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スポーツ総合スレ
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0001創る名無しに見る名無し
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2010/08/14(土) 17:28:00ID:95LtTUF3
小説でも絵でもスポーツに関連してればなんでもアリ
雑談もお待ちしてます

前スレ:スポーツをテーマにした小説を書くスレ
ttp://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1226658606/
0767創る名無しに見る名無し
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2014/06/30(月) 01:39:23.46ID:tRGtcWiN
ブラジルvsチリはPK戦までもつれ込む熱戦でしたねー
優勝候補ブラジルが負けちゃうんじゃないかとヒヤヒヤしました
0768創る名無しに見る名無し
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2014/07/05(土) 18:54:57.53ID:HlNHyr3R
ブラジルがコロンビアに勝って準決勝進出を決めたけど、10番ネイマールの負傷はかなり痛いな‥
0769創る名無しに見る名無し
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2014/07/06(日) 21:12:44.10ID:nT46+k5J
ベスト4が出揃いました!

ブラジル
ドイツ
オランダ
アルゼンチン

いずれも強豪国ばかりですね
0770創る名無しに見る名無し
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2014/07/09(水) 07:53:16.38ID:ImH4VAcX
ドイツが開催国ブラジルを下して決勝へ!

・・・にしてもこんな一方的な展開になるとは誰が予想しただろうか
ブラジルはネイマールとシウバの欠場が大きかったな…
0771創る名無しに見る名無し
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2014/07/10(木) 21:55:54.45ID:i4vg2hKJ
ワールドカップ決勝の組み合わせはドイツVSアルゼンチンになりました!
さあ、どちらが優勝するでしょうか?
0773「GirlsBaseballClassic〜スタジアムの女神たち〜」第二十三話
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2014/07/24(木) 00:27:27.72ID:Rb7zuBhu
1/8
 東京都港区某所。カップルで賑わうカフェにて、一人待っているのは大咲さくら。
 言わずと知れた女子プロ野球、東京シャイニングヴィーナスのエースである。
 そこへ現れたのは、綺麗な長髪の女性だった。ワイシャツにジーンズというラフな格好
をしており、さくらよりやや背が高いようだ。

「お久しぶりです。稲穂先輩」
 さくらに先輩と呼ばれた女性は、なにやら笑いを堪えているようだ。
 そしてそのまま、さくらの座るテーブルの向かい側の椅子に腰を下ろした。
 さくらの前にはアイスコーヒーが置かれている。待っている間に少し飲んだようだ。
 稲穂は近くのウェイトレスを探し、アイスカフェラテを頼んだ。
「おー、さくら。調子はどうなんだい?」
「なんだか、強者の余裕が垣間見えますね……」

「あはは。そんなつもりじゃ無かったんだけどねー。ま、お手柔らかに頼むわ」
「去年はブリザーズに相性良かったですし、叩いておきたいのが本音ですが」

「おっ、言うねえ」
「でも今年のブリザーズはひと味違うみたいですね」

「ふっふっふ。まあ、大した事は無いけどな!」
 出た。稲穂のどや顔。
「言葉と態度が合ってないじゃないですかっ」
 これにはさくらもツッコまずにはいられなかった。

「でも三番を打つ滝川って打者には注意しろよ。ここまで打率が脅威の6割超え!」
「はいはい。すごいですねー」
 さくらは冷めた顔で稲穂を見つめる。

「いや本当、振ればバットに当たるって感じだから」
「だったら当てさせませんよ」
「相変わらずの負けず嫌いだねえ」
「そりゃまあ、エースですから」
 さくらは力強く言い放った。これは頼もしい。

「うちのエースにも煎じて飲ませたいよ。あんたの爪の垢」
 稲穂が言うには、実力的には申し分無いものの、今一つ闘志に欠けるらしい。
「残念ですけど、それは無理な相談ですね。爪は綺麗に手入れしてますから」
「いやいや、そういう意味じゃねえから」
0774「GirlsBaseballClassic〜スタジアムの女神たち〜」第二十三話
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2014/07/24(木) 00:31:00.12ID:Rb7zuBhu
2/8
 滝川稲穂は札幌ホワイトブリザーズに所属する外野手。だが、3年前までは大咲さくら
と同じ東京シャイニングヴィーナスにいた。それで今でもこうしてお互いに時間を作って
は会うようにしている。
 一応今では敵同士なので、お互いのチームの内情についてはシークレットにしているの
だが、割と脱線しがちである。

 さて。話題は今シーズンの札幌ホワイトブリザーズの好調ぶりに対してだ。
「そりゃあ、やっぱりうちゅ――」
 稲穂は何かを言いかけて、その言葉を飲み込んだ。
「ん? 今何か……宇宙って言おうとしませんでした?」
 さくらはすかさず問い返す。でも、宇宙って何だ。野球と関係が有るのか?
「いや、えと、その、うちゅ……右中間! 今年のウチは右中間が良いんだよ!」
 今これ明らかに何かを誤魔化しただろ。
「それは……どういう意味なんですか?」
 さくらはさらに聞き返してみた。
「つまり、右中間というのはセンターとライトの間の事だ」
 そんな事は流石に相手も知っていると思うのだが。
「ブリザーズのライトは稲穂先輩で、センターは赤嶺さんでしたっけ?」
「そうそう。二人の守備が安定してるからな」

 稲穂は移籍してからずっとレギュラーとして安定した成績を残しているが、センターを
守っている赤嶺史香は今年からスタメンに定着した若手の外野手だ。
 赤嶺の俊足と広い守備範囲はアマチュア時代から定評があったが、課題だった打撃面の
安定により1番打者として様になってきた。
 また、ベンチでも積極的に声を出すなど、ムードメーカーとしてもチームの勝利に貢献
している。
 今年になって人格が変わったみたいだ、などと口にするチームメイトもいるが、まさか
そんな事は無いだろう。

「そういや史香の奴、東京に来るの楽しみにしてたなー。今頃あちこち見てんのかもな」
「でも、新人じゃないんだから去年も来てる筈ですよね」
 さくらは疑問を口にした。

「あー……、ほら、今年は絶好調だからさ。気分も違うんじゃねーのかなー。あははっ」
 何かを誤魔化すように、稲穂が説明を重ねた。
「なるほどー。そういうのって、ありますよね」
 ニッコリと笑顔で返したさくらの真意はわからない。
0775「GirlsBaseballClassic〜スタジアムの女神たち〜」第二十三話
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2014/07/24(木) 00:33:21.39ID:Rb7zuBhu
3/8
「こうやって休日に一緒になるのは珍しいっスね!」
「……そうね」
 東京シャイニングヴィーナスの小宮奈美と川原恵美は、都内千代田区某所にいた。
 休日ということで、それぞれ出掛けた先でたまたま出会ったのだった。
 プライベートでは別々になることが多いという彼女たちが向かったのは、とある有名な
メイド喫茶だった。

 どうして2人がそんな場所にいるのか。
 次の3連戦の初戦、金曜日の試合は御堂あづさのプロデュースデーとなっていた。
 プロデュースデーというのは、選手自身が趣向を凝らしたイベントや当日限定グッズの
配布、特製フードメニューの販売等を行う日なのだが、その日の担当だった御堂あづさが
提案したのがファンをメイド姿で出迎えるというアイデアだった。
 だが、流石に全員分の衣装は用意出来ないようなので、じゃあ誰を“選抜”するのかと
いう話になったわけだ。
 ちなみにネット上で行ったアンケートの結果は、1位から順に大木姫子・三島みらい・
大咲さくら・小宮奈美・川原恵美・・・と並んだ。
 この上位5人と提案者のあづさを加えた6人が、メイドに変身する事になった。

「姫ちゃん先輩やみーりゃんはわかるっスけど、なんで私がこんな順位なんスかね?」
「……これは陰謀かも」
「ええっ。どういう事っスか!?」
 大げさなリアクションを見せる奈美に対して、恵美は淡々と話す。
「……我々は踊らされている。……まさに陰謀ダンス」
「えええっ。どういう意味っスか!?」

「……ナンデモナイデス」
 恵美は俯いて黙ってしまった。
 まあ、とりあえずお店の中に入ろう。と、その時だった。
0776「GirlsBaseballClassic〜スタジアムの女神たち〜」第二十三話
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2014/07/24(木) 00:36:37.69ID:Rb7zuBhu
4/8
「あれー? どこかで見たような顔だと思ったら」
「ヴィーナスの小宮さんと、川原さんではございませんか」

 奈美と恵美の後ろから唐突に現れたのは、水田松子と雪本星乃の2人だった。
 共に明日から対戦する札幌ホワイトブリザーズの選手だ。
 グラウンドの外では会う機会があまり無いので、お互いに普段着姿が新鮮に映る。

「どうしたんスか? その荷物……」
 奈美がふと尋ねた。水田と雪本の両手には紙袋が下げられていた。
「東京に来たついでに、ね」
 水田は紙袋の中から一冊の本を取り出して、奈美らに見せた。

「漫画……っスね。これは、私達のユニフォーム?」

 シャイニングヴィーナスのユニフォームを着た女の子のキャラクターが描かれた表紙。
 ユニフォーム姿の女の子が二人、あたかも恋人同士のように見つめ合っている。
 これは俗に言う野球漫画……なのか?

