「この国の超学歴社会への反抗だよ、それって」ヤーヤは真面目な顔で言った。
「反抗?」
「うん」ヤーヤはタピオカミルクティーをベンチに置くと、話し始めた。「高校なんて何も面白くないよ」
「そうなの?」
「うん。楽しそうにしてる子はしてるけど、その裏ではみんな、他の子を蹴落とそうとばっかりしてる」
「ふーん?」
「表向きは仲良くしてても、友達より上の大学受かることばっかり考えてる」
「大学かぁ」
「大学っていっても結局台大(国立台湾大学)受からないと意味がないじゃん?」
「そうなの?」
「そうだよ。四大学とか言われてるけど、2番目の交通大学とか受かっても周りから言われるのは『凄いね』じゃなく、『あー、台大入れなかったのねー』だもん」
「そんなぁ」
「台大入れたところで卒業すんのがまた難しいしさ」
「ヤーヤは台大目指してんの?」
タピオカミルクティーを噴きそうになりながらヤーヤは笑った。
「まさか! あたしなんか3流の私大がいいとこだから……」