【8309】三井住友TH part1
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三井住友トラスト・ホールディングス https://www.smth.jp/ 2021-12-01 野村 Buy継続 6100円 → 6500円 2021-09-22 東海東京 Neutral継続 3000円 → 4200円 2021-09-08 みずほ 買い継続 4500円 → 4300円 2021-09-06 SBI 中立継続 3700円 → 3800円 2021-08-30 CS OP継続 5000円 → 4800円 2021-08-10 JPモルガン Overweight継続 5100円 → 4700円 2021-08-06 モルガンS Overweight継続 4200円 → 4400円 2021-06-21 SMBC日興 1継続 4300円 → 4200円 気候変動開示へ、システムを販売、三井住友銀と日本IBM。 2021/12/10 日本経済新聞 朝刊 三井住友銀行は9日、日本IBMと連携して企業の気候変動開示を支援すると発表した。気候変動分析を手掛ける米国のスタート アップのシステムを銀行の取引先に販売する。企業統治指針の改定で、企業の気候変動開示に対する要請が高まっていることに 対応する。 2022年1月をめどに、米国のザ・クライメート・サービスが開発したシステムを販売する。 クラウド上の基盤に保有資産のデータを入力すると、気候シナリオに沿ったリスクや財務影響、収益機会などを測定する。 企業統治指針の改定で、東京証券取引所の最上位にあたるプライム市場では国際組織の気候関連財務情報開示タスクフォース (TCFD)の基準に基づいた情報開示が求められるようになった。 三井住友銀は主に、プライム市場の基準を満たす約1500社に対してシステムの利用を促していく方針だ。 みずほ問題、日銀人事にも余波 3メガ輪番に狂いも 2021/12/10 05:00 日経速報ニュース 日銀の審議委員人事をめぐる調整が本格化してきた。2022年7月に退任する鈴木人司氏と片岡剛士氏の後任人事だ。政府が 人事案を提示し、国会承認を経て決まる。岸田文雄政権になって初の人事で、金融政策への姿勢を映す鏡になる。23年4月に 任期満了を迎える黒田東彦総裁の後任人事の試金石にもなるが、ここにもみずほ問題の余波が及んでいる。 これまでの例では政府は人事案を着任予定日の3カ月ほど前に国会に提示してきた。まだ余裕があるようにもみえるが、人事 案を固めるまでには候補者らの事前の調整が必要で、関係者は「今年のうちに内々に固まっていないと、年明けの調整がかなり 窮屈になる」と話す。 人事は衆参両院の承認が必要だが、いまは衆参のねじれもなく、政府案はそのまま通る公算が大きい。安倍晋三政権下では 当時内閣官房参与だった浜田宏一氏や本田悦朗氏らの助言にもとづく人事案が多く通ってきた。片岡氏らリフレ派が多く審議委 員に選ばれたのも官邸主導の人事だ。 政府は人事案を固めるにあたって日銀から意向を聞き取るとされる。来夏に任期を迎える鈴木氏は三菱東京UFJ銀行(現三菱 UFJ銀行)出身。日銀の政策運営上、銀行業務や金融市場に精通する人物は重要で、日銀が鈴木氏を推したことが政府の人選 に影響を与えた面がある。 鈴木氏の後任は今回もメガバンク出身者を軸に人選が進みそうだ。ただ、今年のみずほフィナンシャルグループの相次ぐ不祥事 が人選に影を落とす。いわゆる「銀行OB」枠は鈴木氏の前には三井住友フィナンシャルグループ出身の石田浩二氏、その前は みずほ出身の野田忠男氏だった。 3社でバトンを回すなら、次はみずほの順となるはずだが、不祥事で定石通りとならない可能性が出ている。同じく3メガバンクが 輪番で担う全国銀行協会の次の会長(任期1年)も、みずほではなく三菱UFJ銀行の半沢淳一頭取が就任する方向で調整が進ん でいる。審議委員の任期が5年であることを考えると、全銀協会長以上に影響は長引く。 総裁人事を占う上では、片岡氏の後任人事も注目を集める。再びリフレ派が選ばれれば、積極的な金融緩和路線の継続を色 濃く映すことになる。だが、安倍政権時の浜田氏や本田氏、さらには菅義偉政権時の高橋洋一内閣官房参与といったリフレ派の ブレーンは官邸を去った。リフレ派ではない人物が選ばれれば、黒田総裁が就任した13年以降の審議委員人事では一線を画す ことになる。 黒田総裁や2人の副総裁の後任人事は22年後半に調整が本格化する。22年7月には参院選もあり不確実な要素はまだ多い が、2人の審議委員人事はそれぞれに重い意味を持つことになる。 ADR3878円 米国債券10年利回り1.487%、(0.000) みずほ、ベトナムスマホ決済最大手に出資へ 150億円 2021/12/11 05:11 日経速報ニュース みずほ銀行はベトナムのスマートフォン決済最大手、Mサービスに出資する。月内にも150億〜200億円を投じ株式の7.5%を 取得するとみられる。みずほは財務基盤の強化を優先し、海外投資を控えてきた。今後は出遅れているアジア市場で、リテー ルビジネスを拡大する。 Mサービスは決済サービス「モモ」を展開し、人口約1億人のベトナムで2000万人超が利用する。5割を超える市場シェアを生 かし複数サービスを1つのアプリから利用できるスーパーアプリを運営している。 みずほは11年にベトナムの大手銀ベトコムバンクに出資している。Mサービスへの出資で3社の連携を深め、同国のリテール 市場で収益力を高める。ベトナムは新型コロナウイルス禍の20年にもプラス成長を維持し、21年以降も高い経済成長が続く見 込み。スマホの保有率は高いが、電子マネーの決済比率は低く拡大余地が大きい。 日本の大手行は東南アジア諸国連合(ASEAN)の成長を取り込もうと積極投資に動く。三井住友フィナンシャルグループ(F G)はベトナムやフィリピンなどに矢継ぎ早に投資を実行。三菱UFJFGはシンガポールの配車アプリ大手グラブに出資し、非金 融との相乗効果に狙いを定めた。 みずほ、6年ぶり海外出資が映す光と影 財務体質は改善 2021/12/12 05:00 日経速報ニュース みずほ銀行がベトナムのスマートフォン決済最大手のMサービスに出資する。出資の先には、金融サービスをデジタル基盤上で 提供する次世代のデジタルバンク構想を描く。6年ぶりに大型の海外出資に踏み切る背景には、他行に見劣りしてきた財務の健全 性向上がある。資本を成長に振り向けるスタート地点に立ったが、財務体質の改善は一連のシステム障害と無縁ではない。 「今後は先進的な技術や事業モデルへの取り組みが鍵になる。成長投資は海外も含め具体化しつつある」。みずほフィナンシャル グループ(FG)の坂井辰史社長は11月中旬、投資家を前に自信をのぞかせていた。一連のシステム障害で金融庁から業務改善命 令を受け、辞任を表明する少し前のことだ。 その成長投資の第1弾が、Mサービスへの出資だ。月内にも150億〜200億円規模を投じて株式の7.5%を取得する見通し。Mサ ービスはベトナムで5割超のシェアを握るスマホ決済「モモ」を展開する。電気料金の支払いや映画のチケット購入、旅行手配などさ まざまなサービスを一つのアプリ上で利用できるスーパーアプリだ。 モモに狙いを定めたみずほが目指すのはアジアでのデジタルバンク設立だ。モモのメインバンクにあたるベトナムの大手銀ベトコム バンクの預金やローンといった金融商品もアプリ上で利用できるようなデジタル空間の次世代銀行の姿を描く。 手続きを単にオンライン化するだけでなく、モモのようなスーパーアプリの強みである使いやすいUI(ユーザーインターフェース)で金 融・非金融の垣根を越えたサービスを提供する。みずほはベトコムバンクにも出資しており、若年層を中心に顧客基盤を拡大するモモ と伝統的銀行の連携を促す戦略だ。 「他のメガバンクと同じ戦略では戦えない」。アジアのリテール戦略で他の2メガバンクの後じんを拝してきたみずほが海外戦略で強 く意識したのは、「キャピタル(資本)ライト」と「デジタル」という2つのキーワードだった。 三菱UFJFGと三井住友FGはすでにアジアの商業銀行に足場を持つ。三菱UFJは早くからタイのアユタヤ銀行やインドネシアの バンクダナモンなどに手を広げてきた。三井住友FGも21年にフィリピンの銀行大手、リサール商業銀行(RCBC)などに出資を決めた。 一方、みずほは11年にベトコムバンクに出資してからアジアの金融機関には手をつけず、大型の海外出資は15年に公表した米運 用会社マシューズ・アジアへの出資以来、今回のMサービスは約6年ぶりとなる。 人口増加と経済発展が見込めるアジアのリテール強化は成長拡大のため欠かせないピースだ。ただ、伝統的な商業銀行は成長余 地が小さく、出資規制の制約もあった。坂井社長が18年に就任してからは比較的少額の投資でデジタル領域でシナジーを高められる 企業に照準を絞って出資先を検討してきた。 このタイミングで海外出資に打って出る背景には財務基盤の改善がある。統合後の03年の「1兆円増資」に代表されるように自己資 本の拡充は常にみずほの経営課題であり続けてきた。 財務の健全性を示す普通株式等Tier1比率(CET1比率、新資本規制の完全施行時ベース)は坂井社長の就任直後、19年3月期に は8.2%だった。すでに9%を超える水準に達していた三菱UFJや三井住友FGに水をあけられており、コスト構造改革で資本の積み上げ を優先した。 その結果、CET1比率は目標としていた9%台前半を前倒しで達成し、足元では9.6%まで上昇した。21年5月には資本政策を改定し、 成長投資と株主還元への積極姿勢を打ち出した。先立つ資本の拡充を優先した判断が実った結果で、自己資本比率は他メガに並ぶ 水準まで高まった。 先進的なデジタルバンク構想を描くみずほは相次ぐシステム障害で自らつまずいた。あるみずほ幹部は「CET1比率を高めることが全 社的な至上命令だった。コスト削減圧力がシステム障害の遠因になった可能性は否めない」と語る。財務の改善を優先するあまり、必 要な費用を出し惜しむ姿勢があったとすれば本末転倒だ。 過去の障害時と比べて最も重いけじめをつける坂井社長だが、反転攻勢に向けた財務的な下地を整えたのは事実だ。ただし、「攻め」 のデジタル戦略の実行も、まずはシステムの安定稼働が大前提だ。システム障害の再発を防ぎつつ、財務の改善を成長につなげる 課題は新経営陣が引き継ぐことになる。 三井住友FG − 【四季報先取り】三井住友FG 【上振れ】貸出残高は国内停滞だが、海外が増加。利ザヤも改善で資金利益堅調。資産運用関連の手数料復調。 債券損益は減でも、関西みらい株売却益。与信費用は想定以下。経常益上振れ。増配。23年3月期は貸出残高 伸び悩みだが、役務軸に伸長。 【出 資】ベトナム・FEクレジットへ出資完了、アジア戦略加速。22年11月まで3300万株、1000億円上限に自 己株取得。 NYダウ、反落で始まる オミクロン型への警戒再び 2021/12/14 01:20 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=横内理恵】13日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落して始まり、午前9時50分現在は前週末比 210ドル48セント安の3万5760ドル51セントで推移している。新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の感染拡大への警戒 感から景気敏感株が売られている。ダウ平均は前週に1400ドル近く上昇しており、14〜15日の米連邦公開市場委員会(FOM C)を前に利益確定売りも出ている。 【関連記事】 ・英、オミクロン型で死者を確認 ・オミクロン型、中国本土で初確認 天津で オミクロン型の感染が急拡大する英国で13日に感染者の死亡が確認された。世界景気への影響が改めて意識され、ダウ平 均の構成銘柄では航空機のボーイングや工業製品・事務用品のスリーエム(3M)、化学のダウなど景気敏感株が売られている。 クレジットカードのアメリカン・エキスプレスなど消費関連も安い。ダウ平均の構成銘柄以外では空運のユナイテッド航空やクル ーズ船のカーニバルなど旅行・レジャー株の下げが目立つ。 米長期金利が1.4%台前半に低下し、相対的な割高感が和らいだ高PER(株価収益率)のハイテク株には買いが入っている。 顧客情報管理(CRM)のセールスフォース・ドットコムが高い。アナリストが目標株価を引き上げたスマートフォンのアップルは 連日で上場来高値を更新し、時価総額が3兆ドルに迫った。 ADR3816円 米国債券10年利回り1.417%、(-0.072) 米国株、ダウ反落320ドル安 コロナ感染拡大を警戒 ナスダックも下落 2021/12/14 06:18 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=張間正義】13日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前週末比320ドル04セント(0.9%)安の 3万5650ドル95セントで終えた。新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の感染拡大への警戒感から景気敏感株を中心に 売りが優勢だった。15日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を前に、過去最高値圏で推移する米株には利益確定 売りも出やすかった。 オミクロン型の感染が拡大する英国で13日、感染者の死亡が確認された。米国でも感染者が再び増加しており、行動制限な どによる景気への影響が懸念された。航空旅客数が減り、航空機の受注にも響くとの見方からボーイングが4%下落した。工業 製品・事務用品のスリーエム(3M)や化学のダウ、クレジットカードのアメリカン・エキスプレスなど景気敏感株が幅広く売られた。 ダウ平均の構成銘柄以外では空運のアメリカン航空グループやクルーズのカーニバルなど旅行・レジャー株の下げが目立った。 FOMCではテーパリング(量的緩和の縮小)の加速が決定される見通し。テーパリング終了後に予想される利上げの開始時期 やペースをどうみているのか確認したい投資家が多く、積極的な買いは見送られた。 一方、ディフェンシブ株には資金が流入した。アナリストが投資判断を引き上げた飲料のコカ・コーラが3%高。日用品・医薬品 のジョンソン・エンド・ジョンソンや製薬のメルクも上昇し、ダウ平均を下支えした。ダウ平均の構成銘柄以外では、新型コロナの ワクチン需要拡大観測から製薬のファイザーが5%高で終えた。 ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は反落し、前週末比217.319ポイント(1.4%)安の1万5413.282で終えた。スマー トフォンのアップルは朝方に上場来高値を更新したが、その後は売りに押された。電気自動車のテスラと半導体のエヌビディア が大幅安となった。 17日は日本でのメジャーSQ(特別清算指数)に当たる「クアドルプル・ウィッチング」の実施日に当たる。オプションのコール (買う権利)の建玉(未決済残高)が多い一部ハイテク株は「持ち高整理の動きが下落につながっている可能性がある」(インガル ズ・アンド・スナイダーのティム・グリスキー氏)との見方もあった。 2021/12/13 22:45 三井住友FG(8316) 22年3月期経常予想。対前週1.2%上昇。 三井住友フィナンシャルグループ<8316>の経常利益予想コンセンサスは、前週値の979,067百万円から1.2%上昇し 990,748百万円となった。対前年実績で見た場合37.7%の増益予想から39.3%増益予想に上方修正されたことになる。 因みにレーティングコンセンサスは4.4で変わらずのまま。 日銀、コロナ対応縮小へ、資金繰り支援策、決定会合で議論。 2021/12/15 日本経済新聞 朝刊 日銀は16〜17日の金融政策決定会合で、新型コロナウイルス禍に対応した資金繰り支援策の縮小を議論する。企業の資金繰り は改善してきたと判断しており、支援策を期限の2022年3月で打ち切るか検討する。コロナの感染状況を見極めて、22年1月に最 終判断する可能性もある。 日銀の資金繰り支援は2本柱だ。1つはコマーシャルペーパー(CP)と社債を計20兆円を上限とする買い入れだ。CPや社債を発行 する大企業の資金繰りは落ち着いており、日銀内で「延長は不要」との見方が増えている。市場の動揺を起こさぬよう段階的に購入量 を減らす案などが浮上している。 もう1つは金融機関に有利な条件で資金供給することで、中小企業などへの融資を促す措置だ。日銀は中小企業の資金繰りも全体 としては改善していると判断しているが、接客業など依然として資金繰りが厳しい企業も残っている。22年4月以降も続けるべきか議 論する。 日銀は2つの支援策の今後の対応を今回か22年1月の会合で決める方針だ。コロナの変異型「オミクロン型」など不透明要因も残る。 日銀内では「12月の会合では資金繰りの改善を点検した上で、22年1月に具体的な支援策の修正を決めるのが適切だ」との意見も 少なくない。 ADR3890円 米国債券10年利回り1.441%、(+0.017) 日本株ADR14日、ほぼ全面高 メガバンクとトヨタの上げ目立つ 2021/12/15 06:12 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=古江敦子】14日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)はほぼ全面高だった。 同日の日米株式相場は下落したが、日本株ADRの反応は限られた。みずほFGとトヨタが3%近く上昇した。 三井住友FGと三菱UFJの上げも目立った。一方、オリックスが小幅に下げた。 材料を読む FOMC、テーパリング加速決定へ 22年利上げは2〜3回に 2021/12/15 07:08 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=横内理恵】米連邦準備理事会(FRB)は15日、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を発表する。 インフレ率の高まりを受け、テーパリング(量的緩和の縮小)加速を決める公算が大きい。会合後に示す参加者らの政策金 利見通し(ドットチャート)では、来年の利上げ回数を2〜3回と前回(1回)から増やすとみられる。パウエル議長の記者会見 でもインフレ警戒姿勢を前面に打ち出し、金融引き締めに前向きな「タカ派」方向にかじを切る公算が大きい。 11月に始めたテーパリングでは資産購入額を毎月150億ドルずつ減額する方針を掲げている。これを2倍の300億ドル(国 債200億ドル、不動産担保ローン証券で100億ドル)に増やし、減額ペースを加速する見通しだ。11月の米消費者物価指数 (CPI)が約40年ぶりの高い伸びとなり、インフレ抑制の姿勢を明確にする。テーパリングの終了時期は従来の来年6月から 来年3月に繰り上げられるだろう。パウエル議長は11月末の議会証言で「2〜3カ月早く切り上げるのが適切」と述べていた。 FOMCの声明文ではパウエル議長が議会証言で示唆した通り、物価押し上げ要因が「一時的」との文言が削除されるだろ う。供給制約によるインフレ圧力が22年も残るとみられるためだ。「一時的」を削除するだけでなく、声明でインフレ警戒の姿勢 を明確に打ち出すとの見方もある。 会合後の会見でパウエル議長はインフレ抑制の重要性や、必要に応じて利上げを辞さない考えを強調しそうだ。家賃や賃 金なども上昇基調で、新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の感染拡大も供給制約を長引かせかねない。FRB内で もインフレが米景気と雇用回復の妨げとなることへの懸念が強まっている。 市場の関心は利上げに移っている。ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーなど大半の金融機関はドットチャートが 示唆する利上げ回数が22年に2回になるとみているが、JPモルガンのように3回を予想する金融機関もある。23年は3回、 24年は4回との見方が多い。ドットチャートで市場予想を上回るペースの利上げ予想が示されれば、FRBのタカ派シフトに 対する市場の警戒感がかなり強まるだろう。 一方、議長会見で利上げ開始時期について踏み込んだ発言があるとの見方は少ない。主要なFRB高官は供給制約が 和らげば物価上昇が鈍化するとの見方を維持しているためだ。利上げについては「市場の想定に比べて忍耐強く慎重な姿 勢を取る」(モルガン・スタンレー)との見方がある。 アメリカFRB 量的緩和策 前倒し終了決定 来年3月の終了見通し 2021年12月16日 5時14分 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211216/k10013390111000.html アメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会は、15日まで開いた会合で、記録的なインフレに対応するため、景気を 下支えしてきた量的緩和策について、これまでの計画を前倒しして来年3月に終えることを決めました。また、来年、利上げを3回 行う想定を示し、金融の引き締めを進めていく姿勢を鮮明にしました。 FRBは、先月の会合で、新型コロナウイルスの危機対応として続けてきた量的緩和策について、市場に供給する資金を徐々に減 らし、来年6月に政策を終える計画を示しました。 ただ、アメリカでは、先月の消費者物価が6.8%の上昇と、39年ぶりの高さになるなど、インフレ圧力が一段と強まっていて、FRBは 、これに対応するため、15日まで開いた会合で、計画の見直しを決めました。 具体的には、来月から資金の供給をこれまでの2倍にあたる300億ドルずつ減らすことにし、量的緩和を終える時期を来年3月に 前倒しします。 また会合では、量的緩和と並ぶ金融緩和の柱となってきた「ゼロ金利」を解除し、利上げに踏み切る時期の予測が示され、18人 の参加者全員が来年中の利上げを見込みました。 このうち10人は来年、3回の利上げを想定しています。 FRBは今回の声明で、物価上昇は「一時的」だとしてきたこれまでの表現を削除し、長引くインフレを抑えるために来年、金融の 引き締めを進めていく姿勢を鮮明にしました。 変異ウイルスのオミクロン株の影響など、経済の先行きに不透明な要因も残る中で、景気の回復を保ちながらインフレを食い止め る難しい課題に取り組むことになります。 FRBが促すトヨタ買い――タカ派転換で債券投資減(スクランブル) 2021/12/16 日本経済新聞 朝刊 大型株に資金が流入している。15日の東京株式市場ではトヨタ自動車株が一時、前日比4%上昇した。14日発表した電気自動車 (EV)戦略が材料視された形で、同社株を含めた時価総額が大きい銘柄は高パフォーマンスが続いている。米連邦準備理事会(FR B)が金融政策の正常化に前向きな「タカ派」へと転換し、債券に替わる資産として大型株への資金集中が続くとの見方がある。 15日の日経平均株価は小幅に反発し、終値は前日比27円高の2万8459円だった。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発 表を日本時間16日未明に控えて一進一退となるなか、目を引いたのがトヨタの好調な値動きだ。一時4%高の2132円と11月17日 に付けた上場来高値(2188円)に迫った。 電気自動車(EV)の世界販売台数を2030年に350万台とする目標を14日発表し、将来の収益拡大を期待した買いが入ったため だ。デンソーが上場来高値を更新するなど、トヨタグループ各社の株にも買いが波及した。 トヨタなど大型株の中でも特に時価総額の大きい銘柄のパフォーマンスは良好だ。 東証の時価総額上位銘柄で構成する東証株価指数(TOPIX)コア30は昨年末比で15%高と、TOPIXの10%高を上回る。両指数 の成績格差は11月ごろから顕著に拡大している。同期間の東証マザーズ指数は16%安で、21年は中小型の新興株よりも東証1部 銘柄、そのなかでも特に「超大型株」での運用が有望だったといえる。 三菱UFJモルガン・スタンレー証券の古川真チーフ・ポートフォリオストラテジストは最近の超大型株優位について、「米国の金融緩 和縮小やタカ派転換が影響している」と解説する。FRBのパウエル議長がインフレ抑制の姿勢を強め、市場では米利上げが意識され 始めている。 実際に利上げに踏み切れば中期債を中心に利回りには上昇圧力がかかりやすく、「アセットアロケーション(運用資産の配分比率 )戦略上、値下がりする可能性がある債券の持ち高は増やせない」(ピクテ投信投資顧問の松元浩グローバル資産運用部長)。 そのなかで受け皿となっているのが株式だ。三菱モルガンの古川氏によると先進国株ファンドへの資金動向は21年1〜3月(約 2800億ドルの流入超)をピークに、4〜6月(約1900億ドルの流入超)、7〜9月(約1500億ドルの流入超)と流入額が鈍化して きた。だが10〜11月は1400億ドルの流入超と、減速感が和らいでいる。「利上げ観測を背景に債券の比率を減らし株式の比率 を高める機関投資家の存在が先進国株への資金流入につながっている」(古川氏)とみる。 複数資産を運用する投資家は、先進国株ファンドを通じて時価総額が上位の銘柄に資金を振り向ける傾向があり、超大型株には 需給面の追い風が続きそうだ。 一方、過剰流動性が解消されるなら、中小型株や業績成長が伴わない高バリュエーション銘柄は敬遠されやすい。銘柄選別色は FOMC後に一段と強まるかもしれない。 ADR3917円 米国債券10年利回り1.462%、(+0.023) 2021/12/15 22:45 三井住友FG(8316) 22年3月期経常予想。対前週1.5%上昇。 三井住友フィナンシャルグループ<8316>の経常利益予想コンセンサスは、前週値の979,067百万円から1.5%上昇し 993,605百万円となった。対前年実績で見た場合37.7%の増益予想から39.7%増益予想に上方修正されたことになる。 因みにレーティングコンセンサスは4.4で変わらずのまま。 2021/12/15 18:00 三井住友FG(8316) 日系大手証券、レーティング強気継続。目標株価引き上げ、5,100円。 日系大手証券が12月15日、三井住友フィナンシャルグループ<8316>のレーティングを強気(買い)に据え置いた。 一方、目標株価は5,000円から5,100円に引き上げた。因みに前日(12月14日)時点のレーティングコンセンサスは 4.42(アナリスト数12人)で「やや強気」の水準、目標株価コンセンサスは4,913円(アナリスト数12人)となっている。 2021-12-16 みずほ 買い継続 5000円 → 5100円 株、大幅高を演出したFRBの対話力 立役者は半導体 2021/12/16 12:29 日経速報ニュース 16日午前の東京株式市場で日経平均株価は大幅続伸し、前引けは前日比444円高の2万8904円だった。上げ幅は一時580円を 超え、取引時間中としては約3週間ぶりに2万9000円を上回る場面があった。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果はおおむね 想定通り。市場では「米連邦準備理事会(FRB)の対話力の高さが相場を押し上げた」との指摘がある。 FRBは15日のFOMCで、米国債などを購入する量的金融緩和の縮小(テーパリング)を加速することを決定。新たな資産の購入は 来年3月に打ち止めとなり、政策金利は2022年中に計3回の利上げを見込む。米株式市場は不透明だったスケジュールの輪郭が はっきりしたのを好感。米ダウ工業株30種平均は前日比1%上昇した。 「想定されたなかでは最もタカ派寄りで、株式市場がここまでポジティブに受け止めるとは意外だった」と、インベスコ・アセット・マ ネジメントの木下智夫グローバル・マーケット・ストラテジストは語る。パウエルFRB議長は会見で、金融政策運営の前提となる米経 済の力強さを強調した。木下氏は「事前の市場への織り込みも含め、パウエル氏の市場との対話力の高さがFOMC後の相場上昇 を生んだ」とみる。 米株高の流れを引き継ぎ、16日の東京市場でも幅広い銘柄に買いが入った。円相場が円安・ドル高に傾いたことも輸出関連株 中心に買いを誘った。 相場上昇のけん引役は、一時3%超高となった東京エレクトロン(8035)など値がさの半導体関連銘柄だ。前日の米市場で主要 な半導体銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数が4%近く上げたのがプラスの背景。さらに国内からも追い風が吹いた。 岸田文雄首相が15日、国内での半導体製造の強化に向け「官民あわせて1兆4000億円を超える大胆な投資を行う」と表明した。 岸田首相は金融所得課税や自社株買いのガイドラインを巡る発言から投資家心理を冷やし、「市場との対話が上手ではない」と 指摘されることもあるが、半導体に関する成長戦略のメッセージは市場の耳に届いたようだ。東海東京調査センターの中村貴司 シニアストラテジストは「まさに『国策に売りなし』。半導体関連は今後も日本株の柱として相場を支えるだろう」と指摘する。 明るい材料の持続力も雰囲気の好転に一役買っている。トヨタ自動車(7203)が14日に電気自動車(EV)の世界販売目標を大幅 に引き上げたのをきっかけに、関連銘柄は好調な動きを続けている。トヨタは続伸し、デンソー(6902)が連日で上場来高値を付ける などEV関連銘柄への期待も高まる。 年内最大の注目だったFOMCを終え、不透明感が後退した東京市場。新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」への警戒な ど懸念材料は残っているが、半導体やEV関連という立役者が日本株を再び上昇基調に乗せる可能性が高そうだ。 後場コメント No.5 三井住友、小糸製、宮越HD、ヘリオス https://www.traders.co.jp/news/news_top.asp?newscode=1699370& ;type=1#news_top ★14:16 三井住友FG−みずほが目標株価引き上げ 本業利益の拡大余地大 三井住友フィナンシャルグループ<8316.T>が4日続伸。みずほ証券では、本業利益の拡大余地大、今後のPMIやシナジーに期待 と判断。投資判断「買い」を継続、目標株価を5000円→5100円と引き上げた。 同社の強みであるコンシューマーファイナンスやクレジットカード、航空機リース、LBOなどのビジネスは、一部に回復がみられたも のの依然として、その多くは新型コロナ影響前の水準には回復していないと判断される。逆説的に、新型コロナの影響が落ち着き、 日本・グローバル経済が正常化に向かう際には、同社の強みとしている事業がその恩恵を最も享受できると推察され、本業利益の 拡大スピードは相対的に力強いものとなろう。 また、出資先のPMIや、シナジーの追求に加え、連携を通じて、海外証券ビジネスやアセットマネジメントなどのグループ機能を強 化していく見通しであるため、本業利益の拡大余地は大きいと指摘している。 PMIとは、企業がM&Aを行う際、「初期段階で統合阻害要因などに対して事前検証を行う」「検証の結果をもとに 統合後にそれを反映させて組織統合マネジメントを進める」ことで、「Post Merger Integration:ポスト・マージャー ・インテグレーション」の略です。 PMIの重要なテーマは、企業文化の違いをどのようにマネジメントするか。M&Aによるシナジー効果の度合いは このPMIをうまく行うかどうかにかかっているといわれています。 「英中銀ショック」再び 予想外の3年4カ月ぶり利上げ インフレ懸念が促す 2021/12/17 02:33 日経速報ニュース 【NQNロンドン=菊池亜矢】英イングランド銀行(中央銀行)は16日、15日の金融政策委員会で政策金利の引き上げを決めたと 発表した。利上げは2018年8月以来3年4カ月ぶり。新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の感染拡大による経済や物価 への影響を見極めるため、据え置くとの予想が多かったなか、利上げに踏み切った。11月の会合では利上げ予想が大勢のなか で金利を据え置き、英国債が急速に買い戻されたが、今回は逆の動き。英中銀ショックが再び市場に走った。 政策金利を0.15%引き上げて年0.25%にする。利上げは8対1の賛成多数で決めた。11月の会合で利上げを主張したのは2委 員だけだったが、一気に利上げ賛成が多数派に転じた。英中銀は新型コロナウイルスの危機に対応するため、2020年3月11日 に政策金利をそれまでの0.75%から0.25%へ、同19日に0.25%から0.10%に引き下げていた。今回の利上げはコロナ危機後で は初となる。 米株、にじむ安全志向 超大型株に資金シフト−FOMC「想定内」でも警戒拭えず 小型株・ミーム株から流出 2021/12/16 09:26 日経速報ニュース 米株式市場で米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めへの転換を見据えた銘柄の選別が強まってきた。個人投資家に人気の 小型株や成長株運用の上場投資信託(ETF)が秋以降に急落する一方、アップルなど一部の超大型株に資金が集中している。 FRBがインフレを抑止できるのか市場の不安は根強く、相場全体を押し上げてきた低金利やカネ余りの解消が急速に進むとの懸念が 浮かぶ。 「十分に(金融引き締めに前向きな)タカ派的だったが、タカ派的すぎなかった」。米ジェフリーズのアネタ・マルコウスカ氏は15日の 米連邦公開市場委員会(FOMC)とパウエル議長の記者会見をこう総括した。 FOMCでは量的緩和の縮小(テーパリング)を加速することを決め、2022年3月半ばに資産購入を終えた後、同年中に3回利上げする シナリオを示した。パウエル議長は高インフレの定着リスクを繰り返し表明し、「リアルタイムで政策を決める必要がある」と状況次第で 引き締め策を急ぐ可能性も示した。 それでも市場はテーパリングの前倒し終了と来年3回の利上げを「想定の範囲内」とみて、FOMCの結果公表後に米株相場は騰勢を 強めた。ダウ工業株30種平均は前日比383ドル(1%)高の3万5927ドルとこの日の高値圏で取引を終えた。 市場の動きをつぶさに見ると、FRBのタカ派傾斜に対する不安が払拭されたとは言いがたい。15日に上昇が目立ったのはアップル株 で、3%近く上げた。パウエル議長が議会証言でインフレについて「一時的」との見方を撤回し、テーパリング加速も言及した11月末から は12%上昇し、強さが際立つ。製品への根強い需要が支える成長力と安定した財務基盤で実施する自社株買いなどの株主還元を好感 し、投資マネーが集まる。 11月末からの株価騰落率は米株の代表的指数のS&P500種株価指数が1%高になる一方、小型株で構成するラッセル2000株価指数 は2%安に沈む。FRBがテーパリング開始を決めたのは11月初旬のFOMC。成長期待が先行する小型株は金利上昇の影響を受けやすい。 今年前半にSNS(交流サイト)上で共闘した個人が買い上げ、株価が急騰した「ミーム株(はやりの株)」も振るわない。11月末からは ゲーム専門店のゲームストップ株が26%安、映画館運営のAMCエンターテインメント・ホールディングス株は33%安で、15日もそれぞれ小 幅高にとどまった。 米国では著名投資家のキャシー・ウッド氏が率いる運用会社アーク・インベストメント・マネジメントの苦境も話題だ。「破壊的なイノベー ション」を見込む銘柄に集中投資する旗艦ファンド「アーク・イノベーションETF(ARKK)」は11月末から1割超下落。20年に2.5倍と突出 した好成績を記録し、今春まで資金をひき付けてきた。足元では中小型の成長株中心の運用が成績悪化につながり、資金流出が目立つ。 「市場の広がりは失われつつある」。ゴールドマン・サックスのデービッド・コスティン氏は10日付のリポートでこう指摘した。同社の分析 では4月以降、アップル、マイクロソフト、エヌビディア、テスラ、アルファベットのわずか5銘柄がS&P500全体の上昇分の半分を占めると いう。 S&P500構成銘柄のなかで時価総額が上位5社のアップル、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コム、アルファベット、メタ(旧フェイスブック )の「GAFAM」の株価は、2020年末から平均で3割超上昇。同期間にS&P500の上昇率は2割強、この5社を除いた495銘柄で「S&P495」 指数を算出してみると約2割の上昇にとどまっており、一部銘柄に資金が集中している。 投資家の保守的な姿勢はバンク・オブ・アメリカが14日公表した12月の機関投資家調査にも表れる。前月と比べた資産配分の変化で は、ヘルスケアや公益株など景気変動に左右されにくい業種に資金を振り向けたほか、現金の保有比率も高めた。 市場はインフレの持続力とFRBの引き締めペースを注視する。足元では名目の10年物米国債利回りから物価変動の影響を除いた実質 金利がマイナス1%近くにとどまり、来年に利上げが始まっても実質金利がコロナ禍前のようにプラス圏まで浮上するとの見方は多くない。 少しでも高い利回りを求めるマネーの株式投資への需要は残る。 「今後5〜10年で想定されるイノベーションを考えれば、ベンチマーク指数(の運用)は危うくなり、我々の戦略がうまく機能するはずだ」。 アークのウッド氏は14日のセミナーで強気の姿勢を貫いた。歴史的な株高を演出してきた金融緩和の追い風が急速にやむなか、企業も 投資家も実力でふるいにかけられる局面に入っている。(ニューヨーク=斉藤雄太、古賀雄大) 日本株ADR16日、買い優勢 キヤノンが上昇 2021/12/17 06:10 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=張間正義】16日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は買いが優勢だった。 同日の日本の株式相場が大きく上昇し、日本株ADRにも買いが入った。キヤノンが3%超上昇した。 三菱UFJやみずほFG、三井住友FGが高い。一方、オリックスとソニーGは下落した。 ADR3928円 米国債券10年利回り1.428%、(-0.035) 021-12-16 みずほ 買い継続 5000円 → 5100円 2021-12-01 モルガンS Overweight継続 5300円 → 5400円 2021-11-18 三菱UFJMS Overweight継続 4900円 → 5000円 2021-09-14 東海東京 Neutral継続 3100円 → 4060円 2021-09-10 JPモルガン Overweight継続 6400円 → 5300円 2021-07-14 SBI 中立継続 4800円 → 4000円 2021-06-09 野村 Buy継続 5400円 → 6300円 2021-06-08 大和 2継続 4750円 → 5000円 2021-06-07 岩井コスモ 新規A 5000円 2021-04-14 ジェフリーズ Buy継続 4150円 → 4490円 株、下値メド2万8700円・マネックスの広木氏 年末に個人の買い期待できず 2021/12/17 08:22 日経速報ニュース 広木隆・マネックス証券チーフ・ストラテジスト 17日の東京株式市場で日経平均株価は反落するだろう。きょうの下値メドは 2万8700円程度とみる。16日の米株式市場でナスダック総合株価指数やフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が大幅安と なった。投資家心理の重荷となり、17日の東京市場では東エレクやアドテストなどの半導体関連株に売りが出やすい。 米国で15日まで開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)は年内最後の重要イベントであっただけに、結果発表前に持ち 高を減らした投資家が多かったとみられる。イベント通過をきっかけに安心感が広がり、15日には米国株を買い直す動きが出 たが、16日はこの反動が出たようだ。 年末にかけて海外投資家がクリスマス休暇に入るため、例年通りならば個人投資家の買いが日本株相場を支える構図に なるが、今年は期待できそうにない。新興市場では新規株式公開(IPO)が相次ぎ、新規資金を捻出するための換金売りや IPOに伴う需給悪化を警戒した売りが出て、東証マザーズ指数は年初来安値圏に沈んでいる。新興株の下落が続いたこと で損失を抱える個人投資家は多く、投資余力は低下している。 日経平均が一時500円超安 日銀、コロナ対応の縮小決定で 2021/12/17 13:08 日経速報ニュース 17日午後の東京株式市場で日経平均株価は一時、2万8553円と前日終値に比べた下げ幅を500円超に広げた。 日銀は17日の金融政策決定会合で、新型コロナウイルス禍に対応した資金繰り支援策の縮小を決めた。大規模な 金融緩和策は現状維持したが、株価指数先物に売りが増えたのにつれて現物株も下げ幅を拡大している。市場では 「米連邦準備理事会(FRB)が金融緩和縮小を前倒しするなかで、日銀も『タカ派』寄りになるリスクを意識した思惑 売りが出ている」(国内のエコノミスト)という声があった。 日本株ADR17日、売り優勢 トヨタや三菱UFJが安い 2021/12/18 06:34 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川上純平】17日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は売り優勢だった。 同日の日米株式相場が下落し、日本株ADRにも売りが出た。トヨタと三菱UFJが下げた。 ホンダとソニーGも安く、三井住友FGと野村も売られた。 NY債券、長期債続伸 10年債利回り1.40% 株安でリスク回避の債券買い 2021/12/18 07:10 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川上純平】17日のニューヨーク債券市場で長期債相場は続伸し、長期金利の指標となる表面利率1.375%の 10年物国債利回りは前日比0.01%低い(価格は高い)1.40%で終えた。同日の米株式相場が下落し、投資家のリスク回避姿勢が 強まった。相対的に安全資産とされる債券が買われた。米連邦準備理事会(FRB)高官が金融政策の正常化に前向きな姿勢を 示し、中短期債を売って長期債を買う動きから、利回り曲線は平たん化した。 FRBに加え、英イングランド銀行(中銀)など世界の主要中銀が相次いで金融政策の正常化を進める方針を示したことや、新型 コロナウイルスの感染拡大で投資家心理は悪化している。16日のダウ工業株30種平均は前日比532ドル下落し、債券への買い を促した。 FRBのウォラー理事は16日、金融政策について「(2022年3月の)資産購入の終了後まもなく政策金利の引き上げが正当化 されるだろう」と述べた。市場では「政策の正常化が早めに進むリスクが改めて意識された」(オックスフォード・エコノミクスの ジョン・キャナバン氏)と受け止められ、中短期債を中心に売りが出た。 金融政策の影響を受けやすい2年債の利回りは前日比0.03%高い0.64%で終えた。 自社株買いは悪なのか――首相「規制発言」に疑心暗鬼(スクランブル) 2021/12/18 日本経済新聞 朝刊 本当に市場を敵に回すつもりなのだろうか。岸田文雄首相が今週国会で表明した企業の自社株買いを巡る「規制発言」に対し、 投資家が疑心暗鬼になっている。日本企業の株主還元は米欧から周回遅れで、ようやく日本も増える環境が整ってきたと市場は みていた。本当に政府から制限されることになれば、ただでさえ元気のない日本株の致命傷になりかねない。 14日の衆院予算委員会。「(自社株買いの)禁止まで踏み込むべきだ」と述べた立憲民主党の落合貴之衆院議員に対し、岸田 首相は「持続可能な新しい資本主義を実現していくときに、指摘の点は大変重要なポイントだ」と応じた。「画一的な規制は少し慎 重に考えなければいけないのではないか」と断ったうえで「例えばガイドラインとかそういったことは考えられないか」と述べた。 「岸田ショック2・0と呼んでいいほどのネガティブなインパクトを市場に与えかねない」。ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株 式ストラテジストは警戒する。 「岸田ショック1・0」は自民党総裁選で岸田氏が意欲をみせた金融所得課税を見直す方針を嫌って株価が大幅に調整した事象 を指す。 日本企業が自社株買いの増加と増配で株主還元を充実させていくのは「既定路線」だ。ゴールドマン・サックス証券の鈴木広美 ストラテジストは「無借金企業が全体の半数に達するうえ、総還元性向も欧米に比べてまだ低く、日本企業の還元余地は大きい」 と話す。 「海外投資家には日本企業の株主還元はまだ低すぎるという認識があるだけに、少しでも自社株買いが制限されるようになれば 市場は失望するだろう」。みずほ証券の菊地正俊チーフ株式ストラテジストは指摘する。 日銀が上場投資信託(ETF)の購入ペースを落とした4月以降、日本株市場は事業会社が最大の買い手だ。自社株買いを制限 すれば株価の下落リスクが高まる。 岸田首相は自社株買いを抑えることが日本経済の「成長と分配の好循環」につながると本当に考えているのだろうか。 米国では逆に、自社株買いが「成長と分配の好循環」を生むエンジンだ。米個人金融資産の約50%は株式と投資信託が占め 、株高が家計の資産増に直結するからだ。株価上昇が消費を押し上げ、企業の利益拡大につながるという好循環だ。 「資本家と労働者の格差を是正する解決策は労働者に株を持たせることだ」。みずほ証券の小林俊介チーフエコノミストは指摘。 「賃上げ税制や自社株買い規制ではなく市場の力を使った政策を進めるべきだ」と話す。 14日の衆院予算委で岸田首相は尊敬する政治家を聞かれ、宏池会(岸田派)をつくった池田勇人元首相と答えた。70年前の 1951年、蔵相だった池田元首相は証券投資信託法の成立に尽力した。盟友の奥村綱雄・野村証券元社長とタッグを組ん でGHQ(連合国軍総司令部)を説得。投信を通じ大衆のお金を、高度成長へと向かう産業に流そうとした。 今の岸田首相は反市場的な政策を進めようとしているようにもみえる。そうであれば、市場の力を積極的に活用した池田元首相 の考え方とは、大きく異なっている。 ADR3889円 米国債券10年利回り1.407%、(+0.007) 日本株を買わない日本人 新しい資本主義「貧しくなる」 2021/12/19 05:30 日経速報ニュース 日本人が日本株を買わなくなった。コロナ禍で広がった現役世代の「貯蓄から投資へ」も、お金の向かう先はもっぱら米国を中心と する海外株だ。巨額の利益を稼ぐ米ハイテク企業と比べると、日本企業の成長ストーリーは色あせて見える。日本株を支えた日銀や 公的年金の買いも今後は細り、いずれ売りに回る。このままでは買い手が誰もいなくなる。 「日本株はもはや泥船だ」。東京都の兼業投資家、乙丸英広さん(40)は12月に入り、約1千万円分の日本株をすべて売却した。 2020年はマスク関連株などで利益が出たが、今年は買った株が下がるばかり。「なぜか日本株だけ上がらない」という焦燥にかられ 、不満を抑えきれなかった。 岸田文雄政権が掲げる「新しい資本主義」にも不信が募る。「金融所得課税を強化すれば、富裕層や起業家が海外に逃げてしま うだけ。残った国民がみな貧しくなっていく気がしてならず、そんな国の株に投資したくない」。SNS(交流サイト)でつながる投資仲間 たちも同じ考えだ。 不満を抱えた日本の個人マネーは米国株をはじめ海外市場に流出している。日本株に見切りをつけた乙丸さんは約1千万円を米 S&P500種株価指数の上場投資信託(ETF)に回した。アップルやアルファベット(グーグル)など巨大IT(情報技術)プラットフォーマ ーを含む米国株500銘柄をまとめ買いしたわけだ。 個人投資家の日本株離れは公募投信の人気ファンドの顔ぶれにも浮かぶ。21年1〜11月は首位の「アライアンス・バーンスタイン ・米国成長株」に1兆2375億円、海外株ファンド全体では約7兆3000億円が流入した。一方、日本株ファンドは売れ筋から姿を消し、 400億円強が流出した。 史上最高値を更新しつづける米国株には先行き警戒感もくすぶるが、日本の投資家は下がるとすかさず買いを入れている。財務 省によると、新型コロナの変異型「オミクロン型」の出現で米国株が弱含んだ12月第1週(11月28日〜12月4日)に、日本の投資家 は米国など海外の株式と投信を計1兆2150億円買い越した。これは統計を遡れる05年以降で最大の買い越し額だ。 市場関係者は「世界の中で最も強く成長を感じられる米国に投資家はお金をシフトするようになっている」(野村証券の中村希商 品企画部長)と口をそろえる。 企業経営の効率性を示す自己資本利益率(ROE)と株価上昇率との長期的な相関関係をみれば、根本的な動機は一目瞭然だ。 日本企業の過去20年のROEは平均7.3%にとどまるが、米国企業は13.0%に達する。このROE格差が縮まると期待できない投資家が 増えている。 一方で米国株投資のハードルはぐっと下がった。マネックスグループの松本大最高経営責任者(CEO)は「自動翻訳ツールの進歩 とSNSの普及によって個人の情報収集が容易になった」と指摘。顧客の米国株の買い付け額は21年1〜11月に前年同期に比べて 6割増えたという。 東京都のサラリーマン投資家(34)は12月、運用資金の大半を日本株から米国株に移すことを決めた。「注文はスマホの米国株専 用アプリ経由。ゲームのような手軽さで、帰宅後に寝転がりながらリアルタイムで売買できる」 振り返れば、高度成長期以降の日本株は買い手が3回変わった。バブル期までは金融機関と事業会社の持ち合いの時代。 バブル崩壊による持ち合い解消の受け皿は海外投資家だった。アベノミクス相場が一巡して海外勢が売りに回ると、日銀と年金積 立金管理運用独立行政法人(GPIF)という「官」が買い支えてきた。 だが、巨額のETFを買い入れて日本株の実質的な筆頭株主になった日銀は3月、購入の目安としてきた「年間6兆円」を取り下げた。 「上限12兆円」は維持しているが、実際は4月から現在まで総額約2800億円しか買っていない。市場では「日銀買いは市場をゆがめ るという批判がこたえたのでは」との見方がもっぱらだ。 GPIFもすでに運用資産の25%という目標水準まで日本株保有比率を高めている。長期的にみても、年金受給者が増えるにつれて 売りに回っていく投資家だ。 そして海外勢が本格的な日本株買いに動く気配はない。こうした状況下で個人の売りがかさめば、日本株は世界からさらに取り 残されてしまう。「岸田政権は株式市場をもっと大事にし、日本人が日本株を持てる環境づくりを急いでほしい」。岡三証券グローバ ルリサーチセンター理事長の高田創氏は警鐘を鳴らす。 〈Review 記者から〉いでよ スター運用者 今では世界の株式時価総額の過半を占める米国株も1970年代末に米ビジネスウイーク誌が「株式の死」という特集を組むほどの 低迷期があった。そこから立ち直る中で、国民的なスター運用者が現れた。独立系運用大手フィデリティで「マゼラン・ファンド」を率 いたピーター・リンチ氏だ。 77年に運用を始めたリンチ氏は驚異的な成績を上げるとともに投資の魅力や楽しさを著作などを通じて発信。国民が株式に投資 する流れが広がり、米国株はその後40年超の長期上昇が続く。「国民的な米株式ブームが起きたのは、リンチ氏の存在が大きか った」。レオス・キャピタルワークスの藤野英人会長兼社長は指摘する。 日本で長期的に優秀な成績を上げるリンチ氏のようなスター運用者が見当たらないのは、運用業界の構造に一因がある。米国の トップ3はブラックロックなど金融機関傘下にない独立系だが、日本は銀行、証券、保険が上位を独占している。長期的な運用よりも 、金融商品販売を通じた短期的な手数料稼ぎを優先しがちだった。 日本株が復活するには、まずは企業自身が稼ぐ力をもっと高める必要がある。そして政府は「貯蓄から投資へ」の芽を金融所得課 税の強化などで摘むのではなく、少額投資非課税制度(NISA)の恒久化など促進策を考えるべきだ。そこで国民が安心して長期に お金を託すことができるスター運用者が生まれれば、約2千兆円の個人金融資産が日本株に流れる素地が整う。 (編集委員 川崎健) ■ROEの日米格差 自己資本利益率(ROE)は、企業が株主から預かった資本を使ってどのくらい効率的に稼いでいるかを表す。 純利益を自己資本で割って算出する。リスクをとって株に投資した投資家の期待リターンは8%程度とされるが、日本の上場企業の ROEは長年これを超えられず、株価低迷の原因となってきた。 日本企業のROEが低いのは過当競争で利益率が上がりにくいのが主因で、業界再編がROE改善のカギだ。一方、米企業は独自の ビジネスモデルで利益率が高い。しかも稼いだ利益のほぼ全額を配当と自社株買いで株主に返して自己資本の増加を抑え、2ケタ のROEを維持する。これが投資家の期待リターンを上回り、株価を押し上げている。 株、下値メド2万8300円程度・アイザワの三井氏 割安感着目の押し目買いは支え 2021/12/20 08:18 日経速報ニュース 三井郁男・アイザワ証券投資顧問部ファンドマネージャー 20日の東京株式市場で日経平均株価は軟調に推移し、 下値メドは2万8300円程度とみている。米連邦準備理事会(FRB)など欧米中銀が金融緩和の正常化への動きを 模索するなか、株式市場への資金流入が減少するとの見方が強まっているのが引き続き重荷となりそうだ。 もっとも、年末に向けて日経平均がさらに下値を探る展開は見込んでいない。日本株は米国株などと比べてPER (株価収益率)など投資指標面での割安感が目立つ。安値圏では来年を見据えて幅広い銘柄に押し目買いも入る だろう。 2021/12/17 22:45 三井住友FG(8316) 22年3月期経常予想。対前週0.3%上昇。 三井住友フィナンシャルグループ<8316>の経常利益予想コンセンサスは、前週値の990,748百万円から0.3%上昇し 994,180百万円となった。因みにレーティングコンセンサスは4.4で変わらずのまま。 2021/12/17 14:05 三井住友FG(8316) 米系大手証券、レーティング強気継続。目標株価引き上げ、5,600円。 米系大手証券が12月16日、三井住友フィナンシャルグループ<8316>のレーティングを強気(Overweight)に据え置いた。 一方、目標株価は5,300円から5,600円に引き上げた。因みに前日(12月15日)時点のレーティングコンセンサスは4.42 (アナリスト数12人)で「やや強気」の水準、目標株価コンセンサスは4,922円(アナリスト数12人)となっている。 2021-12-17 JPモルガン Overweight継続 5300円 → 5600円 2021年12月20日11時02分 三菱UFJなどメガバンクが軟調、米ゴールドマンの大幅安嫌気し信用買い残も重荷 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>は続落、一時14円弱水準を切り下げ623円20銭まで売り込まれた。 三井住友フィナンシャルグループ<8316>やみずほフィナンシャルグループ<8411>も含め、メガバンク各社の株価が 再び下値を試す展開を強いられている。 前週末の米国株市場では金融大手のゴールドマン・サックス<GS>が4%近い下げをみせるなど銀行セクターへの 売りが顕著となり、全体指数の下げを助長した。インフレ警戒感が強まるなかも、米長期金利が1.4%近辺まで低 下しており、運用利ザヤ縮小の思惑が逆風となっている。東京市場でもこれを受けてメガバンクへの売りが優勢と なっている。 なお、三菱UFJをはじめメガバンク各社とも足もとの信用買い残は減少傾向にあるが、依然として各銘柄とも大幅 に買い長の状態で株式需給面の重さも意識されている。 東証後場寄り 一段安で2万8000円割れ 下げ幅600円超に 2021/12/20 12:58 日経速報ニュース 20日後場寄り付きの東京株式市場で日経平均株価は一段安となっている。前週末比の下げ幅を600円超に拡大する場面 があり、心理的な節目の2万8000円を割り込んでいる。取引時間中に2万8000円を下回るのは7日以来。中国人民銀行(中 央銀行)が1年8カ月ぶりに実施した利下げなどを嫌気した売りが続いている。 日本時間20日午後の米株価指数先物が大幅に下落しているのも重荷だ。「今晩の米株式相場が再び大幅に下げるのでは との警戒感も投資家心理を弱気に傾けている」(国内証券のストラテジスト)という。 前引け後の東証の立会外で、国内外の大口投資家が複数の銘柄をまとめて売買する「バスケット取引」は約140億円成立した。 12時45分現在の東証1部の売買代金は概算で1兆3199億円、売買高は6億3031万株だった。 日経平均大引け 大幅続落 607円安の2万7937円 2021/12/20 15:02 日経速報ニュース 20日の東京株式市場で日経平均株価は大幅続落し、前週末比607円87銭(2.13%)安の2万7937円81銭で終えた。 下げ幅は11月26日(747円66銭)以来の大きさ。終値で心理的節目の2万8000円を下回ったのは6日以来、2週間ぶり となる。前週末の米国株安を受け、投資家が運用リスクを回避する目的の売りを先行させた。午前に中国人民銀行(中 央銀行)による利下げが伝わると、中国景気を懸念した売りも加わって下げに拍車がかかり、午後も一段安となった。 ADR3789円 米国債券10年利回り1.428%、(+0.026) 日本株ADR20日、ほぼ全面安 野村やみずほFGなど金融が安い 2021/12/21 06:11 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川内資子】20日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)はほぼ全面安だった。 同日の日米株式相場がともに大きく下げた影響で大半の銘柄が下落した。野村が4%下落し、みずほFGや 三菱UFJ、三井住友FGなど金融の下げが目立った。一方、武田は上昇した。 個人金融資産2000兆円へ、日本30年で倍増、半分強は現預金、米は6.7倍で株・投信比率高く。 2021/12/21 日本経済新聞 朝刊 個人の金融資産が年内にも2000兆円を突破する見通しだ。ここ数年は保有株の値上がりも追い風になり、30年前から倍増した。 ただ半分強を現預金が占め、国際的にみて安全志向は突出して強い。株・投資信託が金融資産の半分を占める米国は30年で6・7 倍に増えた。日本の家計は株高の恩恵を受けづらく、企業にもお金が巡りづらい構図になっている。 日銀が20日発表した9月末の個人の金融資産残高は1999兆8000億円と、過去最高を更新した。増加は6四半期連続で、この 間に183兆円増えた。10月以降も米国株高や円安が続き、投信の価格は値上がりが目立っている。12月にはボーナス支給もあり 、金融資産は2021年中に2000兆円の大台を突破する公算が大きい。 金融資産がはじめて1000兆円となったのは1990年だった。それから30年あまりで倍増した。賃金がほぼ横ばいにとどまるなか 、将来不安から消費を抑え、預金に回す傾向が続いた。高齢化が進み、50歳代以上といった預金の多い世代が増えた面もある。 金融資産の名目国内総生産(GDP)に対する比率は90年に2倍強だったが、いまは3・7倍に膨らんだ。 現預金は1072兆円と資産の54%を占める。過去30年間(48〜55%)の上限に近い。株と投信の比率は15%と横ばいが続く。 国民資産全体でみれば、貯蓄から投資の流れは鈍い。 米国の個人金融資産は114兆ドル(約1京2900兆円)で、国民1人あたりでみても約2・5倍の資産を持つ。金融資産の半分強が 株と投信で、株高が国民の資産や消費を押し上げてきた。日本の金融資産は約30年で2倍になったが、米国は6・7倍に膨らんだ。 家計マネーが新興企業などにも向かいやすく、イノベーションの素地にもなっている。 日本では家計の潤沢な預貯金は国債に向かっている。2013年以降、日銀が大量に国債を買った結果、銀行の余剰資金は日銀の 当座預金にも向かったが、間接的に多くの資金が国債に回っている状況は変わらない。新型コロナウイルスが流行したあと、政府・日 銀の資金繰り支援で融資は増えたが、成長投資に向けた資金需要は鈍い状況が続く。 ただ株高基調が続いたことで、若者を中心に変化の兆しもある。日本株のほか、米国株を組み込んだ投資信託などに投資を始め る機運が広がりつつある。株と投信の保有額は307兆円と3年ぶりに過去最多となった。少額投資非課税制度(NISA)など制度面 の後押しもあり、貯蓄から投資への流れは緩やかながら進んでいる。 日本株に「沈没」の警句――政策依存限界、マネー流出(スクランブル) 2021/12/21 日本経済新聞 朝刊 20日の東京株式市場で日経平均株価は前週末比607円下落した。米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締め方向に転じ、グロ ーバルマネーの迷走が始まった。外部環境の悪化を機に2022年は日本の構造問題に焦点が集まる可能性が高い。小松左京氏の SF小説「日本沈没」のドラマが話題となったが、突然、国土を失い国民が流浪するというメッセージは国土を信用、国民をマネーに置 き換えると現在にも当てはまる警句だ。 まず米資本市場の変調に目を向けよう。注目されるのが物価変動の影響を除いた期待リターンである「実質益回り」の低下だ。1株 利益を株価指数で割った名目の益回りから消費者物価指数の上昇率を引いて出す。試算すると米S&P500種株価指数は6月時点 でマイナス1・65%。リーマン・ショック直前の08年7月以来の低水準だ。物価高騰で、見た目の株高とは裏腹に「実質的な資産価値 の減価が起きている」(東京海上アセットマネジメントの平山賢一氏)。マイナスの実質益回りは1980年前後や終戦直後の40年代 後半以外はあまりみられない。 米新興企業への逆風は強まっている。7月以降に米国に上場した約200銘柄中、直近で初値を割り込んでいたのは全体の7割以 上に上る。初値比の平均騰落率は18%下落。同じ期間に上海・深〓市場に上場した200以上の銘柄は、ほぼ半分が初値を上回っ ている。 問題は今後、米株がクラッシュした場合の日本株の耐久力だ。東証株価指数(TOPIX)の実質益回りは4・7%程度。米株に比べる と割安感はある。だが今年、市場で起きた重大な変化を見逃す事はできない。 年初から17日までに円は対ドルで9%下落した。ユーロや英ポンドなど主要通貨の中では「最弱」だ。南アフリカやインドなどの新 興国通貨よりも下落率が大きい。東京市場で同じ日に株安・円安・債券安(金利上昇)のトリプル安となった日数は今年、28と昨年 から7日増えた。 アベノミクスという「モルヒネ(麻薬)」を長期投与した結果、市場も企業も知らぬ間に政策依存体質となり、そんな市場から海外勢 は距離を置き国内勢は企業買収や証券投資などの形で海外に徐々に逃げ出している。 突然の物価の上振れリスクも対岸の火事ではない。資源を海外に依存する日本にとって万が一、日本周辺で有事となればなおさ らだ。 バブル期までの日本は困難を民間の創意工夫で乗り越えたが、その後、少子高齢化や労働市場の分断で経済的ショックへの対 応は財政・金融政策頼みになった。政府の借金は1200兆円を超え、日銀の総資産は10年で5倍に膨張。東証1部では「声なき 株主」日銀が間接的に大量保有する企業数が全体の2割を超えた。株安を、事実とは言いがたい「岸田ショック」と叫ぶ市場の声 は政策依存体質の表れとはいえないか。 トリプル安は「(既得権を優先し革新できない)イノベーションのジレンマにとらわれた日本」(BNPパリバ証券の河野龍太郎氏)の 写し絵ともいえる。長い目でみて日本がマネーを取り戻すためには、まず日銀が異次元緩和の出口戦略を明確に示す必要がある。 今年の下値支持水準となった2万7000円は重要な「防衛ライン」だ。この水準を割り込むとチャート上は2月と9月、11月を高値 とした「三尊天井」の形となり上昇相場の終わりを告げる可能性が浮上する。 武者氏「日経平均、3万5000円まで上昇 経営変革で画期的な年に」〜焦点2022〜 2021/12/21 08:06 日経速報ニュース 新型コロナウイルス禍から立ち直る兆しがようやく見え始めた2021年の日本経済。グローバルインフレや首相交代といった内外の 材料に翻弄された株式相場だったが、22年はどうなるのか。著名な市場関係者に注目点や見通しを聞いた。第1回は武者リサーチ の武者陵司代表。 /home/member/news/202112/ucljpg_c9887817a902237334c48a86b6d2039b.jpg?format=raw ■日本株は出遅れ解消、需給改善へ ――22年の株式相場をどうみますか。 「22年の日本株は上昇基調とみている。日経平均株価は年末にかけて3万5000円程度まで上昇する余地があるだろう。21年の 日本株は米国株と比べて相対的にパフォーマンスが低かっただけに、出遅れを解消していくだろう」 「ここ半年ほど日本株は『昼間弱く、夜堅調』という印象だった。インデックス(指数)に関連した日本株の投資比率引き下げの影響 などで、現物株の売りが続いていたとみている。日銀が上場投資信託(ETF)の買い入れ額を減らしたことも大きい。日本株アンダー ウエートに伴う売りが落ち着けば、22年は21年と比べ需給的には悪い環境でなくなる」 ――株式相場を押し上げる要因は。 「コーポレートガバナンス(企業統治)の大変革が日本でも実現してきたことだ。旧態依然とした企業は衰退する一方、新しい企業 が評価されるという二極化が進むなかでは、企業は経営の変革に踏み切る必要がある。多くの企業で変革が進めば、日本株全体 としてのバリュエーション(投資評価)向上が期待できる」 ■ニッチ分野・DX・観光に注目 ――22年に注目する企業はありますか。 「ニッチ(隙間)分野に強みがあり、世界シェアの高い企業だ。例えば半導体分野で日本は(素材や製造装置などの)川上の分野 が強い。デジタルトランスフォーメーション(DX)に対応し、社内改革をなし遂げた企業も良い。労働の評価を(仕事内容に応じて処遇 する)ジョブ型雇用に切り替えられているかに注目している」 「時期尚早の面もあるが、観光産業は伸びしろがある。日本は治安の良さや食文化などに魅力があり、外食やサービス価格の割 安さも観光業には追い風となり、日本は巨大な観光立国になるとみている。外国人が内需産業の買い手になり、国際的な産業に なっていくだろう」 ■金融所得課税強化は悪いメッセージ ――岸田文雄首相は「新しい資本主義」を掲げています。 「企業が獲得した付加価値は従業員と株主に分配するものだ。株式市場で時価総額を高めて投資をして、企業価値を上げていくと いった、資本の自己増殖を考える『株式資本主義』がまっとうな資本主義だと考えている。(多様なステークホルダーへの分配などと 捉えられる)新しい資本主義は混乱した見方で、米国でますます進む株式資本主義に背を向けることになり日本にとってはマイナス ではないか」 「古い慣習にしがみついていたらグローバルな金融競争を勝ち抜けない。日本はようやく米英で進む株式資本主義の土台に立った。 DX革命に対応した社内改革を進めた日立製作所(6501)やソニーグループ(6758)に追随するように、産業界全体に変化の兆しが 出てきた。グローバルの投資家が評価し始めれば、日本企業にとって22年は変革が進む画期的な年になる可能性がある」 ――金融所得課税の強化が検討される見通しです。 「市場に対する悪いメッセージだ。日本政府が株式資本主義に背を向けているイメージを与える。投資を始めようとする個人に対し、 株式投資のインセンティブを損ないかねない。金利がほぼゼロの預貯金から配当などを受け取れる株式投資に振り向ければ、家計 は豊かになる。企業は株価上昇を通じて得た資金で、M&A(合併・買収)といった投資ができる。金融所得課税の強化はこの好循 環に水を差すことになろう」 日本株ADR21日、ほぼ全面高 三井住友FGなど金融株が高い 2021/12/22 06:13 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川上純平】21日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)はほぼ全面高だった。 米ダウ工業株30種平均が上昇し、日本株ADRにも買いが入った。 三井住友FGや三菱UFJなど金融株の上昇が目立った。武田は下げた。 ADR3868円 米国債券10年利回り1.470%、(+0.051) 2021年12月22日09時10分 三菱UFJなどメガバンクが堅調、米金融株高に追随し高配当利回りにも着目 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411> などメガバンクがいずれも続伸歩調となっている。 前日の米国株市場では米10年債利回りが上昇し終値ベースで1.46%まで上昇、これを背景に前日の米国株市場ではゴ ールドマン・サックス<GS>をはじめ大手金融株が全面高となった。東京市場でもこの流れを引き継いでいる。世界的な金利上 昇局面でバリュー株としての側面も見直され、三菱UFJは配当利回りが前日時点で4.5%、三井住友FGは5.4%、みずほ FGは5.5%と高く、インカムゲイン狙いの実需買いも流入しているもようだ。 資産運用寿命を考える時代に(十字路) 2021/12/22 日本経済新聞 夕刊 資産を創り上げる「資産形成」と、出来上がった資産を上手に取り崩す「資産活用」の目的は人の寿命以上に資産寿命を延ばす ことにある。我々の寿命が延伸するなかで、この目的の達成は簡単ではなく、手段としての資産運用が一層重要になろう。人の 寿命の概念では健康で暮らせる「健康寿命」が注目されるように、資産寿命でも資産運用を健全に行える「資産運用寿命」を考え る時代ではないか。 生涯、自分ひとりで健全に資産運用ができるとは考えにくい。認知・判断能力が低下した段階で、第三者に資産運用のサポート を依頼することができれば、生涯を「資産運用寿命」とすることも可能だろう。米国では、後見人は「資産をポートフォリオで管理す べきだ」というプルーデント・インベスター・ルールがあり、「生涯にわたる資産運用」を想定しやすい。 しかし日本の成年後見制度では資産保全が優先され現金化されることが多く、彼我の差は大きい。家族などが信託を受けて資 産運用を継続する方法も利用できるようになったが、信託を受ける家族への専門家のアドバイスも必要になる。金融アドバイザー の社会的意義もそこにある。 事前に「資産運用寿命」を設定しておく方法もある。例えば80歳に設定して、65歳からの15年間を、資産運用を行いつつ必要 資金を引き出す「使いながら運用する時代」と考える。それ以降は運用から撤退し、預金・終身年金などの安定資金に切り替え、 「使うだけの時代」とする。使いながら運用する前半の15年間で、後半の20年間をカバーできるだけの資産を残せれば、100歳 までの資金計画が視野に入る。もし前半が20年ならもっと余裕もできる。 「資産運用寿命」を考えることは、退職後のお金との向き合い方にこれまで以上の柔軟性を与えるはずだ。 (フィンウェル研究所代表 野尻 哲史) 第2部・人生100年の羅針盤特集――定年のリアル、資産の寿命を延ばす、取り崩し額と運用がカギ。 2021/11/26 日本経済新聞 朝刊第2部 長い会社員人生が「定年」という節目を迎えるとき、多くの人が手にする退職金。その金額は平均約2000万円前後になる 。これだけまとまったお金を手にする機会はそうあるものではない。海外旅行に行こうか、家の改修費に使おうか、これを元手 に起業しようか――。夢は膨らむが、退職金は人生後半をより豊かに安心して暮らすための大事な原資でもある。人生と同様 、資産の寿命を延ばすことも考えたい。 退職金一時金の平均支給額が右肩下がりだ。2018年は1997万円(大卒・勤続35年以上)と08年に比べて約500万円 減少した。自分の運用次第で将来の年金額が変わる確定拠出年金(DC)を導入する企業や、退職金の算出方法を年功主義 から成果主義の雇用体系に則したものにする企業が増えていることなどが背景にある。 減少傾向とはいえ、退職金はその後の生活のゆとりを左右する。厚生労働省の「20年簡易生命表」によると男性の28%、 女性の53%が90歳まで生きる時代。60代は就労と年金というフローの収入を確保しつつ、それまでに蓄えてきた老後資金と 退職金というまとまった資金の一部を運用して、資産寿命を延ばすことができれば安心だ。 60歳以降のマネープランを考えるうえで、22年度はより選択肢が広がる制度改正がある。まず企業型DCの改正だ。現在は 原則60歳から70歳の間で自由に受給開始時期を選択できるが、来年4月から受給開始年齢の上限が75歳に引き上げられ、 その分、長く運用ができるようになる。 対象者は22年4月時点で70歳未満の人。60歳を過ぎても受給せず、従来の資産の運用だけを続ける「運用指図者」になって おくのも一案だ。「口座管理手数料などを勤務先が負担してくれるなら検討する価値がある」と確定拠出年金教育協会の大江加 代理事は助言する。 5月には加入可能年齢が見直される。企業型DCは現在、60歳以降もそれ以前と同じ会社で働く人に限り65歳まで加入し続 けることができるが、加入年齢の上限が70歳未満に上がり、同じ会社という要件が撤廃される。「企業が60歳以降のシニアの 処遇として、関連会社や子会社に移った人を含めて加入者にすることができるようになる」(大江氏)。こちらは勤め先の制度次第だ。 現在60歳まで加入できる個人型DC(iDeCo)も22年5月からは国民年金の被保険者であれば65歳まで加入できるようになる。 シニアに限った話ではないが、資産運用の際にまず考えたいのが、DCや少額投資非課税制度(NISA)といった税制優遇のある 仕組みを活用すること。掛け金を所得から控除できたり、運用益が非課税になったりする制度を優先して使うといいだろう。 退職金とそれまでの蓄えを合わせた老後資金が何歳まで持つのか、いくつかシミュレーションをしてみた。ポイントは年金収入 以外にどのぐらい生活費が必要になるのか、つまりどの程度の資産を取り崩す必要があるのか、さらにリスクを抑えながら運用 を続けられるかだ。 65歳時に4000万円あれば、もし毎月10万円を取り崩したとしても資産は95歳までもつ。ただ、4000万円なくても悲観する 必要はない。生活費を抑えれば取り崩し額はもっと抑えられる。65歳時点で3000万円の資産があれば、取り崩し額を月9万円 にして、さらに75歳まで年率2%程度で運用することができれば、やはり資産は95歳まで枯渇することはない。 60代のうちは就労や企業年金を活用して65歳からの公的年金の受給を繰り下げれば、1カ月ごとに年金が0・7%増額される。 70歳から受給を始めれば42%増額となり、それが終身でもらえる。その際は毎月取り崩す額はもっと抑えることができるだろう。 資産運用をするに当たり、「退職金で投資デビュー」という人は金融商品を慎重に見極める姿勢が大切だ。とりあえずの預け先 として多くの人が選ぶのが金利を高めに設定した「退職金専用定期預金」だろう。金利は年0・1〜0・8%程度のケースが目立つ。 ただ預入期間は3カ月の場合が多く、実際の金利は年率表示の4分の1になる。 「退職金専用プラン」などの名称で専用定期と投信購入がセットになった商品もある。定期の年率金利の表示が5〜7%と高い ものが多く、つい金利に目を奪われがちだが、やはり高い金利が適用されるのは一般的に3カ月のみ。投資信託の購入手数料 や信託報酬がかかるうえ、金利収入を上回る損失が出れば資産は目減りしてしまう。 退職金を受け取ると、金融機関から勧誘を受けるケースも多い。金融機関が勧める商品には手数料が割高だったり、仕組みが わかりづらかったりする商品もある。運用するならその時点で使える税優遇制度がある口座を優先的に使うこと、金融機関の言葉 をうのみにせず、商品のリスクやコストを理解できない金融商品は買わないといった姿勢も必要になるだろう。 病気や介護、家のリフォームやメンテナンスなどで思わぬ出費がある可能性もある。投資は資産の一部にとどめ、流動性の高い 預貯金を確保しておくことも大切だ。 学び直し、前向きに 2021年4月施行の改正高年齢者雇用安定法で、企業は70歳まで従業員の就業機会を確保することが努力義務となりました。 「70歳まで働かされる」「70歳まで働ける」――。どうとらえるかは人それぞれですが、シニアの雇用環境が整いつつあるのは 歓迎すべきことだと思います。 リカレント(学び直し)という言葉が注目されています。若い頃のような体力はないかもしれませんが、学びを始める年齢に遅す ぎるということはありません。人生設計をより柔軟に描けるようになったと前向きにとらえたいものです。 (マネー報道グループ長 手塚愛実) 三井住友フィナンシャルグループ 企業の脱炭素支援に新組織 2021年12月23日 5時01分 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211223/k10013399691000.html 三井住友フィナンシャルグループは企業の脱炭素対応を支援する新たな組織を来年4月に立ち上げることになりました。傘下の 銀行や証券などに分散している機能を横断的に管轄し、取引先の企業などが抱える多様な課題に迅速に対応するねらいです。 これは三井住友フィナンシャルグループの太田純社長がNHKのインタビューで明らかにしました。 現在、企業の脱炭素対応を支援する機能はグループ傘下の銀行や証券などの各社が持っていますが、太田社長はこれらの機 能を横断的に管轄する新たな組織を設ける方針を示しました。 新たな組織は銀行の投融資や、証券会社のグリーンボンド=環境債の発行などの資金調達、それにシンクタンクの調査やコン サルティングなど、各社が個別に展開してきた脱炭素関連のビジネスなどを取りまとめる本部として、来年4月に設置するとして います。 各社が持つ機能を組み合わせて提供できるようにすることで、脱炭素をめぐる企業の多様な課題に迅速に対応するねらいです。 三井住友フィナンシャルグループの太田社長は「情報の開示や具体的な実行計画の策定など、脱炭素化についてお客様がさま ざまな悩みを抱えている。グループ全体でトータルにサポートをしていく大きな組織を作っていく」と述べました。 脱炭素支援へ新組織、三井住友FG太田純社長、グループ横断で取引先支え。 2021/12/23 日本経済新聞 朝刊 三井住友フィナンシャルグループ(FG)の太田純社長は日本経済新聞のインタビューで、2022年度にも取引先の脱炭素化を 支援するグループ横断の組織を立ち上げる方針を明らかにした。太田社長は「温暖化ガス排出量の把握や削減に向けた取り組 み、資金調達を一気通貫で支える」と強調。銀行や証券、リースなどグループの資源を生かして、新たな収益機会を創出する。 三井住友FG傘下の三井住友銀行は22年1月をめどに、企業の気候変動開示を支援するシステムを販売する。同年5月には 企業の温暖化ガス排出量を測定するシステムの開発・販売を始める方針で、将来的には温暖化ガスの排出枠を取引する市場の 立ち上げなども視野に入れる。 グループでも三井住友ファイナンス&リースが台湾で太陽光発電事業に参入するなど、脱炭素関連の取り組みが加速している。 太田社長は「グループ各社の知見を集め、脱炭素化に向けた顧客の悩みを解決する組織を作っていく」と指摘。現在FGに4つ ある事業本部と同様の位置づけとする方針だ。 背景には政府が50年に温暖化ガスの排出量を実質ゼロにする目標を掲げたことがある。投融資を打ち切る欧州の金融機関 と異なり、邦銀は積極的な対話(エンゲージメント)を通じて、「顧客の変化を支えていく」(太田社長)姿勢を貫いている。 企業統治指針の改定で、東京証券取引所の最上位にあたるプライム市場では気候変動開示が強化される。大企業が原材料 や商品の納入企業(サプライヤー)に対して、温暖化ガスの排出量削減を相次いで求めており、実現できなければ取引先が供給 網から締め出される懸念がある。 三井住友FGは50年に取引先も含め、温暖化ガスの排出量を実質ゼロにする目標を掲げている。傘下行だけで約10万社ある 取引先への支援体制を強化することで自身の目標達成にも弾みが付く可能性がある。 ADR3857円 米国債券10年利回り1.455%、(-0.032) 日本株ADR22日、高安まちまち ソニーG高い 2021/12/23 06:07 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=横内理恵】22日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は高安まちまちだった。 同日の日米株式相場は上げて終えたものの、日本株のADRには売り買いが交錯した。 ソニーGやみずほFG、野村が上昇。半面、武田やトヨタ、三菱UFJが下げた。 インタビュー:アジア出資先の統括本部を設置へ、さらなる買収も=三井住友FG社長 [東京 23日 ロイター] - 三井住友フィナンシャルグループの太田純社長はロイターとのインタビューで、上期に出資を決めた アジアの各金融機関を取りまとめる新たな本部を来春立ち上げる方針を明らかにした。成長率の高いアジアで事業展開を加速 させる考えで、さらなる買収にも意欲を示した。 三井住友FGは今年に入ってベトナム、フィリピン、インドの銀行やノンバンクに出資することを相次ぎ発表した。アジアに第2、 第3の三井住友グループを作る「マルチフランチャイズ戦略」をかねてから掲げており、太田社長はインドネシアも含めた4カ国 のリテール業務を統括する本部を来年4月に新設すると説明した。 東京とシンガポールに一定規模の人員を配置する。出資効果を高めるため、連携の強化や統合作業を進める。同時にアジア で一段の成長を模索する考えで、太田社長は引き続き買収を検討する姿勢を示した。太田社長は「さらに拡大させていくには どうしたらいいかというのは常に考えて常に探している」と述べた。 三井住友FGは今年、アジア以外にも米証券会社ジェフリーズ・ファイナンシャル・グループと資本・業務提携した。太田社長は 、「SMBC日興の海外における機能が弱いので、補強したいと思った」とその狙いを語った。 三井住友FGは傘下の三井住友銀行が2019年にニューヨーク連邦準備銀行からマネーロンダリング(資金洗浄)防止に関す る内部管理が不十分と指摘を受けたため、米国で一定割合以上の出資をすることに制限がかけられている。 太田社長は「そこが解決すれば、さらに大きな出資をしていきたい」と述べ、米国事業の拡大にも意欲を示した。 日銀ETF購入額、黒田総裁下で最低へ 21年は4月以降4回のみ 2021/12/23 07:05 日経速報ニュース 2021年の日銀による年間の上場投資信託(ETF)買い入れ額は、12年以来、9年ぶりの低水準となりそうだ。黒田東彦総裁が 就任した13年以降では最少となる見込み。株価が急落したときだけ買う方針へと今年3月に修正し、購入頻度が大きく下がった 結果だ。 /home/member/news/202112/ucljpg_5b95b26ec9d20bd7b5fb45908e7491f9.jpg?format=raw 今年これまでの日銀のETF購入額は、設備・人材投資に積極的に取り組む企業の株式を対象とするETF(新型ETF)を含めて 8734億円と、20年の年間実績(7兆1366億円)の8分の1にすぎない。12年(6397億円)以来の低い水準だ。日銀は3月の政策 点検でETFの購入について、原則的な買い入れメドを取り下げ、「必要に応じて買い入れる」方針に変更した。16年8月以降、 年間6兆円規模を目安に積極的な買い入れを実施してきたが、今年4月からは年間12兆円を上限に株価が大きく下落した場合 のみ買い入れることになった。 今年の株価推移を振り返ると、市場が大きく動揺する場面は比較的限られた。足元で東証株価指数(TOPIX)は昨年末の水 準を9%ほど上回っている。株高傾向が続いたため、点検後の4月以降の買い入れは今のところ4回にとどまる。実施した日は 、いずれもTOPIXの午前終値の下落率が2%を超えていた。 日銀によるETF購入については、株価のゆがみにつながったり企業統治に悪影響が及んだりしかねないと懸念する声が出て いた。方針修正によって平時の買い入れが抑制され、全体としてETF購入のペースは大きく落ちた。日銀のETF購入の有無が 市場で話題に上ることも減り、「ETF購入の転機となった」(ニッセイ基礎研究所の矢嶋康次氏)。 ただし、ETF保有残高の縮小という出口政策に着手するまでの道筋はまだ見えない。黒田総裁は今月17日の記者会見で、 「リスクプレミアムが上昇するようなときには、思い切って大幅なETFや不動産投資信託(REIT)の買い入れも行う」と述べた。 携帯電話料金引き下げなどの特殊要因が消えて、来年は国内の消費者物価指数(CPI)が一時的に高まる可能性があるも のの、日銀は物価上昇率を2%で持続させることを目指している。「少なくとも黒田総裁の任期中は、出口政策に向かう可能 性は低い」(農林中金総合研究所の南武志氏)といえる。 2021/12/23 18:00 三井住友FG(8316) 日系大手証券、レーティング強気継続。目標株価引き上げ、6,500円。 日系大手証券が12月23日、三井住友フィナンシャルグループ<8316>のレーティングを強気(Buy)に据え置いた。 一方、目標株価は6,300円から6,500円に引き上げた。因みに前日(12月22日)時点のレーティングコンセンサスは 4.42(アナリスト数12人)で「やや強気」の水準、目標株価コンセンサスは4,947円(アナリスト数12人)となっている。 2021-12-24 野村 Buy継続 6300円 → 6500円 日銀総裁、「円安、家計にはマイナス」、輸入物価上昇に留意。 2021/12/24 日本経済新聞 朝刊 日銀の黒田東彦総裁は23日の講演で、「円安が物価上昇を通じて家計所得に及ぼすマイナスの影響が強まっている可能性が ある」と述べた。国内で消費されるモノのうち耐久財を中心に輸入品比率が高まっているためだ。円安は輸出企業の収益改善など 「(日本経済にとって)基本的にプラスの効果が大きい」としつつも、負の面にも留意する考えを示した。 黒田総裁は円安による輸出企業の採算改善の効果は「近年強まっている」とも指摘した。国内で生産するモノの付加価値が高ま っているほか、海外生産比率は上昇し続けてきた。円ベースでみた海外収益を押し上げ、海外子会社からの配当の受け取りを通じ て「所得収支の面でも稼ぐ国へ変貌している」と語った。 黒田総裁は為替レートの変動が日本経済に及ぼす影響は「構造的に変化している」との見解を示した上で、円安の影響は「経済 主体の事業内容や支出構造によって表れ方が様々だ」と指摘した。 足元の数カ月はエネルギー価格の急騰も相まって輸入品価格が上がっており、金融市場では黒田総裁の円安に対する認識に 注目が高まっている。 日本株ADR23日、全面高 ホンダとトヨタの上げ目立つ 2021/12/24 06:16 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=古江敦子】23日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)はほぼ全面高だった。 同日の日米株式相場がともに上昇し、日本株ADRにも買いが波及した。 ホンダが2%近く上昇し、トヨタが1%強上げた。三菱UFJと三井住友FG、オリックス、ソニーも高い。 ADR3896円 米国債券10年利回り1.493%、(+0.035) 2021年12月24日09時17分 メガバンクが揃って頑強な値動き、米10年債利回りの上昇基調続く 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411> が小幅ながら揃って4日続伸と頑強な値動きを続けている。 今週明け20日に全体相場の波乱に引きずられ、いずれもマドを開けて売られる展開となったが、その後は配当利回りに着目 した実需買いが株価を押し上げる形となっている。 前日の米国株市場では金融セクターが買われ、全体指数の上昇に貢献した。米長期金利の上昇基調が顕著となり、米10年 債利回りは終値ベースで1.5%目前まで上昇した。東京市場でも米国事業を手掛けるメガバンクは米金融株高に追随して、 上げ幅こそ小さいが堅調な値動きとなっている。 日米株価、格差が拡大 好材料に乏しい日本株 2021/12/24 21:18 日経速報ニュース 日本株と米国株の格差が拡大している。日経平均株価を米ダウ工業株30種平均で割った「ND倍率」は12月に入って一時0.7倍台 と8月以来の水準をつけ、足元でも0.8倍台で低迷する。23日の米国株式市場で主要3指数がそろって上昇した一方で24日の日経 平均株価は下げるなど、日本株の上値の重さが目立っている。 24日の東京株式市場で日経平均の終値は前日比15円安の2万8782円。前日の米株式市場でS&P500種株価指数が過去最高 値を更新した流れを受け上昇して始まったものの午後に下げに転じ、4日ぶりに反落して取引を終えた。年末を控えるなか、2万90 00円の節目を前に戻り待ちの売りがかさんだ。 年初からのND倍率をみると、米国株に比べた日本株の弱さが目立つ。日経平均が30年半ぶりに3万円台を回復した2月には 0.96倍台と2017年11月以来の高水準、自民党の総裁選による「選挙ラリー」に沸いた9月にも0.9倍前後をつけていた。その後は 米株の上昇についていけず、足元では0.8倍前後で低迷している。 りそなアセットマネジメントの戸田浩司シニア・ファンド・マネージャーは「コロナ禍からの『リベンジ消費』が振るわないなど好材料 に乏しい日本を尻目に、力強い経済回復が進む米国に世界のマネーが集まっている」と指摘している。 三井住友FG社長、株価割安放置にイライラの日々 安定収益上げ配当利回りは5%を超えているのに https://toyokeizai.net/articles/-/478785 三井住友フィナンシャルグループの太田純社長は、今年矢継ぎ早に公表したアジア地域での出資は海外事業展開の端緒に 過ぎず、今後さらなる出資や事業強化が必要との見方を示した。また、資本業務提携を結んだ米投資銀行大手ジェフリーズ・ ファイナンシャル・グループとの関係強化を目指し、将来的には出資比率の引き上げを視野に入れていることも明らかにした。 ■インドで商業銀行や証券業務の展開を検討 4月以降、ベトナムやインドのノンバンク、フィリピンの商業銀行と計3800億円に上る出資案件を相次いで公表した。一連の投 資について太田氏は「アジア地域のSMBCグループ構築に向けて最初のステップを刻んだだけ」と述べ、今後も必要に応じて 投資機会を模索する姿勢を示した。 具体的には、インドで商業銀行や証券業務の展開を検討するほか、ベトナムでは2008年に出資したエグジムバンクと、今年4月 に出資を発表した消費者金融などを手掛けるFEクレジットの活用、また将来的に同国での証券業務もターゲットに考えていると いう。 ■米投資銀行大手ジェフリーズへの出資比率引き上げも 一方、米国では今年7月に約430億円を投じて資本提携したジェフリーズとの関係強化を目指す。ヘルスケアやクロスボーダー M&A(企業の合併・買収)、LBO(レバレッジド・バイアウト)の共同引き受けなど3分野でスタートした協業は「滑り出しが非常に 順調」と述べた。提携発表時に最大4.9%としていた出資比率の引き上げも視野に入れる。 三井住友FG傘下の三井住友銀行は、19年4月にニューヨーク連邦準備銀行からマネーロンダリング(資金洗浄)防止に関する 内部管理体制が不十分として改善措置を求められている。ジェフリーズへの出資引き上げは、改善措置を達成したと米当局に 認められた後に申請が可能となる。 株価水準は「Shame」 ジェフリーズへの出資も含めた成長投資は今年4月以降で計4300億に上るが、自己株取得の機動的実施など株主還元にも 力を入れる。22年度までに配当性向40%との目標に対して、今期(22年3月期)では43%を見込む。 太田氏は、毎年安定的な収益を上げて配当利回りが5%を超えているにも関わらず株価水準が割安であることを「Shame(経営 者として恥ずかしい)」という言葉で表現し、「具体的に何とかしたいのにうまくいかないのでイライラしている」と述べた。 国内では16年以降、日本銀行がマイナス金利政策を続けており、銀行株価の下押し要因となっている。太田氏は「われわれと しては成長戦略をきちんと描いて投資家に理解してもらい、成長企業だとアピールするしかない」と述べ、情報開示に一層力を 入れる方針を示した。 三井住友FG社長、アジア大規模投資は「最初のステップ」−出資継続へ https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-12-22/R49DVPDWLU6I01 インドで商業銀行や証券業務の展開検討、ベトナムでも事業拡大 資本提携した米ジェフリーズとの関係を強化、出資比率引き上げも 三井住友フィナンシャルグループの太田純社長は、今年矢継ぎ早に公表したアジア地域での出資は海外事業展開の端緒に 過ぎず、今後さらなる出資や事業強化が必要との見方を示した。また、資本業務提携を結んだ米投資銀行大手ジェフリーズ ・ファイナンシャル・グループとの関係強化を目指し、将来的には出資比率の引き上げを視野に入れていることも明らかにした。 4月以降、ベトナムやインドのノンバンク、フィリピンの商業銀行と計3800億円に上る出資案件を相次いで公表した。一連の 投資について太田氏は「アジア地域のSMBCグループ構築に向けて最初のステップを刻んだだけ」と述べ、今後も必要に応じ て投資機会を模索する姿勢を示した。 具体的には、インドで商業銀行や証券業務の展開を検討するほか、ベトナムでは2008年に出資したエグジムバンクと、今年 4月に出資を発表した消費者金融などを手掛けるFEクレジットの活用、また将来的に同国での証券業務もターゲットに考えてい るという。 一方、米国では今年7月に約430億円を投じて資本提携したジェフリーズとの関係強化を目指す。ヘルスケアやクロスボーダ ーM&A(企業の合併・買収)、LBO(レバレッジド・バイアウト)の共同引き受けなど3分野でスタートした協業は「滑り出しが非 常に順調」と述べた。提携発表時に最大4.9%としていた出資比率の引き上げも視野に入れる。 三井住友FG傘下の三井住友銀行は、19年4月にニューヨーク連邦準備銀行からマネーロンダリング(資金洗浄)防止に関 する内部管理体制が不十分として改善措置を求められている。ジェフリーズへの出資引き上げは、改善措置を達成したと米当 局に認められた後に申請が可能となる。 株価水準は「Shame」 ジェフリーズへの出資も含めた成長投資は今年4月以降で計4300億に上るが、自己株取得の機動的実施など株主還元に も力を入れる。22年度までに配当性向40%との目標に対して、今期(22年3月期)では43%を見込む。 太田氏は、毎年安定的な収益を上げて配当利回りが5%を超えているにも関わらず株価水準が割安であることを「Shame( 経営者として恥ずかしい)」という言葉で表現し、「具体的に何とかしたいのにうまくいかないのでイライラしている」と述べた。 国内では16年以降、日本銀行がマイナス金利政策を続けており、銀行株価の下押し要因となっている。太田氏は「われわれ としては成長戦略をきちんと描いて投資家に理解してもらい、成長企業だとアピールするしかない」と述べ、情報開示に一層力を 入れる方針を示した。 関連記事: 三井住友FG、ベトナムノンバンクのFEクレジットに49%出資へ 三井住友FG、インドのノンバンクを2200億円で買収−正式発表 三井住友FG、ジェフリーズと戦略資本業務提携−M&Aなど協働 三井住友F、ベトナムノンバンクのFEクレジットに49%出資へ 萩原ゆき、浦中大我 2021年4月28日 19:28 JST 更新日時 2021年4月28日 19:39 JST →VPバンクから取得へ、関係者によると出資額は千数百億円の見込み →三井住友FはFEクレジットへの出資通じアジアでの成長戦略を強化 三井住友フィンシャルグループは28日、ベトナムのノンバンク、FEクレジットに49%出資すると発表した。FEクレジットの親会社で あるベトナム大手銀VPバンクから株式を取得する。三井住友Fは出資金額は非公表としているが、関係者によると、千数百億円 になる見込み。 資料によると、三井住友Fは2020年度から3年間の中期経営計画で、アジアのフランチャイズ拡大とデジタル金融強化を掲げて おり、FEクレジットへの出資を通じ、アジアでの成長戦略を一層強化する。 FEクレジットは、ベトナムで個人消費者向け無担保ローンやクレジットカードなどを提供し、同国で市場シェア約50%を占める コンシューマーファイナンス最大手。モバイルアプリを通じたサービスなども提供している。 三井住友Fの太田純社長は昨年12月のインタビューで、アジア地域の事業展開について、ベトナムやフィリピン、インドで提携 や出資が可能な銀行をリストアップしており、個別に具体的な検討を進めていることを明らかにしていた。 三井住友FG、インドのノンバンクを2200億円で買収−正式発表 布施太郎 2021年7月6日 13:08 JST 更新日時 2021年7月6日 15:47 JST →テマセックの出資子会社からフラートン・インディアの株式75%取得 →インドのリテール市場への参入は日本の大手金融グループで初めて 三井住友フィナンシャルグループ(FG)は、インドのノンバンクを20億ドル(約2200億円)で買収すると正式発表した。ノンバンクを 保有するシンガポールの政府系投資会社テマセク・ホールディングスの傘下企業から株式の約75%を譲り受ける。インドの個人・ 中小企業金融市場に参入するのは日本の大手金融グループで初めてとなる。 買収するのはムンバイに本社を置くフラートン・インディア・クレジット・カンパニー。同国内で個人ローンや住宅ローン、中小企 業向け融資を展開している。インドに約650の支店を持ち、約1万4000人の従業員を抱える。2021年3月期の業務粗利益は476 億円、当期純損失は182億円で、同3月末の貸出金残高は約3122億円。リテール向け金融サービスを手掛けるノンバンクとして はインドで6位の貸出規模だという。 三井住友FGの株価は、一時前日比0.94%高の3881円を付けた。 三井住友FGはテマセクの出資子会社、フラートン・フィナンシャル・ホールディングスから74.9%の株式を取得後、将来的には 全株取得を目指す。最終的な買収価格は3000億円規模に達する可能性がある。同社にとっては、インドネシアで総額約2500億 円を投じた商業銀行、BTPNに並ぶアジアでの巨額買収案件になる。 インドでは、三井住友FG傘下の三井住友銀行が支店を出店し、法人取引を強化している。今後もインドの成長余力は高く、 リテールや中小企業向け金融市場も拡大すると判断した。同国は国内銀行に対する外国銀行の出資規制が厳しいため、グル ープとしてノンバンクを買収し、リテール業務のプラットフォームとする。 これまで三井住友FGは、高い成長を続けるアジアへの進出を進めており、すでにインドネシアやベトナムなどで地場銀行や ノンバンクに出資をしてきた。今年に入ってからも、ベトナムのノンバンク大手やフィリピンの銀行への出資を決めるなど、アジア 展開を加速させている。 三井住友FG、ジェフリーズと戦略資本業務提携−M&Aなど協働 萩原ゆき、浦中大我 2021年7月14日 11:40 JST 更新日時 2021年7月14日 20:12 JST →当局の認可取得を前提にジェフリーズの株式最大4.9%を取得へ →米の非投資適格企業向けビジネス拡大やヘルスケアセクターに注力 三井住友フィナンシャルグループ(FG)は14日、米証券会社ジェフリーズ・ファイナンシャル・グループと戦略的資本・業務提携を 結ぶことで合意したと発表した。日本企業が関与する国際的な企業の合併・買収(M&A)などの分野で協働し、投資銀行業務 の強化につなげる。 三井住友FGは当局からの認可取得を前提に、ジェフリーズの発行済み株式の最大4.9%を市場から取得する。取得額は13 日終値ベースで約3億8600万ドル(約430億円)となる。 提携分野はM&Aに加えて、米国でのレバレッジドファイナンス分野で協働し、非投資適格企業向けのビジネス拡大を目指す ほか、米国のヘルスケアセクターにおけるファイナンス業務などでも協働する。 三井住友FGの太田純社長は昨年12月のブルームバーグとのインタビューで、低金利政策がもたらした米資本市場の活況を 十分に取り込むことができなかったなどとして、大手投資銀行なども対象に提携による米証券業務の強化に取り組む意向を示し ていた。 米調査会社モーニング・スターのアナリスト、マイケル・マクダット氏は「三井住友FGはSMBC日興証券という国内個人向け 証券業務に強い会社を傘下に持つ一方、他のメガバンクに比べて海外の法人向け証券業務では強みに欠ける」として、「ジェフ リーズとの提携により米国での投資銀行業務の拡大が期待できる」と評価した。 三井住友FGはここ数年、アジアの金融機関への出資など海外展開を加速させている。6日には、インドのノンバンク、フラー トン・インディア・クレジット・カンパニーを20億ドルで買収すると発表したばかり。4月にはベトナムのノンバンク、FEクレジットに 49%出資すると発表していた。 新型コロナで「弱み露呈」、米で証券業務強化へ−三井住友F社長 萩原ゆき、浦中大我 2020年12月22日 0:00 JST 更新日時 2020年12月22日 11:52 JST →投資銀行業務が明暗、大手との業務提携も選択肢に早急に対応必要 →アジアでは出資候補先をリストアップ、買収も視野に具体的検討入る 三井住友フィナンシャルグループの太田純社長は、新型コロナウイルスが影響した経営環境下で同社の「弱みが露呈した」と 考えている。低金利政策がもたらした米資本市場の活況を十分に取り込むことができなかったからだ。 「こういう環境でも稼げるポートフォリオを持っておくべきだ」。太田氏は11日のインタビューで新型コロナによる教訓をこう語 った。対応策として考えられるのは業務提携による米証券業務の強化で、「早急な手当てが必要」との認識を示した。米大手 投資銀行なども提携対象の選択肢に含まれるとしている。 新型コロナが市場を直撃した上半期は、国内外で融資を中心とした商業銀行が苦戦する一方、債券引き受け(DCM)や エクイティ引き受け(ECM)を中心とした投資銀行業務に強い金融機関が収益を拡大。明暗が分かれた。 三井住友Fは、海外で銀行と証券業務を融合した「CIBビジネス」の高度化に取り組んでおり、米国中心の証券業務強化 を課題としてきた。新型コロナ禍では、米国での社債発行の増加を受けてDCMやデリバティブ収益を伸ばしたが、太田氏は 「銀行の顧客基盤を生かしきれていない」として取り込みが不十分だったとの認識を示した。 足かせ 海外証券業務の強化には、企業の合併・買収(M&A)などを通じて外部事業を取り込むという選択肢があるが、同社の 場合は傘下の三井住友銀行が2019年4月にニューヨーク連邦準備銀行と交わした合意書が米市場での買収や出資の足 かせとなっている。 合意書では、マネーロンダリング(資金洗浄)防止に関する内部管理体制が不十分として改善措置を求められており、 米国証券会社などの買収には慎重にならざるを得ない。 太田氏は「すぐに動けないことは、痛恨の極み」であるとし、内部管理体制が当局に認められるまでは、買収ではなく業務 提携を検討していると述べた。同社が持つ顧客層と証券会社の持つ専門性との融合は有効と考えており、「バルジブラケット」 と組むことも選択肢として除外しない意向を示した。 バルジブラケットは、JPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスなど米系の巨大投資銀行を指し、コロナ禍でも資本市 場の活況を取り込み好調な業績を上げている。 アジアでは出資候補先をリストアップ アジア地域の事業展開については、ベトナムやフィリピン、インドで提携や出資が可能な銀行をリストアップしており、個別に 具体的な検討を進めていることを明らかにした。 太田氏は以前から、国内総生産(GDP)が伸びている国での商業銀行の買収を選択肢にすると述べており、アジア地域で の総合金融サービス提供に向け、過半数の出資も視野に模索する。 同社は、08年にベトナムのエグジムバンクを持分法適用関連会社化した。インドネシアでは、40%出資していた年金貯蓄 銀行(BTPN)を19年に連結子会社化の上、現地法人と合併させるなどアジア地域での存在感を高めてきた。 買収先銀行を中核とした事業基盤の強化はインドネシアで進捗(しんちょく)しており、ホールセールでは証券やリース、 リテールでは資産運用などを展開。新型コロナ感染拡大による非対面の需要の高まりで、BTPNのデジタルバンキング預金 残高は22年12月に19年12月比で約3倍の1580億円を見込む。 自己株買い「できればやりたい」 また、太田氏は自己株取得について、新型コロナの影響を見極めたいと述べた。ただ、株価は割安な水準にあるとして 「今は自社株を買うのが一番よい投資だというのも分かっている」と述べ、「できればやりたい」との思いもにじませた。19年 度は約1000億円の自己株取得を実施していた。 三井住友FG社長、株価割安放置にイライラの日々 安定収益上げ配当利回りは5%を超えているのに https://toyokeizai.net/articles/-/478785 三井住友フィナンシャルグループの太田純社長は、今年矢継ぎ早に公表したアジア地域での出資は海外事業展開の端緒に 過ぎず、今後さらなる出資や事業強化が必要との見方を示した。また、資本業務提携を結んだ米投資銀行大手ジェフリーズ・ ファイナンシャル・グループとの関係強化を目指し、将来的には出資比率の引き上げを視野に入れていることも明らかにした。 ■インドで商業銀行や証券業務の展開を検討 4月以降、ベトナムやインドのノンバンク、フィリピンの商業銀行と計3800億円に上る出資案件を相次いで公表した。一連の投 資について太田氏は「アジア地域のSMBCグループ構築に向けて最初のステップを刻んだだけ」と述べ、今後も必要に応じて 投資機会を模索する姿勢を示した。 具体的には、インドで商業銀行や証券業務の展開を検討するほか、ベトナムでは2008年に出資したエグジムバンクと、今年4月 に出資を発表した消費者金融などを手掛けるFEクレジットの活用、また将来的に同国での証券業務もターゲットに考えていると いう。 ■米投資銀行大手ジェフリーズへの出資比率引き上げも 一方、米国では今年7月に約430億円を投じて資本提携したジェフリーズとの関係強化を目指す。ヘルスケアやクロスボーダー M&A(企業の合併・買収)、LBO(レバレッジド・バイアウト)の共同引き受けなど3分野でスタートした協業は「滑り出しが非常に 順調」と述べた。提携発表時に最大4.9%としていた出資比率の引き上げも視野に入れる。 三井住友FG傘下の三井住友銀行は、19年4月にニューヨーク連邦準備銀行からマネーロンダリング(資金洗浄)防止に関する 内部管理体制が不十分として改善措置を求められている。ジェフリーズへの出資引き上げは、改善措置を達成したと米当局に 認められた後に申請が可能となる。 株価水準は「Shame」 ジェフリーズへの出資も含めた成長投資は今年4月以降で計4300億に上るが、自己株取得の機動的実施など株主還元にも 力を入れる。22年度までに配当性向40%との目標に対して、今期(22年3月期)では43%を見込む。 太田氏は、毎年安定的な収益を上げて配当利回りが5%を超えているにも関わらず株価水準が割安であることを「Shame(経営 者として恥ずかしい)」という言葉で表現し、「具体的に何とかしたいのにうまくいかないのでイライラしている」と述べた。 国内では16年以降、日本銀行がマイナス金利政策を続けており、銀行株価の下押し要因となっている。太田氏は「われわれと しては成長戦略をきちんと描いて投資家に理解してもらい、成長企業だとアピールするしかない」と述べ、情報開示に一層力を 入れる方針を示した。 株、掉尾の一振なるか オミクロン型への警戒後退−今週の市場 2021/12/26 04:00 日経速報ニュース 大納会、日経ジャスダック平均は28連勝中 株式は欧米を中心に強含みそうだ。米S&P500種株価指数は23日に過去最高値を更新した。新型コロナウイルスの変異型 「オミクロン型」の感染による入院や重症化のリスクが低いとの調査結果が出ており、市場の警戒感は後退している。 22日発表の12月の米消費者信頼感指数は市場予想を上回った。英米で新型コロナの飲み薬の使用が承認され、感染拡大 による景気鈍化懸念は薄れつつある。日本でも初めての飲み薬となる米メルクの「モルヌピラビル」が承認された。「欧米では クリスマス休暇から戻った投資家の新規買いも出始める」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘チーフ投資ストラテジスト) 東証は30日に大納会を迎える。毎年1月は新規マネーの流入で株価が上昇しやすく、期待した買いが特に個人投資家が好 む中小型株に入りやすい。日経ジャスダック平均は大納会に28年連続で上昇中で、注目される。 金利、参加者の動き乏しく 米長期金利は横ばい圏内で推移しそうだ。年末を控えて債券市場の参加者が新たなポジションをつくる動きは限定的となる とみられる。年内に発表が予定される米国の経済指標もおおむね底堅いとみられ、金利低下を見込む買いは乏しそうだ。 米長期金利は足元で1.4%台を中心に推移している。FRBは2022年に3回の政策金利引き上げを展望するが、大和証券の岩下 真理氏は「米長期金利には十分織り込まれていない」とみる。市場参加者がクリスマス休暇や年末ムードに入っているのが理由 で、「年始からは金利が上がり始めるのではないか」(岩下氏)と指摘する。 日本の長期金利も動きに乏しそうだ。日銀は12月の金融政策決定会合で長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)の維持 を決めた。24日に閣議決定された22年度予算案では新規国債発行額が当初予算ベースで2年ぶりに減少し、債券市場の反応 は限定的だった。 円の売り材料乏しく 対ドルの円相場は下落余地が限られそうだ。オミクロン型への警戒感は外国為替市場でも和らぎつつあるが、一方的な円売り を促す材料にも乏しい。円相場は1ドル=113〜114円台を中心とした動きとなるとの見方が大勢だ。 円相場はオミクロン型への警戒で12月上旬に一時1ドル=112円台まで円高が進み、その後は113〜114円台を中心とした動き が続く。米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めを受けたドル高と、リスク回避による円高という「両方の材料が拮抗してい た」(ソニーフィナンシャルグループの森本淳太郎氏)ためだ。 ただ、リスク回避の動きが和らいだとしても「1ドル=115円台は心理的な節目となっており、同水準を超えて定着していくことは 考えにくい」(森本氏)。年末に向けて市場参加者が少なくなり、急に大きな動きとなる可能性があることには注意が必要だ。 原油、上値重く 原油は上値の重い展開か。前週はオミクロン型への警戒感が後退。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)先物は上昇 基調となり、期近物が1カ月ぶりの高値を付ける場面もあった。 ただサウジアラビアとロシアなどでつくる産油国連合「OPECプラス」の会合が来年1月4日に迫り、増産ペースを変更するかを見 極めたい市場参加者も多い。目先の相場は「足元の需給引き締まりと来年の需給緩和観測の綱引き」(マーケットエッジの小菅 努代表)との指摘もある。 欧州の天然ガスは不安定な値動きが続きそうだ。ロシアからの供給不安が収まらず、在庫が例年より大幅に少ない状況を脱せ ていない。前週前半はウクライナ情勢の緊迫化を背景に急伸したが、後半には利益確定を目的にした売りが重なって急反落した。 今週もロシアを巡る情勢や欧州の天候といった材料に相場が左右されそうだ。 上がらぬ米長期金利、「謎」か警告か−編集委員 高井宏章 2021/12/27 04:00 日経速報ニュース 米国の長期金利が奇妙な動きを見せている。利上げ加速が視野に入って以降、10年物国債利回りはむしろ低下(債券価格は 上昇)している。低金利の持続は株高の下支えとなる半面、債券市場で深まる「謎」には2022年の波乱の気配も漂う。 米10年債利回りは足元、節目の1.5%を割りこんでいる。市場では「イベント通過」を金利低下の理由に挙げる声が多い。パウエ ル氏の米連邦準備理事会(FRB)議長再任や12月の公開市場委員会(FOMC)を乗り切り、マネーが債券に戻ったというわけだ。 一方、2年債利回りは22年の利上げシナリオを織り込んで0.6〜0.7%前後まで切り上がった。 この結果、2年債と10年債の利回り差は0.8%程度とほぼ1年前の水準に戻った。もっとも1年前は2年債が0.1%台、10年債が1% 前後と、ともに歴史的低水準だった。利回り差が「いってこい」となった流れは「1年前の危機モードを脱し、異例の金融緩和の出口 が見えてきたものの、経済の地力を映す長期金利は経済の正常化を確信できていない」と解釈できる。 長期金利は経済の温度計と呼ばれる。その温度をより高精度でとらえるツールが「利回り曲線(イールドカーブ)」だ。期間の短い 国債から長期・超長期債までの利回りをつないでカーブを描き、その形状から市場の経済観を読み取る。2年債と10年債の利回り 差は「曲線の傾き」の目安になる。 「市場の警告だ」。みずほ証券の上野泰也氏は、利回り曲線が「寝ている」現状をこう読み解く。上野氏は「今後、利上げを織り込 んで2年債が1.5%を超えても、オーバーキル(過度の金融引き締めによる景気後退)を警戒する10年債はついていかず、『逆イール ド』が出現するのではないか」と見る。 逆イールドは長期債や超長期債の利回りの方が2年債などより低くなり、利回り曲線が右肩下がりになる現象だ。債券は年限が 長いほどリスクは高く、利回り曲線は通常、右肩上がりになる。逆イールドはこの原則に反する異例の事態で、経験則では景気後 退の前兆とされる。 たとえばIT(情報技術)ブームに沸いた2000年。利回り曲線が6%を超える水準で逆イールドを描いた後、バブルが崩壊。景気後 退に対応したFRBの利下げで短期ゾーンの金利が下がり、利回り曲線は右肩上がりの「常態」に戻った。 この00年代前半の過度な金融緩和こそ、リーマン・ショックにつながる住宅バブルを呼び込んだ「悪手」だった。FRBは04年から 継続して政策金利を引き上げたものの、長期金利の連動は鈍く、利回り曲線は「横一線」になった。市場の動きに戸惑った当時の FRB議長グリーンスパン氏が漏らした「謎(コナンドラム)」という表現はちょっとした流行語になった。 長期金利がなかなか上がらない現状は、短期的には不動産などのリスク資産に追い風になる。PER(株価収益率)など指標の 割高さを正当化しやすいからだ。 だが、振り返れば、ITバブルも住宅バブルも、債券市場の「謎」は景気後退や経済危機の前触れだった。コロナ危機からの出口 を探る22年に利回り曲線の極端な平たん化、あるいは長短金利の逆転が現実になれば、低金利は株高の支援材料どころか凶 兆の色合いが濃くなる。その時、低金利の捉え方は、「次の下り坂」での利下げ余地の乏しさという不安要素に転じかねない。 FRBの利上げ路線が順調に進み、それを織り込んで長期金利が自然に切り上がり、株式市場は金利上昇を「正常化」としてうまく 消化する――。これが22年のマーケットのベストシナリオだろう。その行方を見極めるうえで利回り曲線から目が離せない。 三井住友銀、社内SNSから新規事業 マンション管理DX 2021/12/24 19:55 日経速報ニュース 三井住友銀行は社内のSNS(交流サイト)で生まれたアイデアをもとに、新規事業を立ち上げる。現金や紙、はんこに依存して いたマンションの管理業務を、デジタル技術を使って効率化する。 三井住友銀は2020年10月に行員専用のSNSを導入した。マンション管理会社を担当する行員がSNS上でマンション管理の デジタル化の遅れを指摘したところ、部署横断のプロジェクトに発展。マンションの多くが理事会を来春に控える中、新規事業とし て立ち上げることを決めた。 NTTデータ傘下でマンション管理組合向けの会計ソフトを手掛けるNTTデータNJK(東京・中央)と共同でデジタル化に向けた サービスを開発する。三井住友銀が持つインターネットバンキングのノウハウなどを持ち寄ることで、請求書のやりとりや口座管 理など、多くの手間を要していた業務の効率化を図る。 NTTデータNJK×SMBC、マンション管理業界向けに新規デジタルサービス マイナビニュース2021年12月24日12時20分 NTTデータNJKは12月24日、三井住友銀行と共同でマンション管理業界向けの新規デジタルサービスを開発すると発表した。 両社は2021年12月3日に共同開発に向けた協力覚書を締結しており、今後、マンション管理会社・管理組合のDX(デジタルト ランスフォーメーション)を実現するサービスの検討を開始する。 NTTデータNJKはマンション管理組合会計ソフト「FMS-組合会計」などを、三井住友銀行はマンション管理適正化法を踏まえ たインターネットバンキングサービス「e承認サービス」などを、マンション管理会社・管理組合向けに提供してきた。 新サービスの共同開発にあたっては、NTTデータNJKはマンション管理業務のノウハウおよびシステム開発実績と、三井住 友フィナンシャルグループ各社が持つ各種の金融・非金融ソリューションを活用する。 株、内閣支持率上昇は重荷か 市場は成長戦略の後退に身構え 2021/12/27 12:23 日経速報ニュース 27日午前の東京株式市場で日経平均株価は続落した。前引けは前週末比71円安の2万8711円だった。朝方は小幅に反発して 始まったが、ほどなく下落に転じた。大納会に向けて株式相場が上昇する「掉尾(とうび)の一振」を前に足踏みを続ける日本株の 上値を重くする要因の1つに「内閣支持率の上昇」を挙げる声がある。 クリスマスや年末で休暇入りする投資家も多く、東京市場では薄商いが続く。27日前場の東証1部の売買代金は概算で8443億 円と、1兆円を下回った。24日には1日を通しての商いが1年ぶりの低水準だった。 市場参加者が少なく手控えムードが強いなか、2022年以降も成長の期待できるセクターへの選別物色が相場の底堅さを支えて いる。東京エレクトロン(8035)が連日で上場来高値を付けるなど半導体関連がしっかり。トヨタ自動車(7203)もきょうは堅調に推移 する。 もっとも、買いが相場全体に波及する雰囲気は乏しい。東証1部全体では6割超の銘柄が27日午前に下落した。欧州で新型コロ ナウイルスの変異型「オミクロン型」がまん延し、国内でも市中感染の確認が相次いだことなどが投資家心理を冷やしている。個人 投資家にとっては、前週末24日に節目の1000を6営業日ぶりに回復した東証マザーズ指数が再び下がっていることもムードを暗くする。 さらに市場では「岸田文雄内閣の支持率が上昇していることが、株式相場にとっては重荷になっている」(東海東京調査センター の中村貴司シニアストラテジスト)との指摘が相次ぐ。 日本経済新聞とテレビ東京が24〜26日に実施した世論調査では、岸田文雄内閣の支持率が65%だった。10月調査(59%)、 11月調査(61%)と右肩上がりになっている。 岸田政権では分配政策を優先し、株式市場が評価するような成長戦略を具体化していないとの印象が強い。中村氏は「支持率 の上昇で分配重視の姿勢を支持されたと判断し、成長戦略を後回しにするリスクがある」と警戒する。金融所得課税の強化や自社 株買いに関するガイドライン設定の可能性を示唆するなど、これまでの岸田首相の発言を振り返ると株式相場にネガティブな材料も 少なくない。 半面、内閣支持率は政権や政策の安定性を占う評価軸でもある。ブーケ・ド・フルーレットの馬渕治好代表は「内閣支持率はコロ ナの感染状況と連動する側面もある。仮に今後オミクロン型が急拡大して支持率が急低下しても22年に控える参院選の敗北に つながりかねないとの懸念が生じれば、それはそれで悪材料となってしまう」と指摘する。 上昇しても低下しても株式相場にとっての重荷となってしまう岸田内閣の支持率。岸田首相が得意だと自認する「聞く力」を発揮し 、株式市場との距離感を縮められるかどうかは22年以降の相場上昇の鍵の1つとなりそうだ。 日本株ADR27日、高安まちまち ソニーGが上昇、三菱UFJは下落 2021/12/28 06:07 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=古江敦子】27日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は高安まちまちだった。 同日の日本株が下げた一方で米国株が上昇し、方向感が出にくかった。 ソニーGが3%近く上昇し、トヨタとキヤノンも高い。半面、三菱UFJとみずほFG、野村が1%強下落した。 ADR3923円 米国債券10年利回り1.479%、(-0.014) 日証協と全銀協、金融教育で協力、資産形成へ初の覚書。 2021/12/28 日本経済新聞 朝刊 日本証券業協会と全国銀行協会は27日、金融教育の推進などで覚書を結んだと発表した。学校や職場で開くセミナーに送る 講師の育成と活用で協力する。銀行と証券会社は顧客情報の共有を制限する規制の緩和で火花を散らしてきたが、国民の安定 的な資産形成へ足並みをそろえる必要があるとの認識で一致した。 両協会が具体的な案件で覚書を締結するのは初めて。27日の記者会見で日証協の森田敏夫会長は「(金融教育の)重要性 について大変強い問題意識と共通認識をもち、今回の連携につながった」と話した。貧困の状態にある子どもや若者への解決 策を探るセミナーも共同開催するという。 今後迎える超高齢社会では、老後資金に不安を覚えないよう資産寿命を延ばす必要性が指摘される。だが金融知識や判断 力を養う機会は少ない。日銀などでつくる金融広報中央委員会が19年に実施した調査では、金融教育を学校で受けたと答え た人の割合は7%と米国の21%より大幅に低かった。金融の知識に自信があると答えた割合も米国の76%に対し、日本は 12%にとどまっている。 来年4月施行の改正民法で、成人の年齢が現在の20歳から18歳以上に引き下げられる。高校では家庭科の授業で資産 形成をはじめとした教育の機会が増える。こうした転機をとらえ、金融教育に携わる日証協の「金融・証券インストラクター」と 同様の制度を全銀協に導入してもらう。 金融界では昨年秋から今年半ばにかけ、同じグループにある銀行と証券会社が顧客情報の共有に制約を課すファイアウ オール規制の緩和をめぐって鋭く対立。外国企業や国内の大企業を対象に規制を緩めることで落着したが、中小企業や個人 向けでどうするか火種はくすぶったままだ。 日本の個人金融資産2000兆円弱のうち、半数超が預貯金に偏る構図は運用先で悩む銀行にとっても重い課題だ。全銀 協の高島誠会長(三井住友銀行頭取)は「長い歴史のなかで覚書を結ぶのは極めてエポックメーキング(画期的)だ」と連携 の意義を強調した。 3メガバンク、市場の低評価覆せず PBR1倍割れ定着 2021/12/28 05:00 日経速報ニュース 新型コロナウイルス禍が金融市場を揺さぶってからまもなく丸2年がたつ。政策の支えもあり国内金融機関は深手を負わず、 3メガバンクの業績は過去最高に並ぶ水準で推移している。半面、市場の評価を反映するPBR(株価純資産倍率)は依然とし て0・5倍前後と低いままだ。米銀と比べ際立つ低評価を覆すには早期に成長戦略を練り直すことが不可欠になる。 経済・市場環境がコロナショックに対して落ち着きを取り戻した始めた2021年は各社が大きく動いた。三井住友フィナンシャ ルグループ(FG)はアジアの3つの地域の金融機関に加え、米投資銀行大手ジェフリーズ・ファイナンシャル・グループへの出 資を決めた。4件の総額は4300億円だが、今後はそれぞれの案件の出資比率の引き上げも視野に入れており、大がかりな 投資局面に入った。 ただし、こうした出資案件を公表しても株価はさえなかった。三井住友FGの21年度の株価の値動きは、11月に4〜9月期 決算と同時に自社株買いの株主還元を打ち出すまで、みずほFGとほぼ併走状態だった。 一方の三菱UFJは9月、子会社の米地銀MUFGユニオンバンクのリテール事業の売却を決めたことで株価に弾みがついた 。「攻め」より「守り」が市場で評価される皮肉な構図が浮かぶ。三菱UFJの21年4〜9月期の連結純利益は10年ぶりに最高 益を更新し、通期でも7年ぶりに1兆円の大台を回復する見通しを示してもPBRはなお0・5倍付近に沈んでいる。 時価総額がその企業が保有する純資産より低いことを示すPBRの1倍割れは、市場の評価が低いことを示す。なぜ市場の 評価が上向かないのか。世界の競合を並べてみるとPBRと自己資本利益率(ROE)には強い相関性がある。米国勢はJP モルガン・チェースやモルガン・スタンレーのPBRは2倍程度ありROEも高い。結局のところ、「国内金融株は割安に放置され ているわけではなく、収益性からみてフェアバリュー(正当な評価)と言える」(国内アナリスト)。 もちろん、いまだマイナス金利政策が続く日本と利上げに向かう米国では金融業を取り巻く環境差は大きい。三菱UFJが 米地銀子会社を手放すように、21年は仏BNPパリバや英HSBCも米国のリテールビジネスからの撤退を決めた。米国は 相対的には肥沃な市場ではあるが、海外勢からすると規制やコンプライアンス対応にかかるコストは一段と重くのしかかる。 「とにかく成長性を取り戻すに尽きる」。シンガポールを拠点に日本株の選別投資を手掛けるスパークス・アセット・マネジ メントの武田政和ファンドマネージャーは低評価からの脱却に向けた処方箋を指摘する。著名投資家のウォーレン・バフェット 氏は長年保有してきた米銀ウェルズ・ファーゴ株を21年にほぼすべて売却した。金融業界に成長性が乏しいのは世界金融 の共通点だ。 新興国に目を転じるとやや違う景色が広がる。シンガポールのDBSグループホールディングスは東南アジアに展開し、アジ アの成長を取り込んでいる。低金利の影響で利ざやが縮小する逆風は共通だが、顧客対応のデジタル化などテクノロジーに 注力しており、2桁を越えるROEを達成している。 自助努力でROEを上向かせるにはさらなる経費率の圧縮は避けて通れない。国内勢もやるべきことは残っている。例えば 店頭での手数料を引き上げてスマートフォンなどデジタル上での手続きへの移行を促せれば踏み込んだ店舗の削減も可能 になる。 PBR1倍割れは東証1部では約半数を占めており、低評価は銀行株に限らない。対照的に米国の代表的な指数である S&P500の採用会社では1割以下だ。米国では市場に見放された銘柄はその後、再編の対象となるか、アクティビスト (もの言う株主)などが乗り出して新陳代謝を促す。 主要株主認可が必要な日本の金融機関の経営は事実上、当局の監督下にある。「不採算のリテールビジネスは売却す べきだ」といった要求を突きつけられることがないことも低PBRを維持できる背景にあるが、SBIホールディングスによる新生 銀行への同意なきTOB(株式公開買い付け)は環境が変わり始めてきたことを物語る。 銀行法改正に伴う規制緩和で手がけられる事業領域は広がり、これまでより大胆な戦略をとりやすくなった。三井住友 トラスト・ホールディングスが持ち合い株をゼロにする方針を打ち出したのもROE向上にむけた布石だ。 銀行に対する社会インフラとしての期待は強い。当局は対面サービスの値上げに慎重な姿勢を示し、賃上げを実現したい 政府方針への配慮も求める。経費削減は他の業界とは違う難しさがあるのも事実だ。22年は「日本の金融がもうからない のはしょうがない」という思考からいかに脱却し、自己改革を進められるかが問われる。 今日の債券 小幅高か 米金利低下で買い、株高は重荷 2021/12/28 07:47 日経速報ニュース 28日の債券相場は小幅に上昇しそうだ。月末特有の取引もあって27日の米長期金利が低下(債券価格が上昇)しており、 国内債にも買いが及びやすい。だが、米景気の回復が続くとの見方から27日の米株相場が上昇しており、相対的な安全資産 とされる国内債には売りが出ることも見込まれる。長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りは前回取引があった24日 を0.005%下回る(価格は高い)0.055%前後で推移するとの見方があった。 27日のニューヨーク市場で長期金利の指標となる10年物国債利回りは前日比0.02%低い1.47%で終えた。月末で機関投資 家による保有債券の年限を延ばすための買いが長期債に入った。新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の感染拡大が 経済に及ぼす影響への懸念が根強いことも債券相場の支えとなっており、28日の東京市場もこうした流れを引き継ぐだろう。 一方、株高は債券相場の重荷となりそうだ。27日の米株式市場ではダウ工業株30種平均など主要3指数がそろって上昇した。 米国の年末商戦の売上高指標が良好で、オミクロン型の感染が拡大するなかでも個人消費が底堅いとの楽観が株買いを誘った。 28日の日経平均株価も反発すると予想されており、投資家のリスク選好姿勢が強まって債券売りを促すことが考えられる。 もっとも、年末で市場参加者は限られる。27日は新発10年物国債の取引が、業者間の売買を仲介する日本相互証券でおよ そ3カ月ぶりに成立しなかった。取引材料が乏しいこともあり、28日も膠着感の強い相場展開となる可能性がある。 大阪取引所の夜間取引では、国内債の先物中心限月である2022年3月物が27日の清算値を5銭上回る151円93銭で取引 を終えた。 28日は英国、オーストラリア、ニュージーランドの各市場が休場となる。米国では10月のS&Pコアロジック・ケース・シラー 住宅価格指数が公表される。 上がらなかった米欧の長期金利、22年も上昇余地は限定か 2021/12/27 17:44 日経速報ニュース 米国や欧州で長期金利の上昇(債券価格の下落)が鈍い。新型コロナウイルスの感染拡大による行動規制が徐々に和らぎ 2021年は米欧の中央銀行も大規模な金融緩和策の手じまいに動いた。だが、景気懸念や債券需給の引き締まりによって長 期金利上昇のピークは早々に過ぎており、来年も長期金利の上昇余地は限られるとの見方が広がっている。 21年を振り返ると、米欧では長期金利の上昇が長く続かなかった。QUICKのデータによると、米長期金利は3月31日に1.7 43%まで上昇。新型コロナの「デルタ型」拡大で伸びが一服した後、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の再任が決ま った直後である11月23日に1.670%まで再び上昇したが、足元では1.5%を下回り、年前半の水準を抜くことはできていない。 欧州では主要国であるドイツの長期金利が10月12日のマイナス0.086%が今年のピークだ。5月18日のマイナス0.104%を やや上回ったところで金利上昇の勢いは急速に衰え、足元ではマイナス0.25%前後とプラス圏への浮上はみえない。欧州中 央銀行(ECB)は12月にコロナ禍で導入した緊急買い取り制度による新規の資産購入を22年3月末で打ち切ると発表。FRB はテーパリング(量的金融緩和の縮小)を開始し、来年の利上げを見据えるが、米欧ともに長期金利は右肩上がりの状況から は遠い。 米欧で長期金利が大きく上昇しなかった理由は3つだ。1つは主要中銀の利上げの強行で、景気が腰折れするとの警戒感 が漂っているためだ。みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは「米国で利上げとなれば新興国を含めた世界各国 への投資が圧縮され、結果として世界的な景気後退、株安を招く可能性がある」と話す。 景気懸念は超長期債の利回りが映している。米国では30年物国債の利回りは3月18日の2.454%をつけた後、右肩下がりだ。 ドイツの30年債利回りも5月をピークに低下傾向が続いている。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券スト ラテジストはイールドカーブ(利回り曲線)の傾きが平たん(フラット)化するなかで「長期金利は超長期債の利回り低下の影響 を受けやすかった」とみる。 SBI証券の道家映二チーフ債券ストラテジストは「米長期金利は単独で動くというより中期債と超長期債のはざまで動いて いる」と話す。そのうえで、米国では株価指数が最高値を何度も更新するなど保険会社のリスク許容度が高まっており「負債 と資産の年限のギャップを埋めるために超長期債を積極的に買っているのも利回り低下の一因だ」と指摘する。 2つ目は世界的なイールドハント(利回り追求)の動きだ。日本やドイツなど主要国の長期金利は依然としてゼロ%前後を 脱することができず、米国債を中心に利回りの高さが投資マネーを引き付けている。「金利が上がると資金が流入し、長期金 利上昇が需給で抑えこまれている」(みずほ証の上野氏)。 さらに緊急の資産購入策の打ち切りを決めたECBは利上げには慎重だ。米国と同様にエネルギー価格の上昇で、ユーロ 圏の消費者物価指数は過去最大の伸び率を記録しているにもかかわらず、ラガルド総裁は利上げについて「22年に行う可 能性は極めて低い」とうそぶくなど「ハト派」姿勢を保っていることが長期金利の上昇に歯止めを掛けている。 米国を中心に利上げが本格化する22年も長期金利の上昇は抑えられるのか。QUICKが27日発表した12月の債券月次 調査によると、22年の長期金利見通しの上限は米国が1.959%で、ドイツがマイナス0.024%だった。それぞれ節目である 2%、ゼロ%に達するとの予想は少数派だ。金融政策の正常化が加速したとしても景気懸念を払拭できない限り、長期金利 の上昇も抑えられる公算は大きいようだ。 日本株ADR28日、売り優勢 武田やキヤノンが安い 2021/12/29 06:20 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川上純平】28日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は売り優勢だった。 ダウ工業株30種平均が上昇する一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は下落し米株がまちなちな 動きとなるなか、日本株ADRは売りが優勢となった。武田やキヤノン、トヨタの下げが目立った。 ADR3915円 米国債券10年利回り1.484%、(+0.003) 東証寄り付き 朝安後一時上昇に転じる 景気敏感株に買い 2021/12/29 09:23 日経速報ニュース 29日前場寄り付きの東京株式市場で日経平均株価は朝安後、上昇に転じる場面もある。足元では前日に比べ40円ほど安い 2万9030円近辺で推移している。前日の米株式市場で景気敏感株が買われた流れから、東京市場でも空運や小売りなどには 買いが先行し、相場を下支えしている。きょうは12月末の配当権利落ち日で、配当落ち分の37円程度、日経平均は下押しされる。 前日の米市場で主要株価指数は高安まちまちだった。ダウ工業株30種平均が95ドル(0.3%)高となった一方、ハイテク株に は売りが目立ちナスダック総合株価指数は0.6%下落した。フィラデルフィア半導体株指数は1%超下落し、東京市場でもこの ところ連日で上場来高値を更新していた東エレク株など半導体関連株には売りが先行している。 JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)はともに一進一退。 Jフロントが大幅上昇。三越伊勢丹、高島屋も高い。ANAHDも買われている。一方、レーザーテクが軟調。AGC、JTが売ら れている。 日経平均 下げ幅一時300円超 ファストリが年初来安値 2021/12/29 11:09 日経速報ニュース 29日の東京株式市場で日経平均株価は下げ幅を拡大し、前日比300円超安い2万8700円台半ばで推移している。 日本時間29日午前の上海や香港の株式相場が下落していることなどを受け、買い持ち高を解消する動きが出ている。 値がさのファストリが年初来安値を付けたほか半導体関連株が一段安となり、日経平均を下押ししている。 NYダウ90ドル高、11月以来の最高値 消費関連に買い 2021/12/30 06:15 日経速報ニュース 【ニューヨーク=大島有美子】米株式市場で29日、ダウ工業株30種平均が過去最高値を更新した。前日比90ドル42セント (0.2%)高の3万6488ドル63セントで終えた。11月8日につけた直近の最高値(3万6432ドル22セント)を56ドル(0.2%)上 回った。新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の感染拡大が続くが、重症化しにくいとの見方が広がる。米経済への 悪影響は限られるとの思惑から、株式市場では買いが優勢となった。 ダウ平均は6日続伸した。足元のオミクロン型のまん延が大規模な経済活動の制限にはつながらず、米消費は堅調ぶり を保つとの声が多い。個別株では小売り大手のターゲットや、スポーツ用品のナイキなど消費関連株の買いが目立った。 S&Pダウ・ジョーンズ・インディシーズのハワード・シルバーブラット氏の集計によると、ダウ平均は21年に入り、29日まで に45回、最高値を更新した。 日本株ADR29日、売り優勢 キヤノンとソニーGの下げ目立つ 2021/12/30 06:19 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=古江敦子】29日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は売りがやや優勢だった。 同日の日本株が下落した流れを引き継いだ。キヤノンが2%近く下落した。ソニーGとトヨタも安い。 一方、みずほFGと武田は上昇した。 ADR3910円 米国債券10年利回り1.558%、(+0.077) 日本株ADR30日、売り優勢 三菱UFJやキヤノンが下落 2021/12/31 06:21 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川上純平】30日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は売り優勢だった。 米ダウ工業株30種平均が下落し、日本株ADRにも売りが出た。三菱UFJやキヤノンの下げが目立った。 トヨタは上昇した。 ADR3894円 米国債券10年利回り1.507%、(-0.036) 時価総額伸び最大、2000兆円、今年末、コロナ下で世界株高、日本32年ぶり高値、来年は緩和縮小で変調も。 2021/12/31 日本経済新聞 朝刊 2021年は世界的な株高の一年となった。新型コロナウイルス下でも経済活動の再開が進み景気回復期待が高まった。世界 の株式時価総額の年間増加額は約18兆ドル(約2000兆円)と過去最大。22年は米連邦準備理事会(FRB)の総資産(3面 きょうのことば)の縮小など金融引き締めが視野に入り、変調を懸念する声も増えている。 東京株式市場では30日の大納会で、日経平均株価が前日比115円17銭(0・4%)安の2万8791円71銭で取引を終えた。 年末終値としては1989年のバブル期のピーク以来32年ぶりの高値水準となった。 世界全般に「財政出動・金融緩和・経済再開という3つの要因が重なり力強い株高となった」(JPモルガン・アセット・マネジメン トの前川将吾氏)。「MSCI全世界株指数(ACWI)」を構成する48カ国・地域のうち21カ国で株価指数が最高値を更新した。 米国株の上昇が目立ち29日にはダウ工業株30種平均が最高値を更新した。低金利が住宅などの資産価格を押し上げ消費の 力強い回復につながっている。フランス、オランダなど欧州や、インドや台湾といったアジアでも最高値が相次いだ。コロナ後も デジタル化の波や医薬への高い関心が続くとみて半導体やIT(情報技術)、医薬株にマネーが集中している。 下落はインフレに悩むブラジルや、中国政府による統制強化でIT株が下落した香港など8カ国・地域にとどまる。 株式市場の活況ぶりは実体経済に比べても際立つ。世界の国内総生産(GDP)が年央にようやくコロナ前の水準を取り戻した なかで、今年末の時価総額は前年末比18%増の119兆ドルと、コロナ前に比べ4割多い水準となった。業況が苦しい飲食やサ ービスは中小企業が多い一方、上場企業はITや製造業が多く、コスト高を価格転嫁し収益力を落としていない。 もっとも、市場の「フロス(泡)」と呼ばれた過熱した資産からは資金流出がみられる。米国の家計貯蓄率はコロナ前に戻り、給 付金を元手にSNS(交流サイト)で結託した個人が特定の株を買い上げる動きは鳴りを潜めた。コロナ下の株高の象徴だった米 テスラ株も11月以降、下落に転じた。債券市場では投資家が企業の債務不履行(デフォルト)を警戒するようになり、低格付けの 「ハイイールド債」の価格が11月下旬に約1年ぶりの安値をつけた。 インフレで各国は金融引き締めに転じた。野村総合研究所の木内登英氏は「行き過ぎた金融緩和が株式の膨張を生み出して きたが、この前提が変わりつつある」とみる。 FRBは来年に利上げを見据える。市場では、FRBは利上げ開始からあまり期間を空けずに保有資産を減らす「量的引き締め 」に入り、短期から長期まで金利全体の押し上げにつながるとの警戒感が高まり始めた。量的引き締め局面にあった2017〜 19年は株価が乱高下した経緯がある。 英シュローダーのヨハナ・カークランド氏は世界経済を「よろめく自転車」にたとえ、「財政出動など各国政府が与えた『補助輪』 は22年に外される」と指摘する。 米モルガン・スタンレーは「雇用コストの上昇が長引くことを考慮すると、企業の利益率は低下する可能性がある」として22年 は米国株の下落を見込む。緩和や財政の支えが弱まり、こうしたショックへの耐性は低下が避けられない。 日本株ADR31日、買い優勢 ホンダやトヨタが上昇 2022/01/01 06:08 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川内資子】2021年12月31日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は買いが優勢だった。 ホンダやトヨタが買われ、ソニーGや武田も上げた。一方、みずほFGとオリックスは下落した。 ADR3907円 米国債券10年利回り1.514%、(+0.014) 投資の潮目、変わるか 不人気日本株に追い風も−編集委員 川崎健 2022/01/02 04:00 日経速報ニュース 2022年が始まった。今年は投資家にとって「転換の年」になりそうだ。金融緩和が終息に向かい、10年以上つづくグローバル 経済の潮流が変わる可能性が高いからだ。潮目が変われば、有望な投資先も変わる。「グロース(成長)株、米国株、パッシブ 投資」という重宝されてきた投資の「3種の神器」はいよいよ一巡。不人気だった「バリュー(割安)株、日本株、アクティブ投資」 には一転追い風が吹きそうだ。 「グレート・トランジッション(大いなる転換)」。クレディ・スイスは、22年のマーケットの特徴をこう表現する。 08年のリーマン危機以降、グローバル経済は「低成長、低インフレ、低金利」の3つが併存するようになった。落ち込んだ潜在 成長率を押し上げようと主要各国の中銀は、緩和的な金融政策を継続。あふれた緩和マネーによって株も債券も同時に買われ る「大いなる安定」をマーケットは長らく謳歌してきた。 そんな投資家の「政策頼み」を、20年からの新型コロナウイルス禍は一段と強めた。各国は大規模な金融緩和と財政出動で 対応。カネ余りで資産価格はさらに押し上げられてきた。 好不況サイクル取り戻す年 今年はこの構図が変わるのは間違いない。米連邦準備理事会(FRB)がテーパリング(量的緩和縮小)を3月に終了し、以降は 複数回の利上げも予想される。景気回復が遅れる日本や中国を除けば、各国は金融政策を正常化し、金利が上昇に転じるのが 今年の最大の変化だ。 「労働力不足という構造要因で世界的に物価は上昇しやすくなる。一時的なインフレ要因がなくなっても、かつての2%を下回る 低インフレ時代には戻らないだろう」。クレディ・スイス証券の松本聡一郎・日本最高投資責任者は「次の10年のグローバル経済 は、金利の上下とともに好況と不況が繰り返す景気サイクルを取り戻し、22年はその大きな転換の最初の年になる」と指摘する。 そんな転換の年に、マーケットはどう動くのだろうか。 「22年のマーケットは中銀の支援という『補助輪』が外れ、(景気や企業業績など)ファンダメンタルズ要因が左右するようになる」 。米モルガン・スタンレーのチーフ・クロスアセット・ストラテジスト、アンドリュー・シーツ氏の指摘だ。 そんな市場の「自立」を心待ちにしていた投資家がいる。約370億ドル(約4兆2000億円)の顧客資産を運用する英領バミューダ のオービス・インベストメンツだ。米フィデリティ・インベストメンツ出身で創業者の故アラン・グレイ氏が1972年に独立して運用を開 始。日本株には80年代から投資し、現在の日本株投資額は約6000億円と海外投資家の中でも有数の規模だ。 