X



トップページ創作発表
683コメント522KB
マルチジャンルバトルロワイアルpart20
0001創る名無しに見る名無し
垢版 |
2010/08/19(木) 21:27:59ID:Xaw0wCT2
様々な作品のキャラを使った上での、小説及び映画で有名なバトルロワイアルの企画を行おうというスレです。
小説・漫画・アニメのキャラが入り乱れていることから、マルチロワという名前になりました。
略して○ロワ。別に見るのに●はいりません。
この企画はリレーSS企画であり、ルールさえ守っていただければ、どなたでも参加可能です。
ルールの項に目を通していただき、分からないことがあれば気軽に本スレで聞いてみてください。
キャラ同士による殺し合いという内容のため、苦手な方は気分を害する恐れがあります。
読み進める際にご注意を、また自己責任でお願いします。

【過去スレ】
いろんなジャンルの作品キャラでバトルロワイアル
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1220604468/
マルチジャンルバトルロワイアル part2
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1221055898/
マルチジャンルバトルロワイアル part3
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1221229891/
マルチジャンルバトルロワイアル part4
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1221405474/
マルチジャンルバトルロワイアルpsrt5
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1221749250/
マルチジャンルバトルロワイアルpart6
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1221924153/
マルチジャンルバトルロワイアルpart7(実質8)
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1227019873/
マルチジャンルバトルロワイアルpart8(実質9)
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1230130775/
マルチジャンルバトルロワイアルpart10
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1232931721/
マルチジャンルバトルロワイアルpart11
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1235147692/
マルチジャンルバトルロワイアルpart12
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1235724325/
マルチジャンルバトルロワイアルpart13
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1237380564/
マルチジャンルバトルロワイアルpart14
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1241420923/
マルチジャンルバトルロワイアルpart15
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1243945342/
マルチジャンルバトルロワイアルpart16
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1247322362/
マルチジャンルバトルロワイアルpart17
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1249651246/
マルチジャンルバトルロワイアルpart18
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1254322108/
マルチジャンルバトルロワイアルpart19
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1259755793/
マルチジャンルバトルロワイアルpart20
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1268938717/301-400

【したらば】
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/11860/
【wiki】
http://www26.atwiki.jp/marurowa
【予約について】
 ・通常5日。延長は2日まで。(合計7日まで)
 ・したらばの予約スレで予約してください
【全キャラクター共通・スタート時の持ち物】
  地図、コンパス、懐中電灯、筆記用具、水と食料、名簿、時計、ランダム支給品1〜3
【MAP】
  (p)ttp://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/70/405fccc08ebbff8b539e6e47e7acf801.png
   上が北、一マス一km四方、端はループしています。(例:A-1から北へ行けばH-1に出る)
0431第四回放送 ◆hqLsjDR84w
垢版 |
2013/01/04(金) 21:17:02.28ID:qGeYnOkp
 
 
 
【1】


 モニターのスイッチを乱暴に消して、ギラーミンは葉巻に火を点ける。
 ニコチンとタールが肺に染み込む感覚を堪能してから、天を仰いで息を吐く。
 白い煙は室内を僅かに漂っただけで、すぐに天井に吸い込まれていった。
 煙草よりも強い葉巻独特の甘い匂いさえ、根こそぎに飲み込まれてしまう。
 とうの昔に勘付いていた事実が、いまのギラーミンには腹立たしい。
 彼がいる部屋は、窮屈で、無機質で、必要最低限の物品以外は存在しない。
 嗜好品のなかで唯一葉巻だけは許されているが、このように空気清浄機能はやけに優れている。
 また部屋を出ることも許されず、この扱いは奴隷や囚人のそれと大差ない。
 かつては宇宙一の殺し屋とまで称されたというのに、現状はこのザマである。

 なにも――脱獄前と変わらない。

 当然、この仕事が終われば、莫大なマージンが入ってくる。
 そういう契約は交わされているし、『上のヤツら』にしてみればその程度大した痛手でもないだろう。
 契約をいちいち守ってくれる理由もないが、同時に約束を反故にしてくる理由もない。
 そういう輩のほうが支払いがいいことくらい、これまで培ってきた経験でギラーミンは承知している。
 ゆえに、仕事を請けた。
 もとより、職を失った身であったのだ。
 自由を得られるのであれば、飛びつかぬ理由がない。

(『誰でもよかった』……ねえ)

 かつて告げられた言葉が、ギラーミンの脳裏を掠める。
 自分を選んだ理由を尋ねた際、『上のヤツら』はそう言ってのけたのだ。
 辺境宇宙の連中でもなければ、名前を聞いただけで震え上がる――宇宙一の殺し屋に向かって、だ。
 あえて反発を買おうとしてきたような、挑発じみた言い方ではない。
 単に当たり前のことを当たり前に告げるだけの、そんな口ぶりであった。

「けッ」

 不快感を露に吐き捨てて、被っていたテンガロンハットを深く押さえつける。
 全身を包むボディスーツやマントと同色の黒い帽子で、強引に視界を覆ってしまう。
 『上のヤツら』がギラーミンをどう見ているのかなど、とうに分かっていたはずだ。
 それを理解した上で、失ってしまった自由を得るために仕事を請けたのではないか。
 むしろ、膨大な選択肢のなかから自分に白羽の矢が立ったのは、運がよかったと言えよう。
 にもかかわらず、どうしていまになって苛立っているのか。

 ――考えるまでもなかった。

 このこじんまりとした部屋には、殺し合いの会場を映し出すモニターが設置されている。
 六時間ごとの放送時刻をただ待つだけというのも味気ないため、ギラーミンは時折そのモニターを眺めて時間を潰していた。
 さしておもしろいものでもなかったものの、この場には酒も女もないのだから仕方がない。
 当初は野比のび太とドラえもんの二人を追っていたが、どちらも早々に脱落してしまった。
 他に気になる参加者もいないため、適当にザッピングして大きな動きのある映像を眺めるのが恒例となっている。

 先ほどもそうしていたところ、一人の少女が脱落した。
 ギラーミンは彼女の名前を覚えていなかったが、数時間後に読み上げることになるのだろう。
 ともあれ、その少女がギラーミンの癇に障った。
 彼女は死んだ。殺された。
 この場での脱落とは、すなわちそういうことだ。
 別段、驚くことではない。

 が――その態度が問題である。
0434第四回放送 ◆hqLsjDR84w
垢版 |
2013/01/04(金) 21:18:03.43ID:qGeYnOkp
 
 彼女は満足して死んでいった。
 自ら率先して、他人に自分を殺させた。
 体内に魔獣が棲んでいるからといって、他人に引き金を引かせたのだ。

「気に喰わねえ」

 帽子で表情を隠したまま、ギラーミンは歯を軋ませる。
 死に行くなか、少女は安堵の笑みを浮かべていた。
 これでいいと確信しているかのように、微笑んでいたのだ。
 なにより、それが気に入らない。

 死ぬというのに。

 自由を失うというのに。

 どうして、満足しているというのか。

 人間は死ねば、もう終わりだ。
 この仕事を請けて以来、様々な世界について知ることになった。
 それでも、本当にありとあらゆる世界を見てきたというのに、死ねばどうにもならないという点だけは変わらない。
 あらゆる世界における常識を知らぬワケではないだろうに、彼女は死に際に笑ったのだ。

「気に喰わねえ」

 再度、吐き捨てる。
 いや、違う。
 再度ではない。
 再度どころではない。
 もう何度目かになるか分からないほど、毒づいてばかりだ。
 はたして、なにがこんなに気に喰わないというのか。

 ゆっくりと思い返していこうとした――そのときだった。

 微かな物音もなく。
 一切の兆候もなく。

 なにか――形容し難い気配が現れた。

 それも、すぐ近くに。
 この狭い部屋のなかに。
 手を伸ばせば届く範囲に。
0439第四回放送 ◆hqLsjDR84w
垢版 |
2013/01/04(金) 21:19:31.24ID:qGeYnOkp
 
「……ッ」

 反射的に、ギラーミンは腰かけていた椅子から跳び上がる。
 凄まじい速度で、視界を遮っていたテンガロンハットをかぶり直す。

 明らかになった視界の先には、一人の男が悠然と立っていた。
 身に纏っているのは、高級そうな黒いスーツ。
 金色の髪はきめ細かく、背中の半ば辺りまで伸ばされている。
 初対面の男だったが、ギラーミンはその目に見覚えがあった。
 猛禽類を連想させる鋭い目付きは、これまで放送の原稿を手渡してきた三人の男女と同じものだ。
 その三人からも奇妙な雰囲気を感じたが、眼前の男は別格だった。
 彼らは得体のしれないものを隠しているような気配を放っていたが、この男だけは違う。
 すべてを呑み込んでしまいそうな――そんな、得体の知れなさを上回る底知れなさがある。

