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ウーパールーパーで創作するスレ+(・─・)+2匹目
0001創る名無しに見る名無し
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2010/09/04(土) 19:25:18ID:3s3/5B4U
時代はうなぎよりウーパールーパー!ミ(゜θ゜)彡
モバイラーもあるよ!(εё)

前スレ:ウーパールーパーで創作するスレ+(・─・)+
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1249981120/
http://www26.atwiki.jp/sousaku-mite/pages/864.html

前々スレ:俺スーパーモバイラー
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1239426090/
http://www26.atwiki.jp/sousaku-mite/pages/149.html

関連レス:これから書いていこう
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1239915589/1-51

+(・─・)+ +(・◇・)+ +(×o×)+ ……。
0205「 グレートサラマンダーZ 」
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2012/04/18(水) 00:32:12.71ID:gZEGwHFi

 どどどど、どんっ。

 広場に太鼓の音が響き渡る。
神聖な儀式なのだろう、太鼓の音に合わせ膝を折りチィミコは広場に向け襟を正した。

 どんどん、よいしょ。どんどん、よいしょ。
太鼓のリズムに合わせ、村人達から掛け声が沸き起こる。

―― お御輿……?

 モニターの片隅に、木製のはしごのようなものを担ぐ4人の男が映る。
中央の台座には大玉なスイカほどの黒っぽい石が乗っている。太鼓と村人の掛け声に合わせ、
その神輿のようなものは4人の担ぎ手によってゆっくりと広場の石の円に向かっていく。
 
 どんどん、よいしょ。どんどん、よいしょ。どんどん、よいしょーっ。
ひときわ大きい掛け声とともに、神輿は円から10歩ほど離れた場所に下ろされた。
 村長の声が響く。
同時に4人の男に入れ替わり、遠目でも幼稚園児ほどと分る4人の子供が神輿の四隅についた。

―― 子供だけで担ぐつもりなのか……? 何キロあるか分らないけど無理だ。

 どんどん、よいしょ。どんどん、よいしょ。
また掛け声が始まる。しかしうぱ太郎の予想通り神輿は子供の力ではびくともしなかった。
 どんどん、よいしょ、どんどん、よいしょ。
それでも掛け声は続く。徐々に笑い声や励ます声が混じりはじめる。
 どんどん、よいしょ。どんどん、よいしょ。どんどん、よいしょーっ。
まったく動かせないまま4人の子供は神輿から手を離した。それでも広場には労をねぎらう声が上がった。
そして少し恥ずかしそうにしている4人に、出番を待っていたかのようにさらに4人の子供が加わった。

―― 子供でも8人ならいけるかな?

 一呼吸置いて太鼓が鳴り始めた。
掛け声もあがる。だが次第に頑張れ踏ん張れと応援の声が増してくる。
 神輿が少し持ち上がったのが分る。その都度広場は歓声で盛り上がる。
だがやはり担ぎ上げられることはなく、最後の掛け声も虚しく神輿はその場から動けずにいた。

―― 今度の4人は中学生くらいか……

 動かない神輿の前にさらに4人が加わった。
大人とは言い切れないが最初の子供に比べ明らかに身体は大きく、2度目に加わった子供と違い、
事前の8人になにやら指示を出し場所を確認しながら神輿に全員揃って手を掛けた。
そして神輿の先頭をになう一人が大きく片手を揚げる。

 どんどん、よいしょ。どんどん、よいしょ。
みたび、掛け声が沸き起こる。しかし今までとは違いどこか確信めいた力強さがあった。
 声援も笑いも無い。ただひたすらに太鼓と掛け声だけが広場に響く。
そして最後に加わった4人が8人の子供を促すようにひときわ威勢よく叫んだ。

 よいしょー!!!

 神輿が担ぎ上げられた。
 怒号に似た歓声が響いた。
太鼓と掛け声が小気味よく続く中、神輿は12人の手により円の3時の位置にじわじわと向かっていった。
0206「 グレートサラマンダーZ 」
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2012/04/18(水) 00:33:13.02ID:gZEGwHFi

「意味のないことやってると思うだろ?」
「え……? あ、うん」

 突然、チィミコに話を振られ、うぱ太郎は言葉に詰まる。

「はじめから終わりまで大人が担げばいいだけのことなんだけど。……でも、そうじゃないんだ」
「…………」
どう答えればいいのか分らずうぱ太郎はコックピットの中で黙り込んだ。
かまわずチィミコは話を続ける。
「私の村はな、生まれて6年たったら村の仕事にたずさわるんだ。それで一番最初の仕事が
この石置きなんだ」

―― 1年の数え方は教わった。でも何月何日なんて数え方じゃない。
   6年目とか言うけどそもそも村の人誕生日なんてわかってるのか?
  