 ぺらり。
 ぱたん。

 奈美は見てはいけない物を見たような気分だ。すぐに本を閉じて、顔を赤くする。
 一瞬の記憶を辿ると、表紙ではユニフォームを着ていたはずの二人が、裸で愛し合って
いた。しかめお互いに恵美とか、奈美とか呼び合っていた。
 という事は、あのキャラクター達は……。

「あちゃー。流石にご本人に見せるのは刺激が強すぎたかー」
 水田はいたずらっぽく笑いながら言った。
「ナミメグは鉄板だからさ。あ、体型の話じゃなくてね」
 奈美が手渡された本は、その界隈ではナマモノと呼ばれる、女子プロ野球選手を題材と
したいわゆる同人誌である。
 水田は同人誌集めが趣味である。が、当の選手が自分から集めていくのか……。
 ちなみに紙袋の中には、他にも様々な漫画やアニメ等の同人誌も入っている。
 実は自らも同人活動をしているのだが、それについては追々明らかにしていこう。
0777「GirlsBaseballClassic〜スタジアムの女神たち〜」第二十三話
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2014/07/24(木) 00:41:02.83ID:Rb7zuBhu
5/8
「あんた達も入るんでしょ? 行きましょ」
 水田に促され、奈美と恵美は店内に足を進める。

「そうっスね。それじゃあ今日は松子さんのおごりで〜」
「松子って言うなっ! つか何で私が奢らなきゃいけないのよ」
 奈美の提案は即座に却下された。あと、水田は下の名前で呼ばれるのは嫌らしい。

「でも本名っスよね……」
「チーム内では“まつさん”って呼んでおります」
 雪本が補足した。どうやらそういう事らしい。

 カランコロンカラン。すったもんだの末、4人は入店した。
「お帰りなさいませ、お嬢様。こちらのテーブルへどうぞ」
 店内に入ると、早速メイド姿のウェイトレス出迎えてくれる。
「おおっ。本物のメイドさんっス……。初めて見たっス」
 おいおいお前は初めて日本にやってきた外国人かっつーの。というツッコミを入れたく
なる程の反応を見せた奈美だった。
 あえて言わせてもらえば、メイド服の彼女達は接客業であり本物のメイドでは無い。

「こちらのボロニア風ミートソースパフェをいただこうかしら」
 雪本星乃が真っ先にメニューを選んだ。人気のスイーツだ。
「まるで本当にお嬢様みたいっスね。雪本さんって」
「そうかしら? 小宮さん」
 やや驚いたような表情の雪本。マウンドでは少し華奢な体躯と、すらりと伸びた腕から
スローカーブを繰り出すサウスポー投手という印象だ。名前から“星のお姫様”の異名を
持つが、マウンドを降りてもお姫様のようだった。

「……お腹すいてない。お冷やだけでいい」
 川原恵美の胃袋は満たされていた。元々食事をする目的では無かったので致し方無い。
「そんなー、せっかくなのに。じゃあ、これを二人で分け合うっス」
 そう言って奈美が指さしたのは「愛情たっぷりジャンボオムライス」だった。
0778「GirlsBaseballClassic〜スタジアムの女神たち〜」第二十三話
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2014/07/24(木) 00:45:37.65ID:Rb7zuBhu
6/8
「き、きましたわーっ!」
 水田が歓喜の声を上げた。いきなりどうした。
「なっ、何なんスか。まつ……いや、水田さん」
 奈美は驚いた。そりゃ驚くわな。
「そういうの、すごく良いと思うわ。推奨、マジ推奨」
 水田の目がキラキラと輝きだした。ちょっと怖いよ。
「……それはクリスタル的な意味で?」 また意味の解らない言葉を口走る恵美。最早誰もツッコむ事すらできない。

「ところで、まつさんはどうされるんですか?」
 雪本が尋ねた。そう言えば、水田はまだ注文を済ませていなかった。
 おかずはこれで充分でございます。と言いたいのをぐっとこらえて、水田はメニュー表
から「メイド長の気まぐれ過ぎるサラダのような何か」を注文した。
 こちらのメニューがどれくらい気まぐれかと言うと、この前はプチトマト(ミニトマト
とも言う)が一個だけお皿に乗せられて出てきた(お値段はそのまま!)という代物だ。
 しかし何故かこれを頼むお客さんが絶えないという。

「ケチャップで文字っスか? え、イラストでもOKなんスか!?」
「……では、ダイイングメッセージを」
 ちょっと恵美さん、店員さんを勝手に殺さないように。たしかに、トマトケチャップは
赤くて血みたいな色ですけど。
 これに対して店員(メイド)は、わっかりました〜。と甲高い声で答えて、ケチャップ
で器用に文字を書き出した。こんなムチャブリにも応えるとは、やはりプロだな……。

「はぁ〜い、できましたぁ。おいしくな〜れっ。キュン!」

 死 し て 屍 拾 う 者 無 し

「……こ、これは」
「い、潔いっス……」

 これでは真犯人は見つからない。事件は迷宮入りだ。
0779「GirlsBaseballClassic〜スタジアムの女神たち〜」第二十三話
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2014/07/24(木) 00:49:56.16ID:Rb7zuBhu
7/8
「いやー、今日は楽しかったっスね」
「……右に同じ」
 奈美と恵美は初めてのメイド喫茶を堪能したようだ。

「あの辺りには、もーっと楽しいお店が沢山あるからね。また連れて行ってやんよ」
 水田は満足げだ。札幌の球団に所属する水田が、地元東京の球団の選手を案内しようと
いうのもおかしな話だが、水田松子にとってはこの地がある意味で“ホーム”なのだ。

「私たちの住む札幌にも楽しいお店が色々とございますので、お越しの際には紹介させて
いただきますわ」
 雪本が優しく微笑んだ。
 敵チームと言えど、グラウンドの外ではいがみ合ってもしょうがない。
 球団を越えたカップリング。そういうのも良いんじゃないか、水田はそう思った。
 いや、そんな事を考えるのは多分この人だけです。

「……ところてん」「なんスか? メグ先輩」
 奈美と恵美の二人は札幌組の二人と別れ、選手寮へと向かっている。
「……じゃなかった、ところで」
「はい」
「……当初の目的は」
「えーっと……?」
 どうやら忘れた模様。

「まあ、面白かったから良いっスよ」
「……大丈夫かな」
 恵美は少し不安になった。

「メグ先輩は、どうだったっスか?」
 なんというか、あまりにも漠然とした質問が奈美から投げかけられた。
「……オムライス、美味しかった」
「そうスか? 普通の味だったと思うスけど……オムライスが好きなら今度は私が作って
あげるっスよ」
「……いや、そういう意味じゃなく」
 と言うかオムライスくらいなら自分で作れる。そう恵美は思った。
0780「GirlsBaseballClassic〜スタジアムの女神たち〜」第二十三話
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2014/07/24(木) 00:54:32.02ID:Rb7zuBhu
8/8
「こう見えても料理の腕には自信あるんスよ」
 そもそもどう見えてると思ってるのかというツッコミはさておき。
「……わかった」
 そう言われて断るのもどうかと思ったので、恵美は許諾しておいた。
 いつとは言っていないので、奈美の気分次第で明日かも知れないし、あるいは十年以上
も先かもしれない。
 ……流石に十年経ったら向こうも忘れてるだろう。
 まあいい。その時はこちらからオムライスを振る舞おう。
 今日みたいに大きな一つのオムライスを二人で食べよう。
 さらにその上にトマトケチャップでどんな文字を書こうか。
 そんな事をぼんやりと想像する恵美なのでした。

 つづく。
0790「GirlsBaseballClassic〜スタジアムの女神たち〜」第二十四話
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2015/02/22(日) 18:54:55.90ID:VyHoNGPz
1/9
「これが、雪本のスローカーブか」
 東京シャイニングヴィーナス監督の栗田は、対札幌ホワイトブリザーズ初戦のオーダー
を考えていた。
 まずは初戦に先発予想の札幌・雪本星乃のVTRをチェックしていた。
 細身のサウスポーで球速はそこまででも無いが、ストレートとスローカーブを駆使して
打ち取る。そんな印象を持った。
 過去のデータを見ると、大木姫子を除く左打者は軒並み低打率に抑えられている。
 ところで三島みらいなら、初対戦でこのスローカーブを打てるだろうか。
 むしろ今後の事も考えると、相手のエース級に慣れさせておいたほうが良いだろう。
 栗田はスタメン表の五番打者の空白に、三島みらいの名前を入れた。
 一方で、左打者のマクスウェルと小松田がスタメンから外れる事となった。
 ライトにはユーティリティプレイヤーの井村を入れ、スイッチヒッターを含めて右打者
が8人も並んだ。
「エース同士の先発だし、1点を争うゲームになるだろうな」
 栗田はそう予測していたが、果たして実際の試合はどうなるのだろうか。

「打つ方もチェックしておこうか」
 ディスクを入れ替え、今度はブリザーズ打撃陣の映像を見てみる。
 まずは1番打者の赤嶺史香。好調な打線を引っ張るけん引役である。
 初球から積極的にバットを振っていくタイプで、長打もあるので警戒が必要だ。
 3番の滝川稲穂は、現在打率が6割越えとノリに乗っている。さらにこの打者が打つと
チーム全体も調子に乗っていくらしい。やはり警戒が必要だ。
 そして主砲、4番の勝村誠。豪快なフルスイング持ち味のスラッガーだ。
 打席に立った姿は“侍”を髣髴とさせる。雰囲気に呑まれないよう警戒が必要だ。
 さらに6番に座るフランス代表でもあるフランソワーズ・ミシュランも、甘く行ったら
大きいのを打たれる可能性があるので、これも警戒が必要だ。
 それから8番の伊集院公子は、いかにもキャッチャーらしい体型で、当たれば飛びそう
なので警戒が必要だ。

「こうしてみると、警戒してばっかりだな……」
 栗田は小さなため息をついた。
 おいおい。指揮官がそんな戦う前からネガティブでどうするんだ。
 栗田は自分の中で気持ちを入れ直した。と言っても戦うのは選手たちなのだが。
0791「GirlsBaseballClassic〜スタジアムの女神たち〜」第二十四話
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2015/02/22(日) 18:59:43.19ID:VyHoNGPz
2/9
 試合は静かな立ち上がりと……は、ならなかった。
 先頭打者の赤嶺が初球を思い切り振り抜くと、打球はフェンスを越えてしまった。
 これが勢いなのか。まずはアウェイに乗り込んだブリザーズが先制点を上げた。

