一方、ボルガ市内ではビシャラバンガとポイキロサームズの他にも、反逆同盟と戦う仲間が居た。
それは自称妖獣の天敵、猫型妖獣のニャンダコーレである。
ニャンダコーレは同じ猫型の妖獣、魔猫や化け猫に混じって、情報収集をしていた。
彼は道行く化け猫に話し掛ける。

 「コレ、そこの!」

 「ニャー、儂ん事(きょと)きゃにゃ?」

化け猫は酷い訛りだったが、言葉を理解出来ない訳では無かった。

 「コレ、そうである、そうである」

 「ニャんの用きゃや?」

 「コレ、この街は、どうなっているのだ、コレ?」

 「おミャーしゃんはニャんも知りゃんと来たんきゃにゃ?」

 「コレ、どう言う事なのだ?」

 「しゃーニャーのー。
  知りゃにゃー教(おしぇ)ーちゃーや。
  ニャンダキャ様(しゃま)の再来(しゃいりゃい)でゃーよ」

 「ニャンダキャ……。
  コレ、ナンダカナンダカの事かな?」

 「人間(にゃんぎゃん)共に反乱(はんりゃん)を起こしたニャハトギャーブときゃ言うんぎゃ、
  居ってにゃ……。
  そん手下ぎゃ生き残(にょこ)っちょって、仲間(にゃきゃみゃ)を集めちょーっち、
  話(はにゃし)だぎゃ」