「ま、罠だったらマルコムのように私も返り討ちにしてやるまでだわ」
陳氏の部下が運転する車の後部座席に揺られながらドレス姿のモーリンは言った。

「うん。お姉ちゃんは全身凶器だからだいじょーぶ」
隣のムーリンがそう言って笑う。
「いざという時はあたしが助けに入るからね」

「いざという時がないことを祈ってるわ」
モーリンは暗い顔をさらに暗くして呟いた。