「いったいなにが気に喰わないんだい、ギラーミン」

 ギラーミンの動揺を見透かしたような笑みを浮かべて、男が尋ねてくる。
 それに対して、ギラーミンは平時と変わらぬ口調を作る。

「…………まだ次の仕事には早いはずだ、四人目さんよ」

 すると、男は大げさに肩を竦めた。
 そんな演技じみた動作ののちに、ゆっくりともったいぶって口を開く。

「この部屋に来たのは四番目だが、私は『四人目』などではない」

 ギラーミンが眉をひそめると、男は聞いてもいないのに説明を始めた。

「母(アリス)の葛藤を移し、それぞれに異なる解答を導き出すように生まれた『キースシリーズ』。
 私は、その長兄たるキース・ブラックの『模造品』だ。決して『四人目』ではないし、また断じて『一人目』でもない」

 真の一人目は、殻のなかに潜んでいた父に呑み込まれた。
 ブラックは自嘲気味な笑みを浮かべながら続けたが、ギラーミンにはその意味を察することはできなかった。



 ◇ ◇ ◇
0443第四回放送 ◆hqLsjDR84w
垢版 |
2013/01/04(金) 21:20:47.16ID:qGeYnOkp
 
 
 
【3】


 ――――ギラーミンが指をほんの少し動かしただけで、銃口を向けられていた扉は消し飛んだ。

 彼の手元で白煙を吐く拳銃の名は、ジャンボガンと言う。
 その名に恥じぬ威力でありながら、反動は驚くほど少ない。
 『上のヤツら』が用意した得物であり、野比のび太が手にしたこともあるらしい。

「大層なもん用意してくれたもんだ」

 満足げに呟いて放送室を一歩出ると、そこには闇が広がっていた。
 闇のなかにいくつか気配があるが、そのいずれもギラーミンの求める相手ではない。
 ゆえに気配のほうに向き直ることもせずに、目指すべき扉へと歩み寄っていく。

「ギラーミン……!? 貴様、いったいどういうつもりだ!?」

 声をかけられたので仕方なく振り返ると、三人の男女がいた。
 これまで三度の放送の度に、原稿を用意してきた連中だ。

「どういうつもりもなにもねェ」

 彼らも、所詮は『上のヤツら』の指示に従っているだけだ。
 そんな操り人形に用はないので、ギラーミンは短く答えることにした。


「テメェらと違って、俺は俺だ。
 俺本人であって、他の何者でもねえ」


 返事を待たず、闇のなかにある一つの扉に駆け寄っていく。
 緊急時用に備え付けられた『上のヤツら』の元に通じる扉だ。
 扉を開けると、眩い光が漏れ出してくる。
 あまりの光度に内部の様子は窺えないが、ギラーミンは躊躇せずに一歩踏み込んだ。
0444第四回放送 ◆hqLsjDR84w
垢版 |
2013/01/04(金) 21:21:49.88ID:qGeYnOkp
 
 
 ――――瞬時に、視界が切り替わる。


 次の瞬間には、ギラーミンはこれまでいたのとは違う場所に立っていた。
 殺し合いの説明を行った大広間でも、窮屈な放送室でも、闇だけが広がる空間でもない。
 完全に異なっている、また別の場所。
 遠く離れた地点なのか、あるいはすぐ近くなのか、そもそも同一世界であるのか否か――
 推測することさえまったく不可能であるが、ともかくギラーミンが求める相手はそこにいる。

 あるいは――在る。
 もしくは――有る。

 なんにせよ、たしかにそこに存在していた。

「よォ……遅れたな」

 そう、遅れた。
 あまりにも、遅れてしまった。
 殺し合いが始まってから二十時間ほど経過しているが、そんな程度ではない。
 二十時間前よりずっと早く、こうして相対するべきだったのだ。
 なぜなら、ギラーミンは決闘者であるのだから。
 すでに大局が決まっていてなお、一対一の決闘を申し込むような男であるのだから。
 なまじ決闘後も生き延びてしまったために、刑務所などに収容されてしまったために、うっかり忘れてしまっていた。

 欲しているのは自由などではない。
 仕事を成し遂げるという成果でもない。

 ただ、納得をしたいのだ。

 戦争屋は生き抜くためにあらゆる手段を使うが、決闘者は――納得がいく結末を得るために手段を絞る。

 なぜ、満足した笑みが気に入らなかったのか。
 そんなものは、一度気付いてしまえば明白だった。
 自分がどういう人間であったのか思い返せば、すぐに分かった。
 なによりそれを求めていたはずの自分が、それを放棄していたからに他ならない。
 ギラーミンがギラーミンであるのなら、他ならぬギラーミン自身を許してはならなかったのだ。

(…………感謝してやるぜ)

 自分自身を思い出すきっかけを与えてくれた男に、ギラーミンは胸中で頭を下げる。
 そうしてから、テンガロンハットを高く掲げた。

「こいつが合図だ」

 言って、テンガロンハットを上空へと放り投げる。
 戦争屋なら問答無用で銃を抜くだろうが、ギラーミンはそれをしない。
 舞い上がった帽子が地面に触れるのを待ちながら、口角を吊り上げる。
 少し前まで苛立たしかった笑みとて、現在のギラーミンには浮かべることができるのだった。



 ◇ ◇ ◇
0446第四回放送 ◆hqLsjDR84w
垢版 |
2013/01/04(金) 21:22:22.05ID:qGeYnOkp
 
 
 
【4】



 闇の広がる部屋に残された三人は、ギラーミンが入っていった扉を見据えている。
 扉の向こうからは銃声はおろか、物音一つ聞こえてこない。
 すでにギラーミンが入ってだいぶ経っているが、はたしてどうなったのであろうか。
 誰一人として口を開こうとせず、闇のなかには静寂が広がっていく。

「――ふふ。この場合、放送はどうなるのだろうな?」

 静寂を破ったのは三人の誰でもなく、放送室から戻ってきたブラックだ。
 三人は目を見開いたのち、合点がいったような表情となる。

「ブラック兄さん、貴方がギラーミンをけしかけたの?」

 問いかけたのはバイオレットだったが、その疑問は三人共通のものであるらしい。
 シルバーとグリーンは驚いた素振りも見せずに、ブラックに鋭い視線を飛ばしている。

「けしかけた? バイオレット、君がなにを言っているのか分からないな」
「その演技に付き合うのにも飽きた」
「辛辣だな、シルバー。
 飽きるほど長い付き合いじゃないだろう。私たちが作られてから、三日と経っていないのだから」

 やれやれと口に出して、ブラックは長い金髪を掻き揚げる。

「私が他人をけしかけたりなどしないことは、『アレックス』の記憶を持つお前がよく知っていることだろう?」

 シルバーの視線が、よりいっそう鋭くなる。
 キースシリーズ随一の威圧感が膨れ上がるが、ブラックは意に介さずに続ける。
0447第四回放送 ◆hqLsjDR84w
垢版 |
2013/01/04(金) 21:22:53.20ID:qGeYnOkp
 
「私は、父とは違う。
 他者の意思に干渉などしない。あくまで、少し言葉を交わしただけだ。
 ギラーミンの造反は彼が勝手にやったことであり、私のあずかり知るところではない。
 ただ、私たちの知るギラーミンという人間らしい行動ではあったが、それはやはり彼自身の『意思』ゆえのものだろう」

 再び、静寂が闇のなかに広がる。
 たっぷり一分ほど待って誰も切り出さないのを確認してから、ブラックは胸ポケットに手を伸ばす。
 取り出されたのは、掌に乗るサイズの小さな砂時計だった。

「命というものは、このように止まることなく落ち続けている。
 我々ARMS適正者とて、いずれすべての砂が落ち切って息絶えてしまう。
 死は避けられないにもかかわらず、こうしてガラスに閉じ込められている。
 自分ではない何者かによって作られた、目に見えないガラスにだ。
 あの男は自らの手で、ガラスを砕きに行った。その結果すべての砂が落ちると承知の上で――な」

 言い終えても、返事はない。
 繰り返したりはせず、ブラックは砂時計を胸ポケットにしまう。

「ではな、放送まで休む予定だったのを忘れていたよ」

 三人に背を向けて数歩踏み出したところで、いきなり呼び止められる。
 キースシリーズの末弟、グリーンだ。

「待って、兄さんッ! もしかして、兄さんは――みんなに『希望を探せ』と言うの!?」

 予期せぬ内容に、ブラックは言葉を失ってしまう。
 しばしの時間をかけて意味を理解すると、思わず笑いがこみ上げてくる。
 どうやら、弟妹たちは随分と壮大な勘違いをしていたらしい。

「なにを言い出すかと思えば、『希望』とは……下らないな」

 どうにか笑みを抑えて、嘘偽りない真実を告げてやる。


「そんなものを探せなど、私は一度として思ったことはないよ」


 断言して、ブラックは闇のなかに消えていく。
 弟妹たちの声が背中へと浴びせられたが、もう止まってやるつもりはなかった。
0452第四回放送 ◆hqLsjDR84w
垢版 |
2013/01/04(金) 21:23:58.45ID:qGeYnOkp
 
 
 
 ◇ ◇ ◇





【5】


 ――――放送の原稿は、時間通りに出現した。





 ◇ ◇ ◇
 
 
 
0455第四回放送 ◆hqLsjDR84w
垢版 |
2013/01/04(金) 21:24:30.88ID:qGeYnOkp
 
 
 
