それを見ていたネーラは、ラントロックに改めて水を詰めた小瓶を渡す。

 「主の力になりたいと思っているのは、私も同じだよ。
  フテラとテリアの事は残念だったけど、私の力が必要になったら、何時でも呼んでくれ」

ラントロックは小瓶を受け取りつつ、この場に残る彼女が心配で言った。

 「ネーラさんこそ大丈夫なのかい?
  もし、ここにマトラが現れたら……」

 「私には水鏡の魔法があるから大丈夫。
  海でも川でも、どこにでも逃げられる」

遣り取りを傍で聞いていたウィローは眉を顰める。

 「私が大丈夫じゃないんだけどね……」

リベラは申し訳無さそうに、彼女に言う。

 「ウィローさんも私達と一緒に行きませんか?」

 「ヘッ、冗談だよ。
  若い子には付いて行けないさ。
  私も旧い魔法使いの一人、自分の事は自分で何とかするさね」

ウィローは苦笑いして断った。
こうして一行は再び反逆同盟と戦う決意を新たにする。
人の姿を失って逃走してしまったフテラとテリアも探しながら……。