なぜエヴァは成熟した大人にも楽しまれるのかpart22
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ここは、なぜエヴァを楽しむ成熟した大人が増えたのか?
または、なぜ幼稚な大人はエヴァを楽しめないのか?について意見の交流を行うスレです。
深夜アニメばかり見て精神退行した自分はエヴァを楽しめなくなったと嘆いて傷を舐め合うもよし、
エヴァが楽しめてる自分はまともな大人なんだな、という希望にすがるもよし
「いや深夜アニメ見てる奴にも人気あんじゃん」と叩かない範囲内でツッコミ入れるもよし
なぜエヴァは成熟した大人にも楽しまれるのかpart21
http://mao.5ch.net/test/read.cgi/eva/1604394219
の次スレとなります 悪魔くん「映画に!?そんな約束したっけ?」
エツ子「したもん」
メフィスト2世「悪魔くんも忘れっぽいなあ」
エツ子「メフィスト2世さんも行くって行ったもん」
メフィスト2世「えー!そ、そうだっけ?」
エツ子「そうだもん。だから新しいお洋服にしたのに。二週間も前から約束してたのよ」
悪魔くん「ごめんよ、エツ子。大切な仕事があって今日はダメなんだ」
メフィスト2世「今度きっと付き合うよ」
エツ子「仕事仕事って、二人とも悪魔ごっこして遊んでるくせに。もういいわよ」
百目「エッちゃん、可哀想だモン」
悪魔くん「でも、しょうがないんだ。この間のトン・フーチンのように、
今は沢山の悪魔たちが動き出そうとしている時なんだ」
メフィスト2世「東嶽大帝の居場所や、究極の“六芒星”とか、調べなきゃならないことも山ほどあるしな」
悪魔くん「さ、百目。がんばるぞ」
百目「うんだモン」 茂「うーん…映画なら真吾と一緒に行ってくればいいじゃないか」
エツ子「お兄ちゃんがダメだからお父さんに頼んでんじゃない」
茂「うう、そんなこと言っても」
コハル「たまには付き合ってあげて」
茂「私だって色々忙しいんだ」
エツ子「そうは見えないわ」
コハル「どうせ寝るのに忙しいんでしょ」
茂「そんなことはない。こうしてる間にも漫画のアイディアが…」
コハル「いつもそうやってごまかすんだから」
エツ子「男の人って仕事仕事って勝手なことばっかり」
茂「もうほんとに分からんよ」
コハル「あなた!むう」
エツ子「むう」 百目「ああ、お腹空いたモン」
メフィスト2世「俺も」
悪魔くん「母さん、夕飯もう…!?」
百目「どうしたんだモン?」
悪魔くん「ストライキ?」
茂「そうなんだ。二人ともすっかりヘソを曲げちゃって夕飯をつくってくれないんだ」
メフィスト2世・百目「えー!」
メフィスト2世「そ、そんな。俺、悪魔くんの母ちゃんのラーメンだけが楽しみだったのにもう」
百目「うう…」
茂「なあ、母さん、エツ子。機嫌を直して夕飯つくってくれよ」
コハル・エツ子「べー」 アナウンサー『では、女性問題研究家としてご活躍の、アムリタさんにお話を伺ってみましょう』
アムリタ『全国の女性たちよ。もっと自由に、もっと強くなって、男たちに不平不満を爆発させるのです』
コハル・エツ子「むふーっ」
茂「ひええ、まだこれ以上強くなるの?」
アムリタ『女の時代と言われる現代。世の女性たちは、いつまでも男性に頼り』
茂「ああ、くわばらくわばら」
アムリタ『家の中に閉じ込もっていてはいけません』
コハル・エツ子「そうだー!」
メフィスト2世「死神屋のラーメンでも食いに行こうっと」
悪魔くん「気をつけてね。あーあ、カップ麺でも食べるか」
百目「モーン…」 コハル「さあ、エツ子行くわよー」
エツ子「ええ、お母さん」
コハル「ファイト」
エツ子「ファイト」
コハル「ファイト」
エツ子「ファイト」 コハル「あら、先生、皆さん」
先生「真吾くんのお母さん」
先生・貧太の母・キリヒトの母「おはようございます」
コハル「まあまあ、おはようございます」
先生「みなさん、昨日のテレビをご覧になって」
コハル「あら、私たちもですのよ」
先生「じゃあご一緒に」
コハル「ええ、そうさせてもらいます」
先生・コハル「おほほほほほ」 悪魔くん「父さん、母さんとエツ子は?」
茂「ジョギング。女の時代だから体力をつけるんだってさ」
百目「朝もカップ麺かモン…」
悪魔くん「そうしょげるなよ」 エツ子「ファイト」
先生・コハル・貧太の母・キリヒトの母「ファイト…」
エツ子「ファイト」
先生・コハル・貧太の母・キリヒトの母「ファイト…」
エツ子「お母さん、みんなもしっかり」
コハル「ああ、女の時代といっても、長年の三食昼寝付き…体がなまっちゃって」
キリヒトの母「神様…」
先生「でも、アムリタが言うには、それも男性の作戦だってことでしたわね」
コハル「もう一度若い頃に戻れたらねえ」
エツ子「今からだって大丈夫だってば」
アムリタ「その子の言う通り」
先生・コハル・エツ子・貧太の母・キリヒトの母「?」
アムリタ「今からでも決して遅くないわ」
先生・コハル・エツ子・貧太の母・キリヒトの母「アムリタ!」 アムリタ「魔女になるのよ」
コハル「魔女?」
アムリタ「そう、魔女になればどんな願いも叶えられる。楽しいこと、やりたいことをどんどんやるの」
キリヒトの母「魔女なんて恐ろしい」
アムリタ「うっ…おほほほほ。魔女が恐ろしいなんてホラー映画の見過ぎだわ。
現代でも、成功して有名になった女性の中には、魔女も沢山いるのよ」
先生「でも、やっぱり怖いわ」
コハル「第一うちの真吾じゃあるまいし、信じられないわ。ねえ」
先生・貧太の母・キリヒトの母「うん」
アムリタ「だったらどうかしら?しばらく魔女の道具を使って試してみるっていうのは。
魔法の呪文も教えてあげるわ。さあ、どれでも好きなの選んでいいのよ。
ただし、このことは誰にも秘密よ」
先生・貧太の母・キリヒトの母「…」
コハル・エツ子「…」 貧太「エッちゃんとおばさんがストライキか。そりゃあ大変だな」
悪魔くん「エツ子との約束破っちゃった僕も悪いんだけどさ」
百目「早く元に戻って欲しいモン…」
貧太「アムリタっていえば、うちの母さんもかぶれちゃってさ。父さん弱ってたよ」
