少し進むと足元に赤黒い『気』の糸が横に張られ、足を引っかけようと待ち構えていた。
「うーん」メイファンは少し考えてから、それに足を引っかけて転んでみた。「わぁ、罠だぁ」
赤黒い『気』が無数の手となり、チェンナの魂を掴むのがわかった。
ぐいぐいと引っ張り、身体から引き出してネズミの形に変えようとする。
「あっ、だめですよー」
そう言いながらメイファンは身に纏った真っ黒な『気』を無数の足に変え、ドカドカと相手の手を踏み潰す。
「失礼な子だね!」
たまらず激怒の表情で秀珀が奥から姿を現した。
「失礼を通り越して無礼!」