なんというか、凄かった。
そいつは、現国と家庭科は出来なかった。
けれど、それ以外の分野では殆ど右に出るやつが居ないくらい、優秀だった。
また、そいつは陸上部なのだが、高1にして、次期部長と言われる程速かった。
その上、そいつはすんげー可愛かった。故に、スクールカースト最上位に常時君臨してたし、友人も多かった。所謂、この人生という名のクソゲーの勝利者である。
ある日の事。その日は日照りだった。
俺の様な人間にはキツい日である──ああ、いや別に俺に限ってはねえか。
ま、んな事ァ置いといて、俺は朝練に行くために準備をしていた。
一応バスケ部なので、シューズとかもちゃんとスプレーしてからバッグに詰め込む。
さあて、後は何か有ったっけか───おっと、数学の課題忘れてた。バッグに詰め込まんと。

朝飯を食って、外に出る。
──やっぱ暑ぃな…早くガッコ行ってれいほ