悪魔くん「どこも一緒だね」
貧太「うん」 エツ子「い、行ってきます。はあ、完全に遅刻だわ。あ、ダメで元々だもんね。試してみようかな。
えーと、アブラカダブラブレアリオス。…。
あーやっぱダメか。あ、あ、ちょっと、わー!と、と、飛んでる!気持ちいいー」
先生「遅刻、遅刻」
エツ子「あ、先生!」
先生「?」
エツ子「先生もご一緒にどうぞ」
先生「えー!」
貧太「あの宿題できた?」
エツ子「お兄ちゃーん!百目ちゃーん!」
先生「急がないと遅刻ですよー!」
悪魔くん「ん」
貧太「あれ。気のせいかな」
悪魔くん「うん」 コハル「♪〜」
犬「ガルルルル…」
コハル「あ、そうだ。アブラカダブラブレアリオス。ああー」
犬「キャンキャン」
コハル「はぁ…やった!」 スーパーの店員「はい、押さないで押さないで!ダメだ奥さん割り込んじゃ、そこ!ほら!」
貧太の母「はー間に合わなかった。せっかく月に一度の大安売りの日なのにねえ。あーあ。待てよ。
アブラカダブラブレアリオス」
客たち「!?」
貧太の母「お、お、すごいわ。はいはいはい、ごめんあそばせ。おほほほほ」 キリヒトの母「(男のくせにか弱い女性に席ぐらい譲ったらどうなの。あ。
アブラカダブラブレアリオス。アブラカダブラブレアリオス。アブラカダブラブレアリオス)」
乗客の男たち「うお!」
キリヒトの母「あら、おほほ。皆さんお座りにならないの?じゃ遠慮なく」 アムリタ「ふふふふふふ。さあ、もっと魔法を使え。魔女になりたいと願うのだ。
悪魔くん、のんびりしてられるのも今のうちだ。ふふふふ」 先生「はい、じゃあ今日はこれで終わり」
百目「起立、礼だモン」 先生・エツ子「やっほー!」
エツ子「最高!」
先生「魔女になるのも悪くないわね。私もーっと色んな魔法が使ってみたーい」
エツ子「そうよ。魔女になれば男なんてヘのカッパよ」
先生「魔女が女の時代を開くのね」
エツ子「アムリタのところへ行きましょうよ」
先生・エツ子「イエーイ!」 メフィスト2世「むにゃむにゃ…もう一杯おかわり」
先生・エツ子「イエイ!」
メフィスト2世「うわ!なんだ?」
エツ子「男なんてくたばっちゃえー!」
先生「イエイ!」
メフィスト2世「エッちゃん!」 貧太「なんだか、今日の先生変だったね」
悪魔くん「うん、やけにはしゃいでたけど何か良いことでもあったのかな」
貧太「さあ」
メフィスト2世「悪魔くーん!大変だ!大変だ!ま、魔女のほうきがエッちゃんに乗って飛んでった!」
悪魔くん・貧太・百目「はあ?」
メフィスト2世「あ、じゃなかった。エッちゃんが魔女のほうきに乗って飛んでったんだよ!」
悪魔くん・貧太・百目「えー!」
メフィスト2世「先生も一緒だったんだぜ」
悪魔くん「どういうことだろう」
百目「調べてみようモン」
悪魔くん「うん」 エツ子「アムリタ、ほんとに誰でも魔女になれるの?」
アムリタ「そうよ。簡単な儀式さえ受ければね」
キリヒトの母「神様の罰が当たらなきゃいいけど」
アムリタ「ほほほほほほ。疑り深いのねえ」
貧太の母「大丈夫ですよ」
先生「ええ、何も魔法を悪いことに使おうってわけじゃありませんもの」
キリヒトの母「そりゃあまあ」
アムリタ「じゃあ皆さんよいのですね?」
エツ子「ええ、お願いしまーす」 アムリタ「さあ、こちらへ」
コハル「じゃあ失礼して」
アムリタ「魔女の儀式は本来夜にやるものなんだけど、なんとかやってあげるわ」
コハル「何から何まですいません」 メフィスト2世「確かにこっちの方へ飛んでったはずなんだがなあ」
悪魔くん「あれ?あんなところにあんな家あったっけ?」
百目「怪しいモン」
メフィスト2世「よし、降りてみよう」 アムリタ「ではこれより、魔女誕生の儀式を行う。祭壇へヒキガエルを供えよ」
コハル「気持ち悪い」
エツ子「これくらい我慢しなきゃ」
アムリタ「偉大なる邪悪の王に従い、暗闇に棲める影どもよ。
その醜き姿を今一度我の前に現わし、その呪いの力を分け与えよ」
妖婆たち「ひひひひひひ」
先生・コハル・エツ子・貧太の母・キリヒトの母「ぎゃー!」
コハル「こここ、このおばあさんたちは!?」
アムリタ「ふふふふふ。あなたたちが悪魔と契約を交わすのを見届ける妖婆たちよ」
キリヒトの母「あ、悪魔と契約?」
先生「そんな話…聞いてませんわ」
アムリタ「魔女になるのを望んだのはあなたたちの方よ。さ、人間の心と引き換えに、
魔女の魔力を手に入れるのよ」
妖婆たち「ひひひひひひ」
エツ子「わ、私やっぱり帰る」
アムリタ「かーっ!」
先生・コハル・エツ子・貧太の母・キリヒトの母「わあ!」
アムリタ「ふふふ、もう遅いよ。お前たちは悪魔に魂を売り渡したのさ」
先生・コハル・エツ子・貧太の母・キリヒトの母「あわわわわ。きゃー」 悪魔くん・貧太・百目「!?」
悪魔くん「下から聞こえたぞ」
百目「階段は上に向かってるモン」
メフィスト2世「よし、下がってな。魔力、マシンガンパンチ!」
悪魔くん・百目「うわ!」
メフィスト2世「どうだ!」
悪魔くん「あったぞ、入り口だ!」
アムリタ「来たな!」 悪魔くん「あ、エツ子、母さん!」
貧太「母さん!」
百目「先生もいるモン」
貧太「悪魔くん、これは?」
悪魔くん「これは魔女誕生の儀式だ」
貧太「魔女誕生!?」
アムリタ「はははははは」
悪魔くん「アムリタ、お前の正体は一体」
メフィスト2世「よし、魔力、稲妻電撃!」
アムリタ「うわははははは」
メフィスト2世「ど、どうなってんだ」 悪魔くん「お前は透明魔人!」
透明魔人「この世の女どもを全て魔女にし、私の意のままに支配してくれよう。
さあ、妖婆どもよ。女どもに悪魔の紋章をつけるのだ」
悪魔くん「みんな逃げるんだー!エツ子ー!母さん!先生!」
貧太「母さん、逃げて―!」
妖婆たち「ひひひひひひ」
悪魔くん「どうしちゃったんだ、みんな」
透明魔人「ムダだ。彼女たちはすでに悪魔に魂を売ったのだ」
貧太「悪魔くん、母さんたちを!」
メフィスト2世「くそー!どけ!」
透明魔人「ぎゃーっはっはっはっはっは」
メフィスト2世「消えた!どわあ!」
悪魔くん「メフィスト2世!」 透明魔人「さあ、今度はヒキガエルのスープを飲むのだ」
