仮入部初日、僕はあることに気づく。それは、仮入部をしている一年生の中に、男子が僕を除いて、一人もいなかった。この時点では、まだ僕は、誰か一人くらいは男子がいるだろうと楽観的に考えていた。友達に付き合って、柔道部の仮入部に参加した以外は、吹奏楽部に参加したが、男子は一人もいなかった。
そして、本入部。もはや男子は諦めていた。問題は、この女子二十人に対し男子一人という状況で二年半耐えられるのかということであった。入部してしまった以上、やめるという選択肢はなかったので、必然的にぼっち確定である。大丈夫。先輩には二人、男子がいる。その人たちと一緒に過ごせばいい。さあ、どうしたものか。中学時代と違って、なかなか打ち解けるのが難しいのであった。
学校の門を出て、そそくさと帰宅する。一緒に帰る同期などいるはずもなく、一直線に家を目指す。いや、もうやめてしまおうか。なんか仲良くなれる気がしないし、仲良くなる気も起きない。これは完全に僕が悪い。正直、全く楽しいとか、ワクワクするとか、そんな気分ではなかった。