0421創る名無しに見る名無し
2019/05/10(金) 18:39:10.65ID:0FnPa1Gn「愛するか愛さないか、その位は自分で決めたい」
それに対し、サティは途端に冷たい声になって言う。
「では、貴方に子は預けられない」
彼女に断られても、バニェスは余り落胆しなかった。
どちらかと言うと、子を愛すると言う義務を押し付けられるよりは良いと、安心していた。
所詮その程度の物だったのだと、バニェスは自分を納得させる。
元より、この世界で己より大切な物がある訳が無いのだと。
「仕方が無い。
所でサティよ、その子は何時生まれるのだ?」
「私が十分に魔力を注ぎ終えたら」
「それは何時頃になるのかと聞いている」
「……もう20日程」
「長いな。
その間、私は退屈だ」
バニェスは今になって、バーティの言っていた事が少しだけ解った。
「……サティ、どうやら私は、お前を愛しているらしい」
「そうなの?
どう愛しているの?」
サティの問にバニェスは答え倦ねる。