なぜエヴァは成熟した大人にも楽しまれるのかpart19
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ここは、なぜエヴァを楽しむ成熟した大人が増えたのか?
または、なぜ幼稚な大人はエヴァを楽しめないのか?について意見の交流を行うスレです。
深夜アニメばかり見て精神退行した自分はエヴァを楽しめなくなったと嘆いて傷を舐め合うもよし、
エヴァが楽しめてる自分はまともな大人なんだな、という希望にすがるもよし
「いや深夜アニメ見てる奴にも人気あんじゃん」と叩かない範囲内でツッコミ入れるもよし
なぜエヴァは成熟した大人にも楽しまれるのかpart18
https://mao.5ch.net/....cgi/eva/1523754430/
の次スレとなります 以前に、「なぜエヴァを楽しめなくなった大人が増えたのか」スレが乱立し、
そこの旧スレ主が長文で必死に「エヴァが大人に楽しまれてない」という主張(と自称した妄想?)
を展開してました
しかし、議論が進むうちに、
・ネット限定の見識に依存した(旧スレ主の)狭隘な世界観、見識が露呈しただけの作文でしかない
・社会現象アニメであるエヴァと、ヲタ限定マーケットの深夜アニメの市場規模の違いという現実が見えてない
・幼稚な大人が深夜アニメに移っているので、深夜アニメが騒がれてるように見えるだけでは?
などの指摘により、旧スレ主の主張は次々に破綻、エヴァ板住人に完全論破された10スレ目を最後に、
新スレも立たなくなってしまいました
「なぜエヴァを楽しめなくなった大人が増えたのか」という旧スレ主の認識そのものが誤認でしかなかったと判断され、
議論じたいに意義が無くなってしまったのです
そこで、事実上の後継スレとなる当スレでは、
「なぜエヴァは成熟した大人にも楽しまれるのか」
という、より現実に即した視点からの議題を提示して、皆さんとの議論を深めたいと思います
それでは、どうぞ! 今となって読み返すと笑い話でしかありませんが・・・
「なぜエヴァを楽しめなくなった大人が増えたのか」スレの発端となった
旧スレ主の主張(と自称した妄想?)がこちら
エヴァの人気が下落してる?現象についての初代1の愚痴つーか考察
「庵野さん気持ちの良いエヴァ作ってくださいよ」
http://maguro.2ch.net/test/read.cgi/eva/1400609307/2-5
前スレは>>4-7 真吾「僕たちを待ち伏せていたのは、肖像画の美少女。
こうもり猫や百目、そしてメフィスト2世までもが罠に落ちてしまう。
老婆に化けた美少女の悲しみと怒りに、350年の秘密が隠されていた。
悪魔くん。肖像画に隠された美少女の秘密。
夢よ、届け君の心に」
『肖像画に隠された美少女の秘密』 真吾「エロイムエッサイム、我は求め訴えたり!」
<ナレーター>
人間に不幸を与える悪魔を退治するために、
一万年に一人現れるという悪魔くんが、
12人の仲間と力を合わせて今立ち上がった。 <ナレーター>
悪い悪魔に仕組まれた罠とも知らずに、
懸賞家族旅行に出かけた埋れ木一家と情報屋は、
幻の館と呼ばれる古びた洋館にやってきた。
コハル「ほんとに良い絵だわ」
茂「ああ」
コハル「見てるだけで涙が出ちゃう」
茂「やあ、俺も若い時は漫画家じゃなくて、こういう絵を描きたいと思っていたんだ」 <ナレーター>
一方、見えない学校から帰った真吾と百目は、
父親たちを追って、メフィスト2世と目的地へ急いでいた。
百目「早く。早くだモン、メフィスト2世」
メフィスト2世「ちぇ、特急並みのスピードで飛んでやってるんだぜ。
これでも文句あんのかよ!」
真吾・百目「わー!」 情報屋「ん、!…あなたはこの絵の」
茂「おお」
美少女「ようこそいらっしゃいました。私はこの幻の館の案内係です。どうぞこちらへ」
情報屋「び、美人。はは」 『しかばね湖。しかばね湖。10分間停車します』
百目「しかばね湖なんておっかない名前なんだモン」
メフィスト2世「ほんとにここでいいのか?」
真吾「うん。ホテルの車が迎えに来るはずなんだけど」
メフィスト2世「なら、いいけどさ」
真吾「あ、来たぞ!」
メフィスト2世「んぐ」
真吾「あれだ」 真吾・百目「う、うわー」
メフィスト2世「あたたた。もっとちゃんとした道はねえのか!?
こんなに揺れちゃ内臓の位置がずれちゃうよ」
タクシードライバー「ああ、お客さん。この辺りじゃこれが普通だべさ。おっと」
真吾「わー、痛い」
百目「うわー」 タクシードライバー「あんりゃー、故障だべさ」
メフィスト2世「な、なに」
百目「そんなのないモン」
タクシードライバー「いやあ、こりゃダメだ」
真吾「うそー」
タクシードライバー「そうだ。あそこで一休みしてったほうがええ」
真吾「えー」
タクシードライバー「ほら、あそこだってば」
メフィスト2世「どこどこ。あれか。へえ、ありゃ年代もんの館だぜ」
タクシードライバー「あれはうちのホテルでつくった幻の館っていうんだ。
中には見世物がたくさんあるで、ちょうどいいべさ」
メフィスト2世「そりゃいい。こんな窮屈なところにいたんじゃ敵わねえや。さ、行こうぜ」 タクシードライバー(魔火)「ひひひひひひ。幻の館へようこそ、悪魔くん」
メフィスト2世「なんかひんやりしてるぜ」
真吾「うん。それにしても静かだな。僕たちの他に誰も見物人がいないのかな」
百目「あ!」
真吾「…!」
百目「わあ!」
真吾「ああ!」
美少女「…」
真吾「…」 百目「鬼の目かと思ったモン」
メフィスト2世「バーカ。こんな美人が鬼のわけないじゃないか」
百目「あ、ほんとだモン」
美少女「ようこそ、幻の館へ。私が中をご案内させていただきます」
真吾「行こう、メフィスト2世。あ!」
百目「ああ!それ、このお姉さんだモン」
美少女「いいえ、違います」
メフィスト2世「だって、そっくりだぜ」
美少女「その絵は、悲しみの少女。題名通りに悲しい言い伝えがあるんです。
もっと面白いものをご覧にいれます」
百目「わーい、あはははは。ぎゃあ!」
真吾「どうした、百目!」 百目「わ…」
メフィスト2世「あ!」
真吾「これは…!」
百目「怖いんだモン。何に使うんだモン?」
真吾「拷問の…道具だよ」
(ドーン!)
百目「ぎゃあ!ぎゃあ!ぎゃあ!ひい…ここ、怖いんだモン」
メフィスト2世「へへ、この音を聞くとわくわくするぜ」
真吾「雷が落ちたな。近くらしいぞ」 真吾「(あ…!エツ子だ!迎えにきてくれたんだ!
あれ、おかしいな。確かにエツ子がここで。ん?
あれはやっぱりエツ子だったんだ!)」 美少女「あの絵にまつわる悲しいお話というのは、
今から350年前ほど前の中世のヨーロッパで起こったことなんです。
さ、どうぞ」
メフィスト2世「いいねー。俺そういう話大好きさ」
美少女「あの頃、魔女狩りという悲しい出来事があちこちで起こりました」
百目「魔女狩りってなんだモン?」
美少女「魔女だって訴えられた人を残酷な拷問にあわせたんです。
ここにあるのはその時の道具なんです」 美少女「訴えられた人は裁判にかけられ、本当に魔女だと判決が下ると、火あぶりにされたんです」
百目「残酷だモン」
メフィスト2世「ひでえ人間もいたもんだぜ」
美少女「もちろんでたらめでした。あの絵の少女も、無実の罪で訴えられて、うう…」
メフィスト2世・百目「…」
美少女「彼女を恋人から横取りしようとして失敗した男が、逆恨みで魔女だって訴えたのです。
当然彼女は違うと主張したのですが聞き入れられず、裁判で有罪を宣告されて、
恋人の前で火あぶりにされてしまったのです。ううう…」
百目「可哀想だモン…うう…」
美少女「ああ…悲しいお話でしょう?」
百目「うん、とっても悲しいモン。悲しくて悲しくてなんだかとっても眠くなってきたモン」
メフィスト2世「お、お、俺もだ。超特急で飛んできた疲れが」
(バタッ)
メフィスト2世・百目「ZZzzz…」
美少女「あ!ふふふふふふ」 真吾「エツ子ー!おい、エツ子ー!
(どこ行っちゃったんだ。こんな雨の中にいたら風邪ひいちゃうのに)」 美少女「ふふふふふ。
ふふふふふふ。憎い人間どもに味方する悪魔なんか、永久に眠り続ければいいんだわ」
魔火A「そう、人間どもは無実のお前を拷問にかけ火あぶりにして殺した」
魔火B「思いだせ。よーく思い出せ。愛しの恋人の前で」
魔火C「真っ赤な炎に包まれた」
魔火D「あの憎しみを。恨みを」
魔火たち「思い出せ。思い出すんだ。思い出すんだー!」
美少女「ぎゃー!ぎゃあー!
ああ、いやあ」
魔火A「憎め、憎め、人間たちを。その力が350年を経て、お前をあの絵の中から蘇らせたのだ」
魔火B「憎い憎い人間どもから悲しみの霊魂を集めるのだ」
魔火C「それがクエレブレ様への」
魔火D「最高の献上品だ」 真吾「エツ子、どこだー!変だなあ…。
わ、うわあ!しまった!底なし沼だ!助けてくれ!誰か助けてくれー!」 真吾「う、い、痛って。こ、ここは…。
(ん?霊気を感じるぞ)…風だ。あ!風が呼んでる。な、何だろう?」 真吾「あ!父さん!母さん!エツ子!あ、情報屋も。一体誰がこんなことを」
美少女「ふふふふふふ」
真吾「!」
美少女「ふふふふ」
真吾「あ、あなたは」
美少女「この人間たちは霊魂を抜き取って、絵の中に封じ込めてあるのよ」
真吾「霊魂を抜き取って!?なんでそんなひどいことをするんだ!」
美少女「ひどい?ふふふ。それじゃあ無実の罪の者を拷問にかけて、火あぶりにすることはひどくないとでもいうの?」
真吾「何のことだ、一体」
美少女「350年の間、私は恨みと憎しみを持ったまま絵の中で生きてきたのよ。
この人たちも同じよ。永遠に絵の中で悲しみの涙を流し続ければいいんだ」
真吾「そんな、そんなむごいこと!」 真吾「父さん!母さん!エツ子!」
美少女「おほほほほほ。いい気味だわ。悲しむがいい、泣くがいい。そしてあなたがその額の中に入るのよ、悪魔くん」
真吾「ど、どうして僕の名を」
美少女「ふふふふ。私は魔女の噂を立てられ、恋人の前で火あぶりにされた瞬間から、
彼が描いてくれたあの絵の中で生きてきた」
真吾「あの絵だって?(あ!いつの間にここへ)」
美少女「彼は生きている間いつも私をそばに置いてくれたわ。だけど、彼が死んでからはずっとひとりぼっち。
私をこんな目に遭わせた人間たちに対する憎しみだけが募っていったの」
真吾「違う!」
美少女「何が違うの」
真吾「確かに魔女狩りは人間と悪魔の間に起こった悲しい出来事だったけど、
人間と悪魔は本当は友達として、うまくやっていかなければいけないんだ!」
美少女「そんな甘いことで長い年月苦しんできた私の憎しみは消せないわ。だから復讐してやる」
真吾「ちょっと待ってよ。そういうあなたのやってることは魔女狩りと同じじゃないか!
