アイデア2
「私、家族を乗っ取られました」
【あらすじ】
現役合格を果たし、晴れて4月からマンションで一人暮らしをする事になった大学1年生の青年『山春 郷夜(やまでら さとや)』。
郷夜は色恋に恵まれる事もなく、大学で知り合った友人『涼木(すずき)』と遊びまくったりして健全なキャンパスライフを送っていた。
6月のある日、いつものように涼木と自宅で遊んでいたら、突如インターホンが鳴り渡り、ドアを開けると身体は傷だらけ・汚れたワンピースを着用する少女『神堂 愛乃(かとう あいの)』が立っていた。
取り敢えず家に入れる郷夜は、涼木と一緒に彼女に事情を聞いた。
すると彼女は『私の家は変なおばさんに乗っ取られた』と泣きながら話す。 【登場人物】
・山春 郷夜(やまはる さとや)
本作の主人公。大学1年生。男。174cm。元々は富山県に住んでいたが、この春東京に上京してきた。
一人暮らしをしており、コンビニバイトをしている。彼女は居ない。
顔はそこそこイケメン。
性格は基本的に冷めているがお人好し。友人とバカやれるぐらいにはノリが良い。2歳上の兄が1人いる。理系。
突如家に押しかけてきた愛乃をなんやかんやで保護している。
友人の涼木に唆されても愛乃をレイプしないあたり、人としての良心は十全に備わっている。
・神堂 愛乃(かとう あいの)
本作のメインヒロイン。中学1年生。女。152cm。元々は神奈川県に住んでいたが、1ヶ月かけて東京に逃げ込んできた。そして郷夜が住んでいるマンションに入り、郷夜の部屋のインターホンを押し、なんやかんや郷夜に保護されるようになる。
顔は美人。小学1年〜小学6年まで水泳の習い事をしていたため、地毛が黒髪から暗い茶髪になっている。友達以上恋人未満の男友達が居たが、乗っ取りおばさんの取り巻きである暴力装置にその男友達を殺されてしまった。
4月の中旬に突然乗っ取りおばさんとその取り巻きの男達に家を乗っ取られ、つい最近まで乗っ取りおばさんに命令された父親に「ごめんな」と言われながら毎日殴られていた。そのため、身体中に痣がある。また、暴力装置に処女を散らされてしまった。
ご飯は月に4回しか食べさせてもらえないため、痩せ細ってしまっている。
性格は、本来は社交的で面倒見が良くお淑やかな優等生だったが、暴力装置や父親に虐待やレイプをされて卑屈で根暗で常に何かに怯えるような性格に変貌してしまった。元来Eカップだったが、Cカップにまで縮んでいる。姉が1人、弟が1人いる。 ・涼木(すずき)
下の名前は不明。大学1年生。男。175cm。生まれも育ちも東京で先祖も東京に住んでる生粋の都民。
実家暮らしをしている。妹が2人いる。
顔はフツメン。髪型がホスト風で金髪(染めてる)であり、雰囲気イケメンでもある。
大学デビューでチャラ男風な風貌にしてみたが、空回りし、彼女は居ない。実家はそこそこお金持ち。
性格は家族や友人に対してのみ明るくノリのいいアホになるが、基本的には根暗でクズでヘタレ。大学では借りてきた猫のように大人しいコミュ障。
涼木に愛乃をレイプするよう唆したりするなどあまり性格がいいとは言えないが、愛乃の服や食べ物を買ってきたり、警察に何度も神堂家が乗っ取られていることを話したりするなど、クズいだけではない。人並みの正義感と行動力はある。
・赤伊 ミチカ(あかい みちか)
大学2年生。女。163cm。茨城県から東京に上京してきた。一人暮らしをしている。
郷夜のバイト仲間であり先輩。ギャル風の見た目だが、性格はツンデレ姉御肌。母性本能をくすぐる相手に弱い。資質は善良。
郷夜が愛乃を匿っている事を知り、最初はからかって郷夜をロリコン呼ばわりしたが、なんだかんだで愛乃の世話をしたり、話し相手になったりして愛乃の心の支えになっている。 ・乗っ取りおばさん
本名は『星槻 美代(ほしづき みよ)』。45歳。女。158cm。神奈川県出身。
内縁の夫がいる。コミュ力と演技力がずば抜けて高い。高度な人身掌握術と話術の持ち主で、暴力装置を始めとする屈強な男の取り巻きを形成。
顔はブス寄りのフツメン。肥満体型。厚化粧であり、明るい茶髪に染めている。
性格はサイコパスであり、他人に対して悪い行いをするのに一切躊躇がない。犯罪行為を行う事に対しても同様に一切躊躇がない。支配欲がずば抜けて高く、暴力装置の暴力と本人の高圧的な態度で神堂家の人間を支配している。
ヤクザとの繋がりがある。痛覚がない。
神堂家を乗っ取ろうとした理由は『なんとなく』であり、これまでも6つの家族を乗っ取っては壊滅させてきた。支配できそうな人間を見分けるのが上手。
・暴力装置
本名は『金川 竜虎(かねがわ りゅうと)』。26歳。男。189cm。ヤクザの末端。兵庫出身。
顔は糸目で頬骨が高い。エラが張っており、ホームベースのような輪郭。
性格は超短気で粗暴。そして性欲が強い。乗っ取りおばさんと同じくサイコパスであり、人を傷つけるのに一切の躊躇がない。前科16犯。とてつもないマッチョである。チンコがかなり大きい。暴力担当。背中に龍の刺青を彫ってある。 ・神堂 達矢(かとう たつや)
43歳。男。177cm。元会社員。神奈川出身。
顔はイケメン。既婚子持ち。姉が1人いる。
性格は優しくて小市民的だが気が弱く、押しに弱い。そのため、強く命令されると反抗出来ない。本来は虐待するような性格ではないが、乗っ取りおばさんに命令されて仕方なく娘や息子を虐待している。
・神堂 那々(かとう なな)
享年42歳。女。159cm。専業主婦。石川出身。兄が3人いる。
性格は夫に似て優しく小市民的。だが委員長気質でもあり、少しばかりルールにうるさい面がある。が、乗っ取りおばさんや暴力装置を始めとした乗っ取り集団には逆らえずにされるがままにレイプされ、最終的には乗っ取りおばさんの取り巻きに殺されてしまった。Aカップ。
・神堂 愛弓(かとう あゆみ)
享年17歳。女。155cm。高校2年生。妹が1人、弟が1人いる。
性格は人見知りで気が弱く、繊細。文学少女であった。友達が何人かいたが、全員暴力装置に殺されてしまった。そして、自らも逃げて近所にSOSを出そうとして見つかり、電気を全身に流されて殺された。Fカップ。
・神堂 広兎(かとう ひろと)
11歳。男。153cm。小学5年生。姉が2人いる。
性格は明るくお調子者であったが、虐待されまくって歪んでしまった。
何でも器用にこなせる万能型の天才。 >>3
ミチカのカップ数はDカップ。
乗っ取りおばさんはAAカップ。 『やんごとなき駄目ドラゴン』#1
「……と、言うわけで一部の気の荒い個体や血気盛んな若い者を除いて、基本的に竜族はテリトリーやタブーを
侵されない限り進んで他者を襲わない。古竜と呼ばれる格の高い竜ともなればその特徴は尚、顕著となる」
王国大学。竜人リューコを講師として招いての集中講義だ。
「よって切羽詰まった冒険の時には、刺激せずに通り過ぎる事をお勧めする。しかし多くの竜が財宝や伝説級の
武具を保持している為に、それを目当てに戦いを挑む冒険者も多くいる。心当たりがあるだろう?」
会場にクスクスと笑いが漏れる。大いに心当たりがあるのだから仕方が無い。
「先程竜族は無闇に戦わないと言ったが、覚悟して挑んでくる挑戦者は大歓迎だ。強者に戦いを挑まれ、それを
斥ける事、斥けられる事は最大の誉れだからな。むしろその為に日頃から宝物を溜め込んでると言っても良い。