悪魔くん「あれを飲んだら完全な魔女になってしまう」
貧太「母さん!」
百目「飲んじゃダメだモン!ポーン!ん?うわー、モーン…」
貧太「母さん、ダメだよ!」
透明魔人「わはははは。これで魔女誕生の儀式は全て終わった。
さあ、魔女たちよ。悪魔くんを倒すのだ。わはははは」
メフィスト2世「え、まさか…」
先生・コハル・エツ子・貧太の母・キリヒトの母「アブラカダブラブレアリオス。アブラカダブラブレアリオス…」
メフィスト2世「エッちゃんたち相手じゃ魔力も使えないぜ」
悪魔くん「うん、透明魔人を倒すしかない」 悪魔くん「エロイムエッサイム、エロイムエッサイム。我は求め訴えたり!出でよ、第4使徒幽子!」
幽子「悪魔くん」
悪魔くん「幽子、照魔鏡で透明魔人の姿を捕まえてくれ」
幽子「はい」 メフィスト2世「あたたたた。エッちゃん痛いよ」
貧太「母さんをぶたないでねー!」
メフィスト2世「悪魔くん早く何とかしてくれ」
幽子「照魔鏡!」
悪魔くん「(どんな魔力を使って姿を消しても、照魔鏡なら映し出すはずだ)」
メフィスト2世「いい加減に。やめろってば。暴力はんたーい」
幽子「豆ユーレイちゃん、お願い」
豆ユーレイたち「はーい。透明魔人。とん魔人。スケスケ魔人やーいやい」
悪魔くん「…」
豆ユーレイたち「透明魔人。とん魔人。スケスケ魔人やーいやい」
悪魔くん「いるぞ!」
幽子「えい!」
透明魔人「わあ!」
豆ユーレイたち「ひえー」
透明魔人「うわあ、身体が…動かん…しまった!」
悪魔くん「メフィスト2世、死出のメロディーを!」
メフィスト2世「分かった。魔力、死出のメロディー!」
透明魔人「ぎゃ、ぎゃああああああああ!!!!!」
貧太・百目「!?」
透明魔人「わ、私の負けだ。だが一度魔女になった者は、再び元に戻ることは出来ん。わははは…」
悪魔くん・幽子「…」 貧太「悪魔くん、母さんたちはもう元に戻れないのかい?」
幽子「貧太さん、魔法は透明魔人が使ったような黒魔術と呼ばれる悪い魔法ばかりじゃないの」
貧太「え?」
悪魔くん「うん、白魔術を使えば元に戻すことができるかも。やってみよう」 悪魔くん「セナポウステルピタ、エスタモウスペルピテイノウタラン。
セナポウステルピタ、エスタモウスペルピテイノウタラン」
貧太「母さん…母さん…」
悪魔くん「セナポウステルピタ、エスタモウスペルピテイノウタラン。悪魔の怨霊を討ち払いたまえ。
セナポウステルピタ、エスタモウスペルピテイノウタラン。悪魔の怨霊を討ち払いたまえ。
セナポウステルピタ、エスタモウスペルピテイノウタラン…」
貧太「ああ、母さん!ありがとう。悪魔くん」
悪魔くん「貧太くん」
百目「やったー!やったモン!」
悪魔くん「みんなすぐに目が覚めるよ。僕たちは姿を隠そう」
百目「ボクこれからはママさんのお手伝いいっぱいするモン」 魚屋「さあさあさあ、閉店大安売りだよ!急がないと無くなっちゃうよ!」
貧太の母「ああ大変!晩のおかずが」
キリヒトの母「なんだってあんなところで寝てたのかしら」
貧太の母「待ってちょうだーい!」
魚屋「さあ、らっしゃいらっしゃい!」
貧太「魔女にならなくても母さんたちは強いや」 茂「さあ、出来たぞ。埋れ木家特製のカレーだよ」
悪魔くん「たくさん食べてね」
百目「ボクも手伝ったんだモン」
コハル「もうストライキは中止したんですから」
エツ子「そんなにされると返って気味が悪いわ」
メフィスト2世「エッちゃん」
エツ子「ん?」
メフィスト2世「ほら」
エツ子「わあ、映画の券ね」
メフィスト2世「今度こそみんなで行こうな」
エツ子「う、うん」
茂・コハル・悪魔くん・エツ子・メフィスト2世・百目「いっただきまーす」
茂「さあさ、お母さんお食べ」
コハル「はいはい」
茂・コハル・悪魔くん・エツ子・メフィスト2世「もぐ。ん、んん…」
百目「モ、モーン…」
茂・コハル・悪魔くん・エツ子・メフィスト2世・百目「からーい!!!!」 悪魔くん「悪魔界に三万年ぶりの地震が襲い、見えない学校が地割れの底へ落ちてしまうんだ。
そしてメフィスト2世をおびき出す賞金稼ぎの黒悪魔、気球魔人が現れた。
火山の爆発と毒ガスの中で、メフィスト2世は溶岩の中へ。
死なないで、メフィスト2世。
悪魔くん。狙われたメフィスト2世。
夢よ、とどけ君の心に」
『狙われたメフィスト2世』 悪魔くん「エロイムエッサイム、我は求め訴えたり!」
<ナレーター>
ソロモンの珠宝を手に入れた悪魔くんと12使徒は、
力を合わせて見えない学校を浮上させた。
今ここに魔界伝説が蘇ったのだ。 東嶽大帝「悪魔くんに従う12使徒をはじめ、このわしの命令に背いた悪魔たちを一人残らず処罰するのだ」 茂「おや?なんだい。おにぎりなんて握って」
コハル「今日は学校中でとんがり山に写生に行くらしいんですよ」
百目「だからお弁当つくってるんだモーン」
エツ子「お母さんに任せとくと梅干ししか入れないんだもの」
コハル「私も菅山さんの奥さんと出かけなくちゃならないんで、
お父さんのお昼もおにぎりつくっておきますからね」
茂「うんうん」
悪魔くん「おはよう、みんな」
エツ子「お兄ちゃんたらもう遅いんだから」
コハル「最近ますます夜更かしの癖がついたみたいね。また悪魔だか魔法だかのこと調べてたんでしょ」
百目「それが大事なことだモン。だから悪魔くんのお弁当もボクが握っといたモン」
悪魔くん「な、なんだよ。このおにぎり」
茂「ははは。それじゃあサッカーボールじゃないか」
茂・コハル・悪魔くん・エツ子・百目「ははははははは」
メフィスト2世「ちぇ、これ今日はラーメンはご馳走してもらえそうもないな」 チビコウモリ・メスコウモリ「キーキー」
ガハハ3人組(1)「あーあ、退屈だなあ」
ガハハ3人組(2)「仕方ないっすよ。悪魔城に戻る訳にも行かないし」
ガハハ3人組(1)「悪魔くんをやっつけるどころかドジばっかりで、
東嶽大帝様に完全に見切りをつけられちまったからなー」
黒小人A「おーい、ガハハ」
ガハハ3人組(1)「黒小人たちじゃねえかい」
黒小人A「聞いたか?東嶽大帝が12使徒と一緒に、悪魔くんを狙って失敗した者たちにも賞金を懸けたらしいぜ」