「えーと、チィミコちゃん。ここの村の人は自分がいつごろ生まれたってみんな知ってるのかな?」
少し気になりうぱ太郎は尋ねる。

「みんな知ってるよ」
「どうやって?」
うぱ太郎の問いにチィミコは胸元に手を入れ、衣服の下、紐で首にかけられていた文庫本ほどの
大きさの木片をグレートサラマンダーZの顔の前に差し出した。

「あ……」

 その木片上部には、眼下の石の円に似た円状の模様が刻まれていた。
そして下部の上の位置に手の形に似た5本の放射状の線の塊が3組。

「よその村のことはよく分らないけど、うちの村では生まれたときにこの札をつけてもらうんだ。
あの石置きの丸と同じなんだけど、私は春の分かれの日の前に生まれたからここに印がついている。
それで生きた年は手の指の印で数えてて、ひとつ5年でそれがみっつで15年だ」
そう言いながらチィミコは木片の印に指をさした。
「当然小さいときは生きた年数の印自分じゃつけられないからその家の人につけてもらうんだけど、
6年目から自分でつけれるように、それまでみんなで教えるんだ。それで生きた年、6年になったら
その次の分かれの日の石置きのときから石を担ぐんだ」
「それ村の人全員持ってるの?」
「ああ、全員持ってるよ。みんな少なくても分かれの日ごとに必ず見てるから忘れることはない。
あと間違って燃やしたり割ったりする人いるけど、そのときは作り直す。怒られるけどな」

―― 昔の人の知恵か……。

 カレンダー代わりの石の円を眺めながらうぱ太郎は想う。
そしてあらためて現代社会とはかけ離れた場所に来てしまったことを痛感する。
木片を胸元に戻し、チィミコはどこか懐かしむような優しげな微笑を浮かべ広場を向いた。

「小さな子供だけじゃ石置きの石担げないことはみんなわかってる。それでも最初は子供4人に
担がせるんだ。初めて担ぐ子はその重さに驚く。そしていかに大人に力があるかを思い知る。
でも、子供だけでも力を合わせれば何とかなることに気づく。そこが一番大事なことなんだ」
「…………」
「ただ、石を動かせばいいってことではない。石が落ちたりしたら危ないからな。
それでそうならないように面倒を見るのが何回も石置きをやってきた年上の者だ。
小さい子が怪我しないように注意しながらみんなをまとめ、力をあわせ石を担ぐんだ。
 でも何も初めてやる子だけが教わるんじゃないんだ。何回も石置きをやった上の子もそうやって
自分が教わってきたことを下の子へ伝えることをちょっとずつ学んでいくんだ。
この村の者はみんな石置きをやって大きくなってきた。石置きはこの村の大事なならわしなんだ」
「…………」
0207「 グレートサラマンダーZ 」
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2012/04/18(水) 00:34:01.63ID:gZEGwHFi

―― 蛇食べるって聞いたときどうなることかと思ったけど、ちゃんと考えてるんだな……。

 カレンダーはおろか紙さえも無いと思われる時代。だが少なからず秩序や道徳的な教えはある。
自ら作りあげてしまった幻想を恥ずかしく思い、うぱ太郎は胸の中で小さく反省する。

 モニターには神輿から石を降ろし、収まる穴に向け石を転がす男の姿が映っている。
占いの要素でもあるのか、石が動くたびに広場は歓声やため息で埋まった。
そして石が穴に収まったところでひときわ大きい拍手と歓声が沸き、続いて村長の話が始まった。
ところどころで横やりな声が掛かる。どっと笑い声があがる。だがたいして長い話でもない。
長く続く拍手が終わりを告げていた。

「よし。じゃあみんなそろそろ行こうか」
儀式を見届け、チィミコは立ち上がり軽く衣服をはたいた。

「……うん」
少しどきりとする。そしていよいよかと心の中でため息をつく。

 大勢の人の前に出る。
人の姿の無いうぱるぱ王国で過ごしてきたうぱ太郎にとって未知の経験である。
 うぱるぱ救出活動で何度も人とやりあって来た。何度も理不尽な目にも遭った。
しかしその体験どれもがグレートサラマンダーZという鎧に守られての事である。

