――綱川社長が、経産省の意向に従わざるを得なかったのには理由があった。東芝メモリは、東芝全体の営業利益の約9割を占める稼ぎ頭。
その虎の子のメモリー事業を売却すると、東芝は発電所建設などインフラ事業に頼らざるを得なくなる。それで“お上”の意向には絶対に逆
らえないわけだ。

〈9月11日・月曜日 別の部門で働く、大学時代の先輩社員から“極秘事項がある”とメールが来て、居酒屋に誘われる。曰く、“広告宣伝費
が削減されて、いよいよ「サザエさん」のスポンサーを降板することが固まった。まだ、テレビ局や広告代理店には連絡していないが、今
年度限りだろう”。

 この話が事実なら、大ショックだ。子供の頃から東芝といえば「サザエさん」、「サザエさん」といえば東芝だったからな。