何の罪もない人たちをこんな目に遭わせるなんて」
美少女「!」
真吾「目を覚ますんだ!」 魔火A「やばい」
魔火B「ええい、面倒だ」
美少女「きゃー!」
真吾「ああ」
鬼婆「…」
真吾「(これは普通じゃない。この人は悪い悪魔に操られている)」
鬼婆「構うもんか。さあ、悲しんで泣け喚け。あの日の私のように苦しむがいい。
この者たちはもう二度と元にへは戻らないんだ」
真吾「許さないぞ。出てこい、彼女を操る悪い悪魔め。隠れてないで出てこい!」 鬼婆「お前に何が出来る!あれを見ろ!」
真吾「あ!どうしてこうもり猫まで。火のタロットカード、頼む!たあ!」
(ドンッ)
真吾「大丈夫か、こうもり猫」
こうもり猫「あ、痛い。ちょっと、もう少し優しい助け出し方ってあるでげしょ」
真吾「しっかりしろ、メフィスト2世。百目!目を覚ますんだ!」
こうもり猫「ダメダメ。薬を飲まされたんだ。ちっとやそっとじゃ起きやしませんよ。
それより早く足の縄をほどいてくださいよー!」
鬼婆「てやあ!」
こうもり猫「危ない!」
真吾「わあ!こうもり猫!」
こうもり猫「わ、ありがてえ。手間が省けたぜ。お?」
鬼婆「くそー」
こうもり猫「おっと、鎖婆」
真吾「どうしてお前がここにいるんだ」
こうもり猫「へへへ。元々あの絵はあっしの先祖がヨーロッパに住んでいた屋敷にあったものなんです。それでね」
真吾・こうもり猫「!」
こうもり猫「やいやい腐ったの。さっきはちっとばっかし油断したが、今度はそうはいかないぜ。(ピュー)」 こうもりたち「(バサバサバサバサ)」
鬼婆「ん?」
こうもり猫「いいか?お前たち。悪魔くん大先生をお守りするんだ。気ぃ入れてやれよ」
こうもりたち「(バサバサバサバサ)」
こうもり猫「さあ、悪魔くん。今のうちでやんすよ」
真吾「…」
鬼婆「たあ!」
(バタッ)
こうもり「…」
魔火A「いいぞ、いいぞ。さすが350年たまった憎しみのヘドロだ」
こうもり猫「やばい。まだですかい?大先生」
真吾「エロイムエッサイム、エロイムエッサイム。我は求め訴えたり!出でよ、第5使徒ピクシー!」 青ピクシー・赤ピクシー「ピッ」
真吾「ピクシー、薬草でメフィスト2世と百目を目覚めさせるんだ」
青ピクシー・赤ピクシー「おまかせピクシー」
鬼婆「たあ!」
(バタッ)
こうもり「…」
(バタッ)
こうもり「…」
真吾「あ!まだかピクシー!」
こうもり猫「早くしてくれよ!早く」
赤ピクシー「魔界唐辛子と木の根のわさびと」
青ピクシー「早起きニワトリの卵であえる」
赤ピクシー「隠し味には真夏のハチミツ少々」
青ピクシー・赤ピクシー「これでピックシ出来上がり!」
百目「うわあ!」
メフィスト2世「ぎゃあ、まずい。ぺっ、ぺっ。もう何飲ませやがった」
百目「あ?変なおばあさんが二人も三人もいるモン」
メフィスト2世「どうやらこいつがさっきの美少女の成れの果てらしいな」 メフィスト2世「いくぞ、とりゃあ!」
鬼婆「てやあ!」
真吾「メフィスト2世!そいつの吐くヘドロに気を付けろ!」
メフィスト2世「ん、ヘドロ?」
鬼婆「たあ!」
メフィスト2世「わあ」
魔火A・B「おっと」
鬼婆「たあ!」
メフィスト2世「魔力、返し!」
鬼婆「ぎゃあ!ぎゃあ…」 メフィスト2世「とどめだー!」
真吾・こうもり猫「やめろ!」
メフィスト2世「?」
真吾「悪いのはこの人じゃないんだ」
こうもり猫「そうとも。これには深い訳があるんだよ」
メフィスト2世「え?…!」
百目「お姉さんの絵が大変なんだモン」
真吾「ああ」
肖像画の美少女「一目会いたい…ああ、フランク」
こうもり猫「フランク?そうか。この絵を描いた恋人のことだ。なあ、恋人に会わせてやれば」
真吾「なるほど。いいところに気がついたぞ、こうもり猫」 真吾「エロイムエッサイム、エロイムエッサイム。我は求め訴えたり!出でよ、第11使徒サシペレレ!」
サシペレレ「悪魔くん、僕に用かい?」
真吾「すぐこの絵の恋人に変身して欲しいんだ」
サシペレレ「うん」
こうもり猫「早く。早くしねえと」
真吾・百目「あ。わあ!」
メフィスト2世「なんだ!」
フランク(サシペレレ)「…」
肖像画の美少女「…」
コハル「ああ!」
茂「ああ」
情報屋「う」
男性A「いて」 こうもり猫「それじゃあ、あっしはこれで」
真吾「その絵、元の屋敷に戻すのかい?」
こうもり猫「へっへへへ。いやあね、恋人のお墓を探してそこに置いてやろうってね」
真吾「そうだね。その方が絵も喜ぶよ」
こうもり猫「あばよ」
百目「こうもり猫も今回はまともだったモン」
こうもり猫「わ、危ない。危ない。わー!わー!」
(ドシンッ)
真吾・メフィスト2世・百目「あははははは、ははははは」
百目「あ、幻の館が」
真吾・メフィスト2世「!」
メフィスト2世「幻の館はその名の通り、すべて幻だったのか」
真吾「うん、あの絵の少女もこうもり猫の言葉を聞いて安心したんだろ」
メフィスト2世「そうだな」
真吾「うん。それにしても、一体誰があの肖像画を操ったんだろう」 魔火A「悪魔くんは想像以上に手強いぞ」
魔火B「このまま帰ったらガハハ3人組の二の舞だ」
魔火A「こうなったら最後の手段だ。この次こそ悪魔くんをやっつけてやる」 店長「おお、忙しい、忙しい。どうしてこんなにお客様が急に来たんだろう」
コハル「(もぐもぐ)」
真吾「(あーあ、騙されて連れてこられたとも知らないで、あとでちゃんとお金取られちゃうのに)」
コハル「さーて、食べたら皆で遊覧船に乗るわよ。今日一日たっぷり遊びましょうね。
なんてったってぜーんぶタダなんだから」
真吾・メフィスト2世・百目「はあー」
コハル「何やってんのあんたたち。それいけー」 真吾「貧太くんが、魔法陣で7000年の眠りからマンダラケを呼び起こしてしまった。
そして悪魔たちの思うがままに、操られてしまうんだ。
でもそのおかげで、僕たちを襲っていた魔火の正体をやっと突き止めることが出来たんだ。
悪魔くん。心のすき間を悪魔が笑う。
夢よ、届け君の心に」
『心のすき間を悪魔が笑う』 真吾「エロイムエッサイム、我は求め訴えたり!」
<ナレーター>
人間に不幸を与える悪魔を退治するために、
一万年に一人現れるという悪魔くんが、
12人の仲間と力を合わせて今立ち上がった。 貧太「っ…」
同級生A「へへ、オンボロ自転車ー!へへーんだ」
貧太「(くそー)」 貧太「ねえ、父さん」
貧太の父「ん?」
貧太「新しい自転車買ってよ。こんな自転車がかっこ悪くて今度のロードレース大会に出られやしないよ」
貧太の父「そう言うなよ。父さんだって辛抱してこのゴルフクラブ10年も使ってんだぞ」
(ポキッ)
貧太の父「ありゃ」
貧太「あー」
貧太の父「新しいの買って欲しいのはこっちのほうだよ。おい、母さん」
貧太の母「だーめ。お給料も上がらないのになに贅沢言ってんの。
だいたい万年平社員のくせにゴルフなんてやる方が間違ってるんだわ」
貧太「母さん、僕の自転車」
貧太の母「貧太。あなたもしっかり勉強しておかないと、お給料の沢山もらえる会社に入れないのよ。
自転車ごっこなんてやってる場合じゃないでしょ。1に勉強、2に勉強なのよ」
貧太「ちぇ、いつもこうなんだから。母さんのケチ!もう頼まないよ!」
貧太の母「貧太!」 貧太「(母さんは年中ガミガミうるさいばかりで、僕の気持ちなんかちっとも分かってくれないんだから。
あーあ、僕の人生お先真っ暗だ)」
老紳士「私でよかったら力になってあげるよ」
貧太「え?おじいさんは?」
老紳士「君たち子どもの味方さ。にひひひひ」 貧太「ほんとに僕でも悪魔を呼び出せるの?」
老紳士「もちろんさ。力になってあげるって言ったはずだよ」
貧太「だけど大丈夫かなあ。悪魔くんに相談もせずにこんなことして」
老紳士「君は自転車が欲しかったんじゃないのかい?
だったら君の頼みを聞いてくれる悪魔を出せばいいだけのことさ」
貧太「うーん、でも…」
老紳士「いやなら別に構わないが」
貧太「ほんとに僕の頼みを聞いてくれるんだね?」
老紳士「そうだよ。これでよしと。さ、私の言う通りにするだけでいいんだよ」
貧太「うん」
老紳士「◎△$♪×¥○&%#?!」 老紳士「悪魔よ。目覚めよ。我が友になりたまえ」
貧太「悪魔よ。目覚めよ。我が友になりたまえ」
老紳士「シラース、マンダラケ!」
貧太「こ、これがマンダラケ!?」
マンダラケ「ご主人様、あなたの望む3つの願い、叶えてご覧にいれましょう」
貧太「み、3つ」
老紳士「良かったな、貧太くん。だが、このことは誰にも話してはダメだよ」
貧太「う、うん。3つの願いか。いててて」
老紳士「へへへへへへ」
魔火「へへへへへへ。上手くいきましたね」
老紳士「マンダラケを呼び出すには、人を恨んだり、不平不満を持つ人間のエネルギーが必要なんだ。
この地上にはそんな人間は吐いて捨てるほどいるからな」
老紳士「へへへへへへ」
魔火たち「ぐへへへへへへ」
マンダラケ「一体何者だ、お前たちは」
老紳士「へへへへ。我々はクエレブレ様の命令で動いてる者だ」
マンダラケ「何?クエレブレ様の?」
老紳士「マンダラケよ。7000年の眠りから目覚めさせてやった代わりに、
お前はあの子を利用し、悪魔くんをやっつけてもらいたい」
マンダラケ「面白そうだな」 先生「さあ皆、しっかり頑張ってね!」
真吾「参ったなあ。最近勉強する暇ないんだもんなあ。あ、ねえ、百目」
百目「いくら12使徒でもテストまで協力できないモン」
真吾「あ、ずるい!百目!」
百目「だって見えちゃうんだモン」
真吾「だったら見なきゃいいだろ」
先生「静かになさい。真吾くん」
真吾「はーい」 貧太「うーん、参ったなあ。今日テストあることすっかり忘れてたよ。全然分かんないや。
(いいなあ、キリヒトくんはすらすら出来て。また点数悪いと母さんがうるさいんだよなあ。
自転車は欲しいし、点数は取れないし)くそー、なんとかならないかなこのテスト」
マンダラケ「…」
貧太「あ、あれれれれ(どんどん答えが出てくる。そうか、マンダラケが僕の願いを聞いてくれたんだ。
嘘じゃなかったんだ!)」 先生「はーい、それでは答案を返します。
埋れ木真吾くん」
真吾「はーい」
先生「50点」
真吾「えー」
先生「百目くん」
百目「はいだモン」
先生「51点」
百目「わーい。悪魔くんに勝ったモン。勝ったモン」
クラスメイト「あははは」「すごーい」
先生「キリヒトくん」
キリヒト「はい」
先生「95点。貧太くん」
貧太「はい」
先生「なんと100点満点」
貧太「100…!」
クラスメイト「わーわー」
百目「すごいんだモン」
貧太「どうも、どうも」
真吾「やったなあ、貧太くん」
キリヒト「僕が貧太くんに負けた。神様、奇跡って本当にあるんですね」
貧太「やったぞ、100点満点だ」
百目「ボクは51点だモン」 真吾「今日はびっくりしたよ。100点なんて僕も一度でいいからとってみたいな」
貧太「なーに、簡単さ。だって(いけねいけね)」
真吾「ん?」
女の子A「百目ちゃん、今度私と一緒にテストの勉強しようね」
百目「うんだモン」
女の子B「百目ちゃんとなら勉強しててもきっと楽しいに違いないわ」
百目「モンモン」
真吾「相変わらず百目はモテるな」
貧太「(いいなあ。僕だって女の子にモテたいなあ)」
マンダラケ「…」
女の子たち「あ」
女の子A「貧太さん、私が掃除当番代わってあげる」
女の子B「やーだー。私に貸してよ」
女の子C「私よ」
貧太「まあまあ、喧嘩はよしたまえ。あははははは」
百目「え」
真吾「ええ」
女の子C「そうだ、お掃除は真吾くんと百目ちゃんにやってもらって、私たちと遊ぼう」
女の子A・B「そうしよう、そうしよう」
貧太「あははははは。悪いな、悪魔くん」
真吾「あ…」
貧太「(悪魔くんだってなにも好き好んで苦労ばかりしないで、こうやって悪魔を使えば得するのに。へへへへへ)」
百目「貧太くんが女の子にモテたの初めて見たモン」
真吾「僕もだ。まるで百目の魔法みたい」
百目「?」 貧太「てってれれっと。女の子にモテたぞ、モテたぞ、はははははー。
母さーん!母さーん!」 貧太「へへへへへ」
貧太の母「ひゃ、100点」
貧太「へへへへ。自転車買ってくれる?」
貧太の母「貧太、あなたまさかカンニングしたんじゃないでしょうね」
貧太「え、ええ?」
貧太の母「だって自転車の練習ばかりして、ちっとも勉強なんかしてなかったじゃない。なのに100点だなんて」
貧太「カンニングなんかするもんか!ただ、その…」
貧太の母「ただなんなの?母さんはね、
あなたがずるいことして100点取っても嬉しくともなんともないんですからね。分かってんの?」
貧太「自転車買ってくれないならもういいよ。僕には最後の切り札があるんだから」
貧太の母「何を訳の分からないことを言ってるの。貧太、正直に言いなさい」
貧太「うっさいなあ」
貧太の母「なんですか!母さんに向かってうるさいだなんて!もう一度言ってごらんなさい!」
貧太「うるさいからうるさいって言ったんだよ!母さんなんか、母さんなんか(いなくなっちゃえばいいんだ)」」
マンダラケ「…」
貧太の母「ぎゃあー!」
貧太「母さん!しまった!違うんだ、マンダラケ!待ってくれ!