【6】


 殺し合い開始から、ついに丸一日が経過した。
 幸運な、あるいは不運な生存者の諸君、放送の時間だ。
 これまで通りに、禁止エリアと死者を告げていく……が、その前に報告しておくことがある。

 すでに気付いているだろうが、放送の担当者が変わった。
 私の名は、キース・ブラックという。
 単なる進行役でしかないので、別に覚えてもらわずとも結構だ。
 私の名前よりも気になることが、君たちにはあることだろうしな。
 余計な疑問を抱いたせいで殺し合いに支障が出るのも好ましくないので、君たちの抱いている疑問を解消するとしよう。

 ギラーミンは――殺された。

 この殺し合いを企てた首謀者の手によって、な。
 君たちが目の敵にしていたギラーミンは、所詮は表向きの進行役に過ぎなかったというワケだ。
 この私のような替えが、いくらでも利く――ね。

 少し頭の回るものならば、すぐに違和感を抱いたことだろう。
 殺し屋稼業を営めなくなったからといって、このように大それた汚名返上の場など設けるものか。
 だいたい、諸君らほどの手練れを気付かれずに一気にさらえるのならば、殺し屋でなくとも十分に裏稼業で儲けられる。
 殺し合いの首謀者を殺せば願いが叶うというのも、なかなかおかしな話だ。
 裏に願いを叶えてくれる存在がいなければ、そんなものは到底不可能だろう。死人がどうして願いを叶えられる?
 にもかかわらず、ギラーミンが首謀者と疑わぬものが少なからずいたのには、多少驚いてしまった。
 随分と素直で、見ていて微笑ましくなるほどだった。
 諸君らは、もっと他人を疑うことを覚えたほうがいい。
 せっかくここまで生き延びたのだから、下らぬ勘違いで命を落としたくはないだろう?

 …………話題が逸れてしまったな。
 いい加減に、本題に入るとしよう。
 まずは禁止エリアから発表していこう。
 決して復唱しないので、考え込むのはあとにしたほうがよいだろう。
0456第四回放送 ◆hqLsjDR84w
垢版 |
2013/01/04(金) 21:25:10.26ID:qGeYnOkp
 
 
 01:00よりH−6。


 03:00よりC−3。


 05:00よりC−5。


 以上、三エリアだ。
 では、死者の発表に移るとしよう。


 アルルゥ

 伊波まひる

 真紅

 トニートニー・チョッパー

 ニコラス・D・ウルフウッド

 古手梨花

 ブレンヒルト・シルト

 ラッド・ルッソ

 竜宮レナ

 ロベルタ


 メモを取るなどして死者の名を数えているものならば分かるだろうが、残る参加者は十四名となった。
 つまり未だ生存している諸君らは、他の十三名より長生きすればいいということだ。
 盤上に最後に唯一残るコマになるべく、これまで通りに精を出してくれたまえ。



【第四回放送 終了】
【残り参加者 14名】
0460第四回放送 ◆hqLsjDR84w
垢版 |
2013/01/04(金) 21:25:59.05ID:qGeYnOkp
 
 
 
 ◇ ◇ ◇



【2】


「テメェが何人目かなんざ知ったこっちゃねえ。
 ただよォ、『模造品』ってのはいったいどういうことだ」

「喩えでもなんでもない。そのままの意味さ。
 私は、キース・ブラックの肉体と記憶を持つだけのクローンだ。
 君の言う『上のヤツら』に作られた――ね。
 最初に訪れたシルバーも、次のグリーンも、先ほどのバイオレットも同様さ。
 ゆえに我々はとある世界にいる四人のキースシリーズの模造品であって、断じてキースシリーズのオリジナルではない」

「…………」

「ああ、安心していい。
 君はオリジナルだ。殺し合いに呼び集められた不幸な参加者たちもね。
 あくまで、君の言う『上のヤツら』がこの私に真実を話していたとしたら――だがね」

「……たりめェだ」

「当たり前? ふふ、当たり前か。そう思うのか、君は」

「なにが言いてェ」

「いや、大したことじゃないさ。
 ただ、本当に『当たり前』なのかと思ってね」

「なにがおかしいッ!?」

「おかしくはない。ただ、あまりに不自然なだけでね。
 私の言わんとしていることが、本当に分からないのか?
 それは気付かない素振りであって、本当は訊くまでもないのだろう?
 殺し屋として成り上がった聡明な君ならば、とうに勘付いているはずだろう?
 演技などしたところで無意味だ。一度浮かんだものを完全に忘れ去ることなど不可能だ。
 現に、『本人と変わらぬ肉体』と『本人と変わらぬ記憶』を持つクローンが眼前にいるというのに――
 どうして、君は違うと言える? 言い切ることができる? ましてや、なぜそれが『当たり前』になる?」

「……テメェらと違って、本人だという自覚が――」

「自覚、か。
 そんなものは私だってあったさ。クローンであると告げられ、証拠を目の当たりにするまでは。
 君はどうだ? 自らが肉体と記憶を受け継いだクローンである可能性を前にして、それでも本人であると断言できるか?
 君がクローンであるという証拠はないが、しかし本人であるという証拠もまたないはずだ。
 それでも『当たり前』だと言うならば、その発言に至った確たる証拠があったのだろう?」

「それは――」

「それは……なんだい? 続きは出ないだろう? 口籠るしかないだろう?
 いや、構わない。何一つ間違っていない。それで正しい。
 誰一人として、自分が自分であるという証明などできない。
 証明に至る裏付けが足りないし――そんなものは存在しない」
0462第四回放送 ◆hqLsjDR84w
垢版 |
2013/01/04(金) 21:27:16.14ID:qGeYnOkp
「…………」

「さて……そうして考えてみると、どうなのだろうな。
 はたして、君は、本当に、ギラーミンという人間なのか?」

「…………」

「宇宙一の殺し屋として名を轟かせ、野比のび太との決闘に敗北し、宇宙警察に逮捕され、どうにか脱獄を成功させるも殺し屋を続けることは難しくなった――あの、ギラーミンなのか?
 宇宙一の殺し屋として名を轟かせ、野比のび太との決闘に敗北し、宇宙警察に逮捕され、どうにか脱獄を成功させるも殺し屋を続けることは難しくなった――そんな記憶を持つだけの模造品ではないのか?」

「俺は――」

「俺は? 何者なんだい? 君は、いったい何者なんだ? 答えられるのならば、是非とも答えてみてくれないか?」

「…………」

「沈黙か。
 正しい解答だ。本人にせよ、別人にせよ、断定できる人間はいない」

「…………」

「ふむ。考え込むか。
 構わない。放送までは時間があるからな。せいぜい考えてくれればいい」

「…………テメェ、なにがしたい」

「なにが、とは?」
0463第四回放送 ◆hqLsjDR84w
垢版 |
2013/01/04(金) 21:27:47.24ID:qGeYnOkp
 
「そんな情報漏らして、なにを企んでやがる。
 俺が混乱することなんざ、『上のヤツら』は望んでねェだろ。
 少し考えりゃ分かる。今回の件は間違いなく、テメェの独断だろう」

「さすがに察しがいい。
 君が乗り込んで解決しなかった揉め事が、唯一の例外を除いて存在しないだけはある」

「はぐらかすんじゃねえ。答えろ」

「その質問には、我が妹と同じ言葉で返答するとしよう」

「テメェ――!」

「『答える必要はない』」

「…………ッ」

「用は済んだ。
 数時間後に、また訪れるだろう」

「…………待ちな」

「なに?」

「乗ってやるよ、テメェの口車に。
 だが、勘違いするなよ。テメェのためじゃねェ」

 慣れ切った動作で、ギラーミンは腰のホルスターに手を伸ばす。
 銃口を扉に向けると、ずっしりとした重みが腕に伝わってくる。
 随分と久しぶりに銃を握った――そんな気がした。

「他ならぬ俺に、俺が俺だと証明するためだ」



【ギラーミン 存在確認】
【ギラーミン 死亡確認】
0466 ◆hqLsjDR84w
垢版 |
2013/01/04(金) 21:28:42.93ID:qGeYnOkp
投下完了です。
誤字、脱字、その他ありましたら、指摘してください。
支援ありがとうございました。


ちなみに、これまで『私』だったギラーミンの一人称がいきなり『俺』になっているのは原作通りです。
0469創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/01/04(金) 23:40:19.95ID:Zku2KavT
投下乙です!

ギラーミンが死んだ!?
ギラーマンだのギラーなんとかとか色々言われてきたがここで退場とは
漫画版のような格好いいギラーミンでした

キースシリーズのみならずギラーミンまで偽物の可能性ありとは、
これは会場全員クローンも可能性ありか

しかしキースブラックが参加者の心も主催陣の心もかき回すなぁ
これは放送後一波乱の予感
0470創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/01/05(土) 00:05:14.59ID:z5Qw9vn+
投下乙です!

