〈10月10日・火曜日 朝一番で辞表を提出する。上司は驚いた顔をして“なぜ、もっと早く相談してくれなかったのか”と絶句した後、
“会社がこんな状態だから引き止め難いけど、もう一度考え直さないか”と。かつて、一緒に仕事をした管理職と社内で偶然会ったので、
退職を打ち明ける。彼は、“君とは、一緒に仕事をしたかった。もう一度、考え直す余地はないかな”と涙声でいってくれた。先日とは別の
意味で、自分も涙が出そうになる。〉

〈10月13日・金曜日 自分の退職を聞きつけた同期数人が、送別会を開いてくれた。裏切り者の自分に対して、みんな笑顔で“よかったな”
とか、“寂しくなる”といってくれた。優しい言葉が心に刺さる。