チェンナをランが抱っこし、椿と並んで歩き、四人は二つの身体で歩いて海まで向かった。
徒歩で10分もかからない距離を、二人はわざとのようにゆっくりと歩いた。
晩春の風が下から吹き上がって来る。
椿は風に乱される髪を押さえながら「生きてるね」と言った。
ランは頷きながら「壮絶にな」と返した。