【ギラーミン 存在確認】が格好いい
最期に決闘者としての意地を貫く、いい最期だった

前回に引き続き存在感が半端ないブラック、真意はどこにあるのやら…

放送で読み上げられる名前を見ていると、
一つ一つドラマがあったのを思い出してホロリとくるな
さて放送開け、参加者は覚悟完了しているのが多い中、揺れ動く主催陣、どちらも一体どう動くのか
0471創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/01/05(土) 01:17:53.58ID:qEj3UcLb
投下乙!
あれ、ギラーミンってこんなにかっこよかったっけ……?
まさか放送役が変わるとは思わなかったからびっくり。
ノリノリでギラーミンを煽っていくブラックが素敵でした。
それにしても『上のヤツら』とは一体どういう集団なのだろうか
0473創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/01/06(日) 14:09:39.15ID:5Jsdkw9k
放送投下乙です!
最後に自分らしく散っていったギラーミンに敬礼!

おっと、そういえば予約解禁はいつからだろうか……
0474創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/01/06(日) 19:08:49.08ID:3PvD0IYu
放送乙です!
ようやく主催関連が進んで来た感じがしますね!

予約解禁日は遅らせるデメリットはあまりなさそうな気がする。
7日の0:00からか8日の0:00からは?
0479創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/01/09(水) 22:24:34.41ID:qNdT/Usw
おそらく需要はないが支給品移動をまとめてみた

表記
数字:話数
(→○○) : 次の話でその人物に移動
(○○より) : その話でその人物から取得
* : 初登場
≪○○≫: 破壊or消滅
<○○> : 不明or放置
死亡後の(→○○) : 支給品が一括で移動
0480創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/01/09(水) 22:28:29.61ID:qNdT/Usw
6/6【うたわれるもの】
○ハクオロ
026【所持品】:基本支給品一式、不明支給品1〜3個(未確認)
042【装備】:(ミュウツーから)*ガイルの剣(血塗れ)@ポケットモンスターSPECIAL *スモーカー大佐の十手@ONE PIECE
【所持品】:基本支給品一式、不明支給品0〜2個(確認済み)
061【装備】:ガイルの剣@ポケットモンスターSPECIAL スモーカー大佐の十手@ONE PIECE
【所持品】:(トウカから)大型レンチ@BACCANO!、(トウカから)ミュウツー細胞の注射器@ポケットモンスターSPECIAL、
基本支給品一式、不明支給品0〜2個(確認済み)
070【装備】:ガイルの剣@ポケットモンスターSPECIAL スモーカー大佐の十手@ONE PIECE
【所持品】:大型レンチ@BACCANO!、ミュウツー細胞の注射器@ポケットモンスターSPECIAL、基本支給品一式、
*クチバの伝説の進化の石(炎、雷、氷)@ポケットモンスターSPECIAL
091【装備】:ガイルの剣@ポケットモンスターSPECIAL スモーカー大佐の十手@ONE PIECE(→クロコダイル)
【所持品】:大型レンチ@BACCANO!、ミュウツー細胞の注射器@ポケットモンスターSPECIAL、基本支給品一式、
クチバの伝説の進化の石(炎、雷、氷)@ポケットモンスターSPECIAL
0104【所持品】:大型レンチ@BACCANO!、ミュウツー細胞の注射器@ポケットモンスターSPECIAL、基本支給品一式、クチバの伝説の進化の石(炎、雷、氷)@ポケットモンスターSPECIAL
≪ガイルの剣は橋の上に落ちています →橋崩落≫
0123【所持品】:大型レンチ@BACCANO!、ミュウツー細胞の注射器@ポケットモンスターSPECIAL、 基本支給品一式×2<ハクオロ、魅音>、
クチバの伝説の進化の石(炎、雷、氷)@ポケットモンスターSPECIAL、 (魅音より)空気ピストル@ドラえもん (魅音より)メリルのハイスタンダード・デリンジャー(2/2)@トライガン・マキシマム 、
(魅音より)排撃貝@ONE PIECE、 (魅音より)デリンジャーの残弾20
0136【所持品】:基本支給品一式×4、 (切嗣より)コンテンダー・カスタム@Fate/Zero 、(切嗣より)防災用ヘルメット、
(切嗣より)コンテンダーの弾薬箱(スプリングフィールド弾27/30) 、(切嗣より)ロープ×2、(切嗣より)消火器、(切嗣より)防火服、 (切嗣より)カッターナイフ、
(切嗣より)黒色火薬入りの袋、大型レンチ@BACCANO!、ミュウツー細胞の注射器@ポケットモンスターSPECIAL、(→B-4河原(北岸)→美琴より)双眼鏡、
(→B-4河原(北岸)→美琴より)医薬品多数、(→B-4河原(北岸)→美琴より)ライター、 (→B-4河原(北岸)→美琴より)起源弾@Fate/Zero(残り28発)、
クチバの伝説の進化の石(炎、雷、氷)@ポケットモンスターSPECIAL、
空気ピストル@ドラえもん メリルのハイスタンダード・デリンジャー(2/2)@トライガン・マキシマム 、排撃貝@ONE PIECE、 デリンジャーの残弾20、
(→B-4河原(北岸)→美琴より)鉄パイプ爆弾×4、(→B-4河原(北岸)→美琴より)*治癒符5枚@終わりのクロニクル
0148【所持品】:基本支給品一式×4、 コンテンダー・カスタム@Fate/Zero 、防災用ヘルメット、コンテンダーの弾薬箱(スプリングフィールド弾27/30) 、
ロープ×2、消火器、防火服、 カッターナイフ、黒色火薬入りの袋、大型レンチ@BACCANO!、ミュウツー細胞の注射器@ポケットモンスターSPECIAL、
双眼鏡、医薬品多数、ライター、 起源弾@Fate/Zero(残り28発)、クチバの伝説の進化の石(炎、雷、氷)@ポケットモンスターSPECIAL、 空気ピストル@ドラえもん
メリルのハイスタンダード・デリンジャー(2/2)@トライガン・マキシマム 、排撃貝@ONE PIECE、 デリンジャーの残弾20 鉄パイプ爆弾×4、治癒符5枚@終わりのクロニクル
0160【所持品】:基本支給品一式×4、 コンテンダー・カスタム@Fate/Zero 、防災用ヘルメット、コンテンダーの弾薬箱(スプリングフィールド弾27/30) 、ロープ×2、消火器、防火服、
カッターナイフ、黒色火薬入りの袋、大型レンチ@BACCANO!、ミュウツー細胞の注射器@ポケットモンスターSPECIAL、双眼鏡、医薬品多数、ライター、 起源弾@Fate/Zero(残り28発)、
クチバの伝説の進化の石(炎、雷、水)@ポケットモンスターSPECIAL、 空気ピストル@ドラえもん メリルのハイスタンダード・デリンジャー(2/2)@トライガン・マキシマム 、
排撃貝@ONE PIECE、 デリンジャーの残弾20 鉄パイプ爆弾×4、治癒符5枚@終わりのクロニクル
0173死亡
(→佐山)
<大型レンチ@BACCANO! A-2古城跡・庭園に放置>
0481創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/01/09(水) 22:29:35.88ID:qNdT/Usw
○エルルゥ
033[装備]:*悟史の金属バッド@ひぐらしのなく頃に [道具]:基本支給品一式・首輪探知機(→バラライカ)、
*アミウダケ@ワンピース *サカキのスピアー@ポケットモンスターSPECIAL、*庭師の如雨露@ローゼンメイデン
057死亡
(→E−2→クリストファー、沙都子)

