実際、デザインが受け入れられ、販売最初から爆発的な人気で、1年半たった今でも入手が困難。
JB64で1年から1年半の納期、JB74に至っては2年以上と言われている。しかし、このボディデザインのせいで、JB23とは車体のジオメトリーが大幅に変わってしまっている。
室内空間を優先した車体設計のせいで、ルーフ面積が大きい。その為、重心位置が高い。
そして、エンジンが変更されたことで前軸、後軸の重量配分が大幅に変わっている。フロント54:リヤ46という重量配分。
これは、フロントエンジンミッドシップと言われる重量配分となる。パッセンジャーで言うFC3SやFD3Sに近い。
その為、サスペンションのレイアウトこそJB23と同一だが、基本的に全く異なる。
重心位置の関係で、ダンパーに求める素養もかなり違う。JB23は、コンプレッション優先でセッティングが可能だった。
しかし、新型ジムニーは、重心位置が高い為、ロール以外に強いヨーが発生。その為、コンプレッションだけで車体のふらつきが止められない。リバウンドのセッティングが重要となる。
そして、様々な電子機器を装備したことで、それら全てが関連性を持ち、容易に制御を解除できなくなっている。
そのせいで、ECUの解析が上手くいかず、スポーツ走行時にトラクションコントロールが働き、エンジンに抑制制御が入ってしまう。新型であるが故、最新装備を得た代わりに、それが足枷となっている。
ノーマルでは優れた車両でも、この内容はかなり困る。