母さんが消えた」 貧太「ああ!」
マンダラケ「ご主人様、これで約束通り3つの願いを叶えてさしあげた」
貧太「違うんだ。本気で言ったんじゃないんだ。か、母さんはどこだ!母さんを返せ!返してくれよ!マンダラケー!」
マンダラケ「はははははは。約束通りお前の願いは全て叶えてやったのだ。さあ、今度はお前が私の言うことを聞く番だ」
貧太「な、何をする気だ」
マンダラケ「はははははは」
貧太「…」
マンダラケ「ふふふふふ」
貧太「!」
マンダラケ「はははははは」
貧太「うわあー!」 茂「よいしょっ。ん?やあ、貧太くん。ひ、貧太くん?」
貧太「…」 コハル「さあ、遠慮せずに真吾の分までうんとおあがりなさい」
メフィスト2世「はーい、いただきまーす!」
エツ子「いつもラーメンばかりだと、栄養が偏っちゃうのよ。メフィスト2世さん」
百目「ふふふ。まるでメフィスト2世のお母さんが二人いるみたいだモン」
コハル・エツ子・百目「あはははははは」
茂「おや、真吾は晩ご飯抜きでまた悪魔の勉強かい?」
エツ子「ううん、貧太さんから電話があって、慌てて飛び出してっちゃったの」
メフィスト2世「俺も一緒に行くって言ったんだけど、どうしても一人で行くって」
百目「ああ、貧太くん今日学校で100点取ったから、家できっとパーティやってるんだモン」
コハル「まあ、100点」
エツ子「すごーい。貧太さんの嬉しそうな顔が目に浮かぶわ」
茂「おかしいな」
エツ子「ん?何が?」
百目「どうしたの?パパさん」
茂「さっき貧太くんを見かけたんだが、まるで元気がなくて体の具合でも悪いんじゃないかって心配してたんだが」
エツ子「反対よ」
茂「ん?」
エツ子「嬉しすぎてポーっとなっちゃってんのよ。夢見心地なんだわ、きっと」
茂「そ、そうだよな。ははは」
コハル「ふふ、そうですよ」
メフィスト2世「はは」
百目「うーん」
茂「?」
メフィスト2世「ど、どうしたんだ?百目」
百目「なんかいやな予感がするんだモン」 真吾「ん?」
貧太「…」
真吾「やあ、貧太くん。どうしたんだい?こんなところへ呼び出したりして」
貧太「一人で来たんだろうね、悪魔くん」
真吾「だって、君がそう言うから」
貧太「ふふ」 貧太の父「パーティなんて冗談じゃない。
それより、いくら探しても、貧太と母さんがどこにもいないんだよ」
メフィスト2世「え?」 百目「やっぱり何かあったんだモン」
メフィスト2世「よし、悪魔くんを探すんだ!」 貧太「ふふふふふふ」
真吾「ひ、貧太くん、どうしたんだよ。一体」
貧太「ふふふふ」
(バタッ)
真吾「ひ…!」
マンダラケ「…」
真吾「あ、お前はマンダラケ。でも、なぜ地下に眠ってるはずのお前が」
マンダラケ「その子が呼び出してくれたのさ」
真吾「ひ、貧太くんが?」
貧太「あ、悪魔くん…僕のお母さんを、た、助けて…」
マンダラケ「ふっ、人間どもの魂は俺の餌だからな」 マンダラケ「ふふふふ、次はお前の番だ。悪魔くん」
真吾「わあ!メフィスト2世!百目!わあ!」
百目「悪魔くん!」
マンダラケ「お前たちもついでに始末してやる!」
メフィスト2世「百目、あいつの目玉を閉じさせるんだ!」
百目「分かったモン」
マンダラケ「…」
百目「ポーン!」
(ピカーッ)
マンダラケ「うお」
メフィスト2世「くらえ!魔力、電撃!」
マンダラケ「うわあ」
メフィスト2世「へへへ、どんなもんだい」
マンダラケ「…」
(ビッー!)
メフィスト2世「魔力、防御バリア!く、くそう。バリアが破られる」
百目「悪魔くん、悪魔くん!
真吾「う…。あ!」
百目「早く、早くだモン」
真吾「メフィスト2世たちが危ない!よし!」 百目「悪魔くん!」
真吾「エロイムエッサイム、エロイムエッサイム。我は求め訴えたり!出でよ、第4使徒幽子!」
幽子「どうしたの?悪魔くん」
真吾「君の照魔鏡でマンダラケの魔力を奪うんだ!」
幽子「!」 メフィスト2世「百目!」
(ビッー!)
マンダラケ「体が引きちぎれるまで痺れるがいい」
真吾「マンダラケ、僕が相手だ!」
マンダラケ「望むところだ!」
メフィスト2世「危ない、悪魔くん!」
(ビッー!)
真吾「幽子、今だ!」
幽子「…っ」
マンダラケ「なに!俺の魔力を吸い取る気か。そうはさせるか!」
真吾「幽子!」
幽子「…っ」
豆ユーレイたち「頑張れ、頑張れ、幽子ちゃん」
老紳士(魔火)「くそう、小娘が余計なことを。とう!やっつけろ!」
真吾「あれは魔火!てい!とりゃあ!」
メフィスト2世「やろー!てやあ!」
魔火「ぎゃあ!」
真吾「あと少しだ。頑張ってくれ、幽子」 真吾「エロイムエッサイム、エロイムエッサイム。我は求め訴えたり!出でよ、第2使徒、ユルグ!」
ユルグ「オレ様は忙しいんだ。手っ取り早く要件を言ってくれ」
真吾「ユルグ。君の狐火で、魔火の炎を消すんだ」
ユルグ「よーし、お安い御用さ。オーエッサムコーン!」
魔火たち「ぎゃああー!」
幽子「きゃあっ」
メフィスト2世「幽子!幽子しっかりしろ」
真吾「よく頑張ったぞ、幽子。マンダラケは魔力を吸いとられて弱ってる。
百目、もう一度マンダラケの目を狙うんだ」
百目「分かったモン」 メフィスト2世「よし、それと共同作戦だ」
マンダラケ「生意気な小僧め」
百目「ポンッ!」
メフィスト2世「魔力、細胞巨大!」
マンダラケ「う、うわー!苦しいー!」
真吾「やったぞ!」
マンダラケ「う、おお」
メフィスト2世「へへ。これがほんとの目には目をってやつだな。悪魔くん」
真吾「マンダラケ。君が貧太くんのお母さんを返し、再び地下でおとなしく眠ると約束するなら、助けてやる」
マンダラケ「分かった。俺の負けだ、悪魔くん」
真吾「もう二度と悪さをしないね?」
マンダラケ「絶対にしない」
真吾・メフィスト2世「!」 貧太「…。あ!あ!か、母さん!母さんしっかりして!」
メフィスト2世「大丈夫、気を失っているだけだよ」
真吾「心配ないよ。貧太くん」
貧太「ごめんね、母さん。うう…」
メフィスト2世「よかったな、貧太くん」 真吾「そうか。君たちはクエレブレに魔火の姿に変えられていたのか」
黒小人A「悪魔くんをやっつければ、元の姿に戻してくれるって」
黒小人B「失敗したら殺されるんだ」
黒小人C「俺たちは別に悪魔くんに恨みがあった訳じゃないんだ。信じてくれよ」
メフィスト2世「けっ、そんな言い訳は通用しねえぜ。とっとと観念しやがれ」
真吾「待て、メフィスト2世」
メフィスト2世「え?」
真吾「悪いのはクエレブレなんだ。最近僕たちを狙った悪魔や、マンダラケ。
そしてこの黒小人たちは、利用されただけなんだ。いわば被害者なんだよ」
メフィスト2世「もう甘いんだから、悪魔くんは」
真吾「へへ。君たちの故郷はヨーロッパだったね。メフィスト2世、ついでに黒小人たちを返してやってくれないか」
メフィスト2世「命拾いしたな、黒小人。こうなりゃ出血大サービスだ」
幽子「でもメフィスト2世さん。怪我は大丈夫?」
メフィスト2世「へっ、こんなかすり傷どうってことねえよ」
百目「幽子ちゃんて、やけにメフィスト2世のこと心配するんだモン。変だモン」
幽子「そ、そんなこと」
豆ユーレイ「熱い熱い初恋なのかしらー」
幽子「恥ずかしい、やめて」 幽子「気をつけてね。メフィスト2世さん」
真吾「(クエレブレは、きっとファウスト博士の言っていた巨大な悪と関係があるに違いない)
良かったね、貧太くん」
貧太「ありがとう、悪魔くん」
真吾「うん」 貧太の父「心配したぞ!二人ともどこ行ってたんだ!」
貧太の母「それがおかしいの。たしか貧太が帰ってきて気がついたら、そこでおんぶされてたのよ」
貧太「じゃあ、100点のことも覚えてないんだね」
貧太の母「100点?」
貧太「な、何でもないよ。気にしない。気にしない」
貧太の父「ああそりゃそうと貧太、自転車だが」
貧太「もういいよ、父さん」
貧太の父「ああ違うんだ。父さんが腕によりをかけて修理したんだよ」
貧太「え、父さんが?」 貧太「うひゃあー!随分派手だなあ。でも、ロードレースはこの自転車で頑張る。要は実力なんだもん。
ありがとう、父さん」
貧太の父「なーに、父さんもばりばり働いて新しい自転車の一台や二台買ってやるぞ」
貧太の母「あら、その時私もネックレス買ってもらおうかしら。前々から欲しかったの」
貧太の父「いやあ、母さんはおしゃれなんかしなくたって、今のまんまで十分綺麗だから」
貧太の母「まあ、あなたったらごまかして」
貧太の父「い、いや。ははははは」
貧太の母「ふふふふふふ」
貧太の父「はは、はははは。ごまかしちゃったよ」
貧太「(僕は自転車欲しさに悪魔に魂まで売ろうとしたんだ。
ごめんよ、悪魔くん。君がいつも言ってるように、本当に悪いのは悪魔じゃなくて、
やきもちを妬いたり、妬んだりする心なんだね。ごめんね、父さん。母さん)」
真吾・百目「ふふふふふ」 東嶽大帝「クエレブレ」
クエレブレ「ははあ。今度こそ必ずこのクエレブレ自らの手で、悪魔くんの息の根を止めてみせます。東嶽大帝様」
東嶽大帝「しばし、待つがよい」
クエレブレ「は?」
東嶽大帝「お前が手を下す前に、間もなく地獄界より面白いことが起こりそうじゃ。
今度は悪魔くんもただでは済むまいて。ふははははは」
クエレブレ「地獄界…」
東嶽大帝「ふははははは。ははははははは」 真吾「天の岩戸に閉じ込められた小豆とぎと油すましが、
超怪物なんじゃもんじゃを誕生させて僕たちを襲ってくる。
情報屋と、そして僕が石にされてしまうんだ。
地獄から蘇った妖怪たちの目的は一体なんなんだ。
悪魔くん。絶体絶命!超怪物なんじゃもんじゃ。
夢よ、届け君の心に」
『絶体絶命!超怪物なんじゃもんじゃ』 真吾「エロイムエッサイム、我は求め訴えたり!」
<ナレーター>
人間に不幸を与える悪魔を退治するために、
一万年に一人現れるという悪魔くんが、
12人の仲間と力を合わせて今立ち上がった。 クエレブレ「地獄界でございますか」
東嶽大帝「ふふふふふ。見ているがいい。
地獄界を悪魔界を巻き込んだ大騒動が起こるはずじゃ。はははははは」 百目「ZZZ…」
(油すまし「百目、百目。百目、百目。
パパだよ。百目、百目。パパだよ」
百目「パパ。ボクのパパ。パパー。どこにいるんだモン」
油すまし「ここだ、百目」
百目「パパ」
油すまし「ここだ。ここにいるんだよ、百目」
百目「パパ、どこにいるんだモン」
油すまし「ダメだ。このままではお前と会えない」
百目「どうすればいいんだモン」
油すまし「魔法陣の数字の順番を替えるんだ。4と5を入れ替えれば、
次に悪魔くんが12使徒を呼び出した時に、わしも出て行かれる」
百目「ほんと?ほんとだモンね」
油すまし「ああ、本当だとも。いいか?魔法陣の4と5を入れ替えるんだぞ」
百目「あ、パパー。パパー!待ってだモン。パパー!パパー!」)
真吾「あ。いって。いって。?」
百目「パパ…」
真吾「またパパの夢を見てるのか。はーあ」
油すまし「これでいいわい。なんじゃもんじゃを誕生させるためには悪魔くんの呼び出す魔物が必要なのだ。
上手くやれよ。百目」 百目「えっと。…あ」
(「魔法陣の4と5を入れ替えるのだ。そうすればお前に会える」)
百目「できた。はは。パパ」 情報屋「うーん、違うなあ」
貧太「本当にこんなところに珍しい鳥がいるの?」
情報屋「極秘の情報を手に入れたんだ。今まで見たこともない鳥がこの山にいるって。
そいつの写真を撮ると俺さまも有名人ってわけ。お?なんだあの鳥は。よーし、特ダネだ!」
貧太「おーい、待ってくれー!」
小豆とぎ「しめしめ。噂につられて悪魔くんの仲間がやってきたぞ」 情報屋「あー、疲れた。おかしいな。珍しい鳥どころかスズメ一匹いないぞ。ん?ついに出てきたか?うう、なんだ!