ガハハ3人組(1)「なんだって!」
ガハハ3人組(2)「兄貴。ひょっとして俺たちも?」
黒小人A「気を付けろよ。賞金稼ぎの気球魔人とピラドクロが動き出したって噂だ」
ガハハ3人組(1)「地震だ」
チビコウモリ・メスコウモリ「キー!」
黒小人A「か、火山が」 幽子「きゃあ」
鳥乙女「ああっ」
こうもり猫「ぐげ」
家獣「バウー」
豆ユーレイたち「ゆーれー、ゆーれー、ゆーれいひー」
ヨナルデパズトーリ「大きいんだわさ。なんであるか?」 ガハハ3人組「…気球魔人!」
気球魔人「見つけたぜ。裏切り者たちめ」
ガハハ3人組「ひえー!」
ガハハ3人組(2)「あーピラドクロ!」
気球魔人「ははははは。逃げられへんでえ」
チビコウモリ・メスコウモリ「キキー!」
黒小人たち「助けて―!」
ガハハ3人組(2)「お助けをー」
ガハハ3人組(1)「お、俺たち、東嶽大帝様を裏切るような真似はしてませんぜ」
気球魔人「ふふふふ。心配するな。お前たちのようなザコのクビを取ろうとは思わねえ」
ガハハ3人組「!?」
気球魔人「ひと働きしてもらいたいのさ。上手くいけば悪魔城に戻れるように東嶽大帝様に口を聞いてやってもいいぜ」
ガハハ3人組(1)「え、ほんとですかい!」
ガハハ3人組「ありがとうございます!気球魔人様」
ガハハ3人組(2)「良かったですね、兄貴」
ガハハ3人組(1)「それで何をすればいいんでげしょ」
気球魔人「12使徒の一番の腕利きといわれる、メフィスト2世をここに連れてくるんだ。
俺がそのクビを取って、東嶽大帝様の前に差し出してやる」
チビコウモリ・メスコウモリ「キーキー!」
黒小人たち「おお…」
ガハハ3人組「…」
気球魔人「メフィスト2世なら賞金もでかいし、俺の実力にふさわしい相手さ」
ピラドクロ「あいつはラーメンが好物や。魔界中のラーメン屋を探すんや。ぐずぐずせんとはよ行かんかい」
ガハハ3人組(1)「へい、お任せ!」
ガハハ3人組「がはは、がはは、がははのは」 気球魔人「ふははははは」
ピラドクロ「はははは。お前らはわいの餌になるんや。観念しい」
黒小人たち・チビコウモリ・メスコウモリ「…」 ヨナルデパズトーリ「魔界にとっては三万年ぶりの地震だわさ。震源地は魔界北東のキメ村付近」
こうもり猫「あはは、まさか東嶽大帝のせいで火山まで三万年の眠りから覚めたなんてことはないでげしょね」
鳥乙女「調べに行った方がいいんじゃないかしら」
ヨナルデパズトーリ「そうしたいんじゃが、ここでわしらが大っぴらに動き出したら、
見えない学校の所在を東嶽大帝に知られてしまう恐れがあるのである。
今の状態で襲われたら防ぎきれないんだわさ。お」
こうもり猫「まただー」 鳥乙女「このままでは見えない学校が地割れに飲まれてしまうわ」
ヨナルデパズトーリ「うーむ、弱ったのである」
こうもり猫「もうやだ、こんなとこ。あ、何?」
ヨナルデパズトーリ「こうもり猫、キメ村の調査はお前に任せるんだわさ」
こうもり猫「え、どうして?」
ヨナルデパズトーリ「他のみんなは力を合わせて見えない学校を地割れから救うのである」
12使徒たち「はーい」「バウー」
こうもり猫「ちょちょちょっと、なんであっしが行かなきゃなんないの?」
ヨナルデパズトーリ「こうもり猫は白悪魔と黒悪魔の中間、いわば灰色悪魔だと思われているからして、
万が一捕まって見えない学校の所在を聞かれても、12使徒をクビになったと言い訳が出来るんだわさ」
こうもり猫「なーる…ってそんなめちゃくちゃな!おいなんだよ!あっしは正義に燃える純白悪魔だぞ!いてててて…」
鳥乙女「いいから早く行きなさい」
こうもり猫「あー痛かった」
鳥乙女「さあ、みんな。表に出て見えない学校を守りましょう」
12使徒たち「はーい」「バウー」
こうもり猫「ちぇ、なんでえ。魔眼にやらせりゃいいじゃないか」
ヨナルデパズトーリ「魔眼は今ひとつしか動けないんだわさ」
こうもり猫「え?」
ヨナルデパズトーリ「悪魔くんを呼びに行ってもらう大事な役目があるんだわさ。頼むであるぞ」 メフィスト2世「お?また揺れてやがる。しつこい地震だぜ」
ガハハ3人組(2)「いるいる。いましたぜ、兄貴」
ガハハ3人組(1)「がはは。早速作戦開始だ」
メフィスト2世「ずるずる」
店員「いらっしゃい」
ガハハ3人組(1)「そういうこと。そういうこと」
ガハハ3人組(2)「だからあっしが言ったでしょ、兄貴」
メフィスト2世「(ガハハ3人組じゃねえか)」
ガハハ3人組(1)「やっぱり魔界広しといえども一番強いのはメフィスト2世だな」
メフィスト2世「(へへ、照れるね、どうも。こいつら分かってるじゃねえか)」
ガハハ3人組(2)「でも兄貴。気球魔人もなかなかのもんですぜ。
メフィスト2世のクビに懸かった賞金を狙って動き出してるとか」
メフィスト2世「(気球魔人だと?誰だ勝手に俺に賞金なんか懸けやがったのは)」
ガハハ3人組(1)「なーに、メフィスト2世が本気になればちょろいもんさ」
ガハハ3人組(2)「そうですかね。なんでも、メフィスト2世は気球魔人が恐ろしくて逃げ回ってるって噂ですぜ」
メフィスト2世「なんだと!誰が逃げ回ってるって!?どこにいるんだ、その気球魔人ってのは!」 悪魔くん「Zzz…」
貧太・情報屋・キリヒト・百目「?」
百目「悪魔くん。悪魔くんったら」
悪魔くん「…ん?あ、魔眼!だ、だ、ダメ!」
貧太「悪魔くん、なに寝ぼけてるんだよ。邪魔だよ。どいてよ」
悪魔くん「そうか。普通の人間には見えなかったんだ」
情報屋「そりゃ普通じゃないよ。悪魔くんは」
貧太・情報屋・キリヒト「あはははははは」
百目「悪魔くん」
悪魔くん「うん」 ヨナルデパズトーリ「…という訳なのである。悪魔くん。
魔界トンネルを転送するからして、すぐにこっちに来て欲しいのである」
悪魔くん「うん、分かったよ。行くぞ、百目」
百目「うんだモン」 こうもり猫「ったく、つまんない仕事ばっかりあっしに押しつけるんだから。
うわ、なんだ!前が見えない!あがっ!
ああ…目の前を水金地火木土天冥界がぐるぐるぐるぐるって。
もうなんだってえのよ。指名手配?
