「そうなんだ、ユージン」メイファンは諭すように言った。「椿の邪魔しちゃダメだぞ」
「椿ちゃんは人間界への扉を開けてくれるのよ」秀珀はうっとりするように言った。「それを通ってメイファンとユージンくんは人間界に帰り、私も……」
秀珀はビクビクンと2回痙攣すると、白目を剥いた。あまりに甘美な想像に逝ってしまったようだった。
「お前」メイファンが秀珀に聞く。「人間界行って何すんの?」
「秘密」
「教えろ」
「しょうがないわね。親友のメイファンだから教えてあげるわ」
秀珀は頬を染めてメイファンに耳打ちした。
「なんだそんなことか」メイファンは呆れたように言った。「くだらねー」