オープンソース・コミュニティーのプログラマーたちが、米海軍調査研究所(NRL)が開発した
通信システムに改良を加え、『トーア』(Tor)というソフトウェアを開発中だ。インターネット
ユーザーがウェブの閲覧する際に匿名性を確保できるようにし、オンライン上での活動に
対する企業や政府からの監視を防ぐことを目的としている。

トーアのベースとなったのは、NRLの『オニオン・ルーティング』という構想(日本語版記事)だ。
このシステムでは、メッセージ(パケットに載せられた情報)は、分散ネットワークの中から
無作為に選ばれた複数のサーバー(ノード)を通じて送信される。それぞれのサーバーは
直前と直後のサーバーについての情報しか知らない。このネットワークではパケットは
対称鍵暗号で何層にも覆われていて、それぞれのサーバーがデータを受け取った際に
復号できるのは、次のサーバーへの指示を含むいちばん上の層だけだ。

現在のインターネット上を飛び交うデータは通常は暗号化されておらず、通ったルートも
簡単に確認できる。そのため、どのユーザーがどのウェブサイトを閲覧したかといった
関連づけが簡単にできる。

記事
http://hotwired.goo.ne.jp/news/news/technology/story/20040806301.html
Tor: an anonymizing overlay network for TCP
http://www.freehaven.net/tor/