そこでヘリオクロスが彼に加勢する。

 「僕モ今ノ内ニ叩クベキダト思イマス。
  今ナラ妖獣モ少ナイデスカラ、戦イモ楽ニナルデショウ」

 「ヘリオス、あんたも雨は一等苦手だったじゃないか?
  どう言う風の吹き回しだい?」

 「今ハ、ソウ言ウ事ヲ言ッテル場合ジャ無イッテ事デス」

2対1で押されているアジリアに、今度はニャンダコーレが加勢した。

 「コレ、コレ、落ち着くのだ、コレ。
  急いては事を仕損じると、コレ、言うだろう。
  コレ、一応魔導師会にも断りを入れておかなければ、コレ、私達だけで奴と戦うのでは無いのだ」

ヴェロヴェロもヘリオクロスも彼に説得される。
だが、ここで話が落ち着き掛けていたのに、ビシャラバンガが口を挟む。

 「こちらから打って出るのは、妙案だとは思う」

 「ビシャラバンガ、コレしかし、ヴェラが今どこに居るのか絞り込む必要があるのだぞ、コレ。
  闇雲に市内を歩き回るのでは無く、コレ、土地勘のある者を頼るのだ。
  それは、コレ、やはり魔導師会か都市警察の者だろう」

 「連中が協力してくれるか?」

ビシャラバンガは魔導師会や都市警察の手を借りるのに、否定的だった。
ニャンダコーレは彼を説得する。

 「今は雨だ、コレ。
  魔導師会や都市警察の見回りも少なかろう」