これらのものは身も蓋も無い言い方をすれば餌なんだが、竜族側の真意は自らを退治する勇者には最大限の
寿ぎを持って応えたい。その褒賞がショボかったら自らの沽券に関わる、ぶっちゃけると見得だな。」
竜視点の戦いの論理。他ならぬ竜人からの言葉ゆえに説得力はいや増す。
「よって、竜族相手には十分に備えて、容赦無く、精一杯戦って貰いたい。そして勝ったなら、その事を大いに誇って
吹聴して欲しい。諸君らの今後の新たな竜退治伝説に期待する。御静聴ありがとう」
大きな拍手が沸き起こる。名高い竜人によるカリスマ溢れる講義であった。
その後は参加者各人に軽食や飲み物が配られ、幾分気楽な空気の中での質疑応答タイムとなった。
「竜と竜人はどう違うんですか?」
王国に来る前までJKだった雪乃は往年の勘を取り戻し真っ先に質問する
「竜人族は意外と種の歴史が浅い。発生条件に天然タイプと合成タイプとが存在する。
天然タイプは、人語を解する温厚な竜が人間と懇ろになってイタしたり、神として崇められた古竜が人身御供で
捧げられた娘と、折角だからとヨロシクやってしまった結果生まれた者だ。」
「……壊れてしまわないのでしょうか。竜とイタして……妄想が捗ります」
誰かが小声で呟いていたが、皆聞こえないフリをした。
「そして合成タイプは、少し昔にどこぞの神々がやたらと竜と多種族とを掛け合わせる実験に奔走した時期があ
って、少なくない竜人が生み出され放逐された。結果、従来稀にしか生まれず、互いに出会う事がなかった竜人が、
集まり、竜人同士の交配が進み、今では小さいながらコミュニティを形成するまでになった。この合成タイプの出現
が竜人族の発生の契機と言えるだろう。」
生命の創造。普段は様々な雑務に勤しむ神々も、偶には神ならではの仕事をこなすようだ。
余談だがハムスターも、ごく最近、とある森に番が目撃されたのを皮切りに、以後世界に広がっていったと言う。
閑話休題。
「竜人族の家格はどのようにして定まっておりますの?本人の実力?先祖の功績かしら?」
ヴォルケッタ子爵(笑)が扇子で口元を隠しつつ質問する。
主催者のマリーは、「はいはい、貴女はどっちもありますね……」といった様子で溜息をつく。
リューコはやや苦笑しつつ、
「強い先祖を持つ家の竜人は地力がそもそも高い。よって次代が受け継ぐ財産も多くなる。その財産を有意義に
用いて更に強くなる。結果、その竜人は発言権も強くなる。これが人間の言う家格というのかどうか……」
「しかし、やはり実力至上主義だな。どんなに金持ちでも弱ければ多種族に退治されて、ハイ、それまでだ。
むしろ……私やこどらのように偉大な古竜を先祖を持つ家系の者は、簡単に負けたりしたら、受け継いだ力
を生かせなかった愚か者と一般(竜)人以上の誹りを受ける。これが家格というならば難儀なものだな」
「ほう、ほう……ほへっ?」
ヴォルケッタを含む全員の視線が、軽食を食べてお腹がくちくなり、涎を垂らして午睡を満喫するこどらに注がれる。
続く? 『やんごとなき駄目ドラゴン』#1
「……と、言うわけで一部の気の荒い個体や血気盛んな若い者を除いて、基本的に竜族はテリトリーやタブーを
侵されない限り進んで他者を襲わない。古竜と呼ばれる格の高い竜ともなればその特徴は尚、顕著となる」
王国大学。竜人リューコを講師として招いての集中講義だ。
「よって切羽詰まった冒険の時には、刺激せずに通り過ぎる事をお勧めする。しかし多くの竜が財宝や伝説級の
武具を保持している為に、それを目当てに戦いを挑む冒険者も多くいる。心当たりがあるだろう?」
会場にクスクスと笑いが漏れる。大いに心当たりがあるのだから仕方が無い。
「先程竜族は無闇に戦わないと言ったが、覚悟して挑んでくる挑戦者は大歓迎だ。強者に戦いを挑まれ、それを
斥ける事、斥けられる事は最大の誉れだからな。むしろその為に日頃から宝物を溜め込んでると言っても良い。
これらのものは身も蓋も無い言い方をすれば餌なんだが、竜族側の真意は自らを退治する勇者には最大限の
寿ぎを持って応えたい。その褒賞がショボかったら自らの沽券に関わる、ぶっちゃけると見得だな。」
竜視点の戦いの論理。他ならぬ竜人からの言葉ゆえに説得力はいや増す。
「よって、竜族相手には十分に備えて、容赦無く、精一杯戦って貰いたい。そして勝ったなら、その事を大いに誇って
吹聴して欲しい。諸君らの今後の新たな竜退治伝説に期待する。御静聴ありがとう」
大きな拍手が沸き起こる。名高い竜人によるカリスマ溢れる講義であった。
その後は参加者各人に軽食や飲み物が配られ、幾分気楽な空気の中での質疑応答タイムとなった。
「竜と竜人はどう違うんですか?」
王国に来る前までJKだった雪乃は往年の勘を取り戻し真っ先に質問する
「竜人族は意外と種の歴史が浅い。発生条件に天然タイプと合成タイプとが存在する。
天然タイプは、人語を解する温厚な竜が人間と懇ろになってイタしたり、神として崇められた古竜が人身御供で
捧げられた娘と、折角だからとヨロシクやってしまった結果生まれた者だ。」
「……壊れてしまわないのでしょうか。竜とイタして……妄想が捗ります」
誰かが小声で呟いていたが、皆聞こえないフリをした。
「そして合成タイプは、少し昔にどこぞの神々がやたらと竜と多種族とを掛け合わせる実験に奔走した時期があ
って、少なくない竜人が生み出され放逐された。結果、従来稀にしか生まれず、互いに出会う事がなかった竜人が、
集まり、竜人同士の交配が進み、今では小さいながらコミュニティを形成するまでになった。この合成タイプの出現
が竜人族の発生の契機と言えるだろう。」
生命の創造。普段は様々な雑務に勤しむ神々も、偶には神ならではの仕事をこなすようだ。
余談だがハムスターも、ごく最近、とある森に番が目撃されたのを皮切りに、以後世界に広がっていったと言う。
閑話休題。
「竜人族の家格はどのようにして定まっておりますの?本人の実力?先祖の功績かしら?」
ヴォルケッタ子爵(笑)が扇子で口元を隠しつつ質問する。
主催者のマリーは、「はいはい、貴女はどっちもありますね……」といった様子で溜息をつく。
リューコはやや苦笑しつつ、
「強い先祖を持つ家の竜人は地力がそもそも高い。よって次代が受け継ぐ財産も多くなる。その財産を有意義に
用いて更に強くなる。結果、その竜人は発言権も強くなる。これが人間の言う家格というのかどうか……」
「しかし、やはり実力至上主義だな。どんなに金持ちでも弱ければ多種族に退治されて、ハイ、それまでだ。
むしろ……私やこどらのように偉大な古竜を先祖を持つ家系の者は、簡単に負けたりしたら、受け継いだ力
を生かせなかった愚か者と一般(竜)人以上の誹りを受ける。これが家格というならば難儀なものだな」
「ほう、ほう……ほへっ?」
ヴォルケッタを含む全員の視線が、軽食を食べてお腹がくちくなり、涎を垂らして午睡を満喫するこどらに注がれる。
続く? 『やんごとなき駄目ドラゴン』#1
「……と、言うわけで一部の気の荒い個体や血気盛んな若い者を除いて、基本的に竜族はテリトリーやタブーを
侵されない限り進んで他者を襲わない。古竜と呼ばれる格の高い竜ともなればその特徴は尚、顕著となる」
王国大学。竜人リューコを講師として招いての集中講義だ。
「よって切羽詰まった冒険の時には、刺激せずに通り過ぎる事をお勧めする。しかし多くの竜が財宝や伝説級の
