抜刀した。
敵将と睨み合う。
「てめえこらなんだその目、殺すからよ殺すからよてめえおい」
「こいよ、俺の首級(くび)」
安くはねえぞ、呪い殺すように呟いた。
目の回りに血液が漲る。脳の稼働が冴えてくる。
反射的に転がった。背後で地を蹴る音。
2人の斬り込みをいなし、剣を奔らせた。
悲鳴が上がる。
戦には負けたが、まだ俺には剣がある。
「んの、野郎」
「囲め、槍でいたぶり殺せ」
駆けようとしたが、すぐに囲まれた。
死ぬのは間違いない。ただ体は熱い。
銘刀ですらない軍用剣がそれに応える。
「肉を突け、いたぶれ、いたぶれ」
「おおおおっ」
腹から叫んだ。
突き出された最初の槍、剣で跳ね上げ、そのまま奪った。
槍を持ったまま、力任せに回る。
回ることで一つの槍で、幾重もの槍を防ぎながら弾いていく。
「ばかども、どいてろ」
目の端で、槍を投擲