クトゥルフ神話で創作

12020/01/27(月) 06:08:51.98ID:kZnspWrY
ある日の事であった。
俺はバイトの帰りに図書館で一冊の本を見つけた。
『ネクロノミコン』と書いてあるその本は大昔に書かれた外国の書物の日本語版であるらしかった。
本の中には様々な図形や紋章と、解説が書かれていた。
《外なる神と繋がる技法》
解説によると外なる神とは、この宇宙空間とは別次元にいる存在のようだ。
俺はそこに書かれている魔方陣のような図形と呪文を何気なく大学ノートに書き写すと図書館を後にした。

2創る名無しに見る名無し2020/01/28(火) 23:27:09.75ID:Cm64w8Pm
図書館帰り、「輝くトラペゾヘドロン」の事を考えながら、

3創る名無しに見る名無し2020/01/29(水) 10:22:05.38ID:PFQNz1lC
俺は「外なる神」なら最近妹につきまとっている魚顔の男をなんとかできるのではないかと考えた。

4創る名無しに見る名無し2020/01/30(木) 07:30:01.45ID:qgoS7Qpp
俺は近所にある神社につくと、樹の枝で魔方陣を書き、ノートに書き留めた呪文を唱えた。

5創る名無しに見る名無し2020/01/30(木) 19:07:07.20ID:qgoS7Qpp
「何をしてるんだね」

物陰から背の高い浅黒い顔をした男が私に声をかけた。

6創る名無しに見る名無し2020/01/30(木) 22:20:30.04ID:+QxqIelU
声に驚いて振り返る際、魔法陣が少し崩れてしまった。まあいい、後で書き直しておけばなんとかなるだろう。

7創る名無しに見る名無し2020/01/31(金) 09:32:46.80ID:Ah2yWxl5
「『ネクロノミコン』を読んで魔方陣を書いていたんだろう?」
背の高い男は薄気味の悪い笑みを浮かべながら話し掛けてきた。
「なんで・・」
「君の妹が魚顔の男につきまとわれている」
男は地獄から響いてくるような声で言った。
「君はそれがこの世のものでない者どもである事に気がついている。警察も裁判所も及ばぬ力の持ち主たち・・で、オカルトに救いを求め、魔方陣を使って神の力を借りよう・・そう考えたのだろう?」
過去、現在、未来にいたるまでの俺の行動を全て見通しているかのような、深淵の中に浮かぶ深淵のような眼をこちらに向けて、男は俺の思考の隅々をまるで電話帳の中の特定の数字を読み取っているかのように語るのであった。

8創る名無しに見る名無し2020/01/31(金) 22:19:08.68ID:8gB3D98Y
男の洞察力は凄い。凄いなんてありきたりの言葉で表現出来ない凄味だ。
俺の友達の女子が手工芸に夢中(クラフトlove→ラヴ・クラフト)な事も一切話していないのに読み取られているのも間違いない。深淵まで覗き通すかの深淵な双眸で・・

9創る名無しに見る名無し2020/02/01(土) 06:23:25.86ID:fEGQ82/i
「魚顔の男どもは、お察しの通り、ダゴンの手下だよ」
男は表情一つ変えずに言った。
「この日本の港町も、少しずつかれらに侵食されつつある。」
そう言えば最近、魚顔のものたちが増えた気がする。

10創る名無しに見る名無し2020/02/01(土) 18:20:39.75ID:fEGQ82/i
俺はこの男が魔道書に書いてあるニャルラトホテプに違いないと思った。
「人間と言うものは奇妙なものだ。我々神からみると、・・そら、君たちはその樹に這い寄っている蟻のようなものだ。」
と言って、蟻の密集しているトチノキの前に二、三歩み寄ると、なんと手刀で全長8メートル、直径80センチはあるかと思われる太いこの樹をまるで豆腐でも切り落とすように胴廻りの太いところからスパッと袈裟斬りに切り捨ててしまった。
俺は余りの光景にブルブル震えるだけであった。憐れな蟻どもは隣接する池に向かって憐れな大木ともに転がり落ち、全部水没してしまった。

11創る名無しに見る名無し2020/02/01(土) 18:31:26.00ID:fEGQ82/i
男は、何の表情も浮かべず、まるで袖口に僅かについた埃でも払うかのようにめんどくさそうに話すのであった。
「いいかね。丁度、このように、人間と言うものは神から見るとこの蟻のようなものなのだ。
あの蟻ん子らはたった5分前には彼らにとって殆ど全てとも言えるような世界全てを失ってしまうなど考えもしないことだった。
そして、よしんばその事が、彼らに事前に認識できたとして、それが何になろう。神の行為を止めることが出来ると思うかね?」