う、うわー!助けてくれー!」
貧太「情報屋?どうしたー!」
情報屋「た、助けてー!」
貧太「情報屋!どこにいるんだー!」
情報屋「うわー!勘弁してくれー!」
タコ足怪物「(もぐもぐ)」
小豆とぎ「こらこら、そいつを食べちゃいかん。この壺の中へ入れるからよこすんだ」
タコ足怪物「ぺっ」
小豆とぎ「ほい。いっちょあがり」
貧太「情報屋ー!どこなんだよー!うわーー!いてて。お?なんだ?この石は。
じょ、情報屋!おい!情報屋!起きろよ。おい!」
(ガサガサ)
貧太「ひ、ひ、ひっ…うわー!情報屋!う、うわ」
油すまし「上手くいったぞ。これで悪魔くんは魔法陣を使うことじゃろ」
小豆とぎ「我ら妖怪では魔法陣に近づくことは出来んからのう」 百目「コチンコチンだモン」
メフィスト2世「どうも生気を吸い取られちまったみたいだぜ」
真吾「うん。ピクシーに治療させてみよう」
百目「…」
真吾「薬草で治せるかもしれない。エロイムエッサイム、エロイムエッサイム…」
百目「…っ」
真吾・百目「あ」
真吾「なんだ?」
貧太「あ、入り口が!」
真吾「あ!」
メフィスト2世「な、なんだこいつ」
タコ足怪物「…」
真吾「う、うわ。危ない!」
百目「悪魔くん助けてだモン!」
真吾「百目!」
百目「うわー、食べられちゃうモン!」
メフィスト2世「魔力、カットのこぎり!」
百目「うわ!うわー」
真吾「百目!」
メフィスト2世「魔力、イナズマ攻撃!うわあ、ダメだ!俺一人じゃ持ちこたえられねえ。洞窟の中へ一旦退却だ!」
真吾・貧太・百目「うわ!」
メフィスト2世「悪魔くん、ここで時間稼ぎしてっから、家獣でも呼び出して来いよ」
真吾「分かった」 真吾「エロイムエッサイム、エロイムエッサイム。我は求め訴えたり!」
百目「…」
真吾「出でよ、家獣!ん?なんか変だぞ」
メフィスト2世「な、なんだ。火事か?」
真吾「分からない。何がどうなったんだ」
百目「(パパ…)」
真吾・貧太「うわ!」
百目「ん?ああ!」
真吾「こ、こいつは確か顔面獣という魔物だ!うわあ!」
顔面獣「お前だな。わしを呼び出したのは」
真吾「な、なにかの間違いなんだ。ぼ、僕は、12使徒を呼び出そうとしたんだ」
顔面獣「なに!?勝手にわしを呼び出しておいて。間違いで済むと思うか」
真吾「うわー!」
百目「やめろモン!」
顔面獣「食べるんだったらボクの方にしてくれモン。ボクのが美味しいんだモン」
真吾「百目!」
顔面獣「ええい!うるさい、チビ!」
メフィスト2世「うわ!」 (シュルシュル)
顔面獣「ん?なんじゃこりゃ」
真吾「うわ!」
百目「悪魔くん!」 真吾「エロイムエッサイム、エロイムエッサイム。我は求め訴えたり!」
百目「…」
真吾「出でよ、家獣!ん?なんか変だぞ」
メフィスト2世「な、なんだ。火事か?」
真吾「分からない。何がどうなったんだ」
百目「(パパ…)」
真吾・貧太「うわ!」
百目「ん?ああ!」
真吾「こ、こいつは確か顔面獣という魔物だ!うわあ!」
顔面獣「お前だな。わしを呼び出したのは」
真吾「な、なにかの間違いなんだ。ぼ、僕は、12使徒を呼び出そうとしたんだ」
顔面獣「なに!?勝手にわしを呼び出しておいて。間違いで済むと思うか」
真吾「うわー!」
百目「やめろモン!食べるんだったらボクの方にしてくれモン。ボクのが美味しいんだモン」
真吾「百目!」
顔面獣「ええい!うるさい、チビ!」
メフィスト2世「うわ!」
(シュルシュル)
顔面獣「ん?なんじゃこりゃ」
真吾「うわ!」
百目「悪魔くん!」 メフィスト2世「なんだってあんな化け物を呼び出しちまったんだ?」
真吾「それが分からないんだ」
百目「ボクが悪いんだモン」
真吾「え?」
メフィスト2世「あ?」
百目「…」
顔面獣「うがあ」
タコ足怪物「…」 メフィスト2世「なんだと!魔法陣の4と5の数字を入れ替えただと!なんてバカなことをしたんだ!」
百目「だってそうすればパパに会えるって夢の中で言われたんだモン」
メフィスト2世「ったく、単純だなあ。騙されたに決まってるじゃねえか」
真吾「怒るなよ、メフィスト2世。百目の気持ちも分かってやれよ」
貧太「あれ?振動が止まったぞ。どうなったんだろう?」 貧太「…あ!」
真吾・メフィスト2世・百目「あ!」
メフィスト2世「あ、あれは」
百目「合体しちゃったモン」
真吾「生きてる…そうか!お互いに丸まったまま動けないだけなんだ」 小豆とぎ「作戦通り、悪魔くんが魔物を呼び出してくれて、わしらの妖怪と魔物が合体したぞ。
いよいよ超怪物なんじゃもんじゃが生まれるのじゃ!出番じゃぞ、もののけども!
あれを例の場所に運ぶんじゃ」
真吾「ん、あ、あれは!」
メフィスト2世「な、なんだありゃ」
百目「お魚が空を飛んでるモン」
貧太「え?どこ?僕には何にも見えないよ」
真吾「もののけだ。貧太くん。人間の目には見えないんだ」
真吾・貧太・メフィスト2世・百目「!」
貧太「浮いた!どんどん登っていく!」
真吾「一体どこへ行くつもりなんだ」
小豆とぎ「ひっひっひっひっひっひ」 真吾「僕が呼び出した魔物と怪物が、こんなことになるなんて。きっと何かとんでもないことが起こるぞ」
百目「…」
真吾「今のうちになんとかしなくちゃ。
エロイムエッサイム、エロイムエッサイム。我は求め訴えたり!出でよ、家獣、ヨナルデパズトーリ、ピクシー!」
家獣「バウー」
真吾「説明は後だ。すぐに追っかけよう。ピクシーは貧太くんとここに残って、情報屋を元通りに治してくれ」
赤ピクシー「ピクシー分かった」
青ピクシー「大丈夫、ピクシーの薬は、悪魔界一よく効くんだから。キキッ」
真吾「出発だ、家獣!」
家獣「バウー」 油すまし「ふう、これぐらいの大きさなら足りるだろう。そろそろ来る頃だが。お、来おった。
おーい、ここだい!ここだい!ここ!ここ!オーライ、オーライ、オーライ、オーライ」
小豆とぎ「なんじゃもんじゃの誕生までどのくらいかかるんじゃ?」
油すまし「たっぷり水をくれてやれば小一時間もすれば生まれるはずだ。見ろ。もう芽が出とる」
小豆とぎ「よし、それまではもののけどもに頑張ってもらおう。行け!
これで我々も安心して生きていけるというもんじゃ」
油すまし「全くだ。我々妖怪は、人間に気づかれずに生きるというのが一番安全なんだ」
小豆とぎ「静かに暮らしていたいのに、悪魔くんなどという人間と悪魔を仲良くさせようとする小僧が現れたおかけで、
また大騒ぎになっておる。迷惑なことだ」 真吾「あれ、あんなところに穴が」
ヨナルデパズトーリ「お、ちょっと止まってくれ。家獣」
家獣「バウ」 ヨナルデパズトーリ「どうやら事が容易ならぬ方向に向かっているようであるな」
百目「あの岩はなんだモン?」
ヨナルデパズトーリ「天の岩戸であるのだ」
百目「天の岩戸モン?」
ヨナルデパズトーリ「左様。ずっとずっと大昔に、妖怪と悪魔の大戦争があったのである。
戦争は互いに譲らず、やがて悪魔と妖怪の間に協定が結ばれたのである。
その時暴れた妖怪を封じ込めたのが、あの天の岩戸なのである」
真吾「なんでそれが開いているんだろう」
ヨナルデパズトーリ「うーん、おかしなことだわさ」 百目「あ、もののけがこっちへ向かってくるモン」
家獣「バウー。バウバウバウ」
百目「うう」
メフィスト2世「ぎゃ、な、なんだこいつは」
真吾「うわ、家獣、光を集めるんだ」
家獣「バウー。バウ!」
(ピカーッ!)
メフィスト2世「ダメだ!」
百目「うう!」
メフィスト2世「こいつら透き通ってるから、光が通じないんだ!」
家獣「バウー!バウー!」
ヨナルデパズトーリ「この妖怪どもはエネルギーを吸い取るのである。このままでは危険である」
真吾・ヨナルデパズトーリ「うわー!」
家獣「バウー!」
メフィスト2世・百目「うわ」
家獣「バウー」
百目「うわー!墜落するモーン!」 家獣「バウー」
百目「ん、んー」
真吾「よっ」
メフィスト2世「あれ、もののけのやつらいないぞ。さては、水が苦手なんだな」
百目「お魚の恰好してるのに変だモン」
真吾「魚と逆なんだ。あいつらには空気が水なんだよ。空を泳いでいたんだ」 小豆とぎ「生まれるぞ。もうすぐじゃ」
油すまし「さて!なんじゃもんじゃ」
小豆とぎ「おお」
油すまし「…」
小豆とぎ「おお、立派に成長しおった」
油すまし「開けゴマ。小豆とぎ、さあ入ろうぞい」
小豆とぎ「ほい」 家獣「バウー」
百目「もののけやっといなくなったモン」
真吾「よし、行こう家獣!」
ヨナルデパズトーリ「ああ、ちょっと待つのである」
真吾・百目「え?」
ヨナルデパズトーリ「家獣が疲れておる。少し休ませんとばててしまうのである」
メフィスト2世「けっ、図体でかい割に虚弱なやっちゃ」 百目「ん?なんの音だモン?」
メフィスト2世「?」
真吾「え?」
百目「あれはなんだモン」
真吾「油すましと小豆とぎ!」
ヨナルデパズトーリ「あの妖怪たちが原因であるな」
油すまし「我らが生きるために邪魔な連中はみんな消えてもらう!覚悟するんだぞ!」
メフィスト2世「けっ、しゃらくせえ!魔力、ハットのこぎり!」
(スカッ)
メフィスト2世「さっきは切れたのに」
油すまし「へへへへへへへ。悪魔くんの呼び出した顔面獣と合体して生まれたなんじゃもんじゃの力は、
数十倍にも強くなってるのだ。それ!」
メフィスト2世「おっと。わーー」
油すまし「一度死んだ我々には原爆や水爆でも通じないのだ」
真吾・ヨナルデパズトーリ・百目「……」
油すまし「はははははは」
真吾「あっ。家獣!」
家獣「バウー。バウー!」
(ドンッ)
家獣「バウー」
ヨナルデパズトーリ「家獣、しっかりするんだ」
真吾「家獣!」
百目「ボクがいけないんだモン。魔法陣の数字を替えたりしたから、あんな怪物ができたんだモン」
ヨナルデパズトーリ「それもみんな最初から妖怪たちの作戦だったである。うわ!」
真吾「うわー!」
百目「悪魔くん!」 真吾「うわ!うわー!」
百目「ああ…悪魔くん…」
小豆とぎ「へっへっへっへ。この中でみんな生気を吸い取られてしまえ」
百目「悪魔くんがやられちゃったんだモン」
メフィスト2世「むう、こうなったらこれしかない!」
ヨナルデパズトーリ「待つのだ」
メフィスト2世「?」
ヨナルデパズトーリ「角電撃もムダである」
メフィスト2世「そんなこと言ったって、このままじゃ悪魔くんが」
ヨナルデパズトーリ「一旦退却するのである。今は勝ち目がない」 百目「…悪魔くん!」
メフィスト2世「あ、百目!」
百目「悪魔くんを返すんだモン!ボクが相手だモン。ポーン!」
(スカッ)
百目「負けないモン、ポーン!ポーン!」
小豆とぎ「へっへっへ。ちっともこっちへ届かんじゃないか」
メフィスト2世「百目、よーし。へっ、こっちだぜ」
百目「ポーン!ポーン!」
(バシッ)
小豆とぎ「あ、しまった」
メフィスト2世「いただき」
ヨナルデパズトーリ「逃げるのじゃ、早く」
百目「う、うん」
家獣「バウー」
小豆とぎ「おのれ、逃げるぞ」
油すまし「ほっとけ。深追いして人間たちに我々の正体が知れると面倒だわい」
小豆とぎ「それもそうじゃの」
油すまし「あの壺の中からはそう簡単に出ることはできまい。すっかり生気を吸い取られて化石になるだけだわい。
んはははは」 メフィスト2世「これからどうしたらいいんだ。何かいい考えはねえのか?学者」
ヨナルデパズトーリ「うーん、落ち着くのだ。今思案しておるところである」
(油すまし「一度死んだ我々には原爆や水爆でも通じないの」)
ヨナルデパズトーリ「そうか。あの妖怪たちは大昔の悪魔との大戦争で、
閻魔によって天の岩戸に封じ込められたはずであるからして、あの岩戸と開けられるには閻魔だけである」
メフィスト2世「閻魔?」
百目「閻魔ってあの」
ヨナルデパズトーリ「地獄のボスである」
メフィスト2世「じゃあ悪魔くんを助けるには地獄までそいつをやっつけに行かなきゃいけないのか」
ヨナルデパズトーリ「しかし地獄へ行くと言っても難しいのである」
メフィスト2世「しょうがねえな、学者。なんとかしろよ」
百目「早くしないと、悪魔くんが。悪魔くんが…」
ヨナルデパズトーリ「いや、一人忘れとった」
メフィスト2世「一体誰だそいつは。俺が首に縄つけてでも引っ張ってきてやらあ」
ヨナルデパズトーリ「メフィスト老である」
メフィスト2世「え、親父?」 メフィスト老「へ、へ、へ、へ、へっくしょん!くそったれ。
このくしゃみはコショウのせいじゃないな。誰かがわしの噂をしているわい。おっともうちょいだな」 青ピクシー「これで30種類目の薬だよ」
赤ピクシー「もんで、もんで、よくもんで」
百目「悪魔くん…」 ファウスト博士「これは一体どうしたということじゃ。生命玉がまるで悲しんでいるようじゃ」 真吾「壺の中から蘇った僕は、
なんじゃもんじゃが閻魔大王に操られていることを知った。
地獄界に乗り込む僕たちの前に次々と襲いかかる鬼たち。
閻魔大王!聞いてください!みんなの幸せを願うこのソロモンの笛の音を。
悪魔くん。地獄の大王エンマの怒りに傷つく12使徒。
夢よ、届け君の心に」
『地獄の大王エンマの怒りに傷つく12使徒』 真吾「エロイムエッサイム、我は求め訴えたり!」
<ナレーター>
人間に不幸を与える悪魔を退治するため、
一万年に一人現れるという悪魔くんが、
12人の仲間と力を合わせて今立ち上がった。 <ナレーター>
大昔、妖怪と悪魔の大戦争があった。
戦争は互いに譲らず、やがて、悪魔と妖怪の間に協定が結ばれ、
その時暴れた妖怪は天の岩戸に封じ込められた。
ところが、その天の岩戸から妖怪油すましと小豆とぎが再び人間界に現れ、
世にも恐ろしい超怪物なんじゃもんじゃを出現させた。
そして、情報屋は石にされ、さらに悪魔くんは壺の中に入れられてしまった。
悪魔くんのピンチを救うため、メフィスト老が乗り出してきた。 メフィスト老「んー、悪魔くんはこの壺の中に」
百目「早く出してあげないと石になっちゃうモン」
メフィスト老「ああ、静かにしてくれ。悪魔くんを甦らせる方法をだ。うーむ」
メフィスト2世・ヨナルデパズトーリ・百目・家獣「…」
青ピクシー・赤ピクシー「なでなで」
貧太「…」
メフィスト老「そうじゃ!」
メフィスト2世・百目「!」 メフィスト老「(バチバチバチバチ)」
カエル「げろげろ」
メフィスト老「ありゃ。えーと、これでもない。これでもない。お、これこれ」
メフィスト2世「親父!手品で石ころなんて出して遊んでる場合かよ。ったく」
メフィスト老「あ?これが石ころに見えるのか。これは一万年前からメフィスト家で大切にしていた岩塩じゃ」
メフィスト2世「岩塩?」
百目「岩塩ってしょっぱい塩かモン」
メフィスト2世「甘い塩があるのかよ!もう」
百目「うーん…」
メフィスト2世「早く悪魔くんを」
メフィスト老「わかっとる。この岩塩には、生気を甦らせる不思議な力があるのじゃ。
おい、ピクシーたちや。マンダラゴラのしぼり汁を桶にいっぱい用意してくれ」
青ピクシー・赤ピクシー「オーケー。わっせ。わっせ。わっせ。わっせ。わっせ。わっせ。はい、出来上がりー」
メフィスト老「この中に岩塩を入れてと」
(ボンッ)
ヨナルデパズトーリ「悪魔くん、どうか蘇ってくれよ」
百目「…」 メフィスト2世「んん、親父!悪魔くんは蘇らないじゃないかよ!岩塩が少なかったんじゃねえのか!