武具を保持している為に、それを目当てに戦いを挑む冒険者も多くいる。心当たりがあるだろう?」
会場にクスクスと笑いが漏れる。大いに心当たりがあるのだから仕方が無い。
「先程竜族は無闇に戦わないと言ったが、覚悟して挑んでくる挑戦者は大歓迎だ。強者に戦いを挑まれ、それを
斥ける事、斥けられる事は最大の誉れだからな。むしろその為に日頃から宝物を溜め込んでると言っても良い。
これらのものは身も蓋も無い言い方をすれば餌なんだが、竜族側の真意は自らを退治する勇者には最大限の
寿ぎを持って応えたい。その褒賞がショボかったら自らの沽券に関わる、ぶっちゃけると見得だな。」
竜視点の戦いの論理。他ならぬ竜人からの言葉ゆえに説得力はいや増す。
「よって、竜族相手には十分に備えて、容赦無く、精一杯戦って貰いたい。そして勝ったなら、その事を大いに誇って
吹聴して欲しい。諸君らの今後の新たな竜退治伝説に期待する。御静聴ありがとう」
大きな拍手が沸き起こる。名高い竜人によるカリスマ溢れる講義であった。
その後は参加者各人に軽食や飲み物が配られ、幾分気楽な空気の中での質疑応答タイムとなった。
「竜と竜人はどう違うんですか?」
王国に来る前までJKだった雪乃は往年の勘を取り戻し真っ先に質問する
「竜人族は意外と種の歴史が浅い。発生条件に天然タイプと合成タイプとが存在する。
天然タイプは、人語を解する温厚な竜が人間と懇ろになってイタしたり、神として崇められた古竜が人身御供で
捧げられた娘と、折角だからとヨロシクやってしまった結果生まれた者だ。」
「……壊れてしまわないのでしょうか。竜とイタして……妄想が捗ります」
誰かが小声で呟いていたが、皆聞こえないフリをした。
「そして合成タイプは、少し昔にどこぞの神々がやたらと竜と多種族とを掛け合わせる実験に奔走した時期があ
って、少なくない竜人が生み出され放逐された。結果、従来稀にしか生まれず、互いに出会う事がなかった竜人が、
集まり、竜人同士の交配が進み、今では小さいながらコミュニティを形成するまでになった。この合成タイプの出現
が竜人族の発生の契機と言えるだろう。」
生命の創造。普段は様々な雑務に勤しむ神々も、偶には神ならではの仕事をこなすようだ。
余談だがハムスターも、ごく最近、とある森に番が目撃されたのを皮切りに、以後世界に広がっていったと言う。
閑話休題。
「竜人族の家格はどのようにして定まっておりますの?本人の実力?先祖の功績かしら?」
ヴォルケッタ子爵(笑)が扇子で口元を隠しつつ質問する。
主催者のマリーは、「はいはい、貴女はどっちもありますね……」といった様子で溜息をつく。
リューコはやや苦笑しつつ、
「強い先祖を持つ家の竜人は地力がそもそも高い。よって次代が受け継ぐ財産も多くなる。その財産を有意義に
用いて更に強くなる。結果、その竜人は発言権も強くなる。これが人間の言う家格というのかどうか……」
「しかし、やはり実力至上主義だな。どんなに金持ちでも弱ければ多種族に退治されて、ハイ、それまでだ。
むしろ……私やこどらのように偉大な古竜を先祖を持つ家系の者は、簡単に負けたりしたら、受け継いだ力
を生かせなかった愚か者と一般(竜)人以上の誹りを受ける。これが家格というならば難儀なものだな」
「ほう、ほう……ほへっ?」
ヴォルケッタを含む全員の視線が、軽食を食べてお腹がくちくなり、涎を垂らして午睡を満喫するこどらに注がれる。
続く? 『やんごとなき駄目ドラゴン』#1
「……と、言うわけで一部の気の荒い個体や血気盛んな若い者を除いて、基本的に竜族はテリトリーやタブーを
侵されない限り進んで他者を襲わない。古竜と呼ばれる格の高い竜ともなればその特徴は尚、顕著となる」
王国大学。竜人リューコを講師として招いての集中講義だ。
「よって切羽詰まった冒険の時には、刺激せずに通り過ぎる事をお勧めする。しかし多くの竜が財宝や伝説級の
武具を保持している為に、それを目当てに戦いを挑む冒険者も多くいる。心当たりがあるだろう?」
会場にクスクスと笑いが漏れる。大いに心当たりがあるのだから仕方が無い。
「先程竜族は無闇に戦わないと言ったが、覚悟して挑んでくる挑戦者は大歓迎だ。強者に戦いを挑まれ、それを
斥ける事、斥けられる事は最大の誉れだからな。むしろその為に日頃から宝物を溜め込んでると言っても良い。
これらのものは身も蓋も無い言い方をすれば餌なんだが、竜族側の真意は自らを退治する勇者には最大限の
寿ぎを持って応えたい。その褒賞がショボかったら自らの沽券に関わる、ぶっちゃけると見得だな。」
竜視点の戦いの論理。他ならぬ竜人からの言葉ゆえに説得力はいや増す。
「よって、竜族相手には十分に備えて、容赦無く、精一杯戦って貰いたい。そして勝ったなら、その事を大いに誇って
吹聴して欲しい。諸君らの今後の新たな竜退治伝説に期待する。御静聴ありがとう」
大きな拍手が沸き起こる。名高い竜人によるカリスマ溢れる講義であった。
その後は参加者各人に軽食や飲み物が配られ、幾分気楽な空気の中での質疑応答タイムとなった。
「竜と竜人はどう違うんですか?」
王国に来る前までJKだった雪乃は往年の勘を取り戻し真っ先に質問する
「竜人族は意外と種の歴史が浅い。発生条件に天然タイプと合成タイプとが存在する。
天然タイプは、人語を解する温厚な竜が人間と懇ろになってイタしたり、神として崇められた古竜が人身御供で
捧げられた娘と、折角だからとヨロシクやってしまった結果生まれた者だ。」
「……壊れてしまわないのでしょうか。竜とイタして……妄想が捗ります」
誰かが小声で呟いていたが、皆聞こえないフリをした。
「そして合成タイプは、少し昔にどこぞの神々がやたらと竜と多種族とを掛け合わせる実験に奔走した時期があ
って、少なくない竜人が生み出され放逐された。結果、従来稀にしか生まれず、互いに出会う事がなかった竜人が、
集まり、竜人同士の交配が進み、今では小さいながらコミュニティを形成するまでになった。この合成タイプの出現
が竜人族の発生の契機と言えるだろう。」
生命の創造。普段は様々な雑務に勤しむ神々も、偶には神ならではの仕事をこなすようだ。
余談だがハムスターも、ごく最近、とある森に番が目撃されたのを皮切りに、以後世界に広がっていったと言う。
閑話休題。
「竜人族の家格はどのようにして定まっておりますの?本人の実力?先祖の功績かしら?」
ヴォルケッタ子爵(笑)が扇子で口元を隠しつつ質問する。
主催者のマリーは、「はいはい、貴女はどっちもありますね……」といった様子で溜息をつく。
リューコはやや苦笑しつつ、
「強い先祖を持つ家の竜人は地力がそもそも高い。よって次代が受け継ぐ財産も多くなる。その財産を有意義に
用いて更に強くなる。結果、その竜人は発言権も強くなる。これが人間の言う家格というのかどうか……」
「しかし、やはり実力至上主義だな。どんなに金持ちでも弱ければ多種族に退治されて、ハイ、それまでだ。
むしろ……私やこどらのように偉大な古竜を先祖を持つ家系の者は、簡単に負けたりしたら、受け継いだ力
を生かせなかった愚か者と一般(竜)人以上の誹りを受ける。これが家格というならば難儀なものだな」
「ほう、ほう……ほへっ?」
ヴォルケッタを含む全員の視線が、軽食を食べてお腹がくちくなり、涎を垂らして午睡を満喫するこどらに注がれる。
続く? 『やんごとなき駄目ドラゴン』#1