「うおー、盛り上がってきましたよー!」
「……民ちゃん、いちいちうるさい」
「あんたら余計なこと言わないでよ」
人の気も知らないで。と、後ろの席で遠足気分ではしゃぐうぱ民子を少し恨めしく思う。
 
「それでさ、私が村のみんなに話すから悪いんだけどタロウちゃん、私の言うとおりグレマン様
動かしてもらっていいかな?」
屈託のない笑顔でチィミコはグレートサラマンダーZに話しかける。
「いいけど……。どんなことするのかな?」
少し自信なさげな声でうぱ太郎は聞き返した。

「うん。私やテンやツギは見たからいいけど、グレマン様いきなり立ったり口開けたりしたら村の
みんなびっくりすると思うからあらかじめ見せておきたいんだ。それにそうなったときは危ないから
近寄るなって小さい子にも言っておきたいし。その後タロウちゃんたち出てきてもらえればさっき
ハナちゃんが言ったみたいにさわろうとする子もいなくなると思うから」
「あー、うん、わかった。じゃあチィミコちゃんに任せるよ」
「うん。悪いようにはしないから安心しててくれ」

―― 大丈夫。チィミコちゃんがフォローしてくれる。

 気づかれないように大きく息を吐き、ハンドルの位置を確かめた。
そして坂を下るチィミコに続き、うぱ太郎はゆっくりとアクセル踏み込んだ。
0208「 グレートサラマンダーZ 」
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2012/04/18(水) 00:35:27.21ID:gZEGwHFi

「昨日も話したけど、しばらく村にいてもらうグレマン様だ。
でな、昨日私の家でいろいろグレマン様と話したんだけど、とにかく凄いんだ。
ウマ。まぁオオシカでいいんだけど、オオシカも凄かった。でもそんなもんじゃない。
とにかく凄い。みんなびっくりすると思う。ホントにびっくりするはず。
って言うことでグレマン様よろしく」
「……どうも。……よろしくおねがいします」
「よろしくおねがいします!」
「「「 ……………。」」」

 チィミコに連れられて、いよいようぱ太郎たちを乗せたグレートサラマンダーZは
村人達の前に出た。だが案内された場所はよりにもよって石置きが行なわれた石の円の内側で、
ばちがあたるのではと、うぱ太郎の不安と緊張をさらに増幅させた。
 乳飲み子を抱く女から杖を持つ老人まで100人近くと思われる村の人々が、チィミコの
指示に従い半円を取り囲むように立ち並んだ。
 円の内側に入らなければどれだけ近づいてもいい。というチィミコの声に、小さな女の子が
いの一番で最前列に立った。そして怖いもの見たさか数人の若い男女が少女の隣に並んだ。

―― たしかあの子昨日も返事くれたよな。蛇とかトカゲとか好きなのかな?

 ほとんどの村人は無言で、不安げにグレートサラマンダーZを見つめている。
その中での少女の元気な返事は、ほんのわずかだがうぱ太郎の心の支えになった。

「えー、昨日私とテンとツギは見たんだけど、実はグレマン様って2本足で立てるんだ。
それでまずはみんなにグレマン様立ったところ見てもらいたいんだ。いきなり暴れたりは
しないから大丈夫。怖がらなくていい。じゃあグレマン様よろしく」
「え、えーと。じゃあこれから立ちます。……いきなり暴れたりしないから大丈夫です」
簡単な打ち合わせどおりにチィミコは話を進めた。声に従い、モニターで人が危険な位置にいないことを
確かめ、うぱ太郎はグレートサラマンダーZを立ち上がらせた。

「おいおいおいおい!」
「待て待て待て待て!」
「うわ、でかっ!」
「そりゃ反則でねーすか?」

 グレートサラマンダーZの動きに村人からどよめきが沸いた。
かまわずチィミコは場慣れした司会者のように話を続けた。

「はい、次はちょっと怖い。小さい子は泣いちゃうかもしれないからお母さん方よろしく。
当然と言えば当然だけど、グレマン様も口開けるときがある。でも何も知らないでその姿見ると
喰われちゃうかもって心配になってしまう。だから前もってその姿を見ておいてほしいんだ。
じゃあグレマン様、口開けてくれないか? できればなるべくゆっくりでお願いします」
「はい。えー、これから口開けます。いきなり暴れたりしないから大丈夫です」

 ぱかっ!

