ヘリオクロスは俯き加減で言う。

 「僕ハ……屹度、臆病ナンダナト思イマス。
  コウナッテシマウ前ノ僕モ」

 「ああ、だから無理すんなよ」

 「ソレデモ僕ハ、皆サント一緒ニ居マス。
  コウシテ会エタノモ何カノ縁デス。
  皆一緒デ居マショウ。
  反逆同盟ヲ打チ倒スマデハ……」

 「その後は、どうするんだ?」

ヴェロヴェロの問に、ヘリオクロスは自信の無さそうな声で言った。

 「ヤッパリ、皆撒ラ撒ラニナッチャウンデスカネ……?」

 「そりゃ何時までも皆仲良く一緒にって訳には行かねえだろうな。
  今は皆、目的があって一緒に居るだけだ。
  何時か、それぞれの道を見付けて歩く事になる」

 「僕ニハ何モアリマセン……」

小声で零したヘリオクロスを、ヴェロヴェロは慰める。

 「まぁ、そんな物だろう。
  俺だって今後の事なんか、何も決めちゃいねえんだ。
  でも、何とかなるさ。
  そう言う気持ちで居なきゃ、後ろ向いてばっかじゃ、どう仕様も無えぜ」

 「ヴェロサンハ強イデスネ……」

 「そうでも無えよ。
  雑な持ち上げ方すんな」

何時の間にか、外は雨になっていた。
それぞれの思いを胸に、囮作戦の日を迎える。