ありゃーどっかで見たいい男だと思ったらあっしじゃないっすか。
あ、鳥乙女…え、メフィスト2世も。百目も。家獣もあるじゃないの。
どうなってんの。ん、ん?なんだ?ん…わああ!!」
ピラドクロ「んはははははは。んはははは」 こうもり猫「ああ、助けてったら。あっしは見えない学校を追い出されたんだから。
12使徒をクビになったんすよ。正真正銘の真っ黒悪魔なんだってば」
ピラドクロ「ごちゃごちゃうるさいで。12使徒の中で一番賞金の安いお前なんか気球魔人は相手にしとらんわい」
こうもり猫「じゃあ助けてくれるんすか?」
ピラドクロ「アホか。わいが蒸し焼きにして食うたるわ」
こうもり猫「えー、やめて!あっしはそんなにうまくないすよー」
ピラドクロ「かまへんかまへん。わてはゲテモノ食いやさかい」
こうもり猫「そんなー!助けて、悪魔くん大先生」
黒小人たち「あー!」
チビコウモリ・メスコウモリ「キー!」
こうもり猫「わー!火口に下降するよーなんてバカなこと言ってる時じゃないのに!」 家獣「バウー!」
百目「根性だモン!」
鳥乙女「もうこんな時にメフィスト2世はなにやってるのかしら」
ピクシー「頑張れ頑張れフレーフレー」
ヨナルデパズトーリ「博士のメモに書いてあることは全てやってみたが、
どうにもならんのだわさ。こうもり猫からもなんの連絡もないのである」
悪魔くん「すぐに魔眼を調査に差し向けるんだ」 ガハハ3人組「がはは」
メフィスト2世「どこだ、気球魔人は」
こうもり猫「助けてー。助けてー」
メフィスト2世「こうもり猫」
こうもり猫「あ、メフィスト2世しゃま。助けに来てくれたんでやんすね」
黒小人たち「助けてくれー」
チビコウモリ・メスコウモリ「キーキー」
メフィスト2世「チビコウモリに黒小人」
ガハハ3人組「がはは」
ガハハ3人組(1)「今日こそ最期でげすよ。メフィスト2世」
メフィスト2世「お前ら、さっきのは俺をここに連れてくるための芝居だったのか」
ガハハ3人組「がはは」
ガハハ3人組(1)「これで俺たちは悪魔城に戻れるのだ」
ピラドクロ「おめでたいやっちゃな。あんなこと本気にしてたんかいな」
ガハハ3人組「うわー!」
ピラドクロ「お前らはわいがご褒美にもらう餌よ」
ガハハ3人組「助けてー!」
メフィスト2世「何しやがんでい!どわあ!」 12使徒たち「わあ!」
ヨナルデパズトーリ「こうなったら、12使徒たち全員で“六芒星”を描き、
見えない学校を浮上させるしかないわさ」
悪魔くん「うん、こうもり猫とメフィスト2世を呼ぼう。!?
こうもり猫!チビコウモリたち!ガハハ3人組!黒小人たちも!」
ヨナルデパズトーリ「メフィスト2世もいるんだわさ」 気球魔人「メフィスト2世、お前の相手はこの俺だ」
メフィスト2世「出たな、気球魔人。さてはこの地震もお前の仕業か」
気球魔人「俺の力は、この火山のエネルギーと連動しているんだ。
ガスを吸って大きくなればなるほど火山の活動も大きくなる」
悪魔くん「全ては気球魔人のせいだったのか」 気球魔人「むう…」
こうもり猫「熱い熱い。本当に熱いよ」
メフィスト2世「この野郎」
悪魔くん『メフィスト2世!』
メフィスト2世「悪魔くん」
悪魔くん『ほっといたら魔界中に被害が広がってしまう。こっちも見えない学校が地割れに落ちて動けないんだ』
メフィスト2世「なんだって!見えない学校が?」
悪魔くん『だからメフィスト2世、何としても気球魔人を倒して、火山の大爆発を止めてくれ』
メフィスト2世「分かった。ここは俺に任せろ。行くぜ、気球魔人。魔力、ハットノコギリ!おお」
気球魔人「むう!」
メフィスト2世「わあ!」
こうもり猫「メフィスト2世!おお、ああ、やめて。メフィスト2世と心中なんが嫌だよ」
メフィスト2世「待ってろよ。やつらを片付けてから助けてやらあ」
こうもり猫「何とかしろ」
気球魔人「むう」 悪魔くん「(♪〜。見えない学校、君は生きているんだろう?お願いだ。目覚めてくれ)」
12使徒たち「うう…」「バウー」 メフィスト2世「えい!」
ピラドクロ「ぎゃはははは。なんぼやってもムダやっちゅうのに」
チビコウモリ・メスコウモリ「ガリガリ」
気球魔人「ぷうー」
メフィスト2世「あっ…」
こうもり猫「メフィスト2世!あ!」
気球魔人「ふふふふ。そのまま二人とも溶岩に落ちて、 骨まで溶けてしまえ」
黒小人たち「早くしないと」
気球魔人「はははははは」
チビコウモリ・メスコウモリ「キーキー」
黒小人たち「今だ!」
ピラドクロ「あ、おんどれら」 こうもり猫「ぎゃあー!あ、あれ、どういうこと?」
チビコウモリ・メスコウモリ「キーキー」
黒小人たち「…」
ピラドクロ「くそ、わいのもんや。逃がさへんで。あら?」
ガハハ三人組「このやろ」
ピラドクロ「なんつーことするねん」
ガハハ三人組「わー!」
こうもり猫「助かった。早く縄を」
チビコウモリ・メスコウモリ「キーキー」
気球魔人「こうなりゃまとめて」
ピラドクロ「もう逃がさへんで」
気球魔人「ぷうー」
ピラドクロ「わああああ!!!」
こうもり猫・チビコウモリ・メスコウモリ・ガハハ三人組・黒小人たち「!」
ガハハ三人組・黒小人たち「やったやった」
気球魔人「ドジなピラドクロめ」
こうもり猫「大丈夫でげすか?メフィスト2世」
メフィスト2世「油断したぜ」
気球魔人「ふふふふ、やっと面白くなったなあ」
メフィスト2世「逃げろ。毒ガスにやられるぞ」
気球魔人「もあー」
メフィスト2世「あれ以上、気球魔人が大きくなったら、火山が大爆発して大変なことになるぞ。
こうなったら最後の切り札だ。魔力、角電撃!」 悪魔くん「(どうしたんだ、見えない学校。 このままでは地割れに落ちてしまう。
もう一度、僕たちに答えてくれ)」
12使徒たち「う…」「バウー…」 メフィスト2世「ダ、ダメか」
気球魔人「メフィスト2世。俺の勝ちだな」
メフィスト2世「ああっ」
こうもり猫「メフィスト2世!」
気球魔人「俺の体の中からは逃げられない。毒ガスの餌食になるがいい」
メフィスト2世「(そうか。 やつはガスの塊なんだ。毒をもって毒を制す)」
気球魔人「どうだ、じわじわと死んでいく気分は」
メフィスト2世「…ふっ」
気球魔人「何をする!」
メフィスト2世「た、頼むぜ。魔力、絶対零度!」
気球魔人「おおおおお!!ああああああ!!」
メフィスト2世「(ガスが燃え尽きてエネルギーを全部使い果たしてしまえ)」 ヨナルデパズトーリ「共鳴しとるんだわさ。見えない学校が。
