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SS「貴方も如月の家へ来ませんか?」
0001創る名無しに見る名無し
垢版 |
2021/08/30(月) 12:03:50.07ID:NADcnspV
ピンポーン

俺「はいはーい、宅急便ですかー?」

男「あ、すいません私如月の家というものなのですが…」

俺「如月の家…?老人ホームっすか?」

男「あ、いえ老人ホームではないですねー」
0002創る名無しに見る名無し
垢版 |
2021/08/30(月) 12:09:14.20ID:NADcnspV
男「私達如月の家はですねー、この世の苦しみから解放されるべく…」

ピッ

俺「宗教勧誘かよ、つか今深夜だけどよく来るな、眠くないのか?」

俺「そういや如月の家って最近よく聞くな、駅前とかでも結構勧誘してたような…」


隣人『だから!宗教になんか興味ねえって!』


俺「うわっ、勧誘の人あの怖い奴にも勧誘しに行ったのか…しばらくうるさくなりそうだな…」
0003創る名無しに見る名無し
垢版 |
2021/08/30(月) 12:19:06.98ID:NADcnspV
婆「たけし、たけしや、どうかしたかい?大きな声が聞こえたけど…」

俺「あ、婆ちゃん!起きちゃった?」

婆「ちょっと眠れなくてね、元々起きてたから大丈夫さね。
たけしが台所から玄関に言ってるのが見えたからねぇ、その後大きな声がしたもんだから…」

俺「ああ、今のはお隣さんの怒鳴り声だよ、ほらあの金髪でムキムキの…」

婆「ああ、多田さんかえ、普段は優しい人の筈なんだけど、何かあったのかしらねぇ」

俺「え?あ、ああ…さっき宗教の勧誘の人来てたから、多分その人関係なんじゃないかな?」(あの人が優しい…?人は見かけによらない…のか?)

婆「宗教ねぇ…この前行ったゲートボールでそんな感じの人にあった、って話をトメさんから聞いたけど…」
0004創る名無しに見る名無し
垢版 |
2021/08/30(月) 12:23:35.82ID:NADcnspV
婆「確か…なんて名前だったか、睦月だか師走だったか…」

俺「如月じゃない?確かに同じ季節関連の言葉だけどさぁ」

婆「ああ!それそれ、如月!そんな名前だったねぇ、なんでも苦しい事からなんたら…」

俺「解放って言ってたね…というかうろ覚え過ぎない?」

婆「3日前に聞いた話だからねぇ…あんまり覚えてないのよねぇ」
0005創る名無しに見る名無し
垢版 |
2021/08/30(月) 12:29:08.20ID:NADcnspV
俺「にしても、苦しみから解放だとか…胡散臭いよね」

婆「これ!誰かが信じてるものにそういうんじゃありませんよ」

俺「だって、そんなふうに言ってるところはいくらでもあるのにまだまだ苦しい人達はいくらでもいるじゃん、本当に効果あるなら全人類救われるはずじゃない?」

婆「確かに、苦しんでる人達はいっぱいいる。
でもね、たけし。誰かにとっての救いは他人の救いじゃないんだよ」

俺「え?どういうこと?」
0006創る名無しに見る名無し
垢版 |
2021/08/30(月) 12:35:29.05ID:NADcnspV
婆「たけしは果物が好きでしょう?」

俺「うん、まあバナナとか好きだけど…」

婆「でもおばあちゃんはアレルギーで果物はほとんど食べれない、いくらたけしが辛い時にバナナを食べて立ち直れても、あたしはバナナを食べれないからバナナで立ち直れないのさ」

俺(そこまで俺単純だっけ?)

婆「でも、あたしみたいにバナナを食べれない人もいる一方でバナナが好きな人にはバナナは救いになるんだよ、動物園のゴリラさんだってたけしだってバナナでがんばれてるでしょう?」

婆「ばあちゃん、ナチュラルに俺とゴリラを一緒にしないでくれるかな?」
0007創る名無しに見る名無し
垢版 |
2021/08/30(月) 12:36:28.28ID:NADcnspV
ミス、最後の発言者は婆ではなく俺
0008創る名無しに見る名無し
垢版 |
2021/08/30(月) 16:46:01.08ID:fhwaVTKt
『やんごとなき駄目ドラゴン』#1