「「「 ――っ!? 」」」

「おいおいおいおい!」
「待て待て待て待て!」
「うわ、怖っ!」
「や、やんのかコノヤロー!!!」
「びゃー、えーんえーん」
「そりゃ反則ですって……」
0209「 グレートサラマンダーZ 」
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2012/04/18(水) 00:36:33.95ID:gZEGwHFi

―― やっちゃった……。

 緊張のせいか、うぱ太郎は無造作に口開閉スイッチを操作してしまう。
案の定、少女やもの好き連中含め、村人がいっせいに身を引いた。
慌ててチィミコがフォローを入れる。

「暴れたりしないから大丈夫。ホントに大丈夫だから心配しないでくれ。
……泣いちゃった子はさがってもらったほうがいかな。ごめんな。
それでな、グレマン様立ったり口開けてるときは近づかないで欲しいんだ。危ないから。
て言っても、あはは。これじゃ誰も近づきたいなんて思わないよな」

「「「 …………。」」」

「えー、グレマン様、口閉じていつもの格好に戻ってもらえるかな?」
「じゃあ、これからいつもの格好に戻りますです」
気まずさを隠すようにチィミコは笑顔を振りまいた。
うぱ太郎もそそくさとグレートサラマンダーZの口を閉め、通常状態に姿勢を戻した。

 安堵のため息が広場を埋め尽くす。

「うわー、グレマン様、凄い!面白い!」
「まぁ今日はこのぐらいで勘弁してください」
「こいつ本当におとなしくしてるのか? オオシカみたいに機嫌悪かったら蹴ったりしないのか?」
「たまげたなぁ。ほんとに化け物っているんだ」

 ひと通り村人の反応を見回した後、チィミコはごほんと咳を打った。
そして最前列はしゃがみ後ろの人は前に詰めるようにと村人をまとめ、本題を切り出した。
「えー、世の中には私たちの知らない、信じられないことやびっくりすることがたくさんある。
オオシカの時もそうだし、隣で言うのもなんだけどグレマン様にもびっくりだ」
 チィミコの声に最前列の少女が興味深げにこくこくとうなずいた。
釣られるように、周りからもうんうんと声が漏れた。

「でも本当に凄いのはこれからだ。またグレマン様に口を開けてもらう。暴れはしないから
怖がらずにみんなよく見ててくれ。
 たぶんみんな信じられないと思う。けど信じてもらうしかない。
これからグレマン様から降りてもらう。みんなびっくりする準備してくれ。
まぁ、簡単に言えば人の言葉を喋る手の生えたナマズだ。神様じゃないけどとにかく凄いぞ。
じゃあタロウちゃんたち。グレマン様から降りてくれないかな?」

―― いよいよか……。

 覚悟を胸に秘め、うぱ太郎はゆっくりと口開閉スイッチを操作する。
 振り返る。
昨日チィミコの前に出たこともあり、無表情だがうぱ華子、うぱ倫子も準備は出来ている。
「 …………。」
だが何故かうぱ民子はへらへらと笑っている。
「……民ちゃん。もうちょっと真面目に出来ないのかな?」
深刻になれとは言わない。しかしうぱ民子の態度はうぱ太郎にはあまりにも不謹慎に思えた。
「あはは。太郎ちゃん緊張しすぎ。表情硬いよ?」
だが、うぱ民子はあいかわらずの調子だった。

「はいはいはい。太郎ちゃんいちいちイラつかない。サクっとやっつけるわよ。サクっと」
「……太郎ちゃん。いつもあんな感じだから右から左へ受け流せば大丈夫」
「あれれ? わたし悪者?」

「いいよ、もう。じゃあ行こうか?」
何もかもが馬鹿らしく思えた。爆発させたい怒りを押し殺し、うぱ太郎は後ろを振り返らずに
グレートサラマンダーZから降りはじめた。
0211代行
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2012/04/18(水) 00:39:30.19ID:gZEGwHFi
以上、避難所より代行でした
0213創る名無しに見る名無し
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2012/05/15(火) 05:41:13.67ID:B/Z8iC2v
ウーパールーパーといえばミズゴロウかな
0214創る名無しに見る名無し
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2012/05/21(月) 19:40:43.69ID:82eSnuIl
0216創る名無しに見る名無し
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2012/08/17(金) 08:07:11.67ID:vA0y2lHU
うーぱーまーけっと
0217グレートサラマンダーZ
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2012/11/15(木) 00:16:00.55ID:68qg6dqr
「誰だよタロウちゃんて?」
「チィミコちゃん。グレマン様のほかに誰かいるの?」
「なに始まるんだ?」
「…………」

