彼女を愛していると言うのは、決して嘘や冗談では無い。
だが、どう愛していると聞かれても、それは中々答え難い。

 「……お前が居ないと、私は退屈だ」

 「それが愛?」

 「私は愛を尋ねて回った。
  そうして得た情報を総合すると、やはり私は、お前の事を愛しているのだと思う」

 「どの位?」

 「どの位だと……!?」

サティの問にバニェスは真剣に考え込んだ。

 「そ、そうだな……。
  私は、やはり我が身が可愛いと思う。
  しかし、お前は……。
  ウーム、我が身より可愛いかと言うと、それは判らん。
  しかし、しかし、そこらの有象無象共よりは確実に……」

 「そう……」

少し残念そうな声の彼女に、バニェスは慌てる。

 「な、何なのだ!?
  何が不満なのだ!
  私が1番ならば、お前は2番だ。
  ……多分、恐らくな?
  この大伯爵にとって、我が身に次いで大事だと言うのだぞ!」