○アルルゥ
015[装備]:*おはぎ@ひぐらしのなく頃に [道具]:支給品一式、不明支給品(1〜3)
036[装備]:おはぎ@ひぐらしのなく頃に [道具]:支給品一式、(一つ使用)*ニースの小型爆弾×4@BACCANO!、
不明支給品(0〜2)
065[装備]おはぎ@ひぐらしのなく頃に [道具]支給品一式、ニースの小型爆弾×4@BACCANO!、不明支給品(0〜2)
078[装備]なし [道具]支給品一式、ニースの小型爆弾×4@BACCANO!、不明支給品(0?2)
おはぎ@ひぐらしのなく頃に 完食
0118[道具]支給品一式×2<アルルゥ、仗助>、ニースの小型爆弾×4@BACCANO!、 不明支給品(0〜2) <アルルゥ>(→クリストファー)、
(仗助から)不明支給品(0〜1)<仗助>
0130[道具]支給品一式×2<アルルゥ、仗助>、ニースの小型爆弾×4@BACCANO!、不明支給品(0〜1) <アルルゥ>、不明支給品(0〜1)<仗助>
0135[装備]なし [道具]支給品一式×2<アルルゥ、仗助>、ニースの小型爆弾×1@BACCANO!、 不明支給品(0〜1)<仗助> 、*ひらりマント
0150[道具]支給品一式×2<アルルゥ、仗助>、ニースの小型爆弾×1@BACCANO!、不明支給品(0〜1)<仗助> 、ひらりマント
0156[装備](春日→F-2橋付近より)トウカの刀@うたわれるもの [道具]支給品一式×2<アルルゥ、仗助>、ニースの小型爆弾×1@BACCANO!、
不明支給品(0〜1)<仗助> 、ひらりマント
0172[装備]無し [道具]無し
(→E-2林の何処か)
0177[装備]無し [道具](E-2林の何処かより)支給品×2<アルルゥ、仗助>、 (E-2林の何処かより)不明支給品(0〜1)<仗助> 、
(E-2林の何処かより)ひらりマント、(E-2林の何処かより)トウカの刀@うたわれるもの
0183[装備]無し [道具]支給品×2<アルルゥ、仗助>、 不明支給品(0〜1)<仗助> 、ひらりマント、トウカの刀@うたわれるもの 
0192[装備]無し [道具]無し 
(→ライダー)
0193[装備]:無し [道具]:(ライダーより)支給品×2<アルルゥ、仗助>、(ライダーより)不明支給品(0〜1)<仗助>、
(ライダーより)ひらりマント@ドラえもん 、(ライダーより)トウカの刀@うたわれるもの、(グラハムより)サカキのスピアー@ポケットモンスターSPECIAL
0194死亡
(→ミュウツー)
0487創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/01/12(土) 16:15:48.25ID:S4X/opr/
アルルゥ、レナ、梨花が死んで
放送で一番ダメージ大きいと思ったサトコがどうなるかも気になるな。
症候群再発なんてこともあるか?
0491ハロー・モンスター ◆Wott.eaRjU
垢版 |
2013/01/14(月) 22:24:34.83ID:c1vBymtH
列車とは人間が数多く発明した中でも素晴らしいものだと思う。
列車は地に寝そべった線路を伝い、どこまでも進んでいく。
道が続く限り、旅を求める人間が居る限り、列車は止まらない。
喜び、怒り、悲しみ、楽しみ。誰しもが持つ感情が、人の数だけ詰まっている。
社会的な身分や肩書による違いはない。列車は、ただ彼らを等しく迎えてくれる。
ただし、列車の運行を邪魔しなければという決まりはある。
もし、それが破られそうになった時は。
その時こそが、『車掌』の出番だ。


思えば案外と気に入っていたのかもしれない。
人の想いを乗せて走る、箱船の番人が。
たとえ本業である便利屋を忍ぶための、仮初の姿としてもだ。
今までの業務で手を抜いたことなど一度もない。
だからこそ、途中で投げ出してしまった仕事は終わらせなければいけない。


決めたのだから。
この仕事は必ず最後までやり通すのだと。
車掌の仕事だからというわけじゃない。
そもそも、もう名前や肩書なんて大した意味は持たないのだから。
ただ、自分が決めた世界のルールを覆すような生き方はしたくない。


数々の名を捨て、一人の『“怪物(モンスター)”』は依然として世界に立っている。



◇     ◇     ◇
0492ハロー・モンスター ◆Wott.eaRjU
垢版 |
2013/01/14(月) 22:25:48.46ID:c1vBymtH
身体の調子はある程度までは戻ってきた。
赤い毛髪を生やした男は、やや暗い表情を浮かべながらそう考えていた。
数時間前の戦闘が、鮮明に脳裏をよぎる。
勝ちはしたものの、彼が支払った代償は確かにあった。
数を減らした弾薬に、背負わされた疲労に、うちつけられた無数の傷。
だが、弾薬以外の問題は既にかなりといっていい程に解決している。
弾薬だって、新しいものがきっとその内手に入るだろう。
なにせこの世界は彼の一部のようなもの。
すぐには難しいとしても、自分の望みを無下にすることなんて出来やしないのだから、

「あー……どうにも調子が狂うよな。勉強にはなったけどさ」

両手を組み、そのまま頭上に上げて軽く伸びる。
伸ばされた身体と共に吐き出された一言は、内容とは裏腹に呆れるほどに軽い。
死線を潜り抜けてきたばかりとはとても思えない言葉だ。
先程のチョッパーだけでなく、彼はこの殺し合いで多くの参加者と戦った。
力を持つ者、持たない者と分け隔てなく戦った彼は、今までにない苦労を味わった。
力を持った者は誰もが一級であり、力を持たない者も最後まで抵抗をしてくれた。
身体が動かしにくい事も含め、ここでは全てが思い通りにいかないことがよく理解出来た。

「丸一日経ったしなぁ。うん、切り替えていこう。俺は――生まれ変わる!!」

不意に何かを振り切るように頭を左右に振り出し、続けて両手で軽く両頬を叩く。
よし、と自らを鼓舞するかのような勢いがそこにあった。
見る見るうちに表情には生気が戻り、両目にも光が浮かぶ。
ちょうど彼が生やしている、燃えさかる赤髪のような色だった。
たとえ本調子ではなくても、彼は『世界』のために止まるわけにはいかないのだから。

「俺を入れて、あと14人。先が見えないわけじゃない」

先程聞こえてきた放送の内容を想起する。
死者の数は今までの放送とあまり変わらず。禁止エリアとやらも既に記録は取ってある。
自分が殺した参加者の名前も聞いたが、今更抱く感情はなかった。
いくら自分に喰らいついてきたとしても、死んでしまえば意味はない。
この会場のどこかで知らぬ内に死んでいった幼馴染のように。
ただ、忘れることは決してしない。それが彼なりの彼らに対する敬意の現れなのだろう。

「そういえばギラーミンってヤツは死んだんだな」

死んだ人間はもう一人居るらしい。
この殺し合いの首謀者ではなく、進行役だった男、ギラーミン。
切り捨てられたのかはわからないが、彼にとってはどうでもいい。
まだ新しく進行役となった、キース・ブラックという人間の方が気にはなる。
先程の放送で色々と好き放題言ってくれた事を、彼は覚えていた。
いつかはお礼をしなければいけない。
キース・ブラックの話しに出た、願いを叶えてくれる存在を確認した後にでも。
0493ハロー・モンスター ◆Wott.eaRjU
垢版 |
2013/01/14(月) 22:26:51.81ID:c1vBymtH
「……まったく、どうしてこんなところに居るんだろうな」

思えば不思議な話だった。
便利屋である自分が、金も貰わずに誰かを殺し回っている。
一銭の金にもならないし、殺してやりたいやつらじゃない。
殺すだけでは飽き足らず、ヘンテコな銃を振り回して、奇妙な人形を引き連れている。
不意に幼馴染達が今の自分を見たらどう思うかを考えたが、直ぐに答えは出た。
きっと笑われて、ぶん殴られる。あいつらならそうに違いないと。
だが、彼はただ殴られるだけで終わる男ではない。
彼なら、殴り返す。殴って、取り戻す。
彼は自らが居るべき場所を取り返すために、人を殺している。

「さてと……しんみりするのはもうなしだ。生まれ変わった俺は一味違う」

死んだ者はもう戻ってこない。
『何でも願いを叶える』という言葉に彼は騙されるつもりはない。
死者が戻ってくる事など絶対に有り得ないと、言われるまでもなくわかっている。
だからこそ、残ったものは取りこぼしたくはない。
まだ生きている筈の幼馴染達の無事をこの目で確認する。
そのために自らの鍛え上げた技術と力以外に、傍らに立つ人形だって利用する。
段々と扱い方に慣れ、時間の止め方のコツも掴めてきたのだから。
やがて、彼の視界に大きな建築物が飛び込む。
どこへ行く理由も目的もなく、ただひたすらに南下し続けていた彼は、表情を崩した。


「“怪物(モンスター)”は“怪物(モンスター)”らしく、お城にでも攻め込むさ。
“騎士(ナイト)”の歓迎の一つでも、あったら嬉しいけどな」


A-2、古城跡。
名前を捨てた『怪物』は、奇しくも同じ『怪物』が待つ場所を見つけた。
そこで待つ『怪物』は、彼が喰らった『怪物』の仲間であることを彼はまだ知らない。




一人の『“怪物(クレア・スタンフィールド)”』は依然として世界を回し続けている。
0494ハロー・モンスター ◆Wott.eaRjU
垢版 |
2013/01/14(月) 22:27:29.18ID:c1vBymtH
【A-2/2日目 深夜】
【クレア・スタンフィールド@BACCANO!】
[状態]:疲労(小)、全身に打撲
[装備]:スタンドDISC『スター・プラチナ』@ジョジョの奇妙な冒険、スプリングフィールドXDの弾丸×7、拳銃の予備弾×30
    二重牙@トライガン・マキシマム(20%、70%)、AMTオートマグ(0/7 予備弾×15)
[道具]:支給品一式×5<クレア、一方通行、レヴィ(一食消費、水1/5消費)、クリストファー、カルラ>、未確認支給品(0〜1)
    クリストファーのマドレーヌ×8@バッカーノ!シリーズ、ミカエルの眼の再生薬×3@トライガン・マキシマム
    噴風貝(ジェットダイアル)@ONEPIECE、応急処置用の簡易道具@現実、痛み止め
    パ二ッシャーの予備弾丸1回分、ロケットランチャーの予備弾頭2個
    ○印のコイン、AK47カラシニコフ(0/40、予備弾40×3)、蓮の杖@とある魔術の禁書目録
[思考・状況]
基本行動方針:優勝し、キース・ブラック達から元の世界へ戻る方法を聞き出す。
 1:優勝のために他の参加者を殺す。迅速に、あらゆる可能性を考慮して。
 2:フィーロを殺した相手が分かったら、必ず殺す。
 3:スター・プラチナに嫌悪感はあるがある程度割り切っている。
【備考】
 ※参戦次期は1931~特急編~でフライング・プッシーフット号に乗車中の時期(具体的な時間は不明)
 ※ほんの一瞬だけ時間停止が可能となりました。
  ※名前を聞いていなかった為、カズマとクリスの死を知りません。
 ※もう一度ミカエルの眼の再生薬を服用すれば、命に係わるかも知れないため使用しないほうがよいと思っています。
 ※○印のコインの意味は不明です。使い道があるのかもしれませんし、ないのかもしれません。
0495 ◆Wott.eaRjU
垢版 |
2013/01/14(月) 22:29:10.77ID:c1vBymtH
投下終了しました。
何かあればお願いします。
0496創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/01/14(月) 23:05:19.20ID:KfH8XUei
投下乙です!

