バニェスの反応にバーティは感慨深気に頷く。

 「初心だな。
  良い、良い。
  幼子を見守る心境であるよ」

 「初心とは何だ?
  私が幼子だと?」

 「初心とは物事を知らぬ様だ。
  初めて愛を知るのだから、それは当然の事。
  何等、恥じる事は無い」

 「別に恥じてはいないが……」

困惑するバニェスに、バーティは告げた。

 「とにかく『一緒に居たい』と思う気持ちが大事だ。
  一緒に居て、楽しいだとか、嬉しいだとか、喜ばしいだとか、そう言う気持ちになるか?」

 「ウーム……。
  少なくとも不快では無いかな……」

バーティはバニェスを凝(じっ)と観察している。
それに気付いたバニェスは、不快感を声に表して言った。

 「何なのだ?」

 「いや、そなたは本当にサティとの子が欲しいのかと思ってな……」

彼女の疑問が、バニェスは解らない。

 「何故、そう思うのだ?」