0426創る名無しに見る名無し
2019/05/11(土) 18:24:58.26ID:CYlFr8c1「何故、急に考えを変えたのだ?」
「貴方は私を愛していると言ってくれた」
「それだけの事で?
「どうしたの?
怖くなった?
取り消すなら良いよ。
少し残念だけど」
何の気無しにサティが言った事を、バニェスは挑発と受け取って意地を張った。
「何が怖い物か!
見縊ってくれるな!
約束だぞ、違えるなよ!
お前は私に子を預けるのだ!!」
「ええ、私達の子をお願いね」
サティは優しく言ったが、本当はバニェスは不安だった。
自分が真面に子を生めるのか、失敗したらサティに失望されるのでは無いか……。
勢いでも何でも受けると言った以上は、止めたいとは言えない。
サティはバニェスに助言する。
「どんな子にするか、どんな子が良いのか、今から考えておいて。
中々決められないとか、不安な事があるなら、ウェイルさんとかバーティに聞くと良いよ。
私も良い子が生まれる様に協力する」
正直な所、バニェスには彼女の助言が有り難かった。
しかし、高位貴族の自尊心が邪魔をして、素直に礼を言えない。
「心配は無用だ。
この大伯爵の子なのだから、立派な子になるに決まっていよう!」
バニェスは強がって見栄を張る。
それをサティは微笑ましく思うのだった。