うお、ロワにきて味わった苦戦やコンクリートや悲しみや何もかも
一言で区切りをつけてしまえるとは…!
クレアの怖いところは天才的な戦闘力よりなによりこの精神の怪物的な強靭さだなぁ

残念、お城にいるのは騎士じゃなくて剣士だw
そういやチョッパーの最期を仇の口から語られることになるゾロの心境はいかほどか
古城勢にとって一番戦いの相性の悪そうな奴が最初にやってくる、
これは一体どうなるんだ
0497創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/01/14(月) 23:24:57.84ID:4j50ESZG
投下乙です!
クレアさっぱりと生まれ変わるの巻。一日経ったのをこう使うとは。
原作最新刊で達人10人相手に舐めプして遊んでたし、何人相手でもガチで負けるビジョンが見えないぞ、この怪物は。
ゾロの技とか佐山の細工とか全部見抜きかねない努力する天才に対して古城組はどう戦っていくのか…
0498創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/01/17(木) 02:03:03.20ID:yURhJ7Bp
投下乙!

生まれ変わった、凄い表現だ
今までの諸々を切り捨てるのではなく、切り替える
さてもう一人の世界の中心と出会っても、陽気な怪物は世界を回せるかな
0499 ◆OQO8oJA5SE
垢版 |
2013/01/17(木) 23:36:50.40ID:EfNz4hr2
したらばの方にも書きましたがこちらでも。
このたび延長しましたが、遅れ気味だったところ諸事情により執筆時間がとれず
完成は困難だと判断いたしまして、予約を破棄させていただきます……
楽しみにされていた方、申し訳ありませんでした。
0506創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/02/15(金) 00:26:19.08ID:2f+u0Aa+
おお!バレンタイン仕様だ!!
アルルゥ可愛いなぁ。でも二枚目wwwwww

予約も楽しみ!
0507創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/02/15(金) 02:33:21.34ID:H+7bSKtX
うおおおおおお! 熱い支援が着ている!
これはテンションあがらざるをえない
0508創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/02/15(金) 02:37:41.08ID:iJJkBMEh
かわゆす
0510創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/02/15(金) 23:12:45.02ID:jiJSBiaV
ゲームで吉良の声が聖上&ケリィと同じだと聞いて、ここを思い出してしまった
0512 ◆5ddd1Yaifw
垢版 |
2013/02/17(日) 22:07:14.53ID:SCAdms2i
予約分が完成したので投下します。
0513リスタート・ワールド ◆5ddd1Yaifw
垢版 |
2013/02/17(日) 22:08:16.10ID:SCAdms2i
クエスチョン

小鳥遊宗太にとって、伊波まひるとはどのような存在ですか?

アンサー

――――。



##########



どうして、彼女が死ななければいけなかったんだ。
俺が第一に思ったのは、伊波さんの死の否定だった。
死。消失。デリート。
言葉では様々ではあるが、確かなことは一つ。

伊波まひるとは、もう二度と会えない。

悔しいに決まっている。悲しいに決まっている。
この胸を締め付ける鈍い痛みは、俺の思考力を削ぎとっていく。
君の笑顔をもう見れないという純然たる事実は、俺をへたり込ませるには十分だった。
出会いは碌なものではなかったけれど、俺にとっては思い出となっていたんだ。
そもそも、いきなり殴られるなんて予想もつかないって。
あれはすごく痛かったなぁ……。

ああ、戯言だ。

もう会えないとわかっていながらも、俺はこの戯言――逃避を抑えることはできない。
伊波さんのことを忘れて、前を向くことなんて出来はしない。
伊波さんはよくもわからない怪物に乗っ取られて、一度は助けられたと思ったのに。
結局、死んでしまった。いや、殺された?

殺したのは誰だ? あの銀色の小さな女の子?

殺されたらどうする? 復讐でもするのか?

「できる訳……ないだろッ!」

小さなものを愛する俺にはどうしても、それができなかった。
復讐に身を任せることが一番の逃げ道と理解しているのにもかかわらずだ。
どうあっても、超えてはいけない境界線を超えることを、俺は許せない。
畜生…………。
畜生、畜生、畜生。
俺は……俺は……っ!
0514リスタート・ワールド ◆5ddd1Yaifw
垢版 |
2013/02/17(日) 22:09:45.44ID:SCAdms2i
「ああああっ、ぁぁアアア、がああああああああっ!」

口から自然と叫び声が上がる。
大きな声を叫び散らして。掠れた声を何度も何度も絞り散らして。
そうでもしないとやっていられない。
彼女を失った痛みを少しでも和らげる為にも。

そして、和らげるが故に、優勝という甘美な誘惑に一瞬、心を揺らされてしまった。

きっと、望まない。
伊波さんはこんなこと、望まない。
佐山君達を殺して、俺が優勝して。
君を蘇らせるという願い事を――否定するだろう。
そもそも、優勝するにしても……俺一人で残りの参加者達を倒せるのか?

ノーだ。断言できる。

怪我をしている佐山君にさえ敵わない俺が、できるわけがない。
それでも。それでも。それでも……っ!
俺は君の笑顔を、もう一度見たいんだ。
こんなにも辛いなんて思わなかったんだ。
君がいない世界が寂しいと思ってしまうなんて、ね。

それは何故?
どうして、俺はこんなにも伊波さんの笑顔を見れないことが辛いんだ?
もう一度――彼女の蘇生を考えてしまうくらいに、恋焦がれてしまうんだ?

「もしかして?」

そう、あるはずのない可能性。
俺が小さなもの以外で、12歳以上の年増を好きになる訳がない。
だけど。伊波さんともう会えないと知った今、俺は何を考えていた?
どうにかして、彼女の笑顔を見たいと思わなかったか?
また一緒に、君とワグナリアで働きたいと考えなかったか?
少し顔を赤く染めて微笑む彼女を可愛いと思わなかったか?

「……気づくな、気づくなっ!!!! 気づいたら、戻れなくなる…………っ」

――もう遅い。遅すぎた。
散らばっていたパズルのピースは全て揃ってしまった。
もう、気づいてるはずなんだ。
確かめようがないなんて嘘っぱちだ。
そんなの、俺が作った逃げ道でしかない。
彼女の想いの行方はわからずとも、俺の想いの行方はわかるはずだ。
俺自身が認めたくなくて、逃げているだけ。
0515リスタート・ワールド ◆5ddd1Yaifw
垢版 |
2013/02/17(日) 22:13:00.14ID:SCAdms2i
「俺は、俺は……っ! 伊波さんのことが」

自然と、口から言葉が漏れだしてしまう。
もう、出してしまうしかない。
だって、仕方がないだろう? これ以上は誤魔化しがきかないんだから。
小鳥遊宗太が伊波まひるに対してどう思っていたかって?
そんなの、決まってるだろ……!

「すき、だったんだ――――!」

好きだよ! ああ、好きだったよ!
彼女のことが心の底から好きだった!
そんな彼女が目の前で崩れていくのを見て、俺は思ったさ!
どうしてって! まだ、俺は君にハッキリと好きだって伝えていないのに!