「……と、言うわけで一部の気の荒い個体や血気盛んな若い者を除いて、基本的に竜族はテリトリーやタブーを
侵されない限り進んで他者を襲わない。古竜と呼ばれる格の高い竜ともなればその特徴は尚、顕著となる」
王国大学。竜人リューコを講師として招いての集中講義だ。
「よって切羽詰まった冒険の時には、刺激せずに通り過ぎる事をお勧めする。しかし多くの竜が財宝や伝説級の
武具を保持している為に、それを目当てに戦いを挑む冒険者も多くいる。心当たりがあるだろう?」
会場にクスクスと笑いが漏れる。大いに心当たりがあるのだから仕方が無い。
「先程竜族は無闇に戦わないと言ったが、覚悟して挑んでくる挑戦者は大歓迎だ。強者に戦いを挑まれ、それを
斥ける事、斥けられる事は最大の誉れだからな。むしろその為に日頃から宝物を溜め込んでると言っても良い。
これらのものは身も蓋も無い言い方をすれば餌なんだが、竜族側の真意は自らを退治する勇者には最大限の
寿ぎを持って応えたい。その褒賞がショボかったら自らの沽券に関わる、ぶっちゃけると見得だな。」
竜視点の戦いの論理。他ならぬ竜人からの言葉ゆえに説得力はいや増す。
「よって、竜族相手には十分に備えて、容赦無く、精一杯戦って貰いたい。そして勝ったなら、その事を大いに誇って
吹聴して欲しい。諸君らの今後の新たな竜退治伝説に期待する。御静聴ありがとう」
大きな拍手が沸き起こる。名高い竜人によるカリスマ溢れる講義であった。
その後は参加者各人に軽食や飲み物が配られ、幾分気楽な空気の中での質疑応答タイムとなった。
「竜と竜人はどう違うんですか?」
王国に来る前までJKだった雪乃は往年の勘を取り戻し真っ先に質問する
「竜人族は意外と種の歴史が浅い。発生条件に天然タイプと合成タイプとが存在する。
天然タイプは、人語を解する温厚な竜が人間と懇ろになってイタしたり、神として崇められた古竜が人身御供で
捧げられた娘と、折角だからとヨロシクやってしまった結果生まれた者だ。」
「……壊れてしまわないのでしょうか。竜とイタして……妄想が捗ります」
誰かが小声で呟いていたが、皆聞こえないフリをした。
「そして合成タイプは、少し昔にどこぞの神々がやたらと竜と多種族とを掛け合わせる実験に奔走した時期があ
って、少なくない竜人が生み出され放逐された。結果、従来稀にしか生まれず、互いに出会う事がなかった竜人が、
集まり、竜人同士の交配が進み、今では小さいながらコミュニティを形成するまでになった。この合成タイプの出現
が竜人族の発生の契機と言えるだろう。」
生命の創造。普段は様々な雑務に勤しむ神々も、偶には神ならではの仕事をこなすようだ。
余談だがハムスターも、ごく最近、とある森に番が目撃されたのを皮切りに、以後世界に広がっていったと言う。
閑話休題。
「竜人族の家格はどのようにして定まっておりますの?本人の実力?先祖の功績かしら?」
ヴォルケッタ子爵(笑)が扇子で口元を隠しつつ質問する。
主催者のマリーは、「はいはい、貴女はどっちもありますね……」といった様子で溜息をつく。
リューコはやや苦笑しつつ、
「強い先祖を持つ家の竜人は地力がそもそも高い。よって次代が受け継ぐ財産も多くなる。その財産を有意義に
用いて更に強くなる。結果、その竜人は発言権も強くなる。これが人間の言う家格というのかどうか……」
「しかし、やはり実力至上主義だな。どんなに金持ちでも弱ければ多種族に退治されて、ハイ、それまでだ。
むしろ……私やこどらのように偉大な古竜を先祖を持つ家系の者は、簡単に負けたりしたら、受け継いだ力
を生かせなかった愚か者と一般(竜)人以上の誹りを受ける。これが家格というならば難儀なものだな」
「ほう、ほう……ほへっ?」
ヴォルケッタを含む全員の視線が、軽食を食べてお腹がくちくなり、涎を垂らして午睡を満喫するこどらに注がれる。
続く? 『お掃除オバチャン』#2
「……と、言うわけで一部の気の荒い個体や血気盛んな若い者を除いて、基本的に竜族はテリトリーやタブーを
侵されない限り進んで他者を襲わない。古竜と呼ばれる格の高い竜ともなればその特徴は尚、顕著となる」
王国大学。竜人リューコを講師として招いての集中講義だ。
「よって切羽詰まった冒険の時には、刺激せずに通り過ぎる事をお勧めする。しかし多くの竜が財宝や伝説級の
武具を保持している為に、それを目当てに戦いを挑む冒険者も多くいる。心当たりがあるだろう?」
会場にクスクスと笑いが漏れる。大いに心当たりがあるのだから仕方が無い。
「先程竜族は無闇に戦わないと言ったが、覚悟して挑んでくる挑戦者は大歓迎だ。強者に戦いを挑まれ、それを
斥ける事、斥けられる事は最大の誉れだからな。むしろその為に日頃から宝物を溜め込んでると言っても良い。
これらのものは身も蓋も無い言い方をすれば餌なんだが、竜族側の真意は自らを退治する勇者には最大限の
寿ぎを持って応えたい。その褒賞がショボかったら自らの沽券に関わる、ぶっちゃけると見得だな。」
竜視点の戦いの論理。他ならぬ竜人からの言葉ゆえに説得力はいや増す。
「よって、竜族相手には十分に備えて、容赦無く、精一杯戦って貰いたい。そして勝ったなら、その事を大いに誇って
吹聴して欲しい。諸君らの今後の新たな竜退治伝説に期待する。御静聴ありがとう」
大きな拍手が沸き起こる。名高い竜人によるカリスマ溢れる講義であった。
その後は参加者各人に軽食や飲み物が配られ、幾分気楽な空気の中での質疑応答タイムとなった。
「竜と竜人はどう違うんですか?」
王国に来る前までJKだった雪乃は往年の勘を取り戻し真っ先に質問する
「竜人族は意外と種の歴史が浅い。発生条件に天然タイプと合成タイプとが存在する。
天然タイプは、人語を解する温厚な竜が人間と懇ろになってイタしたり、神として崇められた古竜が人身御供で
捧げられた娘と、折角だからとヨロシクやってしまった結果生まれた者だ。」
「……壊れてしまわないのでしょうか。竜とイタして……妄想が捗ります」
誰かが小声で呟いていたが、皆聞こえないフリをした。
「そして合成タイプは、少し昔にどこぞの神々がやたらと竜と多種族とを掛け合わせる実験に奔走した時期があ
って、少なくない竜人が生み出され放逐された。結果、従来稀にしか生まれず、互いに出会う事がなかった竜人が、
集まり、竜人同士の交配が進み、今では小さいながらコミュニティを形成するまでになった。この合成タイプの出現
が竜人族の発生の契機と言えるだろう。」
生命の創造。普段は様々な雑務に勤しむ神々も、偶には神ならではの仕事をこなすようだ。
余談だがハムスターも、ごく最近、とある森に番が目撃されたのを皮切りに、以後世界に広がっていったと言う。
閑話休題。
「竜人族の家格はどのようにして定まっておりますの?本人の実力?先祖の功績かしら?」
ヴォルケッタ子爵(笑)が扇子で口元を隠しつつ質問する。
主催者のマリーは、「はいはい、貴女はどっちもありますね……」といった様子で溜息をつく。
リューコはやや苦笑しつつ、
「強い先祖を持つ家の竜人は地力がそもそも高い。よって次代が受け継ぐ財産も多くなる。その財産を有意義に
用いて更に強くなる。結果、その竜人は発言権も強くなる。これが人間の言う家格というのかどうか……」
「しかし、やはり実力至上主義だな。どんなに金持ちでも弱ければ多種族に退治されて、ハイ、それまでだ。
むしろ……私やこどらのように偉大な古竜を先祖を持つ家系の者は、簡単に負けたりしたら、受け継いだ力
