できゃー図体(ずうてゃー)だぎゃ、何某(にゃんぼ)の物(もん)きゃーのー。
  ミャー良え、付いて来ぃやー」

化け猫はニャンダコーレを連れて、行き詰まりに誘う。
そこには何匹もの化け猫が屯していた。

 「ニャー、誰(だり)ゃー、そいちゃー」

 「新入りだぎゃー」

 「ヒャー、中々(にゃきゃにゃきゃ)偉丈夫だにゃーきゃ!」

 「ヴェリャー様(しゃま)ん会(え)いに来たぁて」

 「ヒャー、ヴェリャー様にきゃや?
  ミャーしきゃし、力(ちきゃりゃ)の程ぎゃ判(わきゃ)りゃにゃーのー」