12創る名無しに見る名無し2020/02/01(土) 19:01:16.75ID:fEGQ82/i
今から3時間後、この「日本列島」と呼ばれる島は水没することが決定されている。
と男はとんでもないことを口走った。
人類どもがムー大陸やルルイエなどと呼んで半ば伝説的に語っていた土地が隆起し、その道理として、その周辺の土地は水かさが増し、水没することになるのだ。これは神が決めた運命なのだ。
・・俺は余りの話に小便を垂れ流してしまった。
しかし、何故、俺にその事を教えるのだろうか。
そう思った瞬間、その思考はニャルラトホテプにすっかり読み取られたようで、男はこのように付け加えた。
「お前には神の偉大なる力の証人となってもらう。お前の子孫はこれから代々、この出来事の゛あらまし゛やその゛本質゛を語り継ぐ事になっているのだ。」
ふと、気が付くと漏らしたはずの小便は勿論、大便すら綺麗に消えてしまっていた。

13創る名無しに見る名無し2020/02/01(土) 19:19:50.35ID:fEGQ82/i
気が付くと、男も目の前からすっかり消え去ってしまっていた。
しかし、傍らにある樹の切り株は、余りにも鋭い切断面から、到底人工的に切り落とされたとは思えない異様な形で、その切り口をこちらにさらけ出していた。

これは夢ではない

俺はそう直観した。途方もない事がこれから起こるのである。

14創る名無しに見る名無し2020/02/01(土) 19:43:27.31ID:fEGQ82/i
俺はこれまでの下らない人生を後悔すると共に、バイト先の同僚、澤村暁海(あけみ)にLINEを送った。今すぐ会いたい、と。
暁海は面食らったようだが、俺のただ事ではない剣幕に圧倒されたのか、一時間後、俺の前に現れた。自家用車は山のふもとの道の駅の駐車場に置いてきたらしい。家族や友人たちにもLINEしたが、連絡が取れる人間は半数だった。
俺と暁海は道の駅から15分ほどの山間にあるこの神社で度々逢い引きを重ねていた。
ここは人も寄り付かず、こっそりデートをするのには都合が良かったのだ。
山の頂上からは海が見えた。
巨大な太陽が水平線に沈もうとしていた。
俺は暁海に事の次第を全て話した。
そして、お前の事が好きだと告白した。
「気でも狂ったのかよ!」と暁海は笑ったが、
俺のただ事ではない態度を見れば冗談を言っているのではないことは明らかだった。
俺たちは神社の前でありったけの力を使って、この世界の救済を願った。

15創る名無しに見る名無し2020/02/01(土) 20:11:33.42ID:fEGQ82/i
ニャルラトホテプが現れてから3時間が経った。
黒い雲が辺りを覆い、雨が矢のように地面を打ち鳴らし、不吉な忌まわしい音を打ち鳴らしている。ただ事ではない大きさの、明々とした太陽が水平線に融けていく。
地鳴りが響き、赤黒い空はこの世の終わりを告げているようだ。
一瞬、私は天空に巨大な悪魔の顔が見えたような気がした。その瞬間、ゴゴゴゴゴゴゴと地獄から鳴り響くような巨大な地鳴りが聞こえたかと思うと、天空を暗闇を覆った・・完全な闇が・・

ふと見上げると、俺は図書館にいた。
どうやら眠っていたらしい。
『ネクロノミコン』と書かれた書の上に、俺は突っ伏して寝ていたのだ。
一体、これはどう言うことだろう。
時計は正午を指している。
私はいつの間にか時空の歪みに迷いこんでしまっていたのか、はたまた、全ては夢だったのか。
それから数年後、俺は暁海と結婚し、三人の子宝にも恵まれ、幸せな人生を送っている。
しかし、時折思うのだ、あの日、「夢」から覚めた後、魔方陣をノートに写しとり、神社に向かっていたとしたら。
夢を見た直後、俺にはそのような気力は残って居なかった。
しかし、かの図書館には、『ネクロノミコン』と書かれたあの書物が、今も眠っており、その忌まわしいページが開かれる日を待っていることは事実なのである。

〜終〜

16創る名無しに見る名無し2020/02/01(土) 20:25:50.95ID:U3kFQ0Gn
そう言うとニャル子さんは寝てしまった

17創る名無しに見る名無し2020/02/01(土) 23:30:46.38ID:IxIF/db/
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頑張れ!ダゴン秘密教団日本支部 という本が、2015年に出版されてます。クトゥルフ入門にぜひ。ゆるふわ系クトゥルフ神話本です。僕は読んだ事ないんですが(読んでないのかい、)おすすめします。

18創る名無しに見る名無し2020/03/28(土) 22:56:53.02ID:Bbgzn09C
藤林丈司

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