「うーん、これは失投だわ」
 マウンド上の大咲さくらは苦笑いした。
 別に対戦相手を舐めていたのでは無いのだが、初球は簡単にストライクを取りに行って
しまったようだ。
 続く2番の田野中明華をセカンドゴロに仕留め、最初のアウトを奪う。
 そして打席には、3番打者の滝川稲穂が立つ。
「先制点は私のバットからって決めてたのにな」
 少し残念そうな表情の滝川だった。
「それじゃあ、おとなしく凡退して下さいです」
 キャッチャーの丸山みのりが、ボソリと話しかける。
 そう言っておとなしく凡退してくれたら、どれだけ楽なことか。
 滝川はさくらの直球をはじき返し、ツーベースヒットを放った。
 これでまた打率が上昇、もはや誰にも止められないのか。

 追加点のチャンスを作り、打席にはブリザーズの4番・勝村誠が立った。
 あたかも現代に蘇った侍が如し雰囲気を漂わせる勝村。
 魂のフルスイングが、見る物の心を酔わせるという。
 2ボールからの三球目、低めへの速球を勝村が振り抜いた。
 打球は強烈なピッチャー返し。さくらの股間を抜けてセンター前へ。
 これでランナーは一、三塁となった。
 立ち上がりを攻められるヴィーナスのエースだったが、その心中は落ち着きを取り戻し
ていた。
 ふと味方のベンチを見ると、自分以上に慌てている男の姿があった。
 それを見てさくらは噴き出しそうになるものの、ぐっと堪える。
 集中だ、集中。5番の田島を変化球で引っ掛けさせる。注文通りのセカンドゴロ。
 4−6−3とボールが渡ってダブルプレー。これで3アウト。この回は最小失点で踏み
とどまった。
0792「GirlsBaseballClassic〜スタジアムの女神たち〜」第二十四話
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2015/02/22(日) 19:04:23.36ID:VyHoNGPz
3/9
「もう、何やってるんですか。監督」
 栗田がさくらを労うより先に、さくらが栗田に話しかけた。
「監督は監督らしく、ドシッと構えててください」
「お、おう……」
 そう言われても、やはり遠くで見ているだけというのはもどかしいもんだ。
 栗田は苦笑いした。そしてふと相手のベンチを見る。札幌ホワイトブリザーズを率いる
若杉潤一監督の姿が目に入った。
 プロ野球で日本一も経験している名監督だけに、流石の貫禄である。見習わねば。

 雪本星乃がマウンドへ。三連戦の初戦、ブリザーズもエースの左腕を立ててきた。
 1点差を追いつきたいヴィーナスの打線だが、初回の攻撃はあっさり三人で終わった。

「何やっとんねん。簡単にひねられよってからに」
 ネクストバッターズサークルの御堂あづさは愚痴をこぼした。
 残念ながら主砲の御堂あづさに初回から打席は回らず。
 だがそんなあづさも、二回裏の先頭打者としての打席では内野フライに倒れる。
 1アウト走者無し。三島みらいが第一打席で雪本星乃に相対する。
 まず初球、雪本はいきなり決め球のスローカーブを投じた。
 この球を初見で打てというのも酷な話かもしれないが、みらいは初球を見送った。
 緩やかな放物線の先が、ストライクゾーンの底辺にキッチリ収まる。ワンストライク。
 すごいコントロールです……。と打席のみらいは思った。
 だが見とれてる場合か。すぐに次の投球に備える。
 二球目はストレート。やや甘いコースだった。だが、来たと思って振り抜いた時には、
そのボールはキャッチャーミットの中に吸い込まれていた。
 ネクストバッターズサークルで見た時より、速くなってる?
 打席のみらいが戸惑っている隙に、三球目がやってくる。
 最後はボール球のストレートに呆気なく空振りしてしまう。三球三振に終わった。
0793「GirlsBaseballClassic〜スタジアムの女神たち〜」第二十四話
垢版 |
2015/02/22(日) 19:08:50.95ID:VyHoNGPz
4/9
 試合は1−0のまま、進んでいった。
 なんとか最小失点のまま粘り続ける大咲さくらだが、味方の打線が得点を取れない。

 4回裏には川原恵美がサード強襲の内野安打で出塁するものの、ベンチからのサインで
盗塁を敢行し刺されたりもした。
 エースの粘りの投球に応えたいヴィーナス打線は5回裏、先頭打者の御堂あづさが四球
で出塁し、今日は5番に入っている三島みらいが二度目の打席へ向かう。
「ここは……送るか」
 監督の栗田はバントのサインを出した。みらいは前の打席で手も足も出なかった雪本の
スローカーブをキッチリと三塁線に転がした。
 スラッガータイプと思いきや、こういった小技も上手い。栗田は改めて感心した。
 だが、後続が倒れて得点を奪うことはできなかった。

「もう一本、いっときますかぁーっ」
 赤嶺史香が威勢良く打席に入った。バットを天高く突き上げ、ゆったりと構える。
 6回表の先頭打者としての登場だが、出塁だけを狙うような真似はしない。
 赤嶺は3球目のストレートをセンター方向へ打ち返した。第1打席のようにフェンスを
越えるのか。ブリザーズのファンがワッと盛り上がる。
 しかし、この打球はセンターの大木姫子がキャッチした。投手の球威が勝ったようだ。
 結局この回は、さくらが三者凡退に抑える。流れを呼び込みたいところだ。

「さあー、逆転するわよー」
 6回表のピッチングを終えてマウンドからベンチに帰ってきた大咲さくらが、ナインに
対して葉っぱをかける。葉っぱじゃないよ、発破だよ。
「ほな、まずは口火を切って、頼むわ」
 御堂あづさがさくらにバットを手渡す。6回裏の先頭打者は、さくらだった。
 さくらはピッチャーだが、打つのも好きだった。大阪の真淵みゆきみたいにはいかない
けれど、投げても打っても一流を目指したい。
 打席のさくらはストレートに的を絞って、綺麗なセンター返しを放った。これが今日の
チームで2本目のヒットとなった。
 続く9番の井村がきちっと送りバントを決めて、上位打線に回す。
0794「GirlsBaseballClassic〜スタジアムの女神たち〜」第二十四話
垢版 |
2015/02/22(日) 19:13:43.04ID:VyHoNGPz
5/9
 ワンナウト二塁で、1番打者の小宮奈美が右の打席に入る。
 ここまでは雪本星乃の巧みな投球術に翻弄されていたが、この三打席目では遂に決め球
のスローカーブを捉え、左中間へと持っていった。
 二塁ランナーのさくらは三塁を蹴ってホームを狙う。センターの赤嶺がボールを掴んで
強烈なバックホームを見せる。
 ダイレクトな返球がキャッチャー伊集院のミットにすっぽりと吸い込まれた。
 ああっ、これではホームに突っ込めない。結局、さくらは三本間に挟まれてアウトに。

 赤嶺史香の強肩は解っていたはずだ。それなのに、焦ってしまった。
 対照的に、同点のピンチを防いだブリザーズのナインは活気付く。
 主砲の勝村から始まる札幌の攻撃。先頭の勝村は強烈なライナー性の打球をライトの前
に弾き飛ばす。むしろシングルヒットで助かったと言いたくなるような当たりだった。
 5番の田島は送りバントを決め、一死二塁で左の打席にフランソワーズ・ミシュランが
立った。
 母国フランスでは、4番として代表チームを引っ張るミシュラン。まだまだ競技人口の
少ない祖国を離れ、遠い異国の地で奮闘中。オフには里帰りし、子供たちに野球を教える
“伝道師”の役割も担っている。
 チャンスということで、ミシュランは力んだような空振りを見せる。
 来日当初は変化球にタイミングがあわず、フランス製の大型扇風機と揶揄されたことも
あったという。
 しかし、この打席では追い込まれてからのカーブを左の方向へ流し打ち。
 もし抜ければ二塁から一気に還ってこようかという当たりを、三塁を守る三島みらいが
懸命に飛びついてダイレクトキャッチした。
 みっしっまっ。みっしっまっ。球場全体から響く三島コール。
 続く駒野のサードゴロを簡単に捌くと、あたかもファインプレーを披露したかのように
再びスタンドが湧き出す。

「お前がプレーすると、凄い歓声だよなー」
 栗田は三島みらいの人気に改めて驚かされる。やりにくいんじゃ無いのかという問いに
対して当のみらいは、
「もう慣れましたし、逆に何も騒がれないと寂しいじゃないですか」
 と、事も無げに答える。流石に生まれもってのスターは違うなあ。と栗田は感心する。
0795「GirlsBaseballClassic〜スタジアムの女神たち〜」第二十四話
垢版 |
2015/02/22(日) 19:27:21.23ID:VyHoNGPz
6/9
 そんな三島みらいにチャンスの場面が巡ってくる。
 7回の裏、シャイニングヴィーナスの攻撃。先頭の3番大木が四球を選んでまずは出塁
を果たす。さらに、4番の御堂あづさがストレートを捉えてレフト前へのヒット。

 無死一、二塁のチャンスで打席に三島みらいが入った。
 最低でも同点、できれば一気に逆転したいところだ。
 マウンドにはまだエースの雪本が立っている。新人を目の前にして交代させるわけには
いかないのか。ブリザーズ監督の若杉は動かなかった。
 一打席目ではタイミングが合わなかったスローカーブを、見事にセンター前に弾き
返した。二塁ランナーの大木姫子は、三塁を回りかけた所でストップした。
 センター赤嶺はキャッチャーへストライク返球を見せた。もしホームへ突入していたら
確実に姫子は憤死していた。
 無死満塁。これ以上無いというチャンスの場面で、ヴィーナスのベンチが動いた。
 シャイニングヴィーナスの代打の切り札である塩原由佳が、打席へと向かう。
 犠牲フライだなんてセコい事は言わない。一振りで試合をひっくり返すつもりだ。
 マウンド上には、依然として雪本星乃がいる。自らが作ったピンチをリリーフに尻拭い
してもらう訳にはいかない。無失点でこの回を切り抜ける事が出来るでしょうか。

