0425創る名無しに見る名無し
2019/05/11(土) 18:24:32.39ID:CYlFr8c1「分からない……。
但、従順な従僕を欲していた訳では無い事だけは確かだ……」
「そうなの?」
「私は純粋に、お前と私の性質を併せ持った子を望む。
力の大きさは問題にしない。
それが、どうやって生きるのか、どの様な生を選ぶのか、唯それを知りたい」
それを聞いたサティは、自分が目的を持って子を生もうとしている事が、悪い事の様に思えて来た。
望む儘の性質の子が生まれるからこそ、バニェスの態度の方が、真に子の為を思う親としては、
正しいのでは無いかと。
そもそもサティはデーモテールの混沌の海を渡れるだけの、能力を持った存在を生みたかった。
彼女は我が子を、エティーを他の世界と結ぶ、定期便にしたかった。
その為には、余計な心は持たない方が良く、使命に忠実であるべきだと思っていた。
「……バニェス、もし今抱いている子が無事に生まれたら……。
私は貴方に新しい命を託そうと思う。
私の分身となる命を」
「良いのか?
私は生まれて来た子を愛せるかも分からないのに?」
「屹度、大丈夫。
そう信じてる。
私と貴方の子だから」
サティの信じると言う台詞に、バニェスは弱かった。