同社は自らの運用を「コントラリアン(逆張り投資)」と呼ぶが、米著名投資家ベンジャミン・グレアムが確立した伝統的なバリュー 投資に近い。綿密な企業調査に基づいてビジネスの「本源的価値」を算出し、株価がこれを大きく下回った局面で投資。自らはじい た企業価値を信じ、株価に反映されるまでは何年でも持ちつづける。 PER格差、10年で極端に拡大 オービスは株価が適正価値へと修正されるタイミングは近いとみている。根拠は、過去10年間で世界で極端に広がった銘柄間 のバリュエーション(株価評価)格差だ。PER(株価収益率)が高い一握りの銘柄がさらに買われ、PERが低い銘柄はいつまでも 放置されている。 この傾向は、日本株でも顕著だ。予想PERを高い順番に10分割すると、最もPERが高いグループのPERは10年前の22倍から67 倍に上昇。一方、低PER銘柄のPERは10年前とほとんど変わっていない。 「今はITバブル崩壊前の99年後半に非常に似た状況。米金利が上昇すれば、高いPERが許容されてきたグロース株が調整し、 バリュー株に資金がシフトする。この変化は今年必ず起きるとみている」。オービス日本法人の時国司社長は話す。 オービスは日本株にも魅力的な銘柄は多いとみて、市場平均より高い比率を組み入れている。一方、昨年まで大きく上昇して きた米国株は割安銘柄が減ってきており、組み入れ比率は市場平均の半分程度だ。 モルガン・スタンレーも今年の日本株については地域別で欧州株と並ぶ強気の見通しだ。半面、米国株には弱気にみている。 米国株は「GAFAM」など大型グロース株の構成比率が高いだけに、利上げとともに進むとみられる実質金利の上昇が株価にマイ ナスに働く可能性が高いとみている。 アクティブ優位に転じる可能性 さらに、今年は急激に拡大してきたパッシブ投資が転機を迎える可能性がある。 米調査会社EPFRグローバルによると、昨年は上場投資信託(ETF)を含む世界の公募投信の中でパッシブ型に過去最大の約 8300億ドルが流入し、全体の流入額の9割を占めた。金融緩和がつづくうちは低コストのインデックス投資によって市場全体に投資 するのが最も効率が良かったためだ。 だが、金融政策が引き締め方向へと向かい始めると「21年のように株価指数が20〜30%上昇するのは難しくなり、個別銘柄の 選別で超過収益をねらわざるをえなくなる」(クレディ・スイスの松本氏)。このため、今年はパッシブ投資にお金を奪われるばかり だったアクティブ投資が優位に立つ可能性がある。 寅が千里を走る「往来相場」 今年の干支(えと)の寅(とら)は、兜町に伝わる相場格言で「寅千里を走る」とされる。一日千里を走り、千里を戻るという虎に たとえ、上がったり下がったりの「往来相場」の到来を意味する。 東海東京調査センターの平川昇二チーフグローバルストラテジストは「寅には漢字の形状から、暖かくなって虫が活動をはじめ、 草木が芽吹きはじめる意味がある。往来相場で乱高下しながらも、新たな相場の起点になると解釈もできる」という。 そんな変化の年に、日本株にはアベノミクス相場以来の追い風が吹く可能性がある。最後に必要なのは、投資家の背中を押す 「きっかけ」だ。それが、金融所得課税の見直しや自社株買い指針の検討を機に、投資家から「反市場主義者」と警戒されるように なった岸田文雄首相の「変化」であるのは間違いない。 日本株ADR3日、全面高 野村や三井住友FGが高い 2022/01/04 06:24 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川内資子】3日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)はほぼ全面高だった。 米株式市場でダウ工業株30種平均が反発した影響で大半の銘柄が買われた。 野村のほか、三井住友FG、三菱UFJ、みずほFGなど金融の上げが目立った。 一方、ソニーGが小幅に下げた。 ADR3995円 米国債券10年利回り1.637%、(+0.139) 2022年01月04日09時06分 三菱UFJなどメガバンクが堅調、米長期金利上昇で金融株軒並み高の流れが波及 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ <8411>のメガバンクがいずれも堅調な値動き。 前日の米国株市場ではゴールドマン・サックス<GS>が3%超に買われたほか、シティグループ<C>が4.5%高と値を 飛ばし、JPモルガン<JPM>、バンカメ<BAC>など大手金融株が軒並み高となった。金利の先高期待が高まるなか、米 10年債利回りが1.63%まで上昇、運用利ザヤ拡大に対する思惑が株価にプラスに働いている。 東京市場でも米国事業を展開するメガバンクにとっては追い風が意識される局面にある。 日本株ADR4日 トヨタが7%上昇、銀行も高い 2022/01/05 06:09 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=横内理恵】4日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)には買いが優勢だった。 4日に発表した2021年の米新車販売台数がゼネラル・モーターズ(GM)を抜いて首位となったトヨタが7% 上昇した。ホンダも高い。三菱UFJや三井住友FGなど銀行も上げた。一方、キヤノンと武田は下げた。 SMBC日興社長、監視委による調査「重く受け止め」 年頭会見 2022/01/04 13:55 日経速報ニュース 日本証券業協会は4日、野村ホールディングス(8604)と大和証券グループ本社(8601)、三井住友フィナンシャルグループ (8316)傘下のSMBC日興証券の3社による年頭記者会見を開いた。証券取引等監視委員会が2021年6月、金融商品取引 法違反(相場操縦)容疑の関係先としてSMBC日興の本社を強制調査した件について、同社の近藤雄一郎社長は「重く受け 止めている」と述べた。 近藤社長は監視委の調査が継続しているとして「調査内容はまだ申し上げられない」とした。一方、「不公正な取引の疑義 を受けること自体が問題だと認識している」と語った。監視委の調査報告の後に同社でも調査を実施し、「信頼回復に努めて いきたい」と述べた。 2022年01月05日09時06分 三菱UFJ、第一生命HDなど堅調、米長期金利の上昇ピッチ急で米金融株大幅高に追随 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>が堅調なほか、第一生命ホールディングス<8750>も強さを発揮。 両銘柄とも前日に大きく株価水準を切り上げたことで目先筋の利益確定売りも出ているが、それを吸収して 頑強な値動きを示している。ここ米長期金利の上昇傾向が目立ってきた。前日の米10年債利回りは一時 1.68%台に上昇、終値ベースでも1.65%台で着地した。これは昨年11月下旬以来の高い水準となる。 金利高を背景に米国株市場ではゴールドマン・サックス<GS>が3%超の上昇をみせたほか、バンカメ<BA C>は4%近い上昇を示すなど金融株への投資資金の流入が顕著となった。東京市場でもこれに追随する 形で、米国事業を展開するメガバンクや大手生保は運用環境の改善を好感する買いを引き寄せている。 「寄らば超大型株」波乱の芽 消去法買い、過熱警戒も−大西康平 2022/01/05 18:30 日経速報ニュース 時価総額が大きい「超大型株」への資金集中が止まらない。世界的な金融政策の正常化をにらんで債券の価格下落リスクが 意識される中、緩和マネーの縮小で売られやすい小型株も手掛けにくく、消去法的に買いが入る構図だ。ただ過去に超大型株 が選好されたのはリーマン・ショックなど金融危機前のタイミングでもあり、過熱への警戒感も出ている。 5日の東京株式市場ではトヨタ自動車株が寄りつき直後から続伸し、ソニーグループ株も午後に一段高となり、いずれの株価も 一時前日比5%高まで急騰した。「こうした『これぞ日本』という代表的な個別銘柄に対する海外投資家の買い注文が力強く入っ ている」とある外資系証券会社のトレーダーは話す。 超大型株に資金が集中する傾向は年明け以前から続いている。2021年10月末比の株価騰落率をみると、トヨタが14%高 、時価総額の大きい主力株で構成する東証株価指数(TOPIX)コア30が7%高と上昇が目立つ。一方で日経平均株価は2%高 、東証規模別指数の「小型」が2%安だ。5日には東証マザーズ指数が5%安と、昨年来安値を付けた。 こうした超大型株の買いは「消去法だ」との声が多い。「大崩れしなそうだから。それだけの理由だ」とある日本株ロング・ショー ト戦略をとるヘッジファンドの代表は足元のトヨタ買いをこう説明する。 21年11月以降、世界的に金融政策が正常化される見通しが強まっている。債券価格が下落(金利は上昇)するリスクが意識 され、複数資産に分散投資するファンドは当面、株式への買いを続ける見通しだ。こうした需給要因から日本株が上昇する可能 性を見込み、このヘッジファンドも株式の売り持ち高より買い持ち高を増やす必要に迫られている。 中央銀行がバランスシートを縮小する「量的引き締め(QT)」がやがて実行されて緩和マネーが細れば、流動性の低い小型株 は売られやすくなる。こうした理屈から超大型株を買わざるを得ない環境が続いているという。 ある国内運用会社のファンドマネジャーも昨年末、時価総額の大きい商社株に買いを入れた。インフレが資源事業の追い風 となるうえ、会社の事業規模が大きければ価格交渉力も高く、業績が悪化しづらいと考えるからだ。 米国でも3日、アップルの時価総額が初めて一時3兆ドルを超えた。米国の中で巨大ハイテク企業5社の「GAFAM(Fはフェイ スブックで新社名はメタ)」が占める割合も上昇し、日本と同様の構図となっている。 市場では危うさを指摘する声もある。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の古川真チーフ・ポートフォリオストラテジストがまとめた データによると、過去にこうした超大型株が選好されたのは00年のIT(情報技術)バブル崩壊前と08年のリーマン・ショック前 で、いずれも後に株価が急落した局面だった。 「投資家は市場の潜在的なリスクを意識しながらも、需給面から株価が上昇する以上は超大型株にしがみつくしかない」と古川 氏は話す。業績成長への確信といった積極的な理由でなく、消極的な買いが集中して過熱感が生まれている状況だ。ひとたび 投資家のリスク回避姿勢が強まれば、マネーが逆回転して急落する可能性も否定できない。 日銀、物価見通し上げ検討、来年度、資源高騰や円安受け。 2022/01/06 日本経済新聞 朝刊 日銀は17〜18日の金融政策決定会合で物価見通しの引き上げを検討する。2021年10月時点で0・9%と見込んでいた 22年度の上昇率を1%台前半へ上方修正する案が浮上している。エネルギー価格の高騰や円安に伴い企業にも値上げの 機運が広がっている。ただ日銀は2%の物価目標は遠いとみており、現状の金融緩和は続ける方針だ。 日銀は18日に「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」を公表する。前回まとめた21年10月以降、資源高や円安で輸入 コストが上がっている。同年11月の企業物価指数は前年同月比9%の上昇と41年ぶりの伸び率を記録した。翌年度の消費 者物価指数(除く生鮮食品)の見通しが1%を上回るのは19年10月(1・1%)のリポート以来。 企業はこれまで小売価格の引き上げに慎重だったが、21年12月の全国企業短期経済観測調査(短観)によると販売価格 への転嫁も広がり始めている。 前回の展望リポートで「物価見通しは下振れリスクの方が大きい」としていた表現を見直すべきかどうかも決定会合で議論 する方向だ。 足元の物価上昇はコスト高が起点だ。日銀内では賃上げが鈍いままでは物価上昇は長続きしないとの見方が多い。21年 10月に東京都などで緊急事態宣言が解除され、個人消費は持ち直しているが、新型コロナウイルスの感染動向など不透明 要因も多い。 米欧のように金融緩和の早期修正論は浮上しておらず、現状の緩和を続ける。 日本株ADR5日、高安まちまち トヨタは下落 2022/01/06 06:16 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=張間正義】5日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は高安まちまちだった。 同日の米株式相場は下落したものの、日本株のADRには売り買いが交錯した。武田やトヨタ、ホンダが下落した。 一方、オリックスやみずほFG、野村は上げた。 AD4092円 米国債券10年利回り1.689%、(+0.023) NYダウ反落、392ドル安 FOMC議事要旨受け 2022/01/06 06:34 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=戸部実華】5日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落し、前日比392ドル54セント(1.1%)安 の3万6407ドル11セントで終えた。上昇して始まったが、午後に公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受けて下げに 転じた。 米連邦準備理事会(FRB)が金融政策の正常化を前倒しで進めるとの見方が強まり、米長期金利が上昇。金利上昇で相対的な割安 感が薄れたハイテクなど高PER(株価収益率)銘柄に売りが広がった。 【関連記事】 ・米FRB、保有資産の早期縮小に前向き FOMC議事要旨 ・米長期金利、1.71%に上昇 FOMC議事要旨受け FOMC議事要旨(昨年12月開催分)では、保有資産の圧縮を「前回の緩和縮小時よりも速いペースで実施するのが望ましい」との見 方があったことがわかった。ほぼすべての参加者が「最初の利上げ後のある時点でバランスシートの縮小を始めるのが適切だ」と指摘 したことも明らかになった。市場では金融引き締めに積極的な「タカ派寄り」と受け止められた。 公表後に米長期金利は一時1.71%と昨年4月以来の水準に上昇した。「金利上昇が持続的になるかもしれないとの見方が強まった」 (ミラー・タバックのマシュー・マリー氏)といい、ハイテク株への売りが勢いづいた。ソフトウエアのマイクロソフトは4%安、スマートフォン のアップルは3%安となった。アナリストの投資判断引き下げも重なった顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムは8%安と急落した。 金融政策の影響を受けやすい中短期債の利回りは長期債以上に上昇したため、長短金利差の縮小が利ざや悪化につながるとの懸 念からゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースといった金融株も売られた。スポーツ用品のナイキやホームセンターのホーム・デ ポなど消費関連株の一角も安い。 ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続落し、前日比522.545ポイント(3.3%)安の1万5100.174で終えた。下げ幅は2020 年9月以来、1年4カ月ぶりの大きさ。主力株が軒並み売られた。アナリストが投資判断を引き下げたソフトウエアのアドビは7%安とな った。画像処理半導体のエヌビディアは6%安、電気自動車のテスラは5%安で終えた。 米長期金利1.7%に急伸 ハイテク女王は試練(NY特急便)−米州総局 宮本岳則 2022/01/06 09:21 日経速報ニュース 5日の米金融市場は午後から大きく動いた。米長期金利が2021年4月以来となる1.71%まで上昇すると、ダウ工業株30種平均は 下落に転じ、ナスダック総合株価指数も3%安で終えた。きっかけは米連邦準備理事会(FRB)による米連邦公開市場委員会(FO MC)議事要旨の公表。この状況下で「ハイテク株の女王」の異名を持つ著名投資家が苦しい立場に追い込まれている。 「市場は『FRBは想定していた以上に(金融引き締めに積極的な)タカ派』と受け止めた」。米運用会社ヌビーンのチーフ投資ストラ テジスト、ブライアン・ニック氏は5日午後のマーケット反応についてこう解説する。議事要旨によると21年12月のFOMCでは利上げ やFRB保有資産の圧縮について、前回の引き締め局面よりも速いペースで実施するのが望ましい、といった意見が出ていた。 議事要旨の公表後、異なる期間の金利を線で結ぶイールドカーブ(利回り曲線)は平たん化(フラットニング)した。右肩上がりの傾 きが緩やかになる現象だ。景気の先行き懸念が強まっているときに起きやすい。ヌビーンのニック氏は平たん化と株安について「FR Bの利上げスピードが(景気減速を招くほど)速すぎるかもしれない、という市場からの警告サインだ」と指摘する。 長期金利の指標である米10年国債利回りは4日に1.68%をつけ、昨年末の1.5%台から一気に上昇していた。この勢いがいつまで 続くのか。これが市場の関心事の1つだった。米ミラー・タバックのストラテジスト、マシュー・マリー氏は「議事要旨でFRBのタカ派 的な姿勢が明らかになり、金利水準がすぐには元に戻らないと、投資家は確認することになった」と話す。 こうした相場環境下で、カリスマ投資家キャシー・ウッド氏が率いる米運用会社アーク・インベストが厳しい状況に追い込まれてい る。上場投資信託(ETF)で運用する旗艦ファンド「アーク・イノベーション」は5日、前日比8%安まで売られ、20年8月以来の安値を つけた。21年前半からETF価格の下落基調が続いており、2月につけた最高値の半値水準に近づいてきた。 ウッド氏は「破壊的イノベーション」への集中投資を掲げて、成長(グロース)銘柄を組み入れてきた。赤字続きや利益の少ない企 業も少なくない。FRBの引き締めで、景気減速が避けられなくなれば、多くの投資家はキャッシュフローなど財務の安定性や健全 性を重視するようになる。結果的にアークのETFは投資家から敬遠されやすい銘柄を集めた形になった。 ウッド氏はSNS(交流サイト)を通じた積極的な発信で個人投資家の人気を集めてきたが、年末のツイートを最後に沈黙を守っ ている。一方、アークの開示によると、年明けに電気自動車(EV)メーカーのテスラ株を一部売却し、オンライン診療サービスの米 テラドック・ヘルスなどを購入したようだ。テラドックは赤字企業で、年初からの株価下落率は8%に達している。 21年のようなほぼ一本調子の上げ相場はありえない――。年初からの相場変動はすべての市場参加者に改めて警鐘を鳴らす 結果となった。逆にいえば、銘柄選別を専門とするアクティブ投資家にとっては腕の見せどころだ。「ハイテク株の女王」も真価を問 われる一年となる。(ニューヨーク=宮本岳則) 【関連記事】 ・NYダウ反落、392ドル安 FOMC議事要旨受け ・FRB、早期利上げ・資産縮小に前向き FOMC議事要旨 2022年01月06日09時24分 メガバンクや生保株が頑強な値動き、米10年債利回り上昇で運用環境改善に期待 日経平均が300円を超える下げをみせるなか、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ <8316>などメガバンクや第一生命ホールディングス<8750>など生保株の頑強な値動きが目立っている。 前日の米国株市場では主要株指数が揃って下落、特に高PERのハイテクセクターへの売りが顕著となった。ただ、下げの 背景は米長期金利の上昇であり、前日取引終了時点での米10年債利回りは1.704%とフシ目の1.7%ラインを超えた。 これは米国事業を展開するメガバンクや大手生保にとって運用環境の改善につながることでポジティブ材料となっている。 東証10時 下げ幅拡大し一時400円安、グロース売りが加速 2022/01/06 10:14 日経速報ニュース 6日前場中ごろの東京株式市場で日経平均株価は下げ幅を広げ、前日比390円ほど安い2万8900円台半ばで推移している。 グロース(成長)株を中心に売りが出ており、下げ幅は一時400円を超えた。指数寄与度が大きいファストリは2%超下げており、 日経平均を1銘柄で60円ほど押し下げている。 幅広い銘柄に売りが出る半面、相対的に割安な銘柄を物色する動きはある。銀行株や自動車株の一角には買いが入ってい る。三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジストは「新型コロナウイルスの感染再拡大への懸念 はあるものの、景気の回復局面が続いており、割安株を物色する動きは続いている」とみていた。 10時現在の東証1部の売買代金は概算で9736億円、売買高は3億7211万株だった。 エムスリーは6%超安に下げ幅を拡大。テルモやリクルート、太陽誘電も下落している。一方、塩野義やスズキ、東京海上、 千葉銀が高い。 日経平均、一時800円超安 米金融引き締めを警戒 2022/01/06 13:39 日経速報ニュース 6日の東京株式市場で日経平均株価が一時、前日比800円超安の2万8500円台まで下落した。米連邦準備理事会(FRB) による保有資産の圧縮や利上げが市場の想定より早まるなど、金融政策の引き締めの見方が強まったことで、割高感のある成 長株を中心に売りが出た。国内での新型コロナウイルスの感染拡大も重荷だ。 東証1部では全体の9割の銘柄が下落した。エムスリーが8%安となるなど、特にPER(株価収益率)の高いIT(情報技術)関 連株が急落した。 国内では新型コロナの感染拡大で、政府は沖縄県などへ「まん延防止等重点措置」の適用を検討している。人の移動が制限 されるとの見方から、ANAホールディングスや京成電鉄などの空運や陸運株、三越伊勢丹ホールディングスなどの百貨店株の 下落幅も大きくなった。 新興市場でも東証マザーズ指数が一時、前日比5%安となり、終値との比較で2020年5月以来の安値を付けた。 バリュー株が底堅い グロース株との差、2カ月ぶり小ささ 2022/01/06 14:47 日経速報ニュース 6日の東京株式市場でバリュー(割安)株の底堅さが目立っている。PBR(株価純資産倍率)の低い銘柄で構成する東証 株価指数(TOPIX)の「バリュー指数」は前引けで前日比0.82%安の2010.56だった。一方、高PER(株価収益率)銘柄が集 まる「グロース指数」は1.95%安の2877.61だった。 バリュー指数は5日にはおよそ1カ月半ぶりに終値で2000を上回っていた。グロース指数をバリュー指数で割った値は6日 午前の終値で1.43と、2021年10月下旬以来およそ2カ月ぶりの低水準となっている。米長期金利が上昇しグロース(成長) 株に売りが出やすい地合いのなか、バリュー株とグロース株の差は縮小しつつある。 個人の投げ売り広がる 信用取引の損益悪化 追い証も 2022/01/06 21:23 日経速報ニュース 個人投資家の損失が拡大している。個人の取引が多い東証マザーズ指数が2日連続で前日比5%下落したことで、松井証券の 顧客が信用取引で買ったマザーズ銘柄の株式の含み損益を示す信用評価損益率はマイナス31%となった。投げ売りを迫られる 水準で、投資余力が低下。株価の下落局面でも押し目買いが入りにくくなっており、下落幅が大きくなっている。 松井証券のマザーズ銘柄の信用評価損益率は、マイナス20%以下が6週間続いている。この水準だと、追加の担保差し入れ( 追い証)を迫られる投資家も出やすくなる。「5日も6日も追い証が出ている。2021年12月にも多く追い証が出て、新興株投資家は かなり追い込まれている」と松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは話す。 神奈川県在住の40代女性は「追い証が発生しそうになって、BASEなどを売った。もう少し損切りしないと危ないかもしれない。 新しく何かを買える状況ではない」とため息をつく。6日は個人投資家に人気の高いFRONTEOが同10%安、メルカリが同6%安と 大きく下げた。「信用取引をしていた個人が投げ売っている」と楽天証券経済研究所の土信田雅之シニアマーケットアナリストは みる。 損益が悪化したから、大幅な下落局面でも押し目買い意欲は低い。SBI証券の鈴木英之・投資情報部長は「追い証からの売り が出ても買い向かう人が減っている。マザーズ銘柄に押し目買いが入っていないようだ」と話す。 米連邦準備理事会(FRB)による利上げや資産買い入れの縮小が早く進むとの見方が5日に広まったことで米長期金利が上昇 したほか、景気の悪化懸念が拡大している。最終損益の赤字や高PER(株価収益率)の銘柄が多いマザーズ指数には逆風が吹 く。マザーズ指数は21年末比で既に1割以上下げているが、下落傾向は続くとの見方も多い。小型株に投資する個人には厳しい 状況が続きそうだ。 「日銀の変節」が招く金利上昇 緩和縮小、上限も視野 2022/01/06 21:10 日経速報ニュース 国内債券市場で2022年後半に長期金利の上昇(債券価格の下落)を見込む声が目立ってきた。年末には日銀が許容する変動幅 の上限の0.25%を試すとの見方もある。背景ににじむのは、日銀が金融政策を軌道修正するとの警戒感だ。日銀自身の財務リスクへ の懸念や「悪い円安」への対応から、従来の金融緩和策の維持は難しくなるとの見立てだ。 6日の国内債券市場で長期金利の指標となる10年物国債の利回りは0.120%と21年4月以来およそ9カ月ぶりの高水準をつけた。 米金利上昇に伴うポジション調整が主な要因とみられるが、一部の市場参加者は「それだけではない」と感じた。「きょうは全面的に 売り注文だった。国内でもこれだけ金利が動くとは思わなかった」(国内銀行の債券運用部門) 日本の長期金利水準は今後切り上がっていくとの見方は増えている。金融情報会社リフィニティブの昨年12月時点の調査による と、22年末の長期金利予想の中央値は0.15%。モルガン・スタンレーMUFG証券は22年10〜12月に日銀が許容する金利変動幅の 「プラスマイナス0.25%」の上限に近づくと予想する。 「日銀は金利操作の対象を現在の10年債から5年債に短期化する」とモルガンの杉崎弘一マクロストラテジストは分析する。足元 の長期金利上昇には日銀の「変節」も織り込まれつつある。 理由は2つだ。日銀が今月5日公表した営業毎旬報告で、21年末の国債保有残高は20年末比14兆円減の521兆円で13年ぶりに 減少に転じた。保有資産の膨張で金利上昇時の利払い負担への懸念は高まっており「日銀は事実上の量的緩和の縮小を始め ている」(国内証券)との見方は強い。 JPモルガン証券の試算では、事実上の緩和縮小で残存期間が10〜20年程度の国債の市中残高(日銀保有分を除く)は22年に 計25兆円増加する見通しで、需給が緩む可能性がある。「金利が上がりやすい環境になりつつある」(中堅生命保険) 円安・ドル高が進んでいることも日銀の政策変更への思惑を強めている。日銀は2%の物価安定目標を掲げて大規模な金融緩和 を進め、事実上の円安誘導につなげてきた。ところが足元では輸出の伸び悩みや輸入物価の上昇など「悪い円安」論が注目され 「円安を阻止するような金融政策が取られても不思議ではない」とみずほ銀行の唐鎌大輔チーフマーケット・エコノミストは話す。 既に日銀の12月の政策決定会合では「円安が企業業績や株価にもたらすプラスの効果は、かつてより小さくなってきている」との 意見が出ている。黒田東彦総裁が15年に円安をけん制したと市場が受け止めた1ドル=120円台半ばの「黒田ライン」の再来も現実 味を帯びる。日銀が今後、過度な円安を容認しない姿勢を示せば一転して円高や金利上昇につながる可能性がある。 その黒田氏の任期も23年4月に切れる。今年後半には後任人事が取り沙汰されることになる。「日銀が『緩和維持』と言い続けて も、政策変更への思惑が広がらざるを得ない」(JPモルガン証券の山脇貴史債券調査部長)。動きに乏しかった債券市場だが、今年 は波乱への備えが必要になりそうだ。 迫る金融引き締め、割高銘柄に売り 日経平均844円安 2022/01/06 19:28 日経速報ニュース 株式市場で成長株が下落している。米国のナスダック総合株価指数が5日に急落したほか、値がさハイテク株が多い日経平均 株価の6日の終値は2万8487円87銭と前日比844円29銭(2.9%)下げるなど、世界的に成長期待から割高な水準まで買い上げら れている銘柄に売りが広がる。米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めが見込まれ、金利上昇により割高となるためだ。投資 家は業績の裏付けに乏しい銘柄まで買われる緩和相場はそろそろ終わりとの見方を強めている。 5日の米株式市場ではナスダック総合株価指数が前日比3.3%安と急落した。引き金は金融緩和縮小を急ぐ「タカ派」な内容と受け 止められた12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録と、長期金利の上昇だ。 金利が上がると、投資家が企業の将来のキャッシュフローから割り出す株式の現在価値の目減りにつながる。遠い将来の利益 成長を前提に取引されている銘柄ほど、理論上の適正株価が下がってしまう。 そのためハイテクなど成長期待を背景に予想PER(株価収益率)が高い割高な銘柄は、金利上昇時に売られる傾向がある。 ナスダック指数が3%以上下げるのは昨年3月以来。当時も米長期金利が1.7%台まで上昇したことが売りを誘った。 個別銘柄の騰落をみると、割高銘柄を避けようとする投資家の姿勢がより鮮明になる。 ナスダック100株価指数採用銘柄のうち昨年末比の下落率が18%強と最大のゼットスケーラーの予想PERは582倍。クラウド上 でセキュリティーサービスを提供する同社の株は人気となり、株価は昨年11月に370ドルを超えた。だが、その後は調整局面に入 った。5日の終値は昨年高値より3割低い262ドルだった。 同様にクラウドの監視を手掛け、昨年末比18%下げているデータドッグもPERは400倍を超える。 一方、同じナスダック100銘柄でもトラック製造販売のパッカーはこの2日で5%強上昇。PERは17倍と低水準だ。 野村アセットマネジメントの石黒英之シニア・ストラテジストは「成長株とひとくくりにされがちだが、投資家にとって期待先行で買 われてPERが百倍を超えるハイパーグロース銘柄と、キャッシュフローをしっかり稼ぐアップルやマイクロソフトのような企業の位置 づけはまったく異なる」と指摘する。 石黒氏は緩和縮小で投資環境の不透明感が深まる今後は、成長期待があり足元の業績も堅調な大手テック銘柄がより選好さ れそうと予想する。手元資金が豊富な企業は、利上げ局面でも資金調達コストの上昇を気にせずに事業投資が続けられるのも安 心材料だ。 割高銘柄からの資金流出は6日のアジア市場にも広がった。東証株価指数(TOPIX)よりもハイテクなど高PER銘柄の影響が 大きい日経平均の下げ幅は800円を超え、東証マザーズ指数は連日で5%安。半導体関連銘柄が多い台湾株も軟調だった。 第一生命経済研究所の藤代宏一主任エコノミストは「1月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では3月の利上げ開始予告とも に、量的引き締め(QT)の実施計画が開示されそうだ」と予想する。株式市場の物色は、今後一段と金融政策の影響が色濃くなる 可能性が高い。 大和証券の壁谷洋和チーフグローバルストラテジストは「市場は緩和相場の先を織り込み始めた。今後の物色には業績の裏付 けが必要条件だ」と指摘する。今後も世界的な景気回復が株式相場を支えるとの見方は多いが、投資する銘柄はこれまでより注 意深い選別が重要になりそうだ。(北松円香) 長期金利、9カ月ぶり高水準 日銀「ストック効果」で頭打ちも 2022/01/06 16:57 日経速報ニュース 長期金利が節目である0.1%を超え、約9カ月ぶりの高水準をつけた。米金融政策の正常化が前倒しされるとの観測から米長期 金利が足元で騰勢を強めているのが要因だ。ただ、国内の長期債には押し目買い需要が根強い。日銀による長期債保有残高の 増加が金利を押し下げる「ストック効果」も続いており、ここから先の上昇余地は限られるとの見方が多い。 6日午後の債券市場で、同日から新発債となった10年物国債(365回債)の利回りは前日比0.025%高い0.120%と、新発債とし て2021年4月5日以来の高さまで上昇した。5日のニューヨーク市場で一時1.71%まで上げた米長期金利が日本時間6日の取引 でも上昇を続けたのにつれ、国内長期債の売りを促した。 米長期金利の上昇に弾みをつけたのは、5日に公表された米連邦公開市場委員会(FOMC、21年12月開催分)の議事要旨だ。 22年中に3回程度の実施が見込まれる利上げについて、参加者はおおむね、インフレ圧力や雇用の改善を踏まえ「従来の想定 より早期に、あるいはより速いペースで実施することが正当化されるかもしれない」と指摘した。国債など保有資産の圧縮に踏み 切るべきだとの声が相次いだこともわかり、「サプライズ的な米債売り」(国内証券)につながった。 米金利の上昇で、日本の長期債に売り圧力がかかる構図は今後も続きそうだ。ただ、米長期金利は昨年も1.7%台をたびたび つけては押し戻される展開を繰り返した。このところの上昇局面でも、市場は米金融政策が正常化するとの見通しを織り込みつつ あるため「当面の米長期金利の上限は高くても1.8%台だろう」(野村証券の小清水直和氏)といった見方がある。 国内長期債には、余資の運用ニーズを抱える銀行勢などの押し目買い需要も根強い。財務省が5日実施した今年最初の10年 物国債入札では、事前に弱い結果を警戒する声も一部あったものの、フタをあけてみれば最低落札価格が市場予想を上回るなど 「順調」に通過した。長期金利が0.1%の節目を超えて上昇に向かってもそのぶん買いが増え、金利の上昇圧力は抑え込まれる 可能性が高い。 日銀が保有する長期債の保有残高が増えていることも見逃せない。日銀が公表する営業毎旬報告によると、長期債(中期・超 長期債などを含む利付国債)の保有残高は昨年12月末時点で507兆8000億円と、前年末比13兆5000億円(3%)増えた。日銀 が保有する長期債を売らない限り、長期金利の上昇圧力も強まらない「ストック効果」は持続する。 日銀は1〜3月期の国債買い入れオペ(公開市場操作)の運営方針で、長期債を含む全ての年限の購入額を据え置いた。三菱 UFJモルガン・スタンレー証券の石井純氏は「根強いストック効果により、長期金利の上昇余地は広がりにくい状況が続く」と指摘 する。 長期金利、上げ幅拡大 0.120% 21年4月以来の高水準 2022/01/06 16:08 日経速報ニュース 日本株ADR6日、買い優勢 メガバンクと自動車が上昇 2022/01/07 06:15 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=古江敦子】6日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は買い優勢だった。 同日の日米株式相場はともに下落したが、日本株ADRの反応は限られた。 みずほFGが2%近く上昇し、三菱FUJと三井住友FGも1%上げた。ホンダとトヨタ、武田も高い。 一方、ソニーGが4%下落した。 AD4125円 米国債券10年利回り1.726%、(+0.023) ホットストック:銀行株が高い、金利上昇でバリューへの資金シフトも [東京 7日 ロイター] - 三菱UFJフィナンシャル・グループなど銀行株が買われている。金利上昇による業績押し上げ期待の ほか、「グロース株からバリュー株へとマネーのシフトが生じており、その一環」(国内証券)との見方もある。 メガバンクは、三菱UFJFGが約4%高、三井住友フィナンシャルグループと、みずほフィナンシャルグループが1%超高となって いる。このほか、ふくおかフィナンシャルグループ、静岡銀行などの上昇も目立つ。 昨年の日本株売買、個人は10年ぶり買い越し、若年層、資産形成で参入。 2022/01/08 日本経済新聞 朝刊 個人投資家が10年ぶりに日本株を買い越した。東京証券取引所が7日発表した投資部門別売買動向によると2021年の 1年間で約3000億円の買い越しとなった。資産形成のために新規に株式運用を始めた若年層の買いが目立った。 データを遡れる1983年以降、個人投資家が買い越したのはバブル崩壊直前(90年)、リーマン・ショック(08年)、東日本 大震災(11年)で、いずれも株価の急落局面だった。短期売買志向の強い個人は下落時に買い、上昇時には売る逆張りの 傾向がある。21年は日経平均株価が前年比5%高となった。上昇相場で買い越しとなるのは初めてだ。 東証のデータは株式市場での売り買いを示すため、新規株式公開(IPO)する銘柄を購入した分は含まれない。21年の新 規上場数は125社と15年ぶりの多さだ。個人の購入額はさらに多いとみられる。 若年層で株式の取引を始める人が増えている。楽天証券の新規口座開設者は21年、30代以下の口座開設者の割合が 7割に迫った。「米株でミーム(はやり)株の急騰現象などを目の当たりにし、日本でも信用買いを含めた株式投資を始めた 若年層は多い」(国内証券)という。 岡三グローバル・リサーチ・センターの高田創理事長が世代や投資開始時期ごとの投資実績などをまとめた「金融トラウマ マップ」によると、13年以降に投資を始めた個人は含み損を抱えた期間がほとんどなく、03年以降でも含み益のあった期間 が長い。若い世代ほど投資に悪いイメージが少なく、前向きに積極的な資産形成を始めている。 21年に株式投資を始めた30代の男性は「友人が数十万円もうけたと聞き投資を始めた」ときっかけを話す。20代の女性は 米国株投資で得た利益を元手として「コロナ禍をきっかけに、急落した国内の旅行や航空関連銘柄に買いを入れるようになっ た」と話す。 一方、氷河期世代やバブル崩壊を経験した「トラウマ世代」は含み損を抱えていた期間が長い。過去のバブル期の高値で 買った保有株が下落し、損切りできないままの「塩漬け」のケースも多かった。日経平均が上昇局面に入った13年からこう した投資家は保有株を徐々に売却してきたとみられ、「過去の戻り売り圧力が減退してきた」(ゴールドマン・サックス証券の 建部和礼・日本株ストラテジスト)とみる向きもある。 もっとも、日本株全体に対する期待が高まったわけではない。東証のデータによると、21年は日本株を対象にした投資信託 経由で1兆円を超える売りがあった。若年層からの支持が高いのは米国株の株価指数と連動する投信だ。「何も考えずに米国 株投信を毎月買う」(30代男性)との声は引き続き多く聞かれる。 米長期金利、一時1.8%に上昇 コロナ前水準に 2022/01/08 10:13 日経速報ニュース 【ニューヨーク=斉藤雄太】7日の米債券市場で長期金利の指標になる10年物国債利回りが上昇(価格は下落)し、一時1.8%台 を付けた。新型コロナウイルスの感染拡大前の2020年1月以来2年ぶりの高水準になった。同日発表の21年12月の米雇用統計 で失業率が大きく下がり、米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締め方針は変わらないとみた投資家の国債売りが一段と広がった。 朝方発表の雇用統計は景気動向を映す非農業部門の雇用者数が前月比19万9000人増と市場予想の増加幅(42万人程度)を 下回った。ただ失業率は3.9%と前月から0.3ポイント下がり、市場予想(4.1%)を超える改善ぶりをみせた。平均時給の伸びも予想を 上回った。「労働需給は非常に引き締まっており、FRBは3月に利上げを始める」(JPモルガンのマイケル・フェローリ氏)との声が広 がっている。 7日には米サンフランシスコ連邦準備銀行のデイリー総裁が利上げの開始後、比較的早期に国債などの保有資産の縮小に着手 する可能性を示した。FRBが「量的引き締め」に前向きと改めて受け止められ、国債需給の悪化を意識した売りにつながった。 前回、長期金利が1.8%台だった20年1月はFRBがコロナ対応の金融緩和を始める前で、短期金利の指標となるフェデラルファン ド(FF)金利の誘導目標の下限は1.5%だった。現在はまだコロナ後に始めたゼロ金利政策が続くが、市場は今後の急ピッチの金融 引き締めを織り込んでいる。7日の米株式市場では金利上昇に敏感なハイテク株中心のナスダック総合株価指数が前日比1%下げた。 倒産抑制でひずみ蓄積、昨年、57年ぶり低水準、返済開始で息切れも、政府や金融機関の融資55兆円。 2022/01/10 日本経済新聞 朝刊 企業倒産が歴史的な低水準となっている。新型コロナウイルス禍2年目の2021年は6000件超と1964年以来57年ぶりの 少なさになったようだ。政府や金融機関が約55兆円の融資で資金繰りをつないだ。半面、中小企業の返済能力は約10年ぶり の水準に低下し、返済の本格化で息切れする懸念も強まる。オミクロン型が流行すれば倒産を抑え込むひずみがさらに蓄積しか ねない。 21年の倒産件数はコロナ禍が始まった20年に続いて2年連続で減ったもようだ。1964年の4212件に次ぐ低水準。東京五 輪に向けた建設需要や消費拡大で倒産が少なかった当時とは異なり、政府の資金繰り支援で倒産を抑制している。 政府は20年5月に、政府系金融機関のみだった実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の担い手を民間金融機関に広げた 。債権が焦げ付いても信用保証協会が代わりに弁済するため、金融機関が積極的に融資に乗り出し、20年1月から21年12月 下旬までの中小企業向けコロナ融資の承諾額は政府系と民間合わせて約55兆円に達した。 月次の支援金や雇用調整助成金、飲食店向けの時短協力金などの補助金も企業の資金繰りを支えた。財務省の法人企業統 計調査によると、21年6月末の企業による借入金は前年比37兆円増えた一方、手元資金も9兆円伸びた。 倒産を政策効果で強引に抑え込んでいるのが実態だが、こうした資金繰り支援はいつまでも続くわけではない。東京商工リサ ーチの友田信男常務は「ゼロゼロ融資の返済が本格的に始まる22年以降、企業倒産が増勢に転じる可能性が高い」と指摘する。 予兆はデータから読み取れる。日本政策金融公庫によると、元金の返済が始まった企業は21年9月時点で56・4%。一方、条 件変更や追加融資を実施した先は7・7%で社数にして約5万先にのぼる。政府系金融機関の支店職員は「返済が始まるタイミン グになり、飲食店でポツポツと倒産が出始めてきた」と明かす。 完済などを除く残り34%の据え置き期間中の融資先のうち、21年9月末時点で据え置き期間を「6カ月以内」とするのが34%、 「6カ月以上1年以内」が31%と、約7割が融資から1年以内に元金を返し始める契約を結ぶ。22年春以降、こうした企業の返済 も始まり、負担に耐えられない企業が増える懸念がくすぶる。 ゼロゼロ融資は上限を超えて何度も利用できない。21年度に入って信用保証の利用は急減しており、すでに上限まで借りた企 業が多いことを示唆する。民間金融機関も保証なしの自前融資には二の足を踏むとみられる。追加借り入れは過剰債務につなが り、再生の足かせになりかねない。 法人企業統計調査によると借入金から手元現金を引いた実質有利子負債をEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)で割った返 済能力は、資本金1億円未満の中小企業では21年3月末に5・4倍と12年3月末以来の水準に悪化した。 返済能力低下の主因は稼ぐ力の落ち込みだ。21年7〜9月期の売上高をコロナ前の19年7〜9月期と比べると、全規模・全産業 で7・4%減った。業績が堅調な製造業に比べ飲食業や宿泊業などの非製造業は厳しい。資本金1000万円以上1億円未満の宿泊 ・飲食サービス業に限ると31・9%減で悪化が顕著だ。 「N値が100を超える企業があり腰を抜かしそうになった」。あるメガバンク関係者は語る。N値は借入金を毎年の収益力で割ること で求め、債務を償還するまでの年数を示す。N値が100なら返済までに100年かかる計算だ。 国はゼロゼロ融資の期限を22年3月末まで延長するなど資金繰り支援を続けている。ただ、過剰債務に陥る企業が増えるなか公 的融資の延長で抑制するだけでは問題の解決にならない。 自民党の金融調査会は21年12月、過剰債務を抱える企業の負担軽減策を検討すると表明し、政府にも協力を求めた。オミクロン 型が流行すれば追加支援となる可能性があるが、うまく経済を回しながら感染を抑える方策をとらなければ、ひずみの解消は見えて こない。 日本株買わない「真相」 実質金利高止まりで低迷−日経QUICKニュース 編集委員 永井洋一 2022/01/10 04:00 日経速報ニュース 2021年は欧米株が最高値を更新するなか、日経平均株価は32年前の最高値まで2割以上も低い水準にとどまった。日本株が 買われない「真相」の一つは銀行の店頭で示される名目金利から物価変動の影響を除いた実質金利の高さがもたらす民間投資 の低迷との見方がある。実質金利の低下は最高値更新の条件といえる。 財務省によれば21年の海外投資家による日本国債の買越額は10兆円以上に膨らみ、14年以降で最大規模となった。一方、 株式は1兆円程度の買い越しにとどまった。ここ数年、海外勢は日本株から日本国債への資金シフトを続けている。「ほかの国 に比べて日本は低成長・低インフレが続くとの見方が背景にある」(野村証券の中島武信氏) 10年物国債の名目の利回りから消費者物価指数(CPI)の前年同月比の上昇率を控除して便宜的にはじいた実質長期金利 (21年11月までの3年平均)は米国がマイナス1%、ドイツがマイナス2%程度なのに対し、日本はほぼゼロ、中国はおよそ1%だ。 株価が伸び悩む日本と中国は相対的に実質金利が高い。 米国景気の先行きに楽観論が強まれば、日本における海外勢のマネーフローが一時的にせよ国債から株式に逆転する可能 性はある。 JPモルガン証券の高田将成氏によれば、日本市場で海外勢が資産配分を見直すタイミングは米国債の長短利回り差の変動 と一致しやすい。米景気の拡大期待による長期金利の上昇が主導する形で利回り差が広がると「日本国債から日本株」に資金 がシフトする。逆に米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めによる短期金利の上昇主導で利回り差が縮小すると日本国債に マネーが流れる。年初からの日経平均株価の乱高下は米国の利回り差の動きにおおむね連動している。 問題は、こうした海外要因に振り回されやすい日本株が抱える構造的な脆弱性にある。 「日本経済の低迷の原因は国債の大量発行にある。景気対策で目先の国内総生産(GDP)は増えても、その資金を国債で賄 う限り、政府の資金需要が民間経済を押しのける『クラウディングアウト』が発生し、名目金利から期待物価上昇率の影響を除 いた実質金利を押し上げるためだ」。バブル経済研究の第一人者である慶応大の櫻川昌哉教授は指摘する。 名目金利はゼロ%まで下がると人々は将来、何かに投資するのに備えてお金を流動性の高い現金や預金に滞留させる。国民 の預金は金融機関を通じて国債に吸い上げられ、民間の資金需要が締め出される。その結果、経済活動はふるわず、期待物 価上昇率が低迷するので実質金利が高止まりする。長期停滞と呼ばれる日本の病根だ。「国債の大量発行の結果、日本人は 気づかぬうちに長期デフレや潜在成長率の低下といったコストを支払わされている」(櫻川氏) 主要国の実質金利と政府債務残高を並べると、債務が少ない国は実質金利が低く株価が堅調な傾向が見て取れる。GDP比 の政府債務残高は米国が約130%、ドイツが約70%に対し、日本は250%を超える。21年の主要株価指数の上昇率は米国が19% 、ドイツが16%に対し、日本は5%にとどまった。 21年末の東証1部の時価総額は735兆円と1999年末比1.6倍となったが、国債の発行残高は947兆円(21年3月末時点)と22 年で3.2倍に膨らんだ。長期的な株高持続の条件は一にも二にも財政再建と日銀の異次元緩和撤退ということになる。 日本株ADR10日、売り優勢 ソニーGやホンダが下落 2022/01/11 06:14 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川上純平】10日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は売り優勢だった。 米ダウ工業株30種平均が下落し、日本株ADRにも売りが出た。ソニーGやホンダの下げが目立った。 武田は上昇した。 AD4154円 米国債券10年利回り1.766%、(-0.003) 一時調整局面入りの相場、次の関門は決算(NY特急便)−米州総局 大島有美子 2022/01/11 08:11 日経速報ニュース 10日の米国株式市場は、金利上昇に伴う市場のリスク回避姿勢が一段と強まり、ダウ工業株30種平均は4日続落した。ナスダック 総合株価指数は一時的に直近の高値からの下落率が10%となり「調整局面」の水準に入った。米市場を待ち受ける次の関門は2021 年10〜12月期の企業決算だ。新型コロナウイルス下で相場を支えてきた企業収益だが、変調の兆しが見える。 相場は取引時間中に大きく変動した。ナスダック指数は終値では前週末を0.05%上回って終えたが、一時は2021年11月19日につ けた直近の最高値から10%下落し、調整局面の水準まで落ち込んだ。10日はナイキ(4%安)など消費関連の銘柄に売りが広がり、 S&P500種株価指数は前週末比で0.1%下落した。 米長期金利は2営業日連続で一時1.8%台に上昇した。「投資家は『Fed(米連邦準備理事会=FRB=)とは闘うな』という呪文を唱 えている」。ヤルデニ・リサーチのエドワード・ヤルデニ氏は10日、著名な相場格言を引用し、「タカ派」な金融政策の到来に備えて軟調 な展開が続く市場をこう表現した。 ゴールドマン・サックスは22年の利上げ回数の予想を従来の3回から4回に引き上げ、保有資産の縮小を始める時期も12月から7月 に前倒しした。11日にはFRBのパウエル議長が米議会上院の銀行委員会で議会証言する。10日の取引終了後に公表された冒頭発 言では「インフレの加速を止めるために、我々の手段を活用するだろう」とつづった。 金融引き締めに加わる新たな材料が米企業の決算だ。13日にはデルタ航空、14日にはJPモルガン・チェースなど金融決算の発表 が始まる。政府支援や堅調な個人消費に支えられて回復してきた米企業収益は、コロナ下での相場を支えた。 米データトレックのニコラス・コラス氏によると、S&P500の構成企業の約2割が10〜12月期の業績見通しを更新した。アナリストによ る市場予測を下回った企業は6割に上った。20年7〜9月期以降で初めて、会社による業績見通しが市場予測を下回る企業数が、上回 る企業数より多くなった。 会社の見通しが市場予測を下回る状態は、コロナ前では一般的だった。コラス氏は「期待外れの発表が多いというのは、コロナ前の 状態に戻ったと言える」と冷静にみる。一方で、企業には労働市場のいびつさや賃金急上昇というコロナ前になかった課題がのしかかる。 スポーツ衣料品店のルルレモン・アスレティカは10日、10〜12月期の売上高、利益ともに従来予想の下限になりそうだとの見通しを 発表した。コロナ感染拡大によって一部の店で営業時間を短縮したことなどを理由に挙げた。決算会見で企業トップから供給制約の長 期化や想定以上の影響を指摘する声が上がれば、市場が落胆する可能性もある。 キングスビュー・インベストメント・マネジメントのポール・ノールト氏は上昇基調を続けた21年と異なり、「22年は10%以上の下落が数 回あるだろう」と予測する。一方で、JPモルガンのマルコ・コラノビッチ氏は10日、「ポジティブな材料は尽きていない。オミクロン下の 『ディップ』(下げ局面)は買いだ」と述べ、強気の見方を維持した。企業決算という「触媒」の働き方が今後の相場を占う。 (ニューヨーク=大島有美子) 2022年01月11日09時06分 三菱UFJ、第一生命HDなど売り買い交錯、米長期金利2年ぶり高水準に 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、第一生命ホールディングス<8750>など大手金融株は売り買い交錯も やや強含みで推移。 米国ではFRBによる金融引き締め前倒しに対する思惑が強まり、前日は米10年債利回りが一時2年ぶりとなる 1.8%台に浮上するなど、ハイテク系グロース株には向かい風が意識されている。一方でゴールドマン・サックス <GS>など大手金融株の一角は運用環境の改善期待から上値追い基調を継続した。 同様の背景で、東京市場でも米国事業を手掛けるメガバンクや生保株には根強い買いが入っている。ただ、今年 に入ってからの上げ足が急であり、目先は利益確定の動きも誘発し上値は重い。 広がる日本株離れ インフレ・政治で先高観に陰り 2022/01/11 12:01 日経速報ニュース 11日午前の東京株式市場で日経平均株価は3日続落し、前引けは前週末比247円安の2万8231円だった。下げ幅は400円に 迫る場面もあった。米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めに動くことへの警戒感が強い。日本株の先高観には陰りが見え始 め、組み入れ比率を引き下げる投資主体も増えているようだ。 米金融政策への警戒感から、3連休明けの11日の東京市場でも投資尺度(バリュエーション)面での割高感が強い成長(グロ ース)株には売りが目立つ。東京エレクトロン(8035)など半導体関連株やソフトバンクグループ(SBG、9984)、ファーストリテイリ ング(9983)といった値がさ株が売られ、相場を下押ししている。 足元で日本株の組み入れ比率を引き下げる動きが出ている。QUICKが11日公表した1月の株式月次調査で、運用担当者に 国内株の組み入れ比率についての当面のスタンスを尋ねたところ、「やや引き下げる」(17%)と「かなり引き下げる」(3%)を合 わせて20%が引き下げる方針を示した。5段階のスタンスを指数化した値は46.4と、2021年2月(49.3)以来11カ月ぶりに現状 維持を示す50を下回り、引き下げ方向に傾いた。 長期投資家の資金も離れ出している。ある国内生保の運用担当者は「大手国内生保の一部が足元で日本株比率を大きく引き 下げ始めた。相場見通しがかなり弱気だと業界でも話題で、当社も含めて今後引き下げの動きが波及する可能性もある」と話す。 日本株離れを招く要因の一つはやはり米金融政策だ。10日の米債券市場では、長期金利の指標となる10年物国債利回りが 前週に続いて1.8%と約2年ぶりの水準に上昇する場面があった。高PER(株価収益率)銘柄からは資金が離れやすい。 米長期金利の上昇局面は景気敏感株比率の高い日本株にプラスとされる場合もある。にもかかわらず、足元で軟調な地合い が続くのは「今回は『景気の強さ』を伴う金利上昇とは言いづらい。景気を犠牲にしてもインフレを抑制すべきだとの意図がみえる 局面で、日本株にはむしろマイナス材料となる」(ピクテ投信投資顧問の松元浩運用・商品本部シニア・フェロー)ためだ。 インフレが継続すれば調達コストなどが上昇し、企業業績を圧迫するリスクがある。松元氏は「製造業の多い日本企業は特に 価格転嫁しづらく、業績への悪影響が大きくなる懸念がある」と指摘する。 日本の成長戦略が具体的な中身に乏しく、分配に比重を置く政策から国内政治への期待が剥落したことも日本株離れを助 長する。1月のQUICK月次調査では「岸田(文雄)政権の頓珍漢な資本市場政策にあきれるだけではなく、グローバル投資家 の日本株への興味関心が一段と低下すると危惧している」(投信投資顧問)といった辛辣な声も聞かれた。 懸念材料の多いなか、企業業績の堅調さが確認されれば相場の雰囲気が変わる可能性がある。きょうは午後に安川電機 (6506)が21年3〜11月期決算を発表する。製造業の足元や先行きの業績を推し量る先行指標ともされる銘柄だけに、内容 と市場の受け止めに注目が集まる。 日本株ADR11日、全面高 ソニーGや野村の上げ目立つ 2022/01/12 06:14 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=戸部実華】11日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は全面高だった。 米主要3株価指数がそろって上昇し、日本株ADRも買われた。ソニーGが3%近く上昇した。 野村や三井住友FG、ホンダ、三菱UFJも2%強上げた。 AD42544円 米国債券10年利回り1.743%、(-0.037) バリュー株シフト進む米株式市場(NY特急便)−米州総局 伴百江 2022/01/12 07:39 日経速報ニュース 11日の米株式相場は小反発。ダウ工業株30種平均は前日比183ドル高で終えた。朝方は米連邦準備理事会(FRB)のパウエル 議長による議会公聴会での発言を懸念して株式相場は下落したが、午後にかけてハイテク株に買い戻しが入った。ハイテク株比率 の高いナスダック総合株指数が急反発し、相場の反転を先導した。ナスダック指数は年初から軟調な展開になっていただけに、この 日の値動きは市場で好感された。 年初からボラティリティー(変動率)の高い相場で、ハイテク株を中心としたグロース(成長)株からバリュー(割安)株にマネーが シフトしていた。米調査会社リフィニティブ・リッパーの調べによると、1月6日までの1週間で、エネルギー株の上場投資信託(ETF )に11億ドル(約1250億円)の資金が流入した。銀行株ETFにも11億ドルが流入した一方で、テクノロジー株のETFからは5億ドル の資金が流出した。エネルギーや銀行株はバリュー銘柄の代表的な業種で、テクノロジーはグロース株の代表例だ。 2021年の株式相場は新型コロナウイルス禍からの経済再開や景気拡大の恩恵で大きく上昇した。今年はインフレや金利上昇の 逆風を受けて、伸び悩むとの見方が多い。米調査会社モーニングスターのアナリスト、デイブ・シケラ氏は「バリュエーション(投資 尺度)に照らすと、現在の相場は5%程度割高だ」と指摘し、上値は重いと予想する。 ただ、割高な銘柄の中心はグロース株で、バリュー株はいまだに割安だと分析する。バリュ―株全体では4%程度割安だが、その うち中型株は5%、小型株は12%の割安だという。業種別ではエネルギー株はもっとも割安だ。21年年初から12月下旬までにモーニ ングスター・エネルギー株指数は53%上昇したが、現在の株価が適正価格をどれだけ上回っているかを示す「株価フェアバリュー 比率」は0.86と「適正価格」を14%下回る。 米投資ファンド大手ブラックストーン・グループの最高投資ストラテジスト、ジョー・ザイドル氏は、バリュー株のパフォーマンスがグロ ース株を上回るのに伴い、金融や資本財、素材、エネルギーなどの業種が魅力的になるとみる。同時に利益を上げていないテクノロ ジー企業が十分なキャッシュフローを確保するにはこれまで以上に時間がかかるため、「デュレーション(期間)」リスクがこうしたテク ノロジー企業への投資でも起きると指摘する。 3年連続で2桁の上昇率を記録した株式相場も22年は期待外れになる――。米資産運用会社ニューヨークライフ・インベストメンツ のエコノミスト、ローレン・グッドウィン氏は株式相場が伸び悩む最大の要因はインフレだと指摘し、「投資家はインフレに強い銘柄の 選別投資が重要になる」と強調する。同氏はバリュー株に加え、インフラ関連株、地域分散投資を推奨する。 市場関係者が目先、最大の関心を寄せるのは12日発表の12月の米消費者物価指数(CPI)だ。11月には前年同月比の上昇率 が6.8%と約39年ぶりの上昇率を記録した。12月はさらに上昇し、7%台が予想されている。CPIが予想以上に上昇すれば、バリュ ー株シフトは一段と進む可能性がある。 市場、配当利回りに熱視線――大学ファンドの買い期待(スクランブル) 2022/01/13 日本経済新聞 朝刊 株式市場で配当利回りが高い銘柄の上昇が目立っている。3月末に向けた配当取りや、利回り重視の大学ファンドによる買いに 対する期待があるようだ。米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めが意識され米長期金利が1・7%台まで上昇してきたのに対 し、日本の長期金利は0・1%台にとどまるのも追い風。緩和マネーの退潮が株式相場の上値を抑えるとの見方も、高配当銘柄へ の資金流入を促している。 今年に入り株式市場では三菱UFJフィナンシャル・グループ、第一生命ホールディングスが昨年来高値を更新するなど金融株へ の資金流入が目立っている。米長期金利の上昇傾向で運用収益が改善するとの期待が背景だ。12日もT&Dホールディングス などが連日で高値を更新した。 国内投信の日本株担当者は「配当利回りの高さも金融株買いの要因だ」と話す。「教科書的には、いまのような金利上昇局面 では相対的な投資妙味が失われるはずだが、グロース(成長)株を売った資金の置き場になっているのだろう」と続ける。金融緩 和の恩恵を最も受けてきた成長株から、安定して利回りを得られる高配当銘柄に資金がシフトしている構図だ。 実際、予想配当利回りでみると、三菱UFJは4%前後、第一生命HDは3%台と、東証1部平均の2%前後を上回る。予想配当 利回りが8%を超える日本郵船、商船三井は今年に入り、上げが目立つ。配当利回りの高い銘柄を抽出した「東証配当フォーカス 100指数」の動きも、昨年末比で5%上昇。東証株価指数(TOPIX)の1%高、日経平均の0・1%安に比べ強含んでいる。 大和証券の阿部健児チーフストラテジストは11日付のリポートで「3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)付近まで高配当利回 り株のアウトパフォームが継続しやすい」との見方を示した。米金利上昇で金融株が物色されやすいことに加え、2つの理由を挙げた。 まず季節性があげられる。「配当利回りファクターの月別リターンの平均と勝率を計算すると2月が1年で最も高くなった」という。 3月期末に向けて配当取りの動きが出ることなどが背景にあるようだ。 もう1つは大学ファンドから高配当利回り株への資金流入期待だ。大学ファンドは2021年度中に運用を始める予定で、資産規模 は12月の補正予算成立で10兆円規模となった。運用責任者が過去のインタビューで「まずは利回りが確定している債券や社債 、配当が期待される株式などを中心に、収益をためていくことを強く意識する」と言及した。年度内は高配当利回り株に相対的に大 きな資金が流入するとの期待が続く、と大和証券の阿部氏は読む。 もっとも「配当に注目が集まることは、これまでのような株式の値上がりが期待できなくなった表れ」(岡三アセットマネジメントの 前野達志シニアストラテジスト)との声もある。 日経平均の年間上昇率をみると、19年の18%をピークに、20年の16%、21年の5%と上げの勢いは弱まっている。米長期金 利が1・7%台まで上昇してきたのに対し、日本の長期金利は依然として0・1%台。国内の投資環境をふまえると、高配当利回り 株に投資家が熱い視線を注ぐのも必然だろう。 割安株買い継続、金融株から物色波及 米金利上昇で 2022/01/12 20:30 日経速報ニュース 東京株式市場で割安株への資金シフトが急速に進んでいる。2022年に入り米長期金利が急上昇すると割高な成長株に 下押し圧力がかかり、金利上昇の恩恵を受ける金融株を中心に割安株に買いが向かっている。自動車や鉄鋼などの割安 な銘柄にも物色が広がりつつあり、景気回復も見据えた割安株買いが当面は続きそうだ。 22年に入り米長期金利は1.7%台まで上昇し、世界の株式市場で割高なハイテク株が売られた。TOPIXの構成銘柄のう ち、PBR(株価純資産倍率)などの指標から相対的に割安な株を組み入れた「バリュー(割安株)指数」を、割高な銘柄で 構成する「グロース(成長株)指数」で割った値は12日時点で0.72と、21年6月以来、約7カ月ぶりの高水準で推移する。 業種別日経平均株価の「保険」は21年末比10%高、「銀行」は8%高と、金利上昇が業績の追い風となる金融業が割安 株の上昇をけん引する。トヨタ自動車やトヨタ紡織などの自動車関連や東京製鉄などの鉄鋼業で昨年来高値を更新するな ど、物色が広がる。 一方、割高な株への売り圧力は強く、PBRが14倍台のエムスリーは22年に入り13%、予想PER(株価収益率)が50倍 を超えるキーエンスが9%、それぞれ下がった。 JPモルガン証券の高田将成クオンツストラテジストは「割安株の中での出遅れ銘柄には上昇余地が大きい」と指摘する。 割安株には景気回復の恩恵を受けるシクリカル(景気循環)銘柄が多いことも追い風となる。三菱UFJモルガン・スタンレ ー証券の小西一陽・株式運用部長は「業績の裏付けがある割安株に期待」といい、「自動車株は挽回生産や円安による 業績回復が見込めるほか、鉄鋼や商社なども商品市況の高止まり傾向から当面は業績の拡大が見込める」とみる。 日本株ADR12日 買い優勢 武田やトヨタが上昇、銀行も高い 2022/01/13 06:09 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=横内理恵】12日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)には買いが優勢だった。 同日の東京株式市場で日経平均株価が上昇し、日本株のADRにも買いが入った。武田やトヨタ、オリックスが上昇。 三井住友FGなど銀行も高い。一方、キヤノンが下げた。 AD4260円 米国債券10年利回り1.736%、(-0.010) 米国株、ダウ続伸し38ドル高 長期金利低下でハイテク株に買い ナスダックも上昇 2022/01/13 06:29 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=張間正義】12日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比38ドル30セント(0.1%)高の 3万6290ドル32セントで終えた。朝方に発表された昨年12月の米消費者物価指数(CPI)の上昇率が市場予想並みにとど まり、米長期金利が一時低下した。相対的な割高感が薄れた高PER(株価収益率)のハイテク株を中心に買いが優勢とな った。半面、金融のゴールドマン・サックスが売られ、ダウ平均の重荷となった。 CPIは前年同月比7.0%上昇と39年ぶりの高さだったが、市場予想と同じだった。供給制約が和らぐにつれ、今春以降のイ ンフレ鈍化を見込む市場関係者も多い。米債券市場では先週来インフレ加速を織り込んで長期金利が上昇していたため、12 日の長期金利はCPI発表後に1.71%(前日終値は1.73%)に低下する場面があった。 長期金利低下を受けてハイテク株が買われ、ソフトウエアのマイクロソフトや顧客情報管理のセールスフォース・ドットコム、 スマートフォンのアップルが上昇した。機械のハネウェル・インターナショナルや建機のキャタピラー、航空機のボーイングなど 景気敏感株の一角も高い。 半面、金融のゴールドマン・サックスが3%安となり、1銘柄でダウ平均を80ドルあまり押し下げた。同業のジェフリーズ ・ファイナンシャル・グループが12日、2021年9〜11月期の債券トレーディング収入が大幅に減少したと発表し、連想売り が出た。ダウ平均の構成銘柄ではないが、同業のモルガン・スタンレーも3%安だった。 FRB高官の発言も相場の上値を抑えた。米クリーブランド連銀のメスター総裁は12日、金融市場に悪影響を与えない 限り「米連邦準備理事会(FRB)は迅速にバランスシートの縮小を開始すべきだ」と述べた。金融引き締めの前倒しへの 警戒感が一時強まった。 ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は3日続伸し、前日比34.943ポイント(0.2%)高の1万5188.392で終えた。 電気自動車のテスラが4%高。アプライドマテリアルズ(AMAT)など半導体製造装置株も軒並み上昇した。 2022年01月13日09時59分 メガバンクや生保株が頑強、米長期金利上昇に加え日本国債への海外マネー流入に思惑 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>などメガバンクや第一生命ホールディングス<8750>など大手生保株が 全体地合い悪のなか頑強な値動きを示している。 注目された12月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比7.0%上昇と事前予想に合致したとはいえ高水準 で、インフレ警戒ムードが強まるなか米長期金利の上昇が続いている。また、世界でも例外的に超低金利環境が 続く日本でも、海外投資家が日本国債の買い姿勢を強めるなか、長期金利上昇に対する思惑が浮上している。 大手金融株にとっては運用環境の改善期待につながることで株価も水準訂正狙いの買いが活発化している。 2022-01-13 SBI 中立継続 4000円 → 4600円 2021-12-24 野村 Buy継続 6300円 → 6500円 2021-12-17 JPモルガン Overweight継続 5300円 → 5600円 2021-12-16 みずほ 買い継続 5000円 → 5100円 2021-12-01 モルガンS Overweight継続 5300円 → 5400円 2021-11-18 三菱UFJMS Overweight継続 4900円 → 5000円 2021-09-14 東海東京 Neutral継続 3100円 → 4060円 2021-06-08 大和 2継続 4750円 → 5000円 2021-06-07 岩井コスモ 新規A 5000円 2021-04-14 ジェフリーズ Buy継続 4150円 → 4490円 2021-04-01 GS 中立継続 3350円 → 4345円 銀行株が連日の高値 バリューシフト、人気投票が支え 2022/01/13 16:03 日経速報ニュース 銀行株が軒並み上昇している。バリュー(割安)株買いの流れが強まる中、相対的に配当利回りが高いため、物色の矛先が 向かいやすい。年度末が視界に入り、業績が下振れするリスクが徐々に下がってきたとみられることも、銀行株買いにつながっ ているようだ。 13日の東京株式市場では三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)やりそなホールディングス(8308)が連日で昨年来高値 を更新。地銀の一部にも買いが入った。業種別東証株価指数(TOPIX)の「銀行業」は午後に上げ幅を広げ、一時は前日比1.1 %高い161.68まで上昇し、2021年3月の昨年来高値(162.08)に迫った。大引けでも1%高を保った。 「業績下振れリスクが少ない中で、配当利回りの高さから買いが入っている」。国内運用会社の調査担当者はこうみる。三菱 UFJやりそなHDは4%前後、みずほフィナンシャルグループ(8411)は5%程度、三井住友フィナンシャルグループ(8316)は 5%弱。東証1部の高利回りランキングには、約5.4%の愛知銀行(8527)など上位に顔を出す地銀もある。 金融市場では、米連邦準備理事会(FRB)による利上げや保有資産の縮小が近づく中で、米長期金利の先高観が強くなって いる。高PER(株価収益率)のグロース(成長)株は相対的な割高感が意識される。半面、金利の上昇は利ざやの改善につなが るとの思惑から、銀行株には買いが入りやすい。 もちろん、「米金利の上昇→銀行株の値上がり」というほど単純な関係ではない。マネックス証券の大槻奈那専門役員は「金 利上昇は銀行収益にプラスに働くとは必ずしもいえない」と話す。債券利回りの上昇(価格は下落)で運用資産の含み損につな がりやすいうえ、国内の貸出金利の上昇につながるわけでもないからだ。 実際、日本国内では貸出金利がこの10年間はほぼ右肩下がりだった。日銀がまとめる新規の貸出約定平均金利(総合)は 21年は0.6%前後。1%前後だった11〜14年から水準を切り下げた。日銀の貸出・預金動向では21年12月の貸出平均残高が 前年同月比0.5%増となった。地銀は着実に増やしているものの、大手行を含む「都銀等」は1.1%減と、7カ月連続で前年割れ。 前年の資金繰り支援の反動が続いているのが現状で、企業の資金需要が増えている様子もうかがえない。 それでも、銀行株が買われるのは「人気投票的な側面がありそうだ」(マネックスの大槻氏)という。QUICKがまとめた1月の 株式月次調査によると、セクター別投資スタンスでは、オーバーウエートにすると答えた投資家の比率からアンダーウエートの 比率を引いた値は19%と、データを遡れる00年6月以降では最高となった。銀行株を買いたい人が多そうだから今のうちに買っ ておこう――。そんな「消極的な買い」も足元の銀行株高を支えているかもしれない。 日本株ADR13日、買い優勢 トヨタや三菱UFJが上昇 2022/01/14 06:13 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川内資子】13日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は買いが優勢だった。 同日の東京株式市場で上昇した銘柄を中心に買われた。 トヨタが2%超上げ、三菱UFJやオリックス、みずほFGも上げた。一方、ソニーGと武田は下落した。 AD4910円 米国債券10年利回り1.695%、(-0.030) 債券寄り付き 長期金利、0.135%に上昇 日銀の政策変更への思惑も 2022/01/14 09:20 日経速報ニュース 14日朝方の国内債券市場で長期金利は上昇(債券価格は下落)した。指標となる新発10年物国債の利回りは前日比0.005% 高い0.135%をつけた。市場ではきょう実施の20年債入札を警戒した売りが出ているとの見方があったほか、日銀の政策変更へ の思惑から金利上昇が意識されている可能性を指摘する声があった。 ロイター通信は14日午前、日銀が目標に掲げるインフレ2%目標達成前に利上げを開始できるか議論していると報道した。市 場では報道を受けて「直ちに政策変更されるとは考えていないが、日銀の政策変更への思惑が朝方の相場に出ているのでは」 (みずほ証券の丹治倫敦氏)との声があった。 先物相場は下落して始まった。先物中心限月の3月物は前日比6銭安の151円00銭で寄り付いた。その後は一段と下げ幅 を拡大し、一時は150円81銭をつけた。 現物債市場では、新発20年物国債の利回りが前日比0.005%高い0.515%で取引されている。新発30年物国債の利回りは 前日と同じ0.705%をつけた。新発40年物国債の利回りは前日と同じ0.745%で推移している。新発5年物国債の利回りは 0.010%高いマイナス0.030%をつけた。 短期金融市場では東京金融取引所の円金利先物の売買が閑散としている。中心限月の3月物はまだ取引が成立していない。 日本株ADR14日、高安まちまち 武田は上昇、ホンダは下落 2022/01/15 06:29 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=戸部実華】14日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は高安まちまちだった。 米株式市場でナスダック総合株価指数は上昇した半面、ダウ工業株30種平均は下落し、日本株ADRも方向感を欠いた。 武田やオリックスが上昇した一方、ホンダやトヨタは下落した。 AD4318円 米国債券10年利回り1.791%、(+0.082) NY債券、長期債反落 10年債利回りは1.78% 積極的な米金融引き締め見込んだ売り 2022/01/15 07:11 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=戸部実華】14日のニューヨーク債券市場で長期債相場は反落した。長期金利の指標となる表面利率1.375% の10年物国債利回りは前日比0.08%高い(価格は安い)1.78%で終えた。米連邦準備理事会(FRB)による積極的な金融引き締 めを見込んだ売りが優勢だった。14日発表の米小売売上高を含む経済指標は軒並み市場予想を下回ったが債券買いは限られ、 金利先高観から売り持ち高を増やす動きが広がった。 足元でFRB高官による金融政策の正常化に前向きなタカ派寄りの発言が相次いでいる。14日はニューヨーク連銀のウィリアムズ 総裁が「金融緩和縮小の次のステップは政策金利をより通常の水準に徐々に戻すこと」と述べ、そのプロセスを進める決定に「近づ いている」と話した。前日はウォラー理事が高インフレが続けば「4回あるいは5回の利上げが可能になるだろう」との見方を示すなど 、一連の高官発言が金融引き締めの前倒し観測を高めた。 昨年12月の米小売売上高は前月比1.9%減と市場予想(0.1%減)を大幅に下回った。だが、市場では「FRBの金融引き締め方針 を変える内容ではない」(オックスフォード・エコノミクスのジョン・キャナバン氏)とみなされた。低調な経済指標を受けても利回り低 下は限られたため、債券の持ち高を売りに傾ける動きを誘ったという。インフレが小売売上高が低調だった理由であり、インフレ加速 を印象づけた面もある。 金融政策の影響を受けやすい2年物国債利回りは前日比0.08%高い0.97%と、2020年2月以来の高水準で終えた。 米国株、ダウ続落し201ドル安 消費関連と金融に売り ナスダックは反発 2022/01/15 06:28 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川上純平】14日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比201ドル81セント(0.6%)安の 3万5911ドル81セントで終えた。14日発表の昨年12月の米小売売上高が市場予想を下回り、投資家心理を冷やした。 消費関連株を中心に売りが出た。取引開始前に決算を発表した銀行のJPモルガン・チェースが大幅安となり、他の金融株 にも売りが波及した。 12月の米小売売上高は前月比1.9%減と市場予想(0.1%減)を大幅に下回った。インフレの影響でネット通販を含めて販 売が落ち込んだうえ、新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の感染拡大で外食も低調だった。消費関連株が売られ、 ホームセンターのホーム・デポが4%下げた。クレジットカードのアメリカン・エキスプレスと映画・娯楽のウォルト・ディズニー の下落も目立った。 市場では「高インフレが消費に与える悪影響が改めて確認され、15日からの3連休を前に持ち高を手じまう動きが広がった」 (ミラー・タバックのマシュー・マリー氏)との声が聞かれた。 金融株への売りも相場の重荷だった。JPモルガン・チェースが発表した2021年10〜12月期決算は1株利益が市場予想 を上回った。ただ、貸倒引当金の取り崩しが利益を押し上げたとあって好感されず、株価は6%下げた。来週に決算を発表 するゴールドマン・サックスなど他の金融株にも売りが及んだ。 半面、原油相場の上昇を受けて石油のシェブロンは買われた。日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)や飲料の コカ・コーラといったディフェンシブ株の一角も上昇した。 前日に下げが目立ったハイテク株には買いが入り、前日に4%安だったソフトウエアのマイクロソフトが2%上昇した。顧客 情報管理のセールスフォース・ドットコム、スマートフォンのアップルも高い。 ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反発した。前日比86.941ポイント(0.6%)高の1万4893.753で終えた。 前日に2.5%安と大きく下げた反動で押し目買いが優勢となった。半導体製造装置のアプライドマテリアルズが6%高となる など、半導体関連株の上げが目立った。 一覧に戻る ハイテク株安が持続か 原油、需要予測上振れも−今週の市場 2022/01/16 04:00 日経速報ニュース 米決算に関心高まる 今週の株式は値動きの荒い展開か。米金融政策が引き締め色を強めるなか、テック企業や小型株が売られやすくなっている。 一方、資本財やエネルギーなどが買われて全体を支えている。「1月下旬の米連邦公開市場委員会(FOMC)までは成長株と割 安株の綱引き相場」(JPモルガン・アセット・マネジメントの前川将吾グローバル・マーケット・ストラテジスト)との見方がある。 19日にはバンク・オブ・アメリカなど米金融大手が2021年10〜12月期の決算を発表する。14日発表のJPモルガン・チェースなど の決算は売りにつながった。ハイテク株は20日の米ネットフリックスの決算を前に下値を試す可能性もある。 今週は中国の21年10〜12月期の国内総生産(GDP)の公表も控える。「供給網の回復や労働市場の順調さが意識されれば株 価に弾みがつく」(第一生命経済研究所の藤代宏一主任エコノミスト)との見方もある。 日銀、緩和スタンス維持か 米債券市場では長期金利の指標となる10年物国債利回りが横ばい圏での推移となりそうだ。米連邦準備理事会(FRB)が速い ペースで量的引き締めを進めるとの観測などで売り圧力が強まり、一時は1.8%台をつけた。ただ節目水準では債券へのショートカ バー(売り方の買い戻し)も入るため、一方向の上昇とはなりにくそうだ。 FRBは25〜26日に開くFOMCに向けて、高官らが政策に言及できない「ブラックアウト」期間に入る。米国債は新たな取引材料に 乏しくなり、野村証券の小清水直和シニア・金利ストラテジストは「米長期金利は1.7%台で推移しそうだ」とみる。12月の米小売売 上高は低調だったが、金融政策への影響は限定的とみられている。 国内債市場では日銀が17〜18日に開く金融政策決定会合の内容や、黒田東彦総裁の会見での発言に注目が集まる。緩和的 な政策スタンスを維持するとの見方が多い。 円安方向への動き鈍く 円相場は下値の堅い展開か。先週は、17〜18日の日銀の金融政策決定会合を控えて、金融政策変更への思惑から円が1ドル =113円台に上昇する場面があった。「年度末の3月に向けた国内勢による外国株や外債の利益確定で、徐々に円転需要が見込 まれる」(大和証券の今泉光雄チーフ為替ストラテジスト)といい、年明けからみられた円安・ドル高の勢いは落ち着きそうだ。 日銀は決定会合で物価見通しの引き上げを検討する一方、円相場の水準については「日本経済にとって総合的にプラス」との 姿勢を維持するとの見方が市場では多い。円相場への影響は限られる公算が大きい。 米国では18日にニューヨーク連銀製造業景況指数、20日にフィラデルフィア連銀製造業景況指数が発表される。新型コロナウイ ルスの変異型「オミクロン型」の影響が限定的で、好調な結果が確認されれば円は売られる場面もありそうだ。 原油、上昇基調持続か 原油は引き続き上値を試しそうだ。先週は新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」による需要減懸念が後退し、WTI(ウエス ト・テキサス・インターミディエート)先物の期近物は一時約2カ月ぶりに1バレル84ドル台をつけた。ウクライナ情勢が緊迫している ことも相場を押し上げた。 今週は18日に石油輸出国機構(OPEC)、19日に国際エネルギー機関(IEA)が月報を公表する。IEAのビロル事務局長が「多くの 市場関係者が考えていたよりも需要は強い」と発言しており、需要見通しの上方修正に注目が集まる。 農産物では穀物の上値が重そうだ。主産地南米のトウモロコシの生育に最も重要とされる受粉期を迎え、天候相場となりやすい。 現地の気象予報によれば、今週は雨模様の天候が続く見通しで、相場の弱材料になる。ドル安が進行すれば、ドルの代替投資 先とされる金には買いが入りやすい局面となりそうだ。 三井住友FG、永久劣後債を発行へ 主幹事にSMBC日興を指名 2022/01/17 09:14 日経速報ニュース 三井住友フィナンシャルグループ(8316)が永久劣後債の発行を準備していることが17日、わかった 。金融機関の国際的な自己資本規制「バーゼル3」で「中核的自己資本(Tier1)」に算入される。主幹 事にSMBC日興証券を指名した。期限前償還ができない期間(ノンコール、NC)を10年5カ月に設定 している。発行額は800億円程度で上限は1000億円。1月21日の条件決定を予定している。 <東証>三菱UFJが高い 「傘下銀行にマイナス金利適用」に反応薄 2022/01/17 14:24 日経速報ニュース (14時15分、コード8306)三菱UFJフィナンシャル・グループが高い。午前に前週末に比べ16円70銭(2.4%)高の724円50銭 まで買われ、昨年来高値を更新。午後も堅調だ。14時に日経電子版が「三菱UFJ銀行が日銀に預けている当座預金の一部 にマイナス金利が適用されることが17日、わかった」と伝えた。大手行に適用されるのはほぼ6年ぶりというが、株価に目立っ た反応はない。 報道によると、マイナス金利の適用対象となる三菱UFJ銀の当座預金は数千億円程度とみられ、日銀に支払う金利は年間 数億円になる公算が大きいという。 米金利の上昇による運用収益の改善期待から金融株には継続的に資金が流入している。三菱UFJはPBR(株価純資産倍 率)が0.5倍台、配当利回りは3.9倍。市場では「指標面で見た投資妙味が強い」(国内投信)との声がある。 ほころび目立つ日銀緩和、三菱UFJ銀にマイナス金利適用、長期化で軌道修正も。 2022/01/18 日本経済新聞 朝刊 日銀の異次元緩和は表向きの政策方針をよそに軌道修正が進む。緩和の長期化に伴い、副作用が出ているためだ。マイナス 金利政策もデフレ懸念を強める円高の阻止には一定の効果を発揮したものの、ほころびも目立ってきた。(2面参照) 日銀はマイナス金利政策で負担軽減策を講じてきた。脱炭素に向けた投融資や新型コロナウイルス禍に対応した資金供給策 を通じ、利用実績に応じてマイナス金利の影響を軽減できる措置だ。日銀内からも「どこかの銀行は犠牲にならざるを得ないが マイナス金利の適用は『薄皮』くらいでいい」との本音が漏れる。 実際、マイナス金利が適用される当座預金残高(裁定取引後)は5兆円程度の一定水準で推移するようにしている。回避策の 活用や投融資に資金を振り向けてきた三菱UFJ銀行にマイナス金利が適用された直接の要因はコロナ禍に伴う預金増だ。円高 対策ということもあり、金融機関にあえて逃げ道をつくる制度設計にした当時と足元では状況は異なっている。 量的緩和政策も転機を迎えつつある。黒田東彦総裁が就任した2013年春、日銀は大量の国債購入を目玉に早期の2%の 物価目標達成を約束したが、21年末の国債保有残高は521兆円と20年末から14兆円減。年間での減少は白川方明・前総 裁時代の08年以来13年ぶりだ。 日銀は金融政策の主眼を「量」から「金利」に切り替えているため、「量が減っても低金利環境を維持できれば問題ない」との 見方が日銀内にはある。表向きの説明は「必要に応じて国債を無制限に買い入れる」というものだが、実際は数年かけて購入 量を減らしてきている。 金融緩和が長引き、複雑になるほど日銀の取り組みが国民や金融市場に理解されにくくなる弊害も無視できない。日銀のマ イナス金利政策も、銀行が余剰資金を投融資に回すよう促すのが理由だが、ほぼ6年ぶりとなる大手行へのマイナス金利の適 用は長期間にわたる緩和にもかかわらず資金需要が乏しいままの実態を物語っている。 東証寄り付き 続伸、欧州株高が支え トヨタや三井住友FGが高値 2022/01/18 09:20 日経速報ニュース 18日前場寄り付きの東京株式市場で日経平均株価は続伸して始まり、前日に比べ150円ほど高い2万8400円台後半で推移 している。前日の米国市場は祝日で休場だったが、欧州株式市場では英国やドイツなど主要な株価指数が上昇した。東京市場 でも投資家心理の支えとなっており、買いが先行している。 バリュー(割安)株を物色する動きも続いている。米長期金利が日本時間18日朝の取引で、1.8%台に上昇した。利ざや改善の 観測から、大手銀行など金融株の一部に買いが入っている。三菱UFJや三井住友FGは昨年来高値を更新した。トヨタは連日で 上場来高値を更新した。 半面、国内の新型コロナウイルスの感染が拡大していることは重荷。政府は東京など首都圏4都県と中部3県など11都県を 対象に「まん延防止等重点措置」を適用する方針を固めたと各メディアが報じた。行動制限を緩める「ワクチン・検査パッケージ」 をいったん停止する調整に入ったとも伝わっており、小売りなど内需関連の一部の売りにつながっている。 JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)はともに続伸している。 中期的な配当引き上げの観測がでたキヤノンが高い。ファナックやリクルート、ファストリも上昇している。一方、エムスリーや 中外薬、ダイキンが下落している。 株、バリュー買いに「厳しい選別」 トヨタはきょうも高値 2022/01/18 12:17 日経速報ニュース 18日午前の東京株式市場で日経平均株価は続伸し、前引けは前日比240円高の2万8574円だった。前日の欧州株式相場が 上昇した流れを受け、投資家が運用リスクを取りやすくなった。トヨタ自動車(7203)が株式分割を考慮したベースでの上場来高値 を更新するなど、割安(バリュー)株の一角が買われて相場を支えている。バリュー銘柄の中でも選別が進んでいるとの指摘があ った。 きょうは日銀への関心が高い。日銀は11時30分すぎに、2日間の日程で開いていた金融政策決定会合の結果を公表した。米連 邦準備理事会(FRB)をはじめ、世界の中央銀行が金融政策の正常化に軸足を移すなか、日銀の動向にも注目が集まっていた。 日銀の結果公表後の大阪取引所で日経平均株価先物の3月物は上昇した。前日の清算値を380円上回る2万8720円まで上昇 する場面があった。市場では「午後の黒田東彦総裁会見での発言内容次第では株式相場に混乱が起こる可能性もある」(国内シ ンクタンク)との指摘がある。 18日の東京市場では、トヨタのほか、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)が昨年 来高値を付けた。世界で金融正常化に向かうなか、高PER(株価収益率)な成長(グロース)株を手掛けにくく、中長期的にバリュー 株の一角に資金が流れる展開が続いている。 もっとも、バリュー銘柄だからと言って、すべてが買われているわけではない。前引け時点の東証株価指数(TOPIX)のグロース 指数は前日比0.87%高、TOPIXバリュー指数は0.20%高と、前場ではグロース指数のほうが上回った。一部の外資系証券が投資 判断を引き下げた日本製鉄(5401)やJFEホールディングス(5411)といった鉄鋼株が5%超の大幅安となり、バリュー指数を下押し した。 市場では、厳しい基準でのバリュー銘柄の選別が進んでいるとの指摘がある。東海東京調査センターの中村貴司シニアストラテ ジストは「リスク管理が重要な局面となりつつあり、バリュエーション(投資尺度)が低いだけでは買えない。成長期待が高く、財務 状態が健全なクオリティー銘柄が選ばれやすい」とみる。 さらに中村氏は「株価のボラティリティー(変動率、HV)の低さに着目した物色をする向きもある」と指摘する。60日間の変動率を示 すヒストリカル・ボラティリティー(HV)は18日前引け時点でトヨタが25、三菱UFJは21程度。レーザーテック(6920、HVは48)、ソフ トバンクグループ(SBG、9984、同46)といった銘柄に比べると低い水準だ。 日経平均は2021年後半から2万8000〜2万9000円程度のレンジでの推移が続く。市場では「金融政策は転換点にあり、資源価 格も高止まりしている。1月下旬から本格化する3月期企業の第3四半期決算発表を前に先回り買いができる地合いではない」(国 内シンクタンク)との声が聞かれる。半面、市場予想を上回る上方修正が相次ぐなど、企業側から明るい材料が示されれば、上値の 重い地合いから脱却するための突破口が開く可能性もある。 東証14時 下げ幅一時200円超 米金利上昇に警戒強く 2022/01/18 14:05 日経速報ニュース 18日後場中ごろの東京株式市場で日経平均株価は下落に転じた後、下げ幅を広げた。前日比80円ほど安い2万8200円台 半ばで推移している。日本時間18日午後の取引で米長期金利が1.8%台半ばまで上昇し、短期間での金利変動への警戒か ら、リスク回避の売りが優勢となっている。下げ幅は一時200円を超えた。 米長期金利の上昇を背景に主要ハイテク株で構成するナスダック100株価指数の先物「Eミニ・ナスダック100」が前週末の 清算値に比べ1%超下げ、日経平均先物にも短期筋の売りが出た。「米長期金利の水準が一気に切り上がったことへの警戒 が広がっている」(大和証券の細井秀司シニアストラテジスト)との見方があった。 14時現在の東証1部の売買代金は概算で2兆1019億円、売買高は9億2278万株だった。 日本製鉄は下げ幅を広げている。日製鋼や三菱UFJ、デンソーも下げている。一方、ファストリやファナック、キーエンスは高い。 <東証>銀行株が後場軟調 日銀発表後に利益確定売り 2022/01/18 14:49 日経速報ニュース (14時45分、コード8306)銀行株が後場軟調に推移している。三菱UFJは一時、前日比25円(3.5%)安の690円50銭まで 下落した。日銀が18日までの金融政策決定会合で金融緩和の維持決定を発表したことで一部に出ていた早期利上げ観 測が後退、銀行株に売りが出ている。三井住友FG(8316)や東京海上(8766)など保険株も安い。 みずほ証券の倉持靖彦マーケットストラテジストは「銀行株は年初から上昇が続いており、早期利上げ観測の後退を利 益確定売りの理由にしている面はある」と指摘。その上で「銀行など金融株を保有する投資家が注視しているのは米長期 金利の動向。現在の高止まりを見ると株価の下落は一時的だろう」と話した。 銀行株が軒並み安、日銀の緩和継続巡り。 2022/01/19 日本経済新聞 朝刊 18日の東京株式市場で銀行株が軒並み安となった。日銀が18日まで開いた金融政策決定会合で大規模な金融緩和の 継続を決定。一部で観測が出ていた政策修正が行われなかった。金利上昇による収益改善を期待して銀行株を買っていた 海外投資家が売りに動いた。 りそなホールディングスが前日比1・3%安、三菱UFJフィナンシャル・グループが同1・6%安、八十二銀行が同2・4%安 など地銀を含め銀行株が総じて下げた。午前中は堅調に推移していたが、日銀の政策決定会合後に下落に転じた。 米国が利上げ前倒しや量的引き締め(QT)に動く中、日本でも12月の企業物価指数が前年同月比8・5%上昇した。 日銀でも金融緩和の修正に向けた何らかの動きが出るとの期待が海外投資家を中心に広がっていた。「何も変更がない ことがサプライズになり、急な売りが出た」と大和証券の木野内栄治チーフテクニカルアナリストは指摘する。 銀行株は2021年末から上昇しており、業種別日経平均株価の「銀行」は21年末比で7%高となっている。米金融政策 の影響のほか、配当利回りが高いことから大学ファンドによる買い期待もあった。「急速に値上がりしたので、一度利食い をするのにいいタイミングになった」と三菱UFJ国際投信の小西一陽株式運用部長は話す。 欧米が利上げに動く中、金融緩和の継続は日本株には追い風とみられる。一方で「円安の行き過ぎを批判されるなど 日銀を巡る状況も変わっており、金融緩和策の修正機運は高まっていくとみている。市場でも3月ごろまで修正が意識さ れていくのでは」(第一生命経済研究所の藤代宏一主任エコノミスト)との指摘は多く、銀行株の調整は一時的とみる向き もある。 アジア投資緩めず「質も量も追う」 三井住友FG太田社長−金融直言 2022/01/19 05:00 日経速報ニュース 低成長が続く日本の金融業界。マイナス金利政策や人口減少で国内での成長の絵が描けないなか、三井住友フィナンシャル グループ(FG)は2021年、海外の金融機関に相次ぎ出資し、進出の足場を築いた。再び成長の青写真を描き、市場の評価を取 り戻せるか。太田純社長に戦略を聞いた。 ――21年は米投資銀行のジェフリーズ・ファイナンシャル・グループとの資本提携や東南アジアの金融機関への出資など、矢 継ぎ早に海外戦略強化に打って出ました。アジアに第2、第3のSMBC(三井住友銀行)グループをつくるとうたっていますが 狙いは何ですか。 「金融は国内総生産(GDP)と相関の高いビジネスだから、GDPが伸びるところで成長の果実を取っていくしかない。マーケット や事業環境を考えると、国内で飛躍的に成長するのは難しい。もちろん国内はしっかりやるし、まだまだ伸びる領域はあると思 うが、トータルとして伸ばしていくには海外に展開するしかない」 「国の経済が拡大する過程では、中間層が伸びていって、いろいろな購買意欲が出てきて、金融が発展していく。二輪から始 まって四輪になって、クレジットカードが出てきて、住宅ローンが出てくるという流れがある。発展途上国のリテールは伸びるはず。 ただ国によっては、『中所得国のわな』と言われるように貧富の差が広がり、成長が阻害される可能性もある。だから可能性が ある限り、複数の国のマクロ経済にベットする」 ――同じメガバンクの三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)と比較されることが多いと思いますが、MUFGはアセットの 量よりも質にかじを切っています。傘下の米地銀MUFGユニオンバンクの売却が象徴で、海外でも引くところは引いています。 三井住友FGは量も質も追っている印象を受けます。戦略の違いはどこからくるのでしょうか。 「MUFGの戦略を正確に把握しているわけではないが、僕らは質を伴いながら量的にも拡大することはまだまだ可能だと思っ ている。成長をあきらめると、活気がなくなりモラールが低下する。若い人が夢を持って活躍できて、それが成長につながるよう にしていかないと、企業として活力がなくなるし、生き残っていけないと思う」 ――海外出資でも、MUFGが東南アジアの配車最大手、グラブに出資したように、ITや大手のスタートアップといった金融業 界以外に投資をしていく戦略もあります。三井住友FGは金融の枠内にとどまる戦略に映りますが。 「発展途上国の成長をとらえるにはどうしたらよいか、という発想で出資を位置づけている。金融の知見や経験を生かしつつ、 現地の成長を最も有効にとらえていくには、海外で総合金融業をやっていくことが重要だ。事業の相乗効果のない企業に出資 するだけなら、ただの投資に他ならない。出資する以上、その企業をどう育てていくかということが重要で、海外ではあくまで金 融のプラットフォームを築くために資金を投じている」 「例えば、出資先のインドネシアのバンクBTPNが手掛けるデジタル銀行は我々よりも進んでいるところも少なくない。こうした 知見を取り込むために現地のIT企業と協働したり、出資したりすることもあり得る。投資のシーズを探すためにアジアのIT企業 を対象としたファンドなどに出資するといったことも考えられる。ただし、あくまでアジアに第2、第3のSMBCグループをつくる目的 のためにやるわけで、投資自体が自己目的化することはない」 ――中期経営計画でも「プラットフォーマー化」を掲げていますが、GAFAのように膨大な顧客を抱えたプラットフォーマーが金融 の領域に進出したときに、対抗できるのでしょうか。 「海外では競合になる可能性はあるだろう。だが、日本に入ってくる可能性は低い。これだけ金融のインフラが構築されていて 過当競争になっている環境では、さしものGAFAが入ってきても、設定する利益率はとても達成できない。実際、数年前からGA FAの脅威が叫ばれているが何も起こっていない」 ――アジアの金融機関の目線で見ると、国内市場が縮んでいる日本の金融機関から出資を受け入れるメリットは何でしょうか。 米国や中国などに出資してもらった方が、より成長を加速させてくれる可能性があるとは考えないでしょうか。 「そうとも限らない。まず、出資する方に興味があるかという点がある。米国の金融機関はアジアの市場に関心を抱いていない。 他方で、中国には警戒感がある国も少なくない。日本は今後、市場が縮小するといっても、金融を育ててきた歴史があるし、ノウ ハウや人材も持っている。日本の顧客もアジアに進出しており、我々への期待は大きい。インドでは進出している日本企業の 販売金融をやらせてほしいとの要望をうけた。こういうことはどんどんやっていきたい」 ――21年度はすでに海外で約4300億円の投資を決めています。1000億円の自社株買いや増配計画も発表しましたが、依然と してPBR(株価純資産倍率)は18日終値で0.47倍と解散価値を下回る状態が続いています。 「株価は経営者にとっては一つの通信簿。だからこのPBRはShame(恥)だと思っている。ただ人口が減少し、潜在成長率が1% に満たないような国で、金融が伸びていくのかというマクロ的な要素も大きい。マイナス金利政策が続く中、日本と金融の成長に ついて、非常に悲観的な見方が広がっている。株価を上げていくには、投資家が期待する成長の絵を、どう描いて、理解してもら うか。投資家との間にある情報格差をできるだけ縮めることによって、投資コストを下げることくらいしか有効な方策がない」 ――GAFAは年間数兆円の研究開発費を計上し、日本で時価総額が最も大きいトヨタ自動車も1兆円以上を投じています。三井 住友FGは今期6700億円の純利益のうち、4000億円近くを株主還元に充てる方針ですが、利益の大半を投資に充てるなど大胆 な手法をとるしか成長セクターと見なされる方法はないのではないでしょうか。 「余剰資本は、株主還元と成長投資にバランスよく充てると投資家に説明している。自社株買いは必ずしも悪くなくて、配当によ る資本の社外流出を減らすという効果もある。三井住友FGの配当利回りは5%を超えているから、自社株を買うのは、年利5%の投 資をしているのと同じだ」 ――アセットの配賦に制約がある中で、現状やりたいことができているということでしょうか。 「もちろん上を見ればキリがないが、いま資本に困って、投資や新しい試みが制約されているわけではない」 ――若手・中堅社員による現場起点のアイデアを生かし、社内ベンチャーを立ち上げる「社長製造業」の取り組みで起業に至っ たのはすでに10社を数えます。こうした企業の成長性が三井住友FGの株価に反映されれば市場の見方も変わるのではない でしょうか。 「すでに黒字化を達成している企業もあるが、銀行の子会社だからと市場価値が低く抑えられる可能性がある。だったらもう新 規株式公開(IPO)するしかない。これまで立ち上げた10社の社長にはIPOを目指すように言っている」 ――マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏の有名な言葉に「銀行業は必要だが、銀行はそうではない」というものがあります。 94年の発言です。あれから30年近くたちましたが、現実にはしっかり銀行が残っています。 「じゃあ『これからもずっと残っていきますか』と問われて、『このまま残っていきます』と答える人はもうあまりいない。銀行という 業務に固執する訳ではなく、金融が本業であるけれども、金融に付随するサービスや一緒にした方がいいサービスに自分たちで どんどん取り組んでいくし、自分たちができなければパートナーと一緒にやっていく。そういう発想だ」 日本株ADR18日 全面安、ソニーGが7%下落 銀行も安い 2022/01/19 06:20 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=横内理恵】18日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)はほぼ全面安だった。 同日の日米株式相場が下落し、日本株のADRにも売りが優勢だった。 18日に米マイクロソフトがゲームソフトのアクティビジョン・ブリザードの買収計画を発表し、競争激化への 懸念からソニーGが7%下げた。みずほFGや三井住友FGなど銀行も安い。 AD4219円 米国債券10年利回り1.872%、(+0.100) 東証寄り付き 下げ幅一時470円超 米ハイテク株安が重荷に 2022/01/19 09:24 日経速報ニュース 19日前場寄り付きの東京株式市場で日経平均株価は大幅に続落し、前日に比べ400円ほど安い2万7800円台後半で推移 している。前日の米株式市場で米長期金利の上昇を背景に主要株価指数がそろって下落した流れを受け、東京市場ではグロ ース(成長)株を中心に幅広い銘柄に売りが優勢となった。下げ幅は一時470円を超えた。 米金融政策が早期に正常化に向かうとの観測が根強い中、前日には原油先物相場の上昇でインフレへの警戒が一段と高ま り、米長期金利は一時1.87%と2020年1月以来の高水準を付けた。米株式市場では高いPER(株価収益率)のハイテク株を中 心に売りが優勢となった。 JPX日経インデックス400は続落。東証株価指数(TOPIX)も続落し、一時は節目の1950を下回った。 ソニーGやレーザーテク、トヨタなど主力銘柄が安い。一方、任天堂などゲーム関連の一角が買われている。資源価格の上昇 を背景にINPEXも高い。 東証10時 下げ幅500円超える ソニーGが下げ幅拡大 2022/01/19 10:11 日経速報ニュース 19日前場中ごろの東京株式市場で日経平均株価は下げ幅を拡大している。前日比400円ほど安い2万7800円台半ばで 推移している。米長期金利の上昇を背景にグロース(成長)株を中心に売りが続いている。米株価指数先物が日本時間19 日午前に軟調に推移していることも投資家心理の悪化につながり、下げ幅は500円を超える場面もある。 市場では「円安と原油高によるコスト上昇が国内企業の業績を下押しするとの懸念が強まっている」(みずほ証券の三浦 豊シニアテクニカルアナリスト)との指摘があった。東証株価指数(TOPIX)の下落率は一時2%を超えた。 10時現在の東証1部の売買代金は概算で1兆567億円、売買高は4億3877万株だった。ソニーGとレーザーテクが下げ 幅を拡大している。半面、任天堂は寄り付き直後から上げ幅を拡大した。ファストリなど小売関連株の一角も買わている。 アジア投資「手緩めない」、三井住友FG太田社長、業務純益、海外2割増へ。 2022/01/20 日本経済新聞 朝刊 三井住友フィナンシャルグループ(FG)の太田純社長は日本経済新聞のインタビューで、「アジアにおける投資の手を緩めるつもり はない」と述べ、今後もフィリピンやベトナム、インドネシア、インドなどで投資機会を模索していく考えを示した。2022年度までに海 外事業で、本業のもうけを示す業務純益を20年度比で2割引き上げる計画を掲げる。人口減少や低金利環境が続く中で、経済成長 が見込める海外での収益拡大に活路を見いだす。 矢継ぎ早に出資 三井住友FGは21年、ベトナムのノンバンク大手であるFEクレジット、フィリピンのリサール商業銀行(RCBC)、印ノンバンク大手 のフラトン・インディア・クレジット・カンパニーに相次ぎ出資した。投資額は3社合計で約3800億円。25年度までにのれん償却前 で400億円前後の利益貢献を狙う。 太田社長は「金融は国内総生産(GDP)と相関性の高いビジネス。GDPが伸びるところで成長の果実を取っていくしかない」と矢 継ぎ早にアジアに出資した狙いを語る。国際通貨基金(IMF)によると、昨年出資したベトナム、フィリピン、インドは22年のGDP成 長率でそれぞれ6・6%、6・3%、8・5%を見込む。新型コロナウイルス禍で単純に比較できないが、3・2%にとどまる日本と比べ、 相対的に高い成長が期待できる。 「可能性がある限り、複数の国のマクロ経済にベットする」。太田社長はこう話し、すでに資金を投じたフィリピンやベトナム、インド ネシア、インドを中心にさらなる出資の機会を狙うと強調した。 アジアへの出資で重視するのが、第2、第3のSMBC(三井住友銀行)グループをつくることだ。現地の金融機関への出資などを 通じ、複数の総合金融グループを立ち上げる。「国の経済が拡大する過程では、中間層が伸び、購買意欲が出てくるなかで金融が 発展する。二輪から四輪になり、クレジットカードが普及し、住宅ローンの残高が伸びる流れがある」と述べ、段階に応じて提供する 金融サービスを拡充していくとの見方を示した。 アジアには銀行の進出に出資規制を設ける国も多く、ベトナムやインドではまずノンバンクに出資した。フィリピンでは現地行への 少額出資を通じて足場を築いた。今後は現地当局の認可や規制緩和などで状況が整い次第、現地行へのM&A(合併・買収)や 出資比率の引き上げを通じて日本のようにフルバンキングのサービスを展開していく意向だ。 統合作業も大切 太田社長は「アジアでのファーストステップは踏み出したので、今後はPMI(M&A後の統合作業)が大事になってくる」と指摘。 海外事業の業務純益を22年度までに20年度の3600億円から4300億円に引き上げる計画の達成に向け、4月にも出資した アジアの個人向け部門のPMIを専属で担う組織を立ち上げる。 米投資銀行ジェフリーズ・ファイナンシャル・グループなどへの出資も加えると、21年度の海外投資は約4300億円に達する。 11月には1000億円の自社株買いや通期の配当予想の引き上げも発表したが、PBR(株価純資産倍率)は0・46倍にとどまっ ている。太田社長は「経営者にとっては株価は通信簿であり、現状のPBRは恥ずべきことだと思っている」として、成長に向けた 投資を続ける考えを示した。 三井住友FGは若手・中堅社員による現場起点のアイデアから社内ベンチャーを立ち上げる「社長製造業」に取り組んでいる。 太田社長は「すでに黒字化を達成している企業もあるが、銀行の子会社だからと市場価値が低く抑えられている可能性がある」 とした上で、「これまで立ち上げた10社の社長にはIPOを目指すように言っている」と語った。 日本株ADR19日、全面安 ソニーGは5%安 野村も下落 2022/01/20 06:06 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川内資子】19日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)はほぼ全面安だった。 同日の日米株式相場がともに下落したのが影響した。東京株式市場で急落したソニーGは5%下落し 、野村やトヨタ、ホンダも下げた。一方、みずほFGは小高い。 AD4136円 米国債券10年利回り1.852%、(-0.016) 円、年後半は日銀総裁人事めぐり神経質な展開も・シティの高島氏 2022/01/20 09:55 日経速報ニュース 高島修・シティグループ証券チーフFXストラテジスト 20日の東京外国為替市場で円相場は小幅に上昇するだろう。 上値めどは114円20銭近辺と予想する。19日の取引で米長期金利が小幅ながら低下し、日米金利差の縮小を意識 した円買い・ドル売りが先行しそうだ。もっとも東京時間帯は手がかりとなる新規材料に乏しい。来週に米連邦公開市 場委員会(FOMC)を控えていることもあって、上値余地は限られる。 前週末に日銀の政策変更を巡る思惑が広がったことを受け、円相場の値動きが不安定になる場面があった。1年 前に比べれば、海外投資家の日銀の金融政策に対する関心は高まっている印象は受けるが、日銀は当面、金融 緩和策を維持するとみられ、日銀の金融政策運営を手がかりにした取引が盛り上がる場面は目先では少ないだろう。 一方、黒田東彦総裁の任期が2023年4月に迫り、年後半にかけては次期総裁に関する報道などで円相場が神経質 な動きになる局面もありそうだ。 長期金利、上昇圧力和らぐ 日銀総裁「全面否定」で思惑払拭 2022/01/19 17:28 日経速報ニュース 国内債券市場で、長期金利への上昇圧力がやや落ち着いてきた。前週から債券市場の一部で広がっていた日銀の金融 緩和修正への思惑が、払拭されたためだ。日銀の黒田東彦総裁が利上げへの議論を「全面否定」したことが投資家の買い 安心感につながり、米金利急騰を受けた債券の売り圧力を抑えている。 19日の国内の長期金利は前日比で上昇(債券価格は下落)した後、同横ばいに戻した。指標となる新発10年物国債の利 回りは前日と同じ0.135%。18日の米長期金利の上昇を受けて朝方には同0.010%高い0.145%をつける場面があった。 年明け以降、欧米などの長期金利上昇に引っ張られる形で国内の長期金利も上昇基調にある。そこへ降ってわいたのが、 14日のロイター通信による「日銀は最終的に行う利上げをどれだけ前に市場に伝えることができるか議論している」との報道 だ。日銀が金融政策を修正するとの思惑から、同日の債券市場では「海外勢(の参加)が多い先物で、反射的に売りが出た」 (国内証券の債券ストラテジスト)。先物は一時、2021年2月以来の安値に下落し、長期金利も0.155%と21年2月末以来の 高水準をつける場面があった。 流れを変えたのは黒田総裁の発言だった。「利上げや、現在の緩和的な金融政策を変更することは全く考えていないし、 そうした議論もしていない」――。金融政策決定会合が終了した後の18日午後の記者会見でそう述べたと伝わると、債券 市場ではすぐさま買い戻しが入った。夜間取引の時間帯に入っていた債券先物は、同日の清算値と比べ17銭高い150円 91銭まで買われる場面があった。長期金利は会見前と比べ0.010%低い0.135%に低下した。三菱UFJモルガン・スタンレ ー証券の石井純氏は「黒田総裁が政策修正の思惑を全面否定したため」と指摘する。 とはいえ米長期金利の先高観は根強く、国内金利にも上昇圧力はくすぶり続けている。金利先物から市場が織り込む利 上げ度合いを算出する「フェドウオッチ」によると、今年12月中旬に米政策金利が1.25〜1.50%まで引き上げられるとの予想 は足元で約30%と、1週間前の約18%から急速に高まった。金融仲介会社タレットプレボンによると、米長期金利は日本時 間19日の取引で一時1.89%台に上昇。じりじりと上げ幅を広げている。 国内の長期金利は17日以降、市場参加者が意識する0.150%を超える水準をつけていない。三菱モルガンの石井氏は 「日銀は(市場の思惑を)全面否定したものの、政策修正への疑心暗鬼は続く」としたうえで「中期債を中心に金利水準が 高止まれば、長期債にも影響が及ぶ」とみる。岡三証券の鈴木誠氏は「米長期金利が2%を超えれば、国内の長期金利 が0.150%を(超える方向へ)抜けるのではないか」と予想する。国内外の要因をにらみながら、高水準での攻防が続きそうだ。 米銀、強まる「一人勝ち」、前期は大手4行が最高益、M&A助言など好調、市場に変調、逆風も。 2022/01/21 日本経済新聞 朝刊 【ニューヨーク=宮本岳則】世界の金融機関で米大手銀行の強さが際立っている。主要6行の2021年12月期決算は、JPモルガン ・チェースなど4行が過去最高益を更新した。活発なM&A(合併・買収)の助言業務でシェアを伸ばし、米国内の富裕層ビジネスも好 調だった。今期もIT(情報技術)や人材関連で攻めの投資を続けるが、足元の株価変調や過度なインフレが逆風になるリスクもある。 19日までに出そろった21年12月期決算ではJPモルガンに加え、バンク・オブ・アメリカやゴールドマン・サックス、モルガン・スタン レーが過去最高の純利益を記録した。米国の景気回復で貸倒引当金の戻し入れが発生し、企業の攻めの投資から恩恵を受ける投資 銀行業務も好調だった。収益面で英HSBCなど欧州大手銀や日本のメガバンクとの差が広がり、米銀1強の構図が強まる。 米銀の強さには構造的な要因がある。M&Aの助言、株式や債券の引き受けといった投資銀行部門は北米市場が最大だ。米銀は 圧倒的な地位を占め、21年のM&Aブームの追い風を受けた。母国市場での高い収益力を背景に、欧州やアジア事業を強化してい る。金融情報会社リフィニティブによれば米銀5行の手数料シェアは世界で3割に達し、16年以降で最も高くなった。 「EMEA(欧州・中近東・アフリカ)と北米は非常に好調だ」。シティグループのマーク・メイソン最高財務責任者(CFO)は14日の決算 説明会で手応えを口にした。低収益の海外リテール部門のリストラを進める一方、投資銀行事業ではヘルスケアやテクノロジー分野の バンカーを増員している。 経営体力で劣る欧州勢はトレーディング事業の縮小に動く。クレディ・スイスは昨年、ヘッジファンドに取引機能を提供する「プライムブ ローカレッジ」業務からの撤退を発表した。ドイツ銀行は株式取引事業から撤退済みだ。米銀は08年のリーマン危機後の規制強化に 苦しんだ時期もあったが、20年以降のトレーディング活況で息を吹き返し、残存者利益を享受している。 伝統的な商業銀行ビジネスでも米銀は優位な立場にいる。米銀のリテール部門はクレジットカード事業の構成比が大きく、利ざやが 稼ぎやすい。新型コロナウイルス禍を受けた米政府の財政支出効果で米個人の消費意欲は強い。 FRBの金融政策の正常化もプラスに働く。金利上昇によって、貸付利息や有価証券利息の収益が増えるからだ。バンカメのアラス テア・ボースウィックCFOは19日の説明会で「22年の純金利収入は21年対比で増える」と述べた。 もっとも22年12月期は不透明感が増している。金融政策の正常化は金利収入にプラスとなる半面、米景気鈍化や市場の混乱で 企業活動が鈍る恐れがある。投資銀行業務が21年の米銀決算を支えていただけに、22年の増益のハードルは高い。 それでも米銀が攻めの手を緩める様子はない。JPモルガンは14日、22年の非金利費用が前年比9%増の770億ドルに膨らみ そうだと公表した。IT関連に120億ドルを投じるなど、今後の収益源の確保に向けた積極策を続ける。 バンカメは今期、既存業務向けのIT支出とは別に、新技術の開発資金として35億ドルを振り向ける。ボースウィックCFOは「デジ タルトランスフォーメーション(DX)を加速させる」と話した。米決済大手ペイパル・ホールディングスなどフィンテック勢が台頭し、今後 も投資増で競争力の維持を狙う。欧州銀や邦銀にとって米銀の背中は遠く、投資スタンスの差で格差が一段と広がる可能性もある。 銀行・保険、規制緩和で対立、第一生命「銀行参入」で再燃、「保険金」運用で顧客争奪。 2022/01/21 日本経済新聞 朝刊 銀行代理業への参入をめざす第一生命保険に銀行界が神経をとがらせている。第一生命は預金口座を通じて顧客との接点を 確保する狙いがあるが、警戒する銀行側は保険の販売時に課せられる規制の緩和を訴える。異業種が銀行業に参入する垣根 なき時代に、大手の金融機関によるつばぜり合いが続く。 第一生命は昨年12月に住信SBIネット銀行、楽天銀行のシステムを使って代理業に乗り出す方針を発表した。金融庁の許可 を得たうえで、今年半ば以降にサービスを始める計画だ。参入の背景には保険金を一度支払えば、契約者との関係を維持しに くくなる現状への危機感がある。 2020年度に第一生命が支払った死亡保険金や入院給付金などは合計で1兆5000億円弱。保険金を支払ったり、契約が満 期を迎えたりしても顧客を預金口座で囲い込み、保険金を投資信託などで運用してもらうなど収益源を重層化していく考えだ。 こうした動きに銀行界は警戒感を強める。口座を経由したお金の流れを知り得る立場の銀行にとり、顧客に振り込まれた保険金 は運用商品の提案につながる好機となるからだ。第一生命が代理業を通じ、預金口座の機能を顧客に提供するのは「銀行の領 域に踏み込んでくるようなもの」(大手行の幹部)と映る。 そこで銀行側が訴えを強めるのが、保険の販売時に課せられる規制の緩和だ。保険商品の銀行窓販は01年から段階的に認 められ、07年に全面解禁された。それでも銀行が優越的な地位を使い、融資先の企業などに契約を強いる弊害を防ぐ規制は残さ れている。 大手行は窓販だけではなく、インターネットバンキングやスマートフォンのアプリでがん保険やペット保険を取り扱う。「あなたの会 社は弊行に事業性の融資を申し込んでいますか」「従業員数を教えてください」――。既存の規制に合わせた確認作業に煩わし さを感じ、約9割の顧客が入力の途中で契約を諦めるという。 大手行の担当者は「社長や役員ならともかく、勤め先の会社が融資を受けているからといって従業員までが入力する必要はある のだろうか」と疑問を投げかける。地方銀行の幹部も「銀行の立場が強かった名残の規制は時代遅れだ」と話す。対する大手の 生命保険会社は「銀行が優位な立場に変わりはなく、規制を緩和する必要性はまったくない」と訴える。 銀行と証券会社で顧客情報の共有に制約を課す「ファイアウオール規制」をめぐっては証券側の反対論を抑えて大企業向けで 規制が緩められることになった。残る論点として、中堅・中小企業や個人向けの規制をどうするか議論が始まる見通しだ。 ある生保の関係者は「銀行と証券会社の議論が落着すれば、新たな規制緩和の矛先が本格的に保険へ向いてくるのでは」と 早くも身構えている。 日本株ADR20日、売り優勢 メガバンクの下げ目立つ 2022/01/21 06:12 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=古江敦子】20日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は売り優勢だった。 同日の米株式相場が下落し、日本株ADRにも売りが広がった。 三菱UFJが1%強下げ、三井住友FGとみずほFGも下落した。ホンダとオリックスも安い。 一方、ソニーGは3%上昇した。 AD4097円 米国債券10年利回り1.816%、(-0.011) 2022年01月19日13時17分 三菱UFJ---大幅続落、ゴールドマンの決算受けた米金融株安に押される。 三菱UFJ<8306>は大幅続落。前日の米国市場では10年物国債利回りが1.87%台と2年ぶりの水準にまで上昇した が、本日は長期金利上昇をポジティブ視する動きは限定的、米金融株安の流れに押される展開となっている。10-12月 期決算を発表したゴールドマン・サックスが7%安と急落したことが米金融株安の背景。ゴールドマン・サックスはトレー ディング部門が振るわず、10-12月期EPSが市場予想を下回っている。 東証寄り付き 大幅反落し600円安、米株安重荷 トヨタは4%超安 2022/01/21 09:25 日経速報ニュース 21日前場寄り付きの東京株式市場で日経平均株価は大幅に反落し、前日に比べ600円ほど安い2万7100円台後半で推移 している。前日の米株式市場で主要3指数がそろって下落した。東京市場でも投資家が運用リスクを回避する姿勢を強め、幅 広い銘柄に売りが出ている。 前日の米国市場では主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が3%超下げ、東京市場でも 東エレクやアドテストといった値がさの半導体関連銘柄が売られ、指数を押し下げている。 トヨタは4%超下げている。国内11工場の一部の稼働を停止すると伝わり、生産台数の下振れへの警戒から売りが出ている。 外国為替市場では円相場が1ドル=114円ちょうど前後まで円高・ドル安が進み、輸出採算が悪化するとの思惑もあって自動 車株は軒並み下げている。 国内では、新型コロナウイルスの新規感染者数の増加が続いている。緊急事態宣言に準じた措置をとれるまん延防止等重 点措置をめぐって、政府は自治体からの要請を受けて北海道や大阪など8道府県に追加適用する方針だなどと伝わった。きょ うから適用が始まった東京などを含めると、重点措置の対象は24都道府県になる。経済活動の下押しにつながるとの見方が、 小売りなど内需関連の一部の重荷となっている。 JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)はともに反落している。 ソフトバンクグループやデンソー、セブン&アイが下げている。海運株の下げも目立つ。一方、伊藤忠やトレンド、オリンパスが 高い。 長期金利、0.130%に低下 米債高で買い 2022/01/21 09:28 日経速報ニュース 21日午前の国内債券市場で長期金利は低下(価格は上昇)した。指標となる新発10年物国債の利回りは前日比0.010% 低い0.130%を付けた。米国株安や経済指標を材料とする米雇用情勢の先行きへの警戒感などを背景に20日の米長期金利 が低下し、国内債にも買いが波及した。 株安値接近、すくむ市場「全部売り」 金融機関に波及警戒(永井洋一) 2022/01/21 11:14 日経速報ニュース 米国を発端とした世界的な金利の急騰を受け米国や日本で株安が加速、株式市場がすくんでいる。21日の東京市場では日経 平均株価の下げ幅が一時600円を超え、2021年8月の昨年来安値に接近した。米国のオーバーキル(過度な金融引き締めによる 景気後退)への不安に加え、金利上昇(債券価格の下落)で国債や社債の含み損が拡大し、機関投資家のバランスシートが毀損 するとの懸念が頭をもたげている。売りは不動産投資信託(REIT)に波及し、「全部売り」の様相だ。 ■主力株急落、「合わせ切り」説 「ミンスキー・モーメント」。バブル崩壊のメカニズムを説明したこの古くて新しい造語が語られている。投機による資産と債務の拡 大が限界に達し、投げ売りが始まる臨界点という意味だ。 年初から買われていたトヨタ自動車や日本郵船、ソニーグループなどの主力大型株が19日から急速に売られ出した。機関投資家 の保有が多い銘柄だ。昨年、米長期金利が急騰した3月は信託銀行を中心に国内金融機関による日本株の売越額が約1兆9300 億円と03年以降で最大となった。 主力大型株急落の真相は現時点ではわからないが、金融機関の益出し説が取り沙汰されている。含み損を抱えた資産と含み益 のある資産を同時に売却し、財務への影響を少なくする機関投資家の定石だ。 東証REIT指数も下げ止まらない。年初から20日までの下落率は12%。日経平均の5%を上回る。東証によれば国内金融機関 はREITの5割強を保有している。 日銀の金融システムリポートによれば、国内金融機関の外債の保有残高は約60兆円。足元では横ばいだが、過去10年では2倍 前後に膨らんでいる。 ■金融機関に「金利上昇リスク」 国際通貨基金(IMF)は21年10月の国際金融安定性報告書で、「多くの国では高い債務水準と多額の政府資金需要が脆弱性 の原因となっている」と分析。「世界の金利が予想以上に上昇した場合には注意が必要」と指摘した。 インフレが加速した場合の世界の機関投資家の財務に及ぼす影響についても警鐘を鳴らした。IMFによれば、特に生命保険会 社は投資収益率の向上のため世界の債券の約20%、クレジット投資の約30%を保有。債券の利回りや企業の社債スプレッド( 国債との利回り差)が大幅かつ急激に上昇(価格が下落)した場合、一部の国の保険会社では、時価評価による損失が30%に 達する可能性があるという。 日本株の最近の下落を国内機関投資家の決算対策に伴う売りが主導しているのであれば、追随売りは分が悪いだろう。前場は 売り一巡後は下げ渋っている。 だが、物価が上がらないディスインフレからスタグフレーション(景気停滞下のインフレ)へという世界経済の不気味なトレンド転換 の足音は着実に忍び寄っている。日経平均は昨年来安値を更新するとチャート分析の観点では長期上昇相場の変調を示唆する 可能性が浮上する。 日本株ADR21日、売り優勢 ソニーGとトヨタが下落 2022/01/22 06:17 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川上純平】21日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は売り優勢だった。 同日の日米株式相場が下落し、日本株ADRにも売りが出た。ソニーGとトヨタが下落した。 三井住友FGとみずほFGも安い。一方、野村と武田は買われた。 AD4058円 米国債券10年利回り1.770%、(-0.064) <東証>三菱UFJが小動き 米長期金利低下と銀行株安重荷 2022/01/24 09:36 日経速報ニュース (9時30分、コード8306)三菱UFJは前週末終値(674円70銭)近辺での小動きとなっている。前週末21日の米市場では 長期金利の低下を受けて、利ざや縮小懸念から金融セクターに売りが広がり、主要銀行で構成するKBW銀行株指数は 3.2%安となった。国内メガバンクの一角である三菱UFJ株の重荷になっている。前週以降の下げの反動で持ち直す場 面もみられるが、上値は重い。 21日は米長期金利が1.75%近辺と20日終値(1.80%)を下回って推移した。19日に一時1.90%まで上昇して以降は 低下が目立っている。米長期金利低下の背景は株式相場の下落だけでなく、景気の先行き懸念も反映されていると みる向きもある。 2022年01月24日09時13分 三菱UFJ、第一生命HDなど強弱観対立、米経済先行き不透明感から米長期金利は低下基調に 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>などメガバンクや第一生命ホールディングス<8750>など大手生保株は 前週末終値近辺で売り買い交錯、足もと強弱観を対立させている。 前週末の米国株市場では米10年債利回りが続落し、フシ目の1.8%台を大きく下回り、1.76%台まで水準を 切り下げてきた。FRBによる金融引き締めの前倒しが見込まれるなか、行き過ぎた引き締めスタンスが米経済に 下押し圧力を与えるとの思惑が長期金利の低下につながっているもようだ。これを背景にゴールドマン・サックス <GS>やJPモルガン<JPM>など大手金融株は下値模索の動きを続けたが、東京市場では、ここメガバンク、大手 生保株いずれも下落基調を続けていただけに、足もと値ごろ感からの押し目買いも観測されている。 長期金利、0.135%に上昇 米長期金利の上昇で 2022/01/24 10:52 日経速報ニュース 24日午前の国内債券市場で長期金利は上昇(債券価格は下落)した。指標となる新発10年物国債の利回りは 前週末比0.005%高い0.135%をつけた。米長期金利が日本時間24日午前の取引で1.78%近辺まで上昇し、国 内債にも売りが波及した。米長期金利は前週末に1.76%で取引を終えていた。 日本株ADR24日、高安まちまち キヤノン上昇、武田は安い 2022/01/25 06:43 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川上純平】24日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は高安まちまちだった。 米ダウ工業株30種平均は一時前週末比1000ドル超下落したものの、押し目買いが入りプラスで終えた。 日本株ADRも売り買いが交錯。キヤノンとみずほFGが上昇した半面、武田や野村は下落した。 AD4109円 米国債券10年利回り1.774%、(+0.027) 東証10時 じり安、一時500円超安 9割が値下がり 2022/01/25 10:09 日経速報ニュース 25日前場中ごろの東京株式市場で日経平均株価はじり安。前日比480円ほど安い2万7100円台前半で推移している。 米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、持ち高を減らす動きが強まっている。日本時間25日の取引で米株価指数先物 が軟調なことも投資家心理を冷やしている。日経平均の下げ幅は一時500円を超えた。 市場では「米連邦準備理事会(FRB)による急速な金融引き締めへの警戒感があり、FOMCの結果発表までは不安定 な相場となりやすい」(三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジスト)との声が聞かれた。 幅広い銘柄に売りが出て、東証1部の9割近くが値下がりしている。東証株価指数(TOPIX)は1900を割り込む場面がある。 10時現在の東証1部の売買代金は概算で9196億円、売買高は3億7351万株だった。 楽天グループやリクルートは下げ幅を拡大。GSユアサやミネベア、川崎汽が安い。一方、キヤノンやKDDI、ネクソンが高い。 株大幅安 午後は下げ渋る・東海東京の鈴木氏 日銀ETF買いで 2022/01/25 12:20 日経速報ニュース 鈴木誠一・東海東京調査センター・チーフエクイティマーケットアナリスト 25日午後の東京株式市場で日経平均株価は 下げ幅を縮小するだろう。午前の東証株価指数(TOPIX)の下落率が2%を超え、日銀による上場投資信託(ETF)の買 いが期待できるためだ。 一方、相場の急落に伴い値動きが指数の倍になる「レバレッジ型」と呼ばれる上場投資信託(ETF)や投資信託の先物 売買による売りは出やすい。日経平均先物への売り圧力が強まるものの、日銀のETF買いはTOPIX型に絞られるため、 日経平均よりもTOPIXが相対的に底堅い展開となるとみている。 目先は不安定な相場が続きそうだ。米金融政策の正常化への警戒感、ウクライナ情勢を巡る地政学リスクなどをマーケ ットで織り込む動きが強まっている。米株式市場では決算発表を前に自社株買いが停止する期間で需給面の悪い時期で もある。(26日の)米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表までは多くの投資家は運用リスクを抑える傾向が続くだろう。 株2万7000円割れ 当面は下値模索が続く・楽天証の窪田氏 2022/01/25 13:26 日経速報ニュース 窪田真之・楽天証券経済研究所チーフ・ストラテジスト 25日午後の東京株式市場で日経平均株価が節目の 2万7000円下回った。当面は下値模索の展開が続くとみている。米金融政策の転換への警戒感だけではここ まで下がらない。米中を中心とした世界景気の腰折れ懸念も意識されているのだろう。年央にかけて株式相場 が上昇していく強気の予想を掲げていたが、見直す必要が出てきたかもしれない。 米国では2021年12月の小売売上高が前月比1.9%減となるなど、インフレが消費に与える悪影響が表面化 しつつある。新型コロナウイルス禍で落ち込んだリベンジ消費も一巡した可能性があり、危機対応の政策が終 わることによる「財政の崖」も懸念材料だ。中国景気の減速に拍車がかかるのは間違いないとみており、いず れも株式相場を下押しするリスクになっている。 日本株ADR25日 買いが優勢 キヤノンが上昇、野村も高い 2022/01/26 06:20 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=横内理恵】25日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は買いが優勢だった。 同日はダウ工業株30種平均が上げに転じる場面があり、日本株のADRにも物色が入った。 キヤノンが2%あまり上げ、野村や三菱UFJ、ホンダも高い。 一方、オリックスが下落し、ソニーGも安い。 AD4145円 米国債券10年利回り1.780%、(+0.045) 銀行窓口業務、DXで縮小、税公金納付、維持厳しく、三井住友銀や三菱UFJ信託銀、取引自治体を絞り込み。 2022/01/26 日本経済新聞 朝刊 メガバンクなど大手銀行の窓口業務の縮小が加速している。三井住友銀行や三菱UFJ信託銀行が2022年春以降、窓口で 税金や公共料金の支払いができる自治体を絞り込む。これまで自治体にほぼ無料で提供してきたが、長引く低金利で収益環 境が悪化するなか、サービスを維持するのが難しくなっている。業界をあげてデジタルを使った支払い手段を普及させる方向だ。 各金融機関は自治体の「収納代理金融機関」として、税金や公共料金を納める個人の窓口となっている。個人は固定資産税 や自動車税を支払う際、郵送された納付書を銀行窓口に持参したり、口座振替をしたりして支払いをしている。 三井住友銀行は4月から全国178市町村を対象に窓口での税公金の納付業務を終了する。大半は口座振替への移行を促 すが、15自治体では口座振替も取りやめる。三菱UFJ信託銀行も4月以降、45自治体で順次窓口での業務を廃止し、この うち12自治体では口座振替もやめる。 みずほ銀行は10月、栃木県矢板市で収納代理金融機関としての取引を終了する。窓口で納付書の取り扱いは続けるが、 今後は手数料を設ける。矢板市では20年度にみずほ銀行窓口での支払いが3000件超あったという。全体からみれば少な いが、市担当者は「取り扱いが終了する10月以降、混乱が起きなければよいが」と頭を悩ませる。 各行が相次ぎ窓口での納付業務を取りやめる背景には、事務負担の重さがある。収納代理金融機関は個人から支払いを 受けた後、市町村が定める指定金融機関に送金する。納付書類を自治体に送る必要もあるが、様式がバラバラで機械化 できない。全国銀行協会の調査によると、金融機関全体で関連コストは年間約622億円にのぼる。 三井住友FG、自然破壊リスク開示組織に参画。 2022/01/26 日本経済新聞 朝刊 三井住友フィナンシャルグループは25日、自然環境の破壊リスクを開示する仕組みをつくる「自然関連財務情報開示タスク フォース(TNFD)」に参画したと発表した。企業財務に与えるリスクを開示し、生物多様性の向上につながる資金循環を促す。 TNFDは21年、欧州の金融機関などが主導して発足した。世界の金融当局からなる金融安定理事会(FSB)が設置した 「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」にならった仕組みで、23年中にも自然破壊が企業財務に与える影響を開 示する枠組みを示す方針だ。 自然の破壊で生物の多様性が失われれば企業のサプライチェーン(供給網)が寸断されたり、農業などの業種で生産性が 下がったりする懸念がある。非財務情報の高度化が求められるなか、幅広い顧客基盤を持つ金融機関として開示の充実を 目指す。TNFDには日本の金融機関ではMS&ADインシュアランスグループホールディングスや損害保険ジャパンなどが 加わるが、メガバンクの参画は初という。 日経平均、小幅続落で始まる 米ハイテク株安が重荷 2022/01/26 09:11 日経速報ニュース 26日の東京株式市場で日経平均株価は小幅続落して始まった。始値は前日比25円36銭安の2万7105円98銭。 前日の米株式市場でハイテク株が大きく売られたのが重荷になっている。半面、前日まで下げ基調を強めていた 反動で目先の上昇を見込んだ買いも入りやすく、小幅高に転じる場面もある。 東証前引け 続落、米金融政策を警戒 一時1年1カ月ぶり安値 2022/01/26 11:45 日経速報ニュース 26日午前の東京株式市場で日経平均株価は続落し、前日比107円26銭(0.40%)安の2万7024円08銭で前場を終えた。 米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めを警戒した前日の米ハイテク株安が売りを促した。値がさの主力株の下げが 全体を押し下げた。 日経平均は連日で取引時間中に2万7000円の節目を下回り、一時は約1年1カ月ぶりの安値まで下げた。投資家からは 、米金融政策に対する警戒に加え「岸田首相の政策や発言は具体性に欠ける内容がいまだ多く、投資家の信頼を得られて いないのも心理的な重荷になっている」という声が聞かれた。 もっとも、主要ハイテク株で構成するナスダック100株価指数の先物「Eミニ・ナスダック100」が日本時間午前の取引で上昇 し、日本株にも下値では買いが入った。 JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は小幅に続落した。 前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆3916億円、売買高は5億1074万株だった。東証1部の値下がり銘柄数 は980と、全体の約45%だった。値上がりは1070、変わらずは131銘柄だった。 東エレク、ファナック、ファストリ、KDDIが下落した。一方、ソフトバンクグループ(SBG)、スズキ、ソニーGが上昇した。 株、日米で「売られすぎ」サイン点灯 2万7000円割れも底堅さ 2022/01/26 12:28 日経速報ニュース 26日午前の日経平均株価は続落し、前日比107円(0.4%)安の2万7024円となった。米金融政策への警戒から米株の下げが 止まらず、東京市場でも運用リスクを回避する売りが優勢だった。取引時間中に日経平均は一時2万7000円を割り込んだが、底 堅さもみせた。日米株に点灯した「売られすぎ」のサインが支えになっている。 「日経平均の一段安への警戒が高まっている」(大手銀行トレーダー)。それを示すのが株価指数オプション市場の動向だ。株安 局面で利益が出る「売る権利(プット)」の売買が活況で、特に2月限月の行使価格2万4000〜2万6000円のプットの売買高が増 えている。 東京市場でさえないのは主力銘柄だ。主要な半導体関連銘柄で構成する米フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が前日に3カ 月ぶりの安値を付けた流れで、値がさの半導体製造装置の東京エレクトロンが前引け時点で1.5%安となった。4〜12月期決算 の発表を予定するファナックは3.6%下げた。 もっとも、市場全体をみれば底入れの兆しもなくはない。東証1部の騰落レシオ(25日移動平均)は前日時点で84.74%。きょう の下げで「売られすぎ」の目安となる80%がさらに近づいた格好だ。ハイテク株比率の高い米ナスダック総合株価指数は今年に 入り前日までに13%下げ、相場の過熱感を示すRSI(相対力指数、14日移動平均)は前日時点で14.5まで低下。「売られすぎ 」の目安とされる30を大きく下回った。 日本時間27日未明には市場が注目する米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が公表される。米ハイテク株の売りを促す 米長期金利の動向が気がかりだが、直近に実施された米2年債入札と米5年債入札の「好調」な結果をみると、米債券市場 では米利上げに対する織り込みがある程度進んだとも解釈できる。市場では「米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めに さらに前向きになるリスクへの警戒が後退している」(大手国内証券の米債ディーラー)との声も聞かれ始めた。 きょう取引終了後に予定される日本電産とファナックから国内主要企業の決算発表が本格化する。東海東京調査センターの 鈴木誠一チーフエクイティマーケットアナリストは「自社株買いの発表も予想され、日本株の下支え要因が増えるのではないか 」と指摘する。年初から株式相場の下落局面が続いたが、ようやく悪材料の出尽くしがみえてくるかもしれない。 日本株ADR26日 売り優勢、オリックスやキヤノンが下落 2022/01/27 06:08 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=横内理恵】26日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は売りが優勢だった。 同日の日経平均株価やダウ工業株30種平均が下落し、日本株のADRにも売りが出た。 オリックスは2.5%下落し、キヤノンと野村の下げも2%強に達した。ホンダやトヨタも下げた。 一方、三菱UFJやソニーGは小幅に上げた。 AD4162円 米国債券10年利回り1.867%、(+0.082) 日銀、利上げ観測火消し、1月会合、黒田総裁「議論していない」。 2022/01/27 日本経済新聞 朝刊 日銀が26日公表した金融政策決定会合(17〜18日開催)の「主な意見」で、早期利上げ観測を火消しする動きが目立った。 利上げの思惑が広がると、長期金利に上昇圧力がかかり、景気を冷やしかねない。日銀は物価の上振れリスクに警戒しながら も、緩和正常化の議論は封印するとの姿勢を明確にしている。 この会合の数日前、一部通信社が「日銀は物価上昇率が2%に達する前でも利上げできるか議論している」と報じた。金融市 場は緩和長期化を前提としていたため、報道を受けて、円高・ドル安も進んだ。だが、黒田東彦総裁は18日の記者会見で利上 げについて「全く考えていないし、議論もしていない」と否定した。 「主な意見」でも議論の形跡はなかった。むしろ、物価目標達成まで緩和を続けることを「誤解がないように対外的によく伝える べきだ」などと、報道を念頭においたとみられる発言が相次いだ。 日銀はこの会合で2022年度の物価上昇率見通しを0・9%から1・1%に引き上げた。主因はエネルギー価格の上昇だ。23年 度も物価上昇率は1・1%にとどまる見立てで、黒田総裁は「まだ2%にかなり遠い」と強調する。黒田総裁の任期満了は23年4 月。それまで、黒田総裁自身が緩和正常化を探る意志が薄いことが垣間見える。 一方、会合では「企業がコスト転嫁を加速させる上振れリスクもある」といった発言も出た。物価上昇率は「瞬間風速的に2%に 近い水準まで上昇する可能性がある」と数値に言及する指摘も複数あった。 消費者物価指数(CPI)は4月に携帯電話通信料の押し下げ効果が弱まり、上昇率は2%に迫る可能性がある。年後半には再 び1%程度に鈍るとの見立てが日銀内で多いが、前例のない経済情勢とあって不確実性は高い。 想定外に物価上昇が長引くリスクもある。日銀関係者の間では「将来の緩和修正を含め、水面下でさまざまな議論がなされてい る」との声も多い。春以降の物価情勢次第では、「動かぬ日銀」の姿勢が変わる可能性もありそうだ。 FOMC 株、内容に驚きなし・楽天の香川氏 2万6800〜2万7100円で推移か 2022/01/27 08:01 日経速報ニュース 香川睦・楽天証券経済研究所チーフグローバルストラテジスト 27日の東京株式市場で日経平均株価は下落して始まり そうだ。