を生かせなかった愚か者と一般(竜)人以上の誹りを受ける。これが家格というならば難儀なものだな」
「ほう、ほう……ほへっ?」
ヴォルケッタを含む全員の視線が、軽食を食べてお腹がくちくなり、涎を垂らして午睡を満喫するこどらに注がれる。
続く? なるほど、分かりやすかったなら良かったです。
実はシュタインはスタインと同じく中ボス的な役割で、適度なところで私欲に溺れて退場の予定だったんですが、
最初からいた黒幕の一人だし、この方が盛り上がるかなぁと思ってそうしました。
途中飛ばしまくりですみません。ノリで作ったブラッククロス騎士団に至っては、コードギアスの「ヴァルキュリエ隊」よりも
悲惨な扱いになってしまいましたね。
「ホワイトクロス」という単語も定期的にアレクさんに使ってもらえたおかげで、最後までタイトル詐欺をせずに済みましたw
なるほどゼノギアスご存知でしたか。ファンブックがありますので一言一句いつでも見れますw
最後のスタインが化けの皮を剥がしてぶちまけるところが最高に胸糞で惚れました(シナリオ作った人に)
ああいう自作自演は最高ですね。(そういやスタインが最後に搭乗していたギアが「アルカンシェル」でしたね)
私もグラーフ好きです。ヴァンダーカムといい、ハゲが何故か好かれる傾向にあるらしいですがw
曲だと「飛翔」の特にマリアがソラリス突入する場面と、シェバトが好きですね(そううえばどっかのTRPGの街にシェバトありましたね)
人肉缶詰からカレルレン研究所までの流れも特に好きです。ま、今回はカレルレンにあたる役もシュタインがやってしまいましたが。
分かり難かったと思いますが、今更補足すると、最初にフィッチャーが会話している相手がフローレン本人です。
浮浪者=浮浪人=フロウ+人(レン)という感じです。
なるほど、デイドリームについては「眠り姫」を真っ先に想像して、こっちも最初はギャグのように受け止めていたかもです。
アトラスムスの名前の由来は、蛾で最大の「ヨナクニサン」の学名アトラス・モスから取りました。まあ、対になるキャラにしたかっただけですね。
途中からこちらも追加設定を色々やった結果、アレクの30歳設定を忘れてプレイしてました。
たまに「若いって良いなー」と言われていたような気がしますw
精霊とかドラゴンについてはもっと長引いたりプレイヤーが増えればどんどん取り入れていく予定でしたが、
時間の都合で終戦を早めることになってしまって、申し訳ないです。
リウイは未読ですが、ソードワールド自体プレイしていて、リプレイもバブリーズ、へっぽこと読んでいたので、
たまに(水野さんが卓にいたのか)作品の評判が悪いみたいなことを愚痴られていたような気がします。
今調べてみたら、確かにソーワリプレイの地名がガンガン出てきますね。(ちなみにロードスは本編とアシュラムのスピンオフぐらいまでは読みました)
改めて言いますが、付き合っていただきありがとうございます。
大勢ぶった切ってそれに対する周囲の反応を書いたり、大惨事が起きてそれに怯える周囲のリアルな様子を書くのがとにかく好きなので、
次にGMとして開催するときは、堂々と「ダーク」と明記しておきたいと思いますw
ではでは。 【主人公】スティーブ・マイン
茶髪紫目。男。180cm。アフリカ系アメリカ人。オールバック。筋肉ムキムキ。
寡黙な肉体派。アレックスを『大切な仲間』だと思っている。自分に向けられる好意に鈍感。
【ヒロイン】アレックス・クラフト
金髪緑目。女。177cm。ドイツ系アメリカ人。ローサイドテール。Aカップ。
生真面目な頭脳派。スティーブに片想いしている。女性にしては論理的思考が発達している。
【敵1】ゾンビ(本名:アンダー・マイン)
禿げていて、目は黒。肌が緑色に変色しており、腐敗臭が漂う。男。180cm。元アフリカ系アメリカ人のゾンビ。
快活なおバカ。行動力がずば抜けて高い。近接戦闘が得意。
正体は、2年前に亡くなったスティーブの双子の弟。
【敵2】スケルトン(本名:ショット・クラフト)
全身が骨。男。185cm。元ドイツ系アメリカ人のスケルトン。
本人はいたって常識的だが、ゾンビと悪ふざけをする事が多い。お人好し。弓での遠距離攻撃が得意。
正体は、2年前に亡くなったアレックスの兄。
【敵3】クリーパー
黄緑髪黒目。男。156cm。一見は美少年だが、実際は体全体に爆弾が仕込まれた人造爆弾。ヒトが近づくと本人の意思関係なく自爆しようとする。
おっとりとしてて怖がり。泣き虫。天然気味なところがある。
【敵4】エンダーマン
黒髪紫目。男。198cm。スレンダーな美青年。瞬間移動能力を持つ。物を運べる。水が嫌い。
冷静でほぼ何事にも動じない。やれやれ系でもある。IQ180の天才。 【名前】Steve Mine
【読み方】スティーブ・マイン
【性別】男
【人種】アフリカ系アメリカ人
【身長】180cm
【体重】80kg
【血液型】O型
【髪色】暗い茶髪
【髪型】オールバック
【眼色】紫
【性格】寡黙、実践派、自分に向けられる恋愛感情に対して鈍感
【好きな食べ物】ステーキ
【嫌いな食べ物】ゾンビ肉
【趣味】整地・石掘り・建築などの力仕事
【好みのタイプ】自分に無言でついてきてくれて、文句も言わなくて、頼もしくて強い 【名前】Alex Craft
【読み方】アレックス・クラフト
【性別】女
【人種】ドイツ系アメリカ人
【身長】177cm
【体重】60kg
【血液型】A型
【髪色】黄金
【髪型】ローサイドテール
【眼色】緑
【性格】生真面目、頭脳派(というより理論派)、隠れ寂しがり屋
【好きな食べ物】ケーキ
【嫌いな食べ物】腐ったジャガイモ
【趣味】料理、花摘み
【好みのタイプ】スティーブ スティーブの誕生日→5月17日
アレックスの誕生日→6月24日 『青少年警察団』
【主人公】嵯峨木 満宗(さがき みつむね)
中学3年生の少年。8月6日生まれ。166cm。一人称『俺』。
祖父は名探偵で、父はサラリーマンの中流家庭出身。
少し口が悪く、素直になれない性分だが根本的には善良な熱血漢。
テストの点数は悪いが、地頭は良くずる賢い。五感が鋭い。
咲華に頼まれ、咲華の相棒の探偵をやることになる。
【ヒロイン】鳴芽 咲華(なりめ さきか)
中学3年生の少女。2月7日生まれ。169cm。Cカップ。メガネをかけている。風紀委員長。一人称『私』。
父方祖父は元警視総監兼警察庁長官であり、父は警察庁次長。
父方祖母は元官房長官であり、母は与党議員。
正義とエリートのサラブレッドと呼べるお金持ちな家系に生まれた。
本人は警察官志望であり、将来は父方祖父と同じ警察庁長官になるのが夢。
性格は生真面目かつ仕切りたがり屋であり、不真面目だったり不道徳な人間を許せない性分。命令口調である事が多い。左腕には風紀委員としての朱色の腕章を付けている。
【敵1】暗寺 アスカ(やみでら あすか)
中学2年生の少女。5月16日生まれ。172cm生まれ。Aカップ。灰色のショートヘア。一人称『ボク』。
母子家庭で育ってきており、父性に飢えている。
幼少期から『嫌われる才能』を持った彼女は、ずっと被虐者の立場であり、母親にすら嫌われ虐待されてきた。
性格は飄々としていて、何事にも動じないふざけたような態度を取っているがこれは自分の精神を守るために構築したもの。本来の性格は本人にも分からない。
