0740創る名無しに見る名無し
2019/09/06(金) 19:26:20.29ID:X6On0u4a最後の巨人魔法、『翼ある者<プテラトマ>』だ。
魔力の翼で相手の魔力を吸収すると同時に、自分の魔力として放出する魔法。
「溜める」と「放つ」が基本の巨人魔法の究極。
それによって黒騎士の魔力を枯渇させられるのでは無いかと、ビシャラバンガは考えていた。
「……ニャンダコーレ、奥の手を使う」
「コレ、奥の手とは?」
「翼だ、翼を使う。
翼が見えたら、俺から離れろ。
2体同時に仕留める」
ビシャラバンガは背後を一瞥した。
復活した漆黒の獣が、接近している。
「……ビシャラバンガ、コレ、無理はするな」
「多少は無理をしないと勝てない相手だろう。
肉を切らせて骨を断つ。
とにかく、他に妙案が無いなら大人しく見ていろ」
ビシャラバンガは全身の力を抜いて、棒立ちになった。
これにニャンダコーレは慌てる。
「コ、コレ、どう言う積もりなのだ!?
ビシャラバンガ!」
「喧しいぞ、狼狽えるな。
心静かに待つのだ」
ビシャラバンガは魔力を纏ってもいない。