米連邦公開市場委員会(FOMC)の内容に驚きはなかったが、市場関係者の中にはパウエル米連邦準備理事会 (FRB)議長の発言を(金融引き締めに前向きな)タカ派と受け止めて売りを出す投資家もいるだろう。 ウクライナ情勢や新型コロナウイルス感染拡大による景気の不透明感は引き続き懸念材料だ。米長期金利の上昇や、 米テスラが決算発表後に時間外で株価が下落したのも日本株の値がさグロース(成長)株の重荷となりそうだ。 一方、外国為替市場の円安・ドル高や、国内企業で業績の上方修正が出てきていることは日本株相場の下支えとなる だろう。割安感のある銘柄などへの買い直しも期待される。日経平均は2万6800〜2万7100円での推移とみている。 2022年01月27日09時22分 三菱UFJなどメガバンクは揃って続伸、FOMC受けた米長期金利の急騰が株価刺激 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411> などメガバンクは揃って続伸、上値指向を強めている。 前日まで行われていたFOMCではFRBのタカ派的な姿勢が改めて確認されたことで、米長期金利は上昇傾向が鮮明と なっている。米10年債利回りは前日終値ベースで0.9%あまりの急騰をみせ1.86%台まで水準を切り上げた。前日の 米国株市場ではNYダウは終盤値を崩したものの、大手金融株は軒並みプラス圏で引けている。東京市場でも、米国事業 を展開するメガバンクは金利上昇による運用環境の改善を評価する買いが先行している。 日経平均、下げ幅600円超す 日経平均VIは30超え 2022/01/27 10:57 日経速報ニュース 27日前場の東京株式市場で日経平均株価は一時、前日比の下げ幅が600円を超え、2万6400円近辺まで下げた。 日本時間27日午前の米株価指数先物が下げ幅を拡大しており、東京市場でも相場の重荷になっている。日経平均 株価を対象としたオプション価格から算出する日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は、節目の30を一時上回 った。取引時間中に30を上回るのは昨年12月6日以来。 市場では26日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表から時間が経過するにつれて、米連邦準備理事会 (FRB)のタカ派ぶりが改めて意識され、一段安につながっているとの見方がある。「海外勢の売りが目立ち、CTA (商品投資顧問)など短期筋以外に、年金などもグローバルに株式の比率を落としている可能性がある」(三菱UFJ モルガン・スタンレー証券の藤戸則弘チーフ投資ストラテジスト)との声が聞かれた。 日経平均大引け 3日続落、連日で昨年来安値 841円安の2万6170円 2022/01/27 15:02 日経速報ニュース 27日の東京株式市場で日経平均株価は大幅に3日続落し、前日比841円03銭(3.11%)安の2万6170円30銭と、 連日で昨年来安値を更新した。米連邦準備理事会(FRB)が26日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)を 受けて、タカ派色の一段の強まりを警戒した売りが膨らんだ。 三井住友トラの4〜12月期、最終益1418億円 前年同期は1266億円の黒字 2022/01/27 16:00 日経速報ニュース 三井住友トラスト・ホールディングス(8309) 前4〜12 今4〜12 通期予想 経常収益 9,226 10,060 ― 営業利益 ― ― ― 経常利益 180,024 193,921 ― 最終利益 126,613 141,867 155,000 1株利益 338.05 378.76 413.80 (注)単位:経常収益は億円、利益は百万円、1株利益は円、▲は損失 2022/01/27 16:05 三井住友FG(8316) 米系大手証券、レーティング強気継続。目標株価引き上げ、5,200円。 米系大手証券が1月27日、三井住友フィナンシャルグループ<8316>のレーティングを強気(1(買い))に据え置いた。 一方、目標株価は4,900円から5,200円に引き上げた。因みに前日(1月26日)時点のレーティングコンセンサスは4.36 (アナリスト数11人)で「やや強気」の水準、目標株価コンセンサスは4,960円(アナリスト数11人)となっている。 2022/01/27 22:45 三井住友FG(8316) 22年3月期経常予想。対前週0.5%上昇。 三井住友フィナンシャルグループ<8316>の経常利益予想コンセンサスは、前週値の1,002,993百万円から0.5%上昇し 1,008,504百万円となった。因みにレーティングコンセンサスは4.4で変わらずのまま。 日本株ADR27日、売り優勢 ソニーGが6%安 2022/01/28 06:13 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川内資子】27日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は売りが優勢だった。 日米株式相場がともに下落した影響で売られる銘柄が多かった。 同日の東京株式市場で大きく下げたソニーGが6%強下げ、キヤノンやトヨタ、ホンダも売られた。 一方、武田と三菱UFJは上昇した。 AD4187円 米国債券10年利回り1.805%、(-0.041) 宿泊・飲食にM&A機運、コロナ下、不履行が増加、銀行も後押し、政策支援3月終了、経営者、売却に前向き。 2022/01/28 日本経済新聞 朝刊 新型コロナウイルス感染拡大から2年たち、宿泊や飲食など影響が大きい業種でM&A(合併・買収)が目立ち始めた。業績 回復が遅れるなか、より長期目線で経営に取り組める体制にするためで、取引金融機関がM&Aを後押しするケースが目立つ。 コロナ禍に伴う倒産は少ないが、債務不履行(デフォルト)率は上昇しており、2022年から再編が本格化するとの見方がある。 1月中旬には米投資ファンドのベインキャピタルが、投資先の大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツ(東京・中央)を米ローンスタ ーに売却すると発表した。ベインが大江戸温泉を買収したのは15年。19年には資金回収のため売却手続きに着手したが、その 後のコロナ拡大で延期を余儀なくされた。当面は支援を続けたが、感染収束が見通せないうえ、投資期間も長引いているため、 このタイミングでの売却を決めたようだ。 売却を支援したのが、三井住友銀行だ。同行はベインによる買収時に融資を提供し、16年に上場した不動産投資信託(REIT) の大江戸温泉リート投資法人のメインバンクでもある。コロナ禍で大江戸温泉は財務制限条項(コベナンツ)に抵触したが、三井住 友銀はベインと協力して資金繰りを支援。ベインが売却の方針を固めると、グループのSMBC日興証券が入札手続きに関わった。 入札の結果、最終的な買い手はローンスターに決まった。三井住友銀はローンスター傘下入り後も大江戸温泉への支援を続ける とみられる。取引額は非公表だが、15年のベイン買収時は負債も含めて約500億円だったのに対し、今回は約600億円にとどま ったもよう。もっとも、ベインは大江戸温泉が16〜17年にREITへ保有施設を売却した際、リターンを得たようだ。 宿泊関連では他にも、日本郵政が「かんぽの宿」32施設を米フォートレス・インベストメント・グループなどに売却すると決めた。21 年12月には鴨川グランドホテルが国内ファンドの日本産業推進機構(東京・港)の支援を得て、MBO(経営陣が参加する買収)を実 施すると発表した。 飲食業でも21年後半ごろからM&A機運が盛り上がり始めている。中堅外食チェーンのGYRO HOLDINGS(ジャイロホールデ ィングス、東京・新宿)は「ワイアードカフェ」など複数ブランドを運営していたが、21年8月にグループのカフェ運営会社がロート製薬 の出資を受けた。同年11月にはジャイロ自体もアジア系ファンドのPAGの傘下に入った。同年12月にはアパレル大手のアダスト リアが、レストラン「アロハテーブル」などを運営するゼットンを子会社化すると発表した。 コロナ下の2年間、宿泊・飲食業のM&Aは下火になっていた。M&A助言のレコフの集計では20〜21年は年70件強で、18〜 19年の年90件強から2割ほど減った。 今後はこうした業種でもM&Aが増えそうだ。コロナ対策の実質無利子・無担保融資は22年3月に申請期限を迎える。政策の支え がなくなり、経営者が会社売却に前向きになる可能性がある。 金融機関の事情も影響しそうだ。一般に金融機関は取引先企業が2期連続で赤字を計上すると、債務者区分を見直すとされる。 コロナ禍から丸2年たった21年度決算をみて、M&Aを後押しするケースも想定される。 コロナ禍に伴う倒産は少ないが、宿泊や飲食業のデフォルトは増え続けている。日本リスク・データ・バンクが算出するデフォルト率 は21年11月時点で全業種平均が1%未満なのに対し、飲食や宿泊は3%を超える。金融機関が企業の支払い遅延に応じ、倒産 を防いでいる状況がうかがえる。 M&Aは本来、買い手・売り手の両方に相乗効果を生み、産業全体に大きなメリットをもたらすものだ。コロナ後の業界再編につな がるM&Aは、日本経済が上向くきっかけにもなりうる。 2022-01-28 メリル 買い継続 4900円 → 5200円 2022/01/27 16:05 三井住友FG(8316) 米系大手証券、レーティング強気継続。目標株価引き上げ、5,200円。 米系大手証券が1月27日、三井住友フィナンシャルグループ<8316>のレーティングを強気(1(買い))に据え置いた。 一方、目標株価は4,900円から5,200円に引き上げた。因みに前日(1月26日)時点のレーティングコンセンサスは4.36 (アナリスト数11人)で「やや強気」の水準、目標株価コンセンサスは4,960円(アナリスト数11人)となっている。 米利上げが試す日本株の底力 業績堅固、持続力で選別−三島大地 2022/01/28 19:10 日経速報ニュース 28日の日経平均株価は前日比547円高と4日ぶりに大幅に反発した。今週本格化した2021年4〜12月期決算で好調を維持 した銘柄に買いが入った。米利上げ観測を巡る不安心理はくすぶるが、日本株には割安感も強い。過去の利上げ時は良好な 景気と歩調を合わせて企業収益も拡大していた。今回、供給制約に伴うインフレ圧力をこなし、企業収益を伸ばせるかが焦点 になる。 「短期的には底入れの兆しがみえてきた」。リブラ・インベストメンツの佐久間康郎代表は期待感を示す。春先にかけて日経 平均が数%程度下値を探るものの、「長期の投資家であれば段階的に資金を投じられる局面に入っている」とみる。 実際、28日の東京市場では「米連邦準備理事会(FRB)から企業のファンダメンタルズへ目線が回帰した」(三菱UFJ国際投 信の小西一陽株式運用部長)。象徴的なのが、27日に4〜12月決算を発表した信越化学工業だ。大幅増益を好感し株価は 一時8%高まで上昇。半導体製造設備の需要拡大で業績見通しを上方修正した富士電機も一時12%高まで買われた。 前日発表された米アップルの最高益を受け、村田製作所やTDKなどサプライヤーにも物色買いが入った。弱気一色だった前 日から一転、銘柄を選別して資金を動かす局面に変わりつつある。 FRBが金融引き締めに積極的なタカ派色を一段と強めるとの警戒感から、日経平均は今年に入り2074円(7%)下落している。 だが実は、過去の利上げ局面と比べても、現在の株価水準は修正が必要なほど割高とは言い切れない。 前回、FRBが利上げを始めた15年12月17日の日経平均の予想PER(株価収益率)は15.4倍。前々回の04年6月30日は17.9 倍で、足元の13倍を大きく上回る。直近のPERは21年のピークの26倍から半分に低下しており、「現在の水準はさすがに売ら れすぎ」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘チーフ投資ストラテジスト)との声も広がる。 株価のもう一つの決定要因である、1株利益(EPS)からも日本株の底堅さがうかがえる。日経平均の構成銘柄のEPSは2079 円と過去最高水準を維持する。前回、前々回の利上げ時には日本株のEPSは右肩上がりで推移しており、経験則では利上げ 局面でも企業の稼ぐ力は揺るがないとみることもできる。 懸念材料がないわけではない。今回の利上げは過去の局面と異なり、需要拡大ではなく供給制約がもたらす物価上昇に対 抗する難しさがある。マクロ系ヘッジファンドを運用するホークスブリッジ・キャピタルの高橋精一郎代表は「市場はFRBという羅 針盤を失っており、米国株式相場が修正を迫られれば日本株を支える材料はない」と慎重姿勢を貫く。 野村証券によると、アナリストによる業績予想の上方修正割合から下方修正割合を引いた「リビジョン・インデックス(RI)」は 27日時点で6.1。40近くだった21年9月から大幅に悪化した。米利上げで世界経済が混乱すれば企業業績も無傷とはいかず、 株価は業績という最大の後ろ盾を失うリスクも残る。 今週、本格化した21年4〜12月期決算。様々な逆風のなか日本企業がどこまで強気の見通しを維持できるかが、日本株の 底力を占うことになる。 日本株ADR28日、買い優勢 ソニーGやトヨタが高い 2022/01/29 06:17 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川上純平】28日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は買い優勢だった。 米ダウ工業株30種平均が上昇し、日本株ADRも買われた。ソニーGやトヨタの上昇が目立った。 キヤノンは下げた。 AD4182円 米国債券10年利回り1.777%、(-0.031) 米国株、ダウ反発し564ドル高 好決算銘柄に買い ナスダックも反発 2022/01/29 06:35 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=古江敦子】28日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反発し、前日比564ドル69セント (1.7%)高の3万4725ドル47セントで終えた。朝方は売りが先行し、一時は350ドル強下落したが持ち直した。市場予想を上回 る四半期決算を発表したスマートフォンのアップルやクレジットカードのビザが買われ、指数を押し上げた。米長期金利が低下し 、高PER(株価収益率)のハイテク株が買い直された。 アップルが7%高、ビザは11%高で終え、2銘柄でダウ平均を210ドルあまり押し上げた。アップルは27日夕に発表した2021 年10〜12月期決算で主力のスマートフォン部門が堅調に伸び、売上高と純利益がともに四半期として過去最高だった。ビザは 決算が大幅な増収増益となり、先行きに強気な姿勢を示したのも好感された。 米長期金利が1.78%近辺と前日終値(1.80%)をやや下回った。ハイテク株が買い直され、顧客情報管理のセールスフォース ・ドットコムやソフトウエアのマイクロソフトが上げた。市場では、「ハイテク銘柄をはじめ米株は短期的に売られすぎており、持ち 高調整の買い直しが取引終了にかけて強まった」(ナショナル・セキュリティーズのアート・ホーガン氏)との指摘があった。 一方、市場予想を下回る決算を発表した銘柄は売られた。28日朝に発表した決算で営業利益が市場予想を下回った建機の キャタピラーが5%下落。大幅増益決算だったが1株利益が市場予想に届かなかった石油のシェブロンが4%下げた。米連邦 準備理事会(FRB)による金融引き締めの加速が景気を冷やすとの見方もあり、工業製品・事務用品のスリーエム(3M)や 化学のダウなど景気敏感株の一角が売りに押された。 今週の米株相場は不安定な値動きが続いた。日中の高値と安値の幅(日中値幅)は平均で989ドルと、年明け以降の前週 までの平均(450ドル)の2倍以上に拡大した。FRBは金融引き締めに転じる方針を打ち出しているが、利上げや資産圧縮の ペースには不透明感が強い。 投資家心理を測る指標となる米株の変動性指数(VIX)は28日終値で27.6と不安心理が高まった状態とされる20を大幅に 上回っている。FRBの金融政策の道筋が具体的に見えてくるまでは変動の大きい相場が続く可能性が高い。 ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数も大幅に反発し、前日比417.790ポイント(3.1%)高の1万3770.573で終えた。 アップルが大幅高となり、他のハイテク大手が連れ高した面もある。来週に決算発表を予定するグーグルの親会社アルファ ベット、ネット通販のアマゾン・ドット・コムが上昇した。半導体のエヌビディアや電気自動車のテスラも高い。 株式、神経質な地合い 原油は強い基調続く−今週の市場 2022/01/30 04:00 日経速報ニュース 株、リスク回避ムード残る 今週の株式相場はリスク回避ムードが残る展開となりそうだ。米金融政策がどんな形で引き締めに動くか見通しきれないうえ、 ウクライナ情勢も緊迫した状況が続く。景気減速懸念も意識されるようになっており、新たな弱材料が出れば下値を切り下げる恐 れがある。 とはいえ、日米の株価は反発して先週末の取引を終え、「株価は米国の利上げペースをある程度織り込んだのではないか」 (東海東京調査センターの平川昇二チーフグローバルストラテジスト)との声も聞かれた。 企業決算も焦点だ。今週は米グーグルなど主要ハイテク企業が決算を発表する。米アップルが先週発表した2021年10〜12月 期決算は過去最高益を記録し、「ハイテク企業の業績の先行きの明るさが確認できれば米国株反転のきっかけになる」(三井住 友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジスト)と期待されている。 米長期金利、上昇一服か 米長期金利の上昇(債券価格は下落)は一服しそうだ。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が米連邦公開市場委員会 (FOMC)後の会見で今後の利上げ幅やペースを明確に示さなかったため、引き締め加速の思惑から米長期金利は先週、1.9% 前後まで上昇した。その後は株安や利上げによる景気への悪影響が懸念されてやや低下した。 ウクライナ情勢も解決の糸口がみえないまま。こうしたなかで「株安などリスク回避のムードが続けば、債券が買われ、金利低 下が進みやすい」と三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジストはみる。 日本の債券市場は10年物と30年物国債の入札が控える。日銀は現在の金融政策を継続する方針を示しているが「一部報道 で政策修正の可能性が指摘されており、投資家は積極的には買いづらい」(稲留氏)との見方が多い。 円相場、下落ペース鈍る 円相場は対ドルでの下げが一服する可能性がある。先週はFOMCを受けて米FRBによる金融引き締めの加速が意識されて米 長期金利が上昇し、一時1ドル=115円台半ばまで円安・ドル高が進んだ。ただ、足元では市場が織り込む利上げ回数はやや過 剰だとの見方も浮上しており、円売り・ドル買いの動きは鈍りつつある。 週内には米雇用統計や米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況感指数などが発表される。「経済指標が市場予想を 下回れば、1ドル=114円まで円高・ドル安が進む可能性がある」(UBS SuMi TRUSTウェルス・マネジメントの青木大樹チーフ エコノミスト)との声もある。 ウクライナ情勢による地政学リスクが意識されるなか、ユーロは対ドルなどで弱含んでいる。円は「安全通貨」との買いが入り やすく、対ユーロでは緩やかな上昇傾向を保ちそうだ。 原油、需要の底堅さが支え 原油相場は強い基調か。石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の主要産油国でつくる「OPECプラス」が2月2日に協議 する。市場では毎月日量40万バレルずつ増産する従来の方針を維持するとの見方が目立つ。新型コロナウイルスの変異型「オ ミクロン型」の拡大が続くなかでも、「ロックダウンをしない国もあり、原油の需要は堅調」(楽天証券の吉田哲コモディティアナリ スト)との声がある。 米雇用統計などの主要経済指標が弱い内容ならば、ドル安につながりドル建て商品の上昇圧力となりそうだ。欧州中央銀行 (ECB)の理事会も注目材料だ。 ウクライナ情勢の緊迫で、先週は小麦相場が上昇した。4日には北京冬季オリンピックが開幕する。吉田氏は「世界が平和を 望む時期に不穏なことをするだろうか」と指摘。ウクライナを巡る緊張の高まりが一服すれば、小麦などは上値が重くなりそうだ。 日銀ETF買い、今年再び増加も、2%ルール堅持できるか。 2022/01/31 日本経済新聞 朝刊 2021年春以降、大きく減っていた日銀の上場投資信託(ETF)購入の動向に、22年に入ってから変化が起きている。日銀が21年 4月、買い入れにメリハリをつける政策修正を本格化させてから月間の実施回数はゼロか1回にとどまっていたが、22年1月は既に2 回買った。不安定な株価を背景に再び増え始める印象を与えている。 「米金融緩和政策の正常化に向けた動きが市場環境に及ぼす影響に注意を払っていく」――。22年初め、日銀内で聞いた声だ。 その後のマーケットは日銀が警戒した通りの展開になった。年初に2万9000円程度だった日経平均株価は最近では一時2万600 0円近くまで下落した。 株安圧力を生む主因は、3月に利上げを始めそうな米連邦準備理事会(FRB)のタカ派的な姿勢への傾斜だ。 新型コロナウイルス禍による供給制約などを背景に、米国の消費者物価上昇率は21年12月に前年同月比7・0%と39年半ぶり の高水準を記録。秋に中間選挙を控えるバイデン米政権にとってインフレ退治は重要な政治課題だ。 一方で、当初インフレを「一時的」としていたFRBは物価上昇圧力に対して後手に回ったとの見方も増え、想定以上の大胆な対応 を余儀なくされるシナリオが投資家の間で意識されている。 パウエルFRB議長も26日の記者会見で、当面四半期ごとではなく毎回の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを決める可能 性がある点を否定しなかったと受け止められた。「FRBは幅広い選択肢を積極的に検討している様子だ」(米金融情報コンサルタント 会社、オブザーバトリー・グループ)。ウクライナ情勢緊張という地政学的リスクも加わり、株価は世界的に不安定だ。日銀の「株式市 場介入」が増えやすい状況といえる。 もっとも日銀が内々に設けていると見られているETFの購入基準自体は依然変えていないようだ。午前の東証株価指数(TOPIX)の 下落率が2%を超えたら動くという「2%ルール」のことだ。政策修正前は0・5%超の下落で買っていた時期もあり、ハードルを大きく引 き上げたわけだが、今のところそれを緩めた様子はない。 具体的には、22年1月に入り日銀がETFを買った14日や25日の午前は株価下落率が2%を超えていたが、1・98%下落だった 27日は行動を控えた。 ただ、2%のハードルを維持していれば買い入れが増えないかというと、そう単純でもない。確かに午前の下落率が2%を超えるよう な日は普通多くない。日銀ETF購入が本格化した11年以降の平均は年8日程度だ。ただ英国の欧州連合(EU)離脱決定などで市 場が不安定になった16年のように18日もあった年もあり、22年にマーケットが大きく混乱すればETF買いの頻度も上がりそうだ。 市場混乱が深刻化し、経済・物価情勢への悪影響が強まった場合、日銀が買い入れ基準自体を緩めるなどの対応に踏み込むか にも関心が集まるだろう。 21年春の政策修正で日銀が打ち出したのは、株価が大幅に下落した時に限って行動を起こすという姿勢。ETF買いをやめたとは 言っていない。年6兆円という購入額の原則を削除する一方、年12兆円という上限は残してある。「大幅な株安」の定義も曖昧であ り、環境次第では、1回当たりの買い入れ額(21年4月以降は701億円)を増やしたり2%のハードルを下げたりする可能性も否定 はできない。 とはいえ、ETF購入は主要国の中央銀行として異例の政策。株価をゆがめる副作用は軽視できないという判断が政策修正の原点 だった。21年の買い入れ額が8700億円程度にとどまり、前年の約8分の1に急減する「成果」が出たばかりでもある。 次の3月の日銀金融政策決定会合で政策修正決定から1年になる。「22年は日銀が当初の姿勢を貫けるかが問われる年になる かもしれない」(ニッセイ基礎研究所の井出真吾氏)と市場は見ている。 債券11時 長期金利、0.170%に上昇 30年債利回りは3年1カ月ぶり高水準 2022/01/31 11:21 日経速報ニュース 31日午前の国内債券市場で、長期金利は上昇(債券価格は下落)した。指標となる新発10年物国債の利回りは前週末比 0.005%高い0.170%をつけた。財務省が2月1日に実施する10年物国債の入札を前に、持ち高調整目的の売りが出た。債券 先物に損失回避が目的とみられる散発的な売りも出て、現物債に波及した。 新発30年債利回りは同0.015%高い0.770%と2018年12月18日以来、約3年1カ月ぶりの高水準を付けた。財務省は3日に 30年債入札を実施する予定。市場では「20年超の利回り曲線が平たん化しており値上がりを期待した需要が高まりにくく、入 札への警戒感が出ている」(国内証券のストラテジスト)との声が聞かれた。 超長期債の売りが目立ち、新発20年債は同0.010%高い0.560%と21年2月以来の高水準となった。新発40年債利回りは 同0.010%高い0.810%で推移している。債券先物相場は反落し、中心限月の3月物は同6銭安の150円71銭で午前の取引 を終えた。 短期金融市場では、無担保コール翌日物金利が小幅に低下しているようだ。マイナス0.060〜マイナス0.010%で推移し 、加重平均金利はマイナス0.020%台半ばと前週末の日銀公表値(マイナス0.021%)をやや下回っているもよう。もっとも 「地銀中心に資金調達需要はあり、金利水準に大きな変化はない」(短資会社)との声があった。 10年債利回り、0.170%に上昇 コール翌日物マイナス0.021%(31日) 2022/01/31 18:09 日経速報ニュース 31日の国内債券市場で、長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りは上昇(価格は下落)した。前週末比 0.005%高い0.170%で取引を終えた。日銀の金融政策の正常化を巡り、海外勢を中心に売りが膨らんだ。一時は 0.185%と日銀がマイナス金利の導入を決定した2016年1月29日以来の高水準を付けた。 短期金融市場の無担保コール翌日物金利(加重平均、速報)は前週末比横ばいのマイナス0.021%だった。 りそなHDの4〜12月期、純利益30%増 株式の関係損益が改善 2022/01/31 17:05 日経速報ニュース りそなホールディングス(8308)が31日発表した2021年4〜12月期の連結決算は、純利益が前年同期比30% 増の1265億円だった。保有する株式の関係損益が改善した。本業のもうけを示す実質業務純益は、グループ銀 行の合算ベースで同3%増の1434億円だった。 22年3月期通期の業績目標は据え置き、純利益は前期比16%増の1450億円を見込む。 りそなHDの4〜12月期、最終益1265億円 前年同期は971億円の黒字 2022/01/31 16:03 日経速報ニュース りそなホールディングス(8308) 前4〜12 今4〜12 通期予想 経常収益 5,958 6,204 ― 営業利益 ― ― ― 経常利益 146,872 180,723 ― 最終利益 97,160 126,549 145,000 1株利益 42.30 52.04 59.84 (注)単位:経常収益は億円、利益は百万円、1株利益は円、▲は損失 日本株ADR31日 買い優勢、ソニーGが4%超高 2022/02/01 06:07 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=横内理恵】1月31日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は買いが優勢だった。 同日の日米株式相場が上昇し、日本株のADRにも買いが入った。ゲーム会社の買収を発表したソニーGが4%超上昇した。 トヨタとホンダも高い。一方、三井住友FGやみずほFGなど銀行は下げた。 AD4139円 米国債券10年利回り1.780%、(0.000) 3メガ、住宅ローン金利上げ、10年固定、6年ぶり水準に。 2022/02/01 日本経済新聞 朝刊 住宅ローンの固定金利が上昇している。2月適用分について、三菱UFJ銀行が10年固定型の基準金利を年3・49%、 三井住友銀行は年3・5%、みずほ銀行が年2・8%にそろって引き上げる。3メガバンクの金利はいずれも2015年〜16 年以来の高水準となる。長期金利の上昇を受けた措置で、高値圏での取引が続く住宅販売に影響を与える可能性もある。 (関連記事11面に) 2月の10年固定金利の引き上げ幅は三菱UFJと三井住友が0・1ポイント、みずほは0・05ポイントになる。住宅ローン 大手の三井住友信託銀行も2月分から年2・95%から年3・0%、りそな銀行も年3・3%から年3・35%に基準金利を見直 す。各行は基準金利をもとに実際に顧客に貸し出す金利を定める。もっとも条件のよい優遇金利は2月から10年固定でみ ずほが0・90%、三菱UFJが0・84%になる。 銀行は10年物国債の利回りなどを参考に住宅ローン金利を定めている。米国の金融引き締め観測で米長期金利が上昇 し、日本も金利高の機運が出ている。ローン金利の低下を背景に住宅価格は高値圏で取引されてきたが、こうした流れに 影響を与える可能性もある。 日銀が16年にマイナス金利政策を導入したことを受けて、住宅ローン金利は低下基調が続いてきた。もっとも低い水準だ った16年当時と比べ、現行の10年固定は0・3〜0・5ポイントほど高い。 固定金利は将来の金利上昇リスクを抑えられる一方、変動金利よりも金利水準が高くなる。 長期金利、6年ぶり高水準、日本、海外の上昇が波及、経済情勢とのズレに警戒感。 2022/02/01 日本経済新聞 朝刊 海外の金利上昇が日本にも波及してきた。31日には長期金利が一時6年ぶりの高水準となった。日銀が長期金利をゼロ% 程度に固定する「長短金利操作」(イールドカーブ・コントロール=YCC)を導入して以降では最高だ。低成長が続く日本の経済 情勢とは距離があり、住宅ローンの固定金利を押し上げる長期金利の上昇には警戒感も増している。(1面参照) 31日の国内債券市場で長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは一時、前週末比0・020%高い(債券価格は安い )0・185%を付けた。日銀が2016年9月にYCCを導入して以降では最も高く、日銀がマイナス金利政策導入を決めた同年 1月29日以来の高水準となった。 背景にあるのは海外金利の上昇だ。米連邦準備理事会(FRB)が3月にも利上げに動くとの見方が広がり、米10年債利回り は一時1・9%台まで上昇。欧州でもドイツの長期金利が一時2年8カ月ぶりにプラス圏に浮上した。 海外市場では米国の利上げが景気を冷やすとの懸念から30年債などの超長期債の利回りは低下傾向にあるが、日本では むしろ超長期債の利回り上昇が目立つ。国際通貨基金(IMF)が1月28日に利回り目標の短期化を提言し、日銀が海外中 銀に足並みをそろえてYCCの修正に動くのではないかとの思惑が海外勢を中心に浮上。イールドカーブに急勾配(スティープ )化圧力がかかるとの見方が広がった。 日銀と密にコミュニケーションを取る国内の市場関係者と違い、海外勢はヘッドライン(ニュースの見出し)に反応しやすい。 黒田東彦総裁は18日の記者会見で早期緩和修正論を否定したが、ある市場関係者は「日銀が16年に直前まで否定していた マイナス金利政策を導入した過去もあり、今回は海外勢の緩和修正の思惑が消えない」と苦笑する。 一方、午後の取引終了にかけては地銀勢が積極的に取引する新発20年物国債を中心に押し目買いが入るなど、国内勢の 買い意欲は強い。 足元の金利上昇は日本経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)を反映していない面もある。IMFの経済見通しでは22年の 日本の実質経済成長率は3・3%と、欧米や先進国の平均を下回る。消費者物価上昇率は生鮮食品を除くベースで0・5%に とどまり、目標の2%を大きく上回る欧米とは差がある。 長期金利は固定型の住宅ローン金利との連動性が高い。日本の3メガバンクは2月適用分の住宅ローン金利をそろって引き 上げる。長期金利の上昇が続けば住宅ローン金利のさらなる上昇を通じて、個人の消費マインドなどに影響が出る可能性もある。 日銀は10年債利回りをゼロ%程度にするよう金融調節を行っており、21年3月には金利の変動幅を上下0・25%程度と明示 した。長期金利が0・25%程度に上昇してきた場合、日銀は特定の金利で国債を無制限に買って金利を抑える。金利上昇圧力 が特に強い場合にも対応できるよう必要に応じて連続でも実施する。 日銀は市場機能にも配慮し、金利にある程度の変動があることは望ましいと考えている。ただ2%の物価目標が見通せないな か、黒田総裁は強力な金融緩和を続ける構えを強調している。10年債利回りが0・25%に近づけば機動的に無制限の国債買い 入れを打ち出す可能性が高い。 もっとも金利抑制策の効果には不透明感も増している。海外投資家による日本国債の保有比率は13・4%と、10年末の6・5% から大きく上昇した。東海東京証券の佐野一彦氏は「海外勢による保有が増え、かつてより海外市場と日本国債の連動性は増 している」と指摘する。 日本より国債の海外保有比率が高いオーストラリアでは、金利上昇圧力が強まった21年11月に中央銀行が3年債の利回り 目標撤廃を余儀なくされた。海外発の金利上昇圧力が一段と強まれば、日銀も金利抑制が難しくなる可能性もある。 株、逆風にさらされる個人投資家 「一番しんどい」「投資のルーティーンは変えない」 2022/02/01 08:23 日経速報ニュース 株式市場で個人投資家が逆風にさらされている。米連邦準備理事会(FRB)による金融緩和策が転換点を迎え、低金利下で 投資マネーが向かっていた成長株を中心に株価が急落する事例が相次いでいる。1月の日経平均株価の下落率は6.2%と、月 間として2020年3月以来の大きさとなった。20年の新型コロナウイルス・ショックからもうすぐ2年。荒天相場で、投資家は悩みな がら市場と向き合っている。 ■「負けている人」、SNSに集う 「株で負けてる人だけが聞くスペース」。日経平均が800円超下落した1月27日の夜、SNS(交流サイト)のツイッターの音声 チャット機能上に、こんなタイトルの部屋が立ち上がった。このスペースを開いたのは「むらやん」のハンドルネームで情報発信 するベテラン専業投資家、村上直樹さん(42)だ。21時30分ごろから始め、トークが終わったのは深夜2時すぎ。一時は約2000 人のリスナーが集まるほど活況だった。 スペースはリアルタイムの音声交流ができる機能で、関心事が一致するユーザーがトークを通じて情報を交換する。一般公 開されるため、ツイッターユーザーなら誰でも利用できる。この日、村上さんのもとにはリスナーとして参加した個人投資家から 多くの相談が寄せられた。「本当にボロボロで、いったん相場から距離を置こうと思う」「20年は順調に勝てていたが、最近は あまり勝てない。足元の急落で手じまったが、これからどうすべきか」――。20〜30代の若手投資家の声も目立った。 「株式投資について気軽に話せる場が少なく、若手投資家にとっては初めての底がみえない下落局面で不安が大きくなって いるのではないか」。村上さんはこう分析する。自身もこのところ苦戦続きで、株投資の損失額はこの1年ほどで約4000万円に 膨らんだ。村上さんは数日から2週間程度で利益確定を繰り返す「スイングトレード」を基本戦略とする。好決算を見込んで決算 発表日の数日前から新興株を保有し、値上がり益を狙う戦略をとったが、当てが外れた。昨年10月、保有していたオンコリス バイオファーマ(4588)が、中外製薬(4519)とのがんのウイルス療法分野での提携解消を発表して株価が急落したのも痛手と なった。 村上さんは「日々どんどん心がえぐられる感じがあり、投資歴16年ほどのなかで、1年目を除くといまが一番しんどい」と明か す。「無理に荒波に飛び込む必要はない。自分が『勝てる相場』の波が来るまで、市場から退場しないよう過度なリスクをとら ずに待ちたい」とも話す。 ■リスク分散で株価急落時も「心穏やか」 長期投資家は冷静に荒天相場と向き合う。「新型コロナの感染拡大は予測できなかったが、FRBの利上げは想定内の出来 事。毎月の投資のルーティーンは変えず、これからも淡々と積み立てを続ける」。こう語るのは、世界分散投資で1億5000万円 超の資産を築いた元サラリーマン投資家、牧史郎さん(ハンドルネーム、63)だ。 牧さんは長年、世界の株式と債券を約50%ずつ組み入れて運用するバランス型投信「セゾン・バンガード・グローバルバランス ファンド」を主軸に、日本株投信や金価格に連動する上場投資信託(ETF)など幅広い資産に資金を振り向けてきた。足元の運 用比率は内外株式が約25%、内外債券約11%、コモディティー約28%、現預金約36%。「仮に株価が暴落し、株式の価値が ゼロになっても、資産総額が1億円を超えるように設計している」(牧さん)という。 潮目の変化も敏感に察知し、21年は米物価連動債やプラチナの価格に連動するETFのほか、水に関連した企業を運用対象 とするETFにも投資し、リスク分散を進めた。結果、21年は約800万円の運用益を確保した。22年は足元で約150万円の含み損 が出ているものの、牧さんは「株価の値動きと連動性が低く、不況時に耐性を発揮する資産を組み合わせて保有することで、株 価の急落時も心穏やかに過ごせる」と話す。 「株価のコントロールはできないが、自分をコントロールすることはできる」(牧さん)。この先も波乱続きの相場展開を見込む声 が増えているだけに、いま一度、自らのリスク許容度を見つめ直す必要がありそうだ。 日本株ADR1日、買い優勢 野村や三菱UFJが上昇 2022/02/02 06:14 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川内資子】1日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は買いが優勢だった。 日米株式相場がともに上昇した影響で買われる銘柄が多かった。 野村が2.5%上昇し、三菱UFJやみずほFG、三井住友FGなど金融が全般に買われた。 一方、ホンダとトヨタが下落した。 AD4198円 米国債券10年利回り1.793%、(0.011) 特集――フィンサム2022、3月開催、DXで金融サービス変革、「誰でも簡単」協業から。 2022/02/02 日本経済新聞 朝刊 新型コロナウイルス感染症の拡大や気候変動、格差の拡大といった世界的な課題に金融はどんな役割を果たせるのか。 デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展により、こうした課題解決に向かう動きが加速している。異業種やスタートアッ プとの連携で、誰でも安心して利用できるサービスに加え、環境保全ビジネスなど、今、金融は業態を超えて、スケーリング (拡大・拡張)している。(1面参照) 「誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化を」――。2021年9月に発足したデジタル庁のミッションに沿い、金融界も 動き出している。同業他社との連携に加え、自身のデジタル事業強化にも取り組む。より顧客視点に立ったサービスの構築 が目的だ。こうした動きに合わせ、IT(情報技術)企業やスタートアップも金融分野への取り組みを強化させている。 三菱UFJ銀行は21年12月から資産運用プラットフォーム「マネーキャンバス」を開始。株式や投信、保険、クラウドファン ディングなどの商品をネットで取引できるサービスだ。大和証券グループ本社、東京海上日動火災保険などグループを超えた 金融機関も参画する。同月にはリクルートと組んだキャッシュレス決済サービス「COIN+(コインプラス)」も開始。デジタル 顧客基盤の広がりにもつながりそうだ。 一方、三井住友フィナンシャルグループは「社長製造業」で攻める。若手・中堅社員による現場起点のアイデアを生かし 、IT系の社内ベンチャーを立ち上げる取り組みだ。創業した企業は、企業のデジタル化支援や、デジタル広告など、すでに 10社を数える。なかでも、契約手続きのデジタル化事業はコロナ禍を追い風に急成長を見せる。 非金融もデジタル化の動きを支援する。アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)は昨年、新たな金融ビジネス戦略「Vision20 25」を開始した。内容はデータを活用した新しい価値の創造や、顧客との接点をデジタル主体にすること、必要なレジリエン ス(強靱=きょうじん=性)の支援などで、金融機関にビジネスを変革するための提案を打ち出している。 日本マイクロソフトはフィンテックのスタートアップ約20社と協業、金融機関向けのDX関連のシステム構築を推進していく。 コロナ禍でデジタルによる非対面サービスの重要性は増している。高齢者やデジタルに不慣れな人にも使える顧客視点の 優しいデジタルでの金融サービスの実現が協業から生まれようとしている。 2022年02月02日09時29分 三菱UFJなどメガバンクが揃って続伸歩調、米国に追随し国内長期金利も上昇傾向 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ <8411>のメガバンク3社が揃って続伸。 米国では再び長期金利が上昇傾向にあり、前日の米10年債利回りは連日で水準を切り上げ終値ベースで1.790 %となった。また、米30年債利回りも足もと上昇している。一方、国内でも日銀が金融緩和策を修正するとの思惑が 次第に高まっている。 そうしたなか、1日取引終了時ベースの新発10年物国債の利回りは前日比0.010%高い0.180%と4営業日連 続で上昇しており、メガバンクは運用環境の改善を期待した買いを引き寄せている。 三井住友FGの4〜12月期、最終益6247億円 前年同期は4339億円の黒字 2022/02/02 15:30 日経速報ニュース 三井住友フィナンシャルグループ(8316) 前4〜12 今4〜12 通期予想 経常収益 28,948 29,957 ― 営業利益 ― ― ― 経常利益 594,881 867,373 ― 最終利益 433,929 624,795 670,000 1株利益 316.70 455.82 488.76 (注)単位:経常収益は億円、利益は百万円、1株利益は円、▲は損失 みずほFGの4〜12月期、最終益4786億円 前年同期は3544億円の黒字 2022/02/02 15:30 日経速報ニュース みずほフィナンシャルグループ(8411) 前4〜12 今4〜12 通期予想 経常収益 23,130 23,454 ― 営業利益 ― ― ― 経常利益 448,868 497,656 ― 最終利益 354,404 478,656 530,000 1株利益 139.76 188.82 209.07 (注)単位:経常収益は億円、利益は百万円、1株利益は円、▲は損失 2022年02月02日15時30分 三井住友FG、10-12月期(3Q)経常は5%減益 三井住友フィナンシャルグループ <8316> が2月2日大引け後(15:30)に決算を発表。22年3月期第3四半期累計 (4-12月)の連結経常利益は前年同期比45.8%増の8673億円に拡大した。 直近3ヵ月の実績である10-12月期(3Q)の連結経常利益は前年同期比4.5%減の2373億円に減った。 2022年02月02日15時30分 みずほFG、10-12月期(3Q)経常は46%減益 みずほフィナンシャルグループ <8411> が2月2日大引け後(15:30)に決算を発表。22年3月期第3四半期累計 (4-12月)の連結経常利益は前年同期比10.9%増の4976億円に伸びた。 直近3ヵ月の実績である10-12月期(3Q)の連結経常利益は前年同期比45.8%減の983億円に落ち込んだ。 三井住友FG、10−12月純利益3%増の1687億円−通期進捗率93% https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-02-02/R6KGWIDWRGG201?srnd=cojp-v2 企業活動の回復でホールセールやグローバル事業部門が好調 与信関係費用、大口先への引当計上で上期対比では増加 三井住友フィナンシャルグループの2021年10−12月期(第3四半期)の連結純利益は前年同期比3%増の1687億円だった。 2日に開示された決算資料を基に算出した。国内外の企業活動の回復や活発化を通じて、ホールセールやグローバル事業 部門を中心に好調だった。4−12月累計の純利益は同44%増の6248億円となり、昨年11月に上方修正した今期(22年3月期) の純利益予想6700億円に対する進捗(しんちょく)率は93%となった。 4−12月の与信関係費用は1577億円と、今年度上期の267億円から増加した。ただ、前年同期の2348億円と比べると低水 準にとどまり、与信費用の通期見通しは2000億円のまま据え置いた。 公表資料によると、与信費用は昨年度のコスト計上先からの戻りを主因に減少したが、大口先への引当計上で上期対比で は増加したという。足元の社会経済情勢を巡っては、今年1月中旬以降、新型コロナウイルスの感染が再拡大し、飲食店やサプ ライチェーンなどへの影響が懸念されている。 10−12月期の国内の預貸金利回り差は0.85%と前四半期の0.86%から低下した。 グループ全体の資金利益は4−12月で1兆901億円と前年同期比14%増、本業のもうけを示す連結業務純益は前年同期比 11.7%増の9056億円だった。 三井住友FGの4〜12月期、純利益44%増 法人や海外部門が堅調 2022/02/02 16:09 日経速報ニュース 三井住友フィナンシャルグループ(8316)が2日発表した2021年4〜12月期の連結決算は、純利益が前年同期比44%増 の6247億円だった。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で停滞していた企業活動が国内外で活発になり、法人やグロー バル関連部門を中心に堅調に推移した。貸倒引当金の戻入益が発生し、与信関連費用が前年に比べて減少したことも寄与 した。本業のもうけを示す業務純益(三井住友銀行単体)は7%増の5013億円だった。 22年3月期の連結業績予想は純利益が前期比31%増の6700億円とする従来予想を据え置いた。1株あたりの年間配当 は210円(前期実績は190円)を見込む。 SMBC日興社員の相場操縦疑惑、東京地検が捜査 2022/02/02 19:00 日経速報ニュース SMBC日興証券社員らの相場操縦疑惑で、社員らが特定の銘柄について、株価を操作しやすい市場が閉まる間際に買い注文 を出していたことが複数の関係者の話で分かった。東京地検特捜部は2日までに同社関係者からの事情聴取を始めるなど捜査に 乗り出した。 SMBC日興を巡っては証券取引等監視委員会が昨年6月、金融商品取引法違反(相場操縦)容疑で同社などを強制調査。午後 の取引時間が終わる「大引け」にかけた買い注文で株価を高く約定させる取引は、株価操作の典型的な手法の一つとされ、特捜 部は今後、監視委と連携して疑惑の実態解明を急ぐ。 複数の関係者によると、日興は2020年ごろ、大株主が保有していた特定の銘柄について立会時間外での売却を依頼され、売却 先となる投資家を募るなど取引の仲介業務に当たっていた。 社員らは投資家が買い取りに応じ、一連の取引が成立する直前営業日の大引け間際、市場で対象銘柄の買い注文を出してい たという。日興は大株主からの買い取り額と投資家への売却額との差益を得る仕組みだった。 これまでに監視委は、大引け間際に買い注文を出した経緯を裏付ける取引記録を入手。取引成立前に対象銘柄の株価が下落 すれば、大株主側が売却の意向を覆す可能性があるため、社員らが株価を買い支えようとした疑いがあるとみて調べている。 社員らは調査に対し、株価を買い支える意図はなかったなどと違法性を否定しているとみられる。 監視委は特捜部への告発を視野に調査する一方、行為の悪質性がなければ日興に対する課徴金納付命令などを金融庁に勧告 する可能性もある。 好決算5大銀、2つの逆風 外債含み損、コロナ引当金増も 2022/02/02 19:09 日経速報ニュース 国内大手銀行5グループの2021年4〜12月期決算が2日出そろった。純利益は合計で前年同期比51%増の2兆4422億円と 7年ぶりの高水準だった。企業の活発なM&A(合併・買収)などを追い風に法人部門が堅調だった。株高を受けて個人の運用 商品も伸びた。ただ米金利上昇で外債投資は含み損が拡大。国内も新型コロナウイルス禍の長期化で融資先の経営不振な どリスク要因が目立ち始めた。 三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)が2日発表した連結決算は、純利益が前年同期比76%増の1兆703億円と過去最高 だった。三井住友FGは同44%増の6247億円、みずほFGは同35%増の4786億円だった。 けん引役は、個人や法人向けの営業部門だ。企業活動の再開で法人向けではM&A助言や不動産関連の融資が伸長した。 株式相場が堅調に推移し、個人向けでは投資信託などの販売が好調だった。 三菱UFJは22年3月期の通期目標の1兆500億円をすでに超え、他4行も4〜12月期で通期予想に対する利益進捗率は9割 前後に達したが、業績の上方修正は見送った。楽観論がしぼんでいるのは、国内外でリスク要因が浮上しているからだ。 1つは市場部門の収益力の低下だ。3メガバンクの市場部門が収益に占める割合はコロナ禍で前期は一時4割超に拡大し いたが、今期は2〜3割まで縮小した。金融緩和の修正やインフレ懸念で不透明感が増し、株式や債券のトレーディング収益 が低迷した。 米連邦準備理事会(FRB)の利上げ前倒しの姿勢を受けて、米長期金利は上昇(債券価格は下落)傾向にある。3メガバンク が保有する外国債券の投資損益が悪化し、昨年12月末時点でそろって含み損になった。「今下期は厳しいとみていたが、株安 も相まって益出し余地が想定より縮小している」。メガバンク首脳は危機感を表す。 金融機関が運用する債券の含み益は世界的に減少している。JPモルガン・チェースなど米4大銀では米国債を含む「その他 有価証券」の含み益が昨年9月時点で20年末比半減した。 預金のうち貸し出しに回った資金額を示す預貸率は米銀が約6割、メガバンクが5割程度。各行とも預金の多くを有価証券運 用に振り向けてきたが、利上げ局面では債券の含み損が拡大するリスクが高まる。米金利上昇は海外での預貸利ざやの改善 につながるが、邦銀にとって保有する外債の含み損の影響は大きい。 4〜12月期決算では、貸し出し債権の焦げ付きに備える与信関係費用がみずほを除いて前年同期比で減少した。コロナ禍で 経済の回復は鈍いものの、政府や金融機関の融資で企業が資金繰りをつないでいる。21年の倒産件数は57年ぶりの低水準と なり、与信費用の増加がおさえられている。 ただし、ここにも変調の兆しがみえる。みずほは大口融資先の一部で業績が悪化し、個別貸倒引当金を積み増した。個別引当 金は破綻が懸念される企業の債権を対象に損失の見積額を計上する。全体の与信関係費用は前年同期比約500億円増の1479 億円を計上した。 オミクロン型の流行もあり、飲食や旅行などの業種でコロナの打撃が蓄積している。「半導体不足による調達網混乱で与信費用 が膨らむ恐れもある」(メガバンク幹部)との声もある。 マイナス金利の導入で銀行が従来のビジネスモデルで稼ぎにくくなってはや6年。三井住友が昨年、アジアの個人向け金融に 出資するなど各行は成長市場での収益強化のシナリオを描く。これと同時にデジタル戦略や環境シフトなど「コロナ後」を見据えた 機動力も試される。米利上げが間近に迫る中、邦銀に残された時間は限られている。 日本株ADR2日、買い優勢 野村や三菱UFJが上昇 2022/02/03 06:16 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=戸部実華】2日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は買いが優勢だった。 同日の日米株式相場が上昇し、日本株ADRも買われやすかった。野村や三菱UFJ、三井住友FGの上げが目立った 。トヨタやホンダ、オリックスも上昇した。一方、みずほFGやソニーGは下落した。 AD4279円 米国債券10年利回り1.770%、(-0.030) 2022年2月2日7:01 午後UPDATED 18時間前 3メガ銀、4―12月期純利益55.7%増 先行き不透明で通期予想維持 [東京 2日 ロイター] - 三菱UFJフィナンシャル・グループなど大手銀行3グループは2日、2021年4―12月期の連結決算 を発表した。与信関係費用の改善などを背景に、3グループ累計の連結純利益は前年同期比55.7%増の2兆1738億円と なった。一方、新型コロナウイルスの感染状況や市場環境が不透明なことから、各グループともに通期予想は据え置いた。 三菱UFJFGの4―12月期連結純利益は、同76.3%増の1兆0703億円だった。持分法適用会社のモルガン・スタンレーの 増益による投資益や貸倒引当金の戻入れが寄与し、通期予想(1兆0500億円)に到達した。 三井住友フィナンシャルグループは、44%増の6247億円で、通期予想(6700億円)に対する進捗率は90%を超えた。国内 外の企業活動の回復・活発化に伴い、ホールセールやグローバル部門を中心に増益となった。 みずほフィナンシャルグループは、35.0%増の4786億円。与信関係費用が増加した一方、退職給付信託返還益や税効果に よる特殊要因などで、年間予想(5300億円)に対する進捗率は90%となった。 格付け会社ムーディーズ・ジャパンのVPシニア・クレジット・オフィサー山本哲也氏はロイターに対し、大手銀3グループの第3四 半期連結決算について「信用評価上ポジティブ」とコメント。「その他のグローバル銀行と同様に、景気回復を背景とする与信関 連費用の減少と銀行のコスト削減に支えられ、今後12−18カ月の期間において3メガバンクの収益性は向上する」との見方を 示した。 一方、3グループは今後の見通しについて慎重な姿勢を示した。三菱UFJFGは、足元の半導体不足やオミクロン株の経済影響 を踏まえ、年間予想を据え置いたと説明。フォワードルッキングな引き当ても含めて、検討していくとしている。 みずほFGも「先行き不透明感が色濃く出ており、現時点で業績予想を変えるに至らなかった」(広報担当)とした。 日本株ADR3日、売り優勢 ソニーGや三井住友FGの下げ目立つ 2022/02/04 06:29 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=戸部実華】3日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は売りが優勢だった。 同日の日米株式相場がともに下落し、日本株ADRも売られやすかった。ソニーGや三井住友FGの下げが目立った。 野村や三菱UFJ、武田も下落した。一方、キヤノンやホンダは上昇した。 AD4179円 米国債券10年利回り1.840%、(+0.074) 債券寄り付き 長期金利、0.190%に上昇 日銀マイナス金利導入決定以降の最高水準 2022/02/04 09:04 日経速報ニュース 4日朝方の国内債券市場で長期金利は上昇(債券価格は下落)した。指標となる新発10年物国債の利回りが前日比0.015% 高い0.190%をつけた。2016年1月29日以来の高水準で、日銀のマイナス金利導入決定後の最高水準をつけた。 イングランド銀行(英中央銀行)が追加利上げを決め、欧州中央銀行(ECB)も年内利上げを排除しない姿勢を示すなど欧州で 金融政策の正常化が早まるとの見方が強まった。ドイツや米国で長期金利が上昇しており、国内債にも売りが先行した。 現物債市場では、新発5年物国債の利回りが前日比0.010%高い(価格は安い)ゼロ%で取引されている。5年債がマイナス圏 を脱するのは16年1月29日以来6年ぶり。新発20年物国債の利回りは前日比0.015%高い0.590%で取引されている。18年12月 3日以来の高水準。 先物中心限月の3月物は前日比17銭安の150円49銭で寄り付いた。その後は下げ幅を一段と広げている。 短期金融市場では東京金融取引所の円金利先物の商いが閑散としている。中心限月の3月物はまだ取引が成立していない。 債券11時 長期金利、0.195%に上昇 5年債は6年ぶり脱マイナス圏 2022/02/04 11:30 日経速報ニュース 4日午前の国内債券市場では全般に売りが優勢となっている。長期金利は上昇(価格は下落)し、指標となる新発10年物国債 の利回りは前日比0.020%高い0.195%と2016年1月29日以来約6年ぶりの高水準を付けた。日銀がマイナス金利導入を決定し た後の最高水準だ。 3日にイングランド銀行(英中央銀行)が追加利上げを決め、欧州中央銀行(ECB)も年内利上げを排除しない姿勢を示したため 、欧州での金融政策の正常化の見通しが高まった。ドイツや英国の国債利回りが上昇し、国内債にも売りが及んだ。 新発5年物国債は前日比0.010%高いゼロ%を付け16年1月29日以来6年ぶりの脱マイナス圏となった。 超長期債では新発20年物国債が前日比0.020%高い0.595%で取引されている。一時は0.600%と、18年11月29日以来の高水 準を付けた。新発40年債は同0.015%高い0.840%と18年12月28日以来の水準となった。 先物中心限月の3月物は前日比24銭安の150円42銭で午前の取引を終えた。一時は150円32銭まで売られ、18年10月24日以 来3年3カ月ぶりの安値を付けた。 短期金融市場では、無担保コール翌日物金利が小幅に上昇している。マイナス0.01%を挟んで推移し、加重平均金利はマイナ ス0.017%前後と前日の日銀公表値(マイナス0.019%)をやや上回っているもようだ。 米長期金利、一時1.90%に上昇 予想上回る雇用統計で 2022/02/04 22:50 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川上純平】4日朝の米債券市場で長期金利が上昇している。長期金利の指標となる10年物国債利回りは 一時、前日比0.07%高い(価格は安い)1.90%と、1月19日に付けた今年の最高と同水準にまで上昇した。朝方発表の1月の 米雇用統計で、雇用者数の増加幅が市場予想を上回った。米連邦準備理事会(FRB)が3月にも利上げを開始するとの観測が 高まっており、金融政策の早期引き締めを見込んだ債券売りが膨らんだ。 景気動向を反映する非農業部門の雇用者数は46万7000人増と市場予想(15万人増)を大きく上回った。平均時給の伸び率も 市場予想以上となり、米国のインフレ長期化の観測が強まった。 金融政策の影響を受けやすい2年物国債利回りは前日比0.10%高い1.29%と、20年2月以来の高水準を付ける場面があった。 長期金利上昇を受け、米株価指数先物は売られている。流動性の高い「Eミニ・ダウ先物」の3月物は3日の清算値に比べ28 0ドル安い3万4691ドルを付ける場面があった。 米国株、ダウ続落で始まる 雇用統計受け金融引き締め観測強まる 2022/02/04 23:41 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=張間正義】4日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落で始まり、午前9時40分時点は前日比62ドル 29セント安の3万5048ドル87セントで推移している。取引開始前に発表された1月の米雇用統計は市場予想を上回る内容だった。 米連邦準備理事会(FRB)の金融政策の早期引き締め観測が強まり、米長期金利が上昇。相対的な割高感を意識した売りが 高PER(株価収益率)のハイテク株の一角に出ている。 雇用統計では景気動向を映す非農業部門雇用者数が前月比46万7000人増と市場予想(15万人増程度)を上回った。平均時 給の伸び率も市場予想以上となり、米国のインフレ長期化の観測が強まった。発表を受け、米長期金利は一時、前日比0.08% 高い(債券価格は安い)1.91%と、2020年1月以来の水準に上昇した。金融政策の影響を受けやすい2年と5年債利回りも大幅 に上昇している。 ソフトウエアのマイクロソフトとスマートフォンのアップルなどが下げている。クレジットカードのビザやホームセンターのホーム・ デポなど消費関連株も安い。一方、長期金利の上昇で利ざや改善への期待から、金融のゴールドマン・サックスとJPモルガン・ チェースには買いが先行した。原油高を受け、石油のシェブロンも高い。 ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は小幅に続落し、前日比10.691ポイント安の1万3868.127で推移している。 交流サイトのメタプラットフォームズ(旧フェイスブック)は続落して始まった。一方、3日夕に発表した2021年10〜12月期決算が 大幅増益だったネット通販大手のアマゾン・ドット・コムが上昇している。 日本株ADR4日、買い優勢 三菱UFJなど金融が上昇 2022/02/05 06:40 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川上純平】4日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は買い優勢だった。 米長期金利が上昇したのを受け、金融を中心に買いが入った。オリックスや三菱UFJ、三井住友FGが上昇した。 トヨタとホンダは下げた。 AD4234円 米国債券10年利回り1.916%、(+0.089) 米国株、ダウ続落し21ドル安 金融引き締めを警戒 ナスダックは反発 2022/02/05 06:35 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川内資子】4日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比21ドル42セント(0.1%)安の3万 5089ドル74セントで終えた。朝方発表の1月の米雇用統計を受けて米金融政策の早期の正常化観測が高まった。金融引き 締めが景気を冷やすとの警戒感から景気敏感株の一角に売りが膨らんだ。半面、3日夕に四半期決算を発表したネット通販 のアマゾン・ドット・コムの急伸を受け、ハイテク株には買い直しの動きがみられた。 雇用統計で景気動向を映す非農業部門の雇用者数は前月比46万7000人増と市場予想(15万人増程度)を上回った。昨年 11、12月分も上方修正された。平均時給の伸びは市場予想以上だった。米労働市場の逼迫を示したとして、米連邦準備理事 会(FRB)が積極的に金融引き締めを進めるとの見方が強まった。 金融引き締めが景気を冷やすとの警戒感から景気敏感株の一角が売られた。工業製品・事務用品のスリーエム(3M)が 2%下げ、建機のキャタピラーも売られた。ホームセンターのホーム・デポやクレジットカードのビザなど消費関連株も下げた。 ダウ平均は午前中に312ドル安となる場面があった。 午後に入ってからはプラス圏に切り返し、一時は200ドル超上げた。アマゾンの2021年10〜12月期決算はクラウド事業の 好調さを背景に大幅増益となり、株価は14%上昇した。3日に交流サイトのメタプラットフォームズ(旧フェイスブック)の急落 を受けて大きく下げていたハイテク株を買い直す動きが広がった。ダウ平均の構成銘柄では顧客情報管理のセールスフォ ース・ドットコムが3%上昇し、ソフトウエアのマイクロソフトも上げた。 米長期金利が一時、前日比0.10%高い1.93%と20年1月以来の水準に上昇した。利ざや拡大への期待から金融のゴール ドマン・サックスやJPモルガン・チェースがともに2%超上げた。 ナスダック総合株価指数は反発し、前日比219.189ポイント(1.6%)高の1万4098.007で終えた。アマゾンの好決算を受け、 データドッグやゼットスケーラーなどクラウド関連株が軒並み上昇した。エヌビディアなど半導体株も総じて上げた。一方、メタ は小幅に続落した。 来るか、本格バリュー相場――株、金利上昇で転換点探る(スクランブル) 2022/02/05 日本経済新聞 朝刊 日経平均株価は米金融引き締めをめぐり不安定な値動きが続く。米金融政策の市場影響の不透明さだけでなく、年初からの 米長期金利の上昇を受け、急速にグロース(成長)株からバリュー(割安)株への資金シフトが起きていることも要因だ。足元で はやや落ち着きも見られるが、バリュー株シフトは再び加速する兆しがある。投資家も長期的なバリュー相場への移行を見据え 、転換点を見極めようと動きつつある。 「本当は保有し続けたい小型の成長株を4銘柄も売却した。7年超の運用実績の中で、ポートフォリオは最もバリュー色を強め ている」。ニッセイアセットマネジメントの伊藤琢チーフ・ポートフォリオ・マネジャーは明かす。ファンドの性質上、普段は成長株が 多いというが、今は可能な限り大型・割安株のウエートを増やした。 昨年秋ごろから割安株へのシフトを進めていた伊藤氏は「1月の相場動向を受け、今から調整する投資家もいるはず。そうした 調整が終わる春ごろまでは動かない」という。実際、国内証券のあるストラテジストは「まだポートフォリオを変えていない投資家 は、今からでも割安株の比重を増やすべきか悩んでいる」と明かす。 スパークス・アセット・マネジメントの常峰隆一・運用調査本部長は「昨年末までの低金利環境で、成長性に対する基準が甘く なっていた」とし「2022年に入り基準を厳しく見直したら脱落する銘柄が出てきた」という。 グロース株の評価見直しに呼応するように米株は乱高下を続け、国内株にもその流れが波及している。実際、量的緩和の縮 小を決めた昨年11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)以降、日経平均と米ダウ工業株30種平均の日次騰落率の相関係数 (過去30日間)は上昇し、足元では0・5前後のプラス相関状態で推移する。岡三アセットマネジメントの宮地徹郎・株式運用部 長は「米連邦準備理事会(FRB)が想定する金融政策とマーケットの見通しにギャップがある間は、不安定な相場が続く」と分析 する。 バリュー株シフトが、短期的な「嵐の相場」からの資金逃避ではないと見る投資家も増えつつある。 「10年程度の周期でのバリュー相場の到来かもしれない」(岡三証券の松本史雄チーフストラテジスト)。MSCIが算出する、 世界の割安株を組み入れた「全世界割安株指数」を、同「成長株指数」で割った値(1996年末=1)は3日時点で0・57。ほぼ 10年ほどのスパンでバリュー株優位とグロース株優位が入れ替わる様子がグラフからは見て取れる。 三井住友DSアセットマネジメントは昨秋に出したリポートで、資源高と金利上昇が当面続くとの想定のもと「資源高と金利上 昇が起きた2003〜07年のようなバリュー相場が訪れる可能性がある」と指摘した。足元ではウクライナ情勢の緊迫という、 資源高につながる新たな要因も出てきた。 岡三証券の松本氏は「過去にバリュー株が優位な時には新興国経済に勢いがあった。ここから本格的なバリュー相場に移る には、そうしたきっかけが必要」とみる。00年代に急成長を遂げた中国や今後の成長期待が高い東南アジアは、コロナの封じ 込め政策やワクチン接種率の低さから経済回復が遅れている。 こうした懸念材料が22年以降に和らぎ、新興国経済が回復する動きが見え始めると、本格的なバリュー相場への転換点とな る可能性も高まりそうだ。 日本にも金利上昇圧力 迫る0.25%、日銀は抑制策検討 2022/02/06 00:00 日経速報ニュース 米欧発の金利上昇圧力が日本にも波及してきた。日本の新発10年物国債の利回りは0.20%と6年ぶりの高水準をつけ、日銀が 許容範囲の上限としている0.25%が視野に入る。接近すれば、日銀は無制限に国債を買う「指し値オペ」を3年半ぶりに発動する見 通し。金利上昇を抑え込むことで、緩和を続ける姿勢を明確にする構えだ。 4日の米債券市場で米10年債利回りが一時1.93%と前日より0.10%上昇し約2年ぶりの高水準をつけた。1月の米雇用統計で雇用 者数や賃金の伸びが市場予想を上回り、米連邦準備理事会(FRB)が利上げを加速するとの見方が強まった。 3日には欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁が年内の利上げを排除しない姿勢を示し、ドイツなど欧州国債の金利も急上昇した。 日銀は2%の物価上昇率目標が遠いとして金融緩和を続けているが、市場では「いずれ金融緩和の修正を迫られるのではないか」と の見方も浮上。日本の国債利回りにもじわりと上昇圧力が強まり、4日には0.20%と6年ぶりの高水準をつけた。 日銀は2016年に導入した長短金利操作で、10年債の利回りが0%程度になるように国債の購入額を調整している。国債市場の取 引が乏しくなりすぎないよう、21年3月からは上下0.25%程度の変動は許容する方針とした。4日の米国債金利の上昇を受け、金融市 場では上限にあたる0.25%に近づく可能性が取り沙汰されている。 日銀は0.25%に近づけば、臨時の国債購入で金利上昇を抑える考えだ。活用するのは0.25%など特定の金利水準を示したうえで無制 限に国債を買う指し値オペの手法だ。特定の水準以上に金利が上がらない(価格が下がらない)よう日銀が買い支える形となる。 日銀は国債市場の監視を強めており、いつでも指し値オペを打ち出す準備を整えている。金利上昇圧力が強ければ、何度も続けて オペを実施するとみられる。0.2%台前半の水準では金利上昇が急激でなければオペを見送る可能性が高いが、0.25%を上回るのが 常態にならないよう金利を抑えつける構えだ。 欧米は金融政策の転換に踏み出したものの、日銀は「強力な金融緩和を粘り強く続ける」(黒田東彦総裁)と強調する。消費者物価 指数(CPI)の上昇率が目標とする2%前後で安定するのはまだ先だとみている。 1月の金融政策決定会合では「物価安定目標を安定的・持続的に達成するまで金融緩和を続ける日銀の政策意図を、誤解がない ようによく伝えるべきだ」との意見が出席者から相次いだ。0.25%を超えても指し値オペを見送れば日銀が金利上昇を認めたとみなされ 、金融市場で緩和修正の観測が広がる可能性がある。オペの実施は日銀の金融政策の姿勢を明示する意味合いもある。 もっとも、海外の金利上昇が進むなかで日銀が金利を抑え込めば、国内外の金利差が開く。外国為替市場では金利の高い通貨が 買われやすく、円安要因となる。円安は輸入品の値上がりを通じて物価上昇圧力となる。 賃金上昇が鈍いなか、エネルギー価格の上昇も相まって、円安は家計や輸入企業への重荷として意識されやすくなっている。円安 が止まらなければ、消費意欲を冷やす可能性がある。 金利上昇圧力、日本にも、0.25%迫る、日銀、臨時国債購入を準備。 2022/02/06 日本経済新聞 朝刊 米欧発の金利上昇圧力が日本にも波及してきた。日本の新発10年物国債の利回りは0・20%と6年ぶりの高水準をつけ、 日銀が許容範囲の上限としている0・25%が視野に入る。接近すれば、日銀は無制限に国債を買う「指し値オペ」を3年半ぶ りに発動する見通し。金利上昇を抑え込むことで、緩和を続ける姿勢を明確にする構えだ。 4日の米債券市場で米10年債利回りが一時1・93%と前日より0・10%上昇し約2年ぶりの高水準をつけた。1月の米雇 用統計で雇用者数や賃金の伸びが市場予想を上回り、米連邦準備理事会(FRB)が利上げを加速するとの見方が強まった。 3日には欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁が年内の利上げを排除しない姿勢を示し、ドイツなど欧州国債の金利も急上 昇した。日銀は2%の物価上昇率目標が遠いとして金融緩和を続けているが、市場では「いずれ金融緩和の修正を迫られる のではないか」との見方も浮上。日本の国債利回りにもじわりと上昇圧力が強まり、4日には0・20%と6年ぶりの高水準を つけた。 日銀は2016年に導入した長短金利操作で、10年債の利回りが0%程度になるように国債の購入額を調整している。国債 市場の取引が乏しくなりすぎないよう、21年3月からは上下0・25%程度の変動は許容する方針とした。4日の米国債金利の 上昇を受け、金融市場では上限にあたる0・25%に近づく可能性が取り沙汰されている。 日銀は0・25%に近づけば、臨時の国債購入で金利上昇を抑える考えだ。活用するのは0・25%など特定の金利水準を示 したうえで無制限に国債を買う指し値オペの手法だ。特定の水準以上に金利が上がらない(価格が下がらない)よう日銀が買 い支える形となる。 日銀は国債市場の監視を強めており、いつでも指し値オペを打ち出す準備を整えている。金利上昇圧力が強ければ、何度も 続けてオペを実施するとみられる。0・2%台前半の水準では金利上昇が急激でなければオペを見送る可能性が高いが、0・ 25%を上回るのが常態にならないよう金利を抑えつける構えだ。 欧米は金融政策の転換に踏み出したものの、日銀は「強力な金融緩和を粘り強く続ける」(黒田東彦総裁)と強調する。消費 者物価指数(CPI)の上昇率が目標とする2%前後で安定するのはまだ先だとみている。 1月の金融政策決定会合では「物価安定目標を安定的・持続的に達成するまで金融緩和を続ける日銀の政策意図を、誤解が ないようによく伝えるべきだ」との意見が出席者から相次いだ。0・25%を超えても指し値オペを見送れば日銀が金利上昇を認 めたとみなされ、金融市場で緩和修正の観測が広がる可能性がある。オペの実施は日銀の金融政策の姿勢を明示する意味合 いもある。 もっとも、海外の金利上昇が進むなかで日銀が金利を抑え込めば、国内外の金利差が開く。外国為替市場では金利の高い通 貨が買われやすく、円安要因となる。円安は輸入品の値上がりを通じて物価上昇圧力となる。 賃金上昇が鈍いなか、エネルギー価格の上昇も相まって、円安は家計や輸入企業への重荷として意識されやすくなっている。 円安が止まらなければ、消費意欲を冷やす可能性がある。 今週の債券 軟調、海外金利の上昇で 長期金利は0.2%台前半で推移する場面も 2022/02/07 08:08 日経速報ニュース 今週(7〜10日)の債券相場は軟調に推移し、利回りは上昇する場面が目立ちそうだ。米雇用指標の上振れで米金融政策の 早期正常化観測が根強い。欧米中銀が金融引き締めに積極的な「タカ派」姿勢を鮮明とし、海外金利には上昇圧力が強まって いる。日銀の政策修正への思惑もくすぶり、国内債には売りが出やすい。長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りは 0.2%台前半で推移する場面があるとの声が聞かれた。 国内の長期金利は前週末、前の週末比で0.030%高い(債券価格は安い)0.195%で終えた。4日に一時0.200%まで上昇し、 日銀がマイナス金利導入を決定した2016年1月29日以来、約6年ぶりの高水準をつけた。海外金利の上昇や日銀の政策修正 への思惑を背景に国内債には売りが優勢だった。英イングランド銀行(中央銀行)や欧州中央銀行(ECB)が3日に金融政策の 正常化に前向きな姿勢を示し、ドイツや英国の長期金利が上昇したことも国内債相場の重荷だった。 4日のニューヨーク債券市場で米長期金利の指標となる10年物国債の利回りは前日比0.08%高い1.91%で終えた。一時は 1.93%と20年1月以来の高水準を付けた。同日発表の1月の米雇用統計は雇用者数の伸びが市場予想を上回り、平均時給の 伸びも予想以上だった。米連邦準備理事会(FRB)の早期の金融引き締め観測が強まり、幅広い年限の債券が売られた。 今週は10日発表の1月の米消費者物価指数(CPI)に関心が高い。結果を見極めたいとして、週後半にかけて投資家の様子見 姿勢が強まるだろう。市場ではエネルギー・食品を除くコア指数は前年同月比5.8%上昇と、伸び率は前月(同5.5%)から拡大す ると予想される。CPIの伸びが市場予想を上回れば、積極的な米金融引き締めへの観測が一段と強まる可能性がある。日本は 11日が建国記念の祝日で休場となるため、来週以降の国内債市場で売りを促す材料となるだろう。 日銀が金利上昇をけん制するとの見方は、国内債相場の支えになる。長期金利が、日銀が変動幅として許容する上限の0.25% に近づけば、特定の利回りで無制限に国債を買い入れる指し値オペ(公開市場操作)や臨時オペに動く可能性がある。 財務省は8日に10年物物価連動国債の入札を、10日に流動性供給入札(残存期間15.5年超39年未満)をそれぞれ実施する。 日銀は9日に「1年超3年以下」「3年超5年以下」「5年超10年以下」の国債買い入れオペを通知する予定。日銀のオペは国内 債相場を下支えするだろう。 9日には日銀が1月のマネーストックを発表するほか、日銀の中村審議委員が山梨県金融経済懇談会であいさつする。10日 には日銀が1月の企業物価指数を公表する。 海外では、9日にメスター・クリーブランド連銀総裁が講演する。10日には週間の米新規失業保険申請件数が発表されるほか、 11日には21年10〜12月期の英国内総生産(GDP)速報値や2月の米消費者態度指数(速報値、ミシガン大学調べ)が公表される。 債券寄り付き 長期金利0.200%に上昇、5年債利回りは6年ぶりプラス圏 2022/02/07 09:20 日経速報ニュース 7日朝方の国内債券市場で長期金利は上昇(債券価格は下落)した。指標となる新発10年物国債の利回りは前週末比 0.005%高い0.200%をつけた。前週末4日発表の1月の米雇用統計の上振れを受け、同日の米長期金利が上昇。週明け の国内債にも売りが波及した。 1月の米雇用統計で、景気動向を映す非農業部門の雇用者数は前月比46万7000人増と市場予想(15万人程度の増 加)を大きく上回った。平均時給の伸びも市場の予想以上だった。米金融引き締めが早期に進むとの観測が強まり、4日 の米長期金利は一時1.93%と2020年1月以来の高水準をつけた。 新発5年物国債の利回りは一時、前週末比0.005%高い0.005%と16年1月29日以来約6年ぶりにプラス圏に浮上した。 新発20年物国債の利回りは同0.015%高い0.610%と、18年11月以来の高水準をつけた。新発30年物国債の利回り は0.015%高い0.815%と、18年12月以来の高さとなった。 債券先物相場は続落して始まった。中心限月の3月物は前週末比14銭安の150円20銭で寄り付いた。夜間取引では 150円11銭と、中心限月として18年10月以来の安値をつける場面があった。 短期金融市場では東京金融取引所の円金利先物の売買が閑散としている。中心限月の3月物はまだ売買が成立し ていない。 2022年02月07日09時09分 三菱UFJ、第一生命HDなどが上値指向継続、米長期金利が1.9%台乗せ 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>が小幅ながら5日続伸となったほか、第一生命ホールディングス<8750>も 4日続伸となるなど上値指向を継続。 前週末の米国株市場では1月の米雇用統計の発表を受けて、FRBによる金融引き締め政策に対する思惑が強まり 米長期金利は1.9%台に上昇した。これを背景にNYダウはやや軟調な値動きとなったが、ゴールドマン・サックス<GS> やJPモルガン<JPM>など大手金融株が軒並み買われる展開となった。 東京市場でも米国事業を展開するメガバンクや大手生保株にとって運用環境の改善を期待した投資資金の流入を誘っ た。国内長期金利についても10年債利回りが6年ぶりの高水準にあり、追い風が意識されている。 <東証>三菱UFJと第一生命HDが高値 金利上昇が追い風 2022/02/07 12:38 日経速報ニュース (12時35分、コード8306)三菱UFJが5日続伸している。後場に一時は前週末比17円50銭(2.4%)高の743円20銭まで上昇 し、2018年5月以来、約3年9カ月ぶりの高値を付けた。主要国の長期金利が上昇基調で推移し、利ざや改善を期待した買い が優勢となった。 7日の債券市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りは一時前週末比0.010%高い(債券価格は安い)0.205 %と約6年ぶりの高水準を付けた。国内金融機関の貸出金利も上昇するとの期待が高まっている。 生命保険大手の第一生命HD(8750)も4日続伸し、一時は前日比108円(4.1%)高の2772円まで上げ、株式分割考慮後の 上場来高値を更新した。金利上昇で、一般事業会社の純資産に類似する生保の経営指標であるエンベディッド・バリュー(EV )の改善が意識されている。 東証後場寄り 安値圏で方向感乏しく、バリュー株は堅調 2022/02/07 12:55 日経速報ニュース 7日後場寄り付きの東京株式市場で日経平均株価は方向感に乏しい。前週末比240円程度安い2万7200円近辺で推移し ている。米株価指数先物が日本時間7日の取引で軟調に推移し、日経平均先物にも短期筋の売りが出ている。一方、バリュ ー(割安)株には買いが入っており、日経平均の下値は限られている。 東証株価指数(TOPIX)のグロース(成長)指数は1.2%前後安い水準で推移。一方、PBR(株価純資産倍率)が低い銘柄 で構成するバリュー指数は0.3%程度高い。 前引け後の東証の立会外で、国内外の大口投資家が複数の銘柄をまとめて売買する「バスケット取引」は約153億円成立した。 12時45分現在の東証1部の売買代金は概算で1兆7923億円、売買高は7億6323万株だった。 昼休み中に決算を発表した帝人は後場に下げ幅を拡大。郵船も一段安。オリンパスや太陽誘電、SUMCOも下げている。 一方、第一生命HDやアステラスは後場に一段高となり、昨年来高値を更新。日産化や中外薬も高い。 日銀、修正「初めの一歩」は7月か 先行き指針の表現変更 2022/02/07 17:30 日経速報ニュース 国内債券市場で、幅広い年限の国債利回りが上昇(債券価格は下落)を続けている。米欧の中銀が利上げに積極的な 「タカ派」姿勢に傾斜。海外金利の上昇圧力が強まり、国内債にも売りが波及している。市場では、日銀も政策修正の第 一歩として、早ければ7月の金融政策決定会合でフォワードガイダンス(先行き指針)の表現変更に踏み切るとの見方が 増えている。 長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りは7日に一時、前週末比0.010%高い0.205%と約6年ぶりの高水準を つけた。新発5年物国債の利回りは同0.005%高い0.005%と、6年ぶりにプラス圏に浮上。新発20年物国債と新発30年 物国債の利回りは、それぞれ2018年11月以来の高水準をつける場面があった。4日発表の1月の米雇用統計が上振れ して同日の米長期債相場が下落し、週明けの国内債の売りにつながった。 世界的なインフレ高進を背景に米欧の中銀が金融政策の正常化にかじを切るなか、日銀も金融緩和策の修正に動くの ではないかとの思惑は日増しに強まっている。 日銀の政策修正へ向けた「初めの一歩」として複数の市場参加者が予想するのが、フォワードガイダンス(先行き指針)の 表現変更だ。緩和強化の一環で18年7月に導入されて以降、たびたび修正されてきた。20年4月以降は「当面、新型コロナ ウイルス感染症の影響を注視し、必要があれば、ちゅうちょなく追加的な金融緩和措置を講じる。政策金利については、現 在の長短金利の水準、または、それを下回る水準で推移することを想定している」としている。 三菱UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美シニア・マーケットエコノミストは、これを今後「『政策金利については、経済・ 物価の不確実性を踏まえ、当分の間、現在の長短金利の水準を維持することを想定している』と、18年7月の導入当初に 近い表現に変更し、利下げバイアスを削除するのではないか」と予想する。 日銀は1月に公表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で、22年度と23年度の消費者物価指数(CPI)の上昇率 見通しを上方修正した。1月会合の「主な意見」によると、4月には携帯電話通信料の引き下げ要因が剥落し、それに諸要 素が重なれば、CPIの前年比は「瞬間風速的に2%に近い水準まで上昇する可能性がある」との声が審議委員から出るな ど、物価下落への警戒感は後退しつつある。 この先、景気の回復基調が鮮明となり、原油高の影響が消えても「基調的な物価上昇圧力」が損なわれないと判断すれば 、日銀は「早ければ7月会合で、9月末を期限とする新型コロナ対応の特別オペ(公開市場操作)の終了を決めるとともに、 コロナ対応の色合いが強い現状のフォワードガイダンスの修正に踏み切る」(六車氏)。そうなれば政策修正への思惑が再び 強まり、金利は高止まりが続きそうだという。 日銀に緩和姿勢を崩すそぶりはなく、金利動向次第では臨時的な国債買い入れ措置により金利の大幅な上昇を制する構え だ。そのため長期金利が、日銀が変動幅として許容する上限の0.25%に近づけば、固定利回りで国債を無制限に買い入れる 指し値オペ(公開市場操作)を発動するとの見方は多い。 指し値オペ発動の水準は長期金利で「0.24%」(国内証券)と予想する声も聞かれる。足元の長期金利は0.200%近辺のため まだ距離があるが、「すでにオペへの警戒感から、積極的に売り崩すのは厳しいとして投資家が国内債市場から離散している ようだ」(東海東京証券の佐野一彦チーフ債券ストラテジスト)という。 日銀の黒田東彦総裁の任期満了まで約1年。金融緩和政策の出口に向けた思惑が高まりやすく、債券相場は当面、神経質 な動きが続きそうだ。 日本株ADR7日、買い優勢 三井住友FGなど銀行が高い 2022/02/08 06:24 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川上純平】7日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は買い優勢だった。 ダウ工業株30種平均は方向感を欠いたものの米長期金利が高止まりし、三井住友FGやみずほFGなど銀行株が買われた。 AD4373円 米国債券10年利回り1.921%、(-0.011) 米恐怖指数、株安でも「沈黙」――ゼロ金利終了迫り異変(スクランブル) 2022/02/08 日本経済新聞 朝刊 米株安が加速する一方、投資家の不安心理が高まると上昇する傾向があることから恐怖指数と呼ばれる変動性指数 (VIX)が「沈黙」し、市場に戸惑いが広がっている。米S&P500種株価指数のオプション取引の値動きから算出するV IXは1月、米株が急落した割に動きが鈍いという異例の事態が起きた。裏側を探ると市場の内部構造の異変が浮上する。 前週末の米株の流れを引き継ぎ、7日の東京株式市場で日経平均株価の下げ幅は一時300円を超えた。月間の値幅 (高値と安値の差)を直前の月末の終値で割った値を「月間変動率」とし、欧米や中国の主要株価指数と比較すると、1月 の日経平均は11%で米ナスダック総合株価指数(16%)に次いで大きかった。 「1月は米株先物の流動性が急速に低下した」(米ゴールドマン・サックスのロッキー・フィッシュマン氏)。QUICK・ファ クトセットによれば米連邦準備理事会(FRB)の量的緩和縮小(テーパリング)開始直後の2021年11月下旬以降、「E ミニ・ナスダック100株価指数先物」では買い手と売り手が提示する価格差(ビッド・アスク・スプレッド)が拡大した。 「金利(資金コスト)が上がると市場に流動性を供給する高速取引(HFT)業者は『薄利多売買』が難しくなる。金利上昇 を知らない若いプログラマーも多く、ゼロ金利を前提に組み立てられた売買システムの対応が遅れているのではないか」。 東京都立大学の足立高徳教授は流動性低下の原因を、こう読み解く。 証券会社とディーラーも持ち高を減らし始めた可能性がある。FRBによれば米国の証券会社とディーラーの総資産は 21年7〜9月期末時点で前年同期比12%増の5兆500億ドル(約580兆円)。増加率は07年以来の大きさで、規模は 13年ぶりの高水準だった。 流動性が低下し、株価が急落すると投資家はVIXが急騰すると直感しがちだ。ところが、1月のVIXの高値(終値ベース )は26日に付けた31・96。S&P500の月間下落率(5・3%)が20年3月以来の大きさだったにもかかわらず、21年 12月の高値(31・12)をわずかに上回ったにすぎない。 S&P500の値幅から割り出した「月間変動率」とVIXの月間高値の各15年ほどのデータからVIXの高値時の理論値を 統計的に割り出したところ1月は35。実際の高値はこれより3ポイント以上低かった。実は過去にも実際の高値が理論値 を下回る場面が目立った時期がある。14年以降のFRBの金融正常化局面だ。 VIXはいわばオプション価格から算出する市場参加者の相場変動に対する期待値だ。オプションの需給で決まる面があ る。金融引き締めで投機的行動や裁定取引が抑制され、オプション利用が鈍れば相対的に期待値は上がりにくくなると考 えられる。財務上の理由でポジションの圧縮に動けば、日々の売買は活発でも建玉(未決済残高)は減る傾向が強まる。 シカゴ・オプション取引所(CBOE)によれば1月28日時点の建玉総数は2カ月前に比べ2割減少した。 「今後、株式の流動性が低下する場面は増えるのではないか」(JPモルガン証券の高田将成氏)。その時、たとえVIXが 沈黙しても楽観は禁物だ。ゼロ金利脱出後の市場では流動性の低下とVIXの低迷は表裏一体。そうであれば、中長期投 資家や上場投資信託(ETF)の現物株売り主導でVIXの過熱なき株価急落が普通になる可能性がある。 今日の債券 もみ合い、日銀の動きに注目 2022/02/08 08:04 日経速報ニュース 8日の債券相場はもみ合う展開となりそうだ。海外金利の上昇基調は国内債にも売りを促しやすい。半面、国内の長期金利は 7日に一時およそ6年ぶりの高水準をつけており、押し目と見た買いも入りやすい。日銀が金利上昇のけん制に動くとの思惑も くすぶる。長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りは0.190〜0.210%程度で推移するとの見方があった。 7日のニューヨーク債券市場で米10年物国債利回りは前週末と同じ1.91%で終えた。前週末4日発表の1月の米雇用統計で 雇用者数と賃金の伸びが市場予想以上となった。米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締め観測が強まっており、相場の 重荷だった。もっとも、前週後半に急ピッチで金利が上昇していたため、持ち高調整を目的とした買いも入った。 米金利の上昇や日銀の政策修正への思惑などから、国内では幅広い年限の国債利回りが上昇基調を強めている。7日の国 内債券市場では新発10年物国債の利回りが一時0.205%と、日銀がマイナス金利政策の導入を決めた2016年1月29日以来 およそ6年ぶりの高水準をつけた。新発5年物国債の利回りは0.005%と、6年ぶりにプラス圏に浮上した。 足元の金利上昇を受けて注目されるのは日銀の動きだ。日銀は長期金利の許容変動幅について「プラスマイナス0.25%程度 」としている。上限が近づくにつれ、日銀が特定の利回りで無制限に国債を買い入れる指し値オペ(公開市場操作)や臨時オペ で金利上昇をけん制するとの見方が強まる。オペへの思惑から8日の債券相場は神経質な展開となりやすい。 財務省は8日、物価連動国債(発行予定額2000億円程度)の入札を実施する。国内でも物価上昇が見込まれており、元本が 物価の動向に連動して増減する物価連動国債には投資家から一定の需要が集まるとして、市場では「無難」な結果を予想する 声が聞かれた。 国内では総務省が21年12月の家計調査、厚生労働省は21年12月の毎月勤労統計、内閣府は1月の景気ウオッチャー調査 をそれぞれ発表する。シャープ(6753)や日産自動車(7201)、ソフトバンクグループ(9984)など主要企業の決算発表も相次ぐ。 海外では21年12月の米貿易収支の発表が予定されている。 債券11時 長期金利0.205%に上昇 40年債利回りは上昇幅拡大 2022/02/08 11:39 日経速報ニュース 8日午前の国内債券市場で、長期金利は上昇(債券価格は下落)した。指標となる新発10年物国債の利回りは前日比 0.005%高い0.205%をつけた。4日発表の1月の米雇用統計の強い結果を受けて米連邦準備理事会(FRB)による金融 政策の正常化が早まるとの見方が強まり、米長期金利は高水準で推移している。日銀の政策修正への思惑もくすぶり、 国内債には売りが優勢となっている。 新発40年物国債の利回りは上げ幅を広げ、前日比0.030%高い0.905%と2018年12月18日以来の高さとなった。新発30 年物国債の利回りは、2018年11月以来の高水準ながらも同0.025%高い0.850%へ上昇幅を縮めた。新発5年物国債の 利回りは0.010%と日銀がマイナス金利政策の導入を決めた16年1月29日以来の高水準で推移した。 長期金利の上昇基調を受けて、日銀が金利上昇をけん制するとの見方も市場では出ているが、きょうこれまでのところ 日銀は特定の利回りで無制限に国債を買い入れる指し値オペ(公開市場操作)や臨時オペの通知をしていない。 財務省は11時50分の締め切りで10年物価連動国債(26回リオープン、表面利率0.005%、発行予定額2000億円)の入札 を実施する。市場では「海外からの需要も厚い」(国内証券の債券ストラテジスト)などと、「無難」な結果を予想する声が聞かれた。 債券先物相場は続落した。中心限月の3月物は前日比8銭安の150円24銭で午前の取引を終えた。 短期金融市場では、無担保コール翌日物金利がほぼ横ばい圏。マイナス0.015%を挟んで推移し、加重平均金利は マイナス0.020%近辺と前日の日銀公表値(マイナス0.020%)とほぼ同水準のもようだ。 2022年02月08日12時55分 三菱UFJが新値街道走り地銀株も軒並み高、米長期金利上昇が国内債券市場にも波及 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>が連日の昨年来高値更新となるなど上値指向を鮮明としているほか、 三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411>なども高く、メガバンク各社が揃っ て上昇基調を続けている。更に千葉銀行<8331>や七十七銀行<8341>、京都銀行<8369>など地銀株も軒並み株 価を切り上げる動き。米国ではFRBによる金融引き締め政策への転換が意識されるなか長期金利の上昇が目立 ってきたが、国内でもこれに引っ張られるように、新発10年国債の利回りが直近で0.205%まで水準を高めてい る。運用環境の改善期待が米国事業を展開するメガバンクだけでなく、地銀セクターにも及んでいるもようだ。 NYダウ続伸で始まる 長期金利上昇、金融株に買い 2022/02/09 00:24 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=横内理恵】8日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸で始まり、午前10時(日本時間9日午前0時) 現在は前日比55ドル42セント高の3万5146ドル55セントで推移している。米長期金利が一時1.96%に上昇し、利ざや拡大の思 惑から金融株が総じて買われている。自社株買いを好感してバイオ製薬のアムジェンが大幅高となったのもダウ平均を押し上 げている。 米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めの観測に加え、10日発表の1月の消費者物価指数(CPI)の上振れを警戒した 売りが債券に出ている。これを受け、JPモルガン・チェースなど金融株が高い。アムジェンは一時7%近く上昇した。8日朝に20 22年12月期の業績見通しと併せ、1〜3月期に最大60億ドルの自社株買いを実施すると発表した。 米国では新型コロナウイルスの新規感染者数の減少で経済活動の正常化が進む見通しが強まり、恩恵を受ける景気敏感株 の一角にも買いが先行した。化学のダウや建機のキャタピラーなどが高い。 半面、長期金利上昇を嫌気して高PER(株価収益率)銘柄は売られやすく、ハイテク株やヘルスケア株は総じて下げている。 日本株ADR8日、全面高 野村とトヨタが高い 2022/02/09 06:51 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=張間正義】8日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は全面高だった。 同日の米株式相場の上昇を受け、日本株のADRにも買いが入った。 野村やみずほFG、三菱UFJが上昇した。トヨタとキヤノンも高い。 AD4448円 米国債券10年利回り1.965%、(+0.049) デジタル銀、東南アで囲い込み競争、みずほがフィリピンで出資、3メガ、成長の果実狙う。 2022/02/10 日本経済新聞 朝刊 東南アジアでデジタル銀行への出資競争が激しくなってきた。みずほ銀行は月内にもフィリピンでデジタル銀行を展開するトニック ・フィナンシャルに出資する。約70億円で同社の株式の約10%相当を取得する。日本の3メガバンクとも人口が増えるアジア地域 でデジタル金融分野に投資することで、経済成長の果実を得る狙いがある。 シンガポールに拠点を置くトニック・フィナンシャルはクラウドでシステムを構築し、店舗を持たず経費を抑えたビジネスモデルを強み とする。フィリピンでは民間として初めてデジタルバンクに参入。2021年3月に開業してから半年で口座数は10万を超えた。 みずほ銀はデジタル銀行に出資することで、個人ローン分野を中心にフィリピンの成長を取り込む。みずほ銀からの人員派遣も検討 しており、金融サービスのデジタル化のノウハウを吸収する。 大手銀が東南アジアでデジタル銀の取りこみを急いでいる。みずほ銀は21年12月にベトナムの決済サービス「モモ」の運営会社 に出資した。同社は決済のほか、公共料金の支払い、旅行の手配などのサービスが使えるスーパーアプリとして国内シェア1位を誇 る。同じくみずほが出資するベトナムの大手銀ベトコムバンクの預金などと連携させた「デジタル銀行」につなげる構想がある。 シンプルで従来の銀行らしくない画面デザインや操作性を追求したのがインドネシアのバンクBTPNだ。三井住友銀行が出資してお り、16年に同国初のデジタルバンキングアプリ「ジーニアス」の提供を始めた。アプリで口座開設や個人ローンも提供する。 三菱UFJ銀行が出資するアジアの配車大手グラブはアプリ経由で、消費者ローンや後払い決済サービスを手がける。三菱UFJフ ィナンシャル・グループの連結子会社タイのアユタヤ銀行が、グラブに登録するドライバーや飲食加盟店にコロナ対応の融資を実行 するなどグループ横断の動きも加速する。 背景にあるのが、東南アジアの経済成長力の高さだ。日本経済新聞社と日本経済研究センターがアジアのエコノミストに経済見 通しを聞く「アジア・コンセンサス」によれば、東南アジア諸国連合(ASEAN)主要5カ国の22年の実質国内総生産(GDP)成長率 予想平均は5・1%と日本を大きく上回る。 フィリピンは人口増加と年6〜7%の経済成長を背景に金融ビジネスも発展が見込まれるが、金融包摂が進んでおらず、人口の 7割程度は銀行口座を持っていない。特に個人ローン市場は急成長を遂げており、今後数年で1000億ドル市場に成長するとの 試算がある。 有価証券報告書などによれば、3メガバンクは経常収益の1〜2割をアジア・オセアニア地域で稼ぐ。東南アジアはスマートフォン の普及率が高く、デジタル銀行の規制緩和も進みつつあり、伸びしろが大きい。人口減時代を迎えた日本の個人向け金融市場が 飽和するなか、各行のアジア戦略の重要度は増しそうだ。 日本株ADR9日、高安まちまち ホンダ3%高、野村は下落 2022/02/10 06:25 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=古江敦子】9日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は高安まちまちだった。 同日の日米株式相場はともに上昇したが、日本株ADRの反応はやや限られた。 東京市場の取引終了後に2022年3月期の連結純利益の予想を上方修正したホンダが3%上昇した。 ソニーGとオリックスも高い。一方、野村と三井住友FGが1%下落した。武田も下げた。 AD4443円 米国債券10年利回り1.945%、(-0.011) 長期金利、0.22%に上昇 16年1月29日以来の高さ 2022/02/10 12:57 日経速報ニュー 10日午後の債券市場で長期金利が一段と上昇(価格は下落)している。指標となる新発10年物国債の利回りは前日比 0.015%高い0.220%と、2016年1月29日以来およそ6年ぶりの高水準を付けた。日本時間10日夜に1月の米消費者物価 指数(CPI)の発表を控え、米インフレ加速や米長期金利の上昇を警戒した売りが出た。 日銀の政策修正をめぐる思惑も引き続き相場の重荷となっている。 円、「利上げの織り込みすぎ」に警戒も 下落基調不変も目先踊り場 2022/02/10 13:32 日経速報ニュース 外国為替市場で短期的に円買い・ドル売りに傾くことへの警戒がにわかに高まっている。米国での雇用市場の改善や物価上昇 を受けて市場では利上げの織り込みが進んできたが「やや織り込みすぎ」との見方も出てきた。円相場は中期的には下落基調に あるものの、目先では調整局面に入る可能性がある。 10日の東京外国為替市場で円相場は1ドル=115円台半ばで推移した。堅調な米労働市場などを背景に米金利は一段と上昇 するとの見方が根強い。9日こそ小幅に低下したものの、米長期金利は1.9%台で推移する。日米金利差の拡大を意識した円売り ・ドル買いが出やすくなっている。 米国の翌日物金利スワップ(OIS)市場では、米連邦準備理事会(FRB)による利上げが「1回につき0.25%を前提に、2022年中 の5回以上織り込まれている」(ソニーフィナンシャルグループの石川久美子氏)という。 利上げの織り込みは欧州市場も同様だ。ドイツ連邦銀行のナーゲル総裁は9日、独紙ツァイトとのインタビューで、欧州中央銀行 (ECB)による利上げが「年内にもあり得る」との考えを明らかにした。ECBのラガルド総裁も2月上旬のECB理事会後の記者会見 で22年内の利上げを「(物価などの)データ次第」とし、これまで一貫して否定していた姿勢を転換させた。「OIS市場では、22年中ご ろにはECBが政策金利の引き上げを始めることが織り込まれている」(みずほ証券の丹治倫敦氏)という。 背景には世界的に進む物価上昇がある。新型コロナウイルスの感染拡大による供給制約や原油高の影響で、先進国を中心に物 価上昇の勢いが依然強い。一部の国では労働力不足が賃金上昇につながっている。市場関係者は物価上昇に対応するために、 中央銀行が利上げに動くとみている。 もっとも、金融市場での欧米利上げの織り込みについて、みずほ証券の丹治氏は「オーバーシュート気味だ」と警戒する。ソニーF の石川氏も「前のめりになりすぎている」との見方だ。 米国では「タカ派」とされるアトランタ連銀のボスティック総裁の利上げに対する見方は「今年は0.25%の利上げが3回。4回利上げ に若干傾斜しつつある」というもの。市場が織り込む回数を下回っている。ソニーFの石川氏によると「FRBのタカ派の見通しが市場の 見通しを下回ることはあまりない事態」だという。 米国時間10日に発表が予定されている1月の米消費者物価指数(CPI)については、ダウ・ジョーンズ通信のまとめで前年同月比 で7.2%の上昇が見込まれているものの、前月比の上昇率は0.4%と2021年12月(0.5%)からやや鈍化する見通し。物価上昇を後 押しする原油先物相場については1バレル90ドル台を超えたところではやや上値が重くなりつつある。 1月の米CPIが市場予想並みか予想を下回る伸び率となれば急速に織り込んできた利上げ見通しが後退し、ドル売り・円買いの 動きにつながることも考えられる。日本国内の景気や物価動向などを踏まえると中長期的な円安傾向は変わらないものの、目先で は短期的な円買い・ドル売りへの警戒は怠らない方がよさそうだ。 東証14時 100円高 米CPI控え様子見の姿勢も 2022/02/10 14:08 日経速報ニュース 10日後場中ごろの東京株式市場で日経平均株価は午前終値からじり高となっている。前日比100円ほど高い2万7600円台 後半で推移している。決算発表を手がかりにした売買が続くほか、主力銘柄の一角には買いが入っている。 日本時間10日夜に1月の米消費者物価指数(CPI)が発表されるのを前に、上値を追う動きは限られている。米CPIは米金 融政策を見通す材料の1つとなる。市場には「物価の動向次第では、米利上げペースの加速が意識されて米長期金利が跳ね 上がる可能性がある」(三井住友DSアセットマネジメントの石山仁チーフストラテジスト)との見方もあり、株式相場への影響の 懸念から投資家の様子見姿勢が広がりやすい。 14時現在の東証1部の売買代金は概算で2兆4537億円、売買高は9億8884万株だった。 ソニーGと東レが上げ幅を拡大。鹿島や東エレク、第一三共が高い。一方、ヤマハ発は下げ幅を広げた。東洋紡や日本精工 、コンコルディが安い。 日銀指し値オペ実施へ 先行き指針の表現変更の可能性・大和の岩下氏 長期金利の上限は当面0.23%に 2022/02/10 19:35 日経速報ニュース 岩下真理・大和証券チーフマーケットエコノミスト 日銀は10日、あらかじめ指定した利回りで無制限に国債を買い入れる 「指し値オペ(公開市場操作)」を実施すると発表した。発表のタイミングが夕方遅めの時間だったのは想定外だったが、 長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りが17時すぎに0.23%に上昇(価格は下落)したのを踏まえると、日銀内 では指し値オペを実施する水準として0.23%を考えていたように推察される。さらに日本時間10日夜には1月の米消費者 物価指数(CPI)の発表を控え、日銀内で金利上昇への警戒感が強かったのではないかと思う。 日銀が許容する長期金利の変動幅の上限は0.25%程度だが、当面は国内の長期金利は0.23%が実質的な上限とし て意識され、0.23%を上回る水準では積極的な売りは控えられるだろう。円相場も日米の金融政策の方向性の違いか ら円安・ドル高に振れやすくなる。 日本と同様にマイナス金利政策を導入している欧州中央銀行(ECB)が利上げに前向きな「タカ派」に傾いたことで、 日銀にも金融政策の正常化に向けた思惑が広がりやすくなっているのは事実だろう。このところ投資家からの問い合わ せはかなり増えている。とはいえ、日銀の黒田東彦総裁自身は緩和姿勢を崩しておらず、任期中に大幅な政策変更に 動く可能性は低い。新体制下での正常化に向けた地ならしとして黒田総裁の任期中に考えられる選択肢としては「現在 の長短金利の水準、または、それを下回る水準で推移することを想定している」としている政策金利のフォワードガイダン ス(先行き指針)の表現変更になるとみている。 日銀、米欧発の金利上昇警戒 3年半ぶり抑制策を通知 2022/02/11 00:00 日経速報ニュース 日銀は長期金利の上昇を抑え込むため「指し値オペ(公開市場操作)」と呼ぶ異例の手段を発動する。米欧の長期金利の上昇 が日本にも波及し、日銀が許容範囲とする0.25%に迫ってきたためだ。市場の混乱を事前に抑え、投資家にくすぶる金融緩和の 縮小観測をけん制する狙いもある。 【関連記事】日銀、14日に金利抑制策発動 国債を0.25%で購入 日銀は3連休明けの14日に長期金利が上昇すれば、0.25%の金利で10年物国債を無制限に買うと通知した。銀行など民間の 投資家は0.25%より高い金利(安い価格)で他の投資家に売る利点がなくなるため、金融市場の金利は0.25%が事実上の上限と なる。 日銀は2013年に大量の国債を買い入れる異次元緩和を始めた。長期金利を低く抑える効果を狙った。さらに16年以降は短期 金利をマイナス0.1%、10年物国債を「ゼロ%程度」に誘導する長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)を金融政策の柱に据え てきた。21年3月には長期金利の範囲を「プラスマイナス0.25%程度」と示し、金利を低く保ってきた。 欧米の金融政策の転換を受け、状況は一変した。インフレ加速に伴い米連邦準備理事会(FRB)は年内に3回以上、利上げする 見込みで、市場では日銀もいずれ金融緩和を縮小するとの思惑が浮上。日本の長期金利も10日に一時、0.23%と日銀がマイナ ス金利政策を導入した16年1月以来、6年ぶりの水準まで上昇した。一段の金利上昇を容認すると、株安などの市場の混乱を招く 懸念があった。 今回、発動する指し値オペは長期金利が0.25%以上に上がらないようにするための防護壁の役割を担う。過去の指し値オペは 実施当日に通知していたが、今回は連休前に周知し、週明けの債券市場の波乱を抑える狙いがあるとみられる。 事前に通知したことで、実際には日銀が大量の長期国債を買う必要がなくなる可能性がある。10日の国債利回りは日銀のオペ の通知前は0.23%だったが、公表後には0.22%に下がった。長期金利が0.25%にならない状況で投資家が日銀に国債を売却すれ ば、市場価格よりも安く放出することになる。 直近で指し値オペを実施したのは18年7月だ。当時は「0.1%程度」を変動幅の上限としていた。指し値オペの実施後は金融市場 で民間投資家の国債の売り注文が減り、金利は上がりづらくなった。長期金利が0%程度で安定していたため、日銀は国債買い入 れを徐々に減らし、21年末には13年ぶりに国債保有残高が減少に転じた。 黒田東彦総裁は1月の記者会見で「(金融政策の)正常化の議論ができる状況ではない」と発言。日銀は必要なら短期間に何度 でも指し値オペを実施し、長期金利の上昇を抑え込む構えだ。通貨供給量を操作できる日銀は無制限に国債を買える。技術的には 長期金利を動かし続けることができる。 ただ、物価が上がり、市場が金融政策の修正を本格的に意識し始めると、強い金利上昇圧力がかかる。主要国の中央銀行で 長期金利の上限を定めて市場を操作しているのは日銀だけだ。米欧が金融緩和の縮小に向かうなかで、日銀の異例の金利抑制 策は際立っている。強引な金利抑圧は、国債市場の取引低迷や財政規律の緩みなど副作用をもたらす。 海外で長期金利が上昇するなか、日本の長期金利を強制的に低く抑え込めば金利差が広がり、為替市場での円安進行を招く 可能性がある。円安は輸入物価の上昇を通じて日本の物価を押し上げる方向に働く。 欧米の中央銀行も当初は「物価上昇は一時的」と踏んでいたが、この数カ月で方針転換を迫られた。物価上昇が日銀の想定以上 に進めば、市場で金融緩和の縮小観測が勢いづくシナリオは排除できない。 日本株ADR10日、売り優勢 トヨタの下げ目立つ 2022/02/11 06:14 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=戸部実華】10日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は売りが優勢だった。 米株式相場が下落し、日本株ADRも売られやすかった。トヨタが3%強下げた。オリックスやソニーG、キヤノンも下落した。 一方、ホンダは上昇した。 AD4443円 米国債券10年利回り2.052%、(+0.125) 米国株、ダウ反落し526ドル安 インフレで金融引き締め観測強まる 2022/02/11 06:21 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川上純平】10日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反落し、前日比526ドル47セント (1.5%)安の3万5241ドル59セントで終えた。朝方発表の1月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想以上に上昇し、米連邦 準備理事会(FRB)高官のタカ派発言も伝わった。FRBが金融引き締めを急ぐとの見方から売りが膨らんだ。 金利上昇局面で売られやすい高PER(株価収益率)のハイテク株が下げた。ソフトウエアのマイクロソフトが3%安、スマート フォンのアップルや顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムは2%安で終えた。積極的な利上げが米経済を冷やすとの見 方から景気敏感株も売られ、機械のハネウェル・インターナショナルや工業製品・事務用品のスリーエム(3M)が下げた。 1月のCPIは前年同月比7.5%上昇と前月(7.0%)から伸びが拡大し、市場予想(7.2%)も上回った。幅広い品目で物価が 上がっており、インフレの長期化観測が強まった。 インフレ加速を受け、米セントルイス連銀のブラード総裁は10日、米ブルームバーグ通信のインタビューで「7月前半までに合 計1.0%の利上げを支持する」と述べた。3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.5%の利上げを念頭に置いているとみられ 、1度に0.5%利上げすれば2000年5月以来、22年ぶりとなる。 米金利先物の値動きから市場が織り込む利上げ確率を算出する「フェドウオッチ」によると、FRBが3月に0.5%の利上げをす る確率は90%を超えた。インフレ加速と利上げを織り込み、米長期金利は19年8月以来となる2.05%(前日終値は1.94%)に 一時上昇した。 市場では「ンフレのピークアウトを確認するまでは株には積極的な買いが入りにくい」(ジョーンズ・トレーディングのマイケル・ オルーク氏)との声があった。 ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落した。前日比304.732ポイント(2.1%)安の1万4185 .641で終えた。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やエヌビディアなど半導体株の下げが目立った。電気自動車のテス ラも売られた。 日銀「指し値オペ」発動へ 市場関係者の見方 2022/02/10 20:30 日経速報ニュース 日銀は10日夕、最近の長期金利の上昇に対応し「指し値オペ(公開市場操作)」と呼ばれる金利抑制策を14日に実施すると 発表した。あらかじめ指定した利回りで無制限に国債を買い入れる。指し値オペの発動は2018年7月以来およそ3年7カ月ぶり。 日銀の判断の背景と国債相場への影響を市場関係者に聞いた。 米物価発表や米金利高に備え事前通知か 稲留克俊・三菱UFJモルガン・スタンレー証券シニア債券ストラテジスト 日銀が指し値オペの実施を夕方に発表したのはサプライズ(驚き)だ。日本時間10日夜に発表される1月の米消費者物価指数 (CPI)の結果を受けて米長期金利が大きく上昇し、連休明け(の14日)に日本国債の利回り上昇が進む可能性に備えて事前に 指し値オペの実施を公表したのだろう。 日銀としては、長期金利が許容範囲である「プラスマイナス0.25%」の上限を付ける前に指し値オペを通知したかったはずだ。実 際に0.25%を付けた後にオペを実施すると、大量に落札されて流通市場の流動性に悪影響を及ぼしかねないためだ。指し値オペ の通知を受け、債券市場では長期金利の上限が強く意識される。長期金利の上昇余地が限られるとの見方が広がると、日本国 債の変動率が落ち着き超長期債の利回りも上昇圧力が和らぐとみている。 長期金利の上限は当面0.23% 岩下真理・大和証券チーフマーケットエコノミスト 発表のタイミングが夕方遅めだったのは想定外だったが、長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りが10日の午後5時 すぎに0.23%に上昇(価格は下落)したのを踏まえると、日銀内では指し値オペを実施する金利水準として0.23%を考えていたよう に推察される。さらに日本時間10日夜には1月の米CPIの発表を控え、日銀内で金利上昇への警戒感が強かったのではないか と思う。 日銀が許容する長期金利の変動幅の上限は0.25%程度だが、当面は国内の長期金利は0.23%が実質的な上限として意識され 、0.23%を上回る水準では積極的な国債売りは控えられるだろう。円相場も日米の金融政策の方向性の違いから円安・ドル高に 振れやすくなる。 日本と同様にマイナス金利政策を導入する欧州中央銀行(ECB)が利上げに前向きな「タカ派」に傾いたとみられることで、日銀 にも金融政策の正常化に向けた思惑が広がりやすくなっているのは事実だろう。このところ投資家からの問い合わせはかなり増 えている。 とはいえ日銀の黒田東彦総裁自身は緩和姿勢を崩しておらず、(23年4月までの)任期中に大幅な政策変更に動く可能性は低 い。新体制下での正常化に向けた地ならしとして黒田総裁の任期中に考えられる選択肢は「現在の長短金利の水準、または、 それを下回る水準で推移することを想定している」という政策金利のフォワードガイダンス(先行き指針)の表現変更になるとみて いる。 金利上昇、世界に広がる 債務膨張で負担重く 2022/02/12 02:36 日経速報ニュース 世界の金融市場で金利の上昇が広がってきた。米国は長期金利の指標となる10年物国債利回りが2年半ぶりに2%台に乗せた。 日本も6年ぶりの水準にじわり上昇。新型コロナウイルス禍で世界各国は財政拡大で対応し債務を膨らませてきた。しかしインフレ に直面し、緩和局面は転機を迎えている。金利上昇で利払い負担は増し、経済基盤の弱い南欧や新興国ほど影響が大きくなりえる。 金利上昇ペースが速まっているのが米国だ。昨年12月に1.4%前後だった長期金利は一気に2%の節目を超えた。1月の米消費者 物価指数は約40年ぶりという高い上昇率を記録するなど、資源価格の高騰とコロナ禍の供給制約がインフレ圧力を高める。対応を 迫られる米連邦準備理事会(FRB)は3月にも利上げに踏み出し、利上げ回数も年内7回との見方が出るほど引き締め観測が強まる。 欧州中央銀行(ECB)も緩和縮小にカジを切るなど、欧州でも金利上昇が広がる。マイナス水準が続いていたドイツの長期金利が プラス圏に浮上してきたのが象徴的だ。日本の長期金利も0.2%を超えてきた。日銀は0.25%で国債を無制限で買い取る金利抑制策 を14日に実施すると発表した。 コロナ禍による景気悪化を各国は巨額の財政出動でしのぎ、その分、債務が一段と膨張した。国際金融協会(IIF)によると、2021 年の世界全体の債務は対国内総生産(GDP)比で最大361%に跳ね上がった。コロナ前の19年と比べ40ポイント高い。 金利の上昇は今後の利払い負担を重くする。低金利に頼った需要を押し下げることにもなる。マネックス証券の大槻奈那氏は過去 の米長期金利と住宅価格の相関から、1%の金利上昇で住宅価格が5%以上下がりうると試算する。 南欧諸国や新興国など経済基盤が弱く重債務の国ほど、金利上昇の波の影響を受けやすい。欧州では、ギリシャとドイツの長期 金利の利回り差が足元で2.3%前後に拡大、コロナショック後の20年5月以来の高水準となった。イタリアとドイツの利回り差も1.6% 台まで広がっている。 米国など先進国の利上げは新興国の通貨安圧力になる。輸入物価が上がるうえ、外貨建て債務の負担が増す。通貨安を防ぐた めに利上げを迫られれば景気を悪化させる。こうした悪循環に陥りうるジレンマがある。 過去の米国の利上げ局面では、新興国の通貨不安を何度も招いてきた。高インフレが続くスリランカの通貨スリランカルピーは 対ドルで21年秋以降、過去最安値圏で推移する。対外債務の負担を減らすため、海外の債券保有者と協議を始めたとの報道もある。 日本株ADR11日、全面安 野村とソニーが安い 2022/02/12 06:06 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川内資子】11日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)はほぼ全面安だった。 米株式相場が大きく下落したのが影響した。野村とソニーが2%下げ、三菱UFJやホンダ、オリックスも売られた。 AD4350円 米国債券10年利回り1.942%、(-0.087) 米国株、ダウ続落し503ドル安 ウクライナ情勢緊迫でリスク回避 2022/02/12 06:34 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川上純平】11日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比503ドル53セント(1.4%)安の 3万4738ドル06セントで終えた。ロシアのウクライナ侵攻への警戒が強まり、リスク回避の売りが幅広い銘柄に広がった。 インフレ加速を背景に米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐとの見方も相場の重荷だった。 ホワイトハウスのサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は11日午後に記者会見を開き「ウクライナ国境のロシア軍 が増えており、ロシアのプーチン大統領が命令すればいつでも侵攻が始まる可能性がある」と指摘した。米国と英国はウク ライナにいる自国民に対して退避を促した。地政学リスクの高まりが株売りを促した。 幅広い銘柄が売られる中、顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムやソフトウエアのマイクロソフト、スマートフォンの アップルなどハイテク株への売りが目立つ。航空機のボーイングや機械のハネウェル・インターナショナルなど景気敏感株も安い。 ウクライナ情勢を受けて相対的に安全資産とされる米国債が買われ、10年物国債利回りは一時1.91%と前日終値から 0.12%低下した。だが、インフレ加速を背景にFRBの金融引き締めへの警戒はくすぶっており、株式相場の重荷になった。 ゴールドマン・サックスは10日、FRBが年内に0.25%の利上げを7回実施すると予想、従来の5回から引き上げた。 投資家心理を測る指標となる米株の変動性指数は前日比14%高い27.3に上昇し、不安心理が高まった状態とされる20 を大幅に上回った。一時は30.9に上昇した。 半面、ウクライナ情勢の緊迫化で米原油相場が上昇し、石油のシェブロンは2%上昇した。ダウ平均の採用銘柄ではない が、ロッキード・マーチンやゼネラル・ダイナミクスなど軍需株も総じて買われた。 ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続落した。前日比394.487ポイント(2.8%)安の1万3791.154で終えた。 アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が10%安、エヌビディアが7%安と半導体株の下げが目立った。電気自動車のテ スラとネット通販のアマゾン・ドット・コムも下落した。 NYダウ続落503ドル安 ウクライナ情勢緊迫で原油急騰 2022/02/12 07:11 日経速報ニュース 【ニューヨーク=大島有美子】ロシアによるウクライナ侵攻が近いとの見方が広がり、11日の米金融市場でリスク回避の流れが 鮮明となった。原油先物は地政学リスクの高まりを受けて急上昇し、一時7年4カ月ぶりの高値をつけた。ダウ工業株30種平均は 続落し、前日比503ドル(1.4%)安の3万4738ドルで終えた。 金利上昇、世界に広がる 債務膨張で負担重く 2022/02/12 10:07 日経速報ニュース 世界の金融市場で金利の上昇が広がってきた。米国は長期金利の指標となる10年物国債利回りが2年半ぶりに2%台に乗せた。 日本も6年ぶりの水準にじわり上昇。新型コロナウイルス禍で世界各国は財政拡大で対応し債務を膨らませてきた。しかしインフレに 直面し、緩和局面は転機を迎えている。金利上昇で利払い負担は増し、経済基盤の弱い南欧や新興国ほど影響が大きくなりえる。 金利上昇ペースが速まっているのが米国だ。昨年12月に1.4%前後だった長期金利は一気に2%の節目を超えた。1月の米消費者 物価指数は約40年ぶりという高い上昇率を記録するなど、資源価格の高騰とコロナ禍の供給制約がインフレ圧力を高める。対応を 迫られる米連邦準備理事会(FRB)は3月にも利上げに踏み出し、利上げ回数も年内7回との見方が出るほど引き締め観測が強まる。 11日はロシアによるウクライナ侵攻が近いとの見方から相対的に安全資産とされる米国債には買いも入り、米長期金利は1.9% 台半ばと前日に比べて0.1%近く低下した。一方で原油先物には上昇圧力がかかっており、インフレ懸念に根ざす金融引き締めへ の警戒は根強く残っている。 欧州中央銀行(ECB)も緩和縮小にカジを切るなど、欧州でも金利上昇が広がる。マイナス水準が続いていたドイツの長期金利が プラス圏に浮上してきたのが象徴的だ。日本の長期金利も0.2%を超えてきた。日銀は0.25%で国債を無制限で買い取る金利抑制策 を14日に実施すると発表した。 コロナ禍による景気悪化を各国は巨額の財政出動でしのぎ、その分、債務が一段と膨張した。国際金融協会(IIF)によると、2021 年の世界全体の債務は対国内総生産(GDP)比で最大361%に跳ね上がった。コロナ前の19年と比べ40ポイント高い。 金利の上昇は今後の利払い負担を重くする。低金利に頼った需要を押し下げることにもなる。マネックス証券の大槻奈那氏は過去 の米長期金利と住宅価格の相関から、1%の金利上昇で住宅価格が5%以上下がりうると試算する。 南欧諸国や新興国など経済基盤が弱く重債務の国ほど、金利上昇の波の影響を受けやすい。欧州では、ギリシャとドイツの長期 金利の利回り差が足元で2.3%前後に拡大、コロナショック後の20年5月以来の高水準となった。イタリアとドイツの利回り差も1.6%台 まで広がっている。 米国など先進国の利上げは新興国の通貨安圧力になる。輸入物価が上がるうえ、外貨建て債務の負担が増す。通貨安を防ぐた めに利上げを迫られれば景気を悪化させる。こうした悪循環に陥りうるジレンマがある。 過去の米国の利上げ局面では、新興国の通貨不安を何度も招いてきた。高インフレが続くスリランカの通貨スリランカルピーは対 ドルで21年秋以降、過去最安値圏で推移する。対外債務の負担を減らすため、海外の債券保有者と協議を始めたとの報道もある。 市場、金利上昇への警戒続く 日銀の抑制策で駆け引きも−今週の市場 2022/02/13 04:00 日経速報ニュース 金融市場で金利上昇やウクライナ情勢への警戒が高まっている。前週は米長期金利の指標となる10年物国債利回りが2年半 ぶりに2%台に上昇。ウクライナ情勢の緊迫化を受けて11日には米ダウ工業株30週平均が503ドル下落し、米原油先物は一時 7年4カ月ぶりの高値をつけた。日本では日銀が長期金利の上昇を抑えるべく「指し値オペ(公開市場操作)」を14日に実施する と公表。市場参加者との神経質な駆け引きが続きそうだ。 株式、上値重く 株式相場は上値が重い展開になりそうだ。米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めが加速するとの見方が強まり、米長期 金利が一段と上昇している。金利上昇に弱い高債務企業や株価指標面で割高な銘柄は売りが続く恐れがある。先週末の米株 安の一因となったロシアのウクライナ侵攻懸念も引き続き売り材料だ。 週央には1月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録が発表予定。市場では今のところ、FRBは年央にも量的引き締め (QT)に踏み切るとの見方が多い。大和証券の壁谷洋和チーフグローバルストラテジストは「議事録から市場の想定以上にQTを 急ぎそうとの見方が広がれば、株価はさらに弱含む」と警戒する。 一方で経済再開期待は株価の下支え材料になりそうだ。世界的に新型コロナウイルスの新規感染者数増加に歯止めがかかり 、米国をはじめ各国でマスク着用義務撤廃など行動制限の緩和が広がる。航空株など人の動きの影響を受ける業種には追い風 になる可能性がある。 長期金利、上昇圧力続く 日本の長期金利は上昇(債券価格は下落)圧力が続きそうだ。10日には指標となる10年物国債利回りが一時0.230%まで上昇 し、日銀が特定の利回りで国債を無制限に買う「指し値オペ(公開市場操作)」の14日の実施を通知。0.220%まで下がったものの 、米金利の上昇傾向は続いており債券が売られやすい地合いが続く。 日銀は許容する変動幅の上限を「0.25%程度」としており、その水準に届く前のオペの通知となった。金利抑制効果を高めるため 、指し値オペを複数日にわたって実施する「連続指し値オペ」の制度も用意。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊氏は 「0.25%を巡る日銀と市場の攻防が続きそうだ」とみる。 米長期金利もじわりと上昇しそうだ。週内に公表される1月のFOMCの議事要旨で金融引き締めに積極的な「タカ派」姿勢が改め て確認されれば、債券売りにつながりやすくなる。 円、対ドルでやや下落か 円相場は対ドルで小幅に円安・ドル高が進みそうだ。前週は米消費者物価指数(CPI)の発表を受けて、対ドルで1ドル=116円 台前半まで下落。FRBの金融引き締めが意識されるなか、引き続き円は対ドルで売られやすい地合いにある。 米国では新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の新規感染者数が減少に転じ、行動制限を緩和する動きがある。ソニーフィ ナンシャルグループの森本淳太郎氏は「市場参加者のリスクセンチメント(心理)は持ち直しつつあり、1ドル=116円台中心の値動 きになるだろう」と指摘する。 欧州中央銀行(ECB)による金融緩和の縮小観測でドルに対して強含んでいたユーロは調整色が強くなりそうだ。市場では年内 の複数回の利上げが織り込まれつつあるものの「市場の織り込みは行き過ぎだ」との声も上がる。対ドルでややユーロ安・ドル高傾 向となる可能性がある。 原油、ウクライナ危機で不安定に ニューヨーク市場の原油先物相場は不安定な展開か。前週は11日に1バレル94ドル台半ばまで急伸する場面があり、2014年9月 以来の高値をつけた。バイデン米大統領の発言などを受け、ロシアのウクライナ侵攻への警戒感が一段と高まったのが背景だ。 今週もロシアとウクライナを巡る情勢が相場を大きく左右しそうだ。 前週は一時90ドルを下回るなど弱含む局面も目立った。イラン核合意の再建協議が8日に再開し、同国産原油の禁輸措置が解 除され需給が緩む可能性が意識された。当面は「ウクライナ危機と再建協議の綱引きになる」(マーケットエッジの小菅努代表)と の見方も多い。 欧州の天然ガス相場は小康状態が続きそうだ。ロシアからの供給途絶懸念は変わらない一方、米国などからの液化天然ガス (LNG)の輸入が拡大。今冬の在庫枯渇への警戒が和らぎ、上値が抑えられやすい。 日銀、14日に「指し値オペ」 長期金利0.25%以下に抑制 2022/02/14 05:00 日経速報ニュース 日銀は14日、長期金利の上昇を抑え込むために「指し値オペ」と呼ぶ公開市場操作を実施する。10年物国債を0.25%の利回りで 無制限に買い取ることで、同水準以上に長期金利が上がらないようにする。インフレに伴い金融政策の正常化を急ぐ米欧の中央 銀行と対照的に、金利を低く抑えることで金融緩和を堅持する姿勢を鮮明にする。 【関連記事】 ・「指し値オペ」とは何か 日銀が3年半ぶり発動へ ・市場、金利上昇への警戒続く 日銀の抑制策で駆け引きも ・日銀、14日に金利抑制策発動 国債を0.25%で購入 指し値オペの実施は2018年7月以来、約3年半ぶり。日銀は長期金利の指標となる10年物国債の利回りを「0%程度」に誘導する 金融緩和を進めており、0.25%が許容範囲の上限だ。債券市場では海外の金利上昇が波及し、2月に日本の長期金利は0.2%台前 半に上昇。10日には一時、0.23%と16年1月以来、6年ぶりの水準まで上昇した。 これを受けて日銀は10日、指し値オペを14日に実施すると公表した。銀行などの投資家は市場で0.25%より高い金利(安い価格 )で10年物国債を売る利点がなくなるため、当面0.25%が事実上の上限となる。 10日夕の指し値オペ公表後の長期金利は0.220%と日銀が買い取る金利より低い(価格は高い)水準にとどまった。14日の長期 金利も同水準にとどまれば、投資家が日銀に国債を売る利点はないため、日銀が指し値オペで実際に購入する国債は少額にとど まる可能性もある。 欧米ではインフレの深刻化に伴う金融政策の転換で、10日に米長期金利が一時、約2年半ぶりとなる2%台まで上昇するなど 金利上昇が進んでいる。市場では米連邦準備理事会(FRB)が3月に一気に0.50%の利上げを実施するとの予想も増えている。 日銀の指し値オペは、こうした海外の金利上昇が国内に波及するのを防ぐのが狙いだが、国内外の長期金利差が広がれば、 為替市場で円安・ドル高が進みやすくなる。円安は輸入価格の上昇を通じて日本の物価を押し上げる方向に働く。コストプッシュ 型の物価上昇は企業や消費者の負担増につながる懸念がある。 「大いなる不安定」到来 40年代の教訓は高配当株−北松円香 2022/02/14 05:54 日経速報ニュース 「1940年代と似ている」。第2次世界大戦後を今の相場に重ね合わせる声が、市場関係者から相次いでいる。供給制約や 巨額の政府債務など共通点が多い。当時は物価統制と低金利から一転、インフレと金利上昇に局面が変わり景気サイクル は不安定になった。足元ではパンデミックからの景気回復には早くも息切れ感が見え、相場の冬に備えるべきだとの指摘もある。 「景気拡大も終盤だ。秋口からは減速感が出てくる可能性がある」。三井住友DSアセットマネジメントの青木英之グローバ ルグループヘッドは経済協力開発機構(OECD)の景気先行指数の動きを踏まえ、こう予想する。半年から9カ月先の景気の 変動を示唆するとされる同指数は、直近の1月まで6カ月連続で前月を下回った。 新型コロナウイルスの感染が広がった2020年以降の経済環境は1940年代の米国と共通点が多い。戦時中は軍需が膨ら む一方で物価が統制され、国の戦費調達を容易にするため長短金利も低水準に固定された。財政と金融政策を総動員した 「感染症との闘い」と相似形だ。 終戦後は自動車購入などの消費も拡大し、一転して物価が急上昇した。米連邦準備理事会(FRB)は47年に0%近辺にとどめ ていた短期金利の固定を解除し、51年には長期金利も自由化した。需要動向や金融政策の急変で景気が不安定化し、拡大 期と後退期が頻繁に入れ替わったのも40年代後半から60年代初めにかけての特徴だ。 モルガン・スタンレーの米株ストラテジスト、マイケル・ウィルソン氏は当時と今を重ね、コロナ禍で起きた消費爆発による好景 気の寿命は短いと予想する。「今後の市場の主な懸念は金融政策から景気に移る。数カ月は身をかがめて冬をやり過ごすべ きだ」といい、割安で景気循環に強いディフェンシブ銘柄を勧める。 同氏の予想通りなら米景気の変動は数十年ぶりに短期化する。70年代のインフレを乗り切ると80年代半ばから2000年代後 半の金融危機前まで「大いなる安定」と呼ばれる長期の景気拡大が起きた。金融危機後もFRBの緩和策が景気循環を抑え、 コロナショックまで過去最長の景気拡大を記録した。 不安定な1940年代に配当収入が株式投資を下支えしたことは、ここからの相場のヒントになりそうだ。エール大学のロバー ト・シラー教授によると物価上昇に株価が追いつかず、米国の株価指数の実質値は戦後しばらく伸び悩んだ。 S&Pダウ・ジョーンズ・インディシーズの調べでは40年代の株式運用の利益の53%を配当が占めた。足元の日本株市場でも 高配当株の株価は日経平均株価などを上回って推移しており、投資家の資金逃避が進んでいる。 40年代と今のもう一つの共通項は巨額の政府債務だ。戦費がかさんだうえ第1次世界大戦後にドイツから受け取ったような 莫大な賠償金もなく、米国の名目国内総生産(GDP)比の債務残高は100%を超えた。 ただし戦後は物価急騰が債務圧縮につながった点が今とは異なる。現在のFRBは早めの引き締めでこれ以上の物価上昇を 防ぐ構え。インフレによる借金帳消しは政治的にも現実的ではなく、今後の財政での景気の下支えは期待しにくい。米バイデ ン政権の大型歳出・歳入法案は民主党内の反対もあり成立が危ぶまれている。「財政出動というゲタがなくなり、企業はこれ までのような好業績を維持できないだろう」(大和証券の谷栄一郎チーフストラテジスト) 「冬の相場」を乗り越えた投資家に春は訪れるのか。50年代以降はベビーブームによる人口増加と重化学工業の発展が株価 を押し上げた。だが東京海上アセットマネジメントの平山賢一執行役員は50年代からの強気相場の再来には悲観的だ。「当時 のような人口増は望めない。ソフトウエア開発を中心としたIT(情報技術)技術の進展も恩恵を受けるのは社会の一部だ」。環境 分野への投資は企業のコスト増になるうえ、消費性向を高める作用はないと分析する。 一方で当時はテキサス・インスツルメンツ株やIBM株が人気化するなど「従来の業種分類になじまない企業が急成長した」(り そなアセットマネジメントの黒瀬浩一チーフ・ストラテジスト)時期でもある。しばらくは守りの運用に徹しつつ、コロナ後の世界に おける投資戦略を練るタイミングといえそうだ。 日銀、きょう指し値オペ 緩和姿勢を堅持 金利上昇圧力は継続か 2022/02/14 08:01 日経速報ニュース 日銀はきょう、指し値オペ(公開市場操作)を約3年半ぶりに実施する。新発10年物国債を0.25%の利回りで無制限に買い入れる。 日銀の緩和継続姿勢が改めて明確になり、いったんは債券売りの動きが和らぐだろう。しかし、物価上昇や海外の金利上昇が続く うちは日銀の政策修正の思惑が再燃しやすく、海外勢を中心に長期金利「0.25%」の上限を試す場面が再び訪れそうだ。 日銀がオペ実施を決めたのは、日本が3連休に入る前の10日に長期金利が一時0.23%と、日銀が許容する0.25%の上限に接近 したためだ。米国でのインフレや米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締め観測を受けて米長期金利が上昇傾向にあり、国内債に も売りが波及していた。日銀による金融緩和の縮小観測が一部で浮上していたことも、このところの金利押し上げ要因だった。 日銀は指し値オペの発動で、0.25%の上限を守る姿勢を鮮明にした。当面はこの変動幅を広げる可能性は低いとみられる。日銀が 長期金利の変動幅を「プラスマイナス0.25%程度」と明示したのは2021年3月の政策点検においてだった。背景として「長期期金利の 過去6か月の変動域が0.5%を超える場合を除けば、金融緩和が設備投資に影響を及ぼす度合いはおおむね不変」との分析結果を 示していた。つまり変動幅がプラスマイナス0.25%より広がると、設備投資に悪影響が及ぶ公算が大きいと結論付けたのだ。野村証 券の中島武信チーフ金利ストラテジストはリポートで、「11カ月前に示したばかりであるため、この方針を変更する可能性は極めて低い 」との見方を示した。 日銀が国内の長期金利を低くおさえ込めば、海外との金利差が広がり、為替市場で円安が進む可能性がある。最近は円相場の下 落を「悪い円安」と批判する声が増えており、円安進行も日銀の政策変更への思惑を強めていた。だが、日銀は円安について「プラス に作用している」(黒田東彦総裁)との立場を変えていない。実体経済を反映した緩やかな動きにとどまるなら、円安進行を懸念して 日銀が金利抑制に向けた手綱を緩めるとは考えにくい。 それでも、長期金利が大幅に低下する展開は見込みにくい。10日発表の1月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回り、米 金融引き締め観測から米長期金利は2.0%に達する場面があった。日本でも企業物価の伸び率は8%台で高止まりしており、最終財 への価格転嫁が進めば消費者物価の上振れ要因になる。海外金利が一段と上昇したり、国内の物価上昇が想定よりも加速したりす れば、日銀の緩和縮小観測が再燃し、長期金利が0.25%に近づく場面が繰り返されそうだ。 今週の円 堅調か、地政学リスクを意識 日米金利差の拡大は重荷 2022/02/14 08:08 日経速報ニュース 今週(14〜18日)の外国為替市場で円相場は堅調に推移しそうだ。1ドル=115円台で推移するとみる。ウクライナを巡る地政学 リスクへの警戒が強まっており「低リスク通貨」とされる円には買いが入りやすい。一方で、米連邦準備理事会(FRB)が利上げに 動くとの見方は強まっており、日米金利差の拡大を意識した円売りが出ることは上値を抑えることになる。 ウクライナを巡ってはロシアが近くウクライナに侵攻するのではないかとの警戒感がくすぶっている。11日には米ホワイトハウスの サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)が、ロシアによるウクライナ侵攻が「いつ始まってもおかしくない」と述べた。侵攻した 場合、市場参加者は運用リスクをとりにくくなる。日米で主要株価指数が大きく下げれば、円には買いが入ることになる。 上値は限られそうだ。リスク回避場面では流動性の高いドルも買われやすい。対ユーロなどでドルが買われ、対円にもドル買いが 波及する可能性がある。米国では10日発表の1月の消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回りおよそ40年ぶりの高い伸びとなっ た。市場予想(7.2%)を上回り、米国の金融引き締め観測が強まったことで米長期金利は一時、2%台まで上昇した。日米金利差 の拡大が意識される場面では円には売りが出やすい。 国内では15日に内閣府が2021年10〜12月期の国内総生産(GDP)を発表する。17日には内閣府が21年12月の機械受注を公 表する。 海外では、15日にオーストラリア準備銀行(中央銀行)が2月開催分の理事会の議事要旨を発表する。16日には1月の米小売 売上高が発表される。1月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨も公表になる。17日にはトルコ中銀が政策金利を 発表する。 東証寄り付き 大幅反落、一時600円安 ウクライナ問題や米金融政策警戒 2022/02/14 09:15 日経速報ニュース 14日前場寄り付きの東京株式市場で日経平均株価は大幅反落で始まり、前営業日に比べ580円ほど安い2万7100円台前半 で推移している。ウクライナ情勢の緊迫化や米国の金融政策への警戒感から米ダウ工業株30種平均が10〜11日に1000ドル超 下げており、東京市場でも投資家が運用リスクを避ける姿勢を強めている。下げ幅は一時600円を超えた。 ロシアのウクライナ侵攻について、サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は11日、いつ始まってもおかしくないとの見 方を示した。12日に開いたバイデン米大統領とロシアのプーチン大統領との電話協議でも溝は埋まらなかった。地政学リスクの 高まりを嫌気し、景気敏感株をはじめ幅広い銘柄に売りが広がっている。 米連邦準備理事会(FRB)が金融政策の正常化を急ぐとの見方も重荷だ。10日発表の1月の米消費者物価指数(CPI)は前年 同月比7.5%上昇と、市場予想を上回る伸びとなった。改めて米国による金融政策の早期の引き締めが意識され、米長期金利は 一時2%台まで上昇。ハイテク株を中心に逆風が強まっている。 JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も大幅反落している。 オリンパスや富士フイルムが安い。トヨタやソフトバンクグループ(SBG)も売られている。半面、原油相場の上昇を受けて、INP EXや出光興産が上昇している。 ウクライナ緊迫化 金利、上昇局面は継続へ 野村証券の松沢氏 2022/02/14 09:40 日経速報ニュース 松沢中・野村証券チーフ・ストラテジスト ウクライナ情勢の緊迫化が金利に与える影響は今のところ限定的だ。米国の金融 引き締め観測が強まるなか、新型コロナウイルス禍が収束に向かえば投資家はリスク選好姿勢を強めるだろう。