悪魔くんの吹くソロモンの笛に」
12使徒たち「?」
鳥乙女「見えない学校が」
百目「自分の力で動き出したモン」
家獣「バウー」
ヨナルデパズトーリ「まさに見えない学校が、蘇ったんだわさ」
悪魔くん「…」 こうもり猫「…」
チビコウモリ・メスコウモリ「…」
ガハハ三人組「…」
黒小人たち「…」
こうもり猫「メフィスト2世!待ってましたー」
メフィスト2世「やったぜ」
こうもり猫「よくやってくれたぜ、ああ、泣けるぜ」
メフィスト2世「こ、これで、火山の怒りも静まるはずさ。もう心配ねえ」 メフィスト2世「という訳なんだ」
ピクシー「ぬりぬり。ぬりぬり」
メフィスト2世「こいつらも黒悪魔たちに狙われてるって訳よ」
悪魔くん「東嶽大帝は、とうとう賞金までかけて白悪魔たちを狙い始めたのか。
これからは12使徒と一緒にいればいいよ。見えない学校が守ってくれるはずさ」
チビコウモリ・メスコウモリ「キーキー」
ガハハ3人組「がはは、がはは、がははのは」
黒小人たち「わーい」
悪魔くん「見えない学校、あとは“六芒星”を完成させることだね」 悪魔くん「究極の六芒星を完成させるために研究を続ける僕を、ラルヴァ達が襲ってくる。
そして幽霊船を使って、見えない学校の生命エネルギーを吸い取ってしまうんだ。
このままでは見えない学校が死んでしまう。
僕が行くまで頑張るんだ。
悪魔くん。生きかえれ!見えない学校。
夢よ、とどけ君の心に」
『生きかえれ!見えない学校』 悪魔くん「エロイムエッサイム、我は求め訴えたり!」
<ナレーター>
ソロモンの珠宝を手に入れた悪魔くんと12使徒は、
力を合わせて見えない学校を浮上させた。
今ここに魔界伝説が蘇ったのだ。 パイロット「お、機長。あれは…」
機長「あ、あれはセントエルモの火だ」
パイロット「ゆ、幽霊船だ」
機長「ぶつかるぞ!ど、どうなったんだ」 アナウンサー『昨夜、北大西洋洋上で、嵐のため墜落したと思われた飛行機が発見されましたが、
付近の海上で無事救助された二人のパイロットの話によりますと、
空中で巨大な帆船に衝突したということです。この不思議な事件に、当局も首をかしげております。
さて、次のニュースですが…』
エツ子「ふーん、変な事件。飛行機が船と衝突するなんて、
きっとパイロットが居眠りしてたに違いないわ。よいしょ」
茂「そりゃそうと真吾たちの姿を見かけないな。日曜だから遊びにでも行ったのかい?母さん」
コハル「それが、朝から古本屋さんに行ってくるって。最近古本屋さんに凝ってるみたいなの」
茂「古本屋か。なかなか渋い趣味だな」
エツ子「どうせ悪魔の研究よ。お兄ちゃんが漫画以外に他の本読むわけないもん」 古本屋「あんたたちね、朝からずっとそんなところで立ち読みされたんじゃあ、いい迷惑だよ」
百目「ボクたちの他に誰もお客さん来ないモン。おじさんも一人じゃ寂しいモン」
古本屋「ふん、大きなお世話だ」
メフィスト2世・百目「ぶわあ」
メフィスト2世「第一俺たち立ち読みじゃなくて座って読んでるぜ。なあ悪魔くん」
悪魔くん「あった!」
古本屋「!」
百目「何があったのかモン」
メフィスト2世「早く早く、悪魔くん」
悪魔くん「うん、いいかい?この世界魔法偉人伝によると、
偉大なるソロモン王は、究極の魔法を自らの墓にしるし、それはソロモンの鍵と呼ばれた。
つまり、ソロモン王の墓に究極の”六芒星”をつくる鍵が残されているに違いないよ」
百目「そのお墓どこにあるのかモン?」
悪魔くん「うーん、そこまでは書いてないなあ」
メフィスト2世「なんだ、喜ばせるなよ」
悪魔くん「別の本に出てるかも知れないよ。さ、もうひと頑張りして調べてみよう」
メフィスト2世「よし、やるか」
百目「頑張るモン」
古本屋「はあ、好きにやってくれ」 こうもり猫「よいしょっと、と、ほんとによいしょだぜ。よっ、魔眼。見張りご苦労さんだね」 こうもり猫「よっこらしょっと。やれやれ。しかしよお、なんだって俺がこいつらの世話しなきゃなんないの?」
鳥乙女「文句言わないの」
幽子「みんな、安心して隠れ里に住めるようになるまで、ゆっくりしてってちょうだいね」
ヨナルデパズトーリ「それまでこうもり猫が面倒見てくれるわさ」
こうもり猫「冗談じゃねえよ。ったくもう。あー、俺の分も残しておけよ」
ガハハ3人組「がはは」
こうもり猫「ガハハじゃないよ。お前ら居候なんだから、少しは遠慮ってものがあるでしょ!」 ラルヴァの手下A「めっけめっけ」
ラルヴァの手下B・C「?」
ラルヴァ「そうか。見えない学校のありかが分かったか」
ラルヴァの手下A「ただ、魔眼とかいうでかい目玉野郎が見張ってやがるんで」
ラルヴァ「構うもんか。あの学校さえ始末すればいかに悪魔くんでも東嶽大帝様に逆らうことは出来ん。
だから東嶽大帝様も喜んで俺たちの望みを叶えてくれる訳だ」
ラルヴァの手下B「では頭。悪魔くんは」
ラルヴァ「あとでじっくり料理してやるさ。それより今は悪魔くんを見えない学校に近づけさせるな。
あの小僧と見えない学校が力を合わせることによって、ルキフェル様も葬られたのだからなあ」
ラルヴァの手下A「でも頭、見えない学校をやっつければ、あっしたちは本当に東嶽大帝様に人間に戻してもらえるんで?」
ラルヴァ「そうだ。見えない学校の生命エネルギーを奪い取るのがその条件だ。行くぞ、者ども!」
ラルヴァの手下たち「おー!」 悪魔くん「それじゃね、おじさん」
古本屋「やれやれ。やっと帰る気になってくれたか」
百目「昼ご飯食べに帰るだけだモン」
メフィスト2世「すぐ戻ってきてやるからな」
悪魔くん「じゃ、またあとでねー」
古本屋「もう、来なくて結構!」 こうもり猫「ん?なんだありゃ」
ヨナルデパズトーリ「まるでセントエルモの火である」
鳥乙女「セントエルモの火?」
ヨナルデパズトーリ「昔から北大西洋では、嵐の夜などにその不思議な火が現れると、
必ず船は嵐に巻き込まれて沈んだというのである。
水夫たちはそれをセントエルモの火といって恐れたのである」
鳥乙女「でもどうしてそんなものが魔界に?」
こうもり猫「あ、船まで現れたぜ」
12使徒たち「ああ」 ラルヴァ「行け、者ども!」
ラルヴァの手下「おー!」
鳥乙女「見えない学校を狙っているんだわ!」
12使徒たち「えー!」
ヨナルデパズトーリ「悪魔くんに連絡するのである」
鳥乙女「悪魔くんが来るまで、私たちで見えない学校を守るのよ」
ユルグ「幽子、ピクシー、学者は、チビコウモリたちを連れて中へ避難しろ」