「ごめんっ……ごめん……! 好きって言えなくて、ごめん……!」

もっと、速く。この殺し合いに呼ばれる前に伝えていれば。
俺が勇気を出して、君に向き合っていれば。

「……くそっ。クソっっ!!」

もう過ぎたことだ。伊波さんは死んで、俺はまだ生きている。
俺だけが生きているのだ。
だから――。

「生きてやる……絶対、最後まで生き残ってやる!」

――俺は生きるよ。君が繋いでくれた分まで。
後追い自殺? それだけはやってはいけない。
俺が死んだら、誰が伊波さんの死をワグナリアの皆に、伊波さんのお父さんに伝えられるのだ。
この役目は俺しかいない。否、俺だけしかやってはいけない“仕事”だ。

「このまま不貞腐れてちゃ、いけないよな……!」

結構、時間はかかったけれど。
立ち上がろう。横に君が並び立ってくれないのは悲しいけれど。
心に、君を強く刻み込む。それで、今は我慢しよう。
君の好きなままの小鳥遊宗太でいるから。
他の誰が君を忘れることになったとしても。忘れない、君のこと。

「俺は……伊波さんが好きでした!」

もうすぐ、現実――どうしようもないぐらいにクソッタレっている世界に意識は戻るだろう。
きっと、辛い。何度も君がいない事実に、俺は苦しめられると思う。
ずっと、ずっと。俺は――君を想って痛みを抱えてしまうかもしれないけど。
もう少しだけ、頑張ってみようと思うんだ。
いつか、俺が君の元へと向かう時。
今度は俺から、君に好きだって伝えるまで。
だから、今はまたねって。さよならなんかじゃない、こういう時はいつか会えることを考えた方が楽しいから。
0516リスタート・ワールド ◆5ddd1Yaifw
垢版 |
2013/02/17(日) 22:16:31.70ID:SCAdms2i
「またね、伊波さん」

――うん。またね。

だから、気のせいだろう。
振り返った瞬間、君の笑顔がほんの数秒だけ。
俺の視界に映ったのは……気のせいだ。
だけど。そんな幻でも。
嬉しいと思ってしまった自分の現金さに少し笑ってしまって。

「行ってきます」

君の分まで、俺は進むよ。
ゆっくりでも、前に。


##########



クエスチョン

小鳥遊宗太にとって、伊波まひるとはどのような存在ですか?

アンサー

俺が好きだってハッキリ言える女性です。



【A-2 居館一階 応接間/1日目 深夜】
【小鳥遊宗太@WORKING!!】
[状態]:全身に痛み、気絶中(もうすぐ目覚め?)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式(一食分の食事を消費)、地下の地図、伊波まひるのヘアピン@WORKING!!
[思考・状況]
1:絶対に生き残る。
※獏の制限により、過去を見る時間は3分と長くなっています。このことに気づきかけています。
※地下鉄を利用するのは危険だと考えています。
※放送は聞いていません。
0518創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/02/18(月) 00:08:14.45ID:fUJn1aWB
投下乙です!

小鳥遊君がついに認めよったぁああああ!
ああくそ、いなみんが生きてる時に落ちてればいいものが見れたかもしれないのに…いや、性格上無理だなぁ
認めるまでの思考が甘酸っぱい、しかし取り返しのつかない思いを
きちんと正面から受け止める所が男前だよ小鳥遊君!
しかし改めて、殺意を抱くこともできないレベルの小さい物好きって筋金入りだ

モヤモヤ組最後の一人、小鳥遊君も吹っ切れて
古城組を待ち受ける波乱に対する準備が出来た、といえるかな
どうなるか楽しみだ
0519創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/02/19(火) 23:42:22.33ID:ECNcQJEX
投下乙!

小鳥遊君ふっきれたか!
いなくなってから気づくとは皮肉だが、ここまでしっかり前を向けたならよかった

いやーでもまさか「俺が好きだってハッキリ言える女性です。」とまで吹っ切れるとは
佐山先生の荒療治がきいたかな
0520創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/02/20(水) 00:00:01.08ID:vY1FwXNr
投下乙!
小鳥遊ついに認めよった!
普段なら絶対に認めなさそうだけど、気絶中だからこれはありえる。
これからの佐山との絡みが気になります!
0521 ◆GOn9rNo1ts
垢版 |
2013/03/12(火) 20:51:07.55ID:c9/+iwJB
御坂美琴、ライダー(イスカンダル)を投下します
0522消失証明・存在証明 ◆GOn9rNo1ts
垢版 |
2013/03/12(火) 20:53:07.56ID:c9/+iwJB
『人の存在、もしくは消失は、他者に認識されることで初めてその事実を浮き彫りにする』


◇ ◇ ◇



劇場。
老若男女の役者によって、華やかさをもたらす大道具によって、アクセントを加える小道具によって、あっと驚く様々な仕掛けによって。
恋した少女と結ばれる喜びを、最愛の夫を喪う哀しみを、裏切った親友への怒りを、ハッピーエンドで締めくくられる楽しみを。
そして、それ以外の大げさな細やかな、ありとあらゆる感情さえも。
観客たちに見せて、聞かせて、感じさせる、人が創り上げてきた文化の拡散場。

そんな世界が、壊されていた。

このホールの主たるステージ。その壁はへこみ、幕は穿たれ、床は抉られた上に一部は『消失』している。
ガンマンたちによる決闘の爪痕は、整えられていた演劇の場をいっそ芸術的なまでに戦いの場へと仕立てあげていた。
一方、客席を汚しているのは折れたり曲がったり絶たれたりしていて元の管の形を保てていない鉄や、もはや誰にも座ってはもらえない千切れたクッション材だ。
砕け散り、散乱している材料たちをよくよく観察すれば、それらが魔王の力によって散らされたパイプ椅子のなれの果てだと分かる。
舞台裏では、男女を助ける役を請け負う人形(デウス・エクス・マキナ)が地面に這いつくばっていた。
とある参加者を殺人鬼から救った見返りを求めることもなく、天から現世へと落とされた天使(大道具)は温和な微笑みを地の底に向けて浮かべ続けている。

まるで小さな戦争が起こったかのような、荒れ果てた様相を露わにする空間だった。
舞台は荒らされ、武器の欠片が打ち捨てられ、天からの遣いは神託を寄越すこともなく沈黙を保っている。
無惨に破壊されたモノたちは、この場で行われた戦いの激しさ、苛烈さを己らの欠損した身体を以て語っている。
しかし、それでもまだ足りないと言わんばかりに、この空間に充満しつつあるモノがあった。
ただの戦いではないと、単なる争いではないと。
まるで戦争のようだと表現し得る、行われたのは殺し合いだと証明し得る要素。

死の香りだ。

それは、人と人とが傷つけ合った結果、外界へと剥き出しにされる命の証。
生を奪い合う戦いの、死を与え合う争いの果てに流出し、戦場を赤黒く染める色。

血の匂いだ。

夥しい量の血液が、一人の人間の身体中から零れ落ちていた。
数々の気に食わない人間を殴り倒してきた、両の腕が断たれていた。
死体を踏みつけ生きている人間を足蹴にしてきた、両の脚が切られていた。
いわゆる四肢たる部分が、本体と永遠の別れを余儀なくされ、客席に転がっている。
作り物では決して有りえない生々しいヒトの残骸が、劇場という優雅たるべき世界を完全にぶち壊していた。
0523消失証明・存在証明 ◆GOn9rNo1ts
垢版 |
2013/03/12(火) 20:54:45.70ID:c9/+iwJB
壊れた世界の隅っこで、彼は空(くう)を見上げていた。


スポットライトの当たらない位置で。
見上げる先には、天井がある。
飽きることなく、何かを求めるかのように。
彼は、届かない高みへと獰猛な笑みを送った。

「なんで」

『落ちていた』彼を見つけ、嘆きを漏らした少女の声がした。
男は返答を行えない。いつもの軽口も、狂ったような叫びも、発しはしない。
当然だ。
彼――ラッド・ルッソは「頭と身体を切り離されて」喋ることのできる存在ではない。
不死の力を以てしても、力が制限されるこの空間では五体不満足で生きてはいられない。
四肢が奪われるのみならず一首を切り離されてしまっては、彼に出来ることなど何も残されてはいなかった。

「なんで――――死んでるのよ!」

結論を言ってしまえば。

御坂美琴の、目の前で。

同行者だった一人の男が、世界を壊され、死んでいた。



◇ ◇ ◇



「余は人ってもんを王として束ねる上で、沢山の人間を見てきた」

時間がないのはここに来るまでの話で分かっていた。
ここでただ混乱しているだけでは、征服王が追っていたもう一つの命をも取りこぼしてしまいかねない。

「中には、愛する者に先立たれて屍のようになってしまった者もおった」

それでも、何もせずに立ち去るのはどうしても気が引けた。
死んだらおしまい、さようならなんて別れは、したくなかった。

「ただ死に場所を探して、我武者羅に戦場を駆け抜けた兵もいた」

そんなこちらの空気を敏感に感じ取ったのか、ライダーは一歩を踏み出す。
何をしていいのか分からない、それでも何かしたいという私の想いを代行するかのように。
0524消失証明・存在証明 ◆GOn9rNo1ts
垢版 |
2013/03/12(火) 20:55:45.12ID:c9/+iwJB
「それで、だ」

埋葬をする時間はない。
その代わりに、とでも言わんばかりに。

「こやつは行く先々で誰彼構わず噛みついていたらしい」

物怖じすることなく生首に手を伸ばし、死者の顔を眠りの形へと変えていく。
いつもやっているように。自然な手つきで。

「グラハムの坊主によれば、最初に集められた場所で殺された女はこやつの恋人だったそうだ」

ホールに響く言葉は、決して私に対する慰めなどではないだろう。
ただ、彼自身が感じたことを、そのまま口に出しているだけのこと。

「これはただの憶測にすぎんが、もしかしたらこの男は」

だけど

瞼を閉じ、永遠の眠りについたラッドの顔は


「死にたかった、のかもしれんなあ」


安らかなものに、見えてしまって。


「それでも、私は」


「アンタに生きていて欲しかった」



◇ ◇ ◇



その森は生命に満ち溢れていた。
草木は生い茂り、緑を飾るように色取り取りの花がぽつぽつと咲いている。
虫は地を這い小鳥が空を舞っている。湖を調べれば小魚の影を見ることもできるだろう。
元気いっぱいの少年少女が駆け回り、暇を持て余した大人たちが散策を行うに相応しい、健全な自然環境。