相対的に安 全な資産とされる米国などの債券は売られやすく、世界的な金利上昇局面は続くとみている。 ウクライナ情勢の緊迫化に伴う地政学リスクの高まりが金融・資本市場のグローバルなリスク回避につながり、(相対的に安 全な資産とされる債券が買われて)金利低下につながるシナリオは現段階では考えにくい。ウクライナ情勢の影響を受けやす いはずの欧州の11日の株式相場も米株相場ほどは下げなかった。米株安の要因としてはむしろ、1月の米消費者物価指数 (CPI)の伸びが市場予想を上回ったことに加え、米セントルイス連邦準備銀行のブラード総裁が金融引き締めに前向きな姿 勢を示したことが大きかったと考えられる。 国内の長期金利は日銀が14日に指し値オペを実施するため、0.25%を超えることは当分ないだろう。だが、日銀の長短金利 操作(イールド・カーブ・コントロール=YCC)の対象外である超長期金利には上昇余地があるとみている。 日銀が「指し値オペ」通知 長期金利を0.25%以下に抑制−市場金利低下で応札はなし 2022/02/14 12:30 日経速報ニュース 日銀は14日朝、長期金利の上昇を抑え込むために「指し値オペ」と呼ぶ公開市場操作を通知した。10年物国債を0.25%の 利回りで無制限に買い取ることで、同水準以上に長期金利が上がらないようにする。インフレに伴い金融政策の正常化を急 ぐ米欧の中央銀行と対照的に、金利を低く抑えることで金融緩和を堅持する姿勢を鮮明にする。 指し値オペの実施は2018年7月以来、約3年半ぶり。日銀は長期金利の指標となる10年物国債の利回りを「0%程度」に 誘導する金融緩和を進めており、0.25%が許容範囲の上限だ。債券市場では海外の金利上昇が波及し、2月に日本の長期 金利は0.2%台前半に上昇。指し値オペを活用し、「0%程度」の範囲に収める。 銀行などの投資家は市場で0.25%より高い金利(安い価格)で10年物国債を売る利点がなくなるため、当面0.25%が事実上 の上限となる。14日の債券市場では新発10年債利回りが0.200%と前週末より0.020%低下。0.25%が上限として意識されたほ か、ウクライナ情勢の緊迫で国債を買う動きも強まった。 【関連記事】「指し値オペ」とは何か 日銀が3年半ぶり発動へ 14日は債券市場での金利が日銀のオペの金利より低かった(価格は高かった)ため、今回の日銀の購入に応じる金融機関 はなく、応札額は0円だった。日銀が実際に国債を購入する金額が少なくとも、0.25%に上昇すれば、日銀が抑えにかかるとの 見方が投資家の間で広がっており、当面長期金利は上昇しづらくなる。金利が再び上昇すれば日銀は何度でも指し値オペを 打つ構えだ。 欧米ではインフレの深刻化に伴う金融政策の転換で、10日に米長期金利が一時、約2年半ぶりとなる2%台まで上昇する など金利上昇が進んでいる。市場では米連邦準備理事会(FRB)が3月に一気に0.50%の利上げを実施するとの予想も増えて いる。 日銀の指し値オペは、こうした海外の金利上昇が国内に波及するのを防ぐのが狙いだが、国内外の長期金利差が広がれば 、為替市場で円安・ドル高が進みやすくなる。円安は輸入価格の上昇を通じて日本の物価を押し上げる方向に働く。コストプッ シュ型の物価上昇は企業や消費者の負担増につながる懸念がある。 地政学リスクで市場動揺 日経平均一時700円超安−原油急伸、強まるインフレ警戒 2022/02/14 13:31 日経速報ニュース 地政学リスクが世界の金融市場を揺らしている。ウクライナ情勢の緊迫度合いが増したことを警戒し、米原油先物は一時7年5カ月 ぶりの高値を付けた。インフレの進行に拍車がかかり、企業のコスト増による景気回復の鈍化への懸念から、投資家のリスク回避姿 勢が強まった。14日午前の日経平均株価は前週末比700円超安と大幅反落し、アジアにも株安が広がっている。 世界の株式相場は軒並み下落している。14日午前の日経平均は前日比725円安の2万6970円と、終値ベースで約2週間ぶ りに節目となる2万7000円を割り込んだ。半導体株や自動車関連株といった輸出関連株を中心に下げが大きくなっている。ブリヂ ストンが9%安、アドバンテストが4%安と急落した。 アジア各国の代表的な株価指数も、韓国や台湾が一時2%安とほぼ全ての市場で下落した。米ダウ工業株30種平均は前週末 の11日まで2日続落し、合計の下げ幅は1000ドルを超えた。「安全資産」とされる米国債に投資マネーが退避し、11日に米長期 金利は前日から約0・09%下落して約1・94%となった。 金にも資金が流入。ニューヨーク市場の先物価格は11日、一時約3カ月ぶりの高値となる1トロイオンス1867ドル台をつけた。日本 時間14日の時間外取引でも高値圏で推移している。 懸念となっているのがウクライナ情勢の緊迫化だ。米政府が在ウクライナ米大使館に勤務する米国人職員に国外退去を命じており 、「今にでもロシアとウクライナが開戦するのではないかという緊張感が強まっている」(石油天然ガス・金属鉱物資源機構の野神隆 之氏)。 NY原油先物は一時1バレル94・9ドルを超えて前週末11日につけた94.66ドルを上回り、期近物として2014年9月以来7年5カ月 ぶりの高値水準となっている。実際にロシアが侵攻すれば世界生産の1割を占める同国産原油の輸出が制裁によって停滞しかねず、 相場は100ドルの大台を突破するとの見方が多い。 ウクライナ危機が深刻になれば国際的な企業の経済活動に悪影響が出る。「原油価格を中心とした商品高が年初から懸念されて いるインフレを加速させるという負の連鎖につながり、世界経済全体の不安定な状態が長期化する恐れがある」(三菱UFJモルガン ・スタンレー証券の藤戸則弘チーフ投資ストラテジスト)との警戒も高まっている。 折しも10日発表された1月の米国の消費者物価指数(CPI)が前年同月比で7・5%上昇し、前の月(7・0%)から伸びが加速し、 1982年2月以来約40年ぶりの高水準となった。「先行して上昇していたエネルギー価格がウクライナ情勢の緊迫化で一段高になる との恐怖を引き起こしやすくなっている」と東海東京調査センターの平川昇二チーフグローバルストラテジストは話す。 インフレ長期化の懸念が止まらなければ、中央銀行の金融引き締めの加速につながり、かえって景気後退を招く「オーバーキル」と なりかねない。世界の金融市場はかじ取りの難しい局面に立たされている。 日銀、ETFを701億円買い入れ 1月25日以来(14日) 2022/02/14 18:25 日経速報ニュース 日銀は14日、株価指数連動型上場投資信託(ETF)を701億円買い入れた。この日の午前は東証株価指数(TOPIX)が 前週末比2.02%下落していた。ETFの買い入れは1月25日以来となる。 設備投資および人材投資に積極的に取り組んでいる企業を支援するためのETF(新型ETF)は買い入れなかった。不動 産投資信託(REIT)は12億円買い入れた。保有するETFの新規貸し付けはなかった。 日銀、金利抑圧にリスクも 円安や市場空洞化の懸念−「指し値オペ」発動、2%物価へ欧米と一線 2022/02/14 20:30 日経速報ニュース 日銀は14日、指し値オペという強硬策で、長期金利の抑圧に動いた。2%の物価目標は遠いとみて、無制限の国債購入を発動し、 強力な緩和を継続。年金などの国債運用ニーズもあり、オペは実弾の購入を伴わない空砲に終わったが、政策を急転換する欧米 とは真逆の展開だ。円安の助長や国債市場の空洞化につながる可能性もある。 【関連記事】 ・日銀「指し値オペ」、応札はゼロ 長期金利は低下 ・日銀が「指し値オペ」通知 長期金利を0.25%以下に抑制 ・「指し値オペ」とは何か 日銀が3年半ぶり発動へ 日銀は14日、無制限の購入を実施したが、結局1円も国債を買うことなく、長期金利を低下させた。連休前の10日、0.25%で無制 限に10年物国債を買うことを事前告知したことで、民間投資家はそれよりも高い金利(安い価格)で市場で売る利点がなくなった からだ。ウクライナ情勢の緊迫化が安全資産とされる国債を売りにくくした面もある。 年金基金や銀行、生命保険など運用難は強まっており、消去法的に日本国債を買うニーズは根強い。仮に日銀が金融政策を正 常化するとしても、「潜在成長率を考えれば10年債の金利はせいぜい0.6%で、すでに買える金利水準だ」(海外運用会社)との声も 出ている。 日銀の資金循環によると、2021年9月までの1年間で年金は9兆9300億円も国債を積みました。海外投資家も6兆3000億円増加。 金利が少しでも上がれば需要も高まる。日銀が上限を改めて明示したことで、こうした投資家への買い安心感にもつながる。 日銀の黒田東彦総裁は2%の物価目標の達成は遠いとみて、「利上げは全く考えられない」と強調している。食料品などで値上げ の動きは広がりつつあるが、日銀は金融緩和を続け、名目金利から物価上昇率を引いた実質金利を押し下げ、値上げを促していく。 今回の指し値オペもそうした姿勢をはっきり示す意味合いもある。 日銀と対照的に欧米ではインフレに対処するため利上げへと急転換している。米連邦準備理事会(FRB)は3月に一気に0.5%の利 上げを実施するとの予想も増えた。これまで利上げに慎重だった欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁も2月、年内の利上げを排除 しない姿勢に転換した。 欧米では長期金利が急上昇する一方、日銀は「0%程度」の金利に抑えつける方針で、内外金利差は開きやすくなる。円安は輸入 物価の上昇を通じて、2%の物価目標の達成に貢献する一方、家計や輸入企業の負担を高める面もある。原油高とあいまって、イン フレを懸念する世論もあり、日銀にとっては円安を手放しで歓迎しづらくなっている面もある。 今年に入り、日本でも物価の上振れリスクもじわりと高まってきた。将来の緩和正常化が強く意識されれば、0.25%以上でも国債を 売ろうとする投資家が増える可能性がある。日銀は金利を抑えつけるため大量に国債を買うことが必要となる可能性もある。 ただ、中央銀行が長期金利を直接誘導するのは異例だ。オーストラリアは20年に導入したが、持続しづらいとして21年11月に撤 廃した。FRBも20年に検討したが、「政府債務の大量購入を求められ、金融政策の目的と国債管理政策が対立する可能性がある」 との理由で見送った。 日銀の黒田総裁は金融緩和はあくまで物価目標のためだとし、財政ファイナンスではないと強調する。ただ、長期金利の0%誘導 から、5年以上もたち、日銀内からも「財政規律のしかんにつながっている面は否定できない」との声が漏れる。 金利がほとんど動かないと、民間投資家の取引意欲が薄れる。21年にはUBS証券が国債入札に特別な条件で参加できる「プライ マリー・ディーラー」の資格も返上し、アジア太平洋の国債取引拠点をオーストラリアに集約させた。国内証券や投資家も過去10年で 陣容を縮小しているところが目立つ。 今回の指し値オペは実弾のない「空砲」で金利上昇がひとまず収まった。だが、今後の物価情勢や投資家の思惑次第では、指し 値オペが円滑に進められなくなるおそれがある。将来、金融政策を正常化する際の実務面の難しさも浮き彫りにする可能性もあり そうだ。 日本株ADR14日、高安まちまち 三菱UFJが上昇、トヨタは下落 2022/02/15 06:14 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=古江敦子】14日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は高安まちまちだった。 同日の日米株式相場はともに下落したが、日本株ADRの反応はやや限られた。三菱UFJが2%強上昇し 、野村とホンダも上げた。一方、トヨタが2%近く下落。オリックスとソニーGも安い。 AD4333円 米国債券10年利回り1.987%、(+0.036) NYダウ続落171ドル安 ウクライナ情勢緊迫でリスク回避 2022/02/15 06:37 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=張間正義】14日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落し、前週末比171ドル89セント(0.5%)安の 3万4566ドル17セントで終えた。ウクライナ情勢の緊迫化を警戒した売りが優勢だった。下げ幅は一時400ドルを超えたが、前週 後半の2営業日で1000ドルあまり下げており、下値では押し目買いも入り下げ渋った。 ブリンケン米国務長官は14日、ウクライナの首都キエフにある米大使館を閉鎖すると発表した。ロシアによるウクライナ侵攻が 近いとの警戒感が強まり、売りを促した。 米連邦準備理事会(FRB)高官の発言を受けた金融引き締めへの懸念も相場の重荷となった。セントルイス連銀のブラード総 裁は14日の米CNBCのインタビューで「想定よりも金融引き締めを前倒しで進める必要がある」と述べた。カンザスシティー連銀 のジョージ総裁は14日付の米ウォール・ストリート・ジャーナルのインタビューで、FRBの資産圧縮の必要性を指摘した。 航空機のボーイングや建機のキャタピラー、工業製品・事務用品のスリーエム(3M)など景気敏感株が下落した。小売りのウ ォルマートとドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスも安い。半面、飲料のコカ・コーラや日用品のプロクター・ア ンド・ギャンブル(P&G)など、ディフェンシブ株の一角は買われた。 投資家心理を測る指標となる米株の変動性指数(VIX)は4%高い28.3で終えた。不安心理が高まった状態とされる20を大き 上回った。一時は32まで上昇し、投資家の先安懸念は強い。 ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は小幅に3日続落し、前週末比0.235ポイント安の1万3790.919で終えた。交流 サイトのメタプラットフォームズ(旧フェイスブック)が下落した。半面、電気自動車のテスラやネット通販のアマゾン・ドット・コム、 動画配信のネットフリックスは上昇した。 日銀、金利抑圧にリスクも、「指し値オペ」発動、欧米と逆行、円安や市場空洞化の懸念。 2022/02/15 日本経済新聞 朝刊 日銀は14日、指し値オペという強硬策で、長期金利の抑圧に動いた。2%の物価目標は遠いとみて、無制限の国債購入を発動 し、強力な緩和を継続。年金などの国債運用ニーズもあり、オペは実弾の購入を伴わない空砲に終わったが、政策を急転換する欧 米とは真逆の展開だ。円安の助長や国債市場の空洞化につながる可能性もある。(1面参照) 国債買わず低下 日銀は14日、無制限の購入を実施したが、結局1円も国債を買うことなく、長期金利を低下させた。連休前の10日、0・25%で 無制限に10年物国債を買うことを事前告知したことで、民間投資家はそれよりも高い金利(安い価格)で市場で売る利点がなくな ったからだ。ウクライナ情勢の緊迫化が安全資産とされる国債を売りにくくした面もある。 年金基金や銀行、生命保険など運用難は強まっており、消去法的に日本国債を買うニーズは根強い。仮に日銀が金融政策を正 常化するとしても、「潜在成長率を考えれば10年債の金利はせいぜい0・6%で、すでに買える金利水準だ」(海外運用会社)との 声も出ている。 日銀の資金循環統計によると2021年9月までの1年間で年金は9兆9300億円も国債を積み増した。海外投資家も6兆3000 億円増加。金利が少しでも上がれば需要も高まる。日銀が上限を改めて明示したことで、こうした投資家の買い安心感にもつながる。 日銀の黒田東彦総裁は2%の物価目標の達成は遠いとみて、「利上げは全く考えられない」と強調している。食料品などで値上 げの動きは広がりつつあるが、日銀は金融緩和を続け、名目金利から物価上昇率を引いた実質金利を押し下げ、値上げを促してい く。今回の指し値オペもそうした姿勢をはっきり示す意味合いもある。 日銀と対照的に欧米ではインフレに対処するため利上げへと急転換している。米連邦準備理事会(FRB)は3月に一気に0・5% の利上げを実施するとの予想も増えた。これまで利上げに慎重だった欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁も2月、年内の利上げ を排除しない姿勢に転換した。 欧米では長期金利が急上昇する一方、日銀は「0%程度」の金利に抑えつける方針で、内外金利差は開きやすくなる。円安 輸入物価の上昇を通じて、2%の物価目標の達成に貢献する一方、家計や輸入企業の負担を高める面もある。原油高とあいまっ て、インフレを懸念する世論もあり、日銀にとっては円安を手放しで歓迎しづらくなっている面もある。 今年に入り、日本でも物価の上振れリスクもじわりと高まってきた。将来の緩和正常化が強く意識されれば、0・25%以上で も国債を売ろうとする投資家が増える可能性がある。日銀は金利を抑えつけるため大量に国債を買うことが必要となる可能性もある。 ただ、中央銀行が長期金利を直接誘導するのは異例だ。オーストラリアは20年に導入したが、持続しづらいとして21年11月 に撤廃した。FRBも20年に検討したが、「政府債務の大量購入を求められ、金融政策の目的と国債管理政策が対立する可能性 がある」との理由で見送った。 日銀の黒田総裁は金融緩和はあくまで物価目標のためだとし、財政ファイナンスではないと強調する。ただ長期金利の0%誘導 から5年以上もたち、日銀内からも「財政規律の弛緩(しかん)につながっている面は否定できない」との声が漏れる。 民間の陣容縮小 金利がほとんど動かないと、民間投資家の取引意欲が薄れる。21年にはUBS証券が国債入札に特別な条件で参加できる「プ ライマリー・ディーラー」の資格も返上し、アジア太平洋の国債取引拠点をオーストラリアに集約させた。国内証券や投資家も過去 10年で陣容を縮小しているところが目立つ。 今回の指し値オペは実弾のない「空砲」で金利上昇がひとまず収まった。だが、今後の物価情勢や投資家の思惑次第では、 指し値オペが円滑に進められなくなるおそれがある。将来、金融政策を正常化する際の実務面の難しさも浮き彫りにする可能性 もありそうだ。 日銀「指し値オペ」応札ゼロ、長期金利低下、日経平均616円安。 2022/02/15 日本経済新聞 朝刊 ウクライナ情勢の緊迫が世界の金融市場を揺らしている。14日の東京株式市場で日経平均株価は大幅反落し、前週末比 616円49銭安の2万7079円59銭となった。安全資産とされる国債や金には買いが集まる。リスク回避で金利が低下した 結果、日銀が同日実施した無制限の国債買い入れは金融機関からの応札がない「空砲」となった。(関連記事3、9面に) 14日の東京市場では景気敏感株中心に幅広く売りが膨らみ、日経平均は一時節目の2万7000円を下回った。安全資 産の国債にも買いが膨らみ、長期金利の指標となる10年物国債の利回りは低下(価格は上昇)し、国内金先物も一時約1 年半ぶりの高値を付けた。 日銀は同日、長期国債を指定した利回りで無制限に買い入れる「指し値オペ(公開市場操作)」を実施、10年物国債を 0・25%で買い入れると市場参加者に通知した。ただ市場金利の方が低く、日銀への売却に応じる金融機関はなかった。 株、デイトレーダー悩ます日銀ETF買い 下落率「2%攻防」に翻弄 2022/02/15 08:11 日経速報ニュース 日銀の上場投資信託(ETF)買いを巡る動きに再び注目が集まっている。日銀は14日に701億円を購入したと発表した。 2022年に入り3度目で、4回にとどまった21年4〜12月を上回るペースとなっている。現在は午前の東証株価指数(TOPI X)の前営業日比下落率が2%を超えたら動くという「2%ルール」が意識されているが、取引時間中はその水準に到達す るかは読みにくく、午後の株式相場の不透明要因として意識されている。 「最後の最後まで目が離せなかった」。都内に住む40歳代の男性投資家は14日の株式相場についてこう振り返る。米消 費者物価指数(CPI)の上振れとウクライナ情勢を巡る地政学リスクに揺れ、多くの銘柄に売り圧力が強まるなか、同日午 前のTOPIXの下落率は2%前後で行ったり来たりする時間が続いた。前引けは前営業日比39.61ポイント(2.02%)安い 1923.00。下落率の2%を超えるのがはっきりしたのは午前の取引終了間際の11時29分50秒を過ぎてからだ。 日銀は21年3月の政策修正でETF買い入れの目安となるTOPIXの下落率について従来の「0.5%ルール」から4月以降 は「2%ルール」に改めたとされる。実際に21年4月以降の7回の買い入れ実績をみると、いずれもその日は2%超の下落 率となっている。 日銀のETF買いが短期の相場に与える影響は大きい。「2%ルール」適用後の7回のうち6回でTOPIXの午後の終値は 午前終値を上回っている。日銀買いによる下支え効果が市場全体に安心感を与えているためとみられる。一方、前引け時 点の下落率が1.80%にとどまった22年1月19日や1.98%だった1月27日は逆に午後に下げ幅を拡大した。 デイトレーダーのような日々の値動きを気にする投資家にとって、日銀の動向を読み取ることは重要だ。日銀の買いが入 るのであれば買いを増やすことが理論上は有効となる。買いがなければ相場の下落に備えた投資戦略を立てることが求め られる。 しかし、最近は人工知能(AI)を駆使した機関投資家の台頭もあり、14日のように午前の取引終了ギリギリまで「2%ル ール」の適用が判明しない相場が多い。それゆえに「かなり腕の良いトレーダーでないと、思い通りに持ち高を形成する ことは難しい」(前出の40代男性投資家)という。 今回のような急落局面は、個人にとっては安値で株式を購入できる「押し目買い」の好機とも言われる。しかし、日銀の 出方が読みにくい相場では買いの機会が失われるという側面がある。 ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストは「米金融引き締めやウクライナ情勢は日銀政策では打開し がたい問題であるため、そもそも買い入れの必然性が乏しい」との見方を示す。株式相場の先安観は依然として強い。 相場急落時の日銀のETF買いに個人が翻弄される場面はまだありそうだ。 国債と株ダブル介入の日銀、円高抑制もいずれ政策修正?−編集委員 清水功哉 2022/02/15 13:30 日経速報ニュース 国債と株式への「ダブル市場介入」――。日銀が今週に入り、そんな対応をした。14日の国債の無制限購入措置(指し値オペ) 発動と上場投資信託(ETF)買い入れの実施だ。円高抑制など一定の市場安定効果はあった。ただいずれ副作用懸念から政策 修正を余儀なくされるとの指摘もある。 指し値オペは日銀が長期金利(10年物国債利回り)の誘導上限を「死守」するための措置。上限を0.25%に明確化した2021年 春の政策修正後、初の発動となり、同水準で国債を無制限に買い支えると宣言した。 背景には米国の金利上昇圧力がさらに強まってきた点がある。1月の米消費者物価上昇率は約40年ぶりの高さで、同国の10 年債利回りはいったん2%を超えた。この動きが東京市場に及べば金利が日銀の誘導上限に迫りかねなかった。14日のオペは 応札ゼロだったが、日本の10年債利回りは前営業日比0.01%低い0.21%になった。 一方、ETF購入はウクライナ情勢緊迫で大幅な株安となったのを受け実施した。日銀は政策修正を本格化させた21年4月以降 、内々に午前の東証株価指数(TOPIX)が2%超下がった場合に買う「2%ルール」を設けていると見られ、14日午前の下落率が 2%をやや超えたため動いたようだ。最終的に同日の下落率は1.6%程度に縮小した。 一連の動きの裏側にありそうな要素が、円安を「全体では経済にプラス」と見てそれを望む日銀の姿勢だ。日本の消費者物価 上昇率は携帯電話通信料引き下げの影響が弱まることなどから今春に日銀目標の2%に近づくとの予想もあるが、賃上げ機運 に乏しいため上昇は持続的でないとの見方も根強い。そこで「今の日銀は円安の結果として人々のインフレ予想が強まる展開を 望んでいる」(米金融情報コンサルタント会社、オブザーバトリー・グループ)ようだ。 そして円売りを促すには「指し値オペ」で日本の金利上昇を抑え日米金利差の拡大をもたらすことが意味を持つ。ETF買いで株 安圧力を和らげる姿勢も、市場のリスク回避ムードを多少なりとも後退させ、逃避先通貨と目されている円の買い圧力を弱めうる 点で為替と無縁ではない。 実際、14日の東京市場では株価が大きく下がった割に円相場は約20銭の小幅上昇にとどまり、1j=114円台突入といった 事態にはならなかった。 今後も金利上昇・株安が深刻化すれば「ダブル介入」はありそうだが、副作用のリスクも無視できない。いずれ過度の円安を招 く恐れだ。米金利上昇が想定以上のスピードで進むなら、日本の金利が低めに抑えられるもとで円売り圧力が予想より強まり、 輸入物価上昇で国民の負担が一段と増す展開もあり得る。 「円安批判激化を受け金融緩和政策が修正される大きな流れが始まろうとしているように思える」(第一生命経済研究所の藤代 宏一氏)との見方もある。日銀の誘導対象を10年債から5年債利回りに短期化する案などが取り沙汰される。 またETF買いが再び増えれば、株価が過大評価される企業が現れるといった批判も出そうだ。政策修正後の21年4〜12月に 4回に抑制されていたETF購入は、市場が不安定になったために22年に入り既に3回となった。 【関連記事】 ・黒田日銀総裁、指し値オペ「適切な効果」 ・日銀、金利抑圧にリスクも 円安や市場空洞化の懸念 ・日銀「指し値オペ」、応札はゼロ 長期金利は低下 原油高が招く株安リスク――インフレ加速・業績下押し(スクランブル) 2022/02/15 日本経済新聞 朝刊 株式市場で資源高を背景に「複合株安リスク」が警戒されている。14日に米原油先物が一時約7年4カ月ぶり高値まで上昇 したのを受け、東京株式市場では石油銘柄の上昇が目立ったものの、幅広い銘柄が売られた。ウクライナ情勢の緊迫を理由に 、原油相場の一段高を予想する声も多い。物価上昇は企業業績を圧迫するうえ、金融引き締めが早まる負の連鎖に市場は気 をもんでいる。 14日の東京株式市場では東証1部の7割超の銘柄が下げた。主力銘柄ではキーエンスが前週末比6%安、村田製作所が 5%安となった。10日に今期の連結純利益見通しを上方修正した東京エレクトロンも売られた。 投資家心理を冷やしたのが高まる地政学リスクだ。サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)が11日、ロシアによるウ クライナ侵攻がいつ始まってもおかしくないとの見方を示した。ブリンケン米国務長官も11日、20日まで続く北京冬季五輪中に ロシアがウクライナに侵攻する可能性があると警告した。 これを受けてニューヨーク原油先物相場は、日本時間14日の取引で一時1バレル94・94ドルまで上昇した。 仮にロシアがウクライナに侵攻し欧米から経済制裁を受けた場合、ロシアから石油・天然ガスなどの供給が減る可能性があ るためだ。 原油高はINPEX株の上昇率が14日に前週末比で7%となるなど、石油関連銘柄への追い風となったが、「市場のリスク要 因となる」(SMBC信託銀行の山口真弘氏)。世界的な物価上昇圧力を強め、中央銀行が金融引き締めに積極的になる可能 性があるためだ。 米労働省が10日発表した1月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比で7・5%上昇し、およそ40年ぶりの高い伸びを記 録。インフレ退治に米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐとの見方から、米長期金利は前週、2019年8月以来とな る2%台に上昇した。「原油高が金利の上昇を生む『負の連鎖』を警戒しなければならない」(国内証券ストラテジスト)という。 14日の東京市場をみても、東証株価指数(TOPIX)のグロース(成長)株指数の下落率が2・4%と、0・9%下落のバリュー (割安)株指数よりも大きい。国内運用会社の日本株担当者は「金利上昇への警戒が強まっており、(金利上昇が悪材料になり やすい)成長株に売りが出ている」とみる。東証マザーズ指数も5%安と下げがきつい。 原油高は企業業績にも悪影響を及ぼす。インベスコ・アセット・マネジメントの木下智夫グローバル・マーケット・ストラテジストは 「日本企業は海外に比べて価格転嫁力が弱い。一部のエネルギー企業を除いてコスト高による利益率の悪化につながりやすい」 と指摘する。 「遠くの戦争は買い」。相場格言は地政学リスクの高まりを押し目買いの好機とする考えを教える。 ただ、ウクライナ情勢が原油高を招き、巡り巡ってFRBの金融政策に影響を与える可能性がある。今後の株式相場をみるうえ で重要なポイントになるだろう。 ロシア株急伸、原油は急落 軍の一部撤収報道で 2022/02/15 20:40 日経速報ニュース 15日のロシア株式市場でロシアの代表的な株価指数であるRTS指数が急伸し、一時前日比5.9%高の1509.90をつけた。 ウクライナ付近のロシア軍の一部が撤収するとの報道が流れ、ロシアによるウクライナ侵攻への警戒感がやや後退した。 買いは欧州株やロシアの通貨にも波及。エネルギー需給への懸念が和らぐとの見方から米原油先物は売られ、一時前日 比3%安となった。 ロシアのインタファクス通信が15日夕、ロシア軍の一部が軍事演習の後に基地に帰還すると報じた。軍事的な緊張の高 まりを受け、RTS指数は14日までの2営業日で8%下げていた。 買いは欧州株などにも広がった。フランスのCAC40指数は一時前日比1.8%高、ドイツのDAX指数は一時1.7%高となった。 日経平均先物も夜間取引で15日の清算値を400円上回る2万7240円をつけた。 報道を受けて欧州を中心にエネルギー需給が逼迫するとの懸念が和らぎ、原油相場も急落した。指標となるニューヨーク 市場のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物の期近物は一時1バレル92.5ドルを割り込み、前日の終値 比で3%あまり安い水準をつけた。ロンドン市場の北海ブレント原油先物の期近物も前日比3%安い1バレル93ドル台まで 下落した。 ロシアの通貨ルーブルも買われている。外国為替市場でルーブルは対ドルでおよそ2週間ぶりの安値となる1ドル=78ル ーブル台を14日につけていたが、報道を受けて一時1ドル=75ルーブル台前半までルーブル高・ドル安が進んだ。 ただ本格的な緊張の緩和になるかどうかは見通せない。三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットス トラテジストは「市場はひとまず緊張の緩和と受け止めたが、ロシアと欧米の双方が納得いく着地点を見つけるまでは緊張 感が高い状態が続くだろう」とみる。 日本株ADR15日、買い優勢 ホンダの上げ目立つ 2022/02/16 06:11 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=戸部実華】15日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は買いが優勢だった。 米株式相場が上昇し、日本株ADRも買われやすかった。ホンダが3%強高と上げが目立った。 キヤノンやオリックス、ソニーGも上昇した。一方、三菱UFJは下落した。 AD4364円 米国債券10年利回り2.045%、(+0.049) NYダウ反発、422ドル高 ウクライナの緊張緩和期待 2022/02/16 06:44 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=古江敦子】15日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反発し、前日比422ドル67セント (1.2%)高の3万4988ドル84セントで終えた。ロシアがウクライナ国境付近からの軍隊の一部撤収を発表した。地政学リスクの 後退で投資家心理が改善し、幅広い銘柄に押し目買いが入った。 ロシア国防省は15日、ウクライナ周辺での一部の軍事演習を終え、同日から撤収を開始すると発表した。ドイツのショルツ首 相とロシアのプーチン大統領が15日にモスクワで会談し、解決に向け外交努力を続ける方針を確認した。ダウ平均は前日まで の3営業日で1200ドルあまり下げていたこともあり、押し目買いが入った。 SMBC日興、複数部署が相場操縦関与か、東京地検、幹部ら一斉聴取。 2022/02/16 日本経済新聞 朝刊 SMBC日興証券社員らの相場操縦疑惑で、特定の銘柄の株価を買い支える行為に複数部署の社員が関与した疑いのある ことが15日、関係者の話で分かった。東京地検特捜部は同日までに幹部らを一斉に事情聴取。金融商品取引法違反容疑の 適用も視野に、証券取引等監視委員会と連携して経緯の解明を急いでいる。 SMBC日興は2020年ごろ、大株主が保有する特定の銘柄について立会時間外での売却を依頼され、売却先となる投資家 を募るなどの仲介業務に当たっていた。 複数の関係者によると、社員らは投資家が買い取りに応じ、一連の取引が成立する直前営業日の市場が閉まる間際、自社の 資金で対象銘柄の買い注文を出していた疑いが持たれている。 不正な取引に関与した疑いがあるのは買い注文を出した部署のほか大株主への営業を担当する部署の社員ら。取引を成立 させる上で目安となる株価などを両部署で共有した形跡があったという。 これまでの取材にSMBC日興は「捜査に関してのコメントは差し控える」としている。 2022年02月16日09時10分 三菱UFJ、第一生命HDなど買われる、米長期金利2%台突破で大手金融株に追い風 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>などメガバンクや第一生命ホールディングス<8750>など大手生保株が 上値指向となっている。 米国ではインフレ警戒感から長期金利の上昇傾向が鮮明で、前日の米10年債利回りは終値ベースで再び2% 台に乗せてきた。運用利ザヤ拡大期待から、米国株市場ではゴールドマン・サックス<GS>やJPモルガン<JPM> 、シティグループ<C>、バンカメ<BAC>など大手金融株が軒並み上昇しており、この地合いを引き継いで、東京市 場でも金融セクターの主力銘柄に買いが波及している。 東証寄り付き 反発、上げ幅500円超 ウクライナ情勢の警戒後退 2022/02/16 09:16 日経速報ニュース 16日前場寄り付きの東京株式市場で日経平均株価は反発し、前日に比べ550円ほど高い2万7400円台前半で推移している。 ウクライナ情勢を巡って、ロシアがウクライナ国境付近からの軍部隊の一部撤収を15日に発表した。地政学リスクに対する過度 な警戒が後退したとの見方から投資家心理が改善し、米国株が上昇した流れで日本株にも買いが先行している。 バイデン米大統領は15日のホワイトハウスでの演説で軍部隊を一部撤収させたとのロシア側の説明について「確認していな い」と述べるなど、ウクライナ情勢はなおも緊迫が続く。ただ、日経平均は前日までの2営業日で800円超下落していたとあっ て、いったん買い戻しが入りやすいようだ。米株式市場でも上昇の目立った半導体関連など幅広い銘柄が買われている。 JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は上昇している。 東エレク、ファストリ、アドテスト、信越化が高い。一方、スズキが安い。ニューヨーク原油先物相場の下落でINPEX、出光 興産なども売られている。 バークレイズや邦銀も痛手、米コビス向けデットファイナンスで損失 https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-02-16/R7DMUGT0AFB401 バークレイズを中心とする銀行団は米コビス・ファーマシューティカルズ向けに12億ドル(約1390億円)余りの債券・ローン の引き受け業務を手掛けたが、売却が極めて困難な状況となったことで、多額の自己資金を失ったほか手数料収入も得ら れなかった。 銀行団にはHSBCホールディングスやみずほフィナンシャルグループ(FG)のほか、三菱UFJフィナンシャル・グループ (MUFG)やBNPパリバ、ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(RBC)が含まれる。 ESG債の発行支援、証券が競う、みずほは格付け取得で企業に助言、野村はM&A資金調達に活用も。 2022/02/17 日本経済新聞 朝刊 大手証券がESG(環境・社会・企業統治)債の発行支援を強化している。みずほ証券などは企業のESG格付けの取得を 支援する。野村証券はM&A(合併・買収)の資金調達でのESG債の活用も視野に入れる。企業の資金調達手段が社債 からESG債にシフトしており、主幹事獲得を巡る攻防が激しさを増している。 ESG債は国際資本市場協会(ICMA)が定める原則に基づいて、発行に適合しているか外部機関の認証を得る。環境目 標の達成度合いで発行条件が変わる「サステナビリティ・リンク・ボンド(SLB)」を筆頭に、企業の経営戦略と連動した資金 調達の手段といえる。 みずほ証券とSMBC日興証券は事業会社がESG格付けを取得するのを支援する。ESG格付けは自社の環境・社会問題 の取り組みについて外部から評価を受ける仕組みだ。東京証券取引所が4月の市場再編で主要国の金融当局が立ち上げた 「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に沿う情報開示を求めており、開示に悩む企業にも助言する。 野村証券のESG債担当部長の相原和之氏は「今後はM&A(合併・買収)資金をトランジションボンド(移行債)で調達する ケースが出るかもしれない」と期待を寄せる。野村ホールディングスは2020年にESGを起点にしたM&A仲介の米グリーン テック・キャピタルを買収した。ESG債だけでなく、ESG関連のM&A助言も手掛け、顧客企業との関係を深める狙いだ。 大和は傘下の大和総研と連携し、ESGの観点で事業に将来性があるかどうかを企業に指南するサービスを始めた。三菱 UFJモルガン・スタンレー証券は顧客が手掛ける事業領域を分析し、投資家がESGで評価を得やすい事業をアドバイスする。 金融情報会社リフィニティブによると、政府系を含む世界のESG債の発行額は21年に前年比76%増の9573億ドル(約 110兆円)だった。このうち日本の発行額は同56%増の374億ドルと全体の約4%だった。最も発行額が多かったのは欧州 で全体の5割超を占めた。 ESG債の発行支援は、証券会社にとっては他社から顧客を奪える余地もある。社債は主幹事証券との付き合いや、手数 料の水準で選ばれやすいのに対し、ESG債は外部機関の評価取得プロセスなど各社の提案力に差が生まれやすい。 ただESG債は手間がかかる一方で、発行企業から受け取る手数料は通常の社債と変わらない。ニーズの高まるESG債 で企業との関係を深め、M&Aの助言など関連ビジネスにつなげていく戦略も求められそうだ。 公共政策に投資の力を(1)成果報酬型で「インパクト」最大化 2022/02/16 12:50 日経速報ニュース 公共サービスの提供に民間資金を活用する新たな官民連携の形「ソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)」の導入が進み始めた。 昨年には国が主体となってSIBを活用する初めての事業が、法務省の少年再犯防止分野で始まった。経済的な見返りとともに 社会的課題の解決を目指す「インパクト投資」のひとつとして、金融機関や投資家の関心を集めている。 ■成果とリターンが連動、元本割れリスクも 「投資家が入ることで(事業)規模を大きくでき、支援できる人数も増える」。法務省の事業で非行少年向けの教育支援事業を 受託した共同事業体の代表企業、公文教育研究会(大阪市)ライセンス事業推進部の鈴木麻里子氏は、SIB導入の効果をこう 話す。 法務省の事業では少年院出院者を対象に教育支援を施し、再犯防止を目指す。公文など3社が学習教材や学習・生活支援 などを提供し、そのための資金を日本政策投資銀行と三井住友フィナンシャルグループ(8316)傘下の三井住友銀行、クラウド ファンディングのCAMPFIRE(キャンプファイヤー、東京・渋谷)が投資や融資により提供する。法務省が共同事業体3社に支払 う報酬の額や、資金を提供した側が得るリターンは事業の成果に連動する仕組みだ。 法務省と公文など3社は、支援した人数や学習計画の作成・見直しといった「すべきこと」や、再非行・再犯の状況、支援対象 者の学習継続率などといった「結果」をKPI(重要業績評価指標)とし、成果を見極める。 SIBを活用した案件では一般的に、投資家や金融機関は元本割れリスクを負う。名称に「ボンド」と付くが、多くの場合は債券 の発行が無いため、元本割れの可能性があるという意味では株式投資に近い。 日本株ADR16日、高安まちまち ソニーGは下落 2022/02/17 06:11 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=張間正義】16日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は高安まちまちだった。 同日の米株式相場は下落したが、日本株ADRの反応は限られた。ソニーGとキヤノンが下落し、みずほFGも安い。 一方、ホンダとトヨタは上昇し、野村も買われた。 AD4375円 米国債券10年利回り2.028%、(-0.017) 米国株15時、ダウもみ合い FOMC議事要旨受け下げ幅縮小 2022/02/17 05:11 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=横内理恵】16日の米株式市場でダウ工業株30種平均はもみ合っている。15時現在は前日比25ドル59セン ト安の3万4963ドル25セントで、その後は小幅高に転じる場面もあった。ウクライナ情勢への警戒が続き、下げ幅は昼過ぎに一 時346ドルに拡大した。午後2時に米連邦準備理事会(FRB)が1月に開催した米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨を 公表すると、金融引き締めの加速を示唆する新たな情報がなく、ダウ平均は下げ幅を縮めた。 前日にウクライナ国境付近から軍の一部撤収を表明したロシアは、16日に軍用車などがクリミア半島を離れる様子を撮影した ビデオを公開した。もっとも、ロシアが国境に軍隊を集結させているとの指摘もあり、米欧諸国は警戒を緩めていない。情勢を見 極めたい投資家は多く、買い手控えにつながった。 ダウ平均は午後に下げ渋った。FOMC議事要旨では大半の参加者が「前回の利上げ局面よりペースを速める可能性が高い」 と指摘していたことがわかったが、内容に新味はなく、金融引き締めへの過度な警戒感が和らいだ。 強気の市場、相場の底隠す――持ち高調整じわり、目標株価遠のく(スクランブル) 2022/02/17 日本経済新聞 朝刊 アナリストによる企業の業績拡大期待を織り込んだ目標株価と、実際の株価の差が広がっている。足元の相場は米連邦準備 理事会(FRB)の金融引き締めやロシアによるウクライナ侵攻のリスクを受けて調整している。一方、中長期では景気の緩やか な拡大と企業の利益成長が続くとの見方が依然多い。不安を抱えつつも強気を崩さない投資家心理が、かえって相場のあく抜 けの障害になっているとの指摘もある。 「顧客で売りの主体はロングオンリー(空売りをしない、買い持ちだけの投資家)だ。ヘッジファンドはむしろ下値で拾っている」。 株価が急落した1月の売買注文の集計を眺めて、ある外資系証券のトレーダーはつぶやいた。主な売りの矛先はソニーグルー プなどの優良銘柄だという。 大和証券の分析によると、2021年に堅調だった銘柄ほど、今年に入って売られる傾向がある。将来の利益成長期待が強い 「グロース株」などが代表例だ。「FRBが想定以上に金融引き締めに積極的な姿勢を見せた」(同社の橋本純一シニアクオンツ アナリスト)ため、株価を押し上げてきた過剰流動性が収縮すると警戒されている。 一方で「金融引き締めで景気が大きく冷え込む可能性はまだ低く、企業業績の見通しも変わっていない」(岡三証券の松本史 雄チーフストラテジスト)。転換点にある市場環境と実体経済の温度差を反映するのが、アナリストの目標株価だ。東証株価指数 (TOPIX)コア30指数採用銘柄でみると、目標株価の平均値は20年春以降にほぼ一貫して上昇してきた。足元も年初とほぼ同 水準だ。 実際の株価は下落したため、目標との乖離(かいり)が広がった。たとえばソニーG株は年末から15%安だが、目標株価の平 均値は逆にやや上昇した。足元では目標が実際の株価の1・4倍だ。他にもキーエンスは1・4倍、リクルートホールディングスが 1・6倍など差は大きい。 個別銘柄の強気見通しが変わらないなら、今は押し目買いの好機とみることもできる。だがクレディ・スイス証券の石川真理子 株式営業部長は「保有銘柄に対する評価は大きく崩さないものの、目先の株価下落による損失を抑えるため少しだけ持ち高を減 らす動きがある」と指摘する。株価の調整を一時的と判断しつつ、短期的な運用成績の悪化を避けるための投資行動だ。 多くの投資家が少しずつ似たような売り注文を出せば株価の下押し圧力になる。先行きを悲観して投げ売りを出すわけではな いため相場の底がわかりづらく「あく抜け感が出にくい」(石川氏)。 投資環境の不透明さへの解として、ニューバーガー・バーマンの窪田慶太日本株式運用部長は今月から株価指数先物を利用 する運用戦略を始めた。保有する中小型株と同額のヘッジ売りを先物に出す。「銘柄選別による超過収益だけを得たい」という顧 客の要望に応えた。 「個別に見れば順調に価格転嫁を進めているなど評価できる企業もある。業績がしっかりしていれば、いずれ株価も戻るはずだ」 (窪田氏)。株価は一時要因で目標値を下回っているのか、将来の収益低迷を予見しているのか。この点の見極めが今後の勝敗 を分けることになる。 2022/02/16 22:45 三井住友FG(8316) 22年3月期経常予想。対前週0.8%下降。 三井住友フィナンシャルグループ<8316>の経常利益予想コンセンサスは、前週値の1,001,675百万円から0.8%下落し 993,620百万円となった。因みにレーティングコンセンサスは4.4で変わらずのまま。 東証寄り付き 反落、下げ幅100円超 ウクライナ情勢が重荷 2022/02/17 09:18 日経速報ニュース 17日前場寄り付きの東京株式市場で日経平均株価は反落で始まり、前日比での下げ幅は100円を超えて2万7300円台半ば で推移している。前日に大幅に上昇した反動もあって、利益確定売りなどが先行している。ウクライナ情勢をめぐる不透明感も重 荷になっている。 日経平均は前日に600円近く上昇しており、25日移動平均(2万7474円、16日時点)に接近していたこともあって、利益確定を 目的とした売りや戻り待ちの売りが先行している。 ウクライナ情勢も重荷だ。ウクライナ国境付近から軍部隊の一部を撤収させたとのロシア側の発表が前日の日経平均を押し上 げたものの、ブリンケン米国務長官は16日、「ロシアは引き続き国境に軍隊を集結させている」と批判した。米国や欧州は警戒 を緩めておらず、改めて相場の弱材料として意識されているようだ。 一方、米連邦準備理事会(FRB)が16日公表した1月25〜26日開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨は相 場の支えになっている。ほとんどの参加者が前回局面より速いペースでの利上げが妥当との考えを示したが、新しい材料は乏し く、一段とタカ派的な内容を警戒していた市場ではひとまず安心感が広がった。 JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は反落している。 T&DやSOMPOが売られている。リクルートやキーエンスも安い。半面、三菱商や丸紅が上昇している。郵船や商船三井も上 げている。 NYダウ、500ドル超安で推移 ウクライナ情勢を警戒 2022/02/18 05:12 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川上純平】17日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、午後3時(日本時間18日午前5時) 現在は前日比551ドル67セント安の3万4382ドル60セントで推移している。バイデン米大統領は17日、ロシアがウクライナ に侵攻する可能性が「非常に高い」と述べ、数日内に起きる恐れがあるとも指摘した。ロシアと欧米の対立激化が警戒され 、運用リスクを回避するための売りが広がった。 ハイテク株から景気敏感株まで幅広い銘柄が売られている。顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムが5%超下落。 建機のキャタピラーや工業製品・事務用品のスリーエム(3M)は3%を超える下げとなっている。 一方、好決算を発表した小売りのウォルマートとネットワーク機器のシスコシステムズは上昇している。飲料や日用品 などディフェンシブ株の一角も高い。 通期56%増見通し、供給制約の長期化懸念も。 2022/02/18 日本経済新聞 朝刊 2022年3月期通期の業績について会社予想を公表した1556社を対象に集計すると、純利益の合計額は前期比56%増の 28兆3115億円になる見通しだ。各社が4〜9月期の決算を発表した11月中旬時点では48%増の見通しだったが、今回の 発表で上方修正が相次ぎ増益幅が大きくなった。ただ、足元では半導体など供給制約が長期化し、業績拡大の動きに減速懸 念が出ている。 1556社の会社予想に、ソフトバンクグループなど予想のない会社について市場予想の平均(QUICKコンセンサス)を加えて 計算すると、36%増の38兆円程度の見込みとなり、日本企業が最高益だった18年3月期の35兆円を上回る。 会社予想の純利益の上位企業を並べると、首位はトヨタ自動車で前期比11%増の2兆4900億円の見通しだ。部品不足等の 影響を受けて通期のトヨタ・レクサスの世界生産計画を前回見通しから6%引き下げたが、純利益は4〜12月期を終えた時点で 通期予想の9割に達し、従来予想を据え置いた。2位はNTT。デジタルトランスフォーメーション(DX)を追い風に企業からの受注 が増え、20%増の1兆1000億円を見込む。 今期予想の上方修正や最高益見込みが相次ぐ一方で、今後の業績については慎重な見方も広がっている。一足先に次の通 期見通しを発表した12月期本決算のヤマハ発動機の22年12月期の営業増益率は、4%増と前期の2・2倍から大幅に鈍化す る見込みだ。 最大の懸念は半導体不足などの供給制約の長期化だ。大和証券の阿部健児氏は「年後半に正常化すると想定していたが、年 内の正常化は難しい可能性が高まっている」と指摘する。原材料の先高観も強く、不透明な状況は当面続きそうだ。 日本株ADR17日 売り優勢 トヨタや野村が下落 2022/02/18 06:13 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=横内理恵】17日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は売りが優勢だった。 ウクライナ情勢への懸念から同日の米株式相場が大幅下落し、日本株のADRも売られた。トヨタが2%下落。 野村や三菱UFJ、三井住友FGなど金融も安い。ソニーGやホンダも下げた。 AD4276円 米国債券10年利回り1.965%、(-0.080) 2022/02/17 18:00 三井住友FG(8316) 日系中堅証券、レーティング据え置き、中立。目標株価引き上げ、4,430円。 日系中堅証券が2月17日、三井住友フィナンシャルグループ<8316>のレーティングを中立(Neutral)に据え置いた。 一方、目標株価は4,060円から4,430円に引き上げた。因みに前日(2月16日)時点のレーティングコンセンサスは4.3 6(アナリスト数11人)で「やや強気」の水準、目標株価コンセンサスは4,987円(アナリスト数11人)となっている。 2022-02-18 東海東京 Neutral継続 4060円 → 4430円 2022/02/17 22:45 三井住友FG(8316) 22年3月期経常予想。対前週0.5%上昇。 三井住友フィナンシャルグループ<8316>の経常利益予想コンセンサスは、前週値の1,001,675百万円から0.5% 上昇し、1,006,517百万円となった。因みにレーティングコンセンサスは4.4で変わらずのまま。 ダウ下げ幅、今年最大 米ロ対立が阻む底入れ(NY特急便)−米州総局 宮本岳則 2022/02/18 08:23 日経速報ニュース 米株式市場では不安定な値動きが続いている。17日のダウ工業株30種平均は622ドル安となり、1日の下げ幅としては 今年最大となった。同指数が2月の第1週まで2週連続で上昇したことで、相場は1月の急落から立ち直りつつあるとの見 方もあった。ところが、ウクライナ問題を巡る米国とロシアの対立継続で、再び売り優勢の展開になった。底入れのタイミン グはまだ見えない。 日経平均、下げ幅を縮小 来週にも米ロ外相会談の報道で 2022/02/18 10:56 日経速報ニュース 18日午前の東京株式市場で、日経平均株価が急速に下げ渋っている。一時は前日比133円ほど安い2万7099円程度 まで下げ幅を縮めた。緊迫するウクライナ情勢を巡って米国のブリンケン国務長官がロシアのラブロフ外相と来週末に会 談すると伝わった。事態悪化への懸念が短期的に和らいだことで、株価指数先物に買いが集まり日経平均の下げ渋りに つながった。 日本株買い、消去法の憂鬱 世界に劣る企業の危機感−本社コメンテーター 梶原誠 2022/02/18 10:00 日経速報ニュース ウクライナ情勢や米欧の金融引き締め懸念を受けて、世界の株式相場は荒い展開が続く。そんな中で、あるシナリオが静かに 浮かんでいる。日本買いだ。 昨年は世界の主要市場に「一人負け」だった日本の株式相場だが、今月は違う。米国株もドイツ株も値動きで上回っている。 米国株からのマネー逃避 2つの要因が考えられる。1つは実質金利の低下期待だ。 名目上の金利から物価上昇率を引いた値が実質金利だ。日本の実質長期金利は昨年末でマイナス0.75%。主要7カ国を比べると 、日本以外では最も高いフランスでもマイナス3%弱にとどまる。日本の実質金利がとりわけ高いのはデフレ圧力のためで、株価が 見劣りする原因といわれてきた。 だが日本にも物価上昇の波が訪れた。企業の2021年4〜12月期決算発表はまるで値上げ表明の場だ。「うまい棒」が43年前の 発売以来初の値上げに踏み切るニュースは世界で話題になった。 日銀が今週踏み切った国債の「指し値オペ」は、名目長期金利を最高0.25%に食い止める。物価が上がれば実質金利は下がり、 景気や株価を刺激する。 もう一つは過熱感が漂う米国株からのマネー逃避期待だ。米ハイテク株バブルなどを見抜いてきた著名投資家ジェレミー・グラン サム氏は1月、米国株を「スーパーバブル」と断じて割安な日本株へのシフトを主張した。 今月バンク・オブ・アメリカが世界の投資家に実施した調査でも、米国株への投資姿勢が3年ぶりに弱気に転じた。大量に流れ出 すマネーの受け皿になれるのは、日本など先進国市場に限られる。 もっとも、この楽観論にはワナがある。実質金利の低下や米国株からのマネー逃避で日本株が買われても、投資家が日本企業 の成長力を買ったとは限らない。 「TINA(there is no alternative)」。他に選択肢がないという意味の符丁が市場で語られている。カネ余りで持って行き場に困った 末の消去法的な買いだ。外部要因頼みの日本株買いもこの心理に近く、短命に終わる可能性がある。 「モルガン20銘柄」の行方に学ぶ 消去法を超える買いを誘う企業の条件は何か。「モルガン20銘柄」の行方はそれを教えてくれる。「アベノミクス相場」が峠を越え ていた18年9月、米モルガン・スタンレーが「生産性を高める日本企業はまだある」と、TINAでなくガチで選んだ20社だ。 20銘柄の明暗は大きく分かれた。同年8月末を100とすれば、東証株価指数(TOPIX)の先月終値は109。これを上回ったのは9 銘柄で、平均して指数にすると166に上昇した。逆に下回った11銘柄は82へと低下した。 筆者はこれらの銘柄を保有、あるいは見限って売却したファンドマネジャーや、何十年も分析を続けた調査担当者と値動きの要 因を議論した。浮かび上がったのは明と暗を分ける3つの要因だ。 1つ目は「市場の声を聞いて変われるか」。株価がTOPIXを上回った企業を見よう。日立製作所(18年8月比で164、以下同じ)も ソニーグループ(200)も、経営危機をきっかけにした投資家との対話を土台に事業の選択と集中を進めて成長した。 2つ目は「独自の事業か」だ。エムスリー(178)の医薬品メーカーと医師をインターネットでつなぐ事業も、村田製作所(134)の積 層セラミックコンデンサーも、圧倒的な市場シェアを握っており同業他社を挙げるのが難しい。利益率を高める王道だ。 3つ目は人口減が進む日本でなく「世界で勝てるか」だ。株式時価総額が一時10兆円の大台を超えたリクルートホールディングス (165)の成長は、12年に買収した米求人検索サイト「インディード」の貢献抜きに語れない。 TOPIXを下回った企業はこれらの要因に不安がある。例えば日本郵政(74)。モルガンは「民営化後の初期段階にあり、変革へ の潜在力が高い」と期待した。しかし19年にかんぽ生命保険の不正販売が表面化。市場が求める成長より内部統制の強化に追 われた。 宅配業の開拓者・ヤマト運輸を擁するヤマトホールディングス(74)も、今は同業他社との競争に苦しんでいる。佐川急便を傘下 に持つSGホールディングスは営業利益率で一貫して上回っており、株価も同期間で85%上昇した。アジアで強みを誇ったコマツ (89)も、今は中国の新興メーカー、三一重工の猛追を受けている。 「アベノミクス相場」10年の節目 気がかりな調査がまとまった。米コンサルティング会社アリックスパートナーズが昨年11月にかけて、世界の企業幹部に経営 環境の破壊的変化「ディスラプション」への認識を聞いた。「職を失う」と恐れる幹部の比率は日本が主要国で唯一下がり、変化 についていけないと危惧する比率も最低だ。 先行き不透明な中国経済への依存や、大黒柱の自動車産業が歴史的な転換期にある割に、緊張感の緩さが際立つ。似た 環境のドイツは逆に身構えている。株の持ち合い解消で日本に先行し、市場の圧力を受けやすいことと無縁でない。独シーメン スは日本の勝ち組・日立を利益率で上回る。 政策期待をきっかけにしたアベノミクス相場は12年11月に始まった。8000円台で低迷していた日経平均株価は15年に2万円 を超え、「次は企業が変わる番」と期待が高まった。今年の11月は10年の節目だ。市場が結論を下す日は、容赦なく近づいている。 日本株ADR18日、売り優勢 みずほFGやソニーGが下落 2022/02/19 06:32 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川上純平】18日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は売り優勢だった。 日米の株式相場が下落し、日本株ADRも売られた。みずほFGや三菱UFJ、ソニーGが下げた。 トヨタとホンダは上昇した。 AD4263円 米国債券10年利回り1.927%、(-0.047) 不動産株に逃避マネー――インフレも物色後押し(スクランブル) 2022/02/19 日本経済新聞 朝刊 投資家がリスクオフの姿勢を強めている。ウクライナ情勢の緊迫化や世界的な金融引き締めなど金融市場の不透明感は強く、 投資資金を現金化する投資家も出始めた。視界不良の中で、マネーの逃避先として内需銘柄の不動産や建設株が選ばれてい る。国内外のインフレ圧力が不動産価格に波及していることも、不動産株などへの物色を後押ししている。 「手持ち株式の大半を現金に換えた。3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)が終わるまで、怖くて新規投資はできない」。 グロース(成長)株を中心にポートフォリオを構成していたあるヘッジファンドの代表はこう打ち明ける。 投資家のリスクオフの姿勢は鮮明だ。18日の東京株式市場では半導体や機械など景気敏感株を中心に幅広い銘柄が売ら れた。日経平均株価は続落し、前日比110円(0・4%)安の2万7122円で終えた。 そうした中で株価が堅調だったのが不動産や建設株だ。野村不動産ホールディングスと清水建設は一時1・7%高、三菱地所 は1・3%高、東急不動産ホールディングスは1・2%高まで上げた。国内運用会社の幹部は「ポートフォリオのバリュー株シフト を進めている。不動産は来年度も好業績が期待できるため、エントリーするタイミングをうかがっている」と話す。 不動産や建設株が選ばれる背景にあるのが不動産価格の上昇だ。不動産経済研究所が発表した2021年の首都圏新築マ ンションの平均価格は前年比2・9%上昇し、6260万円とバブル期の1990年を超え、過去最高となった。世界的なインフレ圧 力が国内の資材価格などに浸透する中で、不動産価格も上昇力を強めている。 世界と違い、日本はインフレが不動産の賃料に反映されづらいが、販売においては恩恵を受けやすい。三菱地所の22年3月 期の業績は新築分譲マンションの採算改善などで過去最高益となる見込みだ。建設は不動産事業が好調な鹿島を除き、鉄鋼 などの原材料高が響き、減益の会社が多いが、予想PER(株価収益率)が10倍前後と日経平均株価(13・4倍)に比べて低い ことから買いが入りやすい状況だ。 極東証券経済研究所の佐藤俊郎社長は「不動産価格の上昇による不動産会社の業績改善効果が建設会社にも波及する とみた期待買いが入っている」と指摘する。日銀が長期金利の上昇を抑制する「指し値オペ(公開市場操作)」の発動をし、低金 利政策を維持する方針を示したことで、住宅ローン金利の上昇が限定的になるのではという見方も追い風となっている。 ただ緊急避難先として消極的な買いとなっているのは否定できない。急速な投資資金のバリュー株シフトで、商社や銀行など 一部のバリュー株が買われすぎたからだ。「内需株で為替リスクも少ない不動産株に一時避難し、嵐が過ぎ去るのを待っている」 (auカブコム証券の山田勉マーケットアナリスト) 世界的なインフレや利上げで景気が冷え込めば、環境が一変する可能性はある。とりわけ不動産価格は変動が大きい。かつて バブル崩壊後に不動産価格は急落し、長く低迷に苦しんだ。足元の不動産株買いは次の逃避先が必要になるリスクもはらんでい る。 来年利上げ、織り込む市場、日本の金利予想プラス、緩和慣れに危うさ(チャートは語る) 2022/02/20 日本経済新聞 朝刊 東京の短期金融市場で異変が起きている。2023年春以降の短期金利の予想がプラス圏に浮上してきた。日銀がマイナス金利 政策をやめ、利上げすることを織り込む動きだ。欧米の金融政策の引き締めが飛び火するとの観測が市場に強まっている。 「経済データ次第で中央銀行のスタンスは変わりうる。(海外中銀のインフレへの反応を目の当たりにして)この考え方が一部の 海外投資家に根付いてしまったようだ」。モルガン・スタンレーMUFG証券の杉崎弘一氏は、変動金利と固定金利を交換する金利 スワップ(3面きょうのことば)の一つ、OIS市場の動きに驚く。 OISは日銀の金融政策に連動する「無担保コール翌日物」を参照金利に使う。そのため、市場の政策金利予想が反映されやすい。 あらかじめ決めておく固定金利のレートは利上げや利下げの予想を織り込みながら決まる。 現在のOIS市場では、22年2月から1年間の金利を交換する契約では固定金利はマイナス圏で、マイナス金利政策が続くとの 見方を映している。ところが、23年2月から1年間を対象とした契約では、固定金利がプラス圏に浮上してきた。23年4月の黒田 東彦総裁の任期切れ後に政策変更があるというシナリオを市場は織り込みつつある。 日銀がマイナス金利導入を決めた16年1月以降、金利予想が明確にプラス圏に転じることはなかった。急変のきっかけは欧州 中央銀行(ECB)が2月3日の政策理事会でインフレを警戒する「タカ派」に急旋回したことだ。「いずれは日銀も」とみる市場関係 者が増えた。大和証券の岩下真理氏は「4〜6月以降も日本の物価上昇は続き、日銀にとって副作用も大きいマイナス金利を解 除する絶好の機会となるのでは」とみる。 中長期の国債利回りも欧米に連動して急ピッチに上昇してきた。日銀は14日、長期金利の指標となる10年物国債利回りを0・ 25%以下に抑えるため、国債を指定した値段で無制限に買う「指し値オペ(公開市場操作)」を実施し上昇にブレーキをかけた。 ところが、5年債や20年債の利回りは上昇がとまらない。 「まだ第1幕。次は物価上昇がはっきりと見えてくる夏以降か」。日本国債のトレード規模が数兆円と大きい英キャプラ・インベス トメント・マネジメントの浅井将雄氏は金利上昇の波は今後も続くとみる。世界の主要中銀が引き締めにカジを切っており、海外と の金利差から円安が加速したり、物価上昇が本格化したりすれば、日銀はいつまでも金利を人為的に抑えつけてはいられなくな るためだ。 13年の異次元緩和導入時に最重要目標とした「量」は「事実上の正常化」(野村総合研究所の木内登英氏)に入ったとの見方 もある。日銀が市場に流すマネーの量を示す資金供給量(マネタリーベース)は、新型コロナウイルス禍対応の資金供給がなくな る夏以降にも13年以降で初めて前年比で減少に転じる見通し。 次の修正はマイナス金利や長期金利の誘導と市場は読む。だが、政策転換は難路だ。「今の経済システムは低金利を前提に 構築され、政府債務は膨張し、低金利の住宅ローンが組まれている。こうしたシステムが想定以上のダメージを負うリスクがある」 (東短リサーチの加藤出氏)。異次元緩和後、政府債務は22%増えている。 市場の織り込みは「行き過ぎ」との評価も多い。だが、米欧は誰も予想しなかった高インフレに見舞われた。緩和慣れした日本 は引き締め転換のショックは一段と大きい可能性がある。備えはあるのか、市場が問いかけている。 2022/02/18 22:45 三井住友FG(8316) 22年3月期経常予想。対前週0.7%上昇。 三井住友フィナンシャルグループ<8316>の経常利益予想コンセンサスは、前週値の1,001,675百万円から0.7%上昇し 1,008,443百万円となった。因みにレーティングコンセンサスは4.4で変わらずのまま。 <東証>大手銀株が朝安後上昇 高配当利回り意識した買い 2022/02/21 11:00 日経速報ニュース (11時、コード8306)三菱UFJが朝安後上昇している。前週末比14円50銭(2.0%)高の740円80銭まで買われた。 ウクライナ情勢を巡る不透明感が引き続き意識される中で、配当利回りが相対的に高く、投資尺度の面から割安感 のある大手銀に物色の矛先が向かっている。みずほFG(8411)や三井住友FG(8316)も上昇している。 大手銀の配当利回りは足元で三菱UFJが3.8%程度、三井住友FGが4.9%程度、みずほFGが5%前後と、東証 1部平均の約2%を上回っている。市場では「期末の権利確定の配当取りをにらみ、3月末にかけて配当利回りの 高い銘柄が値上がりしやすいという経験則も意識されている」(アイザワ証券投資顧問部の三井郁男ファンドマネー ジャー)との指摘が出ていた。 3月期末前に狂う前提 脱マイナス金利で市場に異変(永井洋一) 2022/02/21 14:09 日経速報ニュース 太平の眠りを覚ます蒸気船――。米国の歴史的なインフレ圧力の高まりやウクライナ危機といった「黒船(外圧)」が日本にも 押し寄せ、マイナス利回りから脱出(債券価格は下落)する国債が増えている。資源高と金利上昇の共振は景気を冷やす「悪 いインフレ」への警戒をあおり、株安が加速。日銀のマイナス金利政策の下で超低金利に慣れきった投資家や企業は3月決算 期末を前に前提条件が狂い、市場で異変が続出している。 ■企業の資金調達環境に変調 最近、日本航空(9201)や積水ハウス・リート投資法人(3309)など一部の社債の発行延期が相次いでいる。理由は金利上昇 による起債環境の悪化だ。 日銀の公開市場操作(オペレーション)では17日実施の社債買い入れの平均落札レートが0.272%と1カ月前に比べ0.083%、 半年前に比べ0.172%も上昇(価格は下落)。安値で日銀に売りを持ち込む金融機関が増える異例の事態となっている。これま で「晴天」と思われていた企業の資金繰り環境の雲行きが怪しくなっている。 「日本国債先物に売りが膨らんでいる。国内金融機関の評価損拡大を狙った海外勢の売りだ」(債券市場関係者)。3月決算 期末というカレンダーをにらみながら仕掛ける海外の投機勢。念頭にあるのは2003年6月の国債価格急落(金利急騰)、「VaR (バリュー・アット・リスク)ショック」だ。 リスクコントロールのため銀行が保有国債の管理プログラムに採用していた手法が、突然の金利上昇で「合成の誤謬(ごびゅ う)」を誘発。リスク許容度を超えた銀行の売りが売りを呼ぶ悪循環を招き、10年物国債の利回りは当時の過去最低の0.43% から1カ月程度で1.15%近辺まで跳ね上がった。 「金利が動かない世界に慣れすぎてしまい、日本の金融システムは脆弱になっている。最近、30年物国債などの超長期金利 が大きく上昇したのは、VaRショック再来の前兆、あるいはすでに起き始めている証拠かもしれない」(大和証券の尾谷俊シニア ストラテジスト) 日銀によれば円金利が全年限で1%上昇した場合、21年度に国内金融機関が保有する円債の評価額は9兆円減少する。対 自己資本比率は15%に上り、銀行財務への影響度としては12年度以来の大きさとなる。外貨金利が2%上昇するケースだと、 大手行は外債投資で3兆2000億円、地方銀行は1兆3000億円いずれも減少。その規模はそれぞれ9%、6%に達する。 ■不吉な逆三角形 通常、債券の利回りは満期までの期間が長ければ長いほど高くなる。ところがこうした金利の期間構造にも異変が生じている。 金融仲介のタレットプレボンによれば、10日以降、18日までに中期の5年物国債は0.02%上昇する一方、長期の10年物国債は 0.01%低下し、超長期の30年債は0.07%上昇した。10年債だけを無制限に購入する日銀の「指し値オペ」の影響だが、こうした 傾向が長く続くと、利回り曲線は10年債だけ下にたわみ、5年と30年が上に行く逆三角形型となる。 金利の期間構造において、こうした逆三角形型が現れるのはスタグフレーション(インフレと景気悪化の併存)期やバブル崩壊期 など異例のケースにおいてのみだ。変化の程度はまだ小さいが、年度末を控え、市場は外部環境の悪化以外にも注意するよう警 告を発している可能性がある。 市場が銃声より恐れるもの 「18年型株安」の再来も−編集委員 川崎健 2022/02/21 19:19 日経速報ニュース 戦争に代表される地政学リスクは、投資家が最も苦手とするリスクだろう。ウクライナ情勢の一段の緊迫化を受け、21日の 日本株は大幅安で始まった。だが株価の値動きに目を凝らすと、市場が「銃声」より恐れているものがあることが分かる。 米国景気のピークアウトだ。米金融引き締めと景気減速が重なった、2018年型の株安の再来も絵空事ではない。 「明らかに売られすぎの銘柄も増えているが、ウクライナ情勢が落ち着くまでは怖くて動けないですよ」。割安銘柄の買い 持ち(ロング)と割高銘柄の売り持ち(ショート)を組み合わせる日本株ヘッジファンドの運用者は、身動きがとれない現状を こう明かす。 21日の日経平均株価は朝方一時500円超の下げを演じた。前日にロシアはベラルーシとの合同軍事演習の延長を公表。 ブリンケン米国務長官は「情勢は侵攻寸前だ」と話した。世界で真っ先に開く東京株式市場は、地理的に遠く離れたウクライ ナの地政学リスクを一身に受け止めた格好だ。 もっとも相場の歴史を振り返ると、戦争や軍事紛争などの地政学リスクは一時的な株価下落につながるが、株安が長期化 するのはまれだ。 東海東京調査センターの平川昇二チーフグローバルストラテジストは、第4次中東戦争(1973年)や旧ソ連のアフガニスタン 侵攻(79年)、湾岸戦争(91年)など70年代以降におきた16回の主な地政学リスク発生時の株価反応を調べた。 結果は米S&P500種株価指数が調整する日数19日間(中央値)で、下落率(同)は5.1%だった。さらに、株価の底から30日後 、半年後、1年後などその後の株価をみると16回中14回は大きく上昇していた。 「16回のうち株価が長期的に下がっていった2回(第4次中東戦争と米同時多発テロ事件)は景気後退と重なっていた。そう でなければ、地政学リスクが高まる局面は株の絶好の買い場だったということになる」。平川氏はこう指摘する。 これは昔から投資家に広く知られた経験則だ。18世紀のワーテルローの戦いでナポレオンの敗北を伝書バトで入手していち 早く動いたネイサン・ロスチャイルドはこんな相場格言を残している。「銃声が鳴ったら買え」 では、仮にロシアのプーチン大統領が攻撃の命令を出したとしても、そこが相場の底になるのだろうか。今回に限っては事態 はもっと複雑だ。 「ウクライナ情勢を警戒したリスクオフ(回避)であるのは否定しないが、市場の反応がちぐはぐ。投資家はもっとほかの要 因を警戒している可能性がある」。野村証券の松沢中チーフ・ストラテジストは指摘する。 松沢氏が指摘する「ちぐはぐな動き」は、先週以降の@原油価格の下落A欧州株よりも下げ幅が大きい米国株の値動きB 対ドルでほとんど下げていないユーロの値動き――などだ。ウクライナ情勢が緊迫すれば、真っ先に売られるはずの原油や欧 州株が足元で相対的に下がっていないのは、確かにふに落ちない。 それでは、市場がウクライナよりも警戒しているのは何か。米景気のピークアウトである。 「パウエル議長が米連邦準備理事会(FRB)内のタカ派を抑えられなくなっている恐れがあるうえ、バイデン大統領の政策運営 にも不安が強まっている」。松沢氏はこう指摘。「米国が金融・財政政策に失敗して景気を冷ませば、ウクライナを超えるリスクに なる」 そんな米景気スローダウンの影響は、日本株にも及んでいる。機械株の株価下落だ。経済正常化や脱炭素化で設備投資が これから盛り上がり、機械メーカーには追い風が吹くはず。それなのに今年に入って東証業種別指数の機械株は東証株価指数 (TOPIX)を大きく下回り、昨年来安値を更新しつづけている。 このままいけば、今年の株式相場は「18年型株安」を繰り返す恐れがある。米中貿易摩擦によって景気がスローダウンして いる中でFRBは利上げに踏み切り、株価は年末にかけて急落した。 18年の株安の最大の特徴は、米利上げによる割高なバリュエーション(株価評価)調整でグロース(成長)株が大きく売られる とともに、通常は反対の値動きをするはずの景気敏感株も売られたことだ。足元の世界の株式相場の物色も当時と似た動きな りつつある。 仮に18年型株安が再来するのであれば、相場の底入れはしばらく先になるだろう。今回ばかりは、ロスチャイルド家が富を きづくきっかけとなった「銃声が鳴ったら買え」の格言は、忘れたほうがいいかもしれない。 長期金利、0.190%に一段と低下 リスク回避の買い 2022/02/22 14:04 日経速報ニュース 22日午後の国内債券市場で長期金利が一段と低下(債券価格は上昇)した。指標となる新発10年物国債の利回りは 前日比0.015%低い0.190%と4日以来、約2週間ぶりの低水準をつけた。ロシアのプーチン大統領が、親ロシア派武装 勢力が実効支配するウクライナ東部の一部地域への派兵を決めたことなどが背景にある。相対的な安全資産とされる 債券には、運用リスクを回避する目的の買いが続いている。 日本株ADR22日、売り優勢 キヤノンとホンダの下げ目立つ 2022/02/23 06:10 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=古江敦子】22日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は売りが優勢だった。 同日の日米株式相場が下落し、日本株ADRにも売りが広がった。キヤノンやホンダ、武田が2%強下落した。 トヨタとソニーGも安い。一方、みずほFGと三井住友FG,三菱UFJは上昇した。 AD4291円 米国債券10年利回り1.937%、(+0.007) 三菱UFJ、試行錯誤のデジタル戦略 目玉事業も3年で撤退 2022/02/23 05:00 日経速報ニュース 三菱UFJフィナンシャル・グループがデジタル戦略で試行錯誤の回転を速めている。22日にブロックチェーン(分散型台帳)を 使った高速多頻度決済の事業開発から撤退すると発表した。2019年の合弁会社立ち上げからわずか3年で見切る。新規事業 を矢継ぎ早に打ち出す一方、収益化が遠いとみれば早期に撤退する経営戦略を鮮明にしている。 「新しい世界を切り開いていきたい」――。19年4月、当時三菱UFJの副社長だった亀澤宏規社長は記者会見でこう語った。 データ配信を手掛ける米アカマイ・テクノロジーズと合弁で「グローバルオープンネットワークジャパン」(GO―NETジャパン)を立 ち上げた。デジタル戦略に力を入れる亀澤社長の「1丁目1番地」とされる事業だ。 アカマイの技術を活用し、ブロックチェーンで1秒間に10万件の処理性能、2秒以内の処理スピードを実現した。専用のサーバ ーやネットワークを用意して既存システムを利用するよりも安く、高速に大量の決済をこなせる。クレジットカードの既存の決済シ ステム「CAFIS(キャフィス)」にとってかわり、日本の決済をとりまく景色を一変させるはずだった。 数円単位の決済ができるのも特徴だ。例えば利用時間に応じて秒単位の課金も可能になる。あらゆるモノがネットにつながる 「IoT」や車などのシェアリングサービスなどが普及すれば、こうした細やかな従量課金が必要になる。全国銀行データ通信シス テム(全銀システム)など既存のシステムでは少額送金はコスト倒れになる。高速多頻度決済が不可欠な世の中を見すえた一 手だったが、ニーズはまだ大きくならなかった。 三菱UFJの担当者は「レガシーの壁が高かった」と認める。クレジットの決済システムを普及させるには、まずカード会社に乗 換えてもらう必要がある。傘下の三菱UFJニコスが決済過程の一部で導入したものの、広がりを欠いた。 既存システムが多少、非効率で高コストでも、各社はそれにあわせた最適な体制や事務プロセスを整えている。スイッチング コスト(乗り換え費用)が普及のネックとなった。三菱UFJはGO-NETジャパンなど2社の事業を停止し、その後、清算する。すで に21年3月期決算でシステム開発に関連する140億円の減損損失を計上済みだ。 決済分野は各社が力を入れている。三井住友フィナンシャルグループはクレジットカードでSBI証券と連携し、積み立て投資にも 使えるようにした。みずほフィナンシャルグループは地方銀行を巻き込んだキャッシュレス決済「Jコインペイ」を展開するほか、21年 12月にはベトナムで最大シェアをもつ決済アプリ「モモ」の運営会社の出資を発表した。 もくろみは外れたが、三菱UFJは決済インフラのポジションを狙おうとした。ある証券会社アナリストは「ゴルフに例えるならアイ アンで刻むのではなく、ドライバーでかっ飛ばそうとする」と指摘する。当然、方向が正しければ収益を含めたインパクトは大きいが 、外せば果実は得られない。それだけに早期の軌道修正が大切になる。 他の新規事業でもこの傾向が顕著だ。16年から構想が浮上したデジタル通貨「MUFGコイン」はリクルートと共同で手掛けるスマ ホ決済「COIN+(コインプラス)」として21年12月に日の目を見た。クレジットカードなどをアプリに取り込んでタッチ決済ができる「MU FGウォレット」は、米アップルからアプリの許認可が得られず同12月にサービスを終えた。19年のサービス開始から2年あまりでの 撤退だった。 一方で、新たにスマホ向け資産運用サービスや本人確認機能の外部展開など新規サービスも相次いで立ち上げている。スピード 感の遅さを指摘されてきた国内最大銀行が挑むビジネスの流儀の修正。素早い参入と撤退の判断で「金融プラットフォーマー」の鉱 脈を掘り当てられるか。走りながら軌道修正を重ねる「アジャイル」戦略が試されている。 AD4244円 米国債券10年利回り1.993%、(+0.045) 日本株ADR23日、全面安 ソニーGやホンダの下げ目立つ 2022/02/24 07:29 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川上純平】23日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は全面安だった。 米ダウ工業株30種平均が下落し、日本株ADRにも売りが出た。ソニーGやホンダ、オリックス、キヤノンの下げが目立った。 NY株ハイライト ダウ平均11カ月ぶり安値 チャート分析が示す一段安への警戒感 2022/02/24 08:00 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=戸部実華】23日の米株式市場でダウ工業株30種平均は5日続落し、前日比464ドル安の3万3131ドル で終えた。昨年3月以来、11カ月ぶりの安値となった。ウクライナ情勢に加え、米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めに 対する警戒感が強く、取引終了にかけて下げ幅を拡大した。短期的には売られすぎとの声も聞かれるが、チャート分析上では 一段安になりかねないと身構える投資家も少なくない。 「米株相場は売られすぎといえる水準だ。ウクライナ情勢とFRBの金融政策のどちらかの先行きが見通しやすくなれば、リ リーフ・ラリー(安堵感からの相場上昇)を見込む」(ナショナル・セキュリティーズのアート・ホーガン氏)。こう考える投資家は 少なくないようで、23日の米株相場は買いが先行し、ダウ平均は上げ幅が200ドルを超える場面もあった。 市場予想を上回る決算や見通しを発表した銘柄には、素直に買いで反応する動きもみられた。23日は前日夕に好決算や 業績見通しの引き上げを発表したセキュリティー対策ソフト開発のパロアルト・ネットワークスが一時7.5%高となった。「22年 は企業がセキュリティー関連予算を優先させる」(キーバンク・キャピタル・マーケッツ)との見立てもあって、目標株価を引き 上げるアナリストが多かった。 ウェドブッシュ証券のダニエル・アイブス氏は、ウクライナ情勢の悪化で「ロシアに関連した組織からのサイバー攻撃が増え ると予想し、欧米の企業や政府のサイバーセキュリティー強化につながる可能性がある」と指摘する。業績の押し上げが見 込まれる関連銘柄の1つとしてパロアルトを挙げた。 それでも相場全体としては買いは続かなかった。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は22日、1月 3日に付けた過去最高値からの下落率が「調整局面入り」の目安となる10%を超えた。23日も下げ止まらず、前日比1.8% 安で終えた。下値を探るうえで、ミラー・タバックのマシュー・マリー氏は主要ハイテク株で構成する株価指数「ナスダック100」 とS&P500種株価指数の値動きに注目する。 ナスダック100(23日時点で1万3509)は年初来下落率が17%に達した。マリー氏は1月24日と2月22日の取引時間中に 付けた安値(1万3720付近)が目先の相場展開を左右する重要な水準とみて、これを明確に下回れば「非常にベア(弱気) な展開になりうる」とよむ。23日は前日比2.6%安で終え、相場全体の下げ幅拡大につながった面もあり、マリー氏は「気が かりだ」と漏らす。 マリー氏がもう1つ注視するのは、S&P500種が1月24日の取引時間中に付けた同月の安値(4222)を下回るかだ。23日 は4225とギリギリながらとどまって終えた。 トゥルイスト・アドバイザリー・サービシズは経験則として地政学リスクの高まりは「相場の変動率を高めて短期的な落ち込み をもたらすが、リセッション(景気後退)へとつながらない限り最終的には持ち直す傾向がある」と指摘する。「過剰に反応しな いようにしている」といい、警戒感を強める投資家をなだめるようだった。 だが、JPモルガンはウクライナ情勢の緊迫について「米企業の収益へのリスクは低い」としながらも「中央銀行がインフレを 重視しながら積極的に(金融引き締めに)かじを切るさなかで、エネルギー価格のショックが投資家心理と成長見通しを一段と くじく可能性がある」と警告する。すでに需給の引き締まりでエネルギー価格が上昇しているところにロシアからの原油や天然 ガスの供給減が重なれば、インフレやFRBの金融引き締めを巡る見通しは一段と視界不良になりかねない。 株式相場は、短期的にみれば売られすぎの感も増しており、何らかの好材料をきっかけに急速な相場の持ち直しを見込む 声は多い。ただ、目先はウクライナ情勢を巡るヘッドライン(ニュースの見出し)に敏感に揺れる地合いが続きそうだ。「売りが 売りを呼ぶ展開になりやすいだけに下値を予想することはできない」(インガルズ・アンド・スナイダーのティム・グリスキー氏) との声が聞かれた。 日経平均、一時昨年来安値を下回る ウクライナ情勢悪化 2022/02/24 09:55 日経速報ニュース 24日の東京株式市場で日経平均株価は続落して始まり、一時、1月につけた昨年来安値の2万6170円を 下回る場面があった。2020年11月以来およそ1年3カ月ぶりの安い水準。前営業日に比べた下げ幅は一時 200円を超えた。ロシアがウクライナ東部の親ロシア派支配地域への派兵を打ち出し、日米欧など主要国が ロシアへの金融・経済制裁を決めるなど、ウクライナ情勢の深刻化を受けて投資家のリスク回避姿勢が一 段と強まっている。 日経平均、昨年来安値を下回る 2022/02/24 09:55 日経速報ニュース 東証後場寄り 2万6000円下回る ロシアの軍事作戦決定の一報受け 2022/02/24 12:58 日経速報ニュース 24日後場寄り付きの東京株式市場で日経平均株価は一段安。前営業日比550円程度安い2万5900円近辺で推移している。 取引時間中に2万6000円を下回るのは2020年11月以来。日本時間24日昼ごろにロシアのプーチン大統領がウクライナ東部で 特別軍事作戦を行うことを決めたと伝わり、運用リスクを回避したい投資家の売りが膨らんでいる。下げ幅は一時600円を超えた。 日経平均株価を対象としたオプション価格から算出する日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は節目の30を一時上回っ た。取引時間中に30を上回るのは1月27日以来。 前引け後の東証の立会外で、国内外の大口投資家が複数の銘柄をまとめて売買する「バスケット取引」は約95億円成立した。 12時45分現在の東証1部の売買代金は概算で1兆8979億円、売買高は8億1021万株だった。 フジクラや古河電が売られている。ファナックやスクリン、ソフトバンクグループ(SBG)も安い。INPEXや住友鉱は逆行高。 2022/02/24 22:45 三井住友FG(8316) 22年3月期経常予想。対前週0.6%上昇。 三井住友フィナンシャルグループ<8316>の経常利益予想コンセンサスは、前週値の1,006,517百万円から0.6%上昇し 1,012,375百万円となった。因みにレーティングコンセンサスは4.4で変わらずのまま。 日本株ADR24日、ほぼ全面安 銀行の下げ目立つ 2022/02/25 06:14 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=戸部実華】24日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)はほぼ全面安だった。 ウクライナ情勢を巡る地政学リスクの一段の高まりを受け、同日の日本の株式相場が下落し、日本株ADRも売られた。 三井住友FGやみずほFGが2%強下げた。オリックスや野村も下落した。一方、ソニーGは上昇した。 AD4172円 米国債券10年利回り1.970%、(-0.007) ホットストック:銀行株が軟調、米市場の流れを引き継ぐ [東京 25日 ロイター] - 銀行株が軟調。午前10時30分現在、東証33業種で銀行業は値下がり率3位。りそなホールディングス ふくおかフィナンシャルグループ、コンコルディア・フィナンシャルグループが大幅安、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィ ナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループの大型株も1%超安でのさえない値動きとなっている。24日の米国株式市場で の流れを引き継いだ。 市場では「これまでがバリュー株優位ということもあり、きょうはいったん反動で売り優勢」(国内証券)との声が聞かれる。ただ、ロシ アによるウクライナ侵攻を受け、市場が特に警戒していたSWIFT(国際銀行間の送金・決済システムの運営主体)からのロシア排除 は回避されたため、安心感から下げ止まっている銘柄もみられるという。 バイデン米大統領は24日、ロシアのVTB銀行など新たに4行を制裁の対象とした。ただ、現時点でSWIFTからロシアの金融機関を 排除する措置は含まれないとした。これを受け、24日の米国株式市場は銀行株などの景気敏感株が売られる展開となった。 日本株ADR25日 買いが優勢、ソニーGやトヨタが上昇 2022/02/26 06:07 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=横内理恵】25日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)には買いが優勢だった。 同日の日米株式相場が大幅上昇し、日本株のADRも買われた。ソニーGが2%高。トヨタやホンダ、キヤノンも上げた。 一方、オリックスは安い。 AD4205円 米国債券10年利回り1.963%、(-0.009) 米国株、ダウ続伸し834ドル高 今年最大の上げ ロシアの停戦交渉観測で 景気敏感やディフェンシブ株高い 2022/02/26 06:30 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=戸部実華】25日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比834ドル92セント(2.5%)高の 3万4058ドル75セントで終えた。上昇幅、上昇率とも今年最大だった。ロシアがウクライナとの停戦交渉に応じる構えを示し、 紛争の長期化が避けられるとの期待が高まった。ハイテク株が買われた前日に続き、景気敏感株やディフェンシブ株にも買い が広がった。 ロシアは隣国ベラルーシの首都ミンスクに代表団を送り、交渉に臨む用意があると25日に伝わった。地政学リスクの高まり でダウ平均は23日までの4営業日で1800ドルあまり下落していた。「事態は流動的で不透明感は漂ったままだが、米株は 売られすぎていたとみた買いが幅広く入った」(キングスビュー・インベストメント・マネジメントのポール・ノールト氏)という。 ダウ平均を構成する30銘柄すべてが上昇する中、ディフェンシブ株への買いが目立った。医薬品・日用品のジョンソン・エン ド・ジョンソンは5%上昇。医療保険のユナイテッドヘルス・グループと日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は4% 高で終えた。 ウクライナ紛争の世界経済への影響を警戒して前日まで売られがちだった景気敏感株も買い直された。工業製品・事務用品 のスリーエムや機械のハネウェル・インターナショナル、金融のゴールドマン・サックスが高い。米原油価格は下落したが、石 油のシェブロンは4%高となった。 もっとも、売り方の買い戻しや短期的な押し目買いで相場は急伸したものの、投資家の先安懸念はくすぶったままだ。投資家 心理を測る指標となる米株の変動性指数(VIX)は27.5と前日比9%低下したが、不安心理が高まった状態とされる20を大幅に 上回っている。 ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続伸し、前日比221.039ポイント(1.6%)高の1万3694.624で終えた。前日 に上昇が目立ったソフトウエアのマイクロソフトが続伸するなど、主力株は軒並み上昇した。 世界のマネー、ロシア離れ加速 年金基金は資産売却へ 2022/02/26 06:57 日経速報ニュース ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、世界のマネーがロシアから急速に離れている。ESG(環境・社会・企業統治)を重視する デンマークの年金基金はロシアの国債や株式などを売却する方針だ。ロシア国債の評価を引き下げる金融機関も出ており、ロシ ア政府の信用力は低下している。欧米などの制裁による経済の混乱も懸念され、市場の警戒は一段と高まる。 【関連記事】 ・ロシア関連株、制裁で打撃懸念 欧州銀やガス銘柄に売り ・三菱UFJ国際やカレラ、ロシア投信売買停止 制裁発動で デンマークの年金基金アカデミカーペンションは24日、ロシア国債とロシア政府が50%以上を所有するロシア企業から投資資金 を引き揚げることを決めた。保有額は3億400万デンマーククローネ(約53億円)で、運用資産全体の0.2%に相当する。 同基金のイェンス・ムンク・ホルスト最高経営責任者(CEO)は「今回の侵略は国際的な法律や規制、そして当社の責任投資方 針に対する明確な違反だ。ロシアを投資先から除外する以外の道はない」と断言した。「ロシアを除外しても、投資の多様化を続 けることはできると確信している」という。 同じくデンマークの年金基金のペンションデンマークは、「ロシアのウクライナへの軍事侵攻のリスクが高まったため」、ロシア政 府が支配的な影響力を持つ企業の株式を投資先から除外した。 24日の債券市場ではロシアの10年物国債利回りは一時、14%台前半と約7年ぶりの高水準をつけた。ブルームバーグ通信に よると、スイスの金融大手UBSグループはロシア国債などを担保とする顧客に対し、マージンコール(追加担保の差し入れ要求) を通知したという。UBSが一部のロシア債について担保評価額をゼロに引き下げたための措置とされる。 ロシア政府の信用不安には歯止めがかかっていない。ロシア国債のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の保証料率は24日 に5年物で8.8%と、クリミア併合や原油安の影響で信用力が低下した15年1月時(6.3%)を上回った。CDSは債券の債務不履行 (デフォルト)のリスクをやり取りするもので、保証料率の上昇はデフォルトに備える動きが増えていることを示している。 みずほ証券の大橋英敏氏は「保証料率が急上昇しているのはロシア債を組み入れているファンドが投資家の懸念を踏まえ、早 めにロシア債を処分していることが影響しているのではないか」と分析する。国際決済銀行(BIS)によると、ロシアの企業や家計を 含む債務残高(金融部門除く)は2021年6月末時点で対国内総生産(GDP)比125%にのぼり、財政事情も厳しい。 25日の外国為替市場ではロシアの通貨ルーブルが一時、1ドル=88ルーブル近辺まで下落した。前日に比べて値動きは落ち 着いたものの、経済制裁による混乱の懸念は強く、最安値圏での推移が続く。 株式指数を開発・算出するMSCIは24日、米国によるロシアへの経済制裁を受け、指数に組み入れているロシア銘柄の定期変 更を見送ると発表した。28日に予定していた四半期に一度の構成銘柄の見直し対象からロシアを外す。同社は「MSCI指数の投 資可能性を維持するため、制裁が与える影響について市場参加者の意見を聞きたい」としている。 商品市場でも混乱が起きており、ロイター通信によると、ロシア産原油の購入で資金が決済されることを保証する欧米の金融機 関が信用状の発行を断る事例が出てきているという。ブルームバーグは買い控えに遭ったロシア産原油が国際指標の北海ブレ ント先物よりも大幅に安い値段で提示され、価格差が11年ぶりの水準に達したと伝えた。 ウクライナ情勢を巡る混乱が収束する気配はなく、「今後はロシアだけでなく周辺国の欧州などからも資金流出が起きる可能性」 (JPモルガン・チェース銀行の佐々木融氏)があり、市場は予断を許さない状況にある。 日本人が奪われる買う力 黒田ライン割れ円安の衝撃−編集委員 清水功哉 2022/02/26 02:00 日経速報ニュース 「実質実効為替レートは今かなりの円安になっており、さらに円安に振れることはありそうにない」――。黒田東彦日銀総裁が 2015年6月に国会で口にした言葉だ。その「ありそうにない」事態が現実のものとなった。 今年1月の円の実質実効相場(日銀公表値、2010年=100)が15年6月のレベル(67.63)を下回り67.55となったのだ。ピーク 時(1995年4月、150.85)の半分以下で、72年6月(67.49)以来、約50年ぶりの低水準になった。後述の通り、これは日本人が 海外からモノを買う力(購買力)がかなり下がっている事実を意味する。 話を進める前に実質実効相場について解説しておこう。内外の物価格差を考慮した円の実質的な価値のことだ。様々な貿易 相手国・地域に対する円相場を貿易額に応じて加重平均した名目実効相場を、海外との物価上昇率の違いに基づいて実質化 して算出する。 例えば海外の物価上昇率が日本より高ければ日本人は輸入しにくくなるので、実質的に円の実力が低下したと見なす 。これが今起きている現象である。2015年6月の実質実効相場の水準は市場で黒田ラインと呼ばれた。黒田総裁の言葉 通り、15年6月以降、相場はしばらく反転していたが、やがて下落に転じるなどしてついに黒田ラインを割り込んでしまったのだ。 今日の株式 続伸か 米国株が支え、対ロシア制裁の影響に注意 2022/02/28 06:48 日経速報ニュース 28日の東京株式市場で日経平均株価は続伸か。前週末の終値(2万6476円)より500円ほど高い2万7000円を挟んだ動き となりそうだ。前週末の米株高が支えとなる。一方でこの週末に米欧主導でロシアに厳しい経済制裁を科す方針が示されて おり、エネルギー価格の急伸やロシアの通貨ルーブルの急落を受けた混乱が株式市場に波及する可能性もある。 先週末25日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比834ドル(2.5%)高の3万4058ドルで終えた。上昇幅、 上昇率とも今年最大だった。ロシアがウクライナとの停戦交渉に応じる構えを示し、紛争の長期化回避への期待が高まった。 米株高を背景に、日本時間26日早朝の大阪取引所の夜間取引で日経平均先物は大幅に上昇した。3月物は前日の清算 値と比べ470円高い2万6970円で終えた。 週明けの東京市場は、大幅高となった米国株が支えとなり、株価は上昇して始まりそうだ。もっとも、米欧によるロシアへの 経済制裁が相場に与える影響には警戒すべきだ。ロシアの大手銀行を国際決済網から排除するほか、同国の中央銀行に 制裁を科し外貨準備の使用を封じると伝わっている。欧州がロシアに依存する天然ガスの供給断絶リスクが懸念され、原油価 格が急騰する可能性がある。その場合、経済へのマイナス影響が意識され日本株の上値は重くなりそうだ。 個別では、日本たばこ産業(2914)に注目する。全社利益に対するロシア事業の寄与度が大きく、厳しい対ロ制裁は同社の 株価の重荷となりそうだ。 きょうは1月の鉱工業生産指数(速報値)が発表される。日証協が新規株式公開(IPO)価格見直し議論についての報告書を 公表する。SBIホールディングス(8473)が2021年4〜12月期決算を発表予定。 海外では2月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)が発表される。ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ、HPが21年11月〜 22年1月期決算を発表する。台湾、インドネシア市場は休場。 米ダウ先物、大幅下落 ウクライナ情勢を嫌気 2022/02/28 08:16 日本時間28日早朝のシカゴ市場で、米ダウ工業株30種平均先物で流動性高い「Eミニ・ダウ工業株30種平均」の3月物は 下げている。前週末の清算値(3万3994ドル)を641ドル下回る3万3353ドルまで下落した。主要ハイテク株で構成するナスダ ック100株価指数の先物「Eミニ・ナスダック100」は前週末の清算値に比べ3%ほど安い水準。ウクライナ問題を巡って米欧日 が国際銀行間通信協会(SWIFT)の決済網からロシアの銀行の一部を締め出す方針を打ち出すなど、情勢の悪化を嫌気した 売りが先行している。 3メガバンクのロシアにおけるエクスポージャー【一覧】 https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-02-25/R7UG8KDWLU6E01 2022年2月25日 15:29 JST 決算資料や広報担当者からの聞き取りによると国内3メガバンクのロシアにおけるエクスポージャー(2021年9月末時点)は以下の通り。 三菱UFJフィナンシャル・グループ ロシア連邦へのエクスポージャーは2140億円 モスクワとウラジオストクに現地法人を持つ 三井住友フィナンシャルグループ 貸出金やコミットメントライン、保証取引、出資金など含めて41億ドル(約4700億円) みずほフィナンシャルグループ 2177億円(開示されていないロシア現地法人の貸し出しは含まない) 備考:エクスポージャーの定義は銀行によって異なる ロシアの商業銀行「SBI BANK」(モスクワ)を子会社に持つSBIホールディングスの広報担当者は、今後の制裁強化でロシアの 金融機関が外貨決済ネットワークである国際銀行間通信協会(SWIFT)から除外される可能性があることから、欧州の大手銀行 とドルやユーロ、円のつなぎ取引が継続できるよう事前対策を講じていると述べた ロシア金融制裁 送金ルート・市場への影響は? 2022/02/28 12:43 日経速報ニュース 米欧はロシアへの追加の金融制裁を決定した。大手銀行を国際決済網から排除して外貨取引から締め出し、中央銀行にも 為替介入を困難にする新たな制裁を科す。ロシアとの取引がある企業は決済や送金のルートが狭まり、金融市場には通貨 ーブルの暴落を予測する声もある。今後の展望も含めて3つのポイントで読み解く。 ・ロシアへの送金ルート狭まる ・中銀制裁で通貨ルーブルに打撃 ・なお追加経済制裁の余地 (1)ロシアへの送金ルート狭まる 米欧カナダ6カ国と欧州連合(EU)が26日に打ち出した追加制裁は、ロシアの大手銀行を国際決済網である国際銀行間通信 協会(SWIFT)から閉め出す措置だ。SWIFTは1万を超える世界の金融機関が参加する決済インフラで、送金データを電子的 にやりとりしている。 ここから排除すれば、ドルやユーロ、円、ルーブルといったあらゆる通貨の国際決済がほぼ不可能になる。ロシアの金融機関 は世界で1日あたり約460億ドル(約5兆円)相当の為替取引をしており、その8割が米ドル建てだ。制裁対象の銀行はこれから 発表するが、最大手のズベルバンクなどになりそうだ。 企業はロシアとの貿易や現地への送金を制限されることになる。制裁を科せられたロシアの銀行には、いずれの通貨でも国境 を越えて直接送金することができなくなりそうだ。 ロシアへ送金するひとつのルートは三菱UFJ銀行など3メガ銀行を使うことだ。3メガ銀はロシアに現地法人を持っており、これ からも日本から邦銀のロシア現法には送金できる。ただ、ロシア企業や現地従業員の多くは普段の資金口座をズベルバンクな どに置いている。ロシアの邦銀現法からさらにズベルバンクなどに送金しようとすれば、制裁によってハードルが格段に高まる。 仕組み上はルーブルなら3メガ銀の現法からズベルバンクに送金できる。ロシア内の送金の多くはSWIFTを使わず、制裁がか からないためだ。ただ、3メガ銀は米欧当局などの厳しい意向をくみ取って「制裁対象銀行にはルーブル送金も自主的に取りや める案が出ている」という。 そうなると、ロシアの邦銀現法からの送金ルートは、制裁がかからないロシアの下位行や欧州系の銀行に限られる。現地企業 や従業員が制裁対象銀行の口座しか持っていなければ、別の銀行の口座を新たに開いたり送金先を変更したりする手続きが 必要になる。欧州系の銀行にはこうした申し込みが殺到しており、手続きには一定の時間がかかる懸念がある。 (2)中銀制裁で通貨ルーブルに打撃 米欧はロシア中央銀行にも初めて制裁を科す。手法の詳細を詰めているが、ロシア中銀が米連邦準備理事会(FRB)に預けて あるドル資産などを凍結する案が有力だ。ドルを引き出せなくなれば、ロシアはルーブル安を食い止める為替介入ができなくなる。 ロシアが持つ外貨準備は6300億ドルで、ドルやユーロなど外貨が5000億ドル分ある。 米欧の狙いは、ロシアの通貨防衛を封じ込んで、ルーブルに打撃を与えることだ。ルーブルが急落すれば輸入物価が上がっ てロシア経済は困窮する。ロシアは既にインフレ率が8%台にまで高まっており、さらなる物価上昇は現地の反戦機運を高める 効果がある。中島真志・麗沢大教授は「投機筋のルーブル売りで通貨が暴落するシナリオもある」という。 実際、28日の東京外国為替市場でロシアの通貨ルーブルが急落し、対ドルで1ドル=110ルーブル台と過去最安値で推移して いる。前週末比で3割も下落しており、ルーブルの取引は早々に混乱している。 (3)なお追加経済制裁の余地 米欧が決めたロシア勢のSWIFTからの排除は、ひとまず大手銀行に対象を絞る方向だ。欧州は天然ガスの輸入の4割をロシ に頼っており、ロシアの銀行全体を国際決済から締め出すとエネルギー調達に著しい支障が出るためだ。 ロシアのウクライナ攻撃は激しさを増す一方で停戦合意も見通せない。その場合、米欧は追加制裁でSWIFTから排除する ロシアの銀行をさらに増やす方向だ。ロシアには300ほどの銀行があり、現時点で米国が制裁対象にしたのはズベルバンク や2位の VTBバンクなど一部にとどまる。 さらなる制裁強化は世界経済にも跳ね返る。エネルギー不安で原油価格は早くも急上昇し、世界的なインフレ圧力となる。貿易 決済ができなくなればモノをロシアに輸出しても代金が支払われず、債務不履行になるリスクがある。ロシア向け与信の7割は欧 州勢が占めており、不良債権になれば世界の金融システムリスクにもなる。 ロシアのプーチン大統領は27日、核戦力を含む軍の核抑止部隊に「任務遂行のための高度な警戒態勢」に移行するよう指示し た。強力な金融制裁を打ち出した米欧に対し、核戦力をちらつかせて逆の圧力をかける狙いとみられる。米欧はロシアのSWIFT からの排除を「金融上の核兵器」(ルメール仏経済・財務相)と位置づけてきたが、米欧とロシアの緊張は一段と高まる。経済面 でも世界の秩序を維持するぎりぎりの戦いとなっている。 ロシアに金融制裁 見通せない進出企業へのリスク 2022/02/28 15:51 日経速報ニュース ロシアによるウクライナ侵攻で日本の株式市場も大きく揺れている。米欧カナダの6カ国と欧州連合(EU)が26日にロシアの 大手銀行などを国際決済網である国際銀行間通信協会(SWIFT)から排除するなどの追加制裁をする方針を発表した。日本 企業の現地ビジネスへの影響を懸念する見方もあり、28日の東京株式市場では関係が深いとみられる銘柄に売りが出ている。 日本たばこ産業(JT)はロシアのタバコ市場で36.7%のシェア(2021年12月時点の12カ月移動平均)を握る。海外タバコ事業 の自社製品売上収益(売上高に相当)では、ロシアや旧ソ連・東欧を含むセグメント「CISプラス」が全体の4分の1ほどを占める。 ウクライナの工場はすでに稼働を止めているが、ロシアでの販売の影響について「引き続き動向を注視したい」(IR広報部)とし ている。ロシア金融機関のSWIFTからの排除を巡っては「現時点で回答は控える」と回答した。 ■トヨタや日産自は生産・販売拠点も 日本からロシアへの輸出額は21年の年間で8623億円。自動車など輸送用機器が全体の半分以上を占める。中古車の主要 な輸出先とされるが、日本の自動車各社はロシアにも生産・販売拠点を構えている。 トヨタ自動車や日産自動車はロシアに生産拠点を構え、三菱自動車は欧州ステランティスとの合弁工場がある。トヨタはサンク トペテルブルクに工場があり、セダン「カムリ」や多目的スポーツ車(SUV)「RAV4」を中心に21年は約8万1000台を生産した。生 産台数のうち6割を現地で販売し、ほかの4割はロシア国外に輸出しているという。レクサスを含む販売網はロシア国内に168店 舗を展開し、21年の販売台数は10万台を超えた。 トヨタはロシアでの自動車生産や販売を続けているが「先進国によるロシアへの経済制裁の動向を注視している」(広報部)状 況だ。制裁の内容や規模によっては、ロシア内の工場への部品供給のほか、工場からの完成車の輸出やロシア国内の販売な どに影響がでかねないとの見方が出ている。 仏ルノー・日産自・三菱自の企業連合は、ルノーがロシア自動車大手アフトワズを子会社としている。サンクトペテルブルクに 工場を持つ日産自の開示資料によると、21年3月期に現地では3万5000台を生産。アフトワズへの生産委託は約7000台だった。 一方、ロシア国内では同期に約6万3000台を販売した。対ロ制裁への対応について日産自の広報部は「開示していない」と話し ている。 建設・鉱山機械もロシアに関係する。日立建機は22年3月期の連結売上収益に占める「ロシアCIS」の比率は386億円(4%)を 見込む。コマツはCISの連結売上高(21年10〜12月期)が建機・車両の7%を占めた。野村証券のリサーチアナリスト、斎藤克史 氏は25日付のリポートで、コマツの業績への影響を分析。23年3月期のCIS売上高を2100億円と想定し、30%の下振れでは「影 響は一定程度あるが、大きくない」との見方を示し、コマツの投資判断や目標株価を据え置いた。 ■エネルギーでは商社が権益 21年の日本のロシアからの輸入額は1兆5431億円。原油や液化天然ガス(LNG)など資源エネルギー関連が多い。日本企業 でも総合商社がロシアに権益を持ち、日本の電力やガス会社が主要な買い手となっている。 原油やLNGを生産する「サハリン2」プロジェクトには三井物産が12.5%、三菱商事が10%それぞれ出資している。三井物は石油 天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の共同出資会社を通じ、開発中の「アークティックLNG2プロジェクト(アーク2)」にも10% 出資する。昨年12月には国際協力銀行(JBIC)がアーク2へのプロジェクトファイナンスに参加すると発表した。 欧米や日本はエネルギー産業を制裁対象としていないが、アーク2には仏石油大手のトタルエナジーズや中国の石油会社も 出資。プロジェクトファイナンスには中ロの銀行が複数加わり、ロシア連邦貯蓄銀行の名前もある。英BPはロシア石油大手ロス ネフチの株式を売却すると27日に発表しており、今後の影響が注目される。 ■メガバンク、ロシア向けエクスポージャー 金融機関ではメガバンクを中心にロシアに進出している。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の25日付のリポートによると、ロシ ア向けエクスポージャーは三菱UFJフィナンシャル・グループが2140億円、三井住友フィナンシャルグループが41億ドル、みずほ フィナンシャルグループが30億6千万ドルとなっている。 主要な取引先は各行で異なるが、三菱UFJモルガンの辻野菜摘シニアアナリストは、ロシアの政府系企業や大手金融機関へ の制裁でロシア企業による外貨での元利払いに影響が出る可能性はあると分析。「金額は小さいため、今後影響があったとし ても期間損益への影響にとどまり資本への影響にはならない」とみていた。 SBIホールディングスはロシアで商業銀行のSBIバンクを運営する。SBIバンクは欧州などによる経済制裁の対象にはなってい ないが、SWIFTからロシア大手銀行が排除されることを受け、ロシアの銀行を通じた国際送金ができなくなる。国際送金に主に 使われる米ドルやユーロなどは「ロシアにも拠点を有する欧州の銀行を経由した送金方法を確保し、国際送金が継続してでき るように体制を整えている」(コーポレートコミュニケーション部)という。 ロシアに対する経済制裁や軍事作戦を巡る不透明感は色濃い。その影響がどのような経路で出てくるのか分からないだけに 、株式市場の参加者は見えないリスクへの警戒を解けない状況が続きそうだ。 日本株ADR28日、売り優勢 メガバンク大幅安、自動車も下落 2022/03/01 06:11 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=古江敦子】28日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は売り優勢だった。 同日の米株式市場でダウ工業株30種平均が下落し、日本株ADRにも売りが波及した。 みずほFGが4%下げ、三菱UFJと三井住友FGはともに2%下落した。ホンダとトヨタ、ソニーGはいずれも1%強下げた。 半面、武田は1%上昇した。 AD4098円 米国債券10年利回り1.818%、(-0.166) ロシアに金融制裁 見通せない進出企業へのリスク 2022/02/28 15:51 日経速報ニュース ロシアによるウクライナ侵攻で日本の株式市場も大きく揺れている。米欧カナダの6カ国と欧州連合(EU)が26日にロシアの 大手銀行などを国際決済網である国際銀行間通信協会(SWIFT)から排除するなどの追加制裁をする方針を発表した。日本 企業の現地ビジネスへの影響を懸念する見方もあり、28日の東京株式市場では関係が深いとみられる銘柄に売りが出ている。 ■メガバンク、ロシア向けエクスポージャー 金融機関ではメガバンクを中心にロシアに進出している。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の25日付のリポートによると 、ロシア向けエクスポージャーは三菱UFJフィナンシャル・グループが2140億円、三井住友フィナンシャルグループが41億 ドル、みずほフィナンシャルグループが30億6千万ドルとなっている。 主要な取引先は各行で異なるが、三菱UFJモルガンの辻野菜摘シニアアナリストは、ロシアの政府系企業や大手金融 機関への制裁でロシア企業による外貨での元利払いに影響が出る可能性はあると分析。「金額は小さいため、今後影響 があったとしても期間損益への影響にとどまり資本への影響にはならない」とみていた。 SBIホールディングスはロシアで商業銀行のSBIバンクを運営する。SBIバンクは欧州などによる経済制裁の対象にはなって いないが、SWIFTからロシア大手銀行が排除されることを受け、ロシアの銀行を通じた国際送金ができなくなる。国際送金に 主に使われる米ドルやユーロなどは「ロシアにも拠点を有する欧州の銀行を経由した送金方法を確保し、国際送金が継続し てできるように体制を整えている」(コーポレートコミュニケーション部)という。 ロシアに対する経済制裁や軍事作戦を巡る不透明感は色濃い。その影響がどのような経路で出てくるのか分からない だけに、株式市場の参加者は見えないリスクへの警戒を解けない状況が続きそうだ。 米国株、ダウ続落し597ドル安 ウクライナ情勢悪化でリスク回避 金融株の下げ目立つ 2022/03/02 06:30 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=古江敦子】1日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比597ドル65セント(1.8%)安の 3万3294ドル95セントで終えた。ウクライナ情勢の悪化が世界経済を冷やしかねないとの懸念が高まった。欧米の経済・ 金融制裁でロシアが信用危機に陥る可能性も意識され、投資家が運用リスクを回避する目的で株式から債券に資金を移 す動きが広がった。 ロシアが侵攻するウクライナの首都キエフや第2の都市ハリコフで両軍の攻防が激化している。ロシア軍の攻撃が一般市 民に対しても無差別に広がっているとも伝わった。ロシア軍の長蛇の車列がキエフに接近しているとの報道もあり、ウクライ ナ情勢の一段の悪化が警戒された。 資源国ロシアからのエネルギー供給が滞るとの見方から、米原油先物相場は一時1バレル106ドル台と7年8カ月ぶりの 高値を付けた。インフレ圧力の高まりによる購買力の低下などで、「世界経済の成長率の鈍化につながる」(ミラー・タバック のマシュー・マリー氏)と懸念された。 相対的に安全資産とされる米国債は買われ、米長期金利は一時1.68%と前日比0.14%低下した。利ざや縮小の思惑から JPモルガン・チェースは4%安、ゴールドマン・サックスは3%安となった。バンク・オブ・アメリカなど他の金融株も総じて下落 した。自社の決済網からロシアの複数の銀行を排除する方針を明らかにしたクレジットカードのビザが下落し、同業のアメリカ ン・エキスプレスも大幅安となった。航空機のボーイングや機械のハネウェル・インターナショナルなど景気敏感株の下げも目 立った。 ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反落し、前日比218.940ポイント(1.6%)安の1万3532.459 で終えた。交流サイトのメタプラットフォームズ(旧フェイスブック)など主力ハイテク株が下落した。供給網の混乱の観測から 、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やエヌビディアなど半導体株が全般に下げた。 一覧に戻る AD3935円 米国債券10年利回り1.716%、(-0.123) 日銀審議委員に高田氏、岡三証券エコノミスト、リフレ派と一線、政府が提示、三井住友銀の田村氏も。 2022/03/02 日本経済新聞 朝刊 政府は1日、日銀審議委員の人事案を国会に提示した。金融緩和に積極的なリフレ派の片岡剛士氏の後任には 岡三証券エコノミストの高田創氏をあてる。高田氏は金融緩和の副作用への問題意識も高くリフレ派と一線を画す。 岸田文雄政権下で初めての日銀人事は来春に任期満了を迎える黒田東彦総裁の後任人事を占ううえでも意味を持つ。 7月に片岡氏と三菱東京UFJ銀行(現三菱UFJ銀行)出身の鈴木人司氏の2人が審議委員を退任する。鈴木氏の 後任に三井住友銀行元専務執行役員の田村直樹氏を提示した。ともに衆参両院で承認される見通しだ。 安倍晋三政権では、内閣官房参与だった本田悦朗氏らリフレ派の推薦をもとに審議委員の人選が進むことが多か った。今回の人事は「安倍政権以前のように、財務省や日銀の意向もくみ取った従来型の人事に戻ってきた」との指 摘が日銀内外で多い。 高田氏はかねて年金運用や銀行収益を圧迫するといった金融緩和の副作用に目配りしてきた。2%の物価目標に こだわると、金融緩和が際限なく続くと指摘。副作用にも配慮し、目標設定を現実的なものに見直すべきだとも主張し てきた。片岡氏が黒田東彦総裁らの政策案に反対し、追加緩和の必要性を訴え続けてきたのとは対照的だ。 黒田総裁が異次元緩和をはじめてからまもなく9年になるが、2%の物価目標の達成は展望できていない。日銀内 でも、高田氏のように金融政策の方向性をいずれは修正せざるを得ないとの考えが出てきている。 足元では原油高などの供給要因でインフレ圧力が強まっている。政府は石油元売りに補助金を使い、ガソリン価格 を抑える策も打っている。今回の人事案は2%の物価目標を打ち出した安倍政権との温度差も映し出す。 2023年春には黒田総裁と2人の副総裁も交代する。22年7月には参院選があり、不確定要素はなお大きいが、 今年後半には正副総裁の人選も本格化する。今回の延長線上で人選が進むなら、黒田体制で推し進めた金融緩和 の修正も視野に入る可能性がある。 一方、鈴木氏の後任となる田村氏は中枢の経営企画のほか、銀行界の調整役を担う全国銀行協会の企画委員長 も経験。現場の支店長や与信企画の責任者も務めるなど銀行の幅広い業務に精通している。日銀は金融政策のほか 、金融システムや決済の安定にも責任をもつ。銀行実務経験者が審議委員に入ることは不可欠との見方が多い。 この「銀行枠」は3メガバンクの持ち回りが慣例だった。順番では今回はみずほフィナンシャルグループだったが、相 次ぐシステム障害で見送られ、三井住友の田村氏が前倒しで登板する。審議委員の任期は5年で、システム障害の 余波は長く続きそうだ。 日本株ADR1日、全面安 三菱UFJなど金融が安い 2022/03/02 07:27 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川内資子】1日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)はほぼ全面安だった。 米株式相場が大きく下げたのが影響した。三菱UFJが5%下げ、野村や三井住友FG、みずほFGなど金融 の下げが目立った。一方、オリックスは上昇した。 再)日銀、「リフレ派」後任人事に変化 政府も正常化路線を後押しか 2022/03/02 08:22 日経速報ニュース (1日19時13分に配信した記事と同じ内容です) 政府は1日、日銀の次期審議委員に岡三証券グローバル・リサーチ・センター理事長の高田創氏と三井住友銀行上席顧問の 田村直樹氏を充てる人事案を国会に提示した。7月23日に任期満了となる片岡剛士氏と鈴木人司氏の後任で、岸田文雄政権 で初の日銀人事となる。このうち、高田氏は積極的な金融緩和を訴える「リフレ派」とは一線を画すとの見方から、市場では「安 倍政権から続いてきた人事が変わってきた」との反応が聞かれる。 高田氏は、みずほ証券の執行役員チーフストラテジスト、みずほ総合研究所の副理事長兼エグゼクティブエコノミストなどを歴 任。「国債暴落」といった著書があるなど、債券市場に明るい。日銀の異次元緩和の出口戦略をテーマにした著作もあるほか、 報道機関のインタビューに対しマイナス金利政策の終結に言及したことでも知られる。 みずほ証券で高田氏と共に働いた経験がある大和証券の末広徹氏は、高田氏について「リフレ派ではない」とみる。債券の ストラテジストを長く務めた経験からも「財政の健全化が一定程度必要という認識はあるだろう」と語る。高田氏と交友がある、 ある国内証券のエコノミストも「金融緩和の副作用への対応を、工夫してやるべきだと思っているはず」と評す。 高田氏は2020年2月の日経QUICKニュース社の特別インタビューで、日本の金融政策について「金利はもう少し上げなけれ ばいけない、やはり2%の物価上昇目標はおかしかった――となるのではないか」と言及。「物価上昇率が2%に達しないから 薬(利下げ)を出せばいいということではなくて、どこかでゲームのやり方を変えようとなるだろう」と述べるなど、緩和政策への 疑問を呈していた。 リフレ派の片岡氏の後任に高田氏が充てられることで、審議委員のリフレ派色は薄まると言える。高田氏の古巣でもあるみず ほ証券の丹治倫敦氏は「安倍晋三政権ほどリフレ派を重視しないという岸田首相の姿勢がうかがえる」と指摘する。そのうえで 「どちらかと言えば、日銀の政策修正への市場の思惑を強める人事だ」とみる。 もっとも、今回の人事だけで日銀の金融緩和路線がいきなり出口に向かうとの見方は少ない。2%の物価安定目標という高い ハードルは変わっておらず、急速に金融引き締めに向かうとは考えにくい。 今回の人事は、23年4月に任期満了となる黒田東彦総裁の後任人事を占ううえでも注目されていた。審議委員の顔ぶれが 変わるとともに体制が転換期を迎えれば、黒田総裁が進めてきた異次元緩和が修正に向かう可能性がある。少なからず出口 戦略が意識されるなか、「高田氏はリフレ派も含めて議論を深めるのではないか」(国内証券のアナリスト)との見方もある。 日銀は真に転換期を迎えるか。市場の注目は続きそうだ。 再送-ホットストック:三菱UFJFGなど銀行株が軟調、米金利低下が重し [東京 2日 ロイター] - 三菱UFJフィナンシャル・グループなどの銀行株が軟調となっている。米長期金利が低下してお り「業績へのネガティブな影響が警戒されている」(国内証券)との声が出ている。 メガバンクでは三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループも売られている。一方、「予想配当利回り の高さが株価の下支えになる」(別の国内証券)との声もある。 前日の米国市場では、ロシアによるウクライナに対する攻撃が激化する中、安全資産としての米国債に買いが入り、利回 りは8週間ぶりの低水準を付けた。銀行株指数も大幅安となった。 株、日米で広がる金融売り ウクライナ侵攻で進む金利低下 2022/03/02 12:17 日経速報ニュース 2日午前の東京株式市場で日経平均株価は反落した。前日に比べ502円(1.9%)安の2万6341円で終えた。ウクライナに 対するロシアの攻撃に終わりが見えず、日本株にも売りが広がった。これまでJT(2914)や商社株などロシア関連の事業を 手掛ける銘柄の下げがきつかったが、きょう売りが目立ったのは金融株だ。 2日午前の日経平均採用銘柄では、T&Dホールディングス(8795)が5%超安、第一生命ホールディングス(8750)が4% 安となった。三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)も2%安。1日の米国市場でも、JPモルガン・チェース、ゴールドマン・ サックスなど金融株が下げた。 ロシアがウクライナ侵攻を始める前、相場全体が調整するなかでも金融株は堅調だった。米連邦準備理事会(FRB)の金融 引き締め姿勢を背景に金利には上昇圧力がかかっていたため、運用利ざやの改善期待が金融株の買いを誘っていた。ところ が、1日の米債券市場では米長期金利が一時1.68%と1月上旬以来の低水準を付けた。 ウィズ・パートナーズの石見直樹氏は米国債相場の動きについて、「3月の米国の利上げが既定路線となるなかで、米債売 りを続けてきたヘッジファンドが買い戻している」とみる。米金利先物の値動きから金融政策を予測する「フェドウオッチ」では、 3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%利上げ予想が約99%に達した。0.5%利上げ予想はごくわずかとなり、 FRBが目先は一気に利上げしないとの見方が広がる。 昨年は金利が下がればグロース(成長)株の追い風になってきたが、きょうは不発。2日午前のTOPIXのスタイル指数の下 落率をみると、グロースが1.9%と、むしろバリュー(割安)の1.6%より大きい。2日午前の日経平均を最も押し下げたのも、P BR(株価純資産倍率)が7倍台の東エレク(8035)だ。 三菱UFJ国際投信の小西一陽氏は「ウクライナ侵攻の金融市場への具体的な影響が出尽くしたのか、見極めが必要だ」と 話す。ロシア国債の債務不履行(デフォルト)を懸念する声もあり、株式・金融市場で相場が急変動することへの警戒も根強い。 金利低下で金融株がダメなら、グロース株を買うといった雰囲気になりにくいのが現状だろう。 日本株ADR2日、買い優勢 メガバンクと野村が上昇 2022/03/03 06:16 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=古江敦子】2日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は買い優勢だった。 同日の米株式相場が上昇し、日本株ADRに買いが波及した。 三菱UFJが2%強上昇し、三井住友FGとみずほFGも買われた。野村も高い。 一方、オリックスが3%下落し、トヨタも下げた。 AD4032円 米国債券10年利回り1.894%、(+0.183) 対ロ債権に損失リスク、日米欧の金融機関で18兆円、エネルギー撤退相次ぐ。 2022/03/03 日本経済新聞 朝刊 日米欧の金融機関によるロシア向け債権で損失リスクが高まっている。債権残高は約18兆円で、日本の3メガバンクも 約5000億円の融資債権を抱える。エネルギー事業への融資が中心だが、制裁を踏まえて欧米企業は相次いでロシア事 業の縮小・撤退に動いており、事業そのものの継続に黄信号がともる。新規融資を事実上、凍結するなどロシアビジネスそ のものを根本的に見直す。 「ロシア向け債権は事実上デフォルトの状態だ」。日本のメガバンク幹部がこう語るのは、ロシアが関与する事業の先行き が見通せなくなったためだ。ロイター通信はドイツとロシアを直接結ぶ新しいガスパイプライン計画(ノルドストリーム2)の事 業主体が破産手続きの検討に入ったと報じた。パイプラインは完成済みだが、ドイツが認可しない方針を表明している。 プロジェクトファイナンスは事業から得られる収入が返済原資になる。戦争や経済制裁など不可抗力が生じた際は返済を 一時猶予するしくみがあり、事業が続く限りはデフォルトのリスクは低い。今後、米欧日などが経済制裁の一環として事業か ら得られるサービスの利用を制限すれば、プロジェクトそのものが頓挫する懸念が強まる。 日本の国際協力銀行や邦銀もロシア向けプロジェクトファイナンスで債権を保有する。ノルドストリーム2の前に建設された 天然ガスパイプライン「ノルドストリーム」や2024年にロシア極東で完成予定のアムールガス化学工場にも邦銀が関与して いるとされる。 現時点でこれらのプロジェクトは制裁対象ではないが、米石油大手エクソンモービルは1日、極東ロシアの資源開発事業 「サハリン1」から撤退すると発表し、英石油大手シェルも同「サハリン2」からの撤退を表明済みだ。プロジェクトの中核企業 の離脱が相次げば収益の見通しは立たなくなる。 国際決済銀行(BIS)によると、世界のロシア向け債権のうち最も多くの割合を占めるのは欧州の金融機関だ。フランスが トップで、21年9月末の債権残高は326億ドル。2番手のイタリアが309億ドル、オーストリアも227億ドルの債権を持って いる。同国大手銀のライファイゼンは与信全体に占めるロシア向け比率が9%と高い。仏ソシエテジェネラルは1・7%、イタ リアのウニクレディトは1・6%だった。 253億ドルを抱える米国では、シティグループが2月28日、ロシア事業の融資や証券保有、預金などの残高が100億 ドル(約1・1兆円)近くあると明かした。日本は115億ドルの債権残高を抱える。ロシアでの収益が最も多いのはイタリ アのウニクレディトで、モスクワ近郊で100近くのATMを展開するなど力を入れてきた。QUICKファクトセットによると直近 で24億ドルの収益を上げている。 邦銀では三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)の1億9020万ドルが最多で、みずほフィナンシャルグループが1億 2050万ドルで続き、三井住友FGも2450万ドルを稼ぐ。 もっとも、14年のクリミア併合以降、西側諸国の銀行はロシア向け融資を絞っており、14年3月時点で1兆6000億円に 上っていた3メガバンクの貸出残高は足元で5391億円まで低下している。 それでも、5000億円は3メガバンクの22年3月期の純利益見通しの合計(2兆2500億円)の2割強に相当する。すべ てが損失になるわけではないが、信用格付けを下げれば貸倒引当金を計上する必要がある。利払いや返済の停滞などの 債務不履行、実際の焦げ付きと損失が膨らむ可能性があり銀行収益にも下押し圧力がかかる。 足元で貸出債権を取り巻く環境は急速に悪化している。格付け会社S&Pグローバルは2月25日、外貨建てロシアの 長期債務格付けを「トリプルBマイナス」から投機的水準の「ダブルBプラス」へ引き下げた。格付け会社ムーディーズ・イン ベスターズ・サービスもロシア国債を格下げ方向で見直すとしている。 国家の財政と企業の健全性は直接は結びつかないものの、国際的な資金決済網である国際銀行間通信協会(SWIFT) から大手銀行が締め出されることもあり、「カントリーリスク」の上昇に伴って一部の債権はデフォルトのリスクが高まっている。 メガバンク幹部は「いまロシアで追加拠出するのは無理だ」と述べ、ロシアでの新規融資を事実上、凍結する方針を示す。 民間銀行と共同でロシアのエネルギー事業に資金を投じてきた国際協力銀行(JBIC)は「報道を受けて情報収集している」 とした。 欧州や日本は液化天然ガス(LNG)や原油などエネルギーの輸入をロシアに依存しており、エネルギー価格の上昇を 通じた国内企業の採算悪化も火種になる。 熟練投資家、静かな買い――ウクライナ侵攻、揺れる相場、目利きぶれず(スクランブル) 2022/03/03 日本経済新聞 朝刊 ロシア発の地政学リスクが相場全体を揺さぶるなか、熟練の投資家たちは静かに買いを入れている。米金融政策の 正常化を背景に急落した東証マザーズ市場などで、将来の成長性をボトムアップで分析する物色が目立つ。ウクライナ 情勢の先行き不透明感が強まるなか、独自技術や事業モデルの強みを見極めた銘柄選別で荒波を乗り越えようとして いる。 「地政学リスクで多くの銘柄がひとまとめに売られており、企業業績などのファンダメンタルズ(基礎的条件)を無視した 下落だ」。日興アセットマネジメントの北原淳平シニアファンドマネージャーは足元の相場をこう解説する。業績成長を確 信する銘柄については割安に買える好機とみて「思い切った買いを入れている」。 特に東証マザーズ市場で、こうした「ミスプライス」が発生しているとみる。マザーズ指数は2月24日に昨年来安値を 付けた後、同25日から3月2日までの4営業日では18%高と上げに転じている。個別銘柄ではデータ解析支援のFRO NTEOや新薬開発などを手掛けるジーエヌアイグループの上昇が目立つ。 米連邦準備理事会(FRB)が21年11月に金融緩和縮小(テーパリング)を決めて長期金利が上昇し、割高感のあった マザーズ銘柄は下落していた。マザーズ指数はFRBが13年12月にテーパリングを決めた際も急落したが、半年後の 14年6月には決定前の水準を回復している。北原氏は「外需が強く、内需が弱い点などが14年と似ている。一方向で の売りは長くは続かないだろう」と予測する。 こうした物色の動きは広がっている。日本株ヘッジファンドのオリオール・アセット・マネジメントは、電子部品製造の湖北 工業株に21年12月の新規株式公開(IPO)時から投資する。株価が上場来高値から5割安まで下落した局面でも手 放さず、下値で買い増しを続けてきた。 湖北工業は光海底ケーブル部品や車載用電子部品といった分野で高い世界シェアを持つニッチトップ企業だ。オリオー ルの小野塚二也取締役は「新型コロナウイルス禍のなか、IT関連株などの株価がイメージ先行で上昇しやすかった局面 は終わった。持続的に高い成長期待が持てる銘柄を厳選した運用戦略が必要になる」と強調する。 金融正常化の局面では、業績の成長度合いが株価を左右するとのデータもある。大和証券の阿部健児チーフストラテ ジストが、FRBのバランスシートの縮小決定で長期金利が上昇した17年9月〜18年11月に、財務の安定性や企業規 模など約30の指標の中でどの条件を満たせば株価が上昇しやすかったかを調べた。 最も連関性が高かったのは投下資本利益率(ROIC)で、総資産利益率(ROA)が続いた。こうした成長性指標が上位 に並ぶ一方、割安性指標の中でも自己資本に対する時価総額の小ささなどとの連関性は低かった。阿部氏は「PER(株 価収益率)が上がりにくい局面では、しっかりと1株利益(EPS)を伸ばせる銘柄が選好される」と分析する。 ウクライナ情勢を巡ってはエネルギー高によるインフレ加速から、景気後退に陥る可能性も懸念されている。その中で厳 選した銘柄の「買い」に動く熟練投資家の戦略は、不透明な市場環境に対する一つの解と言えるかもしれない。 2022年03月02日09時05分 三菱UFJなどメガバンク売られる、ウクライナ有事で欧米の金融株急落を嫌気 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>などメガバンクが売られる展開となっている。前日の欧州株市場や米国株市場 では金融株への売りが顕著となった。ロシアの大手銀行を国際決済ネットワークのSWIFTから排除する措置に伴い、経済 や金融への影響も懸念される状況となった。欧州の金融機関はロシア向け不良債権が増大することが警戒されている。 また、経済先行きに対する不透明感から米長期金利も急低下しており、米国の金融機関は運用利ザヤ縮小も逆風材料と なった。前日はゴールドマン・サックス<GS>やJPモルガン<JPM>、バンカメ<BAC>など軒並み4%近い急落をみせており、 東京市場でもこの流れを引き継ぎ、金融セクターには逆風が強い。 2022年03月03日12時49分 三菱UFJ、第一生命HDなど大手金融株が買われる、米長期金利の急上昇受け買い戻し 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>が大きく切り返し700円台を回復したほか、第一生命ホールディングス<8750>も 一時5%近い上昇で2300円台後半まで上値を伸ばした。インフレ警戒感の強まるなかも先行き不透明感から米国債を買う 動きが強まっていたが、前日は目先リスク回避ムードが後退し債券売りの動きが顕著となった。 米10年債利回りは終値ベースで1.87%台まで上昇、これを受けて米国株市場では大手金融株が軒並み買い戻されて おり、東京市場もこれに追随してメガバンクや大手生保株に資金が誘導されている。 東証後場寄り 上げ幅広げ240円高 バリュー株中心に買い 2022/03/03 12:50 日経速報ニュース 3日後場寄り付きの東京株式市場で日経平均株価はやや上げ幅を広げ、前日比240円程度高い2万6600円台前半で 推移している。昼休み中に日経平均先物がやや上げ幅を広げ、指数を押し上げている。鉱業や非鉄、銀行などバリュー (割安)銘柄を中心に断続的に買いが入っている。 PBR(株価純資産倍率)が低い銘柄で構成する東証株価指数(TOPIX)のバリュー(割安)指数は2%近く上昇している。 1.1%高程度のグロース(成長)指数を上回っている。 前引け後の東証の立会外で、国内外の大口投資家が複数の銘柄をまとめて売買する「バスケット取引」は約145億円成立した。 12時45分現在の東証1部の売買代金は概算で1兆5043億円、売買高は6億9648万株だった。 三菱自やリコーが上げ幅を広げている。三越伊勢丹や東急など内需株の上げが目立つ。フジクラやコマツも高い。一方、 サイバーやコナミHD、ソフトバンクグループが安い。 EU、SWIFTからロシア7行排除 最大手ズベルバンクは対象外 [ブリュッセル 2日 ロイター] - 欧州連合(EU)は2日、対ロシア追加制裁の一環として、同国の銀行大手7行を国際送金 ・決済システムのSWIFT(国際銀行間通信協会)から排除することを決定した。 3月2日、欧州連合(EU)は、対ロシア追加制裁の一環として、同国の銀行大手7行を国際送金・決済システムのSWIFT (国際銀行間通信協会)から排除することを決定した。写真は2月26日撮影(2022年 ロイター/Dado Ruvic) 対象となるのは、同国2位のVTB、バンク・オトクリティエ、ノビコムバンク、プロムスビャジバンク、バンク・ロシヤ、ソブコム バンク、VEB。 ロシア銀最大手のズベルバンクと、ガスプロムバンクは含まれていない。ロシア産の石油・ガスに対する主要な決済手段と なっているためという。ただ、EU幹部によると、この2行には別の措置が適用される方向。 SWIFTは声明で、EUの規制に従い、12日にロシアの7行をネットワークから切り離すと表明した。 一方、ポーランドのモラウィエツキ首相は、「EUへのエネルギー供給に関する取引」を理由にズベルバンクとガスプロムバンク を対象から除外するという決定は受け入れられないと表明。フェイスブックに「ポーランドとして、ウクライナでの戦争に資金を 提供している全てのロシア企業を効果的かつ完全に制裁の対象とすることを要求する」と書き込んだ。 また、リトアニアのシモニテ首相は記者会見で、SWIFTからさらにロシアの銀行が排除される可能性があると述べた。 VTBとバンク・オトクリティエは影響はないとの認識を示した。 プロムスビャジバンクは、SWIFTからの切り離しに備えており、銀行の業務に大きな影響はないとしている。 VEBは、影響を受けない国内プロジェクトに主に集中しているとした。海外関連のビジネスについては、ロシアの中央銀行が 開発したメッセージングシステムであるSPFSを使用する予定だ。 ソブコムバンクは、他の制裁措置により既に海外との決済ができなくなっているため、SWIFTの影響はないとした。 ノビコムバンクとバンク・ロシヤからはコメントを得られなかった。 日本株ADR3日 売り優勢、ホンダとトヨタが下落 2022/03/04 06:05 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=横内理恵】3日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)には売りが優勢だった。 同日の米株式相場が反落し、日本株のADRにも売りが波及した。ホンダとトヨタの下げが目立った。 ソニーGと野村も安い。一方、三井住友FGやみずほFGなど銀行は上げた。 AD4069円 米国債券10年利回り1.856%、(-0.009) 金融データ連携足踏み、銀行とフィンテック、API接続料など交渉難航。 2022/03/04 日本経済新聞 朝刊 金融機関とフィンテックのデータ連携が曲がり角に差し掛かっている。顧客の利便性向上やフィンテックの育成を目的に政府 は銀行が持つデータの開放を働きかけ、連携のための窓口は大方が出そろった。ただ、個別の交渉が長引いたり、決裂したり する事例も出始めている。フィンテックの成長に伴って共存関係に異変が生じている。 「クラウド会計のメリットがなくなるのは悲しい」「同期できない改悪まじで笑える」――。2月24日、クラウド型会計ソフトを手 がけるfreee(フリー)が楽天銀行とのAPI連携を解消し、SNS(交流サイト)には嘆きの声があふれた。 APIはフィンテック企業のサービスと金融機関のデータをつなぐ重要なインフラだ。2018年に改正銀行法が施行し、銀行に APIの整備の努力義務が課されたことで道筋がついたかにも見えた。ただ、銀行とフィンテックの思惑は必ずしも一致しない。 フリーと楽天銀の破談によって、その溝が利用者に不便を強いる形で表面化した。 API接続を巡る最も大きな課題が手数料の設定だ。数百万円から数千万円かかる初期費用とは別に、例えば関西の大手 地銀の場合、参照系と言われるデータを見る取引でも1回あたり20〜30円を設定しているという。欧州が無償開放を基本と しており「世界中でも有料は珍しい」(フィンテック関係者)。 現状の手数料設定では、利用者や利用頻度が増えれば増えるほどフィンテック企業のコストがかさむ。「接続料がこれから もっと下がっていくという想定はできない」(フィンテックの財務担当者) フィンテックは銀行とのAPI接続を利用する事業以外で収益源を確保する必要性が高まっている。例えばフリーは1月、法 人向けのクレジットカードに参入した。 だが、フィンテック企業の多角化が別の問題を生む。金融機関との事業領域の重複だ。公正取引委員会が20年に公表し た調査では、銀行側の懸念は接続料の問題が約6割で、事業領域の重複は2%にとどまっていた。だが、フィンテックが金融 機関の事業領域に足を踏み入れ、反対に、銀行がデジタル化を進めることで、サービスの利便性向上で共存してきたはずの 友が敵に変わる可能性を秘める。 いかに共存するか。フィンテック勢も知恵を絞る。マネーフォワードは地方銀行など約20行と共同で中小企業のデジタル化 支援を今夏に始める。ふくおかフィナンシャルグループ傘下の「みんなの銀行」がマネフォのデータ集約技術をAPI経由で自社 サービスに取り込むなど、従来と逆向きの動きも出ている。横田浩二頭取は「銀行とフィンテック企業が両得になるようなサー ビスを考えることが必要だ」と話す。 フリーの佐々木大輔最高経営責任者(CEO)は日本経済新聞の取材に「楽天銀とは再締結に向けて協議を継続している」 と述べ、楽天銀は「契約満了に伴い終了する」と説明している。佐々木CEOは同じような事例が出ることも「一般論でいえば 起こり得る。個別に交渉していくに尽きる」と説明する。銀行とフィンテックにとって、今後の大きなテーマとなる。 ロシアが航空機国有化も、リース会社に回収不能と減損処理の危機 https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-03-03/R86AP5T0AFB601?srnd=cojp-v2 ロシア企業に航空機をリースしている外国企業に、多額の減損処理という影が迫りつつある。 ロシアのメディアグループRBCによれば、リース会社は欧州連合(EU)の経済制裁に基づきこうした航空機の返却を求めて いる。ロシアは世界各国からの制裁に抵抗しようと、アエロフロートなど航空会社の運航を継続する方法を模索。運輸省はエア バスやボーイングなど数百機を購入もしくは国有化する選択肢を検討している。 航空コンサルタントのIBAがまとめた最新のリポートによれば、ロシアにリースした航空機ではダブリンに本社を置くエアキャ ップ・ホールディングスが最多の152機。時価総額は25億ドル(約2900億円)に近い。