 口は開いたが、一向に変化のないグレートサラマンダーZ。
無言のチィミコとグレートサラマンダーZにじらされ、次第に村人がざわめきたつ。

「「「 ????? 」」」

 だが、一瞬にしてそのざわめきは消え去った。

 うぱ太郎、うぱ華子、うぱ民子、そしてうぱ倫子。
怪物の口から這い出た、一匹を除けば神々しささえ感じる鮮烈な体色の見慣れぬ生き物。
石置きの円最前列を陣取った者たちは、ただ無言で事の顛末を見守ることしかできなかった。

「おはようございます!うぱ太郎といいます! タロウちゃんって呼んでくださいっ!!!!!」
「「「 !!!!!っ 」」」

 半ばやけくそ。
グレートサラマンダーZの前で横並びになったうぱ太郎は、呆然と立ち尽くす村人たちを見上げ、
開口一番あらん限りの声で叫んだ。

「「「 …………。」」」

 続く沈黙。
そして、ぽつりぽつりと困惑の声。

「あれ? この子グレマン様と同じ声だ」
「私、寝ぼけてるのかな?なんか魚が喋った気がする」
「……気のせいじゃね?」 
「なんか気色悪い色の魚だな」
「誰か叫んだやついる?」
「えーと。……どうなってんだ?」

「あたしはうぱ華子。華ちゃんて呼んで頂戴」

「「「 !!!!!っ 」」」

 どんなに目をこらしてもチィミコの隣に立つ者はいない。

 その声は間違いなく、怪物の中から突然現れた不可思議な生き物が発していた。
何ひとつ変わらない朝日の中で、受け入れきれない事実が現実に混じり始めた。

「おいおいおいおい!」
「ちょ、ちょっと待てコラ!」
「ふざけんな!」
「……嘘でしょ?」
「ありえねー」
「ナマズが喋っただと?」
「すげー色だな。神様か?」
「神様? イモリじゃねーのか?」
「長生きするもんじゃのう」
「世の中まちがってる……」

 広場がどよめきで溢れかえる。
事を確かめようと一斉に石の円に詰め寄ってくる村人たちを、にたにたと満足げに眺める。
うぱ太郎たちとの距離を確かめ、グレートサラマンダーZの隣に座り込む。そしてチィミコは
腕を伸ばし指を指しながらうぱ太郎たちの紹介を始めた。
0218グレートサラマンダーZ
垢版 |
2012/11/15(木) 00:16:32.98ID:68qg6dqr
「黒っぽいていうか一番魚っぽいのがタロウちゃんだ。赤っぽいのがハナちゃん。それで白の子が」
「……うぱ倫子。……倫ちゃん」
「わたし、うぱ民子。民ちゃんって呼んでねー。チィミコちゃん、つば飛んでくるからあっち向いて喋って」

 気後れしたのか、消え入るような声のうぱ倫子。
そして村人の反応などまったく意に介さないうぱ民子。

「あーっ!」
「――!?」
交差するざわめきに混じり、最前列の少女が大きく声を上げた。
びくりと、うぱ太郎含む4匹が一斉に身を引いた。

「朝、変な歌うたってた声だー!!!」
まるで探していた宝物を見つけたかのように弾む声。
そして少女はしゃがみ込み、物怖じすることなくうぱ民子に向けて身を乗り出した。

「あの歌、教えて教えて!」
「えーと……」
少女の勢いにたじろぎ、少し気まずそうな表情でうぱ民子はうぱ太郎やチィミコを見やる。

「トリノちゃん。タミちゃんの歌聴いてたのか?」
「だって私んちからグレマン様見えてて、すぐそばだから聴こえてきたもん!!!」
 少女は口を尖らせる。
負けん気の強い返答に苦笑いを浮かべ、なだめるようにチィミコは話しかけた。
「そうか。……でも今すぐはだめだな。そうだな、あとでタミちゃんたちと相談するから、
今日は我慢してくれないか?」
「うん、わかった」
返事に納得したのか、トリノと呼ばれた少女は期待に満ちた笑顔でぺたりと地べたに座り込んだ。

