0108創る名無しに見る名無し
2019/01/27(日) 18:09:19.29ID:ySJPY9IH「話は終わりか?」
自分の予知は外れないのだと彼は自分に言い聞かせて、心の平静を保った。
「ああ」
「何故、私に話した?」
「それが予知魔法使いの義務なのだ。
私が予知魔法使いであり続ける為には、予知の正しさを知る者が居なくてはならない。
事が終わった後で、全て計画通りだと言われも困ろう?」
「それは確かに。
しかし、私は思うのだ。
その話こそ私を欺く為の嘘では無いか?
真実だと言う保証が、どこにある?」
サタナルキクリティアの疑問に対するスルトの答えは、実に堂々とした物だった。
「どこにも無いが、信じて貰わねばならぬ。
私はマトラ様に指揮権を委ねられている」
だが、サタナルキクリティアは人差し指を立て、嫌らしい笑みを浮かべる。
「投資詐欺の話を知っているか?
詐欺師が『大豆<ファナハバ>』の先物相場を利用して、金持ちに投資詐欺の話を持ち掛けた。
私は市場の裏情報を知っている。
1000万MG預けてくれれば、1週間後に倍にして返すと。
騙された人物は警察に、詐欺師の予想が5日連続で的中したので信じてしまったと語った。
警察が調べた所、同じ様な被害者が他に10人は居た。
詐欺師は一体どうやって予言を的中させたのだろうか?」
※:大豆に相当する作物。
ダード、ダド豆、ファナ豆とも言う。
豆には他に、ハバ豆、バガ豆、野豆、黒豆、鞘豆等がある。
豆を表す一般名詞は「ハバ」。