>>862 その6
駅員さんの案内放送のことがコメされたので、そのことについて触れてみたい。
当時の駅構内の案内放送は自動音声ではなく、肉声で行われていた。
そして屋外にも外部スピーカーが設置してあり、駅前広場にも案内放送が流れて、駅に近づきその案内放送が聞こえて来ると札幌駅に来たことが実感でき心がときめいた。
そしてベテランの人の案内放送には人それぞれ独特の節回しがあった。
最初に聴いたときは奇妙な感じがするが、その節回しを覚えてしまうと小学生だった私が聴いていても実に心地良かった。
私は今回の札幌駅でおおとりを見てからキハ82系の大ファンになり、母にせがんで特別急行を見るため札幌駅に連れて来て貰うようになった。
小学生だった私と母に都合の良い時間帯の特別急行は、土曜日の19時30分着35分発の函館行おおぞらであった。
同じ曜日の同じ時間帯に行くと、なぜか案内放送をする人も同じ人だった。
この人の案内放送にも独特の節回しがあり、台詞も丁寧であった。
この人の案内放送を何度か聴いているうちに、すっかり気に入ってしまい真似をするようになった。

ただいまから19時30分の特別急行函館行の改札をいたします。のりば1番 のりば1番です。
ホームには、特急なん号車と書いた四角い緑の札を掛けてあります。
1号車 2号車 3号車 4号車 5号車 6号車にお乗りの方は改札口を出まして右手の方にお越しください。
7号車は改札口のちょうど前です。
9号車 10号車 11号車 12号車にお乗りの方は、改札口を出まして左手の方にお越しください………。

各号車番号を一つ一つ丁寧に言うアナウンスを聴いていると長い編成の特別急行が目に浮かび、さあ、これから特別急行に乗るぞという気分になれた。いっしょに聴いていた母も「流暢な放送だねー」と共感してくれた。