広がる「午前5時間制」 給食前に集中、下校前倒し 授業時間確保、
教職員多忙解消も
1/12(日) 14:05配信

放課後子ども教室でボランティアの地域住民と宿題に取り組む児童。
下校時刻が早くなった児童の居場所になっている=2019年12月中旬、
浜松市立中郡小
 小学校の授業時間数の確保などを理由に、給食の前に5こまの授業を
行って下校時刻を前倒しする「午前5時間制」が静岡県内の学校で
広がりつつある。2020年度に全面実施される新学習指導要領に
基づく授業時間数の増加への対応と教職員の多忙解消が主な目的。
実施校は「児童の集中力は午前中の方が高いので効果的」とメリットを挙げる。

 県教委、静岡、浜松両市教委によると、2019年度に午前5時間制を
実施している県内の小学校は少なくとも15校。浜松市立中郡小は
18年度から午前中5こま(1こま45分間)の午前5時間制を
実施している。家庭訪問や教職員の研修で午後に授業が
できない場合があり、授業スケジュールを確実にこなすため導入した。

 同校は読書や運動に充てていた始業前の15分間の朝活動を廃止し、
4限と5限の業間休みを10分から5分に短縮することで下校時刻は
20分早くなった。矢作実教務主任(45)は「午後の執務時間に
余裕が生まれ、仕事がはかどると教職員に好評」と働き方改革への
効果を語る。