「……と、言うわけで一部の気の荒い個体や血気盛んな若い者を除いて、基本的に竜族はテリトリーやタブーを
侵されない限り進んで他者を襲わない。古竜と呼ばれる格の高い竜ともなればその特徴は尚、顕著となる」

王国大学。竜人リューコを講師として招いての集中講義だ。

「よって切羽詰まった冒険の時には、刺激せずに通り過ぎる事をお勧めする。しかし多くの竜が財宝や伝説級の
武具を保持している為に、それを目当てに戦いを挑む冒険者も多くいる。心当たりがあるだろう?」
会場にクスクスと笑いが漏れる。大いに心当たりがあるのだから仕方が無い。

「先程竜族は無闇に戦わないと言ったが、覚悟して挑んでくる挑戦者は大歓迎だ。強者に戦いを挑まれ、それを
斥ける事、斥けられる事は最大の誉れだからな。むしろその為に日頃から宝物を溜め込んでると言っても良い。
これらのものは身も蓋も無い言い方をすれば餌なんだが、竜族側の真意は自らを退治する勇者には最大限の
寿ぎを持って応えたい。その褒賞がショボかったら自らの沽券に関わる、ぶっちゃけると見得だな。」
竜視点の戦いの論理。他ならぬ竜人からの言葉ゆえに説得力はいや増す。

「よって、竜族相手には十分に備えて、容赦無く、精一杯戦って貰いたい。そして勝ったなら、その事を大いに誇って
吹聴して欲しい。諸君らの今後の新たな竜退治伝説に期待する。御静聴ありがとう」
大きな拍手が沸き起こる。名高い竜人によるカリスマ溢れる講義であった。


その後は参加者各人に軽食や飲み物が配られ、幾分気楽な空気の中での質疑応答タイムとなった。

「竜と竜人はどう違うんですか?」
王国に来る前までJKだった雪乃は往年の勘を取り戻し真っ先に質問する

「竜人族は意外と種の歴史が浅い。発生条件に天然タイプと合成タイプとが存在する。
天然タイプは、人語を解する温厚な竜が人間と懇ろになってイタしたり、神として崇められた古竜が人身御供で
捧げられた娘と、折角だからとヨロシクやってしまった結果生まれた者だ。」

「……壊れてしまわないのでしょうか。竜とイタして……妄想が捗ります」
誰かが小声で呟いていたが、皆聞こえないフリをした。

「そして合成タイプは、少し昔にどこぞの神々がやたらと竜と多種族とを掛け合わせる実験に奔走した時期があ
って、少なくない竜人が生み出され放逐された。結果、従来稀にしか生まれず、互いに出会う事がなかった竜人が、
集まり、竜人同士の交配が進み、今では小さいながらコミュニティを形成するまでになった。この合成タイプの出現
が竜人族の発生の契機と言えるだろう。」

生命の創造。普段は様々な雑務に勤しむ神々も、偶には神ならではの仕事をこなすようだ。
余談だがハムスターも、ごく最近、とある森に番が目撃されたのを皮切りに、以後世界に広がっていったと言う。
閑話休題。

「竜人族の家格はどのようにして定まっておりますの?本人の実力?先祖の功績かしら?」
ヴォルケッタ子爵(笑)が扇子で口元を隠しつつ質問する。
主催者のマリーは、「はいはい、貴女はどっちもありますね……」といった様子で溜息をつく。

リューコはやや苦笑しつつ、
「強い先祖を持つ家の竜人は地力がそもそも高い。よって次代が受け継ぐ財産も多くなる。その財産を有意義に
用いて更に強くなる。結果、その竜人は発言権も強くなる。これが人間の言う家格というのかどうか……」

「しかし、やはり実力至上主義だな。どんなに金持ちでも弱ければ多種族に退治されて、ハイ、それまでだ。
むしろ……私やこどらのように偉大な古竜を先祖を持つ家系の者は、簡単に負けたりしたら、受け継いだ力
を生かせなかった愚か者と一般(竜)人以上の誹りを受ける。これが家格というならば難儀なものだな」

「ほう、ほう……ほへっ?」

ヴォルケッタを含む全員の視線が、軽食を食べてお腹がくちくなり、涎を垂らして午睡を満喫するこどらに注がれる。

続く?
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