 やや高めのストレートを打った塩原由佳の打球は、左中間へと飛んでいった。
 これは抜ける。そう確信した当たりだったが、センターを守る赤嶺史香が横っ飛びし、
この打球をダイレクトで捕球した。
 おおおおおおおおおおっ。敵も味方も無く、このプレーにスタンドが大きく湧いた。
 三塁ランナーの大木姫子は、しっかりタッチアップでホームを踏む。
 これで、シャイニングヴィーナスが同点に追いついた。
 最低限の仕事を果たした塩原由佳だったが、ベンチに戻る顔はやや複雑な表情だった。
 やはり、犠牲フライでは満足出来ないようだ。

 1対1。試合は振り出しに戻って、なおも一死一、三塁のチャンスの場面で打席に立つ
のは7番打者の丸山みのり。今日はここまでノーヒット。ネクストバッターズサークルに
は大咲さくらがバットを持って備えている。
 栗田はベンチを見回す。控えとして残っているのは左打者ばかりだ。雪本がマウンドを
降りないと出番が無いだろう。
 大咲さくら登板時には打率が跳ね上がるという丸山みのり。ここはその打棒に期待する
しかない。
0796「GirlsBaseballClassic〜スタジアムの女神たち〜」第二十四話
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2015/02/22(日) 19:31:29.27ID:VyHoNGPz
7/9
 2ストライクと追い込まれ、決め球は当然スローカーブ――と見せかけてストレート。
 しかしキャッチャー伊集院公子の配球が、打者の丸山みのりには読まれていた。
 必死に食らいついた打球は、左中間を破るタイムリーヒットになる。
 東京シャイニングヴィーナスが勝ち越しに成功した。

 雪本は後続を断ったが、7回を終了して2−1とヴィーナスが1点リードに。
 こうなると後は大岩ゆうなと城之内真緒に繋ぐだけ、の筈である。
 しかし8回表、マウンドには先発の大咲さくらが続投。このまま完投させるのか?

 先頭の伊集院は倒れたが、続く雪本の打順で代打の北野朱音が登場した。
 気合い十分の左のピンチヒッターに対して、さくらは力で押さえ込む。
 今日当たっている1番打者の赤嶺史香の前に、走者は出したく無かった。
 北野の打球はレフトの方向へ。この回から守備に就いている清美瑞希が落下点に入って
難無くキャッチした。これでツーアウト走者無しで赤嶺史香の打席を迎える。

「このまま完投させても良いくらいの調子だなあ。でも最終回はストッパーで抑えるべき
か……悩むところだ」
 栗田はこの時点で、ほぼ勝利を確信していた。
 だが、その慢心が命取りとなるかも知れない。
 ツーアウトから赤嶺、田野中と連打を浴びる。そして3番の滝川稲穂が打席に入った。

「これはもう、打つしかねーよなっ」
 滝川のテンションは最高潮に達した。札幌から駆けつけたブリザーズファンも同様だ。
 もしここがホーム球場ならば、飛び跳ねて応援する勢いである。
 ネクストバッターズサークルには4番の勝村誠が控えているが、滝川は自分のバットで
決める事しか考えていない様子だ。
 一方、マウンド上の大咲さくらも、辛抱して投げてきてようやく逆転してくれた。その
流れを無駄にしたくは無い。
 初球は空振りを誘うカーブを投げた。打席の滝川もしっかりと見送る。
 ボールが先行すると、落ち着いてピッチングを組み立てていく。
 フルカウントからのフォークボールが、放物線を描いて捕手のミットに収まる。
 滝川のバットは、むなしく空を切る。
 空振り三振でピンチを脱した。これぞエースのピッチングだ。
0797「GirlsBaseballClassic〜スタジアムの女神たち〜」第二十四話
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2015/02/22(日) 19:35:23.30ID:VyHoNGPz
8/9
「いやー、よく抑えたな。あとは守護神に任せよう」
 栗田はベンチに戻るエースを拍手で出迎えた。
「ヒヤヒヤさせて、ごめんなさいね」
 さくらは冗談っぽく言ってみた。
「何を言ってるのかな。全然そんな事無いけど……」
 栗田は精一杯首を横に振るのがやっとだった。

 ブリザーズの2番手は森松まりも。下から読んでもモリマツマリモでお馴染みである。
 豊満な肉体に目を奪われてしまいがちではあるが、先発でも中継ぎでも使い減りしない
スタミナが売りのサイドスロー右腕だ。
 8回裏のシャイニングヴィーナスの攻撃は、1番からの好打順。
 しかし先頭の小宮奈美は、初球を簡単にポップフライ。
 それに釣られたのか後続もあっさりと倒れ、この回の攻撃は3人で終了。

 そして9回表。東京シャイニングヴィーナスの2番手として、城之内真緒が登板した。
 もちろんクローザーとして3人ですんなり終わらせる。その為に送り出された。
 ヴィーナス側のブルペンには既に誰もいない。リリーフ陣は投球練習を切り上げた。
 先発の役目を果たした大咲さくらも、リラックスした表情でマウンドを見つめている。

 この回のホワイトブリザーズの攻撃は、4番の勝村誠から。今日はここまで2安打。
 豪快なフルスイングながらしっかりとボールを捉える技術は、まさに現代の侍を名乗る
に相応しい。左対左と言えども、侮れない相手だ。
 対するヴィーナスのバッテリーは、シンカーとカーブを使って揺さぶっていく。
 それでもバットに当ててくるのだから、一体どうなってるんだ。
 勝村の打球は大きな放物線を描いて、次々とファールエリアに飛び込んでいく。
 最後はライトへの大飛球に倒れたものの、その為に11球も要した。
 ふう、まずはワンナウトだ。あと2人だ。
 続いて打席に入るのは、右打者の田島美玖。対左投手の打率が高い事から“左殺し”の
異名を持つ。なんだか物騒だな、おい。
 早めに追い込もうとしたのが裏目に出たのか、中央寄りに投げられたカーブをセンター
の前に弾き返される。

「なあ、大丈夫……だよな?」
「大丈夫です。落ち着いて見ましょうよ」
「お、俺は落ち着いてるけどなっ」
 動揺を隠せない監督の栗田に対して、エースのさくらが笑顔で諭す。
0798「GirlsBaseballClassic〜スタジアムの女神たち〜」第二十四話
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2015/02/22(日) 19:42:37.02ID:VyHoNGPz
9/9
 6番のミシュランをダブルプレーにすれば試合終了だが、バッテリーは一人ずつ抑える
考えのようだ。
 左打者のミシュランは、真緒の左手から放たれる変化球にタイミングが合わない。
 わずか3球で打者は三振に倒れる。これでツーアウト。あと一人だ。

 7番打者として打席に立つのは駒野敬子。この日は三打席とも凡退だが、意外性の一打
を放つ実力を秘めているので注意が必要だぞ。
 ほら、言わんこっちゃ無い。駒野が振り抜いた打球はセンターの頭を越えた。
 一塁ランナーは三塁で止まった。ホームへ突っ込んでも良かったかも知れないが。
 2アウトながら、ランナーが二塁三塁の大ピンチを招いた。

 札幌のベンチから、若杉監督が登場した。主審に代打を告げる。
 8番打者の伊集院公子に代わって、山元茂亜が右打席に立つ。
 対する東京のベンチは動かない。いや、動けなかった。
 ブリザーズファンの期待を目一杯背に受けた代打の山元だったが、結果的にはレフトへ
のふらふらと力の無いフライに倒れた。

 ひと仕事を終え、平然とマウンドを降りてくる守護神の城之内真緒。
 その真緒と握手をして、ようやく落ち着きを取り戻した監督の栗田永一。
 シャイニングヴィーナスとホワイトブリザーズの三連戦初戦は、2対1とヴィーナスが
見事な逆転勝ちを収めた。

 つづく。
0800創る名無しに見る名無し
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2015/03/13(金) 21:00:37.66ID:LparJjmS
800
0802超音波テロの被害者
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2015/03/22(日) 22:40:49.83ID:Zh8FAOt4
超音波テロの被害にあっています。
卑劣極まりない被害にあっています。

何が起こったかわからないときから、
わかってみれば、
まだ世の中に知られていない超音波テロ。

世の中のどれだけの音の振動源・発信源が
使用されているのかわからないが、
多数の振動源・発信源がシステム化され、
ネットワークを通して、
超音波・音波を集中させて
対象を攻撃するらしい。

人や社会が襲われ、罪もない人が超音波で襲われ、
卑劣な被害にあっています。
0803超音波テロの被害者
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2015/03/22(日) 22:41:20.14ID:Zh8FAOt4
聞こえる声、音。超音波テロの加害者の声。
「もらいました」という声とともに、
形のあるもの、ないもの、奪っていき、壊していく
超音波テロの加害者の声。

超音波による物理的な力で、
ものが飛び、ものが壊れる。
それが人間の体に対してまで。

身体の表面を突き抜け、内臓を攻撃される。
頭蓋骨を突き抜け、意識を失わされる。
聞こえる声、認識できない声で、精神的なダメージ。
人間の体を壊そうとする超音波テロ。

「見続けるのがいやだから、殺して終わる」、
「証拠隠滅だ」という超音波テロの加害者の声とともに
強烈な超音波の攻撃。
叫ばされ、いたぶられ、
超音波テロの卑劣な被害にあっています。
心の底から被害を訴え、祈っています。