正体は東京都内でいじめられっ子や孤児を虐殺しまくる殺人鬼。主に包丁やナイフで殺していた。
理由としては『ボクと似たような社会のゴミは抹殺して少しでも社会をキレイにしなきゃ★』と言うもの。 《青少年警察団》
『東京都の治安が悪くなりすぎて、警視庁や警察庁の人間ですら対処が追いつかない』という情報を父親から聞いた咲華が設立した団体。
都立真桜高等学校(しりつまおうこうとうがっこう)では、『治安維持部』で通っている。
【メンバー】
・団長:鳴芽 咲華(なりめ さきか)
・副団長:嵯峨木 満宗(さがき みつむね)
>>18を参照
・メンバーNo.1:十王字 愛嵐(じゅうおうじ あいら)
中学3年生の少女。6月28日生まれ。161cm。Dカップ。生徒会副会長。一人称『あたし』。
『十王字財閥』の一人娘であり、財閥令嬢。その為、団内の財源担当と化している。家は世田谷区にあり立派な豪邸である。通学は行きも帰りもリムジン。
勉強も運動も咲華に負けているため、咲華を一方的にライバル視している。その為、咲華より活躍してやろうという一心で元々入部していた女子テニス部を退部して、青少年警察団に入団した。
性格は負けず嫌いでお調子者。少し空気が読めず、空回りしがち。ピンクと白の縞縞模様のニーハイを履いてきている。
・メンバーNo.2:氷鳥 吉長(ひとり よしなが)
中学3年生の少年。12月31日生まれ。175cm。コンタクトをつけている。一人称『俺』。
母方祖父がロシア人のロシアンクォーターであるため、目が青で美形。
父方祖父はノーベル化学賞を受賞しており、母はハーバード大学で数学教授をしている。
父は強運の持ち主であり、株や宝くじやパチンコで一度たりとも負けたことはない。
家は純和風の屋敷である。これは氷鳥家が有名武将の家であったため。
本人の性格は冷血かつ無慈悲。感情より論理を大切にし、常に合理的であろうとする。
IQ160の天才であり、満宗より名探偵している。
入団した理由は、独自に事件を追っていたら咲華達と合流してそのままスカウトされたから。元化学部所属。 ・メンバーNo.3:我徳 遥海(がとく はるみ)
中学2年生の少女。11月1日生まれ。156cm。Eカップ。一人称『我』・『ハルミ』。
『都立真桜高等学校』の校名の響きに惹かれて、わざわざ中野区から入学してきた。
両親は平凡なアニメオタクで、中流家庭出身。頭が悪いが、運動神経はかなり良く、小学生の頃は毎度持久走1位であった。
ミーハーで電波な厨二病少女。だが、根は常識人で倫理観は善良な一般市民並み。その為、団の常識人担当である。
元陸上部所属で部のエースだったが、『治安維持部』の響きに惹かれて陸上部を辞めて青少年警察団に入団した。
潜入捜査、囮役を担当する事が多い。
・メンバーNo.4:流鏑雨 かな(やぶさめ かな)
中学1年生の少女。4月5日生まれ。147cm。AAカップ。一人称『わたし』。
十王字財閥の従者の家系であり、愛嵐のメイド。
父が元傭兵の為、ミリオタで銃火器の扱いがかなり上手い。
とても人見知りであり、普段はいつもビクビク怯えた態度を取るためにいじめっ子グループにいじめられている。
性格はとても優しく、天然。人を気遣う事ができ、滅私奉公の精神を持つメイドにピッタリな人間。
だが、銃火器を持つと性格が変わり、無表情で冷酷無慈悲なキリングマシーンと化す。
その為、団のアタック担当。 【真桜高等学校生徒会】
@生徒会長:鳴芽 散華(なりめ ちりか)
中学3年生の少女。2月7日生まれ。170cm。Gカップ。視力両眼3.0。一人称『わたくし』。
咲華の双子の姉である。
父方祖父は元警視総監兼警察庁長官であり、父は警察庁次長。
父方祖母は元官房長官であり、母は与党議員。
正義とエリートのサラブレッドと呼べるお金持ちな家系に生まれた。
本人は総理大臣志望であり、将来は母方祖父と同じ総理大臣になるのが夢。
性格は大らかかつ博愛主義であり、差別や不平等を許せない性分。不断定口調である事が多い。右腕には生徒会員としての瑠璃色の腕章を付けている。
………というのは演技であり、実際の性格は咲華以上に仕切りたがり屋かつ支配欲が強い。人の不幸が大好きであり、かなりのサディスト。人間が大嫌い。
ヤクザと繋がっており、非処女。
A副会長:十王字 愛嵐(じゅうおうじ あいか)
>>19を参照。
B書記:浜文 朋則(はまふみ とものり)
中学2年生の少年。172cm。一人称『俺』。
神奈川県横浜市から転校してきた。中流家庭。
真面目で押しに弱く、女体に対して少しだらしないところがある年相応の性格。
散華に片想いしている。
C会計:セルシア・バーベラ
中学1年生の少女。153cm。一人称『ミー』。在日アメリカ人。
親日家の両親と同じく大の親日家であり、念願の日本移住が出来たときは大喜びしていた。両親は共に弁護士であり、現在は日本で仕事してるお金持ち。
社交的で明るく、コミュ力が高い。スキンシップが激しい。結構大雑把。片付けが苦手で料理が下手。 【『治安維持部』顧問】中谷 星子(なかたに しょうこ)
26歳。教師歴4年。3月15日生まれ。172.3cm。Hカップ。体育教師。一人称『アタシ』。
元スラム街出身の孤児。アメリカ軍人である『中谷』という男に引き取られ、『中谷 星子』の名を与えられた。
その後は15歳でアメリカ軍人となり、18歳までずっとアメリカで軍人をしていた。
そして19歳の頃に日本に帰国し、いきなり体育大学に通って教員免許を取得し、現在に至る。
警察庁から、青少年警察団の監視役としての役割が課せられている。
性格はズボラかつ達観している。人の生死に関してシビアな価値観を持ち、芯がある。なかなかに気が強く、余程の事でない限り命令は一切聞かない。
酒とタバコをこよなく愛する独身女性だが、本人は一生独身でも良いと考えている。 敵は、『帝東連合』というヤクザ組織。
東京都の治安を悪化させ、首都を麻痺させ、日本を征服するのが組織の真の目的。
それを阻止するのが警視庁・警察庁であり、青少年警察団なのである。
そして、散華と帝東連合の組長は繋がっている(関係的にも肉体的にも)。
帝東連合は悪魔崇拝を一つの特徴として掲げており、この世は悪が支配する方が良いと考えている。 『ワタシダケノアナタ』
《誰とでも仲良くなれちゃう綾奈と、綾奈にかなり依存している夜重と、ドイツから転入してきた不思議ちゃんのクラーラによる三角関係百合物語。》
【佐春 綾奈】-さはる あやな- 高校2年生
本作の主人公。社交的でコミュ力が高く、少しお調子者。友達は50人ぐらい居る。
一人称は『わたし』。中流家庭出身。弟が2人いる。
【初雨 夜重】-はつさめ やえ- 高校2年生
本作のメインヒロイン。人見知りで恥ずかしがり屋。友達は綾奈だけで、かなり依存気味。一人称は『私』。旧華族家庭出身。姉と兄がそれぞれ1人ずついる。
【クラーラ・ミュラー】高校1年生
本作のメインヒロイン。不思議ちゃんで空想好きでマイペース。友達は今のところ綾奈・夜重の2人。一人称は『クララ』。中流家庭出身。ドイツから来た留学生。一人っ子。
【初雨 奏】-はつさめ かなで- 高校3年生
本作のサブキャラ。生徒会長。眼鏡をかけている。生真面目でお節介焼き。友達は5人いる。綾奈に重度依存している妹を心配している。一人称は『わたくし』。旧華族家庭出身。兄と妹がそれぞれ1人ずついる。 『その魔法少女、廃棄処分品につき』