「またまたわけ分んねー奴連れてきたな、おい。 ……チィミコ。そいつら村におくって言うけどな、
いまうちの村にそんな余裕なんかねーだろ。おまえ本気か?」

 収まる気配のないざわめきの中、今度は少し気難しい表情をした男がチィミコに言い寄ってきた。
わずかな沈黙が広場の中に生まれる。そしてそうだそうだと男に同調する声がぽつぽつと上がる。
 男にむやみやたらと手を出してきそうな粗暴な印象は無い。ただ、トリノの突然の大声に懲りたのか
うぱ太郎たちはいつでもグレートサラマンダーZに乗り込める位置まで下がっていた。

「ナギタ。どういう意味だ?何を言いたい?」

 笑顔は崩れない。
立ち上がり膝をはたく。そしてチィミコは余裕の表情で注目の的となった男に問い返した。
だがその態度が面白くないのか、これ見よがしにナギタと呼ばれた男から舌打ちが漏れる。

「テンから聞いたけど、タカオとのいざこざ鎮めてくれたのはありがたいと思うし、確かに礼も
必要だろ。でもな、今うちの村にそんな余裕あんのか? グレマン様のそのなりじゃ肉でも魚でも
ばりばりかなりの量食うんだろ? 自分の食う米さえ無くてひーひー言ってんのに、いくら助けて
もらったからってそんな化け物に村の食べ物何日も恵んでる場合かって話だ」

―― 食べ物のせいにしてるけど、ようは村に居てもらいたくないってことだよね。たぶん……。

 心の中で溜息をつくうぱ太郎。無表情のうぱ華子うぱ倫子。相変わらずへらへらしているうぱ民子。
しかし、そんなうぱ太郎たちのことに気づくわけもなく、チィミコは大袈裟に頭を掻きながら話を進めた。
0219グレートサラマンダーZ
垢版 |
2012/11/15(木) 00:17:15.35ID:68qg6dqr
「あー、ごめんごめん。うん。言いたいことは分った。でも大丈夫だ。グレマン様の食べる分は
グレマン様が川に行って自分で魚獲って食べるから心配しなくていい。
あとタロウちゃんたちの分は私たちが一口で食べる魚の身があればそれで一日過ごせるらしいんだ。
それに魚がなければミミズでもいいみたいなんだ。だからグレマン様に村の食べ物が食べつくされる
とかそんな心配はまったくしなくていいよ。私が食べる分ちょっとタロウちゃんたちに分けてやれば
いいだけのことだから大丈夫だよ。ごめんな、村の食べ物のことまで心配してくれてありがとう」

 そう言ってチィミコはぺこりと頭を下げた。
それでも気がすまないのか、腕を組みナギタは執拗にチィミコに食い下がる。

「……分った。じゃあ食べ物のことはいい。……だけどな、本当にそいつら暴れないのか?
オオシカの時も酷かったよな。機嫌悪けりゃ暴れるわ蹴られるわで相当痛い目にあったよな?」
「大丈夫大丈夫。確かにオオシカも最初は酷かったけど今じゃ村一番の働き者だ。
簡単なことだよ。グレマン様に嫌がることを言ったりやらせたりしなければいい。それだけだ。
なんてったってグレマン様は人の言葉が分るんだ。私たちが変なことを言わない限り暴れたりする
ことはない。さっき見てただろ? ちゃんと話せばちゃんと通じるんだ。みんなと同じだよ。
怒る怒られるようなことしなければおとなしくしてるよ。それだけだ」
「……分った。……でももう一回聞く。まぁ、変な言い方だけど、俺たちはオオシカのときみたいに
やたらと気を遣わなくてもいいってことだよな?無理してなだめたりしなくてもいいってことだよな?」

「……ナギタ。おまえまだオオシカに蹴られたこと根に持ってんのか?」
「おわっ!?」

 いつのまにか火起こしがナギタの隣でにやついていた。
その火起こしのひと言で、少し不穏がかった重苦しい空気が払拭される。

「う、うるせーよ火起こし。おまえだってオオシカ乗れるようになったのつい最近だろ」
「ふんっ。俺はおまえと違って一回二回蹴られたくらいじゃ懲りないんだよ。それにな、
うちの巫女とか若い奴らはオオシカ乗れるのに大の男が乗れないなんて格好悪いだろ」