天に神に届きますように。
0804創る名無しに見る名無し
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2015/03/22(日) 22:41:51.63ID:Zh8FAOt4
I'm suffering from dirty strong supersonic attacks!! Supersonic terrorisms!!
Help me!!
0807創る名無しに見る名無し
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2015/07/15(水) 12:55:23.10ID:iHkzSezO
保守
0808創る名無しに見る名無し
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2015/08/02(日) 01:01:31.96ID:QEfd6GAQ
あげ
0810「GirlsBaseballClassic〜スタジアムの女神たち〜」第二十五話
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2016/01/09(土) 12:17:55.76ID:foeQTGcs
1/9
 東京シャイニングヴィーナス対札幌ホワイトブリザーズの2回戦は、三上英子(東京)
と西脇美広(札幌)の両右腕の先発で始まった。
 この日は、前日とは打って変わって打撃戦になった。
 先制点は1回の裏、ヴィーナスの主砲・御堂あづさの豪快な2ランホームラン。
 対するブリザーズも2回表、6番打者の駒野がタイムリーヒットで応酬する。
 さらに畳み掛けるように3回には赤嶺史香、滝川稲穂が共に打点を挙げ、2対3と一気
に逆転した。
 まだまだこのままでは終わらない。4回の裏にはスタメン復帰の小松田沙織が同点打と
なるツーベースヒット。続いて5回裏に大木姫子のヒットで、ヴィーナスが再逆転に成功
した。
 だが、6回表に滝川のスリーベースを足がかりに、勝村誠の犠牲フライでブリザーズが
またしても同点に追いつく。
 ところが、その裏に今度は5番打者のエイミー・マクスウェルがその持ち味のパワーを
見せ付ける、ライトスタンドへの勝ち越しホームラン。これで確実性が増せば言う事無し
という感じだ。

 4対4のまま、試合は中盤から終盤へ。お互いに2番手投手が投げ合う展開に。
 8回表にはブリザーズが走者を三塁に置いて、伊集院公子のライト前ヒットでいよいよ
勝ち越しに成功する。
 このまま黙って見過ごすわけにはいかないヴィーナス打撃陣は、その裏にブリザーズの
2番手投手・糸川絵梨沙に襲い掛かる。
 御堂あづさ、エイミー・マクスウェル、小松田沙織の三人で作った満塁の大チャンスに
今日は代打の三島みらいが、これぞ千両役者というタイムリーヒットで逆転を果たす。

 9回表は二日連続の“最後の締め”をストッパーの城之内真緒がキッチリと果たして、
東京シャイニングヴィーナスが昨年度女王の意地を見せる2連勝。これでカード勝ち越し
を決めた。
0811「GirlsBaseballClassic〜スタジアムの女神たち〜」第二十五話
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2016/01/09(土) 12:23:10.80ID:foeQTGcs
2/9
 だが、2つ勝ったら当然3つ勝ちたくなるのが当然だ。
 連勝したその日の試合後。栗田は監督室で翌日の試合について考えを巡らしていた。
 ここまでカード3戦目はいずれも末永陽子が先発を務めている。
 だが、前回の登板では6回までは抑えながら、7回に3連続HRを浴びてノックアウト
という内容だった。
 先発投手の候補は末永の他に渡辺侑子、左の畑中良子などがいる。
 この枠は競争させたほうが良いというのが首脳陣の考えだった。
 栗田は翌日のオーダー表に末永陽子の名を書き入れた。
 三度目の正直に期待して。

 対する札幌ホワイトブリザーズの先発投手は、ヴィクトリア・ストラヴィンスカヤだと
予想される。ロシア出身の右投げで、長身(公称188cm)から角度のあるストレート
を投げ込んでくる。
 我らがヴィーナス打線との相性は良くも悪くもなく、と言ったところか。
 6番DHに三島みらいを起用し、他は特に打線を弄ることもなく、1番から9番までを
書き連ねた。
 一昨日と昨日の試合を見る限り、調子を落としているバッターは特にいないようだ。
 調子の波が少ないのは、起用する監督としては有難い限りである。
0812「GirlsBaseballClassic〜スタジアムの女神たち〜」第二十五話
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2016/01/09(土) 12:36:12.26ID:foeQTGcs
3/9
 翌日。東京シャイニングヴィーナス対札幌ホワイトブリザーズの3回戦が始まった。
 ヴィーナス先発、末永陽子の立ち上がりは悪くなかった。
 先頭の赤嶺史香を三振に切って取ると、3回までパーフェクト・ピッチング。
 悪くないどころか、文句の付けようがない投球だ。

 札幌先発のストラヴィンスカヤも負けじと粘りのピッチングを見せ、こちらはヒットを
打たれながらもホームは踏ませない。

 0対0で向かえた4回のウラ、6番打者の三島みらいの犠牲フライでまずはヴィーナス
が先制点を奪った。
 まず先頭打者の4番・御堂あづさがツーベースヒットで出塁し、5番・マクスウェルが
ライト前へのヒットを飛ばす。こうして作った無死一、三塁のチャンスから三島みらいが
レフトへキッチリとフライを打ち上げる。三塁ランナーのあづさがタッチアップから余裕
を持ってホームを踏んで1点。

 先制点、取ってもらった次の回。先発の末永陽子がマウンドへ。
 5回表はピシャリと三人で抑えた。まだまだいけそうだ。
 とは言えリードが1点では心許ない。ヴィーナスの打撃陣はさらなる追加点を狙う。
 その前に立ちはだかる、巨大なる氷壁。ストラヴィンスカヤの“重い”ストレートは、
中盤になっても健在だった。

「ナイスピッチですよ。ヴィクトリア」
「ハーイ、ジュリサンノオカゲデース」
 札幌ホワイトブリザーズの先発、ヴィクトリアとバッテリーを組んでいる久慈川樹里は
手応えを感じていた。
 相性の良さからストラヴィンスカヤが先発する際には、正捕手の伊集院公子に代わって
久慈川がマスクを被る。
 余談だが、久慈川は大学時代にロシア語を専攻していた。だから相性が良いという訳で
は無いだろうが、ともかく二人はプライベートでも常に一緒にいるのが目撃されている。
 ロシアのことが知りたい久慈川樹里と、日本語について学びたいストラヴィンスカヤの
思惑が一致した模様。
0813「GirlsBaseballClassic〜スタジアムの女神たち〜」第二十五話
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2016/01/09(土) 12:40:22.89ID:foeQTGcs
4/9
 ストラヴィンスカヤは5回を終わって1失点。まずまずの出来だと言えよう。
 対するヴィーナス先発投手の末永陽子は、6回を投げて無失点の好投。
 しかしそろそろバテてくる頃だろう。一塁側のブルペンはにわかに動き出した。
 6回裏、東京シャイニングヴィーナスの攻撃は、クリーンナップから。追加点の大きな
チャンスが到来した。

「逆に言えば、こういう所を抑えていれば、こっちにも流れが来る」
 ブリザーズのキャッチャー、久慈川樹里はそう思った。
「ジュリ、イキマスヨー」
 ストラヴィンスカヤの右腕が唸りを上げる。まだまだ球威は衰えない。
 3番の大木姫子が左中間への流し打ちを試みるが、これはセンターの守備範囲だった。
 赤嶺史香が軽快な横っ飛びを見せた。
 何だかいやな流れだ。ここはチームの一発屋もとい、一発のある御堂あづさに景気付け
となる当たりを期待したい。
 任せとかんかい。そう言わんばかりに豪快に素振りをして、あづさが打席に入る。
 だったら力でねじ伏せる。ブリザーズバッテリーの覚悟は決まった。
 ストラヴィンスカヤは、久慈川のミットに思い切り投げ込んだ。
 初球は大きく空振ったが、2球目を捉えた。その打球はレフト方向へとぐんぐん伸びて
いくが、わずかにフェンスまでは届かず。御堂あづさはレフトフライに倒れた。
 これでツーアウト走者無し。だが5番のマクスウェルも意地を見せる。変化球を見極め
てフォアボールを選んだ。
 今日、先制の犠牲フライを放っている三島みらいが打席に立つ。

 代走の高畑由梨が一塁へ向かう。なんとしても追加点が欲しい場面だ。
 ベンチからなにやらサインが出る。ランナーの由梨と打席のみらいに伝わったようだ。
 札幌のバッテリーは一塁走者を警戒し、牽制球を挟む。ランナーは慌てて戻った。
 みらいへの初球、ここでエンドランを仕掛けた。右方向へ転がした打球が、一二塁間を
破っていく。一塁ランナーの由梨は一気に三塁を陥れる。
 二死一塁三塁となって打席には小松田沙織。今日はまだヒットが出ていない。
 ここはベテランの意地か。いや、ベテランと言ったら怒られるので止めておこう。
 沙織の打球は三遊間を転がる。ショートの駒野が精一杯体を伸ばし、かなり深い位置で
キャッチした。そこから起き上がって二塁を見るが間に合いそうに無い。したがって一塁
へロングスロー。沙織は何とか一塁へ駈け込んで、頭から飛び込んだ。
 判定はセーフだった。この間に三塁ランナーは生還し、1点追加となった。
「ちょっとぉ、あんまり全力疾走させないでよねっ」
 やや息を切らしながら、小松田沙織がニヤリと笑う。
0814「GirlsBaseballClassic〜スタジアムの女神たち〜」第二十五話
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2016/01/09(土) 12:43:50.22ID:foeQTGcs
5/9
 6回を終わって2−0とシャイニングヴィーナスが2点のリード。理想的な展開だが、
栗田はそろそろ継投を考える。
 先発の末永陽子は6回までは文句のつけようがないピッチングだった。
 7回表は札幌のクリーンナップにぶつかる。早めにリリーフ陣に託したほうが良いか。
 結局、栗田は次の回もマウンドに陽子を送り出した。ブルペンでは大岩ゆうなが準備を
続けている。ピンチになったらすぐ出て行けるようにしておく。

 先頭の田野中を三振に切って取った。続投の判断は間違ってなかった。
 いや、待て。安心するのはまだ早い。
 好調な三番打者、滝川稲穂が左の打席に入る。
 初球から積極的に打ちに行った。その打球は三遊間を破っていく。レフト前ヒット。