もっと入れてみろよ」
メフィスト老「岩塩はあれで終いじゃ」
メフィスト2世「えー…ああ」
百目「悪魔くん…」
青ピクシー・赤ピクシー「ぬりぬり、ぬりぬり」
貧太「(このまま情報屋も悪魔くんも元の姿に戻らなかったらどうしよう)」
メフィスト2世「ちくしょう!妖怪め!」
百目「…」
メフィスト2世「悪魔くんをこんな目に遭わせやがって。許せない」
メフィスト老「あ、せ、せがれ!(ゴキッ)いたた」
ヨナルデパズトーリ「見ろ。壺に変化が」
百目「ああ」
家獣「バウ」
メフィスト2世「あ!」
メフィスト老「悪魔くんは生きとるんじゃ。うおお」 メフィスト2世「ああ…」
百目「悪魔くん、頑張ってモン」
貧太「頑張れ」
青ピクシー・赤ピクシー「頑張れ、頑張れ、悪魔くん」
メフィスト2世「?」
ヨナルデパズトーリ「?」
百目「あ、悪魔くん。ああ…」
メフィスト2世「あ…」
貧太「ああ」
ヨナルデパズトーリ「あ」 百目「ああ、悪魔くん。良かったモン、良かったモン」
メフィスト2世「はは、やったぜ」
青ピクシー・赤ピクシー「うれしー。うれしー。うれしー。うれしー」
貧太「やった。やった。やった。やった。やったぞー」
ヨナルデパズトーリ「良かった。ほんとに良かった」
家獣「バウー」
真吾「このメフィスト2世にもらったマントのおかげで、生気を吸われずに済んだよ」
メフィスト老「それはメフィスト家に伝わる魔除けのマントじゃからして」
メフィスト2世「その通り!」
ヨナルデパズトーリ「いや、マントの力だけではないのである」
メフィスト老「ヨナルデ、その言い方気に入らんな」
ヨナルデパズトーリ「考えてもみろ。悪魔くんは一万年に一人生まれたスーパーヒーローだ。蘇って当然である」
メフィスト2世「その通り!」
メフィスト老「これ、せがれ。お前はどっちの味方なんじゃ。ったく」
メフィスト2世「にひひ」 油すまし「むう、メフィストのじじいめ」
小豆とぎ「ここはひとまず引き上げて作戦の立て直しじゃ」 真吾「…あ」
メフィスト2世「おっと。大丈夫か?」
ヨナルデパズトーリ「壺の中で魔力と戦って相当体力が消耗してるんだわさ」
百目「大丈夫かモン?」
真吾「ありがとう、百目」
貧太「悪魔くん、情報屋の色が」
真吾・メフィスト2世・百目「!」
メフィスト老「あ、これは死にかけとるんじゃ」 真吾・メフィスト2世・百目「えー!」
真吾「死にかけてる!?どうすればいんだ」
ヨナルデパズトーリ「うーむ、油すましも小豆とぎも地獄のボス閻魔の霊波の力で天の岩戸から現れたのである。
この情報屋を蘇らすには元を絶たねばならないのである」
メフィスト老「ということは、あの地獄の閻魔か」
真吾「よし。皆で地獄へ行こう」
メフィスト老「えー」
百目「行くっきゃないんだモン」
メフィスト老「皆ってわしもか」
ヨナルデパズトーリ「もちろん。地獄の閻魔のところに行ったことのあるのはお前だけだ。
一緒に行ってもらわないと困るのである」
メフィスト老「そりゃあ、一万年前悪魔と妖怪の大戦の時行ったが、そりゃあ恐ろしい所じゃ」
真吾・百目「うう」
メフィスト老「地獄界には8つの地獄があるんじゃ。その一つ一つが恐ろしい所じゃ。
生きてる時悪いことをした者が連れていかれ、様々な罰を受けるのじゃ。
針の山を登らされたり、ああ、それは大変な所じゃ。はあ」
真吾「でも、このままじゃ情報屋は死んでしまう」
青ピクシー・赤ピクシー「ぬりぬり」
真吾「僕は地獄へ行く。メフィスト頼む!力を貸してくれ!」
メフィスト老「いくら悪魔くんの頼みでもなあ」 メフィスト2世「あーあー、年取るとこんなに憶病になるのかなあ。俺情けなくて涙が出らあ」
百目「モン」
メフィスト老「むう、憶病だと思われてはメフィスト家の一大不名誉。行ってやろうじゃないか」
メフィスト2世「無理しなくていいんだぜ」
百目「にひひひひ」
メフィスト老「やかましい!悪魔くん、早く皆を呼ぶんじゃ!」 真吾「エロイムエッサイム、エロイムエッサイム。我は求め訴えたり!出でよ、残る全ての12使徒!」
メフィスト老「魔力、魔動カー!悪魔くんはこれに乗れ」
百目「僕も乗るモン」
真吾「ピクシーたちは貧太くんと情報屋を守っててくれ」
赤ピクシー「ピクシー、おまかしー」 真吾「あれが…
うわ!なんじゃもんじゃ!」
油すまし「地獄へは行かさん」
小豆とぎ「へっへっへっへ」
真吾「邪魔はさせないぞ!象人!ユルグ!妖虎!」
妖虎「ガルルル」
ユルグ「オーエッサムコーン!妖虎!」
妖虎「ガルル!ウボァーー!」
油すまし「あちゃちゃちゃちゃ」
小豆とぎ「わちゃちゃちゃ」
象人「体重移動魔法だぞう。悪魔くん、こいつは引き受けたぞう」
妖虎「先を急いでくれ」
真吾「ありがとう!」 赤ピクシー「あ、悪魔くんの蘇ったマンダラゴラの液を塗ってみよう」
青ピクシー「マンダラゴラは若返りの薬をつくる薬草だから効くんだよ」
青ピクシー・赤ピクシー「ぬりぬり」
貧太「情報屋…」 ファウスト博士「見えない学校が皆の心配をしておる。悪魔くんたちは大丈夫じゃろうか」 メフィスト老「この三途の川を渡れば、閻魔のところへは早く行けるが、落ちたら一巻の終わりじゃ」
メフィスト2世「…」
(ビューッ)
メフィスト老「なんちゅう!」
家獣「バウー」
真吾・メフィスト2世・ヨナルデパズトーリ・幽子・百目・鳥乙女・サシペレレ・こうもり猫「うわあーー!」
メフィスト2世「うわ!」
家獣「バウー」
メフィスト2世「おっと」
家獣「バウー」
真吾・百目「う」
鬼A「貴様ら!」
真吾・百目「!?」
家獣「バウ?」
鬼A「無断で侵入したな。とっつかまえて血祭りにあげてくれる!」 百目「うわあ、鬼が来るモン。怖い」
真吾・百目「うわあ」
鬼A「でやああ」
(ヒラッ)
鬼B「うがー」
真吾・百目「うわあ」
(ヒラッ)
鬼B「うおー」
真吾・百目「(こちょこちょ)」
メフィスト2世「これがほんとの鬼ごっこ。なんちゃって。くらえ!魔力、鬼転がし!」
(パァンッ!)
真吾・百目「うわ」
真吾「いてて」
鬼C「貴様ら!叩き潰してやる!」
家獣「バウー」
(ドシンッ!) 鳥乙女「さ、行くわよ」
幽子「悪魔くん」
こうもり猫「ああ、俺ちょっと電話してくるから」
ヨナルデパズトーリ「よいしょである」
鬼D「待てー」
真吾「鳥乙女、鬼を吹き飛ばしてくれ」
鳥乙女「分かったわ。ピンクハリケーン!」
鬼D・E「うがー」「くそー」 ヨナルデパズトーリ「さあ、悪魔くん今のうちだ。わしたちに任せて先を急ぐんだ」
真吾「うん、ありがとう。サシペレレ、鳥乙女、頼む」
鳥乙女「ええ」
サシペレレ「よし」
幽子「幽子怖い。連れてって」
豆ユーレイたち「幽子ちゃんは怖がりよー」
こうもり猫「待って。俺だって、怖がりよー」 メフィスト老「ついに、閻魔の宮殿についたぞ」
真吾・こうもり猫「…」
(ピカッ バーン!)
メフィスト2世「うわー!」
真吾・百目「わー!」
こうもり猫「よいしょ」 メフィスト2世「だあー」
(ドンッ)
閻魔大王「何者だ!」
メフィスト2世「!」
メフィスト老「おお、閻魔!」
真吾「あれが…!」
閻魔大王「お前はメフィスト!」
メフィスト老「覚えていてくれたか。一万年ぶりじゃ。懐かしいのう」
閻魔大王「なれなれしいぞ!」
メフィスト老「いや…」
閻魔大王「お前は二度と地獄へ来ないという約束を破った。許さん」
メフィスト老「ちょ、ちょっと聞いてくれ」
閻魔大王「言い訳は無用。うりゃー」 幽子「きゃー」
百目「うわー」
メフィスト2世「えーい、魔力、絶対零度!」
閻魔大王「はあー、ぶわあー」
メフィスト2世「おっと」
百目「わあ、わあ」
こうもり猫「凍る、凍る」
真吾「閻魔大王、僕の話を聞いてください!」
閻魔大王「聞く耳持たんわ」
幽子「豆ユーレイちゃんお願い、悪魔くんを助けてちょうだい」
豆ユーレイたち「幽子ちゃんのためならユーレイヒーユーレイヒーユーレイヒー」
閻魔大王「あが。は、は、は、はっくっしょん!許さん!」
幽子「きゃあ」
メフィスト2世「ああ、幽子」
閻魔大王「握りつぶしてくれる」
メフィスト2世「く、苦しい…」
幽子「助けて」
真吾「ま、待ってください。閻魔大王。僕の話を聞いてください!」
メフィスト老「頼む。聞いてやってくれ。悪魔くんのいうことを」
閻魔大王「小僧。貴様が悪魔くん?」
真吾「そ、そうです」
閻魔大王「悪魔くんと知ったらなおのこと許せん!」
(ピカッ バーン!)
真吾「うわー!」 閻魔大王「がはははは。ん?」
真吾「う…う」
閻魔大王「まだ生きておったか。くらえ!」
(ピカッ バーン!)
真吾「!(そうだ、ソロモンの笛で閻魔大王の魂に語りかけるんだ。
〜♪
閻魔大王、聞いてください。僕は、妖怪に石にされた友達を救うために来たんです。
妖怪を霊波で操っているのが、閻魔大王だと知って)」
閻魔大王「(確かに二人を天の岩戸から蘇らせたのはわしじゃ。お前を退治させるためにな)」
真吾「(僕を退治!?何故です!)」
閻魔大王「(最近、地上に人間界と悪魔界を恐怖と混乱に導いている大きな黒い影の存在を知った。
その影こそ悪魔くん、お前なのだ)」
真吾「(閻魔大王、それは誤解です)」
閻魔大王「(この閻魔に噓偽りは通じぬ!)」
真吾「(僕たちは、人間や悪魔だけでなく、生きている全ての者の平和と幸せのために戦っているんです)」 ファウスト博士「おお、魂も清められるような音色。悪魔くん、見えない学校も落ち着きを取り戻したぞ」 閻魔大王「…」
真吾「…!あ」
メフィスト老「おお」
幽子「きゃ」
メフィスト2世「なんだ!」
仁王「驚くことはない。閻魔の魂ともいうべき仁王じゃ。
悪魔くん、邪悪な心であのような笛の音色は出せん。
いや、わしとしたことが判断が間違っていた。許せ」
真吾「いえ、分かってもらえて僕」
仁王「なんじゃもんじゃたちを操ってる霊波玉じゃ。霊波を絶つ!」
(パリーン!)
