昔の考えでは直流区間は交流より電圧が低い分、多く集電する必要があったから2基、
交流区間では電圧が高いから2基のうち1基を下げ、1基で集電と想定されていたが、
実際には直流区間でも1基で十分補えることが判ったので、1基が多くなった。

十分補えるとなった訳は各メーカーの技術進歩、以前より同じ電流で高い性能が出せる、
各機器の性能が上がったから、直流区間でも1基で十分となった。

今でも2基の場合は、進行方向先の1基が架線の霜取りと水滴飛ばしの名目で使われている。
架線は雨や雪、露などで濡れると伝導率が悪くなる=集電効率が悪くなるので、
いわゆる前の1基でお掃除、後ろの1基で集電となっていて、朝が過ぎると1基畳む。

2基だと当然、架線負担が増す=架線の消耗率が高くなるが、
存続の質より、高品質の架線を使うなど少しでも架線負担を軽減する策が講じられている。


ちなみに離線対策で2基と言うのは間違え、まったく意味が無いことで、
どちらか1基が下がり始めた時点で、パンタグラフと架線の間にスパークが生じ、
スパークによって架線は焼き切れてしまうので、2基でも離線対策にはならない、
例えるなら電動車の屋根にパンタグラフを5基並べて集電しても、
どれか1基が下がり始めた時点でスパークが生じ、架線は焼き切れてしまいます。