「まだ一塁だ、大丈夫」
 マウンドの末永陽子は気合を入れ直し、次のバッターに向かう。
 札幌の四番、勝村誠がゆったりと左打席に入った。
 鋭い眼光でマウンドを睨み付けるが、ひるんではいけない。
 2球ファールが続いて3球目、アウトコースに直球が決まった。これには打者の勝村も
手が出ない。見逃しの三振を奪った。これでツーアウト。
 続く5番打者に四球を与えたものの、次の打者を抑えればこの回もスコアボードに0を
並べる事が出来る。
 結論から述べると、野球というのは本当に恐ろしい物である。たった一球だけの失投で
天から地へと叩き落されるのだから。
 フランスの至宝ミシュランの打球は、綺麗な放物線を描いてフェンスを越えた。
 そして今、ゆっくりとベースを一周して、しっかりとホームを踏んだ。
 盛り上がる三塁側ベンチ。
 結果論だが、この回の頭に代えておけば良かったのか。
 いやまだ、試合は終わっていないのだが。
0815「GirlsBaseballClassic〜スタジアムの女神たち〜」第二十五話
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2016/01/09(土) 12:45:58.16ID:foeQTGcs
6/9
 ここまで投げ続けてきたブリザーズ先発のストラヴィンスカヤ。ついに逆転してくれた
と言う事で、再びテンションを上げてくる。
「フフッ、オタノシミハコレカラデース」
 7回裏は三者連続三振。まだまだ球威は衰えを見せないどころか尻上がりに良くなって
きている。
「マダマダ、イケマスヨー」
 ベンチに戻ってきたストラヴィンスカヤはそう答えた。これにボールを受ける久慈川も
太鼓判を押す。
「次のイニングも大丈夫でしょう、問題はありません」久慈川はそう言った。
「ジュリガソーユウナラ、ダイジョブデース」とストラヴィンスカヤ。
 ブリザーズ監督の若杉は久慈川の言葉を信じ、次の回のマウンドも託す事にした。

 一方、追いかける展開となったシャイニングヴィーナスは、投手を2番手の渡辺侑子に
スイッチした。
 8回のブリザーズの攻撃は侑子の変化球主体のピッチングの前に三連続内野ゴロ。追加
点とはならなかった。
 その裏のヴィーナスの攻撃。3番の大木姫子からと言う事で、まずは出塁してあづさに
回したい。
 そんなわけで姫子は、際どいコースをファールで粘り、四球を奪い取った。
 ヴィーナスの四番打者が打席に向かう。逆転の一発を期待する声援が飛んでくる。
「まあそう急かさんといてや。じっくりいこうやないか」
 ゆっくりと、ゆっくりと千両役者の登場だ。最早ビハインドを感じさせない雰囲気作り
は正に御堂あづさの真骨頂である。
「マケマセンヨー。ゼンリョクデ、イキマース!」
 マウンドのストラヴィンスカヤも闘志が沸々と湧き上がる。
 長身から繰り出される“重い”ストレートが、久慈川のミットにズシリと刺さる。
 そしてカウント1−2と追い込んでからの4球目、アウトコース低めへの直球を右方向
へと力強く打ち返した。打球は右中間を破って転がっていく。
 一塁ランナーの大木姫子は二塁を蹴って三塁へ。ライトの滝川が打球を処理している。
 よし、いける。姫子は三塁ベースを蹴って、ホームへと一気に駆け込んだ。
0816「GirlsBaseballClassic〜スタジアムの女神たち〜」第二十五話
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2016/01/09(土) 12:52:34.64ID:foeQTGcs
7/9
 ボールはセカンドを経由してホームへ返ってくるが、姫子の足のほうが早くホームイン
した。これでシャイニングヴィーナスが追いついた。
 代走で出てそのままライトの守備に就いていた高畑由梨が送りバントであづさを二塁に
進めて、6番の三島みらいが打席に向かう。
 ブリザーズは投手コーチの左藤がマウンドへ。キャッチャーの久慈川と内野陣も投手
の周りに集まる。

「んーと、交代……ですかね?」
 三島みらいは一旦打席を外す。集中力を切らさないように。
 だが、交代は無いようだ。マウンドの輪が解けて、各々のポジションに散っていく。

 3−3の同点。一死二塁から、三島みらいのバットに勝ち越しの期待がかかる。
 だが、マウンドのストラヴィンスカヤも最後の力を振り絞り、目の前の打者を捻じ伏せ
ようとする。
 みらいは5球目のチェンジアップを引っ掛けて、セカンドゴロ。チャンスを生かせず。
 これで二死だが、次の小松田沙織はフォアボールで歩かされ、八番の中本寛子がライト
へのイージーフライに倒れた。
 ブリザーズ先発投手のストラヴィンスカヤは、ここでお役御免のようだ。

 9回表のホワイトブリザースの攻撃は、2番からの上位打線だ。マウンドには2番手の
渡辺侑子がそのまま上がった。
 延長戦も考えて、慎重な投手継投になりそうだ。
 まずは先頭打者の2番・田野中を打ち取る。
 だが、続くバッターは滝川稲穂。そう簡単には凡退してくれない。
 きわどいアウトコースにもバットがついていく。ファールで粘られる。
 これだけ思いっきり振れるのは、やはり好調な証拠だろう。
 結果、滝川にはフォアボールを与える。
 ここで4番ながらこの日はノーヒットだった勝村誠。意地を見せて右中間を破る強烈な
ツーベースヒット。二塁三塁と勝ち越しのチャンスを作る。
 ここでブリザーズのベンチは、風谷水穂を代打に起用した。
 アイヌの血を引く風谷が、満を持して登場した。そして、左の打席に入る。
0817「GirlsBaseballClassic〜スタジアムの女神たち〜」第二十五話
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2016/01/09(土) 12:56:18.99ID:foeQTGcs
8/9
 一塁は空いていた。だが、ネクストにて待つのは今日一発を放っているミシュラン。
 サウスポーの城ノ内真緒に交代させても良い場面だが、栗田は侑子に任せた。
 侑子は腹を括った。低めに変化球を集める。犠牲フライを打ちたいバッターの風谷は、
強引にすくい上げるものの、打球は内野を越えない。セカンドフライでツーアウトだ。
 ミシュランは敬遠し、続く7番北野をサードゴロに抑えた。渡辺侑子が何とかピンチを
切り抜けた。
 一塁側ベンチではヴィーナスのナインが侑子を拍手で出迎える。さあ、後はこの好投に
打線が応える番だ。

 そして迎えた9回裏。まず先頭の代打・清美瑞希が、ブリザーズの2番手として登板
したばかりの森松まりもからレフト前へのヒットで出塁した。
 サヨナラのチャンスが到来した。さらに打順は上位に戻り、1番の小宮奈美が打席へ。
 ノーアウト一塁という事で、送りバントも選択肢にはあったが、ここは強行策でいく。
 左打席の奈美が強く引っ張った打球は、一塁線を破って一気に外野へ。
 ノーアウト二塁、三塁。1点が入ればシャイニングヴィーナスのサヨナラ勝ちだ。
 一方、後の無くなったホワイトブリザーズは、抑えの切り札を投入する。
 緊急登板となったリリーフエースの糸川絵梨沙だが、このピンチをどう切り抜けるか。
 打席には2番の川原恵美。ベンチには代打要員が控えていたが、監督の栗田は、お前が
決めて来いとばかりにそのまま送り出した。
 糸川の直球に振り遅れながらなんとか喰らい付き、ファールで粘る。
 そして、7球目のチェンジアップをセンターの前に運んだ。
 サヨナラだ! ベンチもスタンドも、打った恵美もそう確信した瞬間、センターを守る
赤嶺史香が果敢に打球に飛びついた。
 まさかのダイレクトキャッチに、三塁ランナーは飛び出したまま帰れず。サヨナラ勝ち
のチャンスが一気に2アウトとなった。
 続く3番の大木姫子がサードへのファールフライに倒れ、試合は延長戦に突入した。
0818「GirlsBaseballClassic〜スタジアムの女神たち〜」第二十五話
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2016/01/09(土) 13:00:37.03ID:foeQTGcs
9/9
 やはり、決められる時に決めておかないと。その後はそんなお手本のような展開に。
 10回以降はお互いに決定打が出ず、試合は引き分けで決着した。

 同一カード三連勝とはならなかったものの、東京シャイニングヴィーナスは今シーズン
初めての勝ち越しとなった。

 このままの勢いで、東京ナインは九州・福岡へと乗り込む。
 ちなみに次の対戦相手は福岡ハニーダイナマイツ。九州出身者を多く揃え、元々打撃が
中心のチームカラーだが、今シーズンは若手の先発投手が台頭してきたらしい。
 その代わりにエースを後ろに回すなどして、投手陣に厚みが増してきているのだとか。
 そうは言われても、栗田は昨年までを知らないのだが。
 これから伸びていきそうなチームを、シーズン序盤に叩いておこう。
 とりあえず、そういう事になった。