カーライル・アビエーション・マネジメントは 保有フリートの約8%。三井住友フィナンシャルグループ傘下のSMBCアビエーション・キャピタルは約7%だという。 EU諸国はロシアに航空機や部品、技術などの供給を禁じられ、米国なども歩調を合わせているが、ロシアは航空機を確保 すれば、スペア部品を融通し合うことで運航を継続できる見通しだ。 「リース会社は最終的に減損処理をせざるを得なくなるかもしれない」とエージェンシー・パートナーズのアナリスト、ニック・ カニンガム氏は語る。通常なら契約に基づいてリース会社が有利な立場にあるが、「とにかく運航を続けろとロシア政府に指示 されれば、航空会社は従うしかない」と述べた。 リース最大手のエアキャップは2月28日、ロシアの航空会社とのビジネス打ち切りを明らかにした。SMBCアビエーションは ロシアでのリースをすべて解約し、シンガポールのBOCアビエーションはすべての法律に従うとしている。 SMFG系の航空機リース会社、ロシア向け契約解消へ [東京 3日 ロイター] - 三井住友フィナンシャルグループの関連会社で、アイルランドに拠点を置くSMBCアビエーション キャピタルが、ロシア航空会社向けの機体リース契約を解消する方向で調整していることが分かった。欧州連合(EU)の 対ロ制裁措置に従う。同社の広報担当者が明らかにした。 SMBCアビエーションキャピタルはすでに取引先のロシア航空会社と交渉を開始した。EUは航空機リース企業に対し、 3月28日までに契約を終了するよう指示している。 SMBCアビエーションキャピタルはロイターに対し、「関連するあらゆる制裁に忠実に対応し、現在、ロシア航空会社との すべてのリース契約を解消させるプロセスに取り組んでいる」(広報担当者)とコメントした。 SMBCアビエーションキャピタルの取扱規模は約360機。ロシア向けは約1割の36機で、アエロフロート・ロシア航空や S7航空、ウラル航空などにリースしている。 東京地検、SMBC日興証券役員ら4人逮捕 相場操縦の疑い=報道 NHKや共同通信は4日夜、東京地検特捜部が金融商品取引法違反の疑いで、SMBC日興証券の役員ら4人を逮捕した と報じた。2017年12月撮影(2022年 ロイター/Kim Kyung-Hoon) [東京 4日 ロイター] - NHKや共同通信は4日夜、東京地検特捜部が金融商品取引法違反の疑いで、SMBC日興証 券の役員ら4人を逮捕したと報じた。 報道によると、特捜部は、同社の幹部社員らが特定の銘柄について不正な株取引をしたとして本社を強制捜査した。相場 操縦の疑いがあるとしている。 SMBC日興証券は「事実関係を確認中。捜査についてはコメントを控える」とした。 共同によると、逮捕されたのはエクイティ本部本部長ら4人。 日本株ADR4日 ほぼ全面安 オリックスが3%超下落、トヨタも安い 2022/03/05 06:09 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=横内理恵】4日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)はほぼ全面安だった。 同日の日米株式相場が下落し、日本株のADRも売られた。オリックスが3%超下げ、トヨタとホンダの下落も目立った。 三井住友FGや三菱UFJなどの銀行やソニーGも売られた。一方、武田は小幅に上昇した。 AD3951円 米国債券10年利回り1.739%、(-0.105) SMBC日興幹部4人を逮捕、東京地検、相場操縦の疑い。 2022/03/05 日本経済新聞 朝刊 SMBC日興証券社員らの相場操縦疑惑で、東京地検特捜部は4日、特定の銘柄について人為的に株価を操作する取引 をした疑いが強まったとして、執行役員を含む同社幹部4人を金融商品取引法違反(相場操縦)容疑で逮捕した。同日、東 京都千代田区の同社本社を家宅捜索した。(関連記事3面、社会面に) 公正な市場の形成を担うべき大手証券会社の幹部が相場操縦容疑で逮捕されるのは異例で、投資家の市場に対する信 頼が揺らぎかねない。金商法の相場操縦罪は法人の刑事責任を問う「両罰規定」もあり、特捜部は組織的な関与の有無も 調べる。 逮捕されたのは、同社専務執行役員でエクイティ本部本部長のヒル・トレボー・アロン容疑者(51)や同本部エクイティ部 部長の山田誠容疑者(44)ら。 逮捕容疑は2019年12月から20年11月にかけ東証1部上場の企業5社の株式を巡り、株価を不正に安定させる目的で 、買い注文を大量に入れるなど不正な取引をした疑い。特捜部は4人の認否を明らかにしていない。 大手証券会社を巡る相場操縦疑惑は、証券取引等監視委員会の強制調査から8カ月余りを経て刑事事件に発展した。 特捜部などは取引の経緯や違法性の認識などについて解明を急ぐ。 視界不良、耐性で選別――スタグフレーション警戒(スクランブル) 2022/03/05 日本経済新聞 朝刊 株式市場で物価高と景気後退が同時に起こるスタグフレーションへの警戒感が強まり、耐性のある資源や海運といった銘柄 群に投資家の物色が集中している。ウクライナ情勢の先行きが見えず、相場の方向感に賭けづらいという事情が背景にある。 確度が高いのはインフレシナリオだけで、投資の選択肢が狭まっている。 「地政学リスクに備えるなら、商品の上場投資信託(ETF)も選択肢です」。ゴールドマン・サックス証券の石橋隆行ヴァイス・ プレジデントの最近の投資家へのアドバイスだ。先行き不透明で株の買い持ちは勧めづらい。株安リスクの手当ては株価指数 オプションのプット(売る権利)購入が定石だが、すでに価格は高騰していて保険料としては割高だ。 ウクライナ情勢が悪化した2月下旬以降、株式市場ではインフレシナリオの織り込みが急ピッチで進む。戦況が読みにくい一 方、商品市況の急上昇で「インフレ加速だけは確定事項」との見方が強まっている。「落ち着いて長期の業績分析がしづらく、 当面は商品市況や金融政策などマクロ環境の影響が大きい状況が続く」(クレディ・スイス証券の石川真理子株式営業部長) ウクライナ南部の原子力発電所が砲撃されたとの報道に市場が揺れた4日も、業種別日経平均株価「海運」は7営業日続伸 した。この2週間の業種別の騰落率は鉱業と海運、石油の3業種だけが2ケタのプラスで突出する。 供給制約による物価高継続で中央銀行は金融引き締めを続けざるを得ないとの予想から、景気鈍化への警戒感も広がって いる。JPモルガン証券の高田将成氏の業種別の株価分析によると、ウクライナ情勢が深刻化した2月以降、市場ではスタグフ レーションの可能性を物色に織り込む傾向が強まってきた。 高田氏は業種ごとのアナリストによる予想1株利益の変動と、商品価格や長短金利差の関係を調べた。業績が物価や金利 市場の景気見通しの影響を受けにくいほど高くなる「スタグフレーション抵抗スコア」を算出した。化学や石油、鉄鋼などの数値 が高く、小売業や建設は相対的に低い。足元では抵抗力の強い業種の株価が上昇している。 投資家にとって悩ましいのは、視界不良の現在の状況もロシア、ウクライナ両国の停戦協議が前進すれば一変する可能性が あることだ。 株価の予想変動率を示すVIX指数の先物価格は期近で急上昇したが、期先は上がっていない。市場関係者が目先1〜2カ 月の波乱に身構える一方、その先は相場が落ち着くと見込んでいる。そのため投資家は株式投資を完全に打ち切るのでは なく、消去法的にインフレや景気悪化に強い銘柄に資金を寄せる。 ヴィレッジキャピタルの高松一郎氏は、株式の買い持ち額を空売りより多めに維持している。「リスクシナリオに賭けると、株価 の反転についていけなくなる」(高松氏)ためだ。投資先は資源関連銘柄や、業績対比で売られすぎと判断した新規株式公開 (IPO)銘柄などだ。 明治安田アセットマネジメントの永田芳樹シニア・ポートフォリオ・マネジャーは「景気は慣性で動く面があるが、戦争は人の 意志次第。次に何が起きるか読めない」と身構える。新型コロナウイルス禍を乗り切りつつあるように見えた株式市場は、地政 学リスクという新たな不確実性との対峙を余儀なくされている。 住信SBI、上場延期へ、ウクライナ危機で投資家心理が悪化。 2022/03/07 日本経済新聞 朝刊 住信SBIネット銀行は24日に予定していた新規株式公開(IPO)を延期する。ロシアのウクライナ侵攻で投資家心理が冷え込ん でおり、公募や株式の売り出しが難しいと判断した。インドでも大型の生命保険公社のIPO延期が伝えられており、ウクライナ・ショ ックの影響が世界の新興市場に波及している。 住信SBIネット銀行と大株主のSBIホールディングス、三井住友信託銀行が主幹事を務める証券会社と協議し、上場延期の方針 を固めた。7日にも延期を発表する。 住信SBIは2月15日に東京証券取引所から上場承認を受け、3月24日に東証1部に上場する予定だった。インターネット銀行の IPOは初で、2022年の大型案件として注目を集めていた。 上場承認時の想定発行価格は1株1920円。想定発行価格に基づく時価総額は約3000億円と、あおぞら銀行やめぶきフィナ ンシャルグループに肩を並べる水準だ。大株主の三井住友信託銀行とSBIホールディングスが保有株を売り出し、住信SBIも公募 増資で約100億円を調達する計画だった。 だが事前の需要調査で投資家の購入意欲が弱く、当初想定していた時価総額を維持できないと判断。企業と証券会社が複数 の機関投資家に需要動向を聞く「ブックビルディング」が8日に始まるのを前に、上場延期を決めた。 住信SBIは07年に営業を始めた。三井住友信託とSBIが共同で50%ずつ出資する。SBI証券との口座連携による証券サービ スや、ネットを介した住宅ローンの提供に強みを持つ。 21年3月期の連結純利益は前の期比11%増の139億円だった。新型コロナウイルス禍でインターネットを介した取引が拡大し 、5期連続で最終増益を実現していた。 ロシアのウクライナ侵攻以降、上場承認を得ていた企業がIPOを延期するのは初めて。インドでも現地紙が同国最大規模となる 国営のインド生命保険公社(LIC)のIPOが延期される見通しだと伝えており、株式市場の動揺が世界的に波及している格好だ。 SMBC日興の相場操縦事件、甘い監視体制、不正許す、社長謝罪、経営責任は言及せず。 2022/03/06 日本経済新聞 朝刊 SMBC日興証券は5日、同社の幹部社員らが相場操縦の疑いで逮捕されたことを受けて会見し、売買監視の不備を認めた。 株式などのトレーディングを担う市場部門が目先の収益を最優先するあまり、審査体制が追いつかず不正を許したとみられる。 大手証券が相場操縦の責任を問われた例は過去になく、経営責任が焦点になる。(1面参照) 「株式市場の公正性を維持するための売買管理体制が十分でなかった可能性がある」。5日、都内で会見した近藤雄一郎社 長はこう認めた。 疑惑の対象となった「ブロックオファー」は企業の大株主の株式を買い取り、特定日の終値をベースに時間外で投資家に転売 する仕組みだ。当日の取引時間中に証券会社が自ら対象銘柄を買い付けるのは、株価を下支えする行為として市場の公平性 に疑問を生じさせる可能性がある。 売買管理部は日々の売買を実行するエクイティ部の取引を監視するが、これが十分ではなかった。エクイティ部も通常とは異 なる取引について売買管理部への必要な報告を怠っていた。 監視の不備の背景にはSMBC日興の特殊な成り立ちがある。 SMBC日興は2009年に米シティグループから三井住友フィナンシャルグループ(FG)の傘下になった。10年当時のトレーデ ィング損益は野村証券の約2割、大和証券の約7割にとどまり、市場部門を抜本的に立て直す必要があった。 こうした中でSMBC日興が頼ったのがUBS証券出身のヒル・トレボー・アロン容疑者やゴールドマン・サックス証券出身の山田 誠容疑者ら外資系金融機関の出身者だった。 元SMBC日興関係者は「株式のトレーディング部門は三井住友FGにもノウハウがほとんどなかった。外資系出身者の能力の 高さに頼るのが得策と考えた」と振り返る。個人営業部門の顧客基盤から得られる利益を使い、高給な外資系出身者を相次ぎ 採用した。 しかし、過度な依存がひずみを生んだ。ある証券会社幹部は「外資系出身の上層部と、生え抜きの現場社員の意思疎通がうま くいかなかった」と打ち明ける。 会見でも収益を優先するエクイティ部と、売買管理部の連携不足が指摘されており、法令順守の意識のずれが生じた可能性が 高い。近藤社長は「全社員に行動規範の順守を徹底させなかったことを深く反省している」と述べた。 内部管理体制の改善に向け、SMBC日興はブロックオファーの新規案件の受け付けを停止した。売買管理や審査の人員を20 年末に比べ6割増やした。ただ部門間の意思疎通の不備は組織運営の根幹に根ざしており、抜本的な解決策にはならない。 金融商品取引法の相場操縦罪には法人の刑事責任を問う両罰規定もある。逮捕された幹部らが起訴されれば、法人としてSM BC日興も責任を追及され、処分を受ける可能性がある。 4日に設置した調査委員会は外部の弁護士3人で構成する。事実関係の調査のほか、ガバナンスや内部管理体制も調査する 方針だ。近藤社長は経営責任について「まずは事態を正確に認識し、全力で信頼回復に努めることが私の責任だ」と述べるにとど めた。ただ株式市場の門番でもある大手証券が相場操縦の責任を追及された例は過去にはなく、経営責任は重い。 三井住友銀、単身高齢者向けアプリ開発へ新会社。 2022/03/08 日本経済新聞 朝刊 三井住友銀行は7日、増加する高齢者の独り暮らしに対応するスマートフォンアプリを開発・販売する新会社を立ち上げる と発表した。親の資産の状況や位置情報をアプリ上で確認できるサービスの展開を予定する。 「SMBCファミリーワークス」を4月に立ち上げる。今夏の営業開始を予定しており、開発したアプリは米アップルや米グー グルなどのストアで販売を検討する。アプリにはスケジュールの共有やメッセージのやりとりといった機能も持たせる見込み。 銀行が手掛ける資産運用や相続などのコンサルティング業務の提供を通じ、親世代と子世代が抱える課題を解決すること も視野に入れる。 航空リース、ロシア撤退、日系企業も、民間半数、運航困難に。 2022/03/08 日本経済新聞 朝刊 世界の航空機リース大手がロシア事業からの撤退を急いでいる。アイルランドに拠点を置く世界最大手のエアキャップが 撤退方針を固めたほか、ロシア向けの航空機リースで海外勢2位のSMBCアビエーションキャピタルもロシアの航空会社 との契約を解除する見通しだ。欧州連合(EU)が対ロ制裁として3月末までに契約を打ち切るよう要請したのに伴う措置。 ロシア民間航空機の半数の500機の運航が困難になる見通しで、ロシア国内の人の移動や経済活動は一段と厳しくなる。 エアキャップはロシアの航空会社に、世界のリース会社で最大の約150機をリースしていた。EUの方針に従って契約解 除と機体回収を進める。三井住友ファイナンス&リース傘下でアイルランドに本社を置くSMBCアビエーションキャピタルも 期限までにリース契約を解除する方向だ。ロシア航空大手のアエロフロートなどに36機をリースしている。 欧州委員会が2月末に発表した対ロ追加制裁では、域内企業に対しロシアへの航空機や部品の提供を禁止した。新規の リース契約はできず、既存の契約も30日以内に解除しなければならない。航空機リース会社の多くがアイルランドに拠点を 置く。親会社の本社がEU域外でもEUの方針に従う必要がある。 英航空情報会社シリウムによると、ロシアの民間航空会社が使用する機体のうち半分にあたる約500機がロシア国外の 企業からリースする。 リース以外でもロシアの締め出しに動いている。米ボーイングなど航空機メーカーはロシア向けの部品供給や修理サービス などを停止。航空会社向け保険を巡っては、世界の損害保険市場の中心地である英国がロシアの航空会社を排除する方針 を決めた。 日本株ADR7日、全面安 トヨタやホンダの下げ目立つ 2022/03/08 06:19 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=戸部実華】7日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は全面安だった。 同日の日米株式相場が下落し、日本株ADRも売られた。トヨタが6%下げ、ホンダやオリックスは5%弱下落した。 野村や三井住友FGも下げが目立った。 AD3845円 米国債券10年利回り1.777%、(+0.055) 3メガバンクのロシアにおけるエクスポージャー【一覧】 萩原ゆき、浦中大我 2022年2月25日 15:29 JST 決算資料や広報担当者からの聞き取りによると国内3メガバンクのロシアにおけるエクスポージャー(2021年9月末時点) は以下の通り。 三菱UFJフィナンシャル・グループ ロシア連邦へのエクスポージャーは2140億円 モスクワとウラジオストクに現地法人を持つ 三井住友フィナンシャルグループ 貸出金やコミットメントライン、保証取引、出資金など含めて41億ドル(約4700億円) みずほフィナンシャルグループ 2177億円(開示されていないロシア現地法人の貸し出しは含まない) 備考:エクスポージャーの定義は銀行によって異なる ロシアの商業銀行「SBI BANK」(モスクワ)を子会社に持つSBIホールディングスの広報担当者は、今後の制裁強化で ロシアの金融機関が外貨決済ネットワークである国際銀行間通信協会(SWIFT)から除外される可能性があることから、 欧州の大手銀行とドルやユーロ、円のつなぎ取引が継続できるよう事前対策を講じていると述べた 備考:銀行、保険株下落、ロシアへのエクスポージャー意識や金利低下で (1) ムーディーズ、SMBC日興の相場操縦疑い「信用評価上ネガティブ」 2022/03/08 17:30 日経速報ニュース ムーディーズ・ジャパンは8日、相場操縦を行った疑いがあるとして4人の社員が逮捕されたSMBC日興証券について、 「容疑が事実であれば同社のガバナンスに問題があることを示すものであり、信用評価上ネガティブ」とのコメントを発表し た。その上で、ムーディーズは今回の件によってSMBC日興証券の格付け変更につながるほど重大な財務への影響が 生じることはないとの見方を示した。 ムーディーズはSMBC日興の長期発行体格付けを「A1(シングルAプラスに相当)」で据え置いた。 三井住友FG、ツルハHDが提供するツルハグループアプリに「Bank Pay」を中心としたキャッシュレス決済サービスを導入 2022/03/08 17:24 日経速報ニュース 発表日:2022年03月08日 ツルハグループアプリへのBank Payを中心としたキャッシュレス決済サービス導入について 株式会社三井住友フィナンシャルグループ(執行役社長グループ CEO:太田 純、以下、グループを総称して「SMBCグループ」)は 、株式会社ツルハホールディングス(代表取締役社長:鶴羽 順、以下「ツルハホールディングス」)が提供しているツルハグループ アプリに対し、2022年度冬をサービススタートの目標として、Bank Payを中心としたキャッシュレス決済サービスの導入をいたします。 ツルハホールディングスでは、将来的な金融事業への進出も模索のうえ、キャッシュレス決済サービスの導入を皮切りとしたユーザ ー体験の更なる向上を目指しており、SMBCグループはその取組を支援してまいります。 ツルハグループでは、グループ各社のポイントカードのデジタル会員証を搭載した各社公式アプリを2019年11月にリリースしていま す。今回、SMBCグループは、全国のツルハグループ店舗において、各社のアプリの「会員証コード」を提示することで、簡単かつスピ ーディーにお支払いいただける決済サービスを目指して支援いたします。銀行口座との接続には、Bank Payを活用いたします。 Bank Payとは、日本全国の金融機関が加盟する日本電子決済推進機構が運営するスマホ決済サービスです。本件のように、Ban k Payの仕組を活用し、企業が提供するアプリ上で銀行口座を登録可能とすることで、様々な金融機関の口座から電子マネーにチャ ージすることができます。また、アプリ上のデジタル会員証機能とBank Payを連携させることで、簡単・スピーディーな支払が可能に なる他、EC通販での支払手段としてもご利用いただくことが可能です。Bank Payに参加する金融機関は100を超え、今後も拡大が 見込まれております。 SMBCグループでは、法人のお客さまのビジネスモデルがデジタルシフトするなど、変化を続ける「高度な経営課題」を解決し、お 客さまと共に持続的な成長を目指す「真」のソリューションプロバイダーとなるべく、社会トレンドを先取りした新たなビジネス機会を 共創してまいります。 日本株ADR8日、売り優勢 オリックスや三井住友FGが下落 2022/03/09 06:23 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川上純平】8日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は売り優勢だった。 日経平均株価が下落したことから日本株ADRにも売りが出た。 オリックスや三井住友FG、武田の下げが目立った。ソニーGは上昇した。 AD3660円 米国債券10年利回り1.846%、(+0.097) NY株ハイライト ダウ1年ぶり安値、強まるインフレ懸念 環境変化に備える投資家 2022/03/09 07:47 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=横内理恵】米株式市場が国際政治情勢の緊迫と一段のインフレ加速という環境に直面している。8日は 米ダウ工業株30種平均が4日続落し、前日比184ドル安の3万2632ドルと1年ぶりの安値で終えた。米政府がロシアからの 原油や天然ガスの輸入を禁止するなどエネルギー需給の逼迫によるインフレ懸念は根強い。相場下落は続いているものの、 個別銘柄の物色をみると環境変化に備えた投資家の動きがうかがえる。 バイデン米大統領は8日、ロシアからの原油や天然ガスなど関連製品の輸入を全面的に禁止すると発表し、まずは米国単 独で禁輸措置に踏み切る。英国もロシア産の原油輸入を段階的に減らす方針で、これまでの金融制裁の影響もあって原油の 供給が細るのは確実視され、ニューヨーク原油先物相場は2008年に付けた過去最高値の147ドル台に接近しつつある。8日 には全米平均のガソリン価格が14年ぶりに史上最高値を更新し、1週間で15%も上昇している。 需給逼迫が意識されて上昇しているのはエネルギーだけではない。ロシアが主要産地のパラジウムやニッケルなども高騰 し、小麦など穀物価格の値上がりも著しい。ガソリンや食料品など生活必需品の値上げは米消費者を直撃し、欧州ほどでは ないが米経済への影響も無視できなくなってくる。「エネルギー高がどの程度続くのか、消費や企業業績への影響を見極めた い」(ナショナル・セキュリティーズのアート・ホーガン氏)と慎重姿勢を強める市場参加者は多い。 ストラテジストらが年初に打ち立てた相場見通しも揺らいでいる。7日にはヤルデニ・リサーチのエドワード・ヤルデニ氏がS& P500種株価指数の22年末予想を4800から4000へと引き下げたことが話題となった。8日の終値(4170)と比べても4%下回る 水準だ。 エバコアISIも週末にS&P500種の見通しを下方修正し、8日終値を1割あまり下回る「3670を試す可能性も排除できない」 と指摘していた。シティグループも「地政学リスクの高まりはバリュエーション(投資尺度)にとって悪影響になる」と投資家の リスク許容度の低下を予想する。 半面、資源価格高騰の恩恵を受ける銘柄には買いが集まっている。石油大手シェブロンは5%高と8日続伸し、連日で過去 最高値を更新。株式相場の下げが続くなかで、ロシアがウクライナに侵攻した2月24日からは26%上昇している。同業のエク ソンモービルもこの間に14%上げた。 8日は建機のキャタピラーも7%高となり、ダウ平均を下支えした。ジェフリーズが同社株の投資判断を「中立」から「買い」に 引き上げたのが買い材料視された。ジェフリーズはウクライナ危機を背景に構造的な資源高が続き、資源開発の必要性が高 まるとみてキャタピラーへの投資を推奨する。 資源高をきっかけにした物色はさらに広がりをみせている。8日は石油価格の上昇で代替エネルギーへの需要が高まるとの 観測からソーラーエッジ・テクノロジーズなどの太陽光発電関連銘柄も軒並み急伸した。前週はサイバーセキュリティー株や 軍需株への買いが活発になる場面もあるなど相場の方向感とは違ってテーマに沿った投資家の物色意欲は旺盛だ。 2月24日から8日終値までのS&P500種の下落率は1%だ。業種別では「金融」が7%、「耐久消費財」が3%、「IT(情報技 術)」が2%下げた一方、「エネルギー」が15%上昇するなど目を引く。「公益事業」も9%上げ、ディフェンシブ株に資金を移す 動きも鮮明だ。景気見通し悪化など環境変化への投資家の備えや警戒感を映し、選別物色の傾向も変わっている。 1兆円のロシア向け融資、回収懸念…日本の金融機関は情報収集急ぐ https://www.yomiuri.co.jp/economy/20220308-OYT1T50325/ 2022/03/09 06:48 ロシア向け融資を手がけてきた日本の金融機関が、経済制裁に伴い融資の回収に頭を悩ませている。 日本からのロシア向けの融資などの与信残高は現地通貨建ても含めて約1兆円に上る。国際決済銀行(BIS)や 各金融機関の開示資料によると、このうち約7000億円が三菱UFJ、三井住友、みずほの3メガバンクと、国際協力 銀行(JBIC)とみられる。残りは、信託銀行を通じ、機関投資家らが保有する。 金融機関は、経済制裁がさらに強化された場合や、ロシア国債のデフォルト(債務不履行)も想定し、情報収集を 急いでいる。米欧がロシアからの原油調達を禁止すれば、関連企業の資金繰りは悪化する。ロシア国債のデフォル トも、ロシア通貨・ルーブルで資産を持つロシア企業の財務に悪影響をもたらす。 三菱UFJは、天然ガスや原油の開発事業のほか、物流の整備事業を中心に融資を手がけてきた。ロシア向け与 信の約6割が海外取引先で、制裁範囲の拡大で送金手段が閉ざされたり、取引先が破綻したりすれば、「業績にも 大きな影響を及ぼす」(幹部)という。 現地の銀行や基金への投融資を手がけてきたJBICは、ロシア向けの融資と出資の残高が約1345億円(2021 年3月時点)に上る。天然ガス開発「アークティックLNG2」には昨年11月、2000億円超の融資契約を結んだばか りだ。契約に盛り込む「制裁条項」に該当した場合は融資を停止するか回収する方針だが、ロシア政府の制裁への 対応が見通せず、融資をいったん凍結している。 米国が、米国内でのロシア関連企業や個人へ制裁を強化する可能性もあり、各金融機関は気をもむ。対イランで 導入された制裁では、米財務省外国資産管理局(OFAC)によって指定された法人や個人が、ドル建て取引や資産 の引き出しができなくなった。ロシアに対しても同様の措置がとられればロシア関連の融資が幅広く回収できなくな る可能性があり、「損失に備えた追加的な費用を確保する必要が出てくる」(メガバンク幹部)という。 三菱UFJ 2140億 みずほ 2177億 JBIC 1345億 三井住友 964億 機関投資家 約2400億 国内金融機関への影響は現時点で限定的=ロシア向け与信で鈴木金融相 https://jp.reuters.com/article/suzuki-russia-bank-idJPKBN2L609K 3月9日、鈴木俊一金融相(写真)は、現時点でロシア向け与信が日本の金融機関の健全性に与える影響は限定的との 見方を示した。衆院財務金融委員会で述べた。1月4日撮影。(2022年 ロイター/Issei Kato) [東京 9日 ロイター] - 鈴木俊一金融相は9日、衆院財務金融委員会で、現時点でロシア向け与信が日本の金融機関の 健全性に与える影響は限定的との見方を示した。今後、状況を把握・分析し、金融機関に与える影響についてしっかりモニ タリングしていくことが大切だと語った。岸本周平委員(国民)への答弁。 鈴木金融相は、全体をみると海外向け与信のうちロシア向けは0.2%程度であり、個別の金融機関をみても与信割合は僅 少にとどまっていると指摘。地銀を含む各金融機関は充実した資本基盤を備えているとも述べた。 岸本委員は、国際決済銀行(BIS)の資料によると、日本の金融機関のロシア向け与信残高がは約1兆円ほどあり、このうち 三菱UFJ銀行が2140億円、みずほ銀行が2177億円、三井住友銀行が964億円、国際協力銀行(JBIC)が1345億円 などとなっていると指摘。ロシアへの経済制裁に伴ってこうした債権が回収できなくなる可能性があると指摘した。 <東証>三菱UFJが4%超高 米金利上昇で利ざや改善期待 2022/03/09 13:12 日経速報ニュース (12時40分、コード8306)三菱UFJが4営業日ぶりに反発している。前日比26円70銭(4.1%)高の683円40銭まで上昇した。 米国などによるロシア産原油の禁輸措置でインフレへの警戒が強まり、米長期金利が上昇したことで利ざやの改善を期待 した買いが入っている。みずほFG(8411)や三井住友FG(8316)も高い。 しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹運用本部長は「(利上げが確実視されている)3月の米連邦公開市場委員会 (FOMC)後は材料出尽くしで米長期金利の上昇が一服するだろう」と指摘。そのうえで今年後半には景気加速で米長期金 利が再び上昇し、銀行株の支援材料になるとの見方を示した。 SMBC日興との取引、大手生保が株式など新規発注を停止−逮捕受け 浦中大我 2022年3月9日 12:49 JST 少なくとも国内生保2社が株式や債券含む全ての有価証券の注文停止 昨年末から債券引き受けなどで除外の動き、事業への影響が拡大 SMBC日興証券の役員ら4人が金融商品取引法違反(相場操縦)容疑で逮捕されたことを受け、機関投資家である一部の 大手生命保険会社が同証券との取引見直しに動き出したことが分かった。 複数の関係者によると、少なくとも日本の大手生命保険会社2社が今週に入り、SMBC日興への株式や債券など全ての 有価証券の取引に関する新規注文を停止した。 取引を見直した生保の関係者は、SMBC日興が記者会見で管理体制に不備があった可能性を認めたことから、新規注文 の停止を決めたと語った。また、別の生保の関係者は、SMBC日興に対する法的責任が追及されるのかや再発防止策の動 向を確認する必要があるとして、取引再開には時間がかかる可能性があるとの認識を示した。 SMBC日興の広報担当者は、個別の取引についてはコメントを控えると述べた。 東京地検やSMBC日興の発表によると、逮捕されたのはエクイティ本部本部長だった専務執行役員のトレボー・ヒル容疑者 ら。上場企業の大株主らから保有株式をまとめて買い取り、投資家に転売する「ブロックオファー」と呼ばれる取引で、特定銘柄 の株価を不正に維持したとされる。 逮捕を受けて5日に記者会見したSMBC日興の近藤雄一郎社長は、社内規定で定められた報告義務が守られていなかっ たことや、売買取引の審査において社内管理体制が十分でなかった可能性があるなどと述べた。 今回の事件を巡っては、昨年11月にSMBC日興が証券取引等監視委員会の調査を受けていることを明らかにした。その後 、社債の引き受け主幹事から同証券を外す動きが相次ぐなど、すでに事業への影響は出ていた。 3月9日(水) 三井住友、米マイクロソフトとクラウド分野で戦略的提携 三井住友フィナンシャルグループ<8316.T>は9日、米マイクロソフト<MSFT>と、クラウド分野における複数年にわたる 戦略的提携を締結したと発表した。 今回、同社はマイクロソフトを戦略的クラウドサービスプロバイダーとして選択。同社グループのDX(デジタルトランスフォ ーメーション)を加速するとともに、日本および世界での業界変革を推進するため、さまざまな革新的ソリューションの提供 を共同で行うとしている。 SMBC日興副社長を任意聴取、東京地検、法人起訴を視野。 2022/03/10 日本経済新聞 朝刊 日本株ADR9日 全面高 トヨタが5%上昇 2022/03/10 06:09 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=横内理恵】9日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は全面高だった。 同日の米株式相場が大幅反発し、日本株のADRにも買いが広がった。トヨタが5%近く上昇した。 オリックスや三菱UFJ、みずほFGの上げも目立った。ホンダやキヤノンも買われた。 AD3783 米国債券10年利回り1.931%、(+0.059) 2022年03月10日09時31分 三菱UFJなどメガバンク買われる、米長期金利上昇に国内金利も追随する展開に 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>が大幅続伸、前週末4日ザラ場以来となる700円台を回復したほか 三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411>などメガバンクが総じて買い人気 を集めている。世界的なインフレ懸念を背景に金利の先高思惑が強まっており、米国では10年債利回りが前日 終値ベースで1.95%まで急上昇、3月に入ってからは最も高い水準に上昇した。 これを背景に日本の債券市場でも債券売りの動きを誘発、足もと新発10年債利回りは0.175%まで上昇し ている。これを受け、メガバンクは運用環境の改善が見込めるとの見方が買いを誘っている。また、配当利回りが 高い点も注目され、3月期末が接近するなか駆け込みで配当権利取りを狙った買いも株高を後押ししている。 2022/03/10 22:45 三井住友FG(8316) 22年3月期経常予想。対前週1.1%上昇。 三井住友フィナンシャルグループ<8316>の経常利益予想コンセンサスは、前週値の1,012,375百万円から1.1%上昇し 1,023,100百万円となった。対前年実績で見た場合42.4%の増益予想から43.9%増益予想に上方修正されたことになる。 因みにレーティングコンセンサスは4.4から4.3に下降した。 2022/03/10 19:55 三井住友FG(8316) 日系大手証券、レーティング強気継続。目標株価引き上げ、5,300円。 日系大手証券が3月10日、三井住友フィナンシャルグループ<8316>のレーティングを強気(買い)に据え置いた。 一方、目標株価は5,100円から5,300円に引き上げた。因みに前日(3月9日)時点のレーティングコンセンサスは4. 3(アナリスト数10人)で「やや強気」の水準、目標株価コンセンサスは5,033円(アナリスト数10人)となっている。 2022-03-11 みずほ 買い継続 5100円 → 5300円 日本株ADR10日、高安まちまち オリックス上昇 2022/03/11 06:10 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=古江敦子】10日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は高安まちまちだった。 同日の日本株が上昇した一方で米国株が下落し、日本株ADRは方向感が出にくかった。 オリックスとソニーG、武田が上昇した。一方、みずほFGと野村、ホンダは下落した。 AD3797円 米国債券10年利回り1.990%、(+0.042) 三井住友FGとマイクロソフト、革新的なデジタルサービスを提供するためにクラウド分野における戦略的提携を締結 2022/03/09 12:29 日経速報ニュース 発表日:2022年03月09日 三井住友フィナンシャルグループ、マイクロソフトとの戦略的提携によりデジタルトランスフォーメーションを加速 株式会社三井住友フィナンシャルグループ(執行役社長グループ CEO: 太田 純、以下グループを総称して「SMBCグループ」)と マイクロソフト コーポレーション(CEO: サティア ナデラ、以下「マイクロソフト」)は、お客さまに革新的なデジタルサービスを提供する ために、クラウド分野における複数年にわたる戦略的提携を締結したことを発表しました。 SMBCグループは、海外149拠点におよぶグローバルネットワークを活用して、世界中のお客さまに向けて様々なソリューションを 提供しています。今回、SMBCグループは、マイクロソフトを戦略的クラウドサービスプロバイダーとして選択し、提携した日本初の 大手金融機関となります。両社は、SMBCグループのデジタルトランスフォーメーションを加速するとともに、日本および世界におけ る業界の変革を推進するために、様々な革新的ソリューションの提供を共同で行っていきます。 このパートナーシップを通じて、SMBCグループは、Microsoft Azureを活用した、IT環境のモダナイズ、ミッションクリティカルなワー クロードのサポート、そして、最終的にはお客さまと従業員に対する比類のない体験の提供により、グローバルなビジネスの拡大を 目指します。デジタルに精通し、テクノロジーで強化された人材を育成することが、総合的ソリューションプロバイダーというSMBC グループの目的実現に不可欠です。 SMBCグループは、マルチクラウド戦略とハイブリッドクラウド戦略を進める中で、Microsoft Azureを優先的クラウドプラットフォー ムとして選択し、Azure Virtual Desktop、Azure Batch、Azure Kubernetes Servicesなどのサービスを活用して、自社のIT環境と ワークロードのモダナイズとAzureへの移行を進めていきます。また、これまでも活用してきた最新のプロダクティビティとコラボレ ーションのツールであるMicrosoft 365とMicrosoft Teamsによる、全社員に向けた多様な働き方や組織横断的なコラボレーション を支援する環境を今後も提供していきます。 JT株が4%安、ロシア事業に懸念 すしや化粧品にも波及 2022/03/11 14:43 日経速報ニュース 欧米や日本などがロシアに対する経済制裁を強めるなかで、株式市場では日本企業のロシア事業への影響に懸念が広がって いる。現地での事業だけにとどまらず、原材料の調達、世界経済の冷え込みの打撃が大きそうな銘柄の下げも目立っている。 ■JT、4%安 「ルーブル安で約900億円の影響」 11日はJT(2914)株が一時、前日比4%安の2000円まで売られた。ロシアでの新規投資とマーケティング活動を一時停止する と10日に発表。ロシアでの製造についても事業環境が大幅に改善しない限り一時的に停止する可能性もあるとし、売りが膨らんだ。 JTはロシアのたばこ市場で約37%(2021年)のシェアを占める。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の角山智信シニアアナリスト は11日付の投資家向けリポートで「ロシア・ウクライナ情勢によるJT業績への影響は、足元のルーブル安インパクト(現状の為替 レートだと約900億円のネガティブインパクトと想定)に加えて、今後オペレーション上の様々な問題が出てくることになりそうだ」 という見方を示していた。 世界展開するトヨタ自動車(7203)やホンダ(7267)なども世界のサプライチェーン(供給網)の混乱で半導体不足からの挽回生 産が遅れるとの見方などを背景に下落した。 ■供給混乱、消費の場にも 人気すしネタのサーモンにも波及か 航空大手でロシア上空の運航取りやめが広がるなか、供給混乱の影響は消費者に身近なところにも及びそうだ。くら寿司(26 95)は「味付いくら」の原材料の一部でロシア産を使用している。いくらと同じく人気ネタの「とろサーモン」で使うアトランティックサ ーモンは北欧ノルウェーなどから来ており、物流費高騰の影響も心配される。くら寿司株は一時、8%安となった。「スシロー」の FOOD&LIFE COMPANIES(3563)の下げもきつかった。 ■消費財の需要減少懸念 資生堂が1年7カ月ぶり安値 資生堂は欧州時間9日にロシア向けの商品の出荷を停止すると発表した。売上高に占めるロシア事業の割合が小さいと見ら れていても、大国ロシア景気の冷え込みは、世界経済の悪化に直結する。需要減少が意識されやすい消費財の代表である化 粧品株には売りが広がり、資生堂(4911)は一時、約1年7カ月ぶりの安値を付けた。花王(4452)とマンダム(4917)も昨年来 安値を更新した。 ■開示で安心感の銘柄も オリックス株に底堅さ このように多くの銘柄が下げるなか「ロシア・ウクライナ情勢の悪化は日本企業の来期業績にも影響を及ぼしそうだ」と、岡三 証券の小川佳紀投資情報部長は指摘する。ただ「影響がどの程度続くのかなど、不透明感が重荷になっている部分も大きい 」(小川氏)という。 そういう意味で投資家に安心感を与えたのはオリックス(8591)だろう。オリックスは9日、航空機リース事業で出資するア ボロン・ホールディングスにおいて現在ロシア国内にあるのは10機で、これらの機体は保険に加入していることなどを公表した。 影響は限定的との見方からオリックス株は10日に大幅上昇、その後も底堅さを維持している。 間接的な影響も含めると、ロシア制裁の影響はこれからさらに広がるのが避けられない。新型コロナウイルス禍からの業績 本格回復を目指す矢先、銘柄選別を軌道修正する必要が出てきそうだ。 ■ロシア軍によるウクライナ侵攻後の下落率 ・JT 2914 8.6% ・トヨタ 7203 11.6% ・くら寿司 2695 18.4% ・資生堂 4911 17.1% ※2月24日の終値と3月11日の前引け時点を比較した。 2022年03月11日17時45分 来週の株式相場に向けて=「中銀ウイーク」突入で潮流変化はあるか 来週は、15〜16日にかけていよいよ米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。年初から注目されてきたビッグイベン トだが、2月下旬のロシアによるウクライナ侵攻で若干影に隠れた面もあるが、相場に与える影響度は当然大きい。 パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は3月のFOMCでは「0.25%の利上げ」を明言しており、問題はその後の利上 げペースとなる。そのFOMCを前に発表された米2月消費者物価指数(CPI)は前年同月比7.9%上昇と40年ぶりの伸びとなり 、インフレ加速が示された。こうしたなかエコノミストからは「FF金利先物が織り込んでいる年内の利上げ回数は6.5回程度で高 止まりが続いている」との見方が出ている。 緊迫化するウクライナ情勢の下でも、FRBは粛々と利上げを行うという予想が主流というわけだ。それだけに、今回のFOMCで 示される「ドット・チャート(金利予測分布図)」やパウエル議長の記者会見がタカ派色を濃くするものとなれば、相場は更なる金利 上昇を織り込む展開もあり得る。もっとも、現在の相場の最大の不確定要因となっているのは、やはりウクライナ情勢だ。原油価格 とインフレ懸念はリンクしているだけに、ウクライナ情勢が落ち着き原油価格も下落すれば、相場は反発に転じることも期待できる。 更に、16〜17日には日銀金融政策決定会合も開催される。金融政策は現状維持の見通しだが、内外でのインフレ懸念が高ま るなか、黒田日銀総裁の会見などが注目されている。来週は米国と日本の「中央銀行ウイーク」となるなか、三菱UFJフィナンシャ ル・グループ<8306>や三井住友フィナンシャルグループ<8316>といった大手銀行株が注目されそうだ。 他のスケジュールでは、海外では15日に米2月生産者物価指数(PPI)、16日に米2月小売売上高、17日に米2月住宅着工 件数が発表される。国内では16日に2月貿易統計、17日に1月機械受注、18日に2月CPIが発表される。17日に守谷輸送機 工業<6226>が東証2部に新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは2万4500〜2万6000円前後。 ロシア、撤退する外国企業を接収へ−5日以内の営業再開か売却迫る Paul Abelsky 2022年3月11日 0:15 JST 1日を始める前に押さえておきたい世界のニュースを毎朝お届け。ブルームバーグのニュースレターへの登録はこちら。 ロシア政府は同国から撤退する外資系企業を接収、あるいは国有化する案を策定した。ロシアのウクライナ侵略を受けて イケアやマクドナルドなど外国企業の撤退が相次いでいる。 ロシア経済発展省は外国人の持ち分が25%を超える撤退企業を一時的に管理下に置く方針を明らかにした。 同案の下で、モスクワの裁判所が取締役会メンバーなどからの外部管理受け入れの要請を検討する。その後、資産と 従業員を保護するための取り組みの一環として、外資系企業の株式を凍結する可能性がある。 経済発展省の発表によると、外部管理にはVEB.RF(ロシア開発対外経済銀行)などが参加する可能性がある。企業 の保有者は5日以内にロシアでの営業を再開するか、株式売却など他の選択肢を選ぶかを決めなければならないという。 同措置は株主を含む経営陣がロシアの法律に反して事業活動の管理を事実上終了させた企業に適用されると経済発 展省は説明。2月24日以降に経営陣がロシアを離れたり、資産を移転したりした企業も対象となる可能性があるとしている。 発表によると、接収された企業は改めてパッケージ化され、3カ月後に競売で売却される可能性があり、新しい所有者 は従業員の3分の2を維持し、1年間は営業を続ける必要がある。この措置はまだ承認されてはいない。 関連記事 ゴールドマンがロシア撤退へ、ウォール街の金融機関で初 JT、ロシアでの新規投資・マーケティング活動を一時停止へ ユニクロ、ロシア事業の一時停止決定−ウクライナ情勢で継続困難 (1) エプソンと資生堂がロシア事業を見直し、「人権重視」の観点から決断 マクドナルド、ロシアの全850店舗を一時閉鎖−ウクライナの100店舗も 日本株ADR11日、売り優勢 トヨタやソニーGが下落 2022/03/12 06:25 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川上純平】11日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は売り優勢だった。 日米の株式相場が下落し、日本株ADRも売られた。トヨタとソニーGの下げが目立った。 三井住友FGと三菱UFJは上昇した。 AD3853円 米国債券10年利回り1.997%、(-0.012) 米FRB、3年ぶり利上げへ 円安に拍車も−今週の市場 2022/03/13 04:00 日経速報ニュース 株、重要イベント多く乱高下 今週の株式相場も値動きの荒い展開か。ウクライナ情勢が混迷を深めるなか、米連邦公開市場委員会(FOMC)や日銀の金融 政策決定会合などのイベントが続く。原油価格も高止まりしており、世界経済の減速を警戒した投資家の売却が続く可能性がある。 先週はロシアとウクライナの戦闘の長期化や、原油価格の急騰を受けて株価は下落した。原油価格が反落すると一時的に株価 が急反発するなど値動きは荒い。欧州中央銀行(ECB)は量的緩和政策の縮小加速を決め、「ウクライナ情勢を受けても正常化を 緩めない、という姿勢を市場は悪材料として受け止めた」(ピクテ投信投資顧問の松元浩運用商品本部シニア・フェロー)。 15〜16日のFOMCでも、ウクライナ問題や商品市況の上昇がどう政策に影響するかが注目される。 今回の会合では0.25%の利上げが市場予想として固まりつつある一方、開始後の利上げペースや、量的引き締めがいつ始まるの かは不透明だ。パウエル議長の発言や参加者の政策金利見通し(ドットチャート)への注目が高そうだ。 16日には、デフォルト(債務不履行)懸念が高まる外貨建てのロシア国債の利払い日を迎える。東海東京調査センターの平川昇二 チーフグローバルストラテジストは「すでに織り込みつつあるが、ロシア向け与信が多い欧州の銀行の損失への警戒が強まるほか、 ロシアの資産をめぐり新たな問題が急浮上する可能性がある」とみる。 長期の金利見通しが注目点 米国債の利回りは上昇(価格は下落)しそうだ。米連邦準備理事会(FRB)は16日まで開くFOMCで、約3年ぶりに政策金利を引 き上げる見込み。債券の流通市場に波及し、利回りを押し上げる公算が大きい。 今回のFOMCでは参加者による経済予測も公表される。インフレ高進を受けて「2.5%だった長期の政策金利見通し(ロンガーラン) の中央値が上振れする可能性がある」(野村証券の小清水直和シニア・金利ストラテジスト)という。長期金利の指標となる10年物 国債利回りは2%前後で推移する場面が増えそうだ。 日本の長期金利は方向感に乏しそうだ。日銀は18日まで開く決定会合で緩和的な政策を維持する見込み。財務省による大規模 な利付債入札も予定されておらず「金利が上昇しても押し目買いが入り、下値の堅い相場となりそう」(岡三証券の鈴木誠債券シニ ア・ストラテジスト)との見方がある。 円安圧力強く 外国為替市場で円は対ドルで下落しそうだ。FRBは利上げに踏み切る見通しで、日米金利差の拡大から円売り・ドル買いが見込 まれる。またウクライナ情勢を巡って資源価格が高騰している。経常収支の赤字傾向が続くとの見方も円安の圧力となっている。 財務省は16日に2月の貿易統計を発表する。ロシアやウクライナからエネルギーや食料の供給が制約され、幅広い国際商品の 価格が上昇している。輸入依存度の高い日本の貿易赤字額は膨らみ、実需の円売りが続く公算は大きい。 円は対ユーロで一進一退の展開となりそうだ。欧州中央銀行(ECB)はインフレを受けて量的緩和の縮小ペースを加速させると 決めた。緩和的な政策を続ける日銀との差は円売り・ユーロ買い材料だ。一方、地政学リスクによって積極的にユーロを買う動きは 広がっておらず、円相場の支えとなりやすい。 原油、産油国の動向焦点 原油相場は高値圏が続くとみられる。先週は米国と英国のロシア産原油などの輸入禁止、石油輸出国機構(OPEC)加盟国によ る増産の思惑浮上などで相場が揺れ動いた。 今週もウクライナ情勢に関連した動きに左右されそうだ。個別材料では米エネルギー情報局(EIA)が米国のシェールに関する月 次リポートを発表する。シェールの生産量などから、米国の増産余地が占えそうだ。 FRBはFOMCを開く。パウエル議長は2日に0・25%の利上げに踏み切る考えを表明している。楽天証券の吉田哲コモディティアナ リストは「利上げは織り込み済み。むしろウクライナ情勢への認識をどう示すかが注目される」と話す。 ロシアとウクライナは小麦やトウモロコシの主要な輸出国だ。ウクライナ危機が緩和しなければ、穀物相場は上昇圧力が続く公算 が大きい。 SMBC日興社内の審査、機能せず、幹部の相場操縦事件、法人の起訴視野、副社長の認識も焦点。 2022/03/13 日本経済新聞 朝刊 SMBC日興証券幹部らによる相場操縦事件は、証券市場の公正を担うべき大手証券会社のずさんな管理実態を浮き彫りに した。不審な取引として社内で警告が出ていたにもかかわらず、チェック機能が働かなかった。東京地検特捜部は同社の起訴も 視野に、副社長から任意で事情を聴くなど、法人の責任を重点的に捜査している。 相場操縦が疑われているのは、同社が大株主から保有株を引き取って投資家に転売する「ブロックオファー」取引に絡み、20 19年12月〜20年11月に小糸製作所など5銘柄に出された大量の買い注文だ。 株価を不正に安定させたとして、特捜部は4日、エクイティ部長だった山田誠容疑者(44)ら幹部4人を金融商品取引法違反( 相場操縦)容疑で逮捕した。捜査で浮かんだのは同社のチェック体制の機能不全だ。 4人は株取引を扱う「エクイティ本部」所属で、その取引はコンプライアンス担当の「売買管理部」がコンピューターシステムで審 査する仕組みだった。 市場の「門番」とされる証券各社は公正さが疑われないよう、同様の体制を設けている。 関係者によると、SMBC日興の売買管理部は19年12月25日、小糸製作所株で問題の買い注文が出された際、システムの 警告で不審な取引を検知した。しかし担当者は山田容疑者に「不正な取引ではない」と説明され、十分確認しないまま審査を終 えた。 別の銘柄の取引でシステムが警告を発した際も担当者がエクイティ本部に指摘することはなかった。同社の近藤雄一郎社長は 5日の記者会見で「管理体制が十分でなかった可能性がある」として、審査の不備を認めた。 捜査では山田容疑者が一連の株取引について上司に報告していた音声や電子データなどの記録も見つかった。しかし上司が 取引を止めた形跡はなく、山田容疑者とともに不正取引をしたとして逮捕された。 刑事責任を問われる可能性があるのは幹部らにとどまらない。金商法の相場操縦罪には従業員が業務に関連して違法行為を した場合、法人に7億円以下の罰金を科す「両罰規定」があるためだ。 両罰規定の適用の可否は、問題の取引の「違法性」と「業務関連性」が認定されるかどうかで決まる。 関係者によると、逮捕された幹部4人は特捜部のこれまでの調べに「正当な業務の範囲内だった」などと容疑を否認している。 「違法性」を巡る攻防は幹部と特捜部の間でなお続く見通しだ。 「業務関連性」は認められる可能性が高い。 同社のブロックオファー取引は大株主が実施するコンペなどで受注し、不正取引が疑われる一連の銘柄で10億円以上の転売 益が出た。大量の買い注文は同社の資金が元手で、業務との関連は深い。 両罰規定で法人が起訴されても無罪となる例はある。同志社大の川崎友巳教授(刑法)によると、法人側が犯罪を防ぐために 必要な措置を取っていたことの立証が求められるという。 川崎教授は「捜査機関は実務上、法人側の反論に備え、法人の体制も調べる。今回は売買の審査が十分に機能したかなども 捜査対象となるだろう」と指摘する。 特捜部は既に、エクイティ本部の業務を統括する同社副社長から任意で事情を聴いた。調べに「取引結果の報告は受けていた が、違法性の認識はなかった」と説明したという。 取引を巡る経緯とともに、同社のガバナンス(統治)が捜査の焦点となっている。 NY債券、長期債下落 10年債利回り2.13% FRBの金融引き締め見越し 2022/03/15 06:04 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=張間正義】14日のニューヨーク債券市場で長期債相場は大幅に下落した。長期金利の指標である 表面利率1.875%の10年物国債利回りは前週末比0.14%高い(価格は安い)2.13%で終えた。米連邦準備理事会(FR B)の利上げ観測やインフレ懸念を受け、幅広い年限の米国債に売りが膨らんだ。長期金利は一時2.14%と、2019年7月 以来の高水準を付けた。 FRBは15〜16日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で18年12月以来の利上げを決める。同時に公表する委員ら の金利見通し(ドットチャート)では、22年の利上げ回数が前回(昨年12月)の予想から引き上げられるとの見方が多い。 金融引き締めの加速を意識した債券売りが出た。 中国では新型コロナウイルスの感染拡大を受け、都市封鎖(ロックダウン)が広がっている、サプライチェーン(供給網) の一段の混乱に伴うインフレ懸念の高まりも債券売りにつながった。 ニューヨーク連銀が14日発表した2月の家計調査によると、1年先の期待インフレ率は6.0%と1月(5.8%)から上昇。 同調査開始以来、最高だった昨年11月と同水準に上昇した。米国民の間でインフレ懸念が強まっているとの見方に つながった。 今週は米企業による社債発行が相次ぎ、これに絡むヘッジ目的の米国債売りが出たとの見方もあった。 金融政策の影響を受けやすい2年債の利回りは上昇し、前週末比0.11%高い1.86%で終えた。19年8月以来の水準 に上昇した。5年債利回りも0.15%高い2.09%で終えた。5年債利回りが2%を超えたのは19年5月以来。 一覧に戻る 日本株ADR14日、買い優勢 メガバンクと野村が大幅高 2022/03/15 05:17 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=古江敦子】14日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は買い優勢だった。 同日の日本株が上昇した流れを引き継いだ。三井住友FGとみずほFG、三菱UFJが3%上昇した。 野村とトヨタは2%高で終えた。一方、ソニーGは下落した。 AD3987円 米国債券10年利回り2.136%、(+0.130) 2022年03月15日09時08分 三菱UFJ、第一生命HDなど堅調、米長期金利が2.1%台まで急上昇 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>などメガバンクや第一生命 ホールディングス<8750>など大手生保株が買い優勢の展開となっている。FOMCの結果発表をあすに控えるが FRBは0.25%の利上げを決定することがほぼ確実視されている。 また、量的引き締めによるバランスシート縮小に向けた動きについても市場コンセンサスよりもピッチが速まる 可能性があり、こうした流れを背景に米長期金利の上昇が鮮明となってきた。前日は米10年債利回りが大幅 に上昇し、一気に2.1%台まで水準を切り上げてきた。これを背景に米国株市場では大手金融株が買われて おり、東京市場でも米国事業における運用環境改善を好感した買いがメガバンクや生保株に流入している。 三井住友FG − 【四季報先取り】三井住友FG 詳細 【堅 調】海外軸に資金利益伸長。役務は投信販売や貸出関連が復調。債券損益後退でも株売却益。与信費用減り経常増益。 23年3月期は国内貸出残高停滞だが、海外は伸長。利ザヤも改善。役務は法人向け軸に増。与信費用は横ばいでも経常益堅調増。 【連 携】NTTデータ子会社とマンション管理向けDXサービス開発。インド、ベトナムは出資先軸に周辺ビジネスを深掘り。 <東証>銀行株が高い 三菱UFJは3%高、米長期金利の上昇で 2022/03/17 12:42 日経速報ニュース (12時40分、コード8306)銀行株が軒並み上昇している。三菱UFJは7日続伸し、前場には前日比23円(3.1%)高の763円を つけた。後場も高い。前日の米債券市場で長期金利が一時2.24%と2019年5月以来の高水準となった。利ざや改善の思惑 から買いが入っている。銀行株ではみずほFG(8411)や三井住友FG(8316)も堅調に推移している。 15〜16日に開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)の後に示された政策金利見通しは22年に0.25%の利上げを7回する と見込んでいた。昨年12月に示した見通しの年3回から増えたものの、利上げペースがより明確になったとの見方がある 。ミョウジョウ・アセット・マネジメントの菊池真代表取締役は「今後は米連邦準備理事会(FRB)が継続的に利上げをしてい くことで、米金利の低下余地が少なくなったのが銀行株の支えになっている」とみていた。 2022/03/15 19:55 三井住友FG(8316) 米系大手証券、レーティング強気継続。目標株価引き下げ、4,800円。 米系大手証券が3月15日、三井住友フィナンシャルグループ<8316>のレーティングを強気(Overweight)に据え置いた。 一方、目標株価は5,400円から4,800円に引き下げた。因みに前日(3月14日)時点のレーティングコンセンサスは4.3 (アナリスト数10人)で「やや強気」の水準、目標株価コンセンサスは5,053円(アナリスト数10人)となっている。 2022-03-16 モルガンS Overweight継続 5400円 → 4800円 日本株ADR17日、やや売り優勢 キヤノンやみずほFGが安い 2022/03/18 05:22 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川上純平】17日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)はやや売りが優勢だった。 前日に全面高となり、大きく上昇していたことから反動の売りが出やすかった。キヤノンが1%下落したほか、 みずほFGとオリックスが下げた。半面、ソニーGと野村は上昇した。 AD4091円 米国債券10年利回り2.167%、(-0.020) ロシアにおけるSMBCグループの現状 https://www.smfg.co.jp/investor/financial/latest_statement/2022_3/20220316_pre_russia.pdf ? ロシア向けエクスポージャー*1は、グループ全体の0.3%未満(22/1末:37億ドル、21/9末:41億ドル) ? 与信費用増加や航空機リースへの影響が想定されるが、21年度通期業績予想6,700億円は不 日本株ADR18日、やや買い優勢 ソニーGやオリックスが上昇 2022/03/19 05:20 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川上純平】18日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)はやや買いが優勢だった。 日米の株式相場が上昇し、日本株ADRも買われやすかった。ソニーGやオリックス、キヤノンが上昇した。 三菱UFJと野村は下落した。 AD4104円 米国債券10年利回り2.153%、(-0.039) 三井住友銀、ベトナム銀と提携解消。 2022/03/19 日本経済新聞 朝刊 三井住友銀行は18日、ベトナムのエグジムバンクと戦略提携を解消すると発表した。2007年に15%を出資し提携関係に あったが、「事業環境の変化を踏まえ、双方の合意のもと提携を解消する運びとなった」(三井住友銀)という。 両行はベトナムでの個人向け金融や日系企業への融資、貿易金融の提供などを目的に07年に戦略提携を結んだ。だが経 営方針を巡り株主間で意見の相違があり、当初想定していた相乗効果が得られなかったとみられる。出資する株式の扱いは 検討しているが、現時点で決まった事実はないとしている。 ベトナムでは21年にグループの消費者金融が最大1500億円を投じ、ノンバンク大手のFEクレジット株を49%取得している。 三井住友銀はFEクレジットなどを通じて「引き続きベトナムにおける成長戦略をより一層強化する」とコメントしている。 別の5銘柄も相場操縦か、東京地検、SMBC日興幹部を追及へ。 2022/03/19 日本経済新聞 朝刊 SMBC日興証券幹部らによる相場操縦事件で、元エクイティ部長の山田誠容疑者(44)=金融商品取引法違反容疑で 逮捕=らが逮捕容疑の5銘柄とは別の5社の株についても、市場で不正に買い支えを図る注文を出した疑いが強まったとし て、東京地検特捜部は18日、同法違反(相場操縦)容疑で刑事責任を追及する方針を固めた。複数の関係者への取材で 分かった。 山田容疑者ら4人はSMBC日興が大株主から保有株をいったん引き取って投資家に転売する「ブロックオファー」取引に 絡み2019年12月〜20年11月に取引の対象だった小糸製作所など5社の株価を不正に安定させた疑いが持たれている。 関係者の話によると、SMBC日興が19年ごろからブロックオファーを実施した十数社の銘柄について、証券取引等監視委 員会などは売買記録などを通じ、取引の成立日に同社の資金による市場での買い注文があったことを確認していた。 このうち逮捕容疑となった5銘柄は、大量の買い注文が市場の閉まる「大引け」間際に出されるなど、意図的な株価操作が 疑われる内容だった。 その後の特捜部の調べで、20年以降にブロックオファーが成立した東証1部上場企業5社の株についても、大引けの直前 に大量の買い注文が出されていた経緯が判明したという。 特捜部と監視委は取引記録を分析し、山田容疑者らが故意に新たな5銘柄の価格を操作した疑いが強いと判断したとみられる。 自社の資金で株を売買するエクイティ部の部長だった山田容疑者は、ブロックオファーで大株主への営業を担当していた部 門との間で、大株主の売却希望価格や買い注文を出す手順などに関する情報を共有。一連の経緯を専務執行役員のヒル・ トレボー・アロン容疑者(51)=同=らに報告していたという。 やり取りを記録した社内の通話やメールは、既に特捜部が入手。新たに相場操縦の疑いが浮上した5銘柄についても同様 の記録を入手しているもようだ。 特捜部はエクイティ部を統括する「エクイティ本部」内で、ブロックオファーを成立させるための株価の買い支えが常態化して いた可能性があるとみて捜査を進めている。 特捜部は4人の認否を明らかにしていないが、関係者によると、これまでの調べに対し、4人は「正当な業務の範囲内で違 法性の認識はなかった」などと容疑を否認している。 エクイティ本部の業務を統括していた同社の副社長も、特捜部の任意の事情聴取に「取引結果は報告を受けていたが、違 法性の認識はなかった」と説明しているという。 日本株ADR21日、高安まちまち 三菱UFJが上昇 ソニーGは下落 2022/03/22 05:13 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川内資子】21日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は高安まちまちだった。 三菱UFJが買われ、三井住友FGやオリックス、武田も上げた。一方、ソニーGと野村、ホンダは下落した。 AD4128円 米国債券10年利回り2.297%、(+0.149) 日本株ADR22日、買い優勢 三菱UFJとオリックスが大幅高 2022/03/23 05:05 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=古江敦子】22日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は買い優勢だった。 同日の日米株式相場がともに上昇し、日本株ADRにも買いが広がった。三菱UFJが4%上昇し、オリックスは3%上げた。 ソニーGと三井住友FG、ホンダも高い。一方、武田とキヤノンは下げた。 AD4215円 米国債券10年利回り2.386%、(+0.069) 米国株、ダウ反発し254ドル高 金融や消費関連に買い ナスダックも反発 2022/03/23 05:30 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=戸部実華】22日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比254ドル47セント(0.7%)高の 3万4807ドル46セントで終えた。利上げ加速の観測から米長期金利が上昇し、金融株の追い風になった。前日夕に市場予 想を上回る決算を発表したスポーツ用品のナイキが買われ、他の消費関連銘柄にも買いが波及した。 長期金利は一時前日比0.10%高い2.39%と、2019年5月以来の高水準を付けた。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル 議長が前日、通常の倍の0.5%の利上げの可能性を示唆し、インフレ抑制へ金融引き締めを積極的に進めるとの見方が強 まった。金利が上昇すれば利ざや改善が見込める金融株が買われ、JPモルガン・チェースは2%高で終えた。 決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったナイキは2%上げた。ナイキの決算を受け「高インフレが続く環境でも個人 消費は堅調」(ボケ・キャピタル・パートナーズのキム・フォレスト氏)との見方が出た。クレジットカードのアメリカン・エキスプ レスや映画・娯楽のウォルト・ディズニーなど、他の消費関連株も買われた。 小型機「737MAX」の増産が好感された航空機のボーイングは3%高で終えた。長期金利上昇でも高PER(株価収益率) 銘柄への買いは衰えず、顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムやスマートフォンのアップルが高い。 半面、米原油先物相場が反落し、石油のシェブロンが安い。資源相場に連動しやすい建機のキャタピラーも下げた。 ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も反発し、前日比270.357ポイント(2.0%)高の1万4108.817で終えた。 検索サイトのアルファベットやネット通販のアマゾン・ドット・コムが高い。電気自動車のテスラは8%高となった。 SMBC日興を起訴へ、相場操縦罪で地検、監視委、近く告発。 2022/03/23 日本経済新聞 朝刊 SMBC日興証券幹部らによる相場操縦事件で東京地検特捜部は22日、法人としての同社を金融商品取引法違反 (相場操縦)の罪で起訴する方針を固めた。複数の関係者の話で分かった。証券取引等監視委員会が近く同容疑で 告発するのを待って刑事処分に踏み切る。 違法な株取引が業務に関連して繰り返され、不正を防ぐ管理体制も不十分だったとして法人の責任は免れないと判 断。事件は市場の公正を担う大手証券会社が、金商法で最も重い刑罰を科された罪に問われる事態に発展する見通 しとなった。 自社の資金で株取引を行う部署の部長だった山田誠容疑者(44)=同容疑で逮捕=ら4人は、SMBC日興が大株 主から保有株を引き取って投資家に転売する「ブロックオファー」に絡み、2019年12月〜20年11月に取引対象だ った5社の株価を不正に安定させた疑いが持たれている。 円、全面安に 「黒田ライン」125円は通過点か 2022/03/23 12:33 日経速報ニュース 外国為替市場で円が主要通貨に対して「全面安」の傾向を強めている。対ドルでは23日、一時1ドル=121円41銭近辺まで 売られ2016年2月以来、約6年ぶりの安値を付けた。ユーロや英ポンド、豪ドルなどに対しても下落している。インフレ抑制へ 世界の各中央銀行が金融引き締めへ向かうなかで、緩和を継続する日銀の姿勢が顕著になっているからだ。日銀の黒田東 彦総裁が15年に円安をけん制したとされ「黒田ライン」と呼ばれる1ドル=125円は通過点との見方が広がりつつある。 パウエル議長をはじめ米連邦準備理事会(FRB)の関係者が相次ぎ、インフレを抑えるために利上げを急ぐ必要性に言及し ている。英イングランド銀行(中銀)はすでに3回目の利上げに踏み切り、欧州中央銀行(ECB)は量的緩和の縮小加速を決め ている。 内外金利差の拡大から円売りが加速しており、市場で意識され始めているのが円の対ドル相場を巡る「黒田ライン」だ。黒田 氏は円が124円台にあった15年6月に国会で「ここからさらに実質実効為替レートが円安に振れていくことは、普通に考えると なかなかありそうにない」と発言した。「日銀総裁の円安けん制」と受け止めた市場では急速に円の買い戻しが入り、それ以降 、125円という水準が1つの節目となっている。 「意識はされても、そこが下値になるかどうかは難しい」(外為オンラインの佐藤正和氏)との声もある。佐藤氏は「いったん けん制の発言があっても、125円台まで下落し、その後さらに売りが加速することもありうる」とみる。黒田氏は18日の記者会 見で為替政策について「日銀がとる必要もないし、権限もない」と述べており、今回の円安局面でけん制発言をするかどうかも 分からない状況だ。 当時に比べ、今はロシアによるウクライナ侵攻で緊迫していてもリスク回避の円買いは入りにくくなっている。外為オンライン の佐藤氏は「相対的に円の信認が落ちている」と語る。 楽天証券の荒地潤氏は「日本と各国の金利差を考えると、円は積極的に買いにくくなっている」と話す。エネルギー輸入国 の日本は、原油価格などが上昇する中で「輸入のためにドルが必要というのを見透かされている」(同)という。 原油など資源価格の上昇で貿易収支は赤字が続いており、この点からも円には売りが出ている。心理的な節目になってい ても125円は強力な下値支持水準にはならなそうだ。 BRIEF-SMBC日興:関係当局の捜査や調査に誠実に対応し、信頼回復に全社を挙げて取り組む [東京 23日 ロイター] - * SMBC日興:監視委の告発を重く受け止めている * SMBC日興:関係当局の捜査や調査に誠実に対応し、信頼回復に全社をあげて取り組む 邦銀の海外投融資、岐路に 米利上げリスクが顕在化 2022/03/23 19:30 日経速報ニュース 超低金利下で拡大してきた邦銀の海外投融資が岐路を迎えている。日銀が23日発表した国際決済銀行(BIS)の統計によると、 邦銀の国際与信残高は2021年末に4.9兆ドル(約593兆円)と2四半期連続で拡大した。一方、米利上げの影響で米国債の運用 環境は悪化。ドルの調達コストも上昇基調にあり、運用の難度が高まっている。 BISは各国の国際与信(最終リスクベース)を四半期ごとにまとめており、邦銀については日銀が集計する。海外向け貸し出しの ほか、外国債や社債、株式などの証券投資を対象としている。集計には邦銀の海外支店から海外顧客への貸し出しも含む。 邦銀の余剰資本が米国に流れる構図が鮮明になっている。米国に対する与信残高は21年12月末に2兆1042億ドルと、前回調 査の9月末から416億ドル増えた。欧州は1兆712億ドルで26億ドル減少し、発展途上国は5894億ドルで49億ドル増えた。 マイナス金利政策の長期化で国債の利回りが低位で推移する中、邦銀は米国の国債や証券化商品に資金を傾けてきた。新型 コロナウイルス禍による消費の停滞で邦銀が抱える預金量は増加が続いており、余剰資金を外貨建て資産に振り向ける傾向が 一段と強まっている。 もっとも、資金の「逃避先」となっていた米国も、米連邦準備理事会(FRB)の利上げで先行きの不透明感が高まっている。 FRBは3月中旬に新型コロナ流行後初の利上げを実施し、市場では利上げ加速の観測も強まっている。こうした見通しから、金融 政策を反映しやすい米2年物国債利回りと、景気動向に左右されやすい10年債利回りで比べた長短金利差は20年3月以来の水準 まで縮小。足元では長期金利の利回りが短期金利の利回りを下回る「逆イールド」も視野に入ってきた。 銀行は通常、債券と現金を一定期間交換する「レポ取引」などを通じて短期の資金を調達し、長期の国債などで資金を運用する。 邦銀が海外投融資を増やしてきた21年と比べると、22年に入ってからはイールドカーブ(利回り曲線)が急速に平たん化している。 バークレイズ証券の山川哲史氏は「景気悪化懸念が強まれば、逆イールドになる可能性に加えて資金需要も弱まり、邦銀の対外 投融資は難しくなる」と指摘する。 利上げは邦銀が抱える外国債券にも影響する。金利が上昇(債券価格は下落)すれば、邦銀が保有する債券の評価損が膨らむ ためだ。実際、3メャKバンクが有すb驫O国債券の投試荘ケ益は米長期給燉�フ上昇を受bッて、21年12月末鮪椏_でそろっbト含み損に転 落した。 ロシアのウクライナ侵攻も邦銀の海外投融資に暗い影を落とす。資金調達のストレスを測る代表的指標である、ドルの金利先渡 し契約(FRA)と翌日物金利スワップ(OIS)のスプレッドは、コロナ流行直後の20年4月以来の水準まで上昇している。 日銀によると、21年3月末時点で大手行の外貨建て資産は貸出金が5割を占める一方、負債における預金の割合は4割程度 にとどまる。預金でまかなえない資金は原則として市場から調達する必要があり、米利上げに伴うドル調達コストの上昇は逆風 になる。 メガバンク幹部は「この一年は相当厳しい運用環境が続く」と語る。市場は利上げペースの加速に警戒を強めており、邦銀の 運用部門は難しいかじ取りが迫られている。 SMBC日興、監視委の告発「重く受け止め」 コメント発表 2022/03/23 17:51 日経速報ニュース 証券取引等監視委員会は23日、金融商品取引法違反(相場操縦)の疑いで法人としてのSMBC日興証券と同社幹部7人を 東京地検に告発した。告発を受けてSMBC日興証券は「重く受け止めている。お客さまをはじめ関係者の方々にご迷惑、ご心 配をおかけしていることを心よりおわび申し上げるとともに、関係当局の捜査や調査に誠実に対応し、信頼回復に向け全社を あげて取り組む」とのコメントを発表した。 日本株ADR23日、売り優勢 三菱UFJやオリックスが下落 2022/03/24 05:08 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=戸部実華】23日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は売りが優勢だった。 米株式相場が下落し、日本株ADRも売られやすかった。三菱UFJが2%ほど下げ、オリックスやソニーG、 みずほFGも下落した。一方、トヨタや野村は上昇した。 AD4179円 米国債券10年利回り2.295%、(-0.082) 日本株に「クジラ買い」観測――大学ファンド、運用開始か(スクランブル) 2022/03/10 日本経済新聞 朝刊 株式市場で「クジラ買い」の観測が出ている。クジラは、年度内に運用を始める予定の「大学ファンド」のことだ。実際、9日は組み 入れ対象になってもおかしくない主力大型株が堅調だった。約2週間が経過したロシアのウクライナ侵攻に終息の兆しはみえず、 市場は悲観一色。市場の観測が事実なら、クジラは何を考えているのか。 「まとまった買いが大型株を中心に入ってきていますね」。9日午前、ある証券会社のトレーダーはこう話していた。 トヨタ自動車、コマツ、日立製作所……。午後に入ると相場はだれて日経平均株価は小幅安で取引を終えたが、朝方は大型株が 軒並み3%を超える上昇で始まっていた。 誰が買っているのか。真偽は不明ながら、噂された買い手は岸田文雄政権が目玉政策と位置づける大学ファンドだ。 当初は約5兆円でスタートし、最終的に10兆円まで規模を引き上げる。年度内に運用を始める計画だが、これまで市場でその名 が取り沙汰されたことはほぼなかった。 野村証券は「四半期の買い規模が1・5兆〜2兆円になってもおかしくない」と分析。「大学ファンドはMSCIの世界株価指数(AC WI)をベンチマークとした運用会社の選考を実施した。購入対象は大型株が中心になるだろう」。野村の池田雄之輔氏はいう。 9日上昇が目立ったのもMSCI ACWIの構成比率が高い大型株。市場観測はあながち外れていないかもしれない。 思い出されるのは「元祖クジラ」の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)だ。2012年に11%だった日本株比率を17年に 25%まで引き上げたGPIFは、株価を大きく押し上げた。 ただ大学ファンドにGPIF並みの株価押し上げを期待するのは行きすぎだ。大学ファンドの運用を担う科学技術振興機構の喜田昌 和運用業務担当理事は日経QUICKニュースのインタビューで「当初は平時よりは慎重に投資を開始する」と話し、最初は外債が中 心の運用になるとした。 ロシアのウクライナ侵攻で、市場環境は一変した。8日にバイデン米大統領はロシア産原油禁輸の制裁を発表。原油高騰を受け 、市場では物価上昇と景気後退が同時進行する世界経済のスタグフレーションがメーンシナリオに浮上しつつある。 その場合に日本株はどうなるのか。野村証券のシナリオ予測ではロシア産原油の供給がゼロになった場合は原油価格が1バレル 160ドルに上昇し、日経平均は2万2000円まで調整するという。 運用で重要なのは買い始めるタイミング。日経平均3万円台の局面で投資を始めるよりも、結果的に良かったということになるかも しれない。 「クジラ買い」には、市場が期待するもうひとつの効果がある。 「大学ファンドは岸田政権の『新しい資本主義』がはじめて具体化する政策。岸田首相が市場に関心を持つきっかけになればいい のだが」。証券関係者はいう。大学ファンドが日本株を押し上げる契機になりえる、もうひとつの理由である。 岸田流官製相場に向け「大学ファンド」が大荒れのなか船出 運用規模は10兆円 公開日:2022/03/24 06:00 更新日:2022/03/24 06:00 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/302919 株式市場に新たな「買い手」が登場する。岸田文雄政権が「新しい資本主義」の目玉政策のひとつとして創設した官製ファンド 「大学ファンド」──だ。新型コロナ禍に、ロシアによるウクライナ侵攻などが重なり、市場が大荒れの中、船出する。 大学ファンドは世界トップレベルの研究力を目指す大学を資金面で支援するのが目的。運用規模は10兆円で、1.1兆円の政府 出資と財政投融資からの8.9兆円の資金調達で賄う。今年度末から投資を開始し、22年度中に資金投入を完了する計画だ。 資金運用の規模では、約200兆円と世界最大級の運用資産を誇り、「クジラ」とも称されるGPIF(年金積立金管理運用独立行政 法人)におよぶべくもないが、何しろピカピカの新設ファンド。10兆円のそのすべてがいわば「買い」に回ることになり、「株価押し上 げ効果は少なくない」と市場関係者は期待をかける。 運用を担うのは科学技術振興機構(JST)で、運用目標は4.38%。GPIFの過去20年間の運用実績が3.64%であることを踏まえ るとかなりの高水準。 リスク管理上の参照ポートフォリオは一応、株式65%対債券35%とされているが、目標達成には「その多くを実際には株式での 運用に頼らざるを得ない」(証券大手幹部)とみられ、その点も市場筋の期待を集めるゆえんだ。 投資対象として想定されているのは「高配当の大型株」(機関投資家筋)だ。予想配当利回りが5.68%の三井住友フィナンシャル グループや同5.99%のソフトバンクなど日経平均に比べ高利回りの多い銀行株や通信キャリアー株などの銘柄が取り沙汰されてい る。 もっともすべての資金が日本株に向かうとは限らない。金融関係者の間では「高いリターンを狙うのなら投資の中心は海外株に なる」といった悲観論もちらほら。「有事の今は平時より慎重にならざるを得ず、最初は米国債など外債中心になる」との予測も囁か れる。 運用の成果が実際に大学側に還元されるのは24年度から。文部科学省が認定する「国際卓越研究大学」や優秀な博士課程の 学生に年3000億円を上限に拠出する。ただ選定条件は厳しく、支援を受けられる大学は「年に数校にとどまる」との見方がもっぱらだ。 日本株ADR24日、ほぼ全面高 ソニーGとトヨタの上げ目立つ 2022/03/25 05:09 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=張間正義】24日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)はほぼ全面高だった。 同日の米株式相場が上昇し、日本株ADRにも買いが入った。ソニーGとトヨタが3%上昇した。キヤノンとオリックスも高い。 一方、武田は小幅に下落した。 AD4227円 米国債券10年利回り2.370%、(+0.049) SMBC日興を起訴、相場操縦罪、大手証券で初、副社長逮捕、公正な価格形成阻害。 2022/03/25 日本経済新聞 朝刊 SMBC日興証券幹部らによる相場操縦(3面きょうのことば)事件で、東京地検特捜部は24日、法人としてのSMBC日興と 幹部5人を金融商品取引法違反の罪で起訴するとともに、副社長の佐藤俊弘容疑者(59)を同法違反容疑で逮捕した。大手 証券会社が相場操縦罪に問われるのは初めて。今後、金融当局が行政処分も視野に調査を進めるほか、経営トップの進退問 題に波及する可能性もある。近藤雄一郎社長は同日夜、記者会見し陳謝した。(関連記事3面、社長会見一問一答を9面に) 金商法は市場での公正な価格形成の阻害が一般投資家の不利益につながるとして、相場操縦に最も重い刑罰を科している。 売買注文を取り次ぐ証券会社が特定の株主や自社の利益を優先させれば、日本の証券市場に対する国内外の信頼も大きく失 墜させかねない。 特捜部は違法な株取引が組織的に繰り返され、不正を防ぐ管理体制も不十分だったとみて、金商法の「両罰規定」による法人 の刑事責任追及に踏み切った。 近藤社長は24日夜の会見で「市場の信頼を著しく揺るがし、重大な事態を起こしたことを深くおわびする」と謝罪。社内の調査 委員会による調査を踏まえ、自らを含め「厳正なる人事処分を行う」と説明した。進退については「信頼回復に努めていくのが果 たすべき責任だ」と述べるにとどめた。 SMBC日興のほかに起訴されたのは、専務執行役員のヒル・トレボー・アロン被告(51)や執行役員のアヴァキャンツ・アレク サンドル被告(44)と杉野輝也被告(57)、元部長の山田誠被告(44)と岡崎真一郎被告(56)。 起訴状によると、2019年12月から20年11月にかけ、SMBC日興が大株主から引き取った株式を投資家に転売する「ブロック オファー」を巡り、小糸製作所やモスフードサービスなど5社の株価を安定させる目的で不正に買い支えを図る注文を出したとされる。 佐藤容疑者の容疑は21年4月、山田被告らと共謀して大正製薬ホールディングスの株価を安定させた疑い。同容疑者は1987 年に現在の三井住友銀行に入行。主に市場部門を経て19年5月からSMBC日興へ転じた。 これまでの調べにヒル被告や山田被告らは「正当な業務の範囲内だった」と否認。佐藤容疑者は「報告を受けていたが、違法性 の認識はなかった」と説明していた。 金融庁は業務改善命令などの行政処分を出すか判断する。親会社の三井住友フィナンシャルグループの責任の程度も調べる見 通し。証券会社による過去の相場操縦事件では、08年に起訴された地場証券の丸八証券(名古屋市)が3日間の全業務停止命 令を受けた。 法人の責任免れず、グループではなく当社の問題、SMBC日興社長会見一問一答。 2022/03/25 日本経済新聞 朝刊 金融商品取引法違反(相場操縦)の罪で東京地検特捜部から起訴されたSMBC日興証券は24日、近藤雄一郎社長が出席 して記者会見を開いた。大手証券会社が相場操縦罪に問われるのは初めて。近藤氏は「日ごろからの信頼を裏切ることになっ た」と陳謝した。そのうえで「法人としての責任は免れない」とも述べた。主なやりとりは以下のとおり。 (1面参照) 近藤雄一郎社長「社内調査の結果によると、売買審査体制、その他内部体制に不備があった。内部管理体制上の不備があっ たことは否定できず、法人としての責任は免れない。重大な事態を引き起こしたことを深く反省している」 ――副社長が逮捕されたことをどう受け止めているか。 「非常に重く受け止めている」 ――自身の進退は。 「しっかりと事実を確認し、原因究明を行い、改善策を実行して信頼回復に努めることが私が果たすべき責任だと認識している。 調査委員会の客観的な調査報告も出てくると思うので、それを受けて当然のことながら私も含めて厳正なる人事処分を考えてい きたいと思っているところだ」 ――投資家が日興との取引を停止する動きも起きているが、業績への影響は。 「顧客から様々な厳しい意見も届いており、株券を引き出したいといった声も一部聞いている。業績への影響についてはこの場 ではコメントを差し控えたい」 ――副社長からブロックオファーについて報告を受けていなかったのか。 「一般に副社長とは経営会議などの場で報告は受けているが、本件について私は報告を受けていない」 ――持ち株会社である三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)の責任をどう考えているのか。 「SMFGの経営にも当然報告している。今回の疑義がかけられた事態にはじまり逮捕起訴の事態に関しても非常に重く受け止め ている。ただこれは当社で起きた事案で、当社の問題と認識している」 「当社としては適切な知見や能力、マネジメント力を総合的に勘案して人員を配置してきたつもりだが、このようなことになったこと は非常に反省している」 ――近藤社長は2020年に就任したが、内部管理やコンプライアンス体制が弱いという認識はあったのか。 「ビジネスの幅が拡大していく過程において、コンプライアンス体制、リスク管理体制を強化すべきと考えていた。今回このような事 態が起きたということに関しては、そのスピード感が私としても足りなかったと認識している」 SMBC日興起訴「管理体制不十分」 市場の信頼損ねる 2022/03/25 05:04 日経速報ニュース SMBC日興証券の幹部らによる相場操縦事件で、東京地検特捜部は24日、事件の舞台となったエクイティ本部を担当する 副社長を逮捕し、法人を起訴した。市場の担い手である証券会社が公正な価格形成をゆがめた罪は重い。収益化を急いだ 結果、不審な取引を監視する体制が不十分だった。経営陣の責任問題に発展するのは避けられない情勢だ。 米国では金融市場をゆがめる犯罪へは重罰が科される。2010年に米国株式相場が数分間で約1000ドル急落する原因をつ くったとされたトレーダーには、米当局は当初380年の量刑に相当すると主張していた。複数の当局が担当の範囲で不正がな いか目を光らせている。国民の資産形成に証券市場が大きく寄与しており、不正行為に厳罰で臨む姿勢を徹底している。 日本の金融商品取引法の相場操縦罪では、法人に対する罰則は7億円以下の罰金となっている。単純な比較はできないが 、金商法では最も刑罰が重い。それだけに市場の担い手である証券会社が相場操縦に関与した衝撃は大きい。 問題になったブロックオファーは企業の大株主から保有株を買い取り、特定日の終値をもとに投資家へ転売する取引だ。ブロ ックオファーの期間中に株価が下がりすぎると、企業から売り出しの注文を取り消される恐れがあるため、SMBC日興は自己売 買で対象銘柄を買い支えた。これが価格形成をゆがめ、相場操縦にあたるとされ、幹部らが逮捕された。 日本証券業協会は取引に関するルールを規定していない。ブロックオファーの対象銘柄を自己勘定で売買することも金商法で は明確に禁じられていない。 それでも各社は疑いの目を向けられないよう独自のルールを設けるのが一般的だ。ある大手ではブロックオファーの執行日に は対象銘柄の売買を禁じている。 SMBC日興はブロックオファーの執行日に自己売買を禁止するといった詳細なルールを定めていない。近藤雄一郎社長は24日 の記者会見で「内部管理体制が十分でなかった」と認めた。「疑義をかけられるような取引をしたことは、行動規範に照らし合わせ るとやるべきではなかった」とも述べた。 東京証券取引所による市場の再編を4月に控え、ブロックオファーの引き合いは増えていた。最上位のプライムに上場する企業 は、持ち合い株の解消などで流通する株式の比率を高める必要があり、大株主に保有株を売却してもらう動きが広がっているという。 逮捕された副社長は三井住友銀行の出身。金融庁は親会社の責任についても調べる見通しだ。子会社を管理する立場の三井 住友フィナンシャルグループ(FG)がSMBC日興の企業統治にどうにらみを利かせていたのかを検証する。近藤社長は三井住友F Gの責任について聞かれ、「SMBC日興の問題。SMBC日興としては適切な知見やノウハウ、マネジメント力を勘案して人員を配置 してきた」と話した。 SMBC日興は09年に三井住友FGに入ってから、近藤氏が社長に就くまで2代続けて銀行の元副頭取がトップを務めてきた。エク イティ本部のトップだったヒル被告を管理する副社長も2代連続で銀行の出身者だ。SMBC日興の元幹部は「エクイティ本部は外資 系金融の出身者が多く、銀行の出身者が管理しきれなかったのではないか」と振り返る。 別の元首脳は「銀行と証券とでは情報管理に対する感度が異なる。銀行のグループに入ったことで企業文化が変質してきたことも 今回の遠因ではないか」と指摘する。大和証券を抜き、野村証券に次ぐ2番手をめざそうと攻勢に出ていた時期には、銀行の立場を 利用して証券取引を迫る手法に疑いの目を向けられたこともある。 三井住友FGの21年3月期の純利益に占めるSMBC日興の割合は14%。銀行と証券会社の情報共有に制限を課す「ファイアウオー ル規制」の緩和が進み、銀行と証券の連携はかつてより深まっている。 今回の問題を受け、収益面への影響は避けられない状況だ。社債発行では昭和電工や北海道電力が主幹事をSMBC日興から 切り替えた。新規株式公開(IPO)など多方面で影響が顕在化する可能性がある。 【関連記事】 ・「信頼裏切ることになった」 SMBC日興・近藤社長 ・SMBC日興事件、なぜ会社も起訴されたか 今後の展開は ・SMBC日興証券を起訴 相場操縦は大手初、副社長も逮捕 <東証>三井住友FGが安い 傘下SMBC日興を起訴 2022/03/25 09:02 日経速報ニュース (9時、コード8316) 【材料】傘下のSMBC日興証券幹部らによる相場操縦事件で東京地検特捜部は24日、法人としてのSMBC日興 と幹部5人を金融商品取引法違反の罪で起訴した。金融庁は業務改善や業務停止命令などの行政処分を出すか 判断する。親会社である三井住友フィナンシャルグループの責任の程度も調べる見通し。 【株価】安く始まる。 SMBC日興、副社長・佐藤容疑者の担当を解任 2022/03/25 16:01 日経速報ニュース 三井住友フィナンシャルグループ(8316)傘下のSMBC日興証券は25日、金融商品取引法違反の疑いで逮捕された 副社長の佐藤俊弘容疑者について、グローバル・マーケッツ統括の担当を24日付で解任したと発表した。副社長執行 役員は継続となる。SMBC日興によると人事処分ではなく「逮捕を受けて、業務継続に必要な体制を取るため」という。 臨時代行者として社内の人材を後任に充てた。 三井住友FGは25日、同日付で佐藤容疑者が常務執行役員を退任したと発表した。 日本株ADR25日、売り優勢 トヨタやソニーGが下落 2022/03/26 05:17 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=戸部実華】25日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は売りが優勢だった。 トヨタやソニーG、オリックスが下落した。一方、三菱UFJと野村は上昇した。 AD4219円 米国債券10年利回り2.448%、(+0.147) SMBC日興、ブロックオファー傾斜 着実な収益を意識か 2022/03/27 05:00 日経速報ニュース SMBC日興証券の幹部による相場操縦事件は、エクイティ本部を担当する副社長の逮捕にまで発展した。疑惑の焦点となった 「ブロックオファー」は証券会社が日常的に手掛ける取引のひとつだが、必ずしも収益性が高いとはいえない。なぜリスクを冒して まで取引に傾斜していったのか。 株主の保有株を買い取って、投資家に幅広く転売するブロックオファーは証券会社が年に数十件引き受けている。「さほど大き なサヤを抜けるわけではないのに、なぜ危ない橋をわたってきたのだろうか」。別の証券会社で取引に携わる関係者は、金融商 品取引法違反で幹部5人が起訴されたSMBC日興に疑問を拭えないでいる。 証券会社によって「マーケティングオファー」「エクイティオファー」などと呼称が異なるように、業界で統一された手法や慣習があ るわけではない。まとまった株式を売りたい株主と取引に先立って契約を結び、数日後の終値から一定の乗数を引いて買い取る 「ディスカウント率」を事前に決めておく場合が多い。 決定にあたっては株式の流動性に加え、個人投資家の買いが入りやすいかなど複数の事情が考慮される。売り主が複数の証 券会社に条件を競わせることもあり、ディスカウント率はおおむね2〜4%が相場だという。 たとえば1株=1000円のA社株でディスカウント率を3%と決めた場合。3営業日後の取引実行時の終値が900円まで下がれば証 券会社は873円で買い取り、投資家に890円で転売できれば差額の17円分がもうけになる。一般的に証券会社の抜けるサヤは2 %前後だという。 取引にかかわる関係者は「(機関投資家に転売する)ブロックトレードなどに比べれば、うまみのあるビジネスとはいえない」と話す 。今月5日の記者会見でブロックオファーの収益性を問われたSMBC日興の近藤雄一郎社長は「トレーディング収益の5%程度」と 明かした。株式のトレーディング収益は2021年3月期に773億円だったので、単純計算で40億円前後となる。 不正に手を染めた動機はなお不明だが、ブロックオファー取引が成立すれば個人が手にするインセンティブ(報酬)に着目する関係 者もいる。 SMBC日興の市場部門に勤める40代の社員は、09年に三井住友フィナンシャルグループ(FG)の傘下に入る前の時代を知る中堅 だ。「グループ化されてから収益へのプレッシャーは確実に高まっている」という。市場部門は相場環境によって収益が大きくぶれや すい。ある関係者は「収益性が低くても、着実に案件を積み上げられる点に注目していたのではないか」と指摘する。 銀行と証券会社の情報共有に制約を課す「ファイアウオール規制」の緩和が進み、複数の機能を束ねて金融サービスの高度化を めざす流れは強まる一方だ。営業現場では日常的に顧客や案件を紹介しあっており、SMBC日興では売上高にあたる純営業収益の 約3割が銀行との連携によるものだという。 三井住友FGでは銀行と証券、信託が手掛けていた富裕層ビジネスをグループで一体化し、SMBC日興が主導する形にした。ネット を通じて銀行と証券の口座を同時に開設できるサービスも検討するなど連携を深めてきた。三井住友銀行で法人営業に携わる行員は 「今回の不正で表だって証券と連携しにくくなっている」と明かす。 副社長の逮捕を受けて24日夜に記者会見したSMBC日興の近藤社長は、三井住友FGの責任を問われても「当社の問題だ」と強調 したが、金融庁は親会社の監督責任にも厳しい目を向けている。 調査委員会を立ち上げたSMBC日興は、不正に走った個人の動機や背景にとどまらず、企業統治のあり方や不祥事を誘発した企業 風土の解明にもメスを入れる必要があるだろう。 2022/03/25 16:05 三井住友FG(8316) 日系大手証券、レーティング引き下げ、中立。目標株価引き下げ、4,500円。 日系大手証券が3月25日、三井住友フィナンシャルグループ<8316>のレーティングを強気(Overweight)から 中立(Neutral)に引き下げた。同様に、目標株価も5,000円から4,500円に引き下げた。 因みに前日(3月24日)時点のレーティングコンセンサスは4.3(アナリスト数10人)で「やや強気」の水準、目標 株価コンセンサスは4,993円(アナリスト数10人)となっている。 2022-03-28 三菱UFJMS Neautral格下げ 5000円 → 4500円 2022-03-28 三菱UFJMS Overweight → Neutral格下げ 5000円 → 4500円 8316 三井住友 配信日時 2022/03/28 13:37:00 配信時価格[円] 4,146 前日比 -27 詳細 続落。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は投資判断を「オーバーウェイト」から「ニュートラル」に格下げ、 目標株価も5000円から4500円に引き下げた。一連の相場操縦事案におけるSMBC日興証券の不確定要因が 高まっていることを格下げの背景としている。全体業績への影響は限定的とみていたが、今回の事案はグル ープ全体のガバナンス問題と捉えられる可能性もあり、ESGの観点で投資対象になりにくい状況が続くと指摘 している。《YN》【株式会社フィスコ】 日本株ADR28日 売り優勢、三井住友FGなど金融が安い 2022/03/29 05:18 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=横内理恵】28日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)には売りが優勢だった。 同日の日経平均株価が下落し、日本株のADRにも売りが波及した。三井住友FGや三菱UFJ、野村など金融が安い。 武田やソニーGも下げた。オリックスは上昇した。 AD4120円 米国債券10年利回り2.462%、(-0.031) ロシア債権、構えるメガ銀、融資や出資金1兆円、引当金、最大で数千億円。 2022/03/29 日本経済新聞 朝刊 3メガバンクがロシア向け債権の損失処理対応を迫られそうだ。融資や出資金などロシア向け与信の金額は約1兆円にのぼる。 融資先の多くは財務余力の高い企業だが、ロシアやルーブルの信用力が低下するなか、最大で合計数千億円に上る引当金の 計上を迫られるシナリオが浮上する。 「内部格付けで最上位になるようなピカピカ企業の信用リスクをどう見極めるか、難しい局面にある」。あるメガバンク首脳はロシ ア向け与信の扱いに頭を悩ませる。 邦銀では三菱UFJ銀行が2022年1月末時点で2700億円、三井住友銀行が同31億ドル(約3600億円)、みずほ銀行が21 年末時点で29億ドルのロシア向け与信残高を持つ。ロシアによる14年のクリミア侵攻以降、融資を控えておりグループ全体の 与信額に占めるロシア向けの割合はいずれも1%未満だが、合計すれば約1兆円になる。 収益に与える影響が大きくなりそうなのが、ロシアという国そのものに起因するリスクだ。仮に外貨交換のリスクが高いと判断 すれば、邦銀は特定の国・地域向け債権に対して「特定海外債権引当」と呼ぶ引当金の計上を迫られるからだ。 この引当金は特定の国の財政・経済状況や、外貨繰りなどに起因するリスクに対応する引当金で、格付け機関が算出するソブ リン債の格付けなどに応じて引当額が決まる。過去にはミャンマーやイランなどの政情不安に際して計上している。 米S&Pグローバルや米ムーディーズ・インベスターズ・サービスなどの格付け会社はロシアの発行体に対する信用格付けをす べて取り下げる方針。3メガバンクも社内格付けを見直しており、各行の特定海外債権引当金を含む与信費用は数百億円から 千数百億円規模に膨らむ可能性がある。 最大の焦点が、ロシア国債のデフォルト(債務不履行)の有無だ。ロシア側は国債償還をルーブルで行うと表明したが、格付け 会社がデフォルト認定すればメガバンクは特定海外債権引当金の積み増しが必要になる。ウクライナ情勢を発端に欧州経済への 打撃が深まれば、海外融資での貸倒引当金を積む必要も増す。 ロシアによる制裁への報復措置として、邦銀がロシア中銀に保有する資金が接収される懸念も出てきた。銀行の手元資金がな くなれば、企業からの引き出し要求などに対応できなくなる懸念も残る。あるメガバンク幹部は「とても銀行ビジネスを手掛けられる 状態ではなくなる」と警戒する。 一方、邦銀によるロシア向け与信の柱である個別企業の信用リスクは限定的だ。一定期間ごとに返済を受ける「タームローン」 などの外貨建て融資は「ロシア大手企業からは遅延なく支払いが続いている」(メガバンク首脳)。現地の日系企業への融資の場 合、日本の親会社の保証があり、貸し倒れの可能性は低い。 3メガバンクとも現時点でのロシア向け引当金を勘案しても22年3月期通期の業績予想は変えない姿勢を保つ。三菱UFJは21 年4〜12月期の純利益が通期目標の1兆500億円を上回っており、三井住友とみずほも通期予想に対する利益進捗率が9割 を超える。 「もともと保守的な見通しで、予想を下方修正するほどの事態に陥ることはない」(メガバンク幹部)という。今後個別企業のデフォ ルトが顕在化してくれば、23年3月期以降に与信費用が上乗せされる可能性は残る。 みずほFG、ロシア関連エクスポージャー28.7億ドル 21年12月末 https://jp.reuters.com/article/mizuho-russia-idJPKCN2LP0S9 [東京 28日 ロイター] - みずほフィナンシャルグループは28日、同社のロシア関連エクスポージャーが2021年12月末 現在で28.7億ドルになると公表した。全体のエクスポージャーに占める割合は0.2%。 ウクライナとベラルーシ向けのエクスポージャーはない。 みずほFGでは、足元のロシア・ウクライナにおける不透明な事業環境を踏まえ、22年3月期決算で貸倒引当金を適切に計 上するとしているが、公表済みの親会社株主純利益予想の5300億円に変更はない。 今後の情勢の変化を注視しつつ、適時適切に情報を開示するという。 2022年03月28日13時53分 三井住友---一時急落、SMBC日興証券の不確定要因高まるとして国内証券が格下げ 三井住友<8316>は一時急落。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は投資判断を「オーバーウェイト」から 「ニュートラル」に格下げ、目標株価も5000円から4500円に引き下げた。一連の相場操縦事案における SMBC日興証券の不確定要因が高まっていることを格下げの背景としている。全体業績への影響は限 定的とみていたが、今回の事案はグループ全体のガバナンス問題と捉えられる可能性もあり、ESGの 観点で投資対象になりにくい状況が続くと指摘している。 日本株ADR29日、全面高 トヨタとホンダの上げ目立つ 2022/03/30 05:51 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川上純平】29日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は全面高だった。 日米の株式相場が上昇し、日本株ADRも買われた。トヨタとホンダの上昇が目立った。キヤノンや武田も買われた。 高い金利の「譲渡性預金」急増、みずほがけん引、保険料なく低コスト、銀行の採算確保策に、企業に元本割れリスク。 2022/03/30 日本経済新聞 朝刊 「譲渡性預金」と呼ぶ聞き慣れない預金が急増している。注目を集めるのは比較的高い金利に企業が目を付けたからだ。 銀行にとっても破綻時に備え積み立てる預金保険料が不要になり、この預金を増やしてもコストが安く済む。みずほ銀行を けん引役に大手銀行グループだけで50兆円に膨らんでいる。 3メガバンクに三井住友トラスト・ホールディングス(HD)とりそなHDを加えた5大銀行グループの連結決算から21年12 月末の譲渡性預金量を合計すると、50兆円にのぼる。みずほフィナンシャルグループ(FG)が公表している最新の21年 12月末時点の残高は約19兆円なので、およそ4割を占めることになる。 「みずほさんはキャンペーンのように増やされていますよね」「そういう手があるのか」。みずほが譲渡性預金を伸ばす姿 に驚く他行関係者もいた。16年3月期と比べて三菱UFJFGは約15%、三井住友FGは約11%、逆に減らしているからだ。 「大口先の法人で譲渡性預金に資金を移す動きがあった」。みずほの関係者はこう解説する。一方でみずほFGの普通 預金と定期預金を足した合計額は足元で減少に転じている。20年6月に136兆円でピークを迎えた後、四半期ごとに見る とジリジリ低下し、21年12月末時点の残高はピーク時と比べ7・7兆円、率にして6%弱も減った。 他行が譲渡性預金にシフトしていないのは「期日管理など手間が多く、現場の負担が重い」(メガバンク関係者)からだ。 みずほはそれでも企業の余裕資金の高い運用ニーズを優先したもようだ。 日銀が3月に発表した最新の平均金利を見ると、譲渡性預金は最大年0・007%(期間60日未満、180〜360日未満)。 相当低く映るものの、普通預金金利の7倍、定期預金金利の2・3倍に上る。企業側が内部留保の短期運用先として譲渡 性預金に魅力を感じ始めている面はある。 一方、銀行側の都合も見え隠れする。「取引先の預金額が増えたら譲渡性預金に回してもらえないか交渉することもある 」(大手行関係者)。実は普通預金、定期預金から譲渡性預金に移し替えると、銀行の採算が向上する理由がある。 「預金保険制度の対象外商品」。銀行が経営破綻したときに備え、預金量に応じて預金保険機構に保険料を支払う預金 者保護の安全網が同制度だが、譲渡性預金はこの対象外で、銀行は保険料を支払う必要がない。預金者一人1千万円 まで元本を保証する仕組みだ。この保険金を支払う原資を銀行から徴収する保険料でまかなっている。 22年度に半分に下げることが決まったものの、21年度に銀行は0・031%(実効料率)の保険料を支払っている。企業 から1000億円の預金を普通預金で預かった場合、3100万円の保険料を払い、企業に100万円の利息を払っている計算 になる。 一方、譲渡性預金の場合、同じ1000億円を300日預かると700万円弱で済む計算だ。コストを5分の1に抑えることが でき、これが収益に苦しむ銀行にとって大きな採算確保策になる。 「メガバンクの破綻リスクが小さくなっていると企業は感じているのではないか」と銀行関係者は推測するが、企業からすれ ば、万が一破綻した場合に預金の元本カットを余儀なくされるデメリットもある。ただ、元本保護額は1千万円まで。企業から すると破綻時の少しの安心感より、少しでも高い利回りを探す行動パターンになっている。 譲渡性預金は「預金版証券化商品」の異名も持つ。譲渡可能で、売買できるマーケットも存在する。有価証券の一種として 扱われており、預かった預金を他社に売却することも可能だ。 預金は企業や個人から見ればお金を貸している状態で、銀行から見れば負債。銀行は貸し出しや市場で運用する責務を 負っている。売れない在庫を抱えていても採算は悪化するため、将来的に譲渡性預金にシフトしていけば、市場で売却する ことも可能だ。 メガバンクは自己資本が厚く安全運用先になっている。「不倒神話」をまとっているからこそ、企業と銀行の思惑が一致した だけとも映る。金融緩和で生まれた時代のあだ花なのか、短期運用の新市場なのか。預金管理のあり方を試す新たな動き ではある。 ▼譲渡性預金 譲渡性預金は期限が定められた定期預金の一種。英語の頭文字を取ってCDと呼ぶ。銀行が無記名の 証書を発行することで、満期日前でも第三者に譲渡できる。大口の預金を預ける法人が短期の運用や決済用に使うことが 多い。バランスシート上は一般の「預金」とは別項目に計上する。 1961年、ニューヨークの銀行が本格的に発行を始め、米国で発展を遂げた。日本は金利自由化の第1弾として、79年に 解禁。企業が余裕資金の受け皿を探しており、新しい短期金融市場として産声を上げた。外国銀行が円資金を調達する ケースもあった。 SMBC日興の相場操縦 背景に特異な営業スタイルか 2022/03/30 02:00 日経速報ニュース 「コンプライアンス(法令順守)意識の高い人を配置していた。副社長とは日ごろから接しており、周囲の評価も含め、問題を起こす ような人間ではなかった」 SMBC日興証券の幹部らによる相場操縦事件で、東京地検特捜部は24日、エクイティ本部を統括する副社長を金融商品取引法違 反(相場操縦)容疑で逮捕。同日夜、記者会見を開いた同社の近藤雄一郎社長は副社長の印象をこう語った。自身の関与について は「報告を受けていない」と否定した。 逮捕された副社長は三井住友フィナンシャルグループ(FG)の中核である三井住友銀行の出身。近藤社長は生え抜きだが、SMBC 日興の経営陣には銀行出身者が多い。銀行の関与について、近藤社長は「捜査に関連する内容であり、回答を控えたい」とした。 親会社の管理責任も 法人としてのSMBC日興も同日、同法の両罰規定に基づき起訴された。大手証券会社のナンバー2が逮捕され、会社としての刑事 責任が問われる前代未聞の事態に発展し、組織的に不正をしていた悪質性が高まった。トップの経営責任、さらに親会社の三井住 友FGの監督責任が問われるのは必至だ。金融庁も厳正な行政処分を検討しているようだ。 会見で、近藤社長は「内部管理上の不備は否定できない」と述べたが、弁護士でつくる調査委員会の調査が進んでおり、詳細な 説明を避けた。自身の進退は調査委の報告が出た上で厳正に判断するとの認識を示した。 一連の不正は、「ブロックオファー」と呼ばれる取引だった。大株主から「株を売却したい」という意向を受け、証券会社がまず買い取 り、取引時間外で投資家に売却するもので、株の大量放出によって株価が急落する影響を抑えられる利点がある。 なぜSMBC日興でこうした不正が行われていたのか。真因は、調査委や当局による調査でその詳細が明らかになるだろうが、原因 の一つに「特異な営業スタイルが影響していたのではないか」との見方が広がっている。それはどのようなものか。 例えば、Aという企業の株について「売り出したい」というBの大株主がいたとする。A株を買い取ったSMBC日興の営業担当社員は、 A株を投資家へ販売する価格を決める基準価格がいつ決まるかが、その前日には分かるようになっていた。 つまり、営業担当者は投資家に「A株はいかがでしょう。明日のA株の終値を基準に、X%のディスカウントで販売します」と触れ込む ことができる(編集部注:Xは銘柄によって異なる)。 他社は、基準日がいつなのか分からないまま営業している。購入側からすると、基準日が見える方が買うインセンティブが働きやす い。その分、SMBC日興に有利に働くわけだ。問題は、基準日が分かることで対象銘柄の需給が緩み、売り圧力が高まることだ。 株価が下がりやすい銘柄を伝達 例えば、SMBC日興から営業を受けた投資家から見れば、「明日Aの株価は下がりやすくなる。(証券会社から株を借りて、売る)『空 売り』を仕掛けてもうけよう」と考えるか、もしくは「A株は、明日の終値が基準となるのか。将来的に上がる株かもしれないから、なるべ く低い値段で買いたい。空売りを仕掛けよう」といった売り圧力が高まる。空売りは、銘柄の株価が下がれば下がるほど、証券会社へ の返済額が目減りし、投資家がもうかる取引だ。 実際は、SMBC日興側が「A株を買う場合は、空売りをしないでください」と求めるが、もし投資家がSMBC日興以外の証券口座を持っ ていた場合、空売りができてしまう。さらに「A株は買わない」とSMBC日興側に伝えた上で、その銘柄の空売りを仕掛けることはできる。 いずれの場合もSMBC日興側はそれを把握していない。SMBC日興は、株価が下がりやすい銘柄の情報を自ら伝えていることになる。 だが、ここで問題が起きる。株価があまりにも下がりすぎた場合、大株主のBが「やはり、ブロックオファーをキャンセルしたい」と言い 出す可能性が高まるのだ。BからのA株の買い取り価格と、投資家への売却額の差額が証券会社の利益となる。そうしたキャンセルを 防ぐために会社が株価を維持しようと買い支えていた可能性がある。株式の持ち合い解消が進む中、保有株を売り出すブロックオファー の需要は高まっていた。 副社長の逮捕によって、SMBC日興は組織的に犯行に及んでいた見方が強まった。市場の担い手である証券会社が公正な価格形 成をゆがめ、一部の人の利益に資するような行動をしていたとしたら、罪は重大だ。SMBC日興はブロックオファーについて、詳細なル ールを定めていなかった。 ブロックオファーの基準日に対象銘柄の自己売買を禁じている証券会社もあるが、この取引への細かなプロセスなどは規定されてい ない。日本証券業協会の森田敏夫会長は16日の記者会見で「現時点でルール整備が必要か答えるのは難しい」としているが、業界 全体での議論も急務だ。 SMBC日興では、現場が罪の意識を感じてないまま取引をしていた可能性もある。もしそうだったとしたら、それに歯止めをかけるため の仕組みが機能していなかったと言えるだろう。それは組織的にコンプライアンスやガバナンス(企業統治)が機能不全に陥っていたこ とを意味し、親会社を含むSMBC日興の経営陣の責任はより重い。 日本株「連騰後」に警戒感――年度末の需給要因、消失(スクランブル) 2022/03/29 日本経済新聞 朝刊 28日の東京株式市場で日経平均株価は10営業日ぶりに反落した。ロシアのウクライナ侵攻や米国の金融引き締めといった 悪材料が横たわるなか、9連騰中の日経平均は世界の主要指数の中でも顕著な上昇をみせていた。ただ、配当の権利取りを 狙った買いなど年度末特有の需給要因がなくなるため、2021年秋のような連騰後の急落への警戒が広がってきた。 28日の日経平均は終始、前週末25日に比べマイナス圏で推移し、205円(0・7%)安の2万7943円で取引を終えた。9連 騰中に計3000円ほど上げていただけに、戻り待ちの売り圧力が強かった。 日経平均が昨年来安値を付けた9日から25日までの上昇率は14%に達する。米国のダウ工業株30種平均の5%やナスダ ック総合株価指数の7%、ドイツのDAX指数の3%を上回る。1ドル=122円台まで円安・ドル高が進み、日本の輸出関連企業 の追い風になったと見る向きが多い。 だが、28日は日銀が指定した利回りで無制限に国債を買い取る「指し値オペ(公開市場操作)」を実施すると発表、1ドル= 123円台を付けたが日経平均は下げたままだった。これまでの日本株の上げは「特別な需給要因が働いた」(国内投信の日本 株担当者)とみた方がよいかもしれない。 一つが配当の権利取りを狙った買いだ。例年3月期末に向けて入ることが多く、今年も3月は配当利回りが高い日本郵船や商 船三井が値を上げる場面が目立った。さらに配当再投資に絡み、機関投資家による1兆円規模の先物買い需要を見込む声がある。 今年は10兆円の大学ファンドの存在も相場を押し上げたようだ。日本株を買い始めたかどうかの真偽はさておき、「『大学ファン ドが日本株に投資する』との思惑をはやし、海外ヘッジファンドが日本株買いを進めた」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸 則弘チーフ投資ストラテジスト)。 前週までの上げ相場を主導したのは、海外勢の先物買いとみられる。3月第3週(14〜18日)の投資部門別株式売買動向(日 経平均先物、TOPIX先物、ミニ日経平均先物、ミニTOPIX先物の合計)によると、海外投資家は先物を4707億円買い越した。 一方で、現物株は1955億円の売り越し。第4週の結果の公表はこれからだが、先物への資金流入が日本株の急騰劇を演出した ことが分かる。 株式市場では今回の9連騰と、21年8月30日から9月8日の8連騰の局面の類似点を警戒する見方も出ている。当時は自民党 総裁選による日本政治の改革期待から株買いが続いていた。海外勢は8月第4週から9月第3週の間に、累計で1兆6000億円 の先物を買い越していた。 その後、9月第4週と5週では先物を累計で1兆円以上売り越した。10月に入ると、下期入りした国内機関投資家による売りも 下げに拍車をかけた。日経平均は9月下旬の3万円台から10月上旬の2万7000円台まで急落している。 まもなく株式市場は新年度に入る。日本株が戻してきただけに「国内機関投資家から益出しの売りが出る」(大手証券)との声も ある。特殊な需給がこれまでの上昇の主因だったのなら、おのずと日経平均の上値は重くなるかもしれない。 2022年03月30日10時14分 三菱UFJなどメガバンクが売りに押される、日米で10年債利回りが低下基調に 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411> のメガバンク各社は揃って売りに押される展開を強いられている。各社とも配当利回りが高く、きょうは権利落ちに伴う下落圧 力が働いている。また、米国債券市場で足もと長期債を買う動きが活発化、米10年債利回りは前日終値ベースで2.398% と3日ぶりに2.4%台を下回った。 一方、国内の長期金利も日銀の指値オペが利いて新発10年物国債の利回りが0.230%まで低下した。日銀は金利上昇 を抑える方針を前面に押し出しており、運用環境改善期待が後退したメガバンクにとってはマイナス材料となっている。 日銀、異例の臨時オペ 国債買い入れ2兆3000億円 2022/03/30 19:23 日経速報ニュース 日銀は30日、通常の入札型の国債買い入れオペ(公開市場操作)を増額し、超長期債では異例の臨時オペを発動した。 午前と午後に実施し、買い入れ規模は合計で約2兆3000億円となった。長期金利上昇を抑制するのが狙いで、30日の国 内債券市場では長期金利の目安となる10年物国債だけでなく、超長期国債など幅広い年限で利回りが大幅低下(債券 価格は上昇)した。 通常の国債買い入れオペでは残存期間「3〜5年」の買い入れ額を1500億円、「5〜10年」を3000億円増額した。これとは 別の予定になかった「10〜25年」「25年超」についても臨時オペを実施した。「5〜10年」「10〜25年」「25年超」の買い入れ は午前と午後に2回実施した。 これを受け債券市場では新発30年物国債利回りが前日比0.10%低い0.970%をつけた。40年債利回りも一時0.08%低 い1.055%、20年債利回りも一時0.08%低い0.730%まで下がった。新発10年物国債利回りは一時0.035%低い0.210% となった。 日銀は30日、「指し値オペ」も実施した。日銀が提示する利回りで無制限に国債を購入することで金利の上昇を抑える狙 いがある。前日までの指し値オペで長期金利は日銀が上限の目安とする「0.25%程度」で推移したが、金利全体には上昇 圧力が高まっていた。通常の買い入れオペの増額により市場の需給を引き締め、金利抑制の姿勢をより強く示した。 30日の買い入れ規模は約2兆3000億円となった。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジ ストによると、1日の国債(短期国債を除く)の買い入れ規模としては2013年4月以来になるという。稲留氏は「これまで日銀 は止める気がないと思われていた超長期の金利も抑制へと踏み切ったことは市場にとってサプライズだった」と話す。 日本株ADR30日、全面安 みずほFGと武田の下げ目立つ 2022/03/31 05:16 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=古江敦子】30日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は全面安だった。 同日の日米株式相場がともに下落し、日本株ADRにも売りが広がった。 みずほFGが3%強下落し、武田と野村、三菱UFJも大幅に下げた。トヨタと三井住友FGも安い。 AD3984円 米国債券10年利回り2.358%、(-0.042) 長期金利、0.22%で横ばい 債券先物は下落に転じる 2022/03/31 09:21 日経速報ニュース 31日午前の国内債券市場で長期金利は横ばいとなっている。指標となる新発10年物国債の利回りは前日と同じ0.220%を つけた。30日の米金利が低下(債券価格が上昇)したことに加え、金利上昇を抑制する日銀の「連続指し値オペ(公開市場操 作)」が31日も実施されることが国内債の買いを誘っている。半面、インフレ高進を背景とした米金利の先高観は根強く、国内債 には売りも出ている。 債券先物は下落に転じた。中心限月の6月物は一時、前日比11銭安の149円43銭まで売られた。寄り付きは1銭高の149円 55銭だった。 日本株ADR31日、全面安 金融銘柄の下げ目立つ 2022/04/01 05:15 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=戸部実華】3月31日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は全面安だった。 同日の日米株式相場が下落し、日本株ADRも売られた。三井住友FGと野村がともに4%下落した 。みずほFGと三菱UFJも売られた。ソニーGとオリックスも2%下げた。 AD3815円 米国債券10年利回り2.345%、(-0.013) 邦銀もシステム人材育成、りそな、全社員プログラミング研修、三菱UFJはデータ分析を競うイベント。 2022/03/31 日本経済新聞 朝刊 国内の大手銀行がシステム人材の育成に本腰を入れ始めた。りそな銀行などは全社員を対象にプログラミング研修を実施。 三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)はグループ横断でデータ分析を競うイベントを開いた。米銀などに比べて遅れている 自前のシステムエンジニアを育成し、デジタル化する金融をリードしたい考えだ。 「東京メトロ東西線木場駅(東京・江東)近くの焼肉屋の情報を自動でまとめましょう」――。りそな銀行や埼玉りそな銀行は このほど全社員に対してプログラミング研修を実施した。 プログラミングの考え方を学ぶことで、顧客管理や営業報告など身近な事務作業を効率化するアイデアを生むのが狙いだ。 4月からは希望する社員向けに表計算ソフトのエクセルに含まれるプログラミング言語「VBA」を使ったより実践的な内容の研 修を始める。 りそなホールディングスの南昌宏社長は「これからの人材教育はデジタル時代をベースに学び直しをしないといけない」と強 調する。全社員への研修を義務づけたのは「どの金融機関よりも早くベースを底上げする必要がある」との危機感に迫られて のことだ。 社員のスキルアップを目的に互いに競わせる動きもある。三菱UFJは3月、信託銀行が主体となってFG横断のコンペをオン ラインで開いた。「企業の貸し倒れリスクを予測し、融資を承認するか否か」をプログラミング言語「Python(パイソン)」などを用 いて分析する。いかに正確な予測ができるかを得点化し、FG傘下企業13社、約200人で競った。 三井住友フィナンシャルグループは2016年にデジタル分野の教育組織「デジタルユニバーシティ」を設けた。計5時間程度 のオンライン動画やグループワークを通じてデジタル活用のノウハウを高める。みずほフィナンシャルグループは今後、外部の IT企業へ社員を派遣するなどして専門人材を育成する。 もっとも、デジタル人材の活用を巡っては米銀に見劣りする。JPモルガン・チェースは社内に5万人超のエンジニアを抱え、約 25万人いる社員の約5人に1人をエンジニアが占める。一方、社員数約14万人の三菱UFJのIT人材は約4000人にすぎない。 中途採用人材の流動性など国による違いはあるが、デジタルサービスの開発力やコスト競争力で後れをとる要因の一つといえる。 日本では低金利環境が当面続く見通しで、フィンテック勢の参入も激化している。デジタル戦略でさらに後れをとれば、顧客や 投資家からの評価はますます厳しくなる。 2022年04月01日09時10分 三菱UFJ、第一生命HDなど売られる、長期金利上昇に歯止めかかり米金融株安が波及 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>などメガバンクや第一生命ホールディングス<8750>など大手生保株が安い。 ここにきて米10年債利回りが低下傾向にあり、前週末25日には2.48%前後だったが、前日取引終了時点で2.337 %まで水準を切り下げている。今週29日には2年債利回りと10年債利回りが約2年半ぶりに逆イールドを示し、マーケッ トでもリセッションの兆候として話題となった。 金融株にとっては逆風環境が意識されており、前日の米国株市場ではJPモルガン<JPM>が3%安、バンカメ<BAC>が 4.1%安と大手金融株の下げが目立った。 国内では日銀が指値オペを実施するなど超金融緩和策を継続する姿勢を明示していることもあり、銀行や生保セクター は運用環境の改善が期待しづらく、株価面でネガティブな流れが形成されている。 日本株ADR1日、全面高 オリックスや三菱UFJの上げ目立つ 2022/04/02 05:11 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=戸部実華】1日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は全面高だった。 米株式相場が上昇し、日本株ADRも買われた。オリックスや三菱UFJの上げが目立った。 三井住友FGや武田、みずほFGも買われた。 AD3896円 米国債券10年利回り2.389%、(+0.064) 発電用石炭への融資、メガ銀が停止、脱炭素へ対応加速。 2022/04/02 日本経済新聞 朝刊 メガバンク3行は炭鉱開発への融資を縮小する。三井住友フィナンシャルグループと三菱UFJフィナンシャル・グループは1日、 発電用石炭(一般炭)の新規採掘への融資をやめると発表した。みずほフィナンシャルグループも2021年に同様の方針を定め ていた。温暖化ガス排出量の多い石炭火力発電燃料への融資停止で、気候変動対策を加速する。 一般炭採掘への貸付残高は3行あわせて数千億円規模とみられる。新規採掘への融資停止で残高は今後縮小していく見通し だ。 三井住友は5月に方針を改定し、採掘そのものだけでなく輸送設備など採掘事業に関連するインフラへの融資も取りやめる。 サステナビリティー分野に対する200億円の投資枠も設定した。三菱UFJは一般炭の採掘事業に対する新たな融資をやめると 明らかにした。 石炭火力向け融資では、3メガバンクとして今回初めて電力会社向け融資(約1200億円)も40年度までにゼロとする計画を 示した。 日本株ADR4日、買い優勢 ソニーGと武田の上げ目立つ 2022/04/05 05:11 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=古江敦子】4日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は買い優勢だった。 同日の日米株式相場がともに上昇し、日本株ADRにも買いが波及した。 ソニーGが2%上昇し、武田とホンダ、みずほFGも高い。一方、オリックスが2%強下落した。 AD3935円 米国債券10年利回り2.393%、(+0.018) ソフトバンクG、アーム株担保に80億ドルの融資確保 米報道 2022/04/05 06:50 日経速報ニュース 米ブルームバーグ通信は日本時間4日夜、ソフトバンクグループ(SBG、9984)が英半導体設計子会社アームの株式を 担保に米JPモルガン・チェースなど11行から80億ドル(約9800億円)の融資を確保したと報じた。3月中に日本経済新聞 も未上場株を担保にした異例の規模の資金調達を報じていた。 ブルームバーグは今回のSBGへの融資には英バークレイズや米ゴールドマン・サックス、大和証券グループ本社(8601) やみずほフィナンシャルグループ(8411)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)傘下の三井住友銀行など11行が参加し たとしている。 メガバンク、のしかかる自重、総資産はGDPの1.5倍超、リスク制御に懸念(InsideOutいまを解き明かす) 2022/04/04 日本経済新聞 朝刊 銀行がどんどん大きくなっている。3メガバンクの総資産は2021年、日本の名目GDP(国内総生産)の1・5倍を突破した。 リーマン・ショック後の度重なる金融緩和を背景に、リスクを抱えながら成長を試みてきた結果だ。どこまでが身の丈なのか、 背伸びをしすぎではないのか。そろそろ転機とみる声も増えている。 メガバンク体制は02年に始まった。みずほ、UFJ、三菱東京、三井住友の4メガで総資産は約439兆円だった。05年に UFJと三菱東京が統合して3メガに集約される。総資産はほぼ横ばいだったのがリーマン危機後に右肩上がりになった。 21年末に約842兆円に膨らんだ。GDP(542兆円)より5割超も多い。 傘下の米銀売却 1000億ドル切り出し 「運営能力の限界を超えた」。三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の幹部はこう振り返る。21年9月、傘下の米M UFGユニオンバンクを米最大手の地銀USバンコープに事実上譲渡すると発表した。切り出す資産は1054億ドル(1ドル= 120円換算で12兆6480億円)に上る。 ユニオンバンクの源流は三菱UFJの母体、東京銀行と三菱銀行が1980年代に米カリフォルニアで買収した地銀だ。バブ ル崩壊後の平成金融危機の際も手放さなかった虎の子の分割だった。 MUFGの総資産は21年末に約366兆円。「Too Big To Manage(大きすぎて制御できない)」という危機感が社内でも 芽生えている。元副社長の田中正明氏は15年までの在任中に「300兆円を超えるな」と警鐘を鳴らしていた。「リーマン危機 後、欧米大手行の総資産はフラットだった」 銀行は預金者からお金を借りて事業を運営しており、資産を安全に運用する責任がある。融資の焦げ付きに細心の注意を払 い、市場でリスクを取り過ぎないように警戒するのが本来のあり方だ。 その行動原理を日銀の金融政策がゆがめた。16年に発動したマイナス金利政策によって銀行の金利収入は大幅に減った。 雇用を維持しながら株主還元を果たすには量の拡大に走るほかなかった。たとえば金利が2分の1に下がるなら規模を2倍にし て利益水準を保つというわけだ。 成熟した国内市場で量を追うのは無理があるため、海外に触手を伸ばすしかない。海外貸出金は過去20年で約3倍に急増 し、残高は90兆円に上る。この数字も海外支店による貸し出しだけ。日本からの海外融資を含めれば実態はもっと膨らんでいる 可能性がある。 5年半前の16年3月期。三菱UFJは各国のエネルギー関連の企業やプロジェクトに投融資した与信額が世界一になった。鉱 山まで含めれば三井住友が三菱UFJを上回った。日本のメガバンクが規模を競い合う流れが続いてきた。 融資に加え、外国有価証券も増えている。貸出金に回せなかった預金を有価証券で保有する市場運用の一環だ。 日本以外の国債(外債)と日本以外の株式や社債などに分散投資する投資信託、リーマン・ショックで問題となった証券化商品。 こうした運用先を各行は開示資料で「その他」に分類している。21年4〜12月期は60兆円を超え、リーマン危機後の09年3月期に比べ2・4倍になった。 海外融資・証券運用 20年で100兆円拡大 貸出金と有価証券をあわせると海外での運用は、過去10〜20年ほどの間に少なくとも100兆円規模で拡大した計算 になる。世界に散らばるリスクを適切にコントロールできるのかは見通せない。 3メガグループの21年末の総資産を従業員数で単純に割ると1人当たり約30億円になる。米四大銀行は20年時点で JPモルガン・チェースが約16億円、バンク・オブ・アメリカが約20億円、シティグループが約13億円、ウェルズ・ファーゴが 約9億円だ。国際的にも日本の銀行の膨張ぶりは際立つ。 銀行が肥大化してつまずいた先例はアイスランドだ。投資マネーを呼び込んで金融立国をめざした00年代、大手3行の 総資産はGDPの9倍に膨張した。それがリーマン危機ではじけ、3行は国有化に至った。海外に資金調達を頼っていた結 果、世界的な信用不安が直撃した。国家自体も国際通貨基金(IMF)支援国に転落した。 日本は銀行の資金調達の6割が国内預金。運用先も「現金・預け金」つまり日銀が目立つ。貸し出しに回せなかった分を 日銀に返しているだけのお金も少なくない。この点で3メガのリスクはまだ制御可能との見方が多い。 それでも複雑に絡み合う国際金融システムがきしめば一定の影響は避けられない。ロシアのウクライナ侵攻という不測の 事態で邦銀の耐久度が改めて試されている。 Review記者から 日本特有の公的資金対応 限界も 銀行の安全網で日本は主要先進国で唯一、財政資金を裏付けにした仕組みが充実している。銀行に投入可能な公的資 金はざっと60兆円。3メガバンクの自己資本額は21年12月末時点で43・5兆円。少なくとも100兆円規模ある3メガバン クの海外投資で4割損失を出してもおつりはくる。 ある金融当局者は「公的資金を入れるなら、海外事業から全面撤退するのがメインシナリオだ」と話す。問題は万一、金融 システム不安が起きたときに公的資金だけで対応できるのかどうかだ。 世界の流れは日本と異なる。英米は主要銀行を「Too Big To Fail(大きすぎてつぶせない)」と判定し、平時から事業 を制限する。頭文字から「TBTF規制」と呼ぶ金融規制だ。 20年12月9日、米連邦準備理事会(FRB)と米連邦預金保険公社(FDIC、日本の預金保険機構に相当)が連名で「特 定の外国銀行」を公表した。英バークレイズやクレディ・スイス、ドイツ銀行が常連となっている事実上の公的監視の枠組み で、三菱UFJは邦銀として初めて名指しされた。MUFGユニオンバンクの売却に動いた一因とみられている。 世界各国の金融当局者が集まる金融安定理事会(FSB)も共同で特定の銀行を監視している。日本の3メガバンクも対象だ。 3メガを監視する「危機管理グループ」(CMG)を仕切るのは日本の金融庁だ。金融市場が不安定になるほど役割は重く なる。(金融エディター 玉木淳) ■TBTF規制 経営破綻すると金融システム全体のリスクにつながるような金融機関を縛る枠組み。問題が生じた場合に 「秩序ある処理」で連鎖倒産が起きないようにする上乗せ規制を課す。米証券リーマン・ブラザーズの破綻が「無秩序」だっ た反省がある。 米国は運用が厳格で3メガも対象になっている。生前の遺言書を意味するリビングウィルと呼ばれる破綻処理計画を提出 する。一般の銀行より資本を多く積む必要があり、破綻時の損失は投資家が負担する。公的資金に依存しない破綻処理を めざす枠組みだ。 山一証券や北海道拓殖銀行、日本長期信用銀行などの破綻対応は秩序ある処理だったとされる。自主廃業や国有化、 救済合併などで連鎖が続く事態は避けられた。 東証10時 下げに転じる 機械や自動車に売り 2022/04/05 10:17 日経速報ニュース 5日前場中ごろの東京株式市場で日経平均株価は下げに転じた。前日比20円ほど安い2万7700円台前半で推移している。 外国為替市場で円相場が一時1ドル=122円台前半まで円高・ドル安に振れており、機械や自動車の一部に売りが出た。 朝高後は上げ幅を急速に縮小した。市場では3月期決算企業の決算発表シーズンを控え「為替動向を含めた先行きの不透 明感があり、積極的に持ち高を傾けづらい」(国内証券)との声も出ている。 東証株価指数(TOPIX)も一時下げに転じた。 10時現在の東証プライムの売買代金は概算で8376億円、売買高は3億5819万株だった。 ダイキンとデンソーが安い。アステラスと第一三共、塩野義が下げた。一方、ファストリは上げ幅を拡大。イオンと三越伊勢丹 は高い。 日本株ADR5日、全面安 ソニーGが4%安 2022/04/06 05:18 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川内資子】5日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)はほぼ全面安だった。 米株式市場でダウ工業株30種平均が3営業日ぶりに反落した影響で大半の日本株ADRが下落した。 ソニーGが4%近く下げ、ホンダやオリックス、三菱UFJも売られた。 AD3861円 米国債券10年利回り2.554%、(+0.142) 銀行の「心臓部」クラウドシフト、山梨中銀など、基幹システム移行へ。 2022/04/06 日本経済新聞 朝刊 金融機関の「心臓部」である勘定系システムなどの基幹システムにクラウドを採用する金融機関が増えている。クラウドの活用は 幅広い金融機関で進むが、要である基幹システムを入れ替える例はまだ少ない。機動性や保守コストの低さなどを背景に、銀行 以外の業種でも採用が始まっている。金融機関のシステム運用は大きな転換点を迎えつつある。 金融機関の基幹システムには預金や融資情報が入った勘定系システム、債券や株式売買を管理する市場系システムなどがあ る。従来は「メインフレーム」と呼ばれる汎用性の低いシステムを使ってきた。クラウドはデータセンターの設備や機能をネット上で貸 し出す。ハードウエアを自前で保有する必要がなく、コストを軽減できる。規模や使い方によって効果は異なるが、ある金融機関では 「保守費用を約1割低減できる」とみている。 最大の利点は金融サービスを機動的に提供できる点だ。従来のメインフレームは提供するベンダーの規格に縛られたシステムで 、システム要件の機動的な変更が難しい。クラウドでは、人工知能(AI)など最新の外部技術を柔軟に取り入れながら銀行自身が 機動的にサービスを開発し、フィンテック企業など外部との接続も容易だ。例えば金融機関がデジタル銀行やAI融資などの新サービ スを始める場合でも、従来は数年かかるところ、クラウドなら数カ月で実現できる。 山梨中央銀行は2023年度をめどに、米マイクロソフトのパブリッククラウド「アジュール」上で稼働する勘定系システムに移行する。 「地域のデジタルトランスフォーメーション(DX)を進める上でも、自らがクラウドを採用して経験を積み、地域へ還元していきたい」と 代永茂樹システム統括部長は話す。 同行のシステム改革は2段階。まず11年に旧来型のメインフレームからBIPROGY(ビプロジー、旧日本ユニシス)が提供するオー プン勘定系システムに移行。先進的な外部システムともつなぎやすいシステムにし、ベンダーに丸投げせず業務システムを内製する 体制も整えた。今回は業務システムをそのままクラウドに載せ替える「クラウドリフト」と呼ばれる手法でスムーズな移行を目指す。 21年5月に石川県の北国銀行が邦銀で初めて勘定系システムをクラウドへ移行。その後も安定稼働していることが決め手となった。 これまで金融機関でクラウド導入が進まなかった理由はセキュリティーや障害への懸念だったが、先行事例でこうした懸念が薄れつ つある。特に地銀は人口減で資金需要の減少が著しく経営効率化が強く求められており、これもクラウド採用を促している。 これまでにクラウド勘定系システムを採用した国内銀行は3行。移行予定を表明している銀行は少なくとも4行ある。ソニー銀行は 22年度中に勘定系システムのクラウド移行を完了する計画で、山口県の西京銀行などは24年に移行する。ベンダー各社によると、 水面下で具体的に検討を進めている銀行も複数ある。 銀行以外でも取り組みは始まっている。東京海上ホールディングス傘下のイーデザイン損害保険は21年11月に発売した新たな 自動車保険で、フルクラウド型基幹システムを採用した。目指したのは短期間で開発や検証を繰り返すことができ、保守が容易な システム。検討開始から約2年で一般販売にこぎ着けた。「クラウドでなければ開発期間は1年延びていた」(桑原茂雄社長) クラウドの活用は海外で先行する。軽量なクラウド勘定系システムを提供する英ソートマシンや独マンブーなどの新興企業の登場 も普及に追い風だ。米銀大手のJPモルガン・チェースは21年秋、商業銀行業務でソートマシンのシステムの採用を決めた。 国内では比較的小規模な地方銀行や新設するデジタル銀行で基幹システムにおけるクラウド採用が目立つ。経営統合などを経て システムが肥大化した大手銀行では、全面的なクラウド移行が容易ではないためだ。 ただ大手行でも検討は始まっている。三井住友銀行は当面はメインフレームとオープン系を組み合わせた勘定系システムへの移行 を進めるが、将来のクラウド化の選択肢も排除していない。基幹システムのクラウド移行の流れは強まりそうだ。 2022年04月05日09時12分 三菱UFJなど強弱観対立、米国債の逆イールド発生で強弱感対立 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>などメガバンクは強弱感対立も 頑強な値動きをみせている。前日の米国株市場では米10年債利回りが上昇し取引終了時点で5営業日ぶりに2.4 %台に乗せてきた。 ただ、直近では2年債利回りが10年債利回りを上回る逆イールドが発生し、将来的な米景気後退リスクも意識され ていることで、ゴールドマン・サックス<GS>、JPモルガン<JPM>など米大手金融株は高安まちまちの展開だった。 東京市場でも日銀は金融緩和姿勢を緩めておらず、銀行とって運用面で依然として厳しい環境が続いている。しかし 株価は3月下旬から調整色をみせていたこともあり、足もとでは指標面での割安さを拠りどころに押し目買いの動き が観測される。 2022年04月06日09時20分 三菱UFJ、第一生命HDなど頑強な値動き、米長期金利の急上昇が追い風に 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>などメガバンクや第一生命 ホールディングス<8750>など大手生保株が頑強な値動き。日経平均が大幅安となるなか前日終値を上回る水準 で売り物をこなしている。 以前はハト派の代表とみられていたFRBのブレイナード理事が、5日の講演でインフレ抑制を重視する姿勢を改 めて明示し、FRBのバランスシートの縮小を含め金融引き締め策の強化に言及、このタカ派的発言を受けて米10 年債利回りが一時2.56%台まで急速に水準を切り上げた。 米国事業を手掛ける国内大手金融機関にとっても運用環境の改善が見込まれることで、株価にポジティブに作用 している。 日本株ADR6日 売り優勢、野村やホンダが下落 2022/04/07 05:21 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=横内理恵】6日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)には売りが優勢だった。 同日の日米株式相場が下落し、日本株のADRにも売りが波及した。野村やホンダ、ソニーGが安い。 みずほFGや三井住友FGも下げた。一方、武田は小幅に上昇した。 D3813円 米国債券10年利回り2.594%、(+0.040) 三井住友FL、環境・SDGs取引1兆円、29年度までに。 2022/04/07 日本経済新聞 朝刊 三井住友ファイナンス&リース(SMFL)は脱炭素などサステナビリティー(持続可能性)分野の事業を拡大する。2029年度 までに環境やSDGs(持続可能な開発目標)に配慮したリース事業、太陽光発電事業などで累計1兆円を契約することを目指 す。世界的な脱炭素の流れの中、需要拡大が見込まれる分野で収益の拡大を図る。 足元のサステナビリティー分野の契約額は年間1000億円規模。企業で脱炭素に向けた取り組みが求められる中、需要は 拡大傾向という。 