貧太「ああ、やったー!」
青ピクシー・赤ピクシー「やったー!」
石になった油すまし・小豆とぎ・なんじゃもんじゃ「…」
象人「やったぞう。やったぞう」
妖虎「がははははは」
鳥乙女「あ、悪魔くん」
こうもり猫「あ、これ直ったの?」 仁王「悪魔くん。しかし黒い影は確かにいる」
真吾「はい、僕も感じています」
仁王「悪魔と人間が平和に暮らせる世界をつくるといった君の言葉を信じる。頑張ってくれたまえ」
真吾「はい(この閻魔大王の判断力を狂わせる黒い影って、一体何者なんだ)」 情報屋「んー、あれー、ここは、僕は、何を」
百目「悪魔くーん」
真吾「ん?」
百目「この壺どうするモン?ふふ」
真吾「百目!」
貧太「ああ」
百目「もうただの壺だモン。ひひひひひ」
真吾「はあ…あははははは」
貧太「あはははははは」
情報屋「なんのこっちゃいな」 真吾「楽しい夏休み。
でも、キャンプ場でエツ子や百目たちが次々とさなぎに変えられてしまう。
妖精界を守る蝶が、僕たちを襲ってきたんだ。
眠りから目覚めた女王蝶の悲しみが、今聖なる森にこだまする。
悪魔くん。眠れる森の妖精王ティタニアの願い。
夢よ、届け君の心に」
『眠れる森の妖精王ティタニアの願い』 先生「みんな自由時間ですよ。ただし、夕食の支度までには戻ってくること。いいですね」
クラスメイト達「はーい」
真吾「(ついに待ちに待った夏休みが来た。そして今日は学校のみんなと一緒にキャンプ。
このところ事件ばかりでろくに遊べなかった僕は、どんなにこの日を楽しみにしていたか。
バードウォッチや森林浴、昆虫採集のはず)だったんだけどな」
先生「埋れ木君は遅刻や早引きばかりで、勉強の方が遅れてるんですもの。先生と頑張りましょうね」
真吾「ちぇ、これじゃあ。 家で昼寝してた方がまだマシだった」 真吾「エロイムエッサイム、我は求め訴えたり!」
<ナレーター>
人間に不幸を与える悪魔を退治するため、
一万年に一人現れるという悪魔くんが、
12人の仲間と力を合わせて今立ち上がった。 先生「みんな自由時間ですよ。ただし、夕食の支度までには戻ってくること。いいですね」
クラスメイト達「はーい」
真吾「(ついに待ちに待った夏休みが来た。そして今日は学校のみんなと一緒にキャンプ。
このところ事件ばかりでろくに遊べなかった僕は、どんなにこの日を楽しみにしていたか。
バードウォッチングや森林浴、昆虫採集のはず)だったんだけどな」
先生「埋れ木君は遅刻や早引きばかりで、勉強の方が遅れてるんですもの。先生と頑張りましょうね」
真吾「ちぇ、これじゃあ家で昼寝してた方がまだマシだった」 百目「それ。う!」
貧太「まるで捕まえられないなあ」
情報屋「すばしっこくって写真も撮れやしない」
エツ子「もう昆虫採集ではやめて、鬼ごっこでもしない?」
百目「やだモン。悪魔くんの分までとるんだモン。 標本作ってあげるんだモン」
エツ子「あ、百目ちゃん」 クラスメイト達「そっち行ったぞー!」
モス「やめてー」 百目「待ってだモン」
貧太・情報屋「あー」
キリヒト「あれは」
貧太「まるで手品だ」
百目「すごいんだモン」
男A「ははは。 なにも驚くことはないさ。君たちにだって、簡単に捕まえられるよ。君、この網を使ってごらん」
貧太・百目「?」
百目「はい」
エツ子「待って、百目ちゃん。いつもお母さんが言ってるでしょ。知らないおじさんに声をかけられたら注意しなさいって」
百目「うーん、でも」
男A「こりゃ参った。 学会では少しは名の通った僕だけど、君たちにかかると悪いおじさんって訳だなあ。
まあいいだろう。他の子供達は喜んで使ってくれたんだけどなー」
百目「あー待ってだモン」 百目「ボク借りるんだモン」
男A「さあ」
エツ子「もう、百目ちゃん」
情報屋「大丈夫だよ、エッちゃん。他の奴らに取られっぱなしじゃ損だよ」
キリヒト「僕の見たところではあのおじさんは、きっと有名な生物学者に違いないと思いますね」
百目「あー。わーい、やったモン!」
情報屋「百目すげえぜ」
キリヒト「百目くん、これは奇跡ですよ」
男A「この奥へ行けば、もっと珍しい蝶がいっぱいいるよ」
キリヒト「行ってみましょう」
百目「うん」
情報屋「よし」
百目「わーい」
情報屋「写真どころじゃないぞ」
エツ子「待って、私も行くわ」
男A「ふふふふふふ」 先生「んふふふ」
真吾「あーあ。ん、あ?」
メフィスト2世「はははは。ご機嫌で遊んでんじゃないかと思ってきたら、勉強なんかやらされてとんだ災難だね。悪魔くん」
真吾「まあね」
先生「え、あら」
メフィスト2世「え!あ、こんにちは先生。へへへへへ」
先生「こんにちは。ところでメフィスト2世さんって言ったわね、あなた。君はどこの学校へ行っているの?」
メフィスト2世「えー、まあ一応見えない学校の一員ってことになっているけど、滅多に顔出さねえなあ。へへへへ」
先生「そんな学校聞いたことありません。要するに君も勉強していないってことね。
分かりました。先生が一緒に教えてあげます」
メフィスト2世「え、なんで俺まで」
先生「仲間が出来て良かったわね。埋れ木くん」
真吾「はい、先生。僕もメフィスト2世くんのような付き合いのいい友達を持って幸せです」 こうもり猫「ちょっと待ってよ、カブトムシちゃん。へへへ、あー。うわー」
(ドンッ)
こうもり猫「あーあ、人間界じゃ昆虫を捕まえるといい金になるってって聞いてきたんだが、難しいもんだね。
ん、あ、いいのみっけ。あらよっと。てめえなんぞに渡すもんかい。
おととい来やがれってんだよ。へへへへ。あ、あれちょっと待ってちょ。
なんなのよ、もうやだ」 百目「また取れたモン」
キリヒト「幻の蝶ばかりです。世界的な大発見ですよ」
モス「どうしてそんなことするの?」
百目「この網を使うといくらでも取れちゃうんだモン」
貧太「あーまたいたぞ」
情報屋「どれどれ」
モス「やめてー!」 エツ子「あ、見て」
貧太「なんて綺麗な蝶なんだ」
キリヒト「あんな蝶図鑑でも見たことありませんよ」
モス「いくら言ってもわからない人達には、こうしてあげる!」
情報屋「ちょ、蝶がしゃべった」
こうもり猫「蝶の団体だ。あ」
男A「モスよ。人間というものがどういうものか分かったようだな。
悪魔界を騒がす悪魔くんも同じ穴のムジナ。
お前たち森の妖精界まで何をされるかわかったものではないぞ。
モス「ええ、あなたの言う通りだったわ。今に悪魔くんという子もきっと私が捕まえてやるわ」
男A「よかろう。では一足先に森の妖精界へ案内してもらうとするか」
モス「みんな!」
こうもり猫「こいつは大変だぜ、悪魔くん大先生に知らせなくちゃ」 先生「その算数のドリルが終わったら、次は国語ですからね。 急がないとみんなと遊べませんよ」
(ボタボタ(毛虫))
先生「う、う、わー」
真吾「先生」
こうもり猫「悪魔くん大先生」
真吾「?」
こうもり猫「へっ、こんちオッペケペ。なんて言ってることじゃないっすよ。百目が大変なんだ」 真吾「どこへ行ってしまったんだ、百目たち。あ」
メフィスト2世「待て、悪魔くん」
真吾「ん?」
メフィスト2世「その網はただの網じゃない。 魔力を感じるぜ」
真吾「えー」
モス「あなたが悪魔くんね」
真吾「!」 真吾「君は」
モス「私の名前はモス」
メフィスト2世「悪魔くん。モスって?」
真吾「蝶の妖精だ」
メフィスト2世「え」
モス「それ!」
メフィスト2世「うわ!危ない、悪魔くん!」
こうもり猫「あいつですよ。 百目たちを襲ったのは」
真吾「なぜ妖精の君が僕たちを襲うんだ!?訳を…」
モス「えい!」
真吾「わあ!一体どういうことだ」
メフィスト2世「とにかく逃げるんだ悪魔くん」
モス「それ!」
メフィスト2世「うわー!」
こうもり猫「どっこいしょ」
モス「蝶たちよ、この人達を捕まえて!」
メフィスト2世「くそ、魔力…」
真吾「よすんだ、メフィスト2世!森の妖精が、人間を襲うなんてあるはずがない」
メフィスト2世「だって、悪魔くん」
真吾・メフィスト2世「うわー!」
こうもり猫「何すんの!こっちが蝶に捕まってどうすんだよ。ちきしょー!」 真吾・メフィスト2世・こうもり猫「わー!」
真吾「ん?」
メフィスト2世「どこだ?ここは」
こうもり猫「天国でげしょ」
真吾「多分、森の妖精界に連れてこられたに違いないよ。ほら見て。
世界で絶滅したといわれている蝶たちもここに隠れて暮らしていたんだ」 真吾「わー。ふう」
百目「痛いんだモン」
真吾「ん?百目!」
百目「悪魔くん!みんな捕まったんだモン」
モス「あなたたちがいけないのよ。女王を守る私の仲間を情け容赦なく捕まえようとしたんだもの」
真吾「森の妖精界の女王?ティタニア」
メフィスト2世「見ろ、悪魔くん。ひょっとしてあのでかいさなぎのことじゃないのか?」 モス「遠い遠い昔、人間と女王ティタニア率いる森の妖精たちは、互いに助け合って平和に暮らしていたのよ。
でも、人間が争いを始めたのを悲しんだ女王は、再び人間が平和を愛するようになるまで、眠りについたの。
だけどもう人間なんか信じられないわ。この人たちがやがてさなぎから蝶になるのよ。
ただし、蝶になったら、これを刺してあげるわ」
百目「わぁ…」
真吾・メフィスト2世「…」
男A「そうだ。所詮人間は妖精界にとっても悪魔界にとっても敵なのだ。
そしてこの悪魔くんこそ最大の敵なのだ」
百目「悪魔くん、ボクたち蝶をいじめたバチが当たったんだモン。
でも、あのおじさんがくれた網を使うと沢山とれたんだモン」
真吾「え?」
男A「ぬはははははは」
真吾「クエレブレ!」
メフィスト2世「黒小人たちを使って悪魔くんの命を狙った野郎だな」
クエレブレ「モス、早く悪魔くんを始末してしまうのだ」 モス「分かったわ、クエレブレ。はあー」
メフィスト2世「やろう、見てろ!魔力…」
真吾「待つんだ、メフィスト2世。モスの誤解を解く方が先だ」
メフィスト2世「まーだ、そんな甘っちょろいこと言ってんのかよ」
真吾「とにかく、ここは頼んだ!」
こうもり猫「あ、ちょっと!」
メフィスト2世「ああしょうがねなあ。こうもり猫、ひと踏ん張りするぜ」
モス「はあ!」
こうもり猫「あっしは喧嘩苦手な悪魔」
モス「逃がさないわよ。蝶よ、悪魔くんを捕まえて」
メフィスト2世「こうもり猫、モスに技をかけさせるな」
こうもり猫「だからね」 メフィスト2世「魔力!」
真吾「メフィスト2世、蝶を傷つけちゃダメだ!」
メフィスト2世「大丈夫だ、悪魔くん。魔力、シャボン玉ふわりん」
モス「あ」
こうもり猫「あっしはほんとに喧嘩は苦手でやんすからね」
モス「それ!」
こうもり猫「わー助けて」 メフィスト2世「クエレブレ。お前には遠慮なしだよ。魔力、イナズマ電撃!」
クエレブレ「くらえ!」
真吾「エロイムエッサイム、エロイムエッサイム。我は求め訴えたり!出でよ、第10使徒、鳥乙女!」
鳥乙女「どうしたの?悪魔くん」
真吾「鳥乙女。鳥の心が分かる君なら、蝶の妖精モスを説得できると思うんだ」
鳥乙女「え?」
こうもり猫「わー助けて。しっぽぐるぐる!しっぽが重いでやんすよー。もうダメー!」
メフィスト2世「う、う、うわー!」
こうもり猫「助けて、悪魔くん」
メフィスト2世「わ…」
真吾「こうもり猫!メフィスト2世!」
クエレブレ「次はお前の番だ。モス、悪魔くんを始末してやれー」
鳥乙女「私の話を聞いてちょうだい、モス」
クエレブレ「構うな。油断するとやられるのはお前のほうだぞ。モス」
モス「はっ」
鳥乙女「仕方がないわ。ピンクハリケーン!」
モス「うわっ」
真吾「鳥乙女!」
鳥乙女「大丈夫。ちゃんと手加減しておいたわ。悪魔くん」
クエレブレ「むう」 モス「あなたは」
鳥乙女「私は、鳥乙女ナスカ。いいこと、モス。あなたが人間を恨む気持ちは分かるわ。
でもクエレブレは、そんなあなたを利用しようとしているのよ」
モス「え」
真吾「モス。僕の友達が、君の仲間を捕まえようとしたことは謝る。
でも、皆が平和に暮らせるように努力している人間たちも大勢いるんだよ」
クエレブレ「何をしているんだ、モス!そいつらの言うことなんか信じるな!」
こうもり猫「あっしはだから喧嘩はやだって言ったんでやんすよー。あ?なんでげしょ。ん?」
蝶「モス、この人たちは悪い人じゃないわ。だって私が蜘蛛に襲われたとき、この人が助けてくれたのよ」
モス「え」
真吾「こうもり猫が?」
こうもり猫「え?いや、あっしはただね」
鳥乙女「まあ、見直したわ。こうもり猫」
こうもり猫「いや、なにね。あっしはただドジ踏んだだけで、バーロー、そんなことより早く助けやがれってんだ」
真吾「あは。分かった分かった。今ほどいてやる」
メフィスト2世「へへーんだ。こうもり猫にしちゃ上出来じゃねえか」
こうもり猫「もう違うんだったら」
モス「…」
クエレブレ「よかろう、モス。お前がやらないならこの俺が悪魔くんを始末するまでだ」 真吾・こうもり猫「!」
クエレブレ「うおお」
メフィスト2世「うわ、悪魔くん!」
モス「今のうちに逃げて!」
クエレブレ「妖精どもにこの俺さまの力を抑えることは出来んのだ。むう」
モス「あっ」
鳥乙女「モス!…っ」
真吾・こうもり猫「!」
真吾「ああ。
クエレブレはどこだ」
メフィスト2世「何も見えねえや」
こうもり猫「あっしは重いでやんすよ」
クエレブレ「ふっ、皆まとめて地獄へ送り届けてやる。この悪魔界に伝わる破壊の矛によってな!」
真吾「あ!」
メフィスト2世「うわ」
こうもり猫「危ない!」
クエレブレ「もう勝負はついたも同然だ。ぬははははは」 真吾「あ」
クエレブレ「ぬはははは。悪魔くんを始末し、女王のさなぎを手に入れれば東嶽大帝様も俺を見直してくださる。
とっととくたばれい!ぬははははは」
(ピカーッ)
クエレブレ「?」
真吾「あれは…」
鳥乙女「女王が、目覚めようとしているんだわ」
モス「ティタニア様」 ティタニア「…」
クエレブレ「バ、バカな。女王がなぜ。う、う、うわああーー」
真吾「今だ、メフィスト2世!」
クエレブレ「うう」
メフィスト2世「よし、とどめだ!クエレブレ」
クエレブレ「う…」
ティタニア「その必要はないわ、悪魔くん」
真吾「え」
ティタニア「善であろうと悪であろうと、生きとし生けるものの命は、全て尊いものなのです。
あなたが倒さなければならない本当の悪魔。
クエレブレのような悪魔を利用している者なのです」
クエレブレ「…」
真吾「ティタニア」 真吾「…うん」
こうもり猫「軽くなったでやんす」
百目「楽ちんになったモン」
ティタニア「あ…」
モス「ティタニア様」 モス「目覚めるのが、早すぎたんだわ。ティタニア様はクエレブレの魔力を体中に浴びて」
鳥乙女「私たちを、命がけで助けようとしてくれたのね」
真吾「ティタニア。絶対君を死なせはしないぞ」 真吾「レッテレム、サリバード、クラターレス、ヒサーテル。
〜♪
(ティタニア、僕は約束するよ。全ての命を大切にし、一日も早く再び君と会うためにも。
僕たちは頑張って戦うと)」
ティタニア「ありがとう、悪魔くん。皆さん、今度私が目覚めるとき、
またあなたたちと出会える日を楽しみにしています」
モス「さようなら。いえ、おやすみなさい。女王」 ファウスト博士「見事だぞ、悪魔くん。本当に良い体験をし、成長したな。
じゃが、決してティタニアの言葉を忘れるでないぞ。
そして妖精界まで巻き込もうとしている黒い影の正体を突き止めるのじゃ。よいな」 エツ子「それにしても変ね。どうして私たち森の中で気を失ってたりしたのかしら」
情報屋「何しに森へ行ったんだろう」
真吾「皆、見てごらん!」
貧太「ああ、まるであの蝶々たち、僕たちに挨拶してるみたいだよ」
情報屋「すごいや、僕たちの言葉が分かるみたいだぞ。おーい」
クラスメイト達「おーい。おーい」 こうもり猫「もう、しっぽが伸びちゃったよ。かわいちょうにねー」
鳥乙女「今日はこうもり猫のお手柄だったね。はい、ご褒美」
(チュッ)
こうもり猫「…あっしの幸せ者。ごろにゃー」 真吾「真夏の夜に、雪と共にやってきた氷の妖精キララ。
氷の国の守り神ウォーミーが、なぜか突然暴れだして、
僕たちは妖精たちを救うために南極へ向かう。
ウォーミー、お前はキララの優しく悲しい涙が見えないのか。
悪魔くん。氷の妖精キララが流す虹色の涙。
夢よ、届け君の心に」
『氷の妖精キララが流す虹色の涙』 真吾「エロイムエッサイム、我は求め訴えたり!」
<ナレーター>
人間に不幸を与える悪魔を退治するため、
一万年に一人現れるという悪魔くんが、
12人の仲間と力を合わせて今立ち上がった。 埋れ木一家・メフィスト2世・百目「(ずるずるずるずる)」
メフィスト2世「いやあ、暑い時には冷やし中華というのもおつなもんだな」
エツ子「このきゅうりと卵私が刻んだのよ」
真吾「通りで、ね」
コハル「うふふ」
エツ子「あ、あれ」
百目「えー、でもエッちゃん繋げて切るのうまいんだモン」
埋れ木一家・メフィスト2世・百目「あはははははは」
コハル「それにしても暑いわねー。夜になってもちっとも救うために涼しくなんないわ。
ちょっとお父さん。お酒は三杯まででしょ」
茂「えー、もうちょっといいじゃない。ね、せっかく出版社から南極の氷を貰ってきたんだから」
コハル「じゃああと一杯だけですよ。ったく、南極の氷もうちの氷も溶けて流れりゃみな同じなのに」
茂「そんなことはないよ。何万年も前の水が凍ってるんだからねー。こりゃロマンだよ。
僕はグラスの中のロマンの飲みほしてるんだ。ふふ」
エツ子「ロマンより現実よ。今年こそクーラー入れてくれると思ったのになー」
茂「ぶっ」 埋れ木一家・メフィスト2世・百目「(ずるずるずるずる)」
メフィスト2世「いやあ、暑い時には冷やし中華というのもおつなもんだな」
エツ子「このきゅうりと卵私が刻んだのよ」
真吾「通りで、ね」
コハル「うふふ」
エツ子「あ、あれ」
百目「えー、でもエッちゃん繋げて切るのうまいんだモン」
埋れ木一家・メフィスト2世・百目「あはははははは」
コハル「それにしても暑いわねー。夜になってもちっとも涼しくなんないわ。
ちょっとお父さん。お酒は三杯まででしょ」
茂「えー、もうちょっといいじゃない。ね、せっかく出版社から南極の氷を貰ってきたんだから」
コハル「じゃああと一杯だけですよ。ったく、南極の氷もうちの氷も溶けて流れりゃみな同じなのに」
茂「そんなことはないよ。何万年も前の水が凍ってるんだからねー。こりゃロマンだよ。
僕はグラスの中のロマンの飲みほしてるんだ。ふふ」
エツ子「ロマンより現実よ。今年こそクーラー入れてくれると思ったのになー」
茂「ぶっ」 真吾「(この世界をおかしくしている黒い影の正体を早く突き止めなくちゃ)」
メフィスト2世「んーん、今日も熱帯夜だぜ。夕立ちでもくりゃ少しは涼しくなるのに」
百目「暑いモン。目から汗が出るモン。あ?モン!モンモンモン、モン!」
メフィスト2世「どうした?百目。雨の代わりにキャラメルでも降ってきたか?」
百目「雪だモン。雪が降ってるモン」
メフィスト2世「まさか」
百目「見てだモン。ほんとだモン」
真吾「んー」
メフィスト2世「たまげた。ほんとに雪だぜ」
真吾「行ってみよう」
百目「うんだモン」 真吾・メフィスト2世・百目「ああ…!」
真吾「こ、氷の妖精だ」
キララ「ここは…?あっ」
メフィスト2世「あっと!いけねえ、この暑さで弱ってるんだ」 真吾「森の妖精が、こんな暑いところへわざわざやってくるなんて、
きっと何か重大な訳があるんだよ」
メフィスト2世「おい、ピクシーまだか。早くしないと溶けちまうぞ」
赤ピクシー「そんなこと言っても難しい」
青ピクシー「オリーブオイルにバラの花。東の方角で摘んだマリーゴールド。
タチアオイの蕾に、妖精の丘で摘んだタチジャコウソウの花と芽。
それを日なたに干して、それからまた溶かすの」
赤ピクシー「だからラーメンみたいに早くは出来ない」
メフィスト2世「分かった分かった。とにかく早く頼む」
百目「悪魔くーん」
真吾「?」
百目「モン、モン、モン、モン」
真吾「なんだ百目、冷蔵庫ごと運んできたのか?」
百目「はあー」
真吾「バカだなあ。これだけあればいいんだよ」
百目「ん?モーン!」 メフィスト2世「魔力、氷のアイスベッド!ほっ。さ、この中に入れるんだ」
真吾「うん」
百目「さすがメフィスト2世だモン」 赤ピクシー「薬が出来たよー」
青ピクシー「出来たよー」
百目「どれどれだモン」
青ピクシー「はい、これで青ピクシー、赤ピクシー、黄ピクシーと10回唱える」
メフィスト2世「青ピクシー、赤ピクシー、黄ピキシーあたーあたー」
赤ピクシー「というのは冗談だ」
キララ「悪魔くんのところへ…悪魔くんの…」
真吾・メフィスト2世「…」
百目「…」
青ピクシー・赤ピクシー「ピッ」 真吾「息遣いが元に戻って来たぞ」
百目「薬が効いてきたんだモン」
キララ「…」
メフィスト2世「あ、気がついたぜ」 キララ「あなたは?」
百目「悪魔くんだモン」
キララ「え?ああ…お願いです。ウォーミーを、ウォーミーを止めてください」
真吾「ウォーミー?」
キララ「ウォーミーは、私たちの国の守り神なんです」
メフィスト2世「氷の妖精の国っていうと?」
キララ「皆さんが南極と呼ぶ、氷の世界にある白銀の国フィンダーガットです」 キララ「私の名はキララ。フィンダーガットで守り神ウォーミーの世話をしていました。
ウォーミーは、私の言うことだけはおとなしく聞いてくれました。それが…。
突然暴れだして、フィンダーガットの氷を食べ始めたのです。
もう、私たちの力では止めることは出来ません。
お願いです!一万年に一人現れて、全ての世界を平和に導くと伝えられているという悪魔くんの力でf、
ウォーミーを元の優しい守り神に戻してください!」
メフィスト2世「あ、それで南極から溶ける危険を冒してまで助けを求めに来たのか。
こりゃ何とかしてやらなきゃ男がすたるぜ。悪魔くん」
真吾「うん」 家獣「バウー」
真吾「頼むぞ、家獣。南極まで僕たちを運んでくれ」
家獣「バウー」 百目「わあ、ここにもペンギンがいっぱいなんだモン」
メフィスト2世「これは、南極観測隊の基地か?」
青ピクシー・赤ピクシー「わあ」
真吾「どうしたんだ。ペンギンたちが」
百目「逃げていくモン」
メフィスト2世「あ、あれを見ろ!」
百目「ん」
メフィスト2世「あれがウォーミーか」
キララ「フィンダーガットから外へ出てきたんだわ」
百目「すんごい怪物だモン」
真吾「とにかく近くに着陸しよう。家獣」
家獣「バウー」 キララ「ウォーミー、戻りなさい。フィンダーガットから外に出てはいけないわ。さあ!」
メフィスト2世「話して分かるような代物じゃねえなあ」
赤ピクシー「代物じゃない」
青ピクシー「じゃない」
メフィスト2世「ん?」
キララ「ウォーミー」
真吾「メフィスト2世、あのまま進むと観測隊の基地がめちゃくちゃにされるぞ」
メフィスト2世「よし、波動パワーで、氷の中に閉じ込めてやる。ふっ、ふっ、魔力、波動パワー!」
ウォーミー「ウォオオオ」
百目「わーい、やったモン」
キララ「いいえ、あのくらいのことではウォーミーはビクともしません」 真吾・メフィスト2世・百目「!わあ!」
百目「ますます怒っちゃったみたいだモン」
真吾「なんとしてもウォーミーをとめなくちゃ」
キララ「…っ」 真吾「ウォーミーの弱点はどこなんだい?知ってるんだろう?」
キララ「それは…」
メフィスト2世「迷ってる場合じゃないぜ」
キララ「ウォーミーは私たちの守り神です。傷つけないで元に戻して欲しいのです」
メフィスト2世「い、いや。そんなこと言ったってよ」
キララ「お願いです。悪魔くん」
真吾「やるだけやってみよう」 真吾「メフィスト2世、これを借りるよ」
メフィスト2世「あ。わ、わわ、ステッキの先がすり減っちまうよー」
百目「ケチケチしないんだモン」
赤ピクシー「ステッキで素敵な魔法陣の出来上がり」
青ピクシー「出来上がり」
真吾「エロイムエッサイム、エロイムエッサイム。我は求め訴えたり!
出でよ、第2使徒、ユルグ!第7使徒、妖虎!」
妖虎「ぶるるるるる。こんなに寒いと熱燗が恋しくなるのう」
メフィスト2世「呑気なこと言ってねえで早くあいつを何とかしろ」
ユルグ「ほっとけばそのうち腹を壊すだろう」
真吾「火を起こして、ウォーミーの前進を食い止めるんだ!このまま進んだら南極観測隊の基地が危ない!」
妖虎「承知」 妖虎「ガルルルル」
真吾「ユルグ、早く!」
ユルグ「じっとしてると寒くてかなわんからやってやるか。オーエッサムコーン!」
妖虎「ガルルルル」
ウォーミー「(プシュー)」
メフィスト2世「火が消えちまう」
ウォーミー「(プシュー)」
ユルグ・妖虎「わあー」
百目「ああ、やられちゃったモン」
ウォーミー「(プシュー)」
メフィスト2世「おっと」
百目「わあ」
ウォーミー「(プシュー)」
青ピクシー・赤ピクシー「わあー」
真吾「あ、百目!」
キララ「百目ちゃん!」 ウォーミー「(プシュー)」
真吾「う、うわー。このままじゃ皆やられてしまう」
メフィスト2世「ああ、なんてこった。キララちゃん」
真吾「危ない、戻るんだ!」
キララ「やめなさい、ウォーミー!これ以上暴れないで」
ウォーミー「…」
キララ「お願い。元通りの優しいあなたに戻って」 キララ「私の言うことを聞いて。フィンダーガットに戻って。
これ以上迷惑をかけちゃいけないわ」
ウォーミー「ウォオオオ」
キララ「あっ」
メフィスト2世「危ない!悪魔くん!」
真吾「…っ」
キララ「ウォーミー…どうして言うことを聞いてくれないの…」
ウォーミー「ウォオオオ」
真吾「今のウォーミーは、あなたたちの守り神じゃありません。
もっと大きな、邪悪な力をもった者の手先となっているんです」
キララ「…」
真吾「森の妖精王ティタニアを目覚めさせたのと同じなんです。
きっとまた、黒い影が妖精界を混乱させているんです。あ。
てゃ!ふっ!うわー!」
メフィスト2世「あ!」
キララ「悪魔くん!」 メフィスト2世「いけねえ!悪魔くんがかじられちまう」
キララ「やめて、ウォーミー!メフィスト2世さん、ウォーミーを止めるには凍らせるしかないんです」
メフィスト2世「そうか。よーし。魔力、絶対零度!ええい!」
ウォーミー「(プシュー)」
メフィスト2世「くそう、負けるか!んん、くう。どんなもんだい」
(パリーン)
メフィスト2世「うわあ、絶対零度が効かねえ」
キララ「普通の魔力ではダメです。ウォーミーを凍らせるには」
メフィスト2世「どうしたらいいんだ!早くしないと皆が…!そうだ!
家獣、雲の上から太陽光線を反射させて、早く皆の氷を溶かすんだ」
家獣「バウ。バウ、バウー」
ウォーミー「(プシュー)」
家獣「バウバウバウバウバウ」
メフィスト2世「早く溶けろ。早く」 真吾「あ…僕は…」
メフィスト2世「悪魔くん!逃げろ!」
キララ「…」
ユルグ・妖虎「ああ」
百目「いててだモン」 メフィスト2世「悪魔くん!ウォーミーを倒すには、氷の中に眠らせるしかないんだ!」
百目「それなら、魔力絶対零度があるモン」
メフィスト2世「効かねえんだよ、それが」
真吾・百目「ええ」
ユルグ・妖虎「ええ」
ユルグ「どうするんだ?悪魔くん」
真吾「…」
赤ピクシー「悪魔くん」
青ピクシー「どうするの」
真吾「万事休すか」
キララ「ひとつだけ方法があります。悪魔くん、ブリザードを起こしてください」
真吾「ブリザード。よし!」 真吾「エロイムエッサイム、エロイムエッサイム。我は求め訴えたり!
出でよ、第10使徒、鳥乙女!第11使徒、サシペレレ!
早速だけど鳥乙女、風をおこしてくれ。サシペレレは竜巻だ」
ウォーミー「ウォオオオ」
鳥乙女「任せて。ピンクハリケーン!」
サシペレレ「竜巻大回転!」
鳥乙女「…っ」
ウォーミー「ウォオオオ」
キララ「許して、ウォーミー」
メフィスト2世「ウォーミーが凍っていく」
キララ「フィンダーガットに伝わるあのペンダントには、ウォーミーを永遠の眠りにつかせる力があるのです」
真吾・メフィスト2世・ユルグ・ピクシー・百目・妖虎「…」
メフィスト2世「やったぜ」
真吾「く…」
百目「なんか可哀想なんだモン」
メフィスト2世「こうするより仕方なかったけど、ウォーミーに罪はないんだもんな」
真吾「正体を見せろ。どこかで皆の不幸を喜んでいる黒い影。隠れてないで出てこーい!」 キララ「さようなら、悪魔くん。私はフィンダーガットに帰ります。もうお目にかかれないけど、
妖精界と、悪魔界と、人間界が仲良く出来るように頑張ってください」
真吾「うん、二度とこういう悲劇が起こらない世の中にすることを約束するよ」
キララ「さようなら、悪魔くん。さようなら、皆さん」
百目「さよならだモーン」
ピクシー「ばいばーい。ばいばーい」
メフィスト2世「どうやら相当でかい悪が動き出してるらしいな」
真吾「うん、でも僕は負けないぞ」
メフィスト2世「俺もだ」 東嶽大帝「わっはっはっはっは。わっはっはっはっはっはっは。
まだまだわしの正体は誰にも知られてはおらん。
者ども!今のうちに悪魔王家の建設を急ぐのだ!」
悪魔たち「おー!」
東嶽大帝「わっはっはっはっはっは」 真吾「伝説の魔鏡アニマムディの鏡を手に入れた大林寺魔州が、
僕を倒して、自分がこの世の救世主になろうとするんだ。
魔界を追放されて地上で罪滅ぼしの修行をしていたベルゼブブという悪魔をつかって、僕を罠にかける。
悪魔くん。伝説の魔鏡アニマムディの予言!?
夢よ、届け君の心に」
『伝説の魔鏡アニマムディの予言!?』 真吾「エロイムエッサイム、我は求め訴えたり!」
<ナレーター>
人間に不幸を与える悪魔を退治するため、
一万年に一人現れるという悪魔くんが、
12人の仲間と力を合わせて今立ち上がった。 ベルゼブブ「あーキツい」
大林寺魔州「ああ、伝説のアニマムディの魔鏡を求めて探し歩いたが、もはやこれまで」
ベルゼブブ「は?」
大林寺魔州「やはり単なる言い伝えに過ぎなかったか。
ベルゼブブ「そ、そんなに簡単に諦めないでくださいよ。信じてついてきたあっしはどうしたらいっすかー」
大林寺魔州「ん?占い杖が」
ベルゼブブ「魔州様。俺の杖がなんか見つけたようですぜ。はははは」 大林寺魔州「!」
ベルゼブブ「あら!」
大林寺魔州「おお、あれはまさにアニマムディの魔鏡では」
ベルゼブブ「やりましたね、大林寺魔州様」
大林寺魔州「お!」
視鬼魅『急げ、我らがメシアよ』
大林寺魔州「はあ」
ベルゼブブ「なんだあの変なじじいは」
大林寺魔州「これこれ。あなたはもしや、その予知能力において並ぶものはなしと言われた古代中国の悪魔、視鬼魅」
視鬼魅『わしは2000年前メシア復活を予言したのじゃ。この鏡の中で眠りについた。
そして再びわしが目覚める時こそ、この世を救うため、一万年に一人現れる救世主メシア復活のときなんじゃな。
ついに黒い影と戦うときはきた。急げ、我らがメシア』
大林寺魔州「ははあー」
ベルゼブブ「え?え?ははははあ」 大林寺魔州「古より、アニマムディの魔鏡を見つけた者こそ、この世の王になれると言われている。
お前もしかと聞いたであろう、ベルゼブブ。視鬼魅はこの大林寺魔州を一万年に一人現れるというメシアと認めたのだ。
苦労の甲斐があったというのものだ。ははははは」
ベルゼブブ「しかし魔州様。一万年に一人といえば悪魔くんとかいう小僧も確か…」
大林寺魔州「この世にメシアはわし一人で十分。たとえ子供でも許してはおけぬ。
悪魔くんの始末はお前に任せたぞ」
ベルゼブブ「ははあ、たしかに魔州さ…いやメシア様」
大林寺魔州「うん、うん」 真吾「魔術師…。小さな家…。復活…。魔術師、小さな家、復活か」
百目「何のことだモン?悪魔くん」
真吾「うーん、ファウスト博士の言ってた黒い影と何か関係があるのかなあ」
エツ子「お兄ちゃーん。また占い王がテレビに出てるよ。早く早く」
真吾「今忙しいのに」 TVレポーター『未来に対する期待と不安が起こした占いブームに、また一段と大きく火を点けたのが、
なんと的中率100%を誇るこの占い王なんです』 占い王『うぬへほちとろにはに』
男『この間先生に占っていただいたおかげで、潰れかかった私の会社も助かりました。これはほんのお礼です』
占い王『うーむ、あくまで悩める多くの人々を助けるのがわしの仕事じゃが、それほどまでにいうのなら貰っておこう』
TVレポーター『さて、なんと今回は占い王先生が、お茶の間の皆さんを占ってくださるとのことです。
では先生、よろしくお願いします』
占い王「よし、ほれざおー。シンゴという名前の少年に、な、な、なんと素晴らしい相が出ておる』
TVレポーター『シンゴ?テレビをご覧のシンゴくん。詳しいことは先生がタダで占ってくださるそうですよ。
さあ、楽しみですね。待ってますよ、シンゴくーん』 エツ子「シンゴくんだって。お兄ちゃんのことかもしれないよ」
真吾「まさか」
コハル「行ってきたら?真吾。どうせタダなんでしょ」
茂「あんなものあてになりゃしないよ。ほら、この新聞にもさっきの占い王とかの占いコーナーとが載ってるが」
コハル「どれどれどれ。たしか父さんは申年生まれ。八白土星で血液型はOだから」
エツ子「あー、仕事で大成功ですって」
茂「あはは。冗談じゃない。原稿料はちっとも上がらないし、せっかく決まった連載漫画も、
いまいち人気がなくて打ち切りになりそうだっていうのに。はあーどうせ占いなんてそんなもんさ。あー悔しい」
百目「あーパパさん、元気出すんだモン」
真吾「そうだよ、父さん。占いなんてどうせ遊びじゃないか」
(prrrrrr…)
コハル「はいはいはいはい。もしもし?あ、雑誌社の方。え、ほんとですか!」
茂「うわあー、ついに打ち切りが決定したんだ」
コハル「お父さん!お父さんの漫画が認められて、新人賞を取ったんですって!」
茂「えー!」 真吾「父さん、しっかりして!」
コハル・エツ子「お父さん」
茂「し、新人賞…。漫画を描き始めて苦節30年。うう…」
百目「悪魔くん、新人賞ってそんなに怖いものなんだモン?パパさん泣いてるんだモン」
真吾「違うよ、これは嬉し泣きさ」
コハル「立派だわ。あなた」
エツ子「おめでとう、お父さん」
茂「うう…」
真吾「そうだ、今夜は、父さんの記章パーティをしなくちゃね」
コハル「よし、母さんが腕をふるってうーんとご馳走つくるわよ」
百目「やったモン。へへへ」 真吾「そうか、皆もテレビ見てたのか」
情報屋「占い王の言ってたシンゴくんって絶対悪魔くんのことに違いないよ。行ってみようぜ。なあ、貧太くん」
貧太「ふふ、実をいうと情報屋は行ったついでに自分も占ってもらうつもりなんだよ」
情報屋「ははは。バレたらしょうがないや。俺、どこでスクープ写真撮れるか教えてもらうんだ」
キリヒト「僕も、いつ頃ノーベル賞をもらえるか知りたいんです」
エツ子「二人とも夢がないわねえ。占いと言えば決まってるじゃない。私の結婚相手って一体どんな人なのかしら。
やっぱり…。ふふふふ。あら、あ。邪魔しないでよ、百目ちゃん。もう」
百目「ボク何もしてないモン」
真吾「そうか。そういえば父さんの新人賞も本当に当てちゃったし、ひょっとしたら黒い影の正体も分かるかも知れないぞ」
エツ子「お兄ちゃん。何ぶつぶつ言ってんのよ。早く行ってみようよ」
百目「ボクも行くんだモン」
真吾「でもエツ子、父さんのパーティの準備もしなきゃいけないし」
エツ子「すぐ戻ってくれば大丈夫よ」
真吾「うん…あ、そうだ。皆ちょっと先に行ってて。すぐに僕も行くよ」
百目「きっとだモン。悪魔くん」
キリヒト「待ってますよ」
貧太「ふふ」
情報屋「チャンス、チャンス」 真吾「エロイムエッサイム、エロイムエッサイム。我は求め訴えたり!出でよ、第11使徒、サシペレレ!」
サシペレレ「何か事件かい?悪魔くん」
真吾「そうじゃないんだけど、ぜひ君に頼みたいことがあるんだ」
サシペレレ「え、ええ?」 真吾(サシペレレ)「ただいまー」
コハル「あら真吾。エツ子たちと出かけたんじゃなかったの?」
真吾(サシペレレ)「とんでもない。僕の大切なパパのために、パーティの準備をしなくちゃね」
コハル「大切な、パパ…」
茂「ひょっとして、私のこと?」
真吾(サシペレレ)「オフコースよ。ねえ、ママ。やっぱりパーティっていうとサンバで踊り明かすんでしょう。
僕もよくブラジルじゃトゥルットゥットゥットゥ。ああ…」
コハル「真吾?」
茂「…」 情報屋「げーっ。ひょっとしてあの連中みんなシンゴって人なのかよ」
占い王「うーん、うーん」
シンゴA「な、何か悪い気でも?」
占い王「(どいつもこいつもシンゴだったらいいってもんじゃないだろがよ)」 真吾「ごめん、ごめん。遅くなって」
貧太「悪魔くん、この様子じゃ君まで順番が回ってくるの夜になっちゃいそうだよ」
エツ子「それじゃあパーティに間に合わないじゃない」
百目「うーん」
エツ子「仕方ないけど出直してこようよ。お兄ちゃん」
真吾「そうだな」 占い王「ん?待った、そこの君」
真吾・百目「え」
占い王「君こそ正真正銘のシンゴくんに違いない」
真吾「ぼぼぼ、僕のこと?」
シンゴB「僕だってシンゴだい」
シンゴC「わしもじゃ」
シンゴD「俺もだぞ」
シンゴE「僕もシンゴだ」
シンゴF「僕もだ」
シンゴたち「わーわー」
占い王「いやいや、残念でした。今日はおしまい。さあ帰った帰った。みんなどけどけどけどけ」 真吾「?」
占い王「シンゴくん。君は約束通り占ってあげるぞ。もっと静かなところへ行こう」
真吾「ああ、ああ」
エツ子「待ってよ」
情報屋「俺たちも!」
百目「悪魔くーん」 真吾「あ、ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと。どこ行くんですか!」
百目「悪魔くーん」
真吾「うわ、あ、ああ、ああ、うっ、ああ」
占い王「それ!」
真吾「わあ」
百目「待って、ボクも」
情報屋「あれー、おかしいな。確かにこっちに来たはずなのに」 占い王「それそれそれそれ」
真吾「どこまで行けば占ってくれるんですか?」
占い王「へへへへへ。心配しなくとも今占ってやるとも。よーく聞け。貴様の運命は死あるのみだ。悪魔くん」
真吾「なんだって!?」
百目「追いついたんだモン」
真吾「百目!」
占い王「へへへへへへへへ」
真吾「あ!お、お前はベルゼブブ!」
百目「悪魔くん!」
真吾「…!」
ベルゼブブ「へへへへへ」 >1,50,100,150,200,250,300,350,400,450,500,550,600,650,700,750,800,850,900,950
【日付】2019年9月12日の朝7時27分頃 高田馬場駅にて
【茶髪ロングで顎髭生やしてる身長160cm体重50kgの草なぎ剛似】
山手線で女子高生のスカート等に体液をぶっかける痴漢を繰り返す常習犯なので注意して下さい!私の妹が実際に被害に遭いました!
(2019年9月12日の朝7時27分頃 高田馬場駅にて)
混雑した電車内で痴漢を行なっている男性を女子高生の妹が勇気を振り絞って撮影しました。
その当時の状況によると彼は真後ろにいたようでハアハア言いながらズボンのチャックからイチモツを出し手でシゴいていたようで、妹が電車を降りた際にスカートに体液がかけられていたそうです。
これ以上被害が出ないよう見かけましたら鉄道警察に通報宜しくお願い致します!
出会い系にも登録してる強制わいせつ罪及び迷惑防止条例違反者の顔写真はこちらです
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