 つづく。
0819創る名無しに見る名無し
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2016/01/09(土) 22:12:42.52ID:213t1rmJ
相変わらずスポーツ小説の書き方はわからんな
0825創る名無しに見る名無し
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2016/02/01(月) 01:35:21.36ID:cVQof8FK
ああ、キャンプインだな
0829創る名無しに見る名無し
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2016/03/12(土) 21:28:47.58ID:IJaIGV9R
はあ
0830創る名無しに見る名無し
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2016/04/03(日) 23:24:37.62ID:ZUTT3bRw
面白くなりそうな気配すら無いのな
何を目的に書いているのか…
0831創る名無しに見る名無し
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2016/04/07(木) 02:41:06.12ID:VjSLmx41
ネタにもならないしねぇ…
0833創る名無しに見る名無し
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2016/04/14(木) 02:51:20.29ID:h/OZVIK3
でも今さら避けては通れないのかな
そういう言いづらい部分も含めて野球だとしたら…
0837集ストテク犯被害者必見!
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2016/04/21(木) 21:27:47.43ID:z1gxfqzY
[拡散希望!]
参考になりそうなURL送っておきます
電磁波による拷問と性犯罪
http://denjiha.main.jp/higai/archives/category/%E6%9C%AA%E5%88%86%E9%A1%9E
公共問題市民調査委員会
http://masaru-kunimoto.com/
この方たちは集団訴訟の会を立ち上げてマスコミに記事にしてもらう事を目的に集団訴訟を被害者でしようという試みを持っている方達です
訴訟は50人集めてしようという事なのですが50人で訴訟をすると記事に書けるそうです
記事には原発問題を取り上げてテク犯被害を受ける様になった大沼安史さんらが取り上げて下さるそうです
大沼安史さんがテク犯に遭っているという記事
http://ameblo.jp/hilooooooooooooo/entry-11526674165.html
大沼安史の個人新聞
http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/4/index.html
この方たちは電話相談等も受け付けている様で電話番号を載せている方達は電話かけ放題の契約をしていますのでこちらから電話して本人にかけ直してくれと頼むとかけ直してくれます
音声送信被害等を受けている「電磁波による拷問と性犯罪」の記事の水上さんは年金暮らしなので時間には余裕があるそうで被害内容の話等を聞いてくださると思います
もう一人の電磁波犯罪には遭っていない国本さんという方は電磁波犯罪をしっかり理解されている方で年金暮らしの方なので長電話も大丈夫です
大沼さんはこちらのページからメールを受け付けておられる様です
http://onuma.cocolog-nifty.com/about.html
電話をかけたい場合は人によってはメールで電話番号を訊くと教えてくれると思います
この文章を見られた方は全文コピーをしてできるだけ多くの知り合いの被害者の方等にメールを送るなり被害者ブログに書き込むなりしていただければ大変有難いです
もし大勢の方に送る事が出来なければまだこの文章に触れていない知り合いの被害者に少しでも全文コピーで送っていただけるとその方が次の何人かの方に繋いで頂ける場合があり結果として大勢の方に見て頂く事が出来るはずです
ご協力よろしくお願い致します 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:f70dfdc711a7c6ae6accccb939f27fbf)
0838創る名無しに見る名無し
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2016/04/25(月) 03:09:30.17ID:exaCFym6
おそらく読んでも全員は把握できないからなあ
その辺の工夫は必要だろうな
0841創る名無しに見る名無し
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2016/05/14(土) 13:02:43.95ID:8C7h8pUl
とりあえずタイトルと設定だけ・・・

  「シュカッと!」
エアホッケーに青春をかける中学生たちの話。
0843創る名無しに見る名無し
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2016/05/14(土) 23:11:23.24ID:4iu1Thgu
男子バレーで書きたかったけどハイキューとか桐島とかあるからなんか劣化コピー作るみたいでやだな…両者とも読んだことないけど…
0844創る名無しに見る名無し
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2016/06/07(火) 00:53:05.84ID:deDP5Mt3
男子バレーはオリンピック残念でしたね…
0845「GirlsBaseballClassic〜スタジアムの女神たち〜」第二十六話
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2016/07/03(日) 20:21:16.05ID:0bbUpJr1
1/8
「ひなたーん。球界一かわいいよーっ」
「アンアン。似合ってるよー」
「なっつきー」「しもにゃーん」
「みねりーん。こっち向いてー」

 異様な熱気に包まれる、福岡県福岡市内の某ライブハウス。
 なんだか場違いな気がするんですけど? と栗田。
 そんな事無いですよ? ちゃんと溶け込んでますよ。とさくら。いや、そうではなく。
「敵情視察っ、敵情視察ですよ。監督!」
 さくらにそう言われて連れてこられたのだが、ここは……?
 状況を整理しよう。目の前にはステージがあり、華やかな衣装に身を包んだ女性が8人
並んでいる。
 ステージ上の女の子たちは……よくよく見ると20代に見えるが。
 それでもミニスカートをひるがえしながら、音楽に合わせて踊りだした。
 ついつい太ももに目が……。
 これが、いわゆるローカルアイドルか。と栗田は一応理解した。
 しかし何故、さくらがこんな所(という言い方もどうかと思うが)に連れて来たのか。
 それはともかく、今は会場の雰囲気に合わせておこう。

 熱狂に包まれたまま1曲目が終了し、ここからは一旦MCタイム。
「はいたーい。今日は九州GNTのライブに来てくれて、嬉しいさー」
 九州GNT(じー・えぬ・てぃー。限定の意)とは、その名前の通り九州限定で活動を
行うパフォーマンスグループである。ちなみにメンバーは九州の各県の出身者で構成され
ている。
 まずは沖縄県出身、与那城夏生がステージの前に出た。
「ちばりよー。与那城夏生です! 暴投覚悟で全力投球で行くさーっ」
 まあ暴投は困るのだが。いや、ここはマウンドじゃないからセーフセーフっと。
 それから、他のメンバーもそれぞれ自己紹介をした。
「大分県出身。安西杏奈です。よろしくお願いします」
 安西は少し大人びた、クールな印象を与える。
「ちぇすとーっ! 鹿児島県出身っ。川嶋美祢子ですっ」
 こちらは元気一杯な所をアピールしている。
 みねりーん! という掛け声が客席から聞こえる。メンバーそれぞれの固定のファンも
いるようだ。
0846「GirlsBaseballClassic〜スタジアムの女神たち〜」第二十六話
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2016/07/03(日) 20:27:03.01ID:0bbUpJr1
2/8
 一人ずつの自己紹介が済んでいって、いよいよ最後の一人と迫った。
 センターの位置にいた“ひなたん”こと深浦陽菜が前に出て、マイクパフォーマンスを
開始する。すると今まで以上の掛け声が、会場中からステージに寄せられる。

「みんなー、明日の試合はー、まあ普通に勝つから応援よろしくねー」
 ワー。ワー。さらに会場は盛り上がる。
 明日の試合? そう。察しの良い読者諸君はお気付きだろうが、ステージに並ぶ彼女達
こそが女子プロ野球・福岡ハニーダイナマイツの現役選手なのである。
 この日はあくまで公式戦の告知の為に、このようなステージに上っているわけですが、
そこはやはりプロフェッショナルとして恥ずかしくない物を、という気迫を感じる。

 さらに壇上の深浦は、観客席の中から栗田とさくらを見つけ出し、人差し指を向けた。
 ちょっと、こっちを指してるけど? と慌てる栗田。
「どうやらシャイニングヴィーナスの方も、いらっしゃってますね〜」
 深浦がそう言うと、栗田とさくらの周りの視線が一気に集まった。
「東京からわざわざ白星を届けにお越しくださいまして、ありがとうございますぅ☆」
 深浦が満面の笑みで煽りよる。周りのお客さんも当然ながら同調している。
 くっ、これがアウェーの洗礼かっ。

 試合の告知も早々に、続いての曲目が始まった。
 観客がステージに再び注目した隙に、栗田はさくらに何やらヒソヒソと。
「これは一体どういう事なんだ」
「ふふっ。福岡のファンに囲まれちゃったみたいですね」
「とぼけないでくれ……」
「まあまあ。今はこの雰囲気を楽しみましょう」
 楽しめるかーっ。

 とは言うものの、身動きも取れそうに無いので、栗田は最後まで見ることにした。
 およそ2時間。歌に踊りにトークと、何だかんだで楽しんでいる栗田とさくらがいた。

 ライブ後、集客の為とは言え大変だなあと感想をもらした栗田だったが、当の選手達に
とっては良い気分転換になるらしい。実はメンバーとも仲の良いさくらが言っていた。
0847「GirlsBaseballClassic〜スタジアムの女神たち〜」第二十六話
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2016/07/03(日) 20:30:25.66ID:0bbUpJr1
3/8
 東京シャイニイングヴィーナスと福岡ハニーダイナマイツの1回戦は、男子のプロ野球
でも使用される福岡ドームで行われる。金〜日曜日にはプロ野球・福岡ホーネッツの試合
がある為、女子の試合は木曜日のナイターとなった。
 なお、三連戦の残り2試合は、熊本と鹿児島でそれぞれ開催される。

 そして、福岡ドームでシャイニングヴィーナスの打撃練習が始まった。
 流石に外野席までの距離が遠く、御堂やマクスウェルでもなかなかスタンドまでは打球
が届かない(試合中は手前に即席フェンスが設けられる)ようだ。

「そうですね。私がここでスタンドまで運ばれたのも、アレクサンダーさんだけですし」
 たまたま栗田の近くにいたさくらが、過去の対戦を振り返った。
 アレクサンダーさんって名前からしてパワーが有りそうだ。後で調べたところによると、
カナダ出身で元重量挙げの北米チャンピオンとのこと。やはり腕力は凄いようだ。
 勿論パワーだけでは無い。アメリカ帰りの一之瀬鈴音、2年目の川嶋美祢子の1、2番
コンビはスピードを武器にバッテリーを揺さぶってくるので出塁させたら厄介だ。
 ただ、下位打線については大きく振り回すだけなので、失投さえ気を付ければ良い。と
コーチ陣がミーティングで言っていた。

 そして試合開始まであと約30分というところ。本日のスターティングラインナップが
発表された。
 すでにスタンドには試合開始をまだかまだかと待ちわびるお客さんが詰めかけていた。
0848「GirlsBaseballClassic〜スタジアムの女神たち〜」第二十六話
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2016/07/03(日) 20:37:16.97ID:0bbUpJr1
4/8
 東京シャイニングヴィーナスの先発投手は大方の予想通り、エースの大咲さくら。
 だが、対する福岡ハニーダイナマイツの先発投手は、エースの深浦陽菜では無かった。
 コールされた名前は、左投手のマーガレット・グリーン。今シーズン初先発となる。
 エース同士の対決が見れなくて残念だが、深浦もベンチ入りはしている。
 これはリリーフとして起用しようという算段か。

「グリーン? どんな投手なんだ?」
 栗田はベンチにいた御堂あづさに尋ねた。ミーティングでもそんな名前は出てなかった
ような・・・?
「うーん。そうやねえ……あんまり覚えてへんなー」
 あづさの答えは正直当てにならなかった。
 実際に昨シーズンは敗戦処理ばかりで、他の選手に聞いてみても、似たような答えしか
返ってこない。
 ただの奇襲か、それとも大抜擢なのか。
 答えは試合の中で出てくるだろう。