こうもり猫「あー、あっしも行くー!だってえ、みんなの世話係だものねえ。
ちゃんとお仕事しなくちゃ。皆さん逃げましょー。いやいや、避難しましょうね。あーつらい」
妖虎「があー!」
象人「鼻息魔力だぞう」
ラルヴァ「行け行け!」
鳥乙女「ピーンクハリケーン!あっ、えい!」
ガハハ3人組「ガクガク…」
幽子「大丈夫よ、みんな。きっと悪魔くんが助けに来てくれるわ。だから元気を出して」
豆ユーレイたち「元気、元気ー」
ヨナルデパズトーリ「魔界トンネル、転送開始である」 百目「近道もきついモン」
悪魔くん「ん?」
百目「?」
悪魔くん「見えない学校が僕を呼んでる」
悪魔くん・メフィスト2世・百目「!」
百目「あ、魔界トンネルだモン」
ヨナルデパズトーリ『悪魔くん、見えない学校が危機なのである。すぐ来てくれである』
百目「え!」
メフィスト2世「なんだって」
悪魔くん「よし、行こう」
悪魔くん・百目「!」
ラルヴァの手下たち「へへへへへへ」
メフィスト2世「誰だ」
悪魔くん「…」 ラルヴァの手下D「ひーひひひひ」
メフィスト2世「うわ、悪魔くん、こいつらは何なんだ」
悪魔くん「死んだ人間の魂が、この世に未練や執着を持ったまま、悪魔となって彷徨うラルヴァだ」
百目「ボクたちを見えない学校に行かせないつもりなんだモン!モン、モン、うわ!」 ユルグ「コーンエッサムコーン!」
サシペレレ「とう!」
ユルグ「くそう、これじゃキリがないぜ。あ」
鳥乙女たち「うわあ」
鳥乙女「何ともないわ」
妖虎「良かった」
ユルグ「見ろ、見えない学校の生命玉の様子が変だぞ」
鳥乙女たち「え!」 ベルゼブブ「あ、ちょいなちょいな。湯もみ。えへへ。湯加減よろしいでやんすか?」
メフィスト老「結構だからして」
ベルゼブブ「あ、こ、これは。ファウスト博士」
ファウスト博士「うむ、見えない学校に大変なことが起こったようじゃ。メフィスト、もうのんびりしてはおれんぞ」 ヨナルデパズトーリ「ラルヴァの幽霊船が、見えない学校の生命エネルギーを吸い取っているのである。
このままでは見えない学校が死んでしまうのである」
ラルヴァの手下たち「…」
こうもり猫「うわー、こんなにいっぱい。もうお構いなく」
幽子「早く来て、悪魔くん」
豆ユーレイたち「なにしてんの、悪魔くん」 悪魔くん「生命玉からの反応が弱まっていくぞ」
百目「入り口が消えていくモン!急ぐんだモン!」
メフィスト2世「でも悪魔くん、こいつらはどうやってやっつければいいんだ」
悪魔くん「ラルヴァは、幽霊の一種だから、太陽の光には弱いはずだけど…メフィスト2世、何とかならないか!」
メフィスト2世「よし、やってみよう。魔力、ハットレンズ!」
ラルヴァの手下たち「ぎゃー」
悪魔くん「今だ、行くぞ」
百目「モン!」 ユルグ「もう無理だ」
鳥乙女「諦めないで、みんな」
ラルヴァ「あと一息で見えない学校の全生命エネルギーを吸収できるぞ」
ヨナルデパズトーリ「な、何をしているのである。悪魔くん」
悪魔くん「学者」
ヨナルデパズトーリ「おお、悪魔くん」
悪魔くん「どうしたんだ!」
ヨナルデパズトーリ「このままでは、見えない学校は全ての生命エネルギーを奪われ、死んでしまうのである。
あと一度襲撃を受ければ終わりである」
悪魔くん「え!」
メフィスト2世「どうすりゃいいんだ!もう間に合わねえ!」
悪魔くん「…」
百目「悪魔くん!」 悪魔くん「(♪〜)」
ユルグ「ん?ソロモンの笛だ」
鳥乙女「悪魔くんが来てくれたんだわ」
ラルヴァの手下たち「…!」
こうもり猫「大先生」
ガハハ3人組「ガハハ」
幽子「悪魔くん」
悪魔くん「(頑張るんだ、見えない学校。こんなことで負けちゃいけない。僕が助けてあげるよ。
僕の命を分けてあげる。だから勇気を出すんだ。頑張れ、見えない学校)」
鳥乙女「頑張れ、見えない学校」
妖虎「頑張るんだ」
象人「頑張るんだぞう」 ラルヴァ「なに!?」
メフィスト2世「だ、大丈夫か?悪魔くん」
百目「悪魔くん!」
悪魔くん「はあはあはあ、さあ、行くぞ!見えない学校!」 悪魔くん「みんな、大丈夫か!」
鳥乙女「悪魔くん!」
メフィスト2世「よーし、今度は俺たちの番だぜ」
ラルヴァ「逃げるな、戦え」
ラルヴァの手下A「でも頭」
ラルヴァ「忘れたのか?見えない学校をやっつければ、
東嶽大帝様は俺たちみんなを人間に戻してくれると約束してくれたのだぞ」
メフィスト2世「へっ、東嶽大帝の言うことをマジで信じてんのかよ」
ラルヴァ「なんだと!」
悪魔くん「聞いてくれ!東嶽大帝は、君たちを騙そうとしてるんだよ」
ラルヴァ「?」
悪魔くん「全世界の混乱によって、幽霊界から彷徨い出てしまった君たちを利用し、
地上に悪の帝国をつくりあげること。それが東嶽大帝の目的なんだ」
ラルヴァ「そんなバカな!俺たちの故郷である人間界を悪の帝国に?」
悪魔くん「一刻も早く僕たちみんなが安心して暮らせる世界を必ずつくってみせる。約束するよ。
だから僕を信じて、幽霊界へお帰り」
ラルヴァの手下A「頭、悪魔くんの言う通りだ」
ラルヴァの手下B「ああ、あんな美しい笛の音を出せるやつが嘘言う訳ないよなあ」
ラルヴァ「だまれ、だまれ!俺は騙されないぞ!えい!」
百目「わあ!」
メフィスト2世「何しやがる!魔力…」
悪魔くん「待て、メフィスト2世」
メフィスト2世「ん?」
ラルヴァ「…」
悪魔くん「…う…うう…僕を信じて…ラルヴァ…」
ラルヴァ「すまなかった、悪魔くん。どうやらお前のほうが正しかったようだ。
俺たちはお前たちとの約束を信じよう」
悪魔くん「うん」 百目「さよならだモーン」
メフィスト2世「もう二度と彷徨い出るんじゃねーぞー」
ヨナルデパズトーリ「セントエルモの火の正体はラルヴァだったのである」
悪魔くん「もう大丈夫。でも、ラルヴァたちの約束はきっと守ってみせなきゃ」
メフィスト老「悪魔くんやーい」
悪魔くんたち「?」
メフィスト老「ご到着」
メフィスト2世「親父にファウスト博士」
ファウスト博士「悪魔くん、みんな、よくぞ見えない学校を守ったな。見事じゃぞ」
メフィスト老「はくしゅん!すっかり湯冷めしちまったからして、もうひとっ風呂浴びるとするか。ベルゼブブ」
ベルゼブブ「そうしやすかね」
メフィスト2世「人の気も知らねえで、呑気なもんだぜ。親父のやつ」
悪魔くんたち「はははははははは」 ファウスト博士「そうか。悪魔くんもソロモンの鍵の存在を知ったというのじゃな」
悪魔くん「でも、まだまだ謎だらけなんです。あ、博士は何か知ってるんですね?