SMFLでは、船舶などリース先の温暖化ガス排出の削減実績に応じてリース料を変動させる「サステナビリティー・リンク・ リース」や、リース収益の一部をNPOなどに寄付する「SDGsリース」を手掛ける。サステナビリティー分野でのリース事業 拡大を図る。 東証10時 じり安、540円安 非鉄や自動車の下げ目立つ 2022/04/07 10:06 日経速報ニュース 7日前場中ごろの東京株式市場で日経平均株価は前日比540円ほど安い2万6800円台前半で推移している。断続的な 売りが出て、じり安の展開。10時時点で東証プライムの値下がり銘柄が9割を超えている。 業種別東証株価指数(TOPIX)では非鉄金属や輸送用機器の下落率が大きい。市場では「米国の金融引き締めへの 警戒に加え、都市部でのロックダウン(都市封鎖)が続く中国景気の弱さも意識され、幅広い銘柄に売りが出ている」(大 和証券の壁谷洋和チーフグローバルストラテジスト)との見方があった。 10時現在の東証プライムの売買代金は概算で8698億円、売買高は3億7293万株だった。 ホンダや日立、住友鉱、AGCが下落している。NXHDやアドテスト、東急不HDも安い。一方、テルモやヤマトHD、 日ハムは高い。 日本株ADR7日、売り優勢 ホンダやオリックスが下落 2022/04/08 05:34 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=戸部実華】7日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は売りが優勢だった。 同日の日本の株式相場が下落し、日本株ADRも売られやすかった。ホンダが3%ほど下げ、オリックスは2%近く下落した。 ソニーGやトヨタも下げた。一方、武田やキヤノンは上昇した。 ADD3817円 米国債券10年利回り2.662%、(+0.053) 日本株の個人買越額最高、昨年度1兆円、裾野が拡大、日銀は購入減、市場機能回復も。 2022/04/08 日本経済新聞 朝刊 個人投資家による日本株の買越額が2021年度に1兆701億円と、年度ベースで過去最高になった。若者を中心に個人投資家 層が広がり、売買が増えた。日銀による上場投資信託(ETF)の買い入れ方針が変わり、前の年度と比べ9割近く減少した影響も 大きい。企業の実力に基づいて株価が決まるという、市場の価格発見機能の回復にもつながりそうだ。 7日に東京証券取引所が発表した投資部門別売買動向(東京・名古屋2市場、1部、2部と新興企業向け市場の合計)によると、 個人が買った金額から売った金額を差し引いた買越額は、データを遡れる1983年以降で最高になった。これまでの最高は、リー マン・ショック後の08年度で7292億円だった。 売買の合計金額も348兆円と、アベノミクス相場で個人投資家の参加が広がった13年度に次ぐ大きさとなった。 要因の一つが少額投資非課税制度(NISA)や個人型確定拠出年金(イデコ)など個人の投資を促す制度の整備だ。金融庁のN ISA口座の利用状況調査(速報値)によると、21年12月末時点の主要なNISA口座数は1766万と前年末から16%増えた。 もう一つが日銀の方針変更だ。日銀は21年3月にETFの買い入れ方針を改め、4月以降に買い入れのペースが大きく減った。21 年度の買い入れ額は5608億円と、前の年度の5兆1532億円から約9割減った。「個人投資家が下げ局面で買いやすくなった」と ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストは話す。 日銀のETF買いにはかねて批判が出ていた。株価が下落すれば、東証株価指数(TOPIX)などに連動した市場全体の銘柄をETF を通して買うため、個別企業の評価に関係なく株価が下支えされる。将来の稼ぐ力など実力に基づいて株価を決めるという、本来の 市場機能を損なう面があった。 また「日銀が株式を保有し続けることで流動性が乏しくなり、株価の値動きが大きくなりやすくなるとの弊害があった」とりそなアセ ットマネジメントの黒瀬浩一チーフ・ストラテジストは指摘する。 事業会社による自社株買いが反映される事業法人は2兆5262億円の買い越しだった。4兆6000億円を超えた19年度以来の 大きさ。近年、株主還元に力を入れる企業による自社株買いが増えたことや、東証の市場区分再編に向けて政策保有株を減らし、 自社株買いを増やした影響もある。 年金基金の売買を反映する信託銀行も4295億円の買い越しだった。年金基金は資産に占める株式の割合を決めているため株 価の下落局面で買いが増える傾向にある。特に、日経平均が下落基調となった21年秋以降に買いが増えた。 海外投資家は2兆8000億円超売り越した。売越額は18年度以来、3年ぶりの大きさ。 東海東京調査センターの仙石誠シニアエクイティマーケットアナリストは「海外投資家が大きく売り越した中でも株価がそこまで大 幅には下がらなかったことは需給面で収穫だ。個人による下値を支える力は大きい」と指摘する。 NY金融・外為ハイライト 強まる長期金利の上昇圧力、3%も意識 2022/04/08 07:06 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=横内理恵】米長期金利の上昇基調が強まっている。米債券市場で長期債相場は7日まで5日続落し、 10年物国債利回りは7日に一時、前日比0.07%高い(価格は安い)2.67%と2019年3月以来の高水準を付けた。インフレ警 戒姿勢を強める米連邦準備理事会(FRB)が資産圧縮などの金融引き締めを前倒しする方針で、早くも10年債利回りが3% に向かって上昇する可能性も意識されている。 7日も米長期債売りが優勢だった。金融引き締めに慎重なハト派とされてきたブレイナードFRB理事の5日の講演と、6日 公表の3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受け、FRBのタカ派姿勢が一段と強まっていることが鮮明になった。 議事要旨で明らかになった月最大950億ドルの資産圧縮計画については、おおむね市場の想定内だった。ただ、資産縮小 を確実に進めるため、償還による削減額が目標に達しない場合に不動産担保証券(MBS)を売却する方針を示したことなど は「想定よりもややタカ派」(シティグループ)との見方があった。シティはFRBが10〜12月期にもMBSの売却を始めると予想する。 月950億ドルのペースで資産縮小を続ければ、FRBの証券保有は3年間で約3兆4000億ドル減る。エバコアISIは新型コロナ ウイルスが拡大した20年3月以降、FRBが米国債発行の55%超を吸収してきたと指摘。市場で米国債が消化されるためには 「23年までに民間部門の年間の米国債需要が過去2年の年間の額と比べて29%増える必要がある」との見方を示した。資産 縮小の規模などに驚きがなかったとはいえ、将来的に債券需給が緩み、長期金利の上昇圧力となるのは間違いない。 足元の米景気が非常に強いとみるFRBは、積極的な引き締めで景気の過熱を抑えて物価の安定を回復する構えだ。ウクラ イナ情勢でエネルギー高や供給制約が悪化する可能性が高いうえ、米労働市場の逼迫度合いも強まっている。年後半には 昨年の落ち込みの反動によるベース効果が薄れて物価上昇率は鈍化し始めるとみられるが、賃金や家賃などにも広がるイン フレ圧力がどの程度和らぐかは未知数だ。 市場では「過度の引き締めが米景気を冷やすとの懸念は強いが、高インフレが長期化するとの観測が長期債の売りを促して いる」(アクション・エコノミクスのキム・ルパート氏)との声があった。10年債利回りは4月に入って5営業日で計0.32%上昇した。 物価の影響を除いた実質金利ではマイナス0.16%近辺と同期間に0.36%程度上昇し、20年3月以来の高水準となった。 近くプラス圏に上昇しそうで、金融市場で引き締めが急速に進んでいることを示す。 この間の2年債利回りの上昇幅は0.13%にとどまる。市場の一部では「FRBが22年に通常の2倍にあたる0.5%の利上げを 4回実施する」(シティ)との予想もあり、2年債利回りはすでに23年までの大幅な利上げを織り込んでいるようだ。週初にかけて は2年債利回りが10年債利回りを上回る「逆イールド」が発生しており、積み上がった2年債売り・10年債買いの持ち高を巻き 戻す動きも出ている。2年債と10年債の逆イールドは5日以降は解消しており、7日には利回り差がプラス0.20%と前日から 0.07ポイント開いた。 10年債利回りは節目とみられていた2.5〜2.55%を突破したことでにわかに上昇の勢いが強まっているようで、18年以来と なる3%超えも視野に入ってきた。米経済のソフトランディング(軟着陸)への市場の不透明感に変わりはないが、目先は長期 金利が水準を切り上げる展開となりそうだ。 2022/04/07 22:45 三井住友FG(8316) 22年3月期経常予想。対前週0.7%下降。 三井住友フィナンシャルグループ<8316>の経常利益予想コンセンサスは、前週値の1,024,817百万円から0.7%下落し 1,018,150百万円となった。因みにレーティングコンセンサスは4.0で変わらずのまま。 2022/04/07 19:55 三井住友FG(8316) 日系大手証券、レーティング据え置き、やや強気。目標株価引き下げ、4,700円。 日系大手証券が4月7日、三井住友フィナンシャルグループ<8316>のレーティングをやや強気(2)に据え置いた。 一方、目標株価は5,000円から4,700円に引き下げた。因みに前日(4月6日)時点のレーティングコンセンサスは4 (アナリスト数9人)で「やや強気」の水準、目標株価コンセンサスは4,770円(アナリスト数9人)となっている。 2022-04-08 大和 2継続 5000円 → 4700円 株、投資家曇らす複雑な需給 浮動株変更と益出しの売り重荷 2022/04/08 12:09 日経速報ニュース 8日午前の日経平均株価は反発して始まった後、失速した。午前の日経平均の終値は前日比68円(0.25%)安の2万6820円 だった。自律反発狙いの買いが先行したものの、新年度に入り複雑な需給環境が影響しているとみられる。7日に発表となった 東証株価指数(TOPIX)の浮動株比率の変更のポジション(持ち高)調整、国内金融機関の期初の「益出し」の売りが重荷だ。 8日朝方には前日まで下げがきつかった東エレク(8035)やアドテスト(6857)は上昇して始まったが、前引け時点ではマイナス 圏に沈んだ。主力のトヨタ(7203)の下落が目立ち、伊藤忠(8001)や東京海上(8766)なども下げた。下げが目立った一部の銘 柄は7日に発表となったTOPIXの浮動株変更が意識された。 日本取引所グループ傘下のJPX総研は7日、市場再編に伴う東証株価指数(TOPIX)構成銘柄の浮動株比率の見直しを発表 した。浮動株の定義を見直し、政策保有株を固定株としてみなす。政策保有株の多いトヨタなどは浮動株比率が下がり、TOPIX 全体に占める割合も小さくなる。そのため政策保有株の多い銘柄には売り要因となる。 大和証券の橋本純一シニアクオンツアナリストは浮動株の見直しに伴い、トヨタや伊藤忠などに売り需要が出ると予測。NTT (9432)やソニーG(6758)、キーエンスなどには買い需要が発生するとした。実質的なパッシブファンドのリバランス(資産配分 の調整)は4月27日や5月30日、6月29日に発生するが、「事前にポジション調整を進める動きが進むだろう」と読む。 <浮動株見直しによる主な売り需要発生銘柄> 銘柄名(コード) 売買インパクト トヨタ(7203) 2.20日 伊藤忠(8001) 4.71日 ダイキン(6367) 4.66日 三菱商(8058) 3.14日 東京海上(8766) 5.26日 ※大和証券による試算。売買インパクトは各銘柄の1日平均の売買高からウエート引き下げに伴う売り需要。6月末までのウエ ート差上位。 ある国内大手証券のトレーダーは「海外のトレーダーはかなり浮動株の変更を気にしている」と明かす。8日午前は日経平均に 比べてTOPIXが相対的に弱含む展開となっており、浮動株見直しがひとつの要因とみていた。 前出の国内証券トレーダーは「足元で国内機関投資家の『期初の益出しの売り』が続いている」とも指摘する。新年度や上期 ・下期に入るタイミングで国内金融機関は事前に策定した収支計画の達成に余裕を出すため、利益が出ているポジションの売り を出すとされる。直近は複数の国内証券トレーダーから、国内勢が上場投資信託(ETF)などで売りを出しているとの声がある。 振り返ると2021年10月の年度下期入りのタイミングで日経平均が大きく下落した局面があった。この際にも多くのトレーダーか ら国内機関投資家からの売りの指摘が聞かれていた。ある国内証券のテクニカルアナリストは「21年8月末から相場は急速に 水準を上げた後に国内勢の売りで水準を一気に戻したため、22年4月も一段の下げを警戒する」と語る。 ある地場証券のディーラーは入り組んだ需給環境を考慮して「目先は指数の方向感を持って日々の売買に取り組まない」と話す。 需給要因のみならず、ウクライナ情勢、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う上海の都市封鎖(ロックダウン)といった要因も読み にくいとも指摘する。先を見据えれば5月には米連邦公開市場委員会(FOMC)も控える。様々なもやが多くの投資家の相場観を 曇らせている。 2022年04月08日14時09分 IIF---大幅に反発、「SMBCエルダープログラム」向けに介護コンシェルジュサービス提供へ <6545> IIF 435 +34 大幅に反発。三井住友フィナンシャルグループ<8316>傘下の三井住友銀行が提供する「SMBCエルダープログラム」の 契約者向けに「介護コンシェルジュ」サービスを22日から提供すると発表している。電話・メールで介護に関する相談を 受け付け、専門資格保有者が対応する。また、全国16万の介護事業者から要望に応じた施設を紹介するほか、居住 地域のケアマネジャーとのマッチングや要介護認定の申請サポートも行う。 日本株ADR8日、買い優勢 キヤノンや武田が高い 2022/04/09 05:15 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川上純平】8日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)はやや買いが優勢だった。 日経平均株価や米ダウ工業株30種平均が上昇し、日本株ADRも買われやすかった。 キヤノンや武田の上昇が目立った。トヨタとみずほFGは下げた。 ADD3417円 米国債券10年利回り2.704%、(+0.050) 東証プライム「残留」の代償――流通比率上げ、株価下押し(スクランブル) 2022/04/09 日本経済新聞 朝刊 東証の新たな3市場で取引が開始された初週の日経平均株価は2%安となり「ご祝儀相場」とはならなかった。企業が市場選び を始めた2021年9月以降の株価を見ると、流通株式比率がプライム市場の上場維持基準を満たさず「経過措置」の適用を受け ている銘柄が振るわない。持ち合い株の売り出しなどに伴う需給悪化が意識され、株価の下押し圧力となっている。 今週の東京株式市場は約60年ぶりの市場再編にも盛り上がりが乏しく、プライムの週間売買代金は前週の旧東証1部を下回っ た。下げが目立ったのが、プライムの「流通株式比率35%以上」という上場維持基準に抵触する企業だ。ゆうちょ銀行が8日、年 初来安値をつけたほか、週間で住友理工は8%安と下げがきつかった。 企業が市場選択に動き始めた21年9月以降の株価を見ても、基準に抵触する企業の株価低迷が目立つ。オプティムが5割安、 USEN―NEXTHOLDINGSが28%安などとなり、同期間の下落率をみると大半の銘柄が日経平均株価より大きい。 下げの主な要因は需給悪化への懸念だ。流通株式比率の低い銘柄には上場子会社や創業者の持ち分が多い企業が含まれる。 これらの企業が流通株式比率を上げる方法は(1)自己株式の処分(2)大株主が保有する株式の売却(3)持ち合い株の売却要請 などが想定される。 特に(2)(3)などでは「株式需給の悪化が意識され、株価を下押しする可能性がある」(大和証券の阿部健児チーフストラテジス ト)という。東証株価指数(TOPIX)改革で組み入れ比率のベースとなる浮動株から持ち合い株が除外されることと合わせると、持ち 合いの多い企業には二重の下げ圧力となる。 実際、オービックビジネスコンサルタントは21年9月、和田成史社長ら株主6人が発行済み株式の約13%を売り出した。基準日 となる21年6月末時点で流通株式比率が20・7%にとどまった。売却後に株価は急落し、足元では売り出し発表前と比べて2割 以上安い水準にとどまる。プライム残留の「代償」として900億円以上の時価総額を失った計算だ。 経過措置を活用してプライムに上場する企業は、上場維持基準を満たすための計画を示した「適合計画書」を作成し公表している。 菅谷俊二社長が6割超の株式を持つオプティムは27年3月期中の適合を目指して「可能な限り現在の市場に与える影響を最小限 にとどめつつ、段階的に流通株式比率を増加させていく方針を菅谷氏と合意している」とする。同社の発行済み株数の7〜8%にの ぼる売りが出るとみられ、需給への影響は大きい。 ゆうちょ銀行は26年3月末までの適合を目指すとしており、親会社で株式の89%を握る日本郵政による売り出しが不可欠だ。 流通株式比率が低い企業でも日本オラクルやイオン北海道はプライムを選択しなかった。「スタンダードを選んだ企業は立派だとい う風潮が出ている」(カタリスト投資顧問の平野太郎社長)といった指摘もある。投資家が新たな3市場と向き合う際には、東証が経過 措置を認めたことで、需給面での不安を抱えた銘柄がプライムに多く残ったことに注意が必要だ。 2022年04月11日09時05分 三菱UFJなどメガバンクがしっかり、米10年債利回りが3年ぶり高水準に 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>などメガバンクが頑強な値動きを みせている。前週末の米国株市場では、ゴールドマン・サックス<GS>やJPモルガン<JPM>など大手金融株が軒並み上 昇しており、東京市場でもこれに追随する動きとなった。 インフレ抑制を目的としたFRBによる金融引き締め策強化の思惑を背景に、米国債券市場では長期債を売る動きが活 発化し米10年債利回りは2.7%台まで上昇した。これは約3年ぶりの高い水準で、米国事業を展開するメガバンクは 運用環境改善を期待した買いを誘導している。 日本株ADR11日、売り優勢 ソニーGやキヤノンが安い 2022/04/12 05:19 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川上純平】11日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は売りが優勢だった。 日米の株式相場が下落し、日本株ADRも売られやすかった。ソニーGやキヤノン、武田の下げが目立った。 野村とトヨタも安い。みずほFGと三菱UFJは小幅に上昇した。 ADD3862円 米国債券10年利回り2.774%、(+0.059) 大手行、貸出金4年連続増 昨年度0.1%、資源高で需要 2022/04/12 日本経済新聞 朝刊 全国銀行協会が11日発表した預金・貸出金速報によると、3月末時点のメガバンクなど大手5行の貸出金残高は前年同月比 0.1%増の213兆円だった。年度末の残高の増加は4年連続になる。増加率は前年度の5.3%から縮小した。新型コロナウイ ルス禍で急増した運転資金などの融資の返済が進んだ一方、資源高に備えた資金需要が徐々に増えている。 前年同月比で増加となったのは11カ月ぶり。年度末の資金需要に加え、「ロシアによるウクライナ侵攻などを受けた資源高で、 短期の運転資金の需要が増え始めている」(大手銀)。一部ではコロナ後を見据えた成長投資への資金需要も出てきているようだ。 業態別に見ると、地方銀行の貸出金残高は2.5%増の237兆円と、大手の都市銀行に比べて増加率が大きい。大企業向け が多い都銀と異なり、地方の中小企業などではコロナ禍を受けた運転資金の需要が根強いようだ。第二地銀や信託銀行なども 含めた全国110行の貸出金残高は1.2%増の543兆円だった。 3月末時点の実質預金残高は大手5行が前年同月比3.2%増、地銀が3.6%増だった。全国では3.0%増の879兆円で、 23年連続の増加となった。コロナ禍による手元資金積み増しの動きは一服しており、20年度に比べると増加幅は縮小した。 日本株ADR12日、ほぼ全面安 トヨタやソニーGの下げ目立つ 2022/04/13 05:15 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=戸部実華】12日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)はほぼ全面安だった。 同日の日米株式相場が下落し、日本株ADRも売られた。トヨタとソニーGが2%下げた。 ホンダや三菱UFJ、三井住友FGも下落した。一方、オリックスは小幅に上昇した。 ADD3835円 米国債券10年利回り2.725%、(-0.057) 日銀資産、再び膨張 連続指し値オペや国債購入増額 際立つ緩和、円安進行も 2022/04/13 日本経済新聞 朝刊 日銀の保有資産が再び膨張している。米欧のインフレ懸念に呼応した金利上昇を抑える目的で、3月に連続指し値オペ(公開 市場操作)や臨時オペを実施した。4〜6月の国債購入の予定額も1〜3月から増額した。各国の主要中銀が金融引き締めに動 く中で日銀の緩和姿勢は際立つ。一段の円安進行の懸念もあり、市場では政策修正の思惑も浮上しつつある。 日銀の国債保有残高は4月10日に526兆円と年初(1月10日)に比べ約6兆円増えた。日銀の3月の国債買い入れ額は7兆 6015億円と、2018年7月以来3年8カ月ぶりの高水準になった。4〜6月期の国債購入予定額も18兆9000億円と1〜3月の 予定額(16兆9500億円)を上回る。長期国債を中心に幅広い年限の国債購入額を増やした。 日銀はこれまで量的緩和をじわりと修正してきた。21年末の国債保有残高は13年ぶりに減少に転じた。新型コロナウイルス禍 がピークだった20年に比べて長期国債の買い入れペースを落としたことや、税収が増えた政府が短期国債の発行を抑えたことが 影響した。 ここにきて日銀が再び「量」を増やしているのは金利の上昇懸念が高まっているためだ。日銀の現在の金融緩和策は長期金利 を0%程度、短期金利をマイナス0.1%に誘導する長短金利操作(イールドカーブ・コントロール=YCC)が柱だ。21年3月には 長期金利の許容する変動幅を「プラスマイナス0.25%程度」と明示した。 3月下旬には米国の利上げ加速の観測から長期金利が上昇した。日銀の許容上限である0.25%程度に上昇し、長期債を無 制限で買い取る「指し値オペ」を28日に実施した。連続指し値オペや臨時オペも繰り出し、金利上昇を抑える姿勢を鮮明にした。 こうした日銀の動きは金融政策の正常化に動く海外中銀と著しい対照をなす。米連邦準備理事会(FRB)は3月に利上げに踏み 切り、保有資産を月950億ドルを上限として縮小する量的引き締め(QT)も検討している。欧州中央銀行(ECB)も7〜9月に量的 緩和を終了する構えだ。 金融政策の方向性の違いは日本と海外の金利差の拡大につながる。12日の外国為替市場で円相場は1ドル=125円台で推 移した。3月初旬に比べて10円以上の円安水準にある。 日銀は「円安は日本経済にプラス」との見方を崩さないが、輸入物価の上昇が家計に打撃を与え、経済が下押しされる「悪い円安 」懸念も強まっている。 こうした中で市場の一部では政策修正の思惑も広がりつつある。長期金利の変動許容幅を現在の「プラスマイナス0.25%程度 」から拡大する案や、金利の操作対象の年限を10年から5年に短期化する案などが取り沙汰されている。年限を短期化すれば、 長期金利の上昇の自由度は強まることになる。 日銀のバランスシートの膨張は、日銀の緩和の出口を遠ざけるジレンマにもなる。将来的に利上げに動いた場合に、日銀が債務 超過に陥るリスクが高まるからだ。第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは「金融緩和の出口の際には金利が跳ね上 がるリスクがあり、日銀は難しいかじ取りを迫られている」と指摘する。 豪NGO、4社に株主提案 三井住友FGや三菱商事に LNG念頭 気候変動、対応求める 2022/04/13 日本経済新聞 朝刊 豪非政府組織(NGO)が三井住友フィナンシャルグループや三菱商事など4社に対し、気候変動対応の強化を求める株主提案 を出したことが12日わかった。液化天然ガス(LNG)を念頭に、脱炭素を巡るより広範な取り組みを促す。ロシアのウクライナ侵攻 でエネルギーの安定調達が課題となっており、NGOの提案が株主の賛同を得られるかは不透明な面もある。 豪NGOのマーケット・フォースはNPO(非営利組織)法人の気候ネットワークなどと共同で、三井住友FGや三菱商事、JERAの 株主である東京電力ホールディングスと中部電力の4社に提案した。マーケット・フォースによると、これらの企業はバングラデシュ 、ベトナム、タイで計10件のLNG発電プロジェクトを計画している。 日本企業にはこれまで脱石炭を求める声が強く、企業や金融機関は石炭事業の縮小や投融資の制限を進めてきた。国際エネ ルギー機関(IEA)によると、2050年の温暖化ガス排出量の実質ゼロの実現には化石燃料全体への新規投資の停止が必要と なる。NGOはLNG発電所の新規建設を阻む狙いから株主提案に踏み切った。 三井住友FGには融資などがLNGをはじめとする化石燃料の供給増につながらないようにするための取り組みの開示を要請する。 温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」に沿った短期(5年以下)と中期(10年以下)の温暖化ガス排出量の削減目標の開示も求める。 三菱商事にもパリ協定に沿う短期・中期の排出削減目標の設定と開示を求める。自社だけでなく取引網まで含めて削減目標の 設定を促す。 日本での気候変動関連の株主提案は20年に気候ネットワークがみずほフィナンシャルグループに出したのが最初だ。21年に は住友商事や三菱UFJフィナンシャル・グループなど4社に提案が出た。賛成率は1〜3割にとどまったが、企業の脱炭素の取り 組みが一定程度進んだ。 海外でもNGOや機関投資家から、化石燃料の供給拡大の停止を求める株主提案が相次ぐ。米シエラ・クラブ財団は米ゴールド マン・サックスやウェルズ・ファーゴに融資や引き受けで新規の化石燃料開発を支援しないよう求めた。米グリーン・センチュリー ・キャピタル・マネジメントは、スイスのチャブ保険に引受業務が新規供給を支援しないようにする方針の策定・開示を求めている。 もっともウクライナ危機を受けて、世界的にエネルギーの安定供給が課題になっている。急速な脱炭素化はエネルギー価格の 高騰を招くリスクもある。日本でも環境NGOの提案を巡り、株主の判断が割れる可能性もある。 日本株ADR13日 買い優勢、トヨタや武田が上昇 2022/04/14 05:40 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=横内理恵】13日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)には買いが優勢だった。 同日の日米株式相場が上昇し、日本株のADRにも買いが波及した。トヨタや武田、ホンダが高い。 ソニーGとみずほFGも上げた。一方、野村とオリックスは下げた。 ADD3854円 米国債券10年利回り2.703%、(-0.024) 銀行に迫る環境株主提案 三井住友FGの化石燃料融資に圧力 需要依然強く、対応苦慮 2022/04/14 日本経済新聞 朝刊 銀行の気候変動対応に投資家が圧力を強めている。国内外の環境団体が13日、三井住友フィナンシャルグループ(FG)に 脱炭素関連の株主提案をしたと発表した。メガバンクへの環境関連の株主提案は3年連続だ。欧米銀行に対しても化石燃料 産業への資金支援などに関する提案が相次いでいる。気候対策とエネルギー需要のはざまで銀行は対応に苦慮している。 「2050年ネットゼロを宣言しているものの、短期・中期目標は公表しておらず、ポートフォリオ全体でのパリ協定での1.5度 目標の実現性には疑問を持たざるを得ない」――。 オーストラリアの環境非政府組織(NGO)、マーケット・フォースや国内NPO(非営利組織)法人の気候ネットワークなどは 13日、三井住友FGへの株主提案を正式発表した。短期・中期の温暖化ガス排出削減目標に加え、融資が液化天然ガス(L NG)などの供給増につながらないようにするための取り組みの開示を求める。 銀行の化石燃料融資に対する圧力は米欧でも強まっている。3月、仏運用大手アムンディなど11の機関投資家はスイス金 融大手クレディ・スイスに温暖化ガス排出削減計画について短期・中期・長期の開示などを求める株主提案を公表した。米シテ ィグループや英スタンダードチャータード銀行に対しても、化石燃料への融資の制限などの株主提案が出ている。 国内では気候ネットワークなどが20年にみずほFG、21年に三菱UFJFGに気候変動に関する開示強化などを求める株主 提案をした。いずれも否決されたが、みずほへの提案は34%、三菱UFJは23%の賛同を得た。 メガバンクは化石燃料への融資を絞り始めている。みずほは21年に発電用石炭(一般炭)の新規採掘への融資の停止を 決め、三井住友と三菱UFJも22年4月に続いた。三井住友はこのほか、サステナビリティー(持続可能性)分野への200億 円の投資枠も設けた。 石炭に比べ温暖化ガス排出量が少ないとされる天然ガスへの包囲網も狭まっている。これまでガスは脱炭素に向けた「トラ ンジション(移行)」と位置づけられてきたが、オランダ金融大手INGは3月、石油だけでなく新規のガス田への融資を制限する と発表した。今回の三井住友への株主提案もLNG供給支援の停止を念頭に置いたもので、株主の判断が分かれるポイントに なる。 ロシアによるウクライナ侵攻で資源価格が高騰する中、メガバンクからは「エネルギー供給の問題もあり、温暖化対策だけを やっているわけにはいかない」(幹部)との本音も漏れる。BNPパリバ証券の中空麻奈氏は「銀行は(脱炭素目標の)50年だ けでなく、10年後、20年後のロードマップを示すことも求められている」と話す。 環境関連の株主提案に対する賛成率は高まっている。米モーニングスターが20年7月〜21年6月に米企業に提出された 株主提案を調べたところ、環境・社会分野への株主提案への平均支持率は34%と過去最高になった。 モルガン・スタンレーMUFG証券の長坂美亜アナリストは「日本の成長をけん引する新たな産業が見つからない中、莫大な 資金需要が見込まれるサステナブルファイナンスで存在感を発揮できるかが大切だ」と話す。 三井住友FGは13日、「株主提案が届いていることは事実だ。内容を精査の上、専門家の意見を踏まえつつ取締役会で 対応を検討していく」とコメントした。 「株価操作の意図」で対立 SMBC日興元幹部ら違法性否定 真相解明の場、法廷に 2022/04/14 日本経済新聞 朝刊 SMBC日興証券の相場操縦事件を巡る東京地検特捜部の捜査は13日、副社長だった佐藤俊弘容疑者(59)を起訴し、 事実上終結した。組織的に不正を繰り返したとみる検察側に対し、同社元幹部らは「株価操作の意図はなかった」と違法性 を否定。検察側が不正の意図を立証できるかが焦点となる。本社の強制調査から10カ月。攻防の場は法廷に移り、審理は 長期化する可能性がある。(1面参照) 起訴されたのはSMBC日興が大株主から保有株を買い取って投資家に転売する「ブロックオファー」取引の対象株への 注文だ。同取引は成立日の株価が大株主の希望価格を下回ると売却に至らず、会社も転売益を失う恐れがある。特捜部は 元幹部らが取引成立日の市場が閉まる間際に大量の買い注文を出すなどし、不正に買い支えたとみる。 金融商品取引法は相場操縦罪の類型として(1)仮装・なれ合い取引(2)変動操作(3)安定操作――の3類型を挙げる。 今回の事件で問われたのは「安定操作」で、同法は「株価を安定させる目的で売買してはならない」と規定する。同罪の成 立には元幹部らの買い注文の意図を客観的な証拠で証明しなければならない。 特捜部の立証の柱は、元幹部らが業務用電話の音声記録やメールに残した「会社のために買い支える」などの発言だ。 同社は起訴対象とされた10銘柄の取引で10億円以上の利益を得ていたという。特捜部は、元幹部らが買い支えで取引を 成立させ、実績を上げることで社内評価や自身の報酬につなげる動機があったとの構図を描く。 実際、不正の舞台となった自己売買部門は、2009年に三井住友フィナンシャルグループ入りしてできた後発部署だった。 起訴された山田誠被告(44)が部長に就いた16年以降、急速に業績を拡大。「実績を上げて自分の社内評価を高めたか ったのではないか」とみる捜査関係者もいる。事件でも山田元部長は不正な買い注文を事前に佐藤元副社長ら上司に報 告し、了承を得ていたとされる。 もっとも、安定操作すべてが違法ではない。公募増資や新規株式公開(IPO)などの際に届け出や報告をすれば認められ る例外規定がある。ブロックオファー取引は例外規定の対象外で、特捜部は証券会社の幹部であれば当然認識していたと みているもようだ。 2022年04月13日13時34分 三菱UFJなどメガバンクが軟調、米CPI発表受けた米長期金利低下が逆風に 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>などメガバンクが、全体相場急反発の 流れに乗れずマイナス圏で冴えない動きとなっている。前日発表された3月の米消費者物価指数(CPI)はコア指数の伸び が事前コンセンサスを下回り、これを背景にインフレに対する過度な警戒感が後退した。 米債券市場では10年債が買い戻され、10年債利回りは2.7%台前半まで低下した。これを受けてJPモルガン<JPM> など大手金融株は運用利ザヤの拡大に対する思惑が弱まり、株価も軟調な展開を強いられた。東京市場でも、米国事業を 展開するメガバンクに逆風材料となっている。 日本株ADR14日、売り優勢 ソニーGの下げ目立つ 2022/04/15 05:18 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川上純平】14日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は売り優勢だった。 米株式相場が下落し、日本株ADRにも売りが出た。ソニーGが3%安と下げが目立った。 みずほFGと三菱UFJも下げた。ホンダとトヨタも安い。キヤノンとオリックスは上昇した。 ADD3841円 米国債券10年利回り2.828%、(+0.019) 全銀協・高島会長「資源価格高騰は日本経済の急所」 2022/04/15 日本経済新聞 朝刊 全国銀行協会の高島誠会長(三井住友銀行頭取)は14日の記者会見で、国内の企業物価指数が41年ぶりの高水準が 続いていることについて「資源価格の高騰は(日本経済の)急所だ」と述べ、資源価格に左右されにくい体質を築くべきだと 指摘した。約20年ぶりの円安となった為替相場には「円安・ドル高の基調が続くだろう」との見通しを示した。 日銀が発表した3月の企業物価指数は前年同月比で9.5%上昇し、第2次石油危機の影響が残る1980年12月以来と なる歴史的な水準が続いている。 全銀協会長、日銀の大規模緩和「効果と副作用、いま一度検証を」 2022/04/14 16:06 日経速報ニュース 全国銀行協会の高島誠会長(三井住友銀行頭取)は14日の記者会見で、日銀の大規模金融緩和について「効果と副作用 の両面をいま一度検証し、適切に判断してほしい」と述べた。資源高などを背景とした輸入価格の上昇については「中小企業 や消費者にとってデメリットが大きいとの声もある」としたうえで「物価上昇が国内経済の先行きに及ぼす影響について、これ まで以上に注視しなければならない」と指摘した。 足元で急速に下落している円相場については「堅調な米国景気と米連邦準備理事会(FRB)の利上げに伴う(日米間の) 金利差拡大を主因に、円安・ドル高の基調が基本的には進んでいくのではないか」との見解を示した。 日本株、薄れる円安の恩恵――個人、資産防衛で売り手に(スクランブル) 2022/04/14 日本経済新聞 朝刊 円安が止まらない。13日の円相場は一時約20年ぶりとなる1ドル=126円台の安値をつけた。円安は輸出企業の採算改善 を通じて日本株を押し上げるはずだが、最近はこのセオリーが効きづらくなっている。原因の一端は、投資家の行動変化に隠され ている。円安による資産価値の目減りを防ごうと、個人投資家の一角が日本株の売り手に回り始めているのだ。 13日の日経平均株価は前日比508円高と3日ぶりに反発して取引を終えた。この日の日本株の上昇は円安の進行とは関係 がない。この日の円安は、東証の取引終了後に一気に進んだからだ。 日経平均とドル円相場のチャートを単純に重ねても、4月以降は両者の連動が崩れているのがわかる。日本株は、円安進行を 素直に好感しなくなってきているのだ。 円安による株価の押し上げ効果が薄れている直接の原因は、製造業の海外生産へのシフトだ。円安が進んでも、輸出数量が かつてのようには増えなくなっているのだ。 効果が薄れたとはいえ、円安が日本の企業業績を押し上げる構図そのものは変わっていない。社数で日本の法人の1%に満た ない上場企業は、円安が業績を押し下げる内需企業よりも、円安の恩恵をうける自動車や電機をはじめとするグローバル製造業 の構成比率が高いからだ。 野村証券の個別企業集計では、東証株価指数ベースの22年度の経常利益は1ドルあたり1円の円安で0・25%押し上げられ る。「円安による原材料高の影響を考慮した分析でも、経常利益は0・22%押し上げられる」(野村の池田雄之輔氏) それでも、円安が株高につながりにくくなっているのは、最近の国内投資家の行動変化が影響している可能性がある。 「円安が進めば物価も上がっていくだろうが、今の保有資産の大半は円建て。円安で資産が実質的に目減りするリスクに備える 必要がある」 東京都に住む30代の男性投資家はこう考えて昨年12月から保有する日本株の売却を進めてきた。資金の新たな受け皿は米 国株だ。現在は、保有資産の約8割が米国株に置き換わったという。 米ダウ工業株30種平均は1月4日に最高値をつけた後は調整色を強めた。だが、大幅な円安の進行によって円建てのダウ平 均は現在も最高値近辺の水準で推移している。「円建てでは含み益になっており、米国株安に焦りは感じていない」。この男性 投資家はいう。 円安が継続するかどうかとは関係なく、個人による海外投資は今後も加速していくだろう。 「2千兆円の個人金融資産の大半は円建てだ。個人が国際分散投資を進めるのは理にかなう」。みずほ証券の菊地正俊氏は いう。そうなると、日本株の円安効果は今後もっと薄れるはずだ。 そこで注目したいのはドル建て日経平均だ。円建ての日経平均以上に下がっており、ドル建てで運用する海外投資家の目に 映る日本株は、円建ての株価以上に割安に映っている可能性がある。 もちろん企業の中身が「安かろう、悪かろう」では海外投資家は見向きもしない。円安の進行で日本人の日本株離れが加速し ようとしている今ほど、企業に価値向上が求められるときはない。 日銀緩和政策、効果と副作用「今一度検証し判断を」=全銀協会長 [東京 14日 ロイター] - 全国銀行協会の高島誠会長(三井住友銀行頭取)は14日の定例会見で日銀の大規模金融緩和 について、「効果と副作用の両面を今一度検証し、適切に判断してほしい」との考えを述べた。足元で進む円安に関しては、堅 調な米国景気などを主因に今後も継続するとの見解を示した。 高島会長は、各国の中銀が金融政策の正常化を進める中、海外との金利差拡大に起因した円安の進行とそれに伴う輸入価 格の上昇は、中小企業や消費者にとってデメリットの方が大きいとの声があると説明。物価上昇が日本経済の先行きに及ぼ す影響にはこれまで以上に注視する必要があると述べた。 その上で、これらの外部環境の変化を踏まえ、日銀の大規模な金融緩和政策の効果と副作用を検証することが大事と語った。 今後の為替相場については、堅調な米国景気と米連邦準備理事会(FRB)の利上げに伴う金利差の拡大を主因とし、「円安 ドル高基調が基本的には続く」との考えを示した。 長期化するロシアによるウクライナ侵攻を巡っては、世界中の金融機関や企業がロシアからの撤退や縮小を相次ぎ表明している。 高島会長は日本の金融機関によるロシア向け与信について、「大きな方向感としては減少していくのではないか」と述べた。 2022年04月15日09時09分 三菱UFJは売り買い交錯、米長期金利上昇も株価連動性が希薄化する傾向に 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>はここ700円台半ばでもみあいを続けているが、きょうも強弱観対立のなか 前日終値近辺で売り買いを交錯させている。 米長期金利の上昇に対する投資家の注目度が高いが、前日はNY連銀のウィリアムズ総裁のタカ派発言を受け米10 年債利回りが2.8%台まで上昇した。大手金融株にとって運用環境の改善を期待した買いが想定されるところだが、 米国株市場では金融セクターへの買いはまばらで、ゴールドマン・サックス<GS>やJPモルガン<JPM>などは軟調な 値動きとなった。 ここ最近の米国株市場では、長期金利上昇局面でも大手金融株の値動きは必ずしも強調展開とはなっていない。 東京市場でも米国事業を展開するメガバンクはこれを引き継ぐ展開。 また、国内債券市場に目を向けても、日銀が指値オペなどで金利上昇を抑制するスタンスを前面に押し出しており、 メガバンクなどの運用利ザヤが取りにくい環境が続くとの見方もある。 東証10時 下げ幅拡大、一時400円超安 グロース中心に売り 2022/04/18 10:06 日経速報ニュース 18日前場中ごろの東京株式市場で日経平均株価は下げ幅を広げ、前週末比400円ほど安い2万6600円台後半で推移している。 米長期金利が日本時間18日午前の取引で一時2.86%台まで上昇し、金利上昇で割高感が意識されやすい高PER(株価収益率) のグロース(成長)株を中心に売りが出ている。10時すぎには下げ幅が420円を超える場面があった。 東証株価指数(TOPIX)のグロース指数は1.6%程度安い。PBR(株価純資産倍率)が低い銘柄で構成するバリュー(割安)指数 の1.3%安に比べ下げが大きい。市場では「米金利上昇が止まらず、米株価指数先物が日本時間18日の取引で下落しており、日本 株の弱材料として意識されている」(三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジスト)との指摘があった。 10時現在の東証プライムの売買代金は概算で5901億円、売買高は2億6401万株だった。 リクルートやキッコマン、コナミHDが安い。ファストリやダイキン、ファナックも下落している。一方、クレセゾンが大幅高。住友大阪 や双日も上昇している。 東証14時 下げ幅一段と縮め340円安 米金利上昇で金融株に買い 2022/04/18 14:08 日経速報ニュース 18日後場中ごろの東京株式市場で日経平均株価は一段と下げ幅を縮め、前週末比340円ほど安い2万6700円台半ばで 推移している。米長期金利が日本時間18日の取引で一段と上昇し、利ざや改善の思惑から、銀行や保険など金融株の一 部に買いが入っている。幅広い銘柄に売り方の買い戻しが断続的に入り、14時時点で東証プライムの値下がり銘柄は全体 の77%と、前引け時点の約90%から減っている。 もっとも、積極的に上値を追う動きは限られる。市場では「ウクライナに侵攻したロシアで事業の中止・撤退を決めた欧米企 業は多い。主要企業の決算発表を前にロシア事業の業績への影響が十分に織り込みきれていないため買いが入りにくい 」(丸三証券の丸田知広エクイティ部長)との見方があった。 14時現在の東証プライムの売買代金は概算で1兆3190億円、売買高は5億9009万株だった。 東邦鉛や東海カ、日揮HD、ヤマハが下落している。味の素やニチレイも安い。一方、東京海上は上げ幅を広げている。ふく おかFGやコンコルディが上昇に転じている。 日本株ADR18日、買い優勢 金融やトヨタが高い 2022/04/19 05:24 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川内資子】18日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は買いがやや優勢だった。 同日の米株式市場では米長期金利の上昇を受け、金融株が買われた。日本株ADRもみずほFGや三菱UFJ、 三井住友FGなど金融の上昇が目立った。トヨタも高い。一方、武田とキヤノン、ソニーGが売られた。 ADD3886円 米国債券10年利回り2.857%、(+0.049) 日銀総裁「急速な円安はマイナス」 従来見解を修正 2022/04/19 日本経済新聞 朝刊 黒田東彦日銀総裁は18日、衆院決算行政監視委員会で「大きな円安や急速な円安はマイナスが大きくなる」と発言した。 円安は「日本経済にプラス」と主張していた黒田氏がマイナス面にも言及し、見解を事実上修正した。鈴木俊一財務相も同日 「悪い円安」への懸念を示した。財務・日銀のトップが市場をけん制した。(関連記事総合2面に) 黒田総裁は「最近の円安は1カ月で10円ほど進んでいて、かなり急速な為替の変動なので、企業の事業計画策定に困 難を来す恐れがある」と述べた。 黒田総裁は「中小企業などでは輸入価格上昇を転嫁できないと収益が減少する」「セクターごとにマイナスもあり、注意して 見ていく必要がある」と円安の負の面も説明した。 鈴木財務相も同委員会で原材料高の価格転嫁や賃金上昇が不十分と指摘したうえで、「どちらかと言えば悪い円安では ないか」と述べた。鈴木財務相は15日にも「悪い円安」について言及し、通貨担当の政権幹部として異例の言及を続けている。 口先介入を続けているものの、18日の東京外国為替市場で円相場は一時1ドル=126円台後半と20年ぶり安値を更新した。 追い風やむ米銀決算 1〜3月、投資銀低調・引当金も重荷 2022/04/15 06:28 日経速報ニュース 【ニューヨーク=斉藤雄太】JPモルガン・チェースなど米大手金融機関5社が14日までに発表した2022年1〜3月期決算は 、いずれも純利益が前年同期比で2桁減になった。急ピッチの米利上げ観測やロシアのウクライナ侵攻で市場が動揺し、企 業の資金調達を支援する業務の収益力が落ちた。景気の下振れ懸念で不良債権発生に備える費用もかさみ、米銀の好業 績を支えてきた追い風は弱まっている。 商業銀行が中核のJPモルガン、シティグループ、ウェルズ・ファーゴと、投資銀行主体のゴールドマン・サックス、モルガン ・スタンレーの5社が1〜3月期決算を公表した。大手銀の一角のバンク・オブ・アメリカは18日の発表を予定している。JPモ ルガンとゴールドマン、モルガン・スタンレーは21年12月期に最高益を記録していたが、今期は厳しい滑り出しになった。 「急速な市場環境の変化が顧客の活動に甚大な影響を与えた。株式発行はほぼ止まってしまった」。ゴールドマンのデー ビッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)は1〜3月期をこう振り返る。 22年に入っても止まらぬインフレを前に、米連邦準備理事会(FRB)は利上げなどの金融引き締めを急ぐ考えを鮮明にした。 2月後半以降にはウクライナ危機と米欧の対ロシア制裁で資源価格が高騰し、世界経済の減速懸念も浮上。年初まで最高 値圏にあった米株相場は崩れ、低位にとどまっていた米長期金利も急上昇するなか、米銀の取引相手となる企業は慎重姿 勢を強めた。 調査会社ディールロジックによると、米銀の競争力が高い世界の投資銀行ビジネスの1〜3月期の手数料収入は前年同期 比で3割減った。特別買収目的会社「SPAC」を通じた上場ブームが失速し、株式の引受業務などの収入は7割減に落ち込ん だ。米銀大手5社の1〜3月期の投資銀業務の収入も軒並み2〜4割減り、業績悪化の大きな要因になった。 米銀は新型コロナウイルスの感染拡大時に融資の焦げ付きに備えた貸倒引当金を積み、その後の景気回復局面では引当 金の戻し入れをすることで会計上の利益が押し上げられてきた。こうした戻り益も一巡し、ウェルズ・ファーゴを除く4社は1〜3 月期に再び与信費用を計上。これも前年比でみた利益が落ち込む一因になった。 ロシア事業の縮小・撤退に関わる費用も収益の足を引っ張る。シティはロシア関連で19億ドルの引当金を計上した。将来的 に生じうる損失リスクは最大30億ドルで、従来予想の約50億ドルよりは減るという。 企業や消費者向けの融資需要は持ち直している。FRBの集計によると、比較的規模の大きい米商業銀の貸出金などの残高 は昨秋に前年同月比でプラスに転じ、今年3月にかけて伸びを高めている。シティのジェーン・フレーザーCEOは「カードローン が伸びるなど(個人向け金融)ビジネスの方向性を好感している」と話す。 米銀大手は市中金利の上昇で貸出金利も上げやすくなり、預金金利との利ざやが広がることで純金利収入も総じて改善傾向 にある。ただ、各社はコロナ後のFRBの大規模緩和などで預金が急増し、預金に占める貸出金の割合を示す預貸率は歴史的 な低水準で推移する。低金利での貸し出し競争の温床になりかねず、利ざやの拡大が順調に進むかどうかが米銀の収益力回 復の焦点になる。 投資銀業務も先行きの展望が描けないわけではない。「顧客の活動レベルは依然として高く、年内に市場の変動がある程度 落ち着けば株式発行も再開されるだろう」。ゴールドマンのソロモンCEOは決算説明会で、需要回復に期待感を示した。 米銀の収益がこのまま峠を越えて下り坂に入るのか、持ちこたえるかは景気動向にも大きく左右される。金利上昇で利ざやが 改善しても、消費・投資の落ち込みや不良債権の増加などが重なれば銀行収益にも全体ではマイナスとなりかねないためだ。 ウェルズ・ファーゴのチャールズ・シャーフCEOは「FRBのインフレ抑制策は確実に成長率を低下させ、ウクライナでの戦争が さらに下振れリスクを高めている」と指摘する。JPモルガンのジェイミー・ダイモンCEOも「景気後退に陥るとは言わないが、当 然起こりうることだ」と話し、先行きに強気だった米銀トップも警戒度を引き上げている。 米銀はここ数年、フィンテック勢との人材獲得競争に伴う人件費の高騰やIT(情報技術)分野への積極投資でコストも膨らませ てきた。これまでは各社とも業績拡大でコスト増を吸収できたが、今後は財務余力に応じて投資戦略に差が広がる可能性もある。 NY株ハイライト 金融大手、6社中5社が市場予想超え 株価は戻り試す 2022/04/19 07:35 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川上純平】米金融大手6社の2022年1〜3月期決算が18日、出そろった。いずれも減益となったものの、 5社で1株利益が市場予想を上回った。決算にかけ軟調に推移していた銀行株に見直し買いが向かっており、株価は戻りを 試す展開となっている。 大手金融の決算は総じて厳しい内容で、ロシアのウクライナ侵攻や米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めによる市場 の先行き不透明感を映した。景気悪化による不良債権の発生やロシア関連の損失に備えて引当金を積み、6社すべてが2 ケタの最終減益となった。シティグループやJPモルガン・チェース、ゴールドマン・サックスは純利益が前年同期比で4割超減 少した。 JPモルガンのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は米経済について「高インフレや供給網の混乱、ウクライナ情勢 の重大な地政学リスクなど多くの課題に直面している」とコメントした。昨年は「極めて力強く、長年にわたって成長する」との 見方を示していたが、見通しの修正を迫られた。 ウェルズ・ファーゴのチャールズ・シャーフCEOは「FRBのインフレ抑制策が確実に成長率を低下させ、ウクライナでの戦争 がさらに下振れリスクを高めている」と指摘した。先行きに対する経営陣の警戒感は総じて高まっている。企業の株式発行 が減少し、投資銀行部門も軒並み低調だった。 一方で、利益は市場の想定ほどは悪化しなかった。JPモルガンを除く5社で1株利益が市場予想を上回った。個人や企業 向けの融資の拡大が業績を支えており、18日に決算を発表したバンク・オブ・アメリカ(バンカメ)は売上高にあたる純営業収 益が2%増えた。ブライアン・モイニハンCEOは融資について「力強い伸びを示しており、利息収入は今後大きく増える」と 胸を張る。FRBが今後利上げを進めるのを踏まえると、金利関連収入の収益への貢献度が高まる可能性がある。 銀行決算に対する期待はもともと低く、株価は利益減を見越して軟調に推移していた。決算発表をきっかけに「想定よりも 良好な内容だった」(米銀系アナリスト)との受け止めが広がっており、銀行株には見直し買いが入っている。昨年末から前 営業日にかけて15.6%下落していたバンカメは、18日に3.4%上昇した。ゴールドマンは2.5%、モルガン・スタンレーは2.8% 、決算発表後にそれぞれ上昇した。 決算発表に対する反応はまだ初動にすぎないが、少なくとも一段安に対する警戒感は後退している。上昇基調に転じれば 株式相場全体にとって頼もしい存在になるだけに、銀行株の値動きには今後も注目が集まりそうだ。 債券寄り付き 先物、反発で始まる 日銀の金利抑制の思惑で 2022/04/19 09:03 日経速報ニュース 19日朝方の国内債券市場で先物相場は反発している。中心限月の6月物は前日比5銭高い149円39銭で寄り付いた。 長期金利は18日に一時0.245%と日銀が許容する変動幅の上限である「0.25%程度」に接近した。一段と金利が上昇す れば日銀が抑制に動くとの思惑が相場を支えている。もっとも前日の米長期金利の上昇(債券価格の下落)が重荷となり 、先物は下落に転じる場面があった。 日銀の黒田東彦総裁は18日の衆院決算行政監視委員会で「経済の先行きを考えると金融緩和を続けるのが適当だ」と 述べた。円安が進行しているものの、緩和継続を見直さない姿勢を改めて示し、国内債の支援材料になっている。ただ米 連邦準備理事会(FRB)の金融引き締め観測で、米長期金利は18日に一時2.88%と2018年12月以来の高水準を付けた ため、利回りの急低下を見込む投資家も少ない。先物は前日の終値近辺で小幅な値動きとなっている。 日本株ADR19日、買い優勢 ホンダとソニーGの上げ目立つ 2022/04/20 05:20 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=古江敦子】19日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は買い優勢だった。 同日の日米株式相場がともに上昇し、日本株ADRにも買いが広がった。ホンダとソニーG、みずほFGの上昇が目立った。 一方、武田と三菱UFJは下落した。 ADD3938円 米国債券10年利回り2.940%、(+0.078) 円安128円台、黒田発言空振り 日米金利差拡大止まらず 2022/04/20 05:25 日経速報ニュース 東京外国為替市場で19日、円相場が約20年ぶりに1ドル=128円台まで下落した。18日に日銀の黒田東彦総裁が「急速な円安は マイナス」とけん制したが、効果は長続きしなかった。米国の長期金利が節目の3%近くに上昇し、日米金利差の拡大が円を押し下げ ている。景気浮揚のための金融緩和継続と円安阻止の両立は難しく、当局はジレンマに直面している。 円相場は19日午後に入って2002年5月以来となる128円台を付けた。鈴木俊一財務相が朝の閣議後の記者会見で「緊張感を持っ て注視している」とけん制したが、円売り・ドル買いの勢いは変わらなかった。 19日夜には一時、1ドル=128円台後半まで下落。国際通貨基金(IMF)のチーフエコノミスト、ピエール・オリビエ・グランシャ氏は同 日、円や東欧通貨の下落に言及したうえで「輸入品に対するインフレがさらに進行する可能性がある。かなり注意深くモニターしてい る」と述べた。 円安の起点になったのが、北アフリカの産油国リビアだ。リビア国営石油会社が18日、同国最大のシャララ油田について、売り手 への出荷義務を一時的に免れる「フォースマジュール(不可抗力)」条項を宣言した。暫定統一政府の首相退陣を求める集団が施設 に侵入したとみられる。 原油高で世界的なインフレがさらに進むと警戒され、米長期金利は19日に一時2.9%台と3年4カ月ぶりの水準まで上昇した。5月4 日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.5%の利上げと保有資産を減らす量的引き締めを決める見込み。市場予想を上回る金融 引き締めで金利が上がりやすくなっている。 一方、日銀は輸入価格の高騰が原因の物価上昇は一時的との見方で、大規模な金融緩和を続ける構えを崩していない。 年初からの長期金利の上昇幅は米国では1.3%、ドイツで1.0%に達する。日本は0.18%にとどまる。日本と米国の長期金利差は19年 4月以来の水準まで広がり、円安・ドル高に歯止めがかかりにくい。 19日の国内債券市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りが上昇(価格は下落)し、前日比0.01%高い0.25%と、日銀 が変動幅の上限とする「0.25%程度」の水準で取引を終えた。日本でも国債利回りの上昇圧力が強まった。 日銀は3月の上限到達時には国債を0.25%で無制限に買い入れる「指し値オペ(公開市場操作)」を実施した。市場では今回も同オ ペを活用するとの見方が大勢だが、3月には同オペ実施後に急速に円安が進んでおり、今回も投機筋の円売りを呼び込みかねない。 円は対ドルで18日までに12日続落と、QUICKで電子ブローキングシステム(EBS)のデータを遡れる05年以降で最長となった。 邦銀ディーラーは「実需筋が淡々とドルを買っている」「円の下落スピードが速く実需筋が慌てている」などとみる。貿易赤字拡大を 背景にしたドル調達の動きが東京時間の円相場を押し下げているもよう。一部ではシンガポールなどに拠点を持つ投機筋が実需の 動きに乗じて円売りを仕掛けているとの見方もある。 シティグループ証券の高島修チーフFXストラテジストは「仮に円買いの為替介入を実施したとしても貿易収支の赤字拡大などは変わ らず、止められる確証もない。米金利の上昇が続く限りは円安・ドル高の流れは変わらない」と指摘する。 ●決算シーズン突入告げる大手金融会社の業績は底堅い 既に、米国では13日のJPモルガン・チェース<JPM>、14日のシティグループ<C>といった大手金融企業を皮切りに決算シーズン に入った。18日にはバンク・オブ・アメリカ<BAC>の1〜3月期決算が発表されたが、純利益は前年同期比12%減の70億6700万ドル だった。ただ、利ザヤの改善で純金利収入は13%増と伸びたことが好感された。「米金融機関の決算は、前年が良かった反動で 前年同期比では減益だが、内容自体は悪くはなかった」(アナリスト)といい、日本の三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> [東証P]など大手金融機関にとっても安心できる内容だった。 2022年04月20日09時26分 メガバンクや地銀など銀行セクターが高い、米長期金利に追随し国内金利も上昇傾向に 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>などメガバンクが堅調なほか 地銀株も総じて上昇基調にある。米10年債利回りの上昇が止まらず、前日は2.9%台半ばまで上昇し3%台乗せ も視野に入っている。米国事業を展開するメガバンクにとっては運用環境の改善期待が株価にポジティブに作用して いる。 一方、国内の10年債利回りも直近は日銀が許容する上限である0.25%まで水準を切り上げており、長期金利 上昇傾向は強く、地銀株にとっても追い風が意識される。現状では、日銀は0.25%で国債を無制限に買い入れる 指値オペを実施する可能性が高いとみられているが、世界的な金融引き締めの動きが強まるなか為替も円安に歯 止めがかからない状況となっており、早晩金融政策のスタンスに変化が出るのではないかという思惑も浮上している。 日銀、指し値オペ通知 長期債0.25%で無制限買い入れ 2022/04/20 10:14 日経速報ニュース 日銀は20日、指定した利回りで国債を無制限に買い入れる「指し値オペ(公開市場操作)」を通知した。指し値オペの発動は 3月31日以来。新発10年物国債を対象に0.25%の利回りで原則、応札分を全て買い取る。 20日午前の債券市場では、長期金利の指標となる新発10年物国債利回りが前日比0.010%高い(価格は安い)0.250%を 付けていた。長期金利が日銀の変動許容幅の上限である「0.25%程度」となり、一段の金利上昇の抑制に動いたとみられる。 日本株ADR20日 買い優勢、トヨタやキヤノンが上昇 2022/04/21 05:10 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=横内理恵】20日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)には買いが優勢だった。 同日の日米株式市場で日経平均やダウ工業株30種平均が上昇し、日本株のADRにも買いが波及した。 トヨタやキヤノン、ホンダが上昇した。オリックスや三菱UFJも高い。一方、ソニーGは小安い。 ADD3952円 米国債券10年利回り2.834%、(-0.081) 日本株ADR21日、全面安 キヤノンが5%安 2022/04/22 05:21 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=張間正義】21日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は全面安だった。 米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めへの警戒から、同日の米株式相場が下落し、日本株ADRにも売りが出た。 キヤノンが5%近く下げ、オリックスとみずほFG、ホンダも売られた。 ADD3940円 米国債券10年利回り2.913%、(+0.077) 緩和修正、試される日銀 浮かぶ長期金利「上限」上げ 円安対処、副作用重く 2022/04/22 日本経済新聞 朝刊 急激な円安を前に、日銀が政策を修正するかに注目が集まっている。インフレ抑制のため利上げを続ける米国と緩和を貫く 日本の金融政策の違いが円安の背景にあるためだ。為替と金利の両面から日銀を試している市場では、許容する長期金利 の上限引き上げといった緩和修正案が浮かぶ。利上げ耐性がないなかでの金融引き締めは日本経済に重い副作用をもたら す。日銀は緩和を続ける構えだが、どこまで座視できるか。 邦銀、米利上げ・コロナ直撃懸念 日銀リポート 収益下振れも 2022/04/22 日本経済新聞 朝刊 日銀は21日公表した金融システムリポートで、景気後退が国内の銀行経営に与える影響を分析した。米利上げを契機に新 興国など世界の経済活動が停滞した場合、邦銀の収益は大きく悪化し、信用金庫では最終損益が赤字に転落すると試算した。 中国の都市封鎖(ロックダウン)など世界的な新型コロナウイルスの感染再拡大も影を落とす。国内外のリスクが邦銀の収益を 揺さぶる構図が浮き彫りになっている。 日銀は金融システムの安定性を評価・検証するため、半年に一度リポートを公表している。 今回、米国の金利上昇やコロナの再拡大による経済収縮を織り込んだリスクシナリオでは、2022年の日本の実質国内総生 産(GDP)成長率が0.5%、海外が1.7%まで落ち込むことを想定した。 国際通貨基金(IMF)は19日改定した世界経済見通しで22年の実質GDPの成長率予想を3.6%としており、より強い仮定 を置いた。景気悪化で取引先や投資先の経営環境が悪化すれば、金融機関の収益にも下押し圧力がかかる。 インフレ圧力の抑制に向け、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを強化する想定も織り込んだ。米長期金利の上昇率 を1%程度と、米金利が0.7%近く急騰した「テーパータントラム」より大きなショックが短期間で生じる場合の影響を点検した。 こうしたケースでは、貸出残高に占める与信コストの割合が0.5%程度上昇するとの試算結果を示した。メガバンクなど大手 行(国際統一基準行)と比べ、飲食や対面型サービスとの取引が比較的多い地方銀行(国内基準行)や信用金庫がより影響を 受ける。 一方、FRBの利上げに伴う米金利の上昇が急激に進んだ場合、大手行にも大きな影響が及ぶ。国際資本規制で有価証券の 時価評価が求められているためで、リスク資産対比2.5%程度の評価損が発生する。 こうした状況を受け大手行の収益はベースラインシナリオと比べると、24年度までの4年間で半分に減少し、地方銀行の収益は 半分以下まで減る。収益基盤の小さい信用金庫は赤字に転落する。大手行の自己資本比率は同11.9%から8.6%まで下がる。 今回はロシアのウクライナ侵攻による世界経済の減速懸念の高まりを反映した初のリポートとなる。現時点で定量的に評価する のは難しいとしてリスクシナリオの前提には盛り込まなかったが、「先行きには大きな不確実性があり、与信先企業の収益に悪影 響が及びうる」との見解を示した。 (三島大地) 焦点:日本の大手銀、米で「非投資適格」企業向け業務強化 リスク見極めが鍵 [東京 22日 ロイター] - 日本の大手銀行が収益拡大の機会を求め、米国で信用格付けの低い企業向けの社債引受や協調融資 を強化している。低格付け企業向けのビジネスは、得られる手数料が大きい半面、より高度なリスク管理が求められる。金利上昇や ウクライナ危機で金融市場を取り巻く環境が不透明になる中、当局からはリスクと機会の見極めが重要との声が聞かれる。 4月22日、日本の大手銀行が収益拡大の機会を求め、米国で信用格付けの低い企業向けの社債引受や協調融資を強化している。 国内の低金利に苦しんできた日本の金融機関は、成長を求め金融手数料の市場規模が大きな米国で事業を拡大してきた。三菱UF Jフィナンシャル・グループ(MUFG)、三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)、みずほフィナンシャルグループの大手3行は、格付 けの高い企業向け融資や社債引受の取引手数料では米系を除きすでに上位群に食い込み、ここ数年は信用格付けの低い「非投資 適格」企業向け業務にも力を入れている。 昨年には、米医療機器大手メドラインのレバレッジド・バイアウト(LBO)ファイナンスの引受に3行がそろって関与、幹事行を務める案 件も増えている。 金融庁のある幹部は「海外市場の経験を積む中で、信用力の高い先のみならず、非投資適格企業との取引深化を通じて収益性を高 める戦略は理解できる」と話す。 一方、昨年まで活況だった非投資適格債券・ローン市場は、米連邦準備理事会(FRB)の利上げやウクライナ情勢などの影響で足元 は冷え込んでおり、メガバンク3行の実力が今まで以上に試される。 米国の非投資適格企業向け債券・協調融資の取引手数料ランキングで現在17位のMUFGは、23年に順位を12位まで上げることを 目標に掲げる。佐藤慎一・グローバルCIB企画部長は、収益機会が見え始めた5年ほど前から事業を強化してきたと説明する。 米国では非上場企業に投資するプライベートエクイティファンドが台頭し、日本の銀行も資金の供給者に選ばれることが多くなった。足元 ではリスクが拡大しているものの、佐藤氏は「(市場動向を)見極めることが必要だが、(今後も)ある程度は伸びていくことが想定される」 と語る。「継続的な投資を続けながら、一定程度のシェア、ビジネスまで育てていく」と話している。 <情報力と対応力が明暗分ける> 日本の銀行が米国で実力を高めるには、現地のノウハウを取り込むのが近道となる。 みずほFGは2015年、英ロイヤルバンク・オブ・スコットランドから北米企業向け融資を約3500億円(30億ドル)で買い取り、人員約15 0人を引き受けた。笠松祐介・グローバルコーポレート業務部参事役は、人材やリスク管理体制を強化する上で「この買収が1つのターニ ングポイントだった」と話す。買収当初は格付けの高い米企業との関係を深め、徐々に非投資適格企業に取引を広げたという。 米国みずほ証券を含む米州拠点の2021年3月期の経常利益は前年比2.2倍増の600億円だった。22年第3・四半期時点でもすでに 477億円で、好調を維持している。 競合の大手行幹部は、みずほの米国事業に米金融大手などから優秀な人材が入ったことで融資審査のスピードやリスク管理などが大幅 に改善したと評価する。調査会社のディールロジックによると、みずほFGの非投資適格債券・ローン市場における手数料シェアは1.5% (21年)。過去3年間で倍増しており、笠松氏は「まだまだ伸ばせる。そこを1つの成長のドライバーにしようと考えている」と話す。 SMFGは、21年に結んだ米証券会社ジェフリーズ・ファイナンシャル・グループとの資本・業務提携を足掛かりにしようとしている。昨年12 月にロイターのインタビューに応じた太田純社長は、米国での証券機能が弱く、好調だった米資本市場ビジネスから恩恵を受けることが できなかったと語った。 銀行業界を担当するJPモルガン証券の西原里江シニアアナリストは、3行の米国投資銀行事業について、「三者三様に非投資適格領 域に注力していて、いずれも右肩上がり」と評価。一方、事業を拡大していく中では、リスクが顕在化してからの情報収集力と対応力の 差が明暗を分けると指摘し、「自前でどこまでできるかを見極めた上で取り組まなければいけない」と話している。 非投資適格企業の領域とは異なるものの、昨年発生した米ファミリーオフィス、アルケゴス・キャピタル・マネジメントの巨額損失問題では 、ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーなど上位の米投資銀行が影響を最小限に抑える一方、リスク回避に遅れ多額の損失を 出す金融機関もあった。 日銀は21日の金融システムリポートで、3行による海外貸出を分析した。米銀に比べて「非投資適格級の比率が高い」と指摘した上で、 金融環境が悪化すると「デフォルト(債務不履行)率が上昇する可能性がある」との見解を示した。 格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは「市場の不安定性が高まる中、資本市場における特に非投資適格事業のシェア拡 大に向けた邦銀の取り組みはリスクが高い」としたが、「慎重な事業拡大は収益性の向上に寄与するだろう」と評価した。 先出の金融庁幹部は「戦略に見合ったリスク管理態勢の構築に期待しており、注視している」と話している。 日本株ADR22日、全面安 ソニーGやトヨタの下げ目立つ 2022/04/23 05:13 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=戸部実華】22日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は全面安だった。 同日の日米株式相場が下落し、日本株ADRも売られた。ソニーGやトヨタの下げが目立ち、ホンダも下落した。 三菱UFJやみずほFG、三井住友FGといった銀行銘柄も安い。 ADD3889円 米国債券10年利回り2.905%、(-0.013) 2022/04/21 22:45 三井住友FG(8316) 22年3月期経常予想。対前週0.2%上昇。 三井住友フィナンシャルグループ<8316>の経常利益予想コンセンサスは、前週値の1,012,857百万円から0.2%上昇し 1,014,606百万円となった。因みにレーティングコンセンサスは3.8から3.9に上昇した。 2022/04/21 16:05 三井住友FG(8316) 米系大手証券、レーティング強気。目標株価5,000円。 米系大手証券が4月20日、三井住友フィナンシャルグループ<8316>のレーティングを強気(Buy)とした。また、目標株 価は5,000円としている。因みに前日(4月19日)時点のレーティングコンセンサスは3.78(アナリスト数9人)で「やや強気」 の水準、目標株価コンセンサスは4,592円(アナリスト数9人)となっている。 日本株ADR25日 買い優勢、ソニーGやホンダが高い 2022/04/26 05:08 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=横内理恵】25日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)には買いが優勢だった。 同日の米株式相場が上昇し、日本株のADRにも買いが波及した。ソニーGやホンダ、トヨタが高い。 武田とキヤノンも買われた。一方、オリックスと三菱UFJは安い。 ADD3882円 米国債券10年利回り2.818%、(-0.009) <東証>銀行株が軟調 金融緩和修正の思惑後退、日銀総裁のNY講演受け 2022/04/25 13:28 日経速報ニュース (13時20分、プライム、コード8306)銀行株が軟調に推移している。三菱UFJは午前に一時、前週末比15円80銭(2.1%)安の 749円10銭まで下落した。日銀の黒田東彦総裁が22日にニューヨーク(NY)市内のコロンビア大主催のイベントで講演し、「いま の金融緩和を継続する必要がある」との見方を改めて示した。日銀の政策変更により長期金利が上昇し銀行の利ざや改善が より進むとの思惑が後退し、株価の重荷となっている面があるようだ。三井住友FG(8316)や千葉銀(8331)なども安い。 大和証券の阿部健児チーフストラテジストは25日付のリポートで「急速な円安進行を受けて日銀がイールドカーブ・コントロール (長短金利操作)を緩和し、日本の銀行株の株価に相対的にポジティブな影響を与える可能性があるとの見方が市場の一部に はあった」と指摘した上で、今回の黒田総裁の講演を受け「その可能性は当面低い」との見方を示した。 日本株ADR26日、全面安 野村とソニーGが大幅下落 2022/04/27 05:08 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川内資子】26日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)はほぼ全面安だった。 米株式市場でダウ工業株30種平均が800ドル超下げ、日本株ADRも売られた。 野村とソニーGがともに4%下げ、トヨタやキヤノン、みずほFGも安い。 ADD3708円 米国債券10年利回り2.724%、(-0.103) 日本株ADR27日、高安まちまち ソニーGは高い 2022/04/28 05:21 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=古江敦子】27日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は高安まちまちだった。 同日の日本株が下落した一方で米ダウ工業株30種平均が上げ、方向感が出にくかった。 ソニーGとトヨタ、武田が上昇した。半面、野村とオリックス、三井住友FGが下落した。 ADD3808円 米国債券10年利回り2.836%、(+0.064) 日銀指し値オペ、応札額5816億円 全額を落札 2022/04/28 11:08 日経速報ニュース 日銀は28日、指定した利回りで長期国債を無制限に買い入れる「指し値オペ(公開市場操作)」を実施した。5816億円の応札が あり、全額を落札した。応札額は直近で応札のあった26日(9215億円)を下回った。 日銀は20〜27日も指し値オペを実施している。きょうで7営業日連続となり、買い入れ総額は2兆8834億円に達した。 日銀はきょうの指し値オペで、対象銘柄(364〜366回債)のうち最も利回りが高い365回債の利回りが0.25%となるよう買い入れ るとしていた。28日の流通市場で365回債は0.250%、長期金利の指標となる新発10年債の366回債は0.245%で推移していた。 日銀は26日午後、複数日にわたって指定した利回りで国債を無制限に買い入れる「連続指し値オペ」を27〜28日に実施すると 発表した。20日に単発の指し値オペ、21〜26日に連続指し値オペを発動したが、26日昼すぎも長期金利は高止まりしていた。 さらに2日続けて指し値オペを実施し、金利上昇を抑制する狙いがある。 2022年04月28日10時44分 メガバンクが揃って反発、米10年債利回り上昇と日銀の決定会合前で思惑 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>がいずれも5日ぶり反発、みずほフィナンシャル グループ<8411>は6日ぶり反発となるなどメガバンクが買い優勢の展開となっている。米国ではインフレ警戒感が再び強まるなか、 前日は米国債が売られる流れとなり、米10年債利回りが急上昇し、終値ベースで前日比0.1%以上高い2.83%台まで水準を切り 上げた。 これは米国事業を展開するメガバンクにとっては運用利ザヤ拡大の思惑につながりポジティブ材料となる。また、きょうは日銀金融政 策決定会合の結果が発表されるが、金融政策は現状維持が予想されるものの、引け後の黒田日銀総裁の記者会見では急速な円安 進行を意識したコメントも想定され、先行き日銀の超緩和政策の軌道修正の思惑も浮上しやすいタイミングにある。 2022-04-28 GS 新規買い 4900円 2022-04-15 JPモルガン Overweight継続 5600円 → 5300円 2022-04-14 SBI 中立継続 4600円 → 4100円 2022-04-12 メリル 買い → 中立格下げ 5200円 → 4400円 2022-04-08 大和 2継続 5000円 → 4700円 2022-03-28 三菱UFJMS Overweight → Neutral格下げ 5000円 → 4500円 2022-03-16 モルガンS Overweight継続 5400円 → 4800円 2022-03-11 みずほ 買い継続 5100円 → 5300円 2022-02-18 東海東京 Neutral継続 4060円 → 4430円 2022-01-28 メリル 買い継続 4900円 → 5200円 2022-01-13 SBI 中立継続 4000円 → 4600円 日本株ADR28日、全面高 オリックスや野村の上げ目立つ 2022/04/29 05:11 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=戸部実華】28日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は全面高だった。 同日の日米株式相場が上昇し、日本株ADRも買われた。オリックスや野村の上げが目立った。 トヨタやホンダの自動車銘柄も高い。ソニーGやキヤノンも2%強上昇した。 ADD3939円 米国債券10年利回り2.826%、(+0.008) 緩和修正、日銀と市場に溝――りそな純利益12%減、新生銀56%減 前期、米金利高で損失 2022/04/29 日本経済新聞 朝刊 米長期金利の上昇(債券価格は下落)が銀行の業績に影響を及ぼし始める。りそなホールディングスは28日、2022年3月期の 連結純利益が前の期比12%減の1090億円に、新生銀行も同56%減の200億円になったようだと発表した。低金利下で利回り の見込める海外の有価証券に資金を振り向けてきた金融機関は多く、同様の損失処理が広がる恐れがある。 米国の10年物国債金利は21年12月末時点の1.51%から、今年3月末に2.33%へ上昇。りそなでは債券と投資信託を合わ せた資産の評価損が275億円から613億円に膨らんだ。「外国債券を中心に継続的に保有する合理性が乏しい銘柄を売却した」と し、509億円の損失を計上した。純利益の従来予想は17%増の1450億円で、一転して減益となる。 新生は保有する外国債券などで117億円の売却損を計上し、22年3月期の純利益は56%減の200億円だったようだと発表した。 SMBC日興、相場操縦事件が前期売上高に100億円程度の影響 [東京 28日 ロイター] - SMBC日興証券の牛島真丞常務は28日、2022年3月期の決算会見で、相場操縦事件により 売上高に100億円程度の影響があったと述べた。引き受け案件で一部主幹事などから外されたケースや、一部の機関投資 家からセカンダリーでの発注停止があった。今期業績に与える影響はまだ読み切れていないという。 SMBC日興の1―3月期、3年ぶり四半期営業赤字 相場操縦事件も影響 [東京 28日 ロイター] - SMBC日興証券は28日、2022年1―3月期の連結業績が22億円の営業赤字になったと発表した。 四半期の営業赤字は19年1―3月期以来3年ぶり。地政学リスクの顕在化で株式市場が軟調になったのに加え、逮捕者を出した 相場操縦事件が影響した。 純営業収益は前年同期比30%減の642億円、純利益は87%減の19億円だった。前・四半期比でもそれぞれ30%、87%減少した。 会見した牛島真丞常務によると、相場操縦事件を受けて債券引き受けをはじめ主幹事などから外されたり、セカンダリーでも機関投 資家かなどが発注を停止した。事業会社の売り上げに当たる純営業収益で100億円の影響があったという。今年度も一定程度の 影響が出る可能性があるとした。 同社による相場操縦事件を巡っては、東京地検特捜部が元副社長ら6人と法人としての同社を金融商品取引法違反(相場操縦)の 罪で起訴した。 同時に発表した22年3月通期の連結業績は、純営業収益が前期比6.6%減の3342億円、営業利益が同30.4%減の588億円 、純利益が同30.6%減の497億円だった。 市場との全面対決 黒田日銀、「緩和継続」の勝算-金融政策・市場エディター 大塚節雄 2022/04/29 05:00 日経速報ニュース 円安が輸入インフレに拍車をかけるなか、日銀が28日の金融政策決定会合で金融緩和の姿勢を堅持し、円相場は20年ぶりに 1ドル=131円台まで下落した。広がる「悪い円安論」におもねらず、景気下支えのためにむしろ長期金利を抑える姿勢を強めた。 外国為替相場に右往左往しないのは正論であり、王道だ。だが黒田東彦総裁の揺るがぬ緩和姿勢こそが、黒田氏自身も警戒 する「急速な円安」を生みかねないジレンマは続く。激しくなる市場との攻防。黒田日銀に勝算はあるのか。 「緩和維持どころか、まさか緩和強化で反撃するとは」。市場では日銀が28日午後に公表した決定会合の声明文に驚きが走り、 一気に円売りの勢いが増した。事前には一部で金融緩和の姿勢を弱める思惑もあったが、長期国債の利回りが0.25%を超えない よう無制限で買い取る「連続指し値オペ」を原則として毎営業日実施する新たな方針を打ち出した。市場の攻撃に正面から応戦し たようにも映る。 もちろん必ずしも緩和強化とはいえない。黒田氏が会合後の記者会見で「市場の臆測を排除する」などと繰り返し語ったように、 オペ運用の機械化といったほうがよい。オペを実施するかどうかを巡って毎回、市場の思惑を誘発するくらいなら、あらかじめ毎日 実施する形式に改め、指し値オペを「ありふれた日常の風景」にしてしまおうというわけだ。 背景には市場との攻防を巡る日銀の苦い記憶がある。3月下旬。債券市場で長期国債に売り圧力(長期金利に上昇圧力)が強 まるなか、日銀が指し値オペなどで金利抑制策を繰り出すたびに、外為市場で円売り圧力が強まるという「日銀の金利抑制と円安 進行」の悪循環がみられた。 主役は海外勢だ。「日銀が円安を抑えるために金利上昇を容認するかどうかを試そうと、久しぶりに円債マーケットに戻ってきた」 (外国証券ストラテジスト)。 活発になったのは、機敏に売買できれば日銀がどう対応しようとも利益が見込める取引だ。まずは債券売りと円売りを同時に仕 掛ける。もし日銀が金利上昇を容認する姿勢を少しでもみせれば、さらなる債券売りを急ぐとともに、円の買い戻しか新たな円買い に動く。 逆に日銀が金利抑制を貫くようなら、債券の買い戻しなどに転じつつ、円売りを深追いしていく。実際に起きたのは後者で、債券の 短期売買と円売りの両方で利益を得た投資家も多かったという。 黒田氏は今回決めた連日連続の指し値オペを「市場を過度に変動させることにはならない。むしろ安定させる」と語った。債券だけ でなく、円相場も念頭に置いている可能性が高い。ことあるごとに日銀の姿勢を試そうとする市場からその機会を奪い、日銀の金利 抑制と円安進行のスパイラルを防ぐ。そうすれば、黒田氏が最近マイナスの影響があると言及した「急速な円安」もあまり起きない という算段だ。 市場の安定を図る措置が、131円台への急激な円安のきっかけとなったのは皮肉だが、短期的に円売り圧力が高まるのを覚悟し てでも、やや長い目で見て「投機」を封じたいと考えた可能性が高い。 円安そのものを防げるわけではない。最近では米長期金利が上昇するなかで、市場の関心は低金利死守がはっきりした日銀の 出方そのものよりも「0.25%で動かぬ日本の金利と、上昇する米金利」という構図に移り、日米金利差の拡大に着目したファンダメン タルズ(経済の基礎的条件)寄りの円売りが中心になっている。 黒田氏は会見で、円安そのものは「全体ではプラス」との評価を崩さなかった一方、「過度に急激な変動」には注意が必要との 立場を改めて示した。一方で前回までの会見で聞かれた「円安の影響が、業種や企業規模、経済主体によって不均一であるこ とに十分な留意が必要」という言い回しはなかった。 日米金利差の拡大や、資源高に根ざす経常収支の悪化に伴うファンダメンタルズ面からの円安については容認している可能 性が高い。それどころか、「日銀は本当のところ、円安を狙っている」。日銀会合後、複数のエコノミストはこう語った。輸出企業 の収益改善期待もあって28日午後の日経平均株価が一段高となったように、大手の輸出企業にとって円安はまだ間違いなく プラスだ。 一方で黒田氏は、輸入インフレによる景気の下押しには、低金利維持が肝要だと説く。「輸入インフレがもたらす景気の下押し 圧力を、輸入インフレに拍車をかける円安を伴う金融緩和で和らげる」という構図は明らかに矛盾をはらむ。それでも日銀は「物 価高の主因はあくまでドル建ての資源高であり、円安は限界的な影響しかもたない」(日銀関係者)という論理で正面突破でき ると踏んでいる。 低金利で景気を支えるとして、そのことが円安という副作用を生むのなら、問題は低金利維持の効果と円安の副作用のどちら が大きいのかということになる。たとえば、住宅を買いたいと考える人にとって、住宅ローン金利が上がったコスト上昇分と、円安 によって住宅の輸入資材の価格が上昇する分のどちらがより大きいのかを考えることにもなる。 円安効果が一部の輸出企業や富裕層に限られるとすれば、残る多くの経済主体にとって円安の悪影響は低金利による景気下 支え効果を少なくとも一部は相殺してしまう。肝心の緩和効果にも疑問符がつきかねない。 黒田氏に緩和維持を貫く勝算がどこまであるのか。今の資源高が「持続性に乏しい」とする日銀の見立て通りなら、日銀への逆 風は次第に和らぎそうだ。逆に年後半以降も資源高がしつこく続けば、市場が日銀緩和を巡る様々な矛盾を突き、黒田氏が嫌う 「急速な円安」をもたらすリスクは残る。日銀は緩和継続のコストとメリットを計算し直し、緩和の枠組み修正を検討する必要に迫ら れる可能性もある。 今回の連日連続オペで短期的な投機を封じ込めることに成功したとしても、市場との攻防はまだまだ続きそうだ。 日本株ADR29日 全面安、ソニーGや野村が安い 2022/04/30 05:07 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=横内理恵】29日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は全面安だった。 同日の米株式相場が大幅に反落し、日本株のADRにも売りが広がった。ソニーGや野村、トヨタが安い。 みずほFGや三菱UFJなど銀行も下げた。 ADD3890円 米国債券10年利回り2.938%、(+0.075) 三井住友銀行システム障害、全面復旧 GWの決済に影 2022/05/01 12:08 日経速報ニュース 三井住友銀行で4月30日に起きたシステム障害は5月1日、全面復旧した。コンビニATMを使った出入金が難しくなったほか、 PayPayをはじめとしたキャッシュレス決済手段への入金など影響は広範囲に及んだ。発生から16時間あまりたった1日午前10 時ごろすべてのサービスが復旧したが、ゴールデンウイーク(GW)2日目に起きたトラブルは旅先での資金需要などに影響を与 えた可能性がある。 同行は顧客への影響度合いや問題が起きた原因の調査を急いでいる。 デビットカードが使えず、コンビニのATMで現金が引き出せない――。4月30日、SNS(交流サイト)には午後6時ごろから三井 住友銀の利用者とみられる投稿が相次いだ。障害発生は同日午後5時35分で、同行は午後8時すぎにホームページで公表。セ ブン銀行などは三井住友銀キャッシュカードが使えないことをATMで表示した。 障害は①同行店舗ATMでの他行カード取引とクレジットカード(キャッシングなど)取引②コンビニATMでの同行カード取引とクレ ジットカード取引③PayPayなどキャッシュレス決済サービスへのチャージ(入金)④SMBCデビットカード⑤公営競技(競馬・競輪・ 競艇など)投票サービス――で起きた。三井住友銀ATMでの同行キャッシュカードを使った取引は問題なく可能だった。 復旧作業は夜通し続いた。ATMとデビットカードのトラブルは1日午前1時ごろから順次解消。外部との連携が必要なサービス はやや遅れたものの、キャッシュレス決済へのチャージも午前7時ごろまでに利用できるようになった。公営競技投票サービスの 一部では1日午前10時ごろまで復旧作業が続いた。 同行は一部設定の不備で根幹の勘定系システムとATMなどの接続が不安定になったことが障害の要因としている。不安定に なった原因がソフトウエアによるものかハードウエアによるものかも含め、同行は調査を進めている。1日にプログラム改定を実施 してシステム上の対応策を講じるほか、取引に支障が出た顧客とは個別に連絡をとるという。 2021年、みずほ銀行では自行ATMで出入金ができなくなる障害が頻発した。キャッシュカードが取り込まれるトラブルも起きた。 今回の三井住友銀では自行カードを使った自行ATMの利用には問題がなかった一方、コンビニATMやキャッシュレスなど他の 金融機関や決済事業者とのやりとりが必要な取引で障害が起きた。 トラブルの範囲の違いから、これまでみずほで起きた障害とは異なる原因の可能性がある。利用者が全てのATMで現金を引き 出せなくなるトラブルは回避できたが、大型連休中のトラブルで、旅行先のコンビニでの現金需要などに支障が出た可能性がある。 また、QRコード決済やデビットカードなどのキャッシュレス決済は消費者に急速に浸透しており、三井住友フィナンシャルグループ もグループを挙げてキャッシュレス強化に取り組んでいた。外部連携での接続不良が繰り返されれば、キャッシュレス社会の実現 に影を落としかねない。 米株価指数先物が上昇 ダウ先物、一時3万3060ドル台 2022/05/02 07:34 日経速報ニュース 日本時間2日早朝の取引で米株価指数先物が上昇している。米ダウ工業株30種平均の先物で流動性の高い「Eミニ・ダウ平均」 の6月物は一時、前週末4月29日の清算値(3万2882ドル)を182ドル(0.55%)上回る3万3064ドルまで上げた。米国の金融引き 締めや世界景気の減速への警戒感から29日に大幅に下落していたが、2日は自律反発狙いの買いなどが優勢となっている。 主要なハイテク株で構成するナスダック100株価指数の先物「Eミニ・ナスダック100」も上昇している。 2022年05月02日09時37分 三菱UFJ、第一生命HDなど冴えない動き、米長期金利急上昇も空売り買い戻し見込めず上値重い展開に 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>などメガバンクは売り物に押される展開。 また、第一生命ホールディングス<8750>など大手生保も上値の重い展開を強いられている。 前週末の米国株市場では主要企業の決算発表が相次ぐなか、業績先行きに対する不透明感が強く意識され主要株価指数 が揃って急反落、米長期金利が終値ベースで2.93%台まで急上昇したことを受け、ハイテク株比率の高いナスダック総合株 価指数は4%を超える急落となった。 しかし、東京市場では半導体関連の一角などに空売りの買い戻しが入る一方、米金利上昇により米国事業の運用環境改善 が見込まれる大手金融株は、高水準の買い残に対し空売りが少なく買い戻し余地に乏しいことから、冴えない動きとなっている。 これは米国株市場も同様で、前週末はゴールドマン・サックス<GS>が4%超の下げとなったのをはじめ、主力金融セクターへの 売りが目立った。 2022/04/28 22:45 三井住友FG(8316) 22年3月期経常予想。対前週0.1%下降。 三井住友フィナンシャルグループ<8316>の経常利益予想コンセンサスは、前週値の1,014,606百万円から0.1%下落し 1,013,897百万円となった。因みにレーティングコンセンサスは3.9から4.0に上昇した。 2022/04/28 18:00 三井住友FG(8316) 米系大手証券、レーティング強気。目標株価4,900円。 米系大手証券が4月28日、三井住友フィナンシャルグループ<8316>のレーティングを強気(買い)とした。 また、目標株価は4,900円としている。因みに前日(4月27日)時点のレーティングコンセンサスは3.9(アナリスト数10人) で「やや強気」の水準、目標株価コンセンサスは4,633円(アナリスト数10人)となっている。 2022-04-28 GS 新規買い 4900円 りそなHD株が大幅安、米長期金利上昇が収益直撃-今期も響くとの声 https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-05-02/RB8EN7T0G1KW01?srnd=cojp-v2 2022年5月2日 11:27 JST 前期純利益は1090億円(従来予想1450億円)のもよう-外債売却で 今期にも一定のロスカットの可能性-SMBC日興の佐藤アナリスト りそなホールディングスの株価が大幅に反落している。米長期金利上昇が前期(2022年3月期)収益を直撃しており、今期も尾を 引くとの見方が出ている。 株価は一時5.7%安の532.7円まで下落した。2年超ぶりの値下がり率で、3週間ぶりの安値を付けている。前期純利益が1090億 円(従来予想1450億円)になったもようだと4月28日発表した。一転減益になる。第4四半期に米長期金利が急上昇して外国債券を 中心に継続的に保有する合理性が乏しい銘柄を売却したとしている。与信費用も一部貸出先の債務者区分見直しに伴い増やした。 米長期金利は今期に入っても上昇を続け、4月下旬には3%弱まで付けた。日本時間5日には米連邦公開市場委員会(FOMC) の結果が発表される見通しで、市場では0.5ポイント利上げを予想している。さらに市場では6月のFOMCで0.75ポイントの利上げ確 率がほぼ五分五分織り込まれている。東京株式市場では3メガを含む銀行株も値下がりしている。 前期純利益減額についてりそなHDは、翌期以降の有価証券運営の柔軟性と健全性を確保する観点とした。SMBC日興証券アナ リストの佐藤雅彦氏は、外債ロスカットと与信費用増が要因だがSMBC日興や市場は小幅な上振れを見込んでおり意外感があると リポートに記した。さらに今期にも一定のロスカットの可能性があり、この部分は悪材料出尽くしとは言い切れない印象だと指摘した。 日本株ADR2日、売り優勢 みずほFGや三井住友FGが下落 2022/05/03 05:11 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川内資子】2日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は売りがやや優勢だった。 同日の東京株式市場で下落したみずほFGや三井住友FG、キヤノンが売られた。一方、三菱UFJやソニーGは上昇した。 ADD3866円 米国債券10年利回り2.977%、(+0.092) ベトナム大手と三井住友銀提携 金融サービス補完 2022/05/03 日本経済新聞 朝刊 三井住友銀行は2日、ベトナム大手銀行のVPバンクと業務提携したと発表した。三井住友銀の顧客に対してVPバンクが 現金の取り扱いや金庫など金融インフラを提供する。個人向けサービスでも連携する。 VPバンク傘下で同国ノンバンク最大手のFEクレジットには三井住友フィナンシャルグループ(FG)のSMBCコンシューマー ファイナンスがすでに出資している。今回の提携で、三井住友銀の支店で対応しきれないサービスをVPバンクに提供してもら う。VPバンクに日系企業をサポートする部署を設け、三井住友銀から出向者を送る。 金融庁、三井住友銀に報告命令へ ATM障害受け 2022/05/03 日本経済新聞 朝刊 三井住友銀行の支店やコンビニなどに設置しているATMで4月30日に起きたシステム障害を受けて、金融庁が同行に近く 銀行法に基づく報告徴求命令を出す方針を固めたことがわかった。発生から約16時間ですべてのサービスは復旧したが、 キャッシュレス決済手段への入金ができなくなるなど混乱は一時拡大。金融庁は障害の詳しい要因や顧客への対応状況など を確認する。 障害は30日午後5時35分ごろに発生し、最終的に5月1日午前10時ごろにすべての障害が解消した。三井住友銀ATMで の同行キャッシュカードを使った取引は問題なかった。 同行は、一部設定の不備で勘定系システムとATMなどの接続が不安定になったことを要因としているが、金融庁はさらに詳し い調査を進めた上で報告するよう求める。 日本株ADR3日、全面高 三菱UFJや野村の上げ目立つ 2022/05/04 05:20 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=戸部実華】3日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は全面高だった。 三菱UFJや野村の上げが目立った。オリックスや三井住友FG、みずほFGも高い。トヨタやホンダの自動車銘柄も上昇した。 ADD3916円 米国債券10年利回り2.977%、(-0.019) インフレ・デジタル・脱炭素…金融キーパーソンの直言 2022/05/04 05:00 日経速報ニュース 世界経済を覆うインフレリスクや急速に進むデジタル化に金融のキーパーソンはどう対応するのか。経済社会問題の本質に迫る 白熱したやりとりを生き生きとした筆致で表現する「金融直言」から5本の記事を紹介する。 米ブラックストーン社長、投資先「インフレ耐性で選別」 世界最大規模の投資会社、米ブラックストーン・グループがファンド資金の調達を加速している。2023年夏までに総額1500億ドル( 約18兆円)を投資家から集める計画だ。ジョナサン・グレイ社長兼最高執行責任者(COO)はインタビューで「スタグフレーション(物 価高と低成長の併存)に陥るリスクがある」と指摘し、投資先の選別でインフレ耐性を重視する考えを示した。グレイ氏は創業者ステ ィーブン・シュワルツマン最高経営責任者(CEO)の後継者候補と目されている。 デジタルの号砲、海外リテールに勝機 JPモルガン社長 米大手銀行JPモルガン・チェースが海外事業への投資を拡大している。中国本土の人員を増やすほか、米国外で初となるリテール 銀行を英国で開業し、ブラジル企業にも出資した。金融機関として時価総額が世界最大の「最強銀行」は混沌とする世界情勢のなか で、どう勝機を描いているのか。ダニエル・ピント社長兼最高執行責任者(COO)に聞いた。 「脱炭素金融、資金需要は1京円」 野村HD奥田CEO 気候変動への対応で金融の責任が大きくなっている。その柱が温暖化ガスの排出量が多い業種を中心に、脱炭素への移行を後押 しするトランジションファイナンス(移行金融)だ。企業の資金需要は1京円を超える。野村ホールディングスの奥田健太郎グループ最 高経営責任者(CEO)は「脱炭素への移行を支援するため、26年3月期までに1250億ドルの株式や社債引き受けに関与することをめ ざしている」と明かした。 アジア投資緩めず「質も量も追う」 三井住友FG太田社長 低成長が続く日本の金融業界。三井住友フィナンシャルグループ(FG)の太田純社長は「成長をあきらめると、活気がなくなりモラール が低下する。若い人が夢を持って活躍できて、それが成長につながるようにしていかないと、企業として活力がなくなるし、生き残って いけない」と断言する。再び成長の青写真を描けるのかを聞いた。 「銀行機能はモジュールになる」 三菱UFJFG亀澤社長 米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏は1994年に「銀行業(banking)は必要だが銀行(bank)は必要ではない」と指摘した。フィンテ ックなど新興勢が台頭するなか、既存の金融機関は銀行の将来図をどう描いているのか。三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG) の亀澤宏規社長は「銀行の機能が小口のモジュール(複合部品)になり、外部の事業者と組んで価値を生み出せるか」が新たな金融 サービスを生み出すと説く。 FRB、政策金利を0.5%引き上げ 22年ぶりの大きさ 資産圧縮は6月に開始 2022/05/05 03:00 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=松本清一郎】米連邦準備理事会(FRB)は4日に開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利の フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.5%引き上げ0.75~1.0%とした。通常の2倍にあたる0.5%の引き上げは2000年5月 以来22年ぶり。FRBが保有する米国債など資産の圧縮を6月に始めることも決めた。インフレが減速する兆しがなく、急速な利上 げで景気をある程度犠牲にしてでも物価を抑え込む構えだ。 公表した声明では「経済活動は1~3月期にわずかに減速したが、家計の消費と企業の投資は力強いままだった」と指摘。雇用 拡大も「robust(強力)」だとの認識を示した。足元で物価を押し上げている要因として、前回も触れたロシアのウクライナ侵攻に加 え「新型コロナウイルスに関連した中国のロックダウン(都市封鎖)がサプライチェーンの混乱を悪化させているようだ」との分析を 追加した。 資産圧縮は6月1日に始める。満期償還される国債と、不動産ローン担保証券(MBS)のうち再投資に回る金額を減らす方法を 採る。月額の減額幅は475億ドル(国債300億ドル、MBS175億ドル)で始め、3カ月後には950億ドル(国債600億ドル、MBS350 億ドル)に拡大する。 FRBは景気を冷やしもふかしもしない「中立金利」を2.4%とみている。高インフレの背景には供給を上回る過剰な需要があると FRBはみており、政策金利を早期に中立金利水準に引き上げたい考えだ。6月のFOMCでも0.5%の利上げに動く可能性が高く 、タカ派の一部のFRB高官は0.75%の利上げを主張している。2会合連続して0.5%以上引き上げればFRBの歴史でも極めて異 例の対応となる。 日本株ADR4日、全面高 ソニーGとみずほFGが大幅高 2022/05/05 05:28 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=古江敦子】4日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は全面高だった。 同日の米株式相場が上昇し、日本株ADRに買いが波及した。ソニーGとみずほFG、ホンダが2%強上昇した。 キヤノンと三井住友FG、野村の上げも目立った。 ADD3957円 米国債券10年利回り2.940%、(-0.018) 米国株、ダウ932ドル高 今年最大の上げ 急激な金融引き締めの観測が後退 ナスダックも上昇 2022/05/05 05:51 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=張間正義】4日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸し、前日比932ドル27セント(2.8%)高の 3万4061ドル06セントで終えた。上昇幅、上昇率とも今年最大。景気敏感やハイテク株など幅広い銘柄が買い直された。4日の 米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が0.75%の大幅利上げに消極的 な姿勢を示し、急激な金融引き締めの観測が後退した。 午後2時のFOMCの結果発表後の株価の動きは小さかった。FOMCでは通常の2倍となる0.5%の利上げと、保有資産の圧 縮の6月開始を決めた。内容は市場の想定通りだった。 相場の流れが一変したのが、午後2時30分から始まったパウエル議長の会見中だ。パウエル議長は質問に答える中で「0.75 %の利上げを委員会は積極的には考えていない」と発言した。今後2回の会合で0.5%ずつの利上げを検討するという。金利先 物市場では6月会合で0.75%の利上げが織り込まれていただけに、急激な利上げ観測が和らいだ。 米債券市場で国債利回りが大きく低下したのも株買いを後押しした。長期金利の指標となる10年債利回りは前日比0.07%% 低い(債券価格は高い)2.90%を付け、金融政策の影響を受けやすい2年債利回りも急低下した。 市場では「FRBのタカ派姿勢を警戒して株価指数先物を売っていた投機筋が買い戻し、相場の急上昇につながった」(インガル ズ・アンド・スナイダーのティム・グリスキー氏)との声が聞かれた。投資家心理を測る指標となる米株の変動性指数(VIX)は前日 比13%ほど低い25台に低下した。 主力株は軒並み大幅高となり、スマートフォンのアップル、建機のキャタピラー、機械のハネウェル・インターナショナルは4%を 超える上昇となった。 ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は3日続伸し、前日比401.099ポイント(3.2%)高の1万2964.856で終えた。ネット 検索のアルファベットや交流サイトのメタプラットフォームズなど主力株がそろって上昇した。前日夕に発表した四半期決算と通期 見通しが市場予想を上回った半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が9%高と急伸。エヌビディアなど他の半導体株に も買いが波及した。 日本株ADR5日、全面安 ソニーGや野村の下げ目立つ 2022/05/06 05:19 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=戸部実華】5日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は全面安だった。 米株式相場が大幅に下落し、日本株ADRも売られた。ソニーGや野村、オリックスの下げが目立った。 みずほFGや三井住友FG、三菱UFJといった銀行銘柄のほか、トヨタやホンダの自動車銘柄も安い。 ADD3887円 米国債券10年利回り3.035%、(+0.120) 2022年05月06日09時16分 三菱UFJなどメガバンクは頑強な値動き、米長期金利3%台乗せが追い風材料に 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411>の メガバンク3銘柄は、全体地合い悪に逆行して頑強な値動きをみせている。 前日の米国株市場では、FRBの金融引き締め強化による経済への影響を警戒して主要株価指数が揃って急反落したが、その 一方で債券も売られ米10年債利回りは終値ベースで3.04%とフシ目の3%台を上回ってきた。長期金利の先高期待は根強く、 米国事業を展開するメガバンク各社にとっては追い風材料となっている。 株、FRBに振り回される投資家 岸田首相の英講演も力不足 2022/05/06 12:29 日経速報ニュース 6日午前の東京株式市場で、日経平均株価は前営業日比32円高の2万6850円と小反発したが、朝方にはインフレと米連邦準備 理事会(FRB)の金融引き締めに対する警戒感から売りが優勢で一時275円安まで下げた。米株式相場は4日にパウエル議長の 発言からFRBが大幅利上げには慎重との見方から急騰した後、5日は一転して大幅安。投資家にはFRBの今後の政策に対する 迷いがあるようだ。 岸田文雄首相は5日、英国の金融街シティーで講演し少額投資非課税制度(NISA)の拡充などで貯蓄から投資への移行を促し 「資産所得倍増を実現する」と表明。今後10年間で官民協調により環境分野に150兆円の新たな関連投資を実現することも明らか にした。もっとも市場からは「実行できるか分からず評価は難しい」(国内証券ストラテジスト)との見方があり、ひとまず目立った反応 はなかった。 FRBは4日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.5%の利上げと国債などの保有資産を減らす量的引き締め(QT)の6月開始を 決定した。市場では「FRBは本当に景気後退を回避しつつインフレ抑制が可能なのか」という懐疑的な見方が根強い。米長期金利は 5日、一時3.10%と2018年11月以来の高水準を付けた。東海東京調査センターの長田清英投資戦略部長は「投資家はFRBの言葉 を信用しきっていない。インフレが続けば金融引き締めを加速せざるを得ず、結果として米景気が冷え込むとの見方は多い」(東海東 京調査センターの長田清英投資戦略部長)と話す。 原油価格は上昇に向かう可能性が出ている。欧州連合(EU)はロシア産原油の輸入を6カ月以内に禁止する案を4日に発表した。 「ロシア産原油の供給減少による需給逼迫の観測が強まれば、原油価格は再び上昇する」(楽天証券経済研究所の吉田哲コモディ ティアナリスト)との指摘がある。 中国では新型コロナウイルスの感染拡大による影響による景気減速の懸念が強まる。野村証券は2日付リポートで、「4月の中国 経済活動指標は3月からさらに悪化すると予想される」と指摘。同証券は中国の4~6月期の予想実質国内総生産(GDP)成長率 を従来予想の前年同期比3.4%増から同1.8%増に下方修正した。 6日、日経平均株価を対象としたオプション価格から算出する日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は一時1.49ポイント(5.4 %)高い29.32まで上昇し3月9日以来の高水準をつけた。三菱UFJ国際投信の石金淳チーフファンドマネジャーは「ウクライナ問題、 米金融政策と先行きが見えず、とにかくいまはリスクを取りたくない。押し目は買ってもいいが、上値を追うことは難しい」と話す。 多くのリスクへの警戒感が強い今の東京市場。FRBの金融引き締めや景気動向、今後の日本の成長戦略具体化などをにらみつ つ、神経質な展開が続きそうだ。 日本株ADR6日 買いが優勢、トヨタやオリックスが上昇 2022/05/07 05:06 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=横内理恵】6日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)には買いが優勢だった。 同日の日経平均株価が上昇し、日本株のADRにも買いが波及した。トヨタやオリックス、キヤノンが高い。 ホンダや武田も上げた。一方、ソニーGや野村は売られた。 ADD3931円 米国債券10年利回り3.142%、(+0.074) 3メガ銀、今年度の中途採用8割増 新卒偏重から転換 2022/05/07 日本経済新聞 朝刊 三菱UFJ、三井住友、みずほの3メガバンクは新卒に偏った採用活動を見直す。2022年度の中途採用は3メガの合計で前年度 比8割増やす。金融サービスのデジタル化や犯罪対策、気候変動対策など即戦力の専門人材を強化する。労働市場が流動化し、 新卒を一括採用して様々な部署を経験させながら育てる手法が変わりつつある。 3メガの中途採用は合計で約360人になる見通し。三井住友銀行は2倍の100人程度に増やす。三菱UFJ銀行とみずほフィナン シャルグループも同程度かそれ以上に中途採用を増やす。 日本経済新聞社の主要企業の採用計画調査によると、22年度の中途採用は全体で23.5%増える。3メガの中途採用の伸び率 はこれを大きく上回る。3メガの採用全体に占める中途の比率は1割前後で推移してきたが、2割超まで上昇する。 三井住友はIT(情報技術)などの人材を確保する。三菱UFJはマネーロンダリングをはじめとする犯罪への対策、脱炭素関連で専門 人材を増強する。みずほは営業やコーポレート部門も含めて幅広い人材を集める。 一方で新卒採用は減少傾向にある。直近のピークだった15年度は3メガバンク合計で新卒を5000人超採用していたが、22年度は 1100人となる。中途を増やして、サービスのデジタル化などを急ぐ。 もっとも人材の活用では米銀に後れを取る。社員が約25万人のJPモルガン・チェースは約5人に1人がエンジニアだ。約14万人の 三菱UFJフィナンシャル・グループのIT人材は約4000人にとどまる。3メガは継続して中途を増やしていく必要がある。 三井住友FG - 三井住友FG、相場操縦事件に透けるSMBC日興の忖度 SMBC日興証券が引き起こした前代未聞の相場操縦事件。その対象にトヨタ自動車の関連銘柄が入っていることが、金融業界 で波紋を広げている。 「持ち株会社としての責任をどう考えているのか。グループのトップまで処分されたみずほの二の舞にならないように、あくまで証 券単独の問題と整理して責任を逃れようとしているのでは」――。 SMBC日興証券の相場操縦事件をめぐって、証券業界の幹部らの間では今、親会社の三井住友フィナンシャルグループの責任 を問う声が日増しに大きくなっている。 ■社内で幅を利かせる銀行出身者 それは、相場操縦の容疑で東京地検特捜部が起訴した同社の元副社長をはじめ、三井住友銀行の出身者の多くが歴代の経営 陣に名を連ねていたからというだけではない。 SMBC日興が、大株主の保有株を買い取って投資家に転売する「ブロックオファー」取引に絡んで、違法に買い支えたとみられる 銘柄の中に、三井住友FGの最重要取引先であるトヨタ自動車の関連銘柄が入っていたからだ。 証券取引等監視委員会(SESC)が、SMBC日興による不正取引の対象銘柄として指摘したのは、京葉銀行やモスフードサービ ス、ジンズホールディングス、日本ペイントホールディングス、大正製薬ホールディングスなど合計10社。中でも証券関係者の大きな 耳目を集めたのが、トヨタ紡織だった。 SESCの発表などによれば、SMBC日興は2020年11月17日午後2時45分頃から同3時までの間、トヨタ紡織の株価を1425 円程度に維持する目的で、1430円の買い注文を大量に入れたとされている。結果、この日の終値は1424円だった。 このトヨタ紡織株の売却をSMBC日興に依頼したのは、ほかでもないトヨタ自動車だ。 トヨタ自動車が東海財務局に提出した変更報告書によると、2020年11月17日に発行済み株式の4.19%にあたる786万100 0株を1株あたり1368.46円で売却している。総額にして約107億円という巨額の取引だ。 トヨタ自動車は2021年2月にもトヨタ紡織株を売却しているが、2回目の売却については「別の証券会社」(トヨタ自動車)に依頼し たという。 ■プライム上場のため保有株売却を依頼 では、なぜグループの主要会社であるトヨタ紡織の株を売却したのか。それには、東京証券取引所の市場再編が関係している。2度 の売却はいずれも、トヨタ紡織が市場再編後の最上位となるプライム市場に移行できるように、トヨタ自動車に依頼したものだったからだ。 東京証券取引所は2022年4月、1部、2部、ジャスダック、マザーズという旧市場をプライム、スタンダード、グロースの3市場に再編。 その前段階として、2020年2月に公表した新市場の概要の中では、プライム市場において大株主などの保有分を除いた「流通株式 比率」を、35%以上確保することを求めていた。 2020年9月末時点のトヨタ紡織の大株主は、トヨタ自動車(保有比率:39.2%)や、東和不動産(同9.8%)、デンソー(同5.4%) など。その保有分を足し合わせて計算すると、当時は流通株式比率が35%を下回っていたとみられる。 そこで、トヨタ紡織はトヨタ自動車に保有株の売却を依頼。トヨタ自動車は紡織からの依頼を受けて、株式を2020年11月と2021年 2月の2回に分けて売却した。結果として、トヨタ自動車の保有比率は30.9%まで低下し、トヨタ紡織はプライム市場に移行するため の適合基準を満たすことになったわけだ。 2回目の売却が行われた直後、トヨタ紡織は「当社主要株主の株式売却について」というプレスリリースを公表。「本取引は、『プライム 市場(仮称)』の上場基準における形式要件である流通株式比率の充足を図ることを目的に、当社がトヨタ自動車に要請し、応諾いた だけたものです」と経緯を明らかにしている。 そもそもトヨタグループは、三井住友FGの最重要取引先の1つだ。トヨタ自動車の有利子負債は約25兆円で、国内企業でダントツ の「借り手」。三井住友にとっては、三井銀行時代からの大口顧客で、長年、三菱UFJ銀行とメインバンクの座を狙って競い合ってきた。 コロナ禍で先行きの不透明感が高まった際には、三井住友銀行と三菱UFJ銀行が1兆円のコミットメントライン(融資枠)を設定する など、今も両行でしのぎを削っている。 人材交流の面では、トヨタ自動車の社外取締役に三井住友FGの取締役執行役専務が入っているほか、トヨタファイナンシャルサービ スの社長は2代続けて三井住友銀行出身の人物が務めており、その距離感の近さがうかがえるのが現状だ。 そうした親密さは、今回の不正取引に一体どの程度影響しているのか。SESCは「発行体の会社関係者による関与があったとは認め られていない」として、トヨタ紡織などからの働きかけについては否定している。 ただ、トヨタグループという三井住友FGの最重要顧客からの依頼であり、子会社のSMBC日興に「株価を下げて売却時に得られる 資金を減らしてはいけない」という忖度が働いたとしても、何ら不思議ではない。 ■子会社の一大不祥事に「素知らぬ顔」 一方で、肝心の三井住友FGが親会社としての監督機能を発揮するような気配は今のところない。子会社であるSMBC日興の元副 社長など複数の幹部が逮捕・起訴されるという異常事態にもかかわらず、社内調査や弁護士などで作った第三者による調査委員会に ついても、表だって関与した形跡は見えてこない。 SMBC日興の近藤雄一郎社長は3月24日の記者会見で「(三井住友FGの)経営に対しても当然報告している」と話したものの、「 今回の問題に関しては当社の中で起きたこと。当社の問題であると考えている」と頑なに繰り返しており、責任論が持ち株会社に及ぶ のを必死に阻止しているかのようだった。 はたして三井住友FGは、子会社固有の問題として責任の所在を切り離し、素知らぬ顔をし続けるつもりなのだろうか。 同社は「再発防止策などの今後の対応についてSMBC日興証券をしっかりとサポートすると共に、三井住友FGにおいても経営管理 体制の課題について真摯に検証をしていく」とコメントしているが、自らの監督責任についてはなぜか言及を避けたままだ。 「グループ全体の経営戦略をはじめ、経営管理、経営資源の配分、情報システム戦略、財務、IR、リスク管理、グループ内幹部人事 、業務監査等の機能を持った会社です」 三井住友FGのウェブサイトには、持ち株会社の役割についてそう記してある。文面の通りであるならば、子会社の監督責任の明確 化に加えて対外的に一層丁寧な説明が求められそうだ。(了) 日本株ADR9日、ほぼ全面安 ホンダとソニーGが安い 2022/05/10 05:08 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川内資子】9日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)はほぼ全面安だった。 米株式市場でダウ工業株30種平均が600ドル超と大きく下げた影響で大半の銘柄が売られた。 ホンダとソニーGが3%超下げ、トヨタや野村、オリックスも売られた。一方、キヤノンは上昇した。 ADD3858円 米国債券10年利回り3.034%、(-0.090) 金融所得課税、官房長官「与党で議論」 2022/05/09 18:30 日経速報ニュース 松野博一官房長官は9日の記者会見で、株式の譲渡益や配当などを対象とする金融所得課税の強化について「投資をしやすい 環境を損なわないように配慮しつつ、与党の税制調査会などで議論される」と話した。 岸田文雄首相は5日、英ロンドンの金融街シティーでの講演で国民の資産所得を倍増する計画を打ち出した。金融所得課税の 強化には触れなかった。 SMFG系航空機リース、ロシア航空会社に全35機の契約解除を通告 [東京 15日 ロイター] - 三井住友フィナンシャルグループの関連会社で、アイルランドに拠点を置くSMBCアビエーション キャピタルは14日、ロシアの航空会社にリース契約の解除を通告したことを明らかにした。同社は35機をロシアにリースして いる。 航空機リース各社は欧州連合(EU)の制裁の一環として、3月28日までにロシア航空会社との契約解除を迫られている。S MBCアビエーションの広報担当者はロイターの問い合わせに対し、「関連する制裁に完全に従い、契約を終了する旨をロシア の航空会社に通告した」と明らかにした。 SMBCアビエーションキャピタルのウェブサイトによると、同社の取扱機数は356機。ロシア向けは約1割の35機で、アエロフ ロート・ロシア航空やS7航空、ウラル航空などにリースしている。 タス通信によると、ロシアのプーチン大統領は14日、外国のリース会社の承諾がなくても航空会社が機材を使えるようにする 法律に署名した。 日本株ADR10日 高安まちまち キヤノンが上昇、オリックス安い 2022/05/11 05:08 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=横内理恵】10日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は高安まちまちだった。 同日の米株式市場ではダウ工業株30種平均が下落した一方、ナスダック総合株価指数は上昇した。 日本株のADRにも売り買いが交錯した。キヤノンやソニーG、武田が高い。 半面、オリックスや三菱UFJ、トヨタが下げた。 ADD3867円 米国債券10年利回り2.997%、(-0.082) 日本株ADR11日、ほぼ全面安 トヨタや武田の下げ目立つ 2022/05/12 05:32 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=戸部実華】11日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)はほぼ全面安だった。 米株式相場が下落し、日本株ADRも売られた。11日に2022年3月期の連結決算を発表したトヨタが6%近く下げたほか 武田が4%強、ホンダも4%近く下落した。 みずほFGや三井住友FG、三菱UFJといった銀行銘柄のほか、ソニーGも安い。 ADD3763円 米国債券10年利回り2.925%、(-0.068) 3メガ銀、ロシア関連引当金3000億円 前期、純利益は計画通り 侵攻長期化の影響警戒 2022/05/12 日本経済新聞 朝刊 三菱UFJ、三井住友、みずほの3メガバンクはロシア向けの融資に関連し、2022年3月期決算で貸し倒れなどに備える引当金 を計約3000億円計上したようだ。欧米の制裁で返済能力への疑義が強まり、厳しい外貨繰りに起因した損失の想定額も膨らむ。 ロシア要因があっても各社は通期で計画通りの利益をあげたとみられるが、ウクライナ侵攻の長期化への警戒を強めている。 ロシア企業や現地に進出する日系企業への貸出金に加え、未使用の与信枠やプロジェクトファイナンスを含めた対ロシアの与信 額は3メガの合計で1兆円規模にのぼる。 ウクライナに侵攻したロシアでは、大手銀行が外貨取引から締め出され、ロシア企業はドルの調達や外国企業との取引が難しく なった。カントリーリスクがきわめて高くなり、信用度を示す行内格付けを「破綻懸念先」へ引き下げた大手行もあるようだ。22年3 月期決算に計上した引当金は700億~1300億円程度に膨らんだとみられる。 欧米でもロシアに関連する費用の計上が相次ぐ。米シティグループは22年1~3月期決算で19億ドル(約2500億円)の引当 金を積み、将来生じうる損失額を最大30億ドルと試算。JPモルガン・チェースも3億ドルを計上した。同じ期間に仏ソシエテ・ジェネ ラルが5.6億ユーロ(約770億円)、イタリアのウニクレディトは約12億ユーロの引当金を積んでいる。 ロシアの要因に加え、米金利の急上昇(債券価格は急落)も影を落とす。各社が保有する外国債券の含み損はそれぞれ数千億 円規模に膨らみ、邦銀は22年3月期に一部の含み損を処理するなど対応を迫られた。大手行の幹部は「まだコントロールできる 水準とはいえ、金利上昇のピッチが速すぎる」とこぼす。このほか1兆円以上の借入金を抱えるマレリホールディングスが事業再生 ADR(裁判以外の紛争解決)を申請するなど想定外の損失要因もあった。 もっとも、こうしたマイナス材料が重なっても各社はおおむね計画通りの利益を出したようだ。純利益の合計額は2兆3000億円 規模となり、18年3月期以来となる4期ぶりの高水準になったとみられる。3メガが抱えるロシア向けの与信額は全体の0.2~ 0.3%程度にとどまり、現時点で業績に与える影響は全体からみれば限定的だ。国内の企業倒産は依然低い水準を保っている。 長期金利が上がれば貸出金利と預金金利の利回り差は広がり、資金収益を押し上げる方向に作用する。国内でも利回り差は改 善しつつあり、ある大手行では国内大企業向けの資金収益が前の期から10%近く伸びた。店舗の統廃合や人員の自然減で経費 削減も進んでいる。 各社が前期に計上したロシアに関連する引当金は「地政学的リスクが晴れれば会計上の利益として戻ってくる」(大手行の幹部)。 それでもウクライナへの侵攻やロシアへの経済制裁が長引けば損失となるおそれがあり、事態の長期化に身構える。 三井住友フィナンシャルグループとみずほフィナンシャルグループは今月13日、三菱UFJフィナンシャル・グループは16日に22 年3月期決算を公表することにしている。 中小小売店のDX支援 決済や在庫管理一元化 三井住友FG系2社 2022/05/12 日本経済新聞 朝刊 三井住友フィナンシャルグループの三井住友ファイナンス&リース(SMFL)と三井住友カードは、中小小売店などのデジタル トランスフォーメーション(DX)支援で連携する。店頭で販売する商品の決済と在庫の管理を一元化するサービスを11日から 始めた。販売に伴う在庫管理の手間を減らし、決済やDXの市場における存在感を高める狙いだ。 三井住友カードが小売店向けに展開している決済プラットフォーム「ステラ」に、オプション機能としてSMFLの在庫管理シス テム「アセットフォース・フォー・ステラ」を搭載する。ステラ用の端末を使いレジで商品を販売した際に、自動的に在庫データに 反映させる。 在庫管理システムでは入荷の記録なども管理し、在庫回転率の分析機能などもある。決済データによる販売の管理とあわ せ、在庫棚卸しの手間を削減できる。扱う商品の種類が多く、在庫管理が複雑になりやすい調剤薬局などからの引き合いが 強いという。サービスの利用料金は月額1万1000円。 日本株ADR12日、全面高 ソニーGやキヤノンが大幅上昇 2022/05/13 05:10 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=古江敦子】12日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は全面高だった。 同日の日本株とダウ工業株30種平均はともに下落したが、日本株ADRの反応は乏しかった。 ソニーGが5%近く上昇した。キヤノンと武田も大幅高となり、ホンダと三井住友FGの上げも目立った。 ADD3766円 米国債券10年利回り2852%、(-0.062) りそな12%減益、外債売却損響く 前期 2022/05/13 日本経済新聞 朝刊 りそなホールディングスが12日発表した2022年3月期の連結決算は純利益が前の期比12%減の1099億円だった。 米国の金利上昇で債券の売却損が膨らんだ。債券の売却損を576億円計上し、保有している外国債券は22年3月末時 点で330億円の含み損となった。南昌宏社長は「今期以降の柔軟性をあげるための判断だ」と説明した。りそなは同日、 東和浩会長が6月末で退任する人事も発表した。 三井住友FGの今期、最終益7300億円 2022/05/13 17:01 日経速報ニュース 三井住友FGの前期、最終益7066億円 前々期は5128億円の黒字 2022/05/13 17:01 日経速報ニュース 三井住友フィナンシャルグループ(8316) 21/3 22/3 23/3 経常収益 39,023 41,111 ― 営業利益 ― ― ― 経常利益 711,018 1,040,621 ― 最終利益 512,812 706,631 730,000 1株利益 374.26 515.51 542.42 (注)単位:経常収益は億円、利益は百万円、1株利益は円、▲は損失 三井住友FG、今期中間110円配・年220円配 前期は年210円配 2022/05/13 17:02 日経速報ニュース 三井住友FGの今期、純利益3%増 国内外の収益強化で 2022/05/13 18:11 日経速報ニュース 三井住友フィナンシャルグループ(8316)は13日、2023年3月期(今期)の連結純利益が前期比3%増の7300億円になるとの 見通しを発表した。国内の個人・法人向けビジネス、海外ビジネスの収益力強化や与信関係費用の減少で増益を見込む。 あわせて発表した22年3月期(前期)の連結決算は、純利益が前の期比38%増の7066億円だった。ウクライナ情勢の悪化を 受けたロシア関連与信費用の計上や、SMBC日興証券の相場操縦事件の影響が重荷となったが、政策保有株の売却益を中 心に株式等損益などが改善して増益となった。 2022/05/13 17:00 三井住友FG(8316) 2022年3月期連結、46.4%経常増益。IFISコンセンサスを上回る水準。 【業績予想/決算速報】三井住友フィナンシャルグループ<8316>が5月13日に発表した2022年3月期の経常損益は 46.4%増益の1,040,621百万円、直近のIFISコンセンサス(1,013,897百万円)を2.6%上回る水準だった。 再送三井住友FG、今期純利益3.3%増 前期はロシアで1000億円影響 [東京 13日 ロイター] - 三井住友フィナンシャルグループは13日、2023年3月期の連結業績について、純利益が前期比 3.3%増の7300億円になる見通しだと発表した。与信関係費用は同644億円減の2100億円を見込む。22年3月期は、 ロシア関連の影響で1000億円を計上した。 会見した太田純社長は今期の与信関係費用見通しについて、「(ここ数年は)新型コロナウイルス影響で増えていたが、巡航速 度に戻った」と発言。長期化するロシア侵攻による影響についても「予防的な引当も含め、現状であればこの程度で大丈夫だろ うという水準で積み上げている」と述べた。ただ、今後の状況次第で「さらに膨らむ可能性は否定できない」とした。 子会社であるSMBC日興の相場操縦事件を巡っては、前期に100億円程度を計上したが、今期は倍以上の影響が出るという。 IBESがまとめたアナリスト13人による連結純利益の平均値7305億円で、会社予想とほぼ同水準となっている。 格付け会社ムーディーズ・ジャパンの山本哲也・VPシニア・クレジット・オフィサーは三井住友FGの収益性について、「与信関係 費用の減少、航空機リース事業とアジア事業の増益、コスト削減の上乗せに支えられ、今後12─18ヵ月で改善していくと予想 している」とコメントした。 同時に発表した22年3月期連結業績の純利益は、前期比37.8%増の7066億円だった。ホールセール、グローバル事業部門 などが堅調に推移した。 ロシア関連は1000億円のマイナス要因となった。このうち、ロシアの航空会社に機体をリースしている関連会社のSMBCアビエ ーションキャピタル(アイルランド)が減損を計上したのに伴って、業務純益が470億円減少した。そのほか、予防的な引当も含め、 750億円の与信関係費用を計上した。 22年3月時点のロシア向け与信は29億ドルで、22年1月から2億ドル減少した。 三井住友FG、22年3月期の純利益38%増 法人向け好調 2022/05/14 01:04 日経速報ニュース 三井住友フィナンシャルグループ(FG)が13日発表した2022年3月期の連結決算は、純利益が前の期比38%増の7066億円だった。 法人向け融資など本業が好調だったほか、政策保有株の売却も利益を押し上げた。 本業のもうけを示す連結業務純益は6%増の1兆1529億円だった。債権の焦げ付きに備える与信関係費用は2744億円と、前の期 の3605億円から減少した。ロシアによるウクライナ侵攻を受けた引当金を計上した一方、新型コロナウイルスの影響が和らいだことを 織り込んだ。 米金利の上昇などを受け、外国債券の含み損は3月時点で4488億円に膨らんだ。グループで出資する航空機リース会社のロシア からの機体回収が困難になっていることを受け、470億円の減損を計上した。23年3月期は純利益で前期比3%増の7300億円を見込む。 傘下のSMBC日興証券で起きた相場操縦事件について太田純社長が記者会見で陳謝し、「1日も早い信頼回復に努めていく」と述べた。 同日、環境団体などが三井住友FGに出していた気候変動に関する対策や開示の強化を求める株主提案に対して反対すると発表した。 三井住友FGの今期、純利益3%増 国内外の収益強化で 2022/05/13 18:11 日経速報ニュース 三井住友フィナンシャルグループ(8316)は13日、2023年3月期(今期)の連結純利益が前期比3%増の7300億円になるとの見通しを 発表した。国内の個人・法人向けビジネス、海外ビジネスの収益力強化や与信関係費用の減少で増益を見込む。 あわせて発表した22年3月期(前期)の連結決算は、純利益が前の期比38%増の7066億円だった。ウクライナ情勢の悪化を受けたロ シア関連与信費用の計上や、SMBC日興証券の相場操縦事件の影響が重荷となったが、政策保有株の売却益を中心に株式等損益 などが改善して増益となった。 日本株ADR13日、ほぼ全面高 ソニーGと三井住友FGが大幅上昇 2022/05/14 05:19 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=古江敦子】13日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)はほぼ全面高だっ 同日の日米株式相場がともに上昇し、日本株ADRに買いが波及した。ソニーGが4%近く上昇した。 東京市場の取引終了後に発表した2022年3月期の連結決算で純利益が前の期比38%増えた三井住友FGは3%高。 22年3月期の連結決算で売上高にあたる売上収益と純利益がともに市場予想を上回ったホンダも買われた。 半面、キヤノンは下落した。 ADD3924円 米国債券10年利回り2928%、(+0.111) 三井住友FGの今期純利益は3.3%増、ロシア情勢は予断許さず https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-05-13/RBR7HXDWX2Q801?srnd=cojp-v2 萩原ゆき、浦中大我 2022年5月13日 17:03 JST 更新日時 2022年5月13日 19:09 JST 前期にロシア関連で750億円の引当金計上、純利益影響は約1000億円 航空機リース手掛けるグループ会社では減損で業務純益470億円影響 三井住友フィナンシャルグループは13日、今期(2023年3月期)の連結純利益予想が前期比3.3%増の7300億円になると発表した。 ブルームバーグがまとめたアナリスト予想の平均7370億円とほぼ同水準だった。 発表資料によると、今期の連結業務純益は前期比7.1%増の1兆2350億円の予想。与信関係費用は2100億円と前期から644億円 減少する。1株当たりの年間配当金は220円(前期は210円)とする。 一方、3月末の外債評価損は4488億円と21年3月末比で4501億円悪化した。世界の主要中央銀行ではタカ派的な金融政策の動き が加速しており、米長期金利は上昇している。同日会見した太田純社長は「外債の含み損については吸収可能な範囲内」と述べた。 同時に発表した前期(22年3月期)の連結純利益は前の期比38%増の7066億円だった。与信関係費用は2744億円。フォワードル ッキングでの引き当ても含めてロシア関連で750億円の引当金を計上した。航空機械リースを手掛けるグル-プ会社ではロシア航空 会社向けに34機をリースしているといい、機体簿価の52%を減損し、業務純益で470億円の影響があった。 ロシア・ウクライナ情勢による前期純利益への影響は予防的な引き当てや減損実施で1000億円程度だった。太田社長は「まだまだ 事態が流動的。予断を許さない」とし、「実態としては取引量は激減している。事態の推移を見ながら慎重に判断していかないといけ ない」と述べた。 また、傘下のSMBC日興証券で法人としての同社と元副社長らが起訴された金融商品取引法違反(相場操縦)事件の影響について 、23年3月期はトップラインで前期(100億円程度)の2倍以上を見込むとしている。 太田社長の主なコメント: ロシアについは一般論として地政学リスクが顕在化し、中長期な事業ポートフォリオをどうするか考えていかないといけない 貸出残高は国内では表面的に増えているのは中堅・中小向け。新しい貸出先が増えている デフレからインフレ時代にパラダイムシフトか 与信関係費用はコロナで増えたが巡航速度に戻った 自社株買いは事業環境を見ながら決める SMBC日興の事件を受け、トッププライオリティーは再発を防ぐしっかりとした体制作りを実行すること 証券業務強化の方向性には変わりはない 3メガバンク、ロシア関連の損失は3500億円規模に https://www.yomiuri.co.jp/economy/20220513-OYT1T50282/ 三井住友フィナンシャルグループ(FG)とみずほFGは13日、それぞれ2022年3月期連結決算を発表し、ロシアのウクライナ侵攻に 伴う損失が、いずれも1000億円規模だったと発表した。週明けに決算を公表する三菱UFJフィナンシャル・グループも加えると、3メガ バンクグループの損失額は3500億円規模になる見通しだ。 発表によると、ロシア関連の損失は、三井住友が1000億円、みずほが969億円。融資の焦げ付きに備える引当金や、航空機リー スをはじめロシア事業の価値の目減りで損失がかさんだ。三菱UFJは損失が1500億円程度になる見込みだ。 SMFG系、欧航空機リース会社買収へ 70億ドル規模=関係者 [13日 ロイター] - 三井住友フィナンシャルグループの関連会社で、アイルランドに拠点を置くSMBCアビエーションキャピタルが 同業の航空機リース、ゴスホーク・アビエーション買収に向け合意に近づいていることがわかった。負債を含めた買収額は70億ドル 規模となる見通し。 両社の合意は来週にも発表されるという。事情に詳しい関係者が明らかにした。 SMBCアビエーションの広報担当者はコメントを控えた。ゴスホークからコメントは得られなかった。 SMBCアビエーションは、三井住友FGと住友商事が出資しており、500以上の機体を保有・管理している。香港のNWS Holdings と周大福が50%ずつ出資し、アイルランドに拠点を置くゴスホークは約180機を保有・管理している。 三井住友系、航空機リース世界2位に 欧州企業買収 2022/05/14 12:37 日経速報ニュース リース国内大手の三井住友ファイナンス&リース(SMFL)は欧州の航空機リース会社を買収する方針を固めた。買収額は15億ドル (約2000億円)程度の見通し。買収後は機体数で世界2位の航空機リースグループになる。新型コロナウイルス禍で航空機リースの 苦境が続くなか、あえて需要回復をにらんだ投資に踏み切る。ロシアによるウクライナ侵攻がリース業界に事業リスクも生んでおり、 再編をさらに加速させそうだ。 SMFLや三井住友銀行が出資する航空機リース会社のSMBCアビエーションキャピタル(SMBCAC)が、アイルランドに拠点を置 くゴスホークを買収する。不動産や投資を手掛ける香港のNWSホールディングスと、不動産開発や宝飾販売などを手掛ける周大福が 保有している株式を買い取る。コロナ禍の航空需要蒸発で買収額が割安になったとみて勢力拡大に動いた。売り手は不動産などの 本業に売却資金を回すとみられ、思惑が一致した。 ゴスホークは座席数が少なく短距離路線を飛ぶ機体の運用に強みを持つ。国内線や格安航空会社(LCC)などで引き合いが多い。 同様の戦略をとるSMBCACと親和性が高い。保有する航空機資産は2021年度時点で70億ドルで、従業員数は90人程度だ。 英エアファイナンス・ジャーナルがまとめた21年6月時点での世界の航空機リース会社の保有・管理機体数ランキングは、SMBCAC が5位(約500機)、ゴスホークは20位(約180機)だった。合算するとアイルランドのアボロン(570機)などを抜き、2000機規模の同国エ アキャップに次ぐ2位グループに浮上する。発注している機材も含めれば、1000機規模のリース体制が整う。 国際航空運送協会(IATA)が足元で出した試算では、世界の航空旅客数が24年に40億人とコロナ前の19年を3%上回る。国境を越 えた移動の制限が解除されれば、反動で抑制されていた旅行需要が大きく伸びる可能性がある。 コロナ禍をきっかけに、航空機リース業界は再編が続く。21年には当時機体数2位のエアキャップが1位のGECASを米ゼネラル・エレ クトリックから買収した。事業規模が大きくなれば、ボーイングとエアバスなど巨大な航空機メーカーに対して価格交渉力も強まる。 ただ、世界の旅客需要はコロナ禍で半分以下に減少した。各国で観光客受け入れの再開の動きもあるが、新たな変異型の流行など が起これば経済再開は後にずれる可能性がある。ロシアによるウクライナ侵攻を巡っては西側諸国の経済制裁に反発するロシア国内 からのリース機体回収が難航し、世界のリース会社が相次ぎ損失を計上。SMBCACも22年3月期は最終赤字に転落した。事業の拡 大にはリスクもある。 SMBCACはSMFLなどが70億ドル程度を投じ、12年に英大手銀から買収した。その後は世界の旅客需要の拡大を取り込み、SM FLの中核事業に成長した。SMFLの航空機リースを含むトランスポーテーション事業のセグメント利益は、コロナ禍直前の20年3月期に 421億円と、同社の経常利益の4割以上を稼ぎ出すまでに至った。 航空機リース、コロナ後見据え再編 三井住友系2位に 2022/05/14 20:59 日経速報ニュース 航空機を購入して航空会社などに貸し出す航空機リース業界の再編が活発になってきた。三井住友ファイナンス&リース(SMFL)は 新型コロナウイルス後の需要回復をにらんで、欧州の航空機リース会社を買収する方針を固めた。機体数で世界2位のグループとなり 、コスト競争力を高める。ただ、機体数で3倍の規模がある首位との開きは大きい。業界全体に企業数が多く、日本勢を含む再編が加 速する可能性がある。 【関連記事】 ・三井住友系、航空機リース世界2位に 欧州企業買収 ・三井住友FL、環境事業1兆円を計画 SDGsリースなど ・航空機リース、相次ぎロシア撤退 民間半数が運航困難に SMFLや三井住友銀行が出資するSMBCアビエーションキャピタル(SMBCAC)が、アイルランドに本社を置くゴスホークを買収する。 買収額は約15億ドル(約2000億円)の見通し。 コロナ禍で急減した航空旅客需要には回復の兆しがある。国際航空運送協会(IATA)によると、世界の航空旅客数は2024年に40 億人とコロナ前の19年を3%上回る見通し。国境を越えた移動の制限が解除されれば、反動で旅行需要が大きく伸びる可能性がある。 SMFLは、事業を安く手放す他社がある現状をチャンスと判断した。 ゴスホークは座席数が少なく短距離路線を飛ぶ機体の運用に強みを持つ。国内線や格安航空会社(LCC)などで引き合いが多い。 英エアファイナンス・ジャーナルがまとめた21年6月時点の保有・管理機体数ランキングは、SMBCACが5位(505機)、ゴスホークは20 位(182機)。