 敵地に乗り込んだシャイニングヴィーナスの打線は、いつもの小宮奈美から始まる。
 スイッチヒッターなので右打席に入る。対戦も少ないのでじっくりと見ていくのかな?
と思いきや、初球から打ちにいった。変化球にタイミングが合わず、内野フライに倒れる。
 監督としてはもう少し粘ってくれよ。という思いもなくもない事も無いが、その思いが
通じたのか否か次の川原恵美はファールを続けた。
 ピッチャーのほうを見ると、ボールを操る左腕を上からだけでなく、スリークォーター
気味やほぼ横に倒しているのがわかる。

 川原恵美は結局凡退し、3番の大木姫子も外野フライに抑えられた。
 意気揚々とマウンドを降りる福岡ハニーダイナマイツの先発投手グリーン。何か対策を
講じなければならないだろうか。

 一塁側、ハニーダイナマイツのベンチでは、香山伸彦監督がそのグリーンの立ち上がり
の好投を讃えた。
「マダマダデスヨ」とは言うものの、グリーンも何かを掴んだようだ。
「行けるところまで飛ばして行きなさい。後は こ の 私 が 控えてるんだから」
 さらにエースの深浦がベンチの奥から声をかける。その佇まいは、既に女王の風格すら
漂わせている。
0849「GirlsBaseballClassic〜スタジアムの女神たち〜」第二十六話
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2016/07/03(日) 20:42:16.52ID:0bbUpJr1
5/8
 マウンドに大咲さくらが立った。
 三連戦の頭(初戦)を取るために、エースらしい投球を見せたい。
 打席には入るのは、ハニーダイナマイツの一番打者・一之瀬鈴音だ。
 ゆっくりとバットを回し、ピッチャーに向けてピタリと合わせる、一連のルーティーン
を見せる左打席の一之瀬。
 “安打製造機”とも呼ばれる天才打者に対し、さくらは際どいコースを突いていくが、
結果的にフォアボールを与えてしまう。
 この一之瀬、塁に出てからがさらに怖い。自慢の足で次の塁を積極的に狙っていく。
 次打者の初球に早速二塁への盗塁を敢行し、まんまと成功した。

「よ〜し、一之瀬さん。ここはキッチリ決めますよ〜」
 打席には2番の川嶋美祢子。ここは送りバントのようだ。
 前進守備で警戒される中、川嶋はバントを決め、ランナーの一之瀬を三塁に進めた。
 さらに3番の湯上多美がライトへ犠牲フライを打ち上げる。
 ホームの福岡ハニーダイナイマイツが軽々と先制した。しかもノーヒットでの先制点で
ある。

 そして二死無走者になり、いよいよ4番のジャニス・アレクサンダーを打席に迎える。
「ふう。それじゃあ、仕切り直しと行きますか…」
 先制点は相手に与えたが、これで試合に負けた訳では無い。マウンド上の大咲さくらは
気持ちを切り替えて、最少失点でこの回を終える事に集中した。
 アレクサンダーにはボール球を降らせて最後は落ちる球で三振を奪った。
 さあ、反撃の開始だ。
0850「GirlsBaseballClassic〜スタジアムの女神たち〜」第二十六話
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2016/07/03(日) 20:45:44.29ID:0bbUpJr1
6/8
 4番の御堂あづさに、5番のマクスウェル。シャイニングヴィーナスの誇る二台の大砲
がハニーダイナマイツ先発のグリーンに襲い掛かる。
 グリーンと本城光莉のバッテリーは、女子野球界屈指の強打者コンビに対して、まとも
に力勝負は挑まない。当然である。

 あづさはスライダーを引っ掛け、セカンドゴロ。マクスウェルはチェンジアップに三振
を喫した。
 この回も三人で攻撃は終了。どうも打ちあぐねている様だ。
 とりあえず、打線が何とかしてくれるまでは粘るしかない大咲さくら。1失点のまま、
ハニーダイナマイツ打線の猛攻を何とか凌いでいく。

 3回を終えて、シャイニングヴィーナス打線は相手先発グリーンに対してヒットどころ
か出塁すらできないでいた。
 一方のハニーダイナマイツ打線は、先制点を挙げた後はさくらを打ち崩せずにいた。

「こっちも1点じゃ心もとないわ。ガンガン打って援護しましょう!」
 ダイナマイツ打撃陣に対して、正捕手の本城が檄を飛ばした。
 本城光莉は若い投手陣を強気のリードで引っ張りつつ、打撃でも主に6番に座り豪快な
バッティングを見せ、オフには後輩を引き連れて釣り三昧。そちらのほうでもプロ並みの
腕前らしい。それはともかく攻守ともにキーマンというわけだ。

4回の裏、チャンスで本城に打席が回ってくる。
 先頭打者の3番湯上がヒットで出塁し、4番のアレクサンダーは三振に倒れたものの、
5番の松村依里奈が一二塁間をしぶとく破って一塁三塁とチャンスを広げた。
 そして打席には6番の本城が入る。ゆったりとバットを構える。
 対するマウンドの大咲さくらは、この場面を断ち切れるか。

 追い込んでからさくらの投じた5球目の決め球のカーブだった。
 これを見事にすくい上げてセンターの後方へ。
 これが追加点となるタイムリーヒットになった。
 この後は何とか後続を断った大咲さくらだったが、ベンチでは悔しさを隠せない様だ。
0851「GirlsBaseballClassic〜スタジアムの女神たち〜」第二十六話
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2016/07/03(日) 20:50:54.25ID:0bbUpJr1
7/8
 なんという事か、今シーズン初先発のグリーンが5回を終わって無安打に抑えている。
 昨シーズン覇者の東京シャイニングヴィーナスの誇る強力打線が、技巧派左腕に完璧に
抑えられている。実に信じられない出来事がここ九州は福岡で起こっている。
 なんとか対策を……とは考えるが、考えれば考えるほど相手の術中に嵌っていく。正に
そんな状況だった。

 そしてその嫌な流れを打ち破ったのは、9番の大咲さくらのバットだった。
 6回表2アウト、ランナー無しからグリーンのチェンジアップを捉えてようやくチーム
初安打を左中間に飛ばす。
 さらにレフトの守備がもたついている隙を突いて、打ったさくらが二塁を奪う。
 二塁手のタッチをかいくぐり、野手張りのスライディングを見せる。
「さくらセンパイっ、ナイスバッティンっス!」
 続く小宮奈美が打席に入った。そのバットに期待がかかる。
「反撃の時は来たりっス! もう2打席も見て軌道はだいたい掴めたっス」
 チームの切り込み隊長、奈美の頼もしいお言葉。だが、ここで福岡のベンチから監督の
香山が巨体を揺らしがらゆっくりと出てきた――そして、主審に投手の交代を告げた。

 ドーム内に流れる持ち歌と共にいよいよ“主役”が登場した。
 高揚感を抑えながら、堂々とマウンドへと向かっていく背番号17。
 ようやくエースの深浦陽菜が、ダイヤモンドの中心にやって来た。
 待ちわびたファンの声援を浴びながら、深浦が投球を開始する。
 アンダースローから浮き上がるような軌道のストレートが、キャッチャー本城のミット
にズドンと突き刺さる。
 小宮奈美に1球もかすらせず、三球三振で仕留めた深浦。一気に湧き上がるスタンド。
 これで試合の流れは、ホームの福岡ハニーダイナマイツが掴んだように思われた。
0852「GirlsBaseballClassic〜スタジアムの女神たち〜」第二十六話
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2016/07/03(日) 20:53:26.52ID:0bbUpJr1
8/8
 いや、まだ試合は終わっていない。先ほど激走を見せた大咲さくらが6回裏のマウンド
にも当然のように続投する。
 エースの登板で士気の上がるハニーダイナマイツ打線に対して、さくらは丁寧にコース
の端を突いて0に抑える。
 さあ後は、シャイニングヴィーナス打線の反撃を見たい。
 だが、そう焦れば焦るほど、相手エース深浦の術中にはまっていく。
 何とかして攻略の糸口は見えないだろうか。
 走者を出して揺さぶろうとするが、本城の強肩がそれを許さない。

 気がつけば、試合は9回の表、この回に2点を返さなければシャイニングヴィーナスの
敗北となる窮地に立たされた。
 先頭打者は9番、ここまで8イニングス2失点と先発投手としての仕事を全うしている
大咲さくら。本人に聞いたら勝ちが付かないと好投しても意味がないと言われそうだが、
それはさておき。
 ここで監督の栗田はカードを切る。大咲さくらに代えて、代打として三島みらいを打席
に送り出す。
 マウンドには6回途中から登板している“ひなたん”こと深浦陽菜。ここまで打者9人
に対してわずかヒット2本に抑えている。
 そこでルーキーの三島みらいを送り出し、流れを変えたいというのが栗田の考えだ。

 みらいは積極的に打っていった。ここまで力投していた大咲さくらの分まで思いを乗せ
た打球は、外野手の頭の上を軽々と飛んで行った。
 みらいの打球はさらに伸びて、女子プロ野球のために設置された即席フェンスを越えて
いった。認定ホームランにより1点を返した。
 一振りで期待に応えるあたりは、やはり親父譲りか。
 ダイヤモンドを一周して帰ってくる三島みらい。ビジターながら少なくない声援に手を
振って答えた。

 しかし、反撃もここまで。試合は福岡ハニーダイナマイツが2−1で逃げ切り三連戦の
初戦を勝ちました。
0854創る名無しに見る名無し
垢版 |
2016/07/21(木) 02:16:28.35ID:OnrZf3aJ
エアホッケーって何だったの
0855創る名無しに見る名無し
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2016/07/31(日) 01:19:08.50ID:tQ2137SL
勝手に話を作るわけにもいかないしな
0856創る名無しに見る名無し
垢版 |
2016/08/07(日) 00:28:57.47ID:AcjFZdoj
オリンピック始まってるよ
0857創る名無しに見る名無し
垢版 |
2016/08/15(月) 22:48:34.52ID:+Pe1bUkY
甲子園とか見てると、やっぱ現実の奇跡的な展開には敵わないよなあって思いますね
0859創る名無しに見る名無し
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2016/09/10(土) 23:53:41.48ID:w6osvrwO
広島カープ、25年ぶり7度目のリーグ優勝です。おめでとうございます。
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