そう。健全すぎる、自然環境。
0525消失証明・存在証明  ◆GOn9rNo1ts
垢版 |
2013/03/12(火) 20:57:59.92ID:c9/+iwJB
お手本のように澄んでいる大気。
誰かに見せるように整えられた景観。
排除されたかのように存在していない害獣、害虫、毒花。
穿った見方をしてしまえば。
参加者たちが不自然だと思わない程度に。
まるで、一つの目的をもってして造られた実験場のような。
まるで、神の手をして完璧たる形に創られた箱庭のような。
『意図をもって互いに殺し合わなければ死人が出ない』ように設計されたような、理想の世界。


つくられた世界の中心で、彼女は空(そら)を見上げていた。


ガサガサと茂みをかき分ける音がしても、彼女は何の反応も起こさなかった。
例え「王様」が迎えに来ようとも、耳をパタパタさせて近づくことも人見知りを発症し離れることもしない。
起き上がることのない彼女の様子を見て、大きな男の陰から息を呑む声がした。

『殺し合い開始から、ついに丸一日が経過した』

無機質な声が難しいお話を始めようとも、彼女の瞳が興味深げに輝くことはない。
なにかを呟くように半開きになった口は、もはや何の呼気も発しはしない。
蟻が、障害物であるかのように彼女の身体を登って、降りていく。

「…………………」

王は何も言わず、悟りきった表情で彼女の前までやって来た。
目線を合わせるようにしゃがみこんだ彼の背中は、普段よりもずっと小さく見えた。
木の枝にとまった小鳥が、淋しげに囀りを奏でる。

「―――――」

男が大きな口から小さく漏らしたのは、いかなる思いを込めた囁きだっただろうか。
彼の言葉は少女に届かず、諦めたかのように開かれた掌の上に零れ落ちていく。
触れた瞼は、生者の手の温かさを拒絶するかのように、冷たかった。

ぱたぱたと動いていた獣の耳は、もう動かない。
ふんわりした尾は、だらりと力無く垂れたまま。
小さな小さな身体は、汚れのない綺麗なままで。
ただ魂だけが散歩に行ってしまったかのようで。

『では、死者の発表に移るとしよう』

結論を言ってしまえば。

征服王イスカンダルの、目の前で。

『アルルゥ』

同行者だった一人の少女が、世界に絶望して、死んでいた。
0526消失証明・存在証明  ◆GOn9rNo1ts
垢版 |
2013/03/12(火) 20:59:20.05ID:c9/+iwJB
◇ ◇ ◇



「……あの」

「そっちはそっちの思惑があって余を止めようとしたのだろ。誤解は互いに存在した」

それでも。
私の放った電撃によって、探知機という便利な道具が壊れてしまったのは確かな事実であり。
もしもイスカンダルが何の邪魔もされずにこの場へ駆けつけることが出来ていたならば、彼女は死なずに済んだのかもしれない。
それに、私が軽率な行動に出なければ、ラッドだって死なずに済んだかもしれない。
それをいうなら真紅だって。ブレンヒルトだって……。

放送という名の、主催者からの絶対的宣告によって。
死なせてしまった、救えなかった仲間のことを思い出してしまう。
仲間のおかげで何度立ち上がることが出来ても、また新たな重みが私を押し潰していく。
仕方のないことだと、どうしようもなかったのだと。
開き直れるほど、私は強くはなかった。

「懺悔も、謝罪も、後悔も、いくらでも後でするが良い」

気弱な考えを、見透かされたのだろうか。
野太い、芯のある言葉が私を現実に引き戻した。
ライダーは、アルルゥの頭を一撫でして立ち上がり

「トニートニー・チョッパー。
ニコラス・D・ウルフウッド。
竜宮レナ。古手梨花」

己が胸に確認するように、静かに彼らの名前を呼んだ。
放送で呼ばれた彼ら彼女らは。死んだと伝えられた彼ら彼女らは。
いずれも、志を同じくする仲間だったのだと。
イスカンダルは毅然とした態度で語った。
彼だって、死んでしまった仲間たちのことを悼んでいるに違いない。
救えなかったおのれの不甲斐なさを、痛感しているに違いない。
だけど、彼は真っ直ぐな眼差しを私に向けた。

「仲間の死から、逃げるのではない。目を逸らすのではない。
背負った上で、進み続ける気概を見せよ!」

叫びは、イスカンダル自身に言い聞かせているようにも感じた。
きっと今まで、この場に呼ばれる以前にも王として沢山の死を、見てきたのだろう。
それでも、何があっても。何十、何百、それ以上の屍を得ながら。
夢を諦めることなく、悲しみに足を止めることもなく。
沢山の想いを抱いて、背負って、進み。
これからもそのつもりで、生き抜いていく。

これはその証明だと言うかのように。
今まで歩いてきた大地の感触を確かめるように、強く一歩を踏み出し。
見たこともないどこかに声を届かせんとするかのごとく、大きく一呼吸を済ませ。
イスカンダルは空に向かって――――吼えた。

「聞いておるのだろう、胸糞悪い神気取りよ!」
0527消失証明・存在証明  ◆VRC931rh5U
垢版 |
2013/03/12(火) 21:00:12.32ID:c9/+iwJB
あの放送で、新たに放送を行った男は言った。
この殺し合いにはギラーミンなど駒のように扱い、殺してしまえる首謀者がいるのだと。
さながら演劇を楽しむ観客のように、語り部にさえもならずに、遥か高みで嗤っているだけの存在がいるのだと証明された。
イスカンダルが行うのは、そんな未だ姿の見えない黒幕に向けた、雷鳴のように響く宣言だ。

「貴様のような臆病者なんぞが『我ら』を折れると思うなよ!」

一転、ニヤリと笑い、大きすぎる手でばしりと私の背中を叩いてくる。
その衝撃に思わずつんのめり、悪態をつきながらも、私は嬉しかった。
ただ、何もかもを失っただけじゃない。新たに得た繋がりもあったのだと。
ヒリヒリする背中の痛みで、実感出来たのだから。

「せいぜい、ぬくぬくと温まったせまーい穴蔵で怯えながら、我が軍勢の到来を待つが良い!」

死んでいった仲間たちの遺志を継ぎ。
生きている仲間たちと力を合わせながら。
立ちはだかる全ての壁を制覇し、蹂躙した暁には。
きっとその場に、到達すると。

征服の限りを尽くしこの世の果てを夢見た、と豪語する『王』は


「貴様は――――――余が首を取る」


高々と、宣戦布告を告げた。
0528消失証明・存在証明  ◆VRC931rh5U
垢版 |
2013/03/12(火) 21:01:02.57ID:c9/+iwJB
「さて、余は往くぞ。着いて来れるか、小娘?」

イスカンダルはこちらに向き直りながら、わざとらしく意地の悪い笑みを浮かべた。
同盟者を試すかのように、いまさら小娘なんて記号で呼んで見せて。
この宣言を聞き、お前の方は何もせずにあとを着いて来るだけか、と。
落ち込み、悲しみ、いつまでも燻っているだけなのか、と。
彼なりに発破をかけているのだと分かってはいるけど――――火が付いた。

もう、大丈夫だ。

「私には『御坂美琴』って名前があんのよ、おっさん」

努力の末に辿り着いた学園都市第三位という肩書を。
超電磁砲≪レールガン≫と渾名される御坂美琴を。

「ナメんな!!!」

いつものようにコインを弾く。
今はまだ届かない高みからこちらを見下ろしてる、誰だか知らないムカつくヤツを狙うように。
散り散りになりながらも未だ残っている、私たち以外の12人の参加者に見せつけるように。
『超電磁砲』として放つ先は、星が輝く夜空の向こう。
轟音を置き去りにして撃ち出されたコインは燃え上がり、闇を切り裂き、光となって。
数瞬の後には、儚く大気に溶けていった。


これが、こんなゲームを思いついた大馬鹿野郎に送る、私なりの宣戦布告。


そして「私はここにいるぞ」とこの世界に見せつける、御坂美琴の存在証明だ。


それでこそ我が同盟者に相応しいと呵呵大笑する大男を見上げ、私はふと、この『王』の有り様を思った。
言葉も、行動も、自分の言いたいことしたいことばかりで、理屈も何もあったもんじゃない。
でも、だからこそ人は彼に惹かれ、魅かれていくのだろう。
奪い取った何もかもを受け入れ、背負っていく巨大な旗頭に、みなが集まっていくのだろう。

脳裏をよぎるのは――――何故か、アイツのツンツン髪だった。

「良い顔になったな、美琴よ」

「とーぜん。負けてなんか、いられないんだから」

出来る限り不敵に、力を籠めて笑ってみる。
子供みたいに夢を追い続ける男に。
どんな時でも諦めず、前を向いて進む馬鹿に。
追いつこうと、そう思った。
レスを投稿する


ニューススポーツなんでも