合算すると700機程度とアイルランドのアボロン(570機)などを抜き2位となる。 ただ、21年秋には当時、2位だったエアキャップ(オランダ)が1位だったゼネラル・エレクトリック(GE)の航空機リース部門GECASを 買収し、機体数が約2200機のガリバーが誕生した。 エアキャップの純収入は買収で拡大し、22年12月期は市場推計で73億ドル程度と、SMBCACの22年3月期実績の5倍程度だ。 航空機リース事業は大量に購入してリースすると1台あたりのコストが下がり、規模のメリットが働きやすい。航空機製造の米ボー イングと欧州エアバスに対する価格交渉力も高まる。 今期の予想純利益は14億ドル程度と収益性も高い。一方、SMBCACはロシアからの航空機回収が不透明になり、22年3月期は 800億円以上の減損を計上して約370億円の最終赤字となった。 信用格付けはSMBCACの方が高い。S&PグローバルではSMBCACが「シングルAマイナス」とエアキャップの「トリプルB」を上回る。 三井住友フィナンシャルグループの傘下にあることが信用力を担保している。グループ力を武器にどう戦うかが問われる。 国内のリース大手や商社は、過去10年間に航空機分野に積極投資してきた。SMBCACは、12年にSMFLなどが英銀大手から約 70億ドルで買収した事業だ。18年にはオリックスが当時世界3位のアボロンに3割出資し、19年には東京センチュリーが、米アビエ ーションキャピタルグループ(ACG)を完全子会社化した。20年には丸紅とみずほリースが米エアキャッスルを買収している。 日本勢が航空機リースに注力するのは、超低金利により融資などの従来型ビジネスで稼ぐのが難しくなるなかで、成長分野と期 待したためだ。コロナ前には、人口増加とともに移動が活発となり、民間航空機の需要は安定して増えると予想されていた。大手航 空機メーカーが2社に絞られ、船舶や不動産などと比べ供給過剰に陥るリスクが低いとの評価もあった。 今回の買収で日本勢の存在感が高まるものの、コロナ禍は依然視界不良だ。ロシアでは機体の回収メドが立たず、各社で減損 損失が発生している。航空機リースは伝統的に欧米の金融ビジネスだったため、経営者は欧米の金融関係者が占める。日本勢に は経営管理の難しさもある。 三井住友系、欧州航空機リースを買収 世界2位に 2000億円、再編が加速 2022/05/14 日本経済新聞 夕刊 リース国内大手の三井住友ファイナンス&リース(SMFL)は欧州の航空機リース会社を買収する方針を固めた。買収額は15億ドル (約2000億円)程度の見通し。買収後は機体数で世界2位の航空機リースグループになる。新型コロナウイルス禍で航空機リースの 苦境が続くなか、あえて需要回復をにらんだ投資に踏み切る。ロシアによるウクライナ侵攻がリース業界に事業リスクも生んでおり、再 編をさらに加速させそうだ。 SMFLや三井住友銀行が出資する航空機リース会社のSMBCアビエーションキャピタル(SMBCAC)が、アイルランドに拠点を置 くゴスホークを買収する。不動産や投資を手掛ける香港のNWSホールディングスと、不動産開発や宝飾販売などを手掛ける周大福が 保有している株式を買い取る。コロナ禍の航空需要蒸発で買収額が割安になったとみて勢力拡大に動いた。売り手は不動産などの 本業に売却資金を回すとみられ、思惑が一致した。 ゴスホークは座席数が少なく短距離路線を飛ぶ機体の運用に強みを持つ。国内線や格安航空会社(LCC)などで引き合いが多い。 同様の戦略をとるSMBCACと親和性が高い。保有する航空機資産は2021年度時点で70億ドルで、従業員数は90人程度だ。 英エアファイナンス・ジャーナルがまとめた21年6月時点での世界の航空機リース会社の保有・管理機体数ランキングは、SMBC ACが5位(約500機)、ゴスホークは20位(約180機)だった。合算するとアイルランドのアボロン(570機)などを抜き、2000機規 模の同国エアキャップに次ぐ2位グループに浮上する。発注している機材も含めれば、1000機規模のリース体制が整う。 国際航空運送協会(IATA)が足元で出した試算では、世界の航空旅客数が24年に40億人とコロナ前の19年を3%上回る。移動 の制限が解除されれば、反動で抑制されていた旅行需要が大きく伸びる可能性がある。 コロナ禍をきっかけに航空機リース業界は再編が続く。21年には当時機体数2位のエアキャップが1位のGECASを米ゼネラル・エレ クトリックから買収。事業規模が大きくなればボーイングとエアバスなどに対して価格交渉力も強まる。 ただ、世界の旅客需要はコロナ禍で半分以下に減少した。各国で観光客受け入れの再開の動きもあるが、新たな変異型の流行な どが起これば経済再開は後にずれる可能性がある。ウクライナ侵攻を巡っては西側諸国の経済制裁に反発するロシア国内からのリ ース機体回収が難航し、世界のリース会社が相次ぎ損失を計上。SMBCACも22年3月期は最終赤字に転落した。 大手行、外債の含み損拡大に警戒 前期決算は堅調 2022/05/15 05:00 日経速報ニュース 5大銀行グループの2022年3月期決算が16日夕に出そろう。三菱UFJフィナンシャル・グループを除く4社の連結純利益は計1兆5159億 円と前の期から21%増えた。運営の難度を増すのが市場部門で、3メガバンクの外債含み損は3月末時点で1兆5000億円程度に膨らんだ ようだ。海外金利が一段と上昇し、含み損が拡大するリスクに身構える。 5大グループのうち、13日までに4社が決算を発表した。地政学的リスクの高まりなど不透明感が漂うなかでも堅調な決算となった。経 済制裁で債務の返済能力に疑義が強まるロシア向けの与信では三井住友フィナンシャルグループが750億円、みずほフィナンシャルグル ープは969億円の引当金を計上した。 外国債券を中心に含み損を抱えたりそなホールディングスでは時価評価した資産が簿価を下回り、回復の見込みが乏しい銘柄を中心 に22年1?3月期で約550億円を損失処理した。22年3月期の連結純利益は1099億円と期初予想(1450億円)に届かず、南昌宏社長は 「機動的な対応が遅れたことは反省点だ」と振り返る。 株式など他資産と合わせれば全体として含み益を抱えるが、外債に限ると3月末時点の含み損は三井住友FGで4488億円、みずほF Gは4142億円。16日に決算を公表する三菱UFJも同規模になり、3メガを合わせると1兆5000億円規模に膨らんだようだ。これまでの最多 は18年3月末の計4600億円強で、開示されたデータをさかのぼれる15年3月末以降で最も多い。 市場は急ピッチの利上げを織り込み、長期金利の指標となる米国の10年債利回りは年初の1.5%から3月末に2.5%台まで上昇。今月上 旬には3年半ぶりに3%を超えた。「このまま一本調子に上がっていくわけでない」(みずほFGの木原正裕社長)との見方は多いが、大手 行の首脳は「金利上昇にどう向き合うかが目下で最大の課題だ」と話す。 健全性を示す指標は10%程度と揺るぎないが、価格変動リスクを内在する有価証券は市場の急変動で財務を傷めかねない。リスクコン トロールの重要性が増すなか、大手行はストレステストで健全性の検証を重ねている。三井住友FGの太田純社長は「米金利が急騰し、 円が急落しない限りは10%の水準を保つことができる」と強調する。 金利上昇は貸出金利の改善という追い風にもなる。米シティグループでは、貸出金利と預金金利の利回り差が21年4~6月期の1.91% を底に22年1~3月期には2.04%へ上がった。米銀の業績は利ざやの改善による資金利益の拡大がけん引役となる。 新型コロナウイルスの感染が拡大し、企業活動が滞った21年3月期は貸し出しの焦げ付きに備える与信費用が三菱UFJを除く4社の合 算で約6300億円にのぼった。1兆円以上の借入金を抱えるマレリホールディングスの格下げなどもあり、前期は保守的な見積もりを含めて 同水準の6100億円弱だった。 経済活動の正常化が進む今期は計3700億円程度へ低下する見通し。平時の与信費用を2000億円程度と見積もる三井住友FGでは前 期比23%減の2100億円となる見込みだ。各行は今期の連結純利益を増益と予想するが、半導体を中心とした供給面の制約やウクライナ 情勢、エネルギー価格の上昇など不透明な要素は多い。予断を許さない状況が続きそうだ。 三井住友系、欧州航空リースを買収 コロナ後視野 規模求め業界再編機運 2022/05/15 日本経済新聞 朝刊 航空機を購入して航空会社などに貸し出す航空機リース業界の再編が活発になってきた。三井住友ファイナンス&リース(SMFL)は 新型コロナウイルス後の需要回復をにらんで、欧州の航空機リース会社を買収する方針を固めた。機体数で世界2位のグループとなり、 コスト競争力を高める。ただ、機体数で3倍の規模がある首位との開きは大きい。業界全体に企業数が多く、日本勢を含む再編が加速 する可能性がある。 SMFLや三井住友銀行が出資するSMBCアビエーションキャピタル(SMBCAC)が、アイルランドに本社を置くゴスホークを買収する。 買収額は約15億ドル(約2000億円)の見通し。 コロナ禍で急減した航空旅客需要には回復の兆しがある。国際航空運送協会(IATA)によると、世界の航空旅客数は2024年に40 億人とコロナ前の19年を3%上回る見通し。国境を越えた移動の制限が解除されれば、反動で旅行需要が大きく伸びる可能性がある。 SMFLは、事業を安く手放す他社がある現状をチャンスと判断した。 ゴスホークは座席数が少なく短距離路線を飛ぶ機体の運用に強みを持つ。国内線や格安航空会社(LCC)などで引き合いが多い。 英エアファイナンス・ジャーナルがまとめた21年6月時点の保有・管理機体数ランキングは、SMBCACが5位(505機)、ゴスホークは 20位(182機)。合算すると700機程度とアイルランドのアボロン(570機)などを抜き2位となる。 ただ、21年秋には当時、2位だったエアキャップ(アイルランド)が1位だった米ゼネラル・エレクトリック(GE)の航空機リース部門GE CASを買収し、機体数が約2200機のガリバーが誕生した。 エアキャップの純収入は買収で拡大し、22年12月期は市場推計で73億ドル程度と、SMBCACの22年3月期実績の5倍程度だ。 航空機リース事業は大量に購入してリースすると1台あたりのコストが下がり、規模のメリットが働きやすい。航空機製造の米ボーイング と欧州エアバスに対する価格交渉力も高まる。 今期の予想純利益は14億ドル程度と収益性も高い。一方、SMBCACはロシアからの航空機回収が不透明になり、22年3月期は 800億円以上の減損を計上して約370億円の最終赤字となった。 信用格付けはSMBCACの方が高い。S&PグローバルではSMBCACが「シングルAマイナス」とエアキャップの「トリプルB」を上回る。 三井住友フィナンシャルグループの傘下にあることが信用力を担保している。グループ力を武器にどう戦うかが問われる。 国内のリース大手や商社は、過去10年間に航空機分野に積極投資してきた。SMBCACは、12年にSMFLなどが英銀大手から 約70億ドルで買収した事業だ。18年にはオリックスが当時世界3位のアボロンに3割出資し、19年には東京センチュリーが、米アビエ ーションキャピタルグループ(ACG)を完全子会社化した。20年には丸紅とみずほリースが米エアキャッスルを買収している。 日本勢が航空機リースに注力するのは、超低金利により融資などの従来型ビジネスで稼ぐのが難しくなるなかで、成長分野と期待した ためだ。コロナ前には、人口増加とともに移動が活発となり、民間航空機の需要は安定して増えると予想されていた。大手航空機メーカ ーが2社に絞られ、船舶や不動産などと比べ供給過剰に陥るリスクが低いとの評価もあった。 今回の買収で日本勢の存在感が高まるものの、コロナ禍は依然視界不良だ。ロシアでは機体の回収メドが立たず、各社で減損損失 が発生している。航空機リースは伝統的に欧米の金融ビジネスだったため、経営者は欧米の金融関係者が占める。日本勢には経営管 理の難しさもある。 大手銀5行、外債含み損1.7兆円 好決算も金利上昇響く 2022/05/16 22:42 日経速報ニュース 日本の5大銀行グループの2022年3月期決算が16日、出そろった。新型コロナウイルス下で企業活動の再開に伴う資金需要が寄与し 連結純利益の合計は前の期比31%増の2兆6470億円となり4社が増益だった。ただ金利上昇で3月末時点の外債含み損は1兆7500億 円以上に膨らんだ。金利の先高観は強く、外債含み損が業績を下押しするリスクもある。 「久しぶりの金利上昇。相場の動きは始まったばかりで手綱さばきが非常に難しくなる」。三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)の亀 澤宏規社長は16日の決算発表で、外債含み損の拡大にもつながる急な金利上昇に警戒感をにじませた。 前期の連結純利益は46%増の1兆1308億円と過去最高益だった。ただ米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを加速し、長期金利 の指標となる米国の10年債利回りは年初の1.5%から3月下旬に2.5%台まで上昇。三菱UFJが持つ外債の含み損は約8500億円に膨らんだ。 株式など他の資産と合わせれば全体で含み益を抱えるが、外債に限ると3月末時点の含み損は5大グループの合計で1兆7500億円 程度となり、21年12月末時点の4.7倍近くに急増した。これまでの最多は18年3月末の計4900億円程度で、開示されたデータをさかの ぼれる15年3月末以降で最も多い。 含み損を抱えた外債は満期まで保有すれば着実に償還されるため、売却しない限りは損失として表面化するものではない。しかし、 米長期金利は5月に一時、3%台を付けた。一段の金利上昇で時価の回復が見込めない外債が増えてくれば、さらなる損失処理を迫ら れる可能性もある。 りそなホールディングスは時価が簿価を下回った外債について、回復の見込みが乏しいと判断して売却し、22年1~3月期で外債を中 心に550億円の売却損を計上した。前期の純利益は1099億円と期初予想(1450億円)に届かなかった。南昌宏社長は「機動的な対応 が遅れたことは反省点」と述べた。みずほFGや三井住友FGも外債の売却損を計上した。 新たな資本規制に基づく健全性の指標は3メガで10%程度と安定するが、価格変動リスクを内在する有価証券は銀行の財務を傷めか ねない。リスク管理の重要性が増し、各社は健全性の検証を重ねる。三井住友FGの太田純社長は「米金利が急騰し、円が急落しない 限りは10%の水準を保てる」と話すが、難しいかじ取りを迫られそうだ。 一方、金利上昇は貸出金利の改善へ追い風となる。今期の本業のもうけを示す業務純益の5社合計は前期比5%増える。純利益は 三菱UFJを除く4社が増益になる。資金需要が高まり、利ざやの改善が進んでいる。 貸し出しの焦げ付きに備える与信費用は減りそうだ。前期は1兆円以上の借入金を抱えるマレリホールディングスの格下げなども あり、保守的な見積もりを含めて9411億円だった。企業活動が一段と正常化する今期は6680億円と29%減る見通しだ。 それでも半導体を中心とした供給制約など不透明な要素は多い。21年度は国内の倒産件数が57年ぶりの低水準だったが、原料高 や円安で倒産が増える懸念もある。みずほFGの木原正裕社長は「資源高などでロシア影響を間接的に受ける国内企業向けにも引き 当てを積んだ」と明らかにした。 ロシア企業への貸出金などによる対ロシアの与信残高は3メガ合計で1兆円規模(3月末時点)だった。債務の返済能力に疑義が強 まるロシア向けの引当金は前期で三菱UFJの約1350億円を筆頭に3メガ合計で3000億円程度になった。引当金は「地政学的リスクが 晴れれば会計上の利益として戻ってくる」(大手行幹部)が、ウクライナ危機が長引けば損失になる可能性もある。 日本株ADR16日、ほぼ全面安 ホンダとみずほFGが大幅下落 2022/05/17 05:10 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=古江敦子】16日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)はほぼ全面安だった。 同日の日経平均株価とダウ工業株30種平均は上昇したが、日本株ADRの反応は限られた。 ホンダが4%近く下落し、みずほFGとオリックスも大幅に下げた。 一方、東京市場の取引終了後に発表した2022年3月期(前期)連結決算で純利益が前の期比46%増えた三菱UFJは上昇した。 ADD3883円 米国債券10年利回り2886%、(+0.007) SMFG系航空機リース会社が欧州企業買収、保有機体数で世界2位に [ダブリン 16日 ロイター] - 三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)の関連会社で、アイルランドに拠点を置く航空機リース会社の SMBCアビエーションキャピタルは16日、欧州の同業ゴスホーク・アビエーションを67億ドルで買収することで合意した。保有機体数で 世界第2位の航空機リース会社が誕生する。 買収後の保有資産は370億ユーロ。航空機リース業界では昨年秋にアイルランドのエアキャップが米ゼネラル・エレクトリック(GE)の航 空機リース部門を買収し、首位の座を固めた。 SMBCによると、ゴスホーク買収で176機を引き継ぎ、総運用機体数は709機となる。買収資金は負債と株式の組み合わせで賄う。 ロシアに貸し出したままで、欧州連合(EU)の制裁対象となっているゴスホーク保有の6機は、買収の対象から除外される。 2022/05/16 18:00 三井住友FG(8316) 米系大手証券、レーティング強気継続。目標株価引き上げ、5,000円。 米系大手証券が5月14日、三井住友フィナンシャルグループ<8316>のレーティングを強気(買い)に据え置いた。 一方、目標株価は4,900円から5,000円に引き上げた。因みに前日(5月13日)時点のレーティングコンセンサスは 4(アナリスト数11人)で「やや強気」の水準、目標株価コンセンサスは4,657円(アナリスト数11人)となっている。 2022-05-17 GS 新規継続 4900円→5000円 2022-05-16 GS 買い継続 4900円 → 5000円 バンカメ5月機関投資家調査 現金比率が「同時テロ以来」の高さ リスク回避鮮明 2022/05/18 01:00 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=戸部実華】バンク・オブ・アメリカが17日公表した5月の機関投資家調査(6~12日実施)によると、運用資産に占める 現金比率が6.1%と2001年の米同時多発テロ以来の水準に上昇したことがわかった。金融引き締め加速に備え、運用リスクを抑える姿勢 が鮮明だ。 現金比率は前月(5.5%)から大幅に上昇した。今後1年の世界の景気見通しが「改善する」と予想する投資家の比率から「悪化する」と 予想する投資家の比率を引いた値はマイナス72%と過去最低だった。インフレと景気減速が同時に進行する「スタグフレーション」を予想 する投資家は77%と前月(66%)から上昇し、リーマン危機直前の08年8月以来の高さだった。 投資家はリスク回避を強めている。株式保有を当初設けた配分を上回る「オーバーウエート」にした投資家の比率から、下回る「アンダー ウエート」にした投資家の比率を引いた値はマイナス13%。前月(プラス6%)からマイナスに転じ、20年5月以来の低水準となった。 株式相場の急落を受け、米連邦準備理事会(FRB)がハト派姿勢を見せて相場を支える「FRBプット」が発動される水準を聞いたところ 、S&P500種株価指数で平均3529(前月は3637)だった。16日終値を12%下回る。バンカメは目先はベアマーケットラリー(弱気相場で の一時的な株価上昇)は見込めても「最終的な大底には至っていない」と指摘した。 確率は低いが発生すると影響が大きい「テールリスク」では「タカ派の中銀」が31%で首位、2位は「世界的な景気後退」(27%)、3位 は「インフレ」(18%)だった。 日本株ADR17日、買い優勢 ホンダやソニーGが上昇 2022/05/18 05:32 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川上純平】17日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は買い優勢だった。 日米の株式相場が上昇し、日本株ADRも買われやすかった。ホンダやソニーG、キヤノンの上昇が目立った。 三菱UFJと三井住友FGは下げた。 ADD3861円 米国債券10年利回り2995%、(+0.116) https://fred.stlouisfed.org/series/T10Y2Y イールド・カーブ逆転は まだと思います。 ALMの観点から特に銀行では重要なのは DURATIONと あと Convexityです。 三井住友は記憶ベースではDURATIONは短くし正の コンベクシティだったと記憶。 一番危ないのはみずほだったと思います。 下記 DURATONとCONVEXITY 利回りの変化に対する債券価格の変化は曲線状となるのに対して、デュレーションは利回りの変化に対する債券価格を線形近似するも のであるため、デュレーションのみでは金利水準の変化による債券価格の変化を完全には説明できません。金利水準の変化により債券 のデュレーション自体が変化してしまう ため、金利水準が大きく変化するほどデュレーションのみでは説明されない部分がより大きくなり ます。そこで、デュレーションを補完するために、コンベクシティが用いられます。 正のコンベクシティ コンベクシティが正である場合、金利低下時は、債券価格は点線の傾き以上に上昇し、また金利上昇時は点線の傾きほど債券価格は低 下しません。 負のコンベクシティは、 金利が低下したときに債券価格が上昇する割合のほうが、同単位の金利が上昇したときに債券価格が下落する割合よりも小さくなります。 [社説]メガ銀はリスク管理万全に 2022/05/18 19:00 日経速報ニュース 表面的には悪くはないが国内外の重いリスク要因が潜む。3メガバンクの2022年3月期決算は、こう総括できよう。 最大手の三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)は過去最高益となった。コロナ禍による融資先の経営悪化は限られ、各国中央銀行の 資金供給による株高も各社の収益を押し上げた。 だが1~3月期に限れば、三菱UFJとみずほFGが大幅減益になるなど収益環境は一変している。最悪を想定し、さまざまなリスクの点検 と管理が必要だ。 2月のウクライナ侵攻を踏まえ、ロシア向け債権に関連し3メガは合計3千億円の引当金を積んだ。三井住友FGが航空機リース事業で貸 し出した35機のうち取り戻したのは1機だけだ。今後、経済制裁下で二度と借りられない機体をロシア側が返還するのか。 「最悪、ロシアの現地法人さえ接収されかねない」(太田純社長)といった危機感覚も、決して大げさなものではないだろう。 収益面でより重要なのは、年明け以降の世界的な金利急上昇(債券価格の急落)への対応だ。米国債を中心に保有外債の含み損は3 社合計で1兆7千億円。ただちに損失計上する必要はないとはいえ、りそなホールディングスは前期に500億円の債券売却損が生じ大手銀 唯一の減益となった。 円金利の上昇を強力に抑え込んできた日銀の黒田東彦総裁も来春で任期を終える。邦銀の債券ディーラーの大半は金利上昇局面の経 験が乏しい。国内でも物価と金利上昇に備えた資産管理と運用体制の再点検が欠かせない。 21年度は非上場の車部品大手マレリホールディングス(旧カルソニックカンセイ)が1兆円超の有利子負債を抱えて行き詰まった。コロナ後 を見すえた融資先の優勝劣敗に周到な目配りがいる。 金利上昇は中期的には利ざや拡大を通じて銀行収益を改善させる。成長分野の環境融資やデジタル投資に力を入れ、広がる一方の米 銀との距離を縮めたい。 大手銀、「人への投資」強化 賃上げ3~4%、教育も充実―22年度 https://www.jiji.com/jc/article?k=2022051700794&g=eco 2022年05月18日14時57分 大手銀行が「人への投資」を強化している。三菱UFJ銀行など3メガバンクは2022年度に賃金を前年度比3~4%程度引き上げる ほか、教育関連投資も充実させる。企業間の人材獲得競争が激化する中、物価上昇にも配慮して人的資本への投資を増やし、企業 価値向上につなげたい考えだ。 岸田文雄首相は22年春闘を前に、業績がコロナ禍前の水準を回復した企業に3%超の賃上げを期待すると表明。「人への投資」強 化を目指しており、3メガバンクとも3%超の賃上げに踏み切る。 三井住友銀行は、継続雇用者に対する総支払賃金を前年度比4%弱増やす方針。デジタルなど多様な人材が求められる中、教育 投資は約3倍の20億円程度にする考えで、人的投資全体で実質5%弱の増加を見込む。三井住友フィナンシャルグループの太田純 社長は人的資本を「金融グループの経営で最も大切な経営資源」と位置付け、継続的に投資強化に取り組む考えだ。 みずほ銀行は給与などの支給額が3%台半ばの増加となる見通し。三菱UFJ銀行は既に3.5%を超える実質賃上げを決定してい る。三菱UFJフィナンシャル・グループの亀沢宏規社長は「かつてないスピードで事業環境が変化する中、その時々のニーズに合わせ て社員への投資を実践していく」と話している。 日本株ADR18日、全面安 2022/05/19 05:08 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川内資子】18日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)はほぼ全面安だった。 米株式相場が大きく下げたのが影響した。トヨタが3%近く下げ、ホンダやオリックス、野村、武田が売られた。 ADD3821円 米国債券10年利回り2886%、(-0.084) 2022年05月19日10時14分 三菱UFJ、第一生命HDなど軒並み安、米経済減速警戒で米国債に資金シフト 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>などメガバンクが売り優勢となっているほか 第一生命ホールディングス<8750>、T&Dホールディングス<8795>など大手生保は相対的にきつい下げとなっている。 米国株市場ではここにきて、足もと企業業績の先行きに対する不安からリスク回避の動きが目立っている。経済が減速するとの 思惑を背景に米国債が買われ、米10年債利回りは前日取引終了時点で2.89%まで水準を切り下げた。また、超長期債の30 年債の利回りは0.1%以上の下げで3%台は維持しているものの、再び2%台が視野に入る状況にある。前日の米株市場では ゴールドマン・サックス<GS>、JPモルガン<JPM>など大手金融株が売られており、東京市場にもこの流れが波及している。 日本株ADR19日、全面高 2022/05/20 05:20 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=張間正義】19日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は全面高だった。 同日の米株式相場は下落したが、日本株ADRへの影響は限られた。野村やホンダ、ソニーGが上昇した。 オリックスとみずほFGも上げた。 ADD3865円 米国債券10年利回り2837%、(-0.018) 機動的IT予算、1300億円に増額 三井住友FG 2022/05/20 日本経済新聞 朝刊 三井住友フィナンシャルグループは19日、トップの裁量でIT(情報技術)分野に機動的に投資する予算「CEO枠」を拡充したと明らかに した。中期経営計画で定める2020~22年度の枠を従来の1000億円から1300億円に増やした。増やした予算は新サービスやセキ ュリティー強化などにあてる方針だ。 同日開いた投資家向けの事業説明会で明らかにした。CEO枠を含めた3年間のIT投資額は5000億円から5300億円になる。CEO 枠では企業の温暖化ガス排出量算定やオンラインによる売掛債権保証などの新サービスを立ち上げてきた。会計システムなどの社内 システムへの投資にも活用している。 日銀、ETF701億円買い入れ 4月7日以来(19日) 2022/05/19 17:47 日経速報ニュース 日銀は19日、株価指数連動型上場投資信託(ETF)を701億円買い入れた。この日の午前は東証株価指数(TOPIX)が前日比2.03% 下落していた。 設備投資および人材投資に積極的に取り組んでいる企業を支援するためのETF(新型ETF)や、不動産投資信託(REIT)は買い入れ なかった。保有するETFの新規貸し付けもなかった。 日銀、不都合な「物価2%」到達 緩和堅持に円安が影 2022/05/20 11:00 日経速報ニュース 消費者物価指数(CPI)の前年同月比上昇率が2%を超えた。政府・日銀は政策目標である「物価2%」を形式上達成したが、受け止めは 複雑だ。目指していた賃金上昇に伴う需要拡大が物価を押し上げる形ではなく、資源高や円安による「コストプッシュ型」になっているため だ。日銀は景気刺激に軸足を置き、現在の大規模緩和を続ける方針を崩していないが、その姿勢が足元の円安を促している面もある。 【関連記事】4月の物価上昇率、7年ぶり2%超 エネルギー価格高騰で 「物価上昇は一時的。これまでのスタンスを変える必要はない」。総務省がCPIを発表した20日午前、日銀関係者は落ち着いた表情で語 った。 今の物価上昇はロシアのウクライナ侵攻に伴うエネルギー価格の上昇が大きいとし、「資源価格が上昇を続けるとは想定しておらず、エネ ルギー価格の物価押し上げ寄与は先行き薄れていく」(黒田東彦総裁)というのが日銀の見立てだ。今回のCPIも生鮮食品とエネルギーを 除く「コアコア」で見れば0.8%の上昇にとどまっている。 日本経済は新型コロナウイルス禍からの回復途上にある。内閣府が18日発表した22年1~3月期の実質国内総生産(GDP)速報値は前 期比年率1.0%減だった。21年4~6月期にコロナ前水準を超えた米国や21年10~12月期に戻したユーロ圏に比べて日本は経済の正常化に 時間がかかっている。 いま大規模緩和をやめれば、薄日が差し始めた日本経済を冷やしかねないとの思いがある。既に日本経済は超低金利環境を前提とした 構造となっている。利上げに踏み切れば長期金利の上昇は1000兆円規模に膨らんだ政府債務の利払い負担を重くする。住宅ローンなど政 策金利に連動する金利が上昇すれば、消費者へのダメージとなるといった副作用の存在も大きい。 日本株ADR20日 買いが優勢、トヨタやソニーGが上昇 2022/05/21 05:18 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=横内理恵】20日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は買いが優勢だった。 同日の東京株式市場で日経平均株価が上昇し、日本株のADRの買いを誘った。トヨタやソニーG、野村が高い。 三菱UFJや武田も上げた。一方、キヤノンは小幅安で終えた。 ADD3868円 米国債券10年利回り2778%、(-0.067) 三井住友、ITの機動的な予算「CEO枠」拡充 1300億円 2022/05/19 18:30 日経速報ニュース 三井住友フィナンシャルグループは19日、トップの裁量でIT(情報技術)分野に機動的に投資する予算「CEO枠」を拡充したと明らかに した。中期経営計画で定める2020~22年度の枠を従来の1000億円から1300億円に増やした。増やした予算は新サービスやセキュリテ ィー強化などにあてる方針だ。 同日開いた投資家向けの事業説明会で明らかにした。CEO枠を含めた3年間のIT投資額は5000億円から5300億円になる。CEO枠で は企業の温暖化ガス排出量算定やオンラインによる売掛債権保証などの新サービスを立ち上げてきた。会計システムなどの社内システ ムへの投資にも活用している。 株主還元策 (2021年度決算%20投資家説明会) 22年度のボトムライン目標7,300億円に対し、配当性向40%を達成するため、 配当予想は、10円増配の220円としました。 コロナ影響でボトムラインが下がったことで、一時的に40%を超えたこともありましたが、 今年度、中期経営計画の想定通りのボトムライン目標とともに 配当性向40%というお約束を果たせることを嬉しく思っています。 一方、自己株取得については、SMBC日興証券の問題の帰趨がまだ不透明であることから、 昨年11月に発表した1,000億円も、買付を開始できていない状況です。 具体的な時期についてはまだ見通せないものの、取得期間内の完了を目指しています。 また、今年度分の実施については、 ロシア・ウクライナ情勢の影響に加え、インフレや各国の金融政策の動向など、 世界経済の見通しが非常に不透明なこともあり、現時点では判断しないことにしました。 年度中の実施の可否については、こうした影響を見極めながら検討を続けていきます。 かねてから申し上げている通り、昨年11月に発表済の自己株取得の進捗状況が 新たな自己株取得実施の判断に影響することはありません。 三井住友銀、インターネットバンキングの不具合は午後6時に復旧 伊藤小巻、浦中大我 2022年5月20日 16:39 JST 更新日時 2022年5月20日 18:40 JST 三井住友銀行は20日、インターネットバンキング「SMBCダイレクト」で生じていた不具合が午後6時に復旧したと発表した。 原因については確認中ー広報担当者 同不具合は午後3時40分頃から発生してした ログイン後にエラーが表示され手続きできない場合があるとして、残高照会、振り込み・振替についてはアプリを利用するよう 呼びかけていた 2022/05/20 22:45 三井住友FG(8316) 23年3月期経常予想。対前週2.3%下降。 三井住友フィナンシャルグループ<8316>の経常利益予想コンセンサスは、前週値の1,068,100百万円から2.3%下落し 1,043,460百万円となった。対前年実績で見た場合2.6%の増益予想から0.3%増益予想に下方修正されたことになる。 因みにレーティングコンセンサスは4.0で変わらずのまま。 金融所得課税引き上げ、優先しない意向 木原副長官-入国者1日2万人超に意欲 2022/05/22 12:40 日経速報ニュース 木原誠二官房副長官は22日のフジテレビ番組で、金融所得課税の引き上げを岸田政権の政策課題として優先しない意向を示した。 「政策は優先順位が大切だ。いまやるべきことは貯蓄から投資のマインドをつくることだ」と述べた。 岸田文雄首相は20日の日本経済新聞の単独インタビューで、優先順位は高くないとの認識を語った。木原氏は「首相が言っている 通りだ。貯蓄から投資に悪影響がない形を考えたい」と言及した。 木原氏は1日の入国者の上限を6月以降にさらに引き上げるとも言明した。政府は6月1日に1日1万人から2万人に増やす方針だ 。「まず2万人だ。新型コロナウイルスの感染状況をみながら将来的に緩和する」と述べた。 海外からの観光客の受け入れ再開に意欲をみせた。「所得を外に出さないためにはインバウンド(訪日外国人)は重要だ」と強調した。 政府は米国などから少人数の団体客を受け入れる実証事業を進めている。再開の時期や人数を調整する。 木原氏は首相が掲げた「資産所得倍増プラン」について説明した。貯蓄から投資を促すため少額投資非課税制度(NISA)を拡充す ると話した。与党の税制調査会で「期間や金額、投資できる対象を検討してもらいたい」と指摘した。 政府が自社株買いのガイドラインを策定することにも慎重な考えを明示した。「企業価値をどう上げていくかは資本戦略、経営戦略と して個々の企業が考えるべきだ」と訴えた。首相が国会答弁で一律の規制を否定しているとも触れた。 【関連記事】 ・若い投資家の追い風になる首相の「変心」 ・資産所得より金融資産重視を ・「新しい資本主義」に既視感 いいところ取り、刺さらず 日米欧主要14行、対ロ損失1.6兆円 侵攻長期化で逆風 不良債権膨らむ恐れ 2022/05/22 日本経済新聞 朝刊 世界の金融機関のロシア関連費用が膨らんでいる。日米欧の主要14社の開示情報を集計したところ、費用総額は、融資の焦げ付き に備える引当金を中心に129億ドル(約1兆6600億円)となった。与信総額の15%程度にとどまり、今後、追加処理を迫られる可能性 がある。危機の長期化で経済が落ち込み、不良債権処理が増えれば、金融システムへの負担はさらに重くなる。 ロシア関連費用が多い欧州8社と、日米それぞれの大手3社を集計した。14社合計の1~3月期の関連費用(4~6月期予定分を一 部含む)は直近の年間純利益(約1430億ドル)の9%の規模となった。今のところ本業の稼ぎで十分まかなえる範囲だが、損失がさら に膨らむリスクがある。 イタリア大手でロシア向け投融資が多いウニクレディトは約12億ユーロ(約1600億円)の引当金を積んだ。資産放棄を迫られるような 最も厳しいシナリオでは、52億ユーロの追加損失が生じるとの試算も示した。 ウニクレディトは欧州債務危機後に139億ユーロの最終赤字を出したことがある。仮に最悪シナリオが実現すれば、当時の半分程度に まで損失が広がりかねない。 ロシア向けの与信残高が200億ユーロ超と大きいオーストリアのライファイゼンは、新たな引当金の計上が約3億ユーロにとどまった。 広報担当者は「制裁リスクに対する引き当てを18年から始めるとともに、リスクが高い顧客への与信を避けてきた」結果だと説明する。 だが、市場は疑心暗鬼だ。ロシア経済の先行きは不透明感で「見通しには高い不確実性が伴う」(ドイツ銀行)との指摘がある。ライファ イゼンの株価は侵攻前の半値ほどに低迷。約130の支店を展開するロシア事業は同行の利益の源泉だったが、最大のリスクへと転じて いる。 ロシアからの撤退を急ぐ動きも出てきた。仏ソシエテ・ジェネラルはロシアの現地子会社ロスバンクを同国の富豪ウラジーミル・ポターニ ン氏率いる投資会社に譲渡すると決め、5月18日に売却完了を発表した。リスクの切り離しを優先し、4~6月期に32億ユーロの追加損 失を計上する。 米銀では、3月末時点のロシア向け投融資残高でシティグループが79億ドルと突出する。1~3月期には関連融資などで10億ドル、ウ クライナ危機の間接的な影響も含めると19億ドルの貸倒引当金を積んだ。JPモルガン・チェースはロシア向けで3億ドルの引当金を計上 し、最終的に10億ドル規模の損失が発生しうるとの見通しを示した。 日本の3メガバンクは22年3月期決算で、ロシア関連の引当金として計約3000億円を計上した。三菱UFJフィナンシャル・グループ( FG)やみずほFGはロシア企業を含む非日系企業を中心に引当金を積んだ。三井住友FGは航空機リースで回収可能性が低下したとして 減損損失も計上した。 3メガバンクのロシア国内の与信残高は3月末時点で1兆円規模ある。各社とも現状では「十分に損失を計上した」(幹部)が、さらなる 負担を迫られる余地も残る。 世界の銀行はクリミア侵攻を受けて14年以降に対ロシアの与信縮小を進めていた。それでも、21年末時点の与信総額は約1050億 ドルに達する。 欧州中央銀行(ECB)によると、ユーロ圏の大手金融機関は欧州債務危機時の11年に総額1550億ユーロの引き当てや減損費用を 出した。ロシア関連の直接の損失がそこまで膨らむ可能性は小さいが、不安要素もある。 独コメルツ銀行のマンフレッド・クノッフ最高経営責任者(CEO)は11日の株主総会で、エネルギー価格高騰などで「企業の倒産件数は 増えて銀行業界の与信費用は高まるだろう」と語った。危機の収束が見込めないなか、銀行経営への逆風が強まりつつある。 2022年05月23日09時10分 三菱UFJ、三井住友FGなど上値重い、米10年債利回りが3週間ぶり2.7%台に 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>などメガバンクは上値の重い展開。 前週末の米国株市場ではバンク・オブ・アメリカ<BAC>やJPモルガン・チェース<JPM>など大手金融株が総じて軟調な値動きをみせた。 米10年債利回りは、ここにきて米経済減速懸念から低下基調を示しており、前週末は取引終了時点で2.8%台を下回った。 これは4月26日以来約3週間ぶりのことで、金融セクターはひところの運用環境向上への期待が後退している。 東京市場でも米国事業を手掛けるメガバンクにとってはマイナス材料となっている。ただ今月中旬以降、各社の株価は調整を続けていた こともあり、目先は下値抵抗力も発揮しやすいタイミングにある。 2022/05/23 18:00 三井住友FG(8316) 日系大手証券、レーティング据え置き、中立。目標株価引き上げ、4,600円。 日系大手証券が5月23日、三井住友フィナンシャルグループ<8316>のレーティングを中立(Neutral)に据え置いた。 一方、目標株価は4,500円から4,600円に引き上げた。因みに前日(5月20日)時点のレーティングコンセンサスは4 (アナリスト数11人)で「やや強気」の水準、目標株価コンセンサスは4,666円(アナリスト数11人)となっている。 2022-05-24 三菱UFJMS Neutral継続 4500円 → 4600円 2022/05/23 22:45 三井住友FG(8316) 23年3月期経常予想。対前週0.3%下降。 三井住友フィナンシャルグループ<8316>の経常利益予想コンセンサスは、前週値の1,053,079百万円から0.3%下落し 1,049,584百万円となった。因みにレーティングコンセンサスは4.0で変わらずのまま。 <米国>JPモルガンが7%高、今期予想の純金利収入を上方修正 2022/05/24 01:06 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=張間正義】(米東部時間12時05分、コード@JPM/U)23日の米株式市場で銀行のJPモルガン・チェースが4営業日 ぶりに反発し、一時は前週末比7.1%高の125.62ドルを付けた。23日開催の投資家向け説明会の資料で、2022年12月期通期の純金利 収入の見通しを上方修正し、好感された。他の銀行株にも買いが波及し、バンク・オブ・アメリカが6.7%、ウェルズ・ファーゴが5.5%高とな る場面があった。 市場部門を除く今期の純金利収入は560億ドルを超え、従来予想(530億ドル)を上回る。融資増加に加え、金利上昇で利ざやが拡大す る。純金利収入は22年10~12月期にかけて四半期ごとに拡大していくという。経営目標とする自己資本利益率(ROE)に近い「有形自己 資本利益率(ROTCE)」は17%と従来計画を据え置いた。 営業費用の見通しは従来の770億ドルを維持した。人件費などの上昇が見込まれる半面、業務の効率化を進めて全体のコストを抑える。 資料では「米経済のファンダメンタルズは強固だ」と指摘。将来の不確実性は高まっているとの見方を示しつつ「クレジット市場の見通しは 依然ポジティブだ」とも説明した。 JPモルガン株は今年に入り20日までに26%下落。機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数(18%安)に劣っていた。 日本株ADR23日、ほぼ全面高 オリックスなど金融高い 2022/05/24 05:20 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川上純平】23日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)はほぼ全面高だった。 日米の株式相場が上昇し、日本株ADRも買われた。みずほFG、三菱UFJ、オリックスなど金融の上昇が目立った。 ADD3958円 米国債券10年利回り2861%、(+0.074) 当座預金40兆円、マイナス金利に 日銀の国債購入増やコロナ対応 預金者へしわ寄せも 2022/05/24 日本経済新聞 朝刊 金融機関が日銀に預ける当座預金のうち、マイナス金利が適用される残高が増えている。日銀の国債購入が膨らみ、直近の適用残高 は初めて40兆円を超えた。新型コロナウイルス禍に対応した資金繰り支援の影響もあり、あふれたマネーが行き場を失っている。個人や 企業への貸し出しができないゆうちょ銀行などの負担が長期化すれば、預貯金者へのコスト転嫁が進む可能性もある。 日銀によると、4月16日から5月15日のマイナス金利の適用残高は40.2兆円と過去最高になった。日銀がマイナス金利を導入した2 016年2月からみるとほぼ倍増している。 3階層に分類 金融機関が日銀に預ける当座預金は(1)プラス0.1%の金利が付く基礎残高(2)ゼロ金利残高(3)マイナス0.1%の金利が付く政策 金利残高――の3階層に分かれる。日銀が国債を購入すると、金融機関の日銀当座預金に資金が振り込まれて日銀当座預金全体の残 高が増える。(1)、(2)で吸収しきれなかった分がマイナス金利の適用を受ける。 日銀は長期金利を抑え込むため、10年物国債を0.25%の利回りで無制限に買う指し値オペ(公開市場操作)をたびたび実施してきた。 その結果、4月の国債購入額は9.1兆円に達し、直近のピークだった18年7月(8.8兆円)を超えた。日銀はすでに指し値オペを原則とし て毎日実施すると決めており、今後も高止まりが予想される。 日銀は通常、マイナス金利の適用が増えすぎないように日銀当座預金の資金の流れを事前に予測し、ゼロ金利残高の枠を調整している。 今回は国債購入額が想定よりも多くなったことが、マイナス金利の適用残高が過去最高を更新する遠因となった。 マイナス金利が適用される業態は偏っている。最も多いのはゆうちょ銀など「その他準備預金制度適用先」で17.7兆円。外銀の12.3 兆円が続き、この2業態で全体の75%を占める。対して都銀はゼロ、地銀も840億円と非常に低い水準となっている。 こうした差異が生まれるのは、都銀や地銀が新型コロナ対応の融資を手掛ける金融機関向けの特別オペ(コロナオペ)の恩恵を受けてき たからだ。企業への資金繰り支援のために同オペを使って資金調達すると、利用額の2倍がゼロ金利の枠に加算された。地銀はマイナス 金利の資金を調達してゼロ金利残高に計上して利ざやを稼いできた。 ただ、民間への融資ができないゆうちょ銀やコロナ融資を手掛けない外銀はコロナオペの恩恵を受けにくい。日銀当座預金全体で見たゼ ロ金利の適用枠に限りがあることもあり、都銀や地銀のゼロ金利枠が拡大しているあおりを受けている構図だ。 行き場失う資金 ゆうちょ銀はマイナス金利の影響について「日銀当座預金から得られる収益や運用面での利回りが低下している」との認識を示す。厳しい 経営環境などを踏まえ、22年1月からATMで硬貨を預け入れる際に手数料を徴収するようになった。一方、外銀は国内の銀行や機関投資 家にドルを渡して円を受け取ると、ベーシススワップと呼ばれる上乗せ金利をもらえる事情もあり、マイナス金利の影響を邦銀ほど受けてい ない。 ただ、こうした状況は今後変わりそうだ。大企業向けや住宅ローンが中心の民間債務担保分のコロナオペが3月で終了し、同オペの利用 額は大幅に減っていく見通しだ。都銀や地銀に上乗せされてきたゼロ金利の枠も縮小していく。東短リサーチの荒井史彦研究員は「特に地 銀は今後マイナス金利を適用されやすくなる」と指摘する。 マイナス金利を回避する正攻法は海外を含めた投融資を増やすことだが、預金の流入は続いており、預金と貸し出しの差を示す預貸ギャ ップは4月時点で344.2兆円と、コロナ下で80兆円以上も膨らんだ。日銀がマイナス金利を含めた現行の金融緩和を「粘り強く続けていく 」(黒田東彦総裁)なか、余剰資金の運用には難路が待ち受ける。 マイナス金利を適用される金融機関はゼロ金利の枠が余る金融機関に資金を貸し出せば負担を軽減できる。しかし事務コストに加え、コー ル市場での貸し借りには与信枠、債券と現金を交換するレポ取引には担保の制約があるため、「裁定が働きにくくなっている」(国内証券) との見方がある。 2022年05月24日09時05分 三菱UFJ、第一生命HDなど買い優勢、米金融株大幅高に追随する展開に 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>などメガバンクや第一生命ホールディングス<8750>など大手生保株が総じて買われる展開と なっている。 前日の米国株市場ではリスクオフの巻き戻しが顕著となり、特に大手金融株への買い戻しが活発化した。JPモルガン<JPM>やシティ グループ<C>は6%超の大幅高に買われたほか、バンカメ<BAC>も6%近い急伸をみせるなど投資資金の攻勢が活発化しており、東京 市場でもこの流れが波及する形になっている。メガバンクも大手生保も低PER、低PBR、高配当利回りが共通項となっており、バリュー 株の有力対象としても注目度が高い。 日本株ADR24日、売り優勢 ホンダやソニーGが下落 2022/05/25 05:31 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=戸部実華】24日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は売りが優勢だった。 同日の日本の株式相場や米ナスダック総合株価指数が下落し、日本株ADRも売られやすかった。 ホンダやソニーG、三井住友FG、トヨタが下落した。一方、キヤノンや三菱UFJは上昇した。 ADD3906円 米国債券10年利回り2.754%、(-0.105) 近藤元SMBC日興副社長、取締役で復帰 2022/05/25 日本経済新聞 朝刊 SMBC日興証券は24日、6月21日付で取締役に近藤秀一元副社長(66)が就く人事を発表した。元幹部と法人が相場操縦罪に 問われた事件を巡って内部管理体制の強化が急務の中、営業やコーポレート部門など同社業務全般に詳しいOBを迎えてリスク管理 などガバナンスの強化や業務の見直しを進めたい考えだ。 近藤氏は1980年に旧日興証券に入社。財務部長や専務などを務めたのち、2016年3月に副社長に就いた。 同年6月に退いた後は日本相互証券社長などを務めた。 日本株ADR25日 高安まちまち ホンダが下落、オリックス高い 2022/05/26 05:13 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=横内理恵】25日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は高安まちまちだった。 同日の東京株式市場で日経平均株価が下げた半面、米株式相場は上昇し、日本株のADRには売り買いが交錯した。 ホンダやソニーG、キヤノンが下落。一方、オリックスや三井住友FG、トヨタは高い。 ADD3932円 米国債券10年利回り2.749%、(-0.011) 黒田日銀総裁、金融緩和の出口戦略「十分可能」 2022/05/26 21:00 日経速報ニュース 日銀の黒田東彦総裁は26日の衆院予算委員会で、金融緩和の出口戦略に言及した。「市場の安定を確保しながら遂行することは 十分可能だ」と述べた。「当面は金融緩和を続けるべきだと思う」とも語った。立憲民主党の江田憲司氏への答弁。 出口戦略のタイミングに関して「経済、物価、金融情勢に合わせて適切にやっていく」と指摘した。米連邦準備理事会(FRB)が進め る利上げを巡り「米国が金利を上げると日本から米国に資金が流れて円安になるということでもない」との考えを示した。 マレリに4500億円支援 取引銀行が債権放棄 https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/964968 マレリの負債総額は1兆円超。みずほ銀行は3600億円を貸し込んでいて、2番手の三井住友銀行の2倍以上だ。 日本株ADR26日、買い優勢 トヨタやソニーGが上昇 2022/05/27 05:07 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川内資子】26日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は買いが優勢だった。 米株式相場が大きく上昇した影響で買われる銘柄が多かった。トヨタが3%上げ、ソニーGや野村、ホンダが高い。 一方、武田は下落した。 ADD3971円 米国債券10年利回り2.752%、(+0.005) 日本株ADR27日、買い優勢 ソニーGやトヨタが上昇 2022/05/28 05:12 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川上純平】27日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)はやや買いが優勢だった。 日米の株式相場が上昇し、日本株ADRも買われやすかった。ソニーGやオリックス、トヨタが上昇した。 半面、みずほFGや三井住友FG、武田は下落した。 ADD3953円 米国債券10年利回り2.743%、(-0.015) ソフトバンクG借入先、国内銀が増加 三井住友3割増 2022/05/30 17:35 日経速報ニュース ソフトバンクグループ(SBG)の国内大手銀行からの借り入れが増えている。30日に公表した定時株主総会の招集通知によると、 2022年3月末時点で三井住友銀行と三菱UFJ銀行、三井住友信託銀行からの借入金が1年前に比べて増えた。主に外資系から 調達していた株担保ローンなどの返済が進んだ一方、SBGの国内グループなどが日系の金融機関からの調達を増やした。 SBGは連結ベースの借入残高の上位10行を開示している。首位のみずほ銀行の残高は8122億円と前の期から4%減った。一 方、三井住友銀行は6181億円と3割増え、5位から3位に上昇した。三菱UFJ銀行は8位から6位となり、前の期末は10位に届か なかった三井住友信託銀行は9位に浮上した。 上位10行の残高のうち国内系が占める割合は22年3月末には約5割で、前の期末の4割弱から増えた。前期には傘下のZホール ディングスで主に国内系からの借り入れが増えた。英子会社アーム株を担保とする80億ドル(約1兆円)の調達には、みずほや三井 住友などが参加した。 21年3月末時点では上場株専門の運用子会社を通じた株担保ローン調達を増やしていた。このローンは主に外資系金融機関が提 供していたため、借入残高の上位に外資系が並んだ。その後、SBGは上場株運用を縮小したため、外資系へのローン返済が進んだ。 マレリ債権カット4500億円 再建支援、一律42%に 2022/05/31 日本経済新聞 朝刊 経営を再建中のマレリホールディングス(旧カルソニックカンセイ)に対し、取引金融機関が検討する金融支援の概要が30日分かった。 円建てとユーロ建てで計1兆1億円弱にのぼる債権額のカット率は約42%、金額にして約4500億円となる。借入金を株式に振り替える デット・エクイティ・スワップ(DES)も組み合わせる。31日にマレリが開く債権者会議で提示する予定だ。 マレリは3月1日に私的整理のひとつである事業再生ADR(裁判以外の紛争解決)制度を申請した。債権カットだけでなく、財務基盤の 強化を目的に取引金融機関に対してDESも要請する。 金融支援に加え、親会社である米投資ファンドのKKRは6億5000万ドル(約830億円)の第三者割当増資を引き受ける方向だ。マレ リは再建案に国内外で2000人超となる人員削減も盛り込み、取引金融機関の理解を得たい考え。 対象となる借入金残高で最も多いのはみずほ銀行の約3300億円で、三井住友銀行(約1700億円)、三菱UFJ銀行(約1500億円) 、井住友信託銀行(約750億円)が続く。国際協力銀行に加え、中国の第一商業銀行などは一部の金融支援で対象外となるようだ。 カット率が一律となることに対し、下位の地方銀行を中心に異議が出る可能性もある。 3メガバンク、米国向け協調融資に活路 市場変調リスク 2022/05/31 05:00 日経速報ニュース 日本の金融機関が米国向けのシンジケートローン(協調融資)で勢いを増している。幹事行として協調融資に関わった件数の割合は 2021年に約2割と10年前の約3倍に拡大した。米国では協調融資の組成手数料が株式や債券の発行に並ぶ規模に拡大しており、超 低金利が続く邦銀にとって貴重な収益源となっている。金融引き締めやウクライナ情勢で市場環境が変調するなか、リスク管理の巧拙 も問われることになる。 日銀によると、米国の協調融資に占める邦銀の幹事行比率は21年に約20%だった。7%弱だった11年に比べ、約3倍に伸びた。組成 額のシェアでは英銀を抜き、欧州の金融機関に次ぐ位置にある。21年に完了した米セブン―イレブンによる米コンビニ大手「スピードウェ イ」の買収にあたっては、三井住友銀行が融資団の幹事行を務めたとみられる。 邦銀が注力する背景にあるのが、協調融資が生み出す潤沢な手数料収入の存在だ。調査会社リフィニティブの調査では、21年の融 資関連の手数料規模は143億ドル。債券(171億ドル)や株式(174億ドル)による資金調達に匹敵する巨大市場を構成している。 融資関連のビジネスの主軸となっているのが、M&A(合併・買収)やLBO(借り入れで資金量を増やした買収)などの資金に充てられ る「レバレッジドローン」だ。主に米国の低格付け企業やプライベートエクイティ(PE)ファンドへの融資が中心で、比較的金利が高く、デ フォルト時に優先的に弁済されるなどの利点がある。21年の協調融資のうち、レバレッジドローンからの手数料が占める割合は3分の2 に上る。 こうした融資は組成後、融資額の一部をのぞき、ファンドなどの専門の投資家などに債権を売却するのが一般的だ。返済期限まで債 権を保有し金利収入を得る通常の融資と異なり、組成時の手数料が銀行の収益の大半を占める。自らのバランスシートを拡大せずに効 率よく収益を稼げる利点がある。 邦銀のなかでも米国で特に存在感を高めているのが三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行の3メガバンクだ。三菱UFJ銀行は 現地でも専門人材を採用するなど体制強化を図ってきた。08年に資本提携した米モルガン・スタンレーと連携し、同社がフィナンシャル アドバイザーを務める案件への関与を強めている。 三井住友銀も協調融資などの強化を狙い、20年に専門部署を設立。現地で専門人材を採用するほか、21年に資本提携したジェフリー ズ・ファイナンシャル・グループが強みを持つ低格付け企業への融資業務に力を入れる。 みずほ銀行も協調融資で攻勢をかける。リーマン危機以降、収益が低迷していたロイヤル・バンク・オブ・スコットランドの米国部門を買 収したことに伴い陣容を拡大。従来、大企業向けの融資に力を入れてきたが、新たな収益機会として非投資適格向け融資にも力を入れる。 低格付け企業向け融資の手数料は融資額の2%程度と収益性が高い。主戦場である米銀にとっても有力な市場で、協調融資の実行 額の上位にはBofA証券やJPモルガン、ウェルズ・ファーゴなど米系が並ぶ。 金融情報会社リフィニティブによると、米国における3メガバンクの社債などの負債の取扱額のシェアは21年に5.6%。一方、シンジケー トローンのシェアは6.6%と社債などを上回る。邦銀が比較的高い財務の健全性を武器に、欧州の金融機関が米国での業務を縮小する 隙間をついてシェアを奪ってきた。高格付け先の優良企業と比べ低格付け企業への融資は米銀も慎重になるケースがあり、その牙城を 崩しやすいという面もある。邦銀は日本に加えアジアなどでも案件を伸ばしており、世界シェアも9.7%と米銀を追い上げている。 米国では足元の金利上昇で、変動金利が一般的な協調融資は投資妙味が大きいという利点もある。もっとも、一部保有する債権が焦 げ付く可能性があるほか、低格付け先への融資を組成した後に投資ファンドなどに売却できなければ、意向に反して債権を抱えるリスク もある。 邦銀はドル預金を多く持たず、融資の資金は市場で集める必要がある。相場の変動で調達コストが上がれば、採算割れに陥る可能性 もある。日銀は「米国の協調融資市場は手数料規模が大きく、邦銀の重要な収益源となっている」としたうえで、「協調融資に付随するリ スクに留意する重要性が高まっている」と指摘する。 東証プライム市場の売買代金は概算で5兆5088億円 市場関係者の見方 三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘チーフ投資ストラテジスト グローバル株式運用の基準に用いるMSCIに関連した株式需給の影響を受けた。きのうのTOPIXに続いて株価指数による特殊需給に 揺れる動きとなり、大幅高後の反動も出て日本株は売り優勢の展開になった 物価高への警戒も投資家を慎重な姿勢にした。ドイツやスペインで5月のインフレ率が驚くほど高い。米国で6月10日発表の同月のCPI でもインフレが加速する結果になるとの懸念が再浮上している 中国のロックダウン(都市封鎖)が実際にどの程度解除されるかも不透明だ。台湾では新型コロナ感染者数が増えている。中国政府の ゼロコロナ政策が簡単に終わるとは思えない 東証33業種 下落率上位 海運、不動産、空運、電気・ガス、その他金融 上昇率上位 鉱業、保険、石油・石炭製品、鉄鋼 背景 米国債の10年物利回りは時間外取引で一時前営業日比11ベーシスポイント(bp)高の2.85%近辺まで上昇 MSCI定期入れ替えの除外銘柄が株価乱高下-午前終了時に急伸 米ガソリン価格、再び最高値-ロンドンではニッケル3万ドル突破 ドイツ、5月のインフレ率は過去最高-高まるECBへの圧力 スペインのインフレ率、5月は予想外に上昇-ECBに圧力 日本株ADR31日 売りが優勢 三菱UFJなどが銀行が安い 2022/06/01 05:09 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=横内理恵】5月31日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)には売りが優勢だった。 同日の日米株式相場が下げ、日本株ADRの売りを誘った。三菱UFJやみずほFG、三井住友FGなど銀行が安い。 武田やキヤノン、オリックスも下げた。一方、ソニーGは上昇した。 ADD3926円 米国債券10年利回り2.853%、(+0.104) 日本株ADR1日、高安まちまち ホンダが上昇 武田は下落 2022/06/02 05:21 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川内資子】1日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は高安まちまちだった。 米株式市場でダウ工業株30種平均が続落した一方、同日の東京株式市場で日経平均株価は反発した。 日米の株式相場の方向感が出なかったのが日本株ADRの値動きに影響した。ホンダとトヨタのほか、三菱UFJが上昇した。 一方、武田やみずほFG、三井住友FGは下げた。 ADD3956円 米国債券10年利回り2.911%、(+0.067) 日本株ADR2日、買い優勢 野村やオリックスが上昇 2022/06/03 05:34 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=戸部実華】2日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は買いが優勢だった。 米株式相場が上昇し、日本株ADRも買われやすかった。野村やオリックスの上げが目立った。 ホンダやトヨタの自動車銘柄も上昇した。一方、武田やソニーGは下落した。 ADD3972円 米国債券10年利回り2.911%、(-0.020) 海外債券売り越し拡大、国内勢、中長期1.1兆円 5週ぶり水準 2022/06/03 日本経済新聞 朝刊 国内投資家による海外債券の売りが膨らんでいる。財務省が2日発表した対外証券投資によると、国内投資家は5月22~28日の 1週間で海外の国債など中長期債を1兆1389億円売り越した。海外金利の上昇(債券価格は下落)観測が強まる中、保有量を減ら す動きが進んだ。 国内勢による中長期債の売り越しは3週間ぶりで、売越額は5週ぶりの大きさとなった。欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は23 日に「7月に利上げが可能になる」とし、マイナス金利政策についても「7~9月期の終わりまでに脱却できる状況になるだろう」と表明。 市場では「欧州を中心に海外金利の上振れリスクが意識された」(野村証券の中島武信チーフ金利ストラテジスト)。 米10年債利回りは5月上旬に一時2018年以来となる3・2%前後をつけたが、その後は物価上昇による景気減速懸念の高まりや 市場のインフレ期待がはく落したことから、27日に2・7%台前半まで低下した。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鶴田啓介債券ス トラテジストは「金利が低下したタイミングで、今後の金利上昇を警戒した国内投資家から外国債券の売りが出た」と分析する。 国内の銀行などは2022年1月以降の米欧の金利上昇に伴い、保有する外国債券の評価損が拡大していた。金利の先高観が強い 中、保有する外国債券を売却して損失を確定する動きが加速した可能性がある。 海外の投資家による日本の中長期債の取引は262億円の売り越しと、3週間ぶりの売り越しとなった。新発10年物国債利回りが5月 25日、0・205%と1カ月半ぶりの低水準まで低下したことから、利益確定の売りが進んだとみられる。 日本株ADR3日、全面安 オリックスの下げ目立つ 2022/06/04 05:22 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=戸部実華】3日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は全面安だった。 米株式相場が下落し、日本株ADRも売られた。オリックスや野村のほか、トヨタとホンダの自動車銘柄の下げが目立った。 三菱UFJや三井住友FGなど銀行銘柄、キヤノンやソニーGも安い。 ADD3951円 米国債券10年利回り2.939%、(+0.024) NECと三井住友FG、スマートシティの普及展開・実装加速に向けた「スマートシティ社会実装コンソーシアム」を設立 2022/06/03 12:18 日経速報ニュース 発表日:2022年06月03日 スマートシティの普及展開・実装加速に向けた「スマートシティ社会実装コンソーシアム」を設立 ~実証から社会実装へと導く、産官学のエコシステムを創出 日本電気株式会社(代表取締役 執行役員社長 兼 CEO:森田 隆之、以下 NEC)、株式会社三井住友フィナンシャルグループ(執行役 社長グループ CEO:太田 純)は、2022年5月に「一般社団法人 スマートシティ社会実装コンソーシアム」を、2社が発起人となり設立し、 本日から入会受付を本格的に開始しました。当コンソーシアムの目的は、スマートシティの社会実装に向けて、サービスを開発・実装・ 普及展開することと、持続可能な仕組みをつくることです。 今後、当コンソーシアムへの参加団体をあらゆる業種や地域にわたって広く募り、2025年まで200団体との連携を目指します。 2022/06/03 22:45 三井住友FG(8316) 23年3月期経常予想。対前週0.7%上昇。 三井住友フィナンシャルグループ<8316>の経常利益予想コンセンサスは、前週値の1,049,584百万円から0.7%上昇し 1,056,810百万円となった。因みにレーティングコンセンサスは4.0で変わらずのまま。 2022/06/03 19:55 三井住友FG(8316) 米系大手証券、レーティング強気継続。目標株価引き上げ、4,900円。 米系大手証券が6月3日、三井住友フィナンシャルグループ<8316>のレーティングを強気(Overweight)に据え置いた。 一方、目標株価は4,800円から4,900円に引き上げた。因みに前日(6月2日)時点のレーティングコンセンサスは4 (アナリスト数11人)で「やや強気」の水準、目標株価コンセンサスは4,675円(アナリスト数11人)となっている。 2022-06-06 モルガンS Overweight継続 4800円 → 4900円 SBIや三井住友など、株式の私設取引で新会社 27日開業 2022/06/06 05:00 日経速報ニュース SBIホールディングスや三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)が出資する私設取引システム(PTS)運営会社、大阪デジタルエクス チェンジ(ODX)が27日に開業する。PTSの新設は約12年ぶり。国内では3番目のPTSになる。まずは上場株式を扱ってノウハウを蓄積し 2023年をめどにデジタル証券に参入する。デジタル金融は海外が先行しており、大手金融機関が組んで早期のサービス実現につなげる。 ODXは21年4月にSBIとSMFGの共同出資で設立した。現在はSBI70%、SMFG20%、野村ホールディングスと大和証券グループ本社が 5%ずつ出資する。ブロックチェーン(分散型台帳)を活用したデジタル証券取引所の運営を目的にする。当初は株のPTSから始め、システ ム運営や開発のノウハウを積み重ねる。開業に合わせてODXはSBIや野村とシステムを接続する。その後、接続先を増やしていく。 大阪府が進める国際金融都市構想との連携も深める。本社は東京に置くが、大阪オフィスの人員を増やすなどして機能を拡張する。 日本株ADR6日 買いが優勢 ホンダやキヤノンが上昇 2022/06/07 05:06 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=横内理恵】6日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)には買いが優勢だった。 同日の東京株式市場で日経平均株価が上昇し、日本株ADRの買いを誘った。ホンダやキヤノンが高い。 オリックスやトヨタも上げた。一方、みずほFGや野村は安い。 ADD3983円 米国債券10年利回り3.040%、(+0.085) 三井住友カード、クレカなし後払い決済に参入 GMO系と 2022/06/07 日本経済新聞 朝刊 クレジットカード最大手の三井住友カードとGMOペイメントゲートウェイは専用アプリを使って後払いできるサービスを2023年春までに 導入する。クレジットカードを持っていない人でも実店舗やネット通販で決済できるようにする。後払い方式は米国を中心に普及が進む。 カード最大手による参入で市場拡大に弾みがつきそうだ。 後払い決済は「BNPL(バイ・ナウ・ペイ・レイター)」と呼ばれ、国内では数社がサービスを提供している。実店舗と電子商取引(EC) のどちらかを主な対象とし、1回払いや3回までの分割払いが主流だ。 三井住友カード、GMOペイメントとその子会社が近く発表する新サービスは実店舗とECの両方で使えるようにする。1回払いの場合 は決済時に利用者が入力するメールアドレスや住所などの個人情報から過去の購買データを特定し、1回ごとに簡易な審査を実施す る方向だ。 さらに、事前に口座情報や収入状況などを審査することでカードと同じように24回や36回といった長期分割も可能にする計画だ。 上限額は未定だが、信用力に応じて数十万円以上の買い物にも対応することも検討している。 実店舗は三井住友カードが国内10万台展開している決済端末に利用者がアプリでQRコードをかざして決済する。ECの場合、注 文時に後払いを選べるようにする。決済後、送られてくる請求書を基に利用者がコンビニなどで払うやり方を想定している。三井住友 カードとGMOはカードを持っていない若年層の利用が多くなるとみている。 BNPLはネット通販などでカード番号を入力しなくて済むため、手間を省きたい消費者や番号流出を気にする層が利用している。こう した層の取り込みも狙う。 BNPLは世界で急速に市場が拡大している。米大手アファームのアクティブユーザーは1300万人と大きい。国内でも今後数年で取 扱高が増加していくとの見方が強く、カード大手がBNPL企業と提携する動きも相次いでいる。 急拡大するBNPLにはリスクもある。海外ではカードの審査よりもリスク管理が甘くなる場合がある。若年層などが支払い能力を超え て買い物をしてしまうことで多額の債務負担を抱えたり、高い利率で遅延金を求められたりする問題も指摘されている。三井住友カード などの参入で国内BNPL市場の拡大に弾みがつきそうだが、利用者の保護についても対策が必要になってくる。 2022/06/06 22:45 三井住友FG(8316) 23年3月期経常予想。対前週0.7%上昇。 三井住友フィナンシャルグループ<8316>の経常利益予想コンセンサスは、前週値の1,049,584百万円から0.7%上昇し 1,057,448百万円となった。因みにレーティングコンセンサスは4.0で変わらずのまま。 2022年06月07日09時22分 三菱UFJなどメガバンクが買い優勢、米長期金利が1カ月ぶりに3%台乗せ 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>が商いを膨らませ4日ぶりに反発しているほか、三井住友フィナンシャルグループ<8316> みずほフィナンシャルグループ<8411>も買い優勢の展開となるなど、メガバンクに投資資金が誘導されている。 前日の米国債券市場では長期債が売られ、米10年債利回りが大幅に上昇、5月9日以来約1カ月ぶりに終値ベースで3%台に乗 せてきた。 これを受け米国事業を展開するメガバンク各社は、運用利ザヤの拡大期待が株価を刺激している。 日本株ADR7日、買い優勢 ホンダやみずほFGが上昇 2022/06/08 05:13 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川上純平】7日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は買い優勢だった。 米ダウ工業株30種平均が上昇し、日本株ADRも買われやすかった。 ホンダやみずほFG、野村の上昇が目立った。武田は下落した。 ADD4025円 米国債券10年利回り2.983%、(-0.055) 日本の金利に上昇圧力 日銀、常設指し値オペで初の応札 2022/06/08 日本経済新聞 朝刊 海外発の金利上昇圧力が日本で再び強まっている。日銀は7日、指定した利回りで国債を無制限に買い入れる「指し値オペ(公開 市場操作)」を実施し、934億円分の長期国債を買い入れた。指し値オペに金融機関から応札があったのは4月28日以来で、同日 に指し値オペの毎日実施を決めて以降初めて。金利上昇(債券価格は下落)を受けて日銀への売却に応じる動きが出た。 日銀は現行の金融政策である「長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)」で、長期金利の指標となる新発10年物国債利回りの 変動幅を「プラスマイナス0.25%程度」と設定。上限を超えることを防ぐために10年債を0.25%で無制限に買い入れる「指し値オペ」 を実施している。 4月28日に指し値オペの原則毎日実施を決めて以降は流通市場の10年債利回りが0.25%を下回っていたため、日銀への売却に 応じる金融機関はなかった。市場で売却する方が日銀のオペに応じるより有利な状況が続いていたためだ。7日は流通市場で新発10 年物国債の取引が約5カ月ぶりに成立しなかったが、金利上昇圧力が強まり日銀への売却に応じる金融機関が出たとみられる。 2022-06-08 シティG 2継続 4100円 → 4200円 「貯蓄から投資」が促す円安 来年は1ドル=150円の声も 2022/06/08 13:12 日経速報ニュース 外国為替市場で円売りに歯止めがかからない。8日の東京市場では一時1ドル=133円台前半と、20年ぶりの安値を更新した。ユーロ や豪ドルに対しても、7年ぶり安値を更新する場面があった。日銀が強力な金融緩和を継続する姿勢を示すなか、円には売り圧力が高ま っている。さらに市場では岸田文雄政権が進める「新しい資本主義」政策が円安を助長している側面もあるとの指摘があった。 円相場は8日午前に1ドル=133円22銭近辺まで売られ、前日の安値(133円00銭ちょうど近辺)を円安方向に抜け、2002年4月以来お よそ20年2カ月ぶりの安値を更新した。 市場では「世界の中央銀行が金融政策の正常化に向かうなか緩和を続ける日銀の政策は際立っており、円は『安心して売れる通貨』と しての地位を確立している」(ピクテ投信投資顧問の松元浩運用商品本部シニア・フェロー)との声が聞かれる。8日は対ユーロでも一時 142円36銭近辺、対豪ドルでは96円20銭近辺と、それぞれ15年以来の安値を付けるなど、円は全面安の様相が続く。 市場では「(7日に閣議決定した)岸田政権の『新しい資本主義』の実行計画が円安を助長する側面もある」(国内銀行の為替担当者)と の指摘もある。公約では金融所得課税の強化を掲げるなど金融市場から距離を置く印象の強かった岸田首相だが、実行計画では「貯蓄 から投資へ」を盛り込んだ。 日銀の資金循環統計によると、家計の金融資産は21年末時点で初めて2000兆円を超えた。その大半は銀行預金や保険、年金などの 円建て資産だ。「貯蓄から投資の流れが加速すれば、家計の資金は円建てから外貨建て資産に向かいやすく、円安を後押しする材料に なり得る」(国内証券のストラテジスト)という。 岸田政権の政策が円安を容認しているとの受け止めも聞かれる。物価上昇率2%目標などを盛り込み、13年に安倍晋三政権がとりまと めた政府・日銀の共同声明を踏襲するためだ。ピクテの松元氏は「岸田政権が声明を『変えない』と明言したことで、円安をけん制するどこ ろか金融緩和を続ける日銀にお墨付きを与えたとも受け止められた」とみる。 この20年間、円相場の対ドルでの値幅は年20円程度が最大だった。8日安値と1月14日の年初来高値(113円47銭)を比べるとすでに 19円75銭と20円に迫る。さすがに急速に売られすぎとの見方から買い戻しも入り、もう一段の下値余地は限られるとの見方もある。 ただ、円を売る材料はあっても、積極的に買う材料は乏しいのが実情だ。前述の国内証券のストラテジストは「このまま政府や日銀の姿 勢が変わらなければ23年にかけては150円に向けて円安が進んでもおかしくはない」とみていた。 三井住友FG、「モビット」など三井住友カードに吸収合併 2022/06/08 19:14 日経速報ニュース 三井住友フィナンシャルグループは8日、消費者金融や決済を手掛ける関連会社を再編すると発表した。カードローンを運営するSMBC モビットと、クレジットカード「セディナ」や信販事業を手掛けるSMBCファイナンスサービスを三井住友カードに吸収合併させる。機能とブラ ンドを集約し、運用を効率化する。 SMBCモビットは消費者金融「プロミス」を手掛けるSMBCコンシューマーファイナンスの子会社。2023年7月をめどに三井住友カード に合併させる。「SMBCモビット」のブランドは残し、将来は三井住友カードのキャッシングとの連携も視野に入れる。 SMBCファイナンスサービスは三井住友カードの子会社で、24年4月をめどに吸収させる。セディナのブランドは合併後も当面の間は残す。 日本株ADR8日、全面安 2022/06/09 05:17 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川内資子】8日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)はほぼ全面安だった。 米株式市場でダウ工業株30種平均が反落した影響で、日本株ADRも売られた。 三井住友FGとみずほFG、野村、三菱UFJといった金融銘柄の下げが目立った。ホンダや武田も安い。 ADD3933円 米国債券10年利回り3.027%、(+0.057) 銀行融資が再拡大 米は2割増、金利上昇で駆け込みも 2022/06/09 05:00 日経速報ニュース 新型コロナウイルス禍を受けた企業の手元資金需要が一服する中、世界の銀行融資が再び拡大している。米国では産業向け融資が 1年前比で2割前後の伸びを続けている。日本やユーロ圏でも増加傾向だ。コロナ支援融資の返済が進み、再び設備投資需要が増えた。 ロシアのウクライナ侵攻や資源高を受けた新たな手元資金需要のほか、金利上昇を見込んだ駆け込み借り入れの動きもある。 「人々の活動が正常化するにつれて、消費者向け、商業向けともさらに融資を増やす余地がある」。バンク・オブ・アメリカのブライアン・ モイニハン最高経営責任者(CEO)は、コロナの感染が落ち着き、企業の資金需要が高まると見込む。22年に入り、米連邦準備理事会 (FRB)の急速な利上げ観測から社債発行などの資金調達が難しくなるなか、銀行融資への需要に対応する。 米国ではウクライナ危機などを受けた世界的な物価上昇を受け、やむを得ず運転資金を借りる動きも目立つ。米大手銀ウェルズ・ファー ゴの商業部門の貸出平均残高は、22年3月時点で21年12月に比べて4%増えた。マイク・サントマッシモ最高財務責任者(CFO)は「材料 費や輸送費のインフレや在庫増のために借り入れを増やす大口顧客がけん引した」と指摘する。 米連邦準備理事会(FRB)の統計によると、3月の産業向け融資が前年同月比22%、4月に15%伸びた。週次の統計では5月以降も伸 びており、およそ1年2カ月ぶりの水準だ。 世界ではコロナ拡大初期の2020年初め、運転資金などの需要が急増。米国や日本などの融資残高は過去最大規模まで急増した。そ の後は経済再開とともに返済の動きもあり、残高は減少傾向にあった。21年後半に米国で残高減が止まり、足元では増加傾向が鮮明だ。 インフレ抑制をめざすFRBが3月に利上げを始め、急ピッチで政策金利を引き上げる姿勢を示している影響が大きい。 日本総合研究所の谷口栄治氏は「金利が上昇する前に長期の資金を借りる需要が増えている」と分析する。SMBC日興証券のまとめ によると、米大手4銀行の平均貸出金利回りは、利上げが本格的に始まる前の22年1~3月期に3.8%前後と低下が続き、1年前に比べ0 .1%程度低い。金利上昇を控え「今が借り入れどき」というわけだ。 住宅ローン残高も拡大。ニューヨーク連邦準備銀行によると22年1~3月期には11兆ドル超と過去最高水準だ。30年固定金利は昨年末 の3.1%から今年3月に4.7%に上昇。足元では5%台で推移するが、金利がさらに上昇する前の駆け込み需要が増えた。 融資が増え、今後金利が上昇していけば銀行本業の収益には追い風になる。JPモルガン・チェースは22年の純金利収入が前年より26 %増えると見込む。 欧州では金融機関の貸出基準が厳格化しているにも関わらず、資金需要が堅調だ。欧州中央銀行(ECB)によるとユーロ圏の企業向 け貸出判断DI(厳格化した割合から緩和した割合を引いた値)は1~3月期がプラス6と、プラス2だった前四半期から厳格化した。ウクライ ナ問題などを背景に景気先行きに不透明感があるためだ。 一方、資金需要DIは17と大幅なプラスが続いている。ECBは「金融緩和政策の縮小予測を背景に、現在の低い資金調達コストをより長 く確保するために企業の借り入れ需要が高まったことを示唆している」と指摘する。 日銀が大規模緩和を続け、金利上昇観測が比較的弱い日本は海外ほどの伸びではないが、増加傾向が続く。全国銀行協会によると、 5月末時点の全国110行の貸出残高は前年同月比1.8%増となった。伸び率は1年1カ月ぶりの水準だ。日銀が発表する貸出約定平均金 利は全国銀行の3月の新規融資で0.6%台と低水準が続く。 大手行では三井住友銀行の22年3月の貸出金残高が国内・海外あわせて7%増加した。三井住友フィナンシャルグループの太田純社 長は決算記者会見で「中堅中小企業などで、ポストコロナを見据えた新規の資金需要がある」と説明した。不動産や買収関連などの融資 が増えているという。 コロナ下の収支悪化に伴う資金繰り需要から、足元では業務拡大のための前向きな資金需要にシフトし始めている。ただ、銀行融資の 拡大は信用リスクも高める。世界的な金利上昇や物価高が各国・地域の景気を下押しする懸念もくすぶる。融資先の業況や財務内容など に関してこれまで以上に徹底したリスク管理が求められる。 2022/06/08 22:45 三井住友FG(8316) 23年3月期経常予想。対前週0.2%上昇。 三井住友フィナンシャルグループ<8316>の経常利益予想コンセンサスは、前週値の1,049,584百万円から0.2%上昇し 1,051,289百万円となった。因みにレーティングコンセンサスは4.0で変わらずのまま。 LINE 2022/06/08 16:05 三井住友FG(8316) 米系大手証券、レーティング据え置き、中立。目標株価引き上げ、4,200円。 米系大手証券が6月7日、三井住友フィナンシャルグループ<8316>のレーティングを中立(中立(2))に据え置いた。 一方、目標株価は4,100円から4,200円に引き上げた。因みに前日(6月6日)時点のレーティングコンセンサスは4 (アナリスト数11人)で「やや強気」の水準、目標株価コンセンサスは4,685円(アナリスト数11人)となっている。 2022-06-08 シティG 2継続 4100円 → 4200円 2022年06月09日10時31分 三菱UFJなどメガバンクが堅調、米10年債利回りが再び3%台乗せで運用環境改善 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411>のメガバンク 3社がいずれも高い。5月下旬から今月上旬にかけ原油価格が再び上昇を加速させていることで、世界的にインフレ警戒ムードが強まって いる。 そのなか金利上昇に対する思惑は根強く、前日は米10年債利回りが3%台に再び乗せてきたほか、30年債など超長期債の利回りも上 昇傾向を強めている。国内は日銀が超金融緩和政策を堅持しているものの、米国事業を展開する大手金融機関は、運用利ザヤ拡大に対す る期待が買いを誘導している。 日本株ADR9日、全面安 ソニーGや野村が下落 2022/06/10 05:14 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川内資子】9日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)はほぼ全面安。 米株式市場でダウ工業株30種平均が600ドル超下げた影響で売られる銘柄が多かった。 ソニーGが3%下落し、野村やオリックス、キヤノンも売られた。一方、ホンダは上昇した。 ADD3909円 米国債券10年利回り3.046%、(+0.016) 定期預金、16年ぶり低水準 残高219兆円 実質金利低下で投信などにシフト加速 貯蓄から投資、後押しも 2022/06/10 日本経済新聞 朝刊 資産形成の王道とされてきた定期預金の減少が続いている。日銀によると銀行が保有する2022年4月末の残高は219兆円と、06年 5月以来16年ぶりの低水準に沈んだ。物価上昇で実質金利に低下圧力が強まる中、定期預金から投資信託など利回りが期待できる金 融商品へ資金がシフトしている。低金利の長期化も定期預金の減少に拍車をかけている。 「ここ数カ月、毎月約1000億円規模のペースで定期預金が流出している」。ある大手行の担当者は打ち明ける。減少率は昨年の同時 期と比べて3倍近くのペースに達するという。 日銀が調査した国内銀行の定期預金残高は、4月に219兆円と前年同月比2%減った。前年同月を割り込むのは75カ月連続だが、足 元で減少率が加速している。 背景にあるのが、顕在化しつつあるインフレだ。4月の消費者物価指数(CPI)の上昇率は7年1カ月ぶりに2%台に乗った。日銀は22年 度に1.9%、23年度以降も1%超の物価上昇が続くと見通している。 日本では長引くデフレ下で預金が相対的に優位な状況が続いていた。デフレ下では表面上の金利が0%程度でも実質金利は一定のプラ ス幅が確保できたからだ。調査会社インテージが2~3月に調べたところ、「人生を豊かにする資産」に現金や預金を挙げた人の比率は71 .5%。長引くデフレが米国(54.0%)、中国(66.8%)と比べて根強い預金神話に拍車をかけてきた。 だが、インフレ下では定期預金の魅力は低下する。たとえば2%のインフレのもと、1%で運用すれば実質金利はマイナス1%になる。実 際、3メガバンクやゆうちょ銀行、りそな銀行の定期預金金利は0.002%と、実質でマイナスとなる計算だ。こうしたなか、金融機関も顧客 の資産を防衛するために動き始めている。 「最近は買い物に行っても物価が上がったと感じませんか。ご預金の実質的な目減りも考慮してポートフォリオを組みませんか」。りそな銀 行王子支店の東野恭子マネージャーは最近、顧客にこのような提案をしている。 りそなホールディングスのファンドラップの残高は3月末時点で前年同月比4割増の7568億円。担当者によると4月以降も増加基調がつ づいている。三井住友銀行は20年11月、顧客に提案する退職金の運用プランを改定した。定期預金のみで運用する選択肢をなくし、資産 の半額は投資信託などで運用するよう見直した。 米連邦準備理事会(FRB)による利上げを受けて、世界の株式相場は調整局面に入っている。それでも一定の利回りが期待できる海外 株式への資金流入は活発だ。投資信託協会によると、海外株式を対象とした投資信託への資金流入額は1~4月に1兆3066億円と前年 同期比7割増えた。 定期預金の減少には銀行側の事情もある。大手銀行は定期預金金利を20年に0.01%から0.002%に引き下げた。マイナス金利の 長期化で、銀行の資金運用環境が厳しさを増していることが主因だ。 新型コロナウイルス禍で企業が資金調達を活発にしたり、給付金などの補助金が支給されたりしたことで銀行の普通預金の残高は20年 4月比2割増えた。銀行はこうした資金を貸し出しなどに回すが、コロナ禍で企業が新たな設備投資に慎重になるなか、預金に対する貸し 出しの割合を示す預貸率は低下している。 日銀によると、国内の銀行が保有する国債の残高は101兆円と前年同月比6%増えた。行き場のなくなった資金を利幅の低い国債に回 している状況で、かつてのように定期預金の獲得に躍起になる意味合いは薄れている。 ロシアのウクライナ侵攻などに端を発した予想外の物価上昇で、資産形成の重要性は増している。家計には厳しいインフレだが、日本が 長年なし遂げられなかった「貯蓄から資産形成」への動きを後押しする可能性がある。 10年債利回り、0.250%に上昇 コール翌日物マイナス0.025%(10日) 2022/06/10 18:06 日経速報ニュース 10日の国内債券市場で、長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りは上昇(価格は下落)した。前日比0.005%高い0.250%と 約1カ月半ぶりの高水準で取引を終えた。欧州中央銀行(ECB)の金融引き締め観測を受けて前日の海外市場で欧米金利が上昇し、 国内債にも売りが波及した。 短期金融市場の無担保コール翌日物金利(加重平均、速報)は前日比0.004%高いマイナス0.025%だった。 急速な円安「憂慮している」と明記…財務省・金融庁・日銀の3者会合で声明文 2022/06/10 18:35 https://www.yomiuri.co.jp/economy/20220610-OYT1T50210/ 財務省と金融庁、日本銀行は10日、金融市場の動向について幹部が意見交換する3者会合を財務省内で開いた。初めて声明文を公表 し、急速な円安の進行を「憂慮している」と明記した。会合はロシアがウクライナへの侵攻を始めた直後の2月28日以来となる。 声明文では、「為替相場はファンダメンタルズ(基礎的条件)に沿って安定的に推移することが重要であり、急速な変動は望ましくない」と 指摘。「為替市場の動向や経済・物価への影響を、一層の緊張感を持って注視していく」とした。 為替政策に関しては、「各国通貨当局と緊密な意思疎通を図りつつ、必要な場合には適切な対応をとる」とけん制した。 財務省の神田真人財務官は会合後、記者団に対し、為替介入の可能性について「当然あらゆるオプションを念頭に置いて機動的に対応 する」と述べた。 円買われ、一時133円37銭近辺 3者会合の共同声明受け 2022/06/10 17:01 日経速報ニュース 423文字 10日午後の東京外国為替市場で円相場が上昇に転じた。一時は前日17時時点と比べ10銭円高・ドル安の1ドル=133円37銭近辺まで 買われた。同日夕に財務省と日銀、金融庁が開いた国際金融資本市場に関する情報交換会合後、50銭前後、円がドルに対して上昇した。 会合後、神田真人財務官が急速な円安進行を踏まえて3者会合を実施したと説明したことなどを受け、市場では通貨当局の警戒度合い が上がったとの受け止めから円買い・ドル売りの動きが広がった。 また今回の3者会合では初めて共同声明として文書を発表し、為替市場の動向などについて「一層の緊張感を持って注視」することなどを 盛り込んだ。市場では「現行の為替水準で(政府・日銀が)『実弾介入』に踏み切る可能性は極めて低いとの受け止めは変わらないが、日 銀による長短金利操作(YCC)の修正など何らかの対応を取る可能性がゼロではない」(国内銀行の為替担当者)との見方が広がった。 日本株ADR10日 全面安、オリックスやホンダが下落 2022/06/11 05:06 【NQNニューヨーク=横内理恵】10日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は全面安だった。 同日の日米株式相場が下落し、日本株ADRにも売りが広がった。オリックスやホンダ、トヨタが安い。 みずほFGやソニーG、野村なども下げた。 ADD3858円 米国債券10年利回り3.165%、(+0.123) 日経平均700円超下落、円安効果より景気減速懸念を警戒 ロイター編集 [東京 13日 ロイター] - 13日の東京株式市場で下落して始まった日経平均は一時700円超まで下げ幅を広げ、2万7000円ー 2万7100円ときょうの安値圏で推移している。時間外取引の米株先物が軟調に推移し、投資家心理の重しになっている。 ドル/円は135円台に上昇し、円安方向に振れているが、円安が支えとされる自動車や機械といった輸出関連株が業種別の下落率 で上位になっている。市場では「米国での金融引き締めの加速が景気減速を招くのではないかとの警戒感の方が、円安効果への思惑 より強く出ているようだ」(野村証券の澤田麻希ストラテジスト)との見方が出ていた。 東証33業種の下落率上位には、機械や輸送用機器のほか、電気機器やサービス業、その他製品などが並ぶ。上昇しているのは電気 ・ガス業のみとなっている。 日本株ADR13日、売り優勢 ソニーGとオリックスが大幅安 2022/06/14 05:29 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=古江敦子】13日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は売り優勢だった。 同日の日米株式相場がともに下落し、日本株ADRにも売りが波及した。 ソニーGが5%下落し、オリックスは4%下げた。トヨタとホンダも安い。 一方、三井住友FGと三菱UFJは上昇した。 ADD3884円 米国債券10年利回り3.362%、(+0205) 企業、駆け込みで資金調達 米で産業向け融資2割増 日欧も増加 利上げ対応、手元厚く 2022/06/14 日本経済新聞 朝刊 世界の企業が銀行からの資金調達を増やしている。米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを上げるなかで、企業が融資に駆け 込み、手元資金を前倒しで積み上げているためだ。米国では産業向け融資が1年前比で約2割伸びたほか、日本やユーロ圏でも増加 傾向にある。ただ、個人向けの米住宅ローン申請は需要が急減しており、金利水準が上がれば企業向け融資も減少に転じる可能性が ある。 FRBの統計によると、3月の産業向け融資は前年同月比22%、4月に15%伸びた。週次の統計では5月以降も伸びており、およそ 1年半ぶりの水準だ。バンク・オブ・アメリカのブライアン・モイニハン最高経営責任者(CEO)は、「人々の活動が正常化するにつれて、 消費者向け、商業向けともさらに融資を増やす余地がある」と指摘する。 新型コロナウイルスの沈静化だけではない。融資増を促した背景にあるのが、米金融政策の動向だ。FRBはインフレを抑制するために 5月の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.5%利上げしたのに続き、6、7月も同程度の利上げをする見通しだ。短期間で利上げが進め ば、社債発行など直接市場から資金を調達することが難しくなるため、銀行融資への傾斜が増えた。 世界ではコロナ拡大初期の2020年初め、運転資金などの需要が急増。米国や日本などの融資残高は過去最大規模まで急増した。 その後は経済再開とともに返済の動きもあり、残高は減少傾向にあった。21年後半に米国で残高減が止まり、足元では再び増加傾向 が鮮明になっている。 日本総合研究所の谷口栄治氏は「金利が上昇する前に長期の資金を借りる需要が増えている」と分析する。SMBC日興証券によると 、米大手4銀行の平均貸出金利回りは、利上げが本格的に始まる前の22年1~3月期に3.8%前後と低下が続き、1年前に比べ0.1 %程度低い。金利上昇を控え「今が借り入れどき」というわけだ。 融資が増え、今後金利が上昇していけば銀行本業の収益には追い風になる。米JPモルガン・チェースは22年の純金利収入が前年より 26%増えると見込む。 欧州では金融機関の貸出基準が厳格化しているにもかかわらず、資金需要が堅調だ。欧州中央銀行(ECB)によるとユーロ圏の企業 向け貸出判断DI(厳格化した割合から緩和した割合を引いた値)は1~3月期がプラス6と、プラス2だった前四半期から厳格化した。ウク ライナ問題などを背景に景気先行きに不透明感があるためだ。 一方、資金需要DIは17と大幅なプラスが続く。ECBは「金融緩和政策の縮小予測を背景に、現在の低い資金調達コストをより長く確保 するために企業の借り入れ需要が高まったことを示唆している」と指摘する。 日本も資金調達しやすい環境になっている。理由のひとつが名目金利から物価変動の影響を差し引いた実質金利の低さだ。長期金利 から市場の予想インフレ率を引いた実質金利はマイナス0.7%台とゼロを下回る水準で推移し、緩和的な融資環境が続く。 コロナ後を見据えた資金需要がにじみ出てきており、全国銀行協会によれば、5月末時点の全国110行の貸出残高は前年同月比1 .8%増と1年1カ月ぶりの伸び率になった。 三井住友銀行の22年3月の貸出金残高は国内・海外あわせて7%増加した。三井住友フィナンシャルグループの太田純社長は決算 記者会見で「中堅中小企業などで、ポストコロナを見据えた新規の資金需要がある」と説明した。不動産や買収関連などの融資が増えて いるという。 ただ、世界的な金利上昇や物価高が世界景気を下押しする懸念はぬぐえない。米国の住宅ローンの申請規模は週次ベースで22年ぶり の低水準に落ち込み、新築住宅販売も減速し始めた。景気後退を控えた段階で、銀行融資が拡大すれば、信用リスクは高まる。融資先 の業況や財務内容などに関してこれまで以上に徹底したリスク管理が求められる。 日本株ADR14日、高安まちまち ホンダが上昇、ソニーGは下落 2022/06/15 05:24 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=張間正義】14日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は高安まちまちだった。 同日の米株式市場ではダウ工業株30種平均が下落した一方、ナスダック総合株価指数は上昇した。 日本株のADRにも売り買いが交錯した。ホンダや三井住友FG、みずほFGが上昇した。 半面、ソニーGやキヤノン、オリックスが下げた。 日本株ADR15日、全面高 オリックスやキヤノンが上昇 2022/06/16 05:17 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川内資子】15日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)はほぼ全面高だった。 米株式市場でダウ工業株30種平均が6営業日ぶりに反発した影響で日本株ADRも買われた。 オリックスが2%超上昇し、キヤノンやホンダ、ソニーGが高い。三菱UFJや野村も上げた。 日本株ADR16日、売り優勢 ソニーGやホンダが下落 2022/06/17 05:25 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=戸部実華】16日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は売りが優勢だった。 米株式相場が大幅に下落し、日本株ADRも売られやすかった。 ソニーGやホンダの下げが目立ったほか、トヨタやオリックスも下落した。 一方、みずほFGや三菱UFJ、三井住友FGといった銀行銘柄は上昇した。 ADD3965円 米国債券10年利回り3.201%、(-0.194) NISAの制度「複雑さ解消を」 JPX清田CEO 2022/06/17 日本経済新聞 朝刊 日本取引所グループ(JPX)の清田瞭最高経営責任者(CEO)は16日の記者会見で、政府が掲げる資産所得倍増プランについて 「大人向け金融教育の充実で投資を正しく理解してもらうなど、家計に眠る金融資産2000兆円を動かす仕組み作りが重要だ」と述べ た。少額投資非課税制度(NISA)は「制度が複雑でわかりにくいといった課題があり、解消に向けた議論に期待したい」と話した。 27日に私設取引システム(PTS)の大阪デジタルエクスチェンジが開業する。株取引は東証が大半のシェアを占め、PTSの存在感 は小さい。 マネー収縮 波乱警戒 相次ぐ利上げ、米欧株が全面安 債券の恐怖指数、コロナ危機超え 2022/06/17 日本経済新聞 朝刊 世界の中銀が利上げを加速し、16日の米欧株式市場は全面安の展開となった。市場関係者が震源地と警戒するのが債券市場だ。米 債券市場の不安心理を示す「恐怖指数(予想変動率)」は、新型コロナウイルスのショック時を上回り、金利急騰への警戒が強い。大規模 緩和から急速な引き締めへの過去にない大転換となり、低格付け企業の破綻など波乱の芽が生まれつつある。(1面参照) 16日の米債券市場では長期金利の指標となる10年物国債利回りが上昇(価格は下落)し、一時3.5%に迫った。前日の米連邦公開 市場委員会(FOMC)の後には一時3.2%台に低下していたが、再上昇した。 「債券王」の異名をとる著名投資家のジェフリー・ガンドラック氏は米CNBCで「物価上昇率はあと数カ月は8%台にとどまりそうで、安定 からあまりに遠い」と、インフレを背景にした利回りの上昇を予想する。 米国の債券市場関係者の不安心理は、債券版「恐怖指数」と呼ばれる「MOVE指数」に表れる。3カ月先満期のオプション取引の価格か ら算出する同指数は15日に140台と、リーマン・ショック後の2009年8月以来の高さとなった。新型コロナで米国債市場が混乱し金利が 急騰した20年3月の水準を上回る。 米金利急騰への警戒の裏には売買の厚みが低下している問題がある。 リーマン危機後の資本規制で銀行は売買の受け手となる余力が乏しくなり、米債市場は慢性的な流動性不足にある。さらに、コロナ下で 米国債の最大の買い手だった米連邦準備理事会(FRB)はいよいよ保有資産を減らす量的引き締め(QT)を今月に始めた。米金利は世界 の資産運用で最も重要な指標だ。取引が円滑に進まず米金利が急騰すれば、世界の市場にショックをもたらす。 FOMC参加者は「市場が機能している限り、いまの(引き締め)政策を止める必要はない」(クリーブランド連銀のメスター総裁)との見解を かねて示してきたが、流動性低下が顕著になれば前提が揺らぐ。 企業の資金調達にも変調がみられる。低格付け企業への融資「レバレッジドローン」では、米国の代表的な価格指数に採用される企業と しては今年初めて、債務不履行(デフォルト)が発生した。5月に米タレン・エナジーが、天然ガス価格の急騰に伴い資金ショートを起こし、連 邦破産法第11条(チャプター11)の適用を申請した。 15日には、化粧品メーカーの米レブロンがチャプター11を申請した。サプライチェーン(供給網)の混乱やインフレの急加速が負担となった。 米報道によると債務の返済期限を迎え、金融機関と協議に入っていた。格付けはS&Pグローバルで「トリプルCマイナス」だった。 SMBC日興証券の宮坂知宏チーフ証券化アナリストは「低格付け企業のデフォルト率がわずかに上昇し始めた。水準としては低いが、引 き締めの加速やインフレ率の高止まりで環境が変わってきた」と指摘する。ローンは変動金利のため金利上昇が財務を直撃する。 歴史を振り返ると米利上げは国内外の危機につながってきた。 1994年2月から1年間で計3%利上げした際は、米国債が買われる裏側でメキシコから資金が流出し、同国の通貨危機を誘発した。20 04年6月から2年間で4.25%引き上げた際は、小刻みの利上げで住宅バブルの沈静化に遅れ、信用力の低い個人向け住宅融資「サブ プライムローン」とその証券化商品の破綻が08年のリーマン危機につながった。 今年だけで3%超の利上げをめざす今回は、過去と比べても異例の速さになる。金融市場発の危機に不安がくすぶる。 三井住友FG - 【四季報先取り】三井住友FG 詳細 【増益続く】貸出金は頭打ち続く国内を海外が補う。有価証券が株売却益一服でも、外債軸に運用益復調。役務は預かり資産関連や 法人向けが伸びる。与信費用もロシア向けが一巡し経常増益続く。連続増配。 【スマートシティ】NECとコンソーシアム設立、25年までに200団体と連携へ。ベトナムの現地商業銀行と業務提携締結、リテールや 中小企業向け融資を開拓へ。 長期金利、日銀の上限を大きく突破 政策修正観測強まる 2022/06/17 09:26 日経速報ニュース 17日の国内債券市場で長期金利の指標となる新発10年物国債利回りが前日比0.010%高い(価格は安い)0.265%を付けた。日銀が 上限とする0.25%を大きく上回り、2016年1月以来およそ6年半ぶりの高水準。世界の中央銀行が金融引き締めを進めるなかで日銀も 金融政策を修正するとの観測が強まっている。 日銀は17日も0.25%で10年債を無制限に買い入れる指し値オペ(公開市場操作)を実施する予定だ。ただ7~9年程度の国債利回り が既に0.25%を上回るなかで、10年債も上昇余地を探る動きが強まっている。 日銀、金融政策の現状維持を決定 為替市場注視と異例の言及 ロイター編集 [東京 17日 ロイター] - 日銀は16─17日に開いた金融政策決定会合で、現行の長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)付き 量的・質的金融緩和政策の継続を賛成多数で決めた。リスク要因として、金融・為替市場の動向やその経済・物価への影響を「十分注 視する必要がある」と異例の言及を行う一方、10年物国債金利0.25%での指し値オペを原則毎営業日実施すると改めて表明した。 <「為替」に異例の言及> 日銀は、外為市場での急速な円安進行を受け、声明文で「金融・為替市場の動向やその日本経済・物価への影響を、十分注視する必要 がある」とした。歴史的な円高局面にあった2011年には、「国際金融市場の動向」との表現を用い、円高が経済のリスク要因だと警戒感 を示してきた。今回のように「為替」という文言を使用するのは異例。 政策金利の目標は賛成8、反対1で据え置きを決定した。短期金利は、引き続き日銀当座預金のうち政策金利残高にマイナス0.1%の金 利を適用。長期金利は、10年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう、上限を設けず必要な金額の長期国債の買い入れを行う。片岡剛士 委員は長短金利引き下げで金融緩和を強化することが望ましいとして反対した。 日銀は「明らかに応札が見込まれない場合を除き、10年物国債金利0.25%での指し値オペを毎営業日実施する」と改めて表明した。米 金利の急上昇で国債金利に上昇圧力が波及。国債先物では日銀の政策修正を試す投機筋の売り圧力が強まり、日銀は連続指し値オペの 対象をチーペスト銘柄に当たる10年物国債の356回債に拡大していた。 日銀は、当面は新型コロナウイルス感染症の影響を注視し、企業等の資金繰り支援と金融市場の安定維持に努めるとともに、必要があれば 躊躇(ちゅうちょ)なく追加緩和を講じると表明した。政策金利は、現在の長短金利の水準またはそれを下回る水準で推移すると想定している とした。 <輸出・生産の判断引き下げ> 声明文では、景気の現状判断について「新型コロナウイルス感染症や資源価格上昇の影響などから一部に弱めの動きもみられるが、基調 としては持ち直している」との文言を維持した。 輸出・生産について「基調としては増加を続けているが、足元では供給制約の影響が強まっている」とし、4月展望リポートでの「供給制約の 影響を残しつつも、基調としては増加を続けている」から判断を引き下げた。海外経済については「一部に弱めの動きが見られるのの、総じて みれば回復している」とした。 一方で、個人消費は「感染症の影響が和らぐもとで、サービス消費を中心に持ち直している」として、4月の「感染症によるサービス消費を中 心とした下押し圧力が和らぐもとで、再び持ち直しつつある」から表現を強めた。 経済の先行きは、ウクライナ情勢などを受けた資源価格上昇による下押し圧力を受けるものの、新型コロナ感染症や供給制約の影響が和ら ぐもとで回復していくとの見通しを示した。 消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、当面はエネルギーや食料品の価格上昇の影響で2%程度で推移するものの、「その後はエネル ギー価格の押し上げ寄与の減衰に伴い、プラス幅を縮小していく」とした。 日銀は2%の物価安定目標の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで長短金利操作付き量的・質的金融緩和を継 続すると改めて明記。マネタリーベースについては、コアCPIの前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで拡大方針を継続すると した。 日本株ADR17日、売り優勢 三菱UFJや三井住友FGが下落 2022/06/18 05:14 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川内資子】17日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は売りが優勢だった。 同日の東京株式市場で日経平均株価が反落した影響で売られる銘柄が多かった。 三菱UFJや三井住友FGが3%超下げ、みずほFGや武田も売られた。一方、ソニーGは高い。 ADD3918円 米国債券10年利回り3.231%、(-0.074) <東証>みずほFGと三井住友FGが下げ幅拡大 長期金利低下が重荷 2022/06/17 14:02 日経速報ニュース (14時、プライム、コード8411、8316)みずほFGが午後に下げ幅を拡大している。一時は前日比16円(1.0%)安の1510円50銭まで下げた。 17日午後の債券市場で長期金利が低下し、銀行株の一角に利ざや悪化を警戒した売りが出ている。三井住友FGも一時2.2%安となり、き ょうの安値を付けた。 日銀はきょうまで開いた金融政策決定会合で大規模金融緩和の維持を決めた。一部では政策修正の可能性が浮上していたため、市場 では「金利上昇懸念が後退した」(国内証券の情報担当者)との見方が出ている。 22日、銀行・証券、情報共有の規制緩和――サービス向上、提案力がカギ(NewsForecast) 2022/06/19 日本経済新聞 朝刊 同じグループに属する銀行と証券会社が、上場企業の非公開情報を共有しやすくなる規制緩和が22日に始まる。グループ機能の統合 で高度な金融サービスを提供し、金融市場としての魅力を高めるのが狙いだ。銀行が融資先に強い立場を行使しないか不安もくすぶる。 中堅・中小企業や個人向けでも情報共有の規制を緩和するかが今後の議論で焦点になる。 銀行と証券による情報の共有に歯止めをかける規定は「ファイアウオール規制」と呼ばれる。1993年に銀行と証券の相互参入が始まる のに合わせて導入された。たとえば企業が社債を発行する際に、取引のある銀行がグループの証券会社を主幹事に起用してほしいと仕向 けるような事態を防ぐのが目的だ。 欧米ではみられない独特な規制で、これまで段階的に見直されてきた。すでに企業が明確に拒まなければ銀行は証券会社と情報を共有 できるようになっているが、企業側には個別に通知書を送るなど負担も大きかったという。今回の見直しで銀行はウェブサイトで共有の停止 手続きを説明すれば済む。こうした内容を盛り込んだ改正内閣府令や新たな監督指針が22日から適用される。 ひとりの担当者が銀行と証券会社の双方に籍を置けば、あるときは協調融資の組成を提案し、べつの機会に社債発行を勧めるなど企業 の財務状況に応じて適切な資金調達を提案しやすくなる。全国銀行協会の高島誠会長(三井住友銀行頭取)は16日の記者会見で「銀証 が適切に連携し、企業の財務戦略をサポートしていきたい」と意気込みを語った。 グループに有力な銀行を持たない野村証券や大和証券など、独立系と呼ばれる証券会社は規制緩和に反発してきた。慎重論を押して でも上場企業を対象に緩和が認められたのは、銀行からの借入金が実質的にない企業が増え、かつてほど銀行が優位な立場を発揮しづら くなっているためでもある。 企業の実態を知る銀行が持つ情報量は膨大だ。金融庁は公正取引委員会と連携を強めたり、企業が相談できる窓口を立ち上げたりする ことで不公正な取引がないか目を光らせる。日本証券業協会の森田敏夫会長は15日の会見で「(規制緩和と同時に導入される)弊害防止 措置をしっかり運用してほしい」と注文を付けた。 規制の見直しもにらみ、メガバンクグループは体制の整備を進めている。三菱UFJフィナンシャル・グループは銀行と信託、証券の兼務者 からなる「ホールセールカバレッジ部」を4月に立ち上げ、グループを横断して企業の経営課題に応えられるよう陣容を整えた。 みずほ銀行では業種別に担当を分ける法人営業部をなくし、複数の産業を統括する「インダストリーグループ」を昨年春に新設。みずほ証 券も銀行と同様の再編を実施し、顧客への対応で足並みをそろえられるようにしている。 残された課題は中堅・中小企業や個人向けの規制だ。すでに金融庁の審議会を舞台に前哨戦が始まっている。全銀協は個人向けでも 規制を見直されれば提案の幅が広がり、貯蓄から資産形成の流れを太くできると訴える。上場企業よりも銀行が優位な立場を発揮しやす くなるだけに、審議会で慎重に検討を続けていくことになる。 規制緩和の目的はグループ機能の融合で金融サービスを高度化し、産業界の活性化に貢献する点にある。経済活動を正常化していく過 程で、思い切った事業の取捨選択や再構築を考える企業は少なくない。脱炭素に向けた企業の取り組みも加速している。規制の見直しで 付加価値が高いサービスの提供につなげられるかが重要だ。 金融緩和、日銀は維持 決定会合、金利抑制コスト膨張 国債購入今週6.7兆円 2022/06/18 日本経済新聞 朝刊 日銀は16~17日に開いた金融政策決定会合で、大規模緩和を継続する方針を決めた。景気回復はまだ道半ばで、緩和縮小は時期 尚早とみているためだ。ただ、世界の主要中銀は一斉に利上げに動いており、緩和維持には円安圧力を強めかねない危うさがある。 日銀は声明文で為替市場を「注視」すると明記したが、金融緩和のコストも無視できなくなっている。(関連記事総合2、総合4面に) 黒田東彦総裁は17日の記者会見で「日本経済が回復途上にあるなかでしっかりと支えていく」と語った。日銀は長期金利を0%程度、 短期金利をマイナス0.1%に誘導する長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、総合2面きょうのことば)をこれまで通り継続すると決 定。年12兆円を上限に、必要に応じて上場投資信託(ETF)を買い入れる措置も維持する。 ロシアのウクライナ侵攻による資源高などでインフレ圧力が強まり、世界の主要中銀は利上げを急いでいる。米連邦準備理事会(FRB) が15日に0.75%の利上げを発表したのに続き、16日には英国やスイスも利上げに動いた。欧州中央銀行(ECB)も7月に11年ぶりの 利上げに踏み切ると予告している。 日銀が動かないのは、国内総生産(GDP)が新型コロナウイルスの流行前の水準に達しておらず、景気回復の勢いが依然弱いためだ。 日本経済は需要不足の状況が続いており、賃上げも広がりを欠く。物価上昇率が8%を超える米欧に比べれば、日本の上昇率は2%程 度にとどまるという事情もある。 ただ、動かぬ日銀は市場のきしみを増幅させている。日銀の長短金利操作は10年債利回りをむりやり0.25%以下に抑え込む政策だ が、米欧の金利上昇で日本の長期金利にも上昇圧力がかかり始めている。 10年債利回りは17日には一時、0.265%と日銀が定める上限(0.25%)を上回った。これは日銀が買うと約束している水準よりも安 く市場で国債が売買されていることを意味し、日銀の緩和継続に市場参加者が疑念を抱いている証拠といえる。 残存期間が7~9年の国債の利回りが10年債よりも高くなるという異例の金利逆転(逆イールド)も起きた。海外勢のなかには「円安に よるインフレが日銀を政策修正に追い込む」(英ヘッジファンドのブルーベイ・アセット・マネジメント)とみて、国債売りを急ぐ動きもある。 市場では日銀が0.25%という上限を遠からず変更するとの見方がある。黒田総裁は会見で「上限を引き上げれば金融緩和効果が弱 まるので、そういったことは考えていない」と真っ向から否定した。海外勢にいったん弱みを見せれば、つけ込まれ続けるとの考えが背景に ある。 ただ、緩和継続のコストは着実に高まっている。日銀はこの1週間だけで10年債3銘柄を6.7兆円分購入した。これは市場に出回る同 銘柄の債券(14兆円)の半分近くに相当する。日本経済研究センターは、日銀が長期金利を0.25%に抑え続けようとすれば、国債の保 有残高を現在の500兆円強から120兆円増やす必要があると試算する。 日銀が長期金利を抑えれば抑えるほど、米欧との金利差が広がって円安圧力が強まる問題もある。黒田総裁は会見で「急激な円安は 経済にマイナス」と語ったが、緩和継続の姿勢との矛盾は否めない。 円相場は今週、1ドル=135円台半ばと24年ぶりの安値を付けた。円安は輸入物価の上昇を通じて物価を押し上げ、企業や家計の負 担感を高める。BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは仮に140円台半ばの円安が続けば、物価上昇率は一時的に3%程度 まで上昇するとの試算をまとめた。 日銀は緩和継続のメリットとコストを勘案して政策を決めているが、そのバランスは大規模緩和が長引くにつれて微妙になりつつある。 日銀が未来永劫(えいごう)緩和を続けられるわけではないこともまた明らかだ。 2022/06/17 22:45 三井住友FG(8316) 23年3月期経常予想。対前週0.1%上昇。 三井住友フィナンシャルグループ<8316>の経常利益予想コンセンサスは、前週値の1,051,289百万円から0.1%上昇し 1,052,534百万円となった。因みにレーティングコンセンサスは4.0で変わらずのまま。 不動の日銀、大規模緩和堅持 急激な円安・物価上昇が逆風 政策修正迫られる可能性 2022/06/21 日本経済新聞 朝刊 日銀の金融政策に伴う市場の動揺が続いている。日銀は17日の金融政策決定会合で大規模な金融緩和の堅持を決めたが、引き締め に動く欧米の中銀との金融政策の違いが急激な円安につながり、物価上昇への家計の不満が高まっている。黒田東彦総裁は利上げにつ いて「経済成長に大きなマイナスになる恐れがある」と否定するが、エコノミストの中には急激な円安や物価上昇で日銀が修正を迫られると の見方が出ている。 市場が抱くメインシナリオは黒田氏の任期中は「現政策を維持し、利上げは総裁交代後」だ。4月の消費者物価指数(CPI、生鮮食品除く )上昇率は前年比2.1%と政府・日銀が目標としてきた2%を外形上は超えたが、日銀はエネルギー価格上昇など外的要因が主因だとし て当面の利上げを否定している。 それでも急激な円安と債券市場の異変が日銀の足元を揺さぶる。債券市場では10年債利回りが日銀が定める上限(0.25%)を一時上 回って推移したほか、残存7~9年の国債の利回りが10年債利回りを一時上回る「逆イールド」が生じた。黒田氏は金利抑制策に「限界は 生じていない」と強調するが、市場での修正観測は根強い。 BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは日米の金融政策の違いから「内外金利差の拡大で140円台の円安が続けば、一時的 にインフレが3%を超すシナリオが現実味を帯びる」と指摘。「年内の政策修正はメインシナリオではないが、世論に押される形で修正に至る 可能性がある」と分析する。 大和証券の岩下真理チーフマーケットエコノミストも「円の対ドル相場が1カ月で10円以上急落すれば政府から政策修正を要請される可能 性がある。日銀の国債保有比率が極端に高まった場合も、市場機能度への配慮から修正を迫られる可能性がある」とみる。 バークレイズ証券の山川哲史調査部長は「非常に短期間に円の対ドル相場が140円を突破すれば、日銀が長短金利操作(イールドカーブ ・コントロール)の枠組みを修正する可能性がある」と話す。「国債市場の機能度低下のほか、現行の金融政策に反対する国民世論が高まる といった政治的な要因も注視すべきだ」とも指摘する。 ただ、日銀側にも修正に動きにくい事情がある。2021年末の普通国債残高は1000兆円に迫る水準だ。もし日銀が利上げに動けば政府 の財政問題が深刻化する。財務省の試算では、金利が想定より1%上昇した場合、25年度の元利払いの負担は3.7兆円増える。仮に2% 上げれば7.5兆円の増加になる。 さらに低金利下で銀行の中小企業への貸し出しや住宅ローンは増えている。利上げによって、借り入れを増やした企業や家計の返済負担 が高まる可能性がある。黒田氏は「金利を引き上げれば、景気が悪くなるだけでなく経済成長に大きなマイナスになる恐れがある」と指摘し てきた。 板挟みとなった日銀への逆風は強まるばかりだ。黒田氏は6日の講演で「家計の値上げへの許容度も高まってきている」と発言し、批判を 浴びて撤回に追い込まれた。賃金上昇の動きが鈍い中、物価上昇に対する国民の視線は敏感になっている。 黒田氏は講演で「家計が値上げを受け入れている間に賃金の本格上昇につなげていけるかがポイント」と語っていた。日銀自身も今の状況 を前向きに受け止めているわけではなく、「円安で好業績を上げた企業を中心に賃上げが広がってほしい」(日銀関係者)と期待するしかない 状況であるともいえる。 逆風が強まる中、政府との連携も焦点となる。岸田文雄首相は20日午後、為替市場の動向を巡り、首相官邸で黒田氏と会談した。黒田氏 は会談後、記者団に「為替市場の動向に注視し、政府と連携し適切に対応していく」と語った。7月10日の参院選では物価高への対応が大 きなテーマだ。大規模緩和を続ける日銀は、政府や世論の動向を見極めた立ち回りが求められることになる。 日本株 売り切るファンド勢――「コロナバブル」帳消しに(スクランブル) 2022/06/21 日本経済新聞 朝刊 日本株になかなか下げ止まる兆しがみえない。無理もない。コストプッシュ型の「悪いインフレ」が収まる気配はなく、景気後退を半ば覚悟 のうえで日銀を除く世界の主要中銀が利上げを急ぐこの局面に株を買う奇特な投資家はいないからだ。それでも売りたい人が売り終われば おのずと株価は下げ止まるはずだ。そんな期待を抱かせるデータも出始めている。 米ゴールドマン・サックスで顧客ヘッジファンドが必要とするサービスを一手に担うプライム・サービス部門。パフォーマンスなど顧客ファンド 全体のデータをリアルタイムで公表している。 そのリポートをみると先週、世界のヘッジファンドは大きな痛手を被っていたことがわかる。 個別株の買い持ち(ロング)と売り持ち(ショート)を組み合わせる「ロング・ショート型」のヘッジファンドは16日までの1週間で4・61%の損 失を被り、昨年1月以来のマイナス幅を記録した。年初からの累計ではマイナス19・02%だ。 先週はヘッジファンドに特筆すべき大きな動きがあったとゴールドマンは明らかにした。日本株売りだ。先週、昨年9月以来となる速いペース で売り浴びせたという。 その理由は「日銀の長短金利操作を巡るスペキュレーション(投機)」(ゴールドマン)。かりに日銀が16~17日の政策決定会合で緩和策を 変更すれば、円高や長期金利上昇とともに、株安も進むという思惑で日本株を売ったというわけだ。 先週の日経平均株価は1861円安(6・7%安)と、米連邦準備理事会(FRB)の0・75%の大幅利上げに揺れた米ダウ工業株30種平均 (4・8%安)を超える急落を演じた。謎の売り手の正体は日銀の政策変更を予想したヘッジファンドだったというわけだ。 ゴールドマンは日本株にとって重要なもうひとつの事実も明らかにする。ヘッジファンドは日本株をほぼ売り切ってしまったという事実だ。ネッ トベースでヘッジファンドの取引残高に占める日本株比率は、2%強と過去10年の最低水準だ。 海外勢が日本株をほぼ売り切ったという事実は別のデータからもみえる。昨年までの世界的な強気相場の原動力となった米金融緩和が始 まったのは19年7月。そこから3年間で最も上がった銘柄群の超過リターンだ。 エムスリー、キーエンス、MonotaRO、朝日インテック……。ヘッジファンドに加えロングオンリー(買い持ち専門)の投資家も、これらの自己 資本利益率(ROE)が高い「高クオリティー株」に群がった。 だが足元でこれらの銘柄群の超過リターンはマイナスに転じ、コロナバブルで稼いだリターンはほぼ帳消しになった。 含み益がつきれば、売り圧力はおのずと下がる。「海外勢は日本株をほぼ売ってしまっている。日本株は今後は米国株に比べ底堅く推移 するだろう」。SMBC日興証券の圷正嗣氏はいう。 そうであれば、日本株の次のハードルは新規に買いが入るかどうかだ。「少なくとも短期的な底は近いでしょう。日経平均が2万5000円割 れると、かなり多くの投資家が買いたいと考えていますから」。20日、大手証券のセールストレーダーはこう話していた。 【独自】三井住友FG、SBIと本格提携…メガバンク初のネット証券大手へ参画 https://www.yomiuri.co.jp/economy/20220621-OYT1T50173/ 三井住友フィナンシャルグループ(FG)が、インターネット証券最大手のSBIホールディングス(HD)に対して数%出資し、証券事業で 本格提携することが21日、わかった。メガバンクグループが新興のネット証券大手に資本参画する初のケースとなる。両者トップがすで に大筋合意しており、近く公表する。 関係筋によると、SBIが三井住友FGを引き受け先とする第三者割当増資を行い、三井住友FGがSBI株式の5~10%程度を数百億 円で取得する方向で調整している。海外の金融当局への承認手続き中だ。実現すれば、三井住友FGはSBIグループの実質創業者で ある北尾吉孝社長の持ち分(1・6%)を上回って、事実上の筆頭株主となる見通しだ。 両社はネット証券分野を起点とし、デジタル金融サービス「フィンテック」で新たな展開をすることを狙う。 三井住友FGは、傘下にSMBC日興証券があるが、ネット証券では対応が遅れていた。ネット証券で圧倒的な業界トップにあるSBIと の補完効果を目指す。SBIも三井住友FGの金融サービスとの連携で業容拡大を図る。 両グループは2020年に資本・業務提携を結んだが、三井住友FGがSBIのスマートフォン向け証券サービスを手がける子会社の株式 を20%取得しただけにとどまっていた。今回、グループの司令塔である持ち株会社への出資を通じ、主力事業のSBI証券との本格的な 連携に踏み込む。 SBIは、三井住友FG傘下で約3000万の預金口座を抱える三井住友銀行や、クレジットカード大手の三井住友カードなどとの相乗効 果を見込む。SBI証券の利用者層は20~40歳代が多く、三井住友銀行やSMBC日興証券が強みとする中高年層とは顧客層が異な り、補完関係が見込める。 SBIは昨年末、新生銀行(旧日本長期信用銀行)に対して株式公開買い付け(TOB)を実施して傘下に収めたほか、地方銀行と次々 に資本・業務提携を結び、事業拡大を加速している。 三井住友FGがSBIに1割出資へ-関係者 https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-06-21/RDTKCNT0G1KX01 三井住友フィナンシャルグループがSBIホールディングスに1割程度出資する方向で最終調整していることが21日、分かった。事情に詳 しい関係者が明らかにした。 出資の時期については、米金融当局の承認が前提になるとしている。SBIが第三者割当増資を実施する見通し。 三井住友FGによるSBIへの出資については日経新聞が先に報じていた。ネット技術に長けた新興金融と組むことで国内市場を深堀りす るとしている。 報道によると、SBIの時価総額は約6000億円で、三井住友FGが1割を持つ場合、600億円以上の出資額となる可能性が高いとしている。 SBIの広報担当者は、現時点で決定している事実はないとコメントした。 日経は三井住友銀行のリテール部門が抱える巨大な顧客基盤をネット証券と連携させるなどの施策を検討するとみられるなどと報じた。 三井住友がSBIに1割出資へ 600億円規模、証券で連携 2022/06/21 17:38 日経速報ニュース 三井住友フィナンシャルグループ(FG)がSBIホールディングス(HD)に1割程度出資する方向で最終調整していることが21日、わかった。 SBIHDが実施する第三者割当増資を三井住友FGが引き受け、証券事業で本格的に提携する。法人などに強みを持つ伝統的なメガバンク と、ネット証券やフィンテックで先行するSBIHDとの資本業務提携により、金融機関の競争は新たな段階に入る。 SBIHDへの出資は米金融当局の承認が前提となり、調整を進めている。SBIHDの直近の時価総額は約6000億円で、三井住友FGが 1割を持つ場合、600億円以上の出資額となる可能性がある。 SBIHDは傘下にネット証券最大手のSBI証券を抱え、強固な個人顧客の基盤を持つ。比較的若い現役世代の顧客が多く、22年3月末時 点の口座数が845万(SBIネオモバイル証券などを含む)と、野村証券や大和証券を上回っている。一方で、法人顧客や富裕層には浸透し 切れていない。預かり資産残高は23兆円で大手証券との差は大きい。 ここ数年は「第4のメガバンク」構想を掲げ、地銀との提携を進めていた。21年にはTOB(株式公開買い付け)で新生銀行を傘下に加えた。 新たな資本調達により財務基盤も強化し、積極的な買収戦略を継続させる方針だ。SBIHDも三井住友FGへの少額出資を検討しているもよ うだ。 個人投資家の間でネット投資が浸透する中、三井住友FGはネット証券部門が弱いことに課題を抱えていた。三井住友銀行のリテール部 門が抱える巨大な顧客基盤をネット証券と連携させるなどの施策を検討するとみられ、貯蓄から資産形成の流れを加速させる。 三井住友FGは20年、SBIHD子会社でスマートフォン証券を手掛けるSBIネオモバイル証券に20%出資した。ブロックチェーン(分散型台 帳)を活用したデジタル証券の分野でも連携し、SBIHDがグループで70%、三井住友FGが20%出資する私設取引所「大阪デジタルエクス チェンジ」を設立した。 今回の出資によって、両グループは証券分野を中心とした本格的な提携に踏み込むことになる。SBIHDのメインバンクはみずほFGで借り 入れなどを通じて結びついてきたが、三井住友FGへの傾斜が一段と鮮明になった形といえる。SBIHDが三井住友FGの出資を正式に受け 入れた場合、みずほとの関係も今後焦点になる。 日本株ADR21日、全面高 みずほFGや三菱UFJの上げ目立つ 2022/06/22 05:13 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=戸部実華】21日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は全面高だった。 同日の日米株式相場が上昇し、日本株ADRにも買いが広がった。 みずほFGや三菱UFJ、三井住友FGといった銀行銘柄が軒並み3%強上げた。 トヨタとホンダも買われ、野村とオリックスも高い。 ADD4091円 米国債券10年利回り3.279%、(+0.040) 三井住友、悲願のネット証券強化 SBIへ1割出資 2022/06/22 05:20 三井住友フィナンシャルグループ(FG)がSBIホールディングス(HD)に1割程度出資する方向で最終調整に入った。証券部門で他のメ ガバンクを追う三井住友FGにとって証券業務の強化は悲願といえる。預金を融資に回す従来の銀行のビジネスモデルだけでは成長を 見込めず、ネット証券との連携などで若い顧客を開拓できなければ、じり貧になるためだ。 「本丸はネット証券だ」。三井住友は2020年にSBIと提携し、SBI傘下のスマートフォン専業証券に出資するなど関係を築いてきた。た だ、三井住友はそれで満足せず、ネット証券を本格展開できるチャンスをうかがってきた。 背景には若い世代の顧客基盤をフィンテックなど新興企業に奪われるという焦りがある。証券分野で言えば、SMBC日興証券の主要 顧客が50代以上とみられるのに対し、SBI証券は20~30代が4割だ。銀行部門でも、スマホなどで手軽に開設できるネット銀行が猛烈 な勢いで口座数を増やしている。 三井住友FGも09年に米シティグループから現SMBC日興証券を取得し、個人向けの証券業務を手掛けてきた。だが、証券の主戦場は ネット上に移った。旧四大証券の一角として対面での営業に強みを持つがシニア層が中心となっており、若い世代の取り込みに課題を 抱えていた。 SMBC日興の顧客口座数は370万程度ある。野村証券だけでなく、SBI証券や楽天証券といったネット証券にも引き離されている。22 年3月期のSMBC日興の純利益は497億円で、三井住友FG連結の7%程度にとどまる。 この数字はみずほFGに占めるみずほ証券の割合(10%程度)よりも低い。三菱UFJFGは持ち分法適用会社の米モルガン・スタンレーが 大幅に収益を押し上げている。証券業務の強化が三井住友FGの大きな課題だった。 三井住友はSBIと組み、これまでアクセスできなかった若年層に顧客基盤を拡大する。既にスマホ専業証券のSBIネオモバイル証券に は20%を出資しており、最大手SBIと本格的に組めば、ネット証券で他のメガ銀に先行できる可能性がある。 ただ、これまでの取り組みが満足のいく成果を上げていたとは言いがたい。SBIネオモバイル証券は創業以来、赤字が続き、三井住友 への利益貢献は乏しい。 三井住友は当初、SBIHD本体への出資に慎重な姿勢を示していた。SBIはバイオや不動産など事業を多角化しており、三井住友との 相乗効果が薄いとの判断があった。それでも、SBI証券を自分たちのグループ戦略に取り込みたいとの思いが、今回の出資検討へとつ ながった。 SBIにも三井住友との提携に踏み込まざるを得ない事情がある。SBIは21年に新生銀行の買収に1000億円超を投じるなど積極投資を 繰り返してきた。大型投資には安定的な資金の調達先が必要で、三井住友との関係強化は事業拡大のテコとなり得る。 もっとも、証券強化に主眼を置く三井住友と、財務的な安定を視野に提携に動いたSBIには、同床異夢といえる面もある。仮に三井住友 が現役世代へのリーチという果実を早急に求めれば、自主独立を重んじるSBIとの関係はきしみかねない。提携の成否はまだ見通しに くい部分がある。 【関連記事】 ・三井住友がSBIに1割出資へ 800億円規模、証券で連携 ・銀行と証券、規制緩和で情報共有しやすく 提案力がカギ ・SBIや三井住友、株の私設取引で新会社 デジタル証券も 三井住友、SBIに出資へ 1割・800億円規模で提携 金融デジタル化加速 2022/06/22 日本経済新聞 朝刊 三井住友フィナンシャルグループ(FG)が、ネット証券最大手のSBIホールディングス(HD)に1割程度出資する方向で最終調整している ことが21日、わかった。SBIHDが第三者割当増資を実施し、証券事業で本格的に提携する。伝統的なメガバンクがフィンテックに強みを 持つネット証券最大手と資本提携することで、金融のデジタル化を巡る競争は新たな段階に入る。(関連記事総合1面に) メガバンクとネット証券の取り組みは、三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)がカブドットコム証券(現auカブコム証券)に出資し、みずほ FGがソフトバンクとPayPay証券を運営している。三井住友FGはネット証券最大手のSBIHDと組むことでネット証券の遅れを取り戻し、成 長分野のデジタル証券などフィンテック事業も加速させる。 SBIHDへの出資は米金融当局の承認が必要で調整を進めている。SBIHDの直近の時価総額は約6000億円。三井住友FGが1割程 度出資する場合、過去の一定期間の株価を考慮すると、800億円規模の出資額になる可能性がある。3月末時点でSBIHDの株主の外 国人比率が5割弱。三井住友FGの出資比率はSBIHDの北尾吉孝社長(1.6%)を上回る見通し。 三井住友FGはSBIHDへの出資を通じ、弱かったネット証券をテコ入れする。これまでも傘下のSMBC日興証券で個人向け業務を手掛 けていたが、今後は3000万弱の預金口座を持つ三井住友銀行のリテールの顧客基盤をSBIHDのネット証券と連携させるなどの施策を 検討するとみられる。 SBIHDは傘下にネット証券最大手のSBI証券を抱え、比較的若い現役世代の顧客が多い。22年3月末時点の口座数は845万(SBI ネオモバイル証券などを含む)と、野村証券や大和証券を上回る。一方、法人顧客や富裕層には浸透し切れていない。預かり資産残高は 23兆円で大手証券との差は大きい。 ここ数年は「第4のメガバンク」構想を掲げ、地銀との提携を進めていた。21年にTOB(株式公開買い付け)で新生銀行(23年にSBI新 生銀行に社名変更予定)を傘下に加えた。今回の資本提携で財務基盤も強化し、買収戦略を続ける。SBIHDも三井住友FGへの少額出 資を検討しているもようだ。 両社はフィンテック分野でも連携を強化する。ブロックチェーン(分散型台帳)を活用したデジタル証券の分野では、既にSBIHDがグルー プで70%、三井住友FGが20%出資する私設取引所「大阪デジタルエクスチェンジ」を設立。同取引所は23年春をめどにデジタル証券の 取り扱いを始める予定だ。日本で遅れているデジタル証券の流通市場を整備する。 SBIHDのメインバンクはみずほFGで借り入れなどを通じて結びついてきたが、三井住友FGへの傾斜が一段と鮮明になった形といえる。 SBIHDが三井住友FGの出資を正式に受け入れた後、みずほFGとの関係も今後の焦点になる。 三井住友フィナンシャルグループ 旧住友銀行と旧さくら銀行が2001年に合併して誕生したメガバンクグループ。銀行・証券・クレジット カード・リースなどの傘下企業がある。総資産は257兆円で、2022年3月期の純利益は7066億円。足元の時価総額は5兆円超。 SBIホールディングス 1999年ソフトバンク(現ソフトバンクグループ)の金融子会社として設立。2006年に資本関係を解消。22年3月 期の純利益は3668億円(国際会計基準)。時価総額はおよそ6000億円。主なグループ会社はSBI証券や新生銀行。 三井住友、悲願の証券強化 SBIに出資へ ネット最大手とタッグ 若い世代開拓 2022/06/22 日本経済新聞 朝刊 三井住友フィナンシャルグループ(FG)がSBIホールディングス(HD)に1割程度出資する方向で最終調整に入った。証券部門で他のメガ バンクを追う三井住友FGにとって証券業務の強化は悲願といえる。預金を融資に回す従来の銀行のビジネスモデルだけでは成長を見込め ず、ネット証券との連携などで若い顧客を開拓できなければ、じり貧になるためだ。(1面参照) 「本丸はネット証券だ」。三井住友は2020年にSBIと提携し、SBI傘下のスマートフォン専業証券に出資するなど関係を築いてきた。ただ 、三井住友はそれで満足せず、ネット証券を本格展開できるチャンスをうかがってきた。 背景には若い世代の顧客基盤をフィンテックなど新興企業に奪われるという焦りがある。証券分野で言えば、SMBC日興証券の主要顧客 が50代以上とみられるのに対し、SBI証券は20~30代が4割だ。銀行部門でも、スマホなどで手軽に開設できるネット銀行が猛烈な勢い で口座数を増やしている。 三井住友FGも09年に米シティグループから現SMBC日興証券を取得し、個人向けの証券業務を手掛けてきた。だが、証券の主戦場はネ ット上に移った。旧四大証券の一角として対面での営業に強みを持つがシニア層が中心となっており、若い世代の取り込みに課題を抱えて いた。 SMBC日興の顧客口座数は370万程度ある。野村証券だけでなく、SBI証券や楽天証券といったネット証券にも引き離されている。22年 3月期のSMBC日興の純利益は497億円で、三井住友FG連結の7%程度にとどまる。 この数字はみずほFGに占めるみずほ証券の割合(10%程度)よりも低い。三菱UFJFGは持ち分法適用会社の米モルガン・スタンレーが 大幅に収益を押し上げている。証券業務の強化が三井住友FGの大きな課題だった。 三井住友はSBIと組み、これまでアクセスできなかった若年層に顧客基盤を拡大する。既にスマホ専業証券のSBIネオモバイル証券には 20%を出資しており、最大手SBIと本格的に組めば、ネット証券で他のメガ銀に先行できる可能性がある。 ただ、これまでの取り組みが満足のいく成果を上げていたとは言いがたい。SBIネオモバイル証券は創業以来、赤字が続き、三井住友へ の利益貢献は乏しい。 三井住友は当初、SBIHD本体への出資に慎重な姿勢を示していた。SBIはバイオや不動産など事業を多角化しており、三井住友との相 乗効果が薄いとの判断があった。それでも、SBI証券を自分たちのグループ戦略に取り込みたいとの思いが、今回の出資検討へとつながっ た。 SBIにも三井住友との提携に踏み込まざるを得ない事情がある。SBIは21年に新生銀行の買収に1000億円超を投じるなど積極投資を 繰り返してきた。大型投資には安定的な資金の調達先が必要で、三井住友との関係強化は事業拡大のテコとなり得る。 もっとも、証券強化に主眼を置く三井住友と、財務的な安定を視野に提携に動いたSBIには、同床異夢といえる面もある。仮に三井住友が 現役世代へのリーチという果実を早急に求めれば、自主独立を重んじるSBIとの関係はきしみかねない。提携の成否はまだ見通しにくい部 分がある。 2022年06月22日09時46分 SBIが大幅続伸、三井住友FGが出資し資本提携と伝わる SBIホールディングス<8473>が大幅続伸。22日付の日本経済新聞は「三井住友フィナンシャルグループ(FG)が、ネット証券最大手の SBIホールディングス(HD)に1割程度出資する方向で最終調整していることが21日、わかった」と報じた。SBIが第三者割当増資を実施 し、三井住友FG<8316>と証券事業で本格的に提携する、という。 この報道を受け、SBIには業容拡大への期待が膨らみ買いが流入している。なおSBIでは、「三井住友フィナンシャルグループとの間で 報道の内容を含む様々な提携の機会を検討していることは事実ですが、現時点で決定している事実はございません」とコメントを発表して いる。 2022年06月22日09時54分 三菱UFJなどメガバンクは強弱観対立、米長期金利上昇も日銀の緩和姿勢に変化なし 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411>のメガバンク 3銘柄は、いずれも強弱観対立のなかで売り買い交錯。 米国ではFRBの金融引き締め強化の思惑を背景に長期金利が上昇し、前日の10年債利回りは終値ベースで再び3.3%近辺まで水準 を切り上げており、米国事業を展開するメガバンクにはプラスとなる。一方、国内では日銀が大規模金融緩和の姿勢を維持しており、市場で は「きょうの朝方に開示された日銀金融政策決定会合の議事要旨(4月開催分)でも緩和一辺倒の印象でスタンスに全く変化はない」(ネッ ト証券マーケットアナリスト)という。これは銀行セクターにはネガティブ材料として働きやすい。 三井住友FGとSBIHD、「提携の検討は事実」=出資報道で [東京 22日 ロイター] - 三井住友フィナンシャルグループは22日、SBIホールディングスに1割程度出資する方向で最終調整している との一部報道について、「さまざまな提携の機会を検討していることは事実」とするコメントを発表した。現時点で決定している事実はない としている。 SBIHDも同日、三井住友FGと同様に、「報道の内容を含むさまざまな提携の機会を検討していることは事実」とするコメントを発表。現時 点で決定している事実はなく、開示すべき事項を決定した場合は速やかに公表するとしている。 