「……そう。お友達が一緒に悲しんでくれたのね」
キンバリーは中庭のベンチに並んで座り、ムーリンを抱き締めながら、言った。
「いいお友達が出来たのね、ムーちゃん」

「うん」
暫くムーリンは眠そうにキンバリーに凭れかかっていたが、ふいに顔を上げると、言った。
「キム姉、マルと付き合ってるの?」

キンバリーは長いこと夜空の月を見上げていた。今宵の空は無月だった。