 火起こしの返事に今度は俺も乗れる私も乗れると、得意気な幼い声が盛んに混じる。

 顔つきから30歳前後で火起こしと同じ年代だろう。
しかし場に飛び交うオオシカに乗れるという声につまみ出され、次第にナギタは立つ瀬がなくなる。

「ちっ、どいつもこいつもオオシカ乗れるぐらいでいい気になってよ。そんなにオオシカに
乗れんのが偉いのかよ」
「おいおいナギタ。そんなことでいちいち拗ねんなよ」
「拗ねてねーよ!!!」

 火起こしとナギタ。
2人がやりあうたびに笑いや冷やかしの声で広場が盛り上がる。

―― ちょっとうわーって思ったけど、なんだかんだでみんな仲いいみたいだな。

 心の中で安堵の声が漏れる。
そしてうぱ太郎の思ったことを裏付けるように、トリノがくるりと振り返り2人に向かって叫ぶ。

「ナギタも火起こしも頭悪いなあ。もう忘れたの? オオシカじゃなくてウーマっ!!!」
「「……いいだろ別にオオシカで」」
「ウマっ!!!」
「「……はいはい。わかったわかった」」

 幼い子供には敵わないとでも言いたげに、火起こしとナギタ2人揃って肩をすくめた。

―― この村でうまくやっていけるのかな? ……僕。

 まるで奇妙な者たちの姿など目に入らないかのように、何も変わらない朝日の中、朗らかな数々の
笑い声が、いつまでも広場に響いた。
0221代理
垢版 |
2012/11/15(木) 00:18:27.93ID:68qg6dqr
以上、代理でした
0222創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/01/28(月) 21:22:09.21ID:SqkOYo4M
過疎ってるみたいなので
「アホロートルのあほチャン」のAAを
置き逃げしよう。
つ ∋(*=_=*)∈
0225創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/05/21(火) 23:41:16.70ID:hNX8xHVI
うぱーぱうぱ うぱぱ
0229創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/07/22(月) NY:AN:NY.ANID:4RR7C5OT
ぬーぽーるーぽー
0231創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/10/14(月) 21:15:48.38ID:/c+mIhy8
うpってうぱって
0232創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/10/30(水) 13:59:49.92ID:1MZlBUS+
>>56
 r──────────┐
 | l王三王三王三王三l o==ニヽ
 | |王三王三王三王三|  .| //
 ゝ 乂━━━━━━━乂_| `-=
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄    
      ==========================
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         ̄ ̄ ^^^   ^^^ノ ノ
                 `"''"
0233創る名無しに見る名無し
垢版 |
2014/02/21(金) 02:10:13.66ID:KLgMJHh2
うぱぱー
0234創る名無しに見る名無し
垢版 |
2014/02/21(金) 02:11:06.29ID:Fr97EjUk
天然パーマ男死ね。バケモン。気色悪すぎ。天然パーマ男死ね。バケモン。気色悪すぎ。
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0235創る名無しに見る名無し
垢版 |
2014/03/03(月) 23:03:53.02ID:RdLbJlIi
うぺぱ
0236創る名無しに見る名無し
垢版 |
2014/03/26(水) 17:30:15.31ID:EuU9Axaw
ぱーうー
0237創る名無しに見る名無し
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2014/11/29(土) 14:38:34.39ID:64NZmY02
ウパトロン
0238創る名無しに見る名無し
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2016/08/05(金) 07:08:12.35ID:HHjEZImo
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0251創る名無しに見る名無し
垢版 |
2017/12/27(水) 12:06:51.22ID:C1Z7QFDy
家で不労所得的に稼げる方法など
参考までに、
⇒ 『武藤のムロイエウレ』 というHPで見ることができるらしいです。

グーグル検索⇒『武藤のムロイエウレ』"

O5LP09JVKV
0252創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/05/21(月) 07:16:18.83ID:tRZnwP6O
知り合いから教えてもらったパソコン一台でお金持ちになれるやり方
参考までに書いておきます
グーグルで検索するといいかも『ネットで稼ぐ方法 モニアレフヌノ』

G3D1A
0253創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/07/03(火) 20:37:17.17ID:f1dClnnX
1Z3
0254創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/10/17(水) 16:59:22.96ID:ZU7x6aHX
中学生でもできるネットで稼げる情報とか
暇な人は見てみるといいかもしれません
いいことありますよーに『金持ちになる方法 羽山のサユレイザ』とはなんですかね

VU7
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