坂道を登り切ると、目的地であるケーユチ村が一望できた。
何の変哲もない普通の村って感じだね……。
僕達はケーユチ村を目指してゆっくり下っていった。

村に着くと最近ゴブリンの棲家が出来て困っているとのこと。
正直僕達には関係のない話なんだけど……。

>「……どうしましょう?」

192さんが目配せしながらゴブリンをどうするか問うてくる。
やめてよそんな純粋な眼で見ないで。
僕は普通にスルーしても構わないんだからね。

「おっほん。僕達はしがない冒険者なのですが……。
 村長殿、ゴブリンの棲家が出来て悩みの種になっておられるとか。
 ここで会ったのも何かの縁。そのお困り事、僕達に任せては頂けませんか?」

「おお、それは助かる。宿屋の主人には言っておくので
 今晩の宿代は結構ですじゃ。是非ともよろしく頼みますぞ」

村長と話をつけると、なんと宿代が浮いた。やったね。徳は積むものだよ。
さぁ、今日中にケリを着けてタダで枕を高くして寝ようじゃないか。

「棲家はケーユチ村にほど近い洞窟にある。
 僕が援護するから二人でひたすら斬り倒してくれたまえ!
 なぁに、所詮は低級魔物。きっとゴリ押しでなんとかなるよ!」

お誂え向きに棲家から飛び出してきたゴブリンにショックを唱える。
杖から暗黒の雷が飛び出し、ゴブリンは丸焼きになった。

「なんか時短テクとかあったら存分にやっちゃって!僕も手伝うから!」