だったら僕にも教えてください。ファウスト博士」
ファウスト博士「どうかわしを一人にしてくれんか、悪魔くん」
悪魔くん「え?」 ファウスト博士「もうすぐ恐るべき秘密が明らかになる。
そしてその時こそ、東嶽大帝を倒すことが出来るのじゃ。悪魔くん」 悪魔くん「僕たちの町にいつの間にか古い洋館が建ち、
貧太くんたちはそこに潜んでいた宇宙悪魔タコスの魔力で霊球の中に封じ込められてしまう。
そして、僕たちを待ち受けていたのは、物凄い数のタコチュー軍団。
悪魔くん。死後の世界を見せる妖怪屋敷の不思議。
夢よ、届け君の心に」
『死後の世界を見せる妖怪屋敷の不思議』 悪魔くん「エロイムエッサイム、我は求め訴えたり!」
<ナレーター>
ソロモンの珠宝を手に入れた悪魔くんと12使徒は、
力を合わせて見えない学校を浮上させた。
今ここに魔界伝説が蘇ったのだ。 エツ子「あら。またお餅?」
百目「んー、もう飽きちゃったモン」
コハル「しょうがないでしょ。お正月のお餅がまだいっぱいあるんですから」
エツ子「たまには宅配ピザでも食べたいわよ」
百目「さんせーいだモン」
コハル「じゃお昼はそれにしましょ。あら、真吾はまだなの?」
百目「悪魔くんは昨日から徹夜で、ソロモン王の鍵のこと調べてるんだモン」
コハル「えー。ホルモンの勉強なんて徹夜でしなくたって」
百目「ホルモンじゃなくて、ソロモンだモン」
エツ子「ねね。そろばんの王子かしら」
百目「(ズコーッ)」
茂「そうか。真吾はそろばんの王様か」
悪魔くん「一日も早くソロモン王の秘密の鍵の場所を見つ…Zzz」 情報屋「なあ言った通りだろ?昨日までこんなボロっちい屋敷はなかったぜ」
貧太「誰が住んでるのかな」
情報屋「とにかく入ってみようぜ。大スクープが撮れるかも知れない」 キリヒト「何か変な絵ばかりですね」
情報屋「わー!」
貧太「情報屋!」
キリヒト「けがはないですか?」
情報屋「ああ…」 情報屋「お尻をぶつけちゃったよ。あいてて…」
キリヒト「しかし変なつくりの屋敷ですね。廊下の真ん中に地下への入り口があるなんて」
情報屋「あいたー」
キリヒト「ああ、奥の方に明かりが見えますよ」
貧太・情報屋「?」 貧太・情報屋・キリヒト「あー!」
貧太「特撮のセットがある」
キリヒト「ガリバー旅行記の小人の国へ来たみたいだ」
情報屋「おお。うわ」
キリヒト「わあ」
貧太「ああ」
貧太・情報屋・キリヒト「うわあー」
貧太「ま、待った!僕たちは何もしないよ」
情報屋「む、虫だよ。あれ」
タコス「へへへへへへ」
貧太・情報屋・キリヒト「うわあー!!」 タコス「怖がらなくてもいい。ボクは宇宙悪魔タコス。この家の主だ。
キミたちが勝手に入ってきた以上、ボクの言うことを聞いてもらおう」
情報屋「い、言うことって?」
タコス「簡単なことだ。この契約書にサインしてくれればいいんだ」
情報屋「なんだ、そんなことか」
貧太「待った、それ悪魔の契約書じゃないか?」
情報屋「?」
キリヒト「オーマイゴッド」
貧太「前にそれでひどい目にあってるんだ。サインしちゃダメだよ」
情報屋「…」
タコス「ひどい目なんかに合わせやしないさ。さあ、この契約書にサインしてくれればいいんだよ」
貧太「やだ!悪魔なんかに魂を売ってたまるか!」
タコス「へへへへへへ」
情報屋「…」
キリヒト「神を裏切ることなど出来るわけありません」
タコス「分からない連中だな。今のままでは地球は滅びるのだ。
悪魔化して、ボクたちの言う通りにすれば平和は実現するのさ。
その証拠に、この宇宙虫は進化がとても早く、
キミたち人間が何万年もかけてやったことを、たった数時間でやってしまうんだ。
このまま人間たちだけで進んでいったら、どうなるのかキミたちの未来をよーく見てごらん」 悪魔くん「ん…んーん」
メフィスト2世「お目覚めかい?」
悪魔くん「あ、メフィスト2世。幽子も」
幽子「ふふふ」
悪魔くん「へへへ。寝ちゃったみたいだ」
幽子「悪魔くんにスタミナつけてもらおうと思って、ピクシーのつくった栄養ドリンク持ってきたの」
豆ユーレイたち「ファイト―いっぱーい」
幽子「ふふ」
悪魔くん「ありがとう。助かるよ。ごくごくごく」
メフィスト2世「ふふ」
幽子「ふふふ」
悪魔くん「はあ。魔界ではどうしてる?みんな元気かい?」
幽子「ええ、象人さんがお餅を食べすぎて寝ているだけで、あとはみんな元気よ」 悪魔くん「あははは。こうもり猫、僕と同じだな」
幽子「ふふふふ、ほんとね」
悪魔くん「ファウスト博士は?」
メフィスト2世「悪魔くんと一緒で書斎に閉じこもったきり、何か一生懸命研究してるから、
俺たちには覗かせてくれないよ」
百目「あち、あち、あちあち」
悪魔くん「?」
メフィスト2世「あ」
百目「あちー。お腹空いたと思ってカップラーメン持ってきたモン」
メフィスト2世「ラーメン。お、いただき」
百目「あ、あーあ。それ悪魔くんのだモン」
メフィスト2世「いいじゃないか」 貧太・情報屋・キリヒト「ひいい…」
弾道ミサイル『(ドカーン)』
タコス「どうだ。今のまま人間が自分たちの利益だけ求めていくと、終いにはこうなるのだ」
貧太「こんなの嘘だ!」
タコチューたち「わいわいがやがや」
タコス「このモノたちはあと一時間足らずで、ボクと同じまでに成長する。
そうなったらこの狭い家の中にはいられない。だからキミたちが必要なのだ」
貧太・情報屋・キリヒト「うわあー!」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています