【天心流兵法 捏造流派疑惑について】

元々、天心兵法の鍬海氏は以下のように伝系を主張していた(2014年7月)。

・国富忠左衛門→国富弥左衛門→国富弥五左衛門→国富五郎衛門→石井家三代→中村天心

そして、幕末に「国富五郎衛門」から石井家に伝承された時はじめて関東へ伝わったとされる。

しかし、国際水月塾支部の現地調査により以下の事実が明らかにされ、「国富弥左衛門→国富弥五左衛門→国富五郎衛門」という伝系が創作・捏造の可能性が非常に高くなってきた(2017年7月)。

・幕末の国富家、さらに福本藩の士籍に「国富五郎衛門」という人物は存在しない。
・国富家は幕末まで代々「忠左衛門」しか名乗らない上、国富姓も福本藩にはその一件のみ。(=分家はなし)
・国富家の子孫の方が現在でも関西に在住している。

これに対して、突如、天心兵法は自分達が天心流の「江戸伝系」であることを主張し、上記の伝系の捏造疑惑は問題にあたらないと反論した(2017年8月)。

しかし、繰り返すが天心流の元来の主張では、関東にはじめて天心流が伝わったのは
幕末から明治にかけての石井家の代であり(天心流公式サイトリンク http://tenshinryu.net/about.html ) ※魚拓採取済み

つまり、「国富弥左衛門→国富弥五左衛門→国富五郎衛門」という幕末の国富家伝系は、史実の国富家系図と矛盾していることに変わりないのである。

尚、国際水月塾支部の調査発表以前は、国富忠左衛門の名を代々が襲名していたことは明らかであったものの
幕末最後まで国富「忠左衛門」の名が受け継がれていたことは不明であり、
水月塾支部の調査によってはじめてその事実が判明した。

天心流兵法の発表は、その調査結果を受けているにもかかわらず、
新主張では、福本藩の国富忠左衛門家とは別の国富家の系統を発生させてしまっていることになる。
しかし、「五郎衛門」らその別系統の存在の証拠は一切提示されていない。

以上により、天心兵法の主張する幕末期の福本藩の国富忠左衛門家の系譜に誤りがあること、
それに伴う捏造疑惑は深まる一方であり、いまだ解決をみていないものである。