以下、長文、門外漢の私見なので、興味ない方は読み飛ばすの推奨

少し前にさる学会の招待講演で、テニス肘含めた慢性の建障害に塞栓術が有効との発表を聞く機会があった。
当時、自分もテニス肘(バックハンド)で半年以上休養中であったたのだが、etiologyとして腱付着部周囲の「炎症」という説明には違和感を感じていた。
安静にしてるから運動による侵害刺激はないはずだし、感染してるわけでも異物があるわけでもないのに、なんでそんなに長い間炎症が持続するのか??と。
講演の内容から、血管撮影上、病変部周囲に異常な血管網の新生・拡張が生じているのは事実のようで、これは炎症でも説明つく所見ではあるが、なんとこれに対して塞栓術を行うことで症状改善が得られるという!
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23707086
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24618195
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29477621

冷静に考えると、単純な炎症以外の理由で異常な血管増生(新生)が生じ、症候化するといった現象は他の人体組織にも存在する(e.g. 血管新生緑内障、硬膜動静脈瘻 etc)
さらに、調べてみると、tendinopathyは炎症性疾患ではないため,NSAIDを用いる生物学的根拠はないという意見もあった!
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16377967

講師の先生のご発表では、塞栓物質は短期間に再開通する性質のものを使用されており、これは異常血管網を完全に閉塞し治癒するといったものではないので、おそらく一時的な血流減少で血管新生の「悪循環」が断ち切られて改善している可能性があるのでは?と考えた。
そこで、自分に自分で塞栓術をするわけにも行かないので、一時的な血流減少を発生させる方法として持続的な冷却を試してみることにしてみた。方法は保冷剤をサポーターで巻いて、毎日数時間くらい自宅で患部を冷却といった感じ。
結果はなんと、半年以上一進一退だった症状が1−2週くらいで明らかな改善傾向を示してきて、結果、無事復帰となった!
現在、テニス後に微妙な違和感感じるが、振動止めもサポーターもなしで、ポリ張ってシングルでガンガン打ってても、悪化なくテニスできている。
効果には責任持てないがご興味ある方は試してみて報告していただけると嬉しい。

ちなみに発症したのは、スクールのメニューでバックハンドのドライブボレーをしたあとから。
腕に力入れないで全身使ってラケット振って、できるだけセンターで捉えるよう努力するのが発生(再発)防止に重要なのは言を俟たないと思います。