日本経済新聞電子版は21日夕、SBIHDが第三者割当増資を実施する見通しで、三井住友FGが1割を持つ場合、出資額は600億円以 上となる可能性が高いと報じた。出資は米金融当局の承認が前提で、調整を進めており、SBIHDも三井住友FGへの少額出資を検討して いるもようと伝えた。 「割安株投資、言うは易し行うは難し」オービスの時国氏 2022/06/22 14:16 日経速報ニュース 金融・資本市場の先行き不透明感が強まるなかでバリュー(割安)株の運用成績が相対的に良くなっている。今年に入り、21日時点で TOPIXグロース指数が16%下げたのに対し、バリュー指数が3%高となった。割安株への長期投資で知られる英領バミューダのオービス・ インベストメンツの時国司・日本法人社長は「運用会社にとって、割安株投資は『言うは易し行うは難し』だ」と話す。 ――世界的な株安の結果、日本でも魅力的な割安株は増えていますか。 「相場全体が下がっているが、『とても割高』だった銘柄が『少し割高』になっただけだ。魅力的な銘柄が増えたという印象はなく、ポート フォリオはほとんど入れ替えていない」 「お客さんからの引き合いは増えている。グロース(成長)株優位からバリュー株優位に流れが変わるなかで、バリュー株で運用している 当社への関心が高まっているようだ」 ――独特な運用報酬体系も特徴ですね。 「運用会社からみると、割安株投資というのは『言うは易し行うは難し』だ。何らかの理由があって割安に放置されている場合が多い。投 資してすぐに株価が上がればいいが、上がらなければ、成績は良くないのに運用報酬をいただくことになってしまう」 「当社では、一般的に成績がベンチマークを上回ると支払われる成功報酬を『リファンダブル・フィー・リザーブ』という形でいったんためて 、その後ベンチマークを下回った場合に払い戻す仕組みがある。長期的にベンチマークを大幅に上回らないと、成功報酬をいただくことが できない仕組みで、給与体系も顧客が実際に享受した超過収益に連動するようにしている」 ――運用する日本株ファンドで組み入れ比率のトップ(5月末時点)はINPEXです。 「10年ぐらい前から投資している銘柄で、原油価格の上昇を見込んでいたわけではない。INPEXがオーストラリアで手掛ける液化天然ガ ス(LNG)事業『イクシス』プロジェクトの生み出すキャッシュフローや資本政策の改善余地に着目して長期的に投資している」 「金融では三井住友フィナンシャルグループの組み入れ比率が高い。配当利回りの高さに加え、海外ビジネスの拡大余地に注目している」 ――銘柄の売り時はどのように判断しているのですか。 「本源的な価値を上回り、割高だと判断すればもちろん売る。ただ、この判断に統一的な基準はない。例えば米国企業ならフリーキャッシ ュフロー(FCF、純現金収支)、日本企業ならPER(株価収益率)が重視されるのかもしれない。それでも基準は個別銘柄ごとに違う」 「逆に『損切り』という考え方はしない。本源的な価値を下回って、割安感が強まったと判断すれば買い増すこともある」 ――コロナ禍をきっかけに運用スタイルなどに変化はありましたか。 「運用の考え方には変化はない。一番変わったのは働き方だ。私自身、現在は週2回ほどの出社だが、社内では週4回出社している人も いる。個人が働く場所を柔軟に選び、ワークライフバランスを充実させることができるようになった」 三井住友FGがSBIに出資へ、市場の見方 2022/06/22 12:36 日経速報ニュース 三井住友フィナンシャルグループ(FG)がネット証券最大手のSBIホールディングス(HD)に1割程度出資する方向で最終調整している ことが21日、分かった。伝統的なメガバンクとフィンテックに強いネット証券最大手との資本提携は、金融のデジタル競争のさらなる激化 を象徴する。市場関係者に三井住友FGとSBI提携をどうみているのか見方を聞いた。 ■三井住友FG株、割安脱するきっかけに ニッセイ基礎研究所・井出真吾チーフ株式ストラテジスト SBIホールディングスへの出資は三井住友フィナンシャルグループ株が割安な状態を脱するきっかけになり得る。三井住友FGはPBR(株 価純資産倍率)が0.4倍台と、他の銀行株と同じくかなり割安にある。これは長期的な成長シナリオが描けていなかったためだ。今回の出 資は抜本的な改革とまではいかなくても、正しい方向に進み始めたといえる。 国内ではここ数年、資産形成が若年層にも広がり始めている。なかでも手数料の安いSBIなどのネット証券は人気で、出資によって三井 住友FGは顧客層を広げることができるだろう。銀行の営業も回転売買を通じた手数料重視のスタイルから預かり資産残高重視に移行して おり、若い資産形成層と利害が一致している。 SBI側にもメリットがあるとみる。日本では一般人にとって、証券会社はまだ銀行ほど身近なものではない。三井住友FGが間に立つことに よって、証券会社との心理的な距離を縮め、個人の投資や資産形成を促せるのではないか。 ■インフレ・円安が再編後押し いちよしアセットマネジメント・秋野充成取締役 今回の出資はインフレや円安といった市場環境の転換が金融業界を大きく変える一例だ。いままで約2000兆円の個人金融資産の大部 分が貯蓄だったのは、円の現金が有望なアセットだったからだ。いまやインフレや円安で円の価値は目減りしていく以上、株式などへの投 資の必要性は増している。「貯蓄から投資へ」の流れが加速するにつれ、業界も対応を迫られる。 大手銀行も預金を集めて安定的にビジネスを続けられる環境ではなくなってきた。いままで見向きもしていなかったネット証券と手を組む のはそのためだろう。今後も銀行が証券会社や資産運用会社と提携する例は増えるとみる。 銀行株はこれまで横並びで一様に割安だったが、相場の世界と関わりを深める以上、業績に差がつき、変動も大きくなるだろう。地銀の中 からも大きく成長するものが出てくるのではないか。投資家にとっても、成長する銀行とそうでないものを見分ける目利きが必要になってくる。 日本株ADR22日 売りが優勢、ソニーGやオリックスが下落 2022/06/23 05:10 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=横内理恵】22日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)には売りが優勢だった。 同日の日米株式相場が下落し、日本株ADRの売りを誘った。ソニーGやオリックス、三菱UFJが下落。 野村やキヤノンも安い。一方、武田やホンダは上げた。 ADD4045円 米国債券10年利回り3.169%、(-0.145) トップ蜜月、みずほの隙突く 三井住友、SBIに出資 「最後のピース」 銀証連携、実利と打算(真相深層) 2022/06/23 日本経済新聞 朝刊 三井住友フィナンシャルグループ(FG)はSBIホールディングス(HD)に約800億円を出資し、1割程度の株主となる方針を固めた。メガ バンクとネット証券最大手が提携し、銀証連携を進める。両トップが蜜月関係を深め、SBIHDのメインバンクのみずほ銀行を「出し抜く」よう な提携となった。 株価一時7%高 「様々な提携の機会を検討していることは事実」。三井住友FGとSBIHDは22日、そろってリリースを出した。株式市場では提携を好感し SBIHDの株価が一時7%上昇した。当局の承認を得た後に正式に発表する見通しだ。 三井住友にとってネット証券は「最後のピース」とされてきた。クレジットカードや消費者金融などリテール金融の大手を広く傘下に抱え、 三井住友銀行のアプリはネットバンキングのほか三井住友カードの設定や利用照会もできる。このアプリにネット証券のサービスも加えられ れば、一つのアプリであらゆる金融サービスを提供できるようになる。 両社の関係の強化は2年半前に遡る。 2019年冬、東京・丸の内の三井住友本社に、SBIHDの北尾吉孝社長の姿があった。「私どもに何かできることはありませんか」。北尾 社長は向き合った三井住友の太田純社長に秋波を送った。 その後の展開は速かった。トップダウンで連携に向け号令が下ると、極秘裏に両社で社長の直轄部隊が立ち上がった。20年4月には証 券分野での包括提携にこぎ着けた。 北尾氏は野村証券出身。太田氏は大学卒業後、旧住友銀行の門をたたいた。ともに営業力に定評のある金融機関で磨かれ、「発想は似 ている」(三井住友幹部)。北尾氏も「太田さんとはケミカルが合うというか、提案をごんごん突っ込んでこられる」と親しみを込めて語る。 三井住友には証券の強化が欠かせない。傘下のSMBC日興証券の顧客基盤はシニア層が中心で、少子高齢化が進む中で無策ではじり 貧だ。SBIHDは財務の安定性を高めたかった。新生銀行の買収など大型投資が続くなか、予定していた住信SBIネット銀行の上場は延期 となった。 ネット証券を渇望する三井住友と資金面での後ろ盾を期待するSBIHDの思惑が一致した。 メインバンクのみずほフィナンシャルグループ内部には衝撃が走っている。21日の株主総会で取締役を外れた佐藤康博前会長は、木原正 裕氏が2月に社長に就任する前に連れだって北尾氏に挨拶に行った。佐藤氏は冒頭、「ずいぶん太田さんと親しいようですけど、みずほのこ ともよろしくお願いします」と語りかけた。しかし悪い予感は現実となる。 みずほ銀行は21年にシステム障害が相次ぎ、持ち株会社の社長、会長、銀行頭取が一斉退陣する混乱に見舞われた。SBIHDは最重要 先の一つだ。長年、北尾氏とみずほとの距離を縮めてきた佐藤氏は自らが退いた後の関係を案じていた。 1社依存不健全 もっとも、三井住友とSBIHDの思惑が完全に一致しているわけではない。三井住友は当初、SBI証券への出資には意欲を示していたが、 医薬品事業や地域銀行との提携を続ける持ち株会社には慎重だった。ただ、SBIHDは虎の子のSBI証券への出資は受け付けなかった。 北尾氏は「事業規模が拡大するなかメインバンク1社に依存するのはむしろ不健全。みずほさんも『北尾さんけしからん』とは言わないだろ う」と踏んだ。「僕はメイン、準メインという体制の中でやっていきたい」。みずほと三井住友の両方と関係を築きながら独立を保つ意思を示す。 市場関係者は「個人の投資や資産形成を促せるのではないか」(ニッセイ基礎研究所・井出真吾チーフ株式ストラテジスト)と提携を評価す る。貯蓄から投資の時代に向けて銀証連携を進める両社。ライバルはどう対抗していくのか。時計の針が動き始めた。 SBIと三井住友FG、個人向けデジタル金融サービス提供へ 「象徴として資本提携」 2022/06/23 17:32 日経速報ニュース SBIホールディングス(8473)と三井住友フィナンシャルグループ(8316)は23日、包括資本業務提携の基本合意などの共同記者会見を 開いた。SBI証券と三井住友銀行、三井住友カードの3社が連携して、新たな個人向けデジタル金融サービスを提供すると発表した。20 22年度中に提供を開始する。 サービスは、銀行口座やカード決済、オンライン証券などの機能を組み合わせたアプリを配信する。会見で三井住友FGの安地和之企 画部長は「若い人が資産運用に非常に関心を持っている。さらなる顧客基盤を増やしたいと思っている」と述べた。SBI証券の小川裕之 専務取締役は「『貯蓄から資産形成』に向けて非常に大きな後押しになる」と話した。 SBIは23日に三井住友FGを割当先とする第三者割当増資で796億円を調達すると発表していた。普通株式2700万株(発行済み株式 数の11.01%)を割り当てる。三井住友FGの安地氏は「両社のアライアンスの象徴として資本提携を行う」と話した。 三井住友FG、SBIHDに約1割出資 デジタルを強化 [東京 23日 ロイター] - 三井住友フィナンシャルグループとネット証券最大手のSBIホールディングスは23日、資本業務提携を行うと 発表した。SBIHDが実施する第三者割当増資を三井住友FGが引き受け、9.91%出資する。金融のデジタル化進展という環境変化に 対応し、デジタルを強化する。 出資額は796億円。第三者割当により発行済み株式数の11.01%の株式を割り当てる。発行価格は1株2950円で、22日の終値 2588円に対して14.0%のプレミアムが付いている。払い込みは7月11日。 デジタルチャネルにおいて提供する金融サービスを連携・連動させることで「両グループの顧客基盤を飛躍的に拡大させていくことを目指 す」としている。現時点では、三井住友銀行は2700万人、三井住友カードは5000万人、SBI証券は850万人の個人顧客を有している。 10%という出資について、三井住友FGの安地和之企画部長は「象徴」と述べ、特段の意味はないとした。 両社は、20年4月に包括提携を結んでいる。2022年度中に開始する個人向けデジタル金融サービスに加えて、今後、幅広い事業領 域での協業の拡大や深化の機会について、具体的な協議を行っていくとしている。 日本株ADR23日、売り優勢 自動車、金融が安い 2022/06/24 05:31 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川上純平】23日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は売り優勢だった。 米連邦準備理事会(FRB)の積極的な利上げに伴う米景気の先行き不安が意識され、日本株ADRに売りが出た。 自動車のホンダとトヨタの下げが目立った。三菱UFJやみずほFGなど金融株も売られた。 ADD4001円 米国債券10年利回り3.089%、(-0.067) デジタル金融で接近 三井住友・SBI資本提携まとめ読み 2022/06/24 05:00 日経速報ニュース 個人顧客の預金を大量に抱えるメガバンクと、個人投資家を中心とするネット証券最大手が組む。三井住友フィナンシャルグループ(FG) とSBIホールディングス(HD)は23日、資本提携すると発表した。第三者割当増資で三井住友が796億円を出資し、約10%の株式を持つ大 株主となる。異色の連合は金融のデジタル化をどう進めていくのか。提携に至る経緯や両社の思惑をまとめた。 アプリ開発で連携 資本提携で銀行と証券の連携を加速する。三井住友FGのネット顧客に証券サービスを提供することが柱だ。第1弾としてSBI証券と三井 住友銀行、三井住友カードの3社でスマートフォン向けのアプリを開発する。サービスの開始は22年度中を予定する。 三井住友、SBIへ出資発表 796億円、証券で連携 銀行・証券、主戦場はデジタル 三井住友がSBIに出資 きっかけは2年前 三井住友とSBIの関係が深まったのは2020年だ。ブロックチェーン(分散型台帳)を使い、法人・個人の金融分野での協業を始めた。さらに スマホ向け金融サービスなどデジタル分野を軸に包括提携すると発表した。この時の提携は三井住友がSBI傘下のスマホ専業証券に出資 することにとどまっていた。 三井住友FG・SBIが提携正式発表、スマホ金融サービスで 三井住友FG・SBI、ブロックチェーンで協業 三井住友、悲願だった証券強化 預金を融資に回す従来の銀行のビジネスモデルだけでは成長を見込めない。これから資産を形成する若い顧客も取り込まないとじり貧に なるとの危機感が三井住友にはあった。SMBC日興証券の主要顧客が50代以上とみられるのに対し、SBI証券は20~30代が4割だ。三井 住友はネット証券を本格展開できるチャンスをうかがってきた。 三井住友、悲願のネット証券強化 SBIへ1割出資 SBIや三井住友、株の私設取引で新会社 デジタル証券も ライバルに波紋 三井住友とSBIの両トップが蜜月関係を深め、今回の資本提携に至った。SBIのメインバンクであるみずほ銀行には衝撃が走っている。 三井住友がSBIに出資 トップの蜜月、みずほの隙突く ▼三井住友フィナンシャルグループ 旧住友銀行と旧さくら銀行が2001年に合併して誕生したメガバンクグループ。銀行・証券・クレジットカード・リースなどの傘下企業がある。総 資産は257兆円で、22年3月期の純利益は7066億円。足元の時価総額は5兆円超。 ▼SBIホールディングス 1999年ソフトバンク(現ソフトバンクグループ)の金融子会社として設立。2006年に資本関係を解消。22年3月期の純利益は3668億円(国際 会計基準)。時価総額はおよそ6000億円。主なグループ会社はSBI証券や新生銀行。 三井住友、SBIに出資発表 デジタル連携強化 2022/06/24 日本経済新聞 朝刊 三井住友フィナンシャルグループとSBIホールディングスは23日、資本提携すると正式に発表した。第三者割当増資で三井住友が796 億円を出資し、約10%の株式を持つ大株主となる。グループの垣根を越えて銀行や証券、クレジットカードなどのサービスをアプリ上で一 体的に提供する。メガバンクと大手ネット証券が手を組み、金融のデジタル化を加速させる。(関連記事総合2面に) 割当価格は1株あたり2950円とする。23日終値を13%上回る。 SBIは20年4月にスマートフォン証券などでの協業を目的に、三井住友と包括提携をしている。今回の資本提携を受け、金融のデジタル 化での両社の連携を一段と強化する。 資本提携で銀証連携を加速し、金融サービスを継ぎ目なく提供する体制を整える。提携の第1弾として、SBI証券と三井住友銀行、三井 住友カードの3社でスマホ向けアプリのサービスで連携する。株式の売買や口座管理、カード決済などの金融サービスを包括的に提供でき るようにする。アプリでは三井住友のポイントサービスも利用できるようにする。 成果問われる異色の銀証提携(社説) 2022/06/24 日本経済新聞 朝刊 三井住友フィナンシャルグループとSBIホールディングスが資本提携する。個人顧客の預金を大量に抱えるメガバンクと、個人投資家を中 心とするネット証券最大手という異色の組み合わせだ。 金融デジタル時代に「貯蓄から投資へ」の潮流を後押しし実のある本格提携に深化できるか。新たな銀証連合の成否を見極めたい。 三井住友がSBIの第三者割当増資に応じて約800億円を投じ、議決権比率の約10%を握る大株主となる。今回の提携合意の注目点は 、双方にあったハードルを両社社長のトップダウンで乗り越えたことだろう。 三井住友は旧四大証券の一角だったSMBC日興証券を傘下に置く。創業20年あまりで証券口座を800万超まで増やし、若い投資家層 も取り込んできたSBIは本来なら競合相手だ。三井住友はSBIが強みとする多様なフィンテック技術の吸収を優先する。 一方、SBIの成長を資金面で支えてきた主力銀行はみずほフィナンシャルグループだ。メインバンクと大株主にねじれが生じるのは極めて 異例だが、SBIは増資を通じて財務基盤を強化し、資金の調達先も広げる。 今後問われるのはネット証券事業を軸とした連携の具体策だ。グループ横断のアプリ開発やシステム共同化、データ活用も検討課題だ。 ただしデジタル金融はIT(情報技術)など異業種参入が加速し金融機関同士で組んでも優位に立てる保証はない。銀証連携に関する金融 規制への目配りも要る。 SBIは強い独立志向で知られる。10%程度の出資で両社の協業がどこまで深まり、成果や収益、停滞する株価のてこ入れにまで結びつ けられるかにも注目したい。 両社には自前の銀証戦略で解決すべき宿題がある。新生銀行を昨年買収したSBIは同行の公的資金(約3500億円)の早期返済を掲 げるが、道筋は不透明だ。三井住友にとっては、相場操縦事件をめぐる日興の経営立て直しと信頼の回復が最優先課題となる。 一覧に戻る 銀行・証券、経営モデル転換 三井住友がSBI出資 まずアプリ連携 2022/06/24 日本経済新聞 朝刊 三井住友フィナンシャルグループとSBIホールディングスは23日、三井住友がSBIに1割出資する資本提携を正式に発表した。三井住友 のネット顧客に証券サービスを提供することが柱で、銀行・証券・カードの総合金融をスマートフォン上で展開する。金融の主戦場は対面か らデジタルへと移り、銀行・証券は経営モデルの転換を迫られている。(1面参照) 「三井住友銀行は2700万人、三井住友カードは5000万人、SBI証券は850万人の個人顧客を有する」。三井住友とSBIが23日発表 したリリースにはこんな文言が躍った。グループの垣根を取り払い、延べ8000万人以上の顧客に一体的にサービスを提供することを目指す。 柱となるのが、リテール分野での銀証連携だ。口座振込・証券取引・カード決済・消費者金融など多様な取引ができるスマホ向けサービス を2022年度中に開発する。 メインターゲットはこれから資産を形成していく比較的若い世代だ。スマホ操作の切り替えの手間を減らし、共通のポイントを付ける。手早く 取引を済ませたい現役世代やポイントを効率よく集めたい若者を取り込む狙いだ。 若者や現役世代を明確なターゲットとした施策は、銀証連携の転換点になる可能性がある。三井住友、みずほ、三菱UFJの3メガバンクグ ループは傘下の銀行と証券で顧客を紹介しあうなどグループ内での連携を深めてきた。ただ、対面に強みを持つ3メガバンクグループの証券 の顧客は富裕層や高齢者がメインで、顧客層の広がりには限界があった。 SMBC日興証券の顧客層は50代以上が中心とみられる一方、SBI証券は20~30代が4割だ。三井住友にとってSBIとの提携は、若い 世代の取り込みにつながる効果が期待できる。 日本証券業協会の21年の調査によれば、20~30代のインターネット注文の割合は86%。70代以上(69%)に比べて10ポイント以上 高い。スマホ注文に限れば、70代以上の4%に対して20~30代は52%と半分を超える。 現時点では現役世代の持つ資産額は大きくない。そのため「最大手といえどもネット証券グループに10%で800億円とはなかなか決断は 難しい」といった声も金融機関幹部からは漏れる。それでも、顧客層の若返りを進めなければ、じり貧は避けられない。高齢者から若い世代 への相続を視野に入れている面もある。 ほかのメガバンクでも、三菱UFJは07年に傘下に引き入れたカブドットコム証券(現auカブコム証券)でネット顧客の開拓を進める。ただ、 口座数は140万程度にとどまり、700万~800万規模の楽天証券やSBIには水をあけられている。 みずほ証券は20年にソフトバンクと共同でPayPay証券を立ち上げた。三井住友はSBIへの出資を通じ、遅れていたネット証券で一気に 逆転したい考えだ。 米国では大手金融機関が個人向けのデジタル金融サービスを拡充する動きが広がっている。バンク・オブ・アメリカなどは、銀行口座管理 と投資が同じアプリでできるサービスを展開。ゴールドマン・サックスは自動で資産配分を調整する「ロボアド」の提供を昨年始めた。 ネットで単純な株式の売買を提供するだけでは手数料は稼げなくなった。デジタルを活用した付加価値の高いサービスにシフトしている。 もっとも三井住友からSBIへの出資比率は10%弱にとどまる。スマホ証券だけでなく、地域金融機関との連携や医薬品まで手を広げるS BIと、将来の方向性が完全に一致しているわけでもない。ネット証券はSBI自身が仕掛けた手数料競争も激しい。サービスの質を磨かなけ れば、掛け声倒れに終わる可能性がある。 2022/06/23 18:00 三井住友FG(8316) 米系大手証券、レーティング引き上げ、強気。目標株価引き上げ、4,800円。 米系大手証券が6月23日、三井住友フィナンシャルグループ<8316>のレーティングを中立(2(中立))から強気(1(買い))に引き上げた。 同様に、目標株価も4,400円から4,800円に引き上げた。因みに前日(6月22日)時点のレーティングコンセンサスは4(アナリスト数11人) で「やや強気」の水準、目標株価コンセンサスは4,694円(アナリスト数11人)となっている。 2022-06-24 メリル 中立 → 買い格上げ 4400円 → 4800円 <東証>三井住友FGが続伸 SBIに出資を発表、事業拡大期待 2022/06/24 10:49 日経速報ニュース (10時45分、プライム、コード8316)三井住友FGが続伸している。前日比47円(1.2%)高の4121円まで上昇し、約3カ月ぶりの高値を付けた。 23日、SBI(8473)と資本提携すると正式発表した。第三者割当増資で三井住友が796億円を出資し、約10%のSBI株を取得する。事業拡大 に期待した買いが改めて入った。SBI株は一時3.1%高となった。 22日付の日本経済新聞朝刊が同様の内容をすでに報じ、三井住友FG株は同日に一時0.7%高、SBI株は6.9%高となった。アイザワ証券 投資顧問部の三井郁男ファンドマネージャーは「SBIが抱える顧客は比較的年齢が若い世代が多いことから中長期的な資産形成への関心 が高く、三井住友FGのサービスを提供できるメリットは大きい」と話す。これまで手薄だったネット証券事業の強化にもつながるとみていた。 SMBC日興の近藤社長、自身の進退「報告書を精査して責任を明確にする」 2022/06/24 18:37 日経速報ニュース SMBC日興証券の近藤雄一郎社長は24日、相場操縦事件を巡り設置した調査委員会による報告書を受領・公表したことを踏まえ 記者会見を開いた。自身の進退について問われると「調査報告書の内容を精査するとともにステークホルダー(利害関係者)と相談し て責任の所在を明確にしていきたい」と述べた。 SMBC日興は大株主から株を買い取り投資家に転売するブロックオファー(BO)取引の対象銘柄について自己資金で大量の買い 注文を入れたことが、金融商品取引法違反(相場操縦)にあたるとされた。 これに関連して「BOで値崩れした時に自己ポジションを用いて価格をサポート」と記載された副社長からのメールについて問われる と、近藤社長はメールを受け取って読んだことは認めたものの、詳細については明言を避けた。 SMBC日興事件、調査委が不公正と認定-社長宛てメールも判明 https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-06-24/RDWSW8T1UM1601 非常に深刻かつ根深い問題、経営として大変重く受け止めると社長 メール内容については記憶がない、認識していれば絶対に止めていた SMBC日興証券による金融商品取引法違反(相場操縦)事件で、同社の調査委員会は24日、「証券会社の市場における役割や責務に もとる不適切かつ不公正な行為であった」とする調査報告書を公表した。近藤雄一郎社長が、不正な取引内容を一部記したメールを受け 取っていたことも分かった。 報告書を受けて同日夕に会見した近藤社長は「非常に深刻かつ根深い問題であると認識しており、経営として大変重く受け止めてい る」と述べた。「調査委員会からの指摘を真摯(しんし)に受け止め、今後全社で抜本的な改善を進めていかなければならないと痛感して いる」として、「実効性のある再発防止策の策定・実行に努め、信頼回復につなげてまいりたい」と語った。 SMBC日興の相場操縦を巡っては、上場企業の大株主らから保有株式をまとめて買い取り、投資家に転売する「ブロックオファー」と 呼ばれる取引計10銘柄で、自己勘定取引によって不正に株価の維持を図ったとされる。 近藤社長の事件への認識に関連して、証券取引等監視委員会による家宅捜索などが実施される前、副社長から受け取ったグローバ ル・マーケッツ部門の報酬・賞与体系に関する内容の電子メールの添付ファイルの中に「ブロックオファーで値崩れした時に自己ポジション を用いて価格をサポート」との記述があったことが明らかになった。 会見で近藤社長は、メールに違法とされたブロックオファーに関する記述があったかどうかは記憶がないとした。もし気付いていたら、 「これは何を意味しているのかおそらく確認したのではないか」と述べ、内容を認識していたのであれば「絶対に止めていた」と語った。 関与は一切しておらず、不正取引を承認した意図はないと説明した。 報告書を精読し、関係者と協議しながら自身を含めた責任の所在をはっきりさせたいと述べ、経営責任や進退については言及を避けた。 ガバナンス態勢は機能不全 報告書では、問題を引き起こした4つの根本原因として、「証券業務全体の中での潜在的リスクに見合った自己規律および態勢整備 の不足」、「社内全般にわたる規範意識の希薄性」、「ガバナンス(企業統治)態勢全般の機能不全」、「人事政策におけるコンプライアンス の位置付けの弱さ」が挙げられている。 規範意識については「現場レベルから経営レベルに至るまで社内全般にわたり、業務に潜在するさまざまなリスクに対する危機意識 が低い」と指摘。「利益を追求するあまり、法令を安易に都合よく解釈する姿勢もうかがえる」とも言及した。 売買管理部で適正な人材を欠いたり、恒常的に人員不足であったりしたほか、コンプライアンス関連部門では相場操縦を含む不公正 取引の懸念を察知できなかったことなどを挙げ、ガバナンス態勢は「全般において機能不全に陥っていたと言わざるを得ない」との見解を 示した。 再発防止策として、自己勘定取引の社内ルールを改めて策定するなどの業務運営の見直しやコンプライアンス面での貢献が人事評 価に適正に反映されるような仕組み作りなどを提言した。 郷原総合コンプライアンス法律事務所の郷原信郎弁護士は、今回の報告書について「違法性や犯罪に当たるといった認定をしていな いところが重要だ」と指摘したうえで、「刑事公判に影響を生じさせるような内容ではないと思う」と述べた。 また、今回の不祥事による業績への影響について、ブルームバーグ・インテリジェンスの田村晋一シニアアナリストは「法人分野で発 注回避が続いている可能性がある」などとして、他社と比べて弱い業績推移が「今期もズルズルと続きそうだ」との見方を示した。 一連の相場操縦事件では4月13日までに、法人としての同社と元副社長の佐藤俊弘被告、エクイティ部部長だった山田誠被告ら6人 が同法違反の罪で起訴された。今後、刑事裁判が開かれる。SMBC日興は3月初旬に調査委員会を設置、3人の弁護士が事実関係の 調査や必要な再発防止策の取りまとめを進めていた。 関連記事: SMBC日興報告書開示、不適切かつ不公正な行為-株価操作 SMBC日興、前期決算で約100億円のマイナス影響-相場操縦事件 監視委がSMBC日興と佐藤元副社長ら4人を告発-相場操縦容疑 日本株ADR24日、ほぼ全面高 三井住友FGと野村が上昇 2022/06/25 05:14 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=張間正義】24日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)はほぼ全面高だった。 同日の米株式相場が上昇し、日本株ADRにも買いが入った。三井住友FGや野村、オリックスが上昇した。 ソニーGとトヨタも高い。一方、キヤノンは小幅に下げた。 ADD4131円 米国債券10年利回り3.138%、(+0.068) SMBC日興の相場操縦事件 ガバナンス「異常な状況」 調査委報告 株価買い支え示唆、社長にメール 2022/06/25 日本経済新聞 朝刊 SMBC日興証券は24日、相場操縦事件を巡る調査委員会の報告書を公表した。投資家への株式の転売を成立させるために自己資金 を使った株価の買い支えについて、「人為的な価格形成の疑いを抱かせる行為と認めざるを得ない」と指摘し、ガバナンス(企業統治)の機 能不全を批判した。近藤雄一郎社長は同日の記者会見で「深刻な問題で抜本的に改善しないといけない。自身を含む社内処分などを適切 に対処する」と述べた。 SMBC日興は、企業の大株主から一括で株を買い取り別の投資家に転売する「ブロックオファー」取引を巡り、10銘柄に自己資金で大量 の買い注文を入れていた。東京地検特捜部はこれを金融商品取引法違反(相場操縦)罪にあたるとして、法人としての同社や元副社長ら を起訴している。 調査委は、SMBC日興が株価を買い支えすることで「(株価下落による)取引キャンセルを回避する意図があった」と指摘した。取引を成立 できれば今後も新規取引を受注でき、「会社の利益に貢献する行為だと自負する者もいた」という。 報告書によると、問題となった10銘柄のブロックオファー取引(1銘柄は最終的に中止)の販売金額は計407億円だった。SMBC日興が 得た差益は開示しなかった。 同社が株価を買い支えし、取引を成立させようとする強い姿勢も明らかになった。例えば、19年12月のある銘柄のブロックオファー取引で は、SMBC日興が株式市場の取引時間終了前の1時間で約30万株の買い注文を出した。取引執行日の出来高株数に対し、自己勘定取 引による買い株数の割合が約18%に達した。 焦点は経営責任だ。近藤社長については、元副社長から株価の買い支えを示唆するメールを受け取っていたことが明らかになった。賞与 方針を記した添付ファイルの中に、値崩れした時に自己ポジションを用いて価格をサポートする行為を「他部門への貢献事例」として扱う記 載があった。 近藤社長は24日の会見で「この(価格をサポートしたという)部分については記憶がない。(認識していたら)絶対にそれは止めていた」と 関与を否定した。調査委も近藤社長が、この記載を明確に認識していたとは認定しなかった。 調査委は20年まで社長を務めた清水喜彦氏の時代に、コンプライアンス部門を含むバックオフィスの人員を営業部門に移す配置換えが あったことにも言及した。また上場株の売買などで不正がないかどうかを確認する審査担当者も人手不足で、1人で1日に3000~5000 件を処理する場合もあり、社内の自己勘定取引を振り返る余裕がなかったという。 その上で調査委は「コンプライアンスへの配慮が十分であったか疑問が残る」と指摘した。報告書で「(証券取引等監視委員会の検査と いう)重大な契機においても不公正取引の懸念を察知できなかったのは、異常な状況と言わざるを得ない」としている。 SMBC日興は現在、ブロックオファー取引を停止している。今後は「問題点を検討して再開について慎重に考えていきたい。今の段階で 再開する可能性はない」(野津和博専務執行役員)。再発防止に自己資金での売買ルールの明確化など管理体制も強化する。 証券取引等監視委員会は3~4月に法人としてのSMBC日興や幹部らを東京地検に告発し、5月ごろに改めて同社の内部管理体制な どが適正だったかを調べるための立ち入り検査に着手した。ガバナンスの問題点を確認したうえで、今夏にも金融庁に行政処分を勧告する 見通しだ。 金融庁も同社の内部管理体制の甘さを厳しく見ている。監視委の勧告の結果を踏まえ、一部業務の停止も視野に行政処分を検討すると みられる。 SMBC日興社長、経営責任「はっきりさせたい」会見解説 2022/06/25 05:00 日経速報ニュース SMBC日興証券は24日、相場操縦事件を巡る調査委員会の報告書を公表した。報告書では問題となった取引を「不適切かつ不公正な 行為」などと指摘した。近藤雄一郎社長は24日記者会見し「深刻な問題で抜本的に改善しないといけない。自身を含む社内処分などを 適切に対処する」と述べた。近藤社長は記者会見で何を語ったのか。ポイント解説で振り返る。 経営責任「はっきりさせたい」 「報告書を精読して、三井住友フィナンシャルグループをはじめとするステークホルダー(利害関係者)と協議しながら、私自身も含めて責 任の所在をはっきりさせたい」 当局による行政処分も出る見通しだ。証券取引等監視委員会は3~4月に法人としてのSMBC日興や幹部らを東京地検に告発した。 5月ごろに改めて同社の立ち入り検査に着手し、今夏にも金融庁に行政処分を勧告する見通しだ。 金融庁も同社の内部管理体制の甘さを厳しく見ている。監視委の勧告の結果を踏まえ、一部業務の停止も視野に行政処分を検討する とみられる。SMBC日興は当局による処分をにらみながら、社内処分を検討するとみられる。 取引への関与「関与していない」 「関与はしていない。市場部門の報酬体系に興味があり、賞与の支給条件などの説明に対して『了解した』と返事をした。この(価格をサ ポートしたという)部分については記憶がない。(もし認識していたら)絶対に止めていた。しっかり最後までメールを見ておけばこのような ことは起きなかった」 調査委員会の報告書では近藤社長が相場操縦の罪に問われているブロックオファーという取引に関連したメールを受け取っていたこ とが明らかになった。記者会見では「関与はしていない」と否定した。調査委員会も近藤社長が、この記載を明確に認識していたとは認 定しなかった。 コンプライアンス人員「次回の異動で確保」 「(コンプライアンス部門と営業の)バランスがとれていたという認識ではない。売買管理が弱かったと言わざるを得ない。審査部門はいま 強化しているが、次回の異動までに人員を確保できればと考えている」 調査委員会は2020年まで社長を務めた清水喜彦氏の時代に、コンプライアンス部門を含むバックオフィスの人員を営業部門に移す配置 換えがあったことにも言及した。上場株の売買などで不正がないかどうかを確認する審査担当者が人手不足だったことも指摘した。 三井住友との関係「圧力や忖度なし」 野津和博専務執行役員「銀行からの圧力や忖度(そんたく)があったという認識はない。調査委員会からもそういった形の指摘はいただい ていないと認識している」 三井住友フィナンシャルグループは09年に米シティグループから現SMBC日興証券を買収した。近藤社長より前の社長は銀行の出身者 が務めてきた。銀行からの圧力があったのかという質問に対しては明確に否定した。 関連記事 SMBC日興の相場操縦事件、ガバナンス「異常な状況」 SMBC日興社長、相場操縦「深刻な問題」 SMBC日興社長、相場操縦「深刻な問題」 2022/06/24 23:25 日経速報ニュース SMBC日興証券は24日、相場操縦事件を巡り設置した調査委員会の報告書を公表し、近藤雄一郎社長が記者会見した。近藤社長は 「原因は非常に深刻で根深い問題と認識している」と述べ、「ガバナンス体制をいちから作り上げるつもりで、信頼回復に全力で取り組む 」と強調した。近藤社長らとの主なやりとりは次のとおり。 ――社長の責任、進退をどう考えているか。 近藤氏「報告書を精読して、三井住友フィナンシャルグループをはじめとするステークホルダー(利害関係者)と協議しながら、私自身も 含めて責任の所在をはっきりさせたい」 ――問題取引に社長は関与していたか。 「関与はしていない」 ――元副社長からの賞与の方針に関するメールに「値崩れした時に自己ポジションを用いて価格をサポート」する行為が「他部門への 貢献事例」として記載されていたことが明らかになった。ブロックオファー取引の対象銘柄の株価を買い支える行為を認識していたのでは ないか。 「市場部門の報酬体系に興味があり、賞与の支給条件などの説明に対して『了解した』と返事をした。この(価格をサポートしたという )部分については記憶がない。(もし認識していたら)絶対に止めていた。しっかり最後までメールを見ておけばこのようなことは起きなか った」 ――報告書を受けて気持ちに変化はあるか。足元どのような改善対応をしているか。 「このような事態を引き起こし、長きにわたって本件を発見できなかったことは真摯に受け止め反省している。社内調査でわかった事項 については、既に再発防止策を打っている」 「調査では第1線の各組織に加えて、2線、3線にも問題が確認されたことで会社全体に及ぶ厳しい指摘になったと認識している。ブロ ックオファー以外の業務にも生じうることが多く含まれていると推察する。潜在的リスクに見合った自己規律および体制整備などに早急に 取り組む必要がある」 「大半の社員は今回の事象を詳しく知らなかった。タウンホールミーティングなどで風通しのよい職場環境、ビジネス環境を作っていけ るように粘り強くやっていきたい。ゴールはない。変化するビジネス環境にあったコンプライアンス、内部管理体制を常に進化させていか なければいけない」 ――コンプライアンス部門の人員不足を指摘されたことについては。 「(コンプライアンス部門と営業の)バランスがとれていたという認識ではない。売買管理が弱かったと言わざるを得ない。審査部門はい ま強化しているが、次回の異動までに人員を確保できればと考えている」 ――三井住友銀行からの紹介の案件もあったという。銀行の顧客に損をさせられないという忖度(そんたく)が働いたことはないか。 野津和博専務執行役員「銀行からの圧力や忖度があったという認識はない。調査委員会からもそういった形の指摘はいただいていな いと認識している」 ――今後ブロックオファー取引を再開する可能性はあるか。 野津氏「今の段階で再開する可能性はない」 市場をゆがめたSMBC日興(社説) 2022/06/26 日本経済新聞 朝刊 元副社長や元エクイティ部長ら6人と法人が金融商品取引法違反罪で起訴された相場操縦事件について、SMBC日興証券は外部 弁護士の調査報告書を公表した。 報告書は「証券会社の市場における役割や責務にもとる不適切かつ不公正な行為」と認定した。市場をゆがめた不正を猛省し組織を 早急に立て直さなければ、存在意義もなくなると自覚すべきだ。 問題となったのは、大株主から株を買い取り、個人投資家に転売して差益を稼ぐ「ブロックオファー」と呼ぶ取引だ。同時に自己勘定で 大量の買いを入れ、人為的に株価を支えたと疑われている。 顧客の売買を審査し、公正な株価形成を促す立場である証券会社が自らルールを犯したとすれば、言語道断だ。大株主の売却で株 価が下がる中、報告書は株価下落による取引のキャンセルを回避する意図があったとみている。 報告書は社内全般に「利益を追求するあまり、法令を安易に都合よく解釈する姿勢もうかがえる」と指摘した。社員の再教育のほか、 人事評価や報酬制度が過度な収益重視へと走らせる要因になっていないか見直しが必要だ。 不正を察知できなかった社内チェックの機能不全も深刻だ。報告書は、売買審査部門の恒常的な人員不足を指摘した。内部管理は収 益部門と並ぶ重要な機能であると認識し、陣容を拡充すべきだ。 近藤雄一郎社長は記者会見で「関係者と協議しながら自身を含めた責任の所在をはっきりさせたい」と話した。SMBC日興は2012年 に元執行役員、18年に元社員がともにインサイダー取引への関与で逮捕された。度重なる不正を防げない経営陣の責任は極めて重く、 経営の刷新は必須だ。 SMBC日興に限らず、証券会社は不祥事を定期的に繰り返してきた。「貯蓄から投資へ」の掛け声とは裏腹に、市場の担い手の不正 が国民が投資に二の足を踏む大きな原因をつくっている。他の証券会社も、自らの行動や体制を点検する機会と考えてほしい。 金融DX、即戦力は争奪戦 改革の勢いそぐ銀行の論理-金融PLUS 金融グループ次長 藤川衛 2022/06/27 05:00 日経速報ニュース デジタルトランスフォーメーション(DX)は銀行にとっても経営の一丁目一番地だ。対象分野は業務フローから顧客向けサービスまで幅広 い。各銀行が悩んでいるのが人材の確保。即戦力採用は過熱し、行員を再教育する効果が出るには時間がかかる。すべてを完璧にやり きろうとする銀行の特性がDXのスピードをそぐ可能性がある。 23日にSBIホールディングスとの資本業務提携を発表した三井住友フィナンシャルグループ。中期経営計画では「グローバルソリューショ ンプロバイダー」を掲げている。三菱UFJフィナンシャル・グループも「世界が進むチカラになる。」というパーパス(存在意義)に「金融」や「銀 行」の文言を入れていない。各銀行はデジタルを使って銀行そのものを変革することを打ち出している。 人材育成「急がば回れ」 重要なのは人材の確保だ。大手行の採用担当者は「中途、新卒問わず、他業種との争奪戦状態。中途人材はスピード重視で動かないと 他社へ流れてしまう」と明かす。他の銀行の担当者は「採用したとしても定着率が悪い」と話す。 金融機関は顧客の資産といった情報を扱うためコンプライアンスをとりわけ重視する。デジタル人材はオープンでフラットな組織を好む傾向 があり、銀行の社風に堅苦しさを感じたり、働き方の自由度が低いと感じたりする人もいる。DXに明るくても金融機関のビジネスがわかる人 は極端に少ないという点も即戦力を一気に確保できない理由だ。 中途や新卒の採用と同時に大手行が力を入れているのが、リスキリング(学び直し)による行員の底上げだ。採用の状況を踏まえ「DX人 材の育成は急がば回れだ」と話すメガバンク幹部もいる。 必ずしもプログラミングを理解できる必要はなく、デジタルの素養を身に付けることを第一のステップとしている。通勤などの隙間時間に業 務用のスマートフォンで見られる動画コンテンツを用意するなど工夫を凝らす。 三井住友銀行では2016年に「デジタルユニバーシティ」を設置し、グループの従業員5万人を対象に教育を始めている。ワークショップでは 企業が抱える課題を引き出し、DXによる業務改革提案やビジネスモデルの構想までを疑似体験する。「金融取引のない企業からデジタル の相談がきて、取引が始まった例もある」(システム統括部)といい、成果も出てきているという。 専門人材の育成にも力を入れる。例えば、三菱UFJが中堅の行員を指名して行う研修では、参加者は模擬ビジネスでDXを企画したり、シ ステムを設計したりする。内容は実践的で、その後は新規事業の企画やDX関連の案件に携わることを想定している。みずほフィナンシャル グループは外部IT企業への業務出向やテック系大学院の留学などで専門性を高めるプログラムを用意している。三井住友も専門人材は大 学院などでの研修を実施している。 スピード見劣り 銀行の論理や事情を優先してDXを進めようとすると、改革のスピードをそいでしまう可能性がある。参考になるのが、りそなホールディン グスのオープンイノベーション拠点「りそなガレージ」だ。アプリの開発では協力するチームラボ(東京・千代田)や日本IBMのメンバーも席を 並べ、座席を固定せず自由な場所で作業する。 大きな組織ではなく、小さな単位のチームで実装と開発を繰り返すことで、開発期間を短縮する。川辺秀文DX企画部長は「ポイントは顧 客情報は扱わず、コストの議論は一切しないこと」と話す。 日本の金融機関は、米銀に比べるとデジタル化のスピードで見劣りする。米銀は非効率な業務をいち早く切り離し、デジタル化を進める部 分を明確にしてきた。これが改革のスピードを生んでいる。 IT投資の額も米銀が毎年1兆円かけるのに対して、メガバンクは年間2000億円弱だ。日本はシステムの保守・管理が中心で、サービス開 発に回す投資額が小さい。人材の確保とIT投資の両面で出遅れている。 経済産業省が出したリポートによると、デジタル人材は30年に79万人不足すると懸念されている。金融ビジネスにもデジタルにも精通する 人材は少ないのが現状だ。システム会社も含めた外部を活用し、イノベーションを生むチームづくりや環境をつくりながら進めていくのが現実 解となる。ともすると、銀行のDX戦略は総花的なものになりがち。経営者の戦略策定力とマネジメント力がDXの成否を左右する。 2022年06月27日09時08分 三菱UFJ、第一生命HDなど堅調、ストレステスト結果を受けた米金融株高に追随 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>などメガバンクや第一生命ホールディングス<8750>など大手生保株が揃って堅調な値動き をみせている。 前週末の米国株市場ではゴールドマン・サックス<GS>が5.8%高に買われたのをはじめ大手金融株が軒並み大きく株価を上昇させ た。FRBが公開したストレステストの結果は、すべての銀行が不況時にも最低限必要な自己資本を維持できるとの判断で、これが株式 市場で好感される格好となった。米長期金利はひと頃と比べ上昇に歯止めがかかっているものの、先高期待は根強く、引き続き運用環 境改善に向けた期待も株高を後押ししている。 東京市場でも米国事業を手掛けるメガバンクや大手生保は、この流れに乗る銘柄として投資資金を引き寄せている。 日本株ADR27日、売り優勢 ホンダとトヨタが2%安 2022/06/28 05:10 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=古江敦子】27日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は売り優勢だった。 同日の米株式相場が下落し、日本株ADRに売りが波及した。ホンダとトヨタが2%下落した。 ソニーGと野村、みずほFGの下げも目立った。一方、武田とキヤノンは上昇した。 ADD4083円 米国債券10年利回り3.202%、(+0.078) 国債、日銀の保有5割超す 金利抑制で広がる矛盾-【イブニングスクープ】 2022/06/28 05:08 日経速報ニュース 日銀による国債の保有割合が5割を超えて過去最大となった。海外発の金利上昇圧力を受け、長期金利を抑え込むための日銀の国債 購入が急増したためだ。中央銀行が発行済みの国債の過半を買い占める異常事態となっている。金利の逆転などゆがみは深まり、市場 本来の機能が働きにくい。日銀の政策が歴史的な円安を誘い、それが物価高を呼ぶ矛盾にも直面、緩和長期化の副作用が広がりつつある。 【関連記事】日銀、国債に含み損の恐れ 決定会合前の金利上昇圧力で 日銀は長期金利の上限を0.25%程度に抑える方針に沿って国債を無制限に買い入れている。米欧の長期金利上昇で日本でも金利に上 昇圧力がかかっており、日銀は金利を抑え込むために大量の国債買いを余儀なくされている。6月の購入額はすでに14.8兆円と2014年 11月の11.1兆円を抜いて最大となった。月末には15.9兆円に達する見通しだ。 QUICKの6月27日時点のデータによると、短期国債を除く国債の発行残高は1021.1兆円、日銀の保有額は514.9兆円(20日時点、額面 べース)だった。日銀の保有割合は50.4%と21年2~3月の50.0%を超えて最大となった。黒田東彦総裁が大規模緩和を開始した13年の保 有割合は1割台だったが、緩和の長期化とともに膨らみ続けてきた。 日本経済研究センターの試算では、日銀が長期金利を0.25%に抑え続けるには国債の保有残高を3月末の500兆円から120兆円増やす 必要がある。保有割合が6割を超えるシナリオも現実味を帯びる。 日銀の買い入れは特定の国債に集中している。長期金利の指標となる新発10年物国債は87.6%を日銀が抱え込む。金利は年限が長い ほど高くなるのが一般的だが、日銀が10年債の利回りに的を絞って金利を抑え込んでいるため、残存7~9年の国債利回りが10年債より も高くなる金利の逆転現象が起きている。 6月には日銀が上限とする0.25%を超える利回りでの取引も発生した。これは日銀が買うと約束しているよりも安い価格で国債が売買され ている状態だ。日銀が長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)と呼ばれる現在の金利抑制策を早晩維持できなくなると、市場参加者 が予想していることを意味する。 海外中銀と比べた日銀の突出ぶりも目立つ。米連邦準備理事会(FRB)は3月末時点の国債の保有割合が2割台で、6月から国債などの 保有資産を減らす量的引き締め(QT)を始めた。欧州中央銀行(ECB)は足元で3割台にとどまる。 日本と米欧の金利差の拡大で円安が進みやすくなっている。円相場は6月に一時、24年ぶりの安値となる1ドル=136円台まで下落した。 円安は資源高も重なって物価を押し上げている。 日銀が国債保有を増やす裏側で、民間金融機関による保有は減少している。3月末時点で銀行などの預金取扱機関の保有比率は11. 4%、保険・年金基金は23.2%だ。長期金利が上昇(国債価格が下落)して損失が発生するリスクを、日銀が一手に引き受けている構図とも いえる。 3メガ銀は合計で70兆円超の国債を保有する。傘下行の平均年限は三菱UFJフィナンシャル・グループが2.8年(満期保有目的を含む)、 三井住友フィナンシャルグループが2.8年(円建て債券など含む)、みずほフィナンシャルグループが1.2年。近年は金利上昇に備え、短い 年限を中心に運用してきた。 日銀が国債の半分を保有する状況は財政規律を緩ませ、中央銀行による財政赤字の穴埋めとも受け取られかねない。政府は日銀依 存から抜け出すため、経済成長を促す改革に正面から取り組む必要がある。企業も金融緩和に頼らずに収益力を高めることが求められる。 【関連記事】 ・円安、国債の売りと連鎖 日銀の動き見透かす投機筋 ・不動の日銀、政策修正の条件は? 「急激な円安」の見方 3メガ、含み損1.7兆円の衝撃 米金利上昇で-米債ショック 国内金融への波紋㊤ 2022/06/28 05:00 日経速報ニュース 海外金利の歴史的な急上昇(債券価格は急低下)で、国内金融機関の運用戦略に誤算が生じている。大手行の外国債券含み損は3月 時点で1兆7000億円を超え、売却損も出た。3メガバンクは米トランプ大統領就任をはさみ金利が急騰した2017年3月期に一時傷を負った が、それと比べても6.5倍の巨額含み損だ。有価証券全体で含み益を確保しているものの、自己資本に影を落とすリスクを抱えている。 「メガバンクの外債の含み損は足元でいくらか。損出しはするのか」。海外のヘッジファンドから証券会社に問い合わせが増えている。メガ が保有する債券の価値は大きく下がり、次の一手に市場関係者の注目が集まっている。 メガの運用担当者は「これまでになく厳しい年だ」と口々に言う。海外金融大手も「ハリケーンが来る」(JPモルガンのジェイミー・ダイモン 最高経営責任者)とインフレと金利上昇に警戒感を示す。 米国で物価の急上昇が始まった21年中ごろから、メガは利上げへの備えを始めていた。三井住友フィナンシャルグループ(FG)と三菱UF JFGの22年3月の外債の平均残存年数は1年前よりも伸びている。利上げで損失が広がりやすい短い年限の米国債を手放し、長い年限の 国債に振り替えたとみられる。 3月時点の外債含み損は3メガバンク合計1兆7000億円以上まで膨らんだ。含み損は売却しなければ損失が表面化しないが、回復の見 込みが乏しければ損失処理を迫られる。今は株式での含み益が6兆4000億円程度あり、全体での健全性は保たれている。 米5年債や10年債など長期の利回り急騰は想定外だった。3~4月の10年債利回り上昇幅は1.1%超。2カ月間の上昇幅としては1985年 5月以降で最大だ。超長期債や住宅ローン担保証券(MBS)の残高を圧縮する方針を21年夏ごろに決めたみずほFGの含み損拡大幅は、 三菱UFJや三井住友よりも小さい。 りそなホールディングスは1~3月期で550億円の売却損を計上した。同社は新型コロナウイルスが拡大した20年に経済の長期低迷を見 込んで、低い利回りの債券を主体とする資産構成としていた。その後のインフレと金利上昇で調達コストが運用収益を上回るリスクが強ま った。南昌宏社長は「逆ざやで持ち続けるよりも、資産を入れ替えて将来の柔軟性を確保した」と話す。 一方、3メガバンクは今のところ、含み損圧縮のために巨額の売却損を計上する動きはない。三菱UFJFGの米花哲也最高財務責任者は 「22年度は従来に比べると抑制的気味の計画にしている」と話す。他行も「ポジションを落としてリスクを抑える」と話す。 みずほ銀行の津田礼爾国際証券投資部長は「相場の環境を慎重に見ながら、利回りの高いアセットを仕込んでおく。金利が低下に転じ た時が売却で利益を出せるチャンスだ」と話す。別の担当者は「(米債への投資は)リスクフリーで3%近くの金利を取れるとするとこんなに 良い機会はない」と話す。 もっとも高い金利は調達コストとの見合いもある。邦銀は外債投資するためのドルを市場で調達するケースが多い。一般的なのは国債を 担保に短期資金をやりとりする「レポ取引」だ。利上げに伴ってドルの調達金利も上昇傾向にあり、逆ざやにならないようするには運用で求 められる利回りが上昇する。貴重な収益源だった外債運用は岐路に立っている。 有価証券運用がやっかいなのは金融当局が課している自己資本比率規制との関係だ。 3メガバンクが運用目的で保有する「その他有価証券全体」は5兆円を超す含み益。外債の含み損はその一部で、株高の恩恵により含み 損を補ってあまりある相殺効果をもたらしている。 ただ、米リーマン・ショック直後の09年3月期決算は全体で含み損に転落した。国際的に活動するメガバンクは有価証券運用全体で含み 損に転落すれば自己資本が目減りするルールだ。 外債で巨額の含み損を抱えている現実はひとたび市場が危機的状況に陥ればリーマン直後の状況が再現されかねない不安定さを映し 出しているとも言える。 三井住友FG、SMBC日興の管理態勢検証へー自社株買い現状見送り https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-06-28/RE5U7YT1UM0W01 2022年6月28日 11:16 JST 三井住友フィナンシャルグループは28日、傘下のSMBC日興証券による金融商品取引法違反(相場操縦)事件を受けて、同証に対する 経営管理態勢の課題を真摯(しんし)に検証するとの考えを公表した。 29日に開催予定の株主総会に先立ち、事前質問などでの関心の高い項目について、株主に向け書面で回答した。昨年11月に公表 した1000億円を上限とする自社株買いについては、SMBC日興による金商法違反の疑いを理由に、現時点では買い付けを見送ってい るとし、引き続き機動的な自社株買い実施を検討するとした。 自社株買いに関してブルームバーグ・インテリジェンスの田村晋一シニアアナリストは27日付のリポートで、SMBC日興に対して今後 、内部管理態勢不備についての行政処分が出される可能性があると指摘した上で、処分が出れば親会社である三井住友FGの自社株 取得の行使が始まる可能性もあるとの見方を示した。 また、三井住友FGは、取締役候補者の選任について、指名委員会で客観的かつ公平に審議しており、グループの発展に貢献できる 人材を人物本位で登用しているなどと説明した。米議決権行使助言会社グラスルイスは、SMBC日興事件を受け、一部候補者に対して 反対を推奨している。 関連記事 SMBC日興事件、調査委が不公正と認定-社長宛てメールも判明 三井住友FGの一部取締役再任に反対推奨、証券不祥事で-米助言会社 2022年06月28日09時13分 メガバンクが頑強な値動き、米10年債利回りが再び3.2%台に 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411>の メガバンク3社は売り買い交錯も頑強な値動きを示している。米国ではFRBによる金融引き締め強化に対する思惑が根強いなか 足もとでは再び米長期金利が上昇傾向を示している。 前日終値ベースで10年債利回りは3.2%台に乗せており、米国事業を展開するメガバンクにとって、運用利ザヤの拡大期待が 株価にはポジティブ材料として働く。また、配当利回りが高いことも特長で、三菱UFJは4.3%強、三井住友FGは5.4%前後、 みずほFGは5.2%強といずれも高水準で、下値ではインカムゲイン狙いの買いも誘導されやすい。 革新機構がSMBC日興をFAに起用、東芝買収を検討=関係筋 [東京/香港 28日 ロイター] - 東芝に買収提案することを検討している官民ファンドの産業革新投資機構(JIC)が、SMBC日興証券 を金融アドバイザー(FA)に起用したことが分かった。事情に詳しい2人がロイターに明らかにした。 JICが自ら連合を作って参画を呼びかけるのか、海外ファンドと組むのかは現時点で明らかになっていないが、同関係者らによると、JICは 資金調達を試みている。 複数の関係者によると、SMBC日興は一時期、東芝のFA候補の1社だったが、元幹部らによる相場操縦事件の影響で実現しなかった。 ロイターはJICにコメントを求めたが、回答を控えた。SMBC日興は、個別の案件にはコメントしないとしている。東芝は、公募した提案の詳 細は開示していないと回答した。 東芝が5月末に締め切った経営再建策の募集には10件の1次提案があり、うち8件が非上場化に関する案で、残りの2件は上場維持を 前提とした資本業務提携に関する案だった。 複数の海外ファンドが1次提案を出したほか、JICを含め日本のファンドも参画を検討している。複数のファンドが連合を組む可能性もある という。事情に詳しい複数の関係者によると、海外ファンドのうち、少なくとも1社が最大1株7000円で買収を検討している。 東芝が28日に開いた定時株主総会では、「物言う株主」の幹部2人を含め、同社が提案した取締役候補13人の選任案が可決された。 東芝は3月に開いた臨時株主総会で、会社分割による経営再建案を諮ったが否決された。独立系アナリストのトラビス・ランディ氏は「会 社が進めてきた分割案を株主は拒否した。経営陣は大株主が求める『非上場化』を選ぶしかないだろう」と分析する。 日本株ADR28日、売り優勢 ソニーGや武田が下落 2022/06/29 05:22 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川上純平】28日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は売り優勢だった。 米ダウ工業株30種平均が下落し、日本株ADRも売られた。ソニーGや武田、キヤノンが下落した。ホンダとトヨタは上昇した。 ADD4105円 米国債券10年利回り3.175%、(-0.019) 米債ショック国内金融への波紋(上) 3メガ銀、外債含み損4.7倍 米金利上昇で急増 長期債シフトも及ばず 2022/06/29 日本経済新聞 朝刊 海外金利の歴史的な急上昇(債券価格は急低下)で、国内金融機関の運用戦略に誤算が生じている。3メガバンクの外国債券含み損 は3月時点で1兆7000億円を超え、2021年末比4.7倍に急増。前回の金利上昇局面(2017年3月期)と比べても6.5倍だ。有価 証券全体で含み益を確保しているものの、自己資本に影を落とすリスクもある。 「メガバンクの外債の含み損は足元でいくらか。損出しはするのか」。海外のヘッジファンドから証券会社に問い合わせが増えている。 メガが保有する債券の価値は大きく下がり、次の一手に市場関係者の注目が集まっている。 「ハリケーンはすぐそこにある」。JPモルガンのジェイミー・ダイモン最高経営責任者は6月の投資家向け説明会でこう警鐘を鳴らした。 予想以上のインフレと急ピッチに進む金融引き締めが経済の混乱を引き起こすのではないか。メガの運用担当者も「これまでになく厳しい 年だ」と口々に言う。 米国で物価の急上昇が始まった21年中ごろから、メガは利上げへ備え始めていた。三井住友フィナンシャルグループ(FG)と三菱UF JFGの22年3月の外債の平均残存年数は1年前よりも伸びている。利上げで損失が広がりやすい短い年限の米国債を手放し、長い年 限の国債に振り替えたとみられる。 各行とも金利上昇リスクに備えヘッジを掛けており、例えば、みずほFGの場合、4142億円の含み損は実質的に2789億円の負担で 済んでいる。 3月時点の外債含み損は3メガバンク合計1兆7000億円以上まで膨らんだ。含み損は売却しなければ損失が表面化しないが、回復 の見込みが乏しければ損失処理を迫られる。 米5年債や10年債など長期の利回り急騰は想定外だった。3~4月の10年債利回り上昇幅は1.1%超。2カ月間の上昇幅としては 1985年5月以降最大だ。超長期債や住宅ローン担保証券(MBS)の残高を圧縮する方針を21年夏ごろに決めたみずほFGの含み損 拡大幅は、三菱UFJや三井住友よりも小さい。 りそなホールディングスは1~3月期で550億円の売却損を計上した。新型コロナウイルスが拡大した20年に経済の長期低迷を見込 んで、低い利回りの債券を主体に切り替えていた。その後のインフレと金利上昇で調達コストが運用収益を上回るリスクが強まった。 南昌宏社長は「逆ざやで持ち続けるよりも、資産を入れ替えて将来の柔軟性を確保した」と話す。 一方、3メガバンクには今のところ、巨額の売却損を計上する動きはない。三菱UFJの米花哲也最高財務責任者は「22年度は従来に 比べると抑制気味の計画にしている」。他行も「ポジションを落としてリスクを抑える」と言う。 みずほ銀行の津田礼爾国際証券投資部長は「相場の環境を慎重に見ながら、利回りの高いアセットを仕込んでおく。金利が低下に転 じた時が売却で利益を出せるチャンスだ」と話す。別の担当者は「(米債への投資は)リスクフリーで3%近くの金利を取れるとするとこん なに良い機会はない」と見る。 もっとも高い金利は調達コストとの見合いもある。邦銀は外債投資するためのドルを市場で調達するケースが多い。一般的なのは国債 を担保に短期資金をやりとりする「レポ取引」だ。利上げに伴ってドルの調達金利も上昇傾向にあり、逆ざやにならないようにするには運 用で求められる利回りが上昇する。貴重な収益源だった外債運用は岐路に立っている。 有価証券運用がやっかいなのは金融当局が課している自己資本比率規制との関係だ。 3メガバンクが運用目的で保有する有価証券は全体で5兆円を超す含み益。株式の含み益が6兆4000億円程度あり、外債の含み損 を相殺した。国際的に活動するメガバンクは有価証券運用全体で含み損に転落しなければ自己資本は目減りしないが、転落すれば自己 資本が目減りするルールだ。 米リーマン・ショック直後の09年3月期決算は全体で含み損に転落した。今のところ健全性を脅かす状態ではないが、不安定さを無視 できる状況ではなくなりつつある。 日本株ADR29日、ほぼ全面安 キヤノンの下げ目立つ 2022/06/30 05:19 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=戸部実華】29日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)はほぼ全面安だった。 同日の東京株式市場で日経平均株価が下落し、日本株ADRも売られた。キヤノンが3%強下げた。 野村やホンダ、三井住友FGも安い。一方、ソニーGは上昇した。 ADD4071円 米国債券10年利回り3.091%、(-0.116) SBI社長「証券・銀行の再編促す」 三井住友と資本提携で 2022/06/30 日本経済新聞 朝刊 SBIホールディングスは29日、都内で定時株主総会と経営近況報告会を開いた。北尾吉孝社長は三井住友フィナンシャルグループと の資本業務提携を巡り「証券・銀行の両業界の再編を促す。SBIと三井住友という巨大グループで革新的な技術や商品を導入し、資産 形成の拡大に貢献していく」と述べた。 北尾氏は「三井住友を新たに準メインバンクに位置づけた」と明言した。メインバンクのみずほ銀行、共同出資でネット銀行を手がける 三井住友信託銀行、主幹事証券の大和証券などに言及したうえで「万全の資金調達体制を構築した。これから国内外で積極的にM& A(合併・買収)を進める」と語った。 米債ショック 国内金融への波紋(中)有価証券含み益3割減 地銀、運用体制の不備露呈 2022/06/30 日本経済新聞 朝刊 「足元の地銀経営にとって、与信管理よりも有価証券のリスク管理の方が明らかに重要」。金融庁の複数の幹部はこう口をそろえる。 全国地方銀行協会との定例意見交換会でも繰り返しアラートを発信し続けてきたが、その後も米金利の上昇が加速したことで警戒感 は一段と高まった。 「適切な運用方針と経営体力に見合ったリスク管理になっているか」。懸念が残る銀行とは個別に対話する考えだ。 地銀協が発表した2022年3月期の決算(62行ベース)では、株式等関係益と米国債や日本国債など国債等債券関係損の差額は 159億円の損失だった。損失が出たのはリーマン・ショックが発生した09年3月期(約7000億円の損失)以来となる。 地銀99行の株式や債券などその他有価証券の含み益も、22年3月期は計3兆9000億円と21年3月期に比べ3割減少。含み損 を抱えたのは10行以上にのぼり、計800億円に達した。含み益が50億円以下の銀行も20を超える。 地銀が有価証券運用に力を入れ始めた背景にあるのが、日銀のマイナス金利政策だ。貸出業務や国債の運用で利益が出しづらく なった状況を補うために、比較的リスクの低い外債などの運用に拍車がかかった。適切な人材の確保やリスク管理体制の構築ができ ていない銀行も少なからず存在し、海外金利の変動でリスクが顕在化した。 「ここまでのペースで米金利が上昇するとは予想できなかった」と話す地銀関係者は多い。4月以降の市場変動で有価証券の運用 状況は悪化した可能性が高い。経営体力に見合わないリスクを抱え込んだ地銀は、損失が膨らむ外債を塩漬けにして徐々に身動き が取れなくなる恐れがある。 有価証券の含み益は「貯金箱」のような存在といえ、ゼロやマイナスの状態では余剰資金が捻出できない。含み損は財務上の自己 資本比率を下げるため、リスクを取る余力も失う。 日銀がマイナス金利を導入した後の17年3月期以降、資本の蓄積ができず国内基準行の自己資本比率は10%を下回り続けてい る。いまだ高水準だが、中長期的には経営の持続性に黄信号をともす要因となりかねない。 率先して手を打ったのが、山口フィナンシャルグループだ。22年3月期は含み損を抱える有価証券の売却で最終赤字となったが、 取締役会の諮問機関として「リスク委員会」を設置し、第三者の客観的な意見をリスク管理に反映させる。他に横浜銀行なども損失 を抱えた有価証券を売却し態勢を立て直した。 一方、その他有価証券で3月末に154億円の含み損を抱える栃木銀行の黒本淳之介頭取は、16日の第二地方銀行協会の会見 で「金利上昇に対応するヘッジ手段を講じながらポートフォリオの入れ替えを図っている」と説明した。 新型コロナウイルス禍や物価上昇への顧客支援では今後、資本面での対応など銀行には踏み込んだ判断が求められる。だが、多 額の塩漬け債券を抱えたままでは取れるリスクが限られる。 米S&Pグローバルの吉沢亮二氏は「事態の打開にはリストラを含む抜本的なコスト削減か、公的資金を含む増資ぐらいしか現実的 な選択肢はなくなってくる」と指摘。袋小路に入り込む地銀が今後出てきかねない。 「株主還元ありき」にそっぽ――投資家、資本戦略を注視(スクランブル) 2022/06/30 日本経済新聞 朝刊 企業の株主還元に対する投資家の目が厳しくなっている。配当や自社株買いを増やしても株価がさえない企業も多い。投資家が評価軸 の一つとするのが、企業価値を高めるための資本戦略が背景にあるかどうかだ。投資と還元を両立するのか、どちらかに比重を置くのか。 単なる「株主還元」では株高は持続しにくい。 「株主還元の引き上げすなわち高評価ではない」。長期投資を手がける英領バミューダのオービス・インベストメンツの時国司・日本法人 社長は話す。「企業によっては資金を従業員に回すのがいいかもしれないし、キャッシュで持つのがいいかもしれない」とし、最適な資本配 分であるかどうかが重要だという。 業績回復で利益と手元資金が積み上がり、企業は株主還元の姿勢を強めている。2023年3月期の日本企業の配当総額は過去最高 を更新する見通しで、4~5月に設定された自社株買い枠の総額は16年ぶりの高水準となった。 だが市場の反応は一様ではない。4~5月に増配や自社株買いを発表した3月期企業の株価について、発表から現在までの日経平均 株価との相対騰落率をみると、日立製作所は9%高く、セイコーホールディングスも36%高い一方、ベネッセホールディングス(9%安)な ど低調な企業も目立つ。全体の45%が日経平均を下回る。 評価を分けているのが、オービスの時国氏が指摘するようなよく練られた資本戦略や成長戦略が背景にあるかどうかだ。 野村証券の立中駿太クオンツストラテジストは10年4月~22年5月下旬に発表された自社株買いの適時開示に書かれた実施理由を 分類し、それぞれの株価推移を分析した。結果は「株主還元」を理由とした企業は株高が持続しなかったのに対し、「企業価値」や「資本 効率」「経営計画」などに言及した企業の株価は上昇基調が続いた。 もちろん、言及するだけではなく開示や対話で説得力のある資本戦略を示すことが株高持続のために重要だ。例えば4月に自社株買 いを発表した日立。中期経営計画では成長投資・株主還元の比率や原資に加え、投資の判断基準や自己資本と負債のバランスも定量 的に示す。「成長と株主還元の両立が見込め、無理がなく妥当性もある」(国内証券) 配当も同様だ。日本企業の配当性向は30%前後に集中する。みさき投資の中神康議社長は「米国では成長投資を優先して無配の企 業も多い。他社と横並びの水準ではなく、自社の投資戦略などを踏まえて株主還元を決めることが重要」と話す。 資本方針を示せなければ「投資家は企業の経営を支持できなくなる」(あずさ監査法人の土屋大輔ディレクター)。経営戦略の分析など を手掛けるククレブ・アドバイザーズによると、22年に中計を発表した主要企業約700社のうち、「資本配分」や「最適資本構成」など資本 戦略に言及したのは66社。近年は増加傾向だが、なお全体の1割にとどまる。 ある国内運用会社のファンドマネジャーは「株主還元の根拠が見えない会社には対話で指摘している」と話す。東証の市場再編や企業 統治改革の進展などを経て、企業価値の向上や資本コスト経営がこれまで以上に求められている。戦略性の薄い株主還元は今後ますま す評価を得にくくなる。 日本株ADR30日 売り優勢、オリックスやソニーGが下落 2022/07/01 05:12 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=横内理恵】6月30日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は売り優勢だった。 同日の日米株式相場が下落し、日本株のADRにも売りが広がった。オリックスとソニーGが2%下落。 三菱UFJや三井住友FGなど銀行も下げた。ホンダとトヨタも安い。一方、武田は上げた。 ADD4004円 米国債券10年利回り3.017%、(-0.076) 日本株ADR1日、ほぼ全面高 みずほFGなど銀行が上昇 2022/07/02 05:22 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川上純平】1日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)はほぼ全面高だった。 同日の米株式市場でダウ工業株30種平均が上昇し、日本株ADRも買われた。 みずほFGや三菱UFJなど銀行のほか、野村とキヤノンも買われた。一方、ソニーGは小安い。 ADD4051円 米国債券10年利回り2.889%、(-0.085) 銀行・証券の情報共有規制「本気で変える」 全銀協会長 2022/07/05 日本経済新聞 朝刊 全国銀行協会の半沢淳一会長(三菱UFJ銀行頭取)は日本経済新聞のインタビューで、同じ金融グループの銀行と証券会社が取引先 の非公開情報を共有することに制約を課す「ファイアウオール規制」で一段の緩和を求める考えを示した。中堅・中小企業や個人にも対象 が広がれば、円滑な事業承継や貯蓄から資産形成への流れを後押ししやすくなると語った。 半沢氏は1日付で全銀協の会長に就いた。 同規制は6月下旬から、大企業を対象に情報を共有する際の手続きが簡素化された。金融庁の審議会でさらなる緩和が必要か議論さ れることになっているが、野村証券や大和証券といった独立系の証券会社が反対している。 半沢氏は「(残された規制を)本気で変えにいく」と強調。「顧客に良い提案をしようと思えば双方の情報を持っていたほうが絶対に良く なる」と語った。 米債ショック 国内金融への波紋(下)外債ヘッジコスト8倍 生保、実質利回りマイナスも 2022/07/05 日本経済新聞 朝刊 「市場の動きが速すぎる」。米長期金利の急上昇など相場の変動を受け、日本生命保険が対応策の協議を始めた。運用計画の前提と なる市場見通しは、ドル円の為替レートで112~134円。6月29日には一時1ドル=137円を超える水準まで円安が進み、第一生命 保険もレンジ幅の見直しを検討している。 両社に限らず、行き過ぎた円安は年度末にかけて修正されていくとの見方が根強かった。想定を上回る円安が続いていることを踏まえ 、日本生命財務企画部の小坂悠・担当課長は「すぐに円高へ振れる蓋然性は低くなってきた」と話す。 巨額の資金を運用する担当者を最も悩ませるのが、為替リスクをヘッジ(回避)するコストの上昇だ。米ドル建てを中心とする外国債券 への投資にあたり、ヘッジコストの水準は決定的な要因となる。昨年末の時点で0.33%だった3カ月物のコストは、わずか半年間で8 倍の2.64%まで急上昇した。 ヘッジコストは異なる通貨間の金利差で決まるため、利上げを急ぐ米連邦準備理事会(FRB)と金融緩和を続ける日銀の構図が変わら ない限り、一方向へ傾きやすい。米ドル建ての利回りが高くても、コストを考慮すれば投資の妙味はとたんに薄れてしまう。ある担当者は 「過去に買い入れた米国債も足元のコストで計算すると水につかりかねない」と打ち明ける。実質的な利回りがマイナスになる事態だ。 長引く日本の低金利を受け、各社は米債を中心とした外国証券に資金を振り向けてきた。生命保険協会によると、今年3月末時点で加 盟42社が保有する外国証券は111兆円と4年間で25%増えた。日本国債(10%増)や社債(4%増)を上回る伸びだ。「これだけの勢 いでヘッジコストが上がると損失も覚悟で米債を売却しなければいけなくなる」(運用担当者)という。 一部の生命保険会社では運用資産の入れ替えで、ユーロ圏に資金を振り向けようとする動きもあった。だが欧州中央銀行(ECB)は 月内に11年ぶりとなる利上げに踏み切る見通し。ここでも日本との金利差が広がり、今度は対ユーロでもヘッジコストの上昇が避けられ そうにない。 日本の20年、30年物国債も0.8~1.0%程度で、契約者に約束した平均予定利率の2%前後に届かない。そのためプライベートエ クイティ・ファンドや不動産など、伝統的な株式や債券とは値動きが異なるオルタナティブ(代替)資産に人気が集中。「証券化商品など 優良チケットが回ってはくるものの、受け皿としての絶対額が足りない」との声も出始めた。 米長期金利の急上昇(債券価格は急落)でも含み益を保つ各社の財務状況にいまのところ揺らぎはない。それでも担当者が「資金は 行き場をなくしている」と嘆く現状には手詰まり感も漂っている。 日本株ADR5日、売り優勢 ホンダとキヤノンが下落 2022/07/06 05:18 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=戸部実華】5日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は売りが優勢だった。 米株式市場でダウ工業株30種平均が反落し、日本株ADRも売られやすかった。 ホンダとキヤノンの下げが目立ち、ソニーGと三菱UFJも下落した。 一方、武田とみずほFGは上昇した。 ADD4055円 米国債券10年利回り2.807%、(-0.097) 2022年07月06日13時20分 三菱UFJなどメガバンクは安い、米長期金利低下で利ザヤ縮小を警戒 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>や三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411>といった メガバンクが安い。三菱UFJは一時、前日に比べ4%超安に売られた。 5日のニューヨーク市場で、米10年債利回りは前の日に比べ0.080%低下の2.812%となった。世界的な景気後退懸念が高まる なか、米国債に買いが入り長期金利は低下した。この金利低下に伴う利ザヤ縮小懸念からJPモルガン<JPM>やバンカメ<BAC>といった 米銀行株が下落しており、日本でも三菱UFJなどメガバンクに売りが先行している。 日本株ADR6日、売り優勢 銀行の下げ目立つ 2022/07/07 05:22 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川上純平】6日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は売り優勢だった。 日経平均株価が下落し、日本株ADRも売られた。三菱UFJや三井住友FGなど銀行の下げが目立った。 ADD3989円 米国債券10年利回り2.932%、(+0.121) デビットカード、銀行の新たな収益源に 大手3行の昨年度発行140万枚 若者に的、クレカ逆転 2022/07/07 日本経済新聞 朝刊 銀行がデビットカードに力を入れている。まとめて後払いで引き落とすクレジットカードと違い、デビットは使ったその場で銀行口座から引き 落とし、即時払いの安心感から注目を集める。キャッシュレス決済は広がるものの、クレカの新規発行は伸び悩み、銀行はデビットを新たな 収益源と捉える。三井住友、みずほ、りそなの3大手行の2021年度の新規発行は計140万枚規模とクレカを逆転している。 22年4月に成人年齢が引き下げられ、若いうちから家計を意識するよう金融教育なども盛んになっている。銀行は18歳未満でも持てるデ ビットカードを若年層との日常的な接点のひとつとして戦略を強化している側面がある。デビットはクレカと違い審査が不要で、現金を持たず に高額決済もできる。 みずほ銀行は7月中旬以降、デビット機能とキャッシュカードが1枚になった一体型カードの取り扱いを始める。同行はデビットの取り扱いを 17年に始めており、今回利便性を一段と高める。決済アプリ「みずほウォレット」に登録すれば、スマートフォンを決済端末にタッチするだけで デビット決済できる機能も追加する。 デビットカードは銀行にとって、現金志向の人を囲い込む選択肢の一つだ。口座開設の際、同時にクレカの発行も案内するが、後払いに抵 抗感がある人やクレカの審査に通らない人もいる。そういった層にデビットを選んでもらえば決済の指定口座として頻繁な取引が見込め、加 盟店から手数料収入も得られる。みずほでは取り扱い開始以降デビットの収益は拡大を続け、21年度は前年度比2割超の伸びとなった。 三井住友銀行は22年6月、SMBCグループ共通でたまる「Vポイント」で利用金額の0.5%の還元を始めた。従来の0.25%キャッシュ バックから変更し、グループの経済圏構築の柱のひとつとして注力する。年70万件超の申し込みがある。「大学生や新社会人などが多く、 年齢制限でクレカをつくれない高校生のキャッシュレスニーズにも応えられる」(同行担当者) りそな銀行を含むりそなグループでは17年から大手行でいち早く個人の普通預金口座にデビット機能を標準装備。「チャージ不要の電子 マネー感覚」でキャッシュカードが使えるとのうたい文句で利用を増やしてきた。21年度のデビット収益が前年度比3割増の43億円と大き く拡大している。 13年にメガバンクで初めてクレカブランドを冠したデビットカードの取り扱いを始めた三菱UFJ銀行(当時は三菱東京UFJ銀行)もサービス 改良に努めてきた。20年に年会費を無料として、口座開設時にクレカとあわせて申し込みを案内しているという。 銀行で発行されるデビットカードの枚数は、非開示の三菱UFJを除く大手3行で21年度は140万枚、クレカは同50万枚程度だった。銀行 で口座を開設する人の半数程度は20代以下で、クレカをつくるより先に銀行口座の開設にあわせてデビットカードを手にする人が多いとみら れる。 デビットカードは基本的にクレカと同じ専用端末で決済するため、使える店は多い。それなのに、経済産業省によると21年のキャッシュレス 決済比率は32.5%で、デビットはそのうち0.92%にすぎない。口座残高の範囲内で高額消費にも少額決済にも対応できるが、高額の買 い物はクレカ、少額はプリペイド式の交通系ICなどと競合していることが背景にありそうだ。 日本ではクレカの審査が海外ほど厳しくなく、デビットのポイントの還元率はクレカより少ないことなどもあり、クレカが先に浸透してきた事情 もある。すでにクレカを持っている人が多く、あえてデビットカードをつくる必要性を感じていない人が多いとみられる。 ただ、今後の伸びは期待できそうだ。日銀の統計によると、21年度のデビットカードの決済額は2兆8336億円で3年前の倍に増えた。野 村総合研究所は27年にはデビットカードの取扱高が12.5兆円になると予測する。21年7月末までのデータをもとに国内の企業と個人間 (BtoC)の商取引での市場規模予測をまとめた。20年比で3倍超にもなり、クレカや電子マネーをおさえて伸び率では最も大きくなる可能性 がある。 東証大引け 反発、先物主導で上げ幅拡大 石油や海運は下落 2022/07/07 15:19 日経速報ニュース 7日の東京株式市場で日経平均株価は反発し、前日比382円88銭(1.47%)高の2万6490円53銭で終えた。前日に公表された6月 開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の内容が一段の金融引き締めに積極的な内容ではなく、投資家の安心感につな がった。米株価指数先物が日本時間7日の取引で上昇すると、日経平均先物にも短期筋の買いが入り、指数を押し上げた。日経平均 の上げ幅は400円を超える場面があった。 米連邦準備理事会(FRB)が6日に公表したFOMC要旨は、パウエル議長のこれまでの発言におおむね沿った内容だった。市場 警戒が和らぎ、同日の米株式相場が上昇した。東京市場でも朝方から買いが先行した。 このところ下げの目立っていた半導体関連に買いが入った。米景気の悪化が懸念されるなか、医薬や通信、食品といったディフェン シブ株が物色された。前日に好決算を発表したイオンは大幅高だった。 半面、鉄道や百貨店の下げが目立った。政府が7月前半に予定していた旅行支援策「県民割」の全国拡大を延期する調整に入った と伝わり、経済再開への期待から買われていた銘柄に売りが出た。国際商品の価格が下がる中で、石油や海運なども下落した。 東証株価指数(TOPIX)は反発した。終値は前日比26.36ポイント(1.42%)高の1882.33だった。 東証プライムの売買代金は概算で2兆9922億円。売買高は12億7895万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1380と、全体 の75%を占めた。値下がりは403、変わらずは55だった。 東エレクやファナック、リクルートが上昇した。KDDIやトヨタ、キッコマン、塩野義も高かった。一方、三越伊勢丹やJR東海、郵船、EN EOSが下落した。 日本株ADR7日、全面高 ソニーGが4%上昇 2022/07/08 05:08 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=古江敦子】7日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は全面高だった。 同日の日米株式相場がともに上昇し、日本株ADRに買いが波及した。ソニーGが4%高となり、ホンダとトヨタは3%上昇した。 三菱UFJと武田、野村の上げも目立った。 ADD4032円 米国債券10年利回り2.998%、(+0.087) 日本株ADR8日 高安まちまち オリックス上昇、ソニーG安い 2022/07/09 05:08 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=横内理恵】8日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は高安まちまちだった。 同日の東京株式市場で日経平均株価が上げて終えた一方、米株式市場ではダウ工業株30種平均が下落した。 日本株のADRには売り買いが交錯した。オリックスや三井住友FG、三菱UFJなど金融が高い。 一方、ソニーGや武田が下げた。 ADD4082円 米国債券10年利回り3.080%、(+0.072) 2022年07月11日09時25分 三菱UFJ、第一生命HDなど堅調、リセッション懸念やや後退で米長期金利再び上昇傾向に 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>などメガバンクが揃って上昇しているほか、第一生命ホールディングス<8750>など 大手生保株にも買いが先行している。米国では、過度なリセッション懸念が後退し、ここにきて再び長期金利が上昇傾向を示 している。 前週末終値ベースで米10年債利回りは3.08%台まで上昇した。国内では日銀が超緩和策の継続を維持しているが、米国 事業を展開する大手金融機関にとっては米長期金利上昇は運用環境改善に向けた期待につながる。また、メガバンク、大手生 保いずれも配当利回りが高く、インカムゲイン狙いの買いも根強く流入している。 日本株ADR11日、売り優勢 野村とトヨタの上げ目立つ 2022/07/12 05:04 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=古江敦子】11日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は売り優勢だった。 同日の米国株が下落し、日本株ADRに売りが波及した。野村とトヨタ、ホンダの下げが目立った。 ソニーGとオリックスも安い。一方、みずほFGは上昇した。 ADD4108円 米国債券10年利回り2.993%、(-0.108) 景気不安映す米銀株 収益悪化を警戒、株主還元も慎重に 2022/07/12 06:07 日経速報ニュース 【ニューヨーク=斉藤雄太】JPモルガン・チェースなど米大手金融機関の株価が低迷している。米連邦準備理事会(FRB)の急ピッチの利上 げで景気後退懸念が高まるなか、預貸利ざやの改善期待よりも投資銀行業務の不振や貸倒引当金の増加といった負の影響を投資家は警戒 する。一部の大手行では不況に備える資本水準のハードルが上がり、積極的な株主還元で株価を支えることも難しくなっている。 米金融大手6社の昨年末からの株価下落率(11日時点)はバンク・オブ・アメリカとJPモルガンが29%程度になり、シティグループやゴールド マン・サックス、モルガン・スタンレーも約23%と同期間のS&P500種株価指数(19%)より大きくなった。市場平均を上回ったのは17%安のウェル ズ・ファーゴのみだ。 背景にあるのが収益悪化への懸念だ。6社は22年1~3月期決算で純利益が軒並み前年同期比2桁減になった。14~18日に発表する4~ 6月期決算でも苦戦が見込まれる。 調査会社ディールロジックによると、米国勢の競争力が高い世界の投資銀行ビジネスの手数料収入は1~3月期の26%減から4~6月期に 48%減と落ち込み幅が大きくなった。株価下落による新規株式公開(IPO)の停滞など株式の引受業務の不振が続いたほか、金利の急上昇 で社債の引き受けやM&A(合併・買収)助言といった業務も案件が減り、収益力が低下した。 市場では「景気の先行き不透明感が増し、貸倒引当金の増加につながる可能性がある」(バークレイズの銀行アナリスト、ジェイソン・ゴール ドバーグ氏)との見方もある。米銀の純利益は昨年まで新型コロナウイルス対応の貸倒引当金の戻り益が発生し押し上げられてきたが、22年 1~3月期は再び与信費用を積む銀行が増えた。ロシア事業の撤収・縮小に伴う費用も引き続き焦点だ。将来的な損失リスクを最大30億ドル (約4100億円)と見積もるシティなどが追加の損失処理に動くかを市場は注視する。 銀行本業の融資業務は住宅ローンの需要が減る一方、企業の運転資金や設備投資向けのニーズは堅調だ。FRBによると、比較的規模の 大きい米銀の商工業向け融資は2月に約1年ぶりに前年同月比でプラスに転じ、6月には2桁増になった。市中金利の上昇で貸出金利も上 げやすくなり、利ざやの改善が収益を押し上げるとの期待もある。だが、足元の銀行株にはそうしたプラス要因よりもマイナス面への投資家の 警戒感が色濃くにじむ。 昨年までの米銀株高の一因だった積極的な株主還元にも温度差が生じつつある。 FRBは6月下旬に大手行を対象とするストレステスト(健全性審査)の結果を公表し、米銀は総じて「厳しい景気後退時でも家計や企業への 融資を継続できる」と評価した。これを受けてモルガン・スタンレーは複数年で最大200億ドル規模の自社株買いと四半期配当の11%増を表明 し、ゴールドマンやウェルズ・ファーゴも20~25%の増配方針を示した。 一方、JPモルガンとシティは増配を見送り、バンカメも5%と小幅の増配にとどめた。これらの3社は「ストレス資本バッファー(SCB)」と呼ば れる自己資本の上積み要求部分が市場予想よりも大きくなり、株主還元の拡充には慎重な姿勢をみせる。JPモルガンのジェイミー・ダイモン 最高経営責任者(CEO)は「将来の規制要件を完全に満たすための資本を保持する」と述べ、成長投資や持続的な配当とバランスの取れた 資本の活用策を追求する考えを示した。 米国の景気後退入りが現実味を増すなか、コロナ後の回復局面で積極的な賃上げや人員の増強、デジタル金融分野の買収など攻めの姿 勢をみせてきた米銀経営は転機を迎えている。今後は収益や財務の安定性など守りの経営の巧拙が問われ、投資家の選別も進みそうだ。 株、政権安定の買い続かず 「綱引き相場」再び 2022/07/12 12:29 日経速報ニュース 12日午前の日経平均株価は前日比449円安の2万6362円だった。参院選の自民党大勝で政権が安定するとの期待による買いは 続かなかった。市場が次に目を向けるのは、米国で13日に発表される6月の消費者物価指数(CPI)。インフレと利上げ、景気減速の 動向を見極める相場に再び戻り、日経平均は当面2万6000円から2万7000円の範囲で推移しそうだ。 12日午前の東京株式市場では東京エレクトロン(8035)やソフトバンクグループ(9984)株が下落し、日経平均を押し下げた。物色 面をみると、業種別TOPIXでは電気・ガス業や、水産・農林業などが上昇。景気動向に左右されにくいディフェンシブ業種に消去法 的に投資家の資金が舞い込んでいた。 QUICKが11日にまとめた7月の株式月次調査をみると、身構えている投資家の姿勢が浮き彫りとなる。資産運用の担当者にセク ター別の投資スタンスを聞いたところ、自動車を「アンダーウエート(弱気)にする」との回答が15%と、前月の3%から増えた。素材や 鉄鋼・機械などの業種もアンダーウエートにするとの回答が多かった。 一方、オーバーウエート(強気)にするとの回答が増えたのは通信。7月は21%と、前月の12%から増加した。医薬・食品などもオ ーバーウエートにするとの回答が増えており、ディフェンシブセクターに資金を傾ける動きが示されている。 「この1カ月で日本株の先行きを弱気にみる機関投資家が増えた」。岡三証券の松本史雄チーフストラテジストは国内投資家との 面談をこなし、そう感じた。日経平均が2万6000円を下回る水準なら買いたい投資家もいるが、グロース(成長)株に対しては弱気な 意見が増えているという。 「たけぞう」の名で知られる個人投資家の上利武嗣氏は「方向感がわかりにくい綱引き相場」と現状の見方を示す。インフレが加速 すれば、急速な利上げが続く。一方、インフレが鈍化すれば利上げの手も緩む。市場の見方が入り組んで、相場の先行きは定まらな いというわけだ。11日は米株式市場で売買代金が低調になった点を踏まえ、いまは投資家が積極的に持ち高を傾けられる場面では ないと指摘する。 ジャンピエール米大統領報道官が11日、6月の米CPIについて高い水準になるとコメントしたと伝わり、市場は気をもんでいる。 「投資家の萎縮ムードが強まった」(国内投信)との声も聞かれた。 参院選で自民党が圧勝し、岸田文雄政権は当面、国政選挙がない「黄金の3年間」を手に入れた。過去を振り返ると長期政権は 「買い」との見方があるが、焦点は海外勢の資金が日本に入ってくるかどうかだ。 野村アセットマネジメントの石黒英之シニア・ストラテジストは「海外投資家が分かりやすい成長戦略の目標と手段が示され、実行 に移していくかがカギ」と語る。官民を挙げた国際的な競争力の向上、企業の余剰資金の活用、ガバナンス改革を含め日本企業の 稼ぐ力の向上につながる施策を示す必要があると指摘する。 現状、世界の多くの投資家の関心は米インフレ動向と利上げ、そして世界景気の減速に集まっている。日本株の売買シェアが多 い海外勢があらためて日本という国にどのような目を向けるか、政権の実行力が試される。 2022-07-12 モルガンS Overweight継続 4900円 → 4840円 2022/07/12 16:05 三井住友FG(8316) 米系大手証券、レーティング強気継続。目標株価引き下げ、4,840円。 米系大手証券が7月11日、三井住友フィナンシャルグループ<8316>のレーティングを強気(Overweight)に据え置いた。 一方、目標株価は4,900円から4,840円に引き下げた。因みに前日(7月8日)時点のレーティングコンセンサスは4.18 (アナリスト数11人)で「やや強気」の水準、目標株価コンセンサスは4,739円(アナリスト数11人)となっている。 2022/07/12 22:45 三井住友FG(8316) 23年3月期経常予想。対前週0.2%上昇。 三井住友フィナンシャルグループ<8316>の経常利益予想コンセンサスは、前週値の1,051,217百万円から0.2%上昇し 1,053,517百万円となった。因みにレーティングコンセンサスは4.2で変わらずのまま。 日本株ADR12日、買い優勢 みずほFGや野村が上昇 2022/07/13 05:31 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=戸部実華】12日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は買いが優勢だった。 みずほFGや野村のほか、トヨタやホンダも上昇した。一方、三菱UFJやオリックスは下落した。 ADD4098円 米国債券10年利回り2.971%、(-0.020) 日本株ADR13日 売りが優勢 キヤノンやみずほFGが安い 2022/07/14 05:18 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=横内理恵】13日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)には売りが優勢だった。 同日の米株式相場が下落し、日本株のADRの売りを誘った。キヤノンやみずほFG、武田が下落。 三井住友FGやソニーGも下げた。一方、ホンダやオリックスは上げた。 ADD4085円 米国債券10年利回り2.937%、(-0.021) 日本株ADR14日、全面安 銀行の下げ目立つ 2022/07/15 05:20 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川上純平】14日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は全面安だった。 米ダウ工業株30種平均が下落し、日本株ADRも売られやすかった。 三菱UFJやみずほFGなど銀行の下げが目立った。 ADD4029円 米国債券10年利回り2.963%、(+0.057) 三井住友銀、環境融資向けレポ取引 国債担保に資金調達 2022/07/15 日本経済新聞 朝刊 三井住友銀行は14日、国債を担保にお金を調達する「レポ取引」での資金使途を環境対策事業に絞った「グリーンレポ」を実施したと 発表した。同様の資金調達を実施するのはメガバンクで初めて。三井住友フィナンシャルグループ(FG)は環境対策向け融資を拡大す る方針を示している。ドルなど外貨の調達方法を多様化し、資金需要に応える。 日本国債を担保に外資系金融機関からドルを調達した。金額は非公表。使途は再生可能エネルギー分野などの環境対策向け融資 に絞り、第三者から認証を得る。 三井住友FGは2029年度までに環境関連の融資実行額を20兆円に拡大する方針を掲げており、今後同様の取引による資金調達 を増やしていく。 レポ取引は通常、翌日物など短期の資金をやりとりする際に利用される。この枠組みでは一年以上など中長期の資金も調達する 。グリーンボンド(環境債)よりも機動的な資金調達が可能になる。資金を貸す側も環境関連融資を増やせるメリットがあり、欧州など で取引が広がっている。 銀行のJPモルガン・チェース(@JPM/U) ▲3.5% 2022/07/15 07:28 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク】14日発表の22年4~6月期決算が大幅減益となった。融資の焦げ付きに備える貸倒引当金を積み増し 利益を圧迫した。売上高にあたる純営業収益は、M&A(合併・買収)の助言など非金利収入が振るわず、市場予想に届か なかった。自己資本を拡充するため、自社株買いの一時停止も表明した。 ホットストック:三菱UFJFGなどさえない、米銀行株下落から連想売り [東京 15日 ロイター] - 三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループなど銀行株がさえない。米株市場で銀行株がセクター別で最も下落 したことが嫌気され、連想売りを誘っている。 14日の米国株式市場は、JPモルガン・チェースとモルガン・スタンレーが減益決算を受けて売りを集め、大幅安となった。S&P銀行指数 は2.4%下落した。 2022年07月15日11時00分 三菱UFJなどメガバンクが安い、米JPモルガン決算はさえず売り先行 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>や三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411>と いったメガバンクが安い。 14日に発表された4~6月期のJPモルガン<JPM>の連結純利益は前年同期比28%減とさえない内容となった。手数料収入 が低調で、景気後退リスクが高まるなか貸倒引当金の積み増しを行ったことなどが響いた。前日のニューヨーク市場ではJPモル ガンのほかバンカメ<BAC>などの銀行株が下落した。これを受け、この日の東京市場でもメガバンクに売りが膨らんでいる。 2022-07-15 GS 買い継続 5000円 → 5200円 2022/07/15 14:05 三井住友FG(8316) 米系大手証券、レーティング強気継続。目標株価引き上げ、5,200円。 米系大手証券が7月14日、三井住友フィナンシャルグループ<8316>のレーティングを強気(Buy)に据え置いた。 一方、目標株価は5,000円から5,200円に引き上げた。因みに前日(7月13日)時点のレーティングコンセンサスは4.18 (アナリスト数11人)で「やや強気」の水準、目標株価コンセンサスは4,734円(アナリスト数11人)となっている。 2022/07/15 18:00 三井住友FG(8316) 日系中堅証券、レーティング据え置き、中立。目標株価引き下げ、4,410円。 日系中堅証券が7月15日、三井住友フィナンシャルグループ<8316>のレーティングを中立(Neutral)に据え置いた。 一方、目標株価は4,430円から4,410円に引き下げた。因みに前日(7月14日)時点のレーティングコンセンサスは4.18 (アナリスト数11人)で「やや強気」の水準、目標株価コンセンサスは4,752円(アナリスト数11人)となっている。 2022-07-19 東海東京 Neutral継続 4430円 → 4410円 2022/07/15 22:45 三井住友FG(8316) 23年3月期経常予想。対前週0.2%下降。 三井住友フィナンシャルグループ<8316>の経常利益予想コンセンサスは、前週値の1,051,217百万円から0.2%下落し 1,048,642百万円となった。因みにレーティングコンセンサスは4.2で変わらずのまま。 日本株ADR15日、全面高 トヨタと武田の上げ目立つ 2022/07/16 05:23 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=戸部実華】15日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は全面高だった。 米株式相場が大幅に上昇し、日本株ADRにも買いが広がった。トヨタや武田の上げが目立った。 ホンダや三井住友FG、ソニーGも高い。 ADD4073円 米国債券10年利回り2.930%、(-0.029) 日本株ADR18日、買い優勢 みずほFGや野村が上昇 2022/07/19 05:12 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川内資子】18日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は買いがやや優勢だった。 同日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落したが、みずほFGや野村、三菱UFJなど金融銘柄が総じて買われた。 一方、オリックスやキヤノンは下落した。 ADD4067円 米国債券10年利回り2.989%、(+0.059) 日本株ADR19日、全面高 ソニーGとオリックスが3%上昇 2022/07/20 05:15 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=古江敦子】19日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は全面高だった。 同日の日米株式相場がともに上昇し、日本株ADRに買いが広がった。ソニーGとオリックス、ホンダが3%強上昇した。 トヨタと三菱UFJ、みずほFG、三井住友FGも大幅に上げた。 ADD4151円 米国債券10年利回り3.028%、(+0.009) 日銀審議委員、リフレ慎重派に交代 高田・田村両氏を閣議決定 政策への影響に注目 2022/07/20 日本経済新聞 朝刊 政府は19日の閣議で、日銀審議委員に岡三証券グローバル・リサーチ・センター理事長の高田創氏と三井住友銀行上席顧問の田村 直樹氏を充てる人事を決定した。金融緩和に積極的な「リフレ派」である片岡剛士氏が23日に任期満了となり大規模緩和を続けてきた 日銀の政策決定に影響が生じるかに注目が集まっている。 高田氏は片岡氏の後任で、田村氏は三菱東京UFJ銀行(現三菱UFJ銀行)出身の鈴木人司氏の後任となる。2人の審議委員は24日 付で就任する。任期は5年だ。 高田氏は日本興業銀行(現みずほ銀行)に入行後、みずほ総合研究所などでエコノミストとしてキャリアを築いてきた。田村氏は三井住 友銀行でリテール部門の統括などを務めたほか、銀行界の調整役を担う全国銀行協会の企画委員長を経験した。 高田氏は大規模な金融緩和の副作用を問題視する発言が過去に多く、岸田文雄政権が審議委員に指名したことに市場には「金融緩 和の修正に向けた布石では」との見方がくすぶる。審議委員に占めるリフレ派の比率が減ることで日銀の政策決定過程が微妙に変化す る可能性があるためだ。 日銀の金融政策は日銀政策委員会が議論のうえ多数決で決める。顔ぶれは日銀総裁と2人の副総裁、6人の日銀審議委員の9人だ。 亡くなった安倍晋三氏は首相在任時に金融緩和を持論としていた黒田東彦総裁やリフレ派とされる若田部昌澄副総裁を選び、メンバーを 入れ替えた。 特に片岡氏は最も金融緩和に積極的だとされる。ここ最近の金融政策決定会合でも「緩和をより強化することが望ましい」とし、総裁が 提示した金融政策の議案に対して反対票を投じてきた。高田氏が後任となることで強力な金融緩和を求める声が徐々に薄まっていく可能 性がある。 23年春には黒田総裁や若田部副総裁の任期も切れる。金融政策の先行きに注目が集まるなか、首脳人事にも政官界の関心が高まっ ている。 日本株ADR20日 売りが優勢 みずほFGや野村が安い 2022/07/21 05:10 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=横内理恵】20日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)には売りが優勢だった。 米株式市場で前日に大幅高となったダウ工業株30種平均の上値が重く、日本株のADRに売りが出た。 みずほFGや野村、三井住友FGなど金融が安い。トヨタやホンダ、武田も下げた。 一方、ソニーGやキヤノンは上げた。 ADD4094円 米国債券10年利回り3.028%、(+0.009) 三井住友系、AIで契約書管理サービス 検索簡単に 2022/07/20 19:30 日経速報ニュース 三井住友フィナンシャルグループ(FG)傘下で電子契約サービスを手掛けるSMBCクラウドサインや三井住友銀行などは20日、人工 知能(AI)を活用した契約書の管理機能を開発したと発表した。AIを活用し、締結日や相手先など契約書の整理に必要な情報を自動で 読み取る。情報はシステムで保存され、過去の契約の検索などが容易になる。 PDFファイルなどの契約書データから、取引金額や解約通知の期限などの情報も自動で読み取る。通常、契約書のデータを保存する 際は契約日や相手などの情報を手打ちする必要があった。自動で読み込むことで手間を省き、検索をしやすくする。契約の有効期限の 通知もできる。 SMBCクラウドサインの電子契約サービスの利用者は無料で利用できる。 SMBCクラウドサインは三井住友FGと弁護士ドットコムが出資し、2019年に設立した。 日経平均はプラス圏を推移、日銀会合の結果発表後-電機の一角に買い 田村康剛 2022年7月21日 7:59 JST 更新日時 2022年7月21日 12:54 JST 東京株式市場で日経平均株価は前日終値を上回って推移している。日本銀行は正午過ぎ、現行の長短金利操作付き量的・質的金融 緩和を維持すると発表した。政策修正のリスクが縮小したとみた買いが入り、TOPIXは下げ幅を縮小。電機や自動車株の一角が上げ 幅を広げている。半面、銀行や証券・商品先物といった金融株は安く、アナリストが投資判断を引き下げた鉄鋼株の下げが目立つ。 日本株ADR21日、買い優勢 武田やソニーGが上昇 2022/07/22 05:10 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川内資子】21日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は買いが優勢だった。 米株式市場でダウ工業株30種平均が3日続伸した影響で買われる銘柄が多かった。 武田やソニーGが上昇し、キヤノンとホンダも高い。一方、野村は下落した。 ADD4093円 米国債券10年利回り2.882%、(-0.154) 日本株ADR22日、買い優勢 野村とキヤノンの上げ目立つ 2022/07/23 05:08 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=古江敦子】22日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は買い優勢だった。 同日の日本株が上昇した流れを引き継いだ。野村やキヤノン、三菱UFJ、トヨタが上昇した。 一方、ホンダと武田は下落した。 ADD4062円 米国債券10年利回り2.754%、(-0.154) 三井住友FG、NFT事業参入 ブロックチェーン新興と協業 2022/07/22 20:59 日経速報ニュース 三井住友フィナンシャルグループ(FG)は、アニメやゲームなどのコンテンツを改ざんやコピーが難しい形でデジタル化できる非代替性 トークン(NFT)事業に参入すると発表した。22日、ブロックチェーン(分散型台帳)事業の新興企業、ハッシュポート(東京・港)と協業する と発表した。NFTの金融への活用、デジタル資産の保管や管理といった事業を想定し、両社で研究組織を設けて実証実験に取り組む。 ブロックチェーンを使ったトークンの調査・研究組織「トークンビジネスラボ」を立ち上げ、NFTなどトークン技術の実証実験をするほか、 トークンビジネスを検討する企業の支援やコンサルティングに取り組む。NFTなどデジタル資産のカストディー(資産の管理や保全)サー ビスなども検討する。三井住友FGとハッシュポートは他の事業者との連携を視野に入れる。 三井住友FGがNFT事業に乗り出すのは、ブロックチェーン技術を軸とする次世代インターネット「ウェブ3」の潮流に乗り遅れないためだ。 ウェブ3の世界ではトークンを使った出資などが想定され、国内外の金融機関も研究に乗り出している。 三菱UFJ銀行は3月、香港企業と協業してNFTなどのデジタル資産事業に参入すると発表した。三井住友トラスト・ホールディングスも 5月にデジタル資産カストディー業務に参入することを明らかにした。国内の大手銀行でもNFT事業関連に取り組む動きが活発になってい る。 8316 三井住友 配信日時 2022/07/25 08:41:00 配信時価格[円] 4,097 前日比 0 詳細 非代替性トークン(NFT)事業に参入すると報じられてる。ブロックチェーン事業の新興企業、ハッシュポートと協業すると発表。 NFTの金融への活用、デジタル資産の保管や管理といった事業を想定し、両社で研究組織を設けて実証実験に取り組むようである。 株価は75日線を支持線としたリバウンドから、25日線を支持線に変えてきている。《FA》【株式会社フィスコ】 2022年07月25日09時25分 三菱UFJ、第一生命HDなど強弱観対立、米長期金利急低下を受けた米金融株安も配当利回りに着目 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>や第一生命ホールディングス<8750>は強弱観対立。前週末の米国債券市場では 先行き景気後退への懸念から長期債が買われる展開となり、米10年債利回りは終値ベースで2.75%台まで急低下した。 これに伴い運用環境が悪化するとの思惑でゴールドマン<GS>やJPモルガン<JPM>、シティグループ<C>など大手金融株が 軒並み軟調な値動きを強いられた。 東京市場でも米国事業を手掛けるメガバンクや大手生保株の株価はこの地合いを引き継ぎやすいところだが、株価指標面で 割安感が強く、配当利回りの高さに着目した買いで下値抵抗力を発揮している。 日本株ADR25日、買い優勢 メガバンクの上げ目立つ 2022/07/26 05:16 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=古江敦子】25日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は買い優勢だった。 同日の米市場でダウ工業株30種平均が上昇し、日本株ADRに買いが波及した。 みずほFGと三菱UFJ、三井住友FGがいずれも2%上昇した。キヤノンとホンダも高い。 一方、ソニーGは下落した。 ADD4147円 米国債券10年利回り2.805%、(+0.024) 2022年07月26日09時05分 三菱UFJなどメガバンクは頑強な値動き、FOMC前の米金融株高に追随する動き 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>などメガバンクが頑強な値動き。前日の 米国株市場ではFOMCの結果発表をあすに控え、全般様子見ムードの強い地合いだったが、市場では0.75%の政策金利 引き上げをほぼ織り込む形となっており、長期金利の先高期待から大手金融株が総じて堅調だった。 ここ米国株市場ではゴールドマン<GS>をはじめ大手金融株の戻り足が目立つ状況で、東京市場でもメガバンクはそれに追 随する動き。配当利回りの高さに着目した買いも引き寄せている。 日本株ADR26日、全面安 2022/07/27 05:10 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=張間正義】26日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は全面安だった。 同日の日米株式相場が下落し、日本株ADRにも売りが広がった。 ADD4122円 米国債券10年利回り2.810%、(-0.010) 日本株ADR27日、ほぼ全面高 2022/07/28 05:08 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川内資子】27日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)はほぼ全面高だった。 日米株式相場がともに上昇した影響で大半の銘柄が買われた。 三菱UFJが2%上昇し、みずほFGや三井住友FGなど金融の上げが目立った。ソニーGやオリックスも高い。 ADD4180円 米国債券10年利回り2.779%、(-0.008) SMBC日興の相場操縦、4~6月期の純営業収益にマイナス100億円影響 2022/07/28 15:26 日経速報ニュース SMBC日興証券は28日、相場操縦事件を巡って2022年4~6月期の純営業収益に与えたマイナスの影響が推定100億円だったと 明らかにした。牛島真丞常務執行役員は「社債の引き受けや株式などのセカンダリー(流通市場)でも影響があった。影響が大きかっ たのはセカンダリーだった」と述べた。 SMBC日興の相場操縦、4~6月期の純営業収益にマイナス100億円影響 2022/07/28 15:26 日経速報ニュース SMBC日興証券は28日、相場操縦事件を巡って2022年4~6月期の純営業収益に与えたマイナスの影響が推定100億円だったと 明らかにした。牛島真丞常務執行役員は「社債の引き受けや株式などのセカンダリー(流通市場)でも影響があった。影響が大きかっ たのはセカンダリーだった」と述べた。 SMBC日興の4~6月期、36億円の最終赤字 各部門で営業赤字 2022/07/28 15:22 日経速報ニュース SMBC日興証券が28日発表した2022年4~6月期の連結決算は、最終損益が36億円の赤字(前年同期は146億円の黒字)だった。 主要各部門で営業赤字となった。不安定な相場環境による投資家の投資意欲減退や発行市場の低調さなどが響いた。相場操縦事案 の影響もあった。 一般事業会社の売上高にあたる純営業収益は36%減の562億円、営業損益は74億円の赤字(同192億円の黒字)だった。部門別で は営業部門は各種金融商品の販売減少が響き純営業収益が35%減の377億円、35億円の営業赤字(同133億円の黒字)だった。グ ローバル・インベストメント・バンキング部門は起債環境の悪化などにより手数料収入が減少し、64億円の営業赤字(同38億円の黒字) となった。 グローバルマーケッツ部門の純営業収益は43%減の115億円、44億円の営業赤字(同64億円の黒字)だった。相場操縦事案の影響 や投資家の取引手控えで収益が減少した。 日本株ADR28日 買いが優勢 ホンダやオリックスが上昇 2022/07/29 05:05 日経速報ニュー 【NQNニューヨーク=横内理恵】28日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)には買いが優勢だった。 同日の日米株式相場が上昇し、日本株のADRにも買いが波及した。ホンダやオリックス、キヤノンが上昇。 野村やソニーGも高い。一方、みずほFGとトヨタは下げた。 ADD4114円 米国債券10年利回り2.671%、(-0.062) 三井住友トラの4~6月期、最終益645億円 前年同期は507億円の黒字 2022/07/28 16:00 日経速報ニュース 295文字 三井住友トラスト・ホールディングス(8309) 前4~6 今4~6 通期予想 経常収益 3,450 3,941 ― 営業利益 ― ― ― 経常利益 67,883 88,706 ― 最終利益 50,751 64,556 190,000 1株利益 135.50 172.49 507.24 (注)単位:経常収益は億円、利益は百万円、1株利益は円、▲は損失 三井住友トラの4~6月期、純利益27%増 不動産仲介が堅調 2022/07/28 16:41 日経速報ニュース 三井住友トラスト・ホールディングス(8309)が28日発表した2022年4~6月期の連結決算は、純利益が前年同期比27%増の 645億円だった。不動産仲介の手数料収入が伸びた。株式関連派生商品の損益改善も寄与した。本業のもうけを示す実質業務 純益(単体)は40%増の832億円だった。 23年3月期通期の業績見通しは据え置いた。純利益は前期比12%増の1900億円を見込む。 三井住友トラスト、4~6月純利益27%増 不動産仲介好調 2022/07/28 19:33 日経速報ニュース 三井住友トラスト・ホールディングスが28日発表した2022年4~6月期連結決算は、純利益が前年同期比27%増の645億円 だった。好調な市場を追い風に不動産仲介が伸びた。個人向け事業の利益も拡大した。一部取引先の業況悪化に伴い与信関係 費用が膨らんだものの、全体では増益を確保した。 同日には実施中の自社株買いを完遂するため、期限を当初より2カ月延ばして10月末にすると発表した。2月に最大300億円の 自社株買いを発表していた。取得した自己株は全て消却する予定だが、期間延長に伴い消却予定日は11月18日に変更する。 東証後場寄り 下げに転じる 円が上昇、自動車株は下げ幅拡大 2022/07/29 12:50 日経速報ニュース 29日後場寄り付きの東京株式市場で日経平均株価は一時下げに転じ、前日比10円程度安い2万7800円近辺で推移している。 外国為替市場で円相場が1ドル=133円台半ばまで上昇し、自動車株が下げ幅を広げるなど輸出関連株の重荷になっている。 日本時間29日午後の米株価指数先物が伸び悩んでいるのも投資家心理を下向かせているようだ。日経平均が2万7800円を下 回る水準では押し目買いも入っている。 前引け後の東証の立会外で、国内外の大口投資家が複数の銘柄をまとめて売買する「バスケット取引」は約480億円成立した。 12時45分現在の東証プライムの売買代金は概算で1兆6664億円、売買高は6億5104万株だった。 日産自や三菱自が下げ幅を拡大している。NECやアステラス、ジェイテクトも安い。半面、エムスリーや楽天グループ、オムロン は買われている。 三井住友FGの4~6月期、最終益2524億円 前年同期は2032億円の黒字 2022/07/29 15:30 日経速報ニュース 三井住友フィナンシャルグループ(8316) 前4~6 今4~6 通期予想 経常収益 9,517 13,317 ― 営業利益 ― ― ― 経常利益 287,240 349,674 ― 最終利益 203,243 252,439 730,000 1株利益 148.30 184.14 542.39 (注)単位:経常収益は億円、利益は百万円、1株利益は円、▲は損失 三井住友FG、4-6月期の純利益24%増の2524億円-進捗率35% https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-07-29/RFO1UNT0AFB401 2022年7月29日 15:33 JST 三井住友フィナンシャルグループは29日、2022年4-6月期の連結純利益が前年同期比24%増の2524億円だったと発表した。 今期(23年3月期)計画7300億円に対する進捗率は35%となった。 UPDATE 1-三井住友FG、4―6月期の純利益は24%増 ポストコロナで資金需要増 [東京 29日 ロイター] - 三井住友フィナンシャルグループは29日、2022年4─6月期の連結純利益が前年同期比24.2%増 の2524億円だったと発表した。ポストコロナで法人の資金需要が旺盛だった。 本業を表す連結業務純益は国内の法人向けビジネスであるホールセールや海外ビジネスが好調で同28%増の3456億円と大幅 増益となった。貸出金残高は前年同期比14%増加。ポストコロナによる経済回復で運転資金や新たな投資といった資金需要が出 ているという。市場部門は前年比ほぼ横ばいだった。 ロシア向け与信の追加コスト発生はなかった。ロシア向け与信は貸出金返済に伴い、6末時点で28億ドル(3月末で29億ドル)に やや減少したという。 23年3月通期は連結純利益7300億円(前期比3.3%増)とする期初計画を据え置いた。IBESがまとめたアナリスト12人による 連結純利益の予想平均値は7423億円だった。 三井住友FGの4~6月期、純利益24%増 法人向け貸し出し堅調 2022/07/29 16:29 日経速報ニュース 三井住友フィナンシャルグループ(8316)が29日発表した2022年4~6月期の連結決算は、純利益が前年同期比24%増の2524億円 だった。物価上昇の影響や施策推進のための資源投入により営業経費が増加した一方、新型コロナウイルス禍からの経済回復を背景 に法人向けの貸し出しが増加し、利益増加に寄与した。本業のもうけを示す実質業務純益(三井住友銀行単体)は87%増の2634億円 だった。 23年3月期の連結業績予想は純利益が前期比3.3%増の7300億円とする従来予想を据え置いた。 三井住友FG、4-6月期純利益24%増-円安は好悪両面の影響 伊藤小巻、浦中大我 2022年7月29日 15:33 JST 更新日時 2022年7月29日 17:22 JST 海外ビジネスの収益押し上げ、外債評価損は大幅に拡大 6月末の外債評価損は7296億円、与信費用は反動で321億円に増加 三井住友フィナンシャルグループは29日、2022年4-6月期の連結純利益が前年同期比24%増の2524億円だったと発表した。今期 (23年3月期)計画7300億円に対する進捗率は35%となった。円安進行を受け、海外ビジネスの収益拡大などが寄与した。 本業のもうけを示す連結業務純益は前年同期比29%増の3456億円となった。ただ、円安は営業事業などで経費の増加要因にも なっており、影響額は210億円に上ったという。 円安はその他有価証券評価損益にも大きく影響した。米金利上昇に円安の動きが加わり、外国債券の評価損は7296億円と3月末 から2808億円増加した。マーケットの急激な変動もあり、国内株式や債券を含めた全体の評価益は1兆7477億円と同5295億円減少した。 与信関係費用は、新型コロナウイルス関連の引き当て戻し入れがあった前年同期からの反動で321億円と前年同期の103億円の 約3倍に増えた。ただ、通期計画2100億円のペース内に収まっている。 子会社のSMBC日興証券を舞台にした相場操縦(金融商品取引法違反)事件の影響はトップラインで100億円程度に上った。ロシア 向け与信で追加コストの発生はなかったとしている。 2022年4-6月期決算の主な内容(前年同期比) 資金利益は4318億円-前年同期比22%増 役務取引等利益は2801億円-同2.8%増 株式等関係利益は368億円-同8.9%減 与信関係費用321億円-同3倍超 日本株ADR29日、買い優勢 銀行の上昇目立つ 2022/07/30 05:08 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川上純平】29日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は買い優勢だった。 米ダウ工業株30種平均が上昇し、日本株ADRも買われやすかった。 三井住友FGや三菱UFJなど銀行の上昇が目立った。 ADD4256円 米国債券10年利回り2.658%、(-0.022) 3メガ銀、4~6月純利益4割減 三菱UFJ、債券で損失 2022/07/30 日本経済新聞 朝刊 3メガバンクの2022年4~6月期の連結純利益は前年同期比4割減の計5100億円程度になったようだ。企業の資金需要が伸びた 半面、米国の金融引き締めで株式や社債の引受業務は低調だ。8月2日に公表する三菱UFJフィナンシャル・グループは米地銀MU FGユニオンバンクが抱える約2500億円の債券含み損を損失として計上、純利益は7割減の1000億円程度とみられる。 29日に決算を公表した三井住友フィナンシャルグループの純利益は24%増の2524億円。企業の資金需要が底堅く、銀行の資金 利益が4割近く伸びた。法的整理に移ったマレリホールディングス(旧カルソニックカンセイ)とみられる取引先の格下げで貸倒引当金が 増えたみずほフィナンシャルグループは36%減の1592億円だった。 三菱UFJはユニオンバンクの売却が完了すれば損失の一部が戻る。20年に出資した東南アジアの配車大手グラブの株価下落に伴 う損失も計上するようだ。 米金利の上昇による債券価格の低下を受け、3メガが抱える外国債券の評価損は今年3月末時点の約1.7兆円から6月末時点で は2.5兆円前後まで膨らんだようだ。 3メガバンクの最終益4割減 三菱UFJ、米地銀で債券損失 2022/07/29 21:48 日経速報ニュース 3メガバンクの2022年4~6月期の連結純利益は前年同期比4割減の計5100億円程度になったようだ。企業の資金需要が伸びた半面 、米国の金融引き締めで株式や社債の引受業務は低調だ。 8月2日に公表する三菱UFJフィナンシャル・グループは米地銀MUFGユニオンバンクが抱える約2500億円の債券含み損を損失として計 上、純利益は7割減の1000億円程度とみられる。 29日に決算を公表した三井住友フィナンシャルグループの純利益は24%増の2524億円。企業の資金需要が底堅く、銀行の資金利益が 4割近く伸びた。 法的整理に移ったマレリホールディングス(旧カルソニックカンセイ)とみられる取引先の格下げで貸倒引当金が増えたみずほフィナンシ ャルグループは36%減の1592億円だった。 三菱UFJは20年に出資した東南アジアの配車大手グラブの株価下落に伴う損失も計上するようだ。ユニオンバンクの売却が完了すれば 損失の一部が戻るため、通期の業績に与える影響は小さくなる。 米金利の上昇による債券価格の低下を受け、3メガが抱える外国債券の評価損は今年3月末時点の約1.7兆円から6月末時点では2.5 兆円前後まで膨らんだようだ。 2022/07/29 15:30 三井住友FG(8316) 2023年3月期連結第1四半期、経常損益349,674百万円。IFISコンセンサスを上回る水準。 【業績予想/決算速報】三井住友フィナンシャルグループ<8316>が7月29日に発表した2023年3月期第1四半期の経常損益は 349,674百万円、直近のIFISコンセンサス(255,200百万円)を37%上回る水準だった。 日本株ADR1日、買い優勢 自動車の上げ目立つ 2022/08/02 05:10 日経速報ニュー 【NQNニューヨーク=川上純平】1日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は買い優勢だった。 日本の株式相場が上昇し、日本株ADRも買われやすかった。自動車のトヨタとホンダの上げが目立った。 ADD4186円 米国債券10年利回り2.588%、(-0.054) 日本株ADR2日、全面安 銀行銘柄の下げ目立つ 2022/08/03 05:10 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=戸部実華】2日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は全面安だった。 同日の日米株式相場が下落し、日本株ADRも売られた。 三菱UFJや三井住友FG、みずほFGといった銀行銘柄の下げが目立った。オリックスや武田、トヨタ、野村も安い。 ADD4126円 米国債券10年利回り2.743%、(+0.138) 3メガ、外債含み損2.6兆円 市場混乱で収益に逆風 4~6月、利ざや改善で業務純益増 2022/08/03 日本経済新聞 朝刊 世界的な金融引き締めによる市場の混乱が大手銀行の収益に逆風となっている。金利上昇による債券価格の下落で、日本の3メガバンク が6月末時点で抱える外国債券の含み損は3月末の計1.7兆円から2.6兆円強に膨らんだ。株式や社債の引き受けなど投資銀行部門が 失速し、日米欧の大手16行のうち10行が4~6月期決算で減益か赤字となった。全体の純利益は3割減った。 3メガバンクの決算が2日出そろった。保有する外国債券の含み損は三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)が1兆2181億円と3カ月で 約3650億円増えた。三井住友FGは7296億円、みずほFGは7092億円。3メガバンクを合わせた外債含み損は同期間に55%増えた計 算だ。デリバティブによるヘッジ取引から生じる評価益などを考慮すれば、実質的な含み損は三菱UFJで約8000億円、みずほでは4312 億円になるという。 連結純利益の合計は5252億円と前年同期比で37%減った。2日に決算を発表した三菱UFJは米地銀MUFGユニオンバンクが抱える 2544億円の債券含み損などを4~6月期に損失として処理し、純利益は70%減の1136億円だった。ユニオンバンクの売却が完了すれば 損失の一部が戻ってくるという。20年に出資した東南アジアの配車大手グラブの株価下落に伴う減損損失も432億円計上した。 マレリホールディングス(旧カルソニックカンセイ)とみられる取引先の格下げでみずほの純利益は貸倒引当金が膨らみ36%の減益となった。 3メガバンク合計の純利益は4割近い減益だ。三井住友は24%の増益だった。 金利上昇の局面では預金金利より先に貸出金利を上げやすく、利ざやの改善が進む。本業のもうけを示す連結業務純益は、海外を中心に 利ざやの改善も下支えして35%増の計1兆68億円。資源高に対応した運転資金の調達など国内外で資金需要が伸び、貸出金の合計は 295兆円と前年同期から10%増えた。 回収が難しくなる事態は足元では限定的で、貸倒引当金など通期の与信費用は計6100億円と前期から27%減る見通しだ。 3メガ、外債含み損2.6兆円 市場混乱で収益に逆風――日米欧の大手行大半、減益や赤字 投資銀行業務が振るわず 2022/08/03 日本経済新聞 朝刊 日米欧の大手行は大半が減益か赤字となった。「ボラティリティー(市場の変動率)の高まりで顧客は戦略的な取り組みや新規発行の延期 を余儀なくされた」。投資銀収益が前年同期比で55%減った米モルガン・スタンレーのシャロン・イェシャヤ最高財務責任者(CFO)は決算説 明会でこう説明した。特別買収目的会社「SPAC」を通じた上場ブームが去り、反動が大きく出た。 企業がM&A(合併・買収)を手掛けたり株式や社債を発行して資金調達をしたりする動きが鈍った。投資銀行業務の手数料は米大手6行で 65億ドルと前年同期比で半減。前四半期比でも2割減った。欧州でも投資銀行部門が振るわなかったクレディ・スイス・グループが赤字となった。 一方で利ざやが改善した商業銀行業務の採算は上向いている。米銀の純金利収入はバンク・オブ・アメリカの前年同期比22%増を筆頭に、 JPモルガン・チェース、シティグループ、ウェルズ・ファーゴでそれぞれ2桁増になった。 欧州でもドイツ銀行が主力の商業銀行部門がけん引する形で5割増益に。同部門の純収入は伸び率が26%と3四半期連続で2桁の高い成 長を維持した。英HSBCホールディングスも「金利正常化が今後の収益軌道に自信をもたらしている」(ノエル・クイン最高経営責任者=CEO)と 利ざや収入が22年年間では前年比2割増えるとみている。 4~6月期の米国の実質成長率は2四半期連続でマイナス成長になった。「急激な落ち込みは起きそうにないものの、景気後退の可能性は高 まっている」(シティのジェーン・フレーザーCEO)。各行は高インフレやウクライナ危機の継続などを踏まえ、一段の景気悪化に備えだした。 貸出金の回収が難しくなる事態に備える引当金を含め、米銀大手6行では与信費用が計42億ドルに上った。景気回復で引当金が不要になり、 戻り益が発生した前年同期から一転して利益の圧迫要因になった。 欧州でもドイツ銀行が前年同期の3倍の与信費用を計上。クリスティアン・ゼービングCEOは「景気後退の可能性に備える」と話す。 日本株ADR3日、売り優勢 野村とオリックスの下げ目立つ 2022/08/04 05:15 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=古江敦子】3日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は売り優勢だった。 日米株式相場はともに上昇したが、日本株ADRの反応は限られた。 同日の東京市場の取引終了後に発表した2022年4~6月期決算が大幅な減益となった野村が7%強下落し 同様に減益となったオリックスも下げた。一方、ソニーGとキヤノンは上昇した。 ADD4109円 米国債券10年利回り2.706%、(-0.038) 日本株ADR4日、売り優勢 トヨタが4%下落 2022/08/05 05:22 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川内資子】4日の米国株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は売りが優勢だった。 米株式市場でダウ工業株30種平均が反落した影響で売られる銘柄が多かった。2022年4~6月期決算の発表を受けて 4日の東京株式市場で売られたトヨタは4%下落。三菱UFJやオリックス、ホンダも安い。 一方、野村は大きく上げ、武田も上昇した。 ADD4043円 米国債券10年利回り2.694%、(-0.054) 3メガ、持ち合い株4割減 企業統治指針の導入7年で 新事業に資金振り向け 2022/08/05 日本経済新聞 朝刊 銀行と大企業が持ち合ってきた株式の売却が進むなか、新たな関係を模索する動きが広がってきた。3メガバンクは2024~25年度 までに1社あたり年平均で600億~1600億円規模の削減を計画する。売却で生まれた資本の一部を使い、出資や劣後ローンの供給 を増やす。企業の再編や新事業の立ち上げを後押しする。 銀行と企業が互いに持ち合うことが多い政策保有株の売却が加速している。三菱UFJフィナンシャル・グループは21年度からの3年間 で3000億円以上(簿価ベース)売却する予定だったが、交渉の進展を理由に5000億円へ引き上げた。1年前倒しで目標を達成したり そなホールディングスも従来の2倍となる年200億円に上積みし、今年度からの4年間で800億円を売却する計画に切り替えた。 保有株が下落すると銀行の自己資本を毀損する恐れがある。会社側が提出した株主総会の議案に追従し、企業統治をゆがめていると の批判も根強い。政策株を持つ理由を上場企業に問う「コーポレートガバナンス・コード」(企業統治指針)が15年に始まると売却を本格化 させた。3メガの保有株は今年3月末時点で計3兆9500億円で、指針が導入された15年から約4割減った。 営業上の関係を強めようと持ち合ってきた株式の売却が加速し、銀行と企業の関係は転機を迎えている。 手元資金が負債を上回る実質無借金の企業が増え、プライベート・エクイティ・ファンドなど銀行と異なる資金の出し手も台頭し、銀行の 存在感はかつてより小さくなってきた。大手行の幹部も「銀行に対する企業側の期待感が大きく下がっている」と認める。 三菱UFJ銀行の林尚見副頭取は「株売却で浮いたリスク資産を企業が始めるビジネスにも(出資で)振り向けていく」と強調する。たとえ ば外航船に勤務する外国人へ電子マネーで給与を支払う日本郵船の新会社にも資本参加した。出資に加え、銀行から人材を送って新事 業の立ち上げを支援する「21世紀型の新たな産業金融」をめざすという。 みずほフィナンシャルグループも融資と出資の中間的な位置付けであるメザニンや劣後ローンなど、資本性に近い資金の供給量を18年 度比で5割近く伸ばした。担当者は「これまでの株保有とは違ったかたちで顧客企業を支援したい」と話す。りそなも劣後ローンの供給を 増やす方針だ。各社はベンチャーキャピタルの機能を使いながらスタートアップへの支援にも力を入れる。 リスクを伴う資金供給ならリターンは厚くなるが、損失が出た際の代償も大きい。「審査の高度化や管理強化に向けた取り組みをさらに 進めてもらいたい」。企業買収に際し、相手先の企業が抱える資産や収益力を担保に融資を実行するLBOファイナンスをめぐり、6月に金 融庁がリスク管理のあり方で苦言を呈した。 念頭にあったのは、自動車部品の旧カルソニックカンセイが19年にイタリアのマニエッティ・マレリを買収した一件だ。取引先である日産 自動車の販売減やコロナ禍で受注が減少して業績が悪化。法的整理で銀行側は約4500億円の債権放棄を求められ、主力のみずほ銀 行を中心に多額の貸倒引当金を計上する事態に至った。リスクに見合ったリターンの享受で収益力の強化もめざすが、リスクの見極めが 重要になる。 3メガの融資量は計270兆円規模で、出資や資本性ローンの残高とは比べるべくもない。銀行は自らもリスクを引き受けながら、企業の 成長を後押しする取り組みがこれまで以上に求められる。 日本株ADR5日、高安まちまち キヤノンが上昇、オリックスは下落 2022/08/06 05:16 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=戸部実華】5日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は高安まちまちだった。 キヤノンが2%近く上げ、三菱UFJやソニーG、トヨタも上昇した。一方、オリックスやホンダ、武田は下落した。 ADD4117円 米国債券10年利回り2.827%、(+0.151) 米国株、ダウ反発 景気懸念の和らぎで金融株などに買い 2022/08/06 05:04 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=川内資子】5日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比76ドル65セント高の3万2803ドル47セント (速報値)で終えた。朝方発表の7月の米雇用統計は労働市場の改善を示す内容だった。米連邦準備理事会(FRB)が積極的な金融 引き締めを続けるとの見方から、幅広い銘柄に売りが先行した。売り一巡後は景気後退懸念の和らぎを意識した買いが金融株や景気 敏感株に入り、ダウ平均は上昇に転じた。 景気動向を映す非農業部門の雇用者数は前月比52万8000人増と、増加幅は前月(39万8000人)から拡大し、市場予想(25万8000 人)を大きく上回った。失業率は3.5%と前月(3.6%)から低下。平均時給は前月比、前年同月比ともに市場予想を上回った。労働市場 は力強く拡大しており、FRBは7月に続き、次回9月の会合でも通常の3倍の0.75%の利上げを続けるとの見方が強まった。 5日の米債券市場で長期金利が一時2.86%と前日終値(2.69%)から大きく上昇(価格は下落)した。米長期金利の上昇で相対的な 割高感が意識されやすいハイテク株を中心に売りが先行した。 半面、経済のエンジンである個人消費を支える雇用市場の改善を受け、足元で強まっていた景気後退懸念がやや和らいだ。化学の ダウや建機のキャタピラーなど景気敏感株の一角が上昇。長期金利の上昇で利ざや拡大への期待からJPモルガン・チェースなど金融 株も買われた。米原油先物相場の反発を受けて石油のシェブロンも上げた。 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日ぶりに反落し、前日比63.025ポイント安の1万2657.555(速報値)で終えた。 7月の銀行貸出残高、前年比2.1%増 21年5月以来の高い伸び 2022/08/08 09:41 日経速報ニュース 日銀が8日発表した7月の貸出・預金動向(速報)によると、全国の銀行(都市銀行、地方銀行、第二地方銀行)の貸出平均残高は前年 同月比2.1%増の511兆8988億円だった。伸び率は2021年5月以来の高さだった。新型コロナウイルス関連の資金需要は落ち着いている 一方、M&A(合併・買収)や不動産向け、原材料コストの上昇や経済活動再開に伴う運転資金需要が高まった。 業態別では都銀が同1.7%増の235兆1428億円と、2カ月連続で前年同月を上回った。地銀と第二地銀は合計で同2.4%増の276兆756 0億円だった。 銀行に信金を加えた残高は同1.8%増の588兆2321億円で、21年5月以来の高い伸び率だった。残高は統計開始以降で最高となった。 信金は横ばいの76兆3333億円だった。 手形や小切手を除き、譲渡性預金を含む預金平均残高は都銀、地銀、第二地銀を合わせて同3.1%増の856兆1906億円だった。 日本株ADR8日、買い優勢 キヤノンとホンダが上昇 2022/08/09 05:09 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=張間正義】8日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)は買い優勢だった。 同日の米市場でダウ工業株30種平均が上昇し、日本株ADRに買いが波及した。 キヤノンとホンダが上昇し、武田とみずほFGも高い。半面、ソニーGとトヨタは下げた。 ADD4125円 米国債券10年利回り2.750%、(-0.090) 2022年08月09日10時41分 三菱UFJなど銀行株が軟調、米長期金利の不可解な水準低下で金融セクターに気迷い 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>などメガバンクが総じて軟調な展開。 ここ全体相場の上昇に合わせ戻り足をみせていたが、きょうは全体地合いが軟化するなか利益確定の動きに押されている。 前日の米国株市場ではJPモルガン<JPM>やバンカメ<BAC>など大手金融株に値を下げるものが目立った。FRBによる 金融引き締め強化の動きとは裏腹に、米長期金利は上昇しにくい状況が続いている。前日の10年債利回りは終値ベース で2.75%台まで低下、金融セクターにとっては不可解な長期金利低下で運用環境の改善期待が後退している。東京市 場でも足もとこれに追随する形でメガバンクなど銀行株に対する売りが目立つ状況となっている。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
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