「まぁ、ガキどももここ来て座れ」メイファンが手招きをする。「酒、飲むか?」
「あら、ダメよぉ」秀珀が笑いながら手をひらひらと動かす。「それじゃ悪い子になっちゃう」
チョウはメイファンに飛びかかり、捕まえるような動作をしたが、途中で足がすくんだ。
首をはねられかけた記憶が強烈に身に染みついていた。
「椿は……ここに来てないか?」飛びかかる代わりにチョウはメイファンに聞いた。
「うん。私もここかと思ったんだが、来てないらしい」
「メイファン」ユージンが言った。「早くあの子捕まえないと、この世界が滅茶苦茶になっちゃうんだ!」
「あら。捕まえられちゃ困るわ」秀珀が言った。「あのお魚さんに、人間界への扉を開けて貰うんだから」