【あらすじ@】
西暦2160年。
国境は消え、世界は統一された。言語も統一された。
しかし争いは消える事ない。犯罪も消えない。国境を消す前の世界と何も変わらない。
そんな中、人類はしし座銀河団から襲来してきた謎の宇宙生物・ヘドロイトエンペラー(通称H.E)に支配された。
H.Eは、おとめ座銀河団にある生物の住まう惑星・地球を手に入れ、征服するために襲来してきたという。
人々の生活は突如崩壊した。H.Eによって生み出された『ヘドロイト』によって生命の危機を脅かされる事となった。
しかし、人類は既存の兵器のみでヘドロイトを駆逐することも、H.Eを倒すこともままならない。
“このままH.Eに地球は支配されるのかーーー。”
絶望に染まった人類を救ったのは、『エトラ・E・アドレクス』という天才科学者であった。
エトラはグレートブリタニア列島のスコットランド地方の山脈から、H.Eとヘドロイトに対抗出来る武器を作り、力を与える鉱石を発見した。
その鉱石は発見者の名にちなんで『エトラクォーツ』と名付けられ、やがてエトラクォーツを使った武器が生産された。
だが、その武器は未成年の少女にしか扱えない。しかも、“素質”のある者でなければならなかった。 【あらすじ2】
やがて、武器は大量量産出来るようになった。
そして武器は、『アドレクサー』と名付けられ、アドレクサーは素質ある少女の元へと自らを運んだ。
H.Eとヘドロイトに対抗出来る『魔法少女』が生まれ、その魔法少女は各々ユニットを組むことになった。
魔法少女が現れて6年。
ヘドロイトの数は明らかに減少し、H.Eも余裕を隠せなくなってきた頃。
魔法少女ユニットの一つ『インフィニティ・ジェネシス(通称インジェネ、InG)』では、とある魔法少女が疎まれていた。
彼女の名前は『イヴィエラ・ヤマモト』。気の弱い桃色の大和系地球人で16歳。
トロい・弱い・頭が悪い・要領も悪い四重苦な彼女はインジェネ内で孤立し、やがて自発的にインジェネを抜けた。
復讐心でいっぱいの彼女は選択する。
『わたしは、魔法少女なんか嫌いだ!!H.Eの手下になって、魔法少女を一匹残らず殺してやるッ!!』
病み、闇に染まり、堕ちた彼女はH.Eに忠誠を誓い、力を貰う。
そして…『悪の魔法少女』として魔法少女狩りを開始する。 【主人公】
《名前》イヴィエラ・ヤマモト
《正式表記》Iviera Yamamoto
《年齢》16歳
《学年》高校1年生
《誕生月》4月
《身長》157cm
《カップ》C
《イメージカラー》淡いピンク→ウィンター・ローズ
《髪型》ボブカット
《髪色》淡いピンク→スパニッシュ・ローズ
《目色》淡いピンク→スパニッシュ・ローズ
《人種》大和民族
《好きなもの》タコス、笑顔→人肉、魔法少女の悲鳴・死体
《嫌いなもの》グリーンピース、人を傷つけるもの→魔法少女
《家族構成》父、母、弟
《性格 -闇堕ち前-》気が弱く、心優しい。上から押し付けられるのは苦手。
《性格 -闇堕ち後-》魔法少女への復讐以外のことにはまるで関心がない。残虐な行為をするのに抵抗がない。奴隷体質化。短気で怒りやすい。
《概要》
一般的な中流家庭に生まれた普通の女の子。
ある日、アドレクサー『サクラチル』に選ばれて魔法少女になり、『インフィニティ・ジェネシス』という魔法少女ユニットに所属。
だが、弱く・容量も頭も悪く・動きも鈍い彼女は段々とユニット内で孤立し、やがていじめられるようになる。
そして、とあるユニットメイトにある一言を言われて自発的にユニットを脱退。
最初はウジウジとメソメソ泣いていたが、やがて復讐心に心と思考が満たされ、それまで敵対してきたH.Eに忠誠を誓う。
かくしてH.Eの手下になり、既存の魔法少女たちを狩る『悪の魔女・イヴィエラ』として魔法少女達の行手を阻む。 【インフィニティ・ジェネシス メンバーその1】
《名前》クリム・サイトウ
《正式表記》Crim Saito
《年齢》17歳
《学年》高校2年生
《誕生月》5月
《身長》168cm
《カップ》D
《イメージカラー》クリムゾン
《髪型》癖毛ポニーテール
《髪色》クリムゾン
《目色》ヴァイオレット
《人種》大和民族
《好きなもの》辛い物、筋トレ
《嫌いなもの》甘い物、悪漢
《家族構成》父、母、兄
《性格》熱血で暑苦しい。リーダーシップはあるが、亭主関白気味。とにかく攻めの姿勢を崩さない。身内に優しい姉御肌。正義感が強い。
《概要》
『インフィニティ・ジェネシス』のリーダー。
中流家庭に生まれ、武術を学んできた。強さはユニットで1番強い。
ある日、アドレクサー『グレンホノオ』に選ばれ魔法少女になった。
そのリーダーシップと時に魅せる優しさにユニットメイトのほとんどが心酔しており、彼女なしではインジェネは成り立たない。 【インフィニティ・ジェネシス メンバーその2】
《名前》オランジー・ワン
《正式表記》Orange Wang
《年齢》15歳
《学年》中学3年生
《誕生月》7月
《身長》154cm
《カップ》B
《イメージカラー》オレンジ
《髪型》外ハネショートカット
《髪色》クローム・オレンジ
《目色》ラピスラズリ
《人種》漢民族
《好きなもの》小籠包、ヌンチャク
《嫌いなもの》皮蛋、火
《家族構成》母、姉1、姉2
《性格》快活で少し天然。誰に対しても距離が近い。好奇心が強く、なんでもやってみたい。少し乙女チックなところも。ミモゼと仲がいい。
《概要》
『インフィニティ・ジェネシス』の賑やかし担当。
母子家庭で生活保護受給で生活が成り立ってる貧民。強さはユニットで三番目。
ある日、アドレクサー『チャンスーミーフォン』に選ばれ魔法少女になった。
チームの愛され担当でもある。イヴィエラに対しては最後まで優しく接し、居なくなった時は悲しんでいた。 【ミモザ・マコーネン】黄色 黒人
【グリンリ・シュナイダー】緑 ドイツ人
【スカイ・スミス】水色 イギリス人
【アクア・デュラン】青 フランス人
【ヴァイオレッタ・マトチキン】紫 ロシア人 オープン当初は賑わっていたショッピングモールもようやく人だかりが落ち着き、私を初めて入ってみる気にさせた。
通りがかっただけで別に用事はなかったが、前から気にはなっていた。
どんな店があるのか見るだけ見てみようと、そこへ入ったのが、その日の私の運のなさを物語っていた。
店の入り口を潜ると私は思わず笑顔になった。清潔な新しい店内は空調が行き届いており、真夏の扉を開けて外へ出て来たような解放感があった。
店内はよくある感じで、食料品コーナーと化粧品コーナーに挟まれた廊下を素通りすると、エレベーターを見つけた。
客は多く、充分まだ賑わいは続いていると言えたが、オープン当初よりはかなり減ったのだろう。エレベーターに乗ったのは私一人だった。
とりあえず一番上の階まで上がり、そこから階段で下へ降り宇ながら、ショッピングモールをくまなく楽しもうと思った。
エレベーターの扉が閉まり、最上階のボタンを押そうとした私の手が止まった。
5階まで並んだボタンが、地下1階も含めて7つ並んでいた。
ひとつ多い。
3階と4階の間に中4階のボタンがあった。
それは奇妙な感じに歪んでついており、まるで私にしか見えない隠しボタンのようにも感じられた。
好奇心がそうさせたのだろう。
私はそのボタンを押してしまった。
エレベーターが中4階で止まり、扉が開くと、薄暗い倉庫のようなフロアだった。
