0417創る名無しに見る名無し
2019/05/08(水) 18:39:11.78ID:vOey7H8J「どうして彼女との子が欲しいと思ったのか、その経緯を教えてくれ」
「経緯と言われてもな……。
サティが日の見塔の一室に篭もり切りだったので、どうしたのかと思って訪ねに行ったのだ。
そうしたら、子を抱いているから離れられないと言う。
私は子を知らなかったので、子とは何かと聞けば、配下の様な物だと。
だから、私とサティとの子を配下に持とうと考えたのだ」
「配下に持って、どうする気だったのだ?」
「否、深い意味は無い。
どんな子が生まれるのか興味があった」
バーティは何度も頷きながら、バニェスの内心を推し量る。
「詰まり、子自体に然して興味は無かったのだな。
それではサティが頷かないのも解るよ」
「どう言う事だ?」
「そなたは本気で子が欲しかった訳では無いと言う事だ。
頑是無いかな、丸で愛玩物を欲しがる様だよ。
本気で子が欲しいと思うならば、子をも愛さなければならぬ。
何と無くでは駄目だ。
猛烈に欲して堪らぬと言う位でなくてはな」
「……そこまで強くは思っておらぬ……」
「では、諦め給え」
バニェスは子に対して、そこまでの熱情を持っていない。
バーティは冷淡に打ち捨て、呆れた様に溜め息を吐く。