「なんだ……。店員用じゃないか。客が押さないよう、しっかり蓋しとけよ」
そう呟いて扉を再び閉めかけた私は、背中から強く押され、中4階のフロアに突き出された。
振り向くとエレベーターの扉が閉まり、下に向かって降りて行くのが見えた。
私はわけがわからなかったが、ゆっくりと体ごと振り返り、またエレベーターのボタンを押した。しかし、ランプが点かない。エレベーターは1階で止まったまま、やっては来ない。
私はフロアのほうへ向き直り、誰かいないか探した。店員がいたら事情を話し、ここを出してもらおうと思った。
しかし誰もいない。
フロアには段ボール箱を入れた棚がいくつもあり、広めの隙間をおいて並んでいた。
天井に並んだ蛍光灯が薄く青い光を浮かべており、完全に暗闇ではなかったが、物陰は闇になっていて見えなかった。
非常階段の緑色の光も見あたらず、フロアはおしなべて薄暗い。
従業員用の階段があるんじゃないかと思い、探していると、音が聞こえた。少し先の棚の陰からだ。重たい服を着た人間が歩いているような音に聞こえた。
「すみません!」私は大きな声を出した。「誰かいますか?」
すると足を誰かに掴まれた。
驚いて下を見ると、50歳代ぐらいのおじさんが床に伏せていて、口に人差し指を当てて怖い顔をしている。
「静かにしろ!」おじさんは声を潜めて怒鳴った。「お前、俺の側で騒ぐんじゃねえ!」
「な、何をしているんですか?」私は思わずおじさんに聞いた。
「いいから早くどっか隠れろ!」おじさんは私を急かして言った。「見つかるな! 盾にすんぞ!」
意味がわからず私が突っ立ったままでいると、それは姿を現した。
音がしたほうの棚の陰から、緑色の重そうな兵服に身を固めた男がゆらりと全身を現し、ゆっくりと私のほうへ歩いて来た。
頭には第二次世界大戦の頃の陸軍歩兵がかぶるようなヘルメットをかぶっており、その顔は影に隠れて見えなかった。
手には……何というのだろうか、三八式歩兵銃だったか、長いライフル銃のようなものを持っている。
私は足がすくみ、おじさんと一緒に床に伏せた。
「ばっ……ばかやろう! ひっつくんじゃねえ! 俺まで見つかるだろうが!」
おじさんはそう言うと立ち上がり、私から急いで離れた。俺が立っていたほうへ駆け出すと、そこで目を見開き、ぴたりと足が止まった。
私が何を見て思わず伏せたのか、わかっていなかったようだ。蛇に睨まれた蛙のようにぶるぶると痙攣するようにその場で固まる。フロアに銃声が轟いた。
おじさんが固い床に頭を打ちつけて倒れるのを私は見た。後頭部が割れた音がし、血が水たまりのように広がった。胸からも鮮血が湧き出していた。
セラミックタイルの床に軍靴(ぐんか)の音を鳴らし、おじさんの死体を避けて、兵隊は歩いて来た。
私が隠れる暇もなく、身を竦(すく)ませていると、素通りして行った。
脇を通る時に兵隊の横顔を下から見た。人間とは思えない色をしていた。土のように茶色い肌だった。 オープン当初は賑わっていたショッピングモールもようやく人だかりが落ち着き、私を初めて入ってみる気にさせた。
通りがかっただけで別に用事はなかったが、前から気にはなっていた。
どんな店があるのか見るだけ見てみようと、そこへ入ったのが、その日の私の運のなさを物語っていた。
店の入り口を潜ると私は思わず笑顔になった。清潔な新しい店内は空調が行き届いており、真夏の扉を開けて外へ出て来たような解放感があった。
店内はよくある感じで、食料品コーナーと化粧品コーナーに挟まれた廊下を素通りすると、エレベーターを見つけた。
客は多く、充分まだ賑わいは続いていると言えたが、オープン当初よりはかなり減ったのだろう。エレベーターに乗ったのは私一人だった。
とりあえず一番上の階まで上がり、そこから階段で下へ降り宇ながら、ショッピングモールをくまなく楽しもうと思った。
エレベーターの扉が閉まり、最上階のボタンを押そうとした私の手が止まった。
5階まで並んだボタンが、地下1階も含めて7つ並んでいた。
ひとつ多い。
3階と4階の間に中4階のボタンがあった。
それは奇妙な感じに歪んでついており、まるで私にしか見えない隠しボタンのようにも感じられた。
好奇心がそうさせたのだろう。
私はそのボタンを押してしまった。
エレベーターが中4階で止まり、扉が開くと、薄暗い倉庫のようなフロアだった。
「なんだ……。店員用じゃないか。客が押さないよう、しっかり蓋しとけよ」
そう呟いて扉を再び閉めかけた私は、背中から強く押され、中4階のフロアに突き出された。
振り向くとエレベーターの扉が閉まり、下に向かって降りて行くのが見えた。
私はわけがわからなかったが、ゆっくりと体ごと振り返り、またエレベーターのボタンを押した。しかし、ランプが点かない。エレベーターは1階で止まったまま、やっては来ない。
私はフロアのほうへ向き直り、誰かいないか探した。店員がいたら事情を話し、ここを出してもらおうと思った。
しかし誰もいない。
フロアには段ボール箱を入れた棚がいくつもあり、広めの隙間をおいて並んでいた。
天井に並んだ蛍光灯が薄く青い光を浮かべており、完全に暗闇ではなかったが、物陰は闇になっていて見えなかった。
非常階段の緑色の光も見あたらず、フロアはおしなべて薄暗い。
従業員用の階段があるんじゃないかと思い、探していると、音が聞こえた。少し先の棚の陰からだ。重たい服を着た人間が歩いているような音に聞こえた。
「すみません!」私は大きな声を出した。「誰かいますか?」
すると足を誰かに掴まれた。
驚いて下を見ると、50歳代ぐらいのおじさんが床に伏せていて、口に人差し指を当てて怖い顔をしている。
「静かにしろ!」おじさんは声を潜めて怒鳴った。「お前、俺の側で騒ぐんじゃねえ!」
「な、何をしているんですか?」私は思わずおじさんに聞いた。
「いいから早くどっか隠れろ!」おじさんは私を急かして言った。「見つかるな! 盾にすんぞ!」
意味がわからず私が突っ立ったままでいると、それは姿を現した。
音がしたほうの棚の陰から、緑色の重そうな兵服に身を固めた男がゆらりと全身を現し、ゆっくりと私のほうへ歩いて来た。
頭には第二次世界大戦の頃の陸軍歩兵がかぶるようなヘルメットをかぶっており、その顔は影に隠れて見えなかった。
手には……何というのだろうか、三八式歩兵銃だったか、長いライフル銃のようなものを持っている。
私は足がすくみ、おじさんと一緒に床に伏せた。
「ばっ……ばかやろう! ひっつくんじゃねえ! 俺まで見つかるだろうが!」
おじさんはそう言うと立ち上がり、私から急いで離れた。俺が立っていたほうへ駆け出すと、そこで目を見開き、ぴたりと足が止まった。
私が何を見て思わず伏せたのか、わかっていなかったようだ。蛇に睨まれた蛙のようにぶるぶると痙攣するようにその場で固まる。フロアに銃声が轟いた。
おじさんが固い床に頭を打ちつけて倒れるのを私は見た。後頭部が割れた音がし、血が水たまりのように広がった。胸からも鮮血が湧き出していた。
セラミックタイルの床に軍靴(ぐんか)の音を鳴らし、おじさんの死体を避けて、兵隊は歩いて来た。
私が隠れる暇もなく、身を竦(すく)ませていると、素通りして行った。
脇を通る時に兵隊の横顔を下から見た。人間とは思えない色をしていた。土のように茶色い肌だった。 ほんの少しの可能